環境音再生装置、環境音再生システム、環境音再生方法、およびプログラム
【課題】遠隔地における場の状態を適切に伝達可能な、環境音再生装置、環境音再生システム、環境音再生方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】検知対象Oの状態を表す状態情報を外部の検知装置110から受信する通信部137と、検知対象の各状態に対応する1以上の環境音データを格納する環境音DB131と、検知装置から受信された状態情報に基づいて、環境音DBに格納されている1以上の環境音データから、検知対象の状態に対応する環境音データを選定する環境音選定部133と、環境音選定部により選定された環境音データを再生する環境音再生部135と、を備える。これにより、実音声の代わりに状態情報に対応する環境音データを再生するので、ノイズ音、不快な音、小さすぎる音等が伝送されることもなく、実音声を伝送する場合に比して、検知対象の状態を適切に伝達することができる。
【解決手段】検知対象Oの状態を表す状態情報を外部の検知装置110から受信する通信部137と、検知対象の各状態に対応する1以上の環境音データを格納する環境音DB131と、検知装置から受信された状態情報に基づいて、環境音DBに格納されている1以上の環境音データから、検知対象の状態に対応する環境音データを選定する環境音選定部133と、環境音選定部により選定された環境音データを再生する環境音再生部135と、を備える。これにより、実音声の代わりに状態情報に対応する環境音データを再生するので、ノイズ音、不快な音、小さすぎる音等が伝送されることもなく、実音声を伝送する場合に比して、検知対象の状態を適切に伝達することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境音再生装置、環境音再生システム、環境音再生方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔地における場の雰囲気、臨場感等をリアルタイムに伝達するために、場の状態を少しでも表すような環境音を伝送することが考えられる。例えば下記特許文献1には、遠隔地における利用者の状態をリアルタイムに伝達するために、利用者の周囲の状況を表す環境音を伝送するヘッドセット装置が記載されている。このヘッドセット装置は、VOIP(Voice Over Internet Protocol)等の音声通信システムを用いて、マイクから入力される利用者の周囲の実音声を環境音として会話音声と同時に伝送することで、場の臨場感をリアルタイムに伝達している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−214392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、マイクから入力される実音声を環境音として伝送すると、遠隔地における場の状態を適切に伝達することができない場合がある。例えば、キーボードの操作状態を伝達するためにキーボードの操作音を伝送すると、キーボードの周囲で生じるノイズ音も伝送されてしまい、キーボードの操作状態を適切に伝達することができない場合があった。また、ドアの開閉状態を伝達するためにドアの開閉音を伝送すると、通常は聞き取れない不快な音も伝送されてしまい、ドアの開閉状態を適切に伝達することができない場合があった。また、人の移動状態を伝達するために移動時に生じる足音を伝送すると、足音が小さすぎて人の移動状態を適切に伝達することができない場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、遠隔地における場の状態を適切に伝達可能な、環境音再生装置、環境音再生システム、環境音再生方法、およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によれば、検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信する受信部と、検知対象の各状態に対応する1以上の環境音データを格納する環境音格納部と、検知装置から受信された状態情報に基づいて、環境音格納部に格納されている1以上の環境音データから、検知対象の状態に対応する環境音データを選定する環境音選定部と、環境音選定部により選定された環境音データを再生する環境音再生部と、を備える環境音再生装置が提供される。
【0007】
かかる構成によれば、環境音再生装置は、遠隔地に存在する検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信し、受信された状態情報に基づいて、検知対象の各状態に対応するように予め格納されている1以上の環境音データから、検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、選定された環境音データを再生する。これにより、実音声の代わりに状態情報に対応する環境音データを再生するので、ノイズ音、不快な音、小さすぎる音等が伝送されることもなく、実音声を伝送する場合に比して、検知対象の状態を適切に伝達することができる。また、実音声の代わりに、情報量の少ない状態情報を伝送するので、実音声を伝送する場合に比して、通信システムに対する伝送負荷を低減することができる。
【0008】
上記受信部は、2以上の検知対象の状態を検知可能な外部の検知装置から、各検知対象の状態を表す状態情報、および検知対象を識別する識別情報を受信し、上記環境音選定部は、検知装置から受信された、状態情報および識別情報の組合せに基づいて、環境音格納部に格納されている1以上の環境音データから、各検知対象の状態および識別情報の組合せに対応する環境音データを選定してもよい。これにより、2以上の検知対象の状態を各々に表す状態情報および検知対象を識別する識別情報を検知装置から受信し、各検知対象の状態に対応する環境音データを選定して再生することで、単一の環境音再生装置を用いて、2以上の検知対象の状態を適切に伝達することができる。
【0009】
上記環境音格納部は、検知対象の各状態のうちいずれか1つの状態に対応する基準環境音データを格納しており、上記環境音再生装置は、環境音選定部により選定された基準環境音データを、検知装置から受信された状態情報に基づいて、検知装置から受信された検知対象の状態に対応する環境音データに加工する環境音加工部をさらに備え、上記環境音再生部は、環境音加工部により加工された環境音データを再生してもよい。これにより、検知対象の状態に対応するように、基準環境音データから加工された環境音データを再生することで、少ない基準環境音データを用いて、検知対象の多様な状態を適切に伝達することができる。
【0010】
上記受信部は、同一検知対象の2種別以上の各種の状態を検知可能な外部の検知装置から、検知対象の2種別以上の各種の状態を表す状態情報を受信し、上記環境音選定部は、検知装置から受信された検知対象の2種別以上の各種の状態を表す状態情報に基づいて、環境音格納部に格納されている1以上の環境音データから、検知対象の2種別以上の各種の状態に対応する環境音データを選定してもよい。これにより、同一検知対象の2種別以上の各種の状態を表す状態情報を検知装置から受信し、検知対象の2種別以上の各種の状態に対応する環境音データを選定して再生することで、2種別以上の各種の状態情報の組合せに基づいて、検知対象の詳細な状態を適切に伝達することができる。
【0011】
上記受信部は、2以上の検知対象の状態を検知可能な外部の検知装置から、各検知対象の状態を表す状態情報を受信し、上記環境音再生部は、2以上の検知対象に各々に対応する2以上の環境音再生部からなり、上記環境音選定部は、検知装置から受信された各状態情報に基づいて、環境音格納部に格納されている1以上の環境音データから、各検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、上記環境音再生部は、環境音選定部により選定された環境音データを、各検知対象に対応する環境音再生部により再生してもよい。これにより、2以上の検知対象の状態を各々に表す状態情報を検知装置から受信し、各検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、各検知対象に対応する環境音再生部により再生することで、単一の環境音再生装置を用いて、2以上の検知対象の状態を適切に伝達することができる。
【0012】
また、本発明の第2の観点によれば、検知対象の状態を検知可能な検知装置、および本発明の第1の観点による環境音再生装置を有する環境音再生システムが提供される。
【0013】
また、本発明の第3の観点によれば、検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信し、検知装置から受信された状態情報に基づいて、検知対象の各状態に対応するように予め格納されている1以上の環境音データから、検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、選定された環境音データを再生する環境音再生方法が提供される。
【0014】
かかる方法によれば、検知対象の状態を表す状態情報が外部の検知装置から受信され、受信された状態情報に基づいて、検知対象の各状態に対応するように予め格納されている1以上の環境音データから、検知対象の状態に対応する環境音データが選定され、選定された環境音データが再生される。これにより、実音声の代わりに状態情報に対応する環境音データを再生するので、実音声を伝送する場合に比して、検知対象の状態を適切に伝達することができる。
【0015】
また、本発明の第4の観点によれば、本発明の第3の観点による環境音再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、遠隔地における場の状態を適切に伝達可能な、環境音再生装置、環境音再生システム、環境音再生方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る環境音再生システムの概要を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る環境音再生システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図3】図2に示した環境音再生システムの機能構成の変形例を示すブロック図である。
【図4】ドア開閉センサを用いた第1の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図5】移動速度センサを用いた第1の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図6】第2の実施形態に係る環境音再生システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図8】第3の実施形態に係る環境音再生システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図9】第3の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図10】第4の実施形態に係る環境音再生システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図11】第4の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図12】第5の実施形態に係る環境音再生システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図13】第5の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の実施形態に係る環境音再生装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
[1.環境音再生システムの概要]
図1は、本発明の実施形態に係る環境音再生システム10の概要を示す図である。図1に示すように、環境音再生システム10は、検知装置11および環境音再生装置13を有し、環境音再生装置13は、通信網Nを介して検知装置11に接続される。ここで、通信網Nは、検知装置11および環境音再生装置13を一方向または双方向に接続可能な有線および/または無線の通信手段である。
【0020】
検知装置11は、検知対象Oの状態を検知し、状態情報として環境音再生装置13に送信する。環境音再生装置13は、検知対象Oの各状態に対応する1以上の環境音データを格納する環境音DB15を有する。環境音再生装置13は、検知装置11から状態情報を受信すると、状態情報に基づいて、検知対象Oの状態に対応する環境音データを環境音DB15から選定して再生し、環境音データに対応する環境音を外部に出力する。なお、状態情報は、検知対象Oの状態の検知結果を表す検知データでもよく、検知データに基づく検知対象Oの状態の判定結果でもよい。
【0021】
これにより、実音声の代わりに状態情報に対応する環境音データを再生するので、ノイズ音、不快な音、小さすぎる音等が伝送されることもなく、実音声を伝送する場合に比して、検知対象Oの状態を適切に伝達することができる。また、実音声の代わりに、情報量の少ない状態情報を伝送するので、実音声を伝送する場合に比して、通信システムに対する伝送負荷を低減することができる。
【0022】
[2.第1の実施形態]
以下では、図2〜図5を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る環境音再生システム100について説明する。
【0023】
[2−1.環境音再生システム100の機能構成]
図2は、第1の実施形態に係る環境音再生システム100の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、環境音再生システム100は、単一の検知装置110、および環境音再生装置130を有する。以下では、ドアの開閉状態または人の移動状態に対応する環境音データを再生する場合を例として説明する。
【0024】
検知装置110は、センサ部111、状態判定部113、および通信部115を含む。なお、以下では、検知装置110の構成要素が一体化されている場合について説明するが、検知装置110の構成要素の一部は、通信手段を介して接続可能な状態で別体として設けられてもよい。
【0025】
センサ部111は、検知対象Oの状態を検知する。ここで、検知対象Oは、ドア、人等の物体でもよく、天候、温度等の非物体でもよい。センサ部111は、例えば、ドアの開閉状態を検知するドア開閉センサ、位置検知システムを応用して人の移動状態を検知する移動速度センサである。センサ部111は、ドアの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」、人の移動状態(移動速度)を表す検知データ「0km/h」、「4km/h」等を状態判定部113に供給する。ここで、検知対象Oの状態は、アナログまたはデジタルデータであるデータ値、データ値の変化等から検知される。
