説明

生物活性な生の野菜

本発明には、生の野菜が最適なpHおよび温度条件に置かれた場合に、少なくとも1つの酵素を含む生物活性組成物が生の野菜の中のラフィノース、スタキオース、およびベルバスコースを分解させるために有効であるように、生の野菜の上にコーティングされた生物活性組成物を含む、生物活性物質がコーティングされた生の野菜が含まれる。本発明にはまた、生物活性物質がコーティングされた生の野菜を形成する方法が含まれる。具体的には、本発明には、生のマメに液体バインダーを塗布して粘着性のある生のマメを形成し、その後、粘着性のある生のマメに対して少なくとも1つの酵素を含む顆粒状の生物活性組成物を塗布して生物活性物質がコーティングされた生のマメを形成することによる、生物活性物質がコーティングされた生のマメの形成方法が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、Uchenna N. Chukwuにより2007年6月29日に出願された米国特許出願第60/947,387号(発明の名称「Bioactive Coated Raw Lefumes」)からの優先権を主張する国際出願である。本出願は、さらにUchenna N. Chukwuにより2007年6月27日に出願された特許出願11/881,539号(発明の名称「Bioactive Raw Vegetables」)からの優先権を主張し、これらの両方はその全体を本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
最近の数年間の間に、タンパク質、脂質、炭水化物、繊維、ビタミン類、およびミネラルの適切な供給源で栄養的にバランスがとられた食品を摂食することに対する消費者の関心が高まった。慢性疾患(例えば、ガン、糖尿病、および心臓疾患)への関心の高まりが、消費者が、慢性疾患の処置に効果的であり、一方ではより健康的な生活スタイルを増進する、食用に供される食品を追求するきっかけとなった。
【0003】
植物化学物質を含む野菜の摂取は、野菜には、難消化性糖類、酵素阻害剤、栄養素に結合する物質、または毒性化合物のような非栄養成分が含まれるので、個人では難しいかもしれない。摂取前に野菜の非栄養成分を排除するための加熱処理および/または加圧処理は、食品メーカーによって使用されている伝統的な手法である。しかし、加熱処理および/または加圧処理によっては、製造プロセスの間に、あらゆる植物化学物質を排除できるわけではなく、大部分の植物化学物質が排除され得る。特定の植物性材料は1つ以上の酵素で分解されているかまたは修飾されて植物栄養食品を形成するが、酵素は、通常、植物性材料が、植物性材料の修飾や栄養状態の低下を生じる完全な形態よりもむしろスラリーの形態である場合に、植物性材料に適用される。加えて、セルラーゼおよびキシラナーゼのような酵素が、酵素がコーティングされた植物性材料を形成するように、約15重量%未満の低い含水率を有している生の植物性材料上に噴霧されている。しかし、この技術には問題がある。なぜなら、酵素の塗布によって、望ましくない酵素分解および/または酵素活性の成熟前の失活が生じるからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、全体が参照される明細書中に組み込まれる特許請求の範囲によって定義される。
【0005】
具体的には、本発明には、生のマメ(raw legume)に液体バインダーを塗布して粘着性のある生のマメを形成し、その後、粘着性のある生のマメに対して少なくとも1つの酵素を含む顆粒状の生物活性組成物を塗布して生物活性物質がコーティングされた生のマメを形成することによる、生物活性物質がコーティングされた生のマメの形成方法が含まれる。
【0006】
本発明にはさらに、バインダーと生物活性組成物を含むスラリーで生の野菜丸ごとをコーティングしてスラリーでコーティングされた生の野菜を形成すること(その結果、生物活性組成物はラフィノース、スタキオース、ベルバスコースを分解させるために有効である)、続いて、スラリーを硬化して生物活性物質がコーティングされた生の野菜を形成することによる、生物活性物質がコーティングされた生の野菜を形成する方法が含まれる。
【0007】
本発明にはまた、バインダーが生のマメの全重量に基づいて約0.0001重量%を超える濃度を有するように、マメと生のマメ上にコーティングされたバインダーの重量の合計に基づいて約40重量%未満の含水率を有している生の丸のままのマメを含む、生物活性物質がコーティングされた生のマメも含まれる。生物活性物質がコーティングされた生のマメにはまた、バインダーと混合された生物活性組成物も含まれる。生物活性組成物には、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコースを分解させるために有効である少なくとも1つの酵素が含まれ、生のマメの全重量に基づいて少なくとも約0.0001重量%の濃度を有する。
【0008】
本発明にはまた、バインダーと生物活性組成物が生の野菜の全重量に基づいて約0.01重量%を超える濃度を有するように、バインダーでコーティングされた生の野菜と生物活性組成物の重量の合計に基づいて約40重量%未満の含水率を有している生の野菜を含む、生物活性物質がコーティングされた生の野菜も含まれる。生物活性組成物には、ラフィノース、スタキオース、および/またはベルバスコースを分解させるために有効な少なくとも1つの酵素が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(詳細な説明)
本発明には、コーティングプロセス後もその活性を保持し、そして最適な温度、溶媒(水)、およびpH条件に生物活性のある生の野菜丸ごとがおかれた場合に、ラフィノース、スタキオース、および/またはベルバスコースを分解させるために有効である酵素を含む生物活性組成物でコーティングされているかまたは覆われている、生物活性のある生の野菜丸ごとが含まれる。本発明にはさらに、乾いた清潔な生の野菜丸ごとを、バインダーを用いて生の野菜に付着する生物活性組成物でコーティングすることにより、生物活性である生の野菜丸ごとを形成する方法が含まれる。生物活性組成物での生の野菜のコーティングの後、コーティングされた生の野菜は、通常、表面の水分を全て除去するために乾燥させるか、あるいは、生物活性コーティングが生の野菜の上に確実に保たれるようにコーティングが硬化させ、固め、および/または固化させる。本明細書中で使用される場合は、用語「生物活性がある生の野菜丸ごと」は、最適な温度、pH、および溶媒条件下におかれた場合に酵素活性が可能である1つ以上の酵素を含む生物活性コーティングを含む生の野菜丸ごとをいう。用語「生物活性がある生の野菜」はまた、酵素を伴わない少なくとも1つのビタミンおよび/またはミネラルを含む生物活性コーティングを含む生の野菜丸ごとをいう。
【0010】
使用される場合には、生物活性がある生の野菜丸ごとが通常の大気圧下で、約70°Fから約212°Fまでの範囲の温度、好ましくは約90°Fから約150°Fまでの範囲の温度の、十分な量の水性組成物中に置かれると、生物活性コーティングは水性組成物の中ににじみ出るかまたはその中に溶解し、そして生物活性コーティングの中の成分は、水性組成物の中に分散および/または溶解する。水性組成物が約2から約8のpH範囲、好ましくは、約3から約7のpH範囲になると、生物活性コーティングの中の酵素は、野菜製品を形成するために、生の野菜丸ごとの中に存在するラフィノース、スタキオース、およびベルバスコースを水和し、柔化し(tenderizing)、分解し、修飾し、および/またはそれらのレベルを低下させることができる。酵素活性を開始させるために使用される水性組成物に対する生の野菜の比は、通常は、生の野菜と生物活性組成物のタイプに応じて1:1から1:5(野菜:水性組成物)までの範囲である。
【0011】
本発明での使用に適している例示的な生の野菜丸ごととしては、乾燥した食用マメ(dry edible beans)、マメ、マメ類、穀類、または約40重量%未満の含水率、特に、30重量%未満の含水率を有している任意の他の生の野菜丸ごとが挙げられる。加えて、生の野菜は、好ましくは、生の野菜丸ごとである。「丸のまま」によっては、生の野菜が浸漬、粉状化、すりおろし、粉砕などの技術に供されていないことが意味される。生の野菜丸ごとには約40重量%未満の含水率が含まれることが好ましいが、本発明が実施される場合には、40重量%を超える生の野菜丸ごともまた、生物活性組成物でコーティングされ得る。
