環境情報監視管理システム
【課題】 環境情報を取得して監視、閲覧、管理することができると共に、当該環境情報に基づいて警告等を通知することができる環境情報管理システムを提供する。
【解決手段】 建設現場内の測定ポイントに計測ユニット1A〜1Cを配設し、環境情報を自動的に取得する。取得された環境情報は、無線を介して、PLCを備えたマスター計測ユニット2に送信され測定ポイント及び測定時刻と共にPLCに記録される。マスター計測ユニット2は、建設現場内の重機3のモニタ3A、周辺住民用の表示モニタ4にリアルタイムで環境情報を送信し、モニタ3A、表示モニタ4では受信した環境情報を表示可能となっている。また、マスター計測ユニット2は、インターネットを介して、管理事務所10内のPCと接続され、当該PCでは、マスター計測ユニット2から送信される環境情報を一元化し、グラフ、テーブル等を用いて表示可能となっている。
【解決手段】 建設現場内の測定ポイントに計測ユニット1A〜1Cを配設し、環境情報を自動的に取得する。取得された環境情報は、無線を介して、PLCを備えたマスター計測ユニット2に送信され測定ポイント及び測定時刻と共にPLCに記録される。マスター計測ユニット2は、建設現場内の重機3のモニタ3A、周辺住民用の表示モニタ4にリアルタイムで環境情報を送信し、モニタ3A、表示モニタ4では受信した環境情報を表示可能となっている。また、マスター計測ユニット2は、インターネットを介して、管理事務所10内のPCと接続され、当該PCでは、マスター計測ユニット2から送信される環境情報を一元化し、グラフ、テーブル等を用いて表示可能となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象エリアの環境情報を取得し、その取得された環境情報を監視したり、提示したりする環境情報監視管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示されるように、建設工事現場等に設置され、騒音レベルと振動レベルを同時に自動計測し、その結果をグラフ等で表示したり警告ランプを発光させてリアルタイムで近隣の人に知らせることができる騒音および振動の計測監視装置が提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、建設現場内またはその近傍を含む範囲内の少なくとも3点以上の箇所に、騒音計及び/又は振動計を配置すると共に、これら騒音計及び/又は振動計をコンピュータに接続し、各騒音計及び/又は振動計によって計測された騒音及び/又は振動データを取得すると共に、騒音及び/又は振動の管理値と比較し、前記計測騒音及び/又は計測振動レベルが管理値を基準に警告が必要な水準以上となったならば、各計測騒音及び/又は計測振動データに基づいて騒音及び/又は振動発生位置を特定し、建設現場内または特定の作業者(例えば、重機オペレータ等)に騒音及び/又は振動が所定水準以上であることの警告を発するようにした騒音・振動の監視低減方法が記載されている。
【0004】
特許文献3には、複数の騒音計を建設現場内に配設し、当該騒音計の測定データを携帯電話網を介して基地局(中央コンピュータ)に送信する一方、基地局(中央コンピュータ)では、送信された騒音データに基づいて建設現場における境界線上の騒音を算出し、当該騒音が所定の閾値を超えた場合には、携帯電話網を介して所定の建設機械に指示を送信して作業モードを低騒音モードに切り換えるなどの処理を行なうようにした騒音低減システムが記載されている。また、基地局(中央コンピュータ)はインターネットを介して建設現場における騒音レベルを日程表とともに周辺住民に公示するための対話ボードについての記載がある。
【0005】
特許文献4には、各種の土木工事現場、建築工事現場等の騒音を含む生の音、振動等の種々の環境データ、現場の生の画像を総合的に収集し、的確に監視することができる音、画像、環境データの計測監視システムが記載されている。また、特許文献4には、測定される環境データとして、被測定場所の振動、粉塵、水位、濁度、温度、湿度、光量、風向、風速、日照、紫外線、雨量、臭気などが示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平5−248932号公報
【特許文献2】特開2003−83803号公報
【特許文献3】特開2002−122470号公報
【特許文献4】実用新案登録第3092053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載のものは、例えば、建設現場の敷地境界付近の仮囲い位置において騒音や振動を計測し、その結果を近隣の人に報知するものであり、建設現場全体の環境を把握することは難しいといった実情がある。
【0008】
また、設置場所から離れた場所に居る管理者や重機オペレータ等は、その計測結果をリアルタイムで知ることが困難であるため、騒音や振動が許容値を超えた場合に管理者や重機オペレータ等がそのことを知るまでにタイムラグが生じる。このため、作業中に騒音や振動がどの程度発生しているのかをリアルタイムで知ることができず、騒音や振動が許容値を超えてからしか対処することができないため、騒音や振動が許容値を超える前に何らかの処置を施し、騒音や振動が許容値を超えることを未然に防止するといったことが難しいといった実情がある。
また、特許文献1に記載のものは、数値で表示するだけであり、管理者や重機オペレータ等が作業中に、発生している騒音や振動が許容値に対してどの程度余裕があるのかなどについて瞬時に把握することが難しいといった実情がある。
【0009】
特許文献2に記載のものは、作業中に騒音や振動が水準以上となったら、管理者や重機オペレータ等に対して警告を発することができるが、騒音計、振動計、警告灯などは有線を介してコンピュータに接続されているため、設置場所に制約があるなど使い勝手が良くないと共に、前記コンピュータには有線或いは無線LAN(Local Area Network)を介して建設現場事務所内の監視用コンピュータが接続されるだけであり、例えば建設現場から離れた場所で騒音データや振動データを見ることができないといった実情がある。また、管理者や重機オペレータ等が、作業中に発生している騒音や振動レベルをリアルタイムで知ることができないため、騒音振動等が大きくならない範囲で作業内容を適宜調整するようなことは難しいといった実情がある。
【0010】
特許文献3に記載のものは、騒音計の測定データを携帯電話網を介して基地局(中央コンピュータ)に送信する一方、基地局(中央コンピュータ)では、送信された騒音データを処理して、騒音が所定の閾値を超えた場合には、携帯電話網を介して所定の建設機械に指示を送信することができると共に、基地局(中央コンピュータ)は、インターネットを介して接続されている対話ボードにより、建設現場における騒音レベルを日程表とともに周辺住民に公示することができるが、取り扱われる環境情報が騒音のみである。
また、特許文献3に記載のものでは、測定された騒音データは、一旦インターネットを介して基地局(中央コンピュータ)へ送られ、そこで各種処理を施された後、携帯電話網を介して所定の建設機械に指示を送信する構成であるため、騒音が発生し測定されてから建設機械が実際に指示を受けるまでにはタイムラグがあるため、作業中にリアルタイムで知ることができない。更に、騒音データの提示の方法やシステム構成に関して改良の余地があると共に、利用者にとってより使い勝手の良いものとすることが求められる。
【0011】
特許文献4に記載のものは、各種の環境データを監視するものであるが、これらすべての環境情報を測定して監視することは現実的でなく、土木工事現場、建築工事現場等において現実に必要とされる環境データを測定し監視することが、コスト、設置スペースなどの観点から利用者にとって望ましいものと考えられる。
【0012】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ安価な構成で、環境情報を取得して監視、閲覧、管理することができると共に、当該環境情報に基づいて警告等を通知することができる環境情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このため、本発明に係る環境情報監視管理システムは、
監視対象領域における環境情報を所定時間間隔で取得して送信する環境情報取得装置と、
前記環境情報取得装置から送信される環境情報を受信して測定時刻に対応付けて記録する機能と、受信した環境情報を被送信対象に直接的に送信する機能と、受信した環境情報を要求に応じてインターネットを介して送信する機能と、を備えた環境情報管理装置と、
を含んで構成した。
【0014】
本発明において、前記環境情報管理装置は、
環境情報を監視して、環境情報に関連する値が所定の第1のレベルを超えた場合に注意を促す注意信号を生成し、環境情報に関連する値が前記所定の第1のレベルより高いレベルの所定の第2のレベルを超えた場合に警戒を促す警告信号を生成し、当該注意信号及び警告信号を情報として、前記被送信対象に直接的に送信すると共にインターネットを介して送信する機能と、
を備えることを特徴とすることができる。
【0015】
本発明において、前記環境情報取得装置が建設現場と近隣との境界付近に設けられ、
前記被送信対象が、建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置、或いは建設現場と近隣との境界付近に配設され周辺住民の閲覧のために供される情報閲覧装置の少なくとも一方であることを特徴とすることができる。
【0016】
本発明において、前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置の閲覧画面には、環境情報に関連する値の現在値がレベルバー表示されると共に、対応する所定の許容レベルがライン表示され、当該所定の許容レベルのライン表示は、環境情報の種類に拘わらず略一定の位置に表示されるように調整されることを特徴とすることができる。
【0017】
本発明において、前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置が注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に、前記レベルバー表示の色が変更されることを特徴とすることができる。
【0018】
本発明において、前記建設現場内の作業機械が重機である場合に、当該重機のブーム、アーム或いはアタッチメントの少なくとも1つに、注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に点灯或いは点滅する注意警告ランプが備えられることを特徴とすることができる。
【0019】
