説明

球根類の移植機

【課題】良好な移植作業が行なえると共に、作業性及び作業効率が良い球根類の移植機を得ることを課題とする。
【解決手段】上下動自在に設けた駆動輪5にて走行する機体に、球根類Aを収容する貯留部9と各供給カップ6bに入れられた球根類Aを所定位置まで移送する供給装置6と、該供給装置6から球根類Aを受けて圃場に植付ける植付装置7を装備した球根類の移植機において、コンテナ24を載置するコンテナ載置台25を貯留部9に対向した上動位置と貯留部9に対して低い下動位置に移動自在に設けた球根類の移植機とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種芋を含む球根類を圃場に植付ける球根類の移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業者によって供給された球根類を圃場に植付ける球根類の移植機が知られている。例えば、特許文献1に示されるように、種芋を貯留する種芋載せ台と該種芋載せ台から種芋が移動して収容される収容部と該収容部の下方に配置された複数の供給カップを設けた供給部と該供給部から受け取った種芋を圃場に植付ける植付装置を装備した球根類の移植機がある。作業者は、供給部の中央上方に配置された収容部から種芋を取出して供給部の各供給カップに種芋を入れることができて、作業性が良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−51613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成の移植機は、種芋載せ台に種芋を載せる作業が困難で、作業性容易と謂う観点においては、未だ、課題があった。そこで、良好な移植作業が行なえると共に、作業性及び作業効率が良い球根類の移植機を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、上下動自在に設けた駆動輪5にて走行する機体に、球根類Aを収容する貯留部9と各供給カップ6bに入れられた球根類Aを所定位置まで移送する供給装置6と、該供給装置6から球根類Aを受けて圃場に植付ける植付装置7を装備した球根類の移植機において、コンテナ24を載置するコンテナ載置台25を貯留部9に対向した上動位置と貯留部9に対して低い下動位置に移動自在に設けた球根類の移植機とした。
【0006】
従って、請求項1に記載の発明は、コンテナ24を載置するコンテナ載置台25を貯留部9に対向した上動位置にすれば、コンテナ24内に収容した球根類Aをコンテナ24から貯留部9に容易に移し変えることができる。また、コンテナ載置台25を貯留部9に対して低い下動位置にすれば、コンテナ載置台25に対するコンテナ24の積み下ろしが容易に行える。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、貯留部9の一端部にコンテナ載置台25をコンテナ載置台25に載置したコンテナ24の上部開口部が貯留部9側に向いた状態となる上動位置とコンテナ載置台25に載置したコンテナ24の上部開口部が略水平状態となる下動位置に回動移動自在に設けた請求項1記載の球根類の移植機とした。
【0008】
従って、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の作用に加えて、コンテナ載置台25を上動位置にすると載置されているコンテナ24の上部開口部が貯留部9側に向いた状態となって、コンテナ24内に収容した球根類Aをコンテナ24から貯留部9に容易に移し変えることができる。また、コンテナ載置台25を貯留部9に対して低い下動位置にすれば、コンテナ載置台25に載置したコンテナ24の上部開口部が略水平状態となり且つコンテナ24が低い位置になるので、コンテナ載置台25に対するコンテナ24の積み下ろしが容易に行える。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、貯留部9のコンテナ載置台25を設けた一端部に、上動したコンテナ載置台25に載置したコンテナ24が嵌り込む凹部9dを形成すると共に、該凹部9dの左右部に貯留部9側が低い傾斜底面9eを形成した請求項2記載の球根類の移植機とした。
【0010】
従って、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の作用に加えて、貯留部9のコンテナ載置台25を設けた一端部に、上動したコンテナ載置台25に載置したコンテナ24が嵌り込む凹部9dを形成すると共に、該凹部9dの左右部に貯留部9側が低い傾斜底面9eを形成したので、コンテナ24から貯留部9に球根類Aを移し変える場合に、機外に球根類Aが落下することが適切に防止され、且つ、凹部9d左右部の傾斜底面9eで受止められた球根類Aは傾斜底面9eを貯留部9に向けて転がって移動し、適切なコンテナ24から貯留部9への球根類Aの移し変え作業が行なえる。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、駆動輪5を上動させて機体を下降させた移植作業状態にするとコンテナ載置台25を上動位置にし、駆動輪5を下動させて機体を上昇させた状態にするとコンテナ載置台25を下動位置にする連係具70を設けた請求項1から請求項3の何れか1項に記載の球根類の移植機とした。