【0012】
本明細書中で使用される場合は、用語「生の」は、自然な状態においてそうであるように、調理されていない、茹でられていない、乾いている、食用の、処理されていない、またはそれらの任意の組み合わせである野菜(単数または複数)をいう。用語「生の野菜丸ごと」は、(1)第2層と付着接触している外側の第1層、またはむき出しになっている内側部分を有する、割れた生の野菜を含むように意味されることも理解される。例えば、リフライドビーンズ(refried beans)の製造においては、丸のままのマメの割れた部分にもなお、種皮とむき出しになった子葉が含まれる。
【0013】
生の野菜丸ごとは、片の数と大きさに関して特性決定され得る。例えば、マメ、穀類、乾燥食用マメ、ダイズ、または通常は1ポンドあたり約50から約15,000個までの範囲の片数を有する特定の形態の他の生の野菜丸ごとのような生の野菜が本発明での使用に適している。好ましくは、生の野菜丸ごとは、1ポンドあたり約50個から約2500個までの範囲の片数を有する。さらに、生の野菜丸ごとは、本発明の生物活性組成物でコーティングされる場合には、約0.1ミリメートル(mm)から約20mmまでの範囲の大きさを有し得る。好ましくは、野菜は、約0.5mmから約15mmまでの範囲の大きさを有する。例えば、ピントビーンズ(pinto beans)は、約10mmから約12mmの片の大きさを有し、一方、ネイビービーンズ(navy beans)は、約3mmから約4mmの片の大きさを有する。
【0014】
加えて、本発明を実施するために使用され得る生の野菜丸ごとはまた、片の重量に関しても特性決定され得る。「片の重量」によっては、特定の形態の1つ(単一)の生の野菜丸ごとのグラム量が意味される。一般的には、生の野菜丸ごとの片の重量は、0.01グラムから15グラムまでの範囲であり、好ましくは、0.01グラムから10グラムまでの範囲である。
【0015】
本発明での使用に適している生の野菜丸ごとは、(1)予浸が必要であり、(2)生の野菜丸ごとを食用に供するに適するようにするための調理および/または加工が必要であり、そして/あるいは、(3)少なくとも約0.1重量%、好ましくは、少なくとも約0.5重量%のオリゴ糖を含む野菜として特性決定され得る。「オリゴ糖」によっては、本明細書中で使用される場合は、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコース糖、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせが意味される。例えば、生の野菜丸ごとの全重量に基づいて約0.5重量%から約6重量%のオリゴ糖を含む生の野菜丸ごとが本発明では最適と考えられるが、生の野菜丸ごとの全重量に基づいて約0.5重量%未満、または約6重量%を超えるオリゴ糖を有する生の野菜丸ごともまた、本発明にしたがってコーティングされ得る。
【0016】
本発明の目的については、本発明が実施される場合には、通常は「乾いた清潔な」野菜がコーティングされる。本明細書中で使用される場合は、「乾いた清潔な」は、野菜に付着しているかまたは野菜に結合した異物が、本明細書中以下の本発明の方法の複数の工程のうちのいずれかを受ける前に、すなわち、洗浄工程において使用されるものを除く任意の意味のある浸漬を受ける前に除去される場所から出された野菜をいう。正反対のことが示されない限りは、用語「乾いた野菜」は、その場所で自然に見られる野菜の含水率を有している野菜をいう。さらに、コーティングが付着した後の野菜の洗浄がある程度のコーティングの剥離を起こし得るので、生物活性組成物でのコーティングの前に野菜が洗浄されることが好ましい。したがって、野菜の洗浄は容認され、そしていくつかの場合には、生の野菜の上に存在する表面の汚れを取り除くために好ましい。
【0017】
1つの実施形態においては、生の丸のままのマメは、当該分野で公知の技術を使用して、約15重量%から約30重量%までの範囲の含水率を有しているマメを生じる十分な時間の間、十分な量の水で洗浄される。乾いたマメは、当業者に公知の任意の方法による洗浄工程において使用される給水源と接触し得る。有用な方法の例としては、吹き付け、浸漬、浸し塗りの繰り返し(repeated dipping)、噴霧、浮遊、拡散、蒸気凝縮、またはそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されず、浸漬が最も好ましい。この洗浄工程は、利用される場合には、周囲温度で行われる。通常、洗浄された生の野菜をまた、全てではないが大部分の表面の水分を排除するため、および状況によっては全体的な含水率を低下させるために、乾燥する。
【0018】
本明細書中で使用される場合は、用語「マメ」は、マメ科に属する野菜をいう。これは、1つの単一雌しべに由来する乾いた裂開果を有していると特性決定される。熟すと、これは、外縫線(dorsal suture)と内縫線(ventral suture)の両方に沿って2つの弁に割れる。マメ科には、特徴的に、果実の下部縫線(lower sature)または内縫線に沿って付着した一列の種子が含まれる。通常、本発明に使用されるマメの種子は、市販されている一般的な乾燥種子である。例えば、マメの場合には、これらの産物は乾燥マメと呼ばれる。なぜなら、この産物には、熟したマメだけが含まれ、鞘は取り除かれているからである。本発明において有用であるマメの種子の例としては、Phaseolus属の種子、(大きな白色のマメまたはグレートノーザンビーンズ(Great Northern)、小さい白色のマメ、ピントビーンズ(pinto)、赤インゲンマメ、黒マメ、カリコマメ(calico)、ピンクインゲンマメ(pink cranberry)、メキシカンレッドビーンズ(red mexican)、チャマメ(brown)、ウズラマメ(bayo)、ライマビーンズ、ネイビービーンズ(navy)などの一般的なマメを含むがこれらに限定されない);Pisum属の種子(つるつるしたマメおよび皺のあるマメ、ならびに黄色の品種または緑色の品種などを含むがこれらに限定されない);Vigna属の種子(ブラックアイビーンズ(または、ブラックアイピーと呼ばれる場合もある)、カウピーマメ、紫色の皮のマメ、クリームピー(cream peas)、クラウダーピー(crowder peas)、フィールドピー(field peas)などを含む);Lens属の種子(レンズマメを含むがこれに限定されない);Cicer属の種子(ガルバンゾビーンおよびひよこマメを含むがこれらに限定されない);Soja属の種子(ダイズを含むがこれに限定されない)などが挙げられる。本発明に有用であるマメの種子の他の例としては、赤マメ、黄眼マメ(yellow−eye beans)、アズキマメ、リョクトウ、テパリービーン(tepary beans)、およびソラマメなどが挙げられる。加えて、用語「マメ」は、英語圏のほとんどで、食用種子のこのクラスについて一般的に使用されている用語「豆類(pulse、複数形は「pulses」)」を含むように意味される。
【0019】
さらに、本明細書中で使用される用語「マメ」は、タンパク質とでんぷんを多く含むマメと、油を多く含むマメ(油性のマメともいわれる)の両方をいう。「タンパク質とデンプンを多く含むマメ」によっては、乾物量で15〜48%またはそれ以上のタンパク質含有量と、35〜75%までのデンプン含量を有している、しかし、ほとんどは、一般的には、20〜36%のタンパク質含有量と55〜70%のデンプン含有量を有している丸のままのマメが意味される。そのようなマメは、わずか0.5〜5.0%、より一般的には、1.0〜2.5%の脂質含有量を有していることによって、油性の種子とは区別されている。Lupinus属のマメ由来のマメもまた、そのようなマメにはタンパク質が多く含まれており、40〜50%のタンパク質含有量を有しているので、本発明のプロセスに使用され得るが、これらは他のマメよりもいくぶん少量のデンプンとより多量の油を含む場合がある。他の適している生の野菜丸ごととしては、穀類(例えば、ブルグア、アマランス、キビ、コメ、玄米、ソルガム、トウモロコシ、ライ麦、ライ小麦、キノア、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせ)が挙げられる。
