産業車両の荷役レバー固定装置
【課題】 荷役レバーの安全性を向上できる産業車両の荷役レバー固定装置を提供する。
【解決手段】 フォークリフト1において、荷役レバー8をニュートラル位置に固定するための荷役レバー固定装置を構築する。荷役レバー8の下端にジョイントバー86を連結し、ジョイントバー86下端を作業装置5の駆動制御用の油圧コントロールバルブ87のスプール88に連結する。ジョイントバー8の側方に、係止突起103を有するプランジャ(係止部)102を備えたソレノイド100を設ける。係止突起103が係脱自在に係止し得る周溝(被係止部)86aをジョイントバー86に形成する。プランジャ102は、荷役レバー8のニュートラル位置において、運転席のシートスイッチのオフ時に、ジョイントバー86の側に突出して係止突起103が周溝86aに係止する。
【解決手段】 フォークリフト1において、荷役レバー8をニュートラル位置に固定するための荷役レバー固定装置を構築する。荷役レバー8の下端にジョイントバー86を連結し、ジョイントバー86下端を作業装置5の駆動制御用の油圧コントロールバルブ87のスプール88に連結する。ジョイントバー8の側方に、係止突起103を有するプランジャ(係止部)102を備えたソレノイド100を設ける。係止突起103が係脱自在に係止し得る周溝(被係止部)86aをジョイントバー86に形成する。プランジャ102は、荷役レバー8のニュートラル位置において、運転席のシートスイッチのオフ時に、ジョイントバー86の側に突出して係止突起103が周溝86aに係止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業車両に関し、とくに、荷役レバーの安全性を向上させるための構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、フォークリフト等の産業車両は、荷揚げ等の作業を行うために、フォーク等の作業装置(荷役装置)を車両の前部に有している。そして、運転席には、操作者が作業装置を操作するための荷役レバーが設けられている(特開2008−59303号公報の段落[0002]参照)。荷役レバーの下端は、油圧コントロールバルブに連結されている(同公報の段落[0021]〜[0022]参照)。
【0003】
操作者が荷役レバーを動かすと、油圧コントロールバルブが駆動され、油圧ポンプからの流量により油圧機器が制御されて、フォーク等の作業装置が駆動されるようになっている。
【0004】
荷役レバーの操作は、通常、操作者が運転席に着座した状態で行なうが、従来の産業車両においては、操作者が運転席から離れる際に、操作者の体が荷役レバーに触れることで荷役レバーが誤って操作されてしまう恐れがあった。また、従来の産業車両においては、産業車両から降りた状態で操作者が荷役レバーを操作することも可能であっため、安全上問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、荷役レバーの安全性を向上できる産業車両の荷役レバー固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、産業車両において荷役装置操作用の荷役レバーをニュートラル位置に固定するための荷役レバー固定装置であって、荷役レバーの下端にジョイントバーが連結されるとともに、ジョイントバーの下端が荷役装置の駆動制御用の油圧コントロールバルブのスプールに連結されており、ジョイントバーの側方には、ジョイントバーに対して接近・離反可能に設けられた係止部が設けられ、ジョイントバーには、係止部の先端が係脱自在に係止し得る被係止部が設けられている。そして、荷役レバーのニュートラル位置において、係止部の先端がジョイントバーの被係止部に係止し得るようになっている。
【0007】
請求項1の発明においては、荷役レバーを操作すると、荷役レバーに連動してジョイントバーが動き、これにより、ジョイントバー下端に連結されたスプールが移動することで、油圧コントロールバルブが駆動制御されて、荷役装置が操作される。
【0008】
次に、荷役レバーをニュートラル位置に配置したとき、係止部の先端がジョイントバーの被係止部に係合する。これにより、荷役レバーをニュートラル位置に固定することができる。その結果、荷役レバーがニュートラル位置から不用意に操作されて荷役装置が駆動されるのを防止でき、このようにして、荷役レバーの安全性を向上できる。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1において、当該産業車両の運転席には、操作者が運転席に着座したときにオンとなりかつ操作者が運転席から離れたときにオフとなるシートスイッチが設けられており、シートスイッチのオフ時には、荷役レバーのニュートラル位置において、係止部の先端がジョイントバーの被係止部に係止するようになっている。
【0010】
この場合には、操作者が運転席に着座しているかいないかがシートスイッチにより検出されるようになっており、操作者が運転席から離れると、シートスイッチがオフとなる。そして、このシートスイッチのオフ時において、荷役レバーがニュートラル位置に配置されたとき、係止部の先端がジョイントバーの被係止部に係止する。これにより、操作者が運転席から離れたときに、荷役レバーをニュートラル位置に固定することができる。その結果、操作者が運転席から離れた状態で荷役レバーを操作できなくなるので、荷役レバーの安全性を向上できる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項2において、係止部が、ソレノイドに設けられた出没自在なプランジャから構成されており、シートスイッチのオフ時には、ソレノイドのコイルへの電流供給が停止することで、プランジャがジョイントバーの側に突出するようになっている。
