説明

用紙回収装置

【課題】印刷機から連続的に排紙される印刷後の用紙を積み重ねて回収し、回収した用紙をシーズニングできる用紙回収装置を提供する。
【解決手段】排紙口76から排紙された用紙14は、スタック台に順次スタックされて回収される。規定枚数の用紙14がスタック台にスタックされると、スタック台は、下降してシーズニング部に移送される。スタック台がシーズニング部に移送されると、スタック台にスタックされた用紙の端面に送風ユニットから送風された空気が当てられる。これにより、スタック台にスタックされた用紙がシーズニングされる。シーズニングは所定時間継続して行われる。シーズニングが終了すると、スタック台は下降して保管部へと移送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は用紙回収装置に係り、特に印刷機から連続的に排紙される印刷後の枚葉状態の用紙を回収する用紙回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に両面印刷は、用紙の表面の印刷と裏面の印刷が別々に行われる。この際、表面の印刷後すぐに裏面の印刷を行うと、用紙の表面と裏面とで印刷される画像のサイズ、位置にズレが生じるという問題がある。すなわち、用紙は含水量によって伸縮することから、表面の印刷後すぐに裏面の印刷を行うと、インクの水分で用紙が伸びたまま裏面の印刷が行われてしまい、この結果、用紙の表面と裏面とで印刷される画像のサイズ、位置にズレが生じる。
【0003】
このような問題を解消するべく、特許文献1では、表面の印刷後、用紙を装置外の排紙トレイの上に排紙し、その排紙トレイ上で乾燥させた後、裏面の印刷を行うことが提案されている。
【0004】
また、特許文献2、3には、スタックされた用紙(積み重ねて積層された用紙)の紙捌きに関する技術であるが、スタックされた用紙のスタック方向と平行な方向にノズルを往復移動させながら、用紙の端面に向けて圧縮空気を噴射する技術が開示されている。このようにスタックされた用紙の端面に圧縮空気を噴射することにより、積層された紙間に空気を入れることができ、印刷後の用紙に対しては、シーズニング(画像領域(インクが付与された領域)と非画像部(インクが付与されていない領域)の含水量を均一化すること)の効果も奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−63019号公報
【特許文献2】特開平8−40586号公報
【特許文献3】特開平10−297813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法は、用紙を一枚ずつ処理する場合には効果的であるが、排紙トレイ上に用紙がスタックされた場合には、十分な乾燥効果を得られないという欠点がある。
【0007】
一方、特許文献2、3に記載された技術は、印刷後の用紙を一度まとめて回収し、専用の装置(紙捌き機)に持ち込んでシーズニング(この場合、紙捌き)を行わなければならず、手間がかかるという欠点がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、印刷機から連続的に排紙される印刷後の用紙を積み重ねて回収し、回収した用紙をシーズニングできる用紙回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、印刷機の排紙口から連続的に排紙される印刷後の用紙を回収する用紙回収装置において、前記排紙口から排紙された用紙がスタックされるスタック台と、前記スタック台を用紙のスタック方向に昇降させて、前記排紙口から排紙された用紙を回収する回収部、回収後の用紙をシーズニングするシーズニング部、シーズニング後の用紙を保管する保管部へと移送する移送手段と、前記シーズニング部に移送された前記スタック台に対して、該スタック台にスタックされた用紙に送風する送風手段と、前記移送手段を制御して前記スタック台の昇降を制御する昇降制御手段と、を備え、前記昇降制御手段は、前記回収部において、前記排紙口から排紙された用紙が前記スタック台に順次スタックされるように、前記スタック台を所定の速度で下降させ、規定枚数の用紙が前記スタック台にスタックされると、前記スタック台を下降させて前記シーズニング部に移送し、前記スタック台にスタックされた用紙の端面に前記送風手段から送風された空気を当てて前記用紙を所定時間シーズニングし、シーズニングの完了後、前記スタック台を下降させて、前記送風手段からの送風を受けない前記保管部に移送することを特徴とする用紙回収装置を提供する。
【0010】
本発明によれば、排紙口から排紙された用紙は、スタック台に順次スタックされて回収される。規定枚数の用紙がスタック台にスタックされると、スタック台は、シーズニング部に移送される。スタック台がシーズニング部に移送されると、スタック台にスタックされた用紙の端面に送風手段から送風された空気が当てられる。これにより、スタック台にスタックされた用紙がシーズニングされる。シーズニングは所定時間継続して行われる。シーズニングが終了すると、スタック台は、送風手段からの送風を受けない保管部へと移送される。これにより、シーズニング後の用紙を嵩張らせることなく保管することができる。すなわち、スタックされた用紙に対して送風を続けると、送風された空気が紙間に入り込んで用紙の嵩が増すが、送風手段による送風を受けない保管部に移送することにより、用紙を嵩張らせずに保管することができる。このように、本発明によれば、積み重ねて回収した用紙をその場でシーズニングすることができ、かつ、嵩張らせることなく保管することができる。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、前記スタック台が上下方向に多段設けられるとともに、移送手段によって個別に昇降され、前記シーズニング部にあるスタック台が前記シーズニング部から前記保管部に移送されると、前記回収部にあるスタック台が前記回収部から前記シーズニング部に移送され、前記回収部にあるスタック台が前記回収部から前記シーズニング部に移送されると、新たなスタック台が前記回収部にセットされることを特徴とする請求項1に記載の用紙回収装置を提供する。
【0012】
本発明によれば、スタック台に規定枚数の用紙がスタックされて、シーズニング部に移送されると、新たなスタック台が回収部にセットされる。これにより、連続して用紙を回収することができる。また、先にシーズニング部に移送されているスタック台は、送風手段からの送風を受けない保管部へと移送される。これにより、用紙を嵩張らせずに保管することができる。すなわち、スタックされた用紙に対して送風を続けると、送風された空気が紙間に入り込んで用紙の嵩が増すが、送風手段による送風を受けない保管部に移送することにより、用紙を嵩張らせずに保管することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、前記シーズニング部における上下のスタック台の間隔をH1、前記保管部における上下のスタック台の間隔をH2とすると、H1>H2であり、かつ、H2は前記規定枚数スタックされた用紙の総厚みとほぼ同じであることを特徴とする請求項2に記載の用紙回収装置を提供する。
【0014】
本発明によれば、シーズニング部における上下のスタック台の間隔(=シーズニング部にあるスタック台から回収部にあるスタック台までの距離)をH1、保管部における上下のスタック台の間隔(=保管部にある各スタック台の間隔)をH2とすると、H1>H2であり、かつ、H2は、スタック台上に規定枚数スタックされた用紙の総厚みとほぼ同じに設定される。これにより、シーズニングに必要な空間を確保できるとともに、シーズニング終了後の用紙を嵩張らせることなく保管することができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、前記回収部から前記シーズニング部に前記スタック台が移送されると、該スタック台の下段に位置するスタック台にスタックされた用紙が、前記回収部から前記シーズニング部に移送された前記スタック台に押されて、嵩が圧縮されることを特徴とする請求項2に記載の用紙回収装置を提供する。
【0016】
本発明によれば、回収部において規定枚数の用紙を回収したスタック台が、回収部からシーズニング部に移送されると、そのスタック台の下段に位置するスタック台にスタックされた用紙、すなわち、シーズニングされた用紙が、その回収部からシーズニング部に移送されたスタック台に押されて、嵩が圧縮される。これにより、シーズニング済みの用紙を嵩張らせることなく保管することができる。すなわち、上段のスタック台によって用紙を押すことにより、上下の紙間の空気を効率よく排除でき、用紙を圧縮して保管することができる。また、これにより、装置の高さ方向の寸法をコンパクトにすることができる。
【0017】
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、前記回収部で前記スタック台に順次スタックされる用紙に向けて送風する第2送風手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の用紙回収装置を提供する。
【0018】
本発明によれば、回収部においてスタック台に順次スタックされる用紙に向けて第2送風手段から空気が送風される。これにより、用紙に付与されたインクの乾燥を促進することができ、スタックされた用紙がインクで貼り付くのを防止することができる。
【0019】
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、前記第2送風手段の風量が、前記送風手段の風量よりも大きく設定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の用紙回収装置を提供する。
【0020】
本発明によれば、第2送風手段の風量が、送風手段の風量よりも大きく設定される。これにより、インクの乾燥を促進しつつ、効率よく用紙をシーズニングすることができる。
【0021】
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記送風手段は、前記用紙のスタック方向に縦列して配置された複数のファンで構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の用紙回収装置を提供する。
【0022】
本発明によれば、送風手段は、用紙のスタック方向に縦列して配置された複数のファンで構成される。これにより、送風手段をコンパクトにすることができる。
【0023】
請求項8に係る発明は、前記目的を達成するために、前記送風手段と前記第2送風手段は、前記用紙のスタック方向に縦列して配置された複数のファンで構成され、前記回収部で前記スタック台に回収される用紙の枚数に応じて、前記送風手段を構成するファンと前記第2送風手段を構成するファンとに区分けされることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の用紙回収装置を提供する。
【0024】
本発明によれば、用紙のスタック方向に縦列して配置された複数のファンによって送風手段と第2送風手段とが構成され、スタック台に回収される用紙の枚数に応じて、送風手段を構成するファンと第2送風手段を構成するファンとに区分けされる。これにより、規定枚数を変えてスタックすることができるとともに、回収部とシーズニング部の間隔を詰めて、装置構成をコンパクト化することができる。
【0025】
請求項9に係る発明は、前記目的を達成するために、前記送風手段を構成する個々のファンは、上段から下段に向かって段階的に風量が大きくなるように設定されることを特徴とする請求項7又は8に記載の用紙回収装置を提供する。
【0026】
本発明によれば、シーズニング部に移送されたスタック台に対して、用紙が存在する領域が、検出手段によって検出される。そして、その検出手段による検出結果に基づいて、用紙が存在する領域にあるファンのみが駆動される。これにより、無駄なくファンを駆動することができ、省電力化を図ることができる。
【0027】
請求項10に係る発明は、前記目的を達成するために、前記シーズニング部に移送されたスタック台に対して、用紙が存在する領域を検出する検出手段と、前記送風手段を構成する個々のファンの駆動を制御する送風制御手段と、を備え、前記送風制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記用紙が存在する領域にあるファンのみを駆動することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の用紙回収装置を提供する。
【0028】
本発明によれば、送風手段を構成する個々のファンから送風される空気の風量が、上段から下段に向かって段階的に風量が大きくなるように設定される。これにより、積層された用紙の下側に位置する用紙の内側にも十分に空気を入れることができ、より効率よくシーズニングすることができる。
【0029】
請求項11に係る発明は、前記目的を達成するために、前記規定枚数が、前記用紙の種類に応じて設定されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の用紙回収装置を提供する。
【0030】
