説明

用紙反転装置及び該用紙反転装置を備えた製本システム

【課題】用紙反転装置において積層された複数枚の用紙を反転させる。
【解決手段】円弧状の反転経路B2を有する反転部64と、導入経路B1を有する用紙導入部65と、排出経路B3を有する用紙排出部66とを備えている。用紙導入部65は、第1の搬送ベルト72を有し、反転部64は、反転経路B2の円弧状内周に沿って移動する第2の搬送ベルト63と、反転経路B2の外周に沿って配置され、第2の搬送ベルト63に対して冊子の厚みよりも広い間隔で対向する反転ガイド61を有している。用紙排出部66は第3の搬送ベルト93を有している。第1、第2及び第3の搬送ベルト63,72,93には、搬送される用紙の搬送方向の長さよりも広い間隔で配置された複数の搬送突起84,73,93が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は用紙反転装置及び該用紙反転装置を備えた製本システムに関し、特に、非接着状態の複数の用紙を一度に反転させる場合や、仮接着あるいは本接着された複数枚の用紙を、冊子単位で反転させる場合に適した用紙反転装置及びこれを備えた製本システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図19は、製本システム等に備えられる用紙反転装置の第1の従来例(特許文献1)を示しており、製本システムは、多数の用紙Pを積載しているスタック部101と、該スタック部101上の用紙Pを一枚ずつ取り出して次工程に搬入する搬入装置102と、搬入された用紙Pの幅方向の一端辺に糊を塗布する糊付け装置103と、糊付けされた用紙Pの縦横を方向変換する縦横変換装置104と、方向変換された用紙Pを表裏反転する反転装置105と、反転後の用紙Pを積載して、プレスすることにより冊子あるいは本を製作する製本装置106と、を備えている。前記反転装置105は、スイッチバック式であり、単位用紙Pを略垂直状態で一時的に収納する一対の反転ガイド110と、該反転ガイド105の下端部に配置された一対の送り込みローラ111及び一対の送り出しローラ112と、から構成されている。この反転装置内では、糊付けされた用紙Pを、一対の送り込みローラ111間で挟持して、一対に反転ガイド110間に送り込み、次に、一対の送り出しローラ112間で挟持して、排出するように構成されている。
【0003】
また、搬入部装置102は、湾曲状のガイド板115と、ガイド板115の内面により構成される湾曲状の搬送経路上に配置された複数の搬送ローラ116と、から構成されており、ストック部101上の用紙Pを、ガイド板115と複数の搬送ローラ116間で挟持し、表裏反転するようになっている。
【0004】
図20は、製本システムに備えられる用紙反転装置の第2の従来例(特許文献2)を示しており、製本システムには、糊付け装置121と、該糊付け装置121から搬出される用紙Pを表裏反転する反転装置122と、反転後の用紙Pを積載してプレスする製本装置123等を備えている。前記反転装置122は、一対の反転ガイド板125により、上下端部が湾曲状の反転経路を構成し、この反転経路の途中に一対のローラ126を配置している。そして一対に反転ローラ126間で用紙を挟持し、一対の反転ガイド板125間を通過させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−200862号公報
【特許文献2】特開2000−108543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記いずれの従来例1,2も、単一の用紙を反転する構成であるが、複数の用紙を一度に反転させたい場合、又は仮接着された複数枚の用紙を冊子単位で反転させたい場合に用いると、用紙をローラ間で挟持したり、あるいは複数のローラと反転ガイド間で挟持した状態で反転することになるので、反転中、ローラの磨耗あるいは摩擦係数の相違により、複数の用紙が互いにずれ、用紙の揃えが乱れ、冊子等の品質が低下する可能性が大きい。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて為された発明であり、非接着状態の複数の用紙を一度に反転させたり、仮接着あるいは本接着された複数枚の用紙を、冊子単位で反転させたりすることにより、反転作業の能率を向上させることができると共に、前記のように冊子単位等で反転させた場合において、用紙の揃えの乱れを防止し、品質のよい冊子等が製本可能となる用紙反転装置及び該用紙反転装置を用いた製本システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本願発明に係る用紙反転装置は、積層された複数枚の用紙を、積層状態を維持しつつ表裏反転させる用紙反転装置において、円弧状の反転経路を有し、反転経路の上端部及び下端部の一方の端部が反転始端部となり、他方の端部が反転終端部となっている反転部と、前記反転部外から前記反転始端部まで延びる導入経路を有する用紙導入部と、前記反転終端部から反転部外へ延び出す排出経路を有する用紙排出部と、を備えており、前記用紙導入部は、前記導入経路の下面に沿って移動する第1の搬送ベルトを有し、前記反転部は、前記反転経路の円弧状内周に沿って移動する第2の搬送ベルトと、前記反転経路の外周に沿って配置されると共に、前記第2の搬送ベルトに対して前記複数枚の用紙の積層厚さよりも広い間隔で対向する反転ガイドとを、有し、前記用紙排出部は、前記排出経路の下面に沿って移動する第3の搬送ベルトを有し、前記第1、第2及び第3の搬送ベルトには、搬送される前記用紙の搬送方向の長さよりも広い間隔で配置された複数の搬送突起がそれぞれ設けられている。
