生体姿勢監視システム及び生体姿勢監視システムの制御方法
【課題】監視対象者の身体の動作を各種センサーを用いて検出することで、監視対象者の健康状態等を知ることができるが、監視対象者が立位、座位、臥位等の姿勢にあるとか、或いは転倒や落下等の重大事故等の状態にあるとかについては知ることができない。
【解決手段】情報処理装置20は、生体に取り付けられた端末装置から送信された高度情報を受信する受信部21と、受信した高度情報に基づいて、端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測部23とを有する。そして、計測した高度差に基づいて、端末装置が取り付けられている生体の動作姿勢を判断する判断部24と、判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力部25とを有する。
【解決手段】情報処理装置20は、生体に取り付けられた端末装置から送信された高度情報を受信する受信部21と、受信した高度情報に基づいて、端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測部23とを有する。そして、計測した高度差に基づいて、端末装置が取り付けられている生体の動作姿勢を判断する判断部24と、判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力部25とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体姿勢監視システム及び生体姿勢監視システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身体の動作をセンサーを用いて検出する様々な装置が提供されている。例えば、下記の特許文献1では、身体の所定の部位の動作を検出し、それに基づいて健康等の情報を得るために、図16に示す構成の身体動作センシング装置を提案している。この身体動作センシング装置は、運動センシングモジュールX9と指示信号選択装置X21等により構成される。運動センシングモジュールX9は、振動ジャイロや加速度センサー等の運動センサーX3を含んでおり、運動センシングモジュールX9を身体に装着することによって、身体の所定の方向の角速度又は所定の方向の直線加速度を含む複数の運動情報を計測し、その計測結果を複数の運動情報信号として出力している。また、身体動作センシング装置を在宅介護者等に用いて、定期的に被装着者の日常の動作情報を支援センターX29に送信することにより、支援センターX29では被介護者の健康状態や生存等の情報をモニターなどで監視することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−198110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1では、監視対象者の身体の動作を各種センサーを用いて検出することで、監視対象者の健康状態や生存等の情報を得ることができるが、監視対象者についての高度情報を利用したアプリケーションには対応していない。高度情報を利用したアプリケーションの例としては、監視対象者が立位、座位、臥位等の姿勢にあるとか、或いは転倒して床に臥しているとか、高所から落下して床に臥しているとか等の情報を得るアプリケーションが考えられる。特に、監視対象者の転倒や落下等の緊急の重大事故等について知ることができないのは大きな問題と言える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]生体に取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムであって、前記端末装置は、当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出部と、前記検出した高度を示す高度情報を前記情報処理装置へ送信する送信部と、を有し、前記情報処理装置は、前記端末装置から送信された前記高度情報を受信する受信部と、前記受信した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測部と、前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断部と、前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システム。
【0007】
上記した生体姿勢監視システムによれば、端末装置から、当該端末装置の高度を示す高度情報を情報処理装置へ送信する。情報処理装置では、端末装置から送信された高度情報を受信して端末装置の高度差を計測し、判断部が、端末装置の高度差に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、生体の動作に伴って端末装置に高度差が生じる現象を利用することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体が、どのような動作姿勢にあるのかを容易に且つ正確に把握することが可能になる。
【0008】
[適用例2]前記情報処理装置の判断部は、前記生体の立位、座位、及び臥位のうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0009】
上記した生体姿勢監視システムによれば、情報処理装置の判断部により、端末装置を取り付けた生体が立位、座位、及び臥位のうち少なくとも1つを含む動作姿勢にあることを判断することができ、生体の動作を監視することができる。
【0010】
[適用例3]前記情報処理装置の判断部は、前記生体の転倒及び落下のうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0011】
上記した生体姿勢監視システムによれば、情報処理装置の判断部により、端末装置を取り付けた生体が転倒及び落下のうち少なくとも1つを含む動作姿勢にあることを判断することができ、緊急の重大事故等について知ることができる。
【0012】
[適用例4]前記情報処理装置の判断部は、前記生体の位置する建物の階数を含む動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0013】
上記した生体姿勢監視システムによれば、情報処理装置の判断部により、端末装置を取り付けた生体が建物の何階に位置しているのかを判断することができ、生体の動作姿勢に付加して更に詳しい情報を知ることができる。
【0014】
[適用例5]前記端末装置は、前記端末装置の姿勢角度を検出する角度検出部を更に有し、前記端末装置の送信部は、前記検出した姿勢角度を示す角度情報を前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記角度情報を受信し、前記情報処理装置の判断部は、前記受信した角度情報に基づいて前記生体の動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0015】
上記した生体姿勢監視システムによれば、端末装置から、高度情報に加えて当該端末装置の姿勢角度を示す角度情報を情報処理装置へ送信する。情報処理装置では、端末装置から送信された角度情報を受信して、判断部が、端末装置の角度情報に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、端末装置の高度差に加えて姿勢角度も参照することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体の動作姿勢を更に正確に判断することが可能になる。
【0016】
[適用例6]前記端末装置は、前記端末装置の加速度を検出する加速度検出部を更に有し、前記端末装置の送信部は、前記検出した加速度を示す加速度情報を前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記加速度情報を受信し、前記情報処理装置の判断部は、前記受信した加速度情報に基づいて前記生体の動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0017】
上記した生体姿勢監視システムによれば、端末装置から、高度情報に加えて当該端末装置の加速度を示す加速度情報を情報処理装置へ送信する。情報処理装置では、端末装置から送信された加速度情報を受信して、判断部が、端末装置の加速度情報に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、端末装置の高度差に加えて加速度も参照することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体の動作姿勢を更に正確に判断することが可能になる。
【0018】
[適用例7]前記情報処理装置の判断部は、前記生体の歩行、走行及び立位時のふらつきのうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0019】
上記した生体姿勢監視システムによれば、情報処理装置の判断部により、端末装置に生じた加速度に基づいて、端末装置を取り付けた生体が歩行、走行及び立位時のふらつきのうち少なくとも1つを含む動作状態にあることを判断でき、生体の動作状態を監視することができる。
【0020】
[適用例8]前記端末装置は、位置情報衛星の衛星電波を利用して前記端末装置の位置を測位する測位部を更に有し、前記端末装置の送信部は、前記測位した前記端末装置の位置を示す測位情報を前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記測位情報を受信し、前記情報処理装置の出力部は、前記受信した測位情報に基づいて、前記生体の位置する情報を出力する上記生体姿勢監視システム。
【0021】
上記した生体姿勢監視システムによれば、端末装置から受信した測位情報に基づいて、情報処理装置の出力部が、生体の動作姿勢と共に、そのときの生体の位置を出力することができる。これにより、生体の動作姿勢に付加して更に詳しい情報を知ることができる。
【0022】
[適用例9]生体に取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムであって、前記端末装置は、当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出部と、前記検出した高度を示す高度情報を記憶する記憶部と、を有し、前記情報処理装置は、前記端末装置の記憶部に記憶されている前記高度情報を取得するデータ取得部と、前記取得した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測部と、前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断部と、前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システム。
【0023】
上記した生体姿勢監視システムによれば、端末装置において、当該端末装置の高度を示す高度情報を記憶する。情報処理装置では、端末装置に記憶されている高度情報を取得して端末装置の高度差を計測し、判断部が、端末装置の高度差に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、生体の動作に伴って端末装置に高度差が生じる現象を利用することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体が、これまで、どのような動作姿勢にあったのかを容易に且つ正確に把握することが可能になる。
【0024】
[適用例10]生体に取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムの制御方法であって、前記端末装置は、当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出工程と、前記検出した高度を示す高度情報を前記情報処理装置へ送信する送信工程と、を有し、前記情報処理装置は、前記端末装置から送信された前記高度情報を受信する受信工程と、前記受信した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測工程と、前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断工程と、前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力工程と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システムの制御方法。
【0025】
上記した生体姿勢監視システムの制御方法によれば、端末装置から、当該端末装置の高度を示す高度情報を情報処理装置へ送信する。情報処理装置では、端末装置から送信された高度情報を受信して端末装置の高度差を計測し、判断工程において、端末装置の高度差に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、生体の動作に伴って端末装置に高度差が生じる現象を利用することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体が、どのような動作姿勢にあるのかを容易に且つ正確に把握することが可能になる。
【0026】
