説明

現金処理装置

【課題】店舗におけるリジェクト紙幣やリジェクト硬貨の滞留をなくし、釣銭金として使用する紙幣や硬貨の量が減少して釣銭の運用に支障をきたすことを防止する。
【解決手段】入金処理時に利用者に返却されたリジェクト紙幣及び硬貨を売上金として回収するため、当該リジェクト紙幣及び硬貨の金種、枚数を利用者に操作部4で入力させて、その金種、枚数を記憶部7に記憶させ、売上金の回収処理時に記憶部7に記憶された情報から得られる紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25に収納した現金の合計額に前記リジェクト現金の合計額を加算した額を売上合計額から減算して移動額を算出し、この移動額分の紙幣及び硬貨を釣銭用紙幣収納庫14及び釣銭用硬貨収納庫24から繰出して紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25に搬送、収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店等に設置されるレジスタで釣銭として使用される紙幣及び硬貨の出金処理や、レジスタから回収した紙幣及び硬貨の入金処理、出金及び入金を集計して売上合計額等を算出する締上げ処理、売上金を回収する回収処理等を行う現金処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の現金処理装置として例えば、特許文献1に示される装置がある。この特許文献1に示される装置では、出金処理時にレジスタで釣銭として使用される紙幣及び硬貨をレジ担当者に出金し、その出金した紙幣及び硬貨の金種、金種別の枚数の情報を記憶部に記憶する。
【0003】
また、入金処理時にレジ担当者がレジスタから回収した紙幣及び硬貨を投入すると、その紙幣及び硬貨を鑑別して、汚損等により収納不可のリジェクトと鑑別したリジェクト紙幣及びリジェクト硬貨をレジ担当者に返却する。正常で収納可能と鑑別した紙幣は金種毎に計数してそれぞれ一時保留し、投入されたすべての紙幣及び硬貨の鑑別、計数を終了すると、計数結果を表示部に表示する。そして、レジ担当者が収納を指示すると、紙幣については、釣銭に利用しない金種の紙幣を紙幣回収庫に収納すると共に、釣銭に利用する金種の紙幣を釣銭用紙幣収納庫に金種別に収納し、硬貨については、釣銭用硬貨収納庫に金種別に収納するが、その際、釣銭用硬貨収納庫が満杯になった金種については、硬貨回収庫に収納して、これらの入金した紙幣及び硬貨の金種、金種別の枚数の情報を記憶部に記憶する。
【0004】
締上げ時には、記憶部に記憶された入金及び出金の情報から、現金(紙幣及び硬貨)の出金及び入金を集計し、入金の合計額から出金の合計額を減算して売上合計額を算出し、その情報を記憶部に記憶する。そして、回収に当たっては、紙幣回収庫及び硬貨回収庫に収納した紙幣及び硬貨の合計額を売上合計額から減算した額を移動額として算出し、この移動額分の紙幣及び硬貨を釣銭用紙幣収納庫及び釣銭用硬貨収納庫から繰出して紙幣回収庫及び硬貨回収庫に搬送、収納することにより、紙幣回収庫及び硬貨回収庫に売上合計額を収納するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−186190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術においては、以下の問題がある。
この種の現金処理装置を運用する店舗では、釣銭用の店舗基準金を常時保有するようにしているが、売上金として回収される現金、つまり紙幣回収庫及び硬貨回収庫に収納される紙幣及び硬貨は、常に正常な現金(紙幣及び硬貨)のみで、入金処理時に汚損等によりリジェクトとしてレジ担当者に返却された現金は含まれず、そのため、レジ担当者に返却されたリジェクト現金を店舗基準金として処理し、保管するようにしているが、このような状態が継続していると店舗にはリジェクト現金が滞留してしまい、釣銭金として使用可能な現金の量が減少していって、釣銭としての運用に支障をきたす問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、出金処理時に、小売店に設置されたレジスタで釣銭として使用される現金を釣銭用現金収納庫から繰出して利用者に出金し、その出金した現金の金種、金種別の枚数の情報を記憶部に記憶させ、入金処理時に、前記利用者がレジスタから回収した現金が投入されると、その現金を鑑別して、収納不可のリジェクトと鑑別したリジェクト現金を前記利用者に返却し、正常で収納可能と鑑別した金種毎に計数して釣銭に利用しない金種の現金を回収庫に収納すると共に、釣銭に利用する金種の現金を釣銭用現金収納庫に金種別に収納することで入金し、入金した現金の金種、金種別の枚数の情報を前記記憶部に記憶させ、前記記憶部に記憶された入金及び出金の情報から、現金の出金及び入金を集計して、入金の合計額から出金の合計額を減算することにより売上合計額を算出し、算出した売上合計額の情報を記憶部に記憶させる現金処理装置において、前記入金処理時に利用者に返却されたリジェクト現金を売上金として回収するため、当該リジェクト現金の金種、枚数を前記利用者に操作部で入力させて、入力されたリジェクト現金の金種、枚数を前記記憶部に記憶させ、売上金の回収処理時に前記記憶部に記憶された情報