【0026】
状態判定部113は、検知データから検知対象Oの状態を判定する。状態判定部113は、例えば、ドアの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」から判定結果「ドア開」および「ドア閉」を各々に生成する。状態判定部113は、例えば、人の移動状態を表す検知データ「2km/h未満」、「2km/h以上8km/h未満」、および「8km/h以上」から判定結果「人停止」、「人歩行」、および「人走行」を各々に生成する。ここで、検知対象Oの状態は、センサ部111により検知された検知データを、状態判定部113により管理されている検知対象Oの判定条件と比較することで、判定される。判定条件とは、例えば、検知データ「開」の場合に判定結果「ドア開」を判定し、同様に、検知データ「閉」の場合に判定結果「ドア閉」を判定するための条件である。
【0027】
通信部115は、検知対象Oの状態の判定結果を環境音再生装置130に送信する。通信部115は、判定結果または検知データ(図3に示す変形例の場合)を環境音再生装置130に送信する。
【0028】
環境音再生装置130は、環境音DB131、環境音選定部133、環境音再生部135、および通信部137を含む。なお、以下では、環境音再生装置130の構成要素が一体化されている場合について説明するが、環境音再生装置130の構成要素の一部は、通信手段を介して接続可能な状態で別体として設けられてもよい。
【0029】
環境音DB131は、検知対象Oの各状態を表す環境音データを検知対象Oの各状態(または各判定結果)に関連付けて格納する。環境音データは、例えば、ドアの開閉音、人の歩行音を表す音声データである。環境音DB131は、環境音データ「ドア開」および「ドア閉」をドアの開状態および閉状態に各々に関連付けて格納する。環境音DB131は、環境音データ「人停止」、「人歩行」、および「人走行」を人の停止状態、歩行状態、および走行状態に各々に関連付けて格納する。
【0030】
環境音選定部133は、検知装置110から受信された判定結果に基づいて、検知対象Oの状態に対応する環境音データを環境音DB131から選定する。環境音選定部133は、例えば、判定結果「ドア開」または「ドア閉」を受信すると、環境音データ「ドア開」または「ドア閉」を選定する。環境音選定部133は、選定した環境音データを環境音再生部135に供給する。なお、環境音選定部133は、例えば、判定結果「人停止」を受信した場合等、環境音データの再生を必要としない場合(検知対象Oの状態を無音声により表す場合)には、環境音データを選定および供給しなくてもよい。
【0031】
環境音再生部135は、環境音選定部133から供給された環境音データを再生し、環境音データに対応する環境音を外部に出力する。なお、以下では、環境音再生部135が環境音の再生機能および出力機能を有する場合について説明するが、スピーカ等の環境音出力手段が通信手段を介して接続可能な状態で別体として設けられてもよい。
【0032】
通信部137は、検知対象Oの状態に関する判定結果を検知装置110から受信する。通信部137は、判定結果または検知データ(図3に示す変形例の場合)を検知装置110から受信する。
【0033】
図3は、図2に示した環境音再生システム100の機能構成の変形例を示すブロック図である。図3に示すように、状態判定部181は、検知装置160ではなく、環境音再生装置180に設けられてもよい。この場合、検知装置160の通信部163は、検知対象Oの状態を表す検知データを環境音再生装置180に送信し、環境音再生装置180の通信部189は、検知データを検知装置160から受信する。そして、環境音再生装置180の状態判定部181は、検知データから検知対象Oの状態を判定し、検知対象Oの状態に関する判定結果を環境音選定部185に供給する。
【0034】
なお、検知装置110、160および環境音再生装置130、180の各構成要素は、汎用的な部材・回路により構成されてもよく、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されてもよい。また、各構成要素の機能のうち少なくとも一部は、CPU上で実行されるプログラムにより実現されてもよい。
【0035】
[2−2.環境音再生システム100の動作方法]
図4は、ドア開閉センサを用いた第1の実施形態に係る環境音再生システム100の動作方法を示すシーケンス図である。
【0036】
図4に示すように、検知対象Oであるドアが開かれると、ドア開閉センサであるセンサ部111は、ドアの開状態を検知し(ステップS101)、ドアの開状態を表す検知データ「開」を状態判定部113に供給する(S103)。状態判定部113は、検知データ「開」からドアの開閉状態を判定し(S105)、判定結果「ドア開」を生成する。通信部115は、判定結果「ドア開」を環境音再生装置130に送信する(S107)。
【0037】
環境音選定部133は、判定結果「ドア開」に基づいて、環境音データ「ドア開」を環境音DB131から選定し(S109)、環境音再生部135に供給する(S111)。環境音再生部135は、環境音データ「ドア開」を再生し(S113)、ドアの開状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム100のユーザに、検知対象Oであるドアの開閉状態を適切に伝達することができる。
【0038】
図5は、移動速度センサを用いた第1の実施形態に係る環境音再生システム100の動作方法を示すシーケンス図である。
【0039】
図5に示すように、検知対象Oである人による9km/hの移動が検知されると、移動速度センサであるセンサ部111は、人の移動状態を検知し(S121)、人の移動状態を表す検知データ「9km/h」を状態判定部113に供給する(S123)。状態判定部113は、検知データ「9km/h」から人の移動状態を判定し(S125)、判定結果「人走行」を生成する。通信部115は、判定結果「人走行」を環境音再生装置130に送信する(S127)。
【0040】
環境音選定部133は、判定結果「人走行」に基づいて、環境音データ「人走行」を環境音DB131から選定し(S129)、環境音再生部135に供給する(S131)。環境音再生部135は、環境音データ「人走行」を再生し(S133)、人の走行状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム100のユーザに、検知対象Oである人の移動状態を適切に伝達することができる。
【0041】
以上説明したように、第1の実施形態に係る環境音再生システム100によれば、実音声の代わりに状態情報に対応する環境音データを再生するので、ノイズ音、不快な音、小さすぎる音等が伝送されることもなく、実音声を伝送する場合に比して、検知対象Oの状態を適切に伝達することができる。また、実音声の代わりに、情報量の少ない状態情報を伝送するので、実音声を伝送する場合に比して、通信システムに対する伝送負荷を低減することができる。
【0042】
[3.第2の実施形態]
以下では、図6および図7を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る環境音再生システム200について説明する。なお、第1の実施形態に係る環境音再生システム100と重複する説明は省略する。
【0043】
第1の実施形態に係る環境音再生システム100は、単一の検知対象Oの状態を伝達するものである。このため、例えば、木製のドアと鋼製のドア、ドアと窓等、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を伝達する場合、検知対象Oa、Ob、…毎に環境音再生装置130を準備する必要がある。第2の実施形態に係る環境音再生システム200は、単一の環境音再生装置230を用いて、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達可能とするものである。
【0044】
[3−1.環境音再生システム200の機能構成]
図6は、第2の実施形態に係る環境音再生システム200の機能構成例を示すブロック図である。図6に示すように、環境音再生システム200は、2以上のセンサ部211a、211b、…を含む検知装置210、および環境音再生装置230を有する。以下では、木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態に対応する環境音データを再生する場合を例として説明する。なお、センサ部211a、211b、…の数は、3以上でもよい。
【0045】
センサ部211a、211bは、2つの検知対象Oa、Obの状態を各々に検知する。センサ部211a、211bは、識別情報IDa、IDbを各々に割当てられ、木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態を各々に検知するドア開閉センサである。センサ部211a、211bは、ドアの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」を、自らの識別情報IDa、IDbとともに状態判定部213に供給する。よって、識別情報IDは、センサ部211および検知対象Oを一意に特定していることになる。例えば、識別情報IDaは、センサ部211aを特定し、検知対象Oaを特定していることになる。
【0046】
状態判定部213は、各センサ部211a、211bの検知データから各検知対象Oa、Obの状態を判定する。状態判定部213は、ドアの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」から判定条件に従って、判定結果「ドア開」または「ドア閉」を各々に生成する。
【0047】
通信部215は、木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態の判定結果と、センサ部211a、211bの識別情報を関連付けて、判定結果および識別情報を環境音再生装置230に送信する。
【0048】
環境音DB231は、各検知対象Oa、Obの状態を表す環境音データを各検知対象Oa、Obの各状態(または、各識別情報に対応する判定結果)に関連付けて格納する。環境音データは、木製ドアの開閉音、鋼製ドアの開閉音を表す音声データである。環境音DB231は、例えば、環境音データ「木製ドア開」、「木製ドア閉」、「鋼製ドア開」、「鋼製ドア閉」を、木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態に各々に関連付けて格納する。
【0049】
環境音選定部233は、検知装置210により送信された判定結果および識別情報の組合せに基づいて、各検知対象Oa、Obの状態に対応する環境音データを選定する。環境音選定部233は、判定結果および識別情報の組合せと環境音データを関連付けるように予め設定された選定テーブルを有している。選定テーブルは、例えば、判定結果「ドア開」および識別情報IDa(木製ドア)の組合せと環境音データ「木製ドア開」を関連付け、判定結果「ドア閉」および識別情報IDb(鋼製ドア)の組合せと環境音データ「鋼製ドア閉」を関連付けている。環境音選定部233は、選定テーブルに基づいて、例えば、判定結果「ドア開」および識別情報IDaを受信すると、環境音データ「木製ドア開」を選定し、判定結果「ドア閉」および識別情報IDbを受信すると、環境音データ「鋼製ドア閉」を選定する。
【0050】
通信部235は、木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態の判定結果、およびセンサ部211a、211bの識別情報を検知装置210から受信する。
【0051】
[3−2.環境音再生システム200の動作方法]
図7は、第2の実施形態に係る環境音再生システム200の動作方法を示すシーケンス図である。
【0052】
図7に示すように、検知対象Oaである木製ドアが開かれると、センサ部211aは、木製ドアの開状態を検知し(S201)、ドアの開状態を表す検知データ「開」および自らの識別情報IDaを状態判定部213に供給する(S203)。状態判定部213は、検知データ「開」からドアの開閉状態を判定し(S205)、判定結果「ドア開」を生成する。通信部215は、判定結果「ドア開」および識別情報IDaを環境音再生装置230に送信する(S207)。
【0053】
環境音選定部233は、判定結果「ドア開」および識別情報IDaの組合せに基づいて、環境音データ「木製ドア開」を環境音DB231から選定し(S209)、環境音再生部235に供給する(S211)。環境音再生部235は、環境音データ「木製ドア開」を再生し(S213)、木製ドアの開状態を表す環境音を外部に出力する。
【0054】
一方、検知対象Obである鋼製ドアが閉じられると、センサ部211bは、鋼製ドアの閉状態を検知し(S221)、ドアの閉状態を表す検知データ「閉」および自らの識別情報IDbを状態判定部213に供給する(S223)。状態判定部213は、検知データ「閉」からドアの開閉状態を判定し(S225)、判定結果「ドア閉」を生成する。通信部215は、判定結果「ドア閉」および識別情報IDbを環境音再生装置230に送信する(S227)。
【0055】
環境音選定部233は、判定結果「ドア閉」および識別情報IDbに基づいて、鋼製ドアの閉状態に対応する環境音データ「鋼製ドア閉」を環境音DB231から選定し(S229)、環境音再生部235に供給する(S231)。環境音再生部235は、環境音データ「鋼製ドア閉」を再生し(S233)、鋼製ドアの閉状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム200のユーザに、検知対象Oa、Obである木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態を適切に伝達することができる。
【0056】
以上説明したように、第2の実施形態に係る環境音再生システム200によれば、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を各々に表す状態情報および検知対象Oa、Ob、…を識別する識別情報IDa、IDb、…を検知装置210から受信し、各検知対象Oa、Ob、…の状態に対応する環境音データを選定して再生することで、単一の環境音再生装置230を用いて、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達することができる。
【0057】
[4.第3の実施形態]
