説明

生理学的データに基づいてメディア及びメディアのイベントを評価する方法及びシステム

本発明の様々な実施の形態は、メディアの視聴者の測定された生理学的データから生理学的反応を導き出し、生理学的反応に基づいてイベント種別のインスタンスのスコアを計算するボトムアップの分析手法を可能とする。各イベント・インスタンスを評価するのに加え、その後、スコアが集約されて、イベント種別が評価される。本手法は、また、メディア内におけるイベント種別のセットのイベント評価を集約することにより、メディアの全体評価を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴者からの生理学的反応に基づくメディア及びイベント評価の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
メディアに対する視聴者反応を分析する従来の手法は、統計に対する平均化された反応、視聴者の「ノブ」、生理学的データ又は他の評価機構に基づく、トップダウンの観察に焦点をあてる。視聴者は通常、少数の主要イベントしか覚えておらず、他は忘れてしまうため、各個人視聴者の認識の偏りによって、この観察の分析精度は制限される。そのため、視聴者のメディア経験の期間に他の肯定的なイベントがあったとしても、メディアの一つ又は二つの否定的なイベントが、視聴者が後にメディアをどう思うかを支配しかねない。
【0003】
心拍数、脳波、動き、筋肉運動、電気皮膚反応、及びメディア視聴者の他の反応を含むがそれらに限定されない生理学的データは、視聴者がメディアを視聴している期間の感情変化の軌跡を与え得る。しかしながら、そのようなデータ自身は、メディア又はそのイベントがメディア又はイベントの他のインスタンスに対して客観的に調査及び/又は比較されることを可能とするような、メディアの客観的基準を作成しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の様々な実施の形態は、メディアの視聴者の測定された生理学的データから生理学的反応を導き出し、生理学的反応に基づいてイベント種別のインスタンスのスコアを計算するボトムアップの分析手法を可能とする。その後、各イベントのインスタンスをスコア付けするのに加え、イベント種別を評価するためにスコアが集約される。本手法は、更に、メディア内のイベント種別のセットの評価を集約することにより、メディアの全体評価を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本発明の一つの実施の形態によるメディア及びイベント評価を支持する例としてのシステムの図である。
【図2A】図2Aは、本発明の一つの実施の形態によるメディア及びイベント評価を支持する例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【図2B】図2Bは、本発明の一つの実施の形態によるメディア及びイベント評価を支持する例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の一つの実施の形態とともに用いられる例としての統合ヘッドセットを示す。
【図4】図4(a)−(c)は、本発明の一つの実施の形態による、測定された生理学的反応の例としての追跡と、メディアの例としての分割線とを示す。
【図5】図5は、本発明の一つの実施の形態において生成される、広告におけるジョークの例としてのプロフィールを示す。
【図6】図6は、本発明の一つの実施の形態に従って計算された、2つの映画における3つの例としてのイベント種別に対する、全体的なイベント評価を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、例として示されるものであり、同様の参照番号が類似の要素を示す添付の図面における特徴に限定されるものではない。本明細書における「一つの」、又は「幾つかの」実施の形態は、必ずしも同一の実施の形態ではなく、そのような表現は、少なくとも一つを意味するものであることに注意するべきである。
【0007】
聴衆/視聴者とつながる効果的なメディアは、所望の感情的反応を引き出すことができ、また、生理学的反応が視聴者の感情変化の有効な基準であることが確立している。本発明の様々な実施の形態は、メディア視聴者の測定された生理学的データから生理学的反応を導き出し、生理学的反応に基づいてイベント種別のインスタンスのスコアを計算するボトムアップの分析手法を可能とする。その後、イベントの各インスタンスのスコア付けに加えて、スコアが集約され、イベント種別が評価される。該手法は、更に、メディア内のイベント種別のセットの評価を集約することにより、メディアの全体評価を形成することができる。そのような手法は、イベント種別のインスタンスが、当該メディア内の同一イベント種別の先のインスタンスに対して客観的に測定され、現在のメディアが他のメディアに対して客観的に測定されることを可能とする。更に、測定された生理学的データに基づいて、メディアを、それぞれが複数のイベント・インスタンスを有する一つ又はそれ以上の主要且つ繰り返し可能なイベント種別に定義し、全イベント・インスタンス及び全イベント種別のスコアを集約してメディアに対する視聴者の全体的な反応を測定する、断片化及び組み合わせ(slice and combine)手法が採用されてよい。手法の各ステップはコンピュータ装置で処理可能であるため、手法全体を自動化することが可能であり、それにより、人間による入力又は介入をあまり必要としないメディアの客観的測定が可能となる。
【0008】
本発明の背景にある主要原理は、メディアに対する個人の反応を見てメディアに関する判断をすることはできない、というものである。非限定的な例として、複数の主要場面(イベント)を有する映画は、各場面に対する視聴者反応の完全な分析によってのみ、正確に評価することができる。そのような分析は、強烈な場面が本当に強烈であるか否か、ラブ・シーンが視聴者の興味を失わせるか又は関心を引くか、視聴者はジョークを面白いと思ったか否か、等を含み得るがそれらに限定されるものではない。これらの個別の場面種別が集約され、全体として評価された際にのみ、映画が客観的且つ自動的に同一ジャンルの他の映画と比較されることができる。更に、特定の場面(イベント種別)に対して期待される典型的な反応を知ることによってのみ、その場面の新しいインスタンスを客観的に評価することができる。