本発明において、前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置は、
当該作業機械を操作する操作者が注意信号或いは警告信号に係る情報に呼応した信号を入力する機能と、
当該入力された信号を前記環境情報管理装置或いは前記インターネットを介して情報が送信される情報閲覧装置の少なくとも一方に送信する機能と、
を含んで構成されたことを特徴とすることができる。
【0020】
本発明において、前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置及び前記インターネットを介して情報が送信される情報閲覧装置は、注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に、閲覧画面の表示形態を変更することを特徴とすることができる。
【0021】
本発明において、前記建設現場と近隣との境界付近に配設され周辺住民の閲覧のために供される情報閲覧装置は、閲覧者が表示内容を選択可能に構成されることを特徴とすることができる。
【0022】
本発明において、環境情報は、騒音、振動、風向、風速、温度、湿度に関連する情報であることを特徴とすることができる。
【0023】
本発明において、前記環境情報管理装置は、環境情報に基づいて熱中症の発症レベルを求め、発症レベルが注意レベルを超えた場合には、注意警戒信号を生成して前記被送信対象に直接的に送信すると共にインターネットを介して送信する機能を備えたことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、簡単かつ安価な構成で、環境情報を取得して監視、閲覧、管理することができると共に、当該環境情報に基づいて警告等を通知することができる環境情報管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0026】
本発明の一実施の形態に係る環境情報監視管理システムにおいては、図1〜図3に示すように、土木工事現場内、建設現場内などの所定の測定ポイントに計測器(振動計、騒音計、粉塵計、風向計、風速計、温度計、湿度計など)を収容した計測ユニット(サブ測定器)1A〜1Cが配設され、当該計測ユニット1A〜1Cを介して各測定ポイントにおける環境情報(振動、騒音、粉塵、風向、風速、温度、湿度など)を所定時間間隔(例えば、1秒間隔)で自動的に取得する。
【0027】
なお、騒音計としては例えばリオン社製「NL−21」、振動計としては例えばリオン社製「VM−53A」、粉塵計としては例えば柴田科学社製「LD−3K2」、温度・湿度計としては例えばデルタオーム社製「HD9809T」、風向・風速計としては例えばPREDE社製「PGWS−100」、WBGT計(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)としては鶴賀電機社製「WBGT表示器」などを用いることができる。
【0028】
計測ユニット1A〜1Cにより取得された環境情報は、無線(無線LAN、携帯電話網など)やPLC(Power Line Communicationなど)などを介して、記録演算処理装置(PLC:Programmable Logic Controller。以下、PLCというときには当該記録演算処理装置を指す。)を備えたマスター計測ユニット(メイン測定装置)2に送信され、マスター計測ユニット2では、受信した環境情報を測定ポイント及び測定時刻に対応させて前記PLCに記録する。
【0029】
ところで、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2も、計測器(振動計、騒音計、粉塵計、風向計、風速計、温度計、湿度計など)を備えており、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2が配置されているポイントにおける環境情報(振動、騒音、粉塵、風向、風速、温度、湿度など)を所定時間間隔で自動的に取得して、前記PLCに記録することができるようになっている。
ここにおいて、前記収容した計測ユニット(サブ測定器)1A〜1C及び前記マスター計測ユニット(メイン測定装置)2が、本発明に係る環境情報取得装置に相当する。また、前記マスター計測ユニット(メイン測定装置)2は本発明に係る環境情報管理装置として機能する。
【0030】
前記マスター計測ユニット2は、建設現場内の重機(作業機械)3のオペレータ席のモニタ(重機モニタ)3A、建設現場と近隣とを画成する仮囲い等に設けられる表示モニタ(情報モニタ)4などにリアルタイムで環境情報を、無線(無線LAN、携帯電話網など)を介して転送し、重機モニタ3A、表示モニタ4では受信した環境情報をその閲覧画面に表示可能に構成されている。なお、前記モニタ(重機モニタ)3A及び表示モニタ(情報モニタ)4が、本発明に係る情報閲覧装置に相当する。ところで、重機としては、土木工事・建設工事等において利用されるパワーショベル・ブルドーザー・クレーンなどの移動式の動力機械類が相当し、作業機械にはこれらが含まれる他、より小型の機械類や定置式のボーリングマシンなど騒音・振動等を伴う土木・建設機械を含むものとする。
【0031】
また、前記マスター計測ユニット2は、図3に示したように、インターネットを介して、例えば建設現場の管理事務所10内のPC(パーソナルコンピュータ)等と双方向通信可能に構成されており、管理事務所10内のPCでは、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2から送信される建設現場内の各測定ポイントに配設された計測ユニット(サブ測定器)1A〜1C及びマスター計測ユニット(メイン測定装置)2の環境情報の測定データを一元化し、管理モニタ画面に、例えば図4に示すように、グラフ、テーブル等を用いて一覧表示できるようになっている。前記管理事務所10内のPCは、本発明に係るインターネットを介して情報が送信される情報閲覧装置に相当する。
【0032】
なお、管理事務所10内のPCでは、測定データを時刻と対応付けて記憶保持しておいて、日毎或いは時刻毎の騒音、振動、粉塵データと共に、風向、風速、温度、湿度などをまとめた報告書(例えば、図5等参照)などを作成して出力等させることができる。
また、前記マスター計測ユニット2はインターネットに接続されていることから、管理事務所10以外の建設現場から離れた複数の場所(例えば、本社部門、設計事務所、近隣住宅など)からも環境情報等をモニタリングすることが可能である。
【0033】
ところで、本実施の形態では、重機3のオペレータ席のモニタ3Aには、騒音、振動、粉塵等の環境情報の測定データが、管理者等を介さずに前記マスター計測ユニット2により直接的に前記無線等を介してリアルタイムに転送され、重機3のオペレータ席のモニタ3Aでは、かかる測定データを、モニタ3Aが備える演算処理装置により実行される描画閲覧ソフトを介して、例えば図6に示すような表示形式でリアルタイムに表示するようになっている。このため、重機オペレータはリアルタイムで環境情報を知ることができ、作業に対応して発生している騒音等の環境情報をタイムラグなく認知することができる。
【0034】
また、重機3のオペレータ席のモニタ3Aは、作業に集中している重機オペレータが環境情報を迅速かつ正確に把握することができるように、図6に示したように、環境情報に関する測定データをバーレベル表示で表示することができるようになっている。すなわち、モニタ3Aの画面には、各測定ポイント(図6ではA、B、C、Dで表示されている)において測定されたリアルタイムの騒音レベル、振動レベル、粉塵レベルがレベルバーにより表示されると共に、騒音、振動、粉塵レベルの許容値(許容レベル)がそれぞれに対応して同一画面に表示される。
【0035】
従って、作業中の重機オペレータであっても、どの程度許容値まで余裕があるのかをリアルタイムに容易かつ正確に把握することができるため、騒音、振動、粉塵レベルが許容値を超えないように重機3の操作を調整することができ、以って重機オペレータの認知が遅れ、騒音、振動、粉塵レベルなどが許容値を超えて作業が行なわれるといった惧れを効果的に抑制することができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、許容値に対する測定値の余裕度合いが一見して把握できるように、騒音、振動、粉塵レベルの各許容値が略同一レベル(図6参照)で表示されるように、その表示が調整されている。
【0037】
また、例えば、騒音、振動、粉塵レベルの許容値を赤線等で表示し、測定値のレベルバーを緑色等で塗り潰すように表示することで、重機オペレータに対して現在の騒音、振動、粉塵レベルをより一層迅速かつ正確に認識させることができる。
【0038】
更に、測定値が許容値に所定に接近したら、レベルバーの色を、例えば緑色から黄色に変更して表示を点滅させるなどして重機オペレータに注意を喚起し、更に測定値が許容値を超えた場合には、例えば黄色から赤色に変更して表示を点滅させるなどして重機オペレータに警告が発生している旨を確実に認知させるような構成とすれば、重機オペレータは、より一層、現在の騒音、振動、粉塵レベルを迅速かつ正確に認識することができることになる。
【0039】
なお、これらのモニタ3Aの表示画面の表示形態は、図7に示したような、重機モニタ3Aに備えられる演算処理装置により実行される描画閲覧ソフトの設定画面(例えばタッチパネル形式で構成することができる)を介して適宜に変更させることができる。
【0040】
ここで、本実施の形態では、重機モニタ3Aの閲覧画面に表示するだけでは、作業に集中している重機オペレータの認知が遅れる或いは重機モニタ3Aに気を取られて重機3の操作に悪影響を及ぼす惧れなどがあることを考慮して、このような惧れを抑制するために、図2に示した重機3のブーム3B、アーム3C、各種アタッチメント(バケットなど)3Dの少なくとも1つに、例えば注意・警告の二段階で点灯或いは点滅する注意警告ランプを取り付け、注意或いは警告の必要が生じた場合には当該注意警告ランプを点灯或いは点滅させて、視認性、認知性を高め、重機オペレータに確実に注意或いは警告の発生を認知させることができるようになっている。
【0041】
また、重機オペレータは、タッチパネル形式のモニタ3Aの閲覧画面上の該当領域、或は個別の操作ボタン等を押すことにより、注意警告を認識したことを示す信号及び/或いはコメント、メッセージ等を、マスター計測ユニット2や管理事務所10内のPC等に送信可能に構成することができる。
これにより、重機オペレータに対して一方向に注意警告情報を報知するだけでなく、管理者等は重機オペレータからの応答を受け取ることができるので、例えば、注意警告ランプが点灯或いは点滅していても重機オペレータがそれに気付いていない状況などを直ちに認識して、それに応じた迅速な対応を施すことができることになる。