以下では、図8および図9を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る環境音再生システム300について説明する。なお、第1の実施形態に係る環境音再生システム100と重複する説明は省略する。
【0058】
第1の実施形態に係る環境音再生システム100は、検知対象の各状態に対応するように予め準備された環境音データを再生するものである。このため、例えば、人の多様な移動状態に応じて、判定結果「人遅めに歩行」、「人歩行」、「人速めに歩行」、「人走行」を生成する場合、複数の環境音データを準備する必要がある。第3の実施形態に係る環境音再生システム300は、少ない環境音データを用いて、検知対象Oの多様な状態を適切に伝達可能とするものである。
【0059】
[4−1.環境音再生システム300の機能構成]
図8は、第3の実施形態に係る環境音再生システム300の機能構成例を示すブロック図である。図8に示すように、環境音再生システム300は、環境音加工部339を含む環境音再生装置330を有する。以下では、人の移動状態に対応する環境音データを再生する場合を例として説明する。
【0060】
センサ部311は、位置検知システムを応用して人の移動状態を検知する移動速度センサである。センサ部311は、人の移動状態(移動速度)を表す検知データ「0km/h」、「4km/h」等を状態判定部313に供給する。
【0061】
状態判定部313は、例えば、人の移動状態を表す検知データ「2km/h未満」、「2km/h以上4km/h未満」、「4km/h以上6km/h未満」、「6km/h以上8km/h未満」、および「8km/h以上」から判定結果「人停止」、「人遅めに歩行」、「人歩行」、「人速めに歩行」、および「人走行」を各々に生成する。検知対象Oの状態は、センサ部311により検知された検知データを、状態判定部313により管理されている検知対象Oの判定条件と比較することで、判定される。なお、判定条件とは、例えば、検知データ「2km/h未満」の場合に判定結果「人停止」を判定し、同様に、検知データ「2km/h以上4km/h未満」の場合に判定結果「人遅めに歩行」を判定するための条件である。
【0062】
環境音DB331は、環境音データ「人歩行」および加工パラメータを格納する。環境音データ「人歩行」は、4km/h以上6km/h未満で歩行時の移動状態を表す音声データである。加工パラメータは、人の移動状態の各状態に対応して設定されるパラメータであり、例えば、判定結果「人停止」、「人遅めに歩行」、「人歩行」、「人速めに歩行」、および「人走行」に対応して、「0.0」、「0.5」、「1.0」、「1.5」、および「2.0」として設定される。
【0063】
環境音選定部333は、例えば、判定結果「人歩行」を受信すると、基準環境音データ「人歩行」および判定結果「人歩行」に対応する加工パラメータ1.0を選定し、判定結果「人走行」を受信すると、基準環境音データ「人歩行」および判定結果「人走行」に対応する加工パラメータ2.0を選定する。環境音選定部333は、選定された基準環境音データおよび加工パラメータを環境音加工部339に供給する。なお、環境音選定部333は、判定結果「人歩行」を受信した場合等、基準環境音データの加工を必要としない場合には、基準環境音データを環境音加工部339に供給せずに、環境音再生部335に供給してもよい。
【0064】
環境音加工部339は、加工パラメータを用いて、選定された基準環境音データを加工する。環境音加工部339は、例えば、加工パラメータ「2.0」を用いて、基準環境音データ「人歩行」から再生速度を2倍にした環境音データ「人走行」に加工する。環境音加工部339は、環境音データ「人走行」等、加工された環境音データを環境音再生部335に供給する。なお、基準環境音データは、再生速度の変更以外にも、再生音量の変更、再生音質の変更等により加工されてもよい。
【0065】
[4−2.環境音再生システム300の動作方法]
図9は、第3の実施形態に係る環境音再生システム300の動作方法を示すシーケンス図である。
【0066】
図9に示すように、検知対象Oが人であって、その人による9km/hの移動が検知されると、移動速度センサであるセンサ部311は、人の移動状態を検知し(S301)、人の移動状態を表す検知データ「9km/h」を状態判定部313に供給する(S303)。状態判定部313は、検知データ「9km/h」から人の移動状態を判定し(S305)、判定結果「人走行」を生成する。通信部315は、判定結果「人走行」を環境音再生装置330に送信する(S307)。
【0067】
環境音選定部333は、判定結果「人走行」に基づいて、基準環境音データ「人歩行」および加工パラメータ「2.0」を環境音DB331から選定し(S309)、環境音加工部339に供給する(S311)。環境音加工部339は、加工パラメータに基づいて、基準環境音データ「人歩行」から再生速度を2倍にした環境音データ「人走行」に加工し(S313)、環境音再生部335に供給する(S315)。環境音再生部335は、加工された環境音データ「人走行」を再生し(S317)、人の走行状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム300のユーザに、少ない環境音データを用いて、検知対象Oである人の多様な移動状態を適切に伝達することができる。
【0068】
以上説明したように、第3の実施形態に係る環境音再生システム300によれば、検知対象Oの状態に対応するように、基準環境音データから加工された環境音データを再生することで、少ない基準環境音データを用いて、検知対象Oの多様な状態を適切に伝達することができる。
【0069】
[5.第4の実施形態]
以下では、図10および図11を参照しながら、本発明の第4の実施形態に係る環境音再生システム400について説明する。なお、第1の実施形態に係る環境音再生システム100と重複する説明は省略する。
【0070】
第1の実施形態に係る環境音再生システム100は、単一の状態情報を用いて検知対象Oの状態を伝達するものである(状態情報は、検知データまたは判定結果のいずれでもよいが、以下では状態情報が判定結果である場合について説明する。)。このため、例えば、ドアの開閉状態の判定結果、ドアの開閉時の移動状態(加速度)の判定結果等、同一検知対象Oの2種別以上の状態の判定結果を用いて、ドアの開閉時の勢い等、検知対象Oの詳細な状態を伝達することができない。第4の実施形態に係る環境音再生システム400は、2種別以上の状態の判定結果の組合せに基づいて、検知対象Oの詳細な状態を適切に伝達可能とするものである。
【0071】
[5−1.環境音再生システム400の機能構成]
図10は、第4の実施形態に係る環境音再生システム400の機能構成例を示すブロック図である。図10に示すように、環境音再生システム400は、2以上のセンサ部411a、411b、…を含む検知装置410、および環境音再生装置430を有する。以下では、ドアの開閉時の加速度を考慮して、ドアの開閉状態に対応する環境音データを再生する場合を例として説明する。なお、センサ部411a、411b、…の数は、3以上でもよく、この場合、3以上のセンサ部411(411a,411b,…)が、同一の検知対象Oに関する3種別以上の各状態を検知してもよい。
【0072】
センサ部411aとセンサ部411bは、同一検知対象Oの2種別の状態を検知する。センサ部411aは、識別情報IDaを割当てられ、ドアの開閉状態を検知するドア開閉センサであり、センサ部411bは、識別情報IDbを割当てられ、ドアの移動状態(開閉時にドアに作用する加速度)を検知する加速度センサである。センサ部411aは、ドアの開閉状態を表す第1の検知データ「開」または「閉」を、自らの識別情報IDaとともに状態判定部413に供給する。センサ部411bは、ドアの移動状態(加速度)を表す第2の検知データ、例えば「0.5m/s2」、「1.0m/s2」を、自らの識別情報IDbとともに状態判定部413に供給する。
【0073】
状態判定部413は、2以上の検知データから検知対象Oの詳細な状態を判定する。状態判定部413は、第1の検知データ「開」または「閉」から第1の判定結果「ドア開」または「ドア閉」を生成する。状態判定部413は、第2の検知データ「0.5m/s2未満」または「0.5m/s2以上」から第2の判定結果「加速度小」または「加速度大」を生成する。そして、状態判定部413は、第1および第2の判定結果を組合せて、判定結果を生成する。状態判定部413は、例えば、第1および第2の判定結果が「ドア開」および「加速度小」であれば、判定結果「勢いの弱いドア開」を生成し、「ドア閉」および「加速度大」であれば、判定結果「勢いの強いドア閉」を生成する。
【0074】
環境音DB431は、例えば、環境音データ「勢いの弱いドア開」、「勢いの強いドア開」、「勢いの弱いドア閉」、「勢いの強いドア閉」を、ドアの開閉状態および移動状態に関連付けて格納する。
【0075】
環境音選定部433は、例えば、判定結果「勢いの弱いドア開」を受信すると、環境音データ「勢いの弱いドア開」を選定し、判定結果「勢いの強いドア閉」を受信すると、環境音データ「勢いの強いドア閉」を選定する。
【0076】
なお、環境音再生装置430が第3の実施形態に係る環境音加工部339を含む場合、検知装置410は、第1および第2の判定結果を環境音再生装置430に送信し、環境音再生装置430は、第1および第2の判定結果に基づいて、環境音データを加工して再生してもよい。この場合、環境音加工部339は、例えば、第1および第2の判定結果「ドア開」および「加速度大」に基づいて、予め準備されている環境音データ「ドア開」から再生速度および再生音量を1.5倍にした環境音データ「勢いの強いドア開」を加工する。
【0077】
[5−2.環境音再生システム400の動作方法]
図11は、第4の実施形態に係る環境音再生システム400の動作方法を示すシーケンス図である。
【0078】
図11に示すように、検知対象Oであるドアが開かれると、センサ部411aは、ドアの開状態を検知し(S401)、ドアの開状態を表す第1の検知データ「開」および自らの識別情報IDaを状態判定部413に供給する(S403)。状態判定部413は、第1の検知データ「開」および識別情報IDaからドアの開閉状態を判定し(S405)、第1の判定結果「ドア開」を生成する。また、センサ部411bは、ドアの移動状態を検知し(S407)、ドアの移動状態を表す第2の検知データ「1.0m/s2」および自らの識別情報IDbを状態判定部413に供給する(S409)。状態判定部413は、第2の検知データ「1.0m/s2」および識別情報IDbから、ドアの移動状態を判定し(S411)、第2の判定結果「加速度大」を生成する。そして、状態判定部413は、第1および第2の判定結果を組合せて判定結果「勢いの強いドア開」を生成する(S413)。通信部415は、判定結果「勢いの強いドア開」を環境音再生装置430に送信する(S415)。
【0079】
環境音選定部433は、判定結果「勢いの強いドア開」に基づいて、環境音データ「勢いの強いドア開」を環境音DB431から選定し(S417)、環境音データ「勢いの強いドア開」を環境音再生部435に供給する(S419)。環境音再生部435は、環境音データ「勢いの強いドア開」を再生し(S421)、勢いの強いドアの開状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム400のユーザに、2種別以上の検知データの組合せに基づいて、検知対象Oであるドアの詳細な開閉状態を適切に伝達することができる。
【0080】
以上説明したように、第4の実施形態に係る環境音再生システム400によれば、同一検知対象Oの2種別以上の状態を表す状態情報を検知装置410から受信し、検知対象Oの状態に対応する環境音データを選定して再生することで、2種別以上の状態情報の組合せに基づいて、検知対象Oの詳細な状態を適切に伝達することができる。
【0081】
[6.第5の実施形態]
以下では、図12および図13を参照しながら、本発明の第5の実施形態に係る環境音再生システム500について説明する。なお、第1、第2の実施形態に係る環境音再生システム100、200と重複する説明は省略する。
【0082】
第2の実施形態に係る環境音再生システムは、単一の環境音再生部235を用いて2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を伝達するものである。このため、例えば、ドアAおよびドアBの開閉状態を2以上の環境音再生部により各々に再生する等、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達することができない。第5の実施形態に係る環境音再生システム500は、単一の環境音再生装置530を用いて、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達可能とするものである。
【0083】
[6−1.環境音再生システム500の機能構成]
図12は、第5の実施形態に係る環境音再生システム500の機能構成例を示すブロック図である。図12に示すように、環境音再生システム500は、2以上のセンサ部511a、511b、…を含む検知装置510、および2以上の環境音再生部535a、535b、…を含む環境音再生装置530を有する。以下では、ドアAおよびドアBの開閉状態に対応する環境音データを再生する場合を例として説明する。なお、環境音再生部535a、535b、…の数は、3以上でもよい。
【0084】
センサ部511a、511bは、識別情報IDa、IDbを各々に割当てられ、ドアAおよびドアBの開閉状態を各々に検知するドア開閉センサである。センサ部511a、511bは、ドアAおよびドアBの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」を、自らの識別情報IDa、IDbとともに状態判定部513に供給する。ここで、識別情報とは、センサ部511を識別するとともに、環境音再生部535をも識別する情報である。
【0085】
状態判定部513は、ドアの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」から判定結果「ドア開」および「ドア閉」を各々に生成する。
【0086】
通信部515は、ドアAおよびドアBの状態の判定結果、およびセンサ部511a、511bの識別情報を環境音再生装置530に送信する。
【0087】
環境音DB531は、環境音データ「ドア開」および「ドア閉」を判定結果としてのドアの開状態および閉状態に各々に関連付けて格納する。
【0088】
