説明

用紙綴じ装置、後処理装置、及び画像形成装置

【課題】本発明は、切り込みに挿入されることにより用紙束を綴じる舌部が、この切り込みから抜けることを抑制する。
【解決手段】本発明の用紙綴じ装置は、用紙束Bにスリット521を形成し、かつ用紙束Bの一部を予め定めた形状に切ることにより一方の端部が用紙束Bと連続する部分を残す舌部522を用紙束Bに形成するとともに、舌部522を折り舌部522の他方の端部をスリット521に挿入し用紙束Bを綴じる綴じ機構と、綴じ機構によりスリット521に挿入された舌部522が用紙束Bの表面から離れることを抑制するよう舌部522及び用紙束Bの表面の少なくとも一方を加工する加工機構とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙綴じ装置、後処理装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成システムとして、シート束に綴じ処理を行う複数の綴じ手段、例えば接着剤塗布手段、半抜き綴じ手段、ステープル綴じ手段、仮綴じ手段等を備えるものが存在する(特許文献1参照)。
また、綴じ機として、重ね合わせた複数枚の用紙をステージと切込刃及び抜き刃とによって切り起こした切起片を用いてそれら複数枚の用紙を相互に接合して綴じ得るものであって、複数枚の用紙を相互に接合させた接合部分を厚み方向に圧縮変形し得る後述する圧縮機構を具備するものが存在する(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3885410号明細書
【特許文献2】特開2010−137551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、切り込みに挿入されることにより用紙束を綴じる舌部が、この切り込みから抜けることを抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、用紙束に切り込みを形成し、かつ当該用紙束の一部を予め定めた形状に切ることにより一方の端部が当該用紙束と連続する部分を残す舌部を当該用紙束に形成するとともに、当該舌部を折り当該舌部の他方の端部を当該切り込みに挿入し当該用紙束を綴じる綴じ機構と、前記綴じ機構により前記切り込みに挿入された前記舌部が前記用紙束の表面から離れることを抑制するよう当該舌部及び当該用紙束の表面の少なくとも一方を加工する加工機構とを有する用紙綴じ装置である。
請求項2記載の発明は、前記加工機構は、前記切り込みに挿入された前記舌部を前記用紙束の表面に固定することを特徴とする請求項1記載の用紙綴じ装置である。
請求項3記載の発明は、前記加工機構は、前記切り込みに挿入された前記舌部と前記用紙束の表面とを当該用紙束の厚さ方向において変形することで当該舌部を当該用紙束の表面に固定することを特徴とする請求項2記載の用紙綴じ装置である。
請求項4記載の発明は、前記加工機構は、前記切り込みに挿入された前記舌部を構成する用紙全てが前記用紙束の厚み方向において変形することを特徴とする請求項3記載の用紙綴じ装置である。
請求項5記載の発明は、前記加工機構は、前記切り込みに挿入された前記舌部と前記用紙束の表面とが接触する部分に樹脂を配置する樹脂配置機構を有することを特徴とする請求項2記載の用紙綴じ装置である。
請求項6記載の発明は、前記加工機構は、前記樹脂配置機構により配置された樹脂を間に配置した前記切り込みに挿入された前記舌部と前記用紙束とを互いに押圧させる押圧機構をさらに有することを特徴とする請求項5記載の用紙綴じ装置である。
【0006】
請求項7記載の発明は、用紙を供給する用紙供給機構と、前記用紙供給機構から供給された複数枚の用紙を束ねて用紙束を形成する用紙束形成機構と、前記用紙束に切り込みを形成し、かつ当該用紙束の一部を予め定めた形状に切ることにより一方の端部が当該用紙束と連続する部分を残す舌部を当該用紙束に形成するとともに、当該舌部を折り当該舌部の他方の端部を当該切り込みに挿入し当該用紙束を綴じる綴じ機構と、前記綴じ機構により前記切り込みに挿入された前記舌部が前記用紙束の表面から離れることを抑制するよう当該舌部及び当該用紙束の表面の少なくとも一方を加工する加工機構とを有する後処理装置である。
請求項8記載の発明は、用紙に画像を形成する画像形成機構と、前記画像形成機構によって画像が形成された複数枚の用紙を束ねて用紙束を形成する用紙束形成機構と、前記用紙束に切り込みを形成し、かつ当該用紙束の一部を予め定めた形状に切ることにより一方の端部が当該用紙束と連続する部分を残す舌部を当該用紙束に形成するとともに、当該舌部を折り当該舌部の他方の端部を当該切り込みに挿入し当該用紙束を綴じる綴じ機構と、前記綴じ機構により前記切り込みに挿入された前記舌部が前記用紙束の表面から離れることを抑制するよう当該舌部及び当該用紙束の表面の少なくとも一方を加工する加工機構とを有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、切り込みに挿入されることにより用紙束を綴じる舌部が、この切り込みから抜けることを抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、切り込みに挿入されている舌部がずれることにともない舌部及び切り込みの少なくとも一方が損傷を受けることを抑制することができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、用紙以外の部材を用いることなく舌部が切り込みから抜けることを抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、舌部を構成する用紙がばらけることを抑制できる。
