説明

生細胞検出方法

【課題】異なる2つの蛍光発光色素を同一の励起光と同一の蛍光分光フィルタおよび色素の除去手段を用いて生細胞数を計数することを目的とする。
【解決手段】死細胞を死細胞用蛍光発光色素で染色し、その染色した死細胞5を撮像し、死細胞5を撮像した後に、メンブレンフィルタ1上に存在する細胞に対して色素の除去手段7を施すことによって、死細胞用蛍光発光色素の蛍光強度を著しく低下させることにより、生死細胞8を撮像する前に死細胞用蛍光発光色素の蛍光の影響を受け、どちらでも同じ微生物細胞8を検出することになり、生細胞数を算出できなくなるという現象を抑制することができ、生死細胞8を生死細胞用蛍光発光色素で染色し、その染色した細胞を撮像し、形状判断で輝点化された形状の面積を認識してその発光が細胞か否かを判断し、細胞と判断した輝点をカウントすることで生死細胞数から死細胞数を差し引いた値で生細胞数と計量する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生細胞数を計数する方法において、死細胞のみを色素で染色し、計数した後、前記色素の除去手段を用いて死細胞の色度を低下させ、再び色素で総細胞を染色させ計数した後、総細胞数から死細胞数を差し引くことで生細胞数を検出することを特徴とする生細胞検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の評価方法で用いられる装置は蛍光顕微鏡が主に使われており、蛍光発光色素で被検材料である細胞を染色し、光源として、例えばキセノンランプを用いて被検材料を励起して、蛍光発光色素で標識した細胞数の測定を行なっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−159609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来の蛍光顕微鏡による生細胞数の測定では、異なる2つ以上の蛍光分光フィルタおよび励起光を有するため、装置も必然的に大きくなる。また、蛍光顕微鏡の測定媒体としてプレパラートを使用しているが、細胞を固定化できないため、死細胞を計数してから総細胞を計数し、生細胞数を検出する場合、同一の位置を測定することが困難であるから、測定の精度を上げることができなかった。
【0004】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、同じ励起波長で反応する、異なる2つ以上の色素を選定し除去手段を利用することで、同一の励起光と同一の蛍光分光フィルタで生細胞を検出することができるため、安価で簡素な装置による測定が可能となる。また、メンブレンフィルタを使用していることから、測定対象である微生物細胞を固定化し、同一の位置を測定することが可能であるため、精度の高い生細胞検出方法を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の生細胞検出方法は上記目的を達成するために、死細胞のみを色素で染色し、計数した後、前記色素の除去手段を用いて死細胞の色度を低下させ、再び色素で総細胞を染色させ計数した後、総細胞数から死細胞数を差し引くことで生細胞数を検出することにより、精度の高い生細胞検出方法が得られる。
【0006】
また、本発明は前記色素を蛍光色素とするものであり、容易に微生物細胞を標識できる生細胞検出方法が得られる。
【0007】
また、本発明は前記蛍光色素を、同一の励起光で励起するものであり、安価で小型な装置で計測可能な生細胞検出方法が得られる。
【0008】
また、本発明は前記色素を発色色素とするものであり、容易に微生物細胞を標識できる生細胞検出方法が得られる。
【0009】
また、本発明は前記発色色素を、同一の励起光で励起するものであり、安価で小型な装置で計測可能な生細胞検出方法が得られる。
【0010】
また、本発明は色素の除去手段として、熱で色素を分解させるものであり、効率的な色素分解を促すことができ、死細胞と生死細胞の容易な区別ができる生細胞検出方法が得られる。
【0011】
また、本発明は色素除去手段として、死細胞に接触している色素に紫外光を照射し分解させるものであり、迅速な色素分解を促すことができ、死細胞と生死細胞の容易な区別ができる生細胞検出方法が得られる。
【0012】
また、本発明は色素除去手段として、洗浄を利用するものであり、微生物細胞に接触している色素の除去程度を調整できる生細胞検出方法が得られる。
【0013】
また、本発明は色素の除去手段として、洗浄剤にラジカルを含む溶剤を利用するものであり、除去する色素の種類を選ばない生細胞検出方法が得られる。
【0014】
また、本発明は色素の除去手段として、有機溶剤を利用するものであり、死細胞を計数してから、有機溶剤で総細胞を処理することで死細胞とし、同一の励起光および同一の色素で計数できることで、安価で簡素な装置による生細胞検出方法が得られる。
【0015】
