説明

現像装置、レジストパターンの形成方法及び記憶媒体

【課題】レジストパターンを細くできる技術に寄与する現像装置であって、モジュール数(現像装置の数)を削減すること。
【解決手段】載置台上の基板に対して例えば共通のノズルから常温現像液とレジストパターンの表層部を改質するための高温現像液とを切り替えて供給できるようにする。常温現像液用の供給路と高温現像液用の供給路とを切り替えて両現像液を順次吐出するようにしてもよいが、常温温調用の供給路と高温温調用の供給路とを合流させ、前者の供給路から常温現像液を供給した後、両供給路の流量比を調整して、その混合液を高温現像液として供給してもよい。また高温現像液の供給時間は現像液の温度を安定化させるために常温現像液の供給時間よりも長く、また現像液の消費量削減のために高温現像液の供給流量を常温現像液の供給流量よりも少なくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、レジストパターンの形成方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程においては、半導体ウエハ(以下、ウエハという)の表面にレジストを塗布し、このレジストを所定のパターンで露光した後に現像してレジストパターンを形成している。このような処理は、一般にレジストの塗布、現像を行う塗布、現像装置に露光装置を接続したシステムを用いて行われる。
【0003】
この塗布、現像装置には、ウエハにレジストを塗布するレジスト塗布モジュールや現像液を供給する現像モジュールが含まれている。また、その他にレジスト塗布モジュール及び現像モジュールでウエハに処理を行う前後でウエハを加熱または冷却する加熱、冷却系のモジュールなども含まれている。そして、これらの各モジュール間において、ウエハは搬送アームなどの搬送手段により搬送される。
【0004】
ところで、レジストパターンの線幅の微細化を図るためにダブルパターニングと呼ばれる手法を用いることが検討されている。ダブルパターニングの手順の概略としては、1回目のレジスト塗布処理→1回目の露光処理→1回目の現像処理を順に行い、ウエハに第1のレジストパターンを形成する。そして、前記第1のレジストパターンの形状を保護する処理を行った後、前記ウエハに2回目のレジスト塗布処理を行い、さらに2回目の露光処理を行う。2回目の露光処理では1回目の露光領域からずれるようにウエハWを露光する。然る後、2回目の現像処理を行い、第2のレジストパターンを形成する。
【0005】
このようなダブルパターニングを行うにあたり、1回目、2回目の夫々の現像処理で形成されるレジストパターンの壁部を細らせ、レジストパターンの開口幅を大きくするスリミングと呼ばれる処理を行い、所望のパターン寸法を得ることが検討されている。このスリミングでは、レジストパターンを形成後、当該レジストパターンを形成するために用いた常温の現像液よりも高温の現像液をウエハに供給してパターンの壁部の表層部を改質させる処理を行う。さらに酸を含む薬液をウエハに供給して、その改質された表層部にしみこませた後、常温の現像液を供給し、改質された表面を除去する処理を行う。
【0006】
ところで、レジストパターンを形成するための従来の現像モジュールでは、現像液の温調はモジュールの入り口まで行われており、ノズルから常温の現像液をウエハに供給することができる。しかし、このような従来の設備では前記ノズルからスリミングを行えるような高温の現像液を供給することが難しい場合がある。そこで、この従来の現像モジュールとは別に、高温の現像液を供給する現像モジュールを塗布、現像装置に設けて、これらの現像モジュール間でウエハを搬送して処理を行うことが考えられる。しかし、そうするとモジュール数が増えてしまうし、ウエハの搬送時間も増加するためスループットの低下が起きてしまう。なお、特許文献1及び特許文献2にはウエハに供給される現像液を温調することができる現像装置について記載されている。しかし、特許文献1及び特許文献2に記載されている装置は、通常の現像処理においてパターンの形状を制御することを目的とし、上記のように通常の現像処理と、パターンの表面の改質処理とを行うためのものではない。従って上記の問題を解決することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−210059(段落0040)
【特許文献2】特開2005−286231(段落0040及び図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、レジストパターンを細くできる技術に寄与する現像装置であって、モジュール数(現像装置の数)を削減することができる現像装置、レジストパターンの形成方法及びその現像方法を実施するコンピュータプログラムを備えた記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の現像装置は、レジスト膜が形成され、露光された後の基板に現像液を供給して現像を行う現像装置において、
前記基板を水平に載置する載置台と、
第1の温度に温調された第1の現像液を、前記載置台上の基板の表面に供給するための第1のノズルと、
第1の温度よりも高い第2の温度に温調された第2の現像液を、前記載置台上の基板の表面に供給するための第2のノズルと、
第1のノズルにより第1の現像液を基板の表面に供給して現像を行った後、第2のノズルにより第2の現像液を基板の表面に供給するように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記現像装置は、例えば洗浄液を、前記載置台上の基板の表面に供給するための洗浄ノズルを備え、前記制御部は、第1の現像液を基板の表面に供給して現像を行った後、前記洗浄ノズルから基板の表面に洗浄液を供給し、次いで第2のノズルにより第2の現像液を基板の表面に供給するように制御信号を出力する。また、前記第1のノズルに接続され、現像液を第1の温度に温調しながら通流するための第1の供給路と、前記第2のノズルに接続され、現像液を第2の温度に温調しながら通流するための第2の供給路と、を備えていてもよい。
【0011】
また、前記現像装置は、現像液を設定温度に温調しながら通流するための第1の供給路と、現像液を前記設定温度よりも高い温度に温調しながら通流するための第2の供給路と、前記第1の供給路及び第2の供給路が合流する合流部と、前記第1の供給路における現像液の流量と第2の供給路における現像液の流量との流量比を調整するための流量調整部と、基板の表面に第2の現像液を供給するときには、前記合流部よりも下流側の現像液を第2の現像液として用いるために当該現像液の温度が前記第2の温度となるように前記流量調整部を制御する制御部と、を備えていてもよい。この場合、例えば前記第1の供給路における設定温度は第1の温度であり、前記第1の現像液は、第1の供給路を通流する現像液が使用される。
【0012】
前記第1のノズル及び第2のノズルはノズル本体及びこのノズル本体に形成された現像液吐出口を共有し、前記第1の供給路及び第2の供給路は前記現像液吐出口に接続され、前記制御部は、基板の表面に第1の現像液を供給するときには前記現像液吐出口から吐出される現像液の温度が前記第1の温度となるように、また基板の表面に第2の現像液を供給するときには前記現像液吐出口から吐出される現像液の温度が前記第2の温度となるように制御信号を出力してもよい。
【0013】
