説明

生ごみ処理機

【課題】熱効率を改善し、臭気の拡散を抑止できるバイオ式の生ごみ処理機を提供する。
【解決手段】加熱手段63により加熱された槽内で生ごみを微生物と攪拌・混合する処理槽60と、処理槽で発生した蒸気を冷却して水と空気に分離する凝縮器10と、分離された空気の臭気を除去する脱臭器20と、各部を接続する連結管41,42,43,44,45と、気体を循環させる吸気ファン32とを備え、脱臭器20で脱臭された空気が処理槽60に帰還する生ごみ処理機であって、連結管44から脱臭器20に流入する空気が処理槽60の加熱手段63の熱で昇温され、また、連結管45に設けられた弁34が、処理槽60の生ごみ投入口613の開閉と逆に開閉し、投入口613が閉じているとき、処理槽60への空気の帰還が行われ、投入口513が開いているとき、空気の帰還が停止される。バイオ式生ごみ処理機の熱効率を改善し、臭気拡散を抑止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ごみを微生物と混合して発酵処理するバイオ式の生ごみ処理機に関し、特に、熱効率の向上と、悪臭の拡散防止とを図るものである。
【背景技術】
【0002】
生ごみは、一般家庭よりも、食品の製造工場、加工工場、卸売り店、小売店、飲食店その他食事の提供を伴う各種施設、学校、福祉施設、病院などで多量に発生し、これらの施設等では、処理能力が高い業務用生ごみ処理機を設置して生ごみの処理に当たっている。
現在、業務用生ごみ処理機では、生ごみを微生物と混合し、発酵処理することで生ごみの減量化を図るバイオ式の生ごみ処理機と、生ごみに熱を加え、水分を蒸発させることで生ごみを減量化する乾燥式の生ごみ処理機とが普及している。
【0003】
バイオ式生ごみ処理機の多くは、微生物の活性化や生成物の水分調整を図るために加熱(保温)手段を備えているが、その加熱温度は、60〜80℃程度である。
これに対して、乾燥式生ごみ処理機は、乾燥を目的とする加熱手段を備えており、その加熱温度は、100℃以上に設定される。
また、生ごみを処理する標準処理時間(機器に投入した標準処理量の生ごみが処理されるまでの時間)は、乾燥式では12時間未満であるが、バイオ式では、12時間を超えている。
【0004】
下記特許文献1には、生ごみを乾燥するときに発生する水蒸気を処理槽から導出し、水分と悪臭とを除いた後に処理槽に戻す乾燥式生ごみ処理機が開示されている。
この装置は、図7に示すように、生ごみを破砕して加熱乾燥する処理槽100と、処理槽100内で発生した蒸気を冷却して水と空気に分離する凝縮器200と、凝縮器200で分離された水を濾過して排出するドレーン500と、凝縮器200で分離された空気の臭気を除去する脱臭器300とを備えている。
処理槽100では、攪拌翼130により生ごみが攪拌され、攪拌翼130と槽内壁に固定された破砕機能部との間で生ごみが細かく破砕される。また、槽底面の外側は、オイル内に加熱ヒータが配置されたオイルヒータ120で囲まれており、このオイルヒータの熱で、破砕された生ごみが乾燥され、乾燥時に発生した蒸気が凝縮器200に送られる。
【0005】
凝縮器200では、蒸気が、複数の冷却フィン付き細管内を通過する過程で冷却ファンにより冷却され、水と空気に分離される。この水は、ドレーン500内の活性炭素で濾過された後、排水される。
脱臭器300は、白金触媒層を有する脱臭部320と、脱臭部320に流入する空気を加熱する電気ヒータ330とを備えており、凝縮器200で分離された空気は、電気ヒータ330で加熱され、脱臭部320の白金触媒層で臭いが除去される。
脱臭器300を通過した空気は、処理槽100に戻され、一部が処理槽100内の圧力調整のために冷却排出管380から排出される。
この装置では、生ごみの乾燥時に発生する蒸気から空気を分離し、それを循環させて再利用しているため、臭気の装置外への拡散及び熱損失の発生を抑えることができる。