【0012】
この場合には、操作者が運転席から離れてシートスイッチがオフになると、ソレノイドのコイルへの電流供給が停止されることで、プランジャがジョイントバーの側に突出し、係止部の先端が、荷役レバーのニュートラル位置において、ジョイントバーの被係止部に係止する。これにより、荷役レバーがニュートラル位置に固定される。
【0013】
請求項4の発明では、請求項3において、プランジャがソレノイドの筐体を軸方向に挿通しており、プランジャの後端には、操作者が、プランジャの先端をジョイントバーの被係止部から強制的に離脱させるための操作部が設けられている。
【0014】
この場合には、操作者がプランジャ後端の操作部を操作することで、プランジャ先端をジョイントバーの被係止部から簡単に離脱させることができる。これにより、ソレノイドのコイルの破損や電気回路の断線等の際に、プランジャ先端とジョイントバーとの係止状態を強制的に解除することができるようになる。
【0015】
請求項5の発明では、請求項1または2において、被係止部が、ジョイントバーの外周に形成された溝、穴または切欠きである。
【0016】
請求項6の発明では、請求項1において、荷役レバーが複数本設けられるとともに、各荷役レバーに対応してジョイントバーが複数本設けられており、係止部が、各ジョイントバーの各被係止部にそれぞれ係止する複数の係止部から構成されている。
【0017】
この場合には、各荷役レバーをそれぞれニュートラル位置に配置したとき、各係止部の先端が各ジョイントバーの各被係止部に係合する。これにより、複数の荷役レバーを一度にニュートラル位置に固定することができ、その結果、各荷役レバーがニュートラル位置から不用意に操作されて荷役装置が駆動されるのを防止できる。このようにして、各荷役レバーの安全性を向上できる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、荷役レバーの下端に連結されたジョイントバーに対して接近・離反可能な係止部を設けるとともに、荷役レバーをニュートラル位置に配置したときに係止部の先端が係止し得る被係止部をジョイントバーに設けたので、荷役レバーのニュートラル位置において、係止部の先端をジョイントバーの被係止部に係止することで、荷役レバーをニュートラル位置に固定することができ、これにより、荷役レバーがニュートラル位置から不用意に操作されて荷役装置が駆動されるのを防止でき、荷役レバーの安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による荷役レバー固定装置が採用されたフォークリフトの側面概略図である。
【図2】本発明の一実施例による荷役レバー固定装置の係止状態における概略構成図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】図3のIV-IV線断面図である。
【図5】前記荷役レバー固定装置(図2)の係止状態における一部拡大図である。
【図6】図5のVI-VI線断面図である。
【図7】本発明の他の実施例による荷役レバー固定装置の係止状態における一部拡大図である。
【図8】図3のVIII-VIII線断面図である。
【図9】前記荷役レバー固定装置(図8)の係止状態における一部拡大図である。
【図10】図3のX-X線断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施例による荷役レバー固定装置の係止部の拡大図である。
【図12】本発明の別の実施例による荷役レバー固定装置の係止部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明によるフォークリフト1は、前後方向(同図左右方向)に延びる左右一対の車体フレーム2と、その前後に配置された駆動輪3および操舵輪4と、車体フレーム2の前端に設けられたフォーク爪5aを有する作業装置(荷役装置)5と、操作者が着座する運転席6と、運転席6の前方において車体フレーム2の前部に設けられたステアリング装置7と、作業装置5を操作するための荷役レバー8とを備えている。なお、ここでは、産業車両として、フォークリフトを例にとって説明するが、本発明は、フォークリフト以外の他の産業車両にも同様に適用可能である。
【0021】
運転席6の上方には、運転席6に座る操作者の頭上をガードするためのヘッドガード9が設けられている。ヘッドガード9は、その前端側をフロントピラー10により、後端側をリアピラー11によりそれぞれ支承されている。また、車体フレーム2の後部には、カウンターウエイト部12が設けられている。
【0022】
図2に示すように、荷役レバー8の下端には、カラー80が固定されており、カラー80は、これを挿通するピン81に回転自在に支持されている。ピン81の両端は、図2の紙面垂直方向に間隔を隔てて配置された一対のブラケット82に固定されている。各ブラケット82は、フロントガード83に取り付けられている。また、カラー80には、レバー84の一端が固定されており、レバー84の他端は、ピン85を介して、ジョイントバー86の上端が回動自在に連結されている。ジョイントバー86は、実質的に上下方向に延びている。この構成により、荷役レバー8を実質的に前後方向に操作すると、カラー80、レバー84およびピン85を介して、ジョイントバー86が上下方向に昇降するようになっている。
【0023】
ジョイントバー86の下方には、油圧コントロールバルブ87が設けられている。油圧コントロールバルブ87は、フロントガード83の下端に垂設されたフロントプレート83aに取り付けられている。油圧コントロールバルブ87内には、上下方向に延びるスプール88が上下方向スライド自在に設けられており、スプール88の上端には、ジョイントバー86の下端がピン89を介して連結されている。ジョイントバー86が駆動されると、スプール88の上下方向位置に応じてスプール88とバルブ内部の油路との間で油圧回路が構築されることで、作業装置5の駆動用の油圧機器(図示せず)が駆動制御されるようになっている。