【0008】
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、樹脂が舌部と用紙束の表面とを接着し舌部が切り込みから抜けることを抑制できる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、用紙束に対して舌部をより確実に固定することができる。
請求項7記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、切り込みに挿入されることにより用紙束を綴じる舌部が、この切り込みから抜けることを抑制することができる。
請求項8記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、切り込みに挿入されることにより用紙束を綴じる舌部が、この切り込みから抜けることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態が適用される用紙綴じ装置を示す概略構成図である。
【図2】針無綴じ機構及びその周辺部材を示す概略構成図である。
【図3】挿入孔周辺の構造を示す概略構成図である。
【図4】針無綴じ機構によって綴じられる部分を示す説明図である。
【図5】綴じ部分を示す説明図である。
【図6】綴じ処理が施された用紙束を示す概略構成図である。
【図7】他の実施態様1における針無綴じ機構及びその周辺部材を示す概略構成図である。
【図8】他の実施態様1における綴じ部分を示す説明図である。
【図9】他の実施態様2における針無綴じ機構及びその周辺部材を示す概略構成図である。
【図10】他の実施態様2における針無綴じ機構の綴じ動作を示す説明図である。
【図11】他の実施態様3における針無綴じ機構を備える画像形成装置を示す概略図である。
【図12】他の実施態様4における針無綴じ機構及びその周辺部材を示す概略構成図である。
【図13】他の実施態様4における綴じ部分を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<用紙綴じ装置100>
図1は、本実施の形態が適用される用紙綴じ装置100を示す概略構成図である。図1に示す用紙綴じ装置100は、複数枚の用紙Sを束ねてなる用紙束Bを載せるステージ10と、ステージ10に載せられた用紙束Bが挿入される挿入孔20と、ユーザから綴じ処理を実行する指示を受け付けるユーザ・インターフェイス30とを有する。綴じ装置100の各構成部材は、筐体40の内部に収容されている。
【0011】
<針無綴じ機構50の構造>
図2は、針無綴じ機構50及びその周辺部材を示す概略構成図である。図3は、挿入孔20周辺の構造を示す概略構成図である。
図2に示すように、用紙綴じ装置100(図1参照)は、筐体40(図1参照)の内部に、挿入孔20(図1参照)に挿入された用紙束Bの端部に綴じ処理を施す針無綴じ機構50と、用紙綴じ装置100の各構成部材を制御する制御部60と、制御部60に制御され針無綴じ機構50を駆動させる針無綴じモータM1と、制御部60に制御され押圧部552(後述)を駆動させる押圧用モータM2とを有する。
【0012】
また、図2に示すように、用紙綴じ装置100(図1参照)は、針無綴じモータM1より駆動を受けて回転することで針無綴じ機構50の基部503(後述)に駆動力を伝達する基部側カム70と、この基部側カム70により伝達される駆動力とは反対向きの力を基部503に付与する基部側スプリング80とを有する。
また、図2に示すように、用紙綴じ装置100(図1参照)は、押圧用モータM2より駆動を受けて回転することで押圧部552(後述)の一部に駆動力を伝達する押圧用カム75と、この押圧用カム75により伝達される駆動力とは反対向きの力を押圧部552の一部に付与する押圧用スプリング85とを有する。
【0013】
さらに、用紙綴じ装置100(図1参照)は、用紙束Bにおける綴じ処理を行う位置に応じて針無綴じ機構50を移動させる移動機構(図示せず)と、用紙束Bにおける綴じ処理を行う向き(後述)に応じて針無綴じ機構50を回転させる回転機構(図示せず)とを有する。
【0014】
ここで、針無綴じ機構(綴じ機構)50は、ステープラ用つづり針(所謂ステープル針)を用いることなく、用紙束Bを構成する用紙Sを変形させることで用紙束Bの端部を綴じる。具体的には、次のように構成されている。
針無綴じ機構50は、対向して配置された基台501と基部503とを有する。図2に示すように基台501に用紙束Bを挟んだ状態で、基部503が基台501に接近(図中F1方向)することにより、用紙束Bを綴じる。
【0015】
また、基台501には、基台501と略平行となるよう配置されている抑え部材502が設けられている。また、図3に示すように、基台501と抑え部材502とは、挿入孔20を挟んで設けられており、挿入孔20に挿入された用紙束Bは、基台501と抑え部材502とに挟まれる。