本発明によれば、スタック台にスタックする用紙の規定枚数が、用紙の種類に応じて設定される。これにより、用紙の種類に応じて、より適切にシーズニングすることができる。
【0031】
請求項12に係る発明は、前記目的を達成するために、前記印刷機が前記用紙にインクジェット方式で画像を印刷し、前記規定枚数が、前記用紙に印刷された画像のインク量に応じて設定されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の用紙回収装置を提供する。
【0032】
本発明によれば、スタック台にスタックする用紙の規定枚数が、用紙に印刷された画像のインク量に応じて設定される。これにより、より適切にシーズニングすることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、印刷機から連続的に排紙される印刷後の用紙を積み重ねて回収し、回収した用紙をシーズニングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】インクジェット印刷機の全体構成図
【図2】用紙回収装置の概略構成を示す側面図
【図3】用紙回収装置の概略構成を示す背面図
【図4】スタッカの正面図
【図5】スタッカの側面部分断面図
【図6】スタッカの平面断面図
【図7】スタック台の側面図
【図8】送風ユニットの正面図
【図9】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第1の方法)
【図10】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第1の方法)
【図11】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第1の方法)
【図12】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第1の方法)
【図13】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第1の方法)
【図14】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第1の方法)
【図15】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第2の方法)
【図16】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第2の方法)
【図17】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第2の方法)
【図18】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第2の方法)
【図19】用紙回収装置による用紙回収動作の説明図(第2の方法)
【図20】スタック台の他の実施の形態の側面図
【図21】送風ユニットの他の実施の形態の正面図
【図22】用紙回収装置の他の実施の形態の側面部分断面図
【図23】シーズニング方法の他の実施の形態の説明図
【図24】用紙が存在する範囲を検出する方法の説明図
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面に従って本発明に係る用紙回収装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0036】
《インクジェット印刷機の構成》
〔装置構成〕
図1は、本発明に係る用紙回収装置が組み込まれたインクジェット印刷機の全体構成図である。
【0037】
このインクジェット印刷機10は、用紙(枚葉紙)14にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色のインクをインクジェット方式で打滴してカラー画像を印刷する印刷機であり、用紙(枚葉紙)14を給紙する給紙部20と、用紙14の印刷面に所定の処理液を付与する処理液付与部30と、用紙14の印刷面にCMYKの各色のインクジェットヘッドからCMYK各色のインクを打滴して、カラー画像を描画する描画部40と、用紙14に打滴されたインクを乾燥させる乾燥部50と、用紙14に描画された画像を定着させる定着部60と、印刷後の用紙を回収する回収部70とで構成されている。用紙回収装置100は、回収部70に組み込まれ、印刷後の用紙14をスタッカに積み重ねて回収する。
【0038】
処理液付与部30と、描画部40と、乾燥部50と、定着部60の各部には、それぞれ搬送手段としての圧胴(搬送ドラム)34、44、54、64が備えられており、用紙14は、この圧胴34、44、54、64の周面に巻き掛けられて、処理液付与部30と、描画部40と、乾燥部50と、定着部60の各部を回転しながら搬送される。
【0039】
また、給紙部20と処理液付与部30との間、処理液付与部30と描画部40との間、描画部40と乾燥部50との間、乾燥部50と定着部60との間には、それぞれ搬送手段としての渡し胴(搬送ドラム)32、42、52、62が配置されており、用紙14は、この渡し胴32、42、52、62の周面に巻き掛けられて、各部の間を回転しながら搬送される。
【0040】
圧胴34、44、54、64と渡し胴32、42、52、62は、交互に配置されており、それぞれ図示しないモータに駆動されて、互いに逆方向に回転する。すなわち、圧胴34、44、54、64は、図1において反時計回りの方向に回転し、渡し胴32、42、52、62は、図1において時計回りの方向に回転する。
【0041】
なお、圧胴34、44、54、66と渡し胴32、42、52、62には、それぞれその周面に用紙14の先端を把持するためのグリッパが備えられている。用紙14は、このグリッパによって先端部を把持されながら搬送される。グリッパは、圧胴34、44、54、64と渡し胴32、42、52、62の周面2カ所(180度離れた位置)に配置されており、連続的に供給される用紙14を順番に把持する。圧胴34、44、54、64と渡し胴32、42、52、62は、このグリッパの位置の同期を図りながら、用紙14の受渡し・受け取りが行われる。
【0042】
なお、用紙14は、圧胴34、44、54、64に対しては、印刷面が外側になるようにして、その周面に巻き掛けられ、渡し胴32、42、52、62に対しては、印刷面の裏側の面が外側になるようにして、その周面に巻き掛けられる。
【0043】
給紙部20から給紙された用紙14は、渡し胴32を介して処理液付与部30の圧胴34に受け渡され、処理液付与部30の圧胴34から渡し胴42を介して描画部40の圧胴44に受け渡される。そして、描画部40の圧胴44から渡し胴52を介して乾燥部50の圧胴54に受け渡され、乾燥部50の圧胴54から渡し胴62を介して定着部60の圧胴64に受け渡される。そして、さらに定着部60の圧胴64から回収部70へと受け渡される。この一連の搬送過程で用紙14は、処理液付与部30、描画部40、乾燥部50、定着部60を通過し、各部で所要の処理が施されて、印刷面に画像が形成される。
【0044】
以下、本実施の形態のインクジェット印刷機10の各部(給紙部20、処理液付与部30、描画部40、乾燥部50、定着部60、回収部70)の構成について詳説する。
【0045】
<給紙部>
給紙部20は、給紙装置22と給紙トレイ24とを備えており、枚葉状態の用紙(たとえば、塗工紙)14を1枚ずつ連続的に給紙する。
【0046】
給紙装置22は、図示しないスタッカに積層された状態で格納された用紙14を上側から順に1枚ずつ給紙トレイ24に給紙する。
【0047】
給紙トレイ24は、給紙装置22から1枚ずつ順に給紙された用紙14を渡し胴32に向けて送り出す。
【0048】
給紙トレイ24から送り出された用紙14は、渡し胴32を介して、処理液付与部30の圧胴34に受け渡される。
【0049】
<処理液付与部>
処理液付与部30は、用紙14の印刷面に所定の処理液を付与する。この処理液付与部30は、用紙14を搬送する圧胴(処理液ドラム)34と、処理液ドラム34によって搬送される用紙14の印刷面に所定の処理液を付与する処理液付与装置36とを備えて構成されている。
【0050】
処理液ドラム34は、渡し胴32から用紙14を受け取り(グリッパで用紙14の先端を把持して受け取る。)、その周面に巻き掛けて、用紙14を回転搬送する。この際、処理液ドラム34は、用紙14の印刷面を外側にして、渡し胴32から用紙14を受け取り、用紙14を回転搬送する。
【0051】
処理液付与装置36は、処理液ドラム34によって回転搬送される用紙14の印刷面にインクを凝集させる機能を有する処理液を付与する。この処理液付与装置36は、たとえば、塗布ローラで構成され、周面に処理液が付与された塗布ローラを用紙14の周面に押圧当接させて、用紙14の印刷面に処理液を付与(塗布)する。
【0052】
処理液は、後段の描画部40で付与するインクと反応して、インク中の色材を凝集させる機能を有する液体で構成される。このような処理液を事前に付与してインクを打滴することにより、着弾干渉を抑止でき、高品位な印刷を行うことができる。
【0053】
処理液付与部30は、以上のように構成される。渡し胴32から処理液ドラム34に受け渡された用紙14は、処理液ドラム34によって回転搬送される過程で処理液付与装置36から印刷面に処理液が付与される。そして、処理液が付与された用紙14は、処理液ドラム34から渡し胴42に受け渡され、渡し胴42から描画部40の圧胴44に受け渡される。
【0054】
<描画部>
描画部40は、用紙14の印刷面にC、M、Y、Kの各色のインクを打滴して、用紙14の印刷面にカラー画像を形成する。この描画部40は、用紙14を搬送する圧胴(描画ドラム)44と、用紙14にC、M、Y、Kの各色のインクを打滴するインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kを備えて構成されている。
【0055】
描画ドラム44は、渡し胴42から用紙14を受け取り(グリッパで用紙14の先端を把持して受け取る。)、その周面に巻き掛けて、用紙14を回転搬送する。この際、描画ドラム44は、用紙14の印刷面を外側にして、渡し胴42から用紙14を受け取り、用紙14を回転搬送する。
【0056】
なお、渡し胴42は、処理液付与部30の処理液ドラム34から用紙14を受け取る際、印刷面の裏側の面を外側にして、処理液ドラム34から用紙14を受け取り、用紙14を回転搬送する。
【0057】
4台のインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kは、描画ドラム44の周囲に一定の間隔をもって配置されており、それぞれ対応する色のインク滴を描画ドラム44に向けて吐出する。このインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成されており、そのノズル面に形成されたノズル列から、描画ドラム44に向けてインク滴を吐出する。
【0058】
描画部40は、以上のように構成される。渡し胴42を介して処理液ドラム34から描画ドラム44に受け渡された用紙14は、描画ドラム44によって回転搬送される過程で各インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kの下を通過し、その通過時に各インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46KからC、M、Y、Kの各色のインクが印刷面に打滴されて、印刷面にカラー画像が記録される。
【0059】
なお、本例のインクジェット印刷機10は、各色ともにインク中に熱可塑性樹脂が分散された水性インクが使用される。
【0060】
各インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46KからC、M、Y、Kの各インク色のインクが打滴されて、印刷面に画像が記録された用紙14は、描画ドラム44から渡し胴52に受け渡され、渡し胴52から乾燥部50の圧胴54に受け渡される。
【0061】
<乾燥部>
乾燥部50は、画像が記録された用紙14を乾燥させる。この乾燥部50は、用紙14を搬送する圧胴(乾燥ドラム)54と、乾燥ドラム54によって搬送される用紙14に対して乾燥処理を施す乾燥装置56とを備えて構成されている。
【0062】
乾燥ドラム54は、渡し胴52から用紙14を受け取り(グリッパで用紙14の先端を把持して受け取る。)、その周面に巻き掛けて、用紙14を回転搬送する。この際、乾燥ドラム54は、用紙14の印刷面を外側にして、渡し胴52から用紙14を受け取り、用紙14を回転搬送する。
【0063】
乾燥装置56は、用紙上に存在する液体成分を蒸発させる処理を行う。すなわち、描画部40で用紙14の上にインクが打滴されると、処理液とインクとの凝集反応により分離したインクの液体成分と処理液の液体成分とが用紙上に残留するので、この用紙上に残存する液体成分を蒸発させて除去する処理を行う。この乾燥装置56は、乾燥ドラム54によって搬送される用紙14に向けて温風を吹き付けることにより、用紙上に存在する液体成分を蒸発させて除去する。
【0064】
