説明

現金処理装置

【課題】金庫の装着又は抜脱、金庫の有無確認等の金庫に関する作業の作業性を損なうことなく、収納室の開口端を介して外部に開放された搬送ローラ等の搬送手段や装置内部に対して埃や異物が進入することを阻害し、搬送詰まりや作動不良、故障を低減して製品品質を向上させた現金処理装置を提供する。
【解決手段】現金処理装置は、現金を搬送する搬送手段2と、内方端inが搬送手段2の一部に臨む位置に設けられ搬送手段2の一部を開口端opを介して外部に開放する収納室5と、収納室5に着脱可能に収納される金庫A〜Cと、金庫A〜Cが装着された状態で退避位置escに保持され金庫A〜Cが収納室5から抜脱されるときの動作を利用して内方端inと外部との間を隔離する隔離位置absに移動する仕切部6とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金庫が収納室に対して着脱可能な現金処理装置に係り、特に金庫の抜脱時における収納室内部の状態を適正化した現金処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動発券機や自動販売機等の現金処理装置は、現金を収納する金庫を有し、金庫に対して現金を入金又は出金するものであり、現金を搬送する搬送手段と、この搬送手段を通じて現金を搬送し、金庫への入金又は金庫からの出金を行う制御手段とを備える構成が通例である。
【0003】
このような従来の現金処理装置として特許文献1には、金庫を着脱可能に収納する収納室を複数設けて、金種別に現金の補充または回収を可能としたものが開示されている。この種の現金処理装置は、金庫との間で現金の搬送を行うために収納室の内部に搬送ローラ等の搬送手段を配置している構成が通例であり、収納室から金庫を抜くと、収納室の内部にある搬送ローラ等の搬送手段が収納室の開口端を介して外部に開放された状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−18798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の現金処理装置では、収納室から金庫を抜いたときに、収納室の内部にある搬送ローラ等の搬送手段が収納室の開口端を介して外部に開放された状態となるため、埃や異物が搬送ローラ等の搬送手段や装置内部に進入し易く、搬送詰まりや作動不良、故障の要因となり製品品質を低下させてしまう。
【0006】
特に、継続的に業務を行うため現金の回収または補給を目的として一部の金庫が抜かれても無停止で稼働する無停止補給または無停止回収を行うように構成すると、金庫が抜かれた状態で外部に開放された搬送ローラ等の搬送手段が駆動しており、この搬送手段に対して容易に接触可能であると安全性の観点からも好ましいものではない。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、金庫の装着又は抜脱、金庫の有無確認等の金庫に関する作業の作業性を損なうことなく、収納室の開口端を介して外部に開放された搬送ローラ等の搬送手段や装置内部に対して埃や異物が進入することを阻害し、搬送詰まりや作動不良、故障を低減して製品品質を向上させた現金処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明に係る現金処理装置は、現金を搬送する搬送手段と、内方端が前記搬送手段の一部に臨む位置に設けられ当該搬送手段の一部を開口端を介して外部に開放する収納室と、前記収納室に着脱可能に収納される金庫と、前記金庫が装着された状態で退避位置に保持され前記金庫が前記収納室から抜脱されるときの動作を利用して前記内方端と前記外部との間を隔離する隔離位置に移動する仕切部とを具備してなることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、収納室から金庫が抜脱されるときに収納室の内方端と外部との間を隔離する隔離位置に仕切部が移動し搬送手段と外部とが隔離されるので、埃や異物が搬送ローラ等の搬送手段や装置内部に進入することを阻害し、搬送詰まりや作動不良、故障を低減して製品品質を向上させることができる。
【0011】
一目で金庫の有無を把握でき、金庫をガイドして装着し易くする等の金庫に関する作業を円滑化するためには、前記仕切部は、前記収納室の開口端から前記収納室の内方端側へ所定距離離間した位置が前記隔離位置になるように配置されていることが好ましい。