また、図2に示すように、基台501は、基部503に向けて延伸し基台501と一体的に形成された突出部506を有する。
【0016】
図2に示すように、基部503は、用紙束Bに切り込みを入れるブレード504と、用紙束Bを構成する用紙Sに舌部522(後述)を形成し折り曲げ、かつブレード504によって形成された切り込みに舌部522を挿入する打ち抜き部材505とを有する。
ブレード504は、基台501と抑え部材502との間に挟まれた用紙束Bに向けて延伸する略長方形の板状部材からなる。具体的には、ブレード504は、略長方形状の面に目穴504aを有し、さらに用紙束Bに接近するに従いその幅が減少する先端部504bを有する。
【0017】
打ち抜き部材505はL字状の屈曲部を有する部材である。打ち抜き部材505の一方の端部は主部505aであり、他方の端部が副部505bである。
また、打ち抜き部材505は、L字状の屈曲部に設けられた主部回転軸505rを有する。この打ち抜き部材505は、主部回転軸505rを中心に回転可能である。より詳細には、主部505aがブレード504側に傾斜可能である。なお、副部505bと基部503との間には、打ち抜き部材505が回転できるよう間隙を有する。
【0018】
ここで、主部505aは基台501に向けて延伸する。さらに、主部505aは、主部回転軸505rが設けられた側とは反対側、すなわち基台501に対向する側に刃部505cを有する。この刃部505cは、舌部522の形状を打ち抜く刃からなる。なお、刃部505cのうちブレード504と対向する側には刃が形成されておらず、後述する一端部522aによって舌部522と用紙Sとが連続するように構成されている。さらに、主部505aは、主部505aの側部、具体的にはブレード504と対向する側に、ブレード504へ向けて延伸する突起505dを有する。
【0019】
<押圧部552の構造>
さて、本実施の形態における針無綴じ機構50は、基台501と抑え部材502との間に挟まれた用紙束Bの端部を加工するために圧力を供給する押圧部552と、押圧部552からの圧力を受けて用紙束Bの端部にエンボス痕を形成し圧着するエンボス痕形成部553とを有する。ここで、押圧部552及びエンボス痕形成部553は、加工機構の一例である。
図2に示すように、押圧部552及びエンボス痕形成部553は、ブレード504に対して打ち抜き部材505とは反対側に設けられている。詳しくは後述するが、スリット521へ挿入された舌部522にエンボス痕525を形成する位置に押圧部552及びエンボス痕形成部553が設けられる。
【0020】
押圧部552は、第1押圧部552aと第2押圧部552bとを有する。第1押圧部552aは、押圧用モータM2により駆動を受けて回転する押圧用カム75によって第2押圧部552bに対して進退可能に設けられており(図2(a)の矢印F1及びF3参照)、第1押圧部552aと第2押圧部552bとの間に備えられる用紙束Bに対して圧力を加えるよう構成されている。
【0021】
エンボス痕形成部553は、第1エンボス痕形成部553aと第2エンボス痕形成部553bとからなる。第1エンボス痕形成部553aは第1押圧部552aに、第2エンボス痕形成部553bは第2押圧部552bにそれぞれ備えられており、第1エンボス痕形成部553aと第2エンボス痕形成部553bとは、その間に備えられる用紙束Bを加工するよう構成されている。
具体的には、第1エンボス痕形成部553aと第2エンボス痕形成部553bとは、互いに対向する面に凹凸を備えており、互いの凹凸が噛み合うように配置されている。そして、押圧部552によって圧力を受ける際に第1エンボス痕形成部553aと第2エンボス痕形成部553bとが噛み合うことで、用紙Sを加工するよう構成されている。
【0022】
さて、図3に示すように、用紙綴じ装置100(図1参照)は、挿入孔20の周囲に配置され、用紙束Bが挿入孔20に挿入されていることを検知する用紙束検知センサ201を有する。この用紙束検知センサ201は、図示の例では、挿入された用紙束Bの上面に対向する位置に設けられる。
【0023】
<用紙綴じ装置100の動作>
ここで、図1乃至図5を参照しながら、用紙綴じ装置100が綴じ処理を行う動作を説明する。ここで、図4は、針無綴じ機構50によって綴じられる部分を示す説明図である。より詳細には、図4(a)はスリット521及び舌部522の位置関係を示す説明図であり、図4(b)はスリット521及び舌部522を形成する状態を示す説明図であり、図4(c)は舌部522がスリット521に挿入された状態を示す説明図であり、図4(d)は舌部522にエンボス痕を形成する状態を示す説明図である。また、図5は、綴じ部分51を示す説明図である。より詳細には、図5(a)は綴じ部分51を用紙束Bの上面側から示した説明図であり、図5(b)は綴じ部分51を用紙束Bの下面側から示した説明図である。
【0024】
本実施の形態においては、ユーザ・インターフェイス30がユーザによる操作により綴じ処理を実行する指示を受け付ける。また、用紙束検知センサ201が挿入孔20に用紙束Bが挿入されたこと(図1矢印参照)を検知する。そして、制御部60が、ユーザ・インターフェイス30からの指示に関する信号、及び用紙束検知センサ201からの検知に関する信号を受けることにより、綴じ動作が開始される。
