説明

生コンクリートから排出される6価クロムのキレート効果剤およびキレート効果方法

【課題】セメントには6価クロムが含有されており、当該セメントを利用して製造された生コンクリートを搬送したアジテータ車にはその洗浄水に有毒な6価クロムが残留するという課題があった。
【解決手段】本発明は、洗浄水中の6価クロムを無毒の0〜3価の無害なクロムにキレート効果することを目的とするもので、生コンクリート関連の機材を洗浄にした後に排出される洗浄水中の6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生コンクリート関連の機材(アジテータ車の回転ドラムや排出口など)を洗浄にした後に排出される洗浄水や、打設後のコンクリートから滲出するブリーディング水に含有される6価クロムをキレート効果するキレート効果剤およびキレート効果方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリートの原料であるセメントの製造過程において6価クロムなどの各種の重金属が反応性の高い状態で含有されており、これら反応性の高い重金属はコンクリート中に封入されているが、外部に漏出する虞もある(土木学会 平成17年3月25日第1版第2印刷発行「コンクリートからの微量成分溶出に関する現状と課題」の第41ページないし45ページ参照)。
【0003】
例えば、生コンクリートを排出後のアジテータ車(コンクリートミキサー車とも称される)の回転ドラム内部や排出口を洗浄した後の洗浄剤には、反応性の高い重金属である6価クロムが含有されている。
【0004】
生コンクリートは、工場でセメントと砂利などの骨材と水、混和剤などが混練されて製造され、当該生コンクリートはアジテータ車の回転ドラム内で各原料が分離しないように混練されつつ搬送され、固化する前に施工現場に到着して打設される。
【0005】
アジテータ車の回転ドラムから排出された生コンクリートは、シュートや搬送パイプ等の機材を通過した後に施工現場の型枠内に投入され打設される。
【0006】
そして、生コンクリートが打設された後は、洗浄水によって機材に付着している生コンクリートが洗浄される。
【0007】
アジテータ車の場合には、生コンクリートを排出後の回転ドラムに洗浄水を投入し回転させつつ生コンクリート製造工場に帰還し、新たな生コンクリートが投入される前に前記洗浄水は廃棄されることになる。
【0008】
上記の場合、いずれも洗浄水には生コンクリートから排出された6価クロムが含有されているので、これを除去するかもしくは反応性の低い0〜3価の無害なクロムにキレート効果することが望まれ、これを実現するために特許文献1や特許文献2に開示されている方法がある。
【0009】
特許文献1の方法によれば、水溶性カプセル中に収納した塩化バリウムとセメント、水などを混練することにより、混練物を固化する取り扱い上の制約をうけることなく6価クロムの溶出防止が可能となる。
【0010】
しかしながら、この方法では多数の水溶性のカプセルを必要とすることから、キレート効果洗浄水の製造が煩雑になる上に、水溶性カプセルが水に溶解するのに時間がかかるため、迅速性が要求される生コンクリート洗浄後の排水処理への適正に欠けることになる。
【0011】
また、特許文献2の方法によれば、亜硫酸ソーダ水溶液、重亜硫酸ソーダ水溶液または亜硫酸カルシウム水溶液のいずれかを含浸させた人口ゼオライトからなる溶出抑制材を地盤強化等に用いられるセメントに添加し、軟弱地盤のヘドロと混合して地盤強化を図り、強化地盤のセメントから6価クロム成分が溶出することを防ぐことができる。
【0012】
しかしながら、この方法では、亜硫酸ソーダ水溶液、重亜硫酸ソーダ水溶液または亜硫酸カルシウム水溶液のいずれかを含浸させた人口ゼオライトを必要とするので、生コンクリートの洗浄水の排水処理への適正に欠けることになる。
【0013】
なお、重亜硫酸ソーダを洗浄水に添加することもできるが、重亜硫酸ソーダはキレート効果性が強いことから、取り扱いが煩雑である上に、作業現場で必要量を計量しなければならず、作業性の低下をもたらすことになる。
【0014】
【特許文献1】特開平10−235316号公報
【特許文献2】特開2005−112706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題を解決せんとするもので、生コンクリートを打説する施工現場や、アジテータ車の回転ドラム内に溶出している6価クロムを簡単な手段でキレート効果し反応性を低下させ、無害化することにより、作業性を損なうことなく安全性を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の発明は、生コンクリート関連の機材を洗浄にした後に排出される洗浄水中の6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤である。