乾燥部50は、以上のように構成される。渡し胴52を介して描画ドラム44から乾燥ドラム54に受け渡された用紙14は、乾燥ドラム54による搬送過程で乾燥装置56から温風が吹き付けられて乾燥処理される。乾燥装置56を通過した用紙14は、乾燥ドラム54から渡し胴62に受け渡され、定着部60へと搬送される。
【0065】
<定着部>
定着部60は、用紙14を加熱加圧して、印刷面に描画された画像を定着させる。この定着部60は、用紙14を搬送する圧胴(定着ドラム)64と、定着ドラム64によって搬送される用紙14に加熱加圧処理を施すヒートローラ66とを備えて構成されている。
【0066】
定着ドラム64は、渡し胴62から用紙14を受け取り(グリッパで用紙14の先端を把持して受け取る。)、その周面に巻き掛けて、用紙14を回転搬送する。この際、定着ドラム64は、用紙14の印刷面を外側にして、渡し胴62から用紙14を受け取り、用紙14を回転搬送する。
【0067】
ヒートローラ66は、乾燥部50で乾燥させたインクを加熱加圧することによって、インク中に分散された熱可塑性樹脂を溶着して、インクを皮膜化させる。また、これと同時に用紙14に生じたカックルを矯正する。このヒートローラ66は、用紙幅に対応して形成されており、内蔵する熱源(たとえば、赤外線ヒータ)によって所定温度に加熱されている。そして、図示しない加圧手段によって、定着ドラム64の周面に所定の押圧力で押圧当接されている。
【0068】
定着部60は、以上のように構成される。渡し胴62から定着ドラム64に受け渡された用紙14は、この定着ドラム64で搬送される過程で印刷面にヒートローラ66が押圧当接されて、加熱加圧される。これにより、インク中に分散された熱可塑性樹脂が溶着されて、インクが皮膜化される。また、これと同時に用紙14に生じたカックルが矯正される。
【0069】
ヒートローラ66によって加熱加圧された用紙14は、定着ドラム64から回収部70へと受け渡される。
【0070】
<回収部>
回収部70は、一連の印刷処理が行われた用紙14をスタッカに積み重ねて回収する。この回収部70は、定着部60で定着処理された用紙14を定着ドラム64から受け取り、所定の搬送経路を搬送して、排紙口76から排紙する排紙コンベア74と、排紙コンベア74によって排紙口76から排紙された用紙14を回収する用紙回収装置100とを備えて構成されている。
【0071】
定着部60で定着処理された用紙14は、定着ドラム64から排紙コンベア74に受け渡される。そして、排紙コンベア74によって所定の搬送経路を搬送されて、排紙口76から排紙される。用紙回収装置100は、この排紙口76から順次排紙される用紙14を積み重ねて回収する。なお、この用紙回収装置100については、のちに詳述する。
【0072】
〔印刷動作〕
次に、上記のインクジェット印刷機10による印刷動作について説明する。
【0073】
給紙装置22は、図示しないスタッカに格納された用紙14を上から順に1枚ずつ給紙トレイ24に給紙する。給紙トレイ24に給紙された用紙14は、渡し胴32を介して処理液付与部30の処理液ドラム34に受け渡される。
【0074】
処理液ドラム34に受け渡された用紙14は、処理液ドラム34によって回転搬送され、その搬送過程で処理液付与装置36から処理液の付与を受けて、印刷面に処理液の層が形成される。処理液が付与された用紙14は、処理液ドラム34から渡し胴42を介して描画部40の描画ドラム44に受け渡される。
【0075】
描画ドラム44に受け渡された用紙14は、描画ドラム44によって回転搬送され、その搬送過程でCMYK各色のインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kからインクが打滴されて、印刷面に画像が記録される。画像が記録された用紙14は、描画ドラム44から渡し胴52を介して乾燥部50の乾燥ドラム54に受け渡される。
【0076】
乾燥ドラム54に受け渡された用紙14は、乾燥ドラム54によって回転搬送され、その搬送過程で乾燥装置56から温風が吹き付けられて、印刷面に付与されたインクが乾燥される。インクが乾燥された用紙14は、乾燥ドラム54から渡し胴62を介して定着ドラム64に受け渡される。
【0077】
定着ドラム64に受け渡された用紙14は、定着ドラム64によって回転搬送され、その搬送過程で印刷面にヒートローラ66が押圧当接されて、加熱加圧される。これにより、印刷面に記録された画像が定着される。定着部60で画像が定着された用紙14は、回収部70の排紙コンベア74に受け渡される。
【0078】
排紙コンベア74に受け渡された用紙14は、その排紙コンベア74によって搬送されて排紙口76から排紙される。そして、この排紙口76から排紙された用紙14が用紙回収装置100によって順次積み重ねられながら回収される。
【0079】
以上のように、上記のインクジェット印刷機において、給紙部20から給紙された用紙14は、処理液塗布→描画→乾燥→定着という一連の工程を経て印刷面に印刷が行われる。そして、印刷が行われた用紙14は、回収部70に組み込まれた用紙回収装置100によって順次回収される。
【0080】
《用紙回収装置》
図2、図3は、それぞれ用紙回収装置100の概略構成を示す側面図と背面図である。
【0081】
同図に示すように、用紙回収装置100は、主として、用紙14をスタックするスタッカ110と、スタッカ110を昇降させる昇降機構140と、スタッカ110にスタックされた用紙14の端面に向けて送風する一対の送風ユニット160L、160Rとで構成されている。
【0082】
<スタッカ>
用紙14をスタックするスタッカ110は、前面(排紙口76と対向して設置される面)が開口した直方体の籠状に形成されており、用紙14のスタック方向に沿って縦長に形成されている。具体的には、本例では、図4〜図6に示すように、底面部を構成する底面板112と、天面部を構成する天面板114と、背面部を構成する背面板118と、左右の側面部を構成する一対の棒材120L、120Rとで構成されており、底面板112と天面板114とを背面板118及び左右の棒材120L、120Rで連結して構成されている。天面部を構成する天面板114と背面部を構成する背面板118とは、共に矩形の平板状に形成されており、背面部を構成する背面板118は、縦方向に長い長方形の板状に形成されている。また、左右の側面部を構成する一対の棒材120L、120Rは、縦方向に長い長方形の棒状に形成されており、左右の側面部に一定の間隔をもって配置されている。このように、左右の側面部を一対の棒材120L、120Rで構成することにより、左右の側面部に通気性をもたせることができ、左右の側部からスタッカ110にスタックされた用紙14に向けて送風することが可能になる。
【0083】
以上のように構成されたスタッカ110に対して用紙14は前面の開口部から取り込まれ、その内部に積み重ねられて収容される。この際、用紙14は、スタッカ110の内部に設置されたスタック台130の上に順次積み重ねられて収容される。このスタッカ110の内部に設置されるスタック台130は複数用意されており、スタッカ110の内部に積み重ねて多段設置できるように構成されている。
【0084】
図7は、スタック台130の構成を示す側面図である。同図に示すように、スタック台130は、その下面四隅に伸縮自在な脚部132を有しており、この脚部132を伸縮させることにより、昇降自在に構成されている(同図(a)は脚部の収縮状態、(b)は脚部の伸張状態を示している)。脚部132は、いわゆるテレスコープ構造を有しており、図示しない駆動手段(たとえば、シリンダ)に駆動されて伸縮する。回収制御装置は、この駆動手段の駆動を制御して、スタック台130の昇降を制御する。なお、脚部132の伸縮は、手動で行う構成とすることもできる。
【0085】
以上のように構成されたスタック台130は、その上面部に用紙14が順次積み重ねられて載置される(スタックされる)。1つのスタック台130にスタックされる用紙14の枚数は、あらかじめ決められており、規定枚数の用紙14がスタックされると、新たなスタック台130が追加して設置される。この際、新たに追加して設置されるスタック台130は、その脚部132を伸ばすことにより、下側のスタック台130にスタックされた用紙14に干渉することなく設置することができる。すなわち、下側のスタック台130に載置された用紙14は、新たに追加して設置されたスタック台130の脚部132の間に収められ、これにより、用紙14に干渉することなく、スタック台130を多段積み重ねて設置することができる。
【0086】
なお、最下段のスタック台130は、昇降する必要がないので、脚部のないスタック台が用いられる。
【0087】
<昇降機構>
スタッカ110を昇降させる昇降機構140は、図2に示すように、主として、スタッカ110の昇降をガイドするガイド機構142と、スタッカ110を昇降させる昇降装置144とで構成されている。
【0088】
ガイド機構142は、主として、設置面に対して垂直に配設されたガイドレール146と、そのガイドレール146上を摺動する上下一対のスライダ148とで構成されている。
【0089】
ガイドレール146は、回収装置100の筐体を構成するフレーム102の背面部に固定されており、設置面に対して垂直に配設されている。
【0090】
一対のスライダ148は、それぞれガイドレール146に摺動自在に設けられている。
【0091】
スタッカ110の背面板118には、上下一対のスライダ連結部材122が後方に向かって水平に突出して形成されており、この一対のスライダ連結板122が、各スライダ148に連結されている。これにより、スタッカ110は、ガイドレール146に沿って垂直に昇降するようにガイドされる(スタック方向と平行に昇降するようにガイドされる。)。
【0092】
昇降装置144は、主として、上下方向に走行する一対のタイミングベルト150と、そのタイミングベルト150を回転駆動するモータ152とで構成されている。
【0093】
一対のタイミングベルト150は、それぞれ上下に配設された一対のタイミングプーリ154A、154Bに巻き掛けられている。下側に配設されたタイミングプーリ154Aは、モータ152の出力軸に連結されており、上側に配設されたタイミングプーリ154Bは、回収装置100の筐体を構成するフレーム102の背面部に固定された図示しないブラケットに回動自在に支持されている。上側のタイミングプーリ154Bは、下側のタイミングプーリ154Aの真上の位置に配設されており、この上下一対のタイミングプーリ154A、154Bに巻き掛けられることにより、タイミングベルト150は、ガイドレール146に沿って上下方向(スタック方向と平行な方向)に走行する。
【0094】
モータ152は、回収装置100の筐体を構成するフレーム102の底面部に固定して設置されている。そして、上記のように、その出力軸に下側のタイミングプーリ154Aが連結されている。したがって、このモータ152を駆動すると、下側のタイミングプーリ154Aが回転し、この結果、タイミングベルト150が走行する。
【0095】
スタッカ110の背面板18には、タイミングベルト連結部材124が後方に向かって水平に突出して形成されており、このタイミングベルト連結板124がタイミングベルト150に連結されている。これにより、モータ152を駆動して、タイミングベルト150を走行させると、そのタイミングベルト150の走行に連動して、スタッカ110が垂直に昇降する(スタック方向と平行に昇降する)。
【0096】
モータ152の駆動は、図示しない回収制御装置によって制御される。回収制御装置は、インクジェット印刷機10の全体の動作を制御する制御装置からの指令に応じて、モータ152の駆動を制御する。
【0097】
昇降装置144は、以上のように構成され、モータ152を駆動すると、スタッカ110が、垂直に昇降する。これにより、スタッカ110にセットされたスタック台130も垂直に昇降する。
【0098】
なお、上記のように、スタック台130は、その脚部132を伸縮させることにより、個別に昇降する。すなわち、スタッカ110にセットされたスタック台130は、スタッカ110を昇降させることによって、全体を同じ方向、同じ速度で昇降させることができるとともに、各スタック台130の脚部132を伸縮させることによって、個別に昇降させることができる。
【0099】
<送風ユニット>
一対の送風ユニット160L、160Rは、スタッカ110の移動経路を挟んで左右対称に配置されており、互いに対向して配置されている。
【0100】
図8は、一方の送風ユニット160Lの構成を示す正面図である。
【0101】
同図に示すように、送風ユニット160Lは、矩形の板状に形成された取付パネル162に複数のファンF1〜F10を上下左右に一定の間隔をもって並列して配置することにより構成されている(本例では、上下方向に10台、左右方向に3台のファンF1〜F10が並列配置されて構成されている。)。
【0102】
取付パネル162は、図示しない支持フレームに支持されて、垂直に立設されており、その送風面(各ファンから空気を送風する面)が、スタッカ110の側面と対向するように設置されている(スタッカ110にスタックされた用紙14の端面と平行になるように設置されている。)。この取付パネル162には、上下左右に一定の間隔をもって複数の取付穴164が形成されており、各ファンF1〜F10は、この取付穴164に嵌められて、取付パネル162に取り付けられている。
