説明

生体信号測定装置

【課題】接触抵抗を高精度に測定することが可能な生体信号測定装置を提供すること
【解決手段】本技術に係る生体信号測定装置は、電圧源と、測定電極と、抵抗器と、第1の増幅器と、ニュートラル電極とを具備する。測定電極は、電圧源に接続され、生体に接触する。抵抗器は、電圧源と測定電極の間に接続される。第1の増幅器は、抵抗器と測定電極の間の電位を増幅する。ニュートラル電極は、生体に接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、脳波や心電図等の生体信号を測定するための生体信号測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脳波、筋電図、心電図、体脂肪率等、生体(ヒトを含む動物)に電極を接触させて電位信号(以下、生体信号)を測定する生体信号測定装置において、電極と生体表面の間には接触抵抗が存在する。
【0003】
接触抵抗は、抵抗値が大きい場合には特に、電極によって検出される生体信号に影響を与えるため、生体表面と電極の接触面に導電性ペーストを塗布する等して接触抵抗を下げることが通常である。しかし、接触抵抗を完全に除去することは困難であるため、生体信号の測定前に接触抵抗を測定することが行われる。
【0004】
例えば、非特許文献1には、交流電圧源から抵抗器を介して電極に交流信号を印加し、接触抵抗における電位差からインピーダンス(接触抵抗)の値を求めるデジタル脳波計が記載されている。即ち、当該デジタル脳波計においては、印加電圧が抵抗器と接触抵抗によって分圧されることとなる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】柳原一照、"デジタル脳波計のひみつ"、[online]、関東神経生理検査技術研究会、[平成23年8月1日検索]、インターネット〈URL:http://www2.oninet.ne.jp/ts0905/deeg/deegsemi.htm〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に記載のデジタル脳波計においては、10Vという高電圧が100MΩという高抵抗を介して電極に供給されている。通常、接触抵抗は10KΩ程度であり、これは抵抗器の抵抗値に比べて1万分の1程度である。
【0007】
このため、接触抵抗による分圧は抵抗器の分圧に比べて著しく小さく、交流電圧源や抵抗器の誤差の影響を受け易い。例えば抵抗器が1%の誤差を有する場合でも誤差範囲が接触抵抗と同程度以上となり、接触抵抗を高精度に測定するには適宜キャリブレーションが必要と考えられる。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、接触抵抗を高精度に測定することが可能な生体信号測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る生体信号測定装置は、電圧源と、測定電極と、抵抗器と、第1の増幅器とを具備する。
上記測定電極は、上記電圧源に接続され、生体に接触する。
上記抵抗器は、上記電圧源と上記測定電極の間に接続される。
上記第1の増幅器は、上記抵抗器と上記測定電極の間の電位を増幅する。
【0010】
上記構成によれば、電圧源から印加された電圧は、抵抗器と接触抵抗によって分圧される。第1の増幅器によって、抵抗器と測定電極の間の電位が検出されるため、接触抵抗による分圧から接触抵抗の抵抗値を算出することが可能となる。
【0011】
上記抵抗器は、上記測定電極と上記生体の接触抵抗の抵抗値範囲のうち、測定したい抵抗値範囲の対数中心値となる抵抗値を有してもよい。
【0012】
上記のように、電圧源から印加される電圧は、抵抗器と接触抵抗によって分圧されるが、接触抵抗の分解能は抵抗器の抵抗値によって異なり、抵抗器の抵抗値を対数中心値とする範囲が最も高い分解能を得ることができる。したがって、抵抗器の抵抗値をこの値とすることにより、高精度に接触抵抗を測定することが可能となる。
【0013】
上記抵抗値範囲は、10KΩ以上1MΩ以下の範囲であり、上記抵抗器は、100KΩの抵抗値を有してもよい。
【0014】
測定電極が生体表面に装着された際の接触抵抗の一般的な範囲を、10KΩ以上1MΩ以下の範囲に設定する。このとき、抵抗器の抵抗値を100KΩとすることにより、この範囲の接触抵抗を高精度に測定することが可能となる。
【0015】
上記抵抗器と、上記測定電極の間の接続を開閉することが可能なスイッチをさらに具備してもよい。
【0016】