[適用例11]生体に取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムの制御方法であって、前記端末装置は、当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出工程と、前記検出した高度を示す高度情報を記憶する記憶工程と、を有し、前記情報処理装置は、前記端末装置の記憶工程において記憶されている前記高度情報を取得するデータ取得工程と、前記取得した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測工程と、前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断工程と、前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力工程と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システムの制御方法。
【0027】
上記した生体姿勢監視システムの制御方法によれば、端末装置において、当該端末装置の高度を示す高度情報を記憶する。情報処理装置では、端末装置に記憶されている高度情報を取得して端末装置の高度差を計測し、判断工程において、端末装置の高度差に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、生体の動作に伴って端末装置に高度差が生じる現象を利用することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体が、これまで、どのような動作姿勢にあったのかを容易に且つ正確に把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】生体姿勢監視システムの概略構成図。
【図2】端末装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】圧力センサーの構成を示す図であり、(a)は圧力センサーの断面図、(b)は(a)におけるA−A断面を示す図。
【図4】角速度センサーに使用する圧電振動ジャイロ素子の構成及び動作を示す概略斜視図。
【図5】加速度センサーの構成を示す概略斜視図。
【図6】情報処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図7】ユーザーの姿勢及び端末装置の高度の例を示す図。
【図8】ユーザーの姿勢の変化に伴う端末装置の高度の推移を示すタイムチャート。
【図9】ユーザーの転倒動作に伴う端末装置の高度の推移を示すタイムチャート。
【図10】ユーザーの落下動作に伴う端末装置の高度の推移を示すタイムチャート。
【図11】端末装置及び情報処理装置の各動作を示すフローチャート。
【図12】第2実施形態に係る端末装置の機能構成を示すブロック図。
【図13】第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図14】第3実施形態に係る端末装置の機能構成を示すブロック図。
【図15】第3実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図16】従来の身体動作センシング装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る生体姿勢監視システムについて、図面を参照して説明する。
【0030】
最初に、第1実施形態に係る生体姿勢監視システムの概略構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る生体姿勢監視システム1の概略構成図である。生体姿勢監視システム1は、生体としてのユーザーM1の腰部に取り付けられた端末装置10と、情報処理装置20とを含んで構成されている。端末装置10と情報処理装置20とは、インターネット網80を介して接続可能であり、情報処理装置20は、端末装置10から送信されたデータを受信することができる。なお、端末装置10と情報処理装置20との接続は、インターネット網80に限られない。また、ユーザーM1に取り付ける端末装置10の位置は、腰部に限られず、例えば、胸部、大腿部、手首、足首等であっても良い。また、端末装置10が取り付けられる生体は、人間に限られず、例えば、動物、水棲生物等であっても良い。
【0031】
生体姿勢監視システム1では、端末装置10に備えられた各種センサーによってユーザーM1の動作を検出し、検出データを情報処理装置20へ送信する。そして、情報処理装置20において、端末装置10から受信した検出データに基づいて、ユーザーM1の各種動作姿勢を判断し、例えばディスプレイ等に表示する。これにより、情報処理装置20において、ユーザーM1の動作姿勢を常時監視することが可能になる。
【0032】
次に、端末装置10の機能構成について説明する。
図2は、端末装置10の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、端末装置10は、高度検出部11、角度検出部12、加速度検出部13、送信部14、制御部15等により構成されている。
【0033】
高度検出部11は、圧力センサー11sを備えて端末装置10の現在位置における高度を検出する。図1の例では、端末装置10がユーザーM1の腰部に取り付けられており、ユーザーM1の腰部の位置の高度を検出する。
【0034】
図3は、圧力センサー11sの構成を示す図であり、(a)は圧力センサーの断面図、(b)は(a)におけるA−A断面を示す図である。圧力センサー11sは、ダイアフラム120と、このダイアフラム120と対向して設けられる容器140、及び感圧素子としての圧電振動片130とを基本構成とする絶対圧センサーである。
【0035】
上記のような基本構成を有する圧力センサー11sのうち、ダイアフラム120は、外部(図3(a)では上方)からの圧力を受圧すると、受圧した圧力によって撓み変形する薄肉部122と、この薄肉部122の周囲に形成される枠部128とを基本構成とする。そして、本実施形態のダイアフラム120は薄肉部122の一方の面に、詳細を後述する圧電振動片130を載置、固定するための支持部124を有する。支持部124は圧電振動片130を2点で支持するために設けられるものであり、圧電振動片130の両端部を固定するために、対を成すように形成されている。また、薄肉部122の他方の面には、圧電振動片130を支持部124に載置した際に、圧電振動片130の振動部134が位置することとなる部位に対応させて、厚肉化するための突出部126を設けても良い。
【0036】
本実施形態で採用する圧電振動片130は、いわゆる双音叉振動子である。双音叉型の振動子は、振動部の両端部に基部132を有し、この2つの基部132の間に双音叉形状を成す振動部134を有する。このような構成の双音叉型の振動子は、双音叉形状を成す振動部134に内部応力を生じさせると、共振周波数が変化するという特性を持っている。具体的には、振動部134に引張応力が生じると共振周波数が高くなり、圧縮応力が生じると共振周波数は低くなる。従って、圧力センサー11sにおいて、ダイアフラム120が圧力を受圧すると、受圧した圧力によってダイアフラム120は撓み変形し、支持部124を介して双音叉振動子に引張力が作用するので、双音叉振動子に引張応力が生じ共振周波数が変化することとなる。この共振周波数の変化から圧力変化を検出する。
【0037】
図2に戻って、角度検出部12は、圧電振動ジャイロ素子からなる角速度センサー12sを備えて端末装置10の姿勢角度を検出する。本実施形態では、水平方向に対しての姿勢角度を検出する。図1の例では、端末装置10がユーザーM1の腰部に垂直に取り付けられており、検出される姿勢角度は略90°となる。
【0038】
図4は、角速度センサー12sに使用する圧電振動ジャイロ素子の構成及び動作を示す概略斜視図である。圧電振動ジャイロ素子は、例えば水晶などの圧電材料の薄板から形成される中央の基部223から図中上下両側へ延出する1対の検出用振動腕224と、当該検出用振動腕224と直交して基部223から図中左右両側へ延出する1対の支持腕225と、各支持腕の先端から検出用振動腕と平行に図中上下両側へ延出する左右各1対の駆動用振動腕226とを有する。各駆動用振動腕226は、その表裏両面に長手方向に沿って延長する溝部227が凹設され、且つその両側面及び溝部の内面に図示しない第1及び第2駆動電極がそれぞれ形成されている。各検出用振動腕224は、同様にその表裏両面に長手方向に沿って延長する溝部228が形成され、且つその両側面及び溝部の内面に図示しない第1及び第2検出電極がそれぞれ形成されている。
【0039】
駆動電極に交流電極を印加すると、駆動用振動腕226は、その主面を含む平面内で矢印229で示すように同期して屈曲振動する。この状態で圧電振動ジャイロ素子が平面内で中心軸230の周りに回転すると、駆動用振動腕226の長手方向に沿ってコリオリ力が、矢印231で示すように交互に逆向きに発生する。この作用によって、支持腕225は、同じ平面内で矢印232で示すように屈曲振動する。このため、圧電振動ジャイロ素子は基部223に作用する振動のバランスが崩れ、駆動用振動腕226の振動エネルギーが基部223を介して伝達されて、検出用振動腕224を同じ平面内で矢印233で示すように屈曲振動させる。
【0040】
検出用振動腕224の屈曲振動による圧電材料の歪みを検出電極が検出して信号を出力する。検出用振動腕224の振幅は、その大きさが圧電振動ジャイロ素子に作用する角速度ωの大きさに応じて変化し、この角速度の大きさに応じた電圧が検出電極に発生する。この出力電圧を電子的に処理することによって、平面内での回転及び角速度が求められる。角度検出部12では、角速度センサー12sからの出力信号を、図示しない増幅回路及び積分回路において増幅及び積分して端末装置10の姿勢角度を取得する。
【0041】
図2に戻って、加速度検出部13は、加速度センサー13sを備えて直交する3軸方向の加速度を測定し、端末装置10の3次元の加速度を検出する。図1の例では、立位の状態にあるユーザーM1が例えば座位、臥位等の静止状態に移行するときや、歩行、走行等の動作状態における端末装置10の3次元の加速度を検出する。
【0042】
図5は、加速度センサー13sの構成を示す概略斜視図である。加速度センサー13sは、ベース320とウエイト330と3つの双音叉型水晶振動素子(応力感応素子)340,350,360とを有する。ベース320は、立方形を作るように3つの正方形の壁部を互いに直交させて形成され、XYZ方向に互いに直交する3つの素子取付面321〜323を有する。ウエイト330は、所定の質量を有する立方体からなり、互いに直交する3つの素子接合面331〜333を有する。ベース320及びウエイト330は、例えばアルミニウム合金などの適当な材料を用いて形成される。
双音叉型水晶振動素子340,350,360は、それぞれ長手方向の両端に設けられる基端部341a,341b,351a,351b,361a,361bと、それらの間を平行に延長する1対の振動ビーム342,352,362とを有する。前記各双音叉型水晶振動素子は、それぞれ別個の発振回路(図示せず)に接続されている。
【0043】
各双音叉型水晶振動素子340,350,360は、一方の基端部341a,351a,361aをそれぞれベース320の素子取付面321〜323に接着剤で結合して、該ベースの前記各壁部に垂直に支持されている。前記各双音叉型水晶振動素子の他方の基端部341b,351b,361bは、それぞれ前記各素子取付面に対応するウエイト330の素子接合面331〜333に接着剤で結合されている。これにより、ウエイト330が、直交するXYZ3方向から双音叉型水晶振動素子340,350,360によって浮遊した状態に支持される。
【0044】
各双音叉型水晶振動素子340,350,360を前記発振回路により個別に所定の周波数で振動させた状態で、加速度センサー13sに外力が作用してウエイト330に加速度が加わると、その大きさ及び向きに対応して、前記各双音叉型水晶振動素子には、その長手方向に圧縮方向または引張方向の力が作用する。双音叉型水晶振動素子340,350,360の周波数は、圧縮方向の力が作用すると減少し、引張方向の力が作用すると増加するように変化する。従って、各双音叉型水晶振動素子340,350,360における周波数の変化量を検出して、XYZ方向それぞれに作用する荷重を算出し、それらを総合してウエイト330に作用した加速度の大きさ及び向きを3次元で決定することができる。
【0045】
図2に戻って、送信部14は、高度検出部11において検出した端末装置10の高度を示す高度情報14a、角度検出部12において検出した端末装置10の姿勢角度を示す角度情報14b、及び加速度検出部13において検出した端末装置10の加速度を示す加速度情報14cを、インターネット網80を介して情報処理装置20へ送信する。なお、高度検出部11、角度検出部12及び加速度検出部13は、端末装置10の動作状態を把握可能な一定の時間間隔で検出され、送信部14は、当該時間間隔に応じてこれらの情報を情報処理装置20へ送信する。
【0046】
制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM等を備え、端末装置10における各部を統括的に制御する。
【0047】
次に、情報処理装置20の機能構成について説明する。
図6は、情報処理装置20の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理装置20は、受信部21、記憶部22、高度差計測部23、判断部24、出力部25、制御部26等により構成されている。
【0048】
受信部21は、端末装置10から送信された高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cを受信し、それぞれを高度情報22a、角度情報22b及び加速度情報22cとして記憶部22に記憶する。
【0049】
記憶部22は、例えばハードディスクのような外部記憶装置であり、情報処理装置20における各種データが記憶される。