【0103】
一方の送風ユニット160Lは以上のように構成される。他方側の送風ユニット160Rも同じように構成される。したがって、他方側の送風ユニット160Rの構成についての説明は省略する。
【0104】
上記のように、一対の送風ユニット160L、160Rは、スタッカ110の移動経路を挟んで互いに対向して配置される。この一対の送風ユニット160L、160Rは、図2、図3に示すように、スタッカ110の移動経路の途中に設置され、最上段のファンF10が、排紙口76のほぼ真下の位置に位置するように設置される。
【0105】
各ファンF1〜F10の駆動は、図示しない回収制御装置によって制御され、回収制御装置は、インクジェット印刷機10の全体の動作を制御する制御装置からの指令に応じて、各ファンF1〜F10の駆動を制御する。この際、回収制御装置は、段単位で各ファンF1〜F10の駆動を制御し、同じ段に属するファンは、同じタイミング、同じ風量で駆動されるように制御する。なお、以下においては、各列の最上段に位置するファンF1を第1ファンF1、2段目に位置するファンF2を第2ファンF2、…、10段目(最下段)に位置するファンF10を第10ファンF10と呼び、同じ段に属するファンは、同じ動作をするものとして説明する。
【0106】
《用紙回収動作》
次に、以上のように構成された本実施の形態の用紙回収装置100による印刷後の用紙14の回収動作について説明する。
【0107】
<第1の方法>
上記のように、本実施の形態のインクジェット印刷機10では、給紙部20から用紙14が連続的に給紙され、連続的に印刷処理が行われる。そして、その連続的に印刷処理された用紙14が連続的に排紙口76から排紙される。用紙回収装置100では、この排紙口76から連続的に排紙される用紙14をスタッカ110に積み重ねて回収する。
【0108】
図9(a)は、印刷開始前のスタッカ110の状態を示している。同図に示すように、スタッカ110には、スタック台130がセットされ、そのスタック台130が所定の基準位置に位置するようにセットされる。この基準位置は、排紙口76から水平に配設された用紙14が、そのままスタック台130の上に載置される位置に設定され、スタック台130の上面が、排紙口76の若干下側に位置する位置に設定される。
【0109】
なお、ここでスタッカ110にセットされるスタック台130は、脚部132のないものがセットされる。
【0110】
上記のように、用紙14はスタッカ110に積み重ねて回収するため、スタッカ110は、排紙に連動して下降する。
【0111】
ここで、印刷速度をV[枚/sec]、用紙の厚さt[mm]とすると、スタッカ110は、Vt[mm/sec]の速度で下降する。これにより、図9(b)、(c)に示すように、排紙口76から連続的に排紙される用紙14が、順次スタック台130の上に積み重ねられてゆく。
【0112】
一方、上記のように、排紙口76の下側には、送風ユニット160L、160Rを構成するファンF1、F2、…が、上下方向(=スタック方向=スタッカ110の移動方向)に一定の間隔Lで並列して配置されている(図8参照)。
【0113】
スタッカ110が下降すると、これに連動して、ファンF1、F2、…が駆動され、各ファンF1、F2、…から空気が送風される。この際、ファンF1、F2、…は、スタック台130にスタックされた用紙14が存在する領域にあるファンのみが駆動される(用紙14をスタックしているスタック台130より上側に位置するファンのみが駆動される。)。すなわち、図9(b)に示すように、スタック台130は、排紙に連動して下降するが、まず、最上段の第1ファンF1のみが駆動される。その後、スタック台130は、排紙に連動した下降を続けることにより、第2ファンF2の設置位置に到達するので、図9(c)に示すように、スタック台130が第2ファンF2の設置位置に到達すると、第2ファンF2の駆動が開始される。
【0114】
このように、スタック台130がファンの設置位置に到達するたびに、新たにファンが追加して駆動される。
【0115】
ここで、このスタック台130の上に順次回収される用紙14に対して行われる送風は、用紙14の表面(印刷面)を乾かして、用紙同士が貼り付くのを防止することを目的に行われる。すなわち、用紙14は、順次積み重ねられて回収されるため、インクで上下の用紙14が貼り付くのを防止するために行われる。したがって、ここでの送風は、用紙14の表面を乾かして、用紙同士が貼り付くのを防止できる風量Q1に設定されて行われる。
【0116】
なお、スタッカ110は一定速度で下降するので、下降開始からの経過時間を計測することにより、スタック台130の位置を知ることができる。また、各ファンは固定して設置されているので、スタッカ台130の位置が分かれば、駆動すべきファンを知ることができる。回収制御装置は、スタッカ110の移動速度Vt(印刷速度Vと用紙の厚さtに応じて設定)に応じて、ファンの駆動を制御する。
【0117】
さて、上記のように、スタッカ110は、排紙に連動して下降し、これにより、順次スタック台130の上に排紙口76から排紙された用紙14が回収される。このスタッカ110は、スタック台130が基準位置から2L[mm]下降して、第2ファンF2と第3ファンF3の間まで到達すると、下降が一時停止される。また、これと同時に印刷も一時停止され、ファンF1、F2の送風も一時停止される。すなわち、スタッカ110は、スタック台130の上に規定枚数X1(=2L/t)枚の用紙14が回収されると、下降を一時停止する。
【0118】
インクジェット印刷機10のオペレータは、スタッカ110の下降が停止すると、スタッカ110に新たなスタック台130を追加してセットする。すなわち、図10(a)に示すように、先にスタッカ110にセットされていたスタック台130の上に新たなスタック台130を載置してセットする。
【0119】
新たなスタック台130が追加してセットされると、スタッカ110は、図10(b)に示すように、1段目のスタック台130が、第8ファンF8と第9ファンF9との間に到達するまで下降して停止する。すなわち、8L[mm]下降して停止する。そして、1段目のスタック台130が、第8ファンF8の位置まで下降して停止すると、オペレータは、図10(b)に示すように、新たに設置された2段目のスタック台130の脚部132を伸ばし、その上面が基準位置に位置するように設定する。これにより、新たにセットした2段目のスタック台130の上に排紙口76から排紙される用紙14が回収可能になるとともに、1段目のスタック台130と2段目のスタック台130との間に十分な間隔(H1=8L)が確保される。そして、このように新たにセットした2段目のスタック台130によって排紙口76から排紙される用紙14の回収が可能になると、装置の運転が再稼動される。
【0120】
まず、図10(c)に示すように、送風ユニット160L、160Rを構成するファンF1〜F10のうち第1ファンF1から第8ファンF8まで所定の風量Q2で送風するように駆動される。これにより、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14の端面に向けて各ファンから空気が送風される。用紙14の端面に向けて送付された空気は、1段目のスタック台130にスタックされた各用紙14の間に入り込み、これにより、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが行われる。
【0121】
なお、ここでの送風は、シーズニングを目的とするものであるから、上記回収時における風量Q1よりも弱い風量でよい。したがって、各ファンF1〜F8で送風する空気の風量Q2は、回収時における空気の風量Q1よりも弱く設定される(Q2<Q1)。
【0122】
また、このように各ファンF1〜F8からスタックされた用紙14の端面に向けて空気を送風することにより、図10(c)に示すように、上下の用紙14の間に空気が入り、全体の嵩が高くなるが、当該用紙14が載置された1段目のスタック台130と2段目のスタック台130との間には、十分な空間(上下のスタック台の間隔H1(=8L))が確保されているため、嵩が高くなっても問題になることはない。これにより、各用紙間に十分に空気を入れることができ、効率よくスタックされた用紙14をシーズニングすることができる。また、1段目のスタック台130の上に2段目のスタック台130が積み重ねて設置されることにより、シーズニング中の用紙14が吹き飛ばされるのを防止することができる。
【0123】
ファンF1〜F8の駆動が開始されて、シーズニングが開始されると、これと同時に印刷も再開され、排紙口76から連続的に印刷された用紙14が排紙される。これと同時にスタッカ110も所定速度Vt[mm/sec]で下降を開始する。
【0124】
これにより、図11(a)に示すように、排紙口76から連続的に排紙される用紙14が、新たに追加して設置された2段目のスタック台130の上に順次積み重ねられてゆく。そして、同図に示すように、スタッカ110が下降を開始すると、第1ファンF1の風量がQ2からQ1に切り換えられるとともに、第9ファンF9が新たに風量Q2で駆動される。これにより、新たに追加して設置された2段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対して風量Q1で空気が当てられる。これにより、回収直後の用紙14のインクの乾燥が促進され、用紙14同士の貼り付きが防止される。また、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14の下部に位置する用紙14に対しても送風が行われ、積層された用紙14の下部に位置する用紙14も十分にシーズニングすることができるようになる。
【0125】
印刷が進行するに従ってスタッカ110も下降し、新たに追加した2段目のスタック台130が第2ファンF2の設置位置に到達すると(=1段目のスタック台130が第10ファンF10の設置位置に到達すると)、第2ファンF2の風量がQ2からQ1に切り換えられるとともに、第10ファンF10が、新たに風量Q2で駆動される。これにより、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14の下部に位置する用紙14に対しても第10ファンF10から空気が送風され、積層された用紙14の下部に位置する用紙14も十分にシーズニングすることができるようになる。
【0126】
さらに印刷が進行して、新たに追加した2段目のスタック台130が基準位置から2L[mm]下降して、第2ファンF2と第3ファンF3の間の位置に到達すると、スタッカ110は下降が一時停止される。また、これと同時に印刷も一時停止され、全ファンF1〜F10の送風も一時停止される。すなわち、スタッカ110は、新たに追加した2段目のスタック台130の上に規定枚数X1(=2L/t)枚の用紙14が回収されると、下降が一時停止される。
【0127】
インクジェット印刷機10のオペレータは、スタッカ110の下降が停止すると、スタッカ110に新たなスタック台130を追加してセットする。すなわち、図11(c)に示すように、2段目のスタック台130の上に新たなスタック台130を載置してセットする。
【0128】
新たなスタック台130が追加してセットされると、インクジェット印刷機10のオペレータは、図12(a)に示すように、2段目のスタック台130の脚部132を収縮させて、第8ファンF8と第9ファンF9の間まで下降させるとともに、新たに設置したスタック台130の脚部132を伸ばして、その上面を基準位置に位置させる。これにより、新たにセットした3段目のスタック台130の上に排紙口76から排紙される用紙14が回収可能になるとともに、2段目のスタック台と3段目のスタック台との間に十分な間隔(H1=8L)が確保される。
【0129】
一方、1段目のスタック台130にスタックされていた用紙14は、2段目のスタック台130が下降することにより、その2段目のスタック台130に押されて嵩が圧縮される(スタックされた用紙全体の厚み(用紙全体の高さ)が圧縮される。)。このとき、2段目のスタック台130は、1段目のスタック台130との間隔がH2となる位置まで下降する。この間隔H2は、規定枚数X1(=2L/t)枚の用紙14の総厚み(2L=X1×t)とほぼ同じにされる(H2≒2L)。これにより、シーズニング後の用紙14を嵩張らせることなく保管することができる。また、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14は、上段に位置するスタック台との間に十分な間隔(H1)が確保されるとともに、第1ファンF1〜第8ファンF8による送風が可能になり、これにより、シーズニングが可能になる。
【0130】
このように、新たにセットした3段目のスタック台130によって排紙口76から排紙される用紙14の回収が可能になり、かつ、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが可能になると、装置の運転が再稼動される。
【0131】