【0024】
ジョイントバー86の長手方向中間部の外周には、周溝(被係止部)86aが形成されている。一方、ジョイントバー86の長手方向中間部の側方には、ソレノイド100が設けられている。ソレノイド100は、筐体101と、筐体101を挿通しかつ筐体101の内部にスライド自在に設けられ、筐体101の外側に出没自在な(つまり、ジョイントバー86に対して接近・離反可能な)プランジャ(係止部)102とを備えている。プランジャ102の先端は、ジョイントバー86の周溝86aに係脱自在に係止し得るように設けられている。筐体101は、ブラケット150に取り付けられている。筐体101の内部には、コイル(図示せず)が内蔵されている。ジョイントバー86の周溝86aおよびソレノイド100のプランジャ102から本発明の一実施例による荷役レバー固定装置が構成されている。
【0025】
なお、プランジャ102先端とジョイントバー86の周溝86aとの係脱動作を円滑に行なわせるために、プランジャ102先端または周溝86aのいずれかまたは双方に、摩擦低減用の潤滑剤(オイルまたはグリース等)が塗布されていてもよい。あるいは、プランジャ102先端または周溝86aのいずれかまたは双方が、摩擦係数の小さな部材から構成されていてもよい。また、ジョイントバー86の表面に摩擦低減用の潤滑剤(オイルまたはグリース等)を塗布したり、ジョイントバー86自体を摩擦係数の小さな部材から構成するようにしてもよい。
【0026】
図3に示すように、ソレノイド100のコイルには、電流供給回路200が接続されている。この電流供給回路200には、電源201と、運転席6(図1)の下部に設けられるシートスイッチ202(図1では図示せず)とを有している。シートスイッチ202は、操作者が運転席6に着座したときにオンとなり、操作者が運転席から離れたときにオフとなるスイッチである。
【0027】
図4に示すように、プランジャ102の先端には、略U字プレート状の係止突起103が設けられている。係止突起103の内部に形成された係合凹部103aは、ジョイントバー86の周溝86a部分に形成された小径部86bに係脱自在に係止し得る大きさを有している。また、プランジャ102の後端には、操作者が把持し得る、例えば半円板状のつまみ(操作部)104が設けられている。さらに、筐体101の外側において、プランジャ102の外周には、プランジャ102を筐体101から突出する方向に付勢するスプリング105が配設されている(図3参照)。
【0028】
次に、本実施例の作用効果について説明する。
まず、操作者が運転席6に着座した状態では、シートスイッチ202がオンとなって、電流供給回路200が閉じる(図3参照)。すると、電源201からの電流がソレノイド100内部のコイルに供給されてコイルが励磁され、プランジャ102がスプリング105の弾性反発力に抗して図3右方に移動する(つまり、ジョイントバー86から離れる側に移動する)。これにより、プランジャ102先端の係止突起103とジョイントバー86の周溝86aとの係止状態が解除される(図3、図4参照)。
【0029】
この状態から、操作者が荷役レバー8を前後方向に操作すると、レバー84を介してジョイントバー86が上下方向に移動し、これにより、スプール88が油圧コントロールバルブ87内を移動することで、油圧機器(図示せず)が駆動制御されて、作業装置5が操作される。
【0030】
次に、操作者が荷役レバー8をニュートラル位置に配置すると、ジョイントバー86の周溝86aがプランジャ102先端の係止突起103と対向する位置に配置される(図2参照)。この状態で、操作者が運転席6から離れると、シートスイッチ202がオフとなって、電流供給回路200が開き(図5参照)、ソレノイド100内部のコイルへの電流供給が停止される。その結果、プランジャ102が、スプリング105の弾性反発力により図3左方に移動する(つまり、ジョイントバー86の側に突出する)。これにより、プランジャ102先端の係止突起103がジョイントバー86の周溝86aに係止する(図5、図6参照)。
【0031】
このようにして、ジョイントバー86が上下方向に拘束されることで、荷役レバー8をニュートラル位置に固定することができる。その結果、荷役レバー8がニュートラル位置から不用意に操作されて作業装置5が駆動されるのを防止でき、荷役レバー8の安全性を向上できる。
【0032】
なお、ソレノイド100のコイルの破損や電流供給回路200の断線等の際に、プランジャ102先端の係止突起103とジョイントバー86の周溝86aとの係止状態を強制的に解除する必要が生じた場合には、操作者がプランジャ102後端のつまみ104を把持してプランジャ102を引っ張るように操作することで、プランジャ102先端の係止突起103をジョイントバー86の周溝86aから簡単に離脱させることが可能である。
【0033】
前記実施例では、プランジャ102先端の係止突起として略U字プレート状のものを用いるとともに、ジョイントバー86の被係止部として周溝86aを用いた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
【0034】
図7ないし図10は、本発明の他の実施例による荷役レバー固定装置を示している。なお、これらの図において、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0035】
図7ないし図10に示す実施例では、プランジャ102先端の係止突起の形状およびジョイントバー86の被係止部の形状が前記実施例と異なっている。すなわち、プランジャ102先端の係止突起106は、細い円柱状の部材である。また、ジョイントバー86の被係止部は、ジョイントバー86の外周面に形成された小径の穴86cである。
