説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】現像ローラーから回収した液体現像剤の排出性能の向上を図る。
【解決手段】本発明に係る現像装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を担持する現像ローラーと、現像ローラーをクリーニングするクリーニング部と、クリーニング部でクリーニングされた液体現像剤を貯留する回収液貯留部と、回収液貯留部の現像ローラーの軸方向の一端側に配設される第1排出口と、回収液貯留部の現像ローラーの軸方向の他端側に配設される第2排出口と、回収液貯留部に貯留する液体現像剤を現像ローラーの軸方向に搬送する回収オーガと、回収オーガを一方向もしくは逆方向に回転させる駆動部と、を有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤担持体に担持した液体現像剤中のトナー粒子を、潜像担持体に担持された潜像に付着させて現像する現像装置、及び、現像装置を備えたファクシミリ、プリンタ、複写機などの各種画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
このような液体現像剤を用いた画像形成装置では、静電潜像の可視化に寄与しなかった液体現像剤を再度利用することで、液体現像剤を効率的に利用する各種試みが実施されている。
【0004】
特許文献1には、現像剤回収補給部から現像剤容器内の供給部に液体現像剤を供給し、供給部から仕切を介して溢れた液体現像剤を回収部にて回収し、回収された液体現像剤を現像剤回収補給部に戻すことで、液体現像剤を循環させる画像形成装置について開示されている。この回収部には、液体現像剤を搬送するための回収スクリューが配置され、回収スクリューが回転することで回収部内の液体現像剤を一方向に搬送し、液体現像剤貯留部に回収している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−75552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される画像形成装置では、回収部内において液体現像剤が常に同方向に搬送されるため、特に、排出口側においてトナー粒子が凝集した凝集現像剤が溜まり、本来搬送すべき液体現像剤の搬送性能が低下してしまう。また、回収した液体現像剤を液体現像剤貯留部に回収して再利用する場合、高画線率、すなわち、トナー粒子の使用率が高い画像印刷が継続した場合、回収した液体現像剤が低濃度となり、液体現像剤貯留部に貯留する液体現像剤の急激な濃度低下を招くこととなる。液体現像剤貯留部内での濃度調整が間に合わない場合には、形成する画像の品質を低下させてしまうことも考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するために、本発明に係る現像装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を担持する現像ローラーと、前記現像ローラーをクリーニングするクリーニング部と、前記クリーニング部でクリーニングされた液体現像剤を貯留する回収液貯留部と、前記回収液貯留部の前記現像ローラーの軸方向の一端側に配設される第1排出口と、前記回収液貯留部の前記現像ローラーの軸方向の他端側に配設される第2排出口と、前記回収液貯留部に貯留する液体現像剤を前記現像ローラーの軸方向に搬送する回収オーガと、前記回収オーガを一方向もしくは逆方向に回転させる駆動部と、を有することを特徴とす
るものである。
【0008】
さらに本発明に係る現像装置は、前記現像ローラーに塗布する液体現像剤を供給する現像剤供給部を有し、前記第1排出口から排出される液体現像剤は、前記前記現像剤供給部に搬送されることとしている。
【0009】
さらに本発明に係る現像装置は、前記第2排出口から排出される液体現像剤を貯留する回収容器を有することとしている。
【0010】
さらに本発明に係る現像装置において、前記第2排出口から排出される液体現像剤は、前記現像剤供給部に搬送されることとしている
【0011】
さらに本発明に係る現像装置は、前記現像ローラーに塗布する液体現像剤を貯留する供給現像剤貯留部を有し、前記回収オーガの回転方向は、前記供給現像剤貯留部に貯留された液体現像剤のトナー濃度、もしくは前記供給現像剤貯留部の液量に基づいて切り換えられることとしている。
【0012】
さらに本発明に係る現像装置において、前記駆動部は、前記回収オーガを前記一方向に回転させる第1駆動部、前記回収オーガを前記逆方向に回転させる第2駆動部、及び前記第1駆動部または前記第2駆動部の駆動力を前記回収オーガに伝達させる駆動力切換部を有することとしている。
【0013】
さらに本発明に係る現像装置において、前記第1駆動部、もしくは前記第2駆動部は、前記現像ローラーを回転させることとしている。
【0014】
また本発明に係る画像形成装置は、潜像が形成される潜像担持体と、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を担持する現像ローラー、前記現像ローラーをクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニング部、前記クリーニング部でクリーニングされた液体現像剤を貯留する回収液貯留部、前記回収液貯留部の前記現像ローラーの軸方向の一端側に配設される第1排出口、前記回収液貯留部の前記現像ローラーの軸方向の他端側に配設される第2排出口、及び前記回収液貯留部に貯留する液体現像剤を前記現像ローラーの軸方向に搬送する回収オーガを有し、前記潜像担持体に形成された前記潜像を現像する現像部と、前記回収オーガを一方向もしくは逆方向に回転させる駆動部と、を有することを特徴とするものである。