から得られる前記回収庫に収納した現金の合計額に前記リジェクト現金の合計額を加算した額を売上合計額から減算して移動額を算出し、この移動額分の現金を釣銭用現金収納庫から繰出して回収庫に搬送、収納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにした本発明は、釣銭用紙幣収納庫及び釣銭用硬貨収納庫や紙幣回収庫及び硬貨回収庫に収納できない汚損等によるリジェクト現金が発生した場合でも、それを売上金の情報として正確に管理し、売上金の回収時には、リジェクト現金を売上金として回収できるので、店舗にリジェクト現金が滞留することがなくなり、釣銭金として使用可能な現金の量が減少して、釣銭としての運用に支障をきたすことを防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例の構成を示すブロック図
【図2】入出金処理履歴の内容例を示す図
【図3】釣銭用紙幣及び硬貨収納庫入出金処理履歴の内容例を示す図
【図4】紙幣及び回収庫入金処理履歴の内容例を示す図
【図5】回収庫交換履歴の内容例を示す図
【図6】出金処理の手順を示すフローチャート
【図7】入金処理の手順を示すフローチャート
【図8】締上げ処理の手順を示すフローチャート
【図9】回収処理の手順を示すフローチャート
【図10】回収処理の具体例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明による現金処理装置の実施例を説明する。
【実施例】
【0011】
図1は実施例の構成を示すブロック図である。本実施例の現金処理装置は、レジスタを使用する小売店等に設置されるもので、図1において1は紙幣(現金)の入出金処理を行う紙幣処理機、2は硬貨(現金)の入出金処理を行う硬貨処理機であり、この両処理機については後で詳しく説明する。
【0012】
3はLCD等による表示部で、各種の処理操作の案内、現金処理のための入力画面や入力された情報、及び金種別の入出金金額や入出金の合計金額等を表示する。
4はレジスタの現金を入出金処理するレジ担当者や締上げ処理を行う店長(管理者)等利用者が操作するキーボードあるいは表示部3上に配置されたタッチパネル等の操作部で、入金処理や出金処理、締上げ処理等を行うことを指示(入力)するためのキーや金額等を入力するためのテンキー等を備えている。
【0013】
5はカードリーダ(カード読取部)で、当該現金処理装置の利用者であるレジ担当者や管理者等が使用するIDカードから利用者の区分を示す区分情報(レジ担当者、管理者等を示す情報)等を読取る機能を有している。
レジ担当者用のIDカードには、レジ番号などのレジスタを特定する情報も記録されている。このレジ担当者用のIDカードは、レジスタ毎またはレジ担当者毎に用意され、レジ担当者毎に配布する場合、レジ担当者が複数のレジスタを操作するのであれば、使用するレジスタ毎にIDカードが用意される。
【0014】
6は伝票印字部(プリンタ)で、紙幣処理機1や硬貨処理機2で行われた入金処理や出金処理、締上げ処理の各処理結果等を伝票に印字して出力するものである。
7は記憶部で、この記憶部7には後述する主制御部が実行する制御プログラムが格納されている他、後述する入出金履歴、釣銭用紙幣及び硬貨収納庫入出金履歴、紙幣及び硬貨回収庫入金履歴、及び回収庫交換履歴等が記憶され、入金処理及び出金処理等の毎に処理結果が追加、更新されるものとなっている。また、記憶部7には入出金を行う毎に、後述する釣銭用紙幣収納庫及び硬貨収納庫、紙幣回収庫及び硬貨回収庫内の紙幣及び硬貨の収納枚数を加減算する収納枚数カウンタが設定されている。
【0015】
8は記憶部7に格納された制御プログラムに基づいて現金処理装置全体の制御を行う主制御部で、紙幣処理機1及び硬貨処理機2で入出金処理が行われる毎にこの主制御部8により記憶部7の入出金処理履歴が更新されるものとなっており、更に主制御部8は必要に応じて各種の演算を行う演算手段や各種の判断を行う判断手段等としても機能する。
【0016】
9は入金取引時にリジェクトされた紙幣及び硬貨を収納する手入金ボックスで、紙幣処理機1及び硬貨処理機2とは別に設けられ現金処理装置の扉を開くことで取り出せるようになっている。この手入金ボックス9は金庫構造に作られていて、現金処理装置の扉に設けられた投入孔から紙幣及び硬貨を投入することで、その紙幣及び硬貨を収納できるようになっており、収納された紙幣及び硬貨は売上金として回収される。また、現金処理装置は手入金ボックス9内の紙幣及び硬貨の存在を検知できるようになっている。
尚、図示していないが、本実施例の現金処理装置は、年月日を出力する図示しないカレンダー、時刻を出力する図示しないタイマー等も備えており主制御部8は必要に応じてカレンダー及びタイマーから日付や時刻を取得するものとなっている。
【0017】
次に紙幣処理機1及び硬貨処理機2について説明する。