まず、図12(b)に示すように、送風ユニット160L、160Rを構成するファンF1〜F10のうち第1ファンF1から第8ファンF8まで所定の風量Q2で送風するように駆動される。これにより、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14の端面に向けて各ファンから空気が送風される。用紙14の端面に向けて送付された空気は、2段目のスタック台130にスタックされた各用紙14の間に入り込み、これにより、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが行われる。
【0132】
なお、1段目のスタック台130にスタックされている用紙14が位置する第9ファンF9と第10ファンF10は現時点では駆動されない。したがって、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14には空気は送風されない。
【0133】
以上のようにして、ファンF1〜F8の駆動が開始され、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対するシーズニングが開始されると、これと同時に印刷も再開される。そして、排紙口76から連続的に印刷された用紙14が排紙される。これと同時にスタッカ110も所定速度Vt[mm/sec]で下降を開始する。
【0134】
これにより、図12(c)に示すように、排紙口76から連続的に排紙される用紙14が、新たに追加して設置された3段目のスタック台130の上に順次積み重ねられてゆく。そして、同図に示すように、スタッカ110が下降を開始すると、第1ファンF1の風量がQ2からQ1に切り換えられるとともに、第9ファンF9が新たに風量Q2で駆動される。これにより、新たに追加して設置された3段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対して風量Q1で空気が当てられる。これにより、回収直後の用紙14のインクの乾燥が促進され、用紙14同士の貼り付きが防止される。一方、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14の下部に位置する用紙14に対しても送風が行われ、積層された用紙14の下部に位置する用紙14も十分にシーズニングすることができるようになる。
【0135】
印刷が進行するに従ってスタッカ110も下降し、新たに追加した3段目のスタック台130が、第2ファンF2の設置位置に到達すると(=2段目のスタック台130が第10ファンF10の設置位置に到達すると)、図13(a)に示すように、第2ファンF2の風量が、Q2からQ1に切り換えられるとともに、第10ファンF10が、新たに風量Q2で駆動される。これにより、2段目スタック台130にスタックされた用紙14の下部に位置する用紙14に対しても送風が行われ、積層された用紙14の下部に位置する用紙14も十分にシーズニングすることができるようになる。
【0136】
さらに印刷が進行して、新たに追加した3段目のスタック台130が基準位置から2L[mm]下降して、第2ファンF2と第3ファンF3の間に到達すると、スタッカ110は下降が一時停止される。また、これと同時に印刷も一時停止され、全ファンF1〜F10の送風も一時停止される。すなわち、スタッカ110は、新たに追加した3段目のスタック台130の上に規定枚数X1(=2L/t)枚の用紙14が回収されると、下降が一時停止される。
【0137】
インクジェット印刷機10のオペレータは、スタッカ110の下降が停止すると、スタッカ110に新たなスタック台130を追加してセットする。すなわち、図13(b)に示すように、3段目のスタック台130の上に新たなスタック台130を載置してセットする。
【0138】
新たなスタック台130が追加してセットされると、インクジェット印刷機10のオペレータは、図13(c)に示すように、3段目のスタック台130の脚部132を収縮させて、第8ファンF8と第9ファンF9の間まで下降させるとともに、新たに設置した4段目のスタック台130の脚部132を伸ばして、その上面を基準位置に位置させる。これにより、新たにセットした4段目のスタック台130の上に排紙口76から排紙される用紙14が回収可能になるとともに、3段目のスタックと4段目のスタック台との間に十分な間隔(H1=8L)が確保される。
【0139】
一方、2段目のスタック台130にスタックされていた用紙14は、3段目のスタック台130が下降することにより、その3段目のスタック台130に押されて、嵩が圧縮される。このとき、3段目のスタック台130は、2段目のスタック台130との間隔がH2(≒2L)となる位置まで下降する。これにより、シーズニング後の用紙14を嵩張らせることなく保管することができる。なお、このとき、2段目のスタック台130と1段目のスタック台130との間隔はH2のままである。
【0140】
また、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14は、上段に位置するスタック台との間に十分な間隔(H1)が確保されるとともに、第1ファンF1〜第8ファンF8による送風が可能になり、これにより、シーズニングが可能になる。
【0141】
このように、新たにセットした4段目のスタック台130によって排紙口76から排紙される用紙14の回収が可能になり、かつ、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが可能になると、装置の運転が再稼動される。
【0142】
まず、図14(a)に示すように、送風ユニット160L、160Rを構成するファンF1〜F10のうち第1ファンF1から第8ファンF8まで所定の風量Q2で送風するように駆動される。これにより、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14の端面に向けて各ファンから空気が送風される。用紙14の端面に向けて送付された空気は、3段目のスタック台130にスタックされた各用紙14の間に入り込み、これにより、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが行われる。
【0143】
なお、2段目のスタック台130にスタックされている用紙14が位置する第9ファンF9と第10ファンF10は現時点では駆動されない。したがって、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14には、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14と同様に、空気は送風されない。
【0144】
以上のようにして、ファンF1〜F8の駆動が開始され、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対するシーズニングが開始されると、これと同時に印刷も再開される。そして、排紙口76から連続的に印刷された用紙14が排紙される。これと同時にスタッカ110も所定速度Vt[mm/sec]で下降を開始する。
【0145】
これにより、図14(b)に示すように、排紙口76から連続的に排紙される用紙14が、新たに追加して設置された4段目のスタック台130の上に順次積み重ねられてゆく。そして、同図に示すように、スタッカ110が下降を開始すると、第1ファンF1の風量がQ2からQ1に切り換えられるとともに、第9ファンF9が新たに風量Q2で駆動される。これにより、新たに追加して設置された4段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対して風量Q1で空気が当てられる。これにより、回収直後の用紙14のインクの乾燥が促進され、用紙14同士の貼り付きが防止される。一方、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14の下部に位置する用紙14に対しても送風が行われ、積層された用紙14の下部に位置する用紙14も十分にシーズニングすることができるようになる。
【0146】
印刷が進行するに従ってスタッカ110も下降し、新たに追加した4段目のスタック台130が、第2ファンF2の設置位置に到達すると(=3段目のスタック台130が第10ファンF10の設置位置に到達すると)、図14(c)に示すように、第2ファンF2の風量が、Q2からQ1に切り換えられるとともに、第10ファンF10が、新たに風量Q2で駆動される。これにより、2段目スタック台130にスタックされた用紙14の下部に位置する用紙14に対しても送風が行われ、積層された用紙14の下部に位置する用紙14も十分にシーズニングすることができるようになる。
【0147】
さらに印刷が進行して、新たに追加した4段目のスタック台130が基準位置から2L[mm]下降して、第2ファンF2と第3ファンF3の間に到達すると、スタッカ110は下降が一時停止される。また、これと同時に印刷も一時停止され、全ファンF1〜F10の送風も一時停止される。すなわち、スタッカ110は、新たに追加した3段目のスタック台130の上に規定枚数X1(=2L/t)枚の用紙14が回収されると、下降が一時停止される。
【0148】
さらに用紙14の回収を継続する場合は、スタッカ110に新たなスタック台130を追加してセットする。そして、上記同様の操作を繰り返し、用紙14の回収と、シーズニングを同時進行させる。
【0149】
一方、回収を終了する場合、インクジェット印刷機10のオペレータは、4段目のスタック台130の脚部132を収縮させて、第8ファンF8と第9ファンF9との間まで下降させる。これにより、3段目のスタック台130にスタックされていた用紙14は、4段目のスタック台130が下降することにより、その4段目のスタック台130に押されて嵩が圧縮される。このとき、4段目のスタック台130は、3段目のスタック台130との間隔がH2(≒2L)となる位置まで下降する。これにより、シーズニング後の用紙14を嵩張らせることなく保管することができる。なお、このとき、3段目のスタック台130と2段目のスタック台130との間隔、及び、2段目のスタック台130と1段目のスタック台130との間隔はH2のままである。
【0150】
また、4段目のスタック台130にスタックされた用紙14は、その上方に十分な空間が確保されるとともに、第1ファンF1〜第8ファンF8による送風が可能になり、これにより、シーズニングが可能になる。そして、4段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが可能になると、送風ユニット160L、160Rを構成するファンF1〜F10のうち第1ファンF1から第8ファンF8まで所定の風量Q2で送風するように駆動される。これにより、4段目のスタック台130にスタックされた用紙14の端面に向けて各ファンから空気が送風される。用紙14の端面に向けて送付された空気は、4段目のスタック台130にスタックされた各用紙14の間に入り込み、これにより、4段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが行われる。
【0151】
この4段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対するシーズニングは所定時間継続して行われる。そして、シーズニング開始から所定時間が経過すると、ファンF1〜F8による送風が停止される。これにより、4段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが完了し、回収した全ての用紙14のシーズニングが完了する。
【0152】
インクジェット印刷機10のオペレータは、スタッカ110からスタック台130ごと用紙14を取り出し、装置外へ搬出する。
【0153】
以上一連の工程で用紙14の回収作業は完了する。
【0154】
このように、本実施の形態の用紙回収装置100では、排紙口76から排紙される用紙14を順次スタック台130の上に積み重ねて回収し、規定枚数の用紙14が回収されると、スタック台130が下方へ移動する。そして、その移動先で側方から送風を受け、シーズニングされる。このシーズニング中も順次上段のスタック台130で回収作業が行われ、上段のスタック台130に規定枚数の用紙14が回収されると、その上段のスタック台130が下方へ移動して、シーズニングされる。一方、下段のスタック台130は、さらに下方へ移動し、送風を受けずに保管される。すなわち、本実施の形態の用紙回収装置100では、スタック台130が、用紙14の回収部(本例では、基準位置から第2ファンF2と第3ファンF3の間の位置までの領域(基準位置から下方に2Lまでの領域))からシーズニング部(本例では、第3ファンF3から第10ファンF2までの領域)、シーズニング部から保管部(ファンの送風を受けない領域)へと順次移動して、回収、シーズニング、保管という作業が並列して行われる。
【0155】
これにより、回収からシーズニングまでの処理を効率よく行うことができ、全体の印刷時間を短縮することができる。特に用紙14に対して両面印刷する場合には、表面側の印刷後、短時間で裏面側の印刷が可能になり、全体の印刷時間を大幅に短縮することができる。
【0156】
また、シーズニングが完了した用紙14を順次下方に移送し、送風ユニット160L、160Rからの送風を受けない場所に保管することにより、シーズニング済みの用紙を嵩張らせることなく保管することができる。すなわち、スタックされた用紙に対して送風を続けると、送風された空気が紙間に入り込んで用紙の嵩が増すが、送風ユニット160L、160Rによる送風を受けない場所に移送して保管することにより、用紙を嵩張らせずに保管することができる。