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3109984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、生ごみをバイオ式生ごみ処理機で処理したときの生成物は、堆肥として再利用できるが、乾燥式生ごみ処理機の生成物は、堆肥化することが難しく、埋立てに使用されたり、焼却されたりしている。そのため、生ごみの資源化を進める上では、バイオ式の方が適している。
本発明者等は、先に、地域住民の各家庭から出る生ごみを資源として活用するためのシステムを提案している(特願2007−144117)。
このシステムでは、地域毎にバイオ式の業務用生ごみ処理機を設置し、この処理機に家庭の生ごみを投入した人には、何らかの特典を与え、また、生ごみ処理機の生成物は、堆肥用として契約農家や希望者に配布することとしている。
このシステムを実現する上で、バイオ式生ごみ処理機は、乾燥式生ごみ処理機に比べて、生ごみの資源化以外の点でも、幾つかの有利な点を有している。
【0008】
即ち、乾燥式生ごみ処理機では、生ごみが高温で加熱されるために危険性が高い。これに対し、バイオ式生ごみ処理機の加熱温度は低いために危険性が少ない。
また、乾燥式生ごみ処理機では、生ごみのバッチ処理が基本であり、一回の処理完了ごとに生成物を取り出し、その後に新たな生ごみを投入する必要がある。この手順が守られずに、粉砕・乾燥された生ごみが繰り返し加熱されると、火災や爆発を引き起こす危険がある。これに対し、バイオ式生ごみ処理機では、投入口から随時生ごみを投入することができる。
ただし、発酵処理過程にあるバイオ式生ごみ処理機の投入口を開けると、処理槽内の熱が投入口から逃げるために熱効率が低下し、また、未発酵の生ごみの臭気が投入口から外に拡散するという問題がある。
【0009】
本発明は、こうした事情を考慮して創案したものであり、熱効率を改善し、臭気の拡散を抑えることができるバイオ式の生ごみ処理機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の生ごみ処理機は、加熱手段により加熱された槽内で生ごみを微生物と攪拌・混合する処理槽と、前記処理槽で発生した蒸気を冷却して水と空気に分離する凝縮器と、分離された空気の臭気を除去する脱臭器と、前記処理槽及び凝縮器の間、前記凝縮器及び脱臭器の間、並びに、前記脱臭器及び処理槽の間を接続する連結管と、前記連結管を介して気体を循環させるために前記連結管の途中に配置された吸気ファンと、を備え、前記脱臭器で脱臭された空気が前記処理槽に帰還する生ごみ処理機であって、前記脱臭器の流入口に連結された連結管から該脱臭器に流入する空気が、前記処理槽の加熱手段の熱を利用して昇温され、前記脱臭器及び処理槽の間を接続する連結管に設けられた弁が、前記処理槽に生ごみを投入する投入口の開閉と逆に開閉し、前記投入口が閉じているとき、前記脱臭器から前記処理槽への空気の帰還が行われ、前記投入口が開いているとき、前記脱臭器から前記処理槽への空気の帰還が停止されることを特徴としている。
この生ごみ処理機では、処理槽の加熱手段の熱が、処理槽内を温めるだけでなく、脱臭器に流入する空気を温めるためにも使用され、また、脱臭器から流出する温かい空気が、処理槽内に流入して処理槽の昇温に貢献する。また、処理槽の投入口が開かれると、脱臭器から処理槽への空気流入が遮断され、一方、処理槽から凝縮器への蒸気(空気)の流出は継続しているため、処理槽内が負圧になり、投入口からの臭気を伴う空気の流出が抑えられる。
【0011】
また、本発明の生ごみ処理機では、前記処理槽の加熱手段として、熱媒体油と加熱ヒータとを収容した加温ジャケットを用い、前記脱臭器の流入口に連結する前記連結管の一部が前記加温ジャケットに接触するように構成することができる。
この場合、脱臭器に流入する空気は、処理槽の加温ジャケットで温められる。
【0012】
また、本発明の生ごみ処理機では、前記脱臭器として、白金触媒層を備えた脱臭器を用いることができる。
白金触媒層で脱臭する脱臭器は、脱臭性能が高い。
【0013】
また、本発明の生ごみ処理機では、前記投入口を、該投入口の下端に配置された水平軸を中心に所定角度回転する回転扉で開閉可能に塞ぐように構成することができる。
【0014】