紙幣処理機1は、入金処理時にレジスタから回収した紙幣を一括して受け入れると共に出金処理時にレジスタ用の釣銭として使用する紙幣を出金する紙幣入出金口11と、この紙幣入出金口11に受け入れた紙幣を1枚ずつ分離する図示しない分離部と、紙幣の金種等を鑑別すると共に鑑別した紙幣を金種毎に計数する紙幣鑑別部12と、この紙幣鑑別部12で鑑別計数された紙幣を集積して一時保留する紙幣一時保留部13と、レジスタ用の釣銭として使用する金種(例えば、五千円、千円)の紙幣を金種別に収納する複数の釣銭用紙幣収納庫(釣銭用現金収納庫)14と、入金紙幣のうちの売上金を金種別に収納する着脱可能な複数の紙幣回収庫(現金回収庫)15と、出金時のリジェクト紙幣等を収納する紙幣リジェクト庫16と、これらの間で紙幣を搬送ベルト等で挟持して搬送する搬送路と、図示しない記憶部に格納された制御プログラムに基づいて紙幣処理機1全体の動作制御を行う制御部17を備えている。
【0018】
尚、紙幣入出金口11は、入金処理の際、一括して受け入れた紙幣が分離部により1枚ずつ分離されている最中に、紙幣鑑別部12から送り戻されてくるリジェクト紙幣を分離中の紙幣と区別して集積できる構造となっている。
また、各釣銭用紙幣収納庫14に対しては、収納する紙幣の金種毎に保管基準額が設定されていて、その保管基準額を保つために入金処理された紙幣を収納するようになっている。
【0019】
また、釣銭用紙幣収納庫14、紙幣回収庫15、紙幣リジェクト庫16に対しては、紙幣の有無を検知するセンサや庫内の紙幣のフル(満杯)、ニアフル(満杯に近い状態)を検知するセンサが設けられている。
更に、紙幣回収庫15には記憶部(識別情報保有部)15aが設けられていて、この記憶部15aに紙幣回収庫15を識別するためのID番号等の固有の識別情報が記憶され、制御部17または主制御部8がこの識別情報を読出して認識することにより紙幣回収庫15を特定するものとなっている。
【0020】
一方、硬貨処理機2は、レジスタから回収した硬貨を一括して受け入れる硬貨入金口21と、この硬貨入金口21に受け入れた硬貨を1枚ずつ分離する図示しない分離部と、硬貨の金種等を鑑別すると共に鑑別した硬貨を金種毎に計数する硬貨鑑別部22と、この硬貨鑑別部22で鑑別計数された硬貨を一時保留する硬貨一時保留部23と、レジスタ用の釣銭として使用する硬貨を金種別に収納する釣銭用硬貨収納庫(釣銭用現金収納庫)24と、入金硬貨のうちの売上金を金種別に収納する硬貨回収庫(現金回収庫)25と、釣銭用の硬貨を出金するための硬貨出金箱26と、硬貨リジェクト口27と、図示しない記憶部に格納された制御プログラムに基づいて硬貨処理機2全体の動作制御を行う制御部28を有している。
【0021】
ここで硬貨一時保留部23、釣銭用硬貨収納庫24、硬貨回収庫25、及び硬貨出金箱26は金種毎に分けて硬貨を集積、収納できるように内部が区切られている。
また、硬貨入金口21と硬貨鑑別部22との間には分離部により分離された硬貨を搬送する搬送ベルト等による搬送路が設けられ、釣銭用硬貨収納庫24と硬貨回収庫25及び硬貨出金箱26との間には、釣銭用硬貨収納庫24から排出される硬貨を硬貨回収庫25と硬貨出金箱26のいずれかに導く振分け手段と、通過する硬貨を金種毎に計数する計数手段が設けられている。
【0022】
また、前記各釣銭用硬貨収納庫24に対しては、収納する硬貨の金種毎に保管基準額が設定されており、その保管基準額を保つために入金処理された硬貨を収納するようになっている。
この釣銭用硬貨収納庫24にも硬貨を搬送路に繰出す繰出し手段が設けられている。
【0023】
硬貨回収庫25には紙幣回収庫15と同様に記憶部(識別情報保有部)25aが設けられていて、この記憶部25aには硬貨回収庫25を識別するためのID番号等の固有の識別情報が記憶され、制御部28または主制御部8がこの識別情報を認識して硬貨回収庫25を特定するものとなっている。
尚、紙幣処理機1の制御部17及び硬貨処理機2の制御部28は主制御部8の指示により紙幣処理機1及び硬貨処理機2を制御するものとなっている。
【0024】
図2は記憶部7に記憶される入出金処理履歴の内容例を示す図である。
この入出金処理履歴は、図示したように通番(通し番号)、レジNo(レジスタ番号)、利用者(担当者)ID、処理日時、区分、処理金額、金種、締上げ日時によって構成されており、通番のエリアには入金や出金の処理毎に付与される通し番号が書込まれる。
【0025】
レジNoのエリアにはレジ担当者のIDカードから読取ったレジスタを特定する識別情報としてのレジ番号が書込まれる。このレジNoはレジスタ毎に集計する際に利用されるもので、同一レジスタに対する出金処理や入金処理等を関連付ける関連付け情報として用いられる。
また、利用者IDのエリアにはレジ担当者や管理者が入力する担当者ID(ID番号)が書込まれ、処理日時のエリアには入金や出金等の処理を行った日時が書込まれる。
【0026】
区分のエリアには入金や出金等の処理の種類を示す情報が書込まれ、金額のエリアには入金処理または出金処理した処理金額が書込まれる。
万、五千・・・一等の金種エリアには計数処理した金種毎の枚数がそれぞれ書込まれ、更に締上げ日時のエリアには締上げを行ったときの日時が書込まれる。この締上げ日時は、締上げ処理されたか否かを示す情報で、これが書込まれたものについては締め上げ処理対象から除外される。
【0027】
尚、区分の入金には、後述する手入金ボックス9に収納される紙幣及び硬貨の手入力の入金分も含まれ、この手入力の入金分についても入金額、金種毎の枚数が書き込まれるものとなっており、図示していないが手入力分と紙幣鑑別部及び硬貨鑑別部22での計数分の入金額、金種毎の枚数が区別できるようになっている。
また、この入出金処理履歴には、実際には両替や補充等の処理の履歴も書込まれるが、ここでは図示を省略している。