【0012】
従って、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、畝への移植作業時の左右駆動輪5,5を上昇させた機体下降時には、コンテナ載置台25は貯留部9に対向した上動位置になり、コンテナ24内に収容した球根類Aをコンテナ24から貯留部9に容易に移し変えることができる。また、畝終端位置で機体を旋回させる為に左右駆動輪5,5を下降させた機体上昇時には、コンテナ載置台25は貯留部9に対して低い下動位置になり、コンテナ載置台25に対するコンテナ24の積み下ろしが容易に行える。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、供給カップ6bの球根類Aを受け止める底蓋6cを供給カップ6bを横切る方向に開閉する構成とした請求項1から請求項4の何れか1項に記載の球根類の移植機とした。
【0014】
従って、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、底蓋6cが供給カップ6bの底部に対して供給カップ6bを横切る方向に開くので、供給カップ6b内に収納された球根類Aは底蓋6cに邪魔されることなく適切に植付装置7内に供給されて、植付装置7にて圃場に良好に移植することができる。
【0015】
また、請求項6に係る発明は、供給カップ6bの近くに設けた枢支軸6gに底蓋6cを供給カップ6bを横切る方向に回動自在に支持し、該底蓋6cをバネ6hにて開く方向に付勢し、供給カップ6bから植付装置7内へ球根類Aを落下供給する供給位置P以外の複数の供給カップ6bを囲む周囲部に底蓋6cをバネ6hの付勢力に抗して閉めるように規制するガイド6iを設けた請求項1から請求項5の何れか1項に記載の球根類の移植機とした。
【0016】
従って、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、複数の供給カップ6bを囲む周囲部に設けたガイド6iにてバネ6hの付勢力で供給カップ6bの底部を開口する開く方向に移動しようとする底蓋6cを規制して、底蓋6cが供給カップ6bの底部を遮蔽する状態を維持する。そして、供給カップ6bから植付装置7内へ球根類Aを落下供給する供給位置Pには、ガイド6iが設けられておらず、底蓋6cがガイド6iの端部から外れた位置(供給位置P)で、底蓋6cは供給カップ6bの底部を遮蔽する状態から開口する状態にバネ6hの付勢力で移動する。従って、供給位置Pで供給カップ6bの底蓋6cは供給カップ6bを横切る方向に移動して、供給カップ6bの底部は開口するので、供給カップ6b内に収納されていた球根類Aが植付装置7内に落下供給される。
【0017】
特に、底蓋6cは供給カップ6bの底部に対してバネ6hの付勢力で供給カップ6bを横切る方向に瞬時に移動して開口する状態となるので、供給カップ6b内に収納された球根類Aは底蓋6cに邪魔されることなく適切に植付装置7内に落下供給されて、植付装置7にて圃場に適切に移植することができる。
【0018】
また、請求項7に係る発明は、供給位置Pで供給カップ6bの移動方向に対向する部位に底蓋6cの開き動作を受止めるガイド6iの端部6i’’を外方に突出して設けた請求項1から請求項6の何れか1項に記載の球根類の移植機とした。
【0019】
従って、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、供給位置Pで供給カップ6bの移動方向に対向する部位に底蓋6cの開き動作を受止めるガイド6iの端部6i’’を外方に突出して設けたので、ガイド6iの端部6i’’は、供給位置Pで供給カップ6bの底蓋6cが巻きバネ6hの付勢力で供給カップ6bを横切る方向に移動した時に、該底蓋6cの移動を受止める働きをし、且つ、供給カップ6bの移動に伴い底蓋6cが供給カップ6bの底部を遮蔽する閉じる方向に巻きバネ6hの付勢力に抗して移動案内する働きもする。
【0020】
また、請求項8に係る発明は、機体に設けた球根類Aを貯留する貯留部9の一側部を供給装置6側方に配置して球根類Aを収容する収容部9bを構成し、該収容部9bに球根類Aを取出して下方に位置する供給装置6の各供給カップ6bに供給する供給口14を供給カップ6bの一側方から臨んで設けた請求項1から請求項7の何れか1項に記載の球根類の移植機とした。
【0021】
従って、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、収容部9bに設けられた供給口14から球根類Aを1つずつ供給口14の下方を移動してくる各供給カップ6bに各々供給することができる。この時、収容部9bの供給口14は、供給口14の下方を移動してくる供給カップ6bの一側方から臨んで設けているので、容易に且つ作業性良く各供給カップ6bに球根類Aを1つずつ供給することができて、作業が容易で且つ効率良く行え、移植作業が容易で且つ能率良く行える。そして、各供給カップ6bに入れられた球根類Aは供給装置6にて植付装置7まで移送されて、植付装置7に供給される。そして、植付装置7はその供給された球根類Aを圃場に植付ける。
【0022】