【0025】
具体的には、制御部60(図2参照)からの信号を受けて、移動機構(図示せず)と回転機構(図示せず)とが、用紙束Bにおける綴じ処理を施す位置及び向きに針無綴じ機構50を移動させる。
この位置において、図2に示すように、針無綴じモータM1が駆動し、基部側カム70を回転させる。このことにより基部503が基台501に接近し(図中F1方向)、ブレード504の先端部504bと、打ち抜き部材505の刃部505cとが用紙束Bを貫通する。そして、用紙束Bを構成するそれぞれの用紙Sに、スリット(切り込み)521と、一端部522aを残して用紙Sが打ち抜かれた舌部522とが形成される(図4(a)参照)。
【0026】
そして、図2に示すように、基部側カム70が回転して基部503を更に押下すると、打ち抜き部材505の副部505bが、基台501に一体に形成された突出部506に突き当たり、打ち抜き部材505が、主部回転軸505rを中心に、図2において時計周りに回転する。これにより、主部505aがブレード504側に傾斜し、打ち抜き部材505の突起505dがブレード504に接近する。そして、打ち抜き部材505の突起505dが、図4(b)に示すように、舌部522を折り曲げ、ブレード504の目穴504aに向けて図中F2方向に押し込む。
【0027】
そして、針無綴じモータM1により基部側カム70がさらに回転し下死点を通過した後は、基部側スプリング80による力を受けながら基部503が基台501から離れる方向に移動する(図2F3参照)。基部503が図中F3方向に上昇すると、舌部522がブレード504の目穴504aに引っ掛かった状態で上昇する。そして、図4(c)に示すように、スリット521に舌部522が挿入(織り込み)されることにより、用紙束Bが綴じられる。このとき用紙束Bには、舌部522が打ち抜かれた箇所に綴じ穴523が形成されている。
【0028】
次に、押圧用モータM2が駆動し、押圧用カム75を回転させる。このことにより、押圧部552の第1押圧部552aと第2押圧部552bとが接近し、第1エンボス痕形成部553aと第2エンボス痕形成部553bとが用紙束Bを挟んで噛み合う。ここで、図4(d)に示すように、第1エンボス痕形成部553aと第2エンボス痕形成部553b(図2参照)とは、スリット521に挿入された舌部522が配置された部分を挟み込み、挟み込んだ各用紙Sにエンボス痕525(後述)が形成される。なお、エンボス痕525は、挟み込んだ用紙束Bの用紙S全てが、用紙束Bの厚さ方向にわたって形成されており、積載された各用紙Sが互いに噛み込む。いわば用紙束Bの一部が圧着された状態となる。
【0029】
図5(a)及び(b)に示すように、本実施の形態においては、スリット521、舌部522、及び綴じ穴523を綴じ処理が施された部分(綴じ部分)51とする。
ここで、綴じ部分51の舌部522は、スリット521に挿入されている。また、スリット521に挿入された舌部522と用紙束Bにおける舌部522を載せる部分とが、ともに挟み込まれてエンボス痕525が形成される。
【0030】
このことにより、舌部522が用紙束Bの面上に圧着(固定)され、舌部522がスリット521から抜けることが抑制される。
また、スリット521に挿入されている舌部522が、例えば挿入された方向と交差する方向に移動することにともない、舌部522及びスリット521に負荷をかけることが抑制される。これにより、舌部522及びスリット521が損傷を受けることが抑制される。
【0031】
さらに、舌部522が用紙束Bの面から離間することが抑制される。従って、例えば舌部522が用紙束Bの面から離間した(舌部522が立ち上がった)結果、舌部522が他の部材等と接触して損傷を受けること等が抑制される。
さらにまた、本実施の形態においては、舌部522を構成する全ての用紙Sが用紙束Bに圧着される。言い替えると、エンボス痕525は、舌部522を構成する各用紙Sを束ねて用紙束Bに圧着する。したがって、舌部522を構成する用紙Sどうしが離間した(ばらけた)結果、舌部522を形成する各用紙Sが他の部材等と接触して損傷を受けることが抑制される。
【0032】
<綴じ処理が施された用紙束B>
図6を参照しながら、綴じ処理が施された用紙束Bについて説明する。ここで、図6は、綴じ処理が施された用紙束Bを示す概略構成図である。
用紙綴じ装置100は、移動機構(図示せず)によって針無綴じ機構50の位置を移動させることにより、用紙束Bにおける綴じ部分51の位置が変更される。また、移動機構(図示せず)によって針無綴じ機構50の位置を移動させるとともに綴じ動作を繰り返すことにより、1つの用紙束Bにおける綴じ部分51の数が変更される。さらに、回転機構(図示せず)によって針無綴じ機構50の位置を回転させることにより、用紙束Bにおける綴じ部分51の角度が変更される。
【0033】
移動機構(図示せず)及び回転機構(図示せず)を組み合わせて駆動させることにより、例えば、図6(a)に示すように、用紙束Bの角部において、1つの綴じ部分51を斜めに形成することで綴じ処理を施す態様がある。また、例えば、図6(b)に示すように、用紙束Bを構成する用紙Sの長辺に沿って、2つの綴じ部分51を形成することで綴じ処理を施す態様がある。なお、綴じ部分51の位置、数、及び角度等は、図示の例に限定されない。