【0009】
図1は、本発明の一つの実施の形態による、メディア及びイベントの評価を支持する例としてのシステムの図である。この図では、構成要素が機能的に分離して描かれているが、そのような描写は例示に過ぎない。この図に描かれた構成要素が任意に組み合わされ、又は別個のソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェア要素に分離されても良いことは、当業者にとって明らかである。更に、そのような構成要素は、どのように組み合わされ又は分離されるかに関わらず、同一のコンピュータ装置又は複数のコンピュータ装置上で実行されることができ、複数のコンピュータ装置は、一つ又はそれ以上のネットワークで接続され得ることも、当業者にとって明らかである。
【0010】
図1を参照して、一つ又はそれ以上のセンサ103は、メディア101を視聴している複数の視聴者102それぞれからの生理学的データの測定及び記録に利用される。代替として、以下に説明するように、統合センサ・ヘッドセットが適用されてもよい。ここで、メディアは、映画、ビデオ、テレビ番組、テレビ・コマーシャル、広告、ビデオゲーム、インタラクティブなオンライン・メディア、印刷物、及び視聴者が情報を得たり、感情的に影響を受けたりし得る任意の他のメディア、のうちの一つ又はそれ以上であってよい。測定される生理学的データは、心拍数、脳波、脳電図(EEG)信号、瞬き率、呼吸、動作、筋肉の動き、電気皮膚反応、及び感情の変化に相関付けられる任意の他の反応を含むがそれらに限定されるものではない。一つ又はそれ以上のセンサのそれぞれは、脳電図、加速度計、血液酸素センサ、検流計、筋電図、及び任意の他の生理学的センサのうちの一つ又はそれ以上であってよい。身体の生理学的データは、人間の感情変化との相関を示してきた。統計、ノブ、又は他の偏りやすい反応の基準を利用する変わりに、身体の生理学的データの変化そのものを感知することにより、本発明は、記録されるデータと、それらデータの粒度とを改善する。生理学的反応は、毎秒何回も記録することができるためである。
【0011】
幾つかの実施の形態において、受信モジュール104は、メディアを視聴している複数の視聴者それぞれの生理学的データを受け取り、及び/又は記録するよう動作可能である。生理学的データは、他の方法によって、及び/又は記憶装置から、測定及び/又は取得されてもよい。幾つかの実施の形態において、決定モジュール105は、それぞれがメディア内において発生する複数のイベント・インスタンスを有する一つ又はそれ以上のイベント種別の、発生及び持続時間を決定及び記録するよう動作可能である。メディアにおける各イベント・インスタンスの持続時間は、時間的に不変、非線形、又は準線形であり得る。幾つかの実施の形態において、そのようなイベントの定義は、視聴者の生理学的データが測定された後に起こり、決定モジュール105は、複数の視聴者から測定された生理学的データに基づいて、メディアを、それぞれがメディア内の複数のイベント・インスタンスを有する一つ又はそれ以上のイベント種別に定義する。
【0012】
幾つかの実施の形態において、評価モジュール106は、複数の視聴者から測定された生理学的データから複数の生理学的反応を導き出し、複数の生理学的反応に基づいて、メディアのイベント種別のうちの一つにおける複数のイベント・インスタンスそれぞれに対するスコアを計算するように動作可能である。ここで、生理学的反応は、思考、嗜好(liking)、関与、没頭、肉体的関与、誘意性(valence)、及び生気のうちの一つ又はそれ以上であってよく、思考及び嗜好は、EEGから計算することができる。評価モジュールは、更に、そのようなスコアが計算された後で、イベント種別のインスタンスのスコアを集約することにより、特定のイベント種別を評価するよう動作可能である。更に、評価モジュールは、オプションとして、メディアのイベント種別の評価を集約することにより、メディアを評価してもよい。
【0013】
図2A−Bは、本発明の一つの実施の形態による、メディア及びイベントの評価を支持する例としてのプロセスを示すフローチャートである。この図は、例示のために機能的なステップを特定の順序で示しているが、該プロセスは、ステップのいかなる特定の順序又は構成に限定されるものではない。この図に描かれた様々なステップは、様々な方法で省略、再構成、組み合わせ、及び/又は適応されてもよいことが、当業者に理解される。
【0014】
図2Aを参照して、ステップ201において、メディアを視聴している複数の視聴者それぞれからの生理学的データが受信又は測定される。次いで、ステップ202において、複数の視聴者から測定された生理学的データに基づいて、メディアが、それぞれがメディア内に複数のイベント・インスタンスを有する複数のイベント種別に定義される。ステップ203において、生理学的データから、複数の生理学的反応が導き出され得る。ステップ204において、複数の生理学的反応に基づいて、特定のイベント種別の複数のイベント・インスタンスそれぞれのスコアが計算され、ステップ205において、特定のイベント種別の複数のイベント・インスタンスのスコアを集約することにより、特定のイベント種別が評価される。ステップ204及び205は、メディアにおける各種別ごとに繰り返されてもよく、メディアそのものが、メディアのイベント種別の集約された評価に基づいて、ステップ206において評価されてもよい。
【0015】
幾つかの実施の形態において、生理学的データは、メディアを、同一ジャンルの他のメディアと比較することができる、主要な、繰り返されるイベントのインスタンス/種別に定義するために利用されてもよい。図2Bを参照して、メディアを視聴している複数の視聴者それぞれからの生理学的データがステップ202において受信又は測定される前に、ステップ201において、それぞれがメディア内に複数のイベント・インスタンスを有する複数のイベント種別の発生及び持続時間が、決定及び/又は記録されることができる。ステップ203〜206は、図2Aに示されたステップと同様である。