【0050】
高度差計測部23は、記憶部22に記憶されている高度情報22aに基づいて、端末装置10の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する。なお、ここでは、端末装置10の高度が連続して変化しているときの高度差ではなく、高度変化が略停止したときにおける高度差を計測する。
【0051】
判断部24は、高度差計測部23によって計測した端末装置10の高度差と、記憶部22に記憶されている高度情報22a、角度情報22b及び加速度情報22cとに基づいて、端末装置10が取り付けられているユーザーM1が、現在どのような動作姿勢にあるかを判断する。本実施形態では、ユーザーM1の立位、座位、臥位、転倒、落下、歩行、走行、立位時のふらつき等の動作姿勢を判断する。
【0052】
最初に、ユーザーM1の立位、座位及び臥位の姿勢を判断する例について説明する。
図7は、ユーザーM1の姿勢及び端末装置10の高度の例を示す図であり、同図(a)ではユーザーM1が臥位の姿勢にあり、(b)では座位の姿勢にあり、(c)では立位の姿勢にあり、(d)では再び臥位の姿勢にある。(a)、(b)、(c)、(d)の各姿勢における端末装置10の高度は、それぞれh1,h2,h3,h1となっている。
【0053】
図8は、ユーザーM1の姿勢の変化に伴う端末装置10の高度の推移を示すタイムチャートである。同図は、図7(a)、(b)、(c)、(d)に示すユーザーM1の各姿勢における高度の推移を表している。図8に示すように、ユーザーM1は、最初に高度h1の臥位の姿勢を保っており、次に高度h2の座位の姿勢に移行する。そして、座位の姿勢から高度h3の立位の姿勢に移行し、再び高度h1の臥位の姿勢に移行している。
【0054】
判断部24は、図8における高度差(h2−h1)を判断材料にして、ユーザーM1の姿勢が臥位から座位の姿勢へ移行したと判断する。更に、記憶部22に記憶されている角度情報22bに基づいた端末装置10の姿勢角度についても判断材料とする。具体的には、臥位の姿勢では略0°の端末装置10の姿勢角度が、座位の姿勢では略90°に変位する現象を判断材料として用いる。
【0055】
ここで、例えば、端末装置10に高度差(h2−h1)が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略0°から略90°に変位した場合、ユーザーM1が臥位から座位の姿勢へ移行したと判断する。また、端末装置10に(h2−h1)よりも小さい高度差が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略0°から略90°に変位した場合は、例えば床で臥位の姿勢であったユーザーM1が、そのまま床で座位の姿勢に移行したと判断することができる。一方、端末装置10に高度差(h2−h1)が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度がそのまま略0°の状態を保った場合は、例えば床で寝ていたユーザーM1が、ベッドの上に移動してそのまま寝たと判断することができる。
【0056】
また、判断部24は、図8における高度差(h3−h2)を判断材料にして、ユーザーM1の姿勢状態が座位から立位の姿勢へ移行したと判断する。更に、角度情報22bに基づいた端末装置10の姿勢角度についても判断材料とする。具体的には、座位の姿勢では略90°の端末装置10の姿勢角度が、立位の姿勢でもそのまま略90°である現象を判断材料として用いる。
【0057】
ここで、例えば、端末装置10に高度差(h3−h2)が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略90°に保たれた場合、ユーザーM1が座位から立位の姿勢へ移行したと判断する。また、端末装置10に(h3−h2)よりも大きい高度差が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略90°であった場合は、例えば床で臥位又は座位の姿勢であったユーザーM1が、立位の姿勢に移行したと判断することができる。
【0058】
また、判断部24は、図8におけるマイナスの高度差(h1−h3)を判断材料にして、ユーザーM1の姿勢状態が立位から元の臥位の姿勢へ移行したと判断する。更に、角度情報22bに基づいた端末装置10の姿勢角度についても判断材料とする。具体的には、立位の姿勢では略90°の端末装置10の姿勢角度が、臥位の姿勢では略0°に変位する現象を判断材料として用いる。
【0059】
ここで、例えば、端末装置10にマイナスの高度差(h1−h3)が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略90°から略0°に変位した場合、ユーザーM1が立位から臥位の姿勢へ移行したと判断する。また、端末装置10に(h1−h3)よりも絶対値が小さいマイナスの高度差が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略90°に保たれた場合は、立位の姿勢であったユーザーM1が、座位の姿勢に移行したと判断することができる。
【0060】
なお、ユーザーM1の立位、座位及び臥位の姿勢を判断する例について示したが、これに限られず、記憶部22に記憶されている高度情報22aに基づいて、ユーザーM1の臥位の姿勢が仰臥又は伏臥であるかを判別するようにしても良い。
【0061】
次に、ユーザーM1の転倒及び落下の動作を判断する例について説明する。
図9は、ユーザーM1の転倒動作に伴う端末装置10の高度の推移を示すタイムチャートである。同図では、ユーザーM1が、高度h3の立位の姿勢から高度h1の臥位の姿勢に瞬時に移行している。
判断部24は、図9におけるマイナスの高度差(h1−h3)、角度情報22bに基づいた端末装置10の姿勢角度及び当該高度差が生じた時間間隔を判断材料にして、ユーザーM1が立位の姿勢から転倒して臥位の姿勢へ移行したと判断する。具体的には、立位の姿勢では略90°の端末装置10の姿勢角度が、臥位の姿勢では略0°に変位し、且つ高度差の時間間隔が極めて短く転倒時間に該当する現象を判断材料として用いる。
【0062】
図10は、ユーザーM1の落下動作に伴う端末装置10の高度の推移を示すタイムチャートである。同図では、ユーザーM1が、高度h4の立位の姿勢から高度h1の臥位の姿勢に瞬時に移行している。高度h4は、ユーザーM1の腰部の位置を示す高度h3よりも高所にある。
判断部24は、上記した転倒における判断材料と同様の判断材料によって落下であると判断するが、高度差(h1−h4)が高所を示す場合に落下であると判断する。
【0063】
ここで、ユーザーM1の転倒又は落下後に、端末装置10の姿勢角度が、略90°に保たれた場合は、ユーザーM1が転倒又は落下後に例えば尻餅をついて座位の姿勢にあると判断することができる。
なお、ユーザーM1の転倒及び落下を判断する際に、記憶部22に記憶されている加速度情報22cを用いても良い。この場合、ユーザーM1の転倒及び落下時において鉛直方向に発生する大きな加速度変化を判断材料とする。
【0064】
次に、ユーザーM1の歩行、走行及び立位時のふらつきの動作を判断する例について説明する。
判断部24は、記憶部22に記憶されている加速度情報22cを判断材料として、ユーザーM1の歩行、走行及び立位時のふらつきの動作を判断する。
歩行については、歩行に伴って端末装置10の鉛直方向に一定周期で振れる加速度変化を判断材料にして、ユーザーM1が歩行の動作状態にあると判断する。また、走行については、この加速度変化が更に大きくなった場合に、ユーザーM1が走行の動作状態にあると判断する。更に、立位時のふらつきについては、水平方向の加速度、即ちユーザーM1の前後方向及び左右方向の加速度を検出して、ユーザーM1のふらつきを判断する。
【0065】
図6に戻って、出力部25は、判断部24によって判断されたユーザーの動作姿勢に基づいて、図示しないディスプレイ等に、ユーザーM1の立位、座位、臥位、転倒、落下、歩行、走行、ふらつき等の動作姿勢を示す動作姿勢情報となるメッセージを表示する。また、ユーザーM1が高所から落下した場合には、どのくらいの高さから落下したことを示すメッセージも併せて表示する。
【0066】
制御部26は、図示しないCPU、RAM及びROM等を備え、情報処理装置20における各部を統括的に制御する。
【0067】
次に、端末装置10及び情報処理装置20の各動作について説明する。
図11は、端末装置10及び情報処理装置20の各動作を示すフローチャートである。同図に示す端末装置10及び情報処理装置20の各動作は、それぞれの図示しない開始スイッチがオンされた場合に開始されて、オフされた場合に終了する。
【0068】
端末装置10は、高度検出部11によってユーザーM1の端末装置10の現在位置における高度を検出し(ステップS11)、角度検出部12によって端末装置10の姿勢角度を検出し(ステップS12)、加速度検出部13によって端末装置10の3次元の加速度を検出する(ステップS13)。
次に、端末装置10は、ステップS11〜S13において検出した高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cを情報処理装置20へ送信する(ステップS14)。そして、端末装置10は、ステップS11に戻り、これらのステップS11〜S14の各動作を一定の時間間隔で繰り返して行う。
【0069】
一方、情報処理装置20は、受信部21により、端末装置10から高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cを受信して、それぞれを高度情報22a、角度情報22b及び加速度情報22cとして記憶部22に記憶する(ステップS21)。
【0070】
次に、情報処理装置20は、判断部24により、受信した高度情報14aに基づいて、端末装置10が取り付けられたユーザーM1が静止状態か否かを判定する(ステップS22)。ここでの判定は、今回受信した高度情報14aと前回受信した高度情報14aとの変位が規定値内のときに静止状態であると判定し、規定値を超えるときに静止状態でないと判定する。
【0071】
ユーザーM1が静止状態の場合(ステップS22:Yes)は、情報処理装置20は、判断部24により、現在のユーザーM1が立位、座位、臥位のうちいずれの姿勢にあるかを判断する(ステップS23)。ここで、立位、座位、臥位のいずれにも該当しない場合は、ユーザーM1の姿勢が不明であると判断する。
次に、情報処理装置20は、判断部24により、ユーザーM1の現在の姿勢が転倒又は落下によるものか、あるいは通常の動作によるものかを判断し(ステップS24)、次のステップS26へ進む。ここでは、転倒及び落下によるもの以外を、通常の動作によるものと判断する。
【0072】
他方、ユーザーM1が静止状態でない、即ち動作状態の場合(ステップS22:No)は、情報処理装置20は、判断部24により、現在のユーザーM1が歩行、走行、及び立位時のふらつきのいずれの動作状態にあるかを判断する(ステップS25)。そして、ステップS26へ進む。ここで、歩行、走行、及び立位時のふらつきのいずれにも該当しない場合は、ユーザーM1の動作が不明であると判断する。
【0073】
ステップS26では、情報処理装置20は、出力部25により、ステップS23〜S25において判断したユーザーM1の立位、座位、臥位、転倒、落下、歩行、走行、ふらつき等の動作姿勢のメッセージを表示する。なお、ユーザーM1の動作姿勢が不明である場合は、その旨を表示する。
そして、情報処理装置20は、ステップS21に戻り、端末装置10から高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cを受信する処理以降を繰り返す。これにより、情報処理装置20では、端末装置10が取り付けられたユーザーM1の動作姿勢の監視を常時行うことができる。
【0074】
上記した生体姿勢監視システム1は、端末装置10において、端末装置10の高度、姿勢角度及び加速度を検出して情報処理装置20へ送信する。情報処理装置20では、端末装置10の高度から高度差を計測する。そして、端末装置10の高度差及び姿勢角度に基づいて、ユーザーM1の立位、座位及び臥位の各種姿勢を判断することができる。ここでは、端末装置10の高度差及び姿勢角度を各種姿勢の判断材料にしていることから、容易に且つ正確にユーザーM1の各種姿勢を判断することができる。
【0075】
また、端末装置10の高度差及び姿勢角度と、高度差が生じたときの時間間隔又は加速度に基づいて、ユーザーM1の転倒及び落下を判断することができる。このとき、高度差に基づいて、ユーザーM1が転倒したのか、或いはどの高さから落下したのかを知ることができる。これにより、ユーザーM1に発生した緊急の重大事故等について詳しく知ることができ、迅速に対処することが可能になる。
【0076】
また、端末装置10の加速度に基づいて、ユーザーM1の歩行、走行、立位時のふらつき等の動作姿勢を判断することができる。これにより、ユーザーM1が動作状態にあるときについても各種動作を知ることができ、ユーザーM1についての日常の動作全般を監視することが可能になる。
【0077】
ここで、生体姿勢監視システム1を、例えば介護施設等における利用者の安全監視に適用した場合、利用者が立位、座位及び臥位のいずれの姿勢にあるのか、転倒及び落下の重大事故が発生していないかを監視することができる。更に、利用者が動作状態にあるときに、歩行、走行、ふらつき等の動作についても監視することができる。これにより、利用者の日常生活における安全を監視することが可能になる。
【0078】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る生体姿勢監視システムについて、図面を参照して説明する。第2実施形態に係る生体姿勢監視システムは、図1に示す第1実施形態に係る生体姿勢監視システム1と同様な概略構成であるが、端末装置10及び情報処理装置20の各機能構成が異なっている。
