説明

現金処理装置

【課題】現金の収納中に収納庫が満杯となったときのオペレータの作業の手間を軽減するための手段を提供する。
【解決手段】投入された紙幣を収納する際に、紙幣一時保留部23に集積する紙幣の枚数を紙幣収納庫24に収納できる枚数に合わせて変更し、紙幣一時保留部23に収納できない分の紙幣を紙幣入出金口21に戻して一旦収納し、紙幣一時保留部23から紙幣収納庫24に紙幣を搬送してその紙幣収納庫24内の紙幣をオペレータに回収させた後、紙幣入出金口21に収納している紙幣を紙幣収納庫24に搬送して収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨や紙幣等の現金を取扱う現金処理装置に関し、特に現金の収納方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の現金処理装置は、入金処理においてオペレータにより投入された現金を一時保留部に搬送して集積し、投入された現金の金額を表示画面に表示してオペレータに金額の確認をさせ、金額確認の入力がなされたときに一時保留部内の現金を収納庫に搬送して金種別に収納している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−286744号公報(段落「0018」−段落「0019」、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、一時保留部に集積されるまで投入された現金の枚数がわからないので、一時保留部に集積された硬貨や紙幣の枚数が収納庫に収納できる枚数を超えてしまう場合には、一時保留部に集積した硬貨や紙幣を一旦返却した上で、収納庫内の現金をオペレータに回収させるようにし、再度現金を投入させるようにしているので、オペレータの手間が増えて処理時間が長くなるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、現金が投入される入金口と、該入金口から繰出された現金を鑑別する鑑別部と、該鑑別部で鑑別した現金を一時的に集積する一時保留部と、現金を収納する収納部とを備えた現金処理装置において、前記収納部に収納できる現金の収納空き枚数を記憶しておく記憶手段を有し、前記収納空き枚数をもとに前記収納部に収納できる分の現金だけを前記一時保留部に集積し、その他の現金は前記入金口に残しておき、前記一時保留部から現金を搬送して前記収納部に収納した後、前記収納部内の現金を回収させ、前記入金口の現金を前記収納部に搬送して収納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
これにより、本発明は、一時保留部から収納部に全ての現金を搬送できなくても、オペレータに現金の再投入をさせることが無くなり、オペレータの手間を減らし処理時間を短縮させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の現金処理装置を示すブロック図
【図2】実施例1の現金処理装置における現金収納処理を示すフローチャート
【図3】実施例2の現金処理装置を示すブロック図
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、図面を参照して本発明による現金処理装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は実施例1の現金処理装置を示すブロック図である。
本実施例の現金処理装置は、レジスタを使用する小売店等に設置されるもので、図1において1は硬貨(現金)の入出金処理を行う硬貨取扱部、2は紙幣(現金)の入出金処理を行う紙幣取扱部である。
【0010】
硬貨取扱部1は、レジスタから回収した硬貨を一括して受け入れる硬貨入金口11と、この硬貨入金口11に受け入れた硬貨を1枚ずつ分離する図示しない分離部と、硬貨の金種等を鑑別すると共に鑑別した硬貨を金種毎に計数する硬貨鑑別部12と、この硬貨鑑別部12で鑑別計数された硬貨を一時保留する硬貨一時保留部13と、硬貨を金種別に収納する硬貨収納庫(収納庫)14と、釣銭用の硬貨を出金するための硬貨出金庫16と、金種を鑑別できないリジェクト硬貨を返却するための硬貨リジェクト口17等を有している。
【0011】