【0012】
金庫が不意に抜けることを防止するためには、前記収納室の開口端部に、前記仕切部が前記隔離位置に移動したときに当該仕切部と係合して閉止音を生ずる係合部が設けられていることが望ましい。
【0013】
金庫を収納室に円滑に装着するためには、前記仕切部は、前記金庫を前記収納室へ挿入するときに前記金庫に付勢されて前記隔離位置から前記退避位置に移動することが好ましい。
【0014】
搬送手段への接触を阻害して注意を促し、安全性を向上させるためには、前記金庫および前記収納室を複数備え、これら複数の金庫のうち一部の金庫を抜脱した状態で稼働する無停止稼働タイプのものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上説明した構成であるから、収納室から金庫が抜脱されるときに収納室の内方端と外部との間を隔離する隔離位置に仕切部が移動し搬送手段と外部とが隔離されるので、埃などが搬送ローラ等の搬送手段や装置内部に進入することを阻害し、搬送詰まりや作動不良、故障を低減して製品品質を向上させることが可能となる。また、仕切部を配置する位置によって、金庫に関する作業を円滑化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る現金処理装置を示す概略全体構成図。
【図2】一部の金庫を抜き取った状態を示す図1に対応した図。
【図3】同実施形態における搬送手段および制御手段の構成および機能の概略を示すブロック図。
【図4】同実施形態における収納室の開口端側から視た現金処理装置を示す斜視図。
【図5】図4とは異なる視点から視た図4に対応する斜視図。
【図6】収納室から金庫を抜脱する際の動作を示す模式的断面図。
【図7】収納室に金庫を挿入する際の動作を示す模式的断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る現金処理装置を、図面を参照して説明する。本実施形態では紙幣を取り扱う紙幣ブロックとしての現金処理装置を例に挙げて説明する。
【0018】
図1に示す本実施形態の現金処理装置は、例えば乗車券やカード、精算切符等の券売を行う自動発券機として用いられるもので、紙幣ブロック1と、この紙幣ブロック1にセットされて紙幣の収納場所となる4つの金庫A〜Dと、外部から投入される紙幣の金種を識別部22で識別して金庫A〜Dのうち対応する金庫に搬送経路21を介して搬送する搬送手段2とを備えている。
【0019】
紙幣ブロック1は、この現金処理装置を利用する利用者に近い側に挿入口11、出金口13、返却口14(以下、出金口13及び返却口14を合わせて払出口12ともいう)を設けたもので、同じく利用者に近い側に固定式の金庫Dを内設し、係員が操作を行う側に3つのカセット式の金庫A〜Cを設けている。また、紙幣ブロック1には、金庫A〜Cに対応して設けられこれら金庫A〜Cへ識別部22により真性であると識別された紙幣を収納する前に一次的に保留する一次保留部a1〜c1、搬送経路21上の紙幣(不良券を含む)を一時的に保留する一時保留部Eや出金保留部Fが設けられている。一時保留部Eとは別に、読み取り不能、金種相違、重送発生、異常検知時の不良券を回収する不良券回収部Gが設けられている。不良券回収部Gは、図1に示すように、係員が操作を行う側に扉部g1が設けられており、係員がこの扉部g1を通じて不良券回収部Gに貯留された不良券を回収することが可能にされている。
【0020】
カセット式の金庫A〜Cは、図2に例示するように把手hを把持して紙幣ブロック1から引き出すことが可能にされている。これら金庫A〜Cと紙幣ブロック1との間には、必要に応じて電磁力等を利用して金庫A〜Cを引き出し禁止状態にする図示しないロック機構が設けてあり、また、紙幣ブロック1又は金庫A〜Cには、引き出し禁止状態か否かを表示して係員に了知させる図示しないLED表示部が設けてある。
【0021】
この実施形態では、図3に示すように、固定式の金庫Dを二千円札と五千円札を格納する混合金庫とし、金庫Aに千円札、金庫Bに一万円札を格納する循環金庫とし、金庫Cを多用途に利用可能な自在金庫に設定して、現金の補給及び回収を目的として現金処理装置を停止させることなく運用する、いわゆる無停止補給、無停止回収を実現した金庫設定にしている。