【0036】
この場合、シートスイッチ202のオフ時には、プランジャ102先端の係止突起106がジョイントバー86の穴86cに係止することで、荷役レバー8をニュートラル位置に固定することができる。
【0037】
また、プランジャ102先端の係止突起およびジョイントバー86の被係止部の各形状としては、その他の形状を採用するようにしてもよい。例えば、係止突起を略三角形状または略半円状のプレートから構成し、被係止部を略三角形状または略半円状の切欠きから構成するようにしてもよい。
【0038】
前記各実施例では、プランジャ102先端の係止突起が単一の部材から構成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図11は図4の変形例を示し、図12は図8の変形例を示している。図11および図12の例は、荷役レバー8が複数本(ここでは3本)設けられるとともに、各荷役レバー8に対応して複数本(ここでは3本)のジョイントバー86が設けられた場合に対応している。なお、これらの図において、前記各実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0039】
図11に示すように、プランジャ102の先端には、プランジャ102の軸方向と直交する方向に延びる張出部110が設けられており、張出部110には、複数(ここでは3個)の係合凹部103a1、103a2、103a3が形成されている。なお、図示していないが、各ジョイントバー86の外周には、プランジャ102の各係合凹部103a1、103a2、103a3がそれぞれ係止し得る周溝が形成されている。
【0040】
図12に示すように、プランジャ102の先端には、プランジャ102の軸方向と直交する方向に延びる張出部110’が設けられており、張出部110’には、複数(ここでは3個)の円柱状の係止突起1061、1062、1063が設けられている。なお、図示していないが、各ジョイントバー86の外周には、プランジャ102の各係止突起1061、1062、1063がそれぞれ係止し得る穴が形成されている。
【0041】
これらの場合には、各荷役レバーをそれぞれニュートラル位置に配置したとき、各係合凹部103a1、103a2、103a3または各係止突起1061、1062、1063が、各ジョイントバーの各周溝または各穴にそれぞれ係合する。これにより、複数の荷役レバーを一度にニュートラル位置に固定することができ、その結果、各荷役レバーがニュートラル位置から不用意に操作されて荷役装置が駆動されるのを防止できる。このようにして、各荷役レバーの安全性を向上できる。なお、図11、図12に示すつまみ104’は、前記各実施例と同様の半円板状のものである。図11、図12では、各つまみ104’を上から見ているため、板状に現れている。また、各つまみの形状としては、半円板状に限らず、種々のものが考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明は、産業車両に有用であり、とくに荷役レバーの安全性を要求されるものに適している。
【符号の説明】
【0043】
1: フォークリフト
5: 作業装置(荷役装置)
8: 荷役レバー
86: ジョイントバー
86a: 周溝(被係止部)
87: 油圧コントロールバルブ
88: スプール
100: ソレノイド
102: プランジャ(係止部)
104: つまみ(操作部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2008−59303号公報(段落[0002]および段落[0021]〜[0022]参照)
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業車両に関し、とくに、荷役レバーの安全性を向上させるための構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、フォークリフト等の産業車両は、荷揚げ等の作業を行うために、フォーク等の作業装置(荷役装置)を車両の前部に有している。そして、運転席には、操作者が作業装置を操作するための荷役レバーが設けられている(特開2008−59303号公報の段落[0002]参照)。荷役レバーの下端は、油圧コントロールバルブに連結されている(同公報の段落[0021]〜[0022]参照)。
【0003】
操作者が荷役レバーを動かすと、油圧コントロールバルブが駆動され、油圧ポンプからの流量により油圧機器が制御されて、フォーク等の作業装置が駆動されるようになっている。
【0004】
荷役レバーの操作は、通常、操作者が運転席に着座した状態で行なうが、従来の産業車両においては、操作者が運転席から離れる際に、操作者の体が荷役レバーに触れることで荷役レバーが誤って操作されてしまう恐れがあった。また、従来の産業車両においては、産業車両から降りた状態で操作者が荷役レバーを操作することも可能であっため、安全上問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、荷役レバーの安全性を向上できる産業車両の荷役レバー固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、産業車両において荷役装置操作用の荷役レバーをニュートラル位置に固定するための荷役レバー固定装置であって、荷役レバーの下端にジョイントバーが連結されるとともに、ジョイントバーの下端が荷役装置の駆動制御用の油圧コントロールバルブのスプールに連結されており、ジョイントバーの側方には、ジョイントバーに対して接近・離反可能に設けられた係止部が設けられ、ジョイントバーには、係止部の先端が係脱自在に係止し得る被係止部が設けられている。そして、荷役レバーのニュートラル位置において、係止部の先端がジョイントバーの被係止部に係止し得るようになっている。