また、請求項9に係る発明は、供給口14を閉鎖して球根類Aが落下又は取出されるのを阻止する状態と供給口14を開放して球根類Aが落下又は取出される状態に切替えられる開閉自在のシャッター15を設けた請求項1から請求項8の何れか1項に記載の球根類の移植機とした。
【0023】
従って、請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、シャッター15を供給口14を開放して球根類Aが落下又は取出される状態に切替えることにより、良好な作業性の良い移植作業が行える。また、移植作業時の畝終端位置で機体を旋回させる際に、シャッター15を供給口14を閉鎖して球根類Aが側方に向けて落下又は取出されるのを阻止する状態にしておけば、機体後部を押し下げて機体前部を上昇させて機体の旋回操作をしても、球根類Aが収容部9bからこぼれ落ちるのが防止でき、良好な旋回操作が行なえて、作業性が良い。
【発明の効果】
【0024】
この発明は、球根類の移植作業において、良好な移植作業が行なえると共に、作業性及び作業効率が良く、課題を適正に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】一実施例を示す歩行型移植機の側面図である。
【図2】一実施例を示す歩行型移植機の平面図である。
【図3】植付装置の作動構造を示す拡大側面図である。
【図4】植付装置の作動状態を示す側面図である。
【図5】植付装置の作動状態を示す側面図である。
【図6】供給装置の要部拡大側面図である。
【図7】覆土鎮圧装置の要部拡大側面図である。
【図8】供給装置の作動状態を示す底面図である。
【図9】油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された一実施例である歩行型移植機について、詳細に説明する。
図1は発明適用構成例を示す移植機の側面図、図2はその平面図である。
【0027】
移植機1は、機体前端部に搭載したエンジン2及び該エンジン2に直結された主伝動ケース2a、機体前部を案内支持する左右の前輪4,4、左右の伝動支持部5a,5aを介して機体高さと左右高さを調整可能に駆動支持する左右の駆動輪5,5、主伝動ケース2aの後部から一体的に延びるハンドルフレーム3、その後端に一体形成した歩行操縦用の操縦ハンドル3aよりなる走行部1aと、ジャガイモや里芋等の種芋やラッキョウ等を含む球根類Aを圃場に植付けるための植付部1bとから構成される。尚、移植機1のエンジン2を設けた側を機体前部、操縦ハンドル3a側を機体後部と謂い、操縦ハンドル3a側の後部に立ってエンジン2側の前部に向かって左側を機体の左側、右側を機体の右側と謂う。
【0028】
走行部1aは、エンジン2の左側面部に該エンジン2の動力で駆動する油圧ポンプ40が設けられている。また、エンジン2の上側には燃料タンク41が設けられ、その上部をボンネット42が覆っている。そして、機体左右中央のボンネット42上面から突出した位置に燃料タンク41の燃料供給口を閉鎖する燃料蓋41aが設けられている。また、主伝動ケース2aの左右両側に、左右の伝動支持部5a,5aに各々固着された左右回動筒部5bを回動自在に支持している。
【0029】
そして、走行部1aには機体に対し左右の駆動輪5,5を上下動させて機体位置を制御する機体制御機構が設けられている。この機体制御機構は、主伝動ケース2aの上に配置した油圧バルブユニットBUから後方に向けて昇降油圧シリンダ43が設けられ、該昇降油圧シリンダ43のピストンロッドの先端部に機体左右方向に長い連動アーム44が上下方向の軸まわりに回動自在に取り付けられている。連動アーム44の左右両端部と、回動筒部9aに固着した左右スイングアーム45とが、左右ロッド46,46を介して連結されている。左側の左ロッド46は、ローリングシリンダ47が組み込まれており、該ローリングシリンダ47を伸縮作動させることにより長さを変えられるようになっている。
【0030】
昇降油圧シリンダ43及びローリングシリンダ47は、各々前記油圧ポンプ40から供給される作動油を油圧バルブユニットBU内の昇降制御バルブ49とローリング制御バルブ48とで制御して作動させられる。昇降油圧シリンダ43を伸縮作動させると、左右後輪5が同方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が昇降する。また、ローリングシリンダ47を伸縮作動させると、左後輪5が機体に対し上下動し、機体が左右に傾斜する。
【0031】
50は畝上面を検出する昇降センサであって、該昇降センサ50が上下回動すると、その回動を連結ロッド50dにて昇降制御バルブ49に伝え、昇降センサ50の角度が元に戻る方向に昇降油圧シリンダ43を作動させ、左右伝動支持部5a,5aを回動させて左右駆動後輪5,5を共に上下作動させる(昇降制御)。これにより、畝の上面から機体までの高さを一定に維持するように機体を昇降制御し、畝の高さ変更に係わらず常に苗の植付深さが一定になるように制御され、植付後の苗の成育が良い。
【0032】
また、油圧バルブユニットBU内のローリング制御バルブ48は振り子式左右傾斜センサ51の機体左右傾斜検出に連動して切り替わるようになっており、機体が左右に傾斜するとローリングシリンダ47が適宜作動し、機体を左右水平に戻すように制御する。即ち、前記ローリングシリンダ47の伸縮によって、左側の後輪5を、右側部の前記ロッド18によって連結された側の後輪5に対して昇降させて、走行部1aをローリングさせて、走行部1aの左右傾斜を水平にすることができ、機体の左右傾斜姿勢を制御することができる。