【0028】
図3は記憶部7に記憶される釣銭用紙幣及び硬貨収納庫入出金処理履歴の内容例を示す図で、この釣銭用紙幣及び硬貨収納庫入出金処理履歴は、通番(通し番号)、処理日時、区分、金種によって構成されており、通番のエリアには入金や出金の処理毎に付与される通し番号が書込まれ、処理日時のエリアには入金や出金等の処理を行った日時が書込まれる。また、区分のエリアには入金や出金等の処理の種類を示す情報が書込まれ、そして、万、五千・・・一等の金種エリアには処理した金種毎の枚数がそれぞれ書込まれる。
【0029】
図4は記憶部7に記憶される紙幣及び硬貨回収庫入金処理履歴の内容例を示す図で、この紙幣回収庫入金処理履歴は、通番(通し番号)、処理日時、庫ID(識別情報)、金種によって構成されており、通番のエリアには入金や出金の処理毎に付与される通し番号が書込まれ、処理日時のエリアには回収庫の交換処理を行った日時が書込まれる。また、庫IDには紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25の識別情報であるID番号が書込まれ万、五千・・・一等の金種エリアには処理した金種毎の枚数がそれぞれ書込まれる。
【0030】
尚、紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25の識別情報であるID番号は、主制御部8あるいは制御部17,28によりそれぞれの記憶部15a、25aから読み出されて認識されたもので、Bは紙幣用、Cは硬貨用のものを表している。
【0031】
図5は記憶部7に記憶される回収庫交換履歴の内容例を示す図で、この回収庫交換履歴は、通番(通し番号)、利用者(担当者)ID、処理日時、区分、前後、処理金額、金種によって構成されており、通番のエリアには回収庫の交換処理毎に付与される通し番号が書込まれ、利用者IDのエリアには回収庫の交換を行う担当者が入力する担当者ID(ID番号)が書込まれる。
また、処理日時のエリアには回収庫の交換処理を行った日時が書込まれ、区分のエリアには回収庫の交換が回収処理による交換か交換処理による交換かを示す「交換」、「回収」の情報が書込まれる。
【0032】
前後のエリアには、交換前の紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25の識別情報であるID番号(庫ID)と、交換後の紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25の識別情報であるID番号(庫ID)がそれぞれ書込まれる。この場合のID番号も、それぞれの記憶部15a、25aに記憶され、主制御部8あるいは制御部17,28によりそれぞれの記憶部15a、25aから読み出されて認識されたもので、図4と同様にBは紙幣用、Cは硬貨用のものを表している。
【0033】
更に、金額のエリアには交換前の紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25に収納された紙幣及び硬貨の金額が書込まれ、万、五千・・・一等の金種エリアには交換前の紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25に収納された金種毎の枚数がそれぞれ書込まれる。
また、この回収庫交換履歴には、図示していないが後述する手入金ボックス9に収納される紙幣及び硬貨手入力の入金額、金種毎の枚数が書き込まれ、手入金ボックス9から回収される金額がわかるようになっている。
【0034】
このような構成を有する本実施例の現金処理装置では、レジスタで使用する釣銭用の現金を計数して出金し、レジスタから回収した現金を計数して入金するもので、入金額から出金額を差引いた金額が売上額になる。
レジスタへの釣銭の補充とレジスタからの現金の回収はレジ担当者の交代毎に行われ、また、業務終了時には出金額、入金額、売上額等を集計する締上げ処理が行われ、締上げ処理後等に現金の回収が行われる。
【0035】
上述した構成の作用について説明する。
尚、以下の説明において、主制御部8や制御部17、28による制御の説明については、必要な説明を除いて省略する。
まず、レジ担当者がレジスタで釣銭として用いる現金を出金させる場合の出金処理について説明する。
【0036】
図6はその出金処理の手順を示すフローチャートで、図中のSはステップを示し、以下このステップに従って説明する。
まず、レジ担当者が自分のIDカードを現金処理装置に設けられているカード挿入排出口に挿入すると、カードリーダ5がIDカードから利用者の区分、レジNo.、レジ担当者の個人ID(利用者ID)を読取る(S1)。
【0037】
これにより利用者の区分、レジNo.、レジ担当者の個人ID(利用者ID)の入力が行われたことになるので、次に、レジ担当者は操作部4を操作して自分のパスワードを入力する。
【0038】
主制御部8はIDカードから読取った個人ID及びレジ担当者が入力したパスワードを予め記憶部7等に登録されている個人ID、パスワードと照合し、正当性が確認された場合(S2)、IDカードから読取った利用者区分に基づいてレジ担当者が操作可能な「出金」、「入金」を選択するメニュー画面を表示部3に表示し(S3)、レジ担当者に選択させる。
【0039】