【0020】
生物活性がある生の野菜を調製するためには、1つ以上の生の野菜丸ごとが、生の野菜丸ごとに対して生物活性組成物を付着させるためのバインダーの量でコーティングされるか、または被覆される。使用されるバインダーは、好ましくは、(1)コーティングプロセスの間に酵素分解を促進することはない、(2)適正なpH、温度、および溶媒(水)条件に望ましいように曝された場合に、所望される酵素活性を維持する手助けをする、(3)生の野菜丸ごとに対して容易に塗布することができる、(4)生の野菜丸ごとおよび生物活性組成物に対して容易に粘着する、そして(5)生の野菜丸ごとまたは生物活性組成物による酵素分解に供された後の生の野菜丸ごとの感覚受容的性質に対してネガティブな影響を与えることがない。
【0021】
バインダーは、ペースト、流体、固体、液体、霧、蒸気、または顆粒形態で供給され得る。好ましくは、選択される形態は、生の野菜丸ごとに対してバインダーと生物活性組成物を付着させることができる形態である。なおさらに好ましくは、本発明が実施される場合には、バインダーは、液体または流体の形態である。
【0022】
バインダーは、通常は、生の野菜丸ごとに対して生物活性コーティングを付着させるために有効な濃度で存在する。したがって、特定のバインダーの使用レベルは、最終生成物の所望されるテクスチャ特性、保存条件、コーティング条件、生の野菜丸ごと、および生物活性組成物のような様々な要因に依存する。
【0023】
一般的には、本発明が実施される場合には、良好な結果は、バインダーが、生の野菜丸ごとの全重量に基づいて約0.0001重量%から約10重量%の濃度を有する場合に得ることができる。例えば、液体バインダーが生物活性組成物とは別に塗布される場合には、バインダーは、生の野菜丸ごとの全重量に基づいて約0.5重量%から約5重量%の濃度で存在する。別の例においては、液体バインダーと生物活性組成物の両方を混合しスラリーを形成する場合には、バインダーは、生の野菜丸ごとの全重量に基づいて約3重量%から約10重量%までの範囲の濃度で存在する。
【0024】
当該分野には適切な結合剤がたくさんあり、当業者は本明細書中での使用に適している結合剤(単数または複数)を選択することに何の困難もないであろう。バインダーは、バインダーがコーティングプロセスの間に望ましくない酵素分解を引き起こすことができない限りは、油性であっても、水性であっても、また、油性と水性の両方の組み合わせであってもよい。本発明での使用に適している油性のバインダーは、約90°Fよりも高い融点を有し、約70°Fの室温では通常は固体である、油および/または脂肪として特性決定され得る。さらに、本発明に適している油性のバインダーは、好ましくは、バインダーの成熟前の分解が回避されるように、約2から約7のpH範囲に対して安定である。
【0025】
油性のバインダーは、通常は、生の野菜丸ごとに塗布される前に、約90°Fを上回るように加熱されることにより、液体を形成するよう融解する。例えば、本発明の油性のバインダーは、液化した油性のバインダーによる表面の適切な被覆が得られるように、生の食用マメのコーティングの間、約100°Fから約135°Fの温度になるように加熱されることによって融解する。加えて、生物活性コーティングが90°Fを上回る条件での保存の間に生の野菜丸ごとを容易には融解させないように、本発明に、約90°Fから約140°Fの間の融点を持つ油性のバインダーを含めることが好ましい。
【0026】
約90°Fより高い融点を持つ脂肪および/または油には、部分的に水素添加されたパーム核油、ダイズ油、菜種油、トウモロコシ油、キャノーラ油、ピーナッツ油、パーム油、ババス油、ヒマワリ油、および/またはサフラワー油;完全に水素添加されたパーム核油、キャノーラ油、ダイズ油、菜種油;部分的に水素添加されたものと完全に水素添加されたものであるパーム核油、ダイズ油、キャノーラ油、菜種油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、パーム油、ババス油、ヒマワリ油、および/またはサフラワー油の混合物;モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド;他の食品等級のパラフィンをベースとするワックス、食品等級のペトロリウムワックス(petroleum waxes)、カルナバロウ、糠ロウ、獣脂、シェラック、またはビーズワックス;あるいは、これらのいずれかの任意の組み合わせが含まれる。油性のバインダーのいくつかの限定的な例としては、Cargill(Minnetonka,MN)から入手することができるOlympic(登録商標)シリーズのパーム核油、および部分的に水素添加されたパーム核油(100、200、300、400);Encore(登録商標)パーム核油および部分的に水素添加されたパーム核油(100、100−F、200、300、500、600、および800)、Regal(登録商標)部分的に水素添加されたパーム核油(HB−C−92、HB−E−95、HB−G−102、HB+108、HB−K−112、HB−M−100)、およびRegal(登録商標)トッピングオイル(topping oils);ベギーワックス(veggie waxes)(例えば、これもまたCargill(Minnetonka,MN)から入手することができる、Naturewax(登録商標)キャンドルベースストック(candle base stock)S−113);あるいは、ADM(Decatur,IL)から入手することができるRBHD IE PKO−74−550−0パーム核油が挙げられる。
【0027】
約90°F未満の融点を持つ脂肪および/または油もまた、油性のバインダーが、コーティング後の生物活性組成物の剥離(脱落する)を、全てではないにしろ大部分を最小にする様式で、生の野菜丸ごとの表面に生物活性組成物を付着させることができる限りは、本発明を実施するために適していると見なされる。約90°F未満の融点を持つ脂肪および/または油が油性のバインダーとして使用される場合は、ワックスが、バインダーに対して構造を提供するために使用され得る。例示的なワックスは上記に記載されている。
【0028】
水性のバインダーは、一般的には、液体の形態の中に溶解するかまたは分散させられて塗布される。水性のバインダーを形成するために使用され得る適切な成分としては、ガム(例えば、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、キサンタン、アカシア、ローカストビーン、トラガカントガム、ゲラン、カルボキシルメチルセルロース)の溶液および/またはスラリー;タンパク質(例えば、ゼラチン、ゼイン、ダイズタンパク質、卵白);デンプン(例えば、予めゼラチンで覆われたデンプン、加工デンプン、スクロース、デキストロース、コーンシロップ、ハチミツ、果汁、食品等級のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシル化スチレン、スチレン−マレイン酸縮合物のような甘味剤);他の天然のおよび合成の樹脂ならびにポリマー性材料;あるいは、これらのいずれかの任意の組み合わせが挙げられる。
【0029】
本発明が実施される場合には、水性のバインダーは、通常、水性のバインダーの全重量に基づいて約10重量%より高い固体濃度を有する。生のマメがコーティングされる場合には、視覚的属性は、米国の消費者が考える品質に影響を与える重要な要素である。したがって、10重量%を上回る、特に、20重量%を上回る水性の液体バインダーは、高い固体濃度が望ましくない種皮の修飾を最小にするので、生のマメや穀類のコーティングの際に有利であると見なされる。本発明で使用され得る適切な水性のバインダーとしては、Specialty Products & Technology(Minnetonka,MN)から入手することができるDry Lock粘着剤と、National Starch and Chemical Company(Bridgewater,NJ)から入手することができるN−Tackロウ様コーンスターチが挙げられる。
【0030】