【0016】
幾つかの実施の形態において、視聴者がメディアのイベントを視聴している間に生理学的データを測定するために、生物学的反応の複数の測定値を感知することができる統合生理学的センサ・ヘッドセットが、視聴者の頭に装着され得る。データはコンピュータのプログラムに記録され、それにより、視聴者がヘッドセットを装着しながらメディアと相互作用することが可能となる。図3は、本発明の一つの実施の形態とともに使用される例としての統合ヘッドセットを示す。処理ユニット301は、生理学的データをデジタル化し、該データを、思考、関与、没頭、肉体的関与、誘意性、生気及びその他を含むがそれらに限定されない生理学的応答に処理するマイクロプロセッサである。三軸加速度計302は、頭部の動きを感知する。シリコン製安定化ストリップ303は、ヘッドセットの固定により動きを最小化し、更にしっかりした感知を可能とする。右EEG電極304及び左EEG電極306は、使用のために準備を必要としない、前額骨の前に置かれるドライ電極である。電極と肌とが接触していることが必要だが、過度な圧力は必要ない。心拍数センサ305は、額の中心付近に置かれる堅牢な血液量脈波(blood volume pulse)センサであり、充電又は交換可能な電池モジュール307が片耳の上に置かれる。裏側の調節可能ストラップ308は、様々なサイズの頭に対してヘッドセットを心地よい圧力設定に調節するために利用される。
【0017】
幾つかの実施の形態において、統合ヘッドセットは押しボタンで電源オンされ、視聴者の生理学的データが即時に測定及び記録される。データ転送は、ヘッドセットがリンクされているコンピュータのインターフェースを介して、無線で処理されてもよい。正確な測定値を得るために、視聴者の皮膚の準備又はジェルは必要ではなく、ヘッドセットは視聴者から簡単に取り外され、すぐに他の視聴者によって利用されることができるため、短時間且つ低コストで多くの参加者の測定を行うことができる。使用中にヘッドセットが劣化することはなく、ヘッドセットは数千回再利用することが可能である。
【0018】
幾つかの実施の形態において、視聴者の生理学的データを入力として用いる複数の公式によって、視聴者の生理学的反応を導き出すことが可能である。表情認識、「ノブ」、及び他の感情基準もまた、同様の有効性を有する入力として利用可能である。「関与」、「アドレナリン」、「思考」及び「誘意性」を含んでもよいがそれらに限定されない、導き出された各生理学的反応は、複数のセンサからの生理学的データを組み合わせて、多次元の、わかりやすい、視聴者の感情的反応の表現にする。図4(a)は、Xbox360上でCall of Duty3をするプレイヤーについて、本発明の一つの実施の形態によって測定された、例としての「関与」の追跡を示す。追跡は、時間ベースのグラフであり、セッションの最初が左側であり、終わりが右側になる。二つのセクション(イベント・インスタンス)401及び402は丸を付けて示されるが、左側の401は、退屈なチュートリアル・セクション中に起こるゲーム・プレイ中の低い「関与」を示しており、402は、プレイヤーがゲームの最初の戦闘を経験する際に記録された、高い「関与」のセクションを示す。
【0019】
幾つかの実施の形態において、各イベント種別の多数のインスタンスにおける視聴者の生理学的反応(例えば、強烈な、退屈な、面白い、関心を持っている、等)が計算され、分析され、各イベント種別(例えば、ブランドの瞬間、製品紹介、ビデオゲームのカット場面、戦闘、レベルの再開始、等)に対するそのような反応の測定値と相関付けられて、各イベント種別に対する文脈に特化したイベント・プロフィールが作成される。これらのプロフィールは、その後、新しいメディアにおいて発生する各イベント・インスタンスを評価するために利用され得る。場合によっては、何百から何千もの参加視聴者に渡る、メディアの何千から何百万ものボトムアップの各測定値が作成される。この多数の個別のスコアを組み合わせることにより、統計調査の質問をして、1〜10種類の主観的測定値である百個の回答を得るのと比較して、メディア全体の測定精度が非常に高まる。非限定的な例として、1000個の主要イベント・インスタンスを有する映画を視聴している100人の視聴者について、各視聴者について5種類の生理学的反応(例えば、思考、関与、誘意性、没頭、肉体的関与)が計算され、視聴者の生理学的反応に基づいて、各イベント・インスタンスについて6つの数学的順列(例えば、平均値、平均値からの偏差、一次傾向、二次傾向、肯定的反応、否定的反応、等)が計算される。その結果、統計から100〜1000の測定値に対し、映画を評価するために、3,000,000(100×1000×5×6)件のスコアが利用可能となる。その後、これらのスコアが組み合わされて映画の全体評価が作成され、そのような評価は、各イベント(場面)の強さ−プレイヤーがカット場面を好きか、ジョークは面白いか、イベントの全体品質、強い及び弱いイベント種別、強い及び弱い映画イベント−中間のイベントは強い反応をもたらしたが開始のイベントはそうではなかった、といったことを含み得るが、それらに限定されるものではない。
【0020】
幾つかの実施の形態において、イベント・インスタンス又はイベント種別の発生及び持続時間が決定され、記録され得る。非限定的な例として、ビデオゲームのイベント種別は、プレイヤーの画面に「戦闘戦車」が出現する度に発生し、それが画面上に留まる限り持続するものと定義され得る。もう一つの非限定的な例として、映画のイベントは、ジョークが言われる度に発生するものと定義され得る。イベント種別は、当該イベント種別のインスタンスが、各メディアについて一度だけ発生するように定義されてもよい。代替として、イベント種別は、メディア内で当該イベント種別の多くのインスタンスが発生するように定義されてもよい。
【0021】
