説明

玩具

【課題】 手品のように不可思議さを味わえ、相手の前で何度も実技可能であり、相手に渡して実技をしてもらうことも可能な玩具を提供すること。
【解決手段】 2つの外枠と、2つの外枠を向かい合うようにつなぐ矩形の台紙2とを組み合わせてなる玩具1において、2つの外枠における内側板の周壁近傍にL字型のスリットを有し、台紙は、長辺と平行で、前面と底面とを区分する台紙山折線と、前面の長辺を中心で2分割する前面中央谷折線と、底面の長辺を中心で2分割する底面中央山折線と、前面と前記2つの外枠との取付け部近傍に位置し、前面中央谷折線と平行な2本の前面山折線と、底面と前記2つの外枠との取付け部近傍に位置し、底面中央山折線と平行な2本の底面山折線と、底面山折線と台紙山折線との交点から、台紙山折線と45°の角度で底面中央山折線に向かって伸びる2本の底面谷折斜線とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折紙の玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、手品ブームによりテレビ番組などで様々な手品が取り上げられている。又、安価で容易に実行可能な手品具が多く売り出されており、特許登録や実用新案登録もなされている。
【0003】
昔から手品の定番の一つに切断マジックというものがある。よく見るのは女性を台に寝かせて鋸などで切断して胴体と手足をバラバラにし、又元に戻すというマジックである。このようなマジックを手軽にできるように、人の代わりに紙を用いた切断マジックの手品具が売り出されている。
【0004】
例えば実公平7−500号公報(特許文献1)では、紙葉切断マジックの手品具が提案されている。特許文献1では切断部材を手品具の正面から差し込むと、手品具の中に仕掛けているダミーの切断部材の歯が手品具を貫通したように裏から飛び出し、差し込んだ切断部材をスライドさせると一緒にダミーの切断部材もスライドし、まるで紙葉を切断したように見せるものである。実際は差し込んだ切断部材と裏から飛び出した歯は別のものであり、手品具内部で紙葉を迂回しているため切断されないというタネである。
【0005】
このような手品具は、多数提案され売り出されているが、手品としてのみ使うものが多く、タネを見破られないようにする為には一度乃至数回程度しか実技をできないという問題点があった。
【特許文献1】実公平7−500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、手品のように不可思議さを味わえ、相手の前で繰り返し実技可能な玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明の玩具(1)は、所要幅の周壁(51)と周壁(51)に囲まれた方形の内側板(41)を有する2つの外枠(3,3´)と、2つの外枠(3,3´)における内側板(41)の内側面を向かい合わせるように、両外枠(3,3´)をつなぐ長辺と短辺からなる矩形の台紙(2)とを組み合わせてなる玩具(1)において、2つの外枠(3,3´)における内側板(41)の周壁(51)近傍にL字型のスリット(7)を有し、台紙(2)は、長辺と平行で、前面と底面とを区分する台紙山折線(10)と、前面の長辺を中心で2分割する前面中央谷折線(11)と、底面の長辺を中心で2分割する底面中央山折線(14)と、前面と前記2つの外枠との取付け部近傍に位置し、前面中央谷折線(11)と平行な2本の前面山折線(12,13)と、底面と前記2つの外枠(3,3´)との取付け部近傍に位置し、底面中央山折線(14)と平行な2本の底面山折線(15,16)と、底面山折線(15,16)と台紙山折線(10)との交点から、台紙山折線(10)と45°の角度で底面中央山折線(14)に向かって伸びる2本の底面谷折斜線(17,18)とを有することを特徴とするものである。
【0008】