【0042】
なお、複数の重機3が稼動している場合、各重機3はモニタ3Aを個別に備えているため、リアルタイムで送られてくる環境情報やその他の注意警告情報などを表示する際には、重機毎に表示形態等を描画閲覧ソフトの設定を介して適宜に設定変更可能であり、利用者にとって使い勝手の良いものとなっている。
【0043】
従って、例えば、重機(或は複数の重機のうちの何れかの重機)が現場敷地境界付近で作業を行うような場合に、重機オペレータ或は管理者がその作業ポイントに近い測定ポイントにおける許容値を適宜に変更することができ、これにより、当該重機のモニタ3Aの注意や警告警報の表示条件を厳しく設定するなどして、周辺住民等からのクレームなどの発生を未然かつ効果的に抑制することなどが可能となる。
【0044】
ここにおいて、前記マスター計測ユニット2による注意・警告の発生の報知の対象は、重機モニタ3Aや注意警告ランプだけでなく、他のモニタ、例えば建設現場の管理事務所10内のPCのモニタ(閲覧画面)に対して描画閲覧ソフトを介して表示させることができる。
【0045】
詳細には、環境情報に関する測定値が予め設定されている所定の許容値を超える所定前に「注意」、超えた場合に「警告」とし、二段階で注意警告ランプ或いはモニタに表示されている対象部位を点灯或いは点滅させる一方で、例えばこれと同時に警報を鳴らす。警報は、ブザーやサイレン等の警告音に限らず、音声やバイブレータ等とすることができる。かかる表示や警報は、発せられてから予め設定された所定時間継続させたり、或いは重機オペレータや管理者等から解除指示があるまで継続させる構成とすることができる。
【0046】
ここで、「注意」「警告」の判定は、例えば、計測時間間隔が1秒の場合、過去100個の計測データのうち許容値(例えば、騒音レベルが85dB)を超えたものが所定の閾値(例えば、3個(合計時間で3秒))を超えた際に「注意(黄色)」判定し、過去100個の計測データのうち許容値を超えたものが所定の閾値(例えば、5個(合計時間で5秒))を超えた際に「警告(赤色)」判定をするようになっている。従って、本実施の形態においては、計測時間間隔が1秒の場合、過去100秒間の測定データが記憶されることになる。なお、前記所定の閾値、表示色などは、要求に応じて所望に設定することができる。
【0047】
より詳細には、本実施の形態に係るマスター計測ユニット(メイン測定装置)2に備えられるPLCには、図8に示すように、過去100秒間分の環境データ(騒音、振動、粉塵データなど)が、当該環境データが取得された時刻と対応付けられて記憶される。
【0048】
そして、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2では、図9に示すように、例えば騒音データの場合には、騒音レベルを基準として、計測時間間隔が例えば1秒の場合、1秒毎に新しい騒音データが入力される度に騒音レベルに従って騒音データをソートし、許容値を超えるデータの個数をカウントする。また、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2では、時刻データを基準として、計測時間間隔が例えば1秒の場合、1秒毎に新しい騒音データが入力される度に、一番古い時刻の時刻データと、これに対応する騒音データと、を削除するようになっている。
【0049】
これにより、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2は、現在から例えば過去100秒間の環境データを監視し、注意・警告などの信号を重機モニタ3Aや管理事務所10内のPCなどに対して発することができることになる。
【0050】
ここで、騒音レベルや振動レベルは、10秒毎に各10分間のLx値を演算により求める構成とすることもできる。Lx値は、連続的に変動するデータの計測及び評価方法の1つで時間率レベルと称されるもので、ある一定の時間間隔でデータを連続的に取得し、図10に示すように、大きい値から小さい値まで順番に並べた場合、大きい方から5%目の値をL5値、10%目の値をL10値と称する。例えば、騒音規制法では、L5値、振動規制法ではL10値が採用される。従って、本実施の形態においても、当該L5値、L10値を求めて、騒音や振動を評価することも可能である。
【0051】
但し、経験的には、図9において説明した方法によっても、前記L5値、L10値に代用可能であるとされる。すなわち、前記L5値は、過去100個の計測データのうち許容値を超えたものが5個となった場合に相当し、前記L10値は、過去100個の計測データのうち許容値を超えたものが10個となった場合に相当するもとして扱うことができる。
【0052】
ところで、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2は、建設現場と近隣とを画成する仮囲い等に設けられる表示モニタ(情報モニタ)4にもリアルタイムで環境情報を前記無線を介して転送するが、当該表示モニタ(情報モニタ)4は、道路沿いなどの周辺住民の見やすい場所に設置され、図11に示した表示例1や表示例2のように、閲覧する者の選択に応じて適宜表示を切り替え可能に構成され、建設現場全体の環境情報を一覧表示することなども可能に構成されている。
【0053】
なお、前記表示モニタ(情報モニタ)4は、例えばタッチパネル形式で構成されることができ、操作する周辺住民が、例えば対話形式等で、知りたい環境情報にリアルタイムでアクセスして閲覧することができるように構成されることができる。また、当該表示モニタ(情報モニタ)4には、管理事務所10内のPCなどから無線LAN等を介して管理情報(例えば、工事の予定やメッセージなど)を表示させることも可能であると共に、当該表示モニタ(情報モニタ)4に表示される情報は、管理事務所10内のPCなどから書き換えることも可能に構成されることができる。
【0054】
ここにおいて、本実施の形態に係る環境情報監視管理システムにおいて行われる幾つかの処理について、図12にその概略をまとめておく。
【0055】
図12に示したように、本実施の形態に係るマスター計測ユニット(メイン測定装置)2(図12ではA点に相当)のPLCでは、計測ユニット(サブ測定器)1A〜1C(図12では、B点〜D点に相当)で測定された環境情報に関するデータを受信して、以下のような処理を行う。
(1)1秒毎にA〜Dの各点の現在値(測定時刻に対応する測定データ、換言すれば「リアルタイムデータ」)を保存する。
(2)騒音、振動データについては、上記現在値に基づいて、10秒毎に過去10分間のLx値を演算により求める。
(3)粉塵データについては、上記現在値に基づいて、10秒毎に過去10分間の平均値を演算により求める。
【0056】
また、管理事務所10内のPCにおいては、例えば、以下のような演算処理、表示或いは報告書作成のための処理が行われる。
(4)マスター計測ユニット(メイン測定装置)2に接続した際の各測定データのLx値と、その日の最大値が表示される。
(5)グラフについては、12時間前までの2分毎の最大値が表示される。
(6)騒音、振動データについては、10分間(600個)の測定データ毎に区切り、区間毎にLx値を演算により求める。
(7)騒音、振動データについては、上記のLx値を縦軸とし、日時などの経時要素を横軸として、グラフを描画する。
(8)粉塵データについては、10分間(600個)の測定データ毎に区切り、区間毎に平均値を演算により求める。
(9)粉塵データについては、上記の平均値を縦軸とし、日時などの経時要素を横軸として、グラフを描画する。
【0057】
ところで、本実施の形態に係るマスター計測ユニット(メイン測定装置)2は、環境情報として温度(気温)、湿度、風向、風速等を測定しているが、例えば、前記WBGT計により測定されるWBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)を用いて、若しくは乾湿球温度、黒球温度を取得可能な構成として、現在の建設現場周辺の熱中症の発症レベルを求め、注意レベルとなったらその旨を報知するように構成することも可能である。
【0058】
すなわち、熱中症の予防には、WBGT計により測定されるWBGT、或いはWBGT=「0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度」(日射のある屋外の場合)の計算式よりWBGTを求め、図13に示すようなテーブル(労働現場の許容基準例、日本産業衛生学会、1982年)を参照し、作業内容等を管理することが重要であり、本実施の形態においては、かかる処理管理をマスター計測ユニット(メイン測定装置)2或は管理事務所10内のPCが実行し、建設現場の作業者、重機オペレータ等に熱中症に関する注意・警戒警報などを携帯電話、重機モニタ3A、放送等を介して報知することができ、熱中症の予防に寄与することができる。
【0059】
なお、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2或は管理事務所10内のPCは、これら情報を表示モニタ(情報モニタ)4に表示させ、周辺住民に対して熱中症に関する注意、警戒警報などの情報を提供することもできる。
【0060】
ところで、例えばWBGT計を備えない場合などにおいても、図14に示すような、WBGTと、乾球温度(或は湿球温度)と、の対比資料を利用して、乾球温度(或は湿球温度)に基づいて熱中症の注意レベルを予測し、熱中症に対する注意・警戒警報などを発する構成とすることもできる。
【0061】
なお、本実施の形態では、風向や風速を取得しており、かかる情報を、管理者や作業者(重機オペレータを含む)等は、建設現場におけるコンクリート打設作業やクレーン揚重作業の施工条件の確認や管理に利用することができる。
【0062】
更に、本実施の形態では、風向・風速情報を、以下のように利用することができる。
すなわち、粉塵の測定データを、風向風速の測定データと関連付けて判断することができる。
【0063】
(1)風向計で現場内の風の流れが判る。これを利用して粉塵データの確からしさなどを判断することができる。
a)「風上の粉塵データ」>「風下の粉塵データ」の場合
粉塵は、建設現場内で発生したものではない。
b)「風上の粉塵データ」<「風下の粉塵データ」の場合
風下と風上の差分が建設現場内で発生した粉塵である可能性が高いと判断することができる。
【0064】
(2)風速がほとんど無い(0.2m/s以下の)場合
a)建設現場全体(複数の測定ポイント)の粉塵値が高い場合には、測定された粉塵データは信頼性に欠けるもの(外部環境の影響等が考えられる)と判断することができる。