【0015】
以上、本発明の現像装置、画像形成装置によれば、回収オーガを一方向、あるいは、逆方向へ回転させることで、排出口近傍における凝集トナーの堆積を抑制し、液体現像剤の搬送性能の向上を図ることが可能となる。また、形成する画像の画線率の変化により回収した液体現像剤の濃度が変化した場合においても、現像剤供給部側で貯留する濃度変化及び液位変化を抑制し、連続印刷を可能とする画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図。
【図2】画像形成部、現像部、現像剤供給部の構成を示す図。
【図3】画像形成部、現像部、現像剤供給部の構成を示す図。
【図4】回収オーガの正回転時、逆回転における液体現像剤の流れを示す図。
【図5】他の実施形態に係る画像形成部、現像部、現像剤供給部の構成を示す図。
【図6】他の実施形態に係る画像形成部、現像部、現像剤供給部の構成を示す図。
【図7】他の実施形態に係る回収オーガの回転駆動構成を示す図。
【図8】他の実施形態に係る回収オーガの回転駆動構成を示す側面図。
【図9】画線率と回収現像剤濃度の関係を説明する図。
【図10】本発明の実施形態に係る回収オーガの回転制御を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示した図である。本実施形態の画像形成装置は、転写ベルト40と、感光体10Y、10M、10C、10Kを主要構成とする4つの画像形成部と、各感光体10Y、10M、10C、10K(本発明でいう「潜像担持体」)に対応して配設された4つの現像装置30Y、30M、30C、30Kと、図中、転写ベルト40の右側に配設されている2次転写部と、図中、転写ベルト40の左側に配設されているクリーニング部などによって構成されている。
【0018】
以下、画像形成部及び現像装置30Y、30M、30C、30Kについては、各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるため、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0019】
現像部30Yは、液体現像剤により感光体10Y上に形成された潜像を現像する装置であって、現像ローラー20Yと、中間ローラー32Yと、アニロックスローラー33Yと、液体現像剤を貯蔵する液体現像剤容器31Y、現像ローラー20Y上のトナーを帯電させるトナー帯電器22Yを主な構成要素としている。
【0020】
現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、中間ローラー32Y、トナー帯電器22Yが配されている。中間ローラー32Yは、その表面を現像ローラー20Yと供給ローラー33Yに当接させており、その外周には中間ローラークリーニングブレード34Yが配設されている。
【0021】
アニロックスローラー33Yには、現像剤貯留部311Yから汲み上げた液体現像剤の量を調整する規制部材35Yが当接している。なお、本実施形態の現像装置のように中間ローラー32Yを用いた3ローラー方式では、中間ローラー32Yが供給ローラー33Yに当接することで液体現像剤の量を調整することが可能であるため、この規制部材35Yを配設しない構成とすることも可能である。
【0022】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0023】
アニロックスローラー33Yは、中間ローラー32Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能する。このアニロックスローラー33Yは、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー33Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図に示すように供給ローラー33Yは時計回りに回転して、中間ローラー32Yに液体現像剤を塗布する。
【0024】
規制部材35Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー33Yの表面に当設し、アニロックスローラー33Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0025】
中間ローラー32Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図に示すように、現像ローラー20Yと同様、反時計回りに回転し、現像ローラー20Yに対しカウンター当接する。中間ローラー32Yは現像ローラー20Yと同様に、金属製の内心の外周部に弾性層を設けて構成される。
【0026】
中間ローラー32Yと現像ローラー20Yとの当接位置下流には、中間ローラークリーニングブレード34Yが当接して配設され、現像ローラー20Yに供給されなかった液体現像剤を掻き取って現像剤容器31Y内の第1回収液貯留部312Yに回収する。
【0027】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図に示すように反時計回りに回転する。現像ローラー20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、PFAチューブなどの弾性層を設けたものである。