【0016】
本発明においては、生コンクリート関連の機材を洗浄にした後に排出される6価クロムを含有している洗浄水中に、グルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤を投入することにより、前記洗浄水中に溶出している6価クロムはグルコン酸ナトリウムと反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果されて無害化することが可能となる。
【0017】
第2の発明は、生コンクリートを排出後のアジテータ車の回転ドラム内に、前記第1の発明の6価クロムのキレート効果剤を投入することにより、前記回転ドラム内の洗浄水中の6価クロムをキレート効果する6価クロムのキレート効果方法である。
【0018】
本発明においては、生コンクリートを排出後のアジテータ車の回転ドラム内の6価クロムを含有する洗浄水中に、グルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤を投入することにより、前記洗浄水中の6価クロムはグルコン酸ナトリウムと反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果されて無害化することが可能となる。
【0019】
第3の発明は、生コンクリート関連の機材を洗浄にした後に排出される洗浄水中の6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする薬剤が、タブレット状に成形されている6価クロムのキレート効果剤である。
【0020】
本発明においては、生コンクリート関連の機材を洗浄にした後に排出される6価クロムを含有している洗浄水中に、グルコン酸ナトリウムを主成分とするタブレット状の6価クロムのキレート効果剤を投入することにより、前記洗浄水中に溶出している6価クロムはグルコン酸ナトリウムと反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果されることが可能となる。
【0021】
第4の発明は、生コンクリートを排出後のアジテータ車の回転ドラム内に前記第3の発明の6価クロムのキレート効果剤を投入することにより、前記回転ドラム内の洗浄水中の6価クロムをキレート効果する6価クロムのキレート効果方法である。
【0022】
本発明においては、生コンクリートを排出後のアジテータ車の回転ドラム内の6価クロムを含有する洗浄水中に、グルコン酸ナトリウムを主成分とするタブレット状の6価クロムのキレート効果剤を投入することにより、前記洗浄水中の6価クロムはグルコン酸ナトリウムと反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果されることが可能となる。
【0023】
第5の発明は、生コンクリート関連の機材を洗浄するための洗浄水であって、6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤が含有されていることを特徴とする洗浄水である。
【0024】
本発明においては、生コンクリートに接触した機材を、6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤が含有されている洗浄水にて洗浄することにより、洗浄水中の6価クロムはグルコン酸ナトリウムと反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果され、前記洗浄水は無害化されることになる。
【0025】
第6の発明は、生コンクリートに接触した機材を、6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤が含有されている洗浄水にて洗浄する生コンクリート関連の機材の洗浄方法である。
【0026】
この発明においても、生コンクリートに接触した機材を、6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤が含有されている洗浄水にて洗浄することにより、洗浄水中の6価クロムはグルコン酸ナトリウムと反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果されて、前記洗浄水は無害化されることになる。
【0027】
第7の発明は前記第1または第2の発明を前提とし、グルコン酸ナトリウムは35重量%以上含有される6価クロムのキレート効果剤である。
【0028】