b)特定測定ポイントの粉塵値が高い場合には、測定ポイント付近に粉塵データに影響を与える外乱等が生じている可能性があると判断することができる。
【0065】
(3)湿度が高い場合で、全体の粉塵値が高い場合には、霧などの水滴が影響している可能性があるので粉塵の測定データは信頼性に欠けるものと判断することができる。
ただし、粉塵計としてSPM(浮遊粒子状物質)計を使用することにより、湿度に関する悪影響は回避することができる。
【0066】
振動に関しては、重機3の操作状況、すなわちレバー操作との関連を考慮することができる。
特に、振動の発生は重機3が走行する場合、アタッチメント3Cで突っ張るような作業を行う場合、旋回体で旋回しながらアタッチメント3Cやアーム3Bで物を押し退ける作業を行なう場合などに発生するため、複数台の重機3が混在して作業を行なっている場合には、各重機3のレバー操作信号をマスター計測ユニット2や管理事務所10内のPC等に送り、マスター計測ユニット2や管理事務所10内のPC等では、振動測定データと、レバー操作信号と、を関連付けて、振動を発生させている可能性が高い重機を特定し、これに注意、警告警報を通知する、といった構成とすることも可能である。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態に係る環境情報監視管理システムは、建設現場等の監視対象領域における環境情報(騒音、振動、粉塵、風向、風速、温度、湿度など)を所定時間間隔(例えば、1秒間隔)で自動的に取得し、当該取得した環境情報を、マスター計測ユニット2は、リアルタイムな情報提供に対する要求度合いが高い対象(例えば、重機オペレータ、周辺住民用モニタ、更には管理事務所10内のPCも要求に応じて含ませることができる)に対しては無線等を介してダイレクトに送信する一方、送信される環境情報に対して比較的ゆっくりと各種の処理操作を行ないたいという要求度合いが高い対象(例えば、管理事務所、本社部門、設計事務所、近隣住宅など)に対してはインターネットを介して利用可能に構成したので、環境情報の利用者の要求に応じた情報の提供を実現することができ、以って従来のものに比べてより一層ユーザフレンドリーな環境情報監視管理システムを提供することができる。
【0068】
また、例えば、重機モニタ3A、周辺住民用の表示モニタ4、管理事務所10内のPC等の測定データの表示については、その目的に応じて表示形態を適宜に変更可能な構成としたので、利用者の種々の要求に容易かつ迅速に応えることができ、以ってユーザフレンドリーな環境情報監視管理システムを提供することができる。
【0069】
更に、本実施の形態では、土木工事現場、建築工事現場等において要求度合いの高い環境データを測定し監視する構成としたので、設置スペースなどの設置自由度を所定に維持しながら低コスト化を図ることもできる。
【0070】
ところで、本実施の形態に係る環境情報には、映像データや音声データなども含めることができ、騒音、振動、粉塵の発生原因である作業、動作、事象等を検証するためなどに利用することもできる。
また、例えば、各測定ポイントにおける騒音や振動レベルの測定データに基づいて、騒音源や振動源のパワーレベルを予測し、監視対象領域内の任意の場所における騒音レベルや振動レベルを予測することなども可能である。
なお、本実施の形態に係る環境情報監視管理システムは、建設現場等で利用される場合に限定されるものではなく、学校、公園等の公共施設の他、一般的な建物内や敷地内における防犯等の目的で利用することも可能である。
また、本実施の形態では、作業機械として重機を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、騒音・振動源となるような作業機械であれば、移動式、定置式に拘わらずあらゆる作業機械に適用可能である。
【0071】
以上で説明した本発明に係る一実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施の形態に係る環境情報監視管理システムの全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】同上実施の形態に係る環境情報監視管理システムの一部構成を模式的に示す正面図である。
【図3】同上実施の形態に係る環境情報監視管理システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】同上実施の形態に係る管理事務所内のPCの閲覧画面の一表示例を示した図である。
【図5】同上実施の形態に係る管理事務所内のPCで作成される報告書の一例を示した図である。
【図6】同上実施の形態に係る重機オペレータ席モニタの閲覧画面の一表示例を示した図である。
【図7】同上実施の形態に係る重機オペレータ席モニタの設定画面の一表示例を示した図である。
【図8】同上実施の形態に係るマスター計測ユニット(メイン測定装置)が取得する連続する過去100秒間分の環境データ(騒音データ)について説明するタイムチャートである。
【図9】同上実施の形態に係るマスター計測ユニット(メイン測定装置)において実行される過去100秒間分の環境データ(騒音データ)のソート方法、注意警告信号の生成方法、データ削除方法について説明する図である。
【図10】Lx値について説明するための図である。
【図11】同上実施の形態に係る周辺住民用の表示モニタ(情報モニタ)の表示例を示した図である。
【図12】同上実施の形態に係る環境情報監視管理システムにおいて行われる処理を概略的に説明した図である。
【図13】WBGTと、熱中症の発症レベルと、の関係を示したテーブルである。
【図14】WBGTと、幹球温度と、湿球温度と、熱中症の発症レベルと、の関係を示したテーブルである。
【符号の説明】
【0073】
1A〜1C 計測ユニット(サブ測定器)
2 マスター計測ユニット(メイン測定装置)
3 重機(作業機械)
3A 重機モニタ
3B ブーム
3C アーム
3D アタッチメント
4 表示モニタ(情報モニタ)
10 管理事務所
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象エリアの環境情報を取得し、その取得された環境情報を監視したり、提示したりする環境情報監視管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示されるように、建設工事現場等に設置され、騒音レベルと振動レベルを同時に自動計測し、その結果をグラフ等で表示したり警告ランプを発光させてリアルタイムで近隣の人に知らせることができる騒音および振動の計測監視装置が提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、建設現場内またはその近傍を含む範囲内の少なくとも3点以上の箇所に、騒音計及び/又は振動計を配置すると共に、これら騒音計及び/又は振動計をコンピュータに接続し、各騒音計及び/又は振動計によって計測された騒音及び/又は振動データを取得すると共に、騒音及び/又は振動の管理値と比較し、前記計測騒音及び/又は計測振動レベルが管理値を基準に警告が必要な水準以上となったならば、各計測騒音及び/又は計測振動データに基づいて騒音及び/又は振動発生位置を特定し、建設現場内または特定の作業者(例えば、重機オペレータ等)に騒音及び/又は振動が所定水準以上であることの警告を発するようにした騒音・振動の監視低減方法が記載されている。
【0004】
特許文献3には、複数の騒音計を建設現場内に配設し、当該騒音計の測定データを携帯電話網を介して基地局(中央コンピュータ)に送信する一方、基地局(中央コンピュータ)では、送信された騒音データに基づいて建設現場における境界線上の騒音を算出し、当該騒音が所定の閾値を超えた場合には、携帯電話網を介して所定の建設機械に指示を送信して作業モードを低騒音モードに切り換えるなどの処理を行なうようにした騒音低減システムが記載されている。また、基地局(中央コンピュータ)はインターネットを介して建設現場における騒音レベルを日程表とともに周辺住民に公示するための対話ボードについての記載がある。
【0005】
特許文献4には、各種の土木工事現場、建築工事現場等の騒音を含む生の音、振動等の種々の環境データ、現場の生の画像を総合的に収集し、的確に監視することができる音、画像、環境データの計測監視システムが記載されている。また、特許文献4には、測定される環境データとして、被測定場所の振動、粉塵、水位、濁度、温度、湿度、光量、風向、風速、日照、紫外線、雨量、臭気などが示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平5−248932号公報
【特許文献2】特開2003−83803号公報
【特許文献3】特開2002−122470号公報
【特許文献4】実用新案登録第3092053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載のものは、例えば、建設現場の敷地境界付近の仮囲い位置において騒音や振動を計測し、その結果を近隣の人に報知するものであり、建設現場全体の環境を把握することは難しいといった実情がある。
【0008】
また、設置場所から離れた場所に居る管理者や重機オペレータ等は、その計測結果をリアルタイムで知ることが困難であるため、騒音や振動が許容値を超えた場合に管理者や重機オペレータ等がそのことを知るまでにタイムラグが生じる。このため、作業中に騒音や振動がどの程度発生しているのかをリアルタイムで知ることができず、騒音や振動が許容値を超えてからしか対処することができないため、騒音や振動が許容値を超える前に何らかの処置を施し、騒音や振動が許容値を超えることを未然に防止するといったことが難しいといった実情がある。
また、特許文献1に記載のものは、数値で表示するだけであり、管理者や重機オペレータ等が作業中に、発生している騒音や振動が許容値に対してどの程度余裕があるのかなどについて瞬時に把握することが難しいといった実情がある。
【0009】
特許文献2に記載のものは、作業中に騒音や振動が水準以上となったら、管理者や重機オペレータ等に対して警告を発することができるが、騒音計、振動計、警告灯などは有線を介してコンピュータに接続されているため、設置場所に制約があるなど使い勝手が良くないと共に、前記コンピュータには有線或いは無線LAN(Local Area Network)を介して建設現場事務所内の監視用コンピュータが接続されるだけであり、例えば建設現場から離れた場所で騒音データや振動データを見ることができないといった実情がある。また、管理者や重機オペレータ等が、作業中に発生している騒音や振動レベルをリアルタイムで知ることができないため、騒音振動等が大きくならない範囲で作業内容を適宜調整するようなことは難しいといった実情がある。