【0009】
また、本願発明は、上記構成に加え、次のような構成を備えている。
(a)前記第1,第2及び第3の搬送ベルトに形成された複数の前記搬送突起は、用紙搬送方向の間隔が総て同じに設定されており、前記反転始端部での用紙受け渡し時、前記第2の搬送ベルトの前記搬送突起の位置が前記第1の搬送ベルトの前記搬送突起の位置と同一位相又は直後に追従するように、前記第1及び第2の搬送ベルトの相対的な移動位置が設定され、前記反転終端部での用紙受け渡し時、前記第3の搬送ベルトの前記搬送突起の位置が前記第2の搬送ベルトの前記搬送突起の位置と同一位相又は直後に追従するように、前記第2及び第3の搬送ベルトの相対的な移動位置が設定されている。
【0010】
(b)前記第2の搬送ベルトは、前記反転経路の内周の曲率半径に略対応する半径を有する反転ローラに巻き掛けられている。また、この構成において、好ましくは、前記第2の搬送ベルト及び前記反転ローラは、用紙幅方向に間隔をおいて複数配置されている。
【0011】
(c)前記用紙導入部は、用紙搬送方向と直交する方向から前記第1の搬送ベルト上に前記用紙を投入する用紙投入部を備え、該用紙投入部には、用紙投入方向の先端側に用紙受け止め部材が設置されている。また、この構成において、好ましくは、前記用紙投入部は、制御部により、前記第1の搬送ベルトの前記搬送突起間に用紙を投入するように制御される。
【0012】
さらに本発明は、前記用紙反転装置を備えた製本システムも提供するものであり、この製本システムは、仮接着状態で積層された複数枚の用紙を冊子単位で供給可能な給紙装置と、揃えられた前記複数枚の仮接着状態の用紙を加圧接着することにより冊子を作製するプレス装置と、加圧接着された冊子単位の用紙を反転させる前記(a)乃至(c)のいずれか一つに記載の用紙反転装置と、を備えている。加えて、前記給紙装置から供給された前記複数枚の仮接着状態の用紙の端辺を揃えるジョガー装置を備えることもできる。
【発明の効果】
【0013】
(1)本発明に係る用紙反転装置によると、積層状態の複数の用紙を、ローラ等で表裏両面から挟持することなく、円弧状の反転経路内を搬送し、反転するので、反転作業の能率を向上させることができるのは勿論のこと、用紙を冊子単位等で反転させた場合において、用紙の揃えの乱れを防止し、品質のよい冊子等を提供することができる。特に、積層状態の複数の用紙を、搬送突起により上端あるいは下端の搬送始端から下端あるいは上端の搬送終端まで円弧状に移動するので、反転搬送中において、搬送突起により用紙の端縁をさらに精度良く揃えることができ、冊子等の品質がさらに向上する。
【0014】
(2)前記(a)のように構成すると、第1、第2及び第3の搬送ベルの相互間で複数の用紙を受け渡す時に、効率良く、かく確実に、搬送下流側の搬送ベルトに受け渡すことをできる。
【0015】
(3)前記(b)のように構成すると、複数の反転ローラを円弧状に配置して円弧状反転経路を構成する場合に比べ、用紙反転装置の構造が簡単になると共に、円弧状の反転経路中を、滑らかに用紙を搬送することができる。また、第2の搬送ベルト及び前記反転ローラは、用紙幅方向に間隔をおいて複数配置していると、反転中における用紙に皺が発生するのを防止できる。
【0016】
(4)前記(c)のように構成すると、用紙投入スペースをコンパクトにできると共に、簡単かつ確実に、第1の搬送ベルト上の所定位置に複数の用紙を投入できる。
【0017】
前記反転装置を備えた製本システムによると、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る用紙反転装置を備えた製本システムの簡略左側面図である。
【図2】図1の平面略図である。
【図3】図1の用紙反転装置の拡大左側面図である。
【図4】図3のIV-IV断面図である。
【図5】図3の平面図である。
【図6】図3の用紙反転装置の駆動機構を示す縦断右側面図である。
【図7】図6のVII矢視図(前面図)である。
【図8】ジョガー前の状態を示すジョガー装置の前面図である。
【図9】ジョガー中の状態を示す前記ジョガー装置の前面図である。
【図10】ジョガー終了時の状態を示す前記ジョガー装置の前面図である。
【図11】プレス前の状態を示すプレス装置の左側面図である。
【図12】プレス中の状態を示す前記プレス装置の左側面図である。
【図13】プレス中の状態を示す前記ジョガー装置の前面図である。
【図14】プレス終了時の状態を示す前記ジョガー装置の前面図である。
【図15】プレス終了後の移送時の状態を示す前記ジョガー装置の前面図である。
【図16】仮接着状態の複数の用紙(冊子)の一例を示す斜視図である。
【図17】仮接着状態の複数の用紙(冊子)の別の例を示す斜視図である。