なお、硬貨入金口11には、硬貨処理中にオペレータからの硬貨投入を規制するシャッタが設けられている。
ここで硬貨一時保留部13、硬貨収納庫14、及び硬貨出金庫16は金種毎に分けて硬貨を集積、収納できるように内部が区切られている。
なお、硬貨収納庫14手前の搬送路には、搬送される硬貨を検知してその金種を鑑別するための現金カウンタ14aが設けられている。
【0012】
一方、紙幣取扱部2は、入金処理時にレジスタから回収した紙幣を一括して受け入れると共に出金処理時に釣銭としての紙幣を排出する紙幣入出金口21と、この紙幣入出金口21に受け入れた紙幣を1枚ずつ分離する図示しない分離部と、紙幣の金種等を鑑別する紙幣鑑別部22と、この紙幣鑑別部22で鑑別計数された紙幣を集積して一時保留する紙幣一時保留部23と、紙幣を金種別に収納する紙幣収納庫(収納庫)24と、これらの間で紙幣を搬送ベルト等で挟持して搬送する搬送路等を備えている。
尚、紙幣入出金口21には、紙幣処理中にオペレータからの紙幣投入を規制するシャッタが設けられている。
【0013】
また、紙幣一時保留部23には紙幣を繰出す繰出し手段が設けられている。
紙幣収納庫24手前の搬送路には、搬送される紙幣を検知してその金種を鑑別するための現金カウンタ24aが設けられている。
【0014】
3はLCD等による表示部で、各種の処理操作の案内、現金処理のための入力画面や入力された情報、及び金種別の入出金金額や入出金の合計金額等を表示する。
4はレジスタの現金を入出金するレジ担当者や売上の締めを行う管理者が操作するキーボードあるいは表示部3上に配置されたタッチパネル等の操作部で、入金処理や出金処理、締上げ処理、回収処理等を行うことを指示(入力)するためのキーや金額等を入力するためのテンキー等を備えている。
【0015】
6は伝票印刷部(印刷部)で、硬貨取扱部1や紙幣取扱部2で行われた入金処理や出金処理の金額、金種別枚数等を伝票に記録(印字)して出力するものである。
7は記憶部で、入金・出金処理履歴等を格納するカウンタテーブルを有し、またこの記憶部7には後述する主制御部が実行する制御プログラムが格納され、更に主制御部による処理結果も記憶するものとなっている。
また、記憶部7は硬貨収納庫14の収納した金種別硬貨枚数と、紙幣収納庫24に収納した金種別紙幣枚数とを記憶するテーブルを有している。
【0016】
8は主制御部であり、記憶部7に格納された制御プログラムに基づいて装置全体の制御を行い、本実施例では記憶部7のカウンタテーブルに登録する入金や出金処理等の履歴を管理し、必要に応じて履歴情報の書込み、更新を行う他、操作部4から入力される締上げ処理要求に応じて、締上げ処理完了の入金情報及び出金情報を基にレジスタの売上金額合計を演算する演算部として機能する。
【0017】
また主制御部8は、硬貨収納庫14の金種ごとの収納容量と、紙幣収納庫24の金種ごとの収納容量を管理し、記憶部7が記憶する金種別の硬貨収納枚数と金種別の紙幣収納枚数と各収納容量とから、硬貨収納庫14に収納可能な金種ごとの収納空き枚数と、紙幣収納庫24に収納可能な金種ごとの収納空き枚数とを算出し、それらを記憶部7に記憶させて管理する。
【0018】
さらに主制御部8は、記憶部7に記憶した硬貨収納庫14の収納空き枚数と、紙幣収納庫24の収納空き枚数とに合わせて、硬貨一時保留部13と紙幣一時保留部23に集積可能な硬貨及び紙幣の金種ごとの枚数(一時保留可能枚数とする。)を設定し、その一時保留可能枚数を記憶部7に記憶する。
【0019】
上述した構成の作用について、図2の実施例1の現金処理装置における現金収納処理を示すフローチャートを用い、Sで示すステップに従って説明する。
なお、ここでは現金収納処理における紙幣の収納に関する動作を例に説明する。
【0020】
S1、主制御部8は、表示部3に各種処理種別の選択キー等を配した処理選択画面を表示して待機する。
オペレータは、操作部4によって処理選択画面から入金処理キーの入力を行う。
S2、主制御部8は、入金処理キーの入力を認識すると、表示部3に現金の投入を促す現金投入指示画面を表示し、紙幣入出金口21のシャッタを開放する。
オペレータが現金投入指示画面に従って紙幣入出金口21に紙幣を投入する。
【0021】