【0010】
特許文献3に記載のものは、騒音計の測定データを携帯電話網を介して基地局(中央コンピュータ)に送信する一方、基地局(中央コンピュータ)では、送信された騒音データを処理して、騒音が所定の閾値を超えた場合には、携帯電話網を介して所定の建設機械に指示を送信することができると共に、基地局(中央コンピュータ)は、インターネットを介して接続されている対話ボードにより、建設現場における騒音レベルを日程表とともに周辺住民に公示することができるが、取り扱われる環境情報が騒音のみである。
また、特許文献3に記載のものでは、測定された騒音データは、一旦インターネットを介して基地局(中央コンピュータ)へ送られ、そこで各種処理を施された後、携帯電話網を介して所定の建設機械に指示を送信する構成であるため、騒音が発生し測定されてから建設機械が実際に指示を受けるまでにはタイムラグがあるため、作業中にリアルタイムで知ることができない。更に、騒音データの提示の方法やシステム構成に関して改良の余地があると共に、利用者にとってより使い勝手の良いものとすることが求められる。
【0011】
特許文献4に記載のものは、各種の環境データを監視するものであるが、これらすべての環境情報を測定して監視することは現実的でなく、土木工事現場、建築工事現場等において現実に必要とされる環境データを測定し監視することが、コスト、設置スペースなどの観点から利用者にとって望ましいものと考えられる。
【0012】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ安価な構成で、環境情報を取得して監視、閲覧、管理することができると共に、当該環境情報に基づいて警告等を通知することができる環境情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このため、本発明に係る環境情報監視管理システムは、
監視対象領域における環境情報を所定時間間隔で取得して送信する環境情報取得装置と、
前記環境情報取得装置から送信される環境情報を受信して測定時刻に対応付けて記録する機能と、受信した環境情報を被送信対象に直接的に送信する機能と、受信した環境情報を要求に応じてインターネットを介して送信する機能と、を備えた環境情報管理装置と、
を含んで構成した。
【0014】
本発明において、前記環境情報管理装置は、
環境情報を監視して、環境情報に関連する値が所定の第1のレベルを超えた場合に注意を促す注意信号を生成し、環境情報に関連する値が前記所定の第1のレベルより高いレベルの所定の第2のレベルを超えた場合に警戒を促す警告信号を生成し、当該注意信号及び警告信号を情報として、前記被送信対象に直接的に送信すると共にインターネットを介して送信する機能と、
を備えることを特徴とすることができる。
【0015】
本発明において、前記環境情報取得装置が建設現場と近隣との境界付近に設けられ、
前記被送信対象が、建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置、或いは建設現場と近隣との境界付近に配設され周辺住民の閲覧のために供される情報閲覧装置の少なくとも一方であることを特徴とすることができる。
【0016】
本発明において、前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置の閲覧画面には、環境情報に関連する値の現在値がレベルバー表示されると共に、対応する所定の許容レベルがライン表示され、当該所定の許容レベルのライン表示は、環境情報の種類に拘わらず略一定の位置に表示されるように調整されることを特徴とすることができる。
【0017】
本発明において、前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置が注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に、前記レベルバー表示の色が変更されることを特徴とすることができる。
【0018】
本発明において、前記建設現場内の作業機械が重機である場合に、当該重機のブーム、アーム或いはアタッチメントの少なくとも1つに、注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に点灯或いは点滅する注意警告ランプが備えられることを特徴とすることができる。
【0019】
本発明において、前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置は、
当該作業機械を操作する操作者が注意信号或いは警告信号に係る情報に呼応した信号を入力する機能と、
当該入力された信号を前記環境情報管理装置或いは前記インターネットを介して情報が送信される情報閲覧装置の少なくとも一方に送信する機能と、
を含んで構成されたことを特徴とすることができる。
【0020】
本発明において、前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置及び前記インターネットを介して情報が送信される情報閲覧装置は、注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に、閲覧画面の表示形態を変更することを特徴とすることができる。
【0021】
本発明において、前記建設現場と近隣との境界付近に配設され周辺住民の閲覧のために供される情報閲覧装置は、閲覧者が表示内容を選択可能に構成されることを特徴とすることができる。
【0022】
本発明において、環境情報は、騒音、振動、風向、風速、温度、湿度に関連する情報であることを特徴とすることができる。
【0023】
本発明において、前記環境情報管理装置は、環境情報に基づいて熱中症の発症レベルを求め、発症レベルが注意レベルを超えた場合には、注意警戒信号を生成して前記被送信対象に直接的に送信すると共にインターネットを介して送信する機能を備えたことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、簡単かつ安価な構成で、環境情報を取得して監視、閲覧、管理することができると共に、当該環境情報に基づいて警告等を通知することができる環境情報管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0026】
本発明の一実施の形態に係る環境情報監視管理システムにおいては、図1〜図3に示すように、土木工事現場内、建設現場内などの所定の測定ポイントに計測器(振動計、騒音計、粉塵計、風向計、風速計、温度計、湿度計など)を収容した計測ユニット(サブ測定器)1A〜1Cが配設され、当該計測ユニット1A〜1Cを介して各測定ポイントにおける環境情報(振動、騒音、粉塵、風向、風速、温度、湿度など)を所定時間間隔(例えば、1秒間隔)で自動的に取得する。
【0027】
なお、騒音計としては例えばリオン社製「NL−21」、振動計としては例えばリオン社製「VM−53A」、粉塵計としては例えば柴田科学社製「LD−3K2」、温度・湿度計としては例えばデルタオーム社製「HD9809T」、風向・風速計としては例えばPREDE社製「PGWS−100」、WBGT計(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)としては鶴賀電機社製「WBGT表示器」などを用いることができる。
【0028】
計測ユニット1A〜1Cにより取得された環境情報は、無線(無線LAN、携帯電話網など)やPLC(Power Line Communicationなど)などを介して、記録演算処理装置(PLC:Programmable Logic Controller。以下、PLCというときには当該記録演算処理装置を指す。)を備えたマスター計測ユニット(メイン測定装置)2に送信され、マスター計測ユニット2では、受信した環境情報を測定ポイント及び測定時刻に対応させて前記PLCに記録する。
【0029】
ところで、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2も、計測器(振動計、騒音計、粉塵計、風向計、風速計、温度計、湿度計など)を備えており、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2が配置されているポイントにおける環境情報(振動、騒音、粉塵、風向、風速、温度、湿度など)を所定時間間隔で自動的に取得して、前記PLCに記録することができるようになっている。
ここにおいて、前記収容した計測ユニット(サブ測定器)1A〜1C及び前記マスター計測ユニット(メイン測定装置)2が、本発明に係る環境情報取得装置に相当する。また、前記マスター計測ユニット(メイン測定装置)2は本発明に係る環境情報管理装置として機能する。
【0030】
前記マスター計測ユニット2は、建設現場内の重機(作業機械)3のオペレータ席のモニタ(重機モニタ)3A、建設現場と近隣とを画成する仮囲い等に設けられる表示モニタ(情報モニタ)4などにリアルタイムで環境情報を、無線(無線LAN、携帯電話網など)を介して転送し、重機モニタ3A、表示モニタ4では受信した環境情報をその閲覧画面に表示可能に構成されている。なお、前記モニタ(重機モニタ)3A及び表示モニタ(情報モニタ)4が、本発明に係る情報閲覧装置に相当する。ところで、重機としては、土木工事・建設工事等において利用されるパワーショベル・ブルドーザー・クレーンなどの移動式の動力機械類が相当し、作業機械にはこれらが含まれる他、より小型の機械類や定置式のボーリングマシンなど騒音・振動等を伴う土木・建設機械を含むものとする。
【0031】
また、前記マスター計測ユニット2は、図3に示したように、インターネットを介して、例えば建設現場の管理事務所10内のPC(パーソナルコンピュータ)等と双方向通信可能に構成されており、管理事務所10内のPCでは、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2から送信される建設現場内の各測定ポイントに配設された計測ユニット(サブ測定器)1A〜1C及びマスター計測ユニット(メイン測定装置)2の環境情報の測定データを一元化し、管理モニタ画面に、例えば図4に示すように、グラフ、テーブル等を用いて一覧表示できるようになっている。前記管理事務所10内のPCは、本発明に係るインターネットを介して情報が送信される情報閲覧装置に相当する。
【0032】
なお、管理事務所10内のPCでは、測定データを時刻と対応付けて記憶保持しておいて、日毎或いは時刻毎の騒音、振動、粉塵データと共に、風向、風速、温度、湿度などをまとめた報告書(例えば、図5等参照)などを作成して出力等させることができる。