【図18】非接着状態で積層された複数の用紙(の例を示す斜視図である。
【図19】第1の従来例の簡略側面図である。
【図20】第2の従来例の簡略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1乃至図18は、本発明の実施の形態に係る用紙反転装置及び該用紙反転装置を備えた製本システムであり、これらの図面に基づいて実施の形態を説明する。
【0020】
(製本システムにより製本される冊子の例)
まず、本接着あるいは仮接着状態の複数枚の用紙(冊子)の形態を説明する。図16の形態は、複数の用紙Pを、それらの幅方向の一端辺で接着剤により相互に接着して、冊子Sとしたものである。符号Kは接着剤塗布部分を示している。ここで、本接着とは、用紙Pに接着剤を塗布後、加圧し、ある程度接着剤が乾燥した状態で積層されていることを意味する。一方、仮接着とは、用紙Pに接着剤を塗布後、加圧前の状態で積層されていることを意味する。
【0021】
図17の形態は、図16と同様な接着状態の冊子Sと、単体の用紙P1とからなる形態である。
【0022】
また、図18の形態は、総ての用紙Pが非接着状態で積層された形態であり、このような形態の用紙でも、本実施の形態による用紙反転装置により、反転可能である。
【0023】
(製本システム全体の概要)
製本システム全体の簡略平面図である図2において、製本システムは、給紙装置1と、該給紙装置1の給紙方向F1側に配置されると共に前記給紙方向F1と直交する搬送方向(移送方向)F2を有するジョガー装置2と、該ジョガー装置2の上側に配置されたプレス装置3(加圧板50のみ表示)と、ジョガー装置2の搬送方向F2の下流側に配置された用紙反転装置4と、を備えている。用紙反転装置4の用紙排出方向F6側には、たとえば、製本された冊子を封筒に封入するための封入装置5が配置されている。なお、説明の都合上、前記給紙装置1の給紙方向F1を製本システム及び各装置における「前方」とし、給紙方向F1に見た左右を、製本システム及び各装置における「左右」として、以下、説明する。
【0024】
(給紙装置1の構成)
製本システムの左側面図を示す図1において、給紙装置1は、複数枚の用紙Pを仮接着状態の冊子単位(図16のような状態)でジョガー装置2に供給するものであり、用紙Pの幅方向(左右方向)の一方の端辺、たとえば左端縁に沿って接着剤を線状に塗布する接着剤塗布機構11と、所定枚数の前記複数の用紙Pを積載し、冊子単位でジョガー装置2に供給する積載供給機構12とを備えている。
【0025】
前記接着剤塗布機構11は、接着剤供給装置(図示せず)に接続された接着剤塗布ノズル15と、上下一対の搬送ベルト16とから構成され、搬送ベルト16の後端入口(反矢印F1側の後端)の近傍には、各用紙Pに附された接着剤塗布要否用マーク(バーコード等)を読み取る読み取りセンサー14が配置されている。すなわち、搬送ベルト16の入口付近において、用紙Pの前記マークを読み取り、接着剤が必要であることを示すマークを読み取った場合には、搬送ベルト16で用紙Pを搬送中に、接着剤塗布ノズル15から製を吐出し、その用紙の左端辺に接着剤を線状に塗布し、積載供給機構12へ供給する。一方、接着剤が不要なマークを読み取った場合には、接着剤塗布ノズル15から接着剤を吐出せず、搬送ベルト16によって積載供給機構12へ供給する。なお、上記接着剤塗布要否マークを用いない場合には、搬送される用紙Pをカウントし、用紙の供給順位により接着剤塗布の要否を判断し、制御することができる。
【0026】
積載供給機構12は、前記接着剤塗布機構11の搬送ベルト16の前端部近傍から略水平又は若干前上がり状態で前方に延びる下側搬送ベルト17と、該下側搬送ベルト17の後部の上側に配置された短い上側後部搬送ベルト18と、該上側後部搬送ベルト18の前端部近傍から前方に延びる上側前部搬送ベルト19と、該上側前部搬送ベルト19の前後方向の略中間部に配置された昇降自在な可動式ストッパー20と、を備えている。上側後部搬送ベルト18は、下側搬送ベルト17と略平行に配置されているが、上側前部搬送ベルト19は、前下がりに傾斜し、かつ、下側搬送ベルト17の前端部よりも前方(給紙方向F1)に延びて、ジョガー装置2に至っている。上側前部搬送ベルト19を前下がりに配置していることにより、上側前部搬送ベルト19と下側搬送ベルト17との上下方向の間隔dは、前方にゆくに従って徐々に小さくなっている。可動式ストッパー20は、前後方向に延びるアーム部分の前端に、上方に突出する当接壁20aが一体に形成され、これにより、全体として略L字状に形成されており、後端部が水平なヒンジ軸21に回動自在に支持されている。すなわち、ヒンジ軸21回りに回動することにより、図1に実線で示すように、当接壁20aが下側搬送ベルト17の上端面(搬送面)より上方に突出する上昇位置と、仮想線で示すように、当接壁20aが下側搬送ベルト17の上端面(搬送面)よりも下方に位置する退避位置との間で、変位可能となっている。なお、前記下側搬送ベルト17が前上がり状態に設置されている理由は、可動式ストッパー20で一時的に送り出しが制限されている複数枚の用紙Pに対し、下側から順次新たに用紙を円滑に挿入するためである。