幾つかの実施の形態において、イベント・インスタンスは、効果的且つ正確な結論を出すことを可能とするように、記録されたメディアそれぞれに対してタグ付けされてもよい。非限定的な例として、図4(b)は、本発明の一つの実施の形態に従って測定された、ビデオゲーム・プレイヤーの「関与」データ2つの例としての追跡を示す。図中のボックス403、404及び405は、タグ付けされた特定の「武器使用」イベント種別に対応する。イベント・インスタンスが出現する各ポイントにおいて、「関与」は急激に上昇する。図4(b)の図は、一つの種別のイベントがタグ付けされることを示すが、本手法は、多くのイベント・インスタンスが異なるイベント種別にタグ付けされるよう拡張可能であり、メディアが断片化されることを可能とする。もう一つの非限定的な例として、図4(c)は、本発明の一つの実施の形態に従ってメディアをイベント・インスタンスに分割する例としての垂直線を示す。主要なイベント種別は、ビデオゲーム又は他のメディアのプレイヤーが出会う、及び/又は相互作用する重要なものそれぞれを定義する。ここで、生理学的データ/反応は、イベント・インスタンスのタグと重なり合い、両方は、連携してオン及びオフになることができる。
【0022】
幾つかの実施の形態において、公式又は規則を用いて、イベント・インスタンス期間の視聴者の生理学的データ又は反応に基づいて、各イベント・インスタンスについてスコアが生成され得る。一つの実施の形態において、公式は、該インスタンスのイベント種別の所望の反応の専門知識に基づき得、該公式は、該イベント・インスタンスに渡って導き出された生理学的反応それぞれにおける変化の加重和の形態をとり得る。非限定的な例として、公式は、時間経過(ベクトル)に渡る各生理学的反応からの複数の入力の加重和によって定義されてもよく、各ベクトルは、上昇し、下降し、ピークに達し、高い方に伸び、低い方に伸び、又ははっきりとして特徴を持ち得る。非限定的な例として、多くの広告の分析に基づいてジョークがどれだけ優れているかを相関付ける、ジョークの落ちに対する生理学的反応のプロフィールが存在し得る。プロフィールには2つの側面があり得る。即ち、第一に、生理学的反応の「思考」ベクトルは上昇し、落ちの直前及び落ちの第一部分の間に、何が起こっているかについて視聴者が思考したことを示さなければならず、第二に、落ちが提供されると、視聴者の「誘意性」又は報酬感情が増加して、視聴者が、ジョークの落ちに関する思考に関与させられた後で、その落ちを好んだことを示さなければならない。従って、ジョークのイベント種別について、特定の時点に思考及び誘意性が上昇する数学的プロフィールが作成される。ジョークの落ちの有効性を算定するために、そのようなプロフィールが、ジョークの各インスタンスに適用され得る。この反応プロフィールに当てはまらないジョークの落ちは、視聴者の間に良い経験を作り出さない。
【0023】
図5は、本発明の一つの形態によって生成された、広告におけるジョークの落ちの例としてのプロフィールを示す。該プロフィールは、対象に関する専門知識によって、又は、数学的公式によって作成され得る。このイベント種別のインスタンスの生理学的反応がこのプロフィールに合致する場合、当該イベント・インスタンスは成功と考えられる。非限定的な例として、ジョークのインスタンスのスコアを計算するために以下の公式が利用され得る。即ち、
スコア=.25×(ジョークの落ち期間における思考の上昇)+.75×(ジョークの落ちの後の誘意性)
である。ここで、結果としての重み付けは、ジョークの落ち期間における思考の上昇の25%、及び、ジョークの落ちの後の誘意性の上昇の75%である。
【0024】
幾つかの実施の形態において、メディアにおけるイベント・インスタンスのスコアは、イベント・インスタンスを改善又は変更する必要があるか、及び/又は、いずれのイベント・インスタンスが改善又は変更されるべきか、及び、いずれのイベント・インスタンスがそのままにされるべきか、を視聴者からの生理学的反応に基づいて指摘するために利用され得る。上記の非限定的な例において、その反応プロフィールに合致せず、視聴者に良い経験を作り出さないジョークの落ちは、改善されるべきである。
【0025】
幾つかの実施の形態において、スコア付け公式に用いられる変数の数は非常に多くてもよく、公式は、また、必要に応じて、非線形のスコア付けを行う更に高次の多項式であっても良い。非限定的な例として、上記に示された公式の更に複雑なバージョンが、ジョーク期間の各ポイントにおいてどれだけの思考及びどれだけの肯定的な誘意性が存在するかに基づいて、スコアを計算する。これは、人々がジョークに強く関心を引かれなかった場合の思考及び誘意性のわずかな増加に対しペナルティを課し、ジョークへの強い関与に対応する、思考及び誘意性の非常に大きな上昇があったジョークの落ちを奨励する。
【0026】
幾つかの実施の形態において、イベント・インスタンスを、所定の数を超えたスコアを有する「良好」又は「成功」として定義する論理ルールのセットが適応され得、それにより、公式は、イベント・インスタンスがいかに関心を引くかを反映するスコアを出力する。スコアを順序付け又は評価に利用する他の実施の形態も可能である。武器イベント種別がタグ付けされる図4(b)に示された非限定的な例に戻って、このイベント種別に対するプロフィールの簡単な説明としては、関与が強く上昇する場合、この種別のイベント・インスタンスは良好である。この例では、全イベント・インスタンスが良好であり、これは、当該イベント種別に対する高いスコアをもたらす。この計算手法は、複数の主要イベント種別の何百ものインスタンスに渡って実行されてもよい。
【0027】
幾つかの実施の形態において、公式は、インスタンスのスコアを計算するために、現在の及び/又は他のメディアにおける類似するイベント種別の以前のインスタンスを利用することができる。他の類似するイベントに渡る視聴者の生理学的反応を入力として、ルールのセットが作成され得る。非限定的な例として、イベント期間に渡る関与の傾きが、他のメディアにおける類似のイベント種別のイベント・インスタンス期間に渡る関与の傾きの平均を超えている場合、イベント種別のインスタンスに(「良好」又は「成功」を表す)1のスコアが与えられ得る。この手法の実際の実現態様には多くの方法があり、以下のプロセスは、そのような実現態様の非限定的な例である。