また、前記マスター計測ユニット2はインターネットに接続されていることから、管理事務所10以外の建設現場から離れた複数の場所(例えば、本社部門、設計事務所、近隣住宅など)からも環境情報等をモニタリングすることが可能である。
【0033】
ところで、本実施の形態では、重機3のオペレータ席のモニタ3Aには、騒音、振動、粉塵等の環境情報の測定データが、管理者等を介さずに前記マスター計測ユニット2により直接的に前記無線等を介してリアルタイムに転送され、重機3のオペレータ席のモニタ3Aでは、かかる測定データを、モニタ3Aが備える演算処理装置により実行される描画閲覧ソフトを介して、例えば図6に示すような表示形式でリアルタイムに表示するようになっている。このため、重機オペレータはリアルタイムで環境情報を知ることができ、作業に対応して発生している騒音等の環境情報をタイムラグなく認知することができる。
【0034】
また、重機3のオペレータ席のモニタ3Aは、作業に集中している重機オペレータが環境情報を迅速かつ正確に把握することができるように、図6に示したように、環境情報に関する測定データをバーレベル表示で表示することができるようになっている。すなわち、モニタ3Aの画面には、各測定ポイント(図6ではA、B、C、Dで表示されている)において測定されたリアルタイムの騒音レベル、振動レベル、粉塵レベルがレベルバーにより表示されると共に、騒音、振動、粉塵レベルの許容値(許容レベル)がそれぞれに対応して同一画面に表示される。
【0035】
従って、作業中の重機オペレータであっても、どの程度許容値まで余裕があるのかをリアルタイムに容易かつ正確に把握することができるため、騒音、振動、粉塵レベルが許容値を超えないように重機3の操作を調整することができ、以って重機オペレータの認知が遅れ、騒音、振動、粉塵レベルなどが許容値を超えて作業が行なわれるといった惧れを効果的に抑制することができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、許容値に対する測定値の余裕度合いが一見して把握できるように、騒音、振動、粉塵レベルの各許容値が略同一レベル(図6参照)で表示されるように、その表示が調整されている。
【0037】
また、例えば、騒音、振動、粉塵レベルの許容値を赤線等で表示し、測定値のレベルバーを緑色等で塗り潰すように表示することで、重機オペレータに対して現在の騒音、振動、粉塵レベルをより一層迅速かつ正確に認識させることができる。
【0038】
更に、測定値が許容値に所定に接近したら、レベルバーの色を、例えば緑色から黄色に変更して表示を点滅させるなどして重機オペレータに注意を喚起し、更に測定値が許容値を超えた場合には、例えば黄色から赤色に変更して表示を点滅させるなどして重機オペレータに警告が発生している旨を確実に認知させるような構成とすれば、重機オペレータは、より一層、現在の騒音、振動、粉塵レベルを迅速かつ正確に認識することができることになる。
【0039】
なお、これらのモニタ3Aの表示画面の表示形態は、図7に示したような、重機モニタ3Aに備えられる演算処理装置により実行される描画閲覧ソフトの設定画面(例えばタッチパネル形式で構成することができる)を介して適宜に変更させることができる。
【0040】
ここで、本実施の形態では、重機モニタ3Aの閲覧画面に表示するだけでは、作業に集中している重機オペレータの認知が遅れる或いは重機モニタ3Aに気を取られて重機3の操作に悪影響を及ぼす惧れなどがあることを考慮して、このような惧れを抑制するために、図2に示した重機3のブーム3B、アーム3C、各種アタッチメント(バケットなど)3Dの少なくとも1つに、例えば注意・警告の二段階で点灯或いは点滅する注意警告ランプを取り付け、注意或いは警告の必要が生じた場合には当該注意警告ランプを点灯或いは点滅させて、視認性、認知性を高め、重機オペレータに確実に注意或いは警告の発生を認知させることができるようになっている。
【0041】
また、重機オペレータは、タッチパネル形式のモニタ3Aの閲覧画面上の該当領域、或は個別の操作ボタン等を押すことにより、注意警告を認識したことを示す信号及び/或いはコメント、メッセージ等を、マスター計測ユニット2や管理事務所10内のPC等に送信可能に構成することができる。
これにより、重機オペレータに対して一方向に注意警告情報を報知するだけでなく、管理者等は重機オペレータからの応答を受け取ることができるので、例えば、注意警告ランプが点灯或いは点滅していても重機オペレータがそれに気付いていない状況などを直ちに認識して、それに応じた迅速な対応を施すことができることになる。
【0042】
なお、複数の重機3が稼動している場合、各重機3はモニタ3Aを個別に備えているため、リアルタイムで送られてくる環境情報やその他の注意警告情報などを表示する際には、重機毎に表示形態等を描画閲覧ソフトの設定を介して適宜に設定変更可能であり、利用者にとって使い勝手の良いものとなっている。
【0043】
従って、例えば、重機(或は複数の重機のうちの何れかの重機)が現場敷地境界付近で作業を行うような場合に、重機オペレータ或は管理者がその作業ポイントに近い測定ポイントにおける許容値を適宜に変更することができ、これにより、当該重機のモニタ3Aの注意や警告警報の表示条件を厳しく設定するなどして、周辺住民等からのクレームなどの発生を未然かつ効果的に抑制することなどが可能となる。
【0044】
ここにおいて、前記マスター計測ユニット2による注意・警告の発生の報知の対象は、重機モニタ3Aや注意警告ランプだけでなく、他のモニタ、例えば建設現場の管理事務所10内のPCのモニタ(閲覧画面)に対して描画閲覧ソフトを介して表示させることができる。
【0045】
詳細には、環境情報に関する測定値が予め設定されている所定の許容値を超える所定前に「注意」、超えた場合に「警告」とし、二段階で注意警告ランプ或いはモニタに表示されている対象部位を点灯或いは点滅させる一方で、例えばこれと同時に警報を鳴らす。警報は、ブザーやサイレン等の警告音に限らず、音声やバイブレータ等とすることができる。かかる表示や警報は、発せられてから予め設定された所定時間継続させたり、或いは重機オペレータや管理者等から解除指示があるまで継続させる構成とすることができる。
【0046】
ここで、「注意」「警告」の判定は、例えば、計測時間間隔が1秒の場合、過去100個の計測データのうち許容値(例えば、騒音レベルが85dB)を超えたものが所定の閾値(例えば、3個(合計時間で3秒))を超えた際に「注意(黄色)」判定し、過去100個の計測データのうち許容値を超えたものが所定の閾値(例えば、5個(合計時間で5秒))を超えた際に「警告(赤色)」判定をするようになっている。従って、本実施の形態においては、計測時間間隔が1秒の場合、過去100秒間の測定データが記憶されることになる。なお、前記所定の閾値、表示色などは、要求に応じて所望に設定することができる。
【0047】
より詳細には、本実施の形態に係るマスター計測ユニット(メイン測定装置)2に備えられるPLCには、図8に示すように、過去100秒間分の環境データ(騒音、振動、粉塵データなど)が、当該環境データが取得された時刻と対応付けられて記憶される。
【0048】
そして、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2では、図9に示すように、例えば騒音データの場合には、騒音レベルを基準として、計測時間間隔が例えば1秒の場合、1秒毎に新しい騒音データが入力される度に騒音レベルに従って騒音データをソートし、許容値を超えるデータの個数をカウントする。また、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2では、時刻データを基準として、計測時間間隔が例えば1秒の場合、1秒毎に新しい騒音データが入力される度に、一番古い時刻の時刻データと、これに対応する騒音データと、を削除するようになっている。
【0049】
これにより、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2は、現在から例えば過去100秒間の環境データを監視し、注意・警告などの信号を重機モニタ3Aや管理事務所10内のPCなどに対して発することができることになる。
【0050】
ここで、騒音レベルや振動レベルは、10秒毎に各10分間のLx値を演算により求める構成とすることもできる。Lx値は、連続的に変動するデータの計測及び評価方法の1つで時間率レベルと称されるもので、ある一定の時間間隔でデータを連続的に取得し、図10に示すように、大きい値から小さい値まで順番に並べた場合、大きい方から5%目の値をL5値、10%目の値をL10値と称する。例えば、騒音規制法では、L5値、振動規制法ではL10値が採用される。従って、本実施の形態においても、当該L5値、L10値を求めて、騒音や振動を評価することも可能である。
【0051】
但し、経験的には、図9において説明した方法によっても、前記L5値、L10値に代用可能であるとされる。すなわち、前記L5値は、過去100個の計測データのうち許容値を超えたものが5個となった場合に相当し、前記L10値は、過去100個の計測データのうち許容値を超えたものが10個となった場合に相当するもとして扱うことができる。
【0052】
ところで、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2は、建設現場と近隣とを画成する仮囲い等に設けられる表示モニタ(情報モニタ)4にもリアルタイムで環境情報を前記無線を介して転送するが、当該表示モニタ(情報モニタ)4は、道路沿いなどの周辺住民の見やすい場所に設置され、図11に示した表示例1や表示例2のように、閲覧する者の選択に応じて適宜表示を切り替え可能に構成され、建設現場全体の環境情報を一覧表示することなども可能に構成されている。
【0053】
なお、前記表示モニタ(情報モニタ)4は、例えばタッチパネル形式で構成されることができ、操作する周辺住民が、例えば対話形式等で、知りたい環境情報にリアルタイムでアクセスして閲覧することができるように構成されることができる。また、当該表示モニタ(情報モニタ)4には、管理事務所10内のPCなどから無線LAN等を介して管理情報(例えば、工事の予定やメッセージなど)を表示させることも可能であると共に、当該表示モニタ(情報モニタ)4に表示される情報は、管理事務所10内のPCなどから書き換えることも可能に構成されることができる。
【0054】
ここにおいて、本実施の形態に係る環境情報監視管理システムにおいて行われる幾つかの処理について、図12にその概略をまとめておく。
【0055】
図12に示したように、本実施の形態に係るマスター計測ユニット(メイン測定装置)2(図12ではA点に相当)のPLCでは、計測ユニット(サブ測定器)1A〜1C(図12では、B点〜D点に相当)で測定された環境情報に関するデータを受信して、以下のような処理を行う。
