用紙処理用ローラ機構及び用紙処理装置
【課題】 パドルローラによる用紙の取込機能に対して別経路で搬送するストレート排出機能を付加する場合における全体の処理速度の短縮,電力消費の無駄解消を図るとともに、部品点数の削減による装置全体のコストダウン及び小型化を図る。
【解決手段】 順次搬送される用紙Pを排出する排出ローラ機構部3の下方に配し、かつパドル回転駆動部4により回転する回転シャフト5及びこの回転シャフト5に取付けたパドルローラ6…を備え、パドルローラ6を、中心に回転シャフト5が貫通する回転体部6r及びこの回転体部6rの周面6rsから放射方向に突出した複数の柔軟性を有するフィン部6f…により構成するとともに、回転体部6rを、端面がDカット形状となる円盤状に形成し、かつDカット形状におけるカット面6rcを除く回転体部6rの周面6rsにフィン部6f…を配する。
【解決手段】 順次搬送される用紙Pを排出する排出ローラ機構部3の下方に配し、かつパドル回転駆動部4により回転する回転シャフト5及びこの回転シャフト5に取付けたパドルローラ6…を備え、パドルローラ6を、中心に回転シャフト5が貫通する回転体部6r及びこの回転体部6rの周面6rsから放射方向に突出した複数の柔軟性を有するフィン部6f…により構成するとともに、回転体部6rを、端面がDカット形状となる円盤状に形成し、かつDカット形状におけるカット面6rcを除く回転体部6rの周面6rsにフィン部6f…を配する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、順次搬送される用紙を中間トレイに取り込むためのパドルローラを備える用紙処理用ローラ機構及びこの用紙処理用ローラ機構を備える用紙処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、順次搬送される用紙を一時保留するための中間トレイ(用紙保留部)に取り込むためのパドルローラを有する用紙処理用ローラ機構を備える用紙処理装置としては、特許文献1で開示される用紙処理装置が知られている。
【0003】
同文献1に開示される用紙処理装置は、所定の用紙を揃えて一時保留するバインド装置であって、所定の位置に用紙を搬送する用紙搬送部と、この用紙搬送部によって搬送される複数枚の用紙を揃えて一時保留する用紙保留部を有するバインダ紙揃えユニットとを備え、バインダ紙揃えユニットは、用紙の先端と横端を基準位置に揃えるためのパドルローラユニットを有しており、このパドルローラユニットは、所定の厚み、かつ、所定の弾性を有したフィンを2枚以上重ねてなる多重フィンを回転本体部の周囲に複数設けられた二重フィン構造を有した構成を備えている。
【0004】
これにより、パンチ機能により穿設された用紙(記録用紙)は、パドルローラユニットのパドルホイールの掻き込み動作により順次用紙保留部に取込まれるとともに、用紙保留部上に所定枚数の用紙が積載されたなら、自動でリングバインド等の綴じ処理がなされ、この後、綴じ処理された冊子は、用紙保留部から排出されることにより、スタック上にスタックされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−39147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した従来の用紙処理装置は、次のような問題点があった。即ち、搬送される用紙(記録用紙)は、パドルホイールの掻き込み動作により用紙保留部に取込まれ、この後、スタックに排出されるが、用紙によっては、綴じることなく、そのままスタックに排出(ストレート排出)させたい場合もある。この場合、用紙は、パドルホイールの掻き込み動作や用紙保留部を経由してスタックまで搬送されるため、いわば無用な経路を搬送される。したがって、全体の処理速度が遅くなり、無駄な電力消費を強いられるとともに、煩雑な搬送経路の通過により、用紙、特に、薄い用紙の場合には、皺等が発生して用紙の品質を損なう虞れもある。
【0007】
一方、このような不具合を回避するためには、パドルホイールの手前に分岐路を設け、搬送される用紙を、この分岐路で分岐させることにより、直接スタックに排出させる経路を構築することも可能であるが、この場合であっても、搬送機構が複雑化し、部品点数の増加及び配設スペースの拡大を招くとともに、装置全体のコストアップ及び大型化を招く問題を生じる。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した用紙処理用ローラ機構及び用紙処理装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る用紙処理用ローラ機構1は、上述した課題を解決するため、少なくとも、順次搬送される用紙Pを中間トレイ2に取り込むための一又は二以上のパドルローラを備える用紙処理用ローラ機構であって、順次搬送される用紙Pを排出する排出ローラ機構部3の下方に配し、かつパドル回転駆動部4により回転する回転シャフト5及びこの回転シャフト5に取付けた一又は二以上のパドルローラ6…を備え、パドルローラ6を、中心に回転シャフト5が貫通する回転体部6r及びこの回転体部6rの周面6rsから放射方向に突出した複数の柔軟性を有するフィン部6f…により構成するとともに、回転体部6rを、端面がDカット形状となる円盤状に形成し、かつDカット形状におけるカット面6rcを除く回転体部6rの周面6rsに、フィン部6f…を配することを特徴とする。
【0010】
一方、本発明に係る用紙処理装置Mは、上述した課題を解決するため、少なくとも、順次搬送される用紙Pを中間トレイ2に取り込むための一又は二以上のパドルローラを有する用紙処理用ローラ機構を備える用紙処理装置であって、順次搬送される用紙Pを排出する排出ローラ機構部3の下方に配し、かつパドル回転駆動部4により回転する回転シャフト5及びこの回転シャフト5に取付けた一又は二以上のパドルローラ6…を備え、パドルローラ6を、中心に回転シャフト5が貫通する回転体部6r及びこの回転体部6rの周面6rsから放射方向に突出した複数の柔軟性を有するフィン部6f…により構成するとともに、回転体部6rを、端面がDカット形状となる円盤状に形成し、かつDカット形状におけるカット面6rcを除く回転体部6rの周面6rsに、フィン部6fを配してなる用紙処理用ローラ機構1と、パドル回転駆動部4を駆動制御し、少なくともカット面6rc…を所定の位置で停止させる制御を行う制御部7とを備えてなることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明は、好適な態様により、パドルローラ6のフィン部6f…には、ゴム製弾性シートを用いることができる。また、用紙処理装置Mにおいて、用紙処理用ローラ機構1の下方には、スタックトレイ8を配することができる。他方、用紙処理装置Mに備える制御部7には、回転体部6r…を、予め設定した回転数だけ回転させる用紙取込モードAi,カット面6rc(フィン部6f…を含む)を、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させる制御を行う用紙ガイドモードAg,カット面6rcを、中間トレイ2のトレイ面2fに対向する位置Rhに停止させる制御を行う用紙通過モードAp、の一つ又は二つ以上を設けることができる。さらに、用紙処理装置Mには、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sに沿うガイドプレート部9を設け、このガイドプレート部9に形成した切欠部9c…からパドルローラ6…の一部を突出させるとともに、パドルローラ6…を、カット面6rc…が排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させた際に、カット面6rc…がガイドプレート部9のガイド面9gに略一致又はこのガイド面9gより内側に位置するように構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
このような構成を有する本発明に係る用紙処理用ローラ機構1及び用紙処理装置Mによれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0013】
(1) 搬送される用紙Pを綴じることなく、そのままストレート排出する場合、停止させたパドルローラ6…のカット面6rc…(フィン部6f…を含む)を、用紙Pに対するガイド面として機能させることができるため、排出ローラ機構部3から排出された用紙Pをそのまま下方へストレート排出させることが可能となる。したがって、パドルローラ6…による用紙Pの取込機能に対して別経路で搬送するストレート排出機能を付加する場合であっても、全体の処理速度の高速化,電力消費の無駄解消及び用紙Pの品質確保を図れるとともに、部品点数の削減による装置全体のコストダウン及び小型化を図ることができる。
【0014】
(2) 好適な態様により、パドルローラ6のフィン部6f…に、シリコンゴムシート等のゴム製弾性シートを用いれば、ゴム製弾性シートの特性(物性)により、用紙Pの取り込みを確実かつ円滑に行うことができるとともに、比較的低コストに実施することができる。
【0015】
(3) 好適な態様により、用紙処理装置Mにおいて、用紙処理用ローラ機構1の下方に、スタックトレイ8を配すれば、排出ローラ機構部3から排出された用紙Pを、直接スタックトレイ8にストレート排出可能になるため、全体の処理速度の高速化,電力消費の無駄解消,用紙Pの品質確保,部品点数の削減,装置全体のコストダウン及び小型化を図る観点からより大きなパフォーマンスを得ることができる。
【0016】
(4) 好適な態様により、用紙処理装置Mの制御部7に、回転体部6r…を、予め設定した回転数だけ回転させる用紙取込モードAiを設ければ、Dカット形状に形成した円盤状のパドルローラ6…を用いる場合であっても、パドルローラ6…を連続回転させることにより、中間トレイ2に対する用紙Pの取り込み処理を有効かつ確実に行うことができる。
【0017】