【0027】
図2において、給紙装置1の下側搬送ベルト17及び上側後部搬送ベルト18は、帯状の平ベルトが用いられ、それぞれ幅方向(左右方向)に間隔をおいて2本配置されている。上側前部搬送ベルト19は、断面が円形の丸ベルトが用いられ、幅方向に間隔をおいて3本配置されている。3本の上側前部搬送ベルト19のうち、1本は幅方向の中央部(両下側搬送ベルト17の幅方向間)に配置され、残り2本は、各下側搬送ベルト17よりもそれぞれ幅方向の外方に位置に配置されている。前記可動式ストッパー20の幅は、幅方向両端の上側前部搬送ベルト19の配置幅に略対応している。
【0028】
(ジョガー装置2)
図2において、ジョガー装置2は、仮接着状態の冊子(複数枚の用紙)Sの前端の位置を揃えるための前側ガイド40を備えると共に、仮接着状態の冊子(複数枚の用紙)Sの左右方向の位置を揃えるための固定ストッパー41及び左右方向移動可能な移動ガイド42を、備えている。なお、前記前側ガイド40に対して後方から対向するように、後側補助ガイド40a(仮想線で示す)を設け、この後側補助ガイド40aを前後方向移動可能として、両ガイド40,40a間で用紙を前後方向にもジョガーする補助ジョガー機構を設けることもできる。この場合、後側補助ガイド40aは前側ガイド40よりも低く設定し、上方を用紙が飛び越えやすくする。
【0029】
前記移動ガイド42は、左右方向に延びるジョガー兼排出ベルト43の表面に、所定の左右方向の間隔をおいて3本設けられており、ジョガー兼排出ベルト43と共に左右のいずれの方向にも移動できるようになっている。固定ストッパー41は、ジョガー兼排出ベルト42の左端部近傍に配置されており、略L字状に形成されると共に左右方向の位置が調節可能となっている。
【0030】
ジョガー兼排出ベルト43は、ジョガー装置2の前後方向の略中央部に配置され、ジョガー兼排出ベルト43の前後両側には、前記固定ストッパー41の水平部分と略同じ高さの倒立L字状の補助支持板44が配置されている。
【0031】
すなわち、ジョガー装置2において、給紙装置1から供給される仮接着状態の冊子Sは、まず、前端が前側ガイド40に当接することにより、前後方向の位置が揃えられる。あるいは、後側補助ガイド40aを備えている場合には、後側補助ガイド40aあるいは前側ガイド40の前後方向の往復移動により、用紙の前後方向の位置が揃えられる。
【0032】
さらに、ジョガー兼排出ベルト43を、矢印F3方向に移動することにより、冊子Sより右方(矢印F2側)に位置する移動ガイド42を左方に移動し、該移動ガイド42と固定ストッパー41との間で挟持することにより、冊子Sの左右位置が揃えられる。
【0033】
さらに、ジョガー装置2は、前記移動ガイド42とジョガー兼排出ベルト43とで、移送機構を構成しており、ジョガー兼排出ベルト43を矢印F2方向(右方)に移動することにより、移動ガイド42によって冊子Sを右方に押し動かし、次工程の用紙反転装置4に供給するようになっている。
【0034】
(プレス装置3)
図2において、プレス装置3は、ジョガー装置2の左端部の上方に配置されており、プレス装置3の加圧板50は、前記固定ストッパー41の水平部分に上方から対向している。
【0035】
図11及び図12はプレス装置3の左側面図であり、図11において、プレス装置3は、下方に突退自在なロッド部55aを有するエアシリンダ55と、前記ロッド55aに下端部に連結されると共に垂直なガイドレール54に上下方向スライド自在に支持されたL字形のスライド部材52と、前記加圧板50とを備えている。該加圧板50は、前後方向の略中央部が、水平な回動軸51を介して前記スライド部材52に回動自在に連結されており、前記スライド部材52と共に上下方向に移動する。
【0036】
すなわち、シリンダ55のロッド55aを伸張することにより、スライダ部材52及び加圧ロッド50を下降させ、図12に示すように、冊子Sの左端部(接着剤塗布部分)を、固定ストッパー41の水平部分と加圧板50との間で挟圧し、これにより、本接着するようになっている。
【0037】
(用紙反転装置4の構成)
図1において、用紙反転装置4は、反転ローラ60、反転ガイド61及び歯付きの第2の搬送ベルト(反転ベルト)63を有する反転部64と、該反転部64の下端部に向かって前方に延びる用紙導入部65と、前記反転部64の上端部からやや下向きに後方に延びる用紙排出部66と、から構成されている。
【0038】
図3において、用紙導入部65は、前後に間隔をおいて配置された歯付きの駆動プーリ70及び歯付きの従動プーリ71と、両プーリ70、71間に巻き掛けられた歯付きの第1の搬送ベルト72を備えており、該第1の搬送ベルト72の表面には、前後方向に等間隔をおいて配置された複数の第1搬送突起73が設けられている。すなわち、第1の搬送ベルト72の上面により、矢印F4方向を搬送方向(導入方向)とする導入経路B1を構成している。隣り合う第1搬送突起73間の間隔D1は、該製本システムで製本される各種大きさの用紙のうち、最大の前後方向長さを有する用紙の前後方向長さよりも大きく設定されている。たとえば、20mm〜30mm程度に設定されている。
【0039】