ここでレジ担当者が操作部4を操作して「出金」を選択すると、主制御部8は「出金」の選択を受付け(S4)、表示部3に出金金額入力画面を表示する。
この画面を見てレジ担当者が操作部4を操作して、出金金額(紙幣及び硬貨の金種毎の枚数)を入力すると、主制御部8はその入力金額を受付けて(S5)、その出金金額と紙幣処理機1の釣銭用紙幣収納庫14及び硬貨処理機2の釣銭用硬貨収納庫24内の現金を比較し、出金の可否を判断する(S6)。
【0040】
釣銭用紙幣収納庫14及び釣銭用硬貨収納庫24内の現金の不足により出金不可と判断した場合、その旨のメッセージ画面を表示部3に表示して終了する。
出金可能な場合は、紙幣処理機1の釣銭用紙幣収納庫14及び硬貨処理機2の釣銭用硬貨収納庫24から該当金種の紙幣及び硬貨が繰出され、紙幣鑑別部12及び硬貨鑑別部22で鑑別、計数された後、紙幣入出金口11及び硬貨出金箱26に集積あるいは放出されてレジ担当者に出金される(S7)。
【0041】
出金が終了すると、主制御部8は今回の出金の処理結果として、記憶部7の入出金処理履歴(図2参照)に通番、レジNo.、利用者ID、処理日時、区分、金額、金種の情報を書込んでその内容を更新するが(S8)、このとき、締上げ日時は書込まないものとし、そして釣銭用紙幣収納庫14や釣銭用硬貨収納庫24から出金した枚数を金種毎に記憶部7に設定されている収納枚数カウンタの値から減算する。
【0042】
また、主制御部8は釣銭用紙幣及び硬貨収納庫入出金処理履歴(図3参照)にも、今回の出金の処理結果として通番、処理日時、区分、金種の情報を書込んでその内容を更新し、その後、伝票印字部6で出金の処理結果を伝票に印字してレジ担当者に発行する(S9)。
尚、入出金処理履歴等の更新は伝票発行後に行うようにしてもよい。
【0043】
次に、レジ担当者がレジスタから回収した現金を入金させる場合の入金処理について説明する。
図7はその入金処理の手順を示すフローチャートで、図中のSはステップを示し、以下このステップに従って説明する。
【0044】
レジ担当者が自分のIDカードを現金処理装置に設けられているカード挿入排出口に挿入すると、カードリーダ5がIDカードから利用者の区分、レジNo.、レジ担当者の個人IDを読取る(S11)。
これにより利用者の区分、レジNo.、レジ担当者の個人IDの入力が行われたことになるので、次に、レジ担当者は操作部4を操作して自分のパスワードを入力する。
【0045】
主制御部8はIDカードから読取った個人ID及びレジ担当者が入力したパスワードを予め記憶部7等に登録されている個人ID、パスワードと照合し、正当性が確認された場合(S12)、IDカードから読取った利用者区分に基づいてレジ担当者が操作可能な「出金」、「入金」を選択するメニュー画面を表示部3に表示し(S13)、レジ担当者に選択させる。
【0046】
ここでレジ担当者が操作部4を操作して「入金」を選択すると、主制御部8は「入金」の選択を受付ける(S14)。
そして、紙幣処理機1及び硬貨処理機2は、主制御部8の指示により紙幣入出金口11及び硬貨入金口21に設けられているシャッタをそれぞれ開放して、レジ担当者がレジスタから回収してきた現金である紙幣及び硬貨を受入れ、その紙幣及び硬貨を紙幣鑑別部12及び硬貨鑑別部22に1枚ずつ搬送して鑑別、計数する(S15)。
【0047】
ここで、正常と鑑別されて金種が確定した紙幣及び硬貨は、金種毎に計数した後、紙幣一時保留部13及び硬貨一時保留部23に搬送して時保留するが、汚損等により偽あるいは金種不明等で収納不可と鑑別された紙幣及び硬貨は、リジェクト紙幣及びリジェクト硬貨として紙幣入出金口11及び硬貨リジェクト口27に送り戻され、レジ担当者に返却される。このようにリジェクト紙幣及びリジェクト硬貨として紙幣入出金口11及び硬貨リジェクト口27に送り戻された場合、「リジェクト有」の情報が主制御部8内のメモリに記憶される。
【0048】
受入れたすべての紙幣及び硬貨の鑑別、計数が終了すると、主制御部8はメモリの記憶内容により紙幣入出金口11及び硬貨リジェクト口27に送り戻された紙幣および硬貨があったか否か、つまりリジェクトがあったかなかったかの確認を行い、なかった場合、主制御部8は受け入れたすべての紙幣及び硬貨の金種毎の枚数及び金額、全金種の合計額を計数結果として表示部3に表示し、レジ担当者に金額を確認させて収納の可否(OK/NG)を入力させる。また、紙幣入出金口11及び硬貨リジェクト口27に送り戻された紙幣および硬貨があった場合は、計数した正常分の金種毎の枚数及び金額、全金種の合計額を計数結果として表示部3に表示すると共に、正常分の紙幣及び硬貨の収納の可否を問うメッセージを表示し、レジ担当者に金額を確認させて収納の可否(OK/NG)を入力させる(S16)。
【0049】
主制御部8はレジ担当者の入力結果に基づいて収納の可否を判断し(S17)、収納不可(NG)の場合、一時保留した紙幣は紙幣入出金口11に戻され、硬貨は硬貨リジェクト口27に送られて、それぞれレジ担当者に返却されて処理終了となる。
一方、収納可(OK)が入力された場合、主制御部8はメモリの記憶内容によりリジェクトが有ったかなかったかを判断し(S18)、なかった場合、一時保留した紙幣のうちの1万円紙幣と2千円紙幣のみを紙幣回収庫15に収納すると共に、他の金種の紙幣つまり釣銭に利用可能な金種である5千円紙幣及び千円紙幣は金種別に釣銭用紙幣収納庫14に収納し、一時保留した硬貨についてはすべて金種別に釣銭用硬貨収納庫24に収納する(S20)。