(5) 好適な態様により、用紙処理装置Mの制御部7に、カット面6rc…を、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させる制御を行う用紙ガイドモードAgを設ければ、カット面6rc…(フィン部6f…を含む)を用紙Pに対してストレート排出させるガイド面として機能させることができるため、用紙Pを円滑かつ確実に下方へ導くことができるとともに、モード切換も容易に行うことができる。
【0018】
(6) 好適な態様により、用紙処理装置Mに、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sに沿うガイドプレート部9を設け、このガイドプレート部9に形成した切欠部9c…からパドルローラ6…の一部を突出させるとともに、パドルローラ6…を、カット面6rc…が排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させた際に、カット面6rc…がガイドプレート部9のガイド面9gに略一致又はこのガイド面9gより内側に位置するように構成すれば、当該ガイド面9gを本来のガイド面として機能させることができるとともに、カット面6rc…によりガイド面9gを補助することができるため、ストレート排出をより安定かつ確実に行うことができる。
【0019】
(7) 好適な態様により、用紙処理装置Mの制御部7に、カット面6rc…を、中間トレイ2のトレイ面2fに対向する位置Rhに停止させる制御を行う用紙通過モードApを設ければ、中間トレイ2のトレイ面2fに積載された複数の用紙P…をスタックトレイ8に移動させる場合でも、必要十分な空間を確保可能となり、用紙P…を確実に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の好適実施形態に係る用紙処理用ローラ機構及び周辺構造を示す外観斜視図、
【図2】同用紙処理装置のパドルローラの機能説明図、
【図3】同用紙処理装置の内部構造図、
【図4】同用紙処理装置を装着した状態を示す印刷装置の外観正面図、
【図5】同用紙処理装置の中間トレイ及び周辺構造を示す斜視図、
【図6】同用紙処理装置に備える用紙処理用ローラ機構の斜視図、
【図7】同用紙処理用ローラ機構に備えるパドルローラの斜視図、
【図8】同用紙処理装置の制御系におけるブロック系統図、
【図9】同用紙処理装置の動作時における各部の状態を示す模式図、
【図10】同用紙処理装置の動作時における各部の他の状態を示す模式図、
【図11】同用紙処理装置の動作時における各部の他の状態を示す模式図、
【図12】同用紙処理装置の動作時における各部の他の状態を示す模式図、
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
まず、本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1を備える用紙処理装置Mの概略構成について、図3及び図4を参照して説明する。
【0023】
用紙処理装置Mは、図4に示すように、印刷装置100の用紙排出口101に対して着脱可能なオプションユニットUとして構成する。このため、印刷装置100には、オプションユニットUを収容して装着するためのユニット装着部102を備えている。なお、印刷装置100において、103は印刷部、104は用紙カセットの装填部を示す。このように、用紙処理装置Mを、印刷装置100の用紙排出口101に対して着脱可能なオプションユニットUとして構成すれば、印刷装置100の多機能性及び付加価値をより高めることができる。
【0024】
一方、用紙処理装置Mは、図3に示すように、全体を覆うハウジング30を備え、このハウジング30の一端側の側面には、上述した用紙排出口101から排出された用紙Pが送り込まれる用紙給入口30iを有するとともに、ハウジング30の他端側からはスタックトレイ8が突出する。したがって、オペレータはこのスタックトレイ8上から、用紙P…又は積載用紙Ps…を取出すことができる。他方、ハウジング30の内部には、図3に示す用紙処理部31及び図8に示す制御部7を配設する。用紙処理部31には、主要機構として、第一搬送路32,パンチング機構33,第二搬送路34,排出ローラ機構部3,本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1,中間トレイ2,ステープラ機構35及びスタックトレイ8を含み、これらは用紙給入口30iから用紙Pの搬送経路に沿って順次配設するとともに、中間トレイ2には、トレイ補助機構36,第一送出機構37及び第二送出機構38を付設する。
【0025】
次に、本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1の構成について、図1〜図8を参照して具体的に説明する。
【0026】
用紙処理用ローラ機構1は、基本的な機能として、供給された用紙Pを中間トレイ2に取り込む機能を備え、図6に示すように、回転シャフト5の軸方向へ所定間隔おきに取付けた複数(例示は四つ)のパドルローラ6…を備える。図7は一つのパドルローラ6を示す。パドルローラ6は回転体部6rの放射方向に突出した柔軟性を有する複数(例示は7つ)のフィン部6f…を周方向へ所定間隔(一定間隔)おきに配して構成する。フィン部6fは、ゴム製弾性シート、望ましくは、シリコンゴムシートにより形成するとともに、回転体部6rは、一定の厚さを有する円盤状に形成する。この場合、回転体部6rは、端面がDカット形状となるように形成する。これにより、回転体部6rの周面にはカット面6rcが形成されるが、このカット面6rcにはフィン部6f…を設けない。また、4は、回転シャフト5を回転駆動するパドル回転駆動部を示す。
【0027】
このように、用紙処理用ローラ機構1を構成するに際し、放射方向に突出した柔軟性を有する複数のフィン部6f…を周方向へ所定間隔おきに配してなるパドルローラ6…、特に、フィン部6f…に、シリコンゴムシート等のゴム製弾性シートを用いて構成すれば、ゴム製弾性シートの特性(物性)により、供給される用紙Pに対して中間トレイ2に対する取り込みを確実かつ円滑に行うことができるとともに、比較的低コストに実施することができる。
【0028】
一方、用紙処理用ローラ機構1に関連して、この用紙処理用ローラ機構1の上方には、駆動ローラ3d及び空転ローラ3uにより構成した排出ローラ機構部3を配設する。これにより、上述した用紙排出口101から搬送された用紙Pは、パドルローラ6…の近傍における所定位置に排出、即ち、落下させることができる。したがって、排出ローラ機構部3の位置等の選定により、パドルローラ6…により取り込むことができる最適位置に用紙Pを供給することができる。この排出ローラ機構部3は、排出ローラ回転駆動部41(図8)により回転する。
【0029】
また、図3に示すように、用紙処理用ローラ機構1の下方であって、後述する中間トレイ2の前方にはスタックトレイ8を配設する。このように、用紙処理用ローラ機構1の下方に、スタックトレイ8を配設すれば、排出ローラ機構部3から排出された用紙Pを、直接スタックトレイ8にストレート排出可能になり、全体の処理速度の高速化,電力消費の無駄解消,用紙Pの品質確保,部品点数の削減,装置全体のコストダウン及び小型化を図る観点からより大きなパフォーマンスを得ることができる。
【0030】
さらに、図1(図2)に示すように、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sに沿うガイドプレート部9を配設し、このガイドプレート部9の下辺に形成した切欠部9c…からパドルローラ6…の一部を突出させる。この場合、ガイドプレート部9とパドルローラ6…の位置関係は、パドルローラ6…のカット面6rc…を、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させた際に、カット面6rc…がガイドプレート部9のガイド面9gに略一致又はこのガイド面9gより内側(スタックトレイ8に対して反対側)に位置するように選定する。これにより、ガイド面9gを本来のガイド面として機能させることができるとともに、カット面6rc…によりガイド面9gを補助することができるため、ストレート排出をより安定かつ確実に行うことができる。
【0031】
次に、用紙処理用ローラ機構1以外における用紙処理装置Mの主要構成部分について、図1〜図8を参照して説明する。
【0032】
排出ローラ機構部3の搬送方向手前、即ち、排出ローラ機構部3と用紙給入口30i間の中間位置には、搬送される用紙Pの一又は二以上の位置に孔明けを行うパンチング機構33を配設する。なお、このパンチング機構33には、用紙Pの角度及び位置を矯正するレジローラ機構部42を備える。このようなパンチング機構33を設ければ、用紙処理装置MをオプションユニットUとして構成した際の多機能性及び付加価値をより高めることができる。また、用紙給入口30iとパンチング機構33間には、上下一対のガイドプレートにより形成した第一搬送路32を設けるとともに、パンチング機構33と排出ローラ機構部3間には、上下一対のガイドプレートにより形成した第二搬送路34を設ける。
【0033】
さらに、用紙処理用ローラ機構1の下方には、図5に示す中間トレイ2を配設する。この場合、中間トレイ2の前端(スタックトレイ8側)は、図3に示すように、パドルローラ6…の直下に位置させる。また、中間トレイ2は、図5に示すように、横方向に四分割し、かつ所定間隔おきに配した固定トレイ部2a,2b,2c,2dを備え、各固定トレイ部2a…は、支持ベース部2x上に固定することにより全体を一体的に構成する。この際、各固定トレイ部2a…の間には支持空間を設けるとともに、各固定トレイ部2a…の前側上面は前下がりの傾斜面に形成する。
【0034】