この構成によれば、当該スイッチをOFFすることにより、電圧源から測定電極への電圧の印加が停止され、生体において生じる電位信号(生体信号)を検出することが可能となる。
【0017】
上記生体信号測定装置は、第2の増幅器と、上記生体に接触し上記第2の増幅器に接続されたリファレンス電極をさらに具備してもよい。
【0018】
この構成によれば、電極毎の接触抵抗測定が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本技術によれば、本技術の目的は、接触抵抗を高精度に測定することが可能な生体信号測定装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本技術の第1の実施形態に係る生体信号測定装置の構成を示す模式図である。
【図2】検出電圧と接触抵抗の相関を示すグラフである。
【図3】同生体信号測定装置の動作を示す模式図である。
【図4】本技術の第2の実施形態に係る生体信号測定装置の構成を示す模式図である。
【図5】同生体信号測定装置から送信され、ディスプレイに表示される各電極の接触抵抗値を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
本技術の第1の実施形態に係る生体信号測定装置について説明する。
【0022】
[生体信号測定装置の構成]
図1は、本実施形態に係る生体信号測定装置1の構成を示す模式図である。生体信号測定装置1は、ユーザの頭表に接続され、ユーザの脳波を測定する装置(脳波計)であるものとするがこれに限られず、筋電図、心電図、体脂肪率等、生体(ヒトを含む動物)において生じる生体信号を測定することが可能な装置であるものとすることができる。同図に示すように生体信号測定装置1は、電圧源10、抵抗器11、スイッチ12、増幅器13、測定電極14及びニュートラル電極15を有する。
【0023】
電圧源10は抵抗器11に接続され、抵抗器11はスイッチ12に接続されている。スイッチ12は測定電極14に接続され、増幅器13はスイッチ12と測定電極14の間に接続されている。ニュートラル電極15はグランドに接続されている。同図に示すように、測定電極14とニュートラル電極15はユーザの頭表に装着され、導電性ペースト等を介して電気的に接続されている。
【0024】
電圧源10は、一般的な交流電圧源を用いることができる。周波数や電圧は特に限定されないが、例えば周波数10Hz、電圧振幅±500μVとすることができる。以下、電圧源10による印加電圧をVとする。
【0025】
抵抗器11は、印加電圧を接触抵抗(後述)との間で分圧する。以下、抵抗器11の抵抗値をRとする。抵抗値Rの詳細については後述する。
【0026】
スイッチ12は、回路の開閉を可能とする。詳細は後述するが、生体信号測定装置1においては、スイッチ12の開閉により接触抵抗の測定と生体信号(脳波等)の測定を切り替えることが可能となっている。
【0027】
増幅器13は、測定電極14が+端子に、グランドが−端子に接続され、増幅器13によって分圧された電圧Vを増幅して出力する。増幅器13は一般的なオペアンプ(オペレーショナル・アンプリファイア)を用いることが可能である。
【0028】
測定電極14は、生体表面(ここでは、ユーザの頭表)に接触し、電気的に接続される。測定電極14は、ユーザの頭表の所定の位置、例えば国際10−20法によって規定された位置に装着されるものとすることが可能である。また、測定電極14は複数基が設けられることも可能である。
【0029】
測定電極14の構造は特に限定されないが、導電性ペーストが塗布されて用いられる導電性部材や、導電性液体を含浸する弾性部材等とすることができる。測定電極14と生体表面の接触抵抗は、生体表面の性状や取り付け方によって異なるが、通常は数十〜数百KΩ程度である。
【0030】
ニュートラル電極15は、測定電極14と同様に生体表面に接触し、電気的に接続される。ニュートラル電極15は、脳波の影響の小さい位置、例えばユーザの耳朶やこめかみ等に装着されるものとすることができる。ニュートラル電極15は測定電極14と同様の構造とすることができる。
【0031】
[生体信号測定装置の動作]
電圧源10から電圧(以下、電源電圧)Vが印加されている状態でスイッチ12がONされると、微小な電流Iが抵抗器11を通過して、測定電極14からユーザの頭部を介し、ニュートラル電極15に流れる。したがって、測定電極14とユーザの頭表の接触抵抗、ユーザの頭部の抵抗、ユーザの頭表とニュートラル電極15の接触抵抗の和(以下、生体の抵抗成分)を抵抗値Rとすると、以下の(式1)が成り立つ。
【0032】
=R・I+R・I (式1)
【0033】
