説明

生ごみ処理装置及び生ごみ処理装置の制御方法

【課題】従来の生ごみ処理装置は、悪臭の発生を脱臭プレート等で脱臭することによって防止していた。
【解決手段】本発明は、処理槽内に水分センサーを取り付け、投入物が常に適正状態になるよう、制御部によって制御することで、投入物を最適状態に管理することによって根本から悪臭の発生を防止し、生ごみの分解処理を効率よく行う生ごみ処理装置を提案するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭内より出る生ごみを処理するための生ごみ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の生ごみ処理装置は微生物を含んだ生ごみ処理材などの粒状体を生ごみ処理槽内に収容しておき、そこに生ごみを投入して、微生物によって生ごみを分解処理するもので、残存物が殆んど出ないようになっている。
【0003】
しかしながら生ごみと微生物が充分に接触し、かつ温度、水分、酸素量等を適正に保ち、微生物が増殖するように管理しないと悪臭を発生させる原因をなることがあった。
【0004】
そのために図5に示すような提案、特開2005−193213がなされている。該出願によれば、悪臭を発生させないように処理槽10内に脱臭プレート90を装着した生ごみ処理装置が提案されている。
しかしながら悪臭を発生させる原因は微生物が生ごみを分解処理できないことから発生するものであり、脱臭プレート90で全ての悪臭を取り去ることは不可能である。
【特許文献1】特開2005−193213
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、微生物の増殖を促進させることにより、悪臭の発生を防止し、効率よく生ごみを分解処理しようとしたものである。
【0006】
生ごみを分解処理する微生物は本来悪臭の発生しないものを選択しており、生ごみ処理装置内の処理槽内が、微生物で飽和した状態になっていれば、悪臭は発生しない。
【0007】
しかし、該微生物は生ごみを分解処理する過程で熱を発生するので、幾日も生ごみを投入しなかったり、生ごみの投入量が少なかったりすると、発熱によって処理槽内が乾燥して微生物が死滅してしまう。微生物が死滅してしまうとその残渣物によって悪臭を発生させる原因になってしまうことがあった。
【0008】
また、水分の多い生ごみが投入されると、微生物が生ごみを分解処理しきれず、処理槽内がべたついて、生ごみが該微生物以外の雑菌によって腐敗し悪臭を発生させることがあった。
【0009】
このような状態を回避するためには、処理槽内において微生物と生ごみを攪拌して充分に接触させることと、温度、水分、酸素量等を常に適正状態に保つように管理することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで生ごみと前記生ごみを分解する微生物を処理槽に投入して分解処理する生ごみ処理装置であって、前記処理槽内の含水量を検出し出力する水分量検出手段と、前記処理槽内に水分を補填する給水手段と、前記処理槽内の吸気と排気をする吸排気手段と、前記処理槽内の前記生ごみと前記微生物を攪拌する攪拌手段と、前記水分量検出手段から出力された含水量に基づいて、前記給水手段と前記吸排気手段と前記攪拌手段とを、前記処理槽内の雰囲気が前記微生物にとって適正状態になるように制御する制御部を備えたことを特徴とする生ごみ処理装置を提供すると共に、