【0033】
植付部1bは、球根類Aを受けて周回軌道6a上を移送する複数個の供給カップ6b…を備える供給装置6、植付け動作する植付ホッパ部7bを備える植付装置7、植付装置7の後方の覆土鎮圧輪8,8等からなり、また、供給装置6の各供給カップ6b…に作業者が入れる球根類Aを貯留する貯留部9を設ける。
【0034】
この植付部1bは、主伝動ケース2aから伝動を受ける植付伝動ケース2bにて植付装置7を駆動し、植付伝動ケース2bから伝動回転軸2cを介して供給装置6を駆動して、該植付装置7及び供給装置6を走行部1aと同期して駆動することにより、貯留部9内の球根類Aを作業者が取出して供給装置6の各供給カップ6b…に1個ずつ入れると、各供給カップ6b…に入れられた球根類Aは周回軌道6a上を移送されて植付装置7上方位置でその底蓋6cが開いて植付装置7内に落下供給されて、植付装置7によって圃場に順次植付けを行うことができる。
【0035】
ここで、植付装置7の駆動構成を詳細に説明する。
植付装置7は、供給装置6の供給カップ6bの底蓋6cが開いて落下供給された球根類Aを受けるロート状上部筒部7aと該上部筒部7aの下方に位置して閉じた状態で内部に球根類Aを保持し、圃場の土中に突入した時に前後に開いて保持した球根類Aを開放し植付ける植付ホッパ部7bを装備している。そして、植付装置7は、前部が植付伝動ケース2bに回動自在に上下前部支持軸7c−F支持されて植付伝動ケース2b内の駆動機構にてその後部が上下方向に作動するリンク機構7cの上下後部支持軸7c−Bに装着支持されており、植付装置7の上部筒部7aの上部開口部が供給装置6の供給カップ6bの下方位置近くに位置する状態(供給カップ6bの底蓋6cが開いて植付装置7内に球根類Aが落下供給される状態)から、植付装置7の植付ホッパ部7b下部が圃場の土中に突入して前後に開いて保持した球根類Aを開放し植付ける状態に上下動する構成となっている。
【0036】
植付ホッパ部7bは、嘴状の前植付体7b−Fと後植付体7b−Bで内部に球根類Aを収納できる構成となっている。そして、前植付体7b−Fと後植付体7b−Bは、共にその上部が植付装置7のフレーム7dに設けた前支持軸7e−Fと後支持軸7e−Bに前後方向に回動自在に各々枢支されている。そして、前植付体7b−Fと後植付体7b−Bには、各々、回動作動用前アーム7f−Fと回動作動用後アーム7f−Bが一体回動するように装着されている。尚、回動作動用前アーム7f−Fには係止ピン7gの基部が溶接固着され、係止ピン7gの先端部は回動作動用後アーム7f−Bに設けた係合孔7hに係合し、回動作動用前アーム7f−Fによる前植付体7b−Fの前方開放回動に連動して、回動作動用後アーム7f−Bが回動して後植付体7b−Bが後方開放回動する構成となっている。
【0037】
一方、回動作動用前アーム7f−Fの前部に上方に向けて設けた連係アーム部7f−F’の上部が、リンク機構7cの上後部支持軸7c−Bに自由回動自在に装着されたL字状の中継アーム7iの前端部に連結されている。そして、リンク機構7cの上前部支持軸7c−Fに矢印イ方向に付勢された従動アーム7jの先端に従動カム7kを回転自在に設け、従動アーム7jの先端部と中継アーム7iの下端部を連結ロッド7lで連結している。リンク機構7cの下前部支持軸7c−Fには、植付装置7の上下作動に連動して回転する駆動カム7mが設けられており、該駆動カム7mの外周面には上記の従動カム7kが接当している。
【0038】
従って、植付ホッパ部7bが圃場面から供給カップ6bの下方位置近くに上動移動して来る時(最上動位置に来る手前で)に従動カム7kは駆動カム7mの最少径に接当する状態となって、前植付体7b−Fと後植付体7b−Bは閉じて、植付ホッパ部7b内部に球根類Aを保持できる状態となる。そして、最上動位置で供給カップ6bの底蓋6cが開いて植付ホッパ部7b内に球根類Aが落下供給された後、植付ホッパ部7bが圃場の土中に突入するまで下動した時に、従動カム7kは駆動カム7mの最大径に接当する状態となって、従動アーム7jが矢印ロ方向に揺動して連結ロッド7lを引き、中継アーム7i及び回動作動用前アーム7f−Fを介して前植付体7b−Fの前方開放回動に連動して、回動作動用後アーム7f−Bが回動して後植付体7b−Bが後方開放回動し、前後に開いて保持した球根類Aを開放して圃場中に植付ける。
【0039】
また、回動作動用前アーム7f−Fと回動作動用後アーム7f−Bの各上部には各々把持部7nが設けられており、両把持部7nを握り締めることにより、前植付体7b−Fを前方開放回動させ、後植付体7b−Bを後方開放回動させることができる。即ち、機体を止めた状態で、両把持部7nを握り締め操作することにより、手動で植付ホッパ部7bの前植付体7b−F及び後植付体7b−Bを開放回動させて、植付ホッパ部7b内部に溜まった泥土やゴミ等を容易に掃除することができる。
【0040】
尚、上例では前後の前植付体7b−F及び後植付体7b−Bが機体進行方向に沿って前後に開く例を示したが、左右の植付体が機体進行方向に対して左右に開く構成とした場合にも、上記と同様の機能構成を応用できる。