【0079】
図12は、第2実施形態に係る端末装置30の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、第2実施形態に係る端末装置30では、図2に示す第1実施形態に係る端末装置10に対して、送信部14が除かれて記憶部31が新たに追加されている。この記憶部31は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリーのような不揮発性メモリーである。
【0080】
第1実施形態に係る端末装置10では、端末装置10について検出した高度、姿勢角度及び加速度の各種情報を、検出毎に情報処理装置20へ送信するようにした。しかし、第2実施形態に係る端末装置30では、これらの各種情報を検出する毎に、それぞれを高度情報31a、角度情報31b及び加速度情報31cとして記憶部31に記憶する。従って、記憶部31には、端末装置30について検出された高度情報31a、角度情報31b及び加速度情報31cの全データが時系列に記憶されることになる。
【0081】
また、図13は、第2実施形態に係る情報処理装置40の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、第2実施形態に係る情報処理装置40では、図6に示す第1実施形態に係る情報処理装置20に対して、受信部21が除かれてデータ取得部41が新たに追加されている。
【0082】
データ取得部41では、端末装置30の記憶部31に記憶されている高度情報31a、角度情報31b及び加速度情報31cの全データを取得し、それぞれを高度情報22a、角度情報22b及び加速度情報22cとして記憶部22に記憶する。従って、記憶部22には、端末装置30において検出した全データが時系列に記憶されることになる。
ここで、端末装置30からのデータ取得は、端末装置30との間で有線通信又は無線通信によって行っても良い。また、端末装置30において、データをリムーバブルメモリー等の記憶媒体に保存しておき、このリムーバブルメモリー等を情報処理装置40に装着することでデータ取得するようにしても良い。
【0083】
高度差計測部23及び判断部24では、記憶部22に時系列に記憶されている高度情報22a、角度情報22b及び加速度情報22cの各種データを順番に取得して処理を繰り返す。そして、出力部25により、ユーザーM1の立位、座位、臥位、転倒、落下、歩行、走行、ふらつき等の動作姿勢のメッセージを時系列にディスプレイ等に表示する。
【0084】
本実施形態の生体姿勢監視システムでは、端末装置30において検出された全データが端末装置30に記憶されて、その後、情報処理装置40において、ユーザーM1の動作姿勢のメッセージをまとめて時系列に表示している。これにより、ユーザーM1の動作姿勢が時間と共にどのような経過を辿ってきたのかを、まとめて把握することができる。
【0085】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る生体姿勢監視システムについて、図面を参照して説明する。第3実施形態に係る生体姿勢監視システムは、図1に示す第1実施形態に係る生体姿勢監視システム1と同様な概略構成であるが、端末装置10及び情報処理装置20の各機能構成が異なっている。
【0086】
図14は、第3実施形態に係る端末装置50の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、第3実施形態に係る端末装置50では、図2に示す第1実施形態に係る端末装置10に対して、測位部51が新たに追加されている。
【0087】
この測位部51は、図示しないアンテナを介してGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号に含まれる航法メッセージを解析して測位処理を行う。そして、送信部14では、高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cに加えて、測位部51において測位した端末装置50の現在位置を示す測位情報14dを、インターネット網80を介して情報処理装置60へ送信する。
【0088】
また、図15は、第3実施形態に係る情報処理装置60の機能構成を示すブロック図である。同図に示す受信部21では、端末装置50から送信された高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cに加えて、測位情報14dを受信して測位情報22dとして記憶部22に記憶する。更に、記憶部22には地図情報22eが予め記憶されている。
【0089】
高度差計測部23及び判断部24では、第1実施形態に係る情報処理装置20と同様の処理を行う。一方、出力部25では、ユーザーM1の各種動作姿勢のメッセージに加えて、記憶部22に記憶されている測位情報22d及び地図情報22eに基づいて、地図上におけるユーザーM1の現在位置を表示する。
なお、第3実施形態に係る生体姿勢監視システムの構成及び動作を、上述した第2実施形態に係る生体姿勢監視システムにも適用できるようにしても良い。
【0090】
本実施形態の生体姿勢監視システムでは、情報処理装置60の出力部25において、ユーザーM1の動作姿勢と共に地図上における現在位置を表示することにより、ユーザーM1の動作環境を把握することができ、端末装置50が取り付けられているユーザーM1の動作姿勢の背景を理解することができる。
【0091】
(変形例1)
上述した実施形態では、ユーザーM1が立位の姿勢において転倒又は落下して、臥位等の姿勢に移行する例を示した。しかし、これに限られず、ユーザーM1が歩行、走行等から衝突して、臥位等の姿勢に移行する場合にも適用することができる。また、ユーザーM1が立位時のふらつきから転倒して臥位等の姿勢に移行する場合にも適用することができる。
【0092】
(変形例2)
上述した実施形態では、端末装置が取り付けられているユーザーM1が、現在どのような動作姿勢にあるのかを判断して、その動作姿勢のメッセージをディスプレイ等に表示した。しかし、ユーザーM1の動作姿勢のメッセージに付加して、ユーザーM1が建物の何階に位置するのかを示すようなメッセージを表示しても良い。なお、ユーザーM1が位置する建物の階数は、情報処理装置の記憶部22に記憶されている高度情報22aに基づいて特定することができる。
【符号の説明】
【0093】
1…生体姿勢監視システム、10…端末装置、11…高度検出部、11s…圧力センサー、12…角度検出部、12s…角速度センサー、13…加速度検出部、13s…加速度センサー、14…送信部、14a…高度情報、14b…角度情報、14c…加速度情報、14d…測位情報、15…端末装置の制御部、20…情報処理装置、21…受信部、22…記憶部、22a…高度情報、22b…角度情報、22c…加速度情報、22d…測位情報、22e…地図情報、23…高度差計測部、24…判断部、25…出力部、26…情報処理装置の制御部、30…端末装置、31…端末装置の記憶部、31a…高度情報、31b…角度情報、31c…加速度情報、40…情報処理装置、41…データ取得部、50…端末装置、51…測位部、60…情報処理装置、80…インターネット網。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体姿勢監視システム及び生体姿勢監視システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身体の動作をセンサーを用いて検出する様々な装置が提供されている。例えば、下記の特許文献1では、身体の所定の部位の動作を検出し、それに基づいて健康等の情報を得るために、図16に示す構成の身体動作センシング装置を提案している。この身体動作センシング装置は、運動センシングモジュールX9と指示信号選択装置X21等により構成される。運動センシングモジュールX9は、振動ジャイロや加速度センサー等の運動センサーX3を含んでおり、運動センシングモジュールX9を身体に装着することによって、身体の所定の方向の角速度又は所定の方向の直線加速度を含む複数の運動情報を計測し、その計測結果を複数の運動情報信号として出力している。また、身体動作センシング装置を在宅介護者等に用いて、定期的に被装着者の日常の動作情報を支援センターX29に送信することにより、支援センターX29では被介護者の健康状態や生存等の情報をモニターなどで監視することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−198110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1では、監視対象者の身体の動作を各種センサーを用いて検出することで、監視対象者の健康状態や生存等の情報を得ることができるが、監視対象者についての高度情報を利用したアプリケーションには対応していない。高度情報を利用したアプリケーションの例としては、監視対象者が立位、座位、臥位等の姿勢にあるとか、或いは転倒して床に臥しているとか、高所から落下して床に臥しているとか等の情報を得るアプリケーションが考えられる。特に、監視対象者の転倒や落下等の緊急の重大事故等について知ることができないのは大きな問題と言える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]生体に取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムであって、前記端末装置は、当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出部と、前記検出した高度を示す高度情報を前記情報処理装置へ送信する送信部と、を有し、前記情報処理装置は、前記端末装置から送信された前記高度情報を受信する受信部と、前記受信した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測部と、前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断部と、前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システム。
【0007】
上記した生体姿勢監視システムによれば、端末装置から、当該端末装置の高度を示す高度情報を情報処理装置へ送信する。情報処理装置では、端末装置から送信された高度情報を受信して端末装置の高度差を計測し、判断部が、端末装置の高度差に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、生体の動作に伴って端末装置に高度差が生じる現象を利用することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体が、どのような動作姿勢にあるのかを容易に且つ正確に把握することが可能になる。
【0008】
[適用例2]前記情報処理装置の判断部は、前記生体の立位、座位、及び臥位のうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0009】
上記した生体姿勢監視システムによれば、情報処理装置の判断部により、端末装置を取り付けた生体が立位、座位、及び臥位のうち少なくとも1つを含む動作姿勢にあることを判断することができ、生体の動作を監視することができる。
【0010】
[適用例3]前記情報処理装置の判断部は、前記生体の転倒及び落下のうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0011】
上記した生体姿勢監視システムによれば、情報処理装置の判断部により、端末装置を取り付けた生体が転倒及び落下のうち少なくとも1つを含む動作姿勢にあることを判断することができ、緊急の重大事故等について知ることができる。
【0012】
[適用例4]前記情報処理装置の判断部は、前記生体の位置する建物の階数を含む動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0013】
上記した生体姿勢監視システムによれば、情報処理装置の判断部により、端末装置を取り付けた生体が建物の何階に位置しているのかを判断することができ、生体の動作姿勢に付加して更に詳しい情報を知ることができる。
【0014】
[適用例5]前記端末装置は、前記端末装置の姿勢角度を検出する角度検出部を更に有し、前記端末装置の送信部は、前記検出した姿勢角度を示す角度情報を前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記角度情報を受信し、前記情報処理装置の判断部は、前記受信した角度情報に基づいて前記生体の動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0015】
上記した生体姿勢監視システムによれば、端末装置から、高度情報に加えて当該端末装置の姿勢角度を示す角度情報を情報処理装置へ送信する。情報処理装置では、端末装置から送信された角度情報を受信して、判断部が、端末装置の角度情報に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、端末装置の高度差に加えて姿勢角度も参照することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体の動作姿勢を更に正確に判断することが可能になる。
【0016】