【0034】
<他の実施態様1>
さて、上述の実施態様においては、エンボス痕525を形成することにより舌部522を用紙束Bの上面に圧着することを説明したがこれに限定されない。例えば、エチレン酢酸ビニル樹脂や塩化ビニル樹脂等からなる所謂接着剤を、用紙束Bと舌部522との間に塗布することによって舌部522を用紙束Bに対して圧着する構成であってもよい。例えば、図7に示すように針無綴じ機構50を構成する。ここで、図7は、他の実施態様1における針無綴じ機構50及びその周辺部材を示す概略構成図である。
図7に示すように、この実施態様における針無綴じ機構50は、制御部60に制御され接着剤を加熱しながら接着剤を供給する接着剤供給機構560と、基台501と抑え部材502とに挟まれる用紙束Bに対して接着剤供給機構560から供給された接着剤を滴下して供給する供給ヘッド563とを備える。ここで、接着剤供給機構560及び供給ヘッド563は、加工機構の一例である。また、接着剤供給機構560及び供給ヘッド563は、押圧機構の一例である。
【0035】
次に、図7及び図8を参照しながら、この実施態様における針無綴じ機構50の動作を説明する。ここで、図8は、他の実施態様1における綴じ部分51を示す説明図である。なお、図8(a)及び(c)において、破線で示されているスリット521及び舌部522は、切り込み予定線である。
まず、制御部60が、ユーザ・インターフェイス30(図1参照)からの指示に関する信号、及び用紙束検知センサ201からの検知に関する信号を受けることにより、綴じ動作が開始されると、用紙束Bの上面に接着剤が供給される。図示の例においては、用紙束Bの上面であってスリット521に挿入された舌部522が配置される予定の位置に、供給ヘッド563から接着剤が滴下される(図8(a)接着部分565参照)。
【0036】
次に、針無綴じモータM1が駆動し基部503が基台501に接近する(図中F1方向)ことにより、スリット521と舌部522とが形成されるとともに、スリット521に舌部522が挿入される。このとき、図8(b)に示すように、接着部分565にスリット521に挿入された舌部522が載る(接触する)ことにより、舌部522が用紙束Bの上面に接着される。このことにより、舌部522が用紙束Bの面上に固定され、舌部522がスリット521から抜けることが抑制される。
【0037】
ここで、針無綴じ機構50は、舌部522が接着部分565に載った後に、ローラ対等により構成され舌部522を用紙束Bの上面に向けて押圧する舌部押圧機構(図示せず)を有してもよい。舌部押圧機構により舌部522を用紙束Bの上面に押しつけることで、舌部522が用紙束Bの上面により確実に接着される。
また、図示の例ではスリット521に挿入された舌部522が配置される予定の位置に接着部分565を形成することを説明したが、用紙束Bの他の部分に接着部分565を形成してもよい。例えば、図8(c)に示す例のように、舌部522が形成される予定の部分の上面であって、スリット521に挿入された舌部522において用紙束Bの上面と接触する部分に接着部分565を形成してもよい。なお、接着剤は、バーコーター塗布、スプレー方式の塗布、インクジェット方式の塗布、ブレード方式の塗布等周知の方法によって用紙束Bに塗布されてもよい。
【0038】
<他の実施態様2>
ここで、図9を参照しながら、他の実施態様2について説明をする。なお、図9は、他の実施態様2における針無綴じ機構50及びその周辺部材を示す概略構成図である。より詳細には、図9(a)は針無綴じ機構50及びその周辺部材の正面図であり、図9(b)は針無綴じ機構50及びその周辺部材の底面図である。
【0039】
本実施態様における針無綴じ機構50は、基部503に設けられ用紙束Bを構成する用紙Sに舌部522を形成する打ち抜き部材515を有する。この打ち抜き部材515は、基台501に対向する側に刃部515cを有する。なお、刃部515cのうちブレード504と対向する側には刃が形成されておらず、一端部522a(図4(a)参照)によって舌部522と用紙Sとが連続するように構成されている。
また、針無綴じ機構50は、打ち抜き部材515の内部に設けられ、舌部522をブレード504の目穴504aに向けて押し込む押し込み機構515dを有する。この押し込み機構515dは、一端に設けられた回転軸515rを有する。押し込み機構515dは、回転軸515rを中心に回転可能である。
【0040】
また、針無綴じ機構50は、打ち抜き部材515の内部に設けられ、押し込み機構515dを押圧する押圧部516を有する。
また、針無綴じ機構50は、ブレード504に対して打ち抜き部材505とは反対側に設けられている押圧部552及びエンボス痕形成部553とを有する。
【0041】
さらに、本実施態様においては、針無綴じモータM1より駆動を受けて回転することで基部503を移動させる第1基部側カム701が設けられる。また、針無綴じモータM1より駆動を受けて回転することで押圧部516を押し込み機構515dに向けて移動させる第2基部側カム703が設けられる。図示の例においては、第1基部側カム701と第2基部側カム703とが共通のシャフト705に備えられ、このシャフト705が針無綴じモータM1より駆動を受けて回転する。なお、図示のように第2基部側カム703は、第1基部側カム701よりも押し込み量が大きい。