【0028】
現像ローラークリーニングブレード21Y(本発明における「クリーニング部」)は、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配設され、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去する。現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の第1回収液貯留部312Yに滴下して再利用される。
【0029】
トナー帯電器22Yは、現像ローラー20Yの表面に塗布された液体現像剤の帯電状態を調整する手段であり、本実施形態では、放電面にグリッド電極を有さないコロトロン帯電器を使用している。現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、このトナー帯電器22Yと近接する位置でコロナ放電による電界が印加され帯電される。
【0030】
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、時計回りの方向に回転する。
【0031】
2基のコロナ帯電器11Y、11Y’は、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Y、11Y’によって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0032】
1次転写部50Yの上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置されている。この感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材からなる第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’、感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’にて構成され、感光体10Y上に現像されたトナー像から余剰なキャリア液及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像(トナー像)内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。なお、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、カブリトナーを感光体スクイーズローラー13Y、13Y’側に誘引するためバイアス電圧が印加されている。
【0033】
感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’は、各感光体スクイーズローラー13Y、13Y’に当接して設けられ、回収されたキャリア液やカブリトナ
ーを含んだ液体現像剤を掻き落として、現像剤容器31Y内の回収液貯留部312Y(第1回収液貯留部)に滴下する。
【0034】
上記の第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’からなるスクイーズ装置を通過した感光体10Y表面は、1次転写部50Yに進入する。この1次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を1次転写バックアップローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。この1次転写部50Yにおいては、1次転写バックアップローラー51Yに印加される転写バイアスの作用によって、感光体10Y上のトナー像は転写ベルト40側に転写される。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0035】
1次転写部50Yの下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上のキャリア成分リッチな液体現像剤をクリーニングし、回収液貯留部181Y(第2回収液貯留部)に滴下する。
【0036】
転写ベルト40(転写部材)は、ポリイミド基層上にポリウレタンの弾性中間層を設け、さらにその上にPFA表層が設けられている三層構造となっている。この転写ベルト40は、ベルト駆動ローラー41、テンションローラー42にて張架され、PFA表層側においてトナー像が転写されるようにして用いられる。本実施形態の画像形成装置では、転写させるための部材として、転写ベルト40を用いているが、ベルトに限らず、ローラー、ドラムなど各種の転写部材を採用することも可能である。
【0037】
感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで1次転写バックアップローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置することで形成される1次転写部50Y、50M、50C、50Kでは、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、転写ベルト40上にフルカラーのトナー像を形成する。