S3、主制御部8は、紙幣が投入されたことを図示しないセンサによって認識すると、紙幣入出金口21のシャッタを閉じて紙幣入出金口21内の紙幣を分離して紙幣鑑別部22に搬送し、紙幣鑑別部22により紙幣を1枚ずつ鑑別し、正券であることを確認する。
S4、主制御部8は、鑑別した紙幣の金種ごとの枚数を計数すると共に記憶部7に記憶した一時保留可能枚数と比較し、計数した枚数が一時保留可能枚数になっていない金種の紙幣を紙幣一時保留部23に搬送して集積していく。
【0022】
そして主制御部8は、全ての紙幣を鑑別するまでに、一時保留可能枚数に到達した金種の紙幣が有るか否かを判断し、有るときはステップS8に移行し、無いときはステップS5に進む。
S5、主制御部8は、投入された全ての紙幣を紙幣一時保留部23に搬送して集積する。
【0023】
S6、主制御部8は、上記で鑑別した紙幣の金種ごとの枚数をもとに紙幣一時保留部23に集積した紙幣の総額を算出し、その紙幣一時保留部23に集積した紙幣の総額と、入金を確定するための確認キー、入金処理を中止する中止キー等を配した金額確認画面を表示部3に表示する。
オペレータが中止キーを押下した場合、主制御部8は紙幣一時保留部23内の紙幣を紙幣入出金口21へと搬送して返却するが、ここでは確認キーが押下されたものとして次のステップに進む。
【0024】
S7、主制御部8は、紙幣一時保留部23内の紙幣を繰出して紙幣収納庫24に搬送し、紙幣収納庫24に到る搬送路の途中に設けた現金カウンタ24aによって紙幣の金種を鑑別し、鑑別した金種をもとに金種別に紙幣を紙幣収納庫24に収納し、入金処理を終了する。
また、主制御部8は、収納した金種別の紙幣枚数をもとに記憶部7に記憶した紙幣収納庫24の収納空き枚数の内容を更新する。
【0025】
S8、主制御部8は、全ての紙幣を鑑別するまでに、上記ステップS4で一時保留可能枚数に到達した金種の紙幣が有ると判断したとき、その金種の紙幣をこれ以上紙幣収納庫24に収納できない状態であるものとし、該金種の紙幣を紙幣入出金口21に搬送して一旦収納し、紙幣収納庫24に収納できる分の紙幣のみを紙幣一時保留部23に集積していき、紙幣一時保留部23に集積した紙幣の枚数だけを計数する。
なお、紙幣入出金口21に搬送した紙幣については、計数の対象から外すようにする。
【0026】
S9、主制御部8は、紙幣一時保留部23に集積した紙幣の総額と、入金を確定させるための確認キー、入金処理を中止する中止キー等を配した金額確認画面を表示部3に表示する。
オペレータは、確認キーを押下したものとする。
【0027】
S10、主制御部8は、確認キーの押下を認識すると、紙幣一時保留部23内の紙幣を紙幣収納庫24に搬送して収納する。
S11、主制御部8は、紙幣の収納が完了した後、紙幣収納庫24内の紙幣の回収を促す文言と、回収完了後に入力させる回収完了キーを配した回収指示画面を表示部3に表示する。
オペレータは、回収指示画面に従って紙幣収納庫24を装置外に取り出し内部に収納されている全紙幣を回収し、紙幣収納庫24を装置内に戻すようにする。
【0028】
S12、主制御部8は、紙幣収納庫24が装置内に戻されたことを認識すると、ステップS8で紙幣入出金口21に収納した紙幣を紙幣鑑別部22に搬送し、金種ごとの枚数を計数して紙幣一時保留部23に搬送して集積する。
そして、主制御部8は、再度金額確認画面を表示して、その金額確認画面で確認キーが押下されたことを確認し、紙幣を紙幣一時保留部23から紙幣収納庫24に搬送し金種別に収納し、現金収納処理を終了する。
【0029】
このように、本実施例では、紙幣収納庫に収納できる空き収納枚数に合わせて、紙幣一時保留部23に搬送する一時保留可能枚数を設定し、投入された紙幣を一時保留可能枚数分だけ紙幣一時保留部に集積し、一時保留可能枚数を超える分の紙幣を紙幣入出金口に戻して残しておき、紙幣一時保留部内の紙幣を紙幣収納庫に収納した後、オペレータに紙幣収納庫内の紙幣を回収させ、回収後に紙幣入出金口に残っている紙幣を紙幣収納庫に収納する。
【0030】
以上説明したように、本実施例では、紙幣収納庫の空き収納枚数に合わせて紙幣一時保留部に集積する最大紙幣枚数を変更し、その最大紙幣枚数を超えるために入りきらなかった紙幣を一時的に紙幣入出金口に戻して残すようにし、紙幣一時保留部内の紙幣を紙幣収納庫に収納し、紙幣収納庫内の紙幣が回収された後、紙幣入出金口の紙幣を紙幣収納庫に収納するようにしたので、紙幣収納庫に紙幣を全て収納できないときに従来のような紙幣一時保留部に集積した紙幣を一旦返却し紙幣収納庫内の紙幣をオペレータに回収させて再度紙幣を投入させる等の処理が必要無くなるため、オペレータにとっての手間を削減できると共に、紙幣を収納するまでの処理時間を短縮することができる。