また、本発明はメンブレンフィルタを用いて、微生物細胞を固定化するものであり、色素の除去手段をする工程で、メンブレン上での微生物細胞の移動を防ぐことで、検出精度を安定させることができる。
【0016】
また、本発明はメンブレンフィルタを用いて、微生物細胞を捕集するものであり、これにより、検体成分を除去しやすくなり、それに起因する計測誤差の発生を軽減することができ、検出精度を安定させることができる。
【0017】
また、本発明はメンブレンフィルタを用いて、微生物細胞を捕集し、同一の位置を2回以上測定するものであり、死細胞を計数し、色素の除去手段を経て、生死細胞を計数する手段をとる場合、同一の位置を計数する必要があり、検出精度を安定させることができる。
【0018】
また、本発明は色素を含む染色液に、乾燥防止成分を混合するものであり、乾燥による色素の劣化にともなう蛍光強度低下を防止し、検出精度を安定させるというものである。
【0019】
また、本発明は色素を含む染色液に、乾燥防止成分としてグリセロールを混合するものであり、励起光、蛍光の吸収による計測阻害を引き起こすことなく、かつ比較的安価で乾燥防止手段を与えることができ、励起光によるメンブレンフィルタの細胞以外の背景の蛍光および反射を抑え、乾燥による色素の劣化にともなう蛍光強度低下を防止し、検出精度を安定させるというものである。
【0020】
また、本発明は色素を含む染色液に、乾燥防止成分としてグリセロール濃度を0から60%とするものであり、この範囲の濃度で使用することにより、粘性の影響による色素の反応性への影響を抑え、色素の染色性能を維持し、染色操作のハンドリングを容易に行なうことができ、検出精度を安定させるというものである。
【0021】
また、本発明は色素を含む染色液に、細胞膜透過性増加成分を混合するものであり、これにより、主にエステラーゼ活性指示薬の細胞膜透過性を向上させ、検出精度を向上させることができる。
【0022】
また、本発明は色素を含む染色液に、細胞膜透過増加成分としてキレート剤を混合するものであり、これにより、主にエステラーゼ活性指示薬の細胞膜透過性を向上しつつ、安定化させ、検出精度を向上させることができる。
【0023】
また、本発明は色素にて標識された微生物細胞を、2次元状に展開させ、レンズ、光学フィルタ、電荷結合素子を用いて顕微蛍光画像を取得し、得られた画像中の発光点を微生物細胞数として計数するものであり、これにより、平面に展開させて拡大し、直接微生物細胞数と生死を判別することができる機構とすることで、安定して高精度な計測を実現することができる生細胞検出方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の生細胞検出方法によれば、色素の除去手段を用いることで同一の励起光および同一の蛍光分光フィルタによる計測が可能になり、安価で簡素な装置構造で生細胞数が検出できる生細胞検出方法が提供できる。また、メンブレンフィルタを用いることにより、微生物細胞を捕集および固定化することが可能となり、同一の位置を計測することで、安定した検出精度で計測できる生細胞検出方法が提供できる。また、同一の励起光および同一の蛍光分光フィルタにより、装置構造を簡素化し、作業スペースを少なくすることで、安全に作業ができる環境を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の請求項1記載の発明は、死細胞のみを色素で染色し、計数した後、前記色素の除去手段を用いて死細胞の色度を低下させ、再び色素で総ての細胞を染色させ計数した後、その再び色素で染色した総ての細胞の総細胞数から死細胞数を差し引くことで生細胞数を検出することにより、装置構成も簡素にすることが可能となり、また、精度の高い生細胞検出方法が得られるという作用を有する。
【0026】
本発明の請求項2記載の発明は、前記色素を蛍光色素とするものであり、容易に微生物細胞を標識できる作用を有する。
【0027】
本発明の請求項3記載の発明は、前記蛍光色素を同一の励起光で励起するものであり、安価で小型な装置で計測できるという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項4記載の発明は、前記色素を発色色素とするものであり、容易に微生物細胞を標識できる作用を有する。
【0029】
本発明の請求項5記載の発明は、前記発色色素を同一の励起光で励起するものであり、安価で小型な装置で計測できるという作用を有する。
【0030】
本発明の請求項6記載の発明は、色素の除去手段として、熱で分解させるものであり、効率的な色素分解を促すことができ、死細胞と生死細胞の容易な区別ができる作用を有する。
【0031】
本発明の請求項7記載の発明は、色素の除去手段として、死細胞に接触している色素に紫外光を照射し分解させるものであり、迅速な色素分解を促すことができ、死細胞と生死細胞の容易な区別ができる作用を有する。
【0032】