また、増幅器13において検出される電圧(以下、検出電圧)Vは、以下の(式2)で表される。
【0034】
=I・R (式2)
【0035】
上記(式1)及び(式2)から電流Iを消去すると、次の(式3)が得られる。
【0036】
=V・R/(R+R) (式3)
【0037】
(式3)を変形すると、次の(式4)が得られる。
【0038】
=R・V/(V−V) (式4)
【0039】
このようにして、増幅器13において検出される検出電圧Vから生体の抵抗成分の抵抗値Rを求めることができる。上記(式1)に示すように、電源電圧Vが抵抗器11の抵抗値Rと生体の成功成分の抵抗値Rによって分圧されるため、検出電圧Vは抵抗値Rによって異なる。
【0040】
ここで、本技術に係る生体信号測定装置1においては、抵抗器11の抵抗値Rを、測定したい抵抗値Rの範囲の対数中心値とする。測定したい抵抗値Rの範囲は、使用する測定電極14の種類や生体表面の装着方法(導電性ペーストの有無等)に応じて任意に設定することが可能である。抵抗値Rをこのように設定することにより、抵抗値Rの測定範囲を広げ、且つ高精度な測定が可能となる。
【0041】
具体的には、測定したい抵抗値Rの範囲が10KΩ〜1MΩであるとすると、抵抗値Rを上記範囲の対数中心値である100KΩとする。図2は抵抗値Rを100KΩとし、電圧源10の振幅を±500μVとした場合の生体の抵抗成分の抵抗値Rと検出電圧Vの相関を示すグラフである。
【0042】
同図に示すように、検出電圧Vは抵抗値Rの値を中心とする範囲(図中に範囲Aとして示す)が最も傾きが大きく、当該範囲から離れた範囲(図中に範囲Bとして示す)では傾きが小さくなる。具体的には、抵抗値Rが10KΩ〜1MΩの範囲で検出電圧Vは100μV〜400μVの広い範囲で変化するのに対し、抵抗値Rが10KΩ未満では0〜100μV、1MΩ超では400μV〜500μVと、それぞれ比較的狭い範囲の変化となる。これは、範囲Aにおいては抵抗値Rが微小に変化しても検出電圧Vが変動すること、即ち抵抗値Rの高い検出精度(分解能)が得られることを意味する。
【0043】
一方、範囲Bにおいては高い検出精度を得ることはできないが、抵抗値が十分小さければ、生体信号測定に与える抵抗値Rの影響は無視することができ、一方で抵抗値が異常に大きければ、測定電極14が生体表面から外れていると判断できる。したがって、いずれの場合であっても、抵抗値Rの概算値さえ取得できれば、詳細な値を取得する必要性は乏しいといえる。
【0044】
即ち、本技術に係る生体信号測定装置1においては、抵抗器11の抵抗値Rを、測定したい生体の抵抗成分の抵抗値Rの範囲の対数中心値とすることにより、抵抗値Rを必要な範囲で高精度に測定することが可能である。
【0045】
また、生体信号測定装置1は、スイッチ12の開閉により接触抵抗測定と生体信号(脳波等)測定の切替が可能に構成されている。具体的には、スイッチ12がONのときには、上述のように電圧源10から電圧が印加され、接触抵抗が測定される。スイッチ12がOFFのときには、測定電極14の信号が増幅器13によって増幅され、生体信号が測定される。
【0046】
図3は、生体信号測定装置1による接触抵抗測定及び生体信号測定の動作を示す模式図である。同図に示すように、生体信号測定の前にスイッチ12をONとして接触抵抗測定を実施し、接触抵抗が所定範囲以内ならばスイッチ12をOFFとして生体信号測定を開始するものとすることができる。その後、生体信号測定中に所定時間毎に接触抵抗測定を実施し、接触抵抗の測定や測定電極14の外れの検出等を行うものとすることができる。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る生体信号測定装置1においては、必要な範囲の接触抵抗を高精度に測定し、ひいては接触抵抗の影響を受ける生体信号を高精度に測定することが可能である。
【0048】
(第2の実施形態)
本技術の第2の実施形態に係る生体信号測定装置について説明する。本実施形態において第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0049】
[生体信号測定装置の構成]
図4は、本実施形態に係る生体信号測定装置2の構成を示す模式図である。生体信号測定装置2は、ユーザの頭表に接続され、ユーザの脳波を測定する装置であるものとするがこれに限られず、筋電図、心電図、体脂肪率等、生体において生じる生体信号を測定することが可能な装置であるものとすることができる。同図に示すように生体信号測定装置2は、電圧源20、抵抗器21、スイッチ22、増幅器23、測定電極24、ニュートラル電極25、リファレンス電極26及び増幅器27を有する。