さらに、第1のノズル及び第2のノズルはノズル本体を共有し、このノズル本体に第1の現像液及び第2の現像液を夫々吐出する第1の現像液吐出口及び第2の現像液吐出口が形成されていてもよく、また、前記制御部は、第2の現像液の供給時に基板の表面の温度を安定化させるために、第2の現像液の供給時間が第1の現像液の供給時間よりも長くなるように制御信号を出力してもよい。さらに、第1の現像液の流量を調整する手段と第2の現像液の流量を調整する手段とを備え、前記制御部は、第2の現像液の供給流量が第1の現像液の供給流量よりも少なくなるように前記各手段を調整するための制御信号を出力してもよい。
【0014】
本発明のレジストパターンの形成方法は、レジスト膜が形成され、露光された後の基板に現像液を供給してレジストパターンを形成する方法において、
前記基板を載置台に水平に載置する工程と、
第1の温度に温調された第1の現像液を、第1のノズルから前記載置台上の基板の表面に供給してレジストパターンを形成する工程と、
次いで第1の温度よりも高い第2の温度に温調された第2の現像液を、第2のノズルから前記載置台上の基板の表面に供給して、レジストパターンの表層部を酸が浸透しやすい状態に改質する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
第1の現像液を前記基板の表面に供給した後、第2の現像液を当該基板の表面に供給する前に、洗浄液を基板の表面に供給する工程を行ってもよく、第2の現像液を前記基板の表面に供給する工程は、現像液を設定温度に温調しながら通流するための第1の供給路からの現像液と、現像液を前記設定温度よりも高い温度に温調しながら通流するための第2の供給路からの現像液と、を混合し、その混合液を第2の現像液として用いるために、当該混合液が第2の温度となるように前記第1の供給路における現像液の流量と第2の供給路における現像液の流量との流量比を調整する工程を含んでいてもよい。
【0016】
例えば前記第1の供給路における設定温度は第1の温度であり、第1の現像液を前記基板の表面に供給する工程は、第1の供給路を通流する現像液が使用されてもよく、例えば第2の現像液を基板の表面に供給する供給時間は、基板の表面における第2の現像液の温度を安定化させるために、第1の現像液の供給時間よりも長い。また、例えば第2の現像液の供給流量が第1の現像液の供給流量よりも少ない。さらに、第2の現像液を前記基板の表面に供給する工程が行われた後、基板の表面に酸を供給する工程と、次いで前記基板を加熱して酸を拡散させる工程と、その後、前記基板に現像液を供給してレジストパターンにおける酸の拡散部分を溶解させてレジストパターンを細くする工程と、を含んでいてもよい。
【0017】
本発明の記憶媒体は、上記のレジストパターンの形成方法を実行するようにステップが組まれたプログラムを記憶していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、露光後の基板に対して第1の温度で現像を行ってレジストパターンを形成し、次いで第1の温度よりも高温の第2の温度で現像を行っているため、レジストパターンの表層部を酸が浸透しやすい状態に改質することができ、レジストパターンを細らせる工程の一部として有効である。そして両温度による現像処理を同一の現像装置にて実施しているため、現像装置を塗布、現像装置に組み込むにあたってモジュール数(現像装置の数)を削減することに寄与する。また設定温度が互いに異なる第1の供給路及び第2の供給路からの現像液を混合して第2の現像液として用い、その流量比を調整することで混合液の温度を調整するようにすれば、基板のロットが変更になって第2の現像液の温度を変更するときにも温度の変更を速やかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る現像装置の斜視図である。
【図2】前記現像装置の平面図である。
【図3】前記現像装置の現像処理部の縦断面図である。
【図4】前記現像装置に設けられた現像液供給部の構成図である。
【図5】前記現像液供給部に設けられる現像液ノズルの下方側斜視図である。
【図6】前記現像装置により処理が行われる手順を示した工程図である。
【図7】前記現像装置により処理が行われる手順を示した工程図である。
【図8】ウエハの表面の縦断側面図である。
【図9】ウエハの表面の縦断側面図である。
【図10】ウエハの表面の縦断側面図である。
【図11】現像液ノズルの他の構成を示した縦断側面図である。
【図12】他の現像液供給部の構成図である。
【図13】他の現像装置を示した斜視図である。
【図14】前記現像装置に設けられた現像液供給部の構成図である。
【図15】前記現像装置により処理が行われる手順を示した工程図である。
【図16】前記現像装置を備えた塗布、現像装置の平面図である。
【図17】前記塗布、現像装置の斜視図である。
【図18】前記塗布、現像装置の縦断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
本発明の現像装置1について、その斜視図である図1及び平面図である図2を参照しながら説明する。現像装置1は4つの現像処理部11a、11b、11c、11dと、4つの洗浄機構3a、3b、3c、3dと、現像液供給機構5と、を備えている。現像処理部11a〜11dは横方向に一列に配列されている。各現像処理部11a〜11dは各々同様に構成されており、ここでは現像処理部11aを例に挙げて、その縦断側面を示した図3を参照しながら説明する。現像処理部11aは夫々ウエハWの裏面中央部を吸着して水平に保持する載置台であるスピンチャック12aを備え、スピンチャック12aは回転軸13aを介して回転駆動機構14aと接続されている。スピンチャック12aは、ウエハWを保持した状態で回転駆動機構14aを介して鉛直軸回りに回転自在に構成されており、その回転軸上にウエハWの中心が位置するように設定されている。回転駆動機構14aは後述の制御部1Aからの制御信号を受けてスピンチャック12aの回転速度を制御する。
【0021】
スピンチャック12aの周囲にはスピンチャック12a上のウエハWを囲むようにして上方側に開口部20aを備えたカップ体21aが設けられている。カップ体21aは、上カップ22aと下カップ23aとからなる。また、カップ体21aの内側には内カップ15aが設けられている。上カップ22aは、下カップ23aと内カップ15aとの間から上方に向けて伸びる円筒部25aと、円筒部25aの上縁から内側上方に向けて全周に亘って斜めに伸びる傾斜部26aとを備えている。上カップ22aは昇降機構27aにより昇降自在に構成されている。上カップ22aは、各ノズルが現像処理部11aに移動するときにはノズルの移動を妨げないように下降し、現像液及び洗浄液の振り切りを行うときには、それらの液の飛散を抑えるために上昇する。
【0022】
内カップ15aは、飛散した液をガイドするためにその断面が山型に形成された山型部16aを備えている。山型部16aの外側の端部には下方向に伸びる垂直ガイド17aが設けられている。下カップ23aの底部にはカップ体21aの排液を排出するためのドレインポート28aと、カップ体21a内を排気するための排気口29aとが設けられている。
【0023】
図中18aは昇降機構36aにより昇降自在な昇降ピンであり、スピンチャック12aと装置の外部の基板搬送手段との間でウエハWを受け渡す。実際には昇降ピン18aは3本であるが、図1及び図3では便宜上2本のみ表示している。また、19aは裏面洗浄ノズルであり、現像処理時に回転するウエハWの裏面に洗浄液、例えば純水を供給して、当該裏面を洗浄する。現像処理部11b、11c、11dについて、現像処理部11aの各部に対応する部分については、現像処理部11aの説明で用いた数字と同じ数字を用い、且つaの代わりにb、c、dを夫々付して各図中に示している。