請求項1の発明によれば、2つの外枠(3,3´)を両側から挟み込むと、台紙(2)が上述した折線で、不可思議な折り畳まれかたをする玩具を提供することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の玩具(1)において、台紙(2)が、短辺をL字型のスリット(7)に固定されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明によれば、外枠(3,3´)のスリット(7)より紙葉(4)を挿入するとき、台紙(2)と容易に近接させることができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の玩具(1)において、2つの外枠(3,3´)の周壁(51)は、内側面よりも台紙方向に僅かに突出していることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3の発明によれば、2つの外枠(3,3´)を閉じたとき、中の台紙(2)を突出部分が合わさってできる空間の中に隠すことができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の玩具(1)において、2つの外枠(3,3´)は、台紙(2)を保持するための台紙保持具(5)と、台紙保持具(5)の周縁を覆う台紙保持ケース(6)とを有することを特徴とするものである。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4に記載の玩具(1)において、台紙(2)は、長辺の端部近傍に台紙保持具(5)に係止するための保持用谷折線(20)を有することを特徴とするものである。
【0015】
請求項5の発明によれば、台紙(2)を台紙保持具(5)に強固に固定できる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の玩具において、前記台紙(2)は、厚紙又は樹脂を用いていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項6の発明によれば、耐久性のある玩具(1)を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、手品のように不可思議さを味わえ、相手の前で繰り返し実技可能な玩具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態の玩具1は、所要幅の周壁51と当該周壁51に囲まれた方形の内側板41を有する2つの外枠3,3´と、当該2つの外枠3,3´を向かい合うようにつなぐ長辺と短辺からなる矩形の台紙2とを組み合わせて構成されている。
【0020】
台紙2は、長辺と平行で台紙2を前面と底面とに区分する台紙山折線10と、前面の長辺を中心で2分割する前面中央谷折線11と、底面の長辺を中心で2分割する底面中央山折線14と、前面と2つの外枠3,3´との取付け部近傍に位置し、前面中央谷折線11と平行な2本の前面山折線12,13と、底面と2つの外枠3,3´との取付け部近傍に位置し、底面中央山折線14と平行な2本の底面山折線15,16と、底面山折線15,16と台紙山折線10との交点から、台紙山折線10と45°の角度で底面中央山折線14に向かって伸びる底面谷折斜線17,18とを有する。
【0021】
2つの外枠3,3´は、内側板41の周壁51近傍にL字型のスリット7を有する。また、2つの外枠3,3´は、台紙保持具5と、台紙保持ケース6とを嵌合して構成されている。台紙2は台紙保持具5と台紙保持ケース6との間に挟持されている。
【0022】
従って、L字型のスリット7から紙葉4を挿入して、2つの外枠3,3´を両側から挟みこむと、台紙2が備える折線で台紙2が折り畳まれ、外枠3,3´のスリット7を貫通させた紙葉4も共に折り畳まれる。このため、両側から挟みこむことにより近接している2つの外枠3,3´の間にカードを挿入すると、まるで紙葉4が切断されているように見える。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。本実施例の玩具1は断面がL字型で折り線が入った台紙2と、2つの外枠3とから構成されている。台紙2は外枠3,3´を向かい合ってつなぐように取付けられており、2つの外枠3,3´を両側から挟み込むと中の台紙2が折り線に沿って折り畳まれる構造となっている。外枠3,3´の内側板41には、隣り合う2辺と周壁51との間に紙葉4を通すためのL字型のスリット7が設けられており、台紙2の端部がこのL字型のスリット7に取付けられている。