本発明の請求項8記載の発明は、色素の除去手段として、洗浄を利用するものであり、微生物細胞に接触している色素の除去程度を調整できる作用を有する。
【0033】
本発明の請求項8記載の発明は、色素の除去手段として、洗浄剤にラジカルを含む溶剤を利用するものであり、除去する色素の種類を選ばない作用を有する。
【0034】
本発明の請求項9記載の発明は、色素の除去手段として、有機溶剤を利用するものであり、死細胞を計数してから、有機溶剤で総細胞を処理することで死細胞とし、同一の励起光および同一の色素で計数できることで、安価で簡素な装置で計測できる作用を有する。
【0035】
また、本発明はメンブレンフィルタを用いて、微生物細胞を固定化するものであり、色素の除去手段をする工程で、メンブレン上での微生物細胞の移動を防ぐことで、検出精度を安定させることができる。
【0036】
本発明の請求項11記載の発明は、メンブレンフィルタを用いることで、微生物細胞を捕集することが可能となり、これにより、検体成分を除去しやすくなり、それに起因する計測誤差の発生を軽減することができ、検出精度を安定させる作用を有する。
【0037】
また、本発明はメンブレンフィルタを用いることで、微生物細胞を捕集し、同一の位置を2回以上測定することが可能であり、死細胞を計数し、色素の除去手段を経て、生死細胞を計数する手段をとる場合、同一の位置を計数する必要があり、検出精度を安定させることができる。
【0038】
本発明の請求項13記載の発明は、色素を含む染色液に、乾燥防止成分を混合するものであり、乾燥による色素の劣化にともなう蛍光強度低下を防止し、検出精度を安定させる作用を有する。
【0039】
本発明の請求項14記載の発明は、色素を含む染色液に、乾燥防止成分としてグリセロールを混合するものであり、励起光、蛍光の吸収による計測阻害を引き起こすことなく、かつ比較的安価で乾燥防止手段を与えることができ、励起光によるメンブレンフィルタの細胞以外の背景の蛍光および反射を抑え、乾燥による色素の劣化にともなう蛍光強度低下を防止し、検出精度を安定させる作用を有する。
【0040】
本発明の請求項15記載の発明は、色素を含む染色液に、乾燥防止成分としてグリセロール濃度を0から60%とするものであり、この範囲の濃度で使用することにより、粘性の影響による色素の反応性への影響を抑え、色素の染色性能を維持し、染色操作のハンドリングを容易に行なうことができ、検出精度を安定させる作用を有する。
【0041】
本発明の請求項16記載の発明は、色素を含む染色液に、細胞膜透過性増加成分を混合するものであり、これにより、主にエステラーゼ活性指示薬の細胞膜透過性を向上させ、検出精度を向上させる作用を有する。
【0042】
本発明の請求項17記載の発明は、色素を含む染色液に、細胞膜透過増加成分としてキレート剤を混合するものであり、これにより、主にエステラーゼ活性指示薬の細胞膜透過性を向上しつつ、安定化させ、検出精度を向上させる作用を有する。
【0043】
本発明の請求項18記載の発明は、色素にて標識された微生物細胞を、2次元状に展開させ、レンズ、光学フィルタ、電荷結合素子を用いて顕微蛍光画像を取得し、得られた画像中の発光点を微生物細胞数として計数するものであり、これにより、平面に展開させて拡大し、直接微生物細胞数と生死を判別することができる機構とすることで、安定して高精度な計測を実現させる作用を有する。
【0044】
(実施の形態1)
死細胞を死細胞用蛍光発光色素(例えばPropidium Iodide、SYTOXGreen、BOBO−1、YOYO−1、YO−PRO−1、TOTO−1、POPO−3、TO−PRO3、SYTOXBlue、SYTOXOrange)で染色しその染色した細胞を図1に示したメンブレンフィルタ1に被検材料をろ過し、励起光2(例えば350nm〜400nm、430nm〜485nm、472nm〜545nm、550nm〜570nm、630nm〜670nmのLEDであり、細胞を蛍光発光させる蛍光発光色素に適しているもの)を照射し蛍光発光させ、目的の波長以外の波長を遮断する蛍光分光フィルタ3(例えば430nm〜580nm、520nm〜565nm、590nm〜646nm、590nm〜646nm、690nm以上のものであり、細胞が蛍光発光する波長に適しているもの)を有する生細胞検出装置4で死細胞5を電荷結合素子6で撮像する。死細胞5を撮像した後にメンブレンフィルタ1上に存在する細胞に対して色素の除去手段7(例えば熱の放射、紫外光の照射、洗浄)を施すことによって、死細胞用蛍光発光色素の蛍光強度を著しく低下させることにより、生死細胞8を撮像する前に死細胞用蛍光発光色素の蛍光の影響を受け、どちらでも同じ微生物細胞を検出することになり、生細胞数を算出できなくなるという現象を抑制することができる。