【0050】
電圧源20は抵抗器21に接続され、抵抗器21はスイッチ22に接続されている。スイッチ22は測定電極24に接続され、増幅器23はスイッチ22と測定電極24の間に接続されている。ニュートラル電極25はグランドに接続されている。リファレンス電極26は増幅器27に接続されている。同図に示すように、測定電極24、ニュートラル電極25及びリファレンス電極26はユーザの頭表に装着され、導電性ペースト等を介して電気的に接続されている。
【0051】
電圧源20は、一般的な交流電圧源を用いることができる。周波数や電圧は特に限定されないが、例えば周波数10Hz、電圧振幅±500μVとすることができる。
【0052】
抵抗器21は、印加電圧を接触抵抗との間で分圧する。以下、抵抗器21の抵抗値をRsとする。抵抗器21の抵抗値Rsは第1の実施形態と同様に、高精度に測定したい接触抵抗の抵抗値の範囲の対数中心値であるものとする。
【0053】
スイッチ22は、回路の開閉を可能とする。生体信号測定装置2においては、スイッチ22の開閉により接触抵抗の測定と生体信号の測定を切り替えることが可能となっている。
【0054】
増幅器23は、測定電極24が+端子に、グランドが−端子に接続され、増幅器23によって分圧された電圧を増幅して出力する。以下、増幅器23の増幅率を増幅率A、出力電圧を検出電圧Vaとする。増幅器23は一般的なオペアンプ(オペレーショナル・アンプリファイア)を用いることが可能である。
【0055】
測定電極24は、生体表面に接触し、電気的に接続される。測定電極24は、ユーザの頭表の所定の位置、例えば国際10−20法によって規定された位置に装着されるものとすることが可能である。また、測定電極24は複数基が設けられることも可能である。
【0056】
ニュートラル電極25は、測定電極24と同様に生体表面に接触し、電気的に接続される。ニュートラル電極25は、脳波の影響の小さい位置、例えばユーザの耳朶やこめかみ等に装着されるものとすることができる。ニュートラル電極25は測定電極24と同様の構造とすることができる。
【0057】
リファレンス電極26は、測定電極24及びニュートラル電極25と同様に生体表面に接触し、電気的に接続される。リファレンス電極26は、雑音の少ない位置、例えば頭頂部付近に装着されるものとすることができる。リファレンス電極26は測定電極24と同様の構造とすることができる。
【0058】
増幅器27は、リファレンス電極26が+端子に、グランドが−端子に接続され、リファレンス電極26の検出する信号を増幅して出力する。以下、増幅器27の増幅率を増幅率B、出力電圧を検出電圧Vbとする。増幅器27は一般的なオペアンプを用いることが可能である。
【0059】
[生体信号測定装置の動作]
電圧源20から電圧(以下、電源電圧Vi)が印加されている状態でスイッチ22がONされると、微小な電流が抵抗器21を通過して、測定電極24からユーザの頭部を介し、ニュートラル電極25に流れる。したがって、測定電極24とユーザの頭表の接触抵抗を抵抗値Ra、リファレンス電極26とユーザの頭表の接触抵抗を抵抗値Rb、ニュートラル電極25とユーザの頭表の接触抵抗を抵抗値Rcとすると、以下の(式5)及び(式6)が成り立つ。
【0060】
Va=(Ra+Rc)/(Ra+Rc+Rs)・A・Vi (式5)
【0061】
Vb=Rc/(Ra+Rc+Rs)・B・Vi (式6)
【0062】
上記(式5)を変形すると以下の(式7)が得られ、上記(式6)を変形すると、以下の(式8)が得られる。
【0063】
(AVi−Va)Ra+(AVi−Va)Rc=VaRs (式7)
【0064】
VbRa+(Vb−BVi)Rc=−VbRs (式8)
【0065】
上記(式7)及び上記(式8)は抵抗値Raと抵抗値Rcの2元1次連立方程式であるので、抵抗値Raと抵抗値Rcをそれぞれ求めることができる。
【0066】
このようにして、増幅器23及び増幅器27において検出される検出電圧Va及び検出電圧Vbから抵抗値Ra及び抵抗値Rcを求めることができる。上記(式5)及び上記(式6)に示すように、電源電圧Viが抵抗器21の抵抗値Rsと各電極の接触抵抗によって分圧されるため、検出電圧Va及び検出電圧Vbは抵抗値Rsによって異なる。
【0067】
ここで、第1の実施形態と同様に抵抗器21の抵抗値Rsを、測定したい接触抵抗の抵抗値Raの範囲の対数中心値とすることにより、抵抗値Raを必要な範囲で高精度に測定することが可能である。
【0068】