【0031】
なお、上記実施例1においては、紙幣収納庫に金種毎に紙幣を収納するものとして説明したが、これに限らず金種を混在させた状態で紙幣を収納する紙幣収納庫を備えた現金処理装置に適用しても同様の効果が得られ、さらにそのような現金処理装置に適用した場合には紙幣収納庫の容量限界まで紙幣を収納できるので、紙幣収納部からの紙幣の回収回数を削減することができる。
さらに、上記実施例1においては紙幣を収納する場合を例に説明したが、硬貨を収納する場合に適用しても同様の効果を得ることができる。
【実施例2】
【0032】
図3は実施例2の現金処理装置を示すブロック図である。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図3における30は現金返却部であり、紙幣及び硬貨を区分けして収納し、現金の計数処理において計数した現金の搬送先となる。なお、現金返却部30内の現金は現金処理装置の筐体に設けた図示しない扉を開くことで取り出すことができるようになっている。
【0033】
本実施例の主制御部8は、現金返却部30の硬貨及び紙幣の収納容量の情報を有すると共に、現金返却部30に収納されている現金の枚数をもとに、現金返却部30内の硬貨及び紙幣の収納空き枚数を算出し、記憶部7に記憶して管理する。
また、主制御部8は、記憶部7に記憶した現金返却部30の各収納空き枚数に合わせて、硬貨一時保留部13と紙幣一時保留部23に集積可能な硬貨及び紙幣の枚数(一時保留可能枚数とする。)を設定し、その硬貨と紙幣についての各一時保留可能枚数を記憶部7に記憶する。
【0034】
上記の構成の作用について、本実施例では上記実施例1で紙幣を紙幣収納庫24に搬送していた代わりに現金返却部30に搬送する場合を例に説明する。
オペレータは、現金処理装置の表示部3に表示している処理選択画面から現金計数処理の選択キーを押下する。
主制御部8は、現金計数処理の選択キーの押下を認識すると、硬貨入金口11および紙幣入出金口21のシャッタの開放する。
【0035】
オペレータは、計数処理を行う現金を硬貨入金口11と紙幣入出金口21に投入する。
主制御部8は、投入された現金を硬貨鑑別部12及び紙幣鑑別部22に搬送し、硬貨鑑別部12及び紙幣鑑別部22によって現金の鑑別を行う。
【0036】
主制御部8は、鑑別した硬貨及び紙幣の枚数を1枚ずつ計数し、計数している枚数を記憶部7に記憶している各一時保留可能枚数と比較し、計数した硬貨または紙幣の枚数が各一時保留可能枚数に達するまで、鑑別した硬貨を硬貨一時保留部13に、鑑別した紙幣を紙幣一時保留部23に搬送して集積する。
【0037】
ここで、例えば計数した硬貨枚数が硬貨の一時保留可能枚数に到達したときは、硬貨入金口11から繰出された硬貨を硬貨入金口11に戻し、硬貨一時保留部13に搬送せずに硬貨入金口11に残しておく。
同様に紙幣についても、紙幣の一時保留可能枚数に到達したときは、紙幣入出金口21から繰出した紙幣を紙幣入出金口21に戻し、紙幣一時保留部23に搬送せずに紙幣入出金口21に残しておく。
【0038】
そのため、硬貨一時保留部13と紙幣一時保留部23には、現金返却部30に収納可能な分の現金だけが集積された状態となる。
主制御部8は、鑑別して硬貨一時保留部13および紙幣一時保留部23に集積した現金の合計金額を算出し、記憶部7に記憶する。
【0039】
主制御部8は、硬貨一時保留部13または紙幣一時保留部23に集積した硬貨及び紙幣を繰出して現金返却部30に搬送すると共に、記憶部7から合計金額を読み出してその合計金額を配した画面を表示部3に表示する。
そして、主制御部8は、硬貨入金口11と紙幣入出金口21に一旦収納した現金があるとき、現金返却部30内の現金の回収を促す文言等を配した画面を表示部3に表示する。
【0040】
オペレータは、表示された画面に従って現金返却部30内の現金を全て取り出す。