【0041】
次に、貯留部9を詳細に説明すると、貯留部9は、供給装置6の前方位置に配置された主貯留部9aと該主貯留部9aに貯留した球根類Aが供給装置6の左側方位置に移動して収容される収容部9bから構成されている。そして、主貯留部9aの底面を主伝動ケース2aの上部に基部が固定された鉄製の杆体よりなる支持枠9cの上部に固定して支持し、主貯留部9aから機体後方に向けて延設した状態で一体構成の収容部9bが設けられている。
【0042】
主貯留部9aは、移植作業状態で後部が低くなる傾斜状態に設けられ、その後部底面には送りベルト装置60が設けられており、主貯留部9a内に貯留している球根類Aが主貯留部9aから機体後方の収容部9bに向けて順次移動する構成となっている。
【0043】
送りベルト装置60は、機体後方側の駆動ロール61と前方側の従動ロール62の間に巻き掛けた平ベルト63にて構成されている。そして、駆動ロール61の左側端部に従動プーリ64を設け、植付伝動ケース2bの左側壁から突出させて設けた駆動軸65に駆動プーリ66を設け、該両従動プーリ64と駆動プーリ66間に丸伝動ベルト67を巻き掛けて、植付伝動ケース2bの駆動にて送りベルト装置60を送り作動させる構成としている。尚、駆動軸65による送りベルト装置60が送り作動するタイミングは、植付装置7が上下動作動するタイミングと同期させている。即ち、植付装置7が球根類Aを圃場に1回植える度に、送りベルト装置60が1回送り作動する。
【0044】
また、送りベルト装置60が送り作動しても、球根類Aが収容部9bに満杯状態で送れない場合は、送りベルト装置60の送りベルトが平ベルト63であるから、球根類Aは平ベルト63上をすべって動かない。更には、従動プーリ64と駆動プーリ66間に丸伝動ベルト67を巻き掛けて伝動する構成としたから、球根類Aが収容部9bに満杯状態で送れない場合、丸伝動ベルト67が駆動プーリ66上を滑って伝動を伝えない安全クラッチ的な作用をなし、送りベルト装置60が球根類Aを無理に送り作動して球根類Aを傷めることを防止できる。
【0045】
また、平ベルト63には、送り方向に沿ってスリット溝63a…を左右方向に形成しているので、
一方、収容部9bは、供給装置6の左側方位置に配置され、その前側は順次テーパー状に狭まった主貯留部9aの左後側と連通し、前述のように球根類Aが主貯留部9aから移動してくる。また、収容部9bの右側に供給装置6の各供給カップ6b…に球根類Aを供給する機体内方に向けて開放した供給口14を設けている。そして、該供給口14の開放した右端部は、その下方で周回軌道6a上を移動している供給装置6の各供給カップ6b…の上方位置になるようにしている。
【0046】
また、供給口14には球根類Aをせき止めるシャッター15が設けられており、該シャッター15は供給口14を閉鎖して球根類Aが内方に向けて落下又は取出されるのを阻止する状態と供給口14を開放して球根類Aが内方に向けて落下又は取出される状態に切替えられるように回動軸15aにて回動自在に装着されている。
【0047】
従って、移植作業時の畝終端位置で機体を旋回させる時は、左右駆動輪5,5を機体に対して下降させ機体を上昇させた後に操縦ハンドル3aを押し下げて左右前輪4,4を浮かせて機体の旋回操作をする。その時、貯留部9は後下がり傾斜になるが、シャッター15を供給口14を閉鎖して球根類Aが内方に向けて落下又は取出されるのを阻止する状態にしておけば、球根類Aが貯留部9からこぼれ落ちるのが防止でき、良好な旋回操作が行なえて、作業性が良い。
【0048】
貯留部9の機体前方側には、多数の球根類Aを収容した一般的な樹脂製のコンテナ24を載置できるコンテナ載置台25が配置されている。該コンテナ載置台25は、貯留部9の前端部開口部に回動支軸26にて前部が上下方向に回動調節自在に支持されている。そして、コンテナ載置台25と前記右スイングアーム45とを連結ロッド70にて連係し、通常の畝への移植作業時の左右駆動輪5,5を上昇させた位置では、コンテナ載置台25に載置したコンテナ24の上部開口部が後方の貯留部9側に向いた状態となって、コンテナ24内に収容した球根類Aをコンテナ24から貯留部9に容易に放出できる。また、畝終端位置で機体を旋回させる為に機体上昇時の左右駆動輪5,5を下降させた位置では、コンテナ載置台25に載置したコンテナ24の上部開口部が略水平状態となり且つコンテナ24が機体の低い位置になるので、機体前部からコンテナ載置台25に対するコンテナ24の積み下ろしが容易に行える。
【0049】
また、前記コンテナ載置台25を上下作動させる連結ロッド70は、機体水平制御用のローリングシリンダ47が装着されていない右スイングアーム45とコンテナ載置台25を連係する構成としているから、機体の左右水平制御による影響をあまり受けないので、コンテナ載置台25の上下作動が適正に行える。また、連結ロッド70は、右スイングアーム45及び右ロッド46よりも機体外側方に配置した構成としているので、これらの左右駆動車輪5,5を上下動させる機構と干渉することがなくて、適正なコンテナ載置台25の上下作動が行える。
【0050】