環境音選定部533は、判定結果「ドア開」または「ドア閉」と、識別情報とを受信すると、まず、判定結果に基づいて、環境音データ「ドア開」または「ドア閉」を選定する。次に、環境音選定部533は、選定された環境音データを、識別情報に対応するように予め設定された環境音再生部535a、535bに供給する。環境音選定部533は、例えば、判定結果「ドア開」および識別情報IDaを受信すると、環境音再生部535aに環境音データ「ドア開」を供給し、判定結果「ドア閉」および識別情報IDbを受信すると、環境音再生部535bに環境音データ「ドア閉」を供給する。
【0089】
環境音再生部535は、センサ部511a、511bと予め対応付けられた環境音再生部535a、535bからなる。環境音再生部535a、535bは、環境音選定部533から供給された環境音データを再生し、環境音データに対応する環境音を外部に出力する。ここで、例えば、環境音再生部535aは、センサ部511aの検知データに対応する環境音データを再生し、環境音再生部535bは、センサ部511bの検知データに対応する環境音データを再生する。なお、環境音再生部535a、535bは、センサ部511a、511bの数に対応するように設けられなくてもよい。この場合、環境音の再生機能を有する環境音再生部が単一で設けられ、通信手段を介して接続可能な状態で、スピーカ等の環境音出力手段がセンサ部511a、511b、…の数に対応するように設けられてもよい。
【0090】
[6−2.環境音再生システム500の動作方法]
図13は、第5の実施形態に係る環境音再生システム500の動作方法を示すシーケンス図である。
【0091】
図13に示すように、検知対象OaであるドアAが開かれると、センサ部511aは、ドアAの開状態を検知し(S501)、ドアAの開状態を表す検知データ「開」および自らの識別情報IDaを状態判定部513に供給する(S503)。状態判定部513は、検知データ「開」からドアAの開閉状態を判定し(S505)、判定結果「ドア開」を生成する。通信部515は、判定結果「ドア開」および識別情報IDaを環境音再生装置530に送信する(S507)。
【0092】
環境音選定部533は、判定結果「ドア開」に基づいて、環境音データ「ドア開」を環境音DB531から選定する(S509)。環境音選定部533は、識別情報IDaに基づいて、環境音データの供給先として環境音再生部535aを選定し(S511)、環境音データ「ドア開」を環境音再生部535aに供給する(S513)。環境音再生部535aは、環境音データ「ドア開」を再生し(S515)、ドアの開状態を表す環境音を外部に出力する。
【0093】
一方、検知対象ObであるドアBが閉じられると、センサ部511bは、ドアBの閉状態を検知し(S521)、ドアBの閉状態を表す検知データ「閉」および自らの識別情報IDbを状態判定部513に供給する(S523)。状態判定部513は、検知データ「閉」からドアBの開閉状態を判定し(S525)、判定結果「ドア閉」を生成する。通信部515は、判定結果「ドア閉」および識別情報IDbを環境音再生装置530に送信する(S527)。
【0094】
環境音選定部533は、判定結果「ドア閉」に基づいて、環境音データ「ドア閉」を環境音DB531から選定する(S529)。環境音選定部533は、識別情報IDbに基づいて、環境音データの供給先として環境音再生部535bを選定し(S531)、環境音データ「ドア閉」を環境音再生部535bに供給する(S533)。環境音再生部535bは、環境音データ「ドア閉」を再生し(S535)、ドアの閉状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム500のユーザに、単一の環境音再生装置530を用いて、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達することができる。
【0095】
以上説明したように、第5の実施形態に係る環境音再生システム500によれば、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を各々に表す状態情報を検知装置510から受信し、各検知対象Oa、Ob、…の状態に対応する環境音データを選定し、各検知対象Oa、Ob、…に対応する環境音再生部535a、535b、…により再生することで、単一の環境音再生装置530を用いて、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達することができる。
【0096】
[6.環境音再生装置のハードウェア構成]
図14を参照しながら、本発明の実施形態に係る環境音声再生装置130、180、230、330、430、530のハードウェア構成について説明する。図5は、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0097】
環境音声再生装置130、180、230、330、430、530は、主に、CPU901、ROM903、RAM905、内部バス907、入出力インタフェース909、入力部911、出力部913、ストレージ915、ドライブ917、ネットワークインタフェース919、外部インタフェース921を含んで構成される。
【0098】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ915、リムーバブル記録媒体に記録された各種プログラムに従って、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530の動作を少なくとも部分的に制御する。ROM903は、CPU901が用いるプログラムやパラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が実行するプログラム、プログラム実行時のパラメータ等を一時記憶する。CPU901、ROM903、RAM905は、内部バス907により互いに接続される。内部バス907は、入出力インタフェース909に接続される。
【0099】
入力部911は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ等、ユーザが操作可能な操作手段である。入力部911は、操作手段を用いてユーザにより入力された操作情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等を含んで構成される。環境音声再生装置130、180、230、330、430、530のユーザは、入力部911の操作を介して、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530に対して各種のデータを入力し、処理動作を指示する。
【0100】
出力部913は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ランプ等の表示装置、スピーカ、ヘッドフォン等の音声出力装置、プリンタ、携帯電話機、ファクシミリ等、取得された情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知可能な装置を含んで構成される。出力部913は、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530の処理結果を出力する。例えば、表示装置は、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530による処理結果を、テキスト情報またはイメージ情報として表示し、音声出力装置は、再生された音声データ、音響データ等のオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
【0101】
ストレージ915は、データ格納用の装置であり、例えば、HDD等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等を含む。ストレージ915は、例えば、環境音DB(15、131、183、…、531)、CPU901が実行するプログラム、各種データ、外部から取得された各種データ等を格納する。
【0102】
ドライブ917は、記録媒体用リーダライタであり、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530に内蔵または外付けされる。ドライブ917は、装着される磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に対して、記録済みデータを読出してRAM905に出力し、記録対象のデータを書き込む。
【0103】
ネットワークインタフェース919は、通信網Nに接続するための通信デバイス等から構成される。ネットワークインタフェース919は、例えば、有線または無線LAN、WUSB用の通信カード、ADSL用のルータ、通信用モデム等である。ネットワークインタフェース919は、例えばインターネットや他の通信機器との間で、所定のプロトコルに則して信号等を送受信する。ネットワークインタフェース919に接続される通信網Nは、有線または無線により接続されたネットワーク等により構成され。例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信、または衛星通信等でもよい。
【0104】
外部インタフェース921は、例えば、USBポート、SCSIポート、RS232Cポート等、外部機器を環境音声再生装置130、180、230、330、430、530に直接接続するためのポートである。環境音声再生装置130、180、230、330、430、530は、外部インタフェース921に接続された外部機器に対して、外部インタフェース921を介してデータを取得し、データを提供する。
【0105】
以上、本発明の実施形態に係る環境音声再生装置130、180、230、330、430、530の機能を実現するためのハードウェア構成の一例について説明した。なお、上記ハードウェアの各構成要素は、汎用的なデバイスを用いて構成されてもよく、各構成要素の機能の特化したデバイスを用いて構成されてもよい。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0107】
以上、第1〜第5の実施形態に係る環境音再生システム100、200、300、400、500について、各実施形態の機能的特徴に着目して説明した。しかし、例えば、第2および第5の実施形態の機能的特徴を組合せて、単一の環境音再生装置を用いて、各検知対象Oa、Ob、…に対応する環境音再生部により、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達してもよい。
【符号の説明】
【0108】
100、150、200、300、400、500 環境音再生システム
110、160、210、310、410、510 検知装置
111、161、211a、211b、311、411a、411b、511a、511b センサ部
113、181、213、313、413、513 状態判定部
115、163、215、315、415、515 通信部
130、180、230、330、430、530 環境音再生装置
131、183、231、331、431、531 環境音DB
133、185、233、333、433、533 環境音選定部
135、187、235、335、435、535a、535b 環境音再生部
137、189、237、337、437、537 通信部
539 環境音加工部
O、Oa、Ob 検知対象
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境音再生装置、環境音再生システム、環境音再生方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔地における場の雰囲気、臨場感等をリアルタイムに伝達するために、場の状態を少しでも表すような環境音を伝送することが考えられる。例えば下記特許文献1には、遠隔地における利用者の状態をリアルタイムに伝達するために、利用者の周囲の状況を表す環境音を伝送するヘッドセット装置が記載されている。このヘッドセット装置は、VOIP(Voice Over Internet Protocol)等の音声通信システムを用いて、マイクから入力される利用者の周囲の実音声を環境音として会話音声と同時に伝送することで、場の臨場感をリアルタイムに伝達している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−214392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、マイクから入力される実音声を環境音として伝送すると、遠隔地における場の状態を適切に伝達することができない場合がある。例えば、キーボードの操作状態を伝達するためにキーボードの操作音を伝送すると、キーボードの周囲で生じるノイズ音も伝送されてしまい、キーボードの操作状態を適切に伝達することができない場合があった。また、ドアの開閉状態を伝達するためにドアの開閉音を伝送すると、通常は聞き取れない不快な音も伝送されてしまい、ドアの開閉状態を適切に伝達することができない場合があった。また、人の移動状態を伝達するために移動時に生じる足音を伝送すると、足音が小さすぎて人の移動状態を適切に伝達することができない場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、遠隔地における場の状態を適切に伝達可能な、環境音再生装置、環境音再生システム、環境音再生方法、およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によれば、検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信する受信部と、検知対象の各状態に対応する1以上の環境音データを格納する環境音格納部と、検知装置から受信された状態情報に基づいて、環境音格納部に格納されている1以上の環境音データから、検知対象の状態に対応する環境音データを選定する環境音選定部と、環境音選定部により選定された環境音データを再生する環境音再生部と、を備える環境音再生装置が提供される。
【0007】
かかる構成によれば、環境音再生装置は、遠隔地に存在する検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信し、受信された状態情報に基づいて、検知対象の各状態に対応するように予め格納されている1以上の環境音データから、検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、選定された環境音データを再生する。これにより、実音声の代わりに状態情報に対応する環境音データを再生するので、ノイズ音、不快な音、小さすぎる音等が伝送されることもなく、実音声を伝送する場合に比して、検知対象の状態を適切に伝達することができる。また、実音声の代わりに、情報量の少ない状態情報を伝送するので、実音声を伝送する場合に比して、通信システムに対する伝送負荷を低減することができる。