また、用紙導入部65の後端部には、前記ジョガー装置2(図2)から矢印F2方向に冊子Sが投入される用紙投入部65aが設けられており、この投入部65aの右端部には、投入される冊子Sの右端を受け止めるための受け止め板(受け止め部材)75が設けられている。また、ジョガー装置2から投入される冊子Sが、第1搬送突起73,73間に投入されるように、制御部により、ジョガー装置2の排出タイミングと第1の搬送ベルト72の移動タイミングが制御されるようになっている。
【0040】
反転部64は、前記反転ローラ60、反転ガイド61及び第2の搬送ベルト63に加え、前記反転ローラ60の後上方に配置された排出側の歯付きの上側プーリ81と、反転ローラ60の後下方に配置された前後一対の導入側の歯付きの下側プーリ82、83とを備えており、第2の搬送ベルト63は、反転ローラ及60及び各プーリ81,82、83に亘って巻き掛けられている。第2の搬送ベルト63の表面には、反転方向F5に等間隔をおいて配置された複数の第2搬送突起84が設けられており、隣り合う第2搬送突起84、84間の間隔D2は、前記第1の搬送ベルト72の第1搬送突起73間の間隔D1と等しく設定されている。なお、反転ローラ60の外周面には歯は形成されていない。
【0041】
反転ガイド61は、側方から見て、略横向きのU字状に形成されており、その内周縁は、反転ローラ60の前半部の外周に径方向の外方から対向する円弧状ガイド縁61aと、反転ローラ60と下側プーリ82との間の第2の搬送ベルト63部分に下方から対向する直線状の導入側の下側ガイド縁61bと、反転ローラ60と上側プーリ81との間の第2の搬送ベルト63部分に上方から対向する直線状の排出側の上側ガイド縁61cと、を有している。これにより、反転ローラ60の前半部に当接する第2の搬送ベルト63と円弧状ガイド縁61aとの間で円弧状の反転経路B2を構成し、下側ガイド縁61bと下側の第2の搬送ベルト63との間で反転始端側の延長経路B2aを構成し、上側ガイド縁61cと上側の第2の搬送ベルト63との間で反転終端側の延長経路B2bを構成している。前記円弧状の反転経路B2及び上下の直線状の延長経路B2a、B2bの高さ(冊子の厚み方向に対応する間隔)Eは、製本システムで製本される各種厚さの冊子のうち、最大の厚さを有する冊子厚さよりも大きく設定されている。したがって、反転経路B2及び各延長経路B2a、B2bを搬送中の冊子等は、裏表面から挟持されることはない。
【0042】
前記第2搬送突起84の第2の搬送ベルト63上の位相は、下側のプーリ81,82間において、前記第1の搬送ベルト72の第1搬送突起73と略同一位相か、あるいは直後に追従するような遅れ気味の位相に設定されている。
【0043】
用紙排出部66は、反転部64の歯付きの上側プーリ81及び該上側プーリ81の後方に配置された歯付きの従動プーリ91と、両プーリ81,91間に巻き掛けられた歯付きの第3の搬送ベルト92とから構成されており、第3の搬送ベルト92の表面には、前後方向に等間隔をおいて配置された複数の第3搬送突起93が設けられている。すなわち、第3の搬送ベルト92の上面により、矢印F6方向を搬送方向(排出方向)とする排出経路B3を構成している。隣り合う第3搬送突起93間の間隔D3は、前記第1及び第2の搬送ベルト72,63の第1搬送突起73間及び第2搬送突起84間の間隔D1、D2と等しく設定されている。第3搬送突起93の第3の搬送ベルト92上の位相は、上側プーリ81上において、第2の搬送ベルト63の第2搬送突起84と略同一位相か、あるいは直後に追従するように少し遅れ気味の位相に設定されている。
【0044】
図4において、用紙導入部65の第1の搬送ベルト72は、左右に間隔をおいて一対配置されており、反転部64の反転ローラ60及び第2の搬送ベルト63も左右に間隔をおいて一対配置されている。なお、反転部64の第2の搬送ベルト63及び反転ローラ60等は、用紙導入部65の第1の搬送ベルト72及び駆動プーリ70等よりも広い左右間隔で配置されている。さらに左右の反転ローラ64間の中央には、円板状あるいは円柱状の補助反転ローラ60aが配置されている。
【0045】
反転ガイド61は、左右の反転ローラ60の左右両側に一対ずつ(合計4枚)配置されている。
【0046】
図5において、用紙排出部66の第3の搬送ベルト92は、左右に間隔をおいて一対配置されている。なお、用紙排出部66の第3の搬送ベルト92は、反転部64の第2の搬送ベルト63よりも左右間隔が狭くなるように配置されている。また、排出経路B3の左右両端には、排出方向(矢印F6方向)に延びる左右のガイド板66aが設けられおり、この左右のガイド板66aは反転部66まで前方に延びている。
【0047】
図6及び図7は、用紙反転装置4の駆動機構を示している。前面図を示す図7において用紙反転装置4は、左右一対の支持板97,97を備えており、該支持板97,97間に、反転ローラ60を回転自在に支持するローラ支軸60bが固定されると共に、用紙導入部65の駆動プーリ70が固着された駆動軸70a並びに反転部64の下側プーリ83が固着された回転軸83a等が回転自在に支持されている。
【0048】