【0038】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、両者によって2次転写部(ニップ部)を形成する。この2次転写部では、転写ベルト40上に形成された単色あるいはフルカラーのトナー像が転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写される。さらに、シート材搬送経路Lの下流には、図示しない定着ユニットが配設され、転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像に熱や圧力を加えて定着させる。
【0039】
2次転写ユニットに対する転写材の供給は給紙装置(不図示)によって行われる。給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101、101’によって転写材を2次転写部まで搬送し、転写ベルト40上に形成された単色あるいはフルカラーのトナー像を転写材に転写する。
【0040】
テンションローラー42は、駆動ローラー41と共に中間転写体40を張架しており、中間転写体40のテンションローラー42に張架されている箇所にて、転写ベルト40をクリーニングするクリーニングブレード46が当接して配設される。
【0041】
このような画像形成装置において、各色毎の画像形成部、現像部に対し液体現像剤を供給する現像剤供給部について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る画像形成部、現像部、現像剤供給部の主要構成を示す断面図であり、図3は、本発明の実施形態に係る画
像形成部、現像部の側面図、及び、現像剤供給部の断面図である。
【0042】
図2に示されるように、現像部30Yにおける現像剤容器31Y内には、現像ローラー20Yに対して供給する液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部311Yと、回収した液体現像剤を貯留する収液貯留部312Y(第1回収液貯留部)が配設されている。また、これら液体現像剤貯留部311Yと回収液貯留部312Yは、仕切板313Yにて仕切られている。
【0043】
図3には、回収液貯留部312Y側からみた現像部30Yの側断面図が示されている。この図に示されるよう、仕切板313Yは、その両端部が一部切り欠かれた形状となっており、両端部での高さが一段低くなっている。この切り欠き部で、現像剤貯留部311から回収液貯留部312Y側に液体現像剤を溢れさせる(オーバーフローさせる)ことで、現像剤貯留部311内での液位を一定に保ち、アニロックスローラー33Yに安定して液体現像剤を供給することが可能となっている。また、回収した回収液貯留部312Y内の現像剤が現像剤貯留部311Yに混入することがなく、現像剤貯留部311Yの調整された液体現像剤の濃度が乱されることがない。
【0044】
このように回収液貯留部312Yには、現像剤貯留部311Yから溢れた液体現像剤の他、現像ローラークリーニングブレード21Yなど、各種ブレードで掻き取られた液体現像剤が貯留される。特に、現像ローラー20Y上から回収される回収液は、トナー帯電器22Yによって電界が印加され、現像ローラー20Yと感光体10Yとの間で圧縮されることで、トナー粒子同士が結合した凝集トナーを多く含んだ状態となっている。
【0045】
回収液貯留部312Yに貯留された回収液は、現像剤供給部にて濃度調整された後、再び、現像剤貯留部311に供給され再利用される。このように液体現像剤の再利用を図る現像剤供給部の構成について説明する。
【0046】
本実施形態では、現像剤供給部の主な構成として、高濃度現像剤タンク76Y、キャリア液タンク75Y、濃度調整タンク71Y、濃度調整タンク71Yと現像剤貯留部311Yとを接続する搬送路721Y、回収液貯留部312Yと現像剤供給部とを接続する搬送路722Y、723Y、回収した液体現像剤を一時的に貯留するためのバッファタンク78Yなどを有している。また、液体現像剤の再利用を図る現像剤供給部とは別に、廃棄する液体現像剤を貯留巣得るための廃棄タンク79Y(回収容器)が備えられている。
【0047】
濃度調整タンク71Yの内部には、液体現像剤を貯留するとともに、その濃度調整を行うための供給現像剤貯留部711Yが形成されている。この供給現像剤貯留部711Yには、高濃度現像剤タンク76Yから搬送経路725Yを介して高濃度現像剤を、また、キャリア液タンク75Yから搬送経路724Yを介してキャリア液を供給することが可能となっている。本実施形態では、各搬送経路725Y、724Yにポンプ735Y、734Yを配設して積極的に供給することとしているが、流動性が高い場合には、ポンプに代えてバルブを採用し、自重により供給することとしてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、回収液貯留部312Yに貯留する液体現像剤が搬送経路722Yを介して供給現像剤貯留部711Yに回収される。回収液貯留部312Y内には液体現像剤を現像ローラー20Yの軸方向に搬送するための回収オーガ37Y(第1回収オーガ)が配設されている。この回収オーガ37Yは現像ローラー20Yの軸方向と同方向の回転軸と、回転軸周囲に配設されたフィン(羽根)にて構成されている。この回収オーガ37Yを、モーターなどの回収オーガ駆動源371Y(第1回収オーガ駆動源)にて正回転させることで回収液貯留部312Yの一端に配設された第1排出口312aから排出、すなわち、回収液貯留部312Y内の液体現像剤を搬送経路722Yにて供給現像剤貯留部
711Yに搬送する。
【0049】
