説明

生体情報計測器

【課題】生体情報の日々の計測を怠らなくする。
【解決手段】
生体情報を計測する計測手段10と、前回の生体情報計測時からの経過時間を計測する計時手段11と、計時手段で計測した経過時間が予め設定した時間以上となった時に報知手段14を作動させて報知を行わせる制御手段15とを備える。生体情報の計測をしなければ報知手段での報知によって被験者に対し計測動作を促す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の体重や血圧、活動量等の生体情報の測定に用いられる生体情報計測器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被験者の体重や血圧値等の生体情報の測定は継続的に行うことで被験者の健康管理が容易となるために、測定データを測定日時とともに記憶し、必要に応じて過去の測定データを表示することができるようにした体重計や血圧計がある。
【0003】
また、上記測定データを計測器側で記憶保存するのではなく、サーバ装置側で記憶保存するとともに、サーバ装置に保存した計測データを医師端末から閲覧することができるようにしたものが特開2006−254948号公報に示されている。
【0004】
ところで、上記生体情報はできれば毎日の所定時刻に計測することが好ましいのであるが、医療施設内にいる時でも無い限り、被験者が測定することを忘れて計測データが途切れたものとなってしまうことが多々ある。
【特許文献1】特開2006−254948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、生体情報の日々の計測を怠らなくすることができる生体情報計測器を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る生体情報計測器は、生体情報を計測する計測手段と、前回の生体情報計測時からの経過時間を計測する計時手段と、計時手段で計測した経過時間が予め設定した時間以上となった時に報知手段を作動させて報知を行わせる制御手段とを備えていることに特徴を有しており、生体情報を計測する計測手段と、計時手段と、計測手段による生体情報計測時刻を記録する記録手段と、予め設定された時刻に所定時間内の生体情報計測記録がなければ報知手段を作動させて報知を行わせる制御手段とを備えていることに他の特徴を有しており、更に生体情報を計測する計測手段と、計時手段と、計測手段による生体情報計測の時刻を記録する記録手段と、生体情報が計測される被験者の予め設定された動作を検出する動作検出手段と、動作検出手段で被験者の動作が検出された時刻に所定時間内の生体情報計測記録がなければ報知手段を作動させて報知を行わせる制御手段とを備えていることに別の特徴を有している。生体情報の計測をしなければ報知手段での報知によって被験者に対し計測動作を促すようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、報知手段によって被験者に対して計測動作が促されるために、生体情報の計測を怠ってしまうことがなく、このために日々の生体情報の測定データに基づく健康管理をより適切に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明すると、図1において、図中1は被験者の体重を測定する計測器であり、生体情報を計測する計測手段、たとえば体重を測定するためのロードセル10と、計時手段11と、測定した生体情報データをその測定時刻とともに記憶する不揮発性のメモリ12と、測定した生体情報データを表示するための表示部13と、音声報知を行うための報知部14と、これらの動作を制御する制御回路15とからなる。
【0009】
上記生体情報計測器において、被験者が体重を測定するには計測器1上に立てばよく、この時、制御回路15は測定データと計時手段11から得られる測定時刻のデータをセットにしてメモリ12上に記録する。なお、上記メモリ12は例えば1ヶ月分以上の測定データを記憶することができるものとなっている。
【0010】
また、上記制御回路15は、図2に示すように、測定データを記録した時点から予め設定された一定時間が経過した時点で新たな測定がなされていなければ、上記報知部14を作動させることで、被験者に対して本日の測定がまだなされていないことを報知する。この報知は、たとえば「本日の測定がまだなされていません。測定を行ってください。」との音声報知を行うものが好ましい。被験者にしてみれば生体情報測定動作を忘れていても、計測器1が測定を行うことを被験者に対して促すために、測定動作が確実になされるものである。1日1回測定されることが推奨される体重などの場合、上記一定時間をたとえば24時間に設定しておけばよいが、24時間を越える時間の設定も可能なようにしておくことが望ましい。
【0011】
このほか、図3に示すように、予め定めた時刻になれば、所定時間内に計測された計測データがメモリ12上にあるかどうかをチェックし、無ければ報知部14を作動させるものであってもよい。個人の日常の生活リズムに合わせた時刻に上記動作がなされるように設定することができる。なお、設定する時刻は1週間に1回や3日に1回などのタイミングで設定できるようにしておくことが望ましい。
【0012】
上記時刻としては就寝前の時刻や、朝、出かける前の時刻を好適に用いることができる。殊に血圧は朝のうちに計測することが推奨されていることから、朝、出かける前の時刻に上記動作がなされるように設定すればよい。