(1)1秒毎にA〜Dの各点の現在値(測定時刻に対応する測定データ、換言すれば「リアルタイムデータ」)を保存する。
(2)騒音、振動データについては、上記現在値に基づいて、10秒毎に過去10分間のLx値を演算により求める。
(3)粉塵データについては、上記現在値に基づいて、10秒毎に過去10分間の平均値を演算により求める。
【0056】
また、管理事務所10内のPCにおいては、例えば、以下のような演算処理、表示或いは報告書作成のための処理が行われる。
(4)マスター計測ユニット(メイン測定装置)2に接続した際の各測定データのLx値と、その日の最大値が表示される。
(5)グラフについては、12時間前までの2分毎の最大値が表示される。
(6)騒音、振動データについては、10分間(600個)の測定データ毎に区切り、区間毎にLx値を演算により求める。
(7)騒音、振動データについては、上記のLx値を縦軸とし、日時などの経時要素を横軸として、グラフを描画する。
(8)粉塵データについては、10分間(600個)の測定データ毎に区切り、区間毎に平均値を演算により求める。
(9)粉塵データについては、上記の平均値を縦軸とし、日時などの経時要素を横軸として、グラフを描画する。
【0057】
ところで、本実施の形態に係るマスター計測ユニット(メイン測定装置)2は、環境情報として温度(気温)、湿度、風向、風速等を測定しているが、例えば、前記WBGT計により測定されるWBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)を用いて、若しくは乾湿球温度、黒球温度を取得可能な構成として、現在の建設現場周辺の熱中症の発症レベルを求め、注意レベルとなったらその旨を報知するように構成することも可能である。
【0058】
すなわち、熱中症の予防には、WBGT計により測定されるWBGT、或いはWBGT=「0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度」(日射のある屋外の場合)の計算式よりWBGTを求め、図13に示すようなテーブル(労働現場の許容基準例、日本産業衛生学会、1982年)を参照し、作業内容等を管理することが重要であり、本実施の形態においては、かかる処理管理をマスター計測ユニット(メイン測定装置)2或は管理事務所10内のPCが実行し、建設現場の作業者、重機オペレータ等に熱中症に関する注意・警戒警報などを携帯電話、重機モニタ3A、放送等を介して報知することができ、熱中症の予防に寄与することができる。
【0059】
なお、マスター計測ユニット(メイン測定装置)2或は管理事務所10内のPCは、これら情報を表示モニタ(情報モニタ)4に表示させ、周辺住民に対して熱中症に関する注意、警戒警報などの情報を提供することもできる。
【0060】
ところで、例えばWBGT計を備えない場合などにおいても、図14に示すような、WBGTと、乾球温度(或は湿球温度)と、の対比資料を利用して、乾球温度(或は湿球温度)に基づいて熱中症の注意レベルを予測し、熱中症に対する注意・警戒警報などを発する構成とすることもできる。
【0061】
なお、本実施の形態では、風向や風速を取得しており、かかる情報を、管理者や作業者(重機オペレータを含む)等は、建設現場におけるコンクリート打設作業やクレーン揚重作業の施工条件の確認や管理に利用することができる。
【0062】
更に、本実施の形態では、風向・風速情報を、以下のように利用することができる。
すなわち、粉塵の測定データを、風向風速の測定データと関連付けて判断することができる。
【0063】
(1)風向計で現場内の風の流れが判る。これを利用して粉塵データの確からしさなどを判断することができる。
a)「風上の粉塵データ」>「風下の粉塵データ」の場合
粉塵は、建設現場内で発生したものではない。
b)「風上の粉塵データ」<「風下の粉塵データ」の場合
風下と風上の差分が建設現場内で発生した粉塵である可能性が高いと判断することができる。
【0064】
(2)風速がほとんど無い(0.2m/s以下の)場合
a)建設現場全体(複数の測定ポイント)の粉塵値が高い場合には、測定された粉塵データは信頼性に欠けるもの(外部環境の影響等が考えられる)と判断することができる。
b)特定測定ポイントの粉塵値が高い場合には、測定ポイント付近に粉塵データに影響を与える外乱等が生じている可能性があると判断することができる。
【0065】
(3)湿度が高い場合で、全体の粉塵値が高い場合には、霧などの水滴が影響している可能性があるので粉塵の測定データは信頼性に欠けるものと判断することができる。
ただし、粉塵計としてSPM(浮遊粒子状物質)計を使用することにより、湿度に関する悪影響は回避することができる。
【0066】
振動に関しては、重機3の操作状況、すなわちレバー操作との関連を考慮することができる。
特に、振動の発生は重機3が走行する場合、アタッチメント3Cで突っ張るような作業を行う場合、旋回体で旋回しながらアタッチメント3Cやアーム3Bで物を押し退ける作業を行なう場合などに発生するため、複数台の重機3が混在して作業を行なっている場合には、各重機3のレバー操作信号をマスター計測ユニット2や管理事務所10内のPC等に送り、マスター計測ユニット2や管理事務所10内のPC等では、振動測定データと、レバー操作信号と、を関連付けて、振動を発生させている可能性が高い重機を特定し、これに注意、警告警報を通知する、といった構成とすることも可能である。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態に係る環境情報監視管理システムは、建設現場等の監視対象領域における環境情報(騒音、振動、粉塵、風向、風速、温度、湿度など)を所定時間間隔(例えば、1秒間隔)で自動的に取得し、当該取得した環境情報を、マスター計測ユニット2は、リアルタイムな情報提供に対する要求度合いが高い対象(例えば、重機オペレータ、周辺住民用モニタ、更には管理事務所10内のPCも要求に応じて含ませることができる)に対しては無線等を介してダイレクトに送信する一方、送信される環境情報に対して比較的ゆっくりと各種の処理操作を行ないたいという要求度合いが高い対象(例えば、管理事務所、本社部門、設計事務所、近隣住宅など)に対してはインターネットを介して利用可能に構成したので、環境情報の利用者の要求に応じた情報の提供を実現することができ、以って従来のものに比べてより一層ユーザフレンドリーな環境情報監視管理システムを提供することができる。
【0068】
また、例えば、重機モニタ3A、周辺住民用の表示モニタ4、管理事務所10内のPC等の測定データの表示については、その目的に応じて表示形態を適宜に変更可能な構成としたので、利用者の種々の要求に容易かつ迅速に応えることができ、以ってユーザフレンドリーな環境情報監視管理システムを提供することができる。
【0069】
更に、本実施の形態では、土木工事現場、建築工事現場等において要求度合いの高い環境データを測定し監視する構成としたので、設置スペースなどの設置自由度を所定に維持しながら低コスト化を図ることもできる。
【0070】
ところで、本実施の形態に係る環境情報には、映像データや音声データなども含めることができ、騒音、振動、粉塵の発生原因である作業、動作、事象等を検証するためなどに利用することもできる。
また、例えば、各測定ポイントにおける騒音や振動レベルの測定データに基づいて、騒音源や振動源のパワーレベルを予測し、監視対象領域内の任意の場所における騒音レベルや振動レベルを予測することなども可能である。
なお、本実施の形態に係る環境情報監視管理システムは、建設現場等で利用される場合に限定されるものではなく、学校、公園等の公共施設の他、一般的な建物内や敷地内における防犯等の目的で利用することも可能である。
また、本実施の形態では、作業機械として重機を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、騒音・振動源となるような作業機械であれば、移動式、定置式に拘わらずあらゆる作業機械に適用可能である。
【0071】
以上で説明した本発明に係る一実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施の形態に係る環境情報監視管理システムの全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】同上実施の形態に係る環境情報監視管理システムの一部構成を模式的に示す正面図である。
【図3】同上実施の形態に係る環境情報監視管理システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】同上実施の形態に係る管理事務所内のPCの閲覧画面の一表示例を示した図である。
【図5】同上実施の形態に係る管理事務所内のPCで作成される報告書の一例を示した図である。
【図6】同上実施の形態に係る重機オペレータ席モニタの閲覧画面の一表示例を示した図である。
【図7】同上実施の形態に係る重機オペレータ席モニタの設定画面の一表示例を示した図である。
【図8】同上実施の形態に係るマスター計測ユニット(メイン測定装置)が取得する連続する過去100秒間分の環境データ(騒音データ)について説明するタイムチャートである。
【図9】同上実施の形態に係るマスター計測ユニット(メイン測定装置)において実行される過去100秒間分の環境データ(騒音データ)のソート方法、注意警告信号の生成方法、データ削除方法について説明する図である。
【図10】Lx値について説明するための図である。
【図11】同上実施の形態に係る周辺住民用の表示モニタ(情報モニタ)の表示例を示した図である。
【図12】同上実施の形態に係る環境情報監視管理システムにおいて行われる処理を概略的に説明した図である。
【図13】WBGTと、熱中症の発症レベルと、の関係を示したテーブルである。
【図14】WBGTと、幹球温度と、湿球温度と、熱中症の発症レベルと、の関係を示したテーブルである。
【符号の説明】
【0073】
1A〜1C 計測ユニット(サブ測定器)
2 マスター計測ユニット(メイン測定装置)
3 重機(作業機械)
3A 重機モニタ
3B ブーム
3C アーム
3D アタッチメント
4 表示モニタ(情報モニタ)
10 管理事務所
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象領域における環境情報を所定時間間隔で取得して送信する環境情報取得装置と、
前記環境情報取得装置から送信される環境情報を受信して測定時刻に対応付けて記録する機能と、受信した環境情報を被送信対象に直接的に送信する機能と、受信した環境情報を要求に応じてインターネットを介して送信する機能と、を備えた環境情報管理装置と、