第8の発明は、生コンクリート関連の機材を洗浄した後に排出される洗浄水中6価クロムをキレート効果するための、透水性の袋体と当該袋体内に挿入されている保持部材とからなり、当該保持部材には吸水性樹脂とグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤が保持されている6価クロムのキレート効果体である。
【0029】
本発明においては、6価クロムを含有する洗浄水が、透水性の袋体を透過し、当該袋体内に挿入されている保持部材に保持されている吸水性樹脂に吸水されると同時にグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤と反応して当該6価クロムが0〜3価の無害なクロムにキレート効果され、前記洗浄水は無害化されることになる。
【0030】
第9の発明は、前記第8の発明を前提として、保持部材は2枚の透水性保持シートが積層されることによって形成され、一方の透水性保持シートの表面には吸水性樹脂が保持され、他方の水性保持シートの表面には6価クロムのキレート効果剤が保持されている6価クロムのキレート効果体である。
【0031】
この発明においては、洗浄水中の6価クロムは、洗浄水が一方の透水性保持シートに保持されている吸水性樹脂よって吸水されつつ、他方の水性保持シートに保持されているキレート効果剤と反応し、0〜3価の無害なクロムにキレート効果され、前記洗浄水は無害化されることになる。
【0032】
第10の発明は、生コンクリートの打設後にコンクリート表面に残留するブリーディング水を前記第8もしくは第9の発明の6価クロムのキレート効果体に吸収させて6価クロムをキレート効果する6価クロムのキレート効果方法。
【0033】
本発明においては、生コンクリートの打設後のコンクリート表面に滲出し、そこに残留する6価クロムを含有するブリーディング水上に、前記6価クロムのキレート効果体を載置することによって、ブリーディング水は、前記袋体内に挿入されている保持部材に保持されている吸水性樹脂に吸水されると同時に、グルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤と反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果され、前記洗浄水は無害化されることになる。
【0034】
第11の発明は、生コンクリートの打設後に型枠外に漏出するブリーディング水を前記第8もしくは第9の発明の6価クロムのキレート効果体に吸収させて6価クロムをキレート効果する6価クロムのキレート効果方法である。
【0035】
本発明においては、生コンクリートの打設後の型枠外に漏出する6価クロムを含有するブリーディング水上に、前記6価クロムのキレート効果体を載置することによって、ブリーディング水は、前記袋体内に挿入されている保持部材に保持されている吸水性樹脂に吸水されると同時に、グルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤と反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果され、前記ブリーディング水は無害化されることになる。
【発明の効果】
【0036】
第1の発明では、洗浄水中に溶出している6価クロムは、グルコン酸ナトリウムと反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果され、煩雑な作業を伴うことなく簡単に無害化することが可能となる。
【0037】
第2の発明では、生コンクリートを排出後のアジテータ車の回転ドラム内の6価クロムを含有する洗浄水中に、グルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤を投入するだけで、簡単に6価クロムが0〜3価の無害なクロムにキレート効果されることが可能となり、アジテータ車は帰還後直ちにそのまま回転ドラム内の洗浄液を排出することができる。
【0038】
第3の発明では、グルコン酸ナトリウムを主成分とするキレート効果剤はタブレット状を呈しているので、取り扱いが簡単で洗浄水中に容易に投入することができると共に、投入量を容易に制御することができる。
【0039】
第4の発明では、生コンクリートを排出後のアジテータ車の回転ドラム内の6価クロムを含有する洗浄水中に、グルコン酸ナトリウムを主成分とするタブレット状の6価クロムのキレート効果剤を適量数投入することにより、前記洗浄水中の6価クロムはグルコン酸ナトリウムと反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果されて無害化することが可能となり、アジテータ車は帰還後直ちにそのまま回転ドラム内の洗浄液を排出することができる。