【0024】
台紙2は外枠3,3´から取り外して広げると長辺と短辺からなる矩形状となっており、両側の長辺の中央には、両側の長辺と平行に台紙山折線10を有している。台紙2をこの台紙山折線10で折り曲げることにより断面がL字型となる。以下、台紙山折線10で分割された2面のうち1面を前面とし他方の面を底面とする。又、L字型の台紙の外面を表面とし、内面を裏面とする。山折と谷折は折り方を区別するものであり、台紙2が平面時に山折と谷折は逆に折り曲げていることを意味するものである。
【0025】
図1、図2に示すように、台紙2の前面には、前面を縦に2分割する前面中央谷折線11と、前面左山折線12と、前面右山折線13を有する。前面左山折線12と前面右山折線13は、前面と外枠3,3´とを取付けてある部分の近傍に前面中央谷折線11と平行に設けられており、前面を正面から見て左側を前面左山折線12、右側を前面右山折線13としている。前面中央谷折線11の左側の面を左前面21、右側の面を右前面22とする。
【0026】
台紙2の底面には、底面を左右に2分割する底面中央山折線14と、底面左端近傍の底面左山折線15と、底面右端近傍の底面右山折線16と、底面左谷折斜線17と、底面右谷折斜線18を有する。底面中央山折線14は、前面中央谷折線11と台紙山折線10で連続している。底面左山折線15と底面右山折線16は、底面と外枠3,3´が取付けてある部分の近傍に底面中央山折線14と平行に設けられており、左側を底面左山折線15、右側を底面右山折線16としている。底面左谷折斜線17は、台紙山折線10と底面左山折線15との交点から底面中央山折線14に向かって、台紙山折線10と45°の角度で伸びており、底面右谷折斜線18は、底面中央山折線14を基準にして底面左谷折斜線17と対称に伸びている。ここで、底面左谷折斜線17と底面左山折線15との間の三角面は第一左三角面23とし、底面左谷折斜線17と台紙山折線10と底面中央山折線14との間の三角面は第二左三角面24とし、底面右谷折斜線18と底面右山折線16との間の三角面は第一右三角面25とし、底面右谷折斜線18と台紙山折線10と底面中央山折線14との間の三角面は第二右三角面26とする。
【0027】
紙葉4は折り曲げることにより断面をL字型にして、どちらか一方の外枠3,3´のL字型のスリット7から他方の外枠3,3´のスリット7に向かって挿入する。紙葉4を挿入した場合、図3に示すように台紙2の裏側に紙葉4が略平行に並ぶ。紙葉4は有価証券や、紙幣のように手元にあるものを用いるのがよいが、L字型断面のL字の全長が、外枠3,3´のスリット7のL字の全長より短いものであればどのような紙葉4を用いることも可能である。しかし、台紙2に支持されて折曲がるため硬い物は避けたほうがよい。
【0028】
2つの外枠3,3´の距離を狭めると、上述した折線が折り曲がり、図4〜図9に示すように紙葉4も台紙2に支持されて同様に折り曲がる。この時の折り曲がり方について述べる。台紙山折線10は前面と底面の両裏面が近接するように折り曲がり、前面中央谷折線11は左前面21と右前面22の表面が向かい合うように折れ曲がり、前面左山折線12は左前面21の裏面と左外枠3の内側面が近接するように折れ曲がり、前面右山折線13は右前面22の裏面と右外枠3´の内側面が近接するように折れ曲がる。底面中央山折線14は前面中央谷折線11に近接するように折れ曲がり、底面左谷折斜線17は第一左三角面23と第二左三角面24の表面が近接するように折れ曲がり、底面右谷折斜線18は第一右三角面25と第二右三角面26の表面が近接するように折れ曲がり、底面左山折線15は第一左三角面23の裏面と左外枠3の内側面が近接するように折れ曲がり、底面右山折線16は第一右三角面25の裏面と右外枠3´の内側面が近接するように折れ曲がる。
【0029】
2つの外枠3,3´が完全に閉じた場合、左外枠3の内側面から順に、第一左三角面23、第二左三角面24、左前面21、右前面22、第二右三角面26、第一右三角面25が重なるようにして折り畳まれ、右外枠3´の内側面が更に重ねられる。