液体バインダーは、一般的には、生の野菜の全重量に基づいて約10重量%未満の濃度で塗布される。例えば、生の丸のままのダイズがコーティングされる場合には、液体バインダーは、約5重量%またはそれ未満の濃度で塗布される。別の例においては、液体バインダーは、生の丸のままのピントビーンズの全重量に基づいて、約0.5重量%から約2重量%までの範囲の濃度で、生のピントビーンズ上に噴霧される。
【0031】
加えて、本発明が実施される場合には、液体バインダーは、通常は、90°Fから140°Fまでの範囲の温度で、生の野菜丸ごとに塗布される。例えば、生のグレートノーザンビーンズがコーティングされる場合には、油性のバインダーが、約90°Fから140°Fまでの範囲の温度で塗布される。140°Fより高い温度は、生物活性組成物の成熟前の失活が起こる可能性があるので回避される。別の例においては、生のブラックビーンズがコーティングされる場合には、水性の液体バインダーは、約90°Fから約130°Fの温度で塗布される。
【0032】
生物活性組成物は、ペースト、粉末、霧、蒸気、液体、または固体の形態で供給され得る。好ましくは、選択される形態は、生物活性組成物が生の野菜丸ごと上にコーティングされる方法に依存する。例えば、生物活性組成物がバインダーとは別に生の野菜丸ごとに塗布される場合は、生物活性組成物は、粉末として、または顆粒の形態で塗布されることが好ましい。生物活性組成物が生の野菜丸ごとをコーティングするために使用されるスラリーを形成するためにバインダーの一部として含まれる場合は、生物活性組成物は、その生物活性組成物がバインダーの中に適切に分散するかまたは溶解する限りは、任意の形態で供給され得る。
【0033】
生の野菜丸ごとをコーティングするために使用される生物活性組成物の濃度は、(1)コーティング条件、(2)コーティング設備、(3)最終的なコーティングされた生の野菜丸ごとの保存条件、(4)バインダーの濃度、(5)バインダーを形成するために使用される成分、(6)生の野菜丸ごと、(7)所望される酵素修飾/プロセシングの程度、(8)生の野菜丸ごとを酵素分解するために利用される時間の長さ、(9)酵素成分を活性化させるために使用されるであろう条件、および/または(10)生物活性組成物中に存在する他の成分および/または構成要素に応じて変化し得る。一般的には、本発明が実施される場合には、生物活性組成物は、生の野菜丸ごとの全重量に基づいて、約0.0001重量%から約10重量%までの範囲の濃度を有する。好ましくは、生物活性組成物は、生の野菜の全重量に基づいて、約0.01重量%から約2重量%までの範囲である。
【0034】
生物活性組成物には、本発明が実施される場合には、(1)酵素成分のみが含まれる場合があり、ならびに/あるいは、(2)pH調整剤、乳化剤、およびコーティングプロセスを補助し、そして/または生の野菜丸ごとの化学的および栄養特性を変化させる他のさらなる成分が状況に応じて含まれる場合もある。
【0035】
酵素成分には1つ以上の酵素が含まれる。酵素が、コーティングプロセスの間に生の野菜丸ごとの中の標的基質を分解しないことが好ましい。さらに、酵素は、一般的には、コーティングプロセスの後、および酵素活性を開始させる適切なpHおよび温度条件下での十分な量の水の中への浸漬またはそれとの接触の際に、依然、活性である、すなわち、酵素活性が可能である(標的基質を分解することができる)。本明細書中で使用される場合は、用語「酵素」は、1つ以上の標的基質に対する特異的な生化学反応を少なくとも触媒することができる、生存している細胞によって生産される任意の複合タンパク質を意味する。用語「酵素」はまた、あらゆる微生物が実質的に含まれない特異的な生化学反応を触媒することができる任意の複合タンパク質を含むようにも意味される。
【0036】
さらに、酵素成分は、本発明にしたがって生の野菜を加水分解および/または分解するために微生物を使用することを含むようには意味されない。生の野菜を処理するための炭水化物と他の酵素を生産する微生物の利用は、一般に、微生物発酵といわれる。加えて、微生物発酵にはある程度の加水分解が含まれ得るが、微生物発酵は、ペントースまたはヘキソースのような糖成分を、酸性度を高め、pHを下げ、そして発酵した野菜の質感や味を変化させる有機酸へとさらに変換させることが公知である。対照的に、本発明では、生物活性組成物を形成するための微生物を実質的に含まない酵素が使用される。
【0037】
米国特許第6,033,692号に開示されているように、生の野菜丸ごと(例えば、生の乾燥食用マメ)は、炭水化物、プロテアーゼ、リパーゼ、および他の酵素を含む水性の酵素組成物を使用して、酵素的に修飾または処理することができる。水性の酵素組成物はまた、それらの全体が引用により本明細書中に組み入れられる米国特許出願番号10/619,403、同60/820,499、同60/863,388、同09/495,960、同60/947,387、同11/881,539、およびPCT出願番号US03/41646に開示されているように、生の野菜丸ごとを水和し、柔化し、分解し、ならびに/または変化させることも示されている。
【0038】
本発明が実施される場合には、酵素成分に、生の野菜丸ごとの中のラフィノース、スタキオース、およびベルバスコース糖を分解するために有効な1つ以上の酵素が含まれることが好ましい。したがって、酵素成分に、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、およびエンドプロテアーゼのようなカルボヒドラーゼ、またはこれらのうちのいずれかの組み合わせが含まれることが好ましい。これらは、上記酵素を含む水性の酵素組成物の中での浸漬またはそれとの接触後に、乾燥食用マメおよび緑色の葉もの野菜の中のラフィノースとスタキオースを100%まで排除することが示されている。油性のマメおよび相当量の脂質含有量を有する他の生の野菜丸ごとの中のラフィノース、スタキオース、およびベルバスコースを分解させるためには、酵素成分には、一般的に、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、α−ガラクトシダーゼ、プロテアーゼ、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせが、ラフィノースとスタキオースを100%まで排除するために含められる。「相当量の資質含有量」によっては、生の野菜丸ごとの全重量に基づいて、0.5重量%を上回る、好ましくは1重量%を上回る脂質または脂肪含有量を有する野菜が意味される。
【0039】
最適温度およびpH条件下での十分な水との生物活性がある生の野菜丸ごとの接触の後に生産された野菜製品中のオリゴ糖は、通常、野菜製品の約0.5重量%未満、野菜製品の0.05重量%未満、および多くの場合には、約0重量%である。同様に、ベルバスコースとラフィノースの濃度は、野菜製品の約0重量%であり、スタキオースの濃度は、野菜製品の約0.5重量%未満であり、多くの場合には、野菜製品の0.05重量%未満である。あるいは、オリゴ糖の還元ではなく、生の野菜丸ごとを柔化し、水和状態を改善し、または生の野菜丸ごとの調理/処理を容易にすることが酵素修飾の目的であるべきなので、酵素成分には、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、リパーゼのような柔化酵素、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせが含まれるであろう。
【0040】
本発明では、コーティングプロセスの間の活発な酵素分解は、いくつかの理由のために回避されることが好ましい。第1の理由は、生物活性がある生の野菜丸ごとが、酵素分解を促進するpHおよび温度条件下での十分な量の水への暴露の結果として、コーティングプロセス後に酵素分解を受けると予想され、したがって、最大酵素活性の保持が必要であることである。第2の理由は、コーティングプロセスの間の成熟前酵素活性により、生の野菜丸ごとの、コーティングされた生の野菜丸ごとの感覚受容特性に頻繁に影響を与える部分的な加水分解が生じ得ることである。第3の理由は、コーティングプロセスの間の酵素分解もまた、所望される場合には、酵素分解を全てではないにしても大部分を最終的に制限しかねない様式で、酵素活性の低下を生じる可能性があることである。
【0041】