[適用例6]前記端末装置は、前記端末装置の加速度を検出する加速度検出部を更に有し、前記端末装置の送信部は、前記検出した加速度を示す加速度情報を前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記加速度情報を受信し、前記情報処理装置の判断部は、前記受信した加速度情報に基づいて前記生体の動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0017】
上記した生体姿勢監視システムによれば、端末装置から、高度情報に加えて当該端末装置の加速度を示す加速度情報を情報処理装置へ送信する。情報処理装置では、端末装置から送信された加速度情報を受信して、判断部が、端末装置の加速度情報に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、端末装置の高度差に加えて加速度も参照することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体の動作姿勢を更に正確に判断することが可能になる。
【0018】
[適用例7]前記情報処理装置の判断部は、前記生体の歩行、走行及び立位時のふらつきのうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断する上記生体姿勢監視システム。
【0019】
上記した生体姿勢監視システムによれば、情報処理装置の判断部により、端末装置に生じた加速度に基づいて、端末装置を取り付けた生体が歩行、走行及び立位時のふらつきのうち少なくとも1つを含む動作状態にあることを判断でき、生体の動作状態を監視することができる。
【0020】
[適用例8]前記端末装置は、位置情報衛星の衛星電波を利用して前記端末装置の位置を測位する測位部を更に有し、前記端末装置の送信部は、前記測位した前記端末装置の位置を示す測位情報を前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記測位情報を受信し、前記情報処理装置の出力部は、前記受信した測位情報に基づいて、前記生体の位置する情報を出力する上記生体姿勢監視システム。
【0021】
上記した生体姿勢監視システムによれば、端末装置から受信した測位情報に基づいて、情報処理装置の出力部が、生体の動作姿勢と共に、そのときの生体の位置を出力することができる。これにより、生体の動作姿勢に付加して更に詳しい情報を知ることができる。
【0022】
[適用例9]生体に取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムであって、前記端末装置は、当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出部と、前記検出した高度を示す高度情報を記憶する記憶部と、を有し、前記情報処理装置は、前記端末装置の記憶部に記憶されている前記高度情報を取得するデータ取得部と、前記取得した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測部と、前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断部と、前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システム。
【0023】
上記した生体姿勢監視システムによれば、端末装置において、当該端末装置の高度を示す高度情報を記憶する。情報処理装置では、端末装置に記憶されている高度情報を取得して端末装置の高度差を計測し、判断部が、端末装置の高度差に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、生体の動作に伴って端末装置に高度差が生じる現象を利用することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体が、これまで、どのような動作姿勢にあったのかを容易に且つ正確に把握することが可能になる。
【0024】
[適用例10]生体に取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムの制御方法であって、前記端末装置は、当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出工程と、前記検出した高度を示す高度情報を前記情報処理装置へ送信する送信工程と、を有し、前記情報処理装置は、前記端末装置から送信された前記高度情報を受信する受信工程と、前記受信した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測工程と、前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断工程と、前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力工程と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システムの制御方法。
【0025】
上記した生体姿勢監視システムの制御方法によれば、端末装置から、当該端末装置の高度を示す高度情報を情報処理装置へ送信する。情報処理装置では、端末装置から送信された高度情報を受信して端末装置の高度差を計測し、判断工程において、端末装置の高度差に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、生体の動作に伴って端末装置に高度差が生じる現象を利用することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体が、どのような動作姿勢にあるのかを容易に且つ正確に把握することが可能になる。
【0026】
[適用例11]生体に取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムの制御方法であって、前記端末装置は、当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出工程と、前記検出した高度を示す高度情報を記憶する記憶工程と、を有し、前記情報処理装置は、前記端末装置の記憶工程において記憶されている前記高度情報を取得するデータ取得工程と、前記取得した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測工程と、前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断工程と、前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力工程と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システムの制御方法。
【0027】
上記した生体姿勢監視システムの制御方法によれば、端末装置において、当該端末装置の高度を示す高度情報を記憶する。情報処理装置では、端末装置に記憶されている高度情報を取得して端末装置の高度差を計測し、判断工程において、端末装置の高度差に基づいて生体の動作姿勢を判断する。つまり、生体の動作に伴って端末装置に高度差が生じる現象を利用することによって、生体の動作姿勢を判断することになる。これにより、端末装置を取り付けた生体が、これまで、どのような動作姿勢にあったのかを容易に且つ正確に把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】生体姿勢監視システムの概略構成図。
【図2】端末装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】圧力センサーの構成を示す図であり、(a)は圧力センサーの断面図、(b)は(a)におけるA−A断面を示す図。
【図4】角速度センサーに使用する圧電振動ジャイロ素子の構成及び動作を示す概略斜視図。
【図5】加速度センサーの構成を示す概略斜視図。
【図6】情報処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図7】ユーザーの姿勢及び端末装置の高度の例を示す図。
【図8】ユーザーの姿勢の変化に伴う端末装置の高度の推移を示すタイムチャート。
【図9】ユーザーの転倒動作に伴う端末装置の高度の推移を示すタイムチャート。
【図10】ユーザーの落下動作に伴う端末装置の高度の推移を示すタイムチャート。
【図11】端末装置及び情報処理装置の各動作を示すフローチャート。
【図12】第2実施形態に係る端末装置の機能構成を示すブロック図。
【図13】第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図14】第3実施形態に係る端末装置の機能構成を示すブロック図。
【図15】第3実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図16】従来の身体動作センシング装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る生体姿勢監視システムについて、図面を参照して説明する。
【0030】
最初に、第1実施形態に係る生体姿勢監視システムの概略構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る生体姿勢監視システム1の概略構成図である。生体姿勢監視システム1は、生体としてのユーザーM1の腰部に取り付けられた端末装置10と、情報処理装置20とを含んで構成されている。端末装置10と情報処理装置20とは、インターネット網80を介して接続可能であり、情報処理装置20は、端末装置10から送信されたデータを受信することができる。なお、端末装置10と情報処理装置20との接続は、インターネット網80に限られない。また、ユーザーM1に取り付ける端末装置10の位置は、腰部に限られず、例えば、胸部、大腿部、手首、足首等であっても良い。また、端末装置10が取り付けられる生体は、人間に限られず、例えば、動物、水棲生物等であっても良い。
【0031】
生体姿勢監視システム1では、端末装置10に備えられた各種センサーによってユーザーM1の動作を検出し、検出データを情報処理装置20へ送信する。そして、情報処理装置20において、端末装置10から受信した検出データに基づいて、ユーザーM1の各種動作姿勢を判断し、例えばディスプレイ等に表示する。これにより、情報処理装置20において、ユーザーM1の動作姿勢を常時監視することが可能になる。
【0032】
次に、端末装置10の機能構成について説明する。
図2は、端末装置10の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、端末装置10は、高度検出部11、角度検出部12、加速度検出部13、送信部14、制御部15等により構成されている。
【0033】
高度検出部11は、圧力センサー11sを備えて端末装置10の現在位置における高度を検出する。図1の例では、端末装置10がユーザーM1の腰部に取り付けられており、ユーザーM1の腰部の位置の高度を検出する。
【0034】
図3は、圧力センサー11sの構成を示す図であり、(a)は圧力センサーの断面図、(b)は(a)におけるA−A断面を示す図である。圧力センサー11sは、ダイアフラム120と、このダイアフラム120と対向して設けられる容器140、及び感圧素子としての圧電振動片130とを基本構成とする絶対圧センサーである。
【0035】
上記のような基本構成を有する圧力センサー11sのうち、ダイアフラム120は、外部(図3(a)では上方)からの圧力を受圧すると、受圧した圧力によって撓み変形する薄肉部122と、この薄肉部122の周囲に形成される枠部128とを基本構成とする。そして、本実施形態のダイアフラム120は薄肉部122の一方の面に、詳細を後述する圧電振動片130を載置、固定するための支持部124を有する。支持部124は圧電振動片130を2点で支持するために設けられるものであり、圧電振動片130の両端部を固定するために、対を成すように形成されている。また、薄肉部122の他方の面には、圧電振動片130を支持部124に載置した際に、圧電振動片130の振動部134が位置することとなる部位に対応させて、厚肉化するための突出部126を設けても良い。
【0036】
本実施形態で採用する圧電振動片130は、いわゆる双音叉振動子である。双音叉型の振動子は、振動部の両端部に基部132を有し、この2つの基部132の間に双音叉形状を成す振動部134を有する。このような構成の双音叉型の振動子は、双音叉形状を成す振動部134に内部応力を生じさせると、共振周波数が変化するという特性を持っている。具体的には、振動部134に引張応力が生じると共振周波数が高くなり、圧縮応力が生じると共振周波数は低くなる。従って、圧力センサー11sにおいて、ダイアフラム120が圧力を受圧すると、受圧した圧力によってダイアフラム120は撓み変形し、支持部124を介して双音叉振動子に引張力が作用するので、双音叉振動子に引張応力が生じ共振周波数が変化することとなる。この共振周波数の変化から圧力変化を検出する。
【0037】
図2に戻って、角度検出部12は、圧電振動ジャイロ素子からなる角速度センサー12sを備えて端末装置10の姿勢角度を検出する。本実施形態では、水平方向に対しての姿勢角度を検出する。図1の例では、端末装置10がユーザーM1の腰部に垂直に取り付けられており、検出される姿勢角度は略90°となる。
【0038】
図4は、角速度センサー12sに使用する圧電振動ジャイロ素子の構成及び動作を示す概略斜視図である。圧電振動ジャイロ素子は、例えば水晶などの圧電材料の薄板から形成される中央の基部223から図中上下両側へ延出する1対の検出用振動腕224と、当該検出用振動腕224と直交して基部223から図中左右両側へ延出する1対の支持腕225と、各支持腕の先端から検出用振動腕と平行に図中上下両側へ延出する左右各1対の駆動用振動腕226とを有する。各駆動用振動腕226は、その表裏両面に長手方向に沿って延長する溝部227が凹設され、且つその両側面及び溝部の内面に図示しない第1及び第2駆動電極がそれぞれ形成されている。各検出用振動腕224は、同様にその表裏両面に長手方向に沿って延長する溝部228が形成され、且つその両側面及び溝部の内面に図示しない第1及び第2検出電極がそれぞれ形成されている。