【0024】
次に洗浄機構3a、3b、3c、3dについて説明する。これら洗浄機構3a〜3dは夫々同様に構成されており、ここでは代表して洗浄機構3aについて説明する。洗浄機構3aは、洗浄ノズルである純水ノズル31aを備えている。純水ノズル31aは鉛直下方に開口した吐出口を備えており、この吐出口は円形の細孔状である。図3に示すように純水ノズル31aは供給路32aを介して現像処理後のウエハWを洗浄する洗浄液、例えば純水が貯留された純水供給源33に接続されている。純水供給源33は洗浄機構3a〜3dで共用される。図中34aは供給路32aに介設された流量制御部であり、例えばバルブやマスフローコントローラなどを含む。流量制御部34aは、制御部1Aから出力される制御信号を受けて、純水のウエハWへの給断を制御する。
【0025】
図1に示すように純水ノズル31aは、現像処理部11a〜11dの配列方向に直交するように水平方向に伸びるアーム体35aの一端に支持されている。アーム体35aの他端は、基台10上に設けられた駆動機構36aに接続されており、駆動機構36aは現像処理部11a〜11dの配列方向に沿って伸長したガイド37aの長さ方向に沿って、アーム体35a及び純水ノズル31aと一体で移動する。また、駆動機構36aはアーム体35aを介して純水ノズル31aを昇降させる。この駆動機構36aの動作によって純水ノズル31aはスピンチャック12aに載置されたウエハWの中心部上に移動し、前記ウエハWの中心に純水を供給することができる。駆動機構36aの動作は制御部1Aからの制御信号を受けて制御される。
【0026】
洗浄機構3b、3c、3dについて、現像処理部3aの各部に対応する部分については、洗浄機構3aの説明で用いた数字と同じ数字を用い、且つaの代わりにb、c、dを夫々付して各図中に示している。また、各現像処理部11a〜11dの側方には、夫々上側が開口したカップ状のノズルバス38a〜38dが設けられている。ウエハWに処理を行わないときには、純水ノズル31a〜31dは、これらノズルバス38a〜38dに夫々格納されて待機する。
【0027】
続いて、現像液供給機構5について図4及び図5を参照しながら説明する。図4には現像液供給機構5の構成を、図5には現像液供給機構5を構成する現像液ノズル本体51の下側斜視図を夫々示している。現像液ノズル本体51は、各スピンチャック12a〜12dに載置されたウエハWの周端上から径方向に沿って中心部上に向け移動して、現像液を供給する。現像液ノズル本体51は吐出口52を備えており、この吐出口52から通常の現像処理を行うための常温現像液及びレジストパターンの表面を改質させ、その表面に酸を浸透させやすくするための高温現像液が供給される。ここでは常温現像液を用いてレジストパターンを形成する処理を通常の現像処理と記載し、高温現像液を用いてレジストパターンを改質させるための処理を高温現像処理と記載する。吐出口52はスリット状に形成され、その長さ方向は現像液ノズル本体51の移動方向に並行している。
【0028】
現像液ノズル本体51には吐出口52に連なる流路53が形成されており、この流路53の上流側は高温現像液が通流する流路54、常温現像液が通流する流路55に夫々分岐している。流路54の上流側は複数に分岐しており、このように分岐した流路54には配管61の下流端が接続されている。配管61の上流側は合流し、配管62を形成している。配管62の上流側は、流量制御部63を介して現像液が貯留された現像液供給源64に接続されている。配管61,62及び流路54は第1の供給路を構成する。
【0029】
また、前記流路55の上流側には、配管65の一端が接続されている。配管65の他端は、流量制御部63の上流側で前記配管62に接続されている。配管62には流量制御部66が介設されている。配管62及び流路55は第2の現像液を供給するための第2の供給路を構成する。流量制御部63,66は、例えば流量を調整する機能を有するエアオペレイトバルブにより構成されており、制御部1Aから出力される制御信号を受けて、夫々吐出口52への高温現像液、常温現像液の給断を制御する。また、流路54と流路55との間で伝熱し、それによってウエハWに供給される現像液の温度が影響されることを防ぐために、現像液ノズル本体51は、高い断熱効果を得られる樹脂、例えばフッ素樹脂で構成されている。
【0030】
また、現像液供給機構5は、例えば熱交換器として構成される温度調整部4A、4B、4Cを備えている。温度調整部4Aは配管62、配管61により構成される流路の前段側に設けられ、温度調整部4Bは前記流路の後段側に設けられている。温度調整部4A、4Bは流体の循環路41と、その循環路41を流通する流体を加熱する加熱部42とを備えている。温度調整部4Aの循環路41と配管62との間で熱交換が行われ、温度調整部4Bの循環路41と配管62、61との間で熱交換が行われる。これらの熱交換によって、流路54を介して吐出口52に供給される高温現像液の温度が30℃〜60℃例えば50℃に温調される。
【0031】
温度調整部4Cは温度調整部4A及び4Bと同様に構成されており、流量制御部66の上流側にて、その循環路41と配管65との間で熱交換が行われる。そして、その熱交換により、流路55を介して吐出口52に供給される常温現像液の温度が20℃〜25℃例えば23℃に温調される。常温現像液、高温現像液の温度はここで示す温度に限られるものではないが、高温現像液の温度は常温現像液の温度よりも高くなるように温調される。
【0032】
図1及び図2に示すように現像液ノズル本体51はアーム体56の一端に接続されて支持されており、アーム体56の他端は基台10上に設けられた駆動機構57に接続されている。図中58はガイドであり、基台10に現像処理部21a〜21cの配列方向に伸長するように設けられている。駆動機構57は、このガイド58の長さ方向に沿って、アーム56及び現像液ノズル本体51と一体で移動する。また、駆動機構57はアーム56を介して現像液ノズル本体51を昇降させることができる。駆動機構57の動作は、制御部1Aからの制御信号を受けて制御される。
【0033】
基台10において、現像処理部11a〜11dの配列方向の延長線上には上側が開口したカップ状に形成されたノズルバス50が設けられている。現像液ノズル6は、ウエハWに処理を行わないときにはノズルバス50に格納される。
【0034】
この現像装置1には、例えばコンピュータからなる制御部1Aが設けられている。制御部1Aはプログラム、メモリ、CPUからなるデータ処理部などを備えており、前記プログラムには制御部1Aから現像装置1の各部に制御信号を送り、既述の各処理工程を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。また、例えばメモリには処理温度、処理時間、現像液の供給量または電力値などの処理パラメータの値が書き込まれる領域を備えており、CPUがプログラムの各命令を実行する際これらの処理パラメータが読み出され、そのパラメータ値に応じた制御信号が、現像装置1の各部位に送られる。このプログラム(処理パラメータの入力操作や表示に関するプログラムも含む)は、コンピュータ記憶媒体例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカードなどの記憶媒体に格納されて制御部1Aにインストールされる。
【0035】
この現像装置1においては、予め各現像処理部11a〜11dへのウエハWの搬送のタイミングが設定され、そのタイミングに応じて現像ノズル本体51が各現像処理部11に移動して処理が行われる。この例ではノズルバス50から一の現像処理部11に移動した現像ノズル本体51は、そこでの処理を終えると一旦ノズルバス50に戻り、改めてウエハWが搬送されている現像処理部11に移動して処理を行う。