【0008】
上記受信部は、2以上の検知対象の状態を検知可能な外部の検知装置から、各検知対象の状態を表す状態情報、および検知対象を識別する識別情報を受信し、上記環境音選定部は、検知装置から受信された、状態情報および識別情報の組合せに基づいて、環境音格納部に格納されている1以上の環境音データから、各検知対象の状態および識別情報の組合せに対応する環境音データを選定してもよい。これにより、2以上の検知対象の状態を各々に表す状態情報および検知対象を識別する識別情報を検知装置から受信し、各検知対象の状態に対応する環境音データを選定して再生することで、単一の環境音再生装置を用いて、2以上の検知対象の状態を適切に伝達することができる。
【0009】
上記環境音格納部は、検知対象の各状態のうちいずれか1つの状態に対応する基準環境音データを格納しており、上記環境音再生装置は、環境音選定部により選定された基準環境音データを、検知装置から受信された状態情報に基づいて、検知装置から受信された検知対象の状態に対応する環境音データに加工する環境音加工部をさらに備え、上記環境音再生部は、環境音加工部により加工された環境音データを再生してもよい。これにより、検知対象の状態に対応するように、基準環境音データから加工された環境音データを再生することで、少ない基準環境音データを用いて、検知対象の多様な状態を適切に伝達することができる。
【0010】
上記受信部は、同一検知対象の2種別以上の各種の状態を検知可能な外部の検知装置から、検知対象の2種別以上の各種の状態を表す状態情報を受信し、上記環境音選定部は、検知装置から受信された検知対象の2種別以上の各種の状態を表す状態情報に基づいて、環境音格納部に格納されている1以上の環境音データから、検知対象の2種別以上の各種の状態に対応する環境音データを選定してもよい。これにより、同一検知対象の2種別以上の各種の状態を表す状態情報を検知装置から受信し、検知対象の2種別以上の各種の状態に対応する環境音データを選定して再生することで、2種別以上の各種の状態情報の組合せに基づいて、検知対象の詳細な状態を適切に伝達することができる。
【0011】
上記受信部は、2以上の検知対象の状態を検知可能な外部の検知装置から、各検知対象の状態を表す状態情報を受信し、上記環境音再生部は、2以上の検知対象に各々に対応する2以上の環境音再生部からなり、上記環境音選定部は、検知装置から受信された各状態情報に基づいて、環境音格納部に格納されている1以上の環境音データから、各検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、上記環境音再生部は、環境音選定部により選定された環境音データを、各検知対象に対応する環境音再生部により再生してもよい。これにより、2以上の検知対象の状態を各々に表す状態情報を検知装置から受信し、各検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、各検知対象に対応する環境音再生部により再生することで、単一の環境音再生装置を用いて、2以上の検知対象の状態を適切に伝達することができる。
【0012】
また、本発明の第2の観点によれば、検知対象の状態を検知可能な検知装置、および本発明の第1の観点による環境音再生装置を有する環境音再生システムが提供される。
【0013】
また、本発明の第3の観点によれば、検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信し、検知装置から受信された状態情報に基づいて、検知対象の各状態に対応するように予め格納されている1以上の環境音データから、検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、選定された環境音データを再生する環境音再生方法が提供される。
【0014】
かかる方法によれば、検知対象の状態を表す状態情報が外部の検知装置から受信され、受信された状態情報に基づいて、検知対象の各状態に対応するように予め格納されている1以上の環境音データから、検知対象の状態に対応する環境音データが選定され、選定された環境音データが再生される。これにより、実音声の代わりに状態情報に対応する環境音データを再生するので、実音声を伝送する場合に比して、検知対象の状態を適切に伝達することができる。
【0015】
また、本発明の第4の観点によれば、本発明の第3の観点による環境音再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、遠隔地における場の状態を適切に伝達可能な、環境音再生装置、環境音再生システム、環境音再生方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る環境音再生システムの概要を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る環境音再生システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図3】図2に示した環境音再生システムの機能構成の変形例を示すブロック図である。
【図4】ドア開閉センサを用いた第1の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図5】移動速度センサを用いた第1の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図6】第2の実施形態に係る環境音再生システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図8】第3の実施形態に係る環境音再生システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図9】第3の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図10】第4の実施形態に係る環境音再生システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図11】第4の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図12】第5の実施形態に係る環境音再生システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図13】第5の実施形態に係る環境音再生システムの動作方法を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の実施形態に係る環境音再生装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
[1.環境音再生システムの概要]
図1は、本発明の実施形態に係る環境音再生システム10の概要を示す図である。図1に示すように、環境音再生システム10は、検知装置11および環境音再生装置13を有し、環境音再生装置13は、通信網Nを介して検知装置11に接続される。ここで、通信網Nは、検知装置11および環境音再生装置13を一方向または双方向に接続可能な有線および/または無線の通信手段である。
【0020】
検知装置11は、検知対象Oの状態を検知し、状態情報として環境音再生装置13に送信する。環境音再生装置13は、検知対象Oの各状態に対応する1以上の環境音データを格納する環境音DB15を有する。環境音再生装置13は、検知装置11から状態情報を受信すると、状態情報に基づいて、検知対象Oの状態に対応する環境音データを環境音DB15から選定して再生し、環境音データに対応する環境音を外部に出力する。なお、状態情報は、検知対象Oの状態の検知結果を表す検知データでもよく、検知データに基づく検知対象Oの状態の判定結果でもよい。
【0021】
これにより、実音声の代わりに状態情報に対応する環境音データを再生するので、ノイズ音、不快な音、小さすぎる音等が伝送されることもなく、実音声を伝送する場合に比して、検知対象Oの状態を適切に伝達することができる。また、実音声の代わりに、情報量の少ない状態情報を伝送するので、実音声を伝送する場合に比して、通信システムに対する伝送負荷を低減することができる。
【0022】
[2.第1の実施形態]
以下では、図2〜図5を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る環境音再生システム100について説明する。
【0023】
[2−1.環境音再生システム100の機能構成]
図2は、第1の実施形態に係る環境音再生システム100の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、環境音再生システム100は、単一の検知装置110、および環境音再生装置130を有する。以下では、ドアの開閉状態または人の移動状態に対応する環境音データを再生する場合を例として説明する。
【0024】
検知装置110は、センサ部111、状態判定部113、および通信部115を含む。なお、以下では、検知装置110の構成要素が一体化されている場合について説明するが、検知装置110の構成要素の一部は、通信手段を介して接続可能な状態で別体として設けられてもよい。
【0025】
センサ部111は、検知対象Oの状態を検知する。ここで、検知対象Oは、ドア、人等の物体でもよく、天候、温度等の非物体でもよい。センサ部111は、例えば、ドアの開閉状態を検知するドア開閉センサ、位置検知システムを応用して人の移動状態を検知する移動速度センサである。センサ部111は、ドアの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」、人の移動状態(移動速度)を表す検知データ「0km/h」、「4km/h」等を状態判定部113に供給する。ここで、検知対象Oの状態は、アナログまたはデジタルデータであるデータ値、データ値の変化等から検知される。
【0026】
状態判定部113は、検知データから検知対象Oの状態を判定する。状態判定部113は、例えば、ドアの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」から判定結果「ドア開」および「ドア閉」を各々に生成する。状態判定部113は、例えば、人の移動状態を表す検知データ「2km/h未満」、「2km/h以上8km/h未満」、および「8km/h以上」から判定結果「人停止」、「人歩行」、および「人走行」を各々に生成する。ここで、検知対象Oの状態は、センサ部111により検知された検知データを、状態判定部113により管理されている検知対象Oの判定条件と比較することで、判定される。判定条件とは、例えば、検知データ「開」の場合に判定結果「ドア開」を判定し、同様に、検知データ「閉」の場合に判定結果「ドア閉」を判定するための条件である。
【0027】
通信部115は、検知対象Oの状態の判定結果を環境音再生装置130に送信する。通信部115は、判定結果または検知データ(図3に示す変形例の場合)を環境音再生装置130に送信する。
【0028】
環境音再生装置130は、環境音DB131、環境音選定部133、環境音再生部135、および通信部137を含む。なお、以下では、環境音再生装置130の構成要素が一体化されている場合について説明するが、環境音再生装置130の構成要素の一部は、通信手段を介して接続可能な状態で別体として設けられてもよい。
【0029】
環境音DB131は、検知対象Oの各状態を表す環境音データを検知対象Oの各状態(または各判定結果)に関連付けて格納する。環境音データは、例えば、ドアの開閉音、人の歩行音を表す音声データである。環境音DB131は、環境音データ「ドア開」および「ドア閉」をドアの開状態および閉状態に各々に関連付けて格納する。環境音DB131は、環境音データ「人停止」、「人歩行」、および「人走行」を人の停止状態、歩行状態、および走行状態に各々に関連付けて格納する。
【0030】
環境音選定部133は、検知装置110から受信された判定結果に基づいて、検知対象Oの状態に対応する環境音データを環境音DB131から選定する。環境音選定部133は、例えば、判定結果「ドア開」または「ドア閉」を受信すると、環境音データ「ドア開」または「ドア閉」を選定する。環境音選定部133は、選定した環境音データを環境音再生部135に供給する。なお、環境音選定部133は、例えば、判定結果「人停止」を受信した場合等、環境音データの再生を必要としない場合(検知対象Oの状態を無音声により表す場合)には、環境音データを選定および供給しなくてもよい。
【0031】
環境音再生部135は、環境音選定部133から供給された環境音データを再生し、環境音データに対応する環境音を外部に出力する。なお、以下では、環境音再生部135が環境音の再生機能および出力機能を有する場合について説明するが、スピーカ等の環境音出力手段が通信手段を介して接続可能な状態で別体として設けられてもよい。
【0032】
通信部137は、検知対象Oの状態に関する判定結果を検知装置110から受信する。通信部137は、判定結果または検知データ(図3に示す変形例の場合)を検知装置110から受信する。
【0033】
図3は、図2に示した環境音再生システム100の機能構成の変形例を示すブロック図である。図3に示すように、状態判定部181は、検知装置160ではなく、環境音再生装置180に設けられてもよい。この場合、検知装置160の通信部163は、検知対象Oの状態を表す検知データを環境音再生装置180に送信し、環境音再生装置180の通信部189は、検知データを検知装置160から受信する。そして、環境音再生装置180の状態判定部181は、検知データから検知対象Oの状態を判定し、検知対象Oの状態に関する判定結果を環境音選定部185に供給する。
【0034】
なお、検知装置110、160および環境音再生装置130、180の各構成要素は、汎用的な部材・回路により構成されてもよく、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されてもよい。また、各構成要素の機能のうち少なくとも一部は、CPU上で実行されるプログラムにより実現されてもよい。
【0035】
[2−2.環境音再生システム100の動作方法]
図4は、ドア開閉センサを用いた第1の実施形態に係る環境音再生システム100の動作方法を示すシーケンス図である。
【0036】
図4に示すように、検知対象Oであるドアが開かれると、ドア開閉センサであるセンサ部111は、ドアの開状態を検知し(ステップS101)、ドアの開状態を表す検知データ「開」を状態判定部113に供給する(S103)。状態判定部113は、検知データ「開」からドアの開閉状態を判定し(S105)、判定結果「ドア開」を生成する。通信部115は、判定結果「ドア開」を環境音再生装置130に送信する(S107)。
【0037】