また、本発明の生ごみ処理機では、前記吸気ファンを、前記凝縮器及び脱臭器の間を接続する連結管の途中に配置することができる。
この吸気ファンは、凝縮器により水分が除去された空気と接触するため、羽根が水分で濡れる状態を回避できる。そのため、安定した吸気を続けることができる。
【0015】
また、本発明の生ごみ処理機では、さらに、前記処理槽及び凝縮器の間を接続する連結管の途中に、連結管内で回転する風車を配置し、前記風車の羽根をフィルタ紙で構成し、前記フィルタ紙を通過せずに前記羽根の上に堆積した堆積物が、前記羽根の回転で、前記風車の周囲に設けられた収容溝に蓄積されるように構成することができる。
この風車のフィルタ機能で、凝縮器や脱臭器の目詰まりを減らし、本来の性能を発揮させることができる。
【0016】
また、本発明の生ごみ処理機では、前記脱臭器及び処理槽の間を接続する連結管に、エジェクタを介して、外気を取り入れる管を連結しても良い。
こうすることで、発酵に必要な酸素を含む新鮮な空気を常に処理槽に供給することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、バイオ式生ごみ処理機の熱効率を改善し、臭気の拡散を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の生ごみ処理機の実施形態について、図面を基に説明する。
図1は、この生ごみ処理機の概念図であり、図2は、この生ごみ処理機の全体構成を模式的に示している。また、図3は処理槽、図4は処理槽の投入口、図5は処理槽内の攪拌槽(図5(a)が断面図、図5(b)が平面図)、図6はフィルタ用風車(図6(a)が断面図、図6(b)が図6(a)のA−A位置での平面図、図6(c)が取付状態図)を示している。
【0019】
この生ごみ処理機は、図1に示すように、加熱手段を有するバイオ式の処理槽60と、処理槽60で発生した蒸気を冷却して水と空気に分離する凝縮器10と、分離された空気の臭気を除去する脱臭器20とを備えている。処理槽60で発生した蒸気は、連結管を通って凝縮器10に送られ、凝縮器10で水と分離された空気は、連結管を通って脱臭器20に送られ、脱臭器20で脱臭された空気は、連結管を通って処理槽60に還流する。
この処理槽60、凝縮器10及び脱臭器20は、一つの筐体内に収めるように構成しても良いし、それらを独立した状態で配置し、連結管で接続するようにしても良い。ここでは、説明の都合上、後者の例を示している。
【0020】
この生ごみ処理機は、図2に示すように、処理槽60、凝縮器10、脱臭器20の他に、処理槽60及び凝縮器10間を接続する連結管41、42の途中に配置されたフィルタ用風車70と、凝縮器10及び脱臭器20間を接続する連結管43、44の途中に配置された吸着ファン32と、凝縮器10、連結管43及び吸着ファン32に溜まった水を濾過して排水するドレーン31と、脱臭器20及び処理槽60間を接続する連結管45に、エジェクタ33を介して連結された外気取り入れ管46と、連結管45に配置された電動弁34とを備えており、また、脱臭器20の流入口に連結された連結管44の一部は、後述する処理槽60の加温ジャケット63に沿って配置されている。
【0021】
処理槽60は、図3に示すように、生ごみを微生物と攪拌する攪拌槽62と、攪拌槽62を温める加温ジャケット63と、攪拌槽62及び加温ジャケット63を収容する筐体61とを有している。
筐体61は、空の状態の攪拌槽62に菌床や生ごみを大量投入するための搬入口611と、発酵処理が終了した生成物を取り出すための排出口612と、発酵処理過程の攪拌槽62に生ごみを投入するための投入口613と、カードリーダ614とを備えている。
図4に示すように、投入口613には、投入口613の下端の水平軸615を中心に回転できる回転扉616と側壁617とが設けられている。この回転扉616及び側壁617は、水平軸615の周りを90度以内の定められた角度だけ回転することができ、回転扉616を手前に引き出せば、投入口613が開いて、生ごみの投入が可能になる(図4(a))。逆に、側壁617が全て筐体61内に収まるように回転扉616を押し込めば、投入口613は閉じる。