【0036】
続いて、背景技術の項目で説明したスリミングを適用したダブルパターニングを行うにあたり、この現像装置1の現像処理部11aにて現像処理が行われる様子を示した図6及び図7を参照しながら説明する。また、図8〜図10には、そのダブルパターニングを行う過程でウエハWの表面がこの現像装置1及び外部の処理装置により処理を受けて変化する様子を示しており、これらの図も適宜参照しながら説明する。図8(a)は現像処理部11aへ搬入される直前のウエハWの表面を示しており、レジスト膜71、反射防止膜72、下層膜73の順で上から下に膜が積層されている。レジスト膜71は所定のパターンに沿って露光されている。
【0037】
先ず、基板搬送手段により現像処理部11aにウエハWが搬入され、昇降ピン18aを介してスピンチャック12aに受け渡される。ウエハWが例えば1000rpmで回転し、図6(a)に示すように現像ノズル本体51がウエハWの一端上へ、純水ノズル31aがウエハWの他端上へ夫々移動する(ステップS1:図6(a))。現像ノズル本体51から常温現像液D1が例えば600mL/分でウエハWの一端に吐出され(ステップS2:図6(b))、現像ノズル本体51は常温現像液D1を吐出しながらウエハWの中心部上へと移動し、ウエハW表面が常温現像液D1に被覆される。常温現像液D1の吐出開始から例えば1秒後、現像ノズル本体51はウエハWの中心部上にて停止し、前記常温現像液D1の吐出が継続される(ステップS3:図6(c))。
【0038】
現像液ノズル本体51の移動が停止してから例えば8秒程度経過後、常温現像液D1の吐出が停止し、現像液ノズル本体51がノズルバス50へ退避すると共に純水ノズル31aがウエハWの中心部上に位置する。ウエハWの回転数が例えば500rpmに低下し、ウエハWの中心部に純水Fが吐出される。吐出された純水Fは、遠心力によりウエハWの周縁部へと展伸される。ウエハWの回転数が上昇し、例えば1500rpmになり、裏面洗浄ノズル19aから純水がウエハWの裏面に吐出されてその裏面が洗浄される。ウエハWの表面では常温現像液D1及び当該常温現像液D1により改質したレジストの残渣が純水Fに押し流され(ステップS4:図6(d))、図8(b)に示すように壁部74a及び開口部74bからなるレジストパターン74が形成される。
【0039】
純水ノズル31a、裏面洗浄ノズル19aから夫々純水の吐出が停止した後、ウエハWの回転により当該ウエハW表面から純水Fが振り切られると共に純水ノズル31aはノズルバス37aに退避する。ウエハWの回転数が例えば500rpmに低下し、現像液ノズル本体51がノズルバス50からウエハWの一端上に移動する(ステップS5:図6(e))。然る後、現像ノズル本体51から高温の現像液D2が例えば150mL/分〜300mL/分でウエハWの一端に吐出され(ステップS6:図6(f))、現像ノズル本体51は高温現像液D2を吐出しながらウエハWの中央部上へと移動し、ウエハW表面が高温現像液D2に被覆される。前記高温現像液D2の吐出開始から例えば1秒後、現像ノズル本体51はウエハWの中央部上にて停止し、前記現像液D2の吐出が継続される(ステップS7:図7(a))。図8(c)に示すようにレジストパターン74の壁部74aの表層部が、高温現像液D2の熱によりふやけるように改質され、後述のように酸が浸透しやすい改質部75となる。
【0040】
現像液ノズル本体51の移動が停止してから例えば40〜60秒程度経過後、高温現像液D2の吐出が停止し、現像液ノズル本体51がノズルバス50へ退避すると共に純水ノズル31aがウエハWの中心部上に位置する。ウエハWの回転数が例えば500rpmに低下し、ウエハWの中心部に純水Fが吐出される。吐出された純水Fは、遠心力によりウエハWの周縁部へと展伸される。ウエハWの回転数が例えば1500rpmに上昇し、裏面洗浄ノズル19aから純水がウエハWの裏面に吐出され、その裏面が洗浄される。ウエハWの表面では、現像液D2が純水Fに押し流されて除去される(ステップS8:図7(b))。然る後、純水ノズル31a、裏面洗浄ノズル19aから夫々純水の吐出が停止し、純水ノズル31aはノズルバス37aに退避する。ウエハWの回転によりウエハW表面から純水Fが振り切られた後、ウエハWの回転が停止し、ウエハWは現像装置1への搬入時とは逆の手順で現像装置1から搬出される。
【0041】
その後、ウエハWは、酸処理装置に搬送され、ウエハWに酸を含んだ薬液が供給される。図8(d)はその薬液が供給され、レジストパターン74の表面に酸が付着した状態を示している。この高温現像処理後の改質部へ酸を供給するにあたっては酸を液体の状態で供給してもよいし、気体の状態で供給してもよい。酸供給後、ウエハWは加熱装置に搬送され、そこで加熱されて、図8(e)に示すようにレジストパターン74の壁部74aの改質部75に酸が拡散する。その後、ウエハWは再び現像装置1に搬入され、上記ステップS1〜S3が実施されて、ウエハW表面に常温現像液D1が供給される。然る後、ステップS4が実施されて、ウエハW表面に純水が供給されて、改質部75が除去される。それによって、図8(f)に示すようにレジストパターン74が細くなる、つまりパターン74の壁部74aの幅が小さくなるスリミングが行われる。
【0042】
純水ノズル31a、裏面洗浄ノズル19aから夫々純水の吐出が停止し、ウエハW表面から純水Fが振り切られ、純水ノズル31aはノズルバス37aに退避する。然る後、ウエハWの回転が停止し、ウエハWは再び現像装置1から搬出される。その後、ウエハWは保護膜形成用の薬液供給装置に搬送され、そこで薬液の供給を受けて、図9(a)に示すようにレジストパターン74の壁部74aの表面に、当該壁部74aを保護する保護膜76が形成されるフリージング処理が行われる。続いて、ウエハWはレジスト塗布装置に搬送されて、図9(b)に示すようにレジストが塗布された後、露光装置に搬送され、所定のパターンに沿って露光される。
【0043】
然る後、ウエハWは再び現像装置1の一の現像処理部、例えば現像処理部11aに搬送され、上記のステップS1〜S4が実施され、図9(c)に示すようなレジストパターン77が形成される。このレジストパターン77においてはスリミングされた壁部74a間に、開口部77bを介して壁部77aが形成されている。続いて上記のステップS5〜S8が実施され、図9(d)に示すように壁部77aの表層部が改質されて改質部79となる。然る後、既述のように現像装置1でのウエハWの処理が終了し、ウエハWが現像装置1から搬出される。
【0044】
その後、ウエハWは、再び酸処理装置に搬送され、そこで、ウエハWに酸を含んだ薬液が供給され、図9(e)に示すようにレジストパターン77の表面に酸が付着する。さらに、ウエハWは加熱装置に搬送され、加熱されて、図9(f)に示すように改質部79に酸が浸透し、拡散する。その後、ウエハWは再び現像装置1に搬入される。そして、上記ステップS1〜S4が実施され、ウエハW表面に現像液、純水が順次供給されて、改質部79が除去される。それによって、図10に示すように壁部77aの幅が小さくなるスリミングが行われる。このようにパターンが形成された後は、ウエハWはエッチング装置に搬送され、レジストをマスクとして反射防止膜72、下層膜73のエッチングが行われる。
【0045】