環境音選定部133は、判定結果「ドア開」に基づいて、環境音データ「ドア開」を環境音DB131から選定し(S109)、環境音再生部135に供給する(S111)。環境音再生部135は、環境音データ「ドア開」を再生し(S113)、ドアの開状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム100のユーザに、検知対象Oであるドアの開閉状態を適切に伝達することができる。
【0038】
図5は、移動速度センサを用いた第1の実施形態に係る環境音再生システム100の動作方法を示すシーケンス図である。
【0039】
図5に示すように、検知対象Oである人による9km/hの移動が検知されると、移動速度センサであるセンサ部111は、人の移動状態を検知し(S121)、人の移動状態を表す検知データ「9km/h」を状態判定部113に供給する(S123)。状態判定部113は、検知データ「9km/h」から人の移動状態を判定し(S125)、判定結果「人走行」を生成する。通信部115は、判定結果「人走行」を環境音再生装置130に送信する(S127)。
【0040】
環境音選定部133は、判定結果「人走行」に基づいて、環境音データ「人走行」を環境音DB131から選定し(S129)、環境音再生部135に供給する(S131)。環境音再生部135は、環境音データ「人走行」を再生し(S133)、人の走行状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム100のユーザに、検知対象Oである人の移動状態を適切に伝達することができる。
【0041】
以上説明したように、第1の実施形態に係る環境音再生システム100によれば、実音声の代わりに状態情報に対応する環境音データを再生するので、ノイズ音、不快な音、小さすぎる音等が伝送されることもなく、実音声を伝送する場合に比して、検知対象Oの状態を適切に伝達することができる。また、実音声の代わりに、情報量の少ない状態情報を伝送するので、実音声を伝送する場合に比して、通信システムに対する伝送負荷を低減することができる。
【0042】
[3.第2の実施形態]
以下では、図6および図7を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る環境音再生システム200について説明する。なお、第1の実施形態に係る環境音再生システム100と重複する説明は省略する。
【0043】
第1の実施形態に係る環境音再生システム100は、単一の検知対象Oの状態を伝達するものである。このため、例えば、木製のドアと鋼製のドア、ドアと窓等、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を伝達する場合、検知対象Oa、Ob、…毎に環境音再生装置130を準備する必要がある。第2の実施形態に係る環境音再生システム200は、単一の環境音再生装置230を用いて、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達可能とするものである。
【0044】
[3−1.環境音再生システム200の機能構成]
図6は、第2の実施形態に係る環境音再生システム200の機能構成例を示すブロック図である。図6に示すように、環境音再生システム200は、2以上のセンサ部211a、211b、…を含む検知装置210、および環境音再生装置230を有する。以下では、木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態に対応する環境音データを再生する場合を例として説明する。なお、センサ部211a、211b、…の数は、3以上でもよい。
【0045】
センサ部211a、211bは、2つの検知対象Oa、Obの状態を各々に検知する。センサ部211a、211bは、識別情報IDa、IDbを各々に割当てられ、木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態を各々に検知するドア開閉センサである。センサ部211a、211bは、ドアの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」を、自らの識別情報IDa、IDbとともに状態判定部213に供給する。よって、識別情報IDは、センサ部211および検知対象Oを一意に特定していることになる。例えば、識別情報IDaは、センサ部211aを特定し、検知対象Oaを特定していることになる。
【0046】
状態判定部213は、各センサ部211a、211bの検知データから各検知対象Oa、Obの状態を判定する。状態判定部213は、ドアの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」から判定条件に従って、判定結果「ドア開」または「ドア閉」を各々に生成する。
【0047】
通信部215は、木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態の判定結果と、センサ部211a、211bの識別情報を関連付けて、判定結果および識別情報を環境音再生装置230に送信する。
【0048】
環境音DB231は、各検知対象Oa、Obの状態を表す環境音データを各検知対象Oa、Obの各状態(または、各識別情報に対応する判定結果)に関連付けて格納する。環境音データは、木製ドアの開閉音、鋼製ドアの開閉音を表す音声データである。環境音DB231は、例えば、環境音データ「木製ドア開」、「木製ドア閉」、「鋼製ドア開」、「鋼製ドア閉」を、木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態に各々に関連付けて格納する。
【0049】
環境音選定部233は、検知装置210により送信された判定結果および識別情報の組合せに基づいて、各検知対象Oa、Obの状態に対応する環境音データを選定する。環境音選定部233は、判定結果および識別情報の組合せと環境音データを関連付けるように予め設定された選定テーブルを有している。選定テーブルは、例えば、判定結果「ドア開」および識別情報IDa(木製ドア)の組合せと環境音データ「木製ドア開」を関連付け、判定結果「ドア閉」および識別情報IDb(鋼製ドア)の組合せと環境音データ「鋼製ドア閉」を関連付けている。環境音選定部233は、選定テーブルに基づいて、例えば、判定結果「ドア開」および識別情報IDaを受信すると、環境音データ「木製ドア開」を選定し、判定結果「ドア閉」および識別情報IDbを受信すると、環境音データ「鋼製ドア閉」を選定する。
【0050】
通信部235は、木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態の判定結果、およびセンサ部211a、211bの識別情報を検知装置210から受信する。
【0051】
[3−2.環境音再生システム200の動作方法]
図7は、第2の実施形態に係る環境音再生システム200の動作方法を示すシーケンス図である。
【0052】
図7に示すように、検知対象Oaである木製ドアが開かれると、センサ部211aは、木製ドアの開状態を検知し(S201)、ドアの開状態を表す検知データ「開」および自らの識別情報IDaを状態判定部213に供給する(S203)。状態判定部213は、検知データ「開」からドアの開閉状態を判定し(S205)、判定結果「ドア開」を生成する。通信部215は、判定結果「ドア開」および識別情報IDaを環境音再生装置230に送信する(S207)。
【0053】
環境音選定部233は、判定結果「ドア開」および識別情報IDaの組合せに基づいて、環境音データ「木製ドア開」を環境音DB231から選定し(S209)、環境音再生部235に供給する(S211)。環境音再生部235は、環境音データ「木製ドア開」を再生し(S213)、木製ドアの開状態を表す環境音を外部に出力する。
【0054】
一方、検知対象Obである鋼製ドアが閉じられると、センサ部211bは、鋼製ドアの閉状態を検知し(S221)、ドアの閉状態を表す検知データ「閉」および自らの識別情報IDbを状態判定部213に供給する(S223)。状態判定部213は、検知データ「閉」からドアの開閉状態を判定し(S225)、判定結果「ドア閉」を生成する。通信部215は、判定結果「ドア閉」および識別情報IDbを環境音再生装置230に送信する(S227)。
【0055】
環境音選定部233は、判定結果「ドア閉」および識別情報IDbに基づいて、鋼製ドアの閉状態に対応する環境音データ「鋼製ドア閉」を環境音DB231から選定し(S229)、環境音再生部235に供給する(S231)。環境音再生部235は、環境音データ「鋼製ドア閉」を再生し(S233)、鋼製ドアの閉状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム200のユーザに、検知対象Oa、Obである木製ドアおよび鋼製ドアの開閉状態を適切に伝達することができる。
【0056】
以上説明したように、第2の実施形態に係る環境音再生システム200によれば、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を各々に表す状態情報および検知対象Oa、Ob、…を識別する識別情報IDa、IDb、…を検知装置210から受信し、各検知対象Oa、Ob、…の状態に対応する環境音データを選定して再生することで、単一の環境音再生装置230を用いて、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達することができる。
【0057】
[4.第3の実施形態]
以下では、図8および図9を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る環境音再生システム300について説明する。なお、第1の実施形態に係る環境音再生システム100と重複する説明は省略する。
【0058】
第1の実施形態に係る環境音再生システム100は、検知対象の各状態に対応するように予め準備された環境音データを再生するものである。このため、例えば、人の多様な移動状態に応じて、判定結果「人遅めに歩行」、「人歩行」、「人速めに歩行」、「人走行」を生成する場合、複数の環境音データを準備する必要がある。第3の実施形態に係る環境音再生システム300は、少ない環境音データを用いて、検知対象Oの多様な状態を適切に伝達可能とするものである。
【0059】
[4−1.環境音再生システム300の機能構成]
図8は、第3の実施形態に係る環境音再生システム300の機能構成例を示すブロック図である。図8に示すように、環境音再生システム300は、環境音加工部339を含む環境音再生装置330を有する。以下では、人の移動状態に対応する環境音データを再生する場合を例として説明する。
【0060】
センサ部311は、位置検知システムを応用して人の移動状態を検知する移動速度センサである。センサ部311は、人の移動状態(移動速度)を表す検知データ「0km/h」、「4km/h」等を状態判定部313に供給する。
【0061】
状態判定部313は、例えば、人の移動状態を表す検知データ「2km/h未満」、「2km/h以上4km/h未満」、「4km/h以上6km/h未満」、「6km/h以上8km/h未満」、および「8km/h以上」から判定結果「人停止」、「人遅めに歩行」、「人歩行」、「人速めに歩行」、および「人走行」を各々に生成する。検知対象Oの状態は、センサ部311により検知された検知データを、状態判定部313により管理されている検知対象Oの判定条件と比較することで、判定される。なお、判定条件とは、例えば、検知データ「2km/h未満」の場合に判定結果「人停止」を判定し、同様に、検知データ「2km/h以上4km/h未満」の場合に判定結果「人遅めに歩行」を判定するための条件である。
【0062】
環境音DB331は、環境音データ「人歩行」および加工パラメータを格納する。環境音データ「人歩行」は、4km/h以上6km/h未満で歩行時の移動状態を表す音声データである。加工パラメータは、人の移動状態の各状態に対応して設定されるパラメータであり、例えば、判定結果「人停止」、「人遅めに歩行」、「人歩行」、「人速めに歩行」、および「人走行」に対応して、「0.0」、「0.5」、「1.0」、「1.5」、および「2.0」として設定される。
【0063】
環境音選定部333は、例えば、判定結果「人歩行」を受信すると、基準環境音データ「人歩行」および判定結果「人歩行」に対応する加工パラメータ1.0を選定し、判定結果「人走行」を受信すると、基準環境音データ「人歩行」および判定結果「人走行」に対応する加工パラメータ2.0を選定する。環境音選定部333は、選定された基準環境音データおよび加工パラメータを環境音加工部339に供給する。なお、環境音選定部333は、判定結果「人歩行」を受信した場合等、基準環境音データの加工を必要としない場合には、基準環境音データを環境音加工部339に供給せずに、環境音再生部335に供給してもよい。
【0064】
環境音加工部339は、加工パラメータを用いて、選定された基準環境音データを加工する。環境音加工部339は、例えば、加工パラメータ「2.0」を用いて、基準環境音データ「人歩行」から再生速度を2倍にした環境音データ「人走行」に加工する。環境音加工部339は、環境音データ「人走行」等、加工された環境音データを環境音再生部335に供給する。なお、基準環境音データは、再生速度の変更以外にも、再生音量の変更、再生音質の変更等により加工されてもよい。
【0065】
[4−2.環境音再生システム300の動作方法]
図9は、第3の実施形態に係る環境音再生システム300の動作方法を示すシーケンス図である。
【0066】
図9に示すように、検知対象Oが人であって、その人による9km/hの移動が検知されると、移動速度センサであるセンサ部311は、人の移動状態を検知し(S301)、人の移動状態を表す検知データ「9km/h」を状態判定部313に供給する(S303)。状態判定部313は、検知データ「9km/h」から人の移動状態を判定し(S305)、判定結果「人走行」を生成する。通信部315は、判定結果「人走行」を環境音再生装置330に送信する(S307)。
【0067】
環境音選定部333は、判定結果「人走行」に基づいて、基準環境音データ「人歩行」および加工パラメータ「2.0」を環境音DB331から選定し(S309)、環境音加工部339に供給する(S311)。環境音加工部339は、加工パラメータに基づいて、基準環境音データ「人歩行」から再生速度を2倍にした環境音データ「人走行」に加工し(S313)、環境音再生部335に供給する(S315)。環境音再生部335は、加工された環境音データ「人走行」を再生し(S317)、人の走行状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム300のユーザに、少ない環境音データを用いて、検知対象Oである人の多様な移動状態を適切に伝達することができる。