一方、回収オーガ駆動源371Yにて回収オーガ37Yを逆回転させた場合には、回収液貯留部312Y内の液体現像剤は、回収液貯留部312Yの他端に配設された第2排出口312bから排出され、搬送経路723Yを介して廃棄タンク79Yに搬送される。廃棄タンク79Yに搬送された液体現像剤は再利用されることなく、廃棄タンク79Y内の液体現像剤を除去する、あるいは、廃棄タンク79Y毎交換することで廃棄される。
【0050】
本実施形態では、制御回路によって、回収オーガ駆動源371Yを電気的に正逆回転させることで、回収オーガ37Yを正回転、もしくは、逆回転させることとしているが、回収オーガ37Yの回転方向の切り換えは、例えば、一方向に回転する駆動源(モーター)の駆動力を回収オーガ37Yに伝達する駆動部を配し、駆動部のギア輪列中に配設される電磁クラッチの通電、非通電によって行うこととしてもよい。
【0051】
本実施形態では、感光体クリーニングブレード18Yにて1次転写後の感光体10Yから回収した液体現像剤の再利用を図るため、感光体クリーニングブレード18Yで回収した液体現像剤を受けるための回収液貯留部181Y(第2回収液貯留部)、そして、回収オーガ182Y(第2回収オーガ)が設けられている。回収オーガ182Yの構成は、回収オーガ37Yと略同様であり、回収オーガ駆動部183Y(第2回収オーガ駆動部)による回転にて、感光体10Y全域から回収し回収液貯留部181に貯留する液体現像剤を感光体10Yの軸方向に搬送する。ただし本実施形態の回収オーガ182Yは一方向のみに回転し、液体現像剤を搬送経路726Yを介してバッファタンク78Yに搬送する。
【0052】
バッファタンク78Yは、回収オーガ182Yにて回収した液体現像剤を一時的に貯留する貯留部であって、貯留する液体現像剤は搬送経路727Yを介して供給現像剤貯留部711Yに搬送され再利用される。本実施形態ではポンプ737Yにて搬送される。
【0053】
濃度調整タンク71Yに形成された供給現像剤貯留部711Y内には、貯留する液体現像剤のトナー濃度を検知するための濃度センサー73Y、液量を検知するための液位センサー74Y、液体現像剤を攪拌して均一濃度とするための攪拌部材77Yが配設される。濃度センサー73Y、液位センサー74Yの出力に基づいてポンプ735Y、734Yを駆動し、攪拌部材77Yにて攪拌することで、供給現像剤貯留部711Yに貯留する液体現像剤のトナー濃度(固形分濃度25%)、液量を一定の値に調整することが可能となっている。また本実施形態ではバッファタンク78Yに貯留する液体現像剤をポンプ737Yにて搬送しているため、このポンプ737Yについても液位センサー74Y、濃度センサー73Yの少なくとも一方を用いて搬送量を制御することとしてもよい。さらに、バッファタンク78Yの液量(液位)を監視する液位センサーを設け、このバッファタンク78Yの液量に基づいて、バッファタンク78Y内の液体現像剤が溢れないようにポンプ737Yを制御することとしてもよい。
【0054】
濃度調整された液体現像剤は、ポンプ731Yにて搬送路721Yを介して現像部30Yの現像剤貯留部311Yに搬送され、画像形成に使用される。以上、図2、図3を用いて現像剤供給部の構成について説明したが、このような現像剤供給により、液体現像剤を濃度調整して再利用を図ることが可能となる。
【0055】
では、本実施形態の回収オーガ37Yの回転方向の切り換えによる作用について説明する。図4は回収オーガの回転による回収液貯留部312Y内での液体現像剤の流れを示した図であって、図4(a)は回収オーガ37Yが正回転しているとき、図4(b)は回収オーガ37Yが逆回転しているときの回収液貯留部312Y内の様子を示す断面図である。
【0056】
図4(a)に示されるように、回収オーガ駆動源371Yにより回収オーガ37Yが正方向に回転する場合、液体現像剤は第1排出口312a側に搬送される。一方、回収液貯留部312Yに貯留する液体現像剤は、現像過程において各種ローラーで圧縮、あるいは、トナー帯電器22Yなどで電荷が付されたトナー同士が結合した凝集トナーを多く含んだ状態である。同方向への搬送が継続すると、第1排出口312a側にこの凝集トナーが貯まり、液体現像剤の排出(搬送)性能が悪化する。
【0057】
液体現像剤の排出性能が悪化すると、濃度調整タンク71Yへの送液量が不安定となり供給現像剤貯留部711Y内の液位が変動するため液位制御が不安定となってしまう。また、第1排出口312aに貯まった凝集トナーが不定期にまとまって濃度調整タンク71Yに搬送されると、供給現像剤貯留部711Yでの濃度制御が不安定となってしまう。
【0058】
そのため、本実施形態では図4(b)に示されるように回収オーガ37Yを一時的に逆回転させ、回収液貯留部312Yに貯留する液体現像剤の搬送方向を逆方向とすることで、第1排出口312aに貯まった凝集トナーを除去し、液体現像剤の排出性能を確保することとしている。本実施形態において、回収オーガ37を逆方向に回転させるには、回収オーガ駆動源371Yを逆方向に回転させることで実現される。逆方向への回転により、回収液貯留部312Yに貯留される液体現像剤は、第2排出口312b側から排出され廃棄タンク79Yに搬送される。このように本実施形態では、正回転時に貯まった凝集トナーが多く排出されることを考慮して、逆回転時には液体現像剤を廃棄することとしているが、逆搬送時における液体現像剤を再利用することも考えられる。
【0059】
図5、図6は他の実施形態に係る画像形成部、現像部、現像剤供給部の構成を示す図であって、回収オーガ37Yが逆回転したときに搬送する液体現像剤の再利用を図る構成となっている。
【0060】