【0157】
この際、本願実施の形態の用紙回収装置100では、シーズニングが完了した用紙を上段に位置するスタック台72で下方に押すことにより、効率よく上下の紙間の空気を排除することができ、更に用紙を嵩張らせることなく保管することができる。そして、これにより、装置の高さ方向の寸法をコンパクトにすることができる。
【0158】
特に、回収部において、上下のスタック台の間隔(H2)が、規定枚数(X1)の用紙14をスタックしたときの用紙14の総厚み(2L=X1×t)とほぼ同じになるようにすることにより、シーズニング後の用紙14をまったく嵩張らせずに保管することができる。
【0159】
<第2の方法>
上記のように、本実施の形態の用紙回収装置100では、新たに追加して設置したスタック台130に用紙14が回収されている間、その下段に位置するスタック台130にスタックされた用紙のシーズニングが行われる。
【0160】
したがって、1つのスタック台130にスタックされる用紙の枚数が増えれば、シーズニング時間は長くなり、1つのスタック台130にスタックされる用紙の枚数が減れば、シーズニング時間は短くなる。
【0161】
一方、シーズニングに要する時間は、用紙の種類、打滴したインクの量に応じて変わる。
【0162】
したがって、用紙の種類、打滴したインク量に応じて、1台のスタック台130にスタックする用紙の枚数を変えれば、より適切にシーズニングを行うことができる。
【0163】
以下においては、シーズニング時間が短くて済む場合の回収方法について説明する。
【0164】
図15(a)は、印刷開始前のスタッカ110の状態を示している。同図に示すように、スタッカ110には、スタック台130がセットされ、そのスタック台130が所定の基準位置に位置するようにセットされる。
【0165】
印刷が開始されると、スタッカ110は、排紙に連動して下降する。ここで、印刷速度をV[枚/sec]、用紙の厚さt[mm]とすると、スタッカ110は、Vt[mm/sec]の速度で下降する。これにより、図15(b)に示すように、排紙口76から連続的に排紙される用紙14が、順次スタック台130の上に積み重ねられてゆく。
【0166】
また、スタッカ110が下降すると、これに連動して第1ファンF1が駆動される。これにより、スタック台130の上に回収された用紙14に対して第1ファンF1から風量Q1で空気が送風される。この送風により、用紙14に付与されたインクの乾燥が促進され、積層された上下の用紙同士が貼り付くのが防止される。
【0167】
印刷が進行し、スタック台130が基準位置からL[mm]下降して、第1ファンF1と第2ファンF2の間に到達すると、スタッカ110の下降が一時停止される。また、これと同時に印刷も一時停止され、ファンF1の送風も一時停止される。すなわち、スタッカ110は、スタック台130の上に規定枚数X2(=L/t)枚の用紙14が回収されると、下降を一時停止する。
【0168】
インクジェット印刷機10のオペレータは、スタッカ110の下降が停止すると、スタッカ110に新たなスタック台130を追加してセットする。すなわち、図15(c)に示すように、先にスタッカ110にセットされていたスタック台130の上に新たなスタック台130を載置してセットする。
【0169】
新たなスタック台130が追加してセットされると、スタッカ110は、図16(a)に示すように、1段目のスタック台130が、第9ファンF9と第10ファンF10との間まで下降して停止する。すなわち、9L[mm]下降して停止する。そして、1段目のスタック台130が、第9ファンF9の位置と第10ファンF10との間まで下降して停止すると、オペレータは、同図に示すように、新たに設置された2段目のスタック台130の脚部132を伸ばし、その上面が基準位置に位置するように設定する。これにより、新たにセットした2段目のスタック台130の上に排紙口76から排紙される用紙14が回収可能になるとともに、1段目のスタック台130と2段目のスタック台130との間に十分な間隔(H1=9L)が確保される。そして、このように新たにセットした2段目のスタック台130によって排紙口76から排紙される用紙14の回収が可能になると、装置の運転が再稼動される。
【0170】
まず、図16(b)に示すように、送風ユニット160L、160Rを構成するファンF1〜F10のうち第1ファンF1から第9ファンF9まで所定の風量Q2(Q2<Q1)で送風するように駆動される。これにより、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14の端面に向けて各ファンから空気が送風される。用紙14の端面に向けて送付された空気は、1段目のスタック台130にスタックされた各用紙14の間に入り込み、これにより、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが行われる。
【0171】
ファンF1〜F9の駆動が開始されて、シーズニングが開始されると、これと同時に印刷も再開され、排紙口76から連続的に印刷された用紙14が排紙される。これと同時にスタッカ110も所定速度Vt[mm/sec]で下降を開始する。
【0172】
これにより、図16(c)に示すように、排紙口76から連続的に排紙される用紙14が、新たに追加して設置された2段目のスタック台130の上に順次積み重ねられてゆく。そして、同図に示すように、スタッカ110が下降を開始すると、第1ファンF1の風量がQ2からQ1に切り換えられるとともに、第10ファンF10が新たに風量Q2で駆動される。これにより、回収直後の用紙14のインクの乾燥が促進され、用紙14同士の貼り付きが防止される。また、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14の下部に位置する用紙14に対しても送風が行われ、積層された用紙14の下部に位置する用紙14も十分にシーズニングすることができるようになる。
【0173】
印刷が進行し、新たに追加した2段目のスタック台130が基準位置からL[mm]下降して、第1ファンF1と第2ファンF2との間に到達すると、スタッカ110は下降が一時停止される。また、これと同時に印刷も一時停止され、全ファンF1〜F10の送風も一時停止される。すなわち、スタッカ110は、新たに追加した2段目のスタック台130の上に規定枚数X2(=L/t)枚の用紙14が回収されると、下降が一時停止される。
【0174】
インクジェット印刷機10のオペレータは、スタッカ110の下降が停止すると、スタッカ110に新たなスタック台130を追加してセットする。すなわち、図17(a)に示すように、2段目のスタック台130の上に新たなスタック台130を載置してセットする。
【0175】
新たなスタック台130が追加してセットされると、インクジェット印刷機10のオペレータは、図17(b)に示すように、2段目のスタック台130の脚部132を収縮させて、第9ファンF9と第10ファンF10との間まで下降させるとともに、新たに設置したスタック台130の脚部132を伸ばして、その上面を基準位置に位置させる。これにより、新たにセットした3段目のスタック台130の上に排紙口76から排紙される用紙14が回収可能になるとともに、2段目のスタック台と3段目のスタック台との間に十分な間隔(H1=9L)が確保される。
【0176】
一方、1段目のスタック台130にスタックされていた用紙14は、2段目のスタック台130が下降することにより、その2段目のスタック台130に押されて嵩が圧縮される。このとき、2段目のスタック台130は、1段目のスタック台130との間隔がH2となる位置まで下降する。この間隔H2は、規定枚数X2(=L/t)枚の用紙14の総厚み(L=X2×t)とほぼ同じにされる(H2≒L)。これにより、シーズニング後の用紙14を嵩張らせることなく保管することができる。また、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14は、上段に位置するスタック台との間に十分な間隔(H1)が確保されるとともに、第1ファンF1〜第8ファンF8による送風が可能になり、これにより、シーズニングが可能になる。
【0177】
このように、新たにセットした3段目のスタック台130によって排紙口76から排紙される用紙14の回収が可能になり、かつ、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが可能になると、装置の運転が再稼動される。
【0178】
まず、図17(c)に示すように、送風ユニット160L、160Rを構成するファンF1〜F10のうち第1ファンF1から第9ファンF9まで所定の風量Q2で送風するように駆動される。これにより、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14の端面に向けて各ファンから空気が送風される。用紙14の端面に向けて送付された空気は、2段目のスタック台130にスタックされた各用紙14の間に入り込み、これにより、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが行われる。
【0179】
なお、1段目のスタック台130にスタックされている用紙14が位置する第10ファンF10は現時点では駆動されない。したがって、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14には空気は送風されない。
【0180】
以上のようにして、ファンF1〜F9の駆動が開始され、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対するシーズニングが開始されると、これと同時に印刷も再開される。そして、排紙口76から連続的に印刷された用紙14が排紙される。これと同時にスタッカ110も所定速度Vt[mm/sec]で下降を開始する。
【0181】
これにより、図18(a)に示すように、排紙口76から連続的に排紙される用紙14が、新たに追加して設置された3段目のスタック台130の上に順次積み重ねられてゆく。そして、同図に示すように、スタッカ110が下降を開始すると、第1ファンF1の風量がQ2からQ1に切り換えられるとともに、第10ファンF10が新たに風量Q2で駆動される。これにより、新たに追加して設置された3段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対して風量Q1で空気が当てられる。これにより、回収直後の用紙14のインクの乾燥が促進され、用紙14同士の貼り付きが防止される。また、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14の下部に位置する用紙14に対しても空気が送風され、積層された用紙14の下部に位置する用紙14も十分にシーズニングすることができるようになる。
【0182】
印刷が進行して、新たに追加した3段目のスタック台130が基準位置からL[mm]下降して、第1ファンF1と第2ファンF2の間に到達すると、スタッカ110は下降が一時停止される。また、これと同時に印刷も一時停止され、全ファンF1〜F10の送風も一時停止される。すなわち、スタッカ110は、新たに追加した3段目のスタック台130の上に規定枚数X2(=L/t)枚の用紙14が回収されると、下降が一時停止される。
【0183】
インクジェット印刷機10のオペレータは、スタッカ110の下降が停止すると、スタッカ110に新たなスタック台130を追加してセットする。すなわち、図18(b)に示すように、3段目のスタック台130の上に新たなスタック台130を載置してセットする。
【0184】
新たなスタック台130が追加してセットされると、インクジェット印刷機10のオペレータは、図18(c)に示すように、3段目のスタック台130の脚部132を収縮させて、第9ファンF9と第10ファンF10の間まで下降させるとともに、新たに設置した4段目のスタック台130の脚部132を伸ばして、その上面を基準位置に位置させる。これにより、新たにセットした4段目のスタック台130の上に排紙口76から排紙される用紙14が回収可能になるとともに、3段目のスタック台と4段目のスタック台との間に十分な間隔(H1=9L)が確保される。
【0185】
一方、2段目のスタック台130にスタックされていた用紙14は、3段目のスタック台130が下降することにより、その3段目のスタック台130に押されて嵩が圧縮される。このとき、3段目のスタック台130は、2段目のスタック台130との間隔がH2となる位置まで下降する。これにより、シーズニング後の用紙14を嵩張らせることなく保管することができる。なお、このとき、2段目のスタック台130と1段目のスタック台130との間隔はH2のままである。
【0186】
また、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14は、4段目のスタック台130との間に十分な間隔(H1)が確保されるとともに、第1ファンF1〜第8ファンF8による送風が可能になる。これにより、シーズニングが可能になる。