酵素分解は、(1)酵素が生の野菜丸ごと中の任意の標的基質と接触すること防ぐマトリックスの中に生物活性組成物をカプセル化すること、または(2)酵素分解を促進する、十分な水、温度、および/もしくはpHのような条件に曝されることを回避すること、ならびに/または(3)コーティングプロセスの間の酵素分解を可能にしないバインダーを状況に応じて使用することによって、コーティングプロセスの間は回避される。
【0042】
酵素成分は、固体、濃縮物、ペースト、液体、または顆粒の形態として、生物活性組成物の一部として含まれ得る。好ましくは、酵素成分は、生物活性組成物が顆粒の形態であり、生の野菜に対してバインダーとは別に塗布される場合には、顆粒の形態で生物活性組成物の一部として含まれる。あるいは、酵素成分は、バインダーと同じ形態またはバインダーとは異なる形態で、バインダーの一部として含まれ得る。例えば、バインダーが液体の形態である場合は、酵素成分は、液体バインダーと混合される固体、濃縮物、ペースト、液体として、または顆粒の形態で添加され得る。
【0043】
好ましくは、酵素成分の濃度は、十分な水、温度、およびpHの条件下に酵素でコーティングされた生の野菜丸ごとが置かれた後に、例えば、生の野菜中のラフィノース、スタキオース、およびベルバスコースを還元することによって、柔化し、分解し、加水分解し、修飾するために有効な量である。さらに、酵素の濃度は、(1)酵素の活性、(2)酵素処理時間、(3)酵素処理条件、(4)所望される加水分解の程度、(5)使用されるバインダー成分と濃度、(6)生の野菜丸ごと、(7)コーティング条件と設備、および/または(8)最終的なコーティングされた生の野菜丸ごとの保存条件に依存して変化し得ることが理解される。
【0044】
特許出願番号60/820,499、同60/863,388、同10/619,403、同09/495,960、同60/947,387、同11/881,539、および米国特許第6,033,692号に開示されているように、酵素成分は、一般的には、生の野菜の全重量に基づいて約0.0001重量%から約10重量%までの範囲である。酵素成分が顆粒の形態で含まれる場合には、酵素成分の濃度は、生の野菜の全重量に基づいて、約0.01重量%から約1重量%までの範囲である。酵素成分がペースト、液体、霧、スラリーとして、または蒸気の形態で含まれる場合には、濃度は、一般的には、約0.05重量%から約5重量%までの範囲である。
【0045】
代わりの実施形態においては、酵素成分は、特に(1)水性のバインダーおよび/または(2)pH調整剤もまた生物活性コーティングの形成の間に含まれる場合に、コーティングプロセスの間の酵素分解を最小にするためにカプセル化され得る。カプセル化された酵素はまた、保存の際のコーティングされた野菜の安定性を改善し得る。顆粒状の(粉末状の)酵素は、粒子の大きさに関して特性決定され得る。好ましくは、本発明が実施される場合には、カプセル化された酵素、またはカプセル化されていない酵素はいずれも、約1ミクロンから1000ミクロン、好ましくは、約1ミクロンから250ミクロン、そして最良の結果については、約5ミクロンから100ミクロンの粒径を有する。
【0046】
本発明で使用することができるセルラーゼまたはカルボヒドラーゼのいくつかの限定的な例としては、セルラーゼAPおよび/またはセルラーゼT(Amano Enzymes USA,Chicago,IL);エンゼコセルラーゼCEPおよび/またはエンゼコセルラーゼCE−2(Enzyme Development Corporation(EDC),New York,NY);セルラーゼ4000またはCrystalzyme Cran(Valley Research Inc.,South Bend,IN);Viscozyme L、またはCellubrix、Peelzym、Gamanase 1.0L(Novozymes,Franklinton,NC);Multifect cellulases(Danisco,CA);、あるいは、Rapidase tropical cloud、シトラーゼPC15、シトラーゼCL(Gist Brocades,NJ)が挙げられる。
【0047】
本発明に適しているリパーゼのいくつかの限定的な例としては、酵母リパーゼ200,000 FIP/GMおよび/またはリパーゼ150,000 FIP/GM(Bio−cat,Troy,VA);リパーゼF−AP 15,リパーゼMアマノ10、リパーゼGアマノ50、リパーゼFアマノ、リパーゼAアマノ12,リパーゼRアマノ(、リパーゼAYアマノ30(Amano Enzymes USA);真菌リパーゼ8000(Valley Research,Inc);あるいは、エンゼコリパーゼ濃縮物(EDC)が挙げられる。適しているペプチナーゼのいくつかの限定的な例としては、ペクチナーゼ500,000 AJDU/GMまたはペクチナーゼ3,500 ENDO−PG/GM(Bio−cat)、ペクチナーゼp−II(Amano Enzymes USA);あるいは、マルチフェクトペクチナーゼFE(Danisco)が挙げられる。本発明に適しているアミラーゼとしては、エンゼコ真菌アミラーゼ(EDC)、アミラーゼDS、アミラーゼSアマノ、アミラーゼTHSアマノ、およびアミラーゼAYアマノ(Amano Enzymes USA)が挙げられる。
【0048】
適しているアルファ−ガラクトシダーゼとしては、α−d−ガラクトシダーゼまたはα−d−ガラクトシダーゼDS(Amano Enzymes USA)、エンゼコアルファ−ガラクトシダーゼ濃縮物(EDC);およびバリダーゼAGS(Valley Research,Inc)が挙げられる。本発明に使用され得る適切なプロテアーゼとしては、エンゼコ精製パパイン濃縮物、パノール精製パパイン、エンゼコ真菌酸性プロテアーゼ、およびエンゼコ真菌プロテアーゼ100(EDC)が挙げられる。本発明に使用され得る適切なヘミセルラーゼとしては、エンゼコヘミセルラーゼ20M(EDC);ヘミセルラーゼアマノ90((Amano Enzymes USA);およびマルチフェクトXL(Danisco)が挙げられる。
【0049】
生物活性コーティングには、酵素成分の活性化と酵素活性の最大化に有効な、約2から約7の範囲、好ましくは、約3から約7の範囲にpHを調整するために使用される、最適なpH調整剤が含まれ得る。pH調整剤には、一般的には、水性組成物のpHを変化させ、生物活性組成物の酵素成分を活性化させるために有効な、酸味料、塩基性物質(basic agent)、緩衝剤、塩、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。最適なpH調整剤は、生物活性組成物またはバインダーの一部として含まれ得る。あるいは、pH調整剤は、コーティングされた生の野菜の浸漬前、浸漬中、または浸漬後に、pHが約3から約7の所望される範囲になるように、水性組成物に添加され得る。
【0050】
pH調整剤を形成するために使用され得る成分のいくつかの限定的な例としては、有機酸(例えば、酢酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、など);リン酸;そのような有機酸の緩衝剤(例えば、クエン酸カルシウム、グルコン酸第一鉄、クエン酸第一鉄、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、マレイン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、酢酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、フマル酸鉄、クエン酸ナトリウムなど);ならびに/あるいは、それらの任意の組み合わせが挙げられる。水酸化ナトリウムなどの塩基性物質もまた、本発明においては、pH調整剤の一部として含まれ得る。
【0051】