【0022】
筐体61には、回転扉616を施錠する電気錠618が設けられている。この電気錠618は、通電時に開錠可能となり、手動操作で操作部619を回転扉616の係合位置から移動することができる。また、手動操作で操作部619を回転扉616の係合位置に戻すと、次に通電されるまで施錠状態が維持される(図4(b))。
カードリーダ614は、例えば、地域住民が所有するポイントカードの情報を読み取るためのものであり、家庭の生ごみを持参した住民が、カードリーダ614にポイントカードを差し込むと、カード情報が読み取られて、電気錠618への通電が行われ、投入口613からの生ごみの投入が可能になる。同時に、ポイントカードには、ポイントが加算される。
【0023】
攪拌槽62は、図5に示すように、モータ(不図示)で回転する攪拌翼621を有している。攪拌槽62の底面は、加熱手段の加温ジャケット63で覆われている。この加温ジャケット63は、熱媒体油631と加熱ヒータ632とから成るオイルヒータであり、この加温ジャケット63の外面に沿って、連結管44が配管されている。
フィルタ用風車70は、図6に示すように、連結管41、42からの取り外しが可能な円筒状フレーム74の中心に支持部材73で軸支されている。この風車70は、枠にフィルタ紙を貼った複数の羽根71を有し、連結管41を流れる気流で回転する。円筒状フレーム74には、円環状の溝72が設けられており、フィルタ紙を通過せずに羽根71の上に堆積した堆積物は、羽根71の回転で振り落とされて、この溝72に蓄積される。
【0024】
凝縮器10は、図2に示すように、複数の冷却フィン付き細管11を具備し、この細管11内を通過する蒸気を冷却ファン(不図示)で冷却して水と空気に分離する。
ドレーン31は、凝縮器10で分離された水や、連結管43及び吸着ファン32に回った水を集めて、活性炭素で濾過し、また、消石灰で中性化した後、排水する。
吸着ファン32は、連結管43側の空気を吸引して、連結管44側に吐出する。連結管41、42、43、44、45で繋がれた循環流路の気体は、吸着ファン32の吸着力だけで循環している。
吸着ファン32と脱臭器20との間の連結管44は、その一部が処理槽60の加温ジャケット63に接触している。そのため、連結管44を流れる空気は、加温ジャケット63で加熱されて脱臭器20に流入する。
【0025】
脱臭器20は、蜂の巣状の孔の表面に白金触媒層を有しており、熱せられた空気が、この孔を通過する際に、空気に含まれる臭気が取り除かれる。
この脱臭器20から流出して処理槽60に向かう空気の流れは、エジェクタ33内に負圧を発生させる。この負圧により、外気取り入れ管46から、発酵に必要な酸素を含む新鮮な空気が吸引され、脱臭器20から流出した空気と混合されて処理槽60に送られる。
【0026】
電動弁34は、投入口613が開いているときに閉じ、投入口613が閉じているときに開くように制御部(不図示)で制御される。即ち、開錠可能な状態の電気錠618の操作部619を回転扉616の係合位置から移動すると、センサの情報でそれを検知した制御部が、電動弁34を閉じる。また、電気錠618の操作部619が回転扉616の係合位置に戻されると、センサの情報でそれを検知した制御部が、電動弁34を開く。
そのため、処理槽60の投入口613が開かれると、連結管45から処理槽60への空気の流入が停止する。しかし、連結管41からの蒸気の流出は継続しているので、処理槽60内が負圧になり、投入口613から空気が流入し、投入口613からの臭気の拡散が抑えられる。
【0027】
この生ごみ処理機では、処理槽60の攪拌槽62の温度が凡そ80℃になるように加温ジャケット63の発熱温度が調整され、その状態で生ごみと微生物との混合及び発酵の処理が行われる。このときに処理槽60内で発生した蒸気は、連結管41からフィルタ用風車70に流入し、ここで蒸気中に含まれるごみの破片等が除去される。
フィルタ用風車70を支持する円筒状フレーム74は、連結管41、42から定期的に外されて、フィルタ紙の交換や溝72に溜まったごみの除去が行われる。