【0022】
図3に示すように、現金処理装置は、搬送手段2とこれを制御する制御手段3とを含んで構成されている。搬送手段2は、周知の現金処理装置と同様に、図示しない挾持ローラ、搬送ベルト、ウィング等の方向変換部などから構成される搬送経路21と、搬送される現金たる紙幣の金種および真性(偽造か否か)を識別する識別部22と、紙幣の金種識別のみを行い紙幣の真性までは識別しない簡易型の識別部20とを有している。
【0023】
制御手段3は、識別部22或いは簡易型の識別部20の識別結果等に基づいて搬送手段2を制御するものであり、挿入口11から投入された紙幣を識別部22に通過させた後、搬送経路21に沿って流通させ、随所に設けた分岐部26a〜26gで必要に応じて紙幣を方向変換して、金庫A、金庫B、金庫C、固定金庫D、一時保留部E、出金保留部F、払出口12、不良券回収部G等へ搬送する動作を行うとともに、金庫A〜D等から搬送経路21上への紙幣の繰り出し動作、簡易型の識別部20における金種識別、更には次なる搬送先である出金口13や金庫A〜Dへの搬送動作などを含む統括的な搬送制御を行うように構成されている。
【0024】
上記で述べた搬送制御などを行う具体的な制御手段3は、図3に示すように、入出金制御部31と、搬送制御部32とを含んで構成されている。
【0025】
入出金制御部31は、利用者が操作する図示しない操作部、搬送手段2や各種センサからの信号に基づいて入出金に関する総括的な制御を行うものであり、取引に応じた紙幣の搬送指令を搬送制御部32に対して行う。
【0026】
搬送制御部32は、入出金制御部31からの紙幣の搬送指令に基づいて搬送手段2を駆動制御し、紙幣の搬送を行う。
【0027】
このような制御手段3を実現する具体的な構成は、CPU、メモリ及びインターフェイスを有する通常のマイクロコンピュータユニットにより構成され、メモリには図示しない搬送制御処理ルーチンや入出金制御処理ルーチン等が格納してあり、CPUが適宜必要なプログラムを呼び出して実行することにより、上記の入出金制御部31および搬送制御部32が実現される。これらの詳細な制御、例えば制御手段3は、紙幣を各金庫A〜Cに収納する前に一時的に一旦これらの一次保留部a1、b1、c1に保留し、その後、搬送経路21上に一旦繰り出した後に金庫A〜Cに収納する制御を行うが、本実施形態においてこれらの具体的な構成や制御については省略している。また、各金庫A〜Dに紙幣を装填し、或いは各金庫A〜Dから紙幣を繰り出す際には、各金庫A〜Dの一部または搬送経路21の一部に設けた図示しない計数部によって紙幣の枚数が計数されるようにしている。
【0028】
紙幣ブロック1には、図4に示すように、係員が操作を行う側へ開口する収納室5が3つ形成されている。具体的には、カセット式の金庫Aを収納する収納室5a(5)、金庫Bを収納する収納室5b(5)、金庫Cを収納する収納室5c(5)の3つの収納室5が形成されている。なお、図4は、金庫Aが収納室5aに収納され、金庫B及び金庫Cは抜脱された状態を示す。収納室5の内方端inは、図6(a)の断面図に示すように、搬送手段2の一部(例えば搬送ローラ23a)に面して搬送手段2の一部に臨む位置に配置され、その搬送手段2の一部が収納室5から金庫Aを抜いた状態で収納室5の開口端opを介して外部に開放されている。
【0029】
収納室5には、図4〜図7に示すように、板状の仕切部6が設けられている。仕切部6が鉛直方向の軸を中心に回転可能となるように、仕切部6の基端6aが図示しないヒンジ部を介して収納室5の側壁52に支持されて、開閉する扉を成している。仕切部6は、ヒンジ部に設けられた図示しないねじりコイルバネにより開口端op側へ付勢されている。仕切部6の幅寸法Wwは、図6(b)に示すように、収納室5の内部寸法にほぼ等しく、仕切部6の高さ寸法Whは、図4に示すように、仕切部6の下端6cと底壁51との間に若干の隙間Sが形成される寸法に設けてある。
【0030】
仕切部6を支持する側壁52と対面する側壁52には、図5に示すように、収納室5の内側に突出する係合部7が形成されている。この係合部7は、側壁52の一部を内側に打ち抜いて形成したものであり、先端が内方端inに向かって切り起こされている。仕切部6が図示しないねじりコイルバネに付勢されると、係合部7と当接する位置まで仕切部6が移動する。この位置は、収納室5の内方端inと外部とを隔離する隔離位置absである。仕切部6は係合部7とともにスチール等の金属板材を用いたものであるため、当接時に金属同士の接触により閉止音を生ずる。仕切部6は閉まった状態で収納室5の開口端opから内方端in側へ所定距離W1離間した隔離位置absに配置されている。