【0050】
また、リジェクトが有った場合は、リジェクト紙幣、リジェクト硬貨の金種、枚数を入力させるよう促すメッセージ、及びリジェクト紙幣とリジェクト硬貨を手入金ボックス9に投入するよう促すメッセージを配した入力画面を表示部3に表示する。これに従ってレジ担当者がリジェクト紙幣、リジェクト硬貨を手入金ボックス9に投入して収納させ、そして操作部4を操作して金種、枚数を入力すると(S19)、一時保留した紙幣のうちの釣銭に利用しない金種である1万円紙幣と2千円紙幣のみを紙幣回収庫15に収納すると共に、他の金種の紙幣つまり釣銭に利用する金種である5千円紙幣及び千円紙幣は金種別に釣銭用紙幣収納庫14に収納し、一時保留した硬貨についてはすべて金種別に釣銭用硬貨収納庫24に収納する(S20)。
【0051】
このようにして紙幣及び硬貨の収納(入金)が終了すると、主制御部8は今回の入金の処理結果として記憶部7の入出金処理履歴(図2参照)に締上げ日時を除く通番、利用者ID、処理日時、区分、金額、及び金種の各情報を書込んでその内容を更新し(S21)、そして釣銭用紙幣収納庫14や釣銭用硬貨収納庫24に収納(入金)した枚数を金種毎に記憶部7に設定されている収納枚数カウンタの値に加算する。
【0052】
釣銭用紙幣及び硬貨収納庫入出金処理履歴(図3参照)に対しては、通番、処理日時、区分、金額、及び金種の各情報を書込んでその内容を更新し、紙幣及び硬貨回収庫入金処理履歴(図4参照)に対しては、通番、処理日時、庫ID,及び金種の各情報を書込んでその内容を更新する。
【0053】
この場合の入出金処理履歴、硬貨収納庫入出金処理履歴、紙幣及び硬貨回収庫入出金処理履歴に書込む金額、金種毎の枚数は、紙幣鑑別部12及び硬貨鑑別部22で鑑別することにより入金された金額及び金種毎の枚数と、操作部4で手入力されたリジェクト紙幣、リジェクト硬貨の金種、枚数に基づく金額及び金種毎の枚数の合計である。
【0054】
また、主制御部8は、操作部4で手入力されたリジェクト紙幣、リジェクト硬貨の金種、枚数、及びその合計額を入金リジェクト情報として記憶部7に記憶させ、更に釣銭用紙幣収納庫14、紙幣回収庫15、及び釣銭用硬貨収納庫24に収納した紙幣や硬貨の実際の枚数を金種毎に記憶部7に設定されている収納枚数カウンタの値に加算する。
その後、伝票印字部6で入金処理結果を伝票に印字し、入金処理を行ったレジ担当者に発行する(S22)。
尚、入出金処理履歴等の更新は伝票発行後に行うようにしてもよい。
【0055】
この入金処理は、各レジスタにおいてレジ担当者が交代する毎に行われるもので、入金処理の途中で紙幣回収庫がフル(満杯)あるいはニアフル(満杯に近い状態)になった場合、装置の表示部にカセットの交換を促すメッセージ等を表示し、紙幣回収庫を交換することで処理を継続することができる。
【0056】
この場合、記憶部7の回収庫交換履歴(図5参照)には、通番、利用者ID、処理日時、区分、前後、金額、及び金種の各情報を書込んでその内容を更新するが、区分のエリアには「交換」の情報が書き込まれ、前後のエリアには、交換前の紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25の識別情報であるID番号(庫ID)と、交換後の紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25の識別情報であるID番号(庫ID)がそれぞれ書込まれる。
【0057】
また、釣銭用紙幣収納庫14及び釣銭用硬貨収納庫24に収納中に釣銭用紙幣収納庫14及び釣銭用硬貨収納庫24が満杯になった場合は、満杯になった金種の紙幣及び硬貨を紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25に収納し、それに応じて紙幣及び硬貨回収庫入金処理履歴の内容を更新する。
【0058】
次に、業務終了時等に管理者により行われる締上げ処理について説明する。
図8は締上げ処理の手順を示すフローチャートで、図中のSはステップを示し、以下このステップに従って説明する。
業務終了時等に管理者が自分のIDカードを現金処理装置に設けられているカード挿入排出口に挿入すると、カードリーダ5がIDカードから利用者の区分、個人IDを読取る(S31)。
これにより利用者の区分、レジNo.、管理者の個人IDの入力が行われたことになるので、また、管理者はカード挿入後、操作部4を操作して自分のパスワードを入力する。
【0059】
主制御部8はIDカードから読取った個人ID及び管理者が入力したパスワードを予め記憶部7等に登録されている個人ID、パスワードと照合し、正当性が確認された場合(S32)、IDカードから読取った利用者区分に基づき、管理者が操作可能な「締上げ」、「回収」、「交換」等を選択するメニュー画面を表示部3に表示し(S33)、管理者に選択させる。
ここで管理者が操作部4を操作して「締上げ」を選択すると、主制御部8は「締上げ」の選択(締上げ要求)を受付ける(S34)。
【0060】