フィルタ用風車70を通過した蒸気は、凝縮器10で水と空気に分離され、水はドレーン31から排出される。空気は、温度が凡そ40℃に低下して凝縮器10から送り出される。
水分が除かれた空気は、連結管44を通過する過程で加温ジャケット63の熱で温められて脱臭器20に流入し、臭いが除去される。
脱臭された温かい空気は、外気取り入れ管46から流入した、発酵に必要な酸素を含む新鮮な空気と混合されて、投入口613が閉じているときだけ、処理槽60に送られる。
【0028】
このように、この生ごみ処理機では、脱臭器20に送り込む空気を加熱するために、処理槽60の加温ジャケット63を利用し、また、脱臭器20で脱臭処理された温かい空気を処理槽60に戻しているため、熱損失を減らし、熱効率を高めることができる。
なお、脱臭器20に流入する空気が、加温ジャケット63の加熱だけでは脱臭器20の最適処理温度に達しない装置では、特許文献1に記載されているように、脱臭器20の手前に流入空気への加熱手段を付加する。この場合でも、加温ジャケット63による加熱を併用することで、加熱手段に要求される加熱量を引き下げることができる。
また、この生ごみ処理機では、処理槽60の投入口613が開いたときに、連結管45から処理槽60への空気の流入を停止しているため、投入口613からの臭気の拡散が抑えられる。
【0029】
また、この生ごみ処理機では、処理槽60から送り出された蒸気に含まれるごみ片等をフィルタ用風車70で除去しているため、凝縮器10や脱臭器20の目詰まりが発生しない。そのため、凝縮器10及び脱臭器20は、本来の性能を長く発揮することができ、凝縮器10及び脱臭器20に対するメンテナンスが容易になる。
また、この生ごみ処理機では、吸気ファン32の循環経路上の配置位置を凝縮器10の後ろに設定しているため、吸気ファン32には、水分を含まない空気が接触する。そのため、吸気ファン32の羽根に水分が付着した場合に生じる吸気性能の低下や故障の発生を回避することができる。
【0030】
また、この生ごみ処理機では、処理槽60に空気を還流する連結管45に、エジェクタ33を介して外気取り入れ管46を接続しているため、発酵に必要な酸素を含む新鮮な空気が常に処理槽60に供給される。外気取り入れ管46から取り入れた外気は、脱臭器20で脱臭処理された温かい空気と混合されるため、外気の供給による処理槽60内の温度低下は発生しない。
【0031】
なお、ここで示した構成は一例であり、本発明は、それに限定されるものではない。ここでは、カードリーダ614によるカード情報の読み取りを、生ごみ投入許可の条件としたが、他の条件に代えても良いし、あるいは、条件を全く設けないこととしても良い。
また、投入口613の施錠は、本発明において必須ではない。投入口613の開閉の検出には、回転扉616の開閉位置にマイクロスイッチを設置する等、適宜の手段を用いることができる。また、回転扉616に代えて引き扉を用いることも可能である。
また、フィルタ用風車70を支持する円筒状フレーム74には、連結管から外さなくても溝72に溜まったごみが掃除できるように、開閉窓等を設けても良い。
また、フィルタ用風車70をモータで回転するようにしても良い。
また、脱臭器20には、白金触媒以外の触媒を用いることもできる。
また、外気取り入れ管46を、連結管44と同様に、加温ジャケット63に沿わせて配管し、外気取り入れ管46から取り入れる外気を加温ジャケット63の熱で温めるようにしても良い。
また、凝縮器10には、自動車用のコンデンサー(冷却装置)を使用することも可能である。
また、本発明の生ごみ処理機は、食品の製造工場、加工工場、卸売り店、小売店、飲食店その他食事の提供を伴う各種施設、学校、福祉施設、病院等で使用することも勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の生ごみ処理機の概念図
【図2】本発明の実施形態に係る生ごみ処理機の全体構成を示す図
【図3】図2の生ごみ処理機の処理槽を示す図
【図4】図2の生ごみ処理機の投入口を示す図
【図5】図2の生ごみ処理機の攪拌槽を示す図
【図6】図2の生ごみ処理機のフィルタ用風車を示す図
【図7】従来の生ごみ処理機を示す図