この現像装置1によれば、露光後のウエハWに対して常温現像液により現像を行ってレジストパターンを形成し、次いで常温現像液よりも高温の高温現像液をウエハWに供給しているため、レジストパターンの表層部を酸が浸透しやすい状態に改質することができ、レジストパターンを細らせる工程の一部として有効である。そして両温度による現像液の供給処理を同一の現像装置にて実施しているため、現像装置を塗布、現像装置に組み込むにあたってモジュール数(現像装置の数)を削減することができる。また、上記の処理において、高温現像液の供給時間を常温現像液の供給時間よりも長くすることで、ウエハW表面の温度を安定化させている。これによって、レジストパターンの改質が効率よく進行するようにしている。また、レジスト表面を改質するにあたっては、レジストの表面温度を比較的高い温度に維持することができればよく、この実施形態の例のように、前記改質に必要な温度を保てる範囲において常温現像液D1の流量に対して、高温現像液D2の流量を抑えることが、使用する現像液の無駄を省くために有効である。
【0046】
続いて現像液ノズル本体51の変形例について説明する。図11に示した現像液ノズル本体51は、高温現像液の配管61に接続された吐出口81及び常温現像液の配管65に接続された吐出口82が夫々設けられている。これら吐出口81、82は吐出口52と同様にスリット状に形成され、ウエハWの径方向に沿って現像液を吐出できるように並列して設けられている。そして、吐出口81、82間には例えば独立気泡ニトリル系合成ゴムや発泡ウレタンにより構成される断熱材83が設けられ、吐出口81、82のうち一方の吐出口から吐出される現像液が、他方の吐出口の熱の影響を受け難くなるように構成されている。
【0047】
続いて現像液供給機構の他の例について図12を参照しながら説明する。この現像液供給機構8では配管61及び配管65を流通する現像液が吐出口52付近の合流部をなす流路53で混合されて、ユーザが設定した温度の高温現像液及び常温現像液がウエハWに供給される。この例では配管61から現像液ノズル本体51へ供給される現像液は、温度調整部4A、4Bにより60℃に、配管65から現像液ノズル本体51へ供給される現像液は温度調整部4Cにより20℃に温調される。
【0048】
配管62に介設された流量制御部84は、上流側に設けられた流量調節バルブ84aと、下流側に設けられた流量計84bと、により構成されている。配管65に介設された流量制御部85は、上流側に設けられた流量調節バルブ85aと、下流側に設けられた流量計85bと、により構成されている。流量計84b、85bは、夫々配管62,65の現像液の流量を測定して、その測定値に応じた信号を制御部1Aに出力する。制御部1Aは、流量計84b、85bで測定される流量値が後述の当該制御部1Aで演算された流量になるように、流量調整バルブ84a、85aに制御信号を出力して、それらの開度を調整する。また、現像液ノズル本体51の流路53には、当該流路53を流通する現像液の温度を検出する温度センサ84が設けられ、温度センサ84はその検出値に応じて制御部1Aに信号を出力する。
【0049】
さらに、制御部1Aのメモリには例えば図中に示すようなテーブル85が記憶されている。このテーブル85では、ウエハWに供給される現像液の設定温度と、その設定温度の現像液を得るために各配管62、65から夫々現像液ノズル本体51に供給される20℃の現像液及び60℃の現像液の混合比とが互いに対応付けられている。なお、図中のテーブル85には記憶されている設定温度と混合比の一部のみを示しており、実際にはユーザはこのテーブル85に示している温度の以外の温度にも現像液の温度を設定することができ、各設定温度について前記混合比が記憶されている。そして、ユーザは不図示の入力手段から通常の現像処理、高温現像処理で夫々ウエハWに供給する現像液の温度及び流量を設定することができる。
【0050】
その設定後、通常の現像処理時及び高温現像処理時に制御部1Aにてテーブル85から、ユーザが設定したウエハWに供給する現像液の温度に対応する混合比が読み出される。その読み出された混合比とユーザが設定した前記流量とに基づいて、現像液ノズル本体51へ供給する60℃の現像液の流量及び20℃の現像液の流量が演算される。そして、制御部1Aは流量制御部63、66に制御信号を出力し、その演算された流量の60℃の現像液、20℃の現像液を夫々現像液ノズル本体51に供給するように制御する。
【0051】
ユーザが通常の現像処理時に23℃の現像液を流量600mL/分で供給するように設定し、高温現像処理時に45℃の現像液を流量150mL/分で供給するように設定したものとする。そして、通常の現像処理時に制御部1Aは、テーブル85より設定した現像液の温度である23℃に対応する混合比を読み出す。この混合比は、図12より20℃の現像液0.925に対して60℃の現像液0.075である。制御部1Aは、20℃の現像液の流量を600×0.925=555mL/分、60℃の現像液の流量を600×0.075=45mL/分と夫々演算して決定する。そして、その決定した流量で各現像液を現像液ノズル本体51に供給する。また、高温現像処理時に制御部1Aは、テーブル85より設定した現像液の温度である45℃に対応する混合比を読み出す。この混合比は図12より20℃の現像液0.375に対して60℃の現像液0.625である。制御部1Aは、20℃の現像液の流量を150×0.375=56.25mL/分、60℃の現像液の流量を150×0.625=96.25mL/分と夫々演算して決定する。そして、その決定した流量で各現像液を現像液ノズル本体51に供給する。
【0052】
また、このように現像液ノズル本体51に現像液が供給されたときに温度センサ84は流路53にて混合された現像液の温度をモニタする。制御部1Aは、ユーザが設定した温度と温度センサ84により検出された温度とのずれ量を演算し、そのずれ量に基づいて現像液ノズル本体51への60℃の現像液、20℃の現像液の流量を夫々変更する。具体的に説明すると、制御部1Aのメモリには前記ずれ量と、20℃の現像液についての混合比補正量(a)と60℃の現像液についての混合比補正量(b)とが、互いに対応付けられたデータ86が記憶されている。ここではb=−aである。制御部1Aは演算されたずれ量に基づいて対応する混合比補正量a,bを読み出す。そして、読み出した60℃の現像液についての混合比補正量、20℃の現像液についての混合比補正量を、テーブル85から読み出した60℃の現像液についての混合比、60℃の現像液についての混合比に夫々加算して、混合比を変更する。
【0053】
つまり、設定温度が50℃であり、その設定温度に対応して20℃の現像液、60℃の現像液がデータ85に従って0.25:0.75で混合されていたとする。そこに前記ずれ量cが検出されると、データ86からそのずれ量に対応する20℃の現像液の混合比補正量a、60℃の現像液の混合比補正量bが読み出される。そして、20℃の現像液の混合比が0.25+a、60℃の現像液の混合比が0.75+bと補正されて、その補正された混合比に従って夫々20℃の現像液、60℃の現像液の流量が改めて演算される。そして、その演算された流量で各現像液が現像液ノズル本体51に供給される。
【0054】
現像装置1に搬入されるウエハWのロットが切り替わる際に、ウエハWに形成されたレジスト膜の膜種や膜質が変化する場合があり、その場合、レジストパターン表面部の改質を行うために現像液の温度の変更が必要になる場合がある。上記のように吐出口52の上流で温度の異なる現像液を混合する構成とし、ロット毎に混合比を設定することで、ロット毎に温度調整部4A〜4Cの加熱量を変更する場合に比べてウエハWに供給する現像液の温度を速やかに変更することができるため、スループットの向上を図ることができる。また、通常の現像処理時及び高温現像処理時において、ウエハWへの現像液吐出中にその現像液の温度が変更されるようにしてもよいし、同じロット内のウエハWごとに現像液の供給温度を設定してもよい。