1.メディアにおける或るイベント種別のインスタンスの大きなセットを、これらのインスタンスの視聴者からの生理学的反応にタグ付けする。
2.該イベント種別の各インスタンスを評価できるような評価機構を選択する。
3.イベント・インスタンスの期間に渡る視聴者からの生理学的反応の様々な異なる数学的測定値を計算する。そのような測定値には、平均、一次微分、二次微分、多項式近似、平均値からの(標準)偏差、平均値からの微分係数の(標準)偏差、並びに、中間におけるピーク形成、開始時のスパイキング(spiking)、及び平坦等のうちの一つ又はそれ以上を考慮する畳み込み又は他の方法によって実現され得る生理学的反応のプロフィール、が含まれ得るが、それらに限定されるものではない。
4.全ての生理学的反応についてステップ3の計算を繰り返す。
5.多数の測定値を、イベント・インスタンスに対する定義された出力(スコア)に変換する。そのような変換は、畳み込み、加重和、傾きの正負、多項式公式、最小二乗法、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、及び他のマシン学習手法のうちの一つ又はそれ以上によって実行することができる。
6.当該イベント種別の全インスタンスについてステップ5の変換を繰り返す。
【0028】
各イベント・インスタンスそれぞれに対する順位、評価又はスコアが、本手法又は任意の他の同様の手法を用いて計算され、イベント種別のインスタンスを客観的に比較することが可能となる。
【0029】
幾つかの実施の形態において、視聴者の全体集団のサブセットを集約して、当該サブセットに関する反応を区別することができるが、これは、視聴者を、人種、性別、年齢、購買習慣、人口統計及び収入のうちの一つ又はそれ以上によりグループ化する。イベント種別の平均評価は、視聴者のそのようなグループ化と関連付けられ、及び/又は比較され得る。
【0030】
幾つかの実施の形態において、或るイベント種別のイベント・インスタンスのスコアが、当該イベント種別を評価するために用いられる公式への入力として、集約されても良い。ここで、公式は、数学的なものであっても、論理的なものであってもよく、専門知識によって、又は、類似するイベント種別の以前の評価によって、設計されてもよい。そのような集約は、以下の一つ又はそれ以上によってなされ得る。
・各イベント種別の平均。この手法は、メディア全体を通して、及び、多数の視聴者に渡り、イベント種別の全イベント・インスタンスのスコアを平均化する。
・性能。単純な平均は、メディアの全体性能の正確な見方を常に与えてくれるとは限らない。非限定的な例として、イベント・インスタンスの75%が非常に高く評価され、残りがあまり良くもない場合、当該イベント種別の全体評価は75〜80%程度になり、良好とみなされるかもしれない。しかしながら、現実には、メディアを視聴する視聴者は、メディアの4分の1を好まず、それにより、非常に低いスコアがもたらされる。性能基準は、イベント種別のインスタンスにおけるスコアの分散を考慮に入れる。インスタンスの以前の分散を参考にすることにより、性能基準は、インスタンスの全体的な分散がいかに良好であるか、及び、視聴者がイベント種別/メディアを好むか否かを決定することができる。性能基準の一つの非限定的な実現態様は、イベント種別に合致するヒストグラムによって実現され得る。
・「成功」率。公式は、各イベント種別に対する「成功」率のパーセンテージ、又は他のスコアを出力する。より具体的に、イベント種別の「成功」率は、イベント種別の定義によって特徴付けられる特定の側面におけるイベント種別/メディアの性能の集約された見方によって定義することができ、所定の値を超える「成功」率が、成功するイベント種別として定義される。
【0031】
幾つかの実施の形態において、上記の評価プロセスが、同一メディア内の異なるイベント種別について繰り返されてもよい。更に、評価公式への入力として用いられる様々なイベント種別の評価によって、メディア自身が評価されてもよい。この評価公式又は規則は、また、上記の通り、専門知識、又は当該メディアに対する以前の生理学的反応に基づいてもよい。非限定的な例として、メディアは、そのイベント種別の大部分が「成功」と評価される場合に、「成功」と評価され得る。代替として、メディアは、そのイベント種別が他の比較可能なメディアよりも多く「成功」と評価される場合に、「成功」と評価されてもよい。他の規則、線形またはその他の評価スケールも利用可能である。図6は、本発明の一つの実施の形態に従って計算された、二つの映画における三つの例としてのイベント種別に対する、全体的なイベント評価を示す。第一の映画はアクション映画であり、「アクションの詰まった」及び「サスペンスに満ちた」イベント種別に対する反応が非常に強く、ジョークのような「こっけいな」イベント種別は強い反応を作り出さない。第二の映画はコメディであり、アクション映画とは反対の反応を作り出す。両方の映画は、イベント種別がそのジャンルにおける成功する映画に対する正しいプロフィールを有するため、高い評価を与えられる。
【0032】
コンピュータ分野の当業者に明らかになるように、一つの実施の形態は、本明細書の教示に従ってプログラムされた、従来の汎用の又は専用のデジタル・コンピュータ又はマイクロプロセッサを利用して実現され得る。また、ソフトウェア分野の当業者に明らかになるように、本明細書の教示に基づき、経験あるプログラマにより、適切なソフトウェア・コーディングが容易に準備される。本発明は、また、当業者にとって容易に明らかになるように、集積回路を準備すること、又は、従来の部品回路の適切なネットワークを相互接続することによって実現されてもよい。
【0033】