【0039】
駆動電極に交流電極を印加すると、駆動用振動腕226は、その主面を含む平面内で矢印229で示すように同期して屈曲振動する。この状態で圧電振動ジャイロ素子が平面内で中心軸230の周りに回転すると、駆動用振動腕226の長手方向に沿ってコリオリ力が、矢印231で示すように交互に逆向きに発生する。この作用によって、支持腕225は、同じ平面内で矢印232で示すように屈曲振動する。このため、圧電振動ジャイロ素子は基部223に作用する振動のバランスが崩れ、駆動用振動腕226の振動エネルギーが基部223を介して伝達されて、検出用振動腕224を同じ平面内で矢印233で示すように屈曲振動させる。
【0040】
検出用振動腕224の屈曲振動による圧電材料の歪みを検出電極が検出して信号を出力する。検出用振動腕224の振幅は、その大きさが圧電振動ジャイロ素子に作用する角速度ωの大きさに応じて変化し、この角速度の大きさに応じた電圧が検出電極に発生する。この出力電圧を電子的に処理することによって、平面内での回転及び角速度が求められる。角度検出部12では、角速度センサー12sからの出力信号を、図示しない増幅回路及び積分回路において増幅及び積分して端末装置10の姿勢角度を取得する。
【0041】
図2に戻って、加速度検出部13は、加速度センサー13sを備えて直交する3軸方向の加速度を測定し、端末装置10の3次元の加速度を検出する。図1の例では、立位の状態にあるユーザーM1が例えば座位、臥位等の静止状態に移行するときや、歩行、走行等の動作状態における端末装置10の3次元の加速度を検出する。
【0042】
図5は、加速度センサー13sの構成を示す概略斜視図である。加速度センサー13sは、ベース320とウエイト330と3つの双音叉型水晶振動素子(応力感応素子)340,350,360とを有する。ベース320は、立方形を作るように3つの正方形の壁部を互いに直交させて形成され、XYZ方向に互いに直交する3つの素子取付面321〜323を有する。ウエイト330は、所定の質量を有する立方体からなり、互いに直交する3つの素子接合面331〜333を有する。ベース320及びウエイト330は、例えばアルミニウム合金などの適当な材料を用いて形成される。
双音叉型水晶振動素子340,350,360は、それぞれ長手方向の両端に設けられる基端部341a,341b,351a,351b,361a,361bと、それらの間を平行に延長する1対の振動ビーム342,352,362とを有する。前記各双音叉型水晶振動素子は、それぞれ別個の発振回路(図示せず)に接続されている。
【0043】
各双音叉型水晶振動素子340,350,360は、一方の基端部341a,351a,361aをそれぞれベース320の素子取付面321〜323に接着剤で結合して、該ベースの前記各壁部に垂直に支持されている。前記各双音叉型水晶振動素子の他方の基端部341b,351b,361bは、それぞれ前記各素子取付面に対応するウエイト330の素子接合面331〜333に接着剤で結合されている。これにより、ウエイト330が、直交するXYZ3方向から双音叉型水晶振動素子340,350,360によって浮遊した状態に支持される。
【0044】
各双音叉型水晶振動素子340,350,360を前記発振回路により個別に所定の周波数で振動させた状態で、加速度センサー13sに外力が作用してウエイト330に加速度が加わると、その大きさ及び向きに対応して、前記各双音叉型水晶振動素子には、その長手方向に圧縮方向または引張方向の力が作用する。双音叉型水晶振動素子340,350,360の周波数は、圧縮方向の力が作用すると減少し、引張方向の力が作用すると増加するように変化する。従って、各双音叉型水晶振動素子340,350,360における周波数の変化量を検出して、XYZ方向それぞれに作用する荷重を算出し、それらを総合してウエイト330に作用した加速度の大きさ及び向きを3次元で決定することができる。
【0045】
図2に戻って、送信部14は、高度検出部11において検出した端末装置10の高度を示す高度情報14a、角度検出部12において検出した端末装置10の姿勢角度を示す角度情報14b、及び加速度検出部13において検出した端末装置10の加速度を示す加速度情報14cを、インターネット網80を介して情報処理装置20へ送信する。なお、高度検出部11、角度検出部12及び加速度検出部13は、端末装置10の動作状態を把握可能な一定の時間間隔で検出され、送信部14は、当該時間間隔に応じてこれらの情報を情報処理装置20へ送信する。
【0046】
制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM等を備え、端末装置10における各部を統括的に制御する。
【0047】
次に、情報処理装置20の機能構成について説明する。
図6は、情報処理装置20の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理装置20は、受信部21、記憶部22、高度差計測部23、判断部24、出力部25、制御部26等により構成されている。
【0048】
受信部21は、端末装置10から送信された高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cを受信し、それぞれを高度情報22a、角度情報22b及び加速度情報22cとして記憶部22に記憶する。
【0049】
記憶部22は、例えばハードディスクのような外部記憶装置であり、情報処理装置20における各種データが記憶される。
【0050】
高度差計測部23は、記憶部22に記憶されている高度情報22aに基づいて、端末装置10の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する。なお、ここでは、端末装置10の高度が連続して変化しているときの高度差ではなく、高度変化が略停止したときにおける高度差を計測する。
【0051】
判断部24は、高度差計測部23によって計測した端末装置10の高度差と、記憶部22に記憶されている高度情報22a、角度情報22b及び加速度情報22cとに基づいて、端末装置10が取り付けられているユーザーM1が、現在どのような動作姿勢にあるかを判断する。本実施形態では、ユーザーM1の立位、座位、臥位、転倒、落下、歩行、走行、立位時のふらつき等の動作姿勢を判断する。
【0052】
最初に、ユーザーM1の立位、座位及び臥位の姿勢を判断する例について説明する。
図7は、ユーザーM1の姿勢及び端末装置10の高度の例を示す図であり、同図(a)ではユーザーM1が臥位の姿勢にあり、(b)では座位の姿勢にあり、(c)では立位の姿勢にあり、(d)では再び臥位の姿勢にある。(a)、(b)、(c)、(d)の各姿勢における端末装置10の高度は、それぞれh1,h2,h3,h1となっている。
【0053】
図8は、ユーザーM1の姿勢の変化に伴う端末装置10の高度の推移を示すタイムチャートである。同図は、図7(a)、(b)、(c)、(d)に示すユーザーM1の各姿勢における高度の推移を表している。図8に示すように、ユーザーM1は、最初に高度h1の臥位の姿勢を保っており、次に高度h2の座位の姿勢に移行する。そして、座位の姿勢から高度h3の立位の姿勢に移行し、再び高度h1の臥位の姿勢に移行している。
【0054】
判断部24は、図8における高度差(h2−h1)を判断材料にして、ユーザーM1の姿勢が臥位から座位の姿勢へ移行したと判断する。更に、記憶部22に記憶されている角度情報22bに基づいた端末装置10の姿勢角度についても判断材料とする。具体的には、臥位の姿勢では略0°の端末装置10の姿勢角度が、座位の姿勢では略90°に変位する現象を判断材料として用いる。
【0055】
ここで、例えば、端末装置10に高度差(h2−h1)が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略0°から略90°に変位した場合、ユーザーM1が臥位から座位の姿勢へ移行したと判断する。また、端末装置10に(h2−h1)よりも小さい高度差が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略0°から略90°に変位した場合は、例えば床で臥位の姿勢であったユーザーM1が、そのまま床で座位の姿勢に移行したと判断することができる。一方、端末装置10に高度差(h2−h1)が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度がそのまま略0°の状態を保った場合は、例えば床で寝ていたユーザーM1が、ベッドの上に移動してそのまま寝たと判断することができる。
【0056】
また、判断部24は、図8における高度差(h3−h2)を判断材料にして、ユーザーM1の姿勢状態が座位から立位の姿勢へ移行したと判断する。更に、角度情報22bに基づいた端末装置10の姿勢角度についても判断材料とする。具体的には、座位の姿勢では略90°の端末装置10の姿勢角度が、立位の姿勢でもそのまま略90°である現象を判断材料として用いる。
【0057】
ここで、例えば、端末装置10に高度差(h3−h2)が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略90°に保たれた場合、ユーザーM1が座位から立位の姿勢へ移行したと判断する。また、端末装置10に(h3−h2)よりも大きい高度差が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略90°であった場合は、例えば床で臥位又は座位の姿勢であったユーザーM1が、立位の姿勢に移行したと判断することができる。
【0058】
また、判断部24は、図8におけるマイナスの高度差(h1−h3)を判断材料にして、ユーザーM1の姿勢状態が立位から元の臥位の姿勢へ移行したと判断する。更に、角度情報22bに基づいた端末装置10の姿勢角度についても判断材料とする。具体的には、立位の姿勢では略90°の端末装置10の姿勢角度が、臥位の姿勢では略0°に変位する現象を判断材料として用いる。
【0059】
ここで、例えば、端末装置10にマイナスの高度差(h1−h3)が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略90°から略0°に変位した場合、ユーザーM1が立位から臥位の姿勢へ移行したと判断する。また、端末装置10に(h1−h3)よりも絶対値が小さいマイナスの高度差が生じて、且つ端末装置10の姿勢角度が略90°に保たれた場合は、立位の姿勢であったユーザーM1が、座位の姿勢に移行したと判断することができる。
【0060】
なお、ユーザーM1の立位、座位及び臥位の姿勢を判断する例について示したが、これに限られず、記憶部22に記憶されている高度情報22aに基づいて、ユーザーM1の臥位の姿勢が仰臥又は伏臥であるかを判別するようにしても良い。
【0061】
次に、ユーザーM1の転倒及び落下の動作を判断する例について説明する。
図9は、ユーザーM1の転倒動作に伴う端末装置10の高度の推移を示すタイムチャートである。同図では、ユーザーM1が、高度h3の立位の姿勢から高度h1の臥位の姿勢に瞬時に移行している。
判断部24は、図9におけるマイナスの高度差(h1−h3)、角度情報22bに基づいた端末装置10の姿勢角度及び当該高度差が生じた時間間隔を判断材料にして、ユーザーM1が立位の姿勢から転倒して臥位の姿勢へ移行したと判断する。具体的には、立位の姿勢では略90°の端末装置10の姿勢角度が、臥位の姿勢では略0°に変位し、且つ高度差の時間間隔が極めて短く転倒時間に該当する現象を判断材料として用いる。
【0062】
図10は、ユーザーM1の落下動作に伴う端末装置10の高度の推移を示すタイムチャートである。同図では、ユーザーM1が、高度h4の立位の姿勢から高度h1の臥位の姿勢に瞬時に移行している。高度h4は、ユーザーM1の腰部の位置を示す高度h3よりも高所にある。
判断部24は、上記した転倒における判断材料と同様の判断材料によって落下であると判断するが、高度差(h1−h4)が高所を示す場合に落下であると判断する。
【0063】
ここで、ユーザーM1の転倒又は落下後に、端末装置10の姿勢角度が、略90°に保たれた場合は、ユーザーM1が転倒又は落下後に例えば尻餅をついて座位の姿勢にあると判断することができる。
なお、ユーザーM1の転倒及び落下を判断する際に、記憶部22に記憶されている加速度情報22cを用いても良い。この場合、ユーザーM1の転倒及び落下時において鉛直方向に発生する大きな加速度変化を判断材料とする。
【0064】
次に、ユーザーM1の歩行、走行及び立位時のふらつきの動作を判断する例について説明する。
判断部24は、記憶部22に記憶されている加速度情報22cを判断材料として、ユーザーM1の歩行、走行及び立位時のふらつきの動作を判断する。
歩行については、歩行に伴って端末装置10の鉛直方向に一定周期で振れる加速度変化を判断材料にして、ユーザーM1が歩行の動作状態にあると判断する。また、走行については、この加速度変化が更に大きくなった場合に、ユーザーM1が走行の動作状態にあると判断する。更に、立位時のふらつきについては、水平方向の加速度、即ちユーザーM1の前後方向及び左右方向の加速度を検出して、ユーザーM1のふらつきを判断する。
【0065】
図6に戻って、出力部25は、判断部24によって判断されたユーザーの動作姿勢に基づいて、図示しないディスプレイ等に、ユーザーM1の立位、座位、臥位、転倒、落下、歩行、走行、ふらつき等の動作姿勢を示す動作姿勢情報となるメッセージを表示する。また、ユーザーM1が高所から落下した場合には、どのくらいの高さから落下したことを示すメッセージも併せて表示する。