右側の支持板97の内面に駆動モータ85が固定されており、該駆動モータ85の出力軸に設けられた歯付きの出力プーリ86と、前記駆動軸70aの右端部に設けられた歯付きのプーリ87とに亘り、歯付きの伝動ベルト88が巻き掛けられ、これにより、駆動モータ85の動力が駆動軸70aに伝達されるようになっている。
【0049】
さらに、前記駆動軸70aの左端部には伝動ギヤ94が固着され、前記回転軸83aの左端部には前記伝動ギヤ94に噛み合う伝動ギヤ95が固着されており、これにより、駆動軸70aの動力が回転軸83aに伝達されるようになっている。
【0050】
用紙反転装置4の右側面略図を示す図6において、駆動モータ85は反転プーリ60の下方に配置されており、この駆動モータ85の出力軸の回転により、まず、プーリ86,87及び伝動ベルト88を介して用紙導入部65の駆動軸70aに動力が伝達され、駆動プーリ70を矢印R1方向に回転し、第1の搬送ベルト72を矢印F4方向に移動させる。
【0051】
次に、駆動軸70a、伝動ギヤ94,95を介して回転軸83aに動力が伝達され、下側プーリ83を矢印R2方向に回し、これにより、第2の搬送ベルト63を反転方向F5に移動させる。
【0052】
さらに、第2の搬送ベルト63から上側プーリ81に動力が伝達されることにより、上側プーリ81を矢印R3方向に回転し、用紙排出部66の第3の搬送ベルト92を矢印F6方向に移動させる。
【0053】
(製本方法)
(1)給紙工程
(1−1)図1において、給紙装置1では、前工程から、冊子用の用紙Pが、一枚ずつ、センサー14を通って接着剤塗布機構11に送り込まれ、上下の搬送ベルト16間で挟持され、前方に搬送される。センサー14により接着剤の塗布が必要とされた用紙Pには、搬送ベルト16による搬送過程において、接着剤塗布ノズル15から接着剤が吐出されることにより、用紙Pの左端部の上面に、線状に接着剤が塗布される。なお、前工程としては、用紙切断装置等がある。
【0054】
(1−2)接着剤塗布機構11から積載給紙機構12に送り込まれた用紙Pは、上側後部搬送ベルト18と下側搬送ベルト17との間で挟持され、前方に搬送され、可動式ストッパー20の上に順次積載されてゆく。この時、可動式ストッパー20は、実線で示す上昇位置に位置しており、用紙Pの前端が当接壁20aに当接することにより、用紙Pは前後方向の位置が揃えられた状態で順次積載される。すなわち、用紙Pを順次仮接着状態で積載してゆくことになる。加圧前の上記仮接着状態とは、たとえば、接着剤(糊)が完全に乾燥した状態を100%とすると、約30%程度の乾燥状態が仮接着状態である。
【0055】
(1−3)必要な枚数の用紙Pが可動式ストッパー20の上に積載されると、可動式ストッパー20は、仮想線で示すように下降し、仮接着状態の複数の用紙Pは、冊子単位で下側搬送ベルト17と上側前部搬送ベルト19との間で挟持されて前方に搬送され、ジョガー装置2の左端部の上面に供給される。なお、後側補助ガイド40aが備えられている場合は、後側補助ガイド40aの上を飛び越えてジョガー装置2に供給される。上記給紙工程において、上側前部搬送ベルト19と下側搬送ベルト17との上下方向の間隔dは、前方に向かって徐々に狭くなっているので、厚みのある冊子Sでも、前方に進むに従ってスムーズに上下の搬送ベルト17,19で挟持することができる。特に、図17のように、冊子Sと単体用紙P1とを一緒に給紙する場合でも、冊子Sと単体用紙P1とがずれるのを防ぐことができる。また、上側前部搬送ベルト19は、断面が円形の丸ベルトを使用しているので、仮接着により冊子Sが膨らんだ形状となっていても、その形状に合わせて確実に冊子Sを挟持することができる。
【0056】
(2)ジョガー工程
(2−1)図8乃至図10は、ジョガー工程を示しており、これらの図面と図1等に基づいてジョガー工程を説明する。図1において、給紙装置1から移送された仮接着状態の冊子Sは、固定ストッパー41の水平部分の上面に載せられ、前側ガイド40により、あるいは前側ガイド40と後側補助ガイド40aにより、前後端辺の位置が揃えられ、あるいは修正される。
【0057】
(2−2)上記前後方向のジョガーの次に、あるいは同時に、図8乃至図10に示すように、ジョガー兼排出ベルト43を矢印F3方向に移動し、続いて矢印F2方向に移動することにより、移動ガイド42と固定ストッパー41の垂直部分との間で冊子Sが一時的に挟持され、冊子Sの左右端辺の位置が揃えられ、あるいは修正される。
【0058】
(3)プレス工程
図11乃至図13はプレス工程を示しており、ジョガー工程後、図13のように、ジョガー兼排出ベルト43上の移動ガイド42を、再度、冊子Sの右端に当接させ、加圧板50を下降することにより、図12のように、仮接着状態の冊子Sの左端部(接着剤塗布部分K)を、加圧板50と固定ストッパー41の水平部分との間で挟圧し、本接着する。この時、たとえ接着剤塗布部分の厚みが不均一で、冊子Sの表面が傾斜していたり、膨らんだ状態であっても、加圧板50は、その前後方向の中央部がヒンジ軸51により回動自在に支持されているので、冊子Sの表面の傾斜あるいは膨らみに対応して、加圧板50がヒンジ軸51回りに傾斜し、加圧する。これにより、冊子Sの接着剤塗布部分は、前後方向の全長に亘り、均一に加圧され、本接着される。
【0059】
(4)用紙反転装置4への移送工程