そして、両側に位置する二つの支持空間を利用してトレイ補助機構36を配設する。トレイ補助機構36は、中間トレイ2を補助する一対のシェルフ部43,43を備え、このシェルフ部43…は支持空間をそれぞれ埋める形状に形成するとともに、固定トレイ部2a,2dによりそれぞれ前後方向へスライド自在に支持される。この場合、シェルフ部43…の下面は、摩擦形状に形成し又は摩擦部材(摩擦処理)を付すことにより、用紙Pに対する摩擦面として構成する。これにより、スタックトレイ8の上方に位置させた際には用紙Pを押さえ、中間トレイ2側の処理により用紙Pにズレ等が生じる悪影響を防止できる。また、トレイ補助機構36には、シェルフ部43…の前端43f…が中間トレイ2の前位置Xsからスタックトレイ8の上方に位置する突出位置Xpまで移動可能なシェルフ移動機構部44を備える。よって、このようなトレイ補助機構36を設ければ、中間トレイ2とスタックトレイ8間の連続性を確保できるため、中間トレイ2に対する用紙Pの取り込み及びスタックトレイ8に対する積載用紙Psの移動を確実かつ円滑(安定)に行うことができる。
【0035】
さらに、中央の支持空間を利用して第一送出機構37を配設する。第一送出機構37は、パドルローラ6…により中間トレイ2に取り込まれた用紙Pの後端Prが当接可能なコの字形に形成したフィンガ部46を備え、このフィンガ部46は固定トレイ部2bと2cにより前後方向へスライド自在に支持される。一方、第一送出機構37に対応させて第二送出機構38を配設する。第二送出機構38は、中間トレイ2の後位置Xrと中間位置Xm間における所定位置で積載用紙Psの後端Psrに当接可能な一対のクランパ部47,47を備える。クランパ部47は、所定の厚さを有するプレート材(ブロック材)を用いてL形に形成する。このクランパ部47…により積載用紙Psの捲れや浮上がりを容易に防止することができる。また、第一送出機構37は、フィンガ部46を中間トレイ2の後位置Xrから中間位置Xmまで移動可能なフィンガ移動機構48を備えるとともに、第二送出機構38は、クランパ部47…を後退位置Xbから前進位置Xfまで移動可能なクランパ移動機構49を備え、フィンガ移動機構48は共用回転駆動部50により駆動されるとともに、クランパ移動機構49はフィンガ移動機構48対して一部移動区間において連動機構を介して連動する。
【0036】
他方、スタックトレイ8は、図3に示すトレイ昇降機構部51により支持され、このトレイ昇降機構部51により昇降する。また、フィンガ部46に隣接してステープラ機構35を配設する。このステープラ機構35は、中間トレイ2の後位置Xrにおけるフィンガ部46に対して、後端Psrが係止した積載用紙Psの一又は二以上の位置を、ステープラ針により止めて綴じることができる。このようなステープラ機構35を備えて構成すれば、ステープラ機構35の使用に加え、ステープラ機構35の非使用時における積載用紙Psの乱れ(崩れ)を防止することができる。その他、図5において、52,52は、固定トレイ部2a,2dの後端に固定して設けた固定フィンガ部であり、この固定フィンガ部52…の前後方向位置は、中間トレイ2の後位置Xrにおけるフィンガ部46の位置に一致させる。
【0037】
一方、図8は、制御部7を含む制御系の構成を示す。制御部7は、CPU,ROM,RAM,電源ユニット等を含むコンピュータ機能を有する処理装置コントローラ71を備え、この処理装置コントローラ71は、少なくとも本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1を含む用紙処理装置Mの全体における一連の制御(シーケンス制御)を実行するための制御プログラムを格納したプログラムメモリ71pを有するとともに、各種データ(データベース)を記憶するデータメモリ71dを有する。
【0038】
特に、制御部7は、本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1を制御する三つのモード、即ち、用紙取込モードAi,用紙ガイドモードAg及び用紙通過モードApを備えている。用紙取込モードAiは、パドル回転駆動部4を駆動制御することにより、回転体部6r…を、予め設定した回転数だけ回転させるモードであり、この用紙取込モードAiを用いれば、Dカット形状に形成した円盤状のパドルローラ6…を用いる場合でも、パドルローラ6…を連続回転させることにより、中間トレイ2に対する用紙Pの取り込み処理を有効かつ確実に行うことができる。また、用紙ガイドモードAgは、パドル回転駆動部4を駆動制御することにより、カット面6rc…(フィン部6f…を含む)を、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rs、即ち、図2に実線で示す位置Rsに停止させる制御を行うモードであり、この用紙ガイドモードAgを用いれば、カット面6rc…を用紙Pに対してストレート排出させるガイド面として機能させることができるため、用紙Pを円滑かつ確実に下方へ導くことができるとともに、モード切換も容易に行うことができる。さらに、用紙通過モードApは、パドル回転駆動部4を駆動制御することにより、カット面6rc…を、中間トレイ2のトレイ面2fに対向する位置Rh、即ち、図2に仮想線で示す位置Rhに停止させる制御を行うモードであり、この用紙通過モードApを用いれば、中間トレイ2のトレイ面2fに積載された複数の用紙P…をスタックトレイ8に移動させる場合でも、必要十分な空間を確保可能となり、用紙P…を確実に移動させることができる。
【0039】
また、処理装置コントローラ71は、インターフェース(IF)72を介して印刷装置100側の制御系(印刷装置コントローラ)と接続し、制御の同期化やデータの授受等が行われる。さらに、センサ類として、レジローラ機構部42の手前に配したレジセンサ73,排出ローラ機構部3の手前に配した排出センサ74,及びスタックトレイ8の上端位置Xuの近傍に配したスタックセンサ75を備え、各センサ73,74,75は処理装置コントローラ71のセンサ入力ポートに接続するとともに、用紙処理用ローラ機構1のパドル回転駆動部4,排出ローラ機構部3における排出ローラ回転駆動部41,シェルフ移動機構部44,第一送出機構37及び第二送出機構38における共用回転駆動部50,トレイ昇降機構部51,パンチング機構33及びステープラ機構35は、処理装置コントローラ71の制御出力ポートに接続する。
【0040】
次に、本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1を含む用紙処理装置Mの動作について、各図を参照して説明する。
【0041】
最初に、複数の用紙P…を中間トレイ2上に積載し、積載後の積載用紙Psをスタックトレイ8に排出する場合について説明する。
【0042】
図9は、停止時における各部の状態を示しており、シェルフ部43…は後退した位置となる固定トレイ部2a…に一致する位置に、フィンガ部46は中間トレイ2における後位置Xrに、クランパ部47…は後退位置Xbに、それぞれ停止している。また、パドルローラ6は、カット面6rcが、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置(角度)Rsで停止するとともに、スタックトレイ8は、スタックセンサ75により検出される上端位置Xuにある。この場合、スタックトレイ8上に積載用紙Psが存在する場合には当該積載用紙Psの上端が上端位置Xuとなる。
【0043】
今、オペレータがスタートボタンをONにしたことにより印刷装置100の動作が開始した場合を想定する。これにより、シェルフ部43…は、図9に示す位置から図10に示す位置まで前進、即ち、シェルフ部43…の前端43f…が中間トレイ2の前位置Xsからスタックトレイ8の上方に位置する突出位置Xpまで移動する。この状態を図10に示す。この場合、スタックトレイ8は上端位置Xuにあり、スタックトレイ8の上面とシェルフ部43…の下面間における隙間は僅かである。
【0044】
一方、印刷装置100では、印刷処理が行われ、印刷された用紙Pは、用紙排出口101から排出されるとともに、用紙給入口30iに進入し、用紙Pは、第一搬送路32,パンチング機構33,第二搬送路34,排出ローラ機構部3の経路で搬送される。この際、パンチング機構33による孔明け処理が設定されている場合には、パンチング機構33で一旦停止し、孔明けが行われる。そして、用紙Pが排出ローラ機構部3を通過し、用紙Pの後端Prが排出センサ74により検出されたなら、予め設定したタイミング調整時間の経過後、パドルローラ6…が、図3(図10)中、反時計方向に回転する。これにより、排出ローラ機構部3から排出された用紙Pは、パドルローラ6…により後方へ送られ、中間トレイ2に取り込まれるとともに、用紙Pの後端Prがフィンガ部46及び固定フィンガ部52…に当接する。図2中、矢印Feは、用紙Pが排出ローラ機構部3により排出される方向を示しているとともに、矢印Fdは、排出ローラ機構部3により排出された用紙Pが搬送空間Sを落下する方向を示している。この際、パドルローラ6…は、用紙取込モードAiにより、用紙Pの後端Prがフィンガ部46に当接するタイミングを見計らった設定回転数だけ回転し、この後、図9に示すカット面6rc…が、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsで停止する。
【0045】
以上の動作(処理)を、用紙Pが設定枚数Nに達するまで同様に繰り返して行う。これにより、用紙Pが設定枚数Nに達すれば、中間トレイ2上には、N枚の用紙P…が積載された積載用紙Psが得られるため、一旦、用紙Pの印刷及び搬送を停止するとともに、用紙通過モードApにより、パドルローラ6…を、図11に示す位置(角度)Rh、即ち、カット面6rc…が中間トレイ2に対して対向し、略平行となる位置Rhで停止させる。この際、ステープラ機構35により綴じる処理が設定されている場合には、ステープラ機構35により積載用紙Psを綴じる処理を行う。しかし、設定されていない場合には、図11に示すように、ステープラ機構35を動作させることなく、フィンガ部46を前進させることにより、積載用紙Psを前方へ移動させる。図2中、矢印Fmは、積載用紙Psの移動方向を示している。
【0046】