【0042】
次に、図9及び図10を参照しながら、本実施の態様の綴じ動作について説明をする。ここで、図10は、他の実施態様2における針無綴じ機構50の綴じ動作を示す説明図である。なお、図10(a)の用紙Sに破線で示されたスリット521と舌部522とは、切り込み予定線である。
図9(a)に示すように、針無綴じモータM1が駆動し、第1基部側カム701及び第2基部側カム702が設けられたシャフト705を回転させる。このことにより第1基部側カム701より駆動を受ける基部503が基台501に接近する(図中F1方向)。そして、ブレード504の先端部504bと、打ち抜き部材515の刃部515cとが用紙束Bを貫通する。そして、図10(a)に示すように、用紙束Bを構成するそれぞれの用紙Sに、スリット(切り込み)521と、一端部522aを残して用紙Sが打ち抜かれた舌部522とが形成される。
【0043】
ブレード504の先端部504bと、打ち抜き部材515の刃部515cとが用紙束Bを貫通した後に、第2基部側カム703がさらに回転し、押圧部516を押し込み機構515dに向けて移動させる(図10(a)中F1方向)。このことにより、押し込み機構515dは押し込み機構515dの一端に設けられた回転軸515rを中心に回転し、押し込み機構515dの他端が、打ち抜かれた舌部522をブレード504の目穴504aに向けて押し込む(図10(b)中F2方向)。
【0044】
針無綴じモータM1によって第1基部側カム701及び第2基部側カム703がさらに回転し下死点を通過した後は、基部側スプリング80による力を受けながら基部503が基台501から離れる方向に移動し、スリット521に舌部522が挿入(織り込み)される。
このスリット521に挿入された舌部522とこの舌部522を載せる用紙束Bの部分とに対して、押圧用モータM2による駆動を受けて押圧部552が駆動し、エンボス痕525が形成される。このエンボス痕525が形成されることにより、舌部522が用紙束Bに対して圧着され舌部522がスリット521から抜けることが抑制される(図5(a)参照)。
【0045】
<他の実施態様3>
次に、上述の各実施態様においては、用紙綴じ装置100が針無綴じ機構50を備える構成として説明したが、これに限定されない。例えば、用紙Sに画像を形成する機構が設けられた画像形成装置が、針無綴じ機構50を備える構成であってもよく、あるいは、原稿の画像を読み取るための機構が設けられた画像読取装置が針無綴じ機構50を備える構成であってもよい。
【0046】
ここでは、図11を参照しながら、針無綴じ機構50を備える画像形成装置200を説明する。なお、図11は、他の実施態様3における針無綴じ機構50を備える画像形成装置200を示す概略図である。
図11に示す画像形成装置200は、例えば、電子写真方式によって画像を形成するプリンタや複写機等の画像形成部202と、画像形成部202によって例えばトナー像が形成された用紙Sに後処理を施す用紙処理部203とを備えている。
【0047】
画像形成部202は、画像が形成される用紙Sを供給する用紙供給部206と、用紙供給部206から供給された用紙Sに画像を形成する画像形成機構205とを備える。また、画像形成部202は、ユーザから綴じ処理に関する情報を受け付けるユーザ・インターフェイス290を備えている。
用紙処理部203は、画像形成部202から出力された用紙Sを更に下流側に搬送する搬送装置210と、例えば用紙Sを集めて束ねるコンパイル用積載部235や針無綴じ機構50などを含む後処理装置230を備えている。また、図示の例における用紙処理部203は、画像形成装置200全体を制御する制御部280を備えている。
【0048】
用紙処理部203の後処理装置230は、搬送装置210から搬送される用紙Sをさらに下流側へ搬送する搬送ロール(用紙供給機構)215と、搬送ロール215から搬送される用紙Sを複数枚集めて収容するコンパイル用積載部(用紙束形成機構)235と、コンパイル用積載部235にて集積された用紙Sを押さえ、かつ回転することにより、綴じられた用紙束Bを搬送するイジェクト(eject)ロール239とを備えている。
また、後処理装置230は、コンパイル用積載部235に集積された用紙束Bの端部を綴じる針無綴じ機構50を有する。さらにまた、後処理装置230は、用紙束Bをイジェクトロール239によって後処理装置230の外側へ排出するための開口部269を備える。そして、後処理装置230は、開口部269から排出された用紙束Bをユーザが取りやすいようにして積み重ねる積載部270を備える。
【0049】
次に、画像形成装置200の動作を説明する。
まず、画像形成装置200の画像形成機構205によって1番目の用紙Sにトナー像が形成される。トナー像が形成された1番目の用紙Sは、搬送装置210を介して1枚ごとに後処理装置230に供給される。そして、後処理装置230のコンパイル用積載部235に1番目の用紙Sが受け入れられる。この1番目の用紙Sに続く、画像形成機構205によってトナー像が形成された2番目以降の用紙Sが、それぞれ順に後処理装置230に供給される。このようにすることで、予め設定された枚数の用紙Sをコンパイル用積載部235に収容し、各用紙Sの端部を揃えて、用紙束Bを形成する。
【0050】