また、コンテナ載置台25は、杆体と帯状板にて枠組みした軽量な枠体構成となっている。そして、その左右中央部には先端部に向けて開放した空間部25aを形成しているので、コンテナ載置台25が下動してボンネット42に近づいた状態でも、コンテナ24をコンテナ載置台25から降ろした状態であれば、該空間部25aにて燃料タンク41の燃料供給口を閉鎖する燃料蓋41aを開けて、燃料タンク41に燃料を容易に供給することができる。また、コンテナ載置台25にコンテナ24を載置していても、左右駆動車輪5,5を上動させた植付作業状態では、コンテナ載置台25は上動した位置にあり、ボンネット42から上方に離れているので、燃料タンク41に燃料を容易に供給することができる。
【0051】
また、コンテナ載置台25の上部には、基部が固着され先端が内方に向けて屈曲したL字状のフック71が設けられている。従って、該フック71が、コンテナ載置台25に載置したコンテナ24の側壁上面を係止して、前記のようにコンテナ載置台25に載置したコンテナ24の上部開口部が後方の貯留部9側に向いた状態になった時に、コンテナ24がコンテナ載置台25から脱落することを防止できる。
【0052】
一方、貯留部9の主貯留部9a前端部には、上記コンテナ載置台25が上動して載置したコンテナ24の上部開口部が後方の貯留部9側に向いた状態になった時に、該コンテナ載置台25に載置したコンテナ24が嵌り込む凹部9dが形成されており、且つ、該凹部9dの左右部は前端ほど上側に傾斜した傾斜底面9eに形成している。そして、該傾斜底面9eのコンテナ24左右と接触する部位は、左右各々ゴム製の板体9fが設けられている。従って、凹部9dの左右部は前端ほど上側に傾斜した傾斜底面9eにし、ゴム製の板体9fにて凹部9dに嵌り込むコンテナ24側壁部との空隙をなくした構成としたので、コンテナ24から貯留部9の主貯留部9aに球根類Aを放出する場合に、機外に球根類Aが落下することが適切に防止され、且つ、凹部9d左右部の傾斜底面9eで受止められた球根類Aは傾斜底面9eを主貯留部9aに向けて転がって移動し、適切なコンテナ24から貯留部9の主貯留部9aへの球根類Aの移し変え作業が行なえる。
【0053】
供給装置6は、前記のように植付装置7の上方位置で球根類Aを受けて周回軌道6a上を移送する8個の供給カップ6b…を備え、伝動回転軸2cの回転動力によって中心回転駆動軸23にて所定速度で回転作動される構成となっている。尚、伝動回転軸2cの回転動力にて所定速度で回転する中心回転駆動軸23による回転作動は植付装置7の昇降動作と対応させており、即ち、供給カップ6bの底蓋6cが開いて球根類Aが落下するタイミングを植付装置7が最も上昇した位置にある時に同期させている。
【0054】
供給カップ6bの底蓋6cは、下方に向けてではなく、左右方向に向けて開く構成となっている。
即ち、上記従来の苗を移植する苗移植機用と同じ構成の供給カップ6bをその左右ヒンジ6dが内方(回転中心側)に向く状態で中心回転駆動軸23に固着されて回転する円板状基板6eにボルト6fにて取り付け、各供給カップ6bの底部に薄い鉄板で構成された底蓋6cを上下方向の枢支軸6gにて機体左右方向に回動自在に取り付け、該底蓋6cが供給カップ6bの底部を遮蔽する状態と開口する状態とに切替えられる構成となっている。
【0055】
そして、巻きバネ6hの中央巻き部を底蓋6cの枢支軸6gに嵌めて支持し、その一端を供給カップ6bの外壁部に接当させ、他端を底蓋6cに設けた係合孔6c’に係合させており、底蓋6cは供給カップ6bの底部を開口する矢印ハ方向に付勢されている。
【0056】
一方、円板状基板6eに均等間隔に配置された8個の供給カップ6bの外側にはガイド壁板6iが設けられており、該ガイド壁板6iにて巻きバネ6hの付勢力で供給カップ6bの底部を開口する矢印ハ方向に移動しようとする底蓋6cを規制して、底蓋6cが供給カップ6bの底部を遮蔽する状態を維持する構成となっている。そして、供給カップ6bから植付装置7内へ球根類Aを落下供給する供給位置Pには、ガイド壁板6iが設けられておらず、円板状基板6eの回転に伴って、底蓋6cの側面がガイド壁板6iの一端部6i’から外れた位置(供給位置P)で、底蓋6cは供給カップ6bの底部を遮蔽する状態から開口する状態に巻きバネ6hの付勢力で移動する。従って、供給位置Pで供給カップ6bの底蓋6cは左右方向に移動して、供給カップ6bの底部は開口するので、供給カップ6b内に収納されていた球根類Aが植付装置7内に落下供給される。
【0057】
底蓋6cは供給カップ6bの底部に対して巻きバネ6hの付勢力で左右方向に瞬時に移動して開口する状態となるので、供給カップ6b内に収納された球根類Aは底蓋6cに邪魔されることなく適切に植付装置7内に落下供給されて、植付装置7にて圃場に適切に移植することができる(底蓋が上記従来のように下方に回動する構成では、開いた底蓋が供給カップの下方でぶらぶらしている為に、球根類Aは硬いので、落下する球根類Aがこの底蓋に接当して跳ね返り、適切に植付装置内に供給されないような事態が発生する)。
【0058】
また、ガイド壁板6iの他端部6i’’は、円状のガイド壁板6iの接線方向に延設した形状になっており、その延設端部にはクッションゴム材6jが貼着されている。即ち、ガイド壁板6iの他端部6i’’は、供給位置Pで供給カップ6bの底蓋6cが巻きバネ6hの付勢力で左右方向に移動した時に、該底蓋6cの移動を受止める働きをし、且つ、円板状基板6eの回転に伴って、底蓋6cが供給カップ6bの底部を遮蔽する方向に巻きバネ6hの付勢力に抗して移動する案内板の働きをする。