生ごみと前記生ごみを分解する微生物を処理槽に投入して分解処理する生ごみ処理装置であって、前記処理槽内の含水量を検出し出力する水分量検出手段と、前記処理槽内に水分を補填する給水手段と、前記処理槽内の吸気と排気をする吸排気手段と、前記処理槽内の前記生ごみと前記微生物を攪拌する攪拌手段と、前記水分量検出手段から出力された含水量に基づいて、前記給水手段と前記吸排気手段と前記攪拌手段とを、前記処理槽内の雰囲気が前記微生物にとって適正状態になるように制御する制御部を備えたことを特徴とする生ごみ処理装置において、前記水分量検出手段によって前記処理槽内の雰囲気が適正状態より乾燥していると前記制御部で判断したとき、前記吸排気手段の間欠動作を適正状態時より動作時間を短時間にすると共に停止時間を長時間にして吸排気量を少なくするように制御する乾燥抑制手段と、前記攪拌手段の間欠動作を適正状態時より動作時間を短時間にすると共に停止時間を長時間にして前記微生物の繁殖を抑制させるように制御する繁殖抑制手段と、前記給水手段によって前記処理槽内に一定時間散水するように制御する加湿手段によって、前記処理槽内の雰囲気を前記微生物にとって適正状態になるように制御した生ごみ処理装置の制御方法を提供するものである。
【0011】
さらに、生ごみと前記生ごみを分解する微生物を処理槽に投入して分解処理する生ごみ処理装置であって、前記処理槽内の含水量を検出し出力する水分量検出手段と、前記処理槽内に水分を補填する給水手段と、前記処理槽内の吸気と排気をする吸排気手段と、前記処理槽内の前記生ごみと前記微生物を攪拌する攪拌手段と、前記処理槽内の温度を測定する温度検出手段と、前記処理槽内の温度を上昇させる昇温手段と、前記水分量検出手段と前記温度検出手段から出力された含水量と温度に基づいて、前記給水手段と前記吸排気手段と前記攪拌手段と前記昇温手段を、前記処理槽内の雰囲気が前記微生物にとって適正状態になるように制御する制御部を備えたことを特徴とする生ごみ処理装置を提供すると共に、
生ごみと前記生ごみを分解する微生物を処理槽に投入して分解処理する生ごみ処理装置であって、
前記処理槽内の含水量を検出し出力する水分量検出手段と、前記処理槽内に水分を補填する給水手段と、前記処理槽内の吸気と排気をする吸排気手段と、前記処理槽内の前記生ごみと前記微生物を攪拌する攪拌手段と、前記処理槽内の温度を測定する温度検出手段と、前記処理槽内の温度を上昇させる昇温手段と、
前記水分量検出手段と前記温度検出手段から出力された含水量と温度に基づいて、前記給水手段と前記吸排気手段と前記攪拌手段と前記昇温手段を、前記処理槽内の雰囲気が前記微生物にとって適正状態になるように制御する制御部を備えたことを特徴とする生ごみ処理装置において、前記水分量検出手段によって前記処理槽内の雰囲気が適正状態より湿潤していると前記制御部で判断したとき、前記吸排気手段の間欠動作を適正状態時より動作時間を長時間にすると共に停止時間を短時間にする、もしくは前記吸排気手段を連続動作させて吸排気量を多くするように制御する乾燥促進手段と、前記攪拌手段の間欠動作を適正状態時より動作時間を長時間にすると共に停止時間を短時間にして前記微生物の繁殖を促進させるように制御する繁殖促進手段と、前記昇温手段によって前記処理槽内を一定温度になるように昇温する加熱手段によって、前記処理槽内の雰囲気を前記微生物にとって適正状態になるように制御した生ごみ処理装置の制御方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
上記のような提案の装置により、処理槽10内の環境を微生物にとって最適な雰囲気に保つことができる。複数設置された水分センサー11,12間に電流を流すことにより、その抵抗値を測定して水分量を測定することができるようになっている。
【0013】
処理槽10内に水分が多ければ電通がよくなるので、水分センサー11,12間の電流の抵抗値は下がり、逆に処理槽10内の水分が少なければ電通が悪くなるので、水分センサー11,12間の抵抗値は上昇する。このように水分センサー11,12の検出した抵抗値を用いて、吸排気手段と攪拌手段と給水手段を制御することにより、処理槽10内の微生物にとって適正な状態の水分量を保つようにするものである。
更に処理槽10近傍に温度センサー13を取り付け、処理槽10の昇温手段(ヒータ17)を制御することにより、処理槽10内の温度を一定に保つようにすることにより、微生物にとって最適な状態の水分量と温度を保つようにすることができた。
【0014】