【符号の説明】
【0033】
10 凝縮器
11 冷却フィン付き細管
20 脱臭器
31 ドレーン
32 吸着ファン
33 エジェクタ
34 電動弁
41 連結管
42 連結管
43 連結管
44 連結管
45 連結管
46 外気取り入れ管
60 処理槽
61 筐体
62 攪拌槽
63 加温ジャケット
70 フィルタ用風車
71 羽根
72 溝
73 支持部材
74 円筒状フレーム
611 搬入口
612 排出口
613 投入口
614 カードリーダ
615 水平軸
616 回転扉
617 側壁
618 電気錠
619 操作部
621 攪拌翼
631 熱媒体油
632 加熱ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段により加熱された槽内で生ごみを微生物と攪拌・混合する処理槽と、
前記処理槽で発生した蒸気を冷却して水と空気に分離する凝縮器と、
分離された空気の臭気を除去する脱臭器と、
前記処理槽及び凝縮器の間、前記凝縮器及び脱臭器の間、並びに、前記脱臭器及び処理槽の間を接続する連結管と、
前記連結管を介して気体を循環させるために前記連結管の途中に配置された吸気ファンと、
を備え、前記脱臭器で脱臭された空気が前記処理槽に帰還する生ごみ処理機であって、
前記脱臭器の流入口に連結された連結管から該脱臭器に流入する空気が、前記処理槽の加熱手段の熱を利用して昇温され、
前記脱臭器及び処理槽の間を接続する連結管に設けられた弁が、前記処理槽に生ごみを投入する投入口の開閉と逆に開閉し、前記投入口が閉じているとき、前記脱臭器から前記処理槽への空気の帰還が行われ、前記投入口が開いているとき、前記脱臭器から前記処理槽への空気の帰還が停止されることを特徴とする生ごみ処理機。
【請求項2】
請求項1に記載の生ごみ処理機であって、前記処理槽の加熱手段が、加温ジャケットに収容された熱媒体油と加熱ヒータとを有し、前記脱臭器の流入口に連結された前記連結管の一部が前記加温ジャケットに接触していることを特徴とする生ごみ処理機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生ごみ処理機であって、前記脱臭器が、白金触媒層を有していることを特徴とする生ごみ処理機。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の生ごみ処理機であって、前記投入口が、該投入口の下端に配置された水平軸を中心に所定角度回転する回転扉により開閉可能に塞がれていることを特徴とする生ごみ処理機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の生ごみ処理機であって、前記吸気ファンが、前記凝縮器及び脱臭器の間を接続する連結管の途中に配置されていることを特徴とする生ごみ処理機。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の生ごみ処理機であって、さらに、前記処理槽及び凝縮器の間を接続する連結管の途中に、連結管内で回転する風車が配置されており、前記風車の羽根がフィルタ紙で構成され、前記フィルタ紙を通過せずに前記羽根の上に堆積した堆積物が、前記羽根の回転により、前記風車の周囲に設けられた収容溝に蓄積されることを特徴とする生ごみ処理機。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の生ごみ処理機であって、前記脱臭器及び処理槽の間を接続する連結管が、エジェクタを介して、外気を取り入れる管に連結されていることを特徴とする生ごみ処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−125689(P2009−125689A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304779(P2007−304779)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(595157259)
【出願人】(507389185)
【Fターム(参考)】