【0007】
請求項1の発明においては、荷役レバーを操作すると、荷役レバーに連動してジョイントバーが動き、これにより、ジョイントバー下端に連結されたスプールが移動することで、油圧コントロールバルブが駆動制御されて、荷役装置が操作される。
【0008】
次に、荷役レバーをニュートラル位置に配置したとき、係止部の先端がジョイントバーの被係止部に係合する。これにより、荷役レバーをニュートラル位置に固定することができる。その結果、荷役レバーがニュートラル位置から不用意に操作されて荷役装置が駆動されるのを防止でき、このようにして、荷役レバーの安全性を向上できる。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1において、当該産業車両の運転席には、操作者が運転席に着座したときにオンとなりかつ操作者が運転席から離れたときにオフとなるシートスイッチが設けられており、シートスイッチのオフ時には、荷役レバーのニュートラル位置において、係止部の先端がジョイントバーの被係止部に係止するようになっている。
【0010】
この場合には、操作者が運転席に着座しているかいないかがシートスイッチにより検出されるようになっており、操作者が運転席から離れると、シートスイッチがオフとなる。そして、このシートスイッチのオフ時において、荷役レバーがニュートラル位置に配置されたとき、係止部の先端がジョイントバーの被係止部に係止する。これにより、操作者が運転席から離れたときに、荷役レバーをニュートラル位置に固定することができる。その結果、操作者が運転席から離れた状態で荷役レバーを操作できなくなるので、荷役レバーの安全性を向上できる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項2において、係止部が、ソレノイドに設けられた出没自在なプランジャから構成されており、シートスイッチのオフ時には、ソレノイドのコイルへの電流供給が停止することで、プランジャがジョイントバーの側に突出するようになっている。
【0012】
この場合には、操作者が運転席から離れてシートスイッチがオフになると、ソレノイドのコイルへの電流供給が停止されることで、プランジャがジョイントバーの側に突出し、係止部の先端が、荷役レバーのニュートラル位置において、ジョイントバーの被係止部に係止する。これにより、荷役レバーがニュートラル位置に固定される。
【0013】
請求項4の発明では、請求項3において、プランジャがソレノイドの筐体を軸方向に挿通しており、プランジャの後端には、操作者が、プランジャの先端をジョイントバーの被係止部から強制的に離脱させるための操作部が設けられている。
【0014】
この場合には、操作者がプランジャ後端の操作部を操作することで、プランジャ先端をジョイントバーの被係止部から簡単に離脱させることができる。これにより、ソレノイドのコイルの破損や電気回路の断線等の際に、プランジャ先端とジョイントバーとの係止状態を強制的に解除することができるようになる。
【0015】
請求項5の発明では、請求項1または2において、被係止部が、ジョイントバーの外周に形成された溝、穴または切欠きである。
【0016】
請求項6の発明では、請求項1において、荷役レバーが複数本設けられるとともに、各荷役レバーに対応してジョイントバーが複数本設けられており、係止部が、各ジョイントバーの各被係止部にそれぞれ係止する複数の係止部から構成されている。
【0017】
この場合には、各荷役レバーをそれぞれニュートラル位置に配置したとき、各係止部の先端が各ジョイントバーの各被係止部に係合する。これにより、複数の荷役レバーを一度にニュートラル位置に固定することができ、その結果、各荷役レバーがニュートラル位置から不用意に操作されて荷役装置が駆動されるのを防止できる。このようにして、各荷役レバーの安全性を向上できる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、荷役レバーの下端に連結されたジョイントバーに対して接近・離反可能な係止部を設けるとともに、荷役レバーをニュートラル位置に配置したときに係止部の先端が係止し得る被係止部をジョイントバーに設けたので、荷役レバーのニュートラル位置において、係止部の先端をジョイントバーの被係止部に係止することで、荷役レバーをニュートラル位置に固定することができ、これにより、荷役レバーがニュートラル位置から不用意に操作されて荷役装置が駆動されるのを防止でき、荷役レバーの安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による荷役レバー固定装置が採用されたフォークリフトの側面概略図である。
【図2】本発明の一実施例による荷役レバー固定装置の係止状態における概略構成図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】図3のIV-IV線断面図である。
【図5】前記荷役レバー固定装置(図2)の係止状態における一部拡大図である。
【図6】図5のVI-VI線断面図である。
【図7】本発明の他の実施例による荷役レバー固定装置の係止状態における一部拡大図である。
【図8】図3のVIII-VIII線断面図である。
【図9】前記荷役レバー固定装置(図8)の係止状態における一部拡大図である。
【図10】図3のX-X線断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施例による荷役レバー固定装置の係止部の拡大図である。