具体的には、図6からよく分かるように回収オーガ37Yが逆回転したときに搬送される液体現像剤は、第2排出口312bから排出され、搬送経路728Yを介してバッファタンク78Yに搬送される。このバッファタンク78Yには、図2、図3で説明した実施形態と同様、回収オーガ182Y(第2回収オーガ)にて搬送された感光体10Yからの液体現像剤も搬送されている。バッファタンク78Y内の液体現像剤はポンプ737Yを駆動することで搬送経路727Yを介して供給現像剤貯留部711Yに回収される。
【0061】
前述したように回収オーガ37Yの逆回転時には、凝集トナーを多く含む液体現像剤が搬送されるため、バッファタンク78Yに超音波を発生する振動付与部を設け、バッファタンク78Yに貯留する液体現像剤に振動を加え、トナー凝集を解消するように構成することとしてもよい。さらに振動付与部の制御を回収オーガ37Yの回転方向に基づいて行うようにしてもよい。例えば、回収オーガ37Yが逆回転したときに振動付与部で与える振動のパワーを大きくし、搬送される凝集トナーを効果的に解消することが可能となる。
【0062】
図2、図3、図5、図6で説明した2つの実施形態では、回収オーガ37Yの正逆回転を回収オーガ駆動源371Yの回転方向を変更することで実現していたが、現像部30Yには、回収オーガ37Y以外にも回転駆動する各種ローラーが存在する。図7、図8を用いて説明する実施形態は、このような現像部30Yにて回転駆動する各種ローラーと駆動源を共用したものとなっている。なお、本実施形態における液体現像剤の搬送については、前述の実施形態のものを利用することができる。
【0063】
図7は他の実施形態に係る回収オーガの回転駆動構成を示す図であって、図3などと同様、回収液貯留部312Y側からみた現像部30Yの側面図が示されている。本実施形態
では、前述の実施形態が1つの回収オーガ駆動源371で正逆回転を行っていたのに対し、回収オーガ37Yを正回転させる第1駆動部と、回収オーガ37Yを逆回転させる第2駆動部と、第1駆動部または第2駆動部の駆動力を回収オーガに伝達させる駆動力切換部を有して構成されている。また、本実施形態では回収オーガ37Yを両方向から回転駆動させるべく、第1排出口312a、第2排出口312bはともに回収液貯留部312の底面に配設されている。そして、第1駆動部、第2駆動部は、回収オーガ37Yだけでなく、現像ローラー20Yや攪拌オーガ36Yといった他のローラーの回転駆動をも賄うこととしている。
【0064】
回収オーガ37Yを正回転させる第1駆動部は、第1駆動源38aと第1駆動力伝達部381を主な構成要素としている。図8(a)は、この第1駆動部の詳細を示す図であって、図7において第1駆動部を右方向から眺めた側面図となっている。本実施形態の第1駆動部は、第1駆動源38aによる駆動力を回収オーガ37Yの正回転のみならず、現像ローラー20Yと、中間ローラー32Yの回転駆動源として利用している。
【0065】
具体的には、第1駆動源38aのシャフト回転は、モーターピニオン381aを介して現像ローラー歯車381bに伝達され現像ローラー20Yを回転させる。さらに現像ローラー歯車381bの回転は、回転速度を調整するためアイドラー歯車381cを介して中間ローラー歯車381dに伝達され中間ローラー32Yを回転させる。中間ローラー歯車381dの回転は、2つのタイミングプーリー381e、381gと、両タイミングプーリーに張架されたタイミングベルト381fにて第1電磁クラッチ38bへと伝達される。第1電磁クラッチ38bがオンとなることで、第1駆動源38aの駆動力は、回収オーガ37Yを正方向に回転させる。
【0066】
一方、回収オーガ37Yを正回転させる第2駆動部は、第2駆動源39aと第1駆動力伝達部391を主な構成要素としている。図8(b)は、この第2駆動部の詳細を示す図であって、図7において第2駆動部を左方向から眺めた側面図となっている。本実施形態の第2駆動部は、第2駆動源39aによる駆動力を回収オーガ37Yの逆回転のみならず、アニロクスローラー33Y、攪拌オーガ36Yの回転駆動源として利用している。
【0067】
具体的には、第2駆動源39aのシャフト回転は、モーターピニオン391aを介してアニロクスローラー歯車391bに伝達されアニロクスローラー33Yを回転させる。さらにアニロクスローラー歯車391bの回転は、攪拌オーガ歯車391cに伝達され攪拌オーガ36Yを回転させる。攪拌オーガ歯車391cの回転は、2つのアイドラー歯車391d、391eにて第1回収オーガ歯車391fへと伝達される。第1回収オーガ歯車391fには第2電磁クラッチ39bが連結されており、第2電磁クラッチ39bがオンとなることで、第2駆動源39aの駆動力は、回収オーガ37Yを逆方向に回転させる。
【0068】
このように本実施形態では、回収オーガ37Yの正方向への回転を第1駆動部で、また、逆方向の回転を第2駆動部で担当するとともに、駆動力切換部としての第1電磁クラッチ38b、第2電磁クラッチ39bで切り換えを実行することとしている。特に、第1駆動部、第2駆動部では現像ローラー20Y、アニロクスローラー33Yなどの回転駆動を兼用した構成となっているため、装置のコンパクト化、簡素化を図ることが可能となっている。なお、回収オーガ37Yと回転を兼用する各種ローラーの組み合わせ、また、その駆動方法、切換方法は、本実施形態で説明した以外にも各種形態を採用することが可能である。
【0069】
次に、回収オーガ37Yの回転方向制御について説明する。図9は、回収オーガ37Yの正回転を継続した場合において回収液貯留部312Yから排出される液体現像剤のトナー濃度(回収現像剤濃度)と、形成する画像、すなわち、露光ユニット12Yで感光体1