次に、針無綴じ機構50によって、コンパイル用積載部235に積載された用紙束Bの端部にスリット521及び舌部522を形成し、スリット521に舌部522を挿入する。そして、スリット521に挿入された舌部522と舌部522を載せる用紙束Bの部分とが挟み込まれてエンボス痕525が形成される(図5(a)参照)。このエンボス痕525が形成されることにより、舌部522が用紙束Bに対して圧着される。エンボス痕525が形成された用紙束Bは、イジェクトロール239が逆方向に回転することにより、コンパイル用積載部235から排出される。そして、用紙束Bは開口部269を通って、積載部270へと排出される。
【0051】
<他の実施態様4>
さて、上述の他の実施態様3においては、画像形成装置200においてエンボス痕525を形成することにより、舌部522を用紙束Bに対して圧着する構成を説明したがこれに限定されない。図11、図12及び図13を参照しながら、画像形成装置200においてトナー層tlを形成することにより舌部522を用紙束Bに対して圧着する実施態様を説明する。
ここで、図12は、他の実施態様4における針無綴じ機構50及びその周辺部材を示す概略構成図である。また、図13は、他の実施態様4における綴じ部分51を示す説明図である。より詳細には、図13(a)は用紙Sの表面(スリット521に挿入された舌部522が載る側の面)に形成されるトナー層tlを示す説明図であり、図13(b)は用紙Sの裏面(スリット521に挿入された舌部522が載る面とは反対側の面)に形成されるトナー層tlを示す説明図であり、図13(c)は、スリット521に挿入された舌部522を示す説明図である。
【0052】
ここで、本実施の態様においては、針無綴じ機構50によって、エンボス痕を形成することの代替として次のように構成される。図12に示すように、この針無綴じ機構50は、基台501と抑え部材502とに挟まれる用紙束Bを加工するために圧力を供給する押圧部552と、押圧部552に設けられ用紙束Bを挟み加熱する加熱部557とを有する。ここで、押圧部552及び加熱部557は、加工機構の一例である。
加熱部557は、第1加熱部557aと第2加熱部557bとからなる。第1加熱部557aは第1押圧部552aに、第2加熱部557bは第2押圧部552bにそれぞれ備えられており、第1加熱部557aと第2加熱部557bとは、その間に備えられる用紙束Bを熱圧着する。
【0053】
次に、画像形成装置200の動作を説明する。
まず、本実施の態様においては、ユーザ・インターフェイス290がユーザによる操作により綴じ処理に関する情報を受け付ける。この情報に基づき、図13(a)及び図13(b)に示すように、制御部280は、用紙Sにおける綴じ部分51に対応する位置に、トナー層tlを形成するよう画像形成機構205に指示を出す。図示の例においては、綴じ部分51に対応する位置とは、図13(a)に示すように、舌部522が載る用紙束Bの部分に対応する位置、及び図13(b)に示すように、舌部522を形成する部分であってスリット521に挿入された際に用紙束Bと接触する部分に対応する位置である。
【0054】
そして、用紙束検知センサ201が挿入孔20に用紙束Bが挿入されたこと(図1矢印参照)を検知することにより、画像形成装置200が動作を開始する。
画像形成装置200の動作が開始されると、画像形成装置200の画像形成機構205によって1番目の用紙Sにトナー像が形成される。ここで、用紙Sに形成されるトナー像は、上述のように綴じ部分51に対応する位置に形成される像を含んで形成される。付言すると、綴じ部分51に対応する位置に形成されるトナー像が、トナー層tlとなる。
【0055】
次に、トナー像が形成された1番目の用紙Sは、搬送装置210を介して1枚ごとに後処理装置230に供給される。そして、後処理装置230のコンパイル用積載部235に1番目の用紙Sが受け入れられる。この1番目の用紙Sに続く2番目以降の用紙Sにおいても、1番目の用紙Sと同様に、画像形成機構205によって綴じ部分51に対応する位置にトナー像が形成される。そして、トナー像が形成された2番目以降の用紙Sが、それぞれ順に後処理装置230に供給される。このようにすることで、予め設定された枚数の用紙Sをコンパイル用積載部235に収容し、各用紙Sの端部を揃えて、用紙束Bを形成する。
【0056】
次に、針無綴じ機構50によって、コンパイル用積載部235に積載された用紙束Bの端部にスリット521及び舌部522を形成し、スリット521に舌部522を挿入する。
そして、押圧用モータM2が駆動し、押圧用カム75を回転させる。このことにより、押圧部552の第1押圧部552aと第2押圧部552bとが接近し、スリット521に挿入された舌部522と舌部522を載せる用紙束Bの部分とを、第1加熱部557aと第2加熱部557bとが挟み込んで加圧及び加熱する。
【0057】
このことにより、用紙Sにおける綴じ部分51に対応する位置に形成されたトナー層tlが一部溶融し、舌部522と用紙束Bとを圧着する(図13(c)参照)。付言すると、舌部522を構成する用紙Sがそれぞれトナー層tlを有することから、舌部522を構成する用紙どうしも熱圧着され各用紙Sがばらけることが抑制される。
このように熱圧着された用紙束Bは、イジェクトロール239が逆方向に回転することにより、コンパイル用積載部235から排出される。そして、用紙束Bは開口部269を通って、積載部270へと排出される。