そして同じように生死細胞8を生死細胞用蛍光発光色素(例えばYTO11〜SYTO16、SYTO20〜SYTO25、SYTO40〜SYTO45、SYTO17、SYTO59〜SYTO64、SYTO80〜SYTO85、DAPI、SYBRGreen、Hoechst33342、Hoechst33258、SYTO9)で染色しその染色した細胞をメンブレンフィルタ1に被検材料をろ過し、励起光2(例えば350nm〜400nm、430nm〜485nm、472nm〜545nm、550nm〜570nm、630nm〜670nmのLEDであり、細胞を蛍光発光させる蛍光発光色素に適しているもの)を照射し蛍光発光させ、目的の波長以外の波長を遮断する蛍光分光フィルタ3(例えば430nm〜580nm、520nm〜565nm、590nm〜646nm、590nm〜646nm、690nm以上のものであり、細胞が蛍光発光する波長に適しているもの)を有する生細胞検出測装置4で生死細胞8を電荷結合素子6で撮像する。図2に示すように、計量手段9により形状判断10で輝点化された形状の面積を認識してその蛍光発光が細胞か否かを判断し、細胞と判断した輝点をカウント11することで生死細胞数から死細胞数を差し引いた値で生細胞数を計量12する。
【0045】
なお、実施の形態1では、単品の色素による染色を行なったが、前記蛍光色素は、同一の蛍光波長を持つ色素を混合して使用しても良い。
【0046】
なお、2種類以上の異なる前記蛍光色素は、微生物細胞試料に対して、あらかじめ1から100μMとなるようを混合しておき、同時に作用させるか、もしくは別々に、時間を置かず、もしくは適当な時間間隔を開けて作用させる。
【0047】
また、メンブレンフィルタ上に捕捉した微生物細胞を含む物質表面が、測定中に乾燥し輝度が変化することを防ぐための手段として前記蛍光色素には10から60%w/vのグリセロールを混合させておく。
【0048】
なお、微生物細胞試料に対して前記蛍光色素を作用させる前、もしくは同時にエステラーゼ活性蛍光指示薬の取り込み促進剤であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を適当な濃度で混合させておく。
【0049】
なお、実施の形態1の色素の除去手段として、熱を放射するとしたが、具体的には恒温槽の中で25℃から36℃の環境で放置しても良い。
【0050】
なお、実施の形態1の色素の除去手段として、洗浄による色素の除去では、ラジカルおよび蒸留水による洗浄を実施し、色素の種類によって、洗浄量を調整する。
【0051】
なお、実施の形態1の色素の除去手段として、有機溶剤による色素の除去では、エタノール、メタノール、イソプロパノールを、10から30%の濃度で使用することが望ましい。
【0052】
なお、メンブレンフィルタとしては、例えば、孔径が0.1μm〜1μmの公知のものを用いることができる。前記蛍光色素を接触させた後、微生物細胞が検出しうる十分な蛍光強度をもたせるため、一定の染色時間をとる。つづいて、蛍光標識された生細胞が2次元状に展開されているメンブレンフィルタに対し励起光を照射することで生じる光点を検出する。そして、前記蛍光色素の除去手段を施した後、メンブレンフィルタを用いることで固定化された総細胞を、死細胞と同一の位置で検出することができる。
【0053】
この操作は、例えば、カルボキシフルオレセイン系化合物は、波長が495nm付近の励起光を照射した場合、波長が524nm付近の蛍光を発し、また2−NBDGは波長が466nm付近の励起光を照射した場合、波長が540nm付近の蛍光を発し、またモノメチン架橋非対称シアニン色素は波長が488nm付近の蛍光を照射した場合、波長が520nm付近の蛍光を発する。そのため励起光源としての発光ダイオードは、青色のもので、好ましくは480nm付近の波長を発することができるものを使用する。また蛍光分光フィルタとしては、緑色のもので、好ましくは510nmから540nmまでの範囲に透過性能をもつものを使用する。当該蛍光は拡大レンズ系を通し、光電変換素子であるCCDカメラを用いて露光時間1秒から10秒程度の露光時間で画像撮影することにより取得される。
【0054】
これらの操作により取得された蛍光画像は、生細胞の蛍光由来による発光点を含むものであるが、これらの発光点は画像解析手段によって適切な閾値により抽出され、個数を計数することができる。画像解析手段は、染色により蛍光発光した発光強度が設定した閾値内であれば微生物細胞の生細胞と判断し、生細胞の個数を計数するものであり、マイコン等がある。これにより、もとの微生物細胞試料に含まれていた微生物細胞の生細胞数を計数することができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0055】
異なる2つの蛍光発光色素を同一の励起光と同一の蛍光分光フィルタおよび色素の除去手段を用いて生細胞数を計数できることにより、食品分野、製薬分野、研究所分野における蛍光染色法を用いた微生物細胞数の計量実験および出荷検査の用途で適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態1の生細胞検出装置構成図