この場合、共用回転駆動部50により、最初にフィンガ移動機構48が駆動され、積載用紙Psは、フィンガ部46のみにより移動するが、所定の連動位置に達すれば、クランパ移動機構49が連動機構を介してフィンガ移動機構48に連動し、クランパ部47…が後退位置Xbから前方へ移動(変位)を開始する。この際、クランパ部47…は不図示のガイドレールにガイドされ、向きを変えながら移動するとともに、増速機構によりフィンガ部46よりも速い速度で移動する。この結果、クランパ部47…は所定位置でフィンガ部46に追いつき、積載用紙Psの後端Psrに当接する。そして、クランパ部47…がフィンガ部46に追いついた後は、クランパ部47…がフィンガ部46を追い越し、クランパ部47…のみで積載用紙Psを移動させるとともに、クランパ部47…は図12に示す前進位置Xfまで移動する。この前進位置Xfは、積載用紙Psをスタックトレイ8の正規のスタック位置に積載する位置となる。即ち、積載用紙Psは、クランパ部47…により正規のスタック位置に正確に位置決めされ、もって、スタックトレイ8のスタック位置に確実にスタックされる。
【0047】
次いで、スタックトレイ8を下降させる。この際、積載用紙Psの上端位置Xuは、スタックセンサ75により検出され、上端位置Xuが検出されたなら下降を停止する。スタックトレイ8の下降が終了したなら、シェルフ部43…を、図12に示す位置、即ち、前端43f…が中間トレイ2の前位置Xsに一致する位置まで後退移動させる。さらに、シェルフ部43…の後退移動が終了したなら、フィンガ部46を後位置Xrまで後退移動させる。これにより、クランパ部47…も連動して後退位置Xbまで戻される。また、パドルローラ6…は、図9に示すように、カット面6rc…が、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsまで回転変位させる。この後、用紙Pの印刷及び搬送を再開し、次の積載用紙Psに対する処理を同様に行う。
【0048】
よって、このような用紙処理装置Mを用いれば、スタックトレイ8には奇麗に整った積載用紙Psをスタックすることができる。また、中間トレイ2からスタックトレイ8に移動させる際における積載用紙Psの移動速度を小さくするなどの制御上の変更が不要なため、用紙処理装置Mの処理速度が低下する不具合、即ち、処理能力が犠牲となる不具合を回避できるとともに、処理速度の高速化も容易に実現することができる。
【0049】
次に、排出ローラ機構部3により排出された用紙Pを、直接スタックトレイ8にストレート排出する場合について説明する。
【0050】
この場合、各部の状態は、図9に示す状態で停止し、この停止状態が維持される。即ち、シェルフ部43…は後退した位置となる固定トレイ部2a…に一致する位置に、フィンガ部46は中間トレイ2における後位置Xrに、クランパ部47…は後退位置Xbに、それぞれ停止している。また、パドルローラ6は、用紙ガイドモードAgにより、カット面6rcが、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置(角度)Rsで停止するとともに、スタックトレイ8は、仮想線で示す下降位置Xseにセットされる。
【0051】
今、オペレータがスタートボタンをONにしたことにより印刷装置100の動作が開始した場合を想定する。印刷装置100では、印刷処理が行われ、印刷された用紙Pは、用紙排出口101から排出されるとともに、用紙給入口30iに進入し、用紙Pは、第一搬送路32,パンチング機構33,第二搬送路34,排出ローラ機構部3の経路で搬送される。そして、用紙Pが排出ローラ機構部3を通過すれば、図2に示すように、用紙Pは搬送空間Sを矢印Fd方向にそのまま落下し、仮想線で示すスタックトレイ8内に収容されるストレート排出が行われる。
【0052】
この際、用紙ガイドモードAgにより、パドルローラ6…のカット面6rc…は、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止しているため、カット面6rc…(フィン部6f…も含む)を用紙Pに対してストレート排出させるガイド面として機能させることができ、用紙Pを円滑かつ確実に下方へ導くことができる。したがって、パドルローラ6…による用紙Pの取込機能に対して別経路で搬送するストレート排出機能を付加する場合であっても、全体の処理速度の高速化,電力消費の無駄解消及び用紙Pの品質確保を図れるとともに、部品点数の削減による装置全体のコストダウン及び小型化を図ることができる。
【0053】
また、搬送空間Sに沿うガイドプレート部9を備え、このガイドプレート部9に形成した切欠部9c…からパドルローラ6…の一部を突出させるとともに、パドルローラ6…を、カット面6rc…が排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させた際に、カット面6rc…がガイドプレート部9のガイド面9gに略一致又はこのガイド面9gより内側に位置するように構成したため、当該ガイド面9gを本来のガイド面として機能させることができるとともに、カット面6rc…によりガイド面9gを補助することができるため、ストレート排出をより安定かつ確実に行うことができる。
【0054】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0055】
例えば、用紙Pの素材は限定されるものではなく、紙のみならず樹脂等のシートであってもよい。また、パドルローラ6のフィン部6f…には、ゴム製弾性シートを用いる場合を示したが、刷毛を用いるなど、他の同様の機能を有するフィン部6f…を適用できる。さらに、用紙処理用ローラ機構1の下方に、スタックトレイ8を配した場合を示したが、次の工程に搬送する搬送機構等を配してもよい。他方、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sに沿うガイドプレート部9を設けた場合を示したが、ガイドプレート部9は必ずしも設けることを要しない。また、中間トレイ2は、用紙Pを一時保留する機能を有すれば足り、その名称に捕らわれるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、順次搬送される用紙を中間トレイに取り込むためのパドルローラを備える各種用途における用紙処理用ローラ機構に利用でき、印刷装置等に付属する各種用紙処理装置或いは単独となる各種用途における用紙処理装置に利用できる。したがって、用紙は印刷用紙のみならず各種用紙を適用できる。
【符号の説明】
【0057】
1:用紙処理用ローラ機構,2:中間トレイ,3:排出ローラ機構部,4:パドル回転駆動部,5:回転シャフト,6…:パドルローラ,6r:回転体部,6rs:回転体部の周面,6f…:フィン部,6rc:カット面,7:制御部,8:スタックトレイ,9:ガイドプレート部,9c…:切欠部,9g:ガイド面,P:用紙,M:用紙処理装置,S:搬送空間,Rs:カット面の位置,Rh:カット面の位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、順次搬送される用紙を中間トレイに取り込むためのパドルローラを備える用紙処理用ローラ機構及びこの用紙処理用ローラ機構を備える用紙処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、順次搬送される用紙を一時保留するための中間トレイ(用紙保留部)に取り込むためのパドルローラを有する用紙処理用ローラ機構を備える用紙処理装置としては、特許文献1で開示される用紙処理装置が知られている。
【0003】
同文献1に開示される用紙処理装置は、所定の用紙を揃えて一時保留するバインド装置であって、所定の位置に用紙を搬送する用紙搬送部と、この用紙搬送部によって搬送される複数枚の用紙を揃えて一時保留する用紙保留部を有するバインダ紙揃えユニットとを備え、バインダ紙揃えユニットは、用紙の先端と横端を基準位置に揃えるためのパドルローラユニットを有しており、このパドルローラユニットは、所定の厚み、かつ、所定の弾性を有したフィンを2枚以上重ねてなる多重フィンを回転本体部の周囲に複数設けられた二重フィン構造を有した構成を備えている。
【0004】
これにより、パンチ機能により穿設された用紙(記録用紙)は、パドルローラユニットのパドルホイールの掻き込み動作により順次用紙保留部に取込まれるとともに、用紙保留部上に所定枚数の用紙が積載されたなら、自動でリングバインド等の綴じ処理がなされ、この後、綴じ処理された冊子は、用紙保留部から排出されることにより、スタック上にスタックされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−39147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した従来の用紙処理装置は、次のような問題点があった。即ち、搬送される用紙(記録用紙)は、パドルホイールの掻き込み動作により用紙保留部に取込まれ、この後、スタックに排出されるが、用紙によっては、綴じることなく、そのままスタックに排出(ストレート排出)させたい場合もある。この場合、用紙は、パドルホイールの掻き込み動作や用紙保留部を経由してスタックまで搬送されるため、いわば無用な経路を搬送される。したがって、全体の処理速度が遅くなり、無駄な電力消費を強いられるとともに、煩雑な搬送経路の通過により、用紙、特に、薄い用紙の場合には、皺等が発生して用紙の品質を損なう虞れもある。
【0007】