【0040】
第5の発明では、生コンクリートに接触した機材を、予め6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤が含有されている洗浄水にて洗浄することにより、洗浄水中の6価クロムはグルコン酸ナトリウムと反応して0〜3価の無害なクロムにキレート効果され、前記洗浄水は無害化されることになので、改めて6価クロムのキレート効果剤を投入することなく簡単に洗浄後の洗浄水を無害化することができる。
【0041】
第6の発明の効果は、前記第5の発明の効果と事実上異なるところはない。
【0042】
第7の発明の効果は、前記第1の発明と事実上異なるところはない。
【0043】
第8の発明では、6価クロムを含有する洗浄水が、透水性の袋体を透過し、当該袋体内に挿入されている保持部材に保持されている吸水性樹脂に吸水されると同時にグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤と反応して当該6価クロムが0〜3価の無害なクロムにキレート効果され、前記洗浄水は無害化されることになるので、生コンクリートの打設後のコンクリート表面に滲出し、そこに残留する6価クロムを含有するブリーディング水上に、当該発明にかかる6価クロムのキレート効果体を載置することによって、容易に前記ブリーディング水中の6価クロムを無害化することができ、安全性と作業性が同時に向上する。
【0044】
第9の発明では、保持部材は2枚の透水性保持シートが積層されることによって形成され、一方の透水性保持シートの表面には吸水性樹脂が保持され、他方の水性保持シートの表面には6価クロムのキレート効果剤が保持されているので、各々の透水性保持シートを個別に製造し、両シートを積層して透水性の袋体に封入すれば、きわめて容易に6価クロムのキレート効果体を製造することができる。
【0045】
第10の発明では、生コンクリートの打設後のコンクリート表面に滲出し、そこに残留する6価クロムを含有するブリーディング水上に、前記6価クロムのキレート効果体を載置するだけで、直接ブリーディング水中の6価クロムがキレート効果され0〜3価の無害なクロムにキレート効果されるので、作業者の手をあまり煩わせることなく安全にブリーディング水は無害化されることになる。
【0046】
第11の発明では、生コンクリートの打設後の型枠外に漏出する6価クロムを含有するブリーディング水上に、前記6価クロムのキレート効果体を載置するだけで直接ブリーディング水中の6価クロムがキレート効果され0〜3価の無害なクロムにキレート効果されるので、作業者の手をあまり煩わせることなく安全に洗浄水は無害化されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
本発明の最良の形態としての、6価クロムのキレート効果剤、6価クロムのキレート効果方法および6価クロムのキレート効果体について以下に説明する。
【0048】
先ず6価クロムのキレート効果剤のタブレットとしては、下記の成分の混合物100gを、発泡入浴剤などの製造過程で実施される周知の圧縮方法にて圧縮して成形する。
【0049】
グルコン酸ナトリウム 75.0(重量%)
炭酸水素ナトリウム 11.0
コハク酸 6.0
結合剤 3.2
ステアリン酸マグネシウム 1.8
安定剤 1.0
崩壊剤 2.0
【0050】
而して、コンクリート洗浄水50リットル当たり、前記タブレットを1個投入すると、5分ないし10分でグルコン酸ナトリウムが溶解してキレート力が発揮されることにより 2Cr6++3SO3− → 2Cr3++3SO2−
洗浄水中の6価クロムは無害な0〜3価の無害なクロムにキレート効果されるので、更にPHやSSの処理をした後に公共用水域などに排出しても問題はない。
【0051】
なお、6価クロムのキレート効果剤をタブレット状に成形することなく、粉末の状態でも使用することは可能である。
【0052】
この場合は投入分量を細かく設定することができるが、手間がかかり作業が煩雑化する虞がある。
【0053】
また、水道水に予め必要量の6価クロムのキレート効果剤を溶解させた洗浄水で、アジテータ車の回転ドラムや、シュート、搬送パイプ等の機材を洗浄しても、洗浄後の洗浄水中の6価クロムは0〜3価の無害なクロムにキレート効果され無毒化されている。
【0054】
次に図面に従い、6価クロムのキレート効果体の実施例について説明する。
【0055】
図1は6価クロムのキレート効果体1の外観斜視図で、図2は部分拡大断面図である。
【0056】
これらの図において、2は透水性の袋体で、不織布などで形成されており、内部に2枚の透水性保持シート3、4が積層され封入されている。