【0030】
台紙2は、紙葉4を挿入している状態で外枠3,3´を閉じるとき、紙葉4を一緒に折り畳むので、紙葉4より柔らかい材料を用いると台紙2の有する折線で折り畳むことが困難になる。又、余りに硬い材料を用いると外枠3,3´を閉じることが困難となる。更に、破れやすい物や割れやすい物を用いると、耐久性が悪くなる。よって、加工しやすく、紙幣や薄紙より硬い物で、耐久性のよい物を材料として用いている。これは、厚紙でもよく、軟質の樹脂板や、布に樹脂を含浸させたものでもよい。
【0031】
本実施例の玩具1は図10に示すように、台紙2と外枠3、3´に分解でき、外枠3、3´はさらに台紙保持具5と台紙保持ケース6に分解できる。
【0032】
台紙2を伸ばして平面にすると図11に示すように折れ曲がり線と切り込みを有する長方形の面となる。尚、図11において破線は谷折、一点破線は山折を表している。上述した折れ曲がり線を平面上で表面側から述べると、台紙山折線10と前面左山折線12と前面右山折線13と底面左山折線15と底面右山折線16と底面中央山折線14は山折りとなり、前面中央谷折線11と底面左谷折斜線17と底面右谷折斜線18は谷折りとなる。又、台紙保持具5と台紙2を取り付けるために台紙2の端部近傍に前面中央谷折線11と底面中央山折線14と平行に保持用左谷折線19と保持用右谷折線20が設けられている。
【0033】
台紙山折線10の端部には、台紙2の外縁から前面左山折線12、底面左山折線15の間に隙間を開けるように左切り込み31が設けられており、台紙2の外縁から前面右山折線13、底面右山折線16の間に隙間を開けるように右切り込み32が設けられている。これは台紙2をL字型にして台紙保持具5に取付けるときのL字の角部となり、折り曲がり易くなるように設けているものである。又、底面中央山折線14と底面左谷折斜線17と底面右谷折斜線18とが交差する部分には、折り曲げ易いように略半円形に切込み33が設けられている。更に、後述する台紙保持具5の突起7を避けるために突起用の切込み34が設けられている。
【0034】
台紙保持具5は図10、図12に示すように方形の内側板41と、任意の高さの内壁42から構成されており、内側板41には上述したように隣り合う2辺と内壁42との間にスリット7が設けられている。又、向かい合う内壁42の一組の外縁には、台紙保持ケース6に固定するための突起43が設けられている。台紙保持具5の内側板41の面積は、台紙2の左前面21、右前面22より僅かに大きく成型されている。保持用左谷折線19と保持用右谷折線20とで折曲がってできた面の端部側は、台紙保持具5に鉤止するように、台紙保持具5に取付けられる。台紙2の突起用の切り込み34はこの突起43を避けるために設けている。
【0035】
台紙保持ケース6は、周壁51を枠とする方形の枠形であり、台紙保持具5との間に台紙2を挟持して、台紙保持具5を嵌合して固定するための物である。台紙保持ケース6の周壁51の方形部の全長は、台紙保持具5の外縁の大きさより僅かに大きく成型されており、周壁51の内面には突起52と嵌合するためのくぼみ9が設けられている。
【0036】
台紙保持具5と台紙保持ケース6を嵌合して固定した場合、台紙保持ケース6の周壁51の下部と台紙保持具5の内側板41の内側面との間に僅かに段差ができるように成型されている。この段差は、外枠3,3´で台紙2を挟み込むとき、右側の外枠3´の内側板41の内側面と左側の外枠3の内側板41の内側面との間に折り畳まれた台紙2を収納する空間を形成し、折り畳まれた台紙2がこの段差の中に隠れるように設けたものである。
【0037】
尚、本実施例では外枠3,3´を台紙保持具5と台紙保持ケース6の2つで構成しているが、台紙2に固定することができればよく、この形状に限定するものではない。又、台紙2と外枠3,3´を一体成型することも可能である。
【0038】
次に本実施例の玩具1の遊戯方法について述べる。図13(a)に示すように、玩具1と、輪ゴムなどのバンドと、4枚の長方形のカードと、紙幣を用意する。図13(b)に示すように、玩具1を閉じた状態でゴムバンドなどで固定しておき、カード4枚と一緒に机の上に置く。図13(c)に示すように、用意しておいた又は相手から借りた紙幣を見せ、長手方向に平行に2つ折りする。図13(d)に示すように、折った紙幣をL字型に整えテーブルの上に置く。