【0059】
また、底蓋6cには、供給カップ6bの底部を遮蔽した状態で、左右ヒンジ6dの間に入り込む凸部6kが一体に形成されている。底蓋6cは、供給カップ6bの底部を遮蔽した状態で、この凸部6kの側面が左右ヒンジ6dに接当して、その遮蔽した位置が保持されて、適切に供給カップ6bの底部を遮蔽する状態を維持することができる。このように、左右ヒンジ6dが凸部6kが入り込む規制体の機能を果す。
【0060】
また、供給位置Pで供給カップ6bの底部を開口した状態では、この凸部6kの先端部が供給カップ6bの底部に接当した状態となり、その開口した状態を適切に維持することができる。
【0061】
次に、覆土鎮圧装置については、図7の要部拡大側面図に示すように、鎮圧輪支持フレーム31に植付装置7の植付ホッパ部7aの前側から作用する鎮圧輪アーム32を軸支し、植付装置7との干渉なしに覆土鎮圧輪33a、33bを片持ちに構成する。鎮圧輪アーム32により、植付装置7の植付ホッパ部7aが下降すると覆土鎮圧輪33a、33bが上がり、植付ホッパ部7aが上昇すると覆土圧を調整可能なスプリング34で覆土鎮圧輪33a、33bが作用するように構成する。尚、覆土鎮圧輪33aの両サイドに鎮圧輪33b、33bを装備し、植付ホッパ部7aが作用しない時は、前鎮圧として畝面を固める。両脇の鎮圧輪33b、33bで植付け位置の両肩から覆土することで、植付け姿勢に影響しにくくする。中央の鎮圧輪33aで前鎮圧する。
【0062】
ここで、上記の歩行型移植機でジャガイモの種芋Aを圃場の畝に移植する作業について説明する。
先ず、左右駆動輪5,5を下降させて機体を上昇させて、機体を走行移動させて圃場に入れる。この機体を上昇させた左右駆動輪5,5が下降した状態では、コンテナ載置台25に載置したコンテナ24の上部開口部が略水平状態となり且つコンテナ載置台25が機体の低い位置なので、作業者は機体前部からコンテナ載置台25にジャガイモの種芋Aを満載したコンテナ24を容易に載せることができる。
【0063】
そして、左右駆動輪5,5及び左右前輪4,4が畝を跨いだ状態とし、畝に移植作業をすべく左右駆動輪5,5を上昇させて機体を下降させる。この左右駆動輪5,5を上昇させた移植作業状態では、コンテナ載置台25が上動回動したコンテナ24の上部開口部が後方の貯留部9側に向いた状態となって、コンテナ24内に収容した球根類Aをコンテナ24から貯留部9に容易に放出できる。
【0064】
そして、作業者は、機体の左側(供給装置6の左側方で供給口14からジャガイモの種芋Aを取出せる位置)の畝溝に立って、シャッター15を開けて供給口14を開放して球根類Aが内方に向けて落下又は取出される状態に切替えて左右駆動輪5,5を駆動回転させて機体を前進させる。作業者は、機体の前進と共に畝溝を歩いて前進し、収容部9bの右側に設けられた供給口14からジャガイモの種芋Aを1つずつ周回軌道6aに沿って供給口14の下方を移動してくる各供給カップ6b…に各々供給する。この時、収容部9bの右側に設けられた供給口14は、供給口14の下方を移動してくる各供給カップ6b…の外側(供給装置6の周囲側)から各供給カップ6b…に向かって開口した状態なので、作業者は容易に且つ作業性良く各供給カップ6b…にジャガイモの種芋Aを1つずつ供給することができて、作業が容易で且つ効率良く行え、移植作業が容易で且つ能率良く行える。尚、この移植作業時において、主貯留部9aは移植作業状態で後部が低くなる傾斜状態であり、且つ、その後部底面には送りベルト装置60が設けられており、主貯留部9a内に貯留している球根類Aは主貯留部9aから機体後方の収容部9bに向けて順次移動する。
【0065】
そして、各供給カップ6b…に供給されたジャガイモの種芋Aは、植付装置7の上方まで移動され、供給カップ6bの底蓋6cが左右方向外方に開くことにより最も上昇した位置にある時の植付ホッパ部7a内に落下供給され、植付装置7によって圃場に順次植付けられる。
【0066】
移植作業を進めて、貯留部9内のジャガイモの種芋Aが残り少なくなると、作業者は、コンテナ載置台25に載置されたコンテナ24内からジャガイモの種芋Aを取出して貯留部9に移して、上記の移植作業を続行する。この時、コンテナ24の上部開口が後方に向いた垂直に近い傾斜状態に傾斜しているので、容易な姿勢で効率よくコンテナ24内からジャガイモの種芋Aを取出して貯留部9に移す作業が行なえるので、作業が容易で且つ効率良く行え、移植作業が容易で且つ能率良く行える。
【0067】
そして、畝終端位置で手動上昇操作レバー8を操作して昇降制御バルブ49を切替えて左右駆動輪5,5を強制下降させて機体を上昇させて機体を旋回させるが、この機体を上昇させた時には左右駆動輪5,5を下降に伴ってコンテナ載置台25に載置したコンテナ24の上部開口部が略水平状態となり且つコンテナ24が機体の低い位置になるので、機体重心が低くなり安定した旋回操作が行える。また、コンテナ24内にジャガイモの種芋Aがなくなっていれば、コンテナ載置台25に載置したコンテナ24の上部開口部が略水平状態となり且つコンテナ24が機体の低い位置になった状態で、機体前部からコンテナ載置台25から空のコンテナ24を下ろしてジャガイモの種芋Aが満杯のコンテナ24を容易に積み込むことができる。