一方、このような不具合を回避するためには、パドルホイールの手前に分岐路を設け、搬送される用紙を、この分岐路で分岐させることにより、直接スタックに排出させる経路を構築することも可能であるが、この場合であっても、搬送機構が複雑化し、部品点数の増加及び配設スペースの拡大を招くとともに、装置全体のコストアップ及び大型化を招く問題を生じる。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した用紙処理用ローラ機構及び用紙処理装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る用紙処理用ローラ機構1は、上述した課題を解決するため、少なくとも、順次搬送される用紙Pを中間トレイ2に取り込むための一又は二以上のパドルローラを備える用紙処理用ローラ機構であって、順次搬送される用紙Pを排出する排出ローラ機構部3の下方に配し、かつパドル回転駆動部4により回転する回転シャフト5及びこの回転シャフト5に取付けた一又は二以上のパドルローラ6…を備え、パドルローラ6を、中心に回転シャフト5が貫通する回転体部6r及びこの回転体部6rの周面6rsから放射方向に突出した複数の柔軟性を有するフィン部6f…により構成するとともに、回転体部6rを、端面がDカット形状となる円盤状に形成し、かつDカット形状におけるカット面6rcを除く回転体部6rの周面6rsに、フィン部6f…を配することを特徴とする。
【0010】
一方、本発明に係る用紙処理装置Mは、上述した課題を解決するため、少なくとも、順次搬送される用紙Pを中間トレイ2に取り込むための一又は二以上のパドルローラを有する用紙処理用ローラ機構を備える用紙処理装置であって、順次搬送される用紙Pを排出する排出ローラ機構部3の下方に配し、かつパドル回転駆動部4により回転する回転シャフト5及びこの回転シャフト5に取付けた一又は二以上のパドルローラ6…を備え、パドルローラ6を、中心に回転シャフト5が貫通する回転体部6r及びこの回転体部6rの周面6rsから放射方向に突出した複数の柔軟性を有するフィン部6f…により構成するとともに、回転体部6rを、端面がDカット形状となる円盤状に形成し、かつDカット形状におけるカット面6rcを除く回転体部6rの周面6rsに、フィン部6fを配してなる用紙処理用ローラ機構1と、パドル回転駆動部4を駆動制御し、少なくともカット面6rc…を所定の位置で停止させる制御を行う制御部7とを備えてなることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明は、好適な態様により、パドルローラ6のフィン部6f…には、ゴム製弾性シートを用いることができる。また、用紙処理装置Mにおいて、用紙処理用ローラ機構1の下方には、スタックトレイ8を配することができる。他方、用紙処理装置Mに備える制御部7には、回転体部6r…を、予め設定した回転数だけ回転させる用紙取込モードAi,カット面6rc(フィン部6f…を含む)を、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させる制御を行う用紙ガイドモードAg,カット面6rcを、中間トレイ2のトレイ面2fに対向する位置Rhに停止させる制御を行う用紙通過モードAp、の一つ又は二つ以上を設けることができる。さらに、用紙処理装置Mには、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sに沿うガイドプレート部9を設け、このガイドプレート部9に形成した切欠部9c…からパドルローラ6…の一部を突出させるとともに、パドルローラ6…を、カット面6rc…が排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させた際に、カット面6rc…がガイドプレート部9のガイド面9gに略一致又はこのガイド面9gより内側に位置するように構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
このような構成を有する本発明に係る用紙処理用ローラ機構1及び用紙処理装置Mによれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0013】
(1) 搬送される用紙Pを綴じることなく、そのままストレート排出する場合、停止させたパドルローラ6…のカット面6rc…(フィン部6f…を含む)を、用紙Pに対するガイド面として機能させることができるため、排出ローラ機構部3から排出された用紙Pをそのまま下方へストレート排出させることが可能となる。したがって、パドルローラ6…による用紙Pの取込機能に対して別経路で搬送するストレート排出機能を付加する場合であっても、全体の処理速度の高速化,電力消費の無駄解消及び用紙Pの品質確保を図れるとともに、部品点数の削減による装置全体のコストダウン及び小型化を図ることができる。
【0014】
(2) 好適な態様により、パドルローラ6のフィン部6f…に、シリコンゴムシート等のゴム製弾性シートを用いれば、ゴム製弾性シートの特性(物性)により、用紙Pの取り込みを確実かつ円滑に行うことができるとともに、比較的低コストに実施することができる。
【0015】
(3) 好適な態様により、用紙処理装置Mにおいて、用紙処理用ローラ機構1の下方に、スタックトレイ8を配すれば、排出ローラ機構部3から排出された用紙Pを、直接スタックトレイ8にストレート排出可能になるため、全体の処理速度の高速化,電力消費の無駄解消,用紙Pの品質確保,部品点数の削減,装置全体のコストダウン及び小型化を図る観点からより大きなパフォーマンスを得ることができる。
【0016】
(4) 好適な態様により、用紙処理装置Mの制御部7に、回転体部6r…を、予め設定した回転数だけ回転させる用紙取込モードAiを設ければ、Dカット形状に形成した円盤状のパドルローラ6…を用いる場合であっても、パドルローラ6…を連続回転させることにより、中間トレイ2に対する用紙Pの取り込み処理を有効かつ確実に行うことができる。
【0017】
(5) 好適な態様により、用紙処理装置Mの制御部7に、カット面6rc…を、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させる制御を行う用紙ガイドモードAgを設ければ、カット面6rc…(フィン部6f…を含む)を用紙Pに対してストレート排出させるガイド面として機能させることができるため、用紙Pを円滑かつ確実に下方へ導くことができるとともに、モード切換も容易に行うことができる。
【0018】
(6) 好適な態様により、用紙処理装置Mに、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sに沿うガイドプレート部9を設け、このガイドプレート部9に形成した切欠部9c…からパドルローラ6…の一部を突出させるとともに、パドルローラ6…を、カット面6rc…が排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させた際に、カット面6rc…がガイドプレート部9のガイド面9gに略一致又はこのガイド面9gより内側に位置するように構成すれば、当該ガイド面9gを本来のガイド面として機能させることができるとともに、カット面6rc…によりガイド面9gを補助することができるため、ストレート排出をより安定かつ確実に行うことができる。
【0019】
(7) 好適な態様により、用紙処理装置Mの制御部7に、カット面6rc…を、中間トレイ2のトレイ面2fに対向する位置Rhに停止させる制御を行う用紙通過モードApを設ければ、中間トレイ2のトレイ面2fに積載された複数の用紙P…をスタックトレイ8に移動させる場合でも、必要十分な空間を確保可能となり、用紙P…を確実に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の好適実施形態に係る用紙処理用ローラ機構及び周辺構造を示す外観斜視図、
【図2】同用紙処理装置のパドルローラの機能説明図、
【図3】同用紙処理装置の内部構造図、
【図4】同用紙処理装置を装着した状態を示す印刷装置の外観正面図、
【図5】同用紙処理装置の中間トレイ及び周辺構造を示す斜視図、
【図6】同用紙処理装置に備える用紙処理用ローラ機構の斜視図、
【図7】同用紙処理用ローラ機構に備えるパドルローラの斜視図、
【図8】同用紙処理装置の制御系におけるブロック系統図、
【図9】同用紙処理装置の動作時における各部の状態を示す模式図、
【図10】同用紙処理装置の動作時における各部の他の状態を示す模式図、
【図11】同用紙処理装置の動作時における各部の他の状態を示す模式図、
【図12】同用紙処理装置の動作時における各部の他の状態を示す模式図、
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
まず、本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1を備える用紙処理装置Mの概略構成について、図3及び図4を参照して説明する。
【0023】
用紙処理装置Mは、図4に示すように、印刷装置100の用紙排出口101に対して着脱可能なオプションユニットUとして構成する。このため、印刷装置100には、オプションユニットUを収容して装着するためのユニット装着部102を備えている。なお、印刷装置100において、103は印刷部、104は用紙カセットの装填部を示す。このように、用紙処理装置Mを、印刷装置100の用紙排出口101に対して着脱可能なオプションユニットUとして構成すれば、印刷装置100の多機能性及び付加価値をより高めることができる。
【0024】
一方、用紙処理装置Mは、図3に示すように、全体を覆うハウジング30を備え、このハウジング30の一端側の側面には、上述した用紙排出口101から排出された用紙Pが送り込まれる用紙給入口30iを有するとともに、ハウジング30の他端側からはスタックトレイ8が突出する。したがって、オペレータはこのスタックトレイ8上から、用紙P…又は積載用紙Ps…を取出すことができる。他方、ハウジング30の内部には、図3に示す用紙処理部31及び図8に示す制御部7を配設する。用紙処理部31には、主要機構として、第一搬送路32,パンチング機構33,第二搬送路34,排出ローラ機構部3,本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1,中間トレイ2,ステープラ機構35及びスタックトレイ8を含み、これらは用紙給入口30iから用紙Pの搬送経路に沿って順次配設するとともに、中間トレイ2には、トレイ補助機構36,第一送出機構37及び第二送出機構38を付設する。