【0013】
上記計測器1が特許文献1に示されているような健康管理支援システムの一部材を構成するものである場合、健康管理システムにおけるデータ蓄積部となるサーバ装置が上記メモリ12や制御回路15を構成するものであってもよい。
【0014】
この場合、上記計測器1は、生体情報測定がなされた時、インターネット回線などを通じてその測定データをその測定時刻とともにサーバ装置に送り、サーバ装置側で測定データと測定時刻とを記憶蓄積する。また、計測器1の制御回路15は、所定時刻毎にサーバ装置にアクセスして、報知動作が必要かどうかをサーバ装置側に問い合わせる。サーバ装置はこの問い合わせがあった時、記憶している測定データとその測定時刻とから、本日分の測定データ、もしくは所定時間内の測定データが無いと判断した時、計測器1側に報知動作が必要との応答を送り、この応答を受けて計測器1が報知動作を行う。この場合、後述する他の報知手段を利用するものであってもよい。
【0015】
また、計測器1が体重計のように被験者が常時身につけておくことができない機器である場合、計測器1に接続可能で且つ被験者が常に身につけることになる機器、例えば、被験者の活動量の測定のための活動量計や、個人の生体情報をまとめて管理するヘルスケアドックなどの機器や、PDA等の携帯型データ管理機器に、測定データを記録するメモリ12や報知部14等の生体情報計測関連以外の部材を設けてもよい。また、メモリ12をUSBメモリで構成して、上記の身につける機器と計測器1とに夫々着脱自在に接続することができるようにしてもよい。メモリ12を計測器1に接続して計測データを記録し、計測が終わればメモリ12を上記機器に接続して計測データのチェックがなされるようにするのである。図4はこの場合の動作の一例を示している。
【0016】
このほか、被験者が外出しようとする動作、例えば扉を開ける動作を検知するセンサを設けて、このセンサ出力を上記制御回路15が取り込むことができるようにしておき、被験者が出かける際に計測動作がまだなされていなければ、制御回路15が報知部14を作動させるようにすることもできる。同様に、ベッドに就寝動作を検知するセンサを設けておけば、被験者が計測を行うことなく就寝しようとした時には報知がなされるようにすることができる。予め定めた被験者の動作をきっかけとして測定データのチェックがなされるようにしておくのである。図5にこの場合の動作の一例を示す。上記センサは、被験者の動きそのものを検知するのではなく、被験者が常時身につける機器を検知するセンサであってもよい。
【0017】
なお、ここでは計測器1として体重計を示したが、このほか、体脂肪計、体組成計、血圧計、心電計、心拍計など、被験者の生体情報を計測するものであれば、その種類を問わない。
【0018】
また、報知手段として音声報知を行う報知部14を示したが、LEDを点灯させたり、表示部にメッセージを表示するものであったり、家庭内LAN回線やインターフォン回線を利用して家庭内に設置されている他の情報関連機器、たとえばテレビやインターフォンを通じて報知を行うものであったり、被験者が携帯する携帯電話に電子メールで報知動作を行うものであってもよい。特に上述のサーバ装置を用いるものでは、携帯電話と電子メールとを利用するものを好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態の一例のブロック回路図である。
【図2】同上の動作を示すフローチャートである。
【図3】同上の他の動作を示すフローチャートである。
【図4】同上の更に他の動作を示すフローチャートである。
【図5】同上の別の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0020】
1 計測器
10 ロードセル
11 計時手段
12 メモリ
13 表示部
14 報知部
15 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を計測する計測手段と、前回の生体情報計測時からの経過時間を計測する計時手段と、計時手段で計測した経過時間が予め設定した時間以上となった時に報知手段を作動させて報知を行わせる制御手段とを備えていることを特徴とする生体情報計測器。
【請求項2】
生体情報を計測する計測手段と、計時手段と、計測手段による生体情報計測の時刻を記録する記録手段と、予め設定された時刻に所定時間内の生体情報計測記録がなければ報知手段を作動させて報知を行わせる制御手段とを備えていることを特徴とする生体情報計測器。
【請求項3】
生体情報を計測する計測手段と、計時手段と、計測手段による生体情報計測の時刻を記録する記録手段と、生体情報が計測される被験者の予め設定された動作を検出する動作検出手段と、動作検出手段で被験者の動作が検出された時刻に所定時間内の生体情報計測記録がなければ報知手段を作動させて報知を行わせる制御手段とを備えていることを特徴とする生体情報計測器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−125505(P2009−125505A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306602(P2007−306602)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】