【0031】
ここで、金庫Aを例として収納室5a(5)から金庫A〜Cを抜脱する際の動作について図6を用いて説明する。図6(a)に示すように、金庫Aが収納室5に装着された状態では仕切部6が退避位置escに保持されている。収納室5の内方端inに臨む位置には搬送ローラ23a(搬送手段2の一部)と、この搬送ローラ23aと共に回転する内方ギア23cが設けられており、金庫Aの内方端には補助ローラ23bと、この補助ローラ23bに回転力を伝達する伝達ギア23dとが設けられており、この内方ギア23cと伝達ギア23dとが噛み合って、内方ギア23cの回転動力を補助ローラ23bに伝達して補助ローラ23bを回転させ、搬送ローラ23a及び補助ローラ23bを回転させることにより搬送手段2と金庫Aとの間で現金を搬送し、金庫Aへの入金又は金庫Aからの出金を可能としている。次に、図6(b)に示すように、金庫Aを収納室5から抜脱すると、仕切部6はヒンジ部のねじりコイルバネにより開口端op側へ付勢されているので係合部7と仕切部6とが当接する位置、すなわち収納室5の内方端inと外部との間を隔離する隔離位置absへ仕切部6が移動する。その際、仕切部6の他端6bと係合部7とが係合して閉止音を生じる。
【0032】
次に、収納室5a(5)に金庫Aを装着する際の動作について図7を用いて説明する。図7(a)に示すように、金庫Aが抜かれた状態では、仕切部6が収納室5の開口端opから所定距離W1離間した位置に配置されているので、金庫Aが抜かれた収納室5は金庫Aが装着された状態の収納室5に比べ、収納室5の開口端op側から視て凹んだ状態に見えている。この凹んで見える開口端部の底壁51に金庫Aを仮置きし、この開口端部の底壁51や側壁52で挿入方向をガイドさせながら収納室5に金庫Aを挿入すると、図7(b)に示すように、仕切部6が金庫Aに付勢されて隔離位置absから退避位置escへ移動する。
【0033】
以上のように、本実施形態に係る現金処理装置は、現金を搬送する搬送手段2と、内方端inが搬送手段2の一部に臨む位置に設けられ搬送手段2の一部を開口端opを介して外部に開放する収納室5と、収納室5に着脱可能に収納される金庫A〜Cと、金庫A〜Cが装着された状態で退避位置escに保持され金庫A〜Cが収納室5から抜脱されるときの動作を利用して内方端inと外部との間を隔離する隔離位置absに移動する仕切部6とを具備してなることを特徴とする。
【0034】
この構成によれば、収納室5から金庫A〜Cが抜脱されるときに収納室5の内方端inと外部との間を隔離する隔離位置absに仕切部6が移動し搬送手段2と外部とが隔離されるので、埃などが搬送ローラ等の搬送手段や装置内部に進入することを阻害し、搬送詰まりや作動不良、故障を低減して製品品質を向上させることができる。
【0035】
本実施形態では、仕切部6は、収納室5の開口端opから収納室5の内方端in側へ所定距離W1離間した位置が隔離位置absになるように配置されているので、例えば図5に示すように、収納室5から金庫B、Cが抜かれると開口端opより内側へ所定距離W1離間した位置にある仕切部6が視認できる一方、収納室5に金庫Aが装着されていると金庫Aの外方端A1が視認でき、金庫B、Cが抜かれた収納室5が凹んで見えるため、一目で金庫の有無を把握することができる。さらに、収納室5の開口端部に金庫A〜Cを仮置きすることができ、収納室5の開口端部で挿入方向をガイドさせ金庫A〜Cを挿入し易くすることができ、金庫A〜Cに関する作業を円滑化することができる。
【0036】
また、金庫は重量があり不意に収納室5から抜けると好ましくないが、本実施形態では、収納室5の開口端部に、仕切部6が隔離位置absに移動したときに仕切部6と係合して閉止音を生ずる係合部7が設けられているので、金庫A〜Cが収納室5から抜ける直前であること係員等の外部へ閉止音を通じて報知し、金庫A〜Cが不意に抜けることを防止することができる。
【0037】