pH調整剤が、生物活性コーティングを形成するために生物活性組成物またはバインダーに添加される場合は、pH調整剤の濃度は、pH調整剤を形成するために使用される物質と、酵素処理の間に使用されるであろう水性組成物の量に応じて変化する。目的が、特定の範囲にとどまるpH緩衝化システムを提供することである場合には、弱い有機酸とそれらの対応する塩の組み合わせが、pH調整剤を形成するために使用される。例えば、目的が約4から約6の範囲にとどまる緩衝化されたpH環境を維持することである場合は、クエン酸:クエン酸ナトリウムの60:40混合物が、このpH範囲を生じさせるために有効である。コーティングされた野菜:水の比が1:3である場合には、これは、生の野菜丸ごとの全重量に基づいて、0.30重量%のクエン酸と0.20重量%のクエン酸ナトリウムとなる。本発明が実施される場合には、pH調整剤は、コーティングプロセスの間、または保存の間の酵素の失活を防ぐ必要があれば、カプセル化され得る。
【0052】
生物活性コーティングには、特に、本発明にしたがって、油性のバインダーが使用される場合、および/または油性のマメもしくは相当量の脂質含有量を有している生の野菜がコーティングされ、その後、酵素分解される場合には、乳化剤が含まれる。乳化剤を含めることにより、油性のバインダーからの酵素成分の解離が手助けされ、その結果、酵素が水性組成物の中でさらに効率よく機能できることがわかっている。加えて、乳化剤の存在もまた、油性のマメおよび/または相当量の脂質含有率を有している生の野菜の中のラフィノース、スタキオース、およびベルバスコースの排除を手助けすることにおいて重要である。適切な乳化剤のいくつかの限定的な例としては、レシチン、有機レシチン、脱脂レシチン、ポリソルベート60、ポリソルベート80、プロピレングリコール、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、モノグリセリド、蒸留されたモノグリセリド、ジグリセリド、蒸留されたジグリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸の乳酸エステル(lactylic esters)、脂肪酸のポリグリセロールエステル、トリアセチン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0053】
乳化剤は、油性のバインダーが使用される場合には、約4:1またはそれより低い比(油性のバインダー:乳化剤)で添加され得る。あるいは、乳化剤の濃度は、油性のマメおよび/または相当量の脂質含有率を有している生の野菜丸ごとが使用される場合は、生の野菜丸ごとの全重量に基づいて、約0.01重量%から約10重量%までの範囲であり得る。乳化剤は、バインダーの一部として、あるいは、液体、液化形態、融解した形態、溶解した形態、固体、または顆粒の形態の生物活性組成物の一部として含まれ得る。本発明で使用される適切な乳化剤としては、Clarkson Soy Products(IL)による有機レシチンと、Solae Company(St.Louis,MO)によるSolec(商標)8160が挙げられる。
【0054】
生物活性組成物および/またはバインダーには、(1)粉末の分散を補助し、(2)ケーキングを防ぐように作用する、マルトデキストリンの形態の添加物が含まれ得る。本発明では、吸湿性のあるマルトデキストリンは、成熟前の酵素分解または失活が回避されるように、生物活性がある生の野菜のコーティングプロセスの間、またはその長期保存の間に、過剰量の水分または液体への結合を手助けするために含まれ得る。マルトデキストリンが本発明において使用される場合は、濃度は、生の野菜丸ごとの全重量に基づいて、約0.01重量%から約9.7重量%までの範囲であり得る。本発明で使用されるマルトデキストリンの適切な例としては、Tate and Lyle(Decatur,IL)によるStar Dri(登録商標)100マルトデキストリンが挙げられる。
【0055】
コーティング条件に影響を与える、および/または最終的な野菜製品の栄養を強化する他の添加剤もまた、生物活性組成物の一部として含まれ得る。これらとしては、酵素触媒、天然のおよび/または人工の香味料;人工着色料;例えば、クロロフィル、アントシアニン、ベタレイン、ベタイン、カロテノイド、アントキサンチンのような天然色素;ハーブ類;スパイス類;ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB12(シアノコバラミン)、パントテン酸、ナイアシン、チアミン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンC、葉酸、およびビオチンのようなビタミン類;カルシウム、鉄、亜鉛、銅、セレニウム、マグネシウム、マンガンのようなミネラル類;植物抽出物;精油類;スクロース、フルクトース、グルコース、またはマルトースのような糖類;保存料;抗酸化剤;生の野菜丸ごとに対する水性の酵素組成物の塗布、水性の酵素組成物の生の野菜丸ごとによる取り込み、またはその後の処理を改善する任意の添加剤;あるいは、これらのいずれかの任意の組み合わせが挙げられる。ビタミン類、ミネラル類、および水、酸性度、光、および酸素に感受性がある他の生物活性成分のような添加剤は、成熟前分解を防ぐように本発明が実施される場合には、生物活性組成物またはバインダーに含められる前にカプセル化され得る。
【0056】
代わりの実施形態においては、生物活性組成物には、少なくとも1種類のビタミンおよび/またはミネラルが含まれ、外因性酵素は添加されない。この実施形態では、生物活性成分は、栄養が富化されたかまたは栄養が強化された生物活性がある生の野菜を形成するために、生の野菜丸ごとの表面に塗布される。例えば、0.30重量%から0.35重量%の濃度のグルコン酸第一鉄が、RDIの少なくとも50%の送達が可能であるように、生物活性組成物として使用され得、一方、2%のクエン酸カルシウムが、カルシウムについてのRDIの少なくとも10%の送達が可能であるように、生のピントビーンズをコーティングするために使用される。
【0057】
バインダーは、生の野菜組成物に対して、生物活性組成物とは別に塗布され得るか、あるいは、生の野菜上にコーティングされるスラリーとして形成されるように生物活性組成物と混合され得る。本発明で使用されるコーティングまたは塗布方法は、(1)実質的に均一な生物活性コーティングを確実にする、(2)コーティングの生物活性の成熟前失活または分解を生じない、(3)生の野菜の種皮/最表面を望ましくないように変化(しなびさせるなど)させない、ならびに(4)生の野菜丸ごとが割れる、粉々になる、またはチップ状になることを回避するために十分に穏やかである、温度、攪拌、および圧力の条件下で行われるべきである。
【0058】
一般的には、バインダーが生物活性組成物とは別に塗布される場合、またはバインダーと生物活性組成物の両方を混合しスラリーを形成する場合には、本発明の生の野菜丸ごとをコーティングするために、1工程型の塗布機(1−stage coater)、2工程型の塗布機、標準的な錠剤コーティングパン、または流動床型の塗布機が使用され得る。コーティング設備の1つの適切な例として、Spray Dynamics(St.Louis,MO)から入手することができる、マスターシリーズの2工程の液体および粉末コーティングシステムが挙げられる。生物活性組成物および/またはバインダーはまた、別々に、または混合されてのいずれかで、浸漬、吹き付け、噴霧コーティングによって、あるいは野菜上に生物活性コーティングの薄層を形成することによっても塗布され得る。コーティングの厚みは、通常、塗布されたコーティングの量に応じて約2ミクロンから約2ミリメートルまでの範囲であり、厚みが実質的に均一であることが好ましい。
【0059】
コーティングの塗布後、コーティングされた野菜を、コーティングされた生成物の表面の水分と粘着性を減少させるために乾燥させる。コーティングプロセスの間は、噴霧型の塗布機(回転式ドラム)の中の通常の条件は、コーティングされた生の野菜を、それらが回転式ドラムから出される時までに乾燥させる条件である。同様に、油性のバインダーが使用される場合は、塗布機の中の温度と空気の条件は、バインダーがドラムから出される前に、硬化し、固まり、および/または固化するような条件である。バインダーがなおも流動性があり湿っている稀な場合には、別の乾燥機が、コーティングされた生成物を乾燥させるために使用され得る。一般的には、特定の材料を乾燥させる用途に適している任意の乾燥機が、時間、温度、空気の流れ、および/または攪拌条件が生物活性コーティングを失活させるかまたは取り除くことがない限りは、本発明のコーティングされた野菜を乾燥させるために使用され得る。一例として、強制的空気乾燥機(forced air dryer)が、コーティングされた野菜を乾燥させるために使用され得る。乾燥後、酵素がコーティングされた生の野菜丸ごとは従来の方法でパッケージされ得、そして、酵素分解を促進する適切な水、pH、および温度条件に分布するか、または直ちに曝され得る。