【0057】
この透水性保持シート3、4はポリエステル繊維の不織布などで形成されている。
【0058】
そして、一方の透水性保持シート4の表面には、吸水性樹脂(小さな×で示す)5としてポリアクリル酸やアクリル酸塩架橋体などの周知のものが接着剤にて接着されており、吸水重量倍率としては5倍ないし30倍が好ましいが、より好ましくは8倍ないし25倍である。
【0059】
また、他方の透水性保持シート3の表面には、グルコン酸ナトリウム粉末(小さな○で示す)6がこれも接着剤にて接着されている。
【0060】
上述のようにして構成された6価クロムのキレート効果体1を、生コンクリートの打設後のコンクリート表面に滲出し、そこに残留する6価クロムを含有するブリーディング水上に載置すると、当該ブリーディング水は透水性の袋体2を透過し、更に透水性保持シート3、4を透過して吸水性樹脂5に吸水されると同時にグルコン酸ナトリウム粉末6と反応し、当該ブリーディング水中の6価クロムは無害な0〜3価の無害なクロムにキレート効果されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】 本発明の実施例の6価クロムのキレート効果体の斜視図である。
【図2】 本発明の実施例の6価クロムのキレート効果体の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 6価クロムのキレート効果体
2 袋体
3 透水性保持シート
4 透水性保持シート
5 吸水性樹脂
6 グルコン酸ナトリウム粉末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生コンクリート関連の機材を洗浄にした後に排出される洗浄水中の6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤。
【請求項2】
生コンクリートを排出後のアジテータ車の回転ドラム内に請求項1記載の6価クロムのキレート効果剤を投入することにより、前記回転ドラム内の洗浄水中の6価クロムをキレート効果する6価クロムのキレート効果方法。
【請求項3】
生コンクリート関連の機材を洗浄にした後に排出される洗浄水中の6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする薬剤が、タブレット状に成形されている6価クロムのキレート効果剤。
【請求項4】
生コンクリートを排出後のアジテータ車の回転ドラム内に請求項3記載の6価クロムのキレート効果剤を投入することにより、前記回転ドラム内の洗浄水中の6価クロムをキレート効果する6価クロムのキレート効果方法。
【請求項5】
生コンクリート関連の機材を洗浄するための洗浄水であって、6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤が含有されていることを特徴とする洗浄水。
【請求項6】
生コンクリートに接触した機材を、6価クロムをキレート効果するためのグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤が含有されている洗浄水にて洗浄する生コンクリート関連の機材の洗浄方法。
【請求項7】
グルコン酸ナトリウムは35重量%以上含有される請求項1または請求項3記載の6価クロムのキレート効果剤。
【請求項8】
生コンクリート関連の機材を洗浄した後に排出される洗浄水中6価クロムをキレート効果するための、透水性の袋体と、当該袋体内に挿入されている保持部材とからなり、当該保持部材には吸水性樹脂とグルコン酸ナトリウムを主成分とする6価クロムのキレート効果剤が保持されている6価クロムのキレート効果体。
【請求項9】
保持部材は2枚の透水性保持シートが積層されることによって形成され、一方の透水性保持シートの表面には吸水性樹脂が保持され、他方の水性保持シートの表面には6価クロムのキレート効果剤が保持されている請求項8記載の6価クロムのキレート効果体。
【請求項10】
生コンクリートの打設後にコンクリート表面に残留するブリーディング水を請求項8もしくは請求項9記載の6価クロムのキレート効果体に吸収させて6価クロムをキレート効果する6価クロムのキレート効果方法。
【請求項11】
生コンクリートの打設後に型枠外に漏出するブリーディング水を請求項8もしくは請求項9記載の6価クロムのキレート効果体に吸収させて6価クロムをキレート効果する6価クロムのキレート効果方法。

【図1】
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【図2】
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