さらに、本実施形態では、仕切部6は、金庫A〜Cを収納室5へ挿入するときに金庫A〜Cに付勢されて隔離位置absから退避位置escに移動するので、金庫A〜Cを挿入する動作に併せて仕切部6が隔離位置absから退避し、仕切部6を退避させる作業を別途に行うことなく金庫A〜Cを収納室5に円滑に装着することができる。
【0038】
さらにまた、本実施形態では、金庫A〜Cおよび収納室5(5a、5b、5c)を複数備え、これら複数の金庫A〜Cのうち一部の金庫を抜脱した状態で稼働する無停止稼働タイプの現金処理装置であり、駆動している搬送ローラ23等の搬送手段2と外部とが仕切部6によって隔離されるので、搬送手段2への接触を阻害して注意を促して、安全性を向上させることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0040】
例えば、本実施形態では、仕切部6を一枚扉にしているが、二枚扉等の複数枚扉にしてもよく、仕切部6を中央から左右両側に対称に開く観音開きにしてもよい。本実施形態では、仕切部6を側壁52側へ開くようにヒンジ部を設けているが、仕切部6を天井側や底壁51側へ開くようにヒンジ部を設けてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、金庫A〜Cに対して入金および出金の双方を行う現金処理装置であるが、金庫への入金および金庫からの出金のいずれかのみを行う装置であっても本発明を適用することが可能である。
【0042】
さらに、本実施形態では、金属同士の接触により機械的に閉止音を生ずるようにしているが、仕切部6と接触するスイッチを設けて、このスイッチのオン若しくはオフによりスピーカから警告音を出力する等、電気的に閉止音を発生させてもよい。
【0043】
さらにまた、金庫A〜Dに格納する金種は本実施形態に限定されるものではなく、金庫A〜Dはどの金種を格納することも可能であり、例えば金庫A〜Dに対して各金種を割り当てて金庫A〜Dを四金種循環金庫としてもよい。このような様々な金庫の設定に対しても本発明を適用することが可能である。
【0044】
加えて、本実施形態では、紙幣と硬貨とを含む現金のうち、紙幣を取り扱う紙幣ブロックとしての現金処理装置を例に挙げて説明したが、硬貨を取り扱う硬貨ブロックに対しても本発明を適用することが可能である。
【0045】
その他、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1………紙幣ブロック
A〜C…金庫
2………搬送手段
5………収納室
5a、5b、5c…収納室
6………仕切部
7………係合部
in……内方端
op……開口端
abs…隔離位置
esc…退避位置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金を搬送する搬送手段と、
内方端が前記搬送手段の一部に臨む位置に設けられ当該搬送手段の一部を開口端を介して外部に開放する収納室と、
前記収納室に着脱可能に収納される金庫と、
前記金庫が装着された状態で退避位置に保持され前記金庫が前記収納室から抜脱されるときの動作を利用して前記内方端と前記外部との間を隔離する隔離位置に移動する仕切部とを具備してなることを特徴とする現金処理装置。
【請求項2】
前記仕切部は、前記収納室の開口端から前記収納室の内方端側へ所定距離離間した位置が前記隔離位置になるように配置されている請求項1に記載の現金処理装置。
【請求項3】
前記収納室の開口端部に、前記仕切部が前記隔離位置に移動したときに当該仕切部と係合して閉止音を生ずる係合部が設けられている請求項1又は2に記載の現金処理装置。
【請求項4】
前記仕切部は、前記金庫を前記収納室へ挿入するときに前記金庫に付勢されて前記隔離位置から前記退避位置に移動する請求項1〜3のいずれかに記載の現金処理装置。
【請求項5】
前記金庫および前記収納室を複数備え、これら複数の金庫のうち一部の金庫を抜脱した状態で稼働する無停止稼働タイプのものである請求項1〜4のいずれかに記載の現金処理装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−53885(P2011−53885A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201678(P2009−201678)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】