【0066】
制御部26は、図示しないCPU、RAM及びROM等を備え、情報処理装置20における各部を統括的に制御する。
【0067】
次に、端末装置10及び情報処理装置20の各動作について説明する。
図11は、端末装置10及び情報処理装置20の各動作を示すフローチャートである。同図に示す端末装置10及び情報処理装置20の各動作は、それぞれの図示しない開始スイッチがオンされた場合に開始されて、オフされた場合に終了する。
【0068】
端末装置10は、高度検出部11によってユーザーM1の端末装置10の現在位置における高度を検出し(ステップS11)、角度検出部12によって端末装置10の姿勢角度を検出し(ステップS12)、加速度検出部13によって端末装置10の3次元の加速度を検出する(ステップS13)。
次に、端末装置10は、ステップS11〜S13において検出した高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cを情報処理装置20へ送信する(ステップS14)。そして、端末装置10は、ステップS11に戻り、これらのステップS11〜S14の各動作を一定の時間間隔で繰り返して行う。
【0069】
一方、情報処理装置20は、受信部21により、端末装置10から高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cを受信して、それぞれを高度情報22a、角度情報22b及び加速度情報22cとして記憶部22に記憶する(ステップS21)。
【0070】
次に、情報処理装置20は、判断部24により、受信した高度情報14aに基づいて、端末装置10が取り付けられたユーザーM1が静止状態か否かを判定する(ステップS22)。ここでの判定は、今回受信した高度情報14aと前回受信した高度情報14aとの変位が規定値内のときに静止状態であると判定し、規定値を超えるときに静止状態でないと判定する。
【0071】
ユーザーM1が静止状態の場合(ステップS22:Yes)は、情報処理装置20は、判断部24により、現在のユーザーM1が立位、座位、臥位のうちいずれの姿勢にあるかを判断する(ステップS23)。ここで、立位、座位、臥位のいずれにも該当しない場合は、ユーザーM1の姿勢が不明であると判断する。
次に、情報処理装置20は、判断部24により、ユーザーM1の現在の姿勢が転倒又は落下によるものか、あるいは通常の動作によるものかを判断し(ステップS24)、次のステップS26へ進む。ここでは、転倒及び落下によるもの以外を、通常の動作によるものと判断する。
【0072】
他方、ユーザーM1が静止状態でない、即ち動作状態の場合(ステップS22:No)は、情報処理装置20は、判断部24により、現在のユーザーM1が歩行、走行、及び立位時のふらつきのいずれの動作状態にあるかを判断する(ステップS25)。そして、ステップS26へ進む。ここで、歩行、走行、及び立位時のふらつきのいずれにも該当しない場合は、ユーザーM1の動作が不明であると判断する。
【0073】
ステップS26では、情報処理装置20は、出力部25により、ステップS23〜S25において判断したユーザーM1の立位、座位、臥位、転倒、落下、歩行、走行、ふらつき等の動作姿勢のメッセージを表示する。なお、ユーザーM1の動作姿勢が不明である場合は、その旨を表示する。
そして、情報処理装置20は、ステップS21に戻り、端末装置10から高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cを受信する処理以降を繰り返す。これにより、情報処理装置20では、端末装置10が取り付けられたユーザーM1の動作姿勢の監視を常時行うことができる。
【0074】
上記した生体姿勢監視システム1は、端末装置10において、端末装置10の高度、姿勢角度及び加速度を検出して情報処理装置20へ送信する。情報処理装置20では、端末装置10の高度から高度差を計測する。そして、端末装置10の高度差及び姿勢角度に基づいて、ユーザーM1の立位、座位及び臥位の各種姿勢を判断することができる。ここでは、端末装置10の高度差及び姿勢角度を各種姿勢の判断材料にしていることから、容易に且つ正確にユーザーM1の各種姿勢を判断することができる。
【0075】
また、端末装置10の高度差及び姿勢角度と、高度差が生じたときの時間間隔又は加速度に基づいて、ユーザーM1の転倒及び落下を判断することができる。このとき、高度差に基づいて、ユーザーM1が転倒したのか、或いはどの高さから落下したのかを知ることができる。これにより、ユーザーM1に発生した緊急の重大事故等について詳しく知ることができ、迅速に対処することが可能になる。
【0076】
また、端末装置10の加速度に基づいて、ユーザーM1の歩行、走行、立位時のふらつき等の動作姿勢を判断することができる。これにより、ユーザーM1が動作状態にあるときについても各種動作を知ることができ、ユーザーM1についての日常の動作全般を監視することが可能になる。
【0077】
ここで、生体姿勢監視システム1を、例えば介護施設等における利用者の安全監視に適用した場合、利用者が立位、座位及び臥位のいずれの姿勢にあるのか、転倒及び落下の重大事故が発生していないかを監視することができる。更に、利用者が動作状態にあるときに、歩行、走行、ふらつき等の動作についても監視することができる。これにより、利用者の日常生活における安全を監視することが可能になる。
【0078】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る生体姿勢監視システムについて、図面を参照して説明する。第2実施形態に係る生体姿勢監視システムは、図1に示す第1実施形態に係る生体姿勢監視システム1と同様な概略構成であるが、端末装置10及び情報処理装置20の各機能構成が異なっている。
【0079】
図12は、第2実施形態に係る端末装置30の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、第2実施形態に係る端末装置30では、図2に示す第1実施形態に係る端末装置10に対して、送信部14が除かれて記憶部31が新たに追加されている。この記憶部31は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリーのような不揮発性メモリーである。
【0080】
第1実施形態に係る端末装置10では、端末装置10について検出した高度、姿勢角度及び加速度の各種情報を、検出毎に情報処理装置20へ送信するようにした。しかし、第2実施形態に係る端末装置30では、これらの各種情報を検出する毎に、それぞれを高度情報31a、角度情報31b及び加速度情報31cとして記憶部31に記憶する。従って、記憶部31には、端末装置30について検出された高度情報31a、角度情報31b及び加速度情報31cの全データが時系列に記憶されることになる。
【0081】
また、図13は、第2実施形態に係る情報処理装置40の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、第2実施形態に係る情報処理装置40では、図6に示す第1実施形態に係る情報処理装置20に対して、受信部21が除かれてデータ取得部41が新たに追加されている。
【0082】
データ取得部41では、端末装置30の記憶部31に記憶されている高度情報31a、角度情報31b及び加速度情報31cの全データを取得し、それぞれを高度情報22a、角度情報22b及び加速度情報22cとして記憶部22に記憶する。従って、記憶部22には、端末装置30において検出した全データが時系列に記憶されることになる。
ここで、端末装置30からのデータ取得は、端末装置30との間で有線通信又は無線通信によって行っても良い。また、端末装置30において、データをリムーバブルメモリー等の記憶媒体に保存しておき、このリムーバブルメモリー等を情報処理装置40に装着することでデータ取得するようにしても良い。
【0083】
高度差計測部23及び判断部24では、記憶部22に時系列に記憶されている高度情報22a、角度情報22b及び加速度情報22cの各種データを順番に取得して処理を繰り返す。そして、出力部25により、ユーザーM1の立位、座位、臥位、転倒、落下、歩行、走行、ふらつき等の動作姿勢のメッセージを時系列にディスプレイ等に表示する。
【0084】
本実施形態の生体姿勢監視システムでは、端末装置30において検出された全データが端末装置30に記憶されて、その後、情報処理装置40において、ユーザーM1の動作姿勢のメッセージをまとめて時系列に表示している。これにより、ユーザーM1の動作姿勢が時間と共にどのような経過を辿ってきたのかを、まとめて把握することができる。
【0085】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る生体姿勢監視システムについて、図面を参照して説明する。第3実施形態に係る生体姿勢監視システムは、図1に示す第1実施形態に係る生体姿勢監視システム1と同様な概略構成であるが、端末装置10及び情報処理装置20の各機能構成が異なっている。
【0086】
図14は、第3実施形態に係る端末装置50の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、第3実施形態に係る端末装置50では、図2に示す第1実施形態に係る端末装置10に対して、測位部51が新たに追加されている。
【0087】
この測位部51は、図示しないアンテナを介してGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号に含まれる航法メッセージを解析して測位処理を行う。そして、送信部14では、高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cに加えて、測位部51において測位した端末装置50の現在位置を示す測位情報14dを、インターネット網80を介して情報処理装置60へ送信する。
【0088】
また、図15は、第3実施形態に係る情報処理装置60の機能構成を示すブロック図である。同図に示す受信部21では、端末装置50から送信された高度情報14a、角度情報14b及び加速度情報14cに加えて、測位情報14dを受信して測位情報22dとして記憶部22に記憶する。更に、記憶部22には地図情報22eが予め記憶されている。
【0089】
高度差計測部23及び判断部24では、第1実施形態に係る情報処理装置20と同様の処理を行う。一方、出力部25では、ユーザーM1の各種動作姿勢のメッセージに加えて、記憶部22に記憶されている測位情報22d及び地図情報22eに基づいて、地図上におけるユーザーM1の現在位置を表示する。
なお、第3実施形態に係る生体姿勢監視システムの構成及び動作を、上述した第2実施形態に係る生体姿勢監視システムにも適用できるようにしても良い。
【0090】
本実施形態の生体姿勢監視システムでは、情報処理装置60の出力部25において、ユーザーM1の動作姿勢と共に地図上における現在位置を表示することにより、ユーザーM1の動作環境を把握することができ、端末装置50が取り付けられているユーザーM1の動作姿勢の背景を理解することができる。
【0091】
(変形例1)
上述した実施形態では、ユーザーM1が立位の姿勢において転倒又は落下して、臥位等の姿勢に移行する例を示した。しかし、これに限られず、ユーザーM1が歩行、走行等から衝突して、臥位等の姿勢に移行する場合にも適用することができる。また、ユーザーM1が立位時のふらつきから転倒して臥位等の姿勢に移行する場合にも適用することができる。
【0092】
(変形例2)
上述した実施形態では、端末装置が取り付けられているユーザーM1が、現在どのような動作姿勢にあるのかを判断して、その動作姿勢のメッセージをディスプレイ等に表示した。しかし、ユーザーM1の動作姿勢のメッセージに付加して、ユーザーM1が建物の何階に位置するのかを示すようなメッセージを表示しても良い。なお、ユーザーM1が位置する建物の階数は、情報処理装置の記憶部22に記憶されている高度情報22aに基づいて特定することができる。
【符号の説明】
【0093】
1…生体姿勢監視システム、10…端末装置、11…高度検出部、11s…圧力センサー、12…角度検出部、12s…角速度センサー、13…加速度検出部、13s…加速度センサー、14…送信部、14a…高度情報、14b…角度情報、14c…加速度情報、14d…測位情報、15…端末装置の制御部、20…情報処理装置、21…受信部、22…記憶部、22a…高度情報、22b…角度情報、22c…加速度情報、22d…測位情報、22e…地図情報、23…高度差計測部、24…判断部、25…出力部、26…情報処理装置の制御部、30…端末装置、31…端末装置の記憶部、31a…高度情報、31b…角度情報、31c…加速度情報、40…情報処理装置、41…データ取得部、50…端末装置、51…測位部、60…情報処理装置、80…インターネット網。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体に取り付けられる端末装置と、
前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムであって、
前記端末装置は、
当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出部と、
前記検出した高度を示す高度情報を前記情報処理装置へ送信する送信部と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記端末装置から送信された前記高度情報を受信する受信部と、