【0055】
また、このように温度の異なる現像液を混合してウエハWに供給する構成とする場合、常温現像液を吐出する吐出口、高温現像液を吐出する吐出口を別々に現像液ノズル本体51に形成してもよい。例えば図12の現像液供給機構8において、吐出口52の他に吐出口(常温吐出口とする)を形成し、配管65の流量調整部85の下流側が分岐し、その分岐した管を前記常温吐出口に接続する。そして、バルブの切り替えにより前記常温吐出口か、あるいは流路55、53を介して吐出口52に配管65から現像液を供給できるようになっているものとする。また、例えば温度調整部4Cにより、配管65を流れる現像液の温度が例えば23℃に制御されており、通常の現像処理時にはこの23℃の現像液が常温吐出口からウエハWに供給される。そして、高温現像処理時には、この23℃の現像液の供給先が流路55、53及び吐出口52に切り替えられ、流路53で60℃の現像液と混合されて、ユーザが設定した温度の高温現像液となり、その高温現像液が吐出口52からウエハWに供給されるようになっていてもよい。
【0056】
図13には現像装置の他の例を示している。この現像装置100では、現像液供給機構5の他に現像液供給機構9が設けられている。現像液供給機構9は現像液供給機構5と同様に現像液ノズル本体91と、現像液ノズル本体91を支持するアーム56と、アーム57を昇降させる駆動機構57と、駆動機構57が横方向に移動するためのガイド58と、現像液ノズル本体91を待機させるためのノズルバス90と、を備えている。現像液ノズル本体91は現像液ノズル本体51と同様にウエハWの径方向に沿って現像液を供給する。この例では現像液ノズル本体51から高温現像液が、現像液ノズル本体91から常温現像液が夫々供給される。
【0057】
図14には、ノズル本体51及び91に接続される配管系を示している。ノズル本体91には第1の実施形態ではノズル本体51に接続された配管65が接続され、常温例えば23℃に温調された現像液をウエハWに供給することができる。そして、現像液ノズル本体51では配管62が分岐し、分岐管68を構成し、分岐管68の端部は流量調整部63の上流側で配管62に合流している。分岐管68には流量調整部63と同様に構成された流量調整部69が介設されており、下流への現像液の供給を制御する。
【0058】
温度調整部4Aは配管62の他に分岐管68を流通する現像液を温調することができるように構成されている。分岐管68は例えば配管62に比べてその径が小さく形成されている。そして、分岐管68を経由しないで現像液が現像液ノズル本体51に供給される場合は、分岐管68を経由して現像液が現像液ノズル本体51に供給される場合に比べて現像液の吐出量が小さくなるように構成されている。この例では、分岐管68を経由しない場合600ml/分、分岐管64を経由する場合150ml/分で、夫々ウエハWに現像液が供給される。
【0059】
現像装置100による処理工程について図15を参照しながら上記の実施形態との差異点を中心に説明する。先ずステップS1〜S3が実施されるが、常温現像液の供給は現像液ノズル本体51の代わりに現像液ノズル本体91によって行われる。続いてステップS4が行われ、ウエハW表面への純水の供給、純水の振り切りが行われた後、現像液ノズル本体51が回転するウエハWの周端上に移動し、高温現像液D2が600mL/分でウエハWに供給される(図15(a))。現像液ノズル本体51がウエハWの中心部上に移動し、ウエハW表面全体が高温現像液D2により覆われると(図15(b))、現像液の供給ラインが切り替わり、高温現像液D2の流量が150mL/分となる(図15(c))。そして、ウエハW表面全体の温度を均一にするために現像液ノズル本体51がウエハWの中心部上と周端部上との間で往復しながら高温現像液D2の吐出が続けられる(図15(d))。高温現像液D2の流量変更から例えば60秒後、当該高温現像液D2の吐出が停止する。然る後、既述のステップS8が実施されて、ウエハWに純水が供給され、高温現像液D2が除去される。
【0060】
この現像装置100においても現像装置1と同様の効果が得られる。また、既述のように高温現像液を供給してレジスト表面を改質するにあたっては、レジストの表面温度を比較的高い温度に維持することができればよい。従って、上記のようにウエハW上に高温現像液D2が成膜された後、流量を抑えることで、使用する現像液の無駄を省くことができるため有効である。上記の現像装置100による処理手順では、ウエハWの面内で均一性の高い処理を行うために現像液ノズル本体51をウエハWの中心部上へ移動させた後に、その中心部上とウエハWの周端部上との間で往復移動させているが、現像液ノズル本体51をウエハWの中心部上へ移動させた後、その中心部上に位置させたまま高温現像液D2の吐出が続けられてもよい。上記の例では速やかに現像液膜を形成して、ウエハWの処理の面内均一性を高くするために現像液ノズル本体51がウエハWの中心部上に位置するまでは高温現像液D2を600mL/分と比較的大きな流量で供給しているが、吐出開始から吐出終了まで現像液の流量を切り替えること無く、例えば150mL/分で供給してもよい。
【0061】
また、上記の各例では常温現像液をウエハWに供給後、ウエハW表面のレジスト残渣を確実に除去するためにウエハW表面に純水を供給しているが、常温現像液をウエハWに供給した後、その純水の供給を行わず、高温現像液を供給し、高温現像液によりレジストパターン表層部の改質を行うと共に前記レジスト残渣を押し流して除去してもよい。また、高温現像処理後、現像装置1では洗浄処理を行わず、ウエハWを洗浄装置に搬送し、その洗浄装置でウエハWを洗浄して現像液を除去してもよい。また、ウエハWに高温現像液D2を供給するにあたっては、現像液ノズル本体51を回転するウエハWの中心部上に位置させた後、高温現像液D2の吐出を開始し、遠心力により高温現像液D2をウエハWの周縁部に広げて液膜を形成してもよい。
【0062】
次に既述の各実施形態の現像装置を含む塗布、現像装置110について説明する。図16は塗布、現像装置110に露光装置C4が接続されたシステムの平面図であり、図17は同システムの斜視図である。また、図18は塗布、現像装置110の縦断面図である。この塗布、現像装置110にはキャリアブロックC1が設けられており、その載置台111上に載置された密閉型のキャリアCから受け渡しアーム112がウエハWを取り出して処理ブロックC2に受け渡し、処理ブロックC2から受け渡しアーム112が処理済みのウエハWを受け取ってキャリアCに戻すように構成されている。
【0063】
前記処理ブロックC2は、図17に示すようにこの例では現像処理を行うための第1のブロック(DEV層)B1、反射防止膜を形成する第2のブロック(BCT層)B2、レジスト膜を形成する第3のブロック(COT層)B3、酸を含んだ薬液を供給するための第4のブロック(酸処理層)B4、レジストパターンを保護するための保護膜を形成する第5のブロック(フリージング層)B5を下から順に積層して構成されている。
【0064】
第2のブロック(BCT層)B2は反射防止膜を形成するための薬液をスピンコーティングにより塗布する塗布モジュールと、この塗布モジュールにて行われる処理の前処理及び後処理を行うための加熱系の処理モジュール群を構成する棚ユニットと、前記塗布モジュールと処理モジュール群との間に設けられ、これらの間でウエハWの受け渡しを行う搬送アームA2と、で構成されている。前記棚ユニットは搬送アームAが移動する搬送領域R1に沿って配列され、夫々上記の加熱、冷却系のモジュールが積層されることにより構成される。