【0068】
以上説明したように、第3の実施形態に係る環境音再生システム300によれば、検知対象Oの状態に対応するように、基準環境音データから加工された環境音データを再生することで、少ない基準環境音データを用いて、検知対象Oの多様な状態を適切に伝達することができる。
【0069】
[5.第4の実施形態]
以下では、図10および図11を参照しながら、本発明の第4の実施形態に係る環境音再生システム400について説明する。なお、第1の実施形態に係る環境音再生システム100と重複する説明は省略する。
【0070】
第1の実施形態に係る環境音再生システム100は、単一の状態情報を用いて検知対象Oの状態を伝達するものである(状態情報は、検知データまたは判定結果のいずれでもよいが、以下では状態情報が判定結果である場合について説明する。)。このため、例えば、ドアの開閉状態の判定結果、ドアの開閉時の移動状態(加速度)の判定結果等、同一検知対象Oの2種別以上の状態の判定結果を用いて、ドアの開閉時の勢い等、検知対象Oの詳細な状態を伝達することができない。第4の実施形態に係る環境音再生システム400は、2種別以上の状態の判定結果の組合せに基づいて、検知対象Oの詳細な状態を適切に伝達可能とするものである。
【0071】
[5−1.環境音再生システム400の機能構成]
図10は、第4の実施形態に係る環境音再生システム400の機能構成例を示すブロック図である。図10に示すように、環境音再生システム400は、2以上のセンサ部411a、411b、…を含む検知装置410、および環境音再生装置430を有する。以下では、ドアの開閉時の加速度を考慮して、ドアの開閉状態に対応する環境音データを再生する場合を例として説明する。なお、センサ部411a、411b、…の数は、3以上でもよく、この場合、3以上のセンサ部411(411a,411b,…)が、同一の検知対象Oに関する3種別以上の各状態を検知してもよい。
【0072】
センサ部411aとセンサ部411bは、同一検知対象Oの2種別の状態を検知する。センサ部411aは、識別情報IDaを割当てられ、ドアの開閉状態を検知するドア開閉センサであり、センサ部411bは、識別情報IDbを割当てられ、ドアの移動状態(開閉時にドアに作用する加速度)を検知する加速度センサである。センサ部411aは、ドアの開閉状態を表す第1の検知データ「開」または「閉」を、自らの識別情報IDaとともに状態判定部413に供給する。センサ部411bは、ドアの移動状態(加速度)を表す第2の検知データ、例えば「0.5m/s2」、「1.0m/s2」を、自らの識別情報IDbとともに状態判定部413に供給する。
【0073】
状態判定部413は、2以上の検知データから検知対象Oの詳細な状態を判定する。状態判定部413は、第1の検知データ「開」または「閉」から第1の判定結果「ドア開」または「ドア閉」を生成する。状態判定部413は、第2の検知データ「0.5m/s2未満」または「0.5m/s2以上」から第2の判定結果「加速度小」または「加速度大」を生成する。そして、状態判定部413は、第1および第2の判定結果を組合せて、判定結果を生成する。状態判定部413は、例えば、第1および第2の判定結果が「ドア開」および「加速度小」であれば、判定結果「勢いの弱いドア開」を生成し、「ドア閉」および「加速度大」であれば、判定結果「勢いの強いドア閉」を生成する。
【0074】
環境音DB431は、例えば、環境音データ「勢いの弱いドア開」、「勢いの強いドア開」、「勢いの弱いドア閉」、「勢いの強いドア閉」を、ドアの開閉状態および移動状態に関連付けて格納する。
【0075】
環境音選定部433は、例えば、判定結果「勢いの弱いドア開」を受信すると、環境音データ「勢いの弱いドア開」を選定し、判定結果「勢いの強いドア閉」を受信すると、環境音データ「勢いの強いドア閉」を選定する。
【0076】
なお、環境音再生装置430が第3の実施形態に係る環境音加工部339を含む場合、検知装置410は、第1および第2の判定結果を環境音再生装置430に送信し、環境音再生装置430は、第1および第2の判定結果に基づいて、環境音データを加工して再生してもよい。この場合、環境音加工部339は、例えば、第1および第2の判定結果「ドア開」および「加速度大」に基づいて、予め準備されている環境音データ「ドア開」から再生速度および再生音量を1.5倍にした環境音データ「勢いの強いドア開」を加工する。
【0077】
[5−2.環境音再生システム400の動作方法]
図11は、第4の実施形態に係る環境音再生システム400の動作方法を示すシーケンス図である。
【0078】
図11に示すように、検知対象Oであるドアが開かれると、センサ部411aは、ドアの開状態を検知し(S401)、ドアの開状態を表す第1の検知データ「開」および自らの識別情報IDaを状態判定部413に供給する(S403)。状態判定部413は、第1の検知データ「開」および識別情報IDaからドアの開閉状態を判定し(S405)、第1の判定結果「ドア開」を生成する。また、センサ部411bは、ドアの移動状態を検知し(S407)、ドアの移動状態を表す第2の検知データ「1.0m/s2」および自らの識別情報IDbを状態判定部413に供給する(S409)。状態判定部413は、第2の検知データ「1.0m/s2」および識別情報IDbから、ドアの移動状態を判定し(S411)、第2の判定結果「加速度大」を生成する。そして、状態判定部413は、第1および第2の判定結果を組合せて判定結果「勢いの強いドア開」を生成する(S413)。通信部415は、判定結果「勢いの強いドア開」を環境音再生装置430に送信する(S415)。
【0079】
環境音選定部433は、判定結果「勢いの強いドア開」に基づいて、環境音データ「勢いの強いドア開」を環境音DB431から選定し(S417)、環境音データ「勢いの強いドア開」を環境音再生部435に供給する(S419)。環境音再生部435は、環境音データ「勢いの強いドア開」を再生し(S421)、勢いの強いドアの開状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム400のユーザに、2種別以上の検知データの組合せに基づいて、検知対象Oであるドアの詳細な開閉状態を適切に伝達することができる。
【0080】
以上説明したように、第4の実施形態に係る環境音再生システム400によれば、同一検知対象Oの2種別以上の状態を表す状態情報を検知装置410から受信し、検知対象Oの状態に対応する環境音データを選定して再生することで、2種別以上の状態情報の組合せに基づいて、検知対象Oの詳細な状態を適切に伝達することができる。
【0081】
[6.第5の実施形態]
以下では、図12および図13を参照しながら、本発明の第5の実施形態に係る環境音再生システム500について説明する。なお、第1、第2の実施形態に係る環境音再生システム100、200と重複する説明は省略する。
【0082】
第2の実施形態に係る環境音再生システムは、単一の環境音再生部235を用いて2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を伝達するものである。このため、例えば、ドアAおよびドアBの開閉状態を2以上の環境音再生部により各々に再生する等、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達することができない。第5の実施形態に係る環境音再生システム500は、単一の環境音再生装置530を用いて、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達可能とするものである。
【0083】
[6−1.環境音再生システム500の機能構成]
図12は、第5の実施形態に係る環境音再生システム500の機能構成例を示すブロック図である。図12に示すように、環境音再生システム500は、2以上のセンサ部511a、511b、…を含む検知装置510、および2以上の環境音再生部535a、535b、…を含む環境音再生装置530を有する。以下では、ドアAおよびドアBの開閉状態に対応する環境音データを再生する場合を例として説明する。なお、環境音再生部535a、535b、…の数は、3以上でもよい。
【0084】
センサ部511a、511bは、識別情報IDa、IDbを各々に割当てられ、ドアAおよびドアBの開閉状態を各々に検知するドア開閉センサである。センサ部511a、511bは、ドアAおよびドアBの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」を、自らの識別情報IDa、IDbとともに状態判定部513に供給する。ここで、識別情報とは、センサ部511を識別するとともに、環境音再生部535をも識別する情報である。
【0085】
状態判定部513は、ドアの開閉状態を表す検知データ「開」または「閉」から判定結果「ドア開」および「ドア閉」を各々に生成する。
【0086】
通信部515は、ドアAおよびドアBの状態の判定結果、およびセンサ部511a、511bの識別情報を環境音再生装置530に送信する。
【0087】
環境音DB531は、環境音データ「ドア開」および「ドア閉」を判定結果としてのドアの開状態および閉状態に各々に関連付けて格納する。
【0088】
環境音選定部533は、判定結果「ドア開」または「ドア閉」と、識別情報とを受信すると、まず、判定結果に基づいて、環境音データ「ドア開」または「ドア閉」を選定する。次に、環境音選定部533は、選定された環境音データを、識別情報に対応するように予め設定された環境音再生部535a、535bに供給する。環境音選定部533は、例えば、判定結果「ドア開」および識別情報IDaを受信すると、環境音再生部535aに環境音データ「ドア開」を供給し、判定結果「ドア閉」および識別情報IDbを受信すると、環境音再生部535bに環境音データ「ドア閉」を供給する。
【0089】
環境音再生部535は、センサ部511a、511bと予め対応付けられた環境音再生部535a、535bからなる。環境音再生部535a、535bは、環境音選定部533から供給された環境音データを再生し、環境音データに対応する環境音を外部に出力する。ここで、例えば、環境音再生部535aは、センサ部511aの検知データに対応する環境音データを再生し、環境音再生部535bは、センサ部511bの検知データに対応する環境音データを再生する。なお、環境音再生部535a、535bは、センサ部511a、511bの数に対応するように設けられなくてもよい。この場合、環境音の再生機能を有する環境音再生部が単一で設けられ、通信手段を介して接続可能な状態で、スピーカ等の環境音出力手段がセンサ部511a、511b、…の数に対応するように設けられてもよい。
【0090】
[6−2.環境音再生システム500の動作方法]
図13は、第5の実施形態に係る環境音再生システム500の動作方法を示すシーケンス図である。
【0091】
図13に示すように、検知対象OaであるドアAが開かれると、センサ部511aは、ドアAの開状態を検知し(S501)、ドアAの開状態を表す検知データ「開」および自らの識別情報IDaを状態判定部513に供給する(S503)。状態判定部513は、検知データ「開」からドアAの開閉状態を判定し(S505)、判定結果「ドア開」を生成する。通信部515は、判定結果「ドア開」および識別情報IDaを環境音再生装置530に送信する(S507)。
【0092】
環境音選定部533は、判定結果「ドア開」に基づいて、環境音データ「ドア開」を環境音DB531から選定する(S509)。環境音選定部533は、識別情報IDaに基づいて、環境音データの供給先として環境音再生部535aを選定し(S511)、環境音データ「ドア開」を環境音再生部535aに供給する(S513)。環境音再生部535aは、環境音データ「ドア開」を再生し(S515)、ドアの開状態を表す環境音を外部に出力する。
【0093】
一方、検知対象ObであるドアBが閉じられると、センサ部511bは、ドアBの閉状態を検知し(S521)、ドアBの閉状態を表す検知データ「閉」および自らの識別情報IDbを状態判定部513に供給する(S523)。状態判定部513は、検知データ「閉」からドアBの開閉状態を判定し(S525)、判定結果「ドア閉」を生成する。通信部515は、判定結果「ドア閉」および識別情報IDbを環境音再生装置530に送信する(S527)。
【0094】
環境音選定部533は、判定結果「ドア閉」に基づいて、環境音データ「ドア閉」を環境音DB531から選定する(S529)。環境音選定部533は、識別情報IDbに基づいて、環境音データの供給先として環境音再生部535bを選定し(S531)、環境音データ「ドア閉」を環境音再生部535bに供給する(S533)。環境音再生部535bは、環境音データ「ドア閉」を再生し(S535)、ドアの閉状態を表す環境音を外部に出力する。これにより、環境音再生システム500のユーザに、単一の環境音再生装置530を用いて、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達することができる。
【0095】
以上説明したように、第5の実施形態に係る環境音再生システム500によれば、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を各々に表す状態情報を検知装置510から受信し、各検知対象Oa、Ob、…の状態に対応する環境音データを選定し、各検知対象Oa、Ob、…に対応する環境音再生部535a、535b、…により再生することで、単一の環境音再生装置530を用いて、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達することができる。
【0096】
[6.環境音再生装置のハードウェア構成]
図14を参照しながら、本発明の実施形態に係る環境音声再生装置130、180、230、330、430、530のハードウェア構成について説明する。図5は、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0097】
環境音声再生装置130、180、230、330、430、530は、主に、CPU901、ROM903、RAM905、内部バス907、入出力インタフェース909、入力部911、出力部913、ストレージ915、ドライブ917、ネットワークインタフェース919、外部インタフェース921を含んで構成される。
【0098】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ915、リムーバブル記録媒体に記録された各種プログラムに従って、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530の動作を少なくとも部分的に制御する。ROM903は、CPU901が用いるプログラムやパラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が実行するプログラム、プログラム実行時のパラメータ等を一時記憶する。CPU901、ROM903、RAM905は、内部バス907により互いに接続される。内部バス907は、入出力インタフェース909に接続される。