【0187】
このように、新たにセットした4段目のスタック台130によって排紙口76から排紙される用紙14の回収が可能になり、かつ、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが可能になると、装置の運転が再稼動される。
【0188】
まず、図19(a)に示すように、送風ユニット160L、160Rを構成するファンF1〜F10のうち第1ファンF1から第9ファンF9まで所定の風量Q2で送風するように駆動される。これにより、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14の端面に向けて各ファンから空気が送風される。用紙14の端面に向けて送付された空気は、3段目のスタック台130にスタックされた各用紙14の間に入り込み、これにより、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが行われる。
【0189】
なお、2段目のスタック台130にスタックされている用紙14が位置する第10ファンF10は現時点では駆動されない。したがって、2段目のスタック台130にスタックされた用紙14には、1段目のスタック台130にスタックされた用紙14と同様に、空気は送風されない。
【0190】
以上のようにして、ファンF1〜F9の駆動が開始され、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対するシーズニングが開始されると、これと同時に印刷も再開される。そして、排紙口76から連続的に印刷された用紙14が排紙される。これと同時にスタッカ110も所定速度Vt[mm/sec]で下降を開始する。
【0191】
これにより、図19(b)に示すように、排紙口76から連続的に排紙される用紙14が、新たに追加して設置された4段目のスタック台130の上に順次積み重ねられてゆく。そして、同図に示すように、スタッカ110が下降を開始すると、第1ファンF1の風量がQ2からQ1に切り換えられるとともに、第10ファンF10が新たに風量Q2で駆動される。これにより、新たに追加して設置された3段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対して風量Q1で空気が当てられる。これにより、回収直後の用紙14のインクの乾燥が促進され、用紙14同士の貼り付きが防止される。また、3段目のスタック台130にスタックされた用紙14の下部に位置する用紙14に対しても空気が送風され、積層された用紙14の下部に位置する用紙14も十分にシーズニングすることができるようになる。
【0192】
印刷が進行して、新たに追加した4段目のスタック台130が基準位置からL[mm]下降して、第1ファンF1と第2ファンF2の間に到達すると、スタッカ110は下降が一時停止される。また、これと同時に印刷も一時停止され、全ファンF1〜F10の送風も一時停止される。すなわち、スタッカ110は、新たに追加した4段目のスタック台130の上に規定枚数X2(=L/t)枚の用紙14が回収されると、下降が一時停止される。
【0193】
さらに用紙14の回収を継続する場合は、スタッカ110に新たなスタック台130が追加してセットする。そして、上記同様の操作を繰り返し、用紙14の回収と、シーズニングを同時進行させる。
【0194】
一方、回収を終了する場合、インクジェット印刷機10のオペレータは、4段目のスタック台130の脚部132を収縮させて、第9ファンF9と第10ファンF10との間まで下降させる。これにより、3段目のスタック台130にスタックされていた用紙14は、4段目のスタック台130が下降することにより、その4段目のスタック台130に押されて嵩が圧縮される。このとき、4段目のスタック台130は、3段目のスタック台130との間隔がH2となる位置まで下降する。これにより、シーズニング後の用紙14を嵩張らせることなく保管することができる。なお、このとき、3段目のスタック台130と2段目のスタック台130との間隔、及び、2段目のスタック台130と1段目のスタック台130との間隔はH2のままである。
【0195】
また、4段目のスタック台130にスタックされた用紙14は、第1ファンF1〜第8ファンF8による送風が可能になる。そして、4段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが可能になると、送風ユニット160L、160Rを構成するファンF1〜F10のうち第1ファンF1から第9ファンF9まで所定の風量Q2で送風するように駆動される。これにより、4段目のスタック台130にスタックされた用紙14の端面に向けて各ファンから空気が送風される。用紙14の端面に向けて送付された空気は、4段目のスタック台130にスタックされた各用紙14の間に入り込み、これにより、4段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが行われる。
【0196】
この4段目のスタック台130にスタックされた用紙14に対するシーズニングは所定時間継続して行われる。そして、シーズニング開始から所定時間が経過すると、ファンF1〜F9による送風が停止される。これにより、4段目のスタック台130にスタックされた用紙14のシーズニングが完了し、回収した全ての用紙14のシーズニングが完了する。
【0197】
インクジェット印刷機10のオペレータは、スタッカ110からスタック台130ごと用紙14を取り出し、装置外へ搬出する。
【0198】
以上一連の工程で用紙14の回収作業は完了する。
【0199】
以上説明したように、本方法(第2の方法)では、1つのスタック台130で回収する用紙14の枚数を少なくすることにより、シーズニング時間を短縮している。
【0200】
したがって、水分で伸びやすく、シーズニング時間がかかる用紙(一般的にはコート層の薄い紙)や、用紙へのインクの打滴量が多い印刷方法の場合には、第1の方法で回収、シーズニングを行い、それ以外の場合は、本方法(第2の方法)で回収、シーズニングすることにより、適切に回収、シーズニングすることができる。
【0201】
回収制御装置は、インクジェット印刷機の制御装置から必要な情報(用紙の厚さ情報やインクの打滴量の情報等)を受けて、回収、シーズニング方法を切り換える。あるいは、オペレータから必要な情報の入力を受けて、回収、シーズニング方法を切り換える。
【0202】
このように、1つのスタック台130で回収する用紙14の枚数は、用紙の種類やインクの打滴量に応じて変えることが好ましい。
【0203】
なお、第2の方法でのシーズニング時の風量Q2は第1の方法でのシーズニング時の風量Q2より小さい値でよい。
【0204】
《他の実施の形態》
<他の実施の形態1>
上記実施の形態では、スタック台130を個別に昇降させる構成として、スタック台130の下部にテレスコープ構造の脚部132を設置し、この脚部132を伸縮させることにより、スタック台130を個別に昇降させる構成としているが、スタック台130を個別に昇降させる構成は、これに限定されるものではない。この他、たとえば、図20に示すように、スタック台130の下部にパンタグラフ構造の脚部134を設置し、この脚部134を伸縮させて、スタック台130を個別に昇降させるようにしてもよい。
【0205】
<他の実施の形態2>
また、上記実施の形態では、回収時とシーズニング時とで用紙14に送風する空気の風量を切り換える際、同じファンの送風量を切り換えて、回収時とシーズニング時の送風量を切り換えているが、回収用の送風量Q1で送風するファンと、シーズニング用の送風量Q2で送風するファンを別々に設け、使用するファンを切り換えることにより、回収時とシーズニング時とで用紙14に送風する空気の風量を切り換える構成とすることもできる。
【0206】
図21は、回収用の送風量Q1で送風するファンと、シーズニング用の送風量Q2で送風するファンを有する送風ユニット160L‘(160R’)の構成を示す正面図である。同図に示すように、1段目と2段目に回収用の送風量Q1で送風する第1予備ファンf1及び第2予備ファンf2が設置されている。この第1予備ファンf1及び第2予備ファンf2は、それぞれ第1ファンF1、第2ファンF2の設置間隔Lと同じ間隔で上下に並列して配置されており、それぞれ第1ファンF1、第2ファンF2の間に配置されている(各第1ファンF1の間に各第1予備ファンf1が配置されて、第1ファンF1と第1予備ファンf1とが横方向に交互に配置されるとともに、各第2ファンF2の間に各第2予備ファンf2が配置されて、第2ファンF2と第2予備ファンf2とが横方向に交互に配置されている。)。
【0207】
このように構成された送風ユニット160L‘、160R’において、第1段目及び第2段目のファンは、回収中の用紙に対して送風する場合は、第1予備ファンf1及び第2予備ファンf2で送風し、シーズニング中の用紙に対して送風する場合は、第1ファンF1及び第2ファンF2で送風する。
【0208】
この場合、第1予備ファンf1及び第2予備ファンf2からは温風を送風するようにしてもよい。
【0209】
第1予備ファンf1及び第2予備ファンf2については、ファンに代えて、圧縮ブロアを設置し、当該圧縮ブロアから圧縮空気を送風するようにしてもよい。
【0210】
なお、本例では、2段目までに予備ファンを設置しているが、予備ファンの設置数は必要に応じて増減することができる。すなわち、予備ファンの設置数は、1台のスタック台130で回収する用紙の枚数に応じて適宜設定される(回収部の範囲に応じて設定される。)。
【0211】
<他の実施の形態3>
上記実施の形態では、1台のスタック台130に規定枚数の用紙が回収されると、印刷が停止し、オペレータが、新たなスタック台130を追加して設置する構成とされているが、この場合、新たなスタック台130の追加をオペレータに通知する構成を備えることが好ましい。この場合、たとえば、警報機や警告灯を設置して、警報を鳴らしたり、警告灯を点灯させたりして、新たなスタック台130の設置を促すことができる。あるいは、オペレータの有する携帯端末(携帯電話、PDA等)に所要の情報を送信して(たとえば、電子メール等を自動送信する。)、新たなスタック台130の設置を促すことができる。
【0212】
<他の実施の形態4>
上記実施の形態では、オペレータがスタック台130を設置する構成としているが、自動的に供給する構成とすることもできる。
【0213】
図22は、スタック台を自動供給する構成の用紙回収装置の一例を示す側面部分断面図である。
【0214】
本例の用紙回収装置200において、スタッカ210は、所定の位置に固定して設置されている。このスタッカ210の内部には、複数のスタック台230が収容配置されており、各々個別に昇降可能に設けられている。
【0215】
各スタック台230は、アーム232を介して昇降体234に連結されており、昇降体234は、垂直に立設されたレール236に沿って自走可能に設けられている。各スタック台230は、アーム232を介して連結された昇降体234がレール236に沿って自走することにより、スタッカ内を垂直に昇降移動する(用紙のスタック方向に昇降移動する。)。
【0216】
また、本例の用紙回収装置200において、用紙14の回収を行う回収部と、回収された用紙14のシーズニングを行うシーズニング部と、シーズニング後に用紙14を保管する保管部とは、互いに独立して形成されており、回収部の下側にシーズニング部、シーズニング部の下側に保管部が形成されている。そして、回収部には、回収中の用紙に送風する専用の送風ユニット(第1送風ユニット)240L、240R(片側の第1送風ユニット240Lのみ図示)が設けられており、また、シーズニング部には、シーズニングを行う専用の送風ユニット(第2送風ユニット)250L、250R(片側の第2送風ユニット250Lのみ図示)が設けられている。
【0217】
スタッカ210に設けられた各スタック台230は、昇降移動することにより、所定の待機部から回収部、シーズニング部、保管部へと移動する。
【0218】
回収部に設置される第1送風ユニット240L、240Rは、スタッカ210を挟んで左右対称に配置されており、回収中の用紙14の端面に向けて所定風量Q1の空気を送風する。この第1送風ユニット240L、240Rは、矩形の板状に形成された取付パネルに複数のファンf1〜f2を上下左右に一定の間隔をもって並列して配置することにより構成されている(本例では、上下方向に2台、左右方向に3台のファンf1〜f10が並列配置されて構成されている。)。
【0219】
第1送風ユニット240L、240Rは、スタッカ210を挟んで左右対称に配置されており、回収中の用紙14の端面に向けて所定風量Q1の空気を送風する。
【0220】
シーズニング部に設置される第2送風ユニット250L、250Rは、スタッカ210を挟んで左右対称に配置されており、所定のシーズニング位置に移送されたスタック台上の用紙14の端面に向けて所定風量Q2(Q2<Q1)の空気を送風する。この第2送風ユニット250L、250Rは、矩形の板状に形成された取付パネルに複数のファンF1〜F10を上下左右に一定の間隔をもって並列して配置することにより構成されている(本例では、上下方向に8台、左右方向に3台のファンF1〜F8が並列配置されて構成されている。)。
【0221】