【0065】
第3のブロック(COT層)B3については、塗布モジュールにより塗布される薬液がレジスト液であることを除けば第2のブロック(BCT層)B2と同様の構成である。第4のブロック(酸処理層)B4、第5のブロック(フリージング層)B5については塗布モジュールにてウエハWに塗布される薬液が夫々酸処理を行うための薬液、保護膜76を形成するための薬液であることを除けば第2及び第3のブロックと同様の構成である。COT層B3の塗布モジュールは前記レジスト塗布装置、酸処理層B4の塗布モジュールは前記酸処理装置、フリージング層B5の塗布モジュールは前記保護膜形成用の薬液供給装置に夫々相当する。また、第2〜第5のブロックBについては、後述の第1のブロックB1と平面視同様のレイアウトで構成されている。
【0066】
一方、第1のブロック(DEV層)B1については図16に示すように一つのDEV層B1内に前記塗布モジュールに対応する現像モジュール113が2段に積層されており、この現像モジュール113の前処理及び後処理を行うための加熱モジュール群を構成する棚ユニットU1〜U4が設けられている。この現像モジュールが既述の実施形態の現像装置に相当する。そしてDEV層B1内には、これら2段の現像モジュール113と、前記加熱モジュールとにウエハWを搬送するための搬送アームA1が設けられている。つまり2段の現像モジュール113に対して搬送アームA1が共通化されている構成となっている。
【0067】
更に処理ブロックC2には、図16及び図18に示すように各ブロックB1〜B5の搬送アームA1〜A5がアクセスできる位置に棚ユニットU5が設けられている。この棚ユニットU5は、搬送アームA1〜A5との間でウエハWの受け渡しを行う受け渡しモジュールTRSを備えている。また、棚ユニットU5の近傍には昇降自在な搬送アームD1が設けられ、これら棚ユニットU5に設けられたモジュールにアクセスすることができる。また、受け渡しアーム112も昇降して、BCT層B2及びDEV層B1に対応する高さ位置に設けられたモジュールにアクセスできる。
【0068】
また、処理ブロックC2には、搬送領域R1のインターフェイスブロックC3と隣接する領域において、図16に示すように搬送アームA1及び後述のシャトル114がアクセスできる位置に棚ユニットU6が設けられている。前記棚ユニットU6は、棚ユニットU5と同様に受け渡しモジュールTRSを備えている。
【0069】
DEV層B1内の上部には、棚ユニットU5から棚ユニットU6へウエハWを直接搬送するための専用の搬送手段であるシャトルアーム114が設けられている。また、インターフェイスブロックC3には、棚ユニットU6の各モジュールと露光装置C4との間でウエハWを受け渡すことができるインターフェイスアーム115が設けられている。
【0070】
塗布、現像装置110は例えばコンピュータからなる制御部120を備えている。この制御部120はプログラム、メモリ、CPUなどにより構成されている。前記プログラムには制御部120から塗布、現像装置110の各部に制御信号を送り、後述のモジュール間の搬送及び各モジュールでの処理を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。このプログラムは、既述の制御部1Aに用いられる各種の記憶媒体に格納されて、制御部120にインストールされる。
【0071】
この塗布、現像装置110による処理工程について説明する。先ず、外部から複数のウエハWを収納したキャリアCが載置部111に搬送され、キャリアC内のウエハWは、受け渡しアーム112によって受け渡しモジュールTRS1に順次搬送される。第2のブロック(BCT層)B2の搬送アームA2は、この受け渡しモジュールTRS1からウエハWを受け取って塗布モジュールに搬送し、ウエハWに反射防止膜72が形成される。
【0072】
その後、ウエハWは搬送アームA2により加熱モジュール、棚ユニットU5の受け渡しモジュールTRS2に順に搬送された後、受け渡しアームD1、受け渡しモジュールTRS3の順に搬送される。そして、搬送アームA3によりウエハWはCOT層B3の塗布モジュールに搬送され、レジスト膜73が形成される。レジスト膜73形成後、ウエハWは搬送アームA3により加熱モジュール、棚ユニットU5の受け渡しモジュールTRS4に順に搬送された後、受け渡しアームD1により棚ユニットU5の受け渡し部116に搬送され、そこでシャトル114に受け渡される。シャトル114はウエハWを棚ユニットU6の受け渡し部117に搬送し、そこでウエハWはインターフェイスアーム115に受け渡される。ウエハWはインターフェイスアーム115により露光装置C4に搬送され、1回目の露光処理を受ける。既述の図8(a)は、この露光処理後のウエハWを示している。
【0073】
前記露光処理後のウエハWは、インターフェイスアーム115により、棚ユニットU6の受け渡しモジュールTRS5を介して搬送アームA1に受け渡され、加熱モジュール、現像モジュール113の順に搬送されて処理を受ける。図8(c)はこの現像モジュール113での処理後のウエハWを示している。搬送アームA1により前記ウエハWは加熱モジュール→受け渡しモジュールTRS6→受け渡しアームD1→受け渡しモジュールTRS7の順に搬送される。第4のブロック(酸処理層)B4の搬送アームA4は、この受け渡しモジュールTRS7からウエハWを受け取って塗布モジュールに搬送し、ウエハWに酸薬液が供給される。図8(d)はこのように酸薬液が供給されたウエハWを示している。酸薬液が供給された後、搬送アームA4によりウエハWは加熱モジュールに搬送されて加熱される。図8(e)はこの加熱後のウエハWを示している。
【0074】
加熱後、ウエハWは搬送アームA4により棚ユニットU5の受け渡しモジュールTRS8に搬送され、受け渡しアームD1→シャトル114→インターフェイスアーム115→受け渡しモジュールTRS9→搬送アームA1→現像モジュール113の順に搬送される。そこで現像処理が行われ、図8(f)に示したように改質部75が除去される。その後、搬送アームA1によりウエハWは加熱モジュール→受け渡しモジュールTRS10→受け渡しアームD1→受け渡しモジュールTRS11の順に搬送される。第5のブロック(フリージング層)B5の搬送アームA5は、受け渡しモジュールTRS11からウエハWを受け取って塗布モジュールに搬送し、ウエハWに薬液が供給され、その薬液がレジストと反応して、図9(a)に示すように保護膜76が形成される。
【0075】
その後、ウエハWは搬送アームA2により加熱モジュール、棚ユニットU5の受け渡しモジュールTRS12に順に搬送された後、受け渡しモジュールTRS3を介してCOT層B3に搬送される。これ以降は、ウエハWは上記と同様の経路で各ブロックB1〜B4の各モジュール及び露光装置C4を順次搬送され、COT層B3の塗布モジュールにおけるレジスト塗布処理→露光装置C4における露光処理→DEV層B1の現像モジュール113における現像処理→酸処理層B4における酸処理を順に受ける。その後、図10に示すように現像モジュール113で改質部79が除去された後、ウエハWは搬送アームA1によりDEV層B1の加熱モジュール→受け渡しモジュールTRS7の順に搬送され、受け渡しアーム112によりキャリアCに戻される。
【符号の説明】
【0076】
D1 常温現像液
D2 高温現像液
F 純水
W ウエハ
1 現像装置
1A 制御部
11a〜11d 現像処理部
12a〜12d スピンチャック
21a〜21d カップ体
3a〜3d 洗浄機構
31a〜31d 純水ノズル