【図2】本発明の実施の形態1の形状判断から計量までの模式図
【符号の説明】
【0057】
1 メンブレンフィルタ
2 励起光
3 蛍光分光フィルタ
4 生細胞検出装置
5 死細胞
6 電荷結合素子
7 色素の除去手段
8 生死細胞
9 計量手段
10 形状判断
11 カウント
12 計量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物生細胞数を計数する方法において、死細胞のみを色素で染色し、計数した後、前記色素の除去手段を用いて死細胞の色度を低下させた後、再び色素で総ての細胞を染色させ計数し、その再び染色した総ての細胞の総細胞数から死細胞数を差し引くことで生細胞数を検出することを特徴とする生細胞検出方法。
【請求項2】
前記色素を蛍光色素とすることを特徴とする請求項1記載の生細胞検出方法。
【請求項3】
前記蛍光色素を同一の励起光で励起することを特徴とする請求項1または2記載の生細胞検出方法。
【請求項4】
前記色素を発色色素とすることを特徴とする請求項1記載の生細胞検出方法。
【請求項5】
前記発色色素を同一の励起光で励起することを特徴とする請求項1または4記載の生細胞検出方法。
【請求項6】
色素の除去手段として、熱で色素を分解させることを特徴とした請求項1、2、3、4または5記載の生細胞検出方法。
【請求項7】
色素の除去手段として、死細胞に接触している色素に紫外光を照射し分解させることを特徴とした請求項1、2、3、4、5または6記載の生細胞検出方法。
【請求項8】
色素の除去手段として、洗浄を利用することを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6または7記載の生細胞検出方法。
【請求項9】
色素の除去手段として、洗浄剤にラジカルを含む溶剤を利用することを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の生細胞検出方法。
【請求項10】
色素の除去手段として、有機溶剤を利用することを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の生細胞検出方法。
【請求項11】
メンブレンフィルタを用いて、微生物細胞を固定化することを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の生細胞検出方法。
【請求項12】
メンブレンフィルタを用いて微生物細胞を捕集し、検出することを特徴とした請求項12、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の生細胞検出方法。
【請求項13】
メンブレンフィルタを用いて微生物細胞を捕集し、同一の位置を2回以上測定することを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の生細胞検出方法。
【請求項14】
色素を含む染色液に、乾燥防止成分を混合することを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載の生細胞検出方法。
【請求項15】
色素を含む染色液に、乾燥防止成分としてグリセロールを混合することを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の生細胞検出方法。
【請求項16】
色素を含む染色液に、乾燥防止成分としてグリセロール濃度を0から60%とすることを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15記載の生細胞検出方法。
【請求項17】
色素を含む染色液に、細胞膜透過性増加成分を混合することを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16記載の生細胞検出方法。
【請求項18】
色素を含む染色液に、細胞膜透過性増加成分としてキレート剤を混合することを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17記載の生細胞検出方法。
【請求項19】
色素にて標識された微生物細胞を、2次元状に展開させ、レンズ、光学フィルタ、電荷結合素子を用いて顕微蛍光画像を取得し、得られた画像中の発光点を微生物細胞数として計数することを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18記載の生細胞検出方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−280296(P2006−280296A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−105881(P2005−105881)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】