【0060】
コーティングされた生の野菜が適切な水、温度、およびpH条件におかれた場合に、酵素が、コーティング後もなお、オリゴ糖の酵素分解を促進するために活性であるように、本発明は、生の野菜丸ごとの表面上に配置されたコーティングの中への外因性の酵素および/またはビタミン類/ミネラル類の取り込みを生じることに留意されたい。本明細書中で使用される場合は、用語「外因性酵素」は、酵素の外部供給源の添加をいう。生物活性コーティングを含む生物活性がある生の野菜を形成することの利点としては、(1)調製が容易であること、(2)調理時間を短縮できる可能性があること、および/または(3)植物をベースとするマトリックスの中に重要な栄養素(例えば、カルシウムおよび鉄)を容易に送達できることが挙げられる。顆粒状の組成物を用いて作業される場合には、可能性がある粉塵/アレルギーの懸念を伴う酵素の失活がいかに簡単であるかを前提とすると、生物活性コーティングは、酵素作用を確実にする際に技術的課題に遭遇することなく、より容易に消化されるおよび/または栄養的に強化された植物性製品を得るための代替方法を提供する。加えて、遊離の酵素よりも強く、処理条件後の速い(10細胞/mlから10細胞/ml)塗布速度の理由から容易に影響を及ぼす、微生物構成とは異なり、酵素は、食品の処理に使用することがはるかに難しく、したがって、生の野菜丸ごとに酵素を付着させるバインダーの中に酵素を包埋することにより、食品業界において、または消費者がそれらを使用することがさらに簡単になる。加えて、他の利点が、生物活性組成物を形成するために使用される成分に応じて導かれ得る。
【0061】
本発明は、以下の実施例にさらに具体的に記載される。以下の実施例は、本発明の範囲内での多数の改変とバリエーションが当業者に明らかであるために、単なる説明と意図される。
【実施例】
【0062】
(実施例1)
2000lbsの洗浄された乾燥したピントビーンズを、生の丸のままのマメの中の100%までのラフィノース、ベルバスコース、およびスタキオースを除去するように配合した2種類のVegizyme(商標)のバージョンで、2工程型の塗布機を使用してコーティングした。2種類のVegizyme(商標)のバージョン(生物活性組成物)は、以下の組成に基づいて調製した(重量%は生のマメの供給速度に基づく):
【0063】
【表1】

操作条件は以下のとおりである:
【0064】
【表2】

#1〜#4のコーティングしたマメを、2工程型の塗布機の回転式ドラムからマメを取り出すまでに乾燥させた。#5〜#7のコーティングしたマメは粘着性がありすぎて、さらなる乾燥が必要であった。300グラムのそれぞれのタイプのコーティングしたマメを、その後それぞれ、900グラムの水の中に、攪拌しながら、約100°Fから約120°Fの温度で浸漬した。7種類の浸漬したマメの試料についての最初のpH値は4から約5までの範囲であった。糖の分析により、90%を上回るラフィノース糖およびスタキオース糖がVegizymeをベースとするコーティングによって排除されたことが明らかとなった。
【0065】
(実施例2)
2000lbsの洗浄した乾燥させたピントビーンズとグレートノーザンビーンズを、生の丸のままのマメの中の100%までのラフィノース、ベルバスコース、およびスタキオースを除去するように配合した様々なVegizyme(商標)処方物で、2工程型の塗布機を使用してコーティングした。加えて、処方物のうちのいくつかには、鉄、カルシウム、および12種類のビタミンとミネラルの混合物を含めた。Vegizyme(商標)の様々なバージョン(生物活性組成物)を、以下の組成に基づいて調製した(生のマメの供給速度に基づく重量%量):
【0066】
【表3】

操作条件は以下のとおりであった:
【0067】
【表4】

実験#l〜#7は全て、生物活性組成物で実質的にコーティングされた生物活性がある生のコーティングされたマメを生じた。300グラムのそれぞれのタイプのコーティングしたマメを、それぞれ続いて、攪拌しながら、900グラムの水の中に、約100°Fから約130°Fの温度で浸漬した。浸漬したマメの試料についての最初のpH値は、4から約5までの範囲であった。糖の分析により、90%を上回るラフィノース糖およびスタキオース糖が生物活性コーティングによって排除されたことが示された。
【0068】
本発明は好ましい実施形態に関して記載されているが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、形式と詳細を変更できることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物活性物質がコーティングされた生のマメを形成する方法であって:
生のマメに対して液体バインダーを塗布し、粘着性のある生のマメを形成する工程;および
該粘着性のある生のマメに対して少なくとも1つの酵素を含む顆粒状の生物活性組成物を塗布し、生物活性物質がコーティングされた生のマメを形成する工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記生物活性物質がコーティングされた生のマメを乾燥させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生物活性組成物に、酸味料と該酸味料の塩を含む緩衝液がさらに含まれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記マメが、大きな白色のマメまたはグレートノーザンビーンズ、小さい白色のマメ、ピントビーンズ、赤インゲンマメ、黒マメ、カリコマメ、ピンクインゲンマメ、メキシカンレッドビーンズ、チャマメ、ウズラマメ、ライマビーンズ、ネイビービーンズ、つるつるしたマメおよび皺のあるマメ、ならびに黄色の品種または緑色の品種、ブラックアイビーンズ、カウピーマメ、紫色の皮のマメ、クリームピー、クラウダーピー、フィールドピー、ガルバンゾビーンおよびひよこマメ、ダイズ、赤マメ、黄眼マメ、アズキマメ、リョクトウ、テパリービーン、ソラマメ、豆類、あるいはこれらのいずれかの任意の組み合わせである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記バインダーが、生のマメの全量に基づいて5重量%未満の濃度で塗布される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記バインダーが水性のバインダーであり、水性のバインダーの全量に基づいて10重量%を超える固体が含まれる、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記生物活性組成物がカプセル化される、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記バインダーが、約90°Fを上回る融点を有する油性のバインダーである、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記生物活性組成物が、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、クエン酸、クエン酸ナトリウム、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせである、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
生物活性物質がコーティングされた生の野菜を形成する方法であって:
生の野菜丸ごとを、バインダーと生物活性組成物を含むスラリーでコーティングし、スラリーがコーティングされた生の野菜を形成する工程であって、前記生物活性組成物は、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコース、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを分解させるために有効である、工程;および
スラリーを硬化し、生物活性物質がコーティングされた生の野菜を形成する工程