【図12】本発明の別の実施例による荷役レバー固定装置の係止部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明によるフォークリフト1は、前後方向(同図左右方向)に延びる左右一対の車体フレーム2と、その前後に配置された駆動輪3および操舵輪4と、車体フレーム2の前端に設けられたフォーク爪5aを有する作業装置(荷役装置)5と、操作者が着座する運転席6と、運転席6の前方において車体フレーム2の前部に設けられたステアリング装置7と、作業装置5を操作するための荷役レバー8とを備えている。なお、ここでは、産業車両として、フォークリフトを例にとって説明するが、本発明は、フォークリフト以外の他の産業車両にも同様に適用可能である。
【0021】
運転席6の上方には、運転席6に座る操作者の頭上をガードするためのヘッドガード9が設けられている。ヘッドガード9は、その前端側をフロントピラー10により、後端側をリアピラー11によりそれぞれ支承されている。また、車体フレーム2の後部には、カウンターウエイト部12が設けられている。
【0022】
図2に示すように、荷役レバー8の下端には、カラー80が固定されており、カラー80は、これを挿通するピン81に回転自在に支持されている。ピン81の両端は、図2の紙面垂直方向に間隔を隔てて配置された一対のブラケット82に固定されている。各ブラケット82は、フロントガード83に取り付けられている。また、カラー80には、レバー84の一端が固定されており、レバー84の他端は、ピン85を介して、ジョイントバー86の上端が回動自在に連結されている。ジョイントバー86は、実質的に上下方向に延びている。この構成により、荷役レバー8を実質的に前後方向に操作すると、カラー80、レバー84およびピン85を介して、ジョイントバー86が上下方向に昇降するようになっている。
【0023】
ジョイントバー86の下方には、油圧コントロールバルブ87が設けられている。油圧コントロールバルブ87は、フロントガード83の下端に垂設されたフロントプレート83aに取り付けられている。油圧コントロールバルブ87内には、上下方向に延びるスプール88が上下方向スライド自在に設けられており、スプール88の上端には、ジョイントバー86の下端がピン89を介して連結されている。ジョイントバー86が駆動されると、スプール88の上下方向位置に応じてスプール88とバルブ内部の油路との間で油圧回路が構築されることで、作業装置5の駆動用の油圧機器(図示せず)が駆動制御されるようになっている。
【0024】
ジョイントバー86の長手方向中間部の外周には、周溝(被係止部)86aが形成されている。一方、ジョイントバー86の長手方向中間部の側方には、ソレノイド100が設けられている。ソレノイド100は、筐体101と、筐体101を挿通しかつ筐体101の内部にスライド自在に設けられ、筐体101の外側に出没自在な(つまり、ジョイントバー86に対して接近・離反可能な)プランジャ(係止部)102とを備えている。プランジャ102の先端は、ジョイントバー86の周溝86aに係脱自在に係止し得るように設けられている。筐体101は、ブラケット150に取り付けられている。筐体101の内部には、コイル(図示せず)が内蔵されている。ジョイントバー86の周溝86aおよびソレノイド100のプランジャ102から本発明の一実施例による荷役レバー固定装置が構成されている。
【0025】
なお、プランジャ102先端とジョイントバー86の周溝86aとの係脱動作を円滑に行なわせるために、プランジャ102先端または周溝86aのいずれかまたは双方に、摩擦低減用の潤滑剤(オイルまたはグリース等)が塗布されていてもよい。あるいは、プランジャ102先端または周溝86aのいずれかまたは双方が、摩擦係数の小さな部材から構成されていてもよい。また、ジョイントバー86の表面に摩擦低減用の潤滑剤(オイルまたはグリース等)を塗布したり、ジョイントバー86自体を摩擦係数の小さな部材から構成するようにしてもよい。
【0026】
図3に示すように、ソレノイド100のコイルには、電流供給回路200が接続されている。この電流供給回路200には、電源201と、運転席6(図1)の下部に設けられるシートスイッチ202(図1では図示せず)とを有している。シートスイッチ202は、操作者が運転席6に着座したときにオンとなり、操作者が運転席から離れたときにオフとなるスイッチである。
【0027】
図4に示すように、プランジャ102の先端には、略U字プレート状の係止突起103が設けられている。係止突起103の内部に形成された係合凹部103aは、ジョイントバー86の周溝86a部分に形成された小径部86bに係脱自在に係止し得る大きさを有している。また、プランジャ102の後端には、操作者が把持し得る、例えば半円板状のつまみ(操作部)104が設けられている。さらに、筐体101の外側において、プランジャ102の外周には、プランジャ102を筐体101から突出する方向に付勢するスプリング105が配設されている(図3参照)。
【0028】
次に、本実施例の作用効果について説明する。
まず、操作者が運転席6に着座した状態では、シートスイッチ202がオンとなって、電流供給回路200が閉じる(図3参照)。すると、電源201からの電流がソレノイド100内部のコイルに供給されてコイルが励磁され、プランジャ102がスプリング105の弾性反発力に抗して図3右方に移動する(つまり、ジョイントバー86から離れる側に移動する)。これにより、プランジャ102先端の係止突起103とジョイントバー86の周溝86aとの係止状態が解除される(図3、図4参照)。
【0029】
この状態から、操作者が荷役レバー8を前後方向に操作すると、レバー84を介してジョイントバー86が上下方向に移動し、これにより、スプール88が油圧コントロールバルブ87内を移動することで、油圧機器(図示せず)が駆動制御されて、作業装置5が操作される。
【0030】