0Yに形成する潜像についての画線率の関係を示した図である。
【0070】
供給現像剤貯留部711Yから現像剤貯留部311Yに供給する液体現像剤は、トナー濃度が所望の値(本実施形態では25%)に保たれることが好ましい。図9の関係を見ると分かるように画線率20%を境として、回収液貯留部312Yから排出される液体現像剤のトナー濃度は好適な値から変化する。すなわち、画線率が20%以上の場合、現像に使用されるトナーが増加するため、回収された液体現像剤のトナー濃度は低下する。一方、画線率が20%以下では、現像に使用されるトナーは減少するため、回収された液体現像剤のトナー濃度は増加する。
【0071】
本実施形態では、回収液貯留部312Yから排出される液体現像剤のトナー濃度の変化を鑑みて、回収オーガ37Yの回転方向を切り換えることとしている。なお、回収オーガ37Yの回転方向の切換は、図示しない制御部により回収オーガ駆動部371Yの回転駆動、もしくは、第1電磁クラッチ38bまたは第2電磁クラッチ39bの接続を切り換えることで実行される。
【0072】
本実施形態では、供給現像剤貯留部711Yに貯留するトナー濃度及び液量に基づいて行うこととしている。前述したように供給現像剤貯留部711Yには、液体現像剤のトナー濃度を検出する濃度センサー73Y、液位(液量)を検出する液位センサー74Yが配設されている。これらセンサーの出力は、回収オーガ37Yの切換を実行する制御部に入力され、正回転、逆回転の切り換えを判断するために利用される。
【0073】
では、回収オーガ37Yの回転方向の切り換えについて説明する。図11は回収オーガ37Yの回転方向の切り換え処理例を示した図であって、画像形成装置における印刷枚数の進行に対する供給現像剤貯留部711Y内の液体現像剤濃度、並びに、液位の変位が示されている。なお、この例では画線率20%以上の印刷を継続した場合の制御例となっている。また、本実施形態の制御は、回収オーガ37Yの逆回転時に液体現像剤を廃棄する実施形態(図2、図3で説明)、再利用する実施形態(図5、図6で説明)のどちらにも利用することが可能である。
【0074】
液体現像剤濃度と液位はそれぞれ濃度センサー73Y、液位センサー74Yにて検出される値である。現像剤濃度、液位は、それぞれ基準値、上限値、下限値を有しており、上限値と下限値の範囲内に制御される。本実施形態において、現像剤濃度の基準値は25%、上限値を27%、下限値を23%としている。一方、液位の基準値は100mm、上限値を150mm、下限値を50mmとしている。
【0075】
印刷が開始された直後、すなわち、図に示されるi領域では、回収オーガ37Yは正回転駆動される。このi領域では、供給現像剤貯留部711Y内の液体現像剤の濃度を25%の一定値に保持しようとすると、回収液貯留部312Yから濃度の低い液体現像剤が流入するため、高濃度現像剤タンク76Yより高濃度現像剤を供給する必要があり、その結果、供給現像剤貯留部711Y内の液位は上昇する。
【0076】
そのため、ii領域では、供給現像剤貯留部711Yに貯留する液体現像剤の濃度目標値を下限値(23%)まで下げることで、液位上昇を緩和させる。さらに液位が上昇して上限値(100mm)に達したとき、回収オーガ37Yを逆回転駆動させることで、回収液貯留部312Yに貯留する液体現像剤を廃棄タンク79Y、バッファタンク78Yに搬送し、供給現像剤貯留部711Yへの直接搬送を停止することで、液位上昇を減少に転じさせる。このとき濃度目標値も基準値(25%)に回復させる(iii領域)。
【0077】
iii領域の回収オーガ37Yの逆回転を継続し、濃度が基準値に戻った時点で、回収オ
ーガ37Yは正回転に切り換えらえる。このように正回転に戻すことで、逆回転時の搬送先である廃棄タンク79Y、バッファタンク78Yへの搬送量を抑制し、限られた容量の各タンクが短期に満杯になることを防いでいる。正回転に切り換えられたiv領域は、実質、i領域と同じ制御であって、回収オーガ37Yは正回転、濃度目標値は基準値(25%)に設定された状態である。
【0078】
本実施形態の制御では、供給現像剤貯留部711Yに貯留する液体現像剤のトナー濃度、及び、液位を利用して回収オーガ37Yの回転方向を切り換えることとしたが、トナー濃度、液位の両方を用いるのみならず、何れか1方を用いて制御することとしてもよい。また、図9にて説明した、画像の画線率、もしくは、画線率とトナー濃度、液位を組み合わせて回収オーガ37Yの回転方向を切り換える制御を行うことも考えられる。
【0079】
以上、本実施形態では、回収オーガ37Yを正回転(一方向への回転)、あるいは、逆回転(逆方向への回転)させることで、排出口近傍における凝集トナーの堆積を抑制し、液体現像剤の搬送性能の向上を図ることが可能となる。また、画線率の変化により回収した液体現像剤の濃度が変化した場合においても、供給現像剤貯留部711Yに貯留する濃度変化及び液位変化を抑制し、連続印刷を可能とする画像形成装置を提供することが可能となる。
【0080】
なお、本明細書においては、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施の形態の構成を適宜組み合わせて構成された実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0081】