を含んで構成したことを特徴とする環境情報監視管理システム。
【請求項2】
前記環境情報管理装置は、
環境情報を監視して、環境情報に関連する値が所定の第1のレベルを超えた場合に注意を促す注意信号を生成し、環境情報に関連する値が前記所定の第1のレベルより高いレベルの所定の第2のレベルを超えた場合に警戒を促す警告信号を生成し、当該注意信号及び警告信号を情報として、前記被送信対象に直接的に送信すると共にインターネットを介して送信する機能と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項3】
前記環境情報取得装置が建設現場と近隣との境界付近に設けられ、
前記被送信対象が、建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置、或いは建設現場と近隣との境界付近に配設され周辺住民の閲覧のために供される情報閲覧装置の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項4】
前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置の閲覧画面には、環境情報に関連する値の現在値がレベルバー表示されると共に、対応する所定の許容レベルがライン表示され、当該所定の許容レベルのライン表示は、環境情報の種類に拘わらず略一定の位置に表示されるように調整されることを特徴とする請求項3に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項5】
前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置が注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に、前記レベルバー表示の色が変更されることを特徴とする請求項4に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項6】
前記建設現場内の作業機械が重機である場合に、当該重機のブーム、アーム或いはアタッチメントの少なくとも1つに、注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に点灯或いは点滅する注意警告ランプが備えられることを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか1つに記載の環境情報監視管理システム。
【請求項7】
前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置は、
当該作業機械を操作する操作者が注意信号或いは警告信号に係る情報に呼応した信号を入力する機能と、
当該入力された信号を前記環境情報管理装置或いは前記インターネットを介して情報が送信される情報閲覧装置の少なくとも一方に送信する機能と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項3〜請求項6の何れか1つに記載の環境情報監視管理システム。
【請求項8】
前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置及び前記インターネットを介して情報が送信される情報閲覧装置は、注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に、閲覧画面の表示形態を変更することを特徴とする請求項3に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項9】
前記建設現場と近隣との境界付近に配設され周辺住民の閲覧のために供される情報閲覧装置は、閲覧者が表示内容を選択可能に構成されることを特徴とする請求項3に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項10】
環境情報は、騒音、振動、風向、風速、温度、湿度に関連する情報であることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1つに記載の環境情報監視管理システム。
【請求項11】
前記環境情報管理装置は、
環境情報に基づいて熱中症の発症レベルを求め、発症レベルが注意レベルを超えた場合には、注意警戒信号を生成して前記被送信対象に直接的に送信すると共にインターネットを介して送信する機能を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1つに記載の環境情報監視管理システム。
【請求項1】
監視対象領域における環境情報を所定時間間隔で取得して送信する環境情報取得装置と、
前記環境情報取得装置から送信される環境情報を受信して測定時刻に対応付けて記録する機能と、受信した環境情報を被送信対象に直接的に送信する機能と、受信した環境情報を要求に応じてインターネットを介して送信する機能と、を備えた環境情報管理装置と、
を含んで構成したことを特徴とする環境情報監視管理システム。
【請求項2】
前記環境情報管理装置は、
環境情報を監視して、環境情報に関連する値が所定の第1のレベルを超えた場合に注意を促す注意信号を生成し、環境情報に関連する値が前記所定の第1のレベルより高いレベルの所定の第2のレベルを超えた場合に警戒を促す警告信号を生成し、当該注意信号及び警告信号を情報として、前記被送信対象に直接的に送信すると共にインターネットを介して送信する機能と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項3】
前記環境情報取得装置が建設現場と近隣との境界付近に設けられ、
前記被送信対象が、建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置、或いは建設現場と近隣との境界付近に配設され周辺住民の閲覧のために供される情報閲覧装置の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項4】
前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置の閲覧画面には、環境情報に関連する値の現在値がレベルバー表示されると共に、対応する所定の許容レベルがライン表示され、当該所定の許容レベルのライン表示は、環境情報の種類に拘わらず略一定の位置に表示されるように調整されることを特徴とする請求項3に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項5】
前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置が注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に、前記レベルバー表示の色が変更されることを特徴とする請求項4に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項6】
前記建設現場内の作業機械が重機である場合に、当該重機のブーム、アーム或いはアタッチメントの少なくとも1つに、注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に点灯或いは点滅する注意警告ランプが備えられることを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか1つに記載の環境情報監視管理システム。
【請求項7】
前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置は、
当該作業機械を操作する操作者が注意信号或いは警告信号に係る情報に呼応した信号を入力する機能と、
当該入力された信号を前記環境情報管理装置或いは前記インターネットを介して情報が送信される情報閲覧装置の少なくとも一方に送信する機能と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項3〜請求項6の何れか1つに記載の環境情報監視管理システム。
【請求項8】
前記建設現場内の作業機械に備えられる情報閲覧装置及び前記インターネットを介して情報が送信される情報閲覧装置は、注意信号或いは警告信号に係る情報を受信した際に、閲覧画面の表示形態を変更することを特徴とする請求項3に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項9】
前記建設現場と近隣との境界付近に配設され周辺住民の閲覧のために供される情報閲覧装置は、閲覧者が表示内容を選択可能に構成されることを特徴とする請求項3に記載の環境情報監視管理システム。
【請求項10】
環境情報は、騒音、振動、風向、風速、温度、湿度に関連する情報であることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1つに記載の環境情報監視管理システム。
【請求項11】
前記環境情報管理装置は、
環境情報に基づいて熱中症の発症レベルを求め、発症レベルが注意レベルを超えた場合には、注意警戒信号を生成して前記被送信対象に直接的に送信すると共にインターネットを介して送信する機能を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1つに記載の環境情報監視管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−245302(P2009−245302A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92957(P2008−92957)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成18〜20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト建設系産業廃棄物処理RTシステム(特殊環境用ロボット分野)次世代マニピュレータによる廃棄物分離・選別システムの開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成18〜20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト建設系産業廃棄物処理RTシステム(特殊環境用ロボット分野)次世代マニピュレータによる廃棄物分離・選別システムの開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【Fターム(参考)】
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