【0025】
次に、本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1の構成について、図1〜図8を参照して具体的に説明する。
【0026】
用紙処理用ローラ機構1は、基本的な機能として、供給された用紙Pを中間トレイ2に取り込む機能を備え、図6に示すように、回転シャフト5の軸方向へ所定間隔おきに取付けた複数(例示は四つ)のパドルローラ6…を備える。図7は一つのパドルローラ6を示す。パドルローラ6は回転体部6rの放射方向に突出した柔軟性を有する複数(例示は7つ)のフィン部6f…を周方向へ所定間隔(一定間隔)おきに配して構成する。フィン部6fは、ゴム製弾性シート、望ましくは、シリコンゴムシートにより形成するとともに、回転体部6rは、一定の厚さを有する円盤状に形成する。この場合、回転体部6rは、端面がDカット形状となるように形成する。これにより、回転体部6rの周面にはカット面6rcが形成されるが、このカット面6rcにはフィン部6f…を設けない。また、4は、回転シャフト5を回転駆動するパドル回転駆動部を示す。
【0027】
このように、用紙処理用ローラ機構1を構成するに際し、放射方向に突出した柔軟性を有する複数のフィン部6f…を周方向へ所定間隔おきに配してなるパドルローラ6…、特に、フィン部6f…に、シリコンゴムシート等のゴム製弾性シートを用いて構成すれば、ゴム製弾性シートの特性(物性)により、供給される用紙Pに対して中間トレイ2に対する取り込みを確実かつ円滑に行うことができるとともに、比較的低コストに実施することができる。
【0028】
一方、用紙処理用ローラ機構1に関連して、この用紙処理用ローラ機構1の上方には、駆動ローラ3d及び空転ローラ3uにより構成した排出ローラ機構部3を配設する。これにより、上述した用紙排出口101から搬送された用紙Pは、パドルローラ6…の近傍における所定位置に排出、即ち、落下させることができる。したがって、排出ローラ機構部3の位置等の選定により、パドルローラ6…により取り込むことができる最適位置に用紙Pを供給することができる。この排出ローラ機構部3は、排出ローラ回転駆動部41(図8)により回転する。
【0029】
また、図3に示すように、用紙処理用ローラ機構1の下方であって、後述する中間トレイ2の前方にはスタックトレイ8を配設する。このように、用紙処理用ローラ機構1の下方に、スタックトレイ8を配設すれば、排出ローラ機構部3から排出された用紙Pを、直接スタックトレイ8にストレート排出可能になり、全体の処理速度の高速化,電力消費の無駄解消,用紙Pの品質確保,部品点数の削減,装置全体のコストダウン及び小型化を図る観点からより大きなパフォーマンスを得ることができる。
【0030】
さらに、図1(図2)に示すように、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sに沿うガイドプレート部9を配設し、このガイドプレート部9の下辺に形成した切欠部9c…からパドルローラ6…の一部を突出させる。この場合、ガイドプレート部9とパドルローラ6…の位置関係は、パドルローラ6…のカット面6rc…を、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させた際に、カット面6rc…がガイドプレート部9のガイド面9gに略一致又はこのガイド面9gより内側(スタックトレイ8に対して反対側)に位置するように選定する。これにより、ガイド面9gを本来のガイド面として機能させることができるとともに、カット面6rc…によりガイド面9gを補助することができるため、ストレート排出をより安定かつ確実に行うことができる。
【0031】
次に、用紙処理用ローラ機構1以外における用紙処理装置Mの主要構成部分について、図1〜図8を参照して説明する。
【0032】
排出ローラ機構部3の搬送方向手前、即ち、排出ローラ機構部3と用紙給入口30i間の中間位置には、搬送される用紙Pの一又は二以上の位置に孔明けを行うパンチング機構33を配設する。なお、このパンチング機構33には、用紙Pの角度及び位置を矯正するレジローラ機構部42を備える。このようなパンチング機構33を設ければ、用紙処理装置MをオプションユニットUとして構成した際の多機能性及び付加価値をより高めることができる。また、用紙給入口30iとパンチング機構33間には、上下一対のガイドプレートにより形成した第一搬送路32を設けるとともに、パンチング機構33と排出ローラ機構部3間には、上下一対のガイドプレートにより形成した第二搬送路34を設ける。
【0033】
さらに、用紙処理用ローラ機構1の下方には、図5に示す中間トレイ2を配設する。この場合、中間トレイ2の前端(スタックトレイ8側)は、図3に示すように、パドルローラ6…の直下に位置させる。また、中間トレイ2は、図5に示すように、横方向に四分割し、かつ所定間隔おきに配した固定トレイ部2a,2b,2c,2dを備え、各固定トレイ部2a…は、支持ベース部2x上に固定することにより全体を一体的に構成する。この際、各固定トレイ部2a…の間には支持空間を設けるとともに、各固定トレイ部2a…の前側上面は前下がりの傾斜面に形成する。
【0034】
そして、両側に位置する二つの支持空間を利用してトレイ補助機構36を配設する。トレイ補助機構36は、中間トレイ2を補助する一対のシェルフ部43,43を備え、このシェルフ部43…は支持空間をそれぞれ埋める形状に形成するとともに、固定トレイ部2a,2dによりそれぞれ前後方向へスライド自在に支持される。この場合、シェルフ部43…の下面は、摩擦形状に形成し又は摩擦部材(摩擦処理)を付すことにより、用紙Pに対する摩擦面として構成する。これにより、スタックトレイ8の上方に位置させた際には用紙Pを押さえ、中間トレイ2側の処理により用紙Pにズレ等が生じる悪影響を防止できる。また、トレイ補助機構36には、シェルフ部43…の前端43f…が中間トレイ2の前位置Xsからスタックトレイ8の上方に位置する突出位置Xpまで移動可能なシェルフ移動機構部44を備える。よって、このようなトレイ補助機構36を設ければ、中間トレイ2とスタックトレイ8間の連続性を確保できるため、中間トレイ2に対する用紙Pの取り込み及びスタックトレイ8に対する積載用紙Psの移動を確実かつ円滑(安定)に行うことができる。
【0035】
さらに、中央の支持空間を利用して第一送出機構37を配設する。第一送出機構37は、パドルローラ6…により中間トレイ2に取り込まれた用紙Pの後端Prが当接可能なコの字形に形成したフィンガ部46を備え、このフィンガ部46は固定トレイ部2bと2cにより前後方向へスライド自在に支持される。一方、第一送出機構37に対応させて第二送出機構38を配設する。第二送出機構38は、中間トレイ2の後位置Xrと中間位置Xm間における所定位置で積載用紙Psの後端Psrに当接可能な一対のクランパ部47,47を備える。クランパ部47は、所定の厚さを有するプレート材(ブロック材)を用いてL形に形成する。このクランパ部47…により積載用紙Psの捲れや浮上がりを容易に防止することができる。また、第一送出機構37は、フィンガ部46を中間トレイ2の後位置Xrから中間位置Xmまで移動可能なフィンガ移動機構48を備えるとともに、第二送出機構38は、クランパ部47…を後退位置Xbから前進位置Xfまで移動可能なクランパ移動機構49を備え、フィンガ移動機構48は共用回転駆動部50により駆動されるとともに、クランパ移動機構49はフィンガ移動機構48対して一部移動区間において連動機構を介して連動する。
【0036】
他方、スタックトレイ8は、図3に示すトレイ昇降機構部51により支持され、このトレイ昇降機構部51により昇降する。また、フィンガ部46に隣接してステープラ機構35を配設する。このステープラ機構35は、中間トレイ2の後位置Xrにおけるフィンガ部46に対して、後端Psrが係止した積載用紙Psの一又は二以上の位置を、ステープラ針により止めて綴じることができる。このようなステープラ機構35を備えて構成すれば、ステープラ機構35の使用に加え、ステープラ機構35の非使用時における積載用紙Psの乱れ(崩れ)を防止することができる。その他、図5において、52,52は、固定トレイ部2a,2dの後端に固定して設けた固定フィンガ部であり、この固定フィンガ部52…の前後方向位置は、中間トレイ2の後位置Xrにおけるフィンガ部46の位置に一致させる。
【0037】
一方、図8は、制御部7を含む制御系の構成を示す。制御部7は、CPU,ROM,RAM,電源ユニット等を含むコンピュータ機能を有する処理装置コントローラ71を備え、この処理装置コントローラ71は、少なくとも本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1を含む用紙処理装置Mの全体における一連の制御(シーケンス制御)を実行するための制御プログラムを格納したプログラムメモリ71pを有するとともに、各種データ(データベース)を記憶するデータメモリ71dを有する。
【0038】
特に、制御部7は、本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1を制御する三つのモード、即ち、用紙取込モードAi,用紙ガイドモードAg及び用紙通過モードApを備えている。用紙取込モードAiは、パドル回転駆動部4を駆動制御することにより、回転体部6r…を、予め設定した回転数だけ回転させるモードであり、この用紙取込モードAiを用いれば、Dカット形状に形成した円盤状のパドルローラ6…を用いる場合でも、パドルローラ6…を連続回転させることにより、中間トレイ2に対する用紙Pの取り込み処理を有効かつ確実に行うことができる。また、用紙ガイドモードAgは、パドル回転駆動部4を駆動制御することにより、カット面6rc…(フィン部6f…を含む)を、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rs、即ち、図2に実線で示す位置Rsに停止させる制御を行うモードであり、この用紙ガイドモードAgを用いれば、カット面6rc…を用紙Pに対してストレート排出させるガイド面として機能させることができるため、用紙Pを円滑かつ確実に下方へ導くことができるとともに、モード切換も容易に行うことができる。さらに、用紙通過モードApは、パドル回転駆動部4を駆動制御することにより、カット面6rc…を、中間トレイ2のトレイ面2fに対向する位置Rh、即ち、図2に仮想線で示す位置Rhに停止させる制御を行うモードであり、この用紙通過モードApを用いれば、中間トレイ2のトレイ面2fに積載された複数の用紙P…をスタックトレイ8に移動させる場合でも、必要十分な空間を確保可能となり、用紙P…を確実に移動させることができる。