10Y(以下、符号にYの付されているものは、M、C、K各色についても同様)…感光体(潜像担持体)、11Y…第1コロナ帯電器、11Y’…第2コロナ帯電器、12Y…露光ユニット、13Y…第1スクイーズローラー、13Y’…第2スクイーズローラー、14Y…第1スクイーズローラークリーニングブレード、14Y’…第2スクイーズローラークリーニングブレード、18Y…感光体クリーニングブレード、181Y…第2回収液貯留部、182Y…第2回収オーガ、183Y…第2回収オーガ駆動部、20Y…現像ローラー(現像剤担持体)、21Y…現像ローラークリーニングブレード、22Y…トナー帯電器、30Y…現像部(現像装置)、31Y…現像剤容器、311Y…現像剤貯留部、312Y…第1回収液貯留部、312a…第1排出口、312b…第2排出口、313Y…仕切板、32Y…中間ローラー、33Y…アニロクスローラー、34Y…中間ローラークリーニングブレード、35Y…規制部材、36Y…攪拌オーガ、37Y…第1回収オーガ、371…第2回収オーガ駆動部、39a…第1駆動源、391…第1駆動力伝達部、39b…第1電磁クラッチ、391a…モーターピニオン、391b…現像ローラー歯車、391c…アイドラー歯車、391d…中間ローラー歯車、391e、391g…タイミングプーリー、391f…タイミングベルト、39a…第2駆動源、391…第2駆動力伝達部、39b…第2電磁クラッチ、391a…モーターピニオン、391b…アニロクスローラー歯車、391c…攪拌オーガ歯車、391d、391e…アイドラー歯車、391f…第1回収オーガ歯車、40…転写ベルト、41…駆動ローラー、42…テンションローラー、50Y…1次転写部、51Y…1次転写バックアップローラー、60…2次転写ユニット、61…2次転写ローラー、62…2次転写ローラークリーニングブレード、63…2次転写ユニット回収貯留部、101、101’…ゲートローラー、102…転写材ガイド、71Y…濃度調整タンク、711Y…供給現像剤貯留部、73Y…濃度センサー、721Y〜728Y…搬送経路、731Y〜737Y…ポンプ、74Y…液位センサー、75Y…キャリア液タンク、76Y…高濃度現像剤タンク、77Y…攪拌部材、78Y…バッファタンク、79Y…廃棄タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を担持する現像ローラーと、
前記現像ローラーをクリーニングするクリーニング部と、
前記クリーニング部でクリーニングされた液体現像剤を貯留する回収液貯留部と、
前記回収液貯留部の前記現像ローラーの軸方向の一端側に配設される第1排出口と、
前記回収液貯留部の前記現像ローラーの軸方向の他端側に配設される第2排出口と、
前記回収液貯留部に貯留する液体現像剤を前記現像ローラーの軸方向に搬送する回収オーガと、
前記回収オーガを一方向もしくは逆方向に回転させる駆動部と、を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像ローラーに塗布する液体現像剤を供給する現像剤供給部を有し、
前記第1排出口から排出される液体現像剤は、前記前記現像剤供給部に搬送される請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第2排出口から排出される液体現像剤を貯留する回収容器を有する請求項1または請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第2排出口から排出される液体現像剤は、前記現像剤供給部に搬送される請求項2に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像ローラーに塗布する液体現像剤を貯留する供給現像剤貯留部を有し、
前記回収オーガの回転方向は、前記供給現像剤貯留部に貯留された液体現像剤のトナー濃度、もしくは前記供給現像剤貯留部の液量に基づいて切り換えられる請求項2から請求項4の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記駆動部は、前記回収オーガを前記一方向に回転させる第1駆動部、前記回収オーガを前記逆方向に回転させる第2駆動部、及び前記第1駆動部または前記第2駆動部の駆動力を前記回収オーガに伝達させる駆動力切換部を有する請求項1から請求項5の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記第1駆動部、もしくは前記第2駆動部は、前記現像ローラーを回転させる請求項6に記載の現像装置。
【請求項8】
潜像が形成される潜像担持体と、
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を担持する現像ローラー、前記現像ローラーをクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニング部、前記クリーニング部でクリーニングされた液体現像剤を貯留する回収液貯留部、前記回収液貯留部の前記現像ローラーの軸方向の一端側に配設される第1排出口、前記回収液貯留部の前記現像ローラーの軸方向の他端側に配設される第2排出口、及び前記回収液貯留部に貯留する液体現像剤を前記現像ローラーの軸方向に搬送する回収オーガを有し、前記潜像担持体に形成された前記潜像を現像する現像部と、
前記回収オーガを一方向もしくは逆方向に回転させる駆動部と、を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−168351(P2012−168351A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29310(P2011−29310)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】