そして主制御部8は記憶部7に記憶されている出金処理履歴を参照して前回の締上げ処理から現在までの入金額と出金額をそれぞれ集計し(S35)、入金合計額から出金合計額を減算することで本日(当日)の売上金額を算出する(S36)。この場合の入金合計額は、鑑別部で鑑別することにより入金された金額(通常の入金金額)+操作部4により手入力されたリジェクト紙幣、リジェクト硬貨のそれぞれの金種、枚数に基づく金額(手入力の入金金額)となる。また、このとき、すべてのレジスタ及びレジスタ毎について、出金合計額と入金合計額(通常の入金金額+手入力の入金金額)、金種別の出金枚数、金種別の入金枚数(通常の入金枚数+手入力の入金枚数)も算出する。算出した売上金額、及びすべてのレジスタ及びレジスタ毎についての出金合計額と入金合計額、金種別の出金枚数、金種別の入金枚数は本日分の締上げ結果として記憶部7に記憶する。
【0061】
その後、主制御部8は入金処理履歴において今回締上げ処理の対象とした入金と出金に関する情報に対し、締上げ日時の情報を書込むことにより入金処理履歴の内容を更新する(S37)。
そして、最後に伝票印字部6で締上げの処理結果を伝票に記録して管理者に発行(S38)することで締上げ処理を終了する。
【0062】
次に、現金(紙幣及び硬貨)の回収処理について説明する。
図9は回収処理の手順を示すフローチャートで、図中のSはステップを示し、以下このステップに従って説明する。
所定の回収日に管理者が自分のIDカードを現金処理装置に設けられているカード挿入排出口に挿入すると、カードリーダ5がIDカードから利用者の区分、個人IDを読取る(S41)。
【0063】
これにより利用者の区分、レジNo.、管理者の個人IDの入力が行われたことになるので、また、管理者はカード挿入後、操作部4を操作して自分のパスワードを入力する。
主制御部8はIDカードから読取った個人ID及び管理者が入力したパスワードを予め記憶部7等に登録されている個人ID、パスワードと照合し、正当性が確認された場合(S42)、IDカードから読取った利用者区分に基づき、管理者が操作可能な「締上げ」、「回収」、「交換」等を選択するメニュー画面を表示部3に表示し(S43)、管理者に選択させる。
【0064】
ここで管理者が操作部4を操作して「回収」を選択すると、主制御部8は「回収」の選択(回収要求)を受付け(S44)、記憶部7に記憶されている前回の回収日から本日までの各日の売上金額を集計してその売上合計額(回収合計額)を算出すると共に、記憶部7に記憶されているリジェクト情報から前回の回収日から本日までの各日のリジェクト紙幣、リジェクト硬貨の合計額を集計してリジェクト合計額を求める。
【0065】
続いて主制御部8は、記憶部7に記憶されている紙幣回収庫15内の紙幣の金種別の枚数、及び硬貨回収庫25内の硬貨の金種別の枚数から、紙幣の収納金額と硬貨の収納金額をそれぞれ算出して、その合計額を求め、更にその合計額とリジェクト合計額の和の値を売上合計額から減算して移動額を算出し(S45)、その移動額について釣銭用紙幣収納庫14及び釣銭用硬貨収納庫24から紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25への現金を移動する旨のメッセージを表示部3に表示して、管理者に確認を促す。
【0066】
管理者が操作部4により確認した旨の入力を行うと、釣銭用紙幣収納庫14及び釣銭用硬貨収納庫24から移動額分の紙幣及び硬貨を繰出し、紙幣鑑別部12および硬貨鑑別部22で鑑別計数した後、紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25へ搬送して収納する(S46)。この場合、どの金種の紙幣、硬貨を優先して移動させるかは、予め決めておくことが可能であり、また釣銭用紙幣収納庫14や釣銭用硬貨収納庫24あるいは紙幣回収庫15や硬貨回収庫25の収納状態を判断して自動的に決めるようにすることも可能である。
【0067】
紙幣及び硬貨の移動が完了すると、主制御部8は紙幣回収庫15内の紙幣の金額と硬貨回収庫25内の硬貨の金額に手入金ボックス9内の紙幣及び硬貨の金額を加えた回収合計額、収納枚数カウンタの値から算出される釣銭用紙幣収納庫14及び釣銭用硬貨収納庫24の残金合計額、金種別の回収枚数、回収処理日時を回収処理結果として記憶部7に記憶し(S47)、また記憶部7に記憶されているリジェクト情報をリセットした後、伝票印字部6で回収の処理結果を伝票に記録して管理者に発行する(S48)。
【0068】
伝票が発行されると、管理者は現金処理装置から紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25を取り出して別の紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25と交換すると共に、また手入金ボックス9も取出して別の手入金ボックス9と交換して、取り出した紙幣回収庫15、硬貨回収庫25、及び手入金ボックス9を警備会社の警送員に引き渡し、これにより紙幣回収庫15、硬貨回収庫25、及び手入金ボックス9は警備会社または銀行に移送される。
【0069】
一方、紙幣回収庫15、硬貨回収庫25、及び手入金ボックス9が交換され、そのことが管理者により操作部4から入力、あるいは図示しないセンサにより検知されると、主制御部8は、記憶部7の回収庫交換履歴に交換の区分と、交換された紙幣回収庫15、硬貨回収庫25の識別情報であるID番号(庫ID)をそれぞれ書込んで更新し(S49)、これにより回収処理を終了する。