【0068】
また、移植作業をしていて、植付装置7の植付ホッパ部7b内部に泥土やゴミ等が溜まった場合や移植作業を終えて機体を清掃する場合には、機体を停止させて、回動作動用前アーム7f−Fと回動作動用後アーム7f−Bの各上部に設けられた各把持部7nを握り締めることにより、前植付体7b−Fを前方開放回動させ、後植付体7b−Bを後方開放回動させて、植付ホッパ部7b内部に溜まった泥土やゴミ等を容易に掃除することができる。
【0069】
なお、上記の実施例では、供給装置6は円板状のテーブルが回転する例を示したが、複数の供給カップ6bをチェーン状に連結して周回動する構成にしても良い。
【符号の説明】
【0070】
5 駆動輪
6 供給装置
6b 供給カップ
6c 底蓋
6g 枢支軸
6h バネ
6i ガイド
6i’’ ガイド6iの端部
7 植付装置
9 貯留部
9b 収容部
9d 凹部
9e 傾斜底面
14 供給口
15 シャッター
24 コンテナ
25 コンテナ載置台
70 連係具
A 球根類
P 供給位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下動自在に設けた駆動輪(5)にて走行する機体に、球根類(A)を収容する貯留部(9)と各供給カップ(6b)に入れられた球根類(A)を所定位置まで移送する供給装置(6)と、該供給装置(6)から球根類(A)を受けて圃場に植付ける植付装置(7)を装備した球根類の移植機において、コンテナ(24)を載置するコンテナ載置台(25)を貯留部(9)に対向した上動位置と貯留部(9)に対して低い下動位置に移動自在に設けたことを特徴とする球根類の移植機。
【請求項2】
貯留部(9)の一端部にコンテナ載置台(25)をコンテナ載置台(25)に載置したコンテナ(24)の上部開口部が貯留部(9)側に向いた状態となる上動位置とコンテナ載置台(25)に載置したコンテナ(24)の上部開口部が略水平状態となる下動位置に回動移動自在に設けたことを特徴とする請求項1記載の球根類の移植機。
【請求項3】
貯留部(9)のコンテナ載置台(25)を設けた一端部に、上動したコンテナ載置台(25)に載置したコンテナ(24)が嵌り込む凹部(9d)を形成すると共に、該凹部(9d)の左右部に貯留部(9)側が低い傾斜底面(9e)を形成したことを特徴とする請求項2記載の球根類の移植機。
【請求項4】
駆動輪(5)を上動させて機体を下降させた移植作業状態にするとコンテナ載置台(25)を上動位置にし、駆動輪(5)を下動させて機体を上昇させた状態にするとコンテナ載置台(25)を下動位置にする連係具(70)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の球根類の移植機。
【請求項5】
供給カップ(6b)の球根類(A)を受け止める底蓋(6c)を供給カップ(6b)を横切る方向に開閉する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の球根類の移植機。
【請求項6】
供給カップ(6b)の近くに設けた枢支軸(6g)に底蓋(6c)を供給カップ(6b)を横切る方向に回動自在に支持し、該底蓋(6c)をバネ(6h)にて開く方向に付勢し、供給カップ(6b)から植付装置(7)内へ球根類(A)を落下供給する供給位置(P)以外の複数の供給カップ(6b)を囲む周囲部に底蓋(6c)をバネ(6h)の付勢力に抗して閉めるように規制するガイド(6i)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の球根類の移植機。
【請求項7】
供給位置(P)で供給カップ(6b)の移動方向に対向する部位に底蓋(6c)の開き動作を受止めるガイド(6i)の端部(6i’’)を外方に突出して設けたことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の球根類の移植機。
【請求項8】
機体に設けた球根類(A)を貯留する貯留部(9)の一側部を供給装置(6)側方に配置して球根類(A)を収容する収容部(9b)を構成し、該収容部(9b)に球根類(A)を取出して下方に位置する供給装置(6)の各供給カップ(6b)に供給する供給口(14)を供給カップ(6b)の一側方から臨んで設けたことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の球根類の移植機。
【請求項9】
供給口(14)を閉鎖して球根類(A)が落下又は取出されるのを阻止する状態と供給口(14)を開放して球根類(A)が落下又は取出される状態に切替えられる開閉自在のシャッター(15)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の球根類の移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−229432(P2011−229432A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101099(P2010−101099)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】