本装置では水分センサー11,12と温度センサー13で処理槽10内の水分量と温度を常に管理している。そして本装置ではあらかじめ処理槽10内が微生物にとって最適環境となるような、水分センサー11,12の抵抗値と温度と、排気ファン15の動作と、攪拌羽根16の動作を定めておく。
【0015】
水分量が少ない場合には、散水ノズル14から一定量給水すると共に、排気ファン15からの排気量を少なくすると共に攪拌動作を緩慢にするすることで、微生物への酸素供給量を減らし、攪拌羽根16の回転を緩慢にすることで、微生物と生ごみの接触を抑制し、微生物の増殖を抑えるようにしたものである。
更に該微生物は一定温度以下になると活動を停止してしまうことがあるので、温度センサー13が一定温度より低いと検出した時は、ヒータ17を発熱させて処理槽10内を昇温して微生物が活動を停止しないように保護するようにしたものである。
【0016】
同様に水分量が多いと、排気ファン16からの排気量を多くして、攪拌羽根16による攪拌動作を多くして酸素供給量を増加させ、かつ微生物と生ごみの接触を促進させ、微生物が早く増殖して生ごみを分解処理するようにさせると共に、ヒータ17によって処理槽10内を昇温していち早く乾燥する様にしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の実施例の蓋を開いて処理槽を透視して見えるようにした図である。図2は本発明の実施例の蓋を閉じて後ろ方向から見た図である。図3は本発明の処理槽内が乾燥したときの各動作を表にしたものである。図4は本発明の処理槽内が適正状態のときと、湿潤状態のときの各動作を表にしたものである。図5は従来の生ごみ処理装置を表したものである。
【実施例】
【0018】
本発明の実施例を図1と図2を用いて説明する。本体1の内部には処理槽10が備えられており、蓋19を開いて投入物30を投入するようになっている。処理槽10の内部にはシャフト20が突出しておりモータ(図示しない)等の駆動源によって回転するように構成されており、シャフト20には攪拌羽根16が固着されており、投入物30を攪拌する。
【0019】
攪拌槽10の下部には2箇所に水分センサー11、12が取り付けられている。また、攪拌槽10下部にはヒーター17がとりつけられ発熱して処理槽10を昇温するようになっている。また、攪拌槽10には、2箇所の吸気口18,181があり、排気口に取り付けられた排気ファン15によって処理槽10の空気を排気することで吸気口18,181から吸気し新鮮な空気を取り入れる構成になっている。
本体1の裏面には給水槽24が取り付けられており、給水ポンプ23によって給水され散水ノズル14から処理槽10内部に散水される。また、本体1上部には処理槽10の内部の状態を表示する表示部22が取り付けられている。
【0020】
投入物30について説明する。本発明の生ごみ処理装置を使用する際は、最初に初期用バイオ材を一定量投入する。該バイオ材には生ごみを分解処理する微生物と、該微生物の繁殖を促進する養分等が混在している。
本体1は処理槽10内が理想的な環境になるように制御部2によって制御するようになっている。最初に初期用バイオ材を一定量投入して1日経過した後、生ごみを一日に400グラム程度投入し、微生物が安定して繁殖するよう2週間程度かけてバイオ材に混在している微生物を育成する。
【0021】
その後は生ごみを一日に800グラム程度投入して、生ごみ処理装置の制御部2の制御によって微生物を繁殖させ生ごみを分解処理し、投入物30が常にバイオ材と同様の成分状態になるように管理される。
やがてバイオ材が増加し、処理槽10の一定ラインより増加した場合には、バイオ材(微生物によって分解処理された投入物30)を処理槽10内より取り出し園芸用肥料として使用するものである。
また、生ごみの投入量が少なかったり、生ごみを投入しない日が続いた場合は、バイオ材が減少する。処理槽10内の一定ラインより投入物30が減少した場合には、補助用バイオ材を投入することによって投入物30内の微生物が補給され繁殖する。
【0022】