【0070】
図10は回収処理の具体例を示す説明図で、1日分の売上のみで、締上げ回収を行った場合を示している。
(a)レジスタで使用する釣銭を出金した紙幣及び硬貨の合計出金額を30万円とする。
(b)レジスタから回収した紙幣及び硬貨の入金において、リジェクト紙幣及び硬貨を除く現金つまり釣銭用紙幣収納庫14、釣銭用硬貨収納庫24、紙幣回収庫15、及び硬貨回収庫25に収納した紙幣及び硬貨の収納合計金額が125万6千円、リジェクト紙幣が1万6千円(千、五千、万が各1枚)あって、その金額(金種、枚数)が操作部4から手入力されたたものとする。
【0071】
(c)この場合、当日売上金は、
125万6千円+1万6千円−30万円=97万2千円となる。
(d) このうちリジェクト紙幣1万6千円分は手入金ボックス9に収納されるので、紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25内に収納された紙幣及び硬貨が無い場合、釣銭用紙幣収納庫14及び釣銭用硬貨収納庫24から紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25へ移動する移動額は、
当日売上金97万2千円−リジェクト紙幣1万6千円=95万6千円となる。
【0072】
この95万6千円の移動が行われた後、釣銭用紙幣収納庫14及び釣銭用硬貨収納庫24と手入金ボックス9を交換、回収する。
尚、紙幣回収庫15、硬貨回収庫25、及び手入金ボックス9を警備会社の警送員に引き渡すのではなく、所定の回収バックに詰め替えて渡すようにしてもよい。
【0073】
以上説明した実施例によれば、入金処理時に紙幣鑑別部12及び硬貨鑑別部22で汚損等により収納不可のリジェクト紙幣やリジェクト硬貨と鑑別された紙幣及び硬貨を利用者に返却し、そのリジェクト紙幣やリジェクト硬貨を手入金ボックス9に投入して収納すると共に、リジェクト紙幣やリジェクト硬貨の金種、枚数を操作部4で入力させて、その入力した金種、枚数を売上金の情報に算入するようにしているため、入金処理時のリジェクト紙幣やリジェクト硬貨を売上金として回収することが可能となる。そのため、店舗にリジェクト紙幣やリジェクト硬貨が滞留することがなくなり、釣銭金として使用可能な紙幣や硬貨の量が減少して、釣銭としての運用に支障をきたすということを防止できるという効果が得られる。
【0074】
尚、上述した実施例では、汚損等により収納不可のリジェクト紙幣やリジェクト硬貨と鑑別された紙幣及び硬貨の両方を売上金として回収処理するようにしているが、どちらか一方のみを回収処理するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 紙幣処理機
2 硬貨処理機
3 表示部
4 操作部
5 カードリーダ
6 伝票印字部
7 記憶部
8 主制御部
9 手入金ボックス
11 紙幣入出金口
12 紙幣鑑別部
13 紙幣一時保留部
14 釣銭用紙幣収納庫
15 紙幣回収庫
16 紙幣リジェクト庫
17 制御部
21 硬貨入金口
22 硬貨鑑別部
23 硬貨一時保留部
24 釣銭用硬貨収納庫
25 硬貨回収庫
26 硬貨出金箱
27 硬貨リジェクト口
28 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出金処理時に、小売店に設置されたレジスタで釣銭として使用される現金を釣銭用現金収納庫から繰出して利用者に出金し、その出金した現金の金種、金種別の枚数の情報を記憶部に記憶させ、
入金処理時に、前記利用者がレジスタから回収した現金が投入されると、その現金を鑑別して、収納不可のリジェクトと鑑別したリジェクト現金を前記利用者に返却し、正常で収納可能と鑑別した金種毎に計数して釣銭に利用しない金種の現金を回収庫に収納すると共に、釣銭に利用する金種の現金を釣銭用現金収納庫に金種別に収納することで入金し、入金した現金の金種、金種別の枚数の情報を前記記憶部に記憶させ、
前記記憶部に記憶された入金及び出金の情報から、現金の出金及び入金を集計して、入金の合計額から出金の合計額を減算することにより売上合計額を算出し、算出した売上合計額の情報を記憶部に記憶させる現金処理装置において、
前記入金処理時に利用者に返却されたリジェクト現金を売上金として回収するため、当該リジェクト現金の金種、枚数を前記利用者に操作部で入力させて、入力されたリジェクト現金の金種、枚数を前記記憶部に記憶させ、
売上金の回収処理時に前記記憶部に記憶された情報から得られる前記回収庫に収納した現金の合計額に前記リジェクト現金の合計額を加算した額を売上合計額から減算して移動額を算出し、この移動額分の現金を釣銭用現金収納庫から繰出して回収庫に搬送、収納することを特徴とする現金処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の現金処理装置において、
収納不可のリジェクトと鑑別したリジェクト現金を前記利用者に返却した場合、投入されたすべての現金の鑑別、計数を行った後、前記リジェクト現金の金種、枚数を前記利用者に入力させることを特徴とする現金処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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