一つの実施の形態は、一つ又はそれ以上のコンピュータ装置に本明細書に開示された特徴のうち任意のものを実行させるようプログラムするために利用できる、格納された命令を含む、マシン読み取り可能媒体であるコンピュータ・プログラム製品を含む。マシン読み取り可能媒体は、フロッピー・ディスク(登録商標)、光ディスク、DVD、CD−ROM、マイクロ・ドライブ、及び光磁気ディスクを含む一つ又はそれ以上の種類のディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュ・メモリ装置、磁気又は光学カード、ナノシステム(有機メモリICを含む)、又は、命令及び/又はデータの格納に適した任意の種別の媒体又は装置を含み得るが、それらに限定されるものではない。任意のコンピュータ読み取り可能媒体に格納される本発明は、本発明の結果を利用して、汎用/専用コンピュータ又はマイクロプロセッサのハードウェアを制御し、コンピュータ又はマイクロプロセッサが人間の視聴者又は他のメカニズムと相互作用することを可能とするソフトウェアを含む。そのようなソフトウェアは、デバイス・ドライバ、オペレーティング・システム、実行環境/容器、及びアプリケーションを含み得るが、それらに限定されるものではない。
【0034】
上記の本発明の好ましい実施の形態の説明は、例示及び説明のために提供されたものである。これには排他的な意図はなく、本発明を開示された形態だけに限定するものではない。多くの修正及び変更が、当業者に明らかになる。特に、上記のシステム及び方法の実施の形態では、「モジュール」という概念が使われるが、この概念は、クラス、メソッド、タイプ、インターフェース、ビーン、コンポネント、オブジェクト・モデル、及び他の適切な概念のような同等の概念と交換可能に用いられ得ることが明らかである。実施の形態は、本発明の原理及び実際の応用を最もよく説明するために選択され、記載されたものであり、それにより、他の当業者が本発明、様々な実施の形態、及び、企図される特定の用途に適した様々な修正を理解することを可能とする。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって決定されることが意図される。
【符号の説明】
【0035】
101 メディア、102 視聴者、103 決定モジュール、104 センサ、105 受信モジュール、106 評価モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア及びイベントの評価を支持するシステムであって、
メディアを視聴している複数の視聴者それぞれからの生理学的データを測定するよう動作可能な一つ又はそれ以上のセンサと、
前記複数の視聴者から測定された前記生理学的データに基づいて、前記メディアを、それぞれが該メディア内に複数のイベント・インスタンスを有する一つ又はそれ以上のイベント種別に決定するよう動作可能な決定モジュールと、
評価モジュールであって、
前記複数の視聴者から測定された前記生理学的データから複数の生理学的反応を導き出し、
前記複数の生理学的反応に基づいて、前記メディアにおける前記一つ又はそれ以上のイベント種別のうちの特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスそれぞれに対するスコアを計算し、
前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスのスコアを集約することにより、前記特定の一つのイベント種別を評価する、
ように動作可能な評価モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項2】
メディア及びイベントの評価を支持するシステムであって、
それぞれがメディア内に複数のイベント・インスタンスを有する一つ又はそれ以上のイベント種別の発生及び持続時間を決定及び記録するよう動作可能な決定モジュールと、
前記メディアを視聴している複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信するよう動作可能な受信モジュールと、
評価モジュールであって、
前記生理学的データから複数の生理学的反応を導き出し、
前記複数の生理学的反応に基づいて、前記メディアにおける前記一つ又はそれ以上のイベント種別のうちの特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスそれぞれに対するスコアを計算し、
前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスのスコアを集約することにより、前記特定の一つのイベント種別を評価する、
ように動作可能な評価モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムであって、
前記受信モジュールが、更に、前記メディアを視聴している前記複数の視聴者それぞれから測定された前記生理学的データを記録するよう動作可能であるシステム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムであって、
前記メディアが、映画、ビデオ、テレビ番組、テレビ・コマーシャル、広告、ビデオゲーム、インタラクティブなオンライン・メディア、印刷物、及び視聴者が情報を得たり、感情的に影響を受けたりし得る任意の他のメディアのうちの一つであるシステム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムであって、
前記メディアにおける前記一つ又はそれ以上のイベント種別それぞれの持続時間が、時間的に不変、非線形又は準線形であるシステム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムであって、前記一つ又はそれ以上のセンサのそれぞれが、脳電図、加速度計、血液酸素センサ、検流計、筋電図、及び任意の他の生理学的センサのうちの一つであるシステム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムであって、
前記一つ又はそれ以上のセンサが統合センサ・ヘッドセットを含み、該統合センサ・ヘッドセットが、
一つ又はそれ以上の軸加速度計、
一つ又はそれ以上のEEG電極、
一つ又はそれ以上の心拍数センサ、
及び、処理ユニット、