図14及び図15は用紙反転装置4への移送工程を示しており、図14において、プレス工程により冊子Sが本接着され、加圧板50が上昇した後、図15のように、ジョガー兼排出ベルト43が矢印F2方向に移動する。これにより、固定ストッパー41の左側に位置している移動ガイド42が右方(矢印F2方向)に移動し、一対の固定ストッパー41間を通って冊子Sの左端に当接し、冊子Sを右方(矢印F2方向)に移動させる。これにより、図3において、本接着状態の冊子Sを用紙反転装置4の用紙導入部65の用紙投入部65aに供給する。
【0060】
(5)反転工程
(5−1)図3において、用紙導入部65の用紙投入部65aでは、第1の搬送ベルト72上の第1搬送突起73、73間に冊子Sが投入され、また、冊子Sの右端辺が受け止め板75に当接することにより、第1の搬送ベルト72上の所定位置に搭載される。
【0061】
(5−2)冊子投入後、第1の搬送ベルト72が矢印F4方向に移動することにより、冊子Sは導入経路B1を矢印F4方向に搬送されるが、この時、後側の第1搬送突起73で前方に押されるので、冊子Sは、第1の搬送ベルト72上の所定の位置に保持された状態で、確実に搬送される。
【0062】
(5−3)冊子Sが導入経路B1の前端に至ると、該導入経路B1から反転部64の下側延長経路B2aへ移送される。この時、反転部64の第2搬送突起84は、用紙導入部65の第1搬送突起73と同一位相あるいは少し遅れた位相で下側プーリ82,83上を通過するので、第1の搬送ベルト72から第2の搬送ベルト63へと、確実に冊子Sが受け渡される。
【0063】
(5−4)円弧状の反転経路B2内では、反転方向F5に第2の搬送ベルト63と共に移動する第2搬送突起84により、冊子Sは下端部から上端部まで押し上げられる。この時、反転経路B2の高さ(冊子厚み方向の寸法)Eは、冊子厚みよりも大きく設定されているので、反転経路B2内を搬送中に、冊子Sに対して表裏から挟持圧がかかることはなく、用紙相互がずれるおそれがない。それどころか、第2搬送突起84で押し上げていることにより、冊子の反転方向F5の用紙端辺が更に揃えられることになる。
【0064】
(5−5)反転経路B2の上端部に至った冊子Sは、反転経路B2から排出側の延長経路B3へ移送される。この時、第3搬送突起93は、上側プーリ81上で、第2搬送突起73と同一位相あるいは少し遅れた位相で通過するので、第2の搬送ベルト63から第3の搬送ベルト93へと、確実に冊子Sが受け渡される。すなわち、冊子Sは、第1の搬送ベルト72に積載された状態から表裏(上下)反転された状態で第3の搬送ベルト93上に受け渡される。
【0065】
(5−6)排出側の延長経路B3を矢印F6方向に搬送される用紙Sは、図2に示すように、次行程の封入装置5に供給され、封筒等に封入される。
【0066】
該実施の形態で説明した用紙反転装置4は、図16のように総ての用紙Pを冊子S状に本接着(あるいは仮接着)した形態だけでなく、図17のように、図16と同様な接着状態の冊子Sと、単体の用紙P1とからなる形態や、さらには、図18のように、総ての用紙Pが非接着状態で積層された形態のものにも適用できることはいうまでもない。
【0067】
また、図1及び図2に示す製本システムにおいて、用紙反転装置4をジョガー装置2及び封入装置5に対して着脱自在とし、反転が必要な冊子の場合には反転装置4を取り付け、反転せずに、ジョガー装置2から直接に封入装置5に供給する場合には、用紙反転装置4を取り外すようにすることもできる。
【0068】
(実施の形態の効果)
(1)本実施の形態では、複数枚の用紙Pを冊子単位(S)で反転するので、一枚ずつ用紙を反転する従来の反転装置に比べ、反転及び本接着作業の時間を大幅に短縮できる。
【0069】
(2)反転ガイド61のガイド縁61a,61b、61cと第2の搬送ベルト63との間で構成する円弧状の反転経路B2及び延長経路B1,B3の高さ(冊子厚さ方向の間隔)Eが、冊子の厚さよりも大きく設定されているので、反転中、冊子Sが表裏両面から挟圧されることはなく、用紙相互がずれるおそれがない。それどころか、第2搬送突起84で押し上げていることにより、冊子Sの反転方向F5の端辺を更に揃え、あるいは位置修正することができる。
【0070】
(3)反転装置4の反転部64,用紙導入部65及び用紙排出部66を、一つの駆動モータ85により駆動しているので、駆動用の部品点数を減らし、コストを低減できると共に、第1,第2搬送突起73,84の相対的な位相調節並びに第2,第3搬送突起84、93の相対的な位相の調節を簡単に行うことができる。
【0071】
(4)プレス装置3において、加圧板50は、その前後方向の中央部がヒンジ軸51により回動自在に支持されているので、たとえ接着剤塗布部分の厚みが不均一で、冊子Sの表面が傾斜していたり、膨らんだ状態であっても、冊子Sの表面の傾斜あるいは膨らみに対応して、加圧板50がヒンジ軸51回りに傾斜し、加圧する。これにより、冊子Sの接着剤塗布部分Kを、前後方向の全長に亘り、均一に加圧し、接着することができる。
【0072】
[その他の実施の形態]