主制御部8は、図示しないセンサによって現金返却部30から現金が回収されたことを認識すると、硬貨入金口11と紙幣入出金口21に収納した硬貨と紙幣を鑑別、計数すると共に、計数した硬貨又は紙幣の枚数を各一時保留可能枚数と比較し、それぞれの計数した枚数が一時保留可能枚数に達していないことを確認し、硬貨及び紙幣を硬貨一時保留部13及び紙幣一時保留部23に集積する。
【0041】
主制御部8は、計数した硬貨及び紙幣の枚数が各一時保留可能枚数に到達せずに、全ての現金の鑑別が終わると、硬貨一時保留部13内の硬貨及び紙幣一時保留部23内の紙幣を現金返却部30に搬送し、搬送した現金の合計枚数を配した画面を表示部3に表示して現金計数処理を終了する。
【0042】
以上説明したように、本実施例では、現金返却部に集積できる硬貨及び紙幣枚数に合わせて一時保留可能枚数を定め、投入された硬貨または紙幣を現金返却部が満杯になる分まで各一時保留部に収納するようにし、残りを硬貨入金口と紙幣入出金口に残しておき、各一時保留部内の現金を現金返却部に収納した後、オペレータに対して現金返却部の現金を回収させ、回収後に硬貨入金口と紙幣入出金口内の現金を現金返却部に収納するようにしたので、現金返却部に現金を全て収納できないために一時保留した現金を一旦返却し現金返却部内の現金をオペレータに回収させて再度現金を投入させる等の処理が必要無くなるため、オペレータにとっての手間を削減できると共に、紙幣を収納するまでの処理時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 硬貨取扱部
2 紙幣取扱部
3 表示部
4 操作部
6 伝票印刷部
7 記憶部
8 主制御部
11 硬貨入金口
12 硬貨鑑別部
13 硬貨一時保留部
14 硬貨収納庫
14a、24a 現金カウンタ
16 硬貨出金庫
17 硬貨リジェクト口
21 紙幣入出金口
22 紙幣鑑別部
23 紙幣一時保留部
24 紙幣収納庫

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金が投入される入金口と、該入金口から繰出された現金を鑑別する鑑別部と、該鑑別部で鑑別した現金を一時的に集積する一時保留部と、現金を収納する収納部とを備えた現金処理装置において、
前記収納部に収納できる現金の収納空き枚数を記憶しておく記憶手段を有し、
前記収納空き枚数をもとに前記収納部に収納できる分の現金だけを前記一時保留部に集積し、その他の現金は前記入金口に残しておき、
前記一時保留部から現金を搬送して前記収納部に収納した後、前記収納部内の現金を回収させ、前記入金口の現金を前記収納部に搬送して収納することを特徴とする現金処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現金処理装置において、
前記収納部は現金を金種別に収納し、
前記記憶手段は前記収納部に収納できる金種ごとの現金の収納空き枚数を記憶するようにし、
記憶している金種ごとの収納空き枚数をもとに、前記収納部に収納できる分の各金種の現金を前記一時保留部に集積し、その他の現金は前記入金口に残しておき、
前記一時保留部から現金を搬送して前記収納部に収納した後、前記収納部内の現金を回収させ、前記入金口の現金を前記収納部に搬送して収納することを特徴とする現金処理装置。
【請求項3】
現金が投入される入金口と、該入金口から繰出された現金を鑑別する鑑別部と、該鑑別部で鑑別した現金を一時的に集積する一時保留部と、現金を計数する計数処理で計数後に前記一時保留部から搬送し返却する現金を収納しておく返却部とを備えた現金処理装置において、
前記返却部に収納できる現金の収納空き枚数を記憶しておく記憶手段を有し、
前記収納空き枚数をもとに前記返却部に収納できる分の現金だけを前記一時保留部に集積し、その他の現金は前記入金口に残しておき、
前記一時保留部から現金を搬送して前記返却部に収納した後、前記返却部内の現金を回収させ、前記入金口の現金を前記返却部に搬送して収納することを特徴とする現金処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−88757(P2012−88757A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232317(P2010−232317)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】