【0058】
さて、ここでは、用紙束Bを構成する用紙Sそれぞれにトナー層tlを形成することを説明したが、これに限定されない。例えば、用紙束Bの最上頁となる用紙Sと、最下頁となる用紙Sとにのみトナー層tlを形成することによって、舌部522と用紙束Bとを熱圧着する構成としてもよい。
また、用紙Sが樹脂層(図示せず)を有するコート紙である場合には、綴じ部分51に対応する位置に別途トナー像を形成することなく、第1加熱部557aと第2加熱部557bとによって加圧及び加熱する構成としてもよい。具体的には、用紙Sの樹脂層を第1加熱部557aと第2加熱部557bとによって一部溶融させ、舌部522と用紙束Bとを圧着する。
【0059】
<他の実施態様5>
さて、上述の各実施態様においては、舌部522を用紙束Bに固定することにより、舌部522がスリット521から抜けることを抑制することを説明したが、これに限定されない。
例えば、舌部522とスリット521との摩擦が増加するよう舌部522及びスリット521の少なくとも一方を加工してもよい。具体的には、舌部522とスリット521とのそれぞれに凹凸を形成することによって、舌部522がスリット521から抜けることを抑制する構成であってもよい。
また、舌部522とスリット521との摩擦が増加するよう樹脂層を舌部522及びスリット521の少なくとも一方の面に形成することによって、舌部522がスリット521から抜けることを抑制する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
20…挿入孔、50…針無綴じ機構、100…用紙綴じ装置、501…基台、501r…回転軸、503…基部、504…ブレード、505…打ち抜き部材、521…スリット、522…舌部、552…押圧部、553…エンボス痕形成部、B…用紙束、S…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙束に切り込みを形成し、かつ当該用紙束の一部を予め定めた形状に切ることにより一方の端部が当該用紙束と連続する部分を残す舌部を当該用紙束に形成するとともに、当該舌部を折り当該舌部の他方の端部を当該切り込みに挿入し当該用紙束を綴じる綴じ機構と、
前記綴じ機構により前記切り込みに挿入された前記舌部が前記用紙束の表面から離れることを抑制するよう当該舌部及び当該用紙束の表面の少なくとも一方を加工する加工機構と
を有する用紙綴じ装置。
【請求項2】
前記加工機構は、前記切り込みに挿入された前記舌部を前記用紙束の表面に固定することを特徴とする請求項1記載の用紙綴じ装置。
【請求項3】
前記加工機構は、前記切り込みに挿入された前記舌部と前記用紙束の表面とを当該用紙束の厚さ方向において変形することで当該舌部を当該用紙束の表面に固定することを特徴とする請求項2記載の用紙綴じ装置。
【請求項4】
前記加工機構は、前記切り込みに挿入された前記舌部を構成する用紙全てが前記用紙束の厚み方向において変形することを特徴とする請求項3記載の用紙綴じ装置。
【請求項5】
前記加工機構は、前記切り込みに挿入された前記舌部と前記用紙束の表面とが接触する部分に樹脂を配置する樹脂配置機構を有することを特徴とする請求項2記載の用紙綴じ装置。
【請求項6】
前記加工機構は、前記樹脂配置機構により配置された樹脂を間に配置した前記切り込みに挿入された前記舌部と前記用紙束とを互いに押圧させる押圧機構をさらに有することを特徴とする請求項5記載の用紙綴じ装置。
【請求項7】
用紙を供給する用紙供給機構と、
前記用紙供給機構から供給された複数枚の用紙を束ねて用紙束を形成する用紙束形成機構と、
前記用紙束に切り込みを形成し、かつ当該用紙束の一部を予め定めた形状に切ることにより一方の端部が当該用紙束と連続する部分を残す舌部を当該用紙束に形成するとともに、当該舌部を折り当該舌部の他方の端部を当該切り込みに挿入し当該用紙束を綴じる綴じ機構と、
前記綴じ機構により前記切り込みに挿入された前記舌部が前記用紙束の表面から離れることを抑制するよう当該舌部及び当該用紙束の表面の少なくとも一方を加工する加工機構と
を有する後処理装置。
【請求項8】
用紙に画像を形成する画像形成機構と、
前記画像形成機構によって画像が形成された複数枚の用紙を束ねて用紙束を形成する用紙束形成機構と、
前記用紙束に切り込みを形成し、かつ当該用紙束の一部を予め定めた形状に切ることにより一方の端部が当該用紙束と連続する部分を残す舌部を当該用紙束に形成するとともに、当該舌部を折り当該舌部の他方の端部を当該切り込みに挿入し当該用紙束を綴じる綴じ機構と、
前記綴じ機構により前記切り込みに挿入された前記舌部が前記用紙束の表面から離れることを抑制するよう当該舌部及び当該用紙束の表面の少なくとも一方を加工する加工機構と
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−39754(P2013−39754A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178641(P2011−178641)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】