【0039】
図14(a)に示すように、玩具1からバンドを外し両手で外枠3,3´を持って広げる。図14(b)に示すように、お札を玩具1のL字型のスリット7からそっと挿入し、図14(c)に示すように、ちょうど真ん中に位置させる。図14(d)に示すように中央近くを持って、紙幣が入っている状態をよく相手に見せる。
【0040】
図15(a)に示すように、少し左を向き、左手で玩具1を持ち、底面を下、前面が相手に向くようにする。この時「イリュージョンマジックのような不思議な折り紙をご覧に入れましょう。両端が見えていますね。この状態で不思議なことがおこります。」などと相手に語りかけ注意を惹きつける。図15(b)に示すように、右手を広げて正面を隠しそのカゲで左手で外枠3,3´を左手の指でつまむようにして縮め、図15(c)に示すように、しっかり縮めたら右手をどけて見せる。紙幣は自動的に台紙2に沿って折り畳まれるので、「お札が不思議な状態に折り畳まれました」等と声をかけながらお札の状態を前後左右からよく見せる。図15(d)に示すように、「一見、縮んでしまったようにも見えますし・・・。こうして開くとお札が切れているようにも見えます。」等と声をかけながら左前面21と右前面22を開いて相手に見せる。
【0041】
図16(a)、(b)に示すように、玩具1を閉じ、体の正面に位置させてしっかり挟みこんで持つ。カードを1枚取り上げ、玩具1の間の一番手前の隙間にチューブの半分の深さまで差し込む。差し込む場所は玩具1の外枠3,3´の角から台紙の折り目の間に差し込む。図16(c)に示すように、今度は反対側の角から別のカードを半分まで差し込む。図16(d)に示すように、玩具1全体を右に90°回し、2枚のカードの奥に3枚目のカードを差し込む。図16(e)に示すように、反対側にも差し込むと、図16(f)に示すように、4方向からカードがささったことになる。相手には完全にお札は分離しているように見え不思議に見える。「完全にこちらとこちらに分かれているように見えるでしょう。でもこれは不思議に畳まれているだけなんですよ。」と相手に声をかける。
【0042】
カードを差し込む位置については、1枚のカードは、左外枠3の内側板41の内側面と第一左三角面23の間、又は右外枠3´の内側板41の内側面と第一右三角面25の間に外枠3,3´の角部から差し込む。他の1枚のカードは、第一左三角面23と第二左三角面24の間、又は第一右三角面25と第二右三角面26の間に外枠3,3´の角部から差し込む。残りの2枚のカードは、左前面21と右前面22の間に外枠3,3´の角部から差し込む。また、左前面21と右前面22の間は四角の面が向かい合っているため、斜めに支える折線がないので、外枠3,3´の角で挟持するものである。
【0043】
そして、外枠3,3´の間には上述したように段差による空間があるため、折り畳まれた台紙2を収納して隠すことができ、外枠3,3´の周壁51を指先で調整することにより、台紙2の間の何れかの空間にカードを挿入することも容易にできる。
【0044】
その後、図17(a)に示すように、4枚のカードを抜き取る。図17(b)、(c)に示すように、玩具1の外枠3,3´を持って玩具1を広げる。ここで「その証拠にカードを取って広げるとお札は元のままです。」と言いながら、図17(d)に示すように、お札を抜き出す。このとき下側を左親指で押さえながら、折り目をなくすように抜き出す。完全に抜き出したらお札を両手で持ってピンと張って見せながら、折り目を目立たなくするようにする。玩具1を最初の状態に閉じてバンドをして終了する。尚、図13から図17では紙葉4として紙幣を用いているが、これに限定されるものではない。
【0045】