4A〜4C 温度調整部
5 現像液供給機構
51 現像液ノズル本体
52 吐出口
75 改質部
77 レジストパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスト膜が形成され、露光された後の基板に現像液を供給して現像を行う現像装置において、
前記基板を水平に載置する載置台と、
第1の温度に温調された第1の現像液を、前記載置台上の基板の表面に供給するための第1のノズルと、
第1の温度よりも高い第2の温度に温調された第2の現像液を、前記載置台上の基板の表面に供給するための第2のノズルと、
第1のノズルにより第1の現像液を基板の表面に供給して現像を行った後、第2のノズルにより第2の現像液を基板の表面に供給するように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
洗浄液を、前記載置台上の基板の表面に供給するための洗浄ノズルを備え、
前記制御部は、第1の現像液を基板の表面に供給して現像を行った後、前記洗浄ノズルから基板の表面に洗浄液を供給し、次いで第2のノズルにより第2の現像液を基板の表面に供給するように制御信号を出力することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記第1のノズルに接続され、現像液を第1の温度に温調しながら通流するための第1の供給路と、
前記第2のノズルに接続され、現像液を第2の温度に温調しながら通流するための第2の供給路と、を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
【請求項4】
現像液を設定温度に温調しながら通流するための第1の供給路と、
現像液を前記設定温度よりも高い温度に温調しながら通流するための第2の供給路と、
前記第1の供給路及び第2の供給路が合流する合流部と、
前記第1の供給路における現像液の流量と第2の供給路における現像液の流量との流量比を調整するための流量調整部と、
基板の表面に第2の現像液を供給するときには、前記合流部よりも下流側の現像液を第2の現像液として用いるために当該現像液の温度が前記第2の温度となるように前記流量調整部を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
【請求項5】
前記第1の供給路における設定温度は第1の温度であり、前記第1の現像液は、第1の供給路を通流する現像液が使用されることを特徴とする請求項4記載の現像装置。
【請求項6】
前記第1のノズル及び第2のノズルはノズル本体及びこのノズル本体に形成された現像液吐出口を共有し、
前記第1の供給路及び第2の供給路は前記現像液吐出口に接続され、
前記制御部は、基板の表面に第1の現像液を供給するときには前記現像液吐出口から吐出される現像液の温度が前記第1の温度となるように、また基板の表面に第2の現像液を供給するときには前記現像液吐出口から吐出される現像液の温度が前記第2の温度となるように制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項7】
第1のノズル及び第2のノズルはノズル本体を共有し、このノズル本体に第1の現像液及び第2の現像液を夫々吐出する第1の現像液吐出口及び第2の現像液吐出口が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項8】
前記制御部は、第2の現像液の供給時に基板の表面の温度を安定化させるために、第2の現像液の供給時間が第1の現像液の供給時間よりも長くなるように制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項9】
第1の現像液の流量を調整する手段と第2の現像液の流量を調整する手段とを備え、
前記制御部は、第2の現像液の供給流量が第1の現像液の供給流量よりも少なくなるように前記各手段を調整するための制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項10】
レジスト膜が形成され、露光された後の基板に現像液を供給してレジストパターンを形成する方法において、
前記基板を載置台に水平に載置する工程と、
第1の温度に温調された第1の現像液を、第1のノズルから前記載置台上の基板の表面に供給してレジストパターンを形成する工程と、
次いで第1の温度よりも高い第2の温度に温調された第2の現像液を、第2のノズルから前記載置台上の基板の表面に供給して、レジストパターンの表層部を酸が浸透しやすい状態に改質する工程と、を含むことを特徴とするレジストパターンの形成方法。
【請求項11】
第1の現像液を前記基板の表面に供給した後、第2の現像液を当該基板の表面に供給する前に、洗浄液を基板の表面に供給する工程を行うことを特徴とする請求項10記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項12】
第2の現像液を前記基板の表面に供給する工程は、現像液を設定温度に温調しながら通流するための第1の供給路からの現像液と、現像液を前記設定温度よりも高い温度に温調しながら通流するための第2の供給路からの現像液と、を混合し、その混合液を第2の現像液として用いるために、当該混合液が第2の温度となるように前記第1の供給路における現像液の流量と第2の供給路における現像液の流量との流量比を調整する工程を含むことを特徴とする請求項10または11記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項13】
前記第1の供給路における設定温度は第1の温度であり、第1の現像液を前記基板の表面に供給する工程は、第1の供給路を通流する現像液が使用されることを特徴とする請求項12記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項14】
第2の現像液を基板の表面に供給する供給時間は、基板の表面における第2の現像液の温度を安定化させるために、第1の現像液の供給時間よりも長いことを特徴とする請求項10ないし13のいずれか一項に記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項15】
第2の現像液の供給流量が第1の現像液の供給流量よりも少ないことを特徴とする請求項10ないし14のいずれか一項に記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項16】
第2の現像液を前記基板の表面に供給する工程が行われた後、基板の表面に酸を供給する工程と、
次いで前記基板を加熱して酸を拡散させる工程と、
その後、前記基板に現像液を供給してレジストパターンにおける酸の拡散部分を溶解させてレジストパターンを細くする工程と、を含むことを特徴とする請求項10ないし15のいずれか一項に記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項17】
レジストパターンの形成方法に用いられるプログラムを格納する記憶媒体であって、
前記プログラムは、請求項10ないし16のいずれか一項の方法を実行するようにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−23671(P2011−23671A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169539(P2009−169539)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】