説明

生鮮食品保管箱

【課題】 生鮮野菜、穀物、果物等食品は、温度の影響を受け品質低下や劣化を起こすことが多い。又、箱が密閉状況に近いと食品自体から発生するエチレンガス等により更に品質低下を起こす事となる。
【解決手段】 箱の外壁に、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を取り付け、箱の内壁或は壁面内に炭を塗布した生鮮食品保管箱である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新鮮野菜、穀物、果物等食品を保管する場合、品質低下や劣化を少なくする事ができる生鮮食品保管箱を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
輸送物の品質低下を防止する為、ダンボール箱の外周にアルミ蒸着シートを貼ったものはあるが、生鮮食品等からでるエチレンガス等食品劣化を助長する物質等の分解や吸着等の対策が施されていない為、充分な鮮度保持は難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
新鮮野菜、穀物、果物等食品を木、ダンボール、発泡プラスチック、プラスチック等の箱に保管する場合、温度の影響を受け発芽や腐敗を起こし食材として使用できなくなる事が多い。又、冷蔵庫等で保管しても温度の影響は緩和されるものの、食品自体から発生するエチレンガス等食品劣化を助長する物質により品質低下や劣化が進んでしまうという問題があった。
本発明は、この問題を解決しようとする生鮮食品保管箱である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため本発明は、木、ダンボール、発泡プラスチック、プラスチック等の箱の外壁にアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を取り付け、内壁或は壁面内には炭を塗布した生鮮食品保管箱である。短期間の保管や臭気等の除去を目的にする場合は、箱の内壁面或いは壁面内に炭を塗布した生鮮食品保管箱である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
生鮮野菜、穀物、果物等食品を木、ダンボール、発泡プラスチック、プラスチック箱等に入れ長期に保管する場合、食品の品質低下や劣化に最も影響を及ぼすのは温度である。そしてこの温度の上昇に最も影響するのが輻射熱である。輻射熱は箱に当たると熱を発し2次輻射熱として食品に照射されるものと、箱を透して直接照射されるものがある。いずれの輻射熱も食品に照射されると、食品の内部に侵入し品質低下や劣化を起こす要因となる。これは、空気中を伝わる伝導熱の影響より遥かに大きい。本発明は、この輻射熱をカットする為、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を箱の外壁に取り付けたものである。輻射熱に対して高反射率の素材は、外部から来た輻射熱の大半をその侵入面側に反射してしまう為、箱を通過する量は非常に少なくなり内部の温度上昇は非常に少なくなることとなる。又、冬場は冷輻射熱をも反射することとなり、食品の凍結防止効果がある。
もうひとつの食品の品質低下の原因は、食品自体から発生するエチレンガス等食品の劣化を助長させる物質である。特に、密閉容器ではこの影響は大きく食品の品質低下は早まる事となる。本発明は、箱内壁或は壁面内に液状の炭を塗布することにより、エチレンガスや有害物質等食品の品質低下原因である物質を吸着分解するものである。これら箱の内壁面或は壁面内に塗布する炭は、酸化還元を繰り返すものであれば長期にその効果を保つことが出来る。又炭は、マイナスイオンを発するので、生鮮食品の鮮度保持効果は更に大きくなる。
又、短期間の保管や臭気の除去等を目的にする場合は、箱の内壁面或いは壁面内に炭だけを塗布した箱でも効果は大きい。
図1は、発泡プラスチック箱の外側にアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を取り付け、箱内壁には炭を塗布したものである。アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材は、100パーセント湿気や空気を透さないので、箱壁面には食材の呼吸を妨げないための小さな換気孔を設けても良い。
【発明の効果】
【0006】
箱外壁に取り付けたアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材は、大気中を通過する輻射熱の大半をカットしてしまう為、箱内は外気温の影響を殆ど受けず安定した定温倉庫に近い状況となる。これにより、生鮮食品の品質低下や劣化は非常に少なくなるばかりか、発芽等も抑制されることとなる。又、冬場は冷輻射熱をもカットされるため、食品の凍結を防止する事ができる。更に、箱内壁或いは壁面内に塗布された炭の効果で、食品自体から発生するエチレンガス等食品劣化を助長する物質を吸着分解、箱内部の空気はいつもクリーンな状態となる。この結果、食品の長期の鮮度保持が可能となるばかりか、食品が発する種々の臭気も抑制される。
又、炭の出すマイナスイオンも生鮮食品の鮮度を保つ役割を果たします。
これらの箱は、生鮮食品ばかりでなく生花や苗木等の長期保存も可能となります。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明を実施する為の断面図である。
【符号の説明】
【0008】
1 アルミホイル等
2 蓋
3 換気口
4 炭
5 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木、ダンボール、発泡プラスチック、プラスチック等の箱の内壁或は壁面内に炭を塗布した生鮮食品保管箱。
【請求項2】
木、ダンボール、発泡プラスチック、プラスチック等の箱の外壁にアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を取り付け、箱の内壁或は壁面内には炭を塗布した生鮮食品保管箱。

【図1】
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【公開番号】特開2007−222144(P2007−222144A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79715(P2006−79715)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(505418010)
【Fターム(参考)】