本実施例の玩具1は台紙の折り方に特徴を有するものであるが、通常の手品具であるならば完全に紙葉4を切断したように見せ、相手にも切断してしまったかのように声をかけて手品をするが、本実施例では、折り方に特徴があり、不思議な折り方をしているだけであることを相手に伝えながら演技をするので、相手はどんな折り方がされているのか不可思議に思い、しかも頭の中だけで折られた状態を把握することは極めて困難なため、その折られた状態の形状を推測させる遊びとして繰り返して見せることもできる。よって一度見せたら終了という手品具と違って何度も楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一つの実施例の玩具の正面下方斜視図。
【図2】本発明の一つの実施例の玩具の背面側からの斜視図。
【図3】本発明の一つの実施例の玩具の紙葉を挿入したときの背面側からの斜視図。
【図4】本発明の一つの実施例の玩具の折り畳み説明図。
【図5】本発明の一つの実施例の玩具の折り畳み説明図。
【図6】本発明の一つの実施例の玩具の折り畳み説明図。
【図7】本発明の一つの実施例の玩具の折り畳み説明図。
【図8】本発明の一つの実施例の玩具の折り畳み説明図。
【図9】本発明の一つの実施例の玩具の折り畳み説明図。
【図10】本発明の一つの実施例の玩具の分解図。
【図11】本発明の一つの実施例の玩具の台紙の表面の平面図。
【図12】本発明の一つの実施例の玩具の台紙保持具の図。
【図13】本発明の一つの実施例の玩具の遊戯方法の説明図。
【図14】本発明の一つの実施例の玩具の遊戯方法の説明図。
【図15】本発明の一つの実施例の玩具の遊戯方法の説明図。
【図16】本発明の一つの実施例の玩具の遊戯方法の説明図。
【図17】本発明の一つの実施例の玩具の遊戯方法の説明図。
【符号の説明】
【0047】
1 玩具
2 台紙
3 左外枠
3´ 右外枠
4 紙葉
5 台紙保持具
6 台紙保持ケース
7 スリット
10 台紙山折線
11 前面中央谷折線
12 前面左山折線
13 前面右山折線
14 底面中央山折線
15 底面左山折線
16 底面右山折線
17 底面左谷折斜線
18 底面右谷折斜線
19 保持用左谷折線
20 保持用右谷折線
21 左前面
22 右前面
23 第一左三角面
24 第二左三角面
25 第一右三角面
26 第二右三角面
31〜34 切り込み
41 内側板
42 内壁
43 突起
51 周壁
52 くぼみ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要幅の周壁と当該周壁に囲まれた方形の内側板を有する2つの外枠と、当該2つの外枠における内側板の内側面を向かい合わせるように、両外枠をつなぐ長辺と短辺からなる矩形の台紙とを組み合わせてなる玩具において、
前記2つの外枠における内側板の周壁近傍にL字型のスリットを有し、
前記台紙は、長辺と平行で、前面と底面とを区分する台紙山折線と、
前記前面の長辺を中心で2分割する前面中央谷折線と、
前記底面の長辺を中心で2分割する底面中央山折線と、
前記前面と前記2つの外枠との取付け部近傍に位置し、前記前面中央谷折線と平行な2本の前面山折線と、
前記底面と前記2つの外枠との取付け部近傍に位置し、前記底面中央山折線と平行な2本の底面山折線と、
前記底面山折線と台紙山折線との交点から、台紙山折線と45°の角度で底面中央山折線に向かって伸びる2本の底面谷折斜線とを有することを特徴とする玩具。
【請求項2】
前記台紙は、短辺を前記L字型のスリットに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
前記2つの外枠の周壁は、前記内側面よりも台紙方向へ僅かに突出していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の玩具。
【請求項4】
前記2つの外枠は、前記台紙を保持するための台紙保持具と、当該台紙保持具の周縁を覆う台紙保持ケースとを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の玩具。
【請求項5】
前記台紙は、長辺の端部近傍に前記台紙保持具に係止するための保持用谷折線を有することを特徴とする請求項4に記載の玩具。
【請求項6】
前記台紙は、厚紙又は樹脂を用いていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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