【0039】
また、処理装置コントローラ71は、インターフェース(IF)72を介して印刷装置100側の制御系(印刷装置コントローラ)と接続し、制御の同期化やデータの授受等が行われる。さらに、センサ類として、レジローラ機構部42の手前に配したレジセンサ73,排出ローラ機構部3の手前に配した排出センサ74,及びスタックトレイ8の上端位置Xuの近傍に配したスタックセンサ75を備え、各センサ73,74,75は処理装置コントローラ71のセンサ入力ポートに接続するとともに、用紙処理用ローラ機構1のパドル回転駆動部4,排出ローラ機構部3における排出ローラ回転駆動部41,シェルフ移動機構部44,第一送出機構37及び第二送出機構38における共用回転駆動部50,トレイ昇降機構部51,パンチング機構33及びステープラ機構35は、処理装置コントローラ71の制御出力ポートに接続する。
【0040】
次に、本実施形態に係る用紙処理用ローラ機構1を含む用紙処理装置Mの動作について、各図を参照して説明する。
【0041】
最初に、複数の用紙P…を中間トレイ2上に積載し、積載後の積載用紙Psをスタックトレイ8に排出する場合について説明する。
【0042】
図9は、停止時における各部の状態を示しており、シェルフ部43…は後退した位置となる固定トレイ部2a…に一致する位置に、フィンガ部46は中間トレイ2における後位置Xrに、クランパ部47…は後退位置Xbに、それぞれ停止している。また、パドルローラ6は、カット面6rcが、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置(角度)Rsで停止するとともに、スタックトレイ8は、スタックセンサ75により検出される上端位置Xuにある。この場合、スタックトレイ8上に積載用紙Psが存在する場合には当該積載用紙Psの上端が上端位置Xuとなる。
【0043】
今、オペレータがスタートボタンをONにしたことにより印刷装置100の動作が開始した場合を想定する。これにより、シェルフ部43…は、図9に示す位置から図10に示す位置まで前進、即ち、シェルフ部43…の前端43f…が中間トレイ2の前位置Xsからスタックトレイ8の上方に位置する突出位置Xpまで移動する。この状態を図10に示す。この場合、スタックトレイ8は上端位置Xuにあり、スタックトレイ8の上面とシェルフ部43…の下面間における隙間は僅かである。
【0044】
一方、印刷装置100では、印刷処理が行われ、印刷された用紙Pは、用紙排出口101から排出されるとともに、用紙給入口30iに進入し、用紙Pは、第一搬送路32,パンチング機構33,第二搬送路34,排出ローラ機構部3の経路で搬送される。この際、パンチング機構33による孔明け処理が設定されている場合には、パンチング機構33で一旦停止し、孔明けが行われる。そして、用紙Pが排出ローラ機構部3を通過し、用紙Pの後端Prが排出センサ74により検出されたなら、予め設定したタイミング調整時間の経過後、パドルローラ6…が、図3(図10)中、反時計方向に回転する。これにより、排出ローラ機構部3から排出された用紙Pは、パドルローラ6…により後方へ送られ、中間トレイ2に取り込まれるとともに、用紙Pの後端Prがフィンガ部46及び固定フィンガ部52…に当接する。図2中、矢印Feは、用紙Pが排出ローラ機構部3により排出される方向を示しているとともに、矢印Fdは、排出ローラ機構部3により排出された用紙Pが搬送空間Sを落下する方向を示している。この際、パドルローラ6…は、用紙取込モードAiにより、用紙Pの後端Prがフィンガ部46に当接するタイミングを見計らった設定回転数だけ回転し、この後、図9に示すカット面6rc…が、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsで停止する。
【0045】
以上の動作(処理)を、用紙Pが設定枚数Nに達するまで同様に繰り返して行う。これにより、用紙Pが設定枚数Nに達すれば、中間トレイ2上には、N枚の用紙P…が積載された積載用紙Psが得られるため、一旦、用紙Pの印刷及び搬送を停止するとともに、用紙通過モードApにより、パドルローラ6…を、図11に示す位置(角度)Rh、即ち、カット面6rc…が中間トレイ2に対して対向し、略平行となる位置Rhで停止させる。この際、ステープラ機構35により綴じる処理が設定されている場合には、ステープラ機構35により積載用紙Psを綴じる処理を行う。しかし、設定されていない場合には、図11に示すように、ステープラ機構35を動作させることなく、フィンガ部46を前進させることにより、積載用紙Psを前方へ移動させる。図2中、矢印Fmは、積載用紙Psの移動方向を示している。
【0046】
この場合、共用回転駆動部50により、最初にフィンガ移動機構48が駆動され、積載用紙Psは、フィンガ部46のみにより移動するが、所定の連動位置に達すれば、クランパ移動機構49が連動機構を介してフィンガ移動機構48に連動し、クランパ部47…が後退位置Xbから前方へ移動(変位)を開始する。この際、クランパ部47…は不図示のガイドレールにガイドされ、向きを変えながら移動するとともに、増速機構によりフィンガ部46よりも速い速度で移動する。この結果、クランパ部47…は所定位置でフィンガ部46に追いつき、積載用紙Psの後端Psrに当接する。そして、クランパ部47…がフィンガ部46に追いついた後は、クランパ部47…がフィンガ部46を追い越し、クランパ部47…のみで積載用紙Psを移動させるとともに、クランパ部47…は図12に示す前進位置Xfまで移動する。この前進位置Xfは、積載用紙Psをスタックトレイ8の正規のスタック位置に積載する位置となる。即ち、積載用紙Psは、クランパ部47…により正規のスタック位置に正確に位置決めされ、もって、スタックトレイ8のスタック位置に確実にスタックされる。
【0047】
次いで、スタックトレイ8を下降させる。この際、積載用紙Psの上端位置Xuは、スタックセンサ75により検出され、上端位置Xuが検出されたなら下降を停止する。スタックトレイ8の下降が終了したなら、シェルフ部43…を、図12に示す位置、即ち、前端43f…が中間トレイ2の前位置Xsに一致する位置まで後退移動させる。さらに、シェルフ部43…の後退移動が終了したなら、フィンガ部46を後位置Xrまで後退移動させる。これにより、クランパ部47…も連動して後退位置Xbまで戻される。また、パドルローラ6…は、図9に示すように、カット面6rc…が、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsまで回転変位させる。この後、用紙Pの印刷及び搬送を再開し、次の積載用紙Psに対する処理を同様に行う。
【0048】
よって、このような用紙処理装置Mを用いれば、スタックトレイ8には奇麗に整った積載用紙Psをスタックすることができる。また、中間トレイ2からスタックトレイ8に移動させる際における積載用紙Psの移動速度を小さくするなどの制御上の変更が不要なため、用紙処理装置Mの処理速度が低下する不具合、即ち、処理能力が犠牲となる不具合を回避できるとともに、処理速度の高速化も容易に実現することができる。
【0049】
次に、排出ローラ機構部3により排出された用紙Pを、直接スタックトレイ8にストレート排出する場合について説明する。
【0050】
この場合、各部の状態は、図9に示す状態で停止し、この停止状態が維持される。即ち、シェルフ部43…は後退した位置となる固定トレイ部2a…に一致する位置に、フィンガ部46は中間トレイ2における後位置Xrに、クランパ部47…は後退位置Xbに、それぞれ停止している。また、パドルローラ6は、用紙ガイドモードAgにより、カット面6rcが、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置(角度)Rsで停止するとともに、スタックトレイ8は、仮想線で示す下降位置Xseにセットされる。
【0051】
今、オペレータがスタートボタンをONにしたことにより印刷装置100の動作が開始した場合を想定する。印刷装置100では、印刷処理が行われ、印刷された用紙Pは、用紙排出口101から排出されるとともに、用紙給入口30iに進入し、用紙Pは、第一搬送路32,パンチング機構33,第二搬送路34,排出ローラ機構部3の経路で搬送される。そして、用紙Pが排出ローラ機構部3を通過すれば、図2に示すように、用紙Pは搬送空間Sを矢印Fd方向にそのまま落下し、仮想線で示すスタックトレイ8内に収容されるストレート排出が行われる。
【0052】
この際、用紙ガイドモードAgにより、パドルローラ6…のカット面6rc…は、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止しているため、カット面6rc…(フィン部6f…も含む)を用紙Pに対してストレート排出させるガイド面として機能させることができ、用紙Pを円滑かつ確実に下方へ導くことができる。したがって、パドルローラ6…による用紙Pの取込機能に対して別経路で搬送するストレート排出機能を付加する場合であっても、全体の処理速度の高速化,電力消費の無駄解消及び用紙Pの品質確保を図れるとともに、部品点数の削減による装置全体のコストダウン及び小型化を図ることができる。
【0053】