を含む、方法。
【請求項11】
前記バインダーに、部分的に水素添加されたパーム核油、ダイズ油、菜種油、トウモロコシ油、キャノーラ油、ピーナッツ油、パーム油、ババス油、ヒマワリ油、および/またはサフラワー油;完全に水素添加されたパーム核油、キャノーラ油、ダイズ油、菜種油;部分的に水素添加されたものと完全に水素添加されたものであるパーム核油、ダイズ油、キャノーラ油、菜種油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、パーム油、ババス油、ヒマワリ油、および/またはサフラワー油の混合物、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド;食品等級のパラフィンをベースとするワックス、食品等級のペトロリウムワックス、カルナバロウ、糠ロウ、獣脂、シェラック、ビーズワックス、あるいは、これらのいずれかの任意の組み合わせが含まれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記バインダーが、90°Fまたはそれを上回る融点を有する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記スラリーが、生の野菜の全重量に基づいて約10重量%未満の濃度でコーティングされる、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記生の野菜丸ごとが、約2mmから約20mmまでの範囲の片の大きさを有する、請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記硬化工程に、乾燥、固化、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせが含まれる、請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記生物活性組成物に:
セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含む酵素;
レシチンを含む乳化剤;および
クエン酸とクエン酸ナトリウムを含むpH調整剤
が含まれる、請求項10〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記生物活性組成物に:
セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含む酵素;および
クエン酸とクエン酸ナトリウムを含むpH調整剤
が含まれる、請求項10〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記生物活性組成物に:
セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含む酵素;および
クエン酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸第一鉄、クエン酸カルシウム、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含むpH調整剤
が含まれる、請求項10〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記酵素がカプセル化される、請求項10〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
以下を含む、生物活性物質がコーティングされた生のマメ:
マメの全重量に基づいて約40重量%未満の含水率を有している生の丸のままのマメ;
生のマメ上にコーティングされたバインダーであって、ここでは、バインダーは、生のマメの全重量に基づいて約0.01重量%を上回る濃度を有する、バインダー;および
バインダーと混合された生物活性組成物であって、前記生物活性組成物には、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコース、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを分解させるために有効な少なくとも1つの酵素が含まれており、前記生物活性組成物は、生のマメの全重量に基づいて少なくとも約0.01重量%の濃度を有している、生物活性組成物。
【請求項21】
前記生物活性組成物に:
セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含む酵素;
レシチンを含む乳化剤;および
クエン酸とクエン酸ナトリウムを含む緩衝液
が含まれる、請求項20に記載の生物活性物質がコーティングされた生のマメ。
【請求項22】
前記生物活性組成物に:
セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含む酵素;
レシチンを含む乳化剤;および
クエン酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸第一鉄、クエン酸カルシウム、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含むpH調整剤
が含まれる、請求項20に記載の生物活性物質がコーティングされた生のマメ。
【請求項23】
前記バインダーが油性のバインダーであり、前記バインダーが約90°Fを上回る融点を有する、請求項20〜22のいずれかに記載の生物活性物質がコーティングされた生のマメ。
【請求項24】
以下を含む、生物活性物質がコーティングされた生の野菜:
生の野菜の全重量に基づいて約40重量%未満の含水率を有している生の野菜;
生の野菜の表面上にコーティングされたバインダーと生物活性組成物であって、ここでは、前記バインダーと前記生物活性組成物は、生の野菜の全重量に基づいて約0.01重量%を上回る濃度を有しており;前記生物活性組成物には、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコース、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを分解させるために有効な少なくとも1つの酵素が含まれる、バインダーと生物活性組成物。
【請求項25】
前記生物活性組成物に:
セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含む酵素;および
クエン酸とクエン酸ナトリウムを含むpH調整剤
が含まれる、請求項24に記載の生物活性物質がコーティングされた生の野菜。
【請求項26】
前記生物活性組成物に:
セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含む酵素;および
クエン酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸第一鉄、クエン酸カルシウム、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含む緩衝液
が含まれる、請求項24に記載の生物活性物質がコーティングされた生の野菜。
【請求項27】
生物活性物質がコーティングされた生のマメを形成する方法であって:
生のマメに対して液体バインダーを塗布し、粘着性のある生のマメを形成する工程;および
粘着性のある生のマメに対して少なくとも1つのビタミンまたはミネラルを含む顆粒状の生物活性組成物を塗布し、生物活性物質がコーティングされた生のマメを形成する工程
を含む、方法。

【公表番号】特表2010−531661(P2010−531661A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514165(P2010−514165)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001659
【国際公開番号】WO2009/004434
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(510004136)カイズ リサーチ コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】