水分量検出手段について説明する。水分センサー11と水分センサー12間は一方を+極とし他方を−極として電流が流れる様に電圧がかけられている。そして処理槽10そのものは通電しない材料が用いられている。従って処理槽10内に投入されたバイオ材と生ごみによる投入物30が乾燥している場合には通電しにくく、湿潤している場合は通電しやすくなる。
【0023】
例えば、処理槽10内が適正状態であれば、水分センサー11,12の抵抗値は70kΩ以下で1.2kΩ以上である。投入物30が乾燥状態となると水分センサー11,12間の抵抗値は70kΩ以上と大きくなり、湿潤状態となると水分センサー11,12間の抵抗値は1.2kΩ以下と小さくなる。水分センサー11,12間の抵抗値検出作業は制御部2によって30分に1回程度測定されるよう制御されている。以上のように水分センサー11,12を用いて処理槽10内の水分量を検出するのが水分量検出手段である。
【0024】
攪拌手段について説明する。処理槽10の外に設置されたモータ(図示しない)等の駆動手段によってシャフト20を回転させ、シャフト20に固着された攪拌羽根16を回転させて、処理槽20内に投入されたバイオ材と生ごみを攪拌させて、微生物と生ごみを充分に接触させて微生物が生ごみを分解処理しやすくさせると共に、バイオ材と生ごみによる投入物30に酸素と水分を混在させて生ごみの分解処理を促進させる手段である。
【0025】
給水手段について説明する。水分センサー11,12間における検出抵抗値が高くなったときは、通電性が悪いので処理槽10内の投入物30が乾燥していると制御部2によって判断され給水ポンプ23が駆動して給水槽24から給水して散水ノズル14から散水し、投入物30を湿潤させる。
【0026】
この動作は攪拌羽根16が回転して攪拌動作しているときに散水ノズル14から散水することによって、投入物30に広く混入させるように制御部2によって制御される。
【0027】
吸排気手段について説明する。処理槽10の上部の裏面には排気ファン15が取り付けられており、間欠運動もしくは連続運動して処理槽10内の空気を排出する。その結果吸気口18,181から新鮮な空気が吸引される。このように排気ファン15によって行われるファン動作によって吸排気手段が行われる。
【0028】
また、排気ファン15の前方にはフィルタが取り付けられ、後方には排気カバー21が取り付けられており、排気カバー21内部には集塵袋が取り付けられ、処理槽10内部で発生した細かな埃を外部に排出しないようになっている。給気口18,181にはフィルタが取り付けられており、外部の埃を処理槽10内部に吸引しないようになっている。
このような構成によって、蓋19が閉じられると吸気口18,181から新鮮な空気を吸引し処理槽10内を通って排気ファン15によって外部に排出されるようになっている。
【0029】
昇温手段について説明する。処理槽10の近傍に取り付けられた温度センサー13によって随時処理槽10の温度が測定される。処理槽10が一定温度(21度)以下になったときは、連続してヒーター17が発熱し、微生物が活性化するよう昇温する。
【0030】
また、処理槽10内が湿潤状態になったときは、一定間隔で間欠してヒーター17を発熱させて、早急に投入物30を乾燥させるように制御部2によって制御する。更に、処理槽10内が湿潤状態であって、温度センサー13の検出温度が一定値(46.5度)よりも低い場合は連続してヒーター17を発熱するように制御され、処理槽10が一定温度になったとき発熱を停止する。
【0031】
表示部22について説明する。表示部22の詳細は図4の表示の欄に記載したような状態で表示されており、べたつき(湿潤状態)ランプと乾燥ランプと電源/運転ランプの3種類のランプが点灯するようになっている。処理槽10内が湿潤しているときは、べたつきランプが点灯し、乾燥しているときは乾燥ランプが点灯する。蓋19が開いているときは電源/運転ランプが赤く点灯し、安全のため攪拌羽根16の回転が停止するよう制御部2によって制御されている。