また、搬送空間Sに沿うガイドプレート部9を備え、このガイドプレート部9に形成した切欠部9c…からパドルローラ6…の一部を突出させるとともに、パドルローラ6…を、カット面6rc…が排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sを確保する位置Rsに停止させた際に、カット面6rc…がガイドプレート部9のガイド面9gに略一致又はこのガイド面9gより内側に位置するように構成したため、当該ガイド面9gを本来のガイド面として機能させることができるとともに、カット面6rc…によりガイド面9gを補助することができるため、ストレート排出をより安定かつ確実に行うことができる。
【0054】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0055】
例えば、用紙Pの素材は限定されるものではなく、紙のみならず樹脂等のシートであってもよい。また、パドルローラ6のフィン部6f…には、ゴム製弾性シートを用いる場合を示したが、刷毛を用いるなど、他の同様の機能を有するフィン部6f…を適用できる。さらに、用紙処理用ローラ機構1の下方に、スタックトレイ8を配した場合を示したが、次の工程に搬送する搬送機構等を配してもよい。他方、排出ローラ機構部3からスタックトレイ8に至る搬送空間Sに沿うガイドプレート部9を設けた場合を示したが、ガイドプレート部9は必ずしも設けることを要しない。また、中間トレイ2は、用紙Pを一時保留する機能を有すれば足り、その名称に捕らわれるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、順次搬送される用紙を中間トレイに取り込むためのパドルローラを備える各種用途における用紙処理用ローラ機構に利用でき、印刷装置等に付属する各種用紙処理装置或いは単独となる各種用途における用紙処理装置に利用できる。したがって、用紙は印刷用紙のみならず各種用紙を適用できる。
【符号の説明】
【0057】
1:用紙処理用ローラ機構,2:中間トレイ,3:排出ローラ機構部,4:パドル回転駆動部,5:回転シャフト,6…:パドルローラ,6r:回転体部,6rs:回転体部の周面,6f…:フィン部,6rc:カット面,7:制御部,8:スタックトレイ,9:ガイドプレート部,9c…:切欠部,9g:ガイド面,P:用紙,M:用紙処理装置,S:搬送空間,Rs:カット面の位置,Rh:カット面の位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、順次搬送される用紙を中間トレイに取り込むための一又は二以上のパドルローラを備える用紙処理用ローラ機構において、順次搬送される用紙を排出する排出ローラ機構部の下方に配し、かつパドル回転駆動部により回転する回転シャフト及びこの回転シャフトに取付けた一又は二以上のパドルローラを備え、前記パドルローラを、中心に前記回転シャフトが貫通する回転体部及びこの回転体部の周面から放射方向に突出した複数の柔軟性を有するフィン部により構成するとともに、前記回転体部を、端面がDカット形状となる円盤状に形成し、かつ前記Dカット形状におけるカット面を除く前記回転体部の周面に、前記フィン部を配してなることを特徴とする用紙処理用ローラ機構。
【請求項2】
前記フィン部は、ゴム製弾性シートを用いることを特徴とする請求項1記載の用紙処理用ローラ機構。
【請求項3】
少なくとも、順次搬送される用紙を中間トレイに取り込むための一又は二以上のパドルローラを有する用紙処理用ローラ機構を備える用紙処理装置において、順次搬送される用紙を排出する排出ローラ機構部の下方に配し、かつパドル回転駆動部により回転する回転シャフト及びこの回転シャフトに取付けた一又は二以上のパドルローラを備え、前記パドルローラを、中心に前記回転シャフトが貫通する回転体部及びこの回転体部の周面から放射方向に突出した複数の柔軟性を有するフィン部により構成するとともに、前記回転体部を、端面がDカット形状となる円盤状に形成し、かつ前記Dカット形状におけるカット面を除く前記回転体部の周面に、前記フィン部を配してなる用紙処理用ローラ機構と、前記パドル回転駆動部を駆動制御し、少なくとも前記カット面を所定の位置で停止させる制御を行う制御部とを備えてなることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項4】
前記フィン部は、ゴム製弾性シートを用いることを特徴とする請求項3記載の用紙処理装置。
【請求項5】
前記用紙処理用ローラ機構の下方には、スタックトレイを配することを特徴とする請求項3又は4記載の用紙処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記回転体部を、予め設定した回転数だけ回転させる用紙取込モードを備えることを特徴とする請求項3,4又は5記載の用紙処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記カット面を、前記排出ローラ機構部から前記スタックトレイに至る搬送空間を確保する位置に停止させる制御を行う用紙ガイドモードを備えることを特徴とする請求項5記載の用紙処理装置。
【請求項8】
前記排出ローラ機構部から前記スタックトレイに至る搬送空間に沿うガイドプレート部を備え、このガイドプレート部に形成した切欠部から前記パドルローラの一部を突出させるとともに、前記パドルローラを、前記カット面が前記排出ローラ機構部から前記スタックトレイに至る搬送空間を確保する位置で停止させた際に、前記カット面が前記ガイドプレート部のガイド面に略一致又はこのガイド面より内側に位置するように構成することを特徴とする請求項7記載の用紙処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記カット面を、前記中間トレイのトレイ面に対向する位置に停止させる制御を行う用紙通過モードを備えることを特徴とする請求項3,4又は5記載の用紙処理装置。
【請求項1】
少なくとも、順次搬送される用紙を中間トレイに取り込むための一又は二以上のパドルローラを備える用紙処理用ローラ機構において、順次搬送される用紙を排出する排出ローラ機構部の下方に配し、かつパドル回転駆動部により回転する回転シャフト及びこの回転シャフトに取付けた一又は二以上のパドルローラを備え、前記パドルローラを、中心に前記回転シャフトが貫通する回転体部及びこの回転体部の周面から放射方向に突出した複数の柔軟性を有するフィン部により構成するとともに、前記回転体部を、端面がDカット形状となる円盤状に形成し、かつ前記Dカット形状におけるカット面を除く前記回転体部の周面に、前記フィン部を配してなることを特徴とする用紙処理用ローラ機構。
【請求項2】
前記フィン部は、ゴム製弾性シートを用いることを特徴とする請求項1記載の用紙処理用ローラ機構。
【請求項3】
少なくとも、順次搬送される用紙を中間トレイに取り込むための一又は二以上のパドルローラを有する用紙処理用ローラ機構を備える用紙処理装置において、順次搬送される用紙を排出する排出ローラ機構部の下方に配し、かつパドル回転駆動部により回転する回転シャフト及びこの回転シャフトに取付けた一又は二以上のパドルローラを備え、前記パドルローラを、中心に前記回転シャフトが貫通する回転体部及びこの回転体部の周面から放射方向に突出した複数の柔軟性を有するフィン部により構成するとともに、前記回転体部を、端面がDカット形状となる円盤状に形成し、かつ前記Dカット形状におけるカット面を除く前記回転体部の周面に、前記フィン部を配してなる用紙処理用ローラ機構と、前記パドル回転駆動部を駆動制御し、少なくとも前記カット面を所定の位置で停止させる制御を行う制御部とを備えてなることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項4】
前記フィン部は、ゴム製弾性シートを用いることを特徴とする請求項3記載の用紙処理装置。
【請求項5】
前記用紙処理用ローラ機構の下方には、スタックトレイを配することを特徴とする請求項3又は4記載の用紙処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記回転体部を、予め設定した回転数だけ回転させる用紙取込モードを備えることを特徴とする請求項3,4又は5記載の用紙処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記カット面を、前記排出ローラ機構部から前記スタックトレイに至る搬送空間を確保する位置に停止させる制御を行う用紙ガイドモードを備えることを特徴とする請求項5記載の用紙処理装置。
【請求項8】
前記排出ローラ機構部から前記スタックトレイに至る搬送空間に沿うガイドプレート部を備え、このガイドプレート部に形成した切欠部から前記パドルローラの一部を突出させるとともに、前記パドルローラを、前記カット面が前記排出ローラ機構部から前記スタックトレイに至る搬送空間を確保する位置で停止させた際に、前記カット面が前記ガイドプレート部のガイド面に略一致又はこのガイド面より内側に位置するように構成することを特徴とする請求項7記載の用紙処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記カット面を、前記中間トレイのトレイ面に対向する位置に停止させる制御を行う用紙通過モードを備えることを特徴とする請求項3,4又は5記載の用紙処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−30953(P2012−30953A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173438(P2010−173438)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(000214836)長野日本無線株式会社 (140)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(000214836)長野日本無線株式会社 (140)
【Fターム(参考)】
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