のうちの一つ又はそれ以上を備えるシステム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムであって、前記生理学的データが、心拍数、脳波、EEG信号、瞬き率、呼吸、動作、筋肉の動き、電気皮膚反応、及び感情変化と相関付けられる任意の他の反応のうちの一つ又はそれ以上であるシステム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムであって、前記生理学的反応が、思考、嗜好、関与、没頭、肉体的関与、誘意性、及び生気のうちの一つ又はそれ以上であるシステム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムであって、前記評価モジュールが、更に、
平均、微分係数、多項式近似、平均値からの偏差、及び平均値からの微分係数の偏差のうちの一つ又はそれ以上である、前記複数の生理学的反応の数学的測定値を計算し、
前記数学的測定値を、畳み込み、加重和、傾きの正負、多項式公式、最小二乗法、サポートベクターマシン、及びニューラルネットワークのうちの一つ又はそれ以上によって、前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスそれぞれに対するスコアに変換する、
ように動作可能であるシステム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムであって、
前記評価モジュールが、更に、公式、規則、このメディア又は同一ジャンルの他のメディアにおける前記特定の一つのイベント種別の以前のインスタンス、又は前記特定の一つのイベント種別に対する前記複数の生理学的反応の一つ又はそれ以上のプロフィールのうちの一つ又はそれ以上を用いて、前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスそれぞれに対するスコアを計算するよう動作可能であるシステム。
【請求項12】
請求項11記載のシステムであって、
前記評価モジュールが、更に、イベント・インスタンスに対する前記生理学的反応が前記プロフィールに合致する場合に、前記特定の一つのイベント種別の前記イベント・インスタンスに対する良いスコアを計算するように動作可能であるシステム。
【請求項13】
請求項11記載のシステムであって、
前記評価モジュールが、更に、前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスのうちの改善又は変更が必要である一つ又はそれ以上を、それらのスコアに基づいて指摘するように動作可能であるシステム。
【請求項14】
請求項11記載のシステムであって、
前記評価モジュールが、更に、専門知識、類似するイベント種別に対する生理学的反応、及び他のメディアからのデータ、の一つ又はそれ以上に基づいて前記プロフィールを決定するよう動作可能であるシステム。
【請求項15】
請求項1記載のシステムであって、
前記評価モジュールが、更に、平均、性能、数学的公式及び論理的公式のうちの一つ又はそれ以上により、前記特定の一つのイベント種別を評価するように動作可能であるシステム。
【請求項16】
請求項1記載のシステムであって、
前記評価モジュールが、更に、前記メディアにおける前記一つ又はそれ以上のイベント種別の評価を集約することにより、前記メディアを評価するよう動作可能であるシステム。
【請求項17】
請求項1記載のシステムであって、
前記評価モジュールが、更に、前記メディア、前記特定の一つのイベント種別、及び前記特定の一つのイベント種別の複数のイベント・インスタンス、のうちの一つ又はそれ以上の前記スコア/評価を表示するよう動作可能であるシステム。
【請求項18】
請求項1記載のシステムであって、
前記評価モジュールが、更に、
人種、性別、年齢、人口統計、収入、習慣及び興味のうちの一つ又はそれ以上によって前記複数の視聴者をグループ化し、
前記複数の視聴者のそのようなグループ化に従って、前記メディア、前記特定の一つのイベント種別、及び前記特定の一つのイベント種別の複数のイベント・インスタンス、のうちの一つ又はそれ以上の前記スコア/評価を関連付け、及び/又は比較する
ように動作可能であるシステム。
【請求項19】
メディア及びイベントの評価を支持する方法であって、
メディアを視聴する複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定するステップと、
前記複数の視聴者から測定された前記生理学的データに基づいて、前記メディアを、それぞれが前記メディア内に複数のイベント・インスタンスを有する一つ又はそれ以上のイベント種別に決定するステップと、
前記生理学的データから複数の生理学的反応を導き出すステップと、
前記複数の生理学的反応に基づいて、前記メディア内の前記一つ又はそれ以上のイベント種別のうち特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスそれぞれに対するスコアを計算するステップと、
前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスのスコアを集約することにより、前記特定の一つのイベント種別を評価するステップと、
を備える方法。
【請求項20】
メディア及びイベントの評価を支持する方法であって、
それぞれがメディア内に複数のイベント・インスタンスを有する一つ又はそれ以上のイベント種別の発生及び持続時間を決定及び記録するステップと、
前記メディアを視聴している複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定するステップと、
前記生理学的データから複数の生理学的反応を導き出すステップと、
前記複数の生理学的反応に基づいて、前記メディア内の前記一つ又はそれ以上のイベント種別のうち特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスそれぞれに対するスコアを計算するステップと、
前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスのスコアを集約することにより、前記特定の一つのイベント種別を評価するステップと、
を備える方法。
【請求項21】
請求項19記載の方法であって、更に、