【0032】
また、攪拌羽根16やシャフト20に異物が絡み付いて、通常の攪拌時以上の負荷が攪拌部に発生している場合には電源/運転ランプが赤色で点滅するようになっている。更に、電源プラグをコンセントに差し込むと通電状態となり、電源/運転ランプが緑色に点灯するように構成されている。
【0033】
以上のように構成された生ごみ処理装置を使用して生ごみを処理する工程を説明する。生ごみ処理装置本体1の蓋19を開けて微生物が混入されたバイオ材を規定量投入し蓋19を閉じて一日以上放置する。
その間に本体1内の制御装置2によって処理槽10内の状態は適正状態になるよう管理され、バイオ材に混入された微生物が活性化される。
【0034】
生ごみの投入は2日目以降から行われ、使い始めてから約2週間は生ごみの投入量を少なめにし、バイオ材が生ごみの分解処理に徐々に慣れるように環境を整える。通常の生ごみ投入量は一日800g程度であるが使い始めてからの約2週間は400g程度にする。
【0035】
処理槽10内に投入されたバイオ材と生ごみは、適正状態であれば図4の表の適正状態の列に示すように、給水動作を停止して30分に1回8分程度攪拌羽根16によって投入物30の攪拌動作がなされる。このときの水分センサー11,12によって検出された抵抗値は1.2kΩ〜70kΩの間である。
【0036】
排気ファン15の動作は22.6ミリ秒の間に15ミリ秒間欠動作する。もしくは20.6ミリ秒の間に13ミリ秒程度の間欠動作とし適正常態を保つような吸排気手段が制御部2によって制御される。
温度センサー13によって検出される温度が21度以下の場合は連続してヒーター17が発熱し、処理槽10内を昇温し微生物の増殖を促進させる。
以上が処理槽10内が適正状態であると判断したときの制御部2による制御で、図4に示す表の処理槽内状態が適正状態であるときの各動作である。このとき表示部22は電源/運転ランプが緑色点灯する。
【0037】
水分センサー11,12の検出抵抗値が1.2kΩ以下になった時は通電性がよいので処理槽10内が湿潤していると制御部2によって判断される。給水動作は停止され、排気ファン15によるファン動作は連続動作して、大量の空気を送り込み、乾燥と微生物の増殖を最大限に促進させる。
【0038】
攪拌羽根16は30分間に10分程度攪拌動作し、適正状態時よりも多く投入物30を攪拌し、生ごみと微生物の接触を多くすることによって微生物の増殖と投入物30の乾燥を促進させる。
更にはヒータ17を14秒〜15秒間隔で発熱させ処理槽10内を昇温して微生物の増殖と投入物30の乾燥を促進させる。
以上が処理槽10内が湿潤状態であると判断したときの制御部2による制御で、図4に示す表の処理槽内状態が湿潤状態であるときの各動作である。このとき表示部22はべたつき表示灯を赤色点灯し電源/運転ランプが緑色点灯する。
【0039】
水分センサー11,12の検出された抵抗値が70kΩ〜310kΩになったときは通電性が悪いので処理槽10内が乾燥していると制御部2によって判断される。
攪拌羽根16による攪拌動作を30分間に5分程度の間欠動作にし、投入物30の乾燥と微生物の増殖を抑制すると共に、攪拌動作中に給水ポンプ23によって給水槽24から給水して散水ノズル14から散水して投入物30を早急に湿潤するように制御部2で制御する。
【0040】
更にそのとき、排気ファン15によるファン動作を18.6ミリ秒〜20.3ミリ秒毎に9.2ミリ秒〜9.5ミリ秒動作させることによって、適正状態よりファン動作を緩やかにし投入物30の乾燥を防止する。また、ヒーター17は一定温度(21度)以下にならなければ発熱しないように制御することによって乾燥と微生物の抑制を防止する。
以上が処理槽10内が乾燥状態であると判断したときの制御部2による制御で、図4に示す表の処理槽内状態が乾燥状態であるときの各動作である。このとき表示部22は乾燥表示灯を赤色点灯し電源/運転ランプが緑色点灯する。
【0041】