(1)前記実施の形態の用紙反転装置4は、円弧状の反転経路B2を有する反転部64の下端部に用紙導入部65を接続し、上端部に用紙排出部66を接続し、下から上に冊子Sを搬送して、反転させる構造であるが、反転部64の上端部に用紙導入部65を接続し、下端部に用紙搬出部66を接続し、上から下に用紙を円弧状に搬送して、反転させる構造とすることもできる。
【0073】
(2)前記実施の形態では、用紙反転装置4の用紙導入部65の用紙投入部65aに対し、用紙導入部65の搬送方向F4と直下方向に用紙を投入する構成であるが、投入部65aに対して、たとえば、図3の後方から冊子Sを投入する構造とすることも可能である。ただし、直交する方向に投入する構成の方が、第1搬送突起73,73に用紙を投入する制御が容易になる。
【符号の説明】
【0074】
1 給紙装置
2 ジョガー装置
3 プレス装置
4 用紙反転装置
5 封入装置
60 反転ローラ
61 反転ガイド
63 第2の搬送ベルト
64 反転部
65 用紙導入部
65a 用紙投入部
66 用紙排出部
72 第1の搬送ベルト
73 第1搬送突起
75 用紙受け止め板
84 第2搬送突起
92 第3の搬送ベルト
93 第3搬送突起
B1 導入経路
B2 反転経路
B3 排出経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数枚の用紙を、積層状態を維持しつつ表裏反転させる用紙反転装置において、
円弧状の反転経路を有し、反転経路の上端部及び下端部の一方の端部が反転始端部となり、他方の端部が反転終端部となっている反転部と、
前記反転部外から前記反転始端部まで延びる導入経路を有する用紙導入部と、
前記反転終端部から反転部外へ延び出す排出経路を有する用紙排出部と、を備えており、
前記用紙導入部は、前記導入経路の下面に沿って移動する第1の搬送ベルトを有し、
前記反転部は、前記反転経路の円弧状内周に沿って移動する第2の搬送ベルトと、前記反転経路の外周に沿って配置されると共に、前記第2の搬送ベルトに対して前記複数枚の用紙の積層厚さよりも広い間隔で対向する反転ガイドとを、有し、
前記用紙排出部は、前記排出経路の下面に沿って移動する第3の搬送ベルトを有し、
前記第1、第2及び第3の搬送ベルトには、搬送される前記用紙の搬送方向の長さよりも広い間隔で配置された複数の搬送突起がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする用紙反転装置。
【請求項2】
請求項1に記載の用紙反転装置において、
前記第1,第2及び第3の搬送ベルトに形成された複数の前記搬送突起は、用紙搬送方向の間隔が総て同じに設定されており、
前記反転始端部での用紙受け渡し時、前記第2の搬送ベルトの前記搬送突起の位置が前記第1の搬送ベルトの前記搬送突起の位置と同一位相又は直後に追従するように、前記第1及び第2の搬送ベルトの相対的な移動位置が設定され、
前記反転終端部での用紙受け渡し時、前記第3の搬送ベルトの前記搬送突起の位置が前記第2の搬送ベルトの前記搬送突起の位置と同一位相又は直後に追従するように、前記第2及び第3の搬送ベルトの相対的な移動位置が設定されている、用紙反転装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の用紙反転装置において、
前記第2の搬送ベルトは、前記反転経路の内周の曲率半径に略対応する半径を有する反転ローラに巻き掛けられている、用紙反転装置。
【請求項4】
請求項3に記載の用紙反転装置において、
前記第2の搬送ベルト及び前記反転ローラは、用紙幅方向に間隔をおいて複数配置されている、用紙反転装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の用紙反転装置において、
前記用紙導入部は、用紙搬送方向と直交する方向から前記第1の搬送ベルト上に前記用紙を投入する用紙投入部を備え、該用紙投入部には、用紙投入方向の先端側に用紙受け止め部材が設置されている、用紙反転装置。
【請求項6】
請求項5に記載の用紙反転装置において、
前記用紙投入部は、制御部により、前記第1の搬送ベルトの前記搬送突起間に用紙を投入するように制御される、用紙反転装置。
【請求項7】
仮接着状態で積層された複数枚の用紙を冊子単位で供給可能な給紙装置と、
揃えられた前記複数枚の仮接着状態の用紙を加圧接着することにより冊子を作製するプレス装置と、
加圧された冊子単位の用紙を反転させる前記請求項1乃至6のいずれか一つに記載の用紙反転装置と、を備えていることを特徴とする製本システム。
【請求項8】
請求項7記載の製本システムにおいて、
さらに、前記給紙装置から供給された前記複数枚の仮接着状態の用紙の端辺を揃えるジョガー装置を備えていることを特徴とする製本システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2011−178545(P2011−178545A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46862(P2010−46862)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(390002129)デュプロ精工株式会社 (351)
【Fターム(参考)】