以上のように構成された本例の用紙回収装置200において、用紙の回収は、次のように行われる。
【0222】
まず、再下段のスタック台230が、基準位置(排紙口76から水平に配設された用紙14が、そのままスタック台130の上に載置される位置であって、スタック台230の上面が、排紙口76の若干下側に位置する位置)に移動する。
【0223】
なお、他のスタック台230は、回収部上方の待機位置で待機している。
【0224】
印刷が開始されると、用紙14の排紙に連動して、最下段のスタック台230が所定速度Vtで下降する。これにより、排紙口76から排紙される用紙14が、順次スタック台230の上に積み重ねられてゆく。
【0225】
また、この回収に連動して、第1送風ユニット240L、240Rを構成する各ファンf1、f2が駆動され、スタック台230の上に回収された用紙14に向けて所定の風量Q2で空気が送風される。これにより、スタック台230の上に回収された用紙のインクが乾かされ、回収された用紙の上下の貼り付きが防止される。
【0226】
印刷が進行して、規定枚数の用紙が回収されると、印刷及び第1送風ユニット240L、240Rによる送風が一時停止される。そして、印刷が一時停止されると、用紙14が回収された最下段のスタック台230が所定量下降し、シーズニング位置(第2送風ユニット250L、250Rを構成する最下段のファンF8の設置位置)に移動する。これにより、最下段のスタック台230の上に載置された用紙14に対して第2送風ユニット250L、250Rから空気の送風が可能になり、シーズニングが可能になる。)。
【0227】
そして、用紙14が回収された最下段のスタック台230がシーズニング位置に移動すると、その上段に位置する2段目のスタック台230が基準位置に移動する。これにより、排紙口76から排紙される用紙14を2段目のスタック台230で回収可能になる。
【0228】
2段目のスタック台230が基準位置に移動すると、印刷が再開される。印刷が再開されると、用紙14の排紙も再開されるので、これに連動して、2段目のスタック台230が所定速度Vtで下降する。これにより、排紙口76から排紙される用紙14が、順次2段目のスタック台230の上に積み重ねられてゆく。
【0229】
また、この回収に連動して、第1送風ユニット240L、240Rを構成する各ファンf1、f2が駆動され、スタック台230の上に回収された用紙14に向けて所定の風量Q2で空気が送風される。これにより、スタック台230の上に回収された用紙のインクが乾かされ、回収された用紙の上下の貼り付きが防止される。
【0230】
一方、シーズニング部では、第2送風ユニット250L、250Rを構成する各ファンF1〜F8が駆動され、最下段のスタック台230に載置された用紙14の端面に向けて所定の風量Q2で空気が送風される。これにより、最下段のスタック台230に載置された用紙14がシーズニングされる。
【0231】
印刷が進行して、規定枚数の用紙が回収されると、印刷、及び、第1、第2送風ユニットによる送風が一時停止される。そして、印刷が一時停止されると、シーズニングを行った最下段のスタック台230が所定量下降し、保管部へと移動する(この場合、スタッカ210の底部へと移動する。)。
【0232】
そして、最下段のスタック台230が保管部へと移動すると、用紙14を回収した2段目のスタック台230がシーズニング位置へ移動する。
【0233】
そして、2段目のスタック台230がシーズニング位置に移動すると、その上段に位置する3段目のスタック台230が基準位置に移動する。
【0234】
このように、規定枚数の用紙が回収されるたびに、シーズニング部にあるスタック台230を保管部へ、回収部にあるスタック台230をシーズニング部へ、待機部にあるスタック台230を回収部へと移送する。これにより、自動的にスタック台230を供給することができるとともに、回収された用紙をシーズニング部、保管部へと自動的に移送することができる。
【0235】
なお、この場合もシーズニング後の用紙を上段に位置するスタック台230で押して、嵩を圧縮させることにより、シーズニング済みの用紙をよりコンパクトに保管することができる。
【0236】
このように、各スタック台が個別に昇降できる構成であれば、スタック台の供給を自動的に行うことができる。なお、スタック台を個別に昇降させる構成については、本例のものに限定されるものではなく、他の構成を採用することもできる。
【0237】
<他の実施の形態5>
上記実施の形態では、シーズニングする際、送風ユニット160L、160Rを構成する全てのファンF1〜F10を稼動させる構成としているが、用紙14の有無を検出し、必要なファンのみを駆動させるようにしてもよい。
【0238】
すなわち、図23(a)〜(c)に示すように、スタック台130にスタックされた用紙は、その端面に空気が送風されると、各用紙の間に空気が入り込み、嵩が上昇するので、最上段の用紙14の位置を検出し、用紙14が存在する領域にあるファンのみを駆動する。たとえば、同図(b)では、最上段の用紙14の位置が第7ファンF7の高さの位置にあるので、用紙14が存在する第7ファンF7〜第9ファンF9までを駆動する。また、同図(c)では、最上段の用紙14の位置が第3ファンF3の位置にあるので、用紙14が存在する第3ファンF3〜第9ファンF9までを駆動する。
【0239】
このように、用紙14が存在するファンのみを駆動することにより、無駄なファンの駆動を防止でき、電力消費を抑えることができる。
【0240】
なお、最上位の用紙14の位置(用紙が存在する範囲)を検出する方法は、特に限定されないが、たとえば、図24に示すように、一方の送風ユニット160Lの各段のファンF1〜F10の間に投光センサSa1〜Sa9を設置するとともに、他方の送風ユニット160Rの各段のファンF1〜F10の間に受光センサSb1〜Sb10を設置して検出する方法を採用することができる。この方法では、各投光センサSa1〜Sa9から投光された光が、対応する受光センサSb1〜Sb10で受光されたか否かにより、最上位の用紙14の位置を検出する。すなわち、用紙が存在する場合、投光センサから投光された光は、用紙に遮られて、受光センサで受光されないので、受光センサで受光されない領域が紙の存在する領域となる。この場合、光が受光されている受光センサの中で最下段に位置する受光センサよりも下側に位置するファンが駆動される。たとえば、光が受光されている受光センサの中で最下段に位置する受光センサがSb4の場合、その受光センサSb4よりも下側に位置する第5ファンF5〜第10ファンF10(ただし、スタック台が第10ファンF10の設置位置にある場合)が駆動される。これにより、無駄なファンの駆動を防止できる。
【0241】
<他の実施の形態6>
上記実施の形態では、用紙14をシーズニングする際、各ファンを同じ風量Q2で送風する構成としているが、下方に向かって風量を段階的に増やすようにしてもよい。すなわち、積層された用紙の下部に位置する用紙ほど強い風量で送風する構成とする。これにより、積層された用紙の下部に位置する用紙の内部にも効率よく、空気を入れることができ、効率よくシーズニングすることができる。
【0242】
<他の実施の形態7>
上記実施の形態では、スタッカの左右両脇に送風ユニットを設置する構成としているが、送風ユニットの設置レイアウトは、これに限定されるものではない。左右いずれか一方のみに設置するようにしてもよいし、背面にも設置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0243】
10…インクジェット印刷機、14…用紙、20…給紙部、30…処理液付与部、40…描画部、46C、46M、46Y、46K…インクジェットヘッド、50…乾燥部、60…定着部、70…回収部、74…排紙コンベア、76…排紙口、100…用紙回収装置、110…スタッカ、130…スタック台、140…昇降機構、160L、160R…送風ユニット、F1〜F10…ファン、f1〜f2…予備ファン、200…用紙回収装置、210…スタッカ、230…スタック台、234…昇降体、240L、240R…第1送風ユニット、250L、250R…第2送風ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機の排紙口から連続的に排紙される印刷後の用紙を回収する用紙回収装置において、
前記排紙口から排紙された用紙がスタックされるスタック台と、
前記スタック台を用紙のスタック方向に昇降させて、前記排紙口から排紙された用紙を回収する回収部、回収後の用紙をシーズニングするシーズニング部、シーズニング後の用紙を保管する保管部へと移送する移送手段と、
前記シーズニング部に移送された前記スタック台に対して、該スタック台にスタックされた用紙に送風する送風手段と、
前記移送手段を制御して前記スタック台の昇降を制御する昇降制御手段と、
を備え、前記昇降制御手段は、前記回収部において、前記排紙口から排紙された用紙が前記スタック台に順次スタックされるように、前記スタック台を所定の速度で下降させ、規定枚数の用紙が前記スタック台にスタックされると、前記スタック台を下降させて前記シーズニング部に移送し、前記スタック台にスタックされた用紙の端面に前記送風手段から送風された空気を当てて前記用紙を所定時間シーズニングし、シーズニングの完了後、前記スタック台を下降させて、前記送風手段からの送風を受けない前記保管部に移送することを特徴とする用紙回収装置。
【請求項2】
前記スタック台が上下方向に多段設けられるとともに、移送手段によって個別に昇降され、前記シーズニング部にあるスタック台が前記シーズニング部から前記保管部に移送されると、前記回収部にあるスタック台が前記回収部から前記シーズニング部に移送され、前記回収部にあるスタック台が前記回収部から前記シーズニング部に移送されると、新たなスタック台が前記回収部にセットされることを特徴とする請求項1に記載の用紙回収装置。
【請求項3】
前記シーズニング部における上下のスタック台の間隔をH1、前記保管部における上下のスタック台の間隔をH2とすると、H1>H2であり、かつ、H2は前記規定枚数スタックされた用紙の総厚みとほぼ同じであることを特徴とする請求項2に記載の用紙回収装置。
【請求項4】
前記回収部から前記シーズニング部に前記スタック台が移送されると、該スタック台の下段に位置するスタック台にスタックされた用紙が、前記回収部から前記シーズニング部に移送された前記スタック台に押されて、嵩が圧縮されることを特徴とする請求項2に記載の用紙回収装置。
【請求項5】
前記回収部で前記スタック台に順次スタックされる用紙に向けて送風する第2送風手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の用紙回収装置。
【請求項6】
前記第2送風手段の風量が、前記送風手段の風量よりも大きく設定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の用紙回収装置。
【請求項7】
前記送風手段は、前記用紙のスタック方向に縦列して配置された複数のファンで構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の用紙回収装置。
【請求項8】
前記送風手段と前記第2送風手段は、前記用紙のスタック方向に縦列して配置された複数のファンで構成され、前記回収部で前記スタック台に回収される用紙の枚数に応じて、前記送風手段を構成するファンと前記第2送風手段を構成するファンとに区分けされることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の用紙回収装置。
【請求項9】
前記送風手段を構成する個々のファンは、上段から下段に向かって段階的に風量が大きくなるように設定されることを特徴とする請求項7又は8に記載の用紙回収装置。
【請求項10】
前記シーズニング部に移送されたスタック台に対して、用紙が存在する領域を検出する検出手段と、
前記送風手段を構成する個々のファンの駆動を制御する送風制御手段と、
を備え、前記送風制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記用紙が存在する領域にあるファンのみを駆動することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の用紙回収装置。
【請求項11】
前記規定枚数が、前記用紙の種類に応じて設定されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の用紙回収装置。
【請求項12】
前記印刷機が前記用紙にインクジェット方式で画像を印刷し、前記規定枚数が、前記用紙に印刷された画像のインク量に応じて設定されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の用紙回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−56757(P2011−56757A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208362(P2009−208362)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】