前記生理学的データの数学的測定値である、平均、微分係数、多項式近似、平均値からの偏差、及び平均値からの微分係数の偏差、うちの一つ又はそれ以上を計算するステップと、
畳み込み、加重和、傾きの正負、多項式公式、最小二乗法、サポートベクターマシン、及びニューラルネットワークのうちの一つ又はそれ以上によって、前記数学的測定値を、前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスそれぞれに対するスコアに変換するステップと、
を備える方法。
【請求項22】
請求項19記載の方法であって、更に、
公式、規則、このメディア又は同一ジャンルの他のメディアにおける前記特定の一つのイベント種別の以前のインスタンス、又は、前記特定の一つのイベント種別に対する前記複数の生理学的反応のうちの一つ又はそれ以上のプロフィール、のうちの一つ又はそれ以上を用いて、前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスそれぞれに対する前記スコアを計算するステップを備える方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法であって、更に、
イベント・インスタンスに対する前記生理学的反応が前記プロフィールに合致する場合に、前記特定の一つのイベント種別の前記イベント・インスタンスに対する良いスコアを計算するステップを備える方法。
【請求項24】
請求項22記載の方法であって、更に、
前記複数のイベント・インスタンスのうちで改善又は変更が必要である一つ又はそれ以上を、それらのスコアに基づいて指摘するステップを備える方法。
【請求項25】
請求項22記載の方法であって、更に、
専門知識、類似するイベント種別に対する生理学的反応、及び他のメディアからのデータ、のうちの一つ又はそれ以上に基づいて、前記プロフィールを決定するステップを備える方法。
【請求項26】
請求項19記載の方法であって、更に、
平均、性能、数学的公式、及び論理的公式のうちの一つ又はそれ以上によって、前記特定の一つのイベント種別を評価するステップを備える方法。
【請求項27】
請求項19記載の方法であって、更に、
前記メディア内の一つ又はそれ以上のイベント種別の評価を集約することにより、前記メディアを評価するステップを備える方法。
【請求項28】
請求項19記載の方法であって、更に、
前記メディアを視聴している前記複数の視聴者それぞれから測定された前記生理学的データを記録するステップを備える方法。
【請求項29】
請求項19記載の方法であって、更に、
前記メディア、前記特定の一つのイベント種別、及び前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンス、の一つ又はそれ以上の前記スコア/評価を表示するステップを備える方法。
【請求項30】
請求項19記載の方法であって、更に、
人種、性別、年齢、人口統計、収入、習慣及び興味のうちの一つ又はそれ以上によって前記複数の視聴者をグループ化するステップと、
前記複数の視聴者のそのようなグループ化に従って、前記メディア、前記特定の一つのイベント種別、及び前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンス、のうちの一つ又はそれ以上の前記スコア/評価を関連付け、及び/又は比較するステップと、
を備える方法。
【請求項31】
マシン読み取り可能媒体であって、実行された際に、システムを
メディアを視聴する複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定し、
前記複数の視聴者から測定された前記生理学的データに基づいて、前記メディアを、それぞれが前記メディア内に複数のイベント・インスタンスを有する一つ又はそれ以上のイベント種別に決定し、
前記生理学的データから複数の生理学的反応を導き出し、
前記複数の生理学的反応に基づいて、前記メディア内の前記一つ又はそれ以上のイベント種別のうちの特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスそれぞれに対するスコアを計算し、
前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスのスコアを集約することにより、前記特定の一つのイベント種別を評価する、
ように動作させる、格納された命令を有するマシン読み取り可能媒体。
【請求項32】
メディア及びイベントの評価を支持するシステムであって、
それぞれがメディア内に複数のイベント・インスタンスを有する一つ又はそれ以上のイベント種別の発生及び持続時間を決定及び記録する手段と、
前記メディアを視聴している複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定する手段と、
前記生理学的データから複数の生理学的反応を導き出す手段と、
前記複数の生理学的反応に基づいて、前記メディアにおける前記一つ又はそれ以上のイベント種別のうちの特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスそれぞれに対するスコアを計算する手段と、
前記特定の一つのイベント種別の前記複数のイベント・インスタンスのスコアを集約することにより、前記特定の一つのイベント種別を評価する手段と、
を備えるシステム。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2010−520552(P2010−520552A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552656(P2009−552656)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/014955
【国際公開番号】WO2008/108799
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(508059085)エムセンス コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】