水分センサー11,12の検出抵抗値が310kΩ以上になった時は、通電性が著しく悪いので処理槽10内が極端に乾燥していると制御部2によって判断される。一般的には長期間生ごみが投入されなかったり、急速に微生物が増殖しているか、給水槽24内の水が枯渇して給水できない状態が考えられる。
【0042】
このような時には攪拌羽根16による攪拌動作を30分に4分程度の間欠動作にして、投入物30の乾燥と微生物の増殖を抑制すると共に、攪拌動作中に給水ポンプ23によって給水槽24から給水して散水ノズル14によって散水する。
【0043】
但し給水槽24内に水が無くなった場合は、給水ポンプ23を停止して、警報を出すように制御部2によって制御される。さらにこのとき排気ファン15によるファン動作を22.6ミリ秒〜24.3ミリ秒毎に5.6ミリ秒動作させることにより、適正状態のときよりもファン動作を緩やかになるよう間欠動作し乾燥を抑制する。
【0044】
但し処理槽10内が一定温度(21度)を下回ったときは、ヒーター17を発熱して微生物を保温して、保護するように制御部2において制御する。
以上が、処理槽10内が著しい乾燥状態であると判断したときの制御部2による制御で、図4に示す表の処理槽内状態が著しい乾燥状態であるときの各動作である。このとき表示部22は乾燥表示灯を赤色点灯し電源/運転ランプが緑色点灯する。
【0045】
また、3〜10日間以上蓋19の開閉がない場合には、攪拌動作とヒーター17の発熱が全て停止状態となり、省エネルギー状態の留守対応運転に制御部2によって制御される。但し蓋19を開閉することにより通常の運転に戻るよう制御部2によって制御されている。
【0046】
なお、本体1は取っ手28によって運搬できるようになっており、サイドカバー27を開閉することで内部メンテナンスができるように構成している。
以上のような生ごみ処理装置であれば、バイオ材に含まれた微生物を常に適正状態に育成することができ、生ごみを効率良く分解処理することができる。更に、処理槽10内を常に微生物にとって適正な状態に保つことができるので、悪臭の発生を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は生ごみ処理装置として用いられるだけでなく、土壌処理装置や微生物増殖装置等に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例の蓋を開いて処理槽を透視して見えるようにした図である。
【図2】本発明の実施例の蓋を閉じて後ろ方向から見た図である。
【図3】本発明の処理槽内が乾燥したときの各動作を表にしたものである。
【図4】本発明の処理槽内が適正状態のときと、湿潤状態のときの各動作を表にしたものである。
【図5】従来の生ごみ処理装置を表したものである。
【符号の説明】
【0049】
1 本体
2 制御部
10 処理槽
11 水分センサー
12 水分センサー
13 温度センサー
14 散水ノズル
15 排気ファン
16 攪拌羽根
17 ヒーター
18 吸気口
181 吸気口
19 蓋
20 シャフト
21 排気カバー
22 表示部
23 給水ポンプ
24 給水槽
27 サイドカバー
28 取っ手
29 電源プラグ
30 投入物
90 脱臭プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ごみと前記生ごみを分解する微生物を処理槽に投入して分解処理する生ごみ処理装置であって、
前記処理槽内の含水量を検出し出力する水分量検出手段と、
前記処理槽内に水分を補填する給水手段と、
前記処理槽内の吸気と排気をする吸排気手段と、
前記処理槽内の前記生ごみと前記微生物を攪拌する攪拌手段と、
前記水分量検出手段から出力された含水量に基づいて、前記給水手段と前記吸排気手段と前記攪拌手段とを、前記処理槽内の雰囲気が前記微生物にとって適正状態になるように制御する制御部を備えたことを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項2】
生ごみと前記生ごみを分解する微生物を処理槽に投入して分解処理する生ごみ処理装置であって、