前記受信した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測部と、
前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断部と、
前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システム。
【請求項2】
前記情報処理装置の判断部は、前記生体の立位、座位、及び臥位のうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断することを特徴とする請求項1に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項3】
前記情報処理装置の判断部は、前記生体の転倒及び落下のうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項4】
前記情報処理装置の判断部は、前記生体の位置する建物の階数を含む動作姿勢を判断することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記端末装置の姿勢角度を検出する角度検出部を更に有し、
前記端末装置の送信部は、前記検出した姿勢角度を示す角度情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記角度情報を受信し、
前記情報処理装置の判断部は、前記受信した角度情報に基づいて前記生体の動作姿勢を判断することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記端末装置の加速度を検出する加速度検出部を更に有し、
前記端末装置の送信部は、前記検出した加速度を示す加速度情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記加速度情報を受信し、
前記情報処理装置の判断部は、前記受信した加速度情報に基づいて前記生体の動作姿勢を判断することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項7】
前記情報処理装置の判断部は、前記生体の歩行、走行及び立位時のふらつきのうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断することを特徴とする請求項6に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項8】
前記端末装置は、位置情報衛星の衛星電波を利用して前記端末装置の位置を測位する測位部を更に有し、
前記端末装置の送信部は、前記測位した前記端末装置の位置を示す測位情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記測位情報を受信し、
前記情報処理装置の出力部は、前記受信した測位情報に基づいて、前記生体の位置する情報を出力することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項9】
生体に取り付けられる端末装置と、
前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムであって、
前記端末装置は、
当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出部と、
前記検出した高度を示す高度情報を記憶する記憶部と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記端末装置の記憶部に記憶されている前記高度情報を取得するデータ取得部と、
前記取得した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測部と、
前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断部と、
前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システム。
【請求項10】
生体に取り付けられる端末装置と、
前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムの制御方法であって、
前記端末装置は、
当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出工程と、
前記検出した高度を示す高度情報を前記情報処理装置へ送信する送信工程と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記端末装置から送信された前記高度情報を受信する受信工程と、
前記受信した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測工程と、
前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断工程と、
前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力工程と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システムの制御方法。
【請求項11】
生体に取り付けられる端末装置と、
前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムの制御方法であって、
前記端末装置は、
当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出工程と、
前記検出した高度を示す高度情報を記憶する記憶工程と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記端末装置の記憶工程において記憶されている前記高度情報を取得するデータ取得工程と、
前記取得した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測工程と、
前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断工程と、
前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力工程と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システムの制御方法。
【請求項1】
生体に取り付けられる端末装置と、
前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムであって、
前記端末装置は、
当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出部と、
前記検出した高度を示す高度情報を前記情報処理装置へ送信する送信部と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記端末装置から送信された前記高度情報を受信する受信部と、
前記受信した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測部と、
前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断部と、
前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システム。
【請求項2】
前記情報処理装置の判断部は、前記生体の立位、座位、及び臥位のうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断することを特徴とする請求項1に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項3】
前記情報処理装置の判断部は、前記生体の転倒及び落下のうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項4】
前記情報処理装置の判断部は、前記生体の位置する建物の階数を含む動作姿勢を判断することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記端末装置の姿勢角度を検出する角度検出部を更に有し、
前記端末装置の送信部は、前記検出した姿勢角度を示す角度情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記角度情報を受信し、
前記情報処理装置の判断部は、前記受信した角度情報に基づいて前記生体の動作姿勢を判断することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記端末装置の加速度を検出する加速度検出部を更に有し、
前記端末装置の送信部は、前記検出した加速度を示す加速度情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記加速度情報を受信し、
前記情報処理装置の判断部は、前記受信した加速度情報に基づいて前記生体の動作姿勢を判断することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項7】
前記情報処理装置の判断部は、前記生体の歩行、走行及び立位時のふらつきのうち少なくとも1つを含む動作姿勢を判断することを特徴とする請求項6に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項8】
前記端末装置は、位置情報衛星の衛星電波を利用して前記端末装置の位置を測位する測位部を更に有し、
前記端末装置の送信部は、前記測位した前記端末装置の位置を示す測位情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置の受信部は、前記端末装置から送信された前記測位情報を受信し、
前記情報処理装置の出力部は、前記受信した測位情報に基づいて、前記生体の位置する情報を出力することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の生体姿勢監視システム。
【請求項9】
生体に取り付けられる端末装置と、
前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムであって、
前記端末装置は、
当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出部と、
前記検出した高度を示す高度情報を記憶する記憶部と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記端末装置の記憶部に記憶されている前記高度情報を取得するデータ取得部と、
前記取得した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測部と、
前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断部と、
前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システム。
【請求項10】
生体に取り付けられる端末装置と、
前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムの制御方法であって、
前記端末装置は、
当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出工程と、
前記検出した高度を示す高度情報を前記情報処理装置へ送信する送信工程と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記端末装置から送信された前記高度情報を受信する受信工程と、
前記受信した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測工程と、
前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断工程と、
前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力工程と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システムの制御方法。
【請求項11】
生体に取り付けられる端末装置と、
前記端末装置と通信が可能な情報処理装置と、を含む生体姿勢監視システムの制御方法であって、
前記端末装置は、
当該端末装置の位置している高度を検出する高度検出工程と、
前記検出した高度を示す高度情報を記憶する記憶工程と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記端末装置の記憶工程において記憶されている前記高度情報を取得するデータ取得工程と、
前記取得した高度情報に基づいて、前記端末装置の高度が異なる高度に変わったときの高度差を計測する高度差計測工程と、
前記計測した高度差に基づいて、前記端末装置が取り付けられている前記生体の動作姿勢を判断する判断工程と、
前記判断した生体の動作姿勢を示す動作姿勢情報を出力する出力工程と、を有することを特徴とする生体姿勢監視システムの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−246741(P2010−246741A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−99646(P2009−99646)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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