また、生体信号測定装置2は、スイッチ22の開閉により接触抵抗測定と生体信号(脳波等)測定の切替が可能に構成されている。具体的には、スイッチ22がONのときには、上述のように電圧源20から電圧が印加され、接触抵抗が測定される。スイッチ22がOFFのときには、増幅器23によって測定電極24とリファレンス電極26の信号の差分が増幅(差動増幅)され、生体信号が測定される。
【0069】
本実施形態に係る生体信号測定装置2においては、各電極の接触抵抗を得ることができるため、接触抵抗が異常に大きい場合、即ち電極が外れている場合に、それをユーザに伝達する構成とすることも可能である。
【0070】
例えば、生体信号測定装置2は取得した接触抵抗値をPC(Personal computer)に無線通信等により送信するものとすることができる。図5は、PCのディスプレイに表示される各電極の接触抵抗値を示す模式図である。同図に示すように各電極の接触抵抗値が表示され、接触抵抗値が閾値を超える場合には表示や音声等によってユーザに電極の接触性の改善を促すようにすることも可能である。
【0071】
以上のように、本実施形態に係る生体信号測定装置2においては、必要な範囲の接触抵抗を高精度に測定し、ひいては接触抵抗の影響を受ける生体信号を高精度に測定することが可能である。
【0072】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
【0073】
(1)
電圧源と、
上記電圧源に接続され、生体に接触する測定電極と、
上記電圧源と上記測定電極の間に接続された抵抗器と、
上記抵抗器と上記測定電極の間の電位を増幅する第1の増幅器と、
を具備する生体信号測定装置。
【0074】
(2)
(1)に記載の生体信号測定装置であって、
上記抵抗器は、上記測定電極と上記生体の接触抵抗の抵抗値範囲のうち、測定したい抵抗値範囲の対数中心値となる抵抗値を有する
生体信号測定装置。
【0075】
(3)
(1)又は(2)に記載の生体信号測定装置であって、
請求項2に記載の生体信号測定措置であって、
上記抵抗値範囲は、10KΩ以上1MΩ以下の範囲であり、
上記抵抗器は、100KΩの抵抗値を有する
生体信号測定装置。
【0076】
(4)
(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の生体信号測定装置であって、
請求項1に記載の生体信号測定装置であって、
上記抵抗器と、上記測定電極の間の接続を開閉することが可能なスイッチ
をさらに具備する
生体信号測定装置。
【0077】
(5)
(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の生体信号測定装置であって、
第2の増幅器と、
上記生体に接触し、上記第2の増幅器に接続されたリファレンス電極
をさらに具備する生体信号測定装置。
【符号の説明】
【0078】
1、2…生体信号測定装置
10、20…電圧源
11、21…抵抗器
12、22…スイッチ
13、23…増幅器
14、24…測定電極
15、25…ニュートラル電極
26…リファレンス電極
27…増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧源と、
前記電圧源に接続され、生体に接触する測定電極と、
前記電圧源と前記測定電極の間に接続された抵抗器と、
前記抵抗器と前記測定電極の間の電位を増幅する第1の増幅器と、
を具備する生体信号測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体信号測定装置であって、
前記抵抗器は、前記測定電極と前記生体の接触抵抗の抵抗値範囲のうち、測定したい抵抗値範囲の対数中心値となる抵抗値を有する
生体信号測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の生体信号測定措置であって、
前記抵抗値範囲は、10KΩ以上1MΩ以下の範囲であり、
前記抵抗器は、100KΩの抵抗値を有する
生体信号測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の生体信号測定装置であって、
前記抵抗器と、前記測定電極の間の接続を開閉することが可能なスイッチ
をさらに具備する
生体信号測定装置。
【請求項5】
請求項1に記載の生体信号測定装置であって、
第2の増幅器と、
前記生体に接触し、前記第2の増幅器に接続されたリファレンス電極と
をさらに具備する生体信号測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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