前記処理槽内の含水量を検出し出力する水分量検出手段と、
前記処理槽内に水分を補填する給水手段と、
前記処理槽内の吸気と排気をする吸排気手段と、
前記処理槽内の前記生ごみと前記微生物を攪拌する攪拌手段と、
前記水分量検出手段から出力された含水量に基づいて、前記給水手段と前記吸排気手段と前記攪拌手段とを、前記処理槽内の雰囲気が前記微生物にとって適正状態になるように制御する制御部を備えたことを特徴とする生ごみ処理装置において、
前記水分量検出手段によって前記処理槽内の雰囲気が適正状態より乾燥していると前記制御部で判断したとき、
前記吸排気手段の間欠動作を適正状態時より動作時間を短時間にすると共に停止時間を長時間にして吸排気量を少なくするように制御する乾燥抑制手段と、
前記攪拌手段の間欠動作を適正状態時より動作時間を短時間にすると共に停止時間を長時間にして前記微生物の繁殖を抑制させるように制御する繁殖抑制手段と、
前記給水手段によって前記処理槽内に一定時間散水するように制御する加湿手段によって、
前記処理槽内の雰囲気を前記微生物にとって適正状態になるように制御した生ごみ処理装置の制御方法。
【請求項3】
生ごみと前記生ごみを分解する微生物を処理槽に投入して分解処理する生ごみ処理装置であって、
前記処理槽内の含水量を検出し出力する水分量検出手段と、
前記処理槽内に水分を補填する給水手段と、
前記処理槽内の吸気と排気をする吸排気手段と、
前記処理槽内の前記生ごみと前記微生物を攪拌する攪拌手段と、
前記処理槽内の温度を測定する温度検出手段と、
前記処理槽内の温度を上昇させる昇温手段と、
前記水分量検出手段と前記温度検出手段から出力された含水量と温度に基づいて、前記給水手段と前記吸排気手段と前記攪拌手段と前記昇温手段を、前記処理槽内の雰囲気が前記微生物にとって適正状態になるように制御する制御部を備えたことを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項4】
生ごみと前記生ごみを分解する微生物を処理槽に投入して分解処理する生ごみ処理装置であって、
前記処理槽内の含水量を検出し出力する水分量検出手段と、
前記処理槽内に水分を補填する給水手段と、
前記処理槽内の吸気と排気をする吸排気手段と、
前記処理槽内の前記生ごみと前記微生物を攪拌する攪拌手段と、
前記処理槽内の温度を測定する温度検出手段と、
前記処理槽内の温度を上昇させる昇温手段と、
前記水分量検出手段と前記温度検出手段から出力された含水量と温度に基づいて、前記給水手段と前記吸排気手段と前記攪拌手段と前記昇温手段を、前記処理槽内の雰囲気が前記微生物にとって適正状態になるように制御する制御部を備えたことを特徴とする生ごみ処理装置において、
前記水分量検出手段によって前記処理槽内の雰囲気が適正状態より湿潤していると前記制御部で判断したとき、
前記吸排気手段の間欠動作を適正状態時より動作時間を長時間にすると共に停止時間を短時間にする、もしくは前記吸排気手段を連続動作させて吸排気量を多くするように制御する乾燥促進手段と、
前記攪拌手段の間欠動作を適正状態時より動作時間を長時間にすると共に停止時間を短時間にして前記微生物の繁殖を促進させるように制御する繁殖促進手段と、
前記昇温手段によって前記処理槽内を一定温度になるように昇温する加熱手段によって、
前記処理槽内の雰囲気を前記微生物にとって適正状態になるように制御した生ごみ処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−202144(P2009−202144A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79085(P2008−79085)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(508089923)株式会社ランド・エコ (2)
【出願人】(508090240)株式会社トーカン (1)
【Fターム(参考)】