次に、操作者が荷役レバー8をニュートラル位置に配置すると、ジョイントバー86の周溝86aがプランジャ102先端の係止突起103と対向する位置に配置される(図2参照)。この状態で、操作者が運転席6から離れると、シートスイッチ202がオフとなって、電流供給回路200が開き(図5参照)、ソレノイド100内部のコイルへの電流供給が停止される。その結果、プランジャ102が、スプリング105の弾性反発力により図3左方に移動する(つまり、ジョイントバー86の側に突出する)。これにより、プランジャ102先端の係止突起103がジョイントバー86の周溝86aに係止する(図5、図6参照)。
【0031】
このようにして、ジョイントバー86が上下方向に拘束されることで、荷役レバー8をニュートラル位置に固定することができる。その結果、荷役レバー8がニュートラル位置から不用意に操作されて作業装置5が駆動されるのを防止でき、荷役レバー8の安全性を向上できる。
【0032】
なお、ソレノイド100のコイルの破損や電流供給回路200の断線等の際に、プランジャ102先端の係止突起103とジョイントバー86の周溝86aとの係止状態を強制的に解除する必要が生じた場合には、操作者がプランジャ102後端のつまみ104を把持してプランジャ102を引っ張るように操作することで、プランジャ102先端の係止突起103をジョイントバー86の周溝86aから簡単に離脱させることが可能である。
【0033】
前記実施例では、プランジャ102先端の係止突起として略U字プレート状のものを用いるとともに、ジョイントバー86の被係止部として周溝86aを用いた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
【0034】
図7ないし図10は、本発明の他の実施例による荷役レバー固定装置を示している。なお、これらの図において、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0035】
図7ないし図10に示す実施例では、プランジャ102先端の係止突起の形状およびジョイントバー86の被係止部の形状が前記実施例と異なっている。すなわち、プランジャ102先端の係止突起106は、細い円柱状の部材である。また、ジョイントバー86の被係止部は、ジョイントバー86の外周面に形成された小径の穴86cである。
【0036】
この場合、シートスイッチ202のオフ時には、プランジャ102先端の係止突起106がジョイントバー86の穴86cに係止することで、荷役レバー8をニュートラル位置に固定することができる。
【0037】
また、プランジャ102先端の係止突起およびジョイントバー86の被係止部の各形状としては、その他の形状を採用するようにしてもよい。例えば、係止突起を略三角形状または略半円状のプレートから構成し、被係止部を略三角形状または略半円状の切欠きから構成するようにしてもよい。
【0038】
前記各実施例では、プランジャ102先端の係止突起が単一の部材から構成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図11は図4の変形例を示し、図12は図8の変形例を示している。図11および図12の例は、荷役レバー8が複数本(ここでは3本)設けられるとともに、各荷役レバー8に対応して複数本(ここでは3本)のジョイントバー86が設けられた場合に対応している。なお、これらの図において、前記各実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0039】
図11に示すように、プランジャ102の先端には、プランジャ102の軸方向と直交する方向に延びる張出部110が設けられており、張出部110には、複数(ここでは3個)の係合凹部103a1、103a2、103a3が形成されている。なお、図示していないが、各ジョイントバー86の外周には、プランジャ102の各係合凹部103a1、103a2、103a3がそれぞれ係止し得る周溝が形成されている。
【0040】
図12に示すように、プランジャ102の先端には、プランジャ102の軸方向と直交する方向に延びる張出部110’が設けられており、張出部110’には、複数(ここでは3個)の円柱状の係止突起1061、1062、1063が設けられている。なお、図示していないが、各ジョイントバー86の外周には、プランジャ102の各係止突起1061、1062、1063がそれぞれ係止し得る穴が形成されている。
【0041】
これらの場合には、各荷役レバーをそれぞれニュートラル位置に配置したとき、各係合凹部103a1、103a2、103a3または各係止突起1061、1062、1063が、各ジョイントバーの各周溝または各穴にそれぞれ係合する。これにより、複数の荷役レバーを一度にニュートラル位置に固定することができ、その結果、各荷役レバーがニュートラル位置から不用意に操作されて荷役装置が駆動されるのを防止できる。このようにして、各荷役レバーの安全性を向上できる。なお、図11、図12に示すつまみ104’は、前記各実施例と同様の半円板状のものである。図11、図12では、各つまみ104’を上から見ているため、板状に現れている。また、各つまみの形状としては、半円板状に限らず、種々のものが考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明は、産業車両に有用であり、とくに荷役レバーの安全性を要求されるものに適している。
【符号の説明】
【0043】
1: フォークリフト
5: 作業装置(荷役装置)
8: 荷役レバー
86: ジョイントバー
86a: 周溝(被係止部)
87: 油圧コントロールバルブ
88: スプール
100: ソレノイド
102: プランジャ(係止部)