【0099】
入力部911は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ等、ユーザが操作可能な操作手段である。入力部911は、操作手段を用いてユーザにより入力された操作情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等を含んで構成される。環境音声再生装置130、180、230、330、430、530のユーザは、入力部911の操作を介して、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530に対して各種のデータを入力し、処理動作を指示する。
【0100】
出力部913は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ランプ等の表示装置、スピーカ、ヘッドフォン等の音声出力装置、プリンタ、携帯電話機、ファクシミリ等、取得された情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知可能な装置を含んで構成される。出力部913は、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530の処理結果を出力する。例えば、表示装置は、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530による処理結果を、テキスト情報またはイメージ情報として表示し、音声出力装置は、再生された音声データ、音響データ等のオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
【0101】
ストレージ915は、データ格納用の装置であり、例えば、HDD等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等を含む。ストレージ915は、例えば、環境音DB(15、131、183、…、531)、CPU901が実行するプログラム、各種データ、外部から取得された各種データ等を格納する。
【0102】
ドライブ917は、記録媒体用リーダライタであり、環境音声再生装置130、180、230、330、430、530に内蔵または外付けされる。ドライブ917は、装着される磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に対して、記録済みデータを読出してRAM905に出力し、記録対象のデータを書き込む。
【0103】
ネットワークインタフェース919は、通信網Nに接続するための通信デバイス等から構成される。ネットワークインタフェース919は、例えば、有線または無線LAN、WUSB用の通信カード、ADSL用のルータ、通信用モデム等である。ネットワークインタフェース919は、例えばインターネットや他の通信機器との間で、所定のプロトコルに則して信号等を送受信する。ネットワークインタフェース919に接続される通信網Nは、有線または無線により接続されたネットワーク等により構成され。例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信、または衛星通信等でもよい。
【0104】
外部インタフェース921は、例えば、USBポート、SCSIポート、RS232Cポート等、外部機器を環境音声再生装置130、180、230、330、430、530に直接接続するためのポートである。環境音声再生装置130、180、230、330、430、530は、外部インタフェース921に接続された外部機器に対して、外部インタフェース921を介してデータを取得し、データを提供する。
【0105】
以上、本発明の実施形態に係る環境音声再生装置130、180、230、330、430、530の機能を実現するためのハードウェア構成の一例について説明した。なお、上記ハードウェアの各構成要素は、汎用的なデバイスを用いて構成されてもよく、各構成要素の機能の特化したデバイスを用いて構成されてもよい。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0107】
以上、第1〜第5の実施形態に係る環境音再生システム100、200、300、400、500について、各実施形態の機能的特徴に着目して説明した。しかし、例えば、第2および第5の実施形態の機能的特徴を組合せて、単一の環境音再生装置を用いて、各検知対象Oa、Ob、…に対応する環境音再生部により、2以上の検知対象Oa、Ob、…の状態を適切に伝達してもよい。
【符号の説明】
【0108】
100、150、200、300、400、500 環境音再生システム
110、160、210、310、410、510 検知装置
111、161、211a、211b、311、411a、411b、511a、511b センサ部
113、181、213、313、413、513 状態判定部
115、163、215、315、415、515 通信部
130、180、230、330、430、530 環境音再生装置
131、183、231、331、431、531 環境音DB
133、185、233、333、433、533 環境音選定部
135、187、235、335、435、535a、535b 環境音再生部
137、189、237、337、437、537 通信部
539 環境音加工部
O、Oa、Ob 検知対象
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信する受信部と、
前記検知対象の各状態に対応する1以上の環境音データを格納する環境音格納部と、
前記検知装置から受信された前記状態情報に基づいて、前記環境音格納部に格納されている前記1以上の環境音データから、前記検知対象の状態に対応する環境音データを選定する環境音選定部と、
前記環境音選定部により選定された前記環境音データを再生する環境音再生部と、
を備える環境音再生装置。
【請求項2】
前記受信部は、2以上の検知対象の状態を検知可能な外部の検知装置から、前記各検知対象の状態を表す状態情報、および前記検知対象を識別する識別情報を受信し、
前記環境音選定部は、前記検知装置から受信された、前記状態情報および前記識別情報の組合せに基づいて、前記環境音格納部に格納されている前記1以上の環境音データから、前記各検知対象の状態および前記識別情報の組合せに対応する環境音データを選定する、請求項1に記載の環境音再生装置。
【請求項3】
前記環境音格納部は、前記検知対象の各状態のうちいずれか1つの状態に対応する基準環境音データを格納しており、
前記環境音選定部により選定された前記基準環境音データを、前記検知装置から受信された前記状態情報に基づいて、前記検知装置から受信された前記検知対象の状態に対応する環境音データに加工する環境音加工部をさらに備え、
前記環境音再生部は、前記環境音加工部により加工された前記環境音データを再生する、請求項1に記載の環境音再生装置。
【請求項4】
前記受信部は、同一検知対象の2種別以上の各種の状態を検知可能な外部の検知装置から、前記検知対象の2種別以上の各種の状態を表す状態情報を受信し、
前記環境音選定部は、前記検知装置から受信された前記検知対象の2種別以上の各種の状態を表す状態情報に基づいて、前記環境音格納部に格納されている前記1以上の環境音データから、前記検知対象の2種別以上の各種の状態に対応する環境音データを選定する、請求項1に記載の環境音再生装置。
【請求項5】
前記受信部は、2以上の検知対象の状態を検知可能な外部の検知装置から、前記各検知対象の状態を表す状態情報を受信し、
前記環境音再生部は、前記2以上の検知対象に各々に対応する2以上の環境音再生部からなり、
前記環境音選定部は、前記検知装置から受信された前記各状態情報に基づいて、前記環境音格納部に格納されている前記1以上の環境音データから、前記各検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、
前記環境音再生部は、前記環境音選定部により選定された前記環境音データを、前記各検知対象に対応する前記環境音再生部により再生する、請求項1に記載の環境音再生装置。
【請求項6】
検知対象の状態を検知可能な検知装置および環境音再生装置を有し、
前記環境音再生装置は、
前記検知対象の状態を表す状態情報を外部の前記検知装置から受信する受信部と、
前記検知対象の各状態に対応する1以上の環境音データを格納する環境音格納部と、
前記検知装置から受信された前記状態情報に基づいて、前記環境音格納部に格納されている前記1以上の環境音データから、前記検知対象の状態に対応する環境音データを選定する環境音選定部と、
前記環境音選定部により選定された前記環境音データを再生する環境音再生部と、
を備える環境音再生システム。
【請求項7】
検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信し、
前記検知装置から受信された前記状態情報に基づいて、前記検知対象の各状態に対応するように予め格納されている1以上の環境音データから、前記検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、
前記選定された環境音データを再生する環境音再生方法。
【請求項8】
検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信し、
前記検知装置から受信された前記状態情報に基づいて、前記検知対象の各状態に対応するように予め格納されている1以上の環境音データから、前記検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、
前記選定された環境音データを再生する環境音再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信する受信部と、
前記検知対象の各状態に対応する1以上の環境音データを格納する環境音格納部と、
前記検知装置から受信された前記状態情報に基づいて、前記環境音格納部に格納されている前記1以上の環境音データから、前記検知対象の状態に対応する環境音データを選定する環境音選定部と、
前記環境音選定部により選定された前記環境音データを再生する環境音再生部と、
を備える環境音再生装置。
【請求項2】
前記受信部は、2以上の検知対象の状態を検知可能な外部の検知装置から、前記各検知対象の状態を表す状態情報、および前記検知対象を識別する識別情報を受信し、
前記環境音選定部は、前記検知装置から受信された、前記状態情報および前記識別情報の組合せに基づいて、前記環境音格納部に格納されている前記1以上の環境音データから、前記各検知対象の状態および前記識別情報の組合せに対応する環境音データを選定する、請求項1に記載の環境音再生装置。
【請求項3】
前記環境音格納部は、前記検知対象の各状態のうちいずれか1つの状態に対応する基準環境音データを格納しており、
前記環境音選定部により選定された前記基準環境音データを、前記検知装置から受信された前記状態情報に基づいて、前記検知装置から受信された前記検知対象の状態に対応する環境音データに加工する環境音加工部をさらに備え、
前記環境音再生部は、前記環境音加工部により加工された前記環境音データを再生する、請求項1に記載の環境音再生装置。
【請求項4】
前記受信部は、同一検知対象の2種別以上の各種の状態を検知可能な外部の検知装置から、前記検知対象の2種別以上の各種の状態を表す状態情報を受信し、
前記環境音選定部は、前記検知装置から受信された前記検知対象の2種別以上の各種の状態を表す状態情報に基づいて、前記環境音格納部に格納されている前記1以上の環境音データから、前記検知対象の2種別以上の各種の状態に対応する環境音データを選定する、請求項1に記載の環境音再生装置。
【請求項5】
前記受信部は、2以上の検知対象の状態を検知可能な外部の検知装置から、前記各検知対象の状態を表す状態情報を受信し、
前記環境音再生部は、前記2以上の検知対象に各々に対応する2以上の環境音再生部からなり、
前記環境音選定部は、前記検知装置から受信された前記各状態情報に基づいて、前記環境音格納部に格納されている前記1以上の環境音データから、前記各検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、
前記環境音再生部は、前記環境音選定部により選定された前記環境音データを、前記各検知対象に対応する前記環境音再生部により再生する、請求項1に記載の環境音再生装置。
【請求項6】
検知対象の状態を検知可能な検知装置および環境音再生装置を有し、
前記環境音再生装置は、
前記検知対象の状態を表す状態情報を外部の前記検知装置から受信する受信部と、
前記検知対象の各状態に対応する1以上の環境音データを格納する環境音格納部と、
前記検知装置から受信された前記状態情報に基づいて、前記環境音格納部に格納されている前記1以上の環境音データから、前記検知対象の状態に対応する環境音データを選定する環境音選定部と、
前記環境音選定部により選定された前記環境音データを再生する環境音再生部と、
を備える環境音再生システム。
【請求項7】
検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信し、
前記検知装置から受信された前記状態情報に基づいて、前記検知対象の各状態に対応するように予め格納されている1以上の環境音データから、前記検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、
前記選定された環境音データを再生する環境音再生方法。
【請求項8】
検知対象の状態を表す状態情報を外部の検知装置から受信し、
前記検知装置から受信された前記状態情報に基づいて、前記検知対象の各状態に対応するように予め格納されている1以上の環境音データから、前記検知対象の状態に対応する環境音データを選定し、
前記選定された環境音データを再生する環境音再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−239245(P2010−239245A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82750(P2009−82750)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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