104: つまみ(操作部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2008−59303号公報(段落[0002]および段落[0021]〜[0022]参照)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業車両において、荷役装置操作用の荷役レバーをニュートラル位置に固定するための荷役レバー固定装置であって、
前記荷役レバーの下端にジョイントバーが連結されるとともに、前記ジョイントバーの下端が前記荷役装置の駆動制御用の油圧コントロールバルブのスプールに連結されており、
前記ジョイントバーの側方には、前記ジョイントバーに対して接近・離反可能に設けられた係止部が設けられ、
前記ジョイントバーには、前記係止部の先端が係脱自在に係止し得る被係止部が設けられており、
前記荷役レバーのニュートラル位置において、前記係止部の前記先端が前記ジョイントバーの前記被係止部に係止し得るようになっている、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項2】
請求項1において、
当該産業車両の運転席には、操作者が運転席に着座したときにオンとなりかつ操作者が運転席から離れたときにオフとなるシートスイッチが設けられており、
前記シートスイッチのオフ時には、前記荷役レバーのニュートラル位置において、前記係止部の前記先端が前記ジョイントバーの前記被係止部に係止するようになっている、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記係止部が、ソレノイドに設けられた出没自在なプランジャから構成されており、前記シートスイッチのオフ時に、前記ソレノイドのコイルへの電流供給が停止することで、前記プランジャが前記ジョイントバーの側に突出するようになっている、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記プランジャが前記ソレノイドの筐体を軸方向に挿通しており、前記プランジャの後端には、操作者が、前記プランジャの前記先端を前記ジョイントバーの前記被係止部から強制的に離脱させるための操作部が設けられている、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項5】
請求項1または2において、
前記被係止部が、前記ジョイントバーの外周に形成された溝、穴または切欠きである、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記荷役レバーが複数本設けられるとともに、前記各荷役レバーに対応して前記ジョイントバーが複数本設けられており、
前記係止部が、前記各ジョイントバーの各被係止部にそれぞれ係止する複数の係止部から構成されている、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項1】
産業車両において、荷役装置操作用の荷役レバーをニュートラル位置に固定するための荷役レバー固定装置であって、
前記荷役レバーの下端にジョイントバーが連結されるとともに、前記ジョイントバーの下端が前記荷役装置の駆動制御用の油圧コントロールバルブのスプールに連結されており、
前記ジョイントバーの側方には、前記ジョイントバーに対して接近・離反可能に設けられた係止部が設けられ、
前記ジョイントバーには、前記係止部の先端が係脱自在に係止し得る被係止部が設けられており、
前記荷役レバーのニュートラル位置において、前記係止部の前記先端が前記ジョイントバーの前記被係止部に係止し得るようになっている、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項2】
請求項1において、
当該産業車両の運転席には、操作者が運転席に着座したときにオンとなりかつ操作者が運転席から離れたときにオフとなるシートスイッチが設けられており、
前記シートスイッチのオフ時には、前記荷役レバーのニュートラル位置において、前記係止部の前記先端が前記ジョイントバーの前記被係止部に係止するようになっている、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記係止部が、ソレノイドに設けられた出没自在なプランジャから構成されており、前記シートスイッチのオフ時に、前記ソレノイドのコイルへの電流供給が停止することで、前記プランジャが前記ジョイントバーの側に突出するようになっている、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記プランジャが前記ソレノイドの筐体を軸方向に挿通しており、前記プランジャの後端には、操作者が、前記プランジャの前記先端を前記ジョイントバーの前記被係止部から強制的に離脱させるための操作部が設けられている、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項5】
請求項1または2において、
前記被係止部が、前記ジョイントバーの外周に形成された溝、穴または切欠きである、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記荷役レバーが複数本設けられるとともに、前記各荷役レバーに対応して前記ジョイントバーが複数本設けられており、
前記係止部が、前記各ジョイントバーの各被係止部にそれぞれ係止する複数の係止部から構成されている、
ことを特徴とする産業車両の荷役レバー固定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−168204(P2010−168204A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14374(P2009−14374)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]