男性用下着とその製造方法
【課題】肌に密着するスパッツを着用して街頭を歩いても、男性の股部を整容し、しかも形状も通常の男性用パンツと外観的にも変わらず違和感も与えない男性用下着を提供するものである。
【解決手段】前身頃片１、脇部片２、股部片３及び後身頃片４から形成され、ウエスト部に腰ゴム地５を縫着した男性用下着において、前身頃片１の肌側裏面に整容用重合片６を縫着し前身頃片１と整容用重合片６との間にパット７を収納した男性用下着、及び前身頃片、脇部片、股部片及び後身頃片を形成し、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する男性用下着の製造方法において、前記前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着する工程と、前身頃片と脇部片を縫合する工程と、脇部片と後身頃片を縫合する工程と、縫合された前身頃片、脇部片及び後身頃片に股部片を縫合する工程と、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する工程と、前記前身頃片と整容用重合片との間にパットを収納する工程とから男性用下着の製造方法を構成するものである。
【解決手段】前身頃片１、脇部片２、股部片３及び後身頃片４から形成され、ウエスト部に腰ゴム地５を縫着した男性用下着において、前身頃片１の肌側裏面に整容用重合片６を縫着し前身頃片１と整容用重合片６との間にパット７を収納した男性用下着、及び前身頃片、脇部片、股部片及び後身頃片を形成し、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する男性用下着の製造方法において、前記前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着する工程と、前身頃片と脇部片を縫合する工程と、脇部片と後身頃片を縫合する工程と、縫合された前身頃片、脇部片及び後身頃片に股部片を縫合する工程と、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する工程と、前記前身頃片と整容用重合片との間にパットを収納する工程とから男性用下着の製造方法を構成するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、男性のブリーフ、トランクス等の男性用下着とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近来、男性はズボンばかりでなく、おしゃれ用として、肌に密着するスパッツを着用して街頭を歩くことが流行している。また、下着も肌に密着したブリーフタイプのものやトランクスタイプのものが着用されている。
【０００３】
しかしながら、肌に密着するスパッツを着用して街頭を歩くと、男性の股間の部分が目立ち、股部を整容する手段について考慮がされていなかった。また、ブリーフタイプのものやトランクスタイプのものを海水浴において着用した場合、股部を整容することが要望されていた。
【０００４】
例えば、パンツの中に男性器官を収納するスポンジ等からなる収納体を設けたパンツ及びパンツの中に男性器官を収納する収納体を設け、収納体にパッドを挿入したパンツが公知である。
しかしながら、収納体にわざわざ男性器官を収納する手間がかかり、通気性が悪く、衛生状態を悪くし、皮膚疾患を生ずる恐れがある。
【特許文献１】特開平８−１００３０１号公報
【特許文献２】特開２００６−２１４０２６号公報
【０００５】
また、パンツの肌側裏面にパットを収容した袋状重合片を縫着した男性用下着が最近宣伝されている。
【０００６】
しかしながら、パンツと袋状重合片とが別体であるため、着用した際、ハンツは伸縮するが、袋状重合片が一体に伸縮しないので、パンツ前面に皺がより、肌に密着するスパッツを着用して街頭を歩くと股部の形状が不整形になる恐れがある。
また、パットを収容しないで袋状重合片を縫着した男性用下着を着用すると、スパッツを着用した際に、股部がごろつき、男性の希望とする股部の整形ができないことになるという欠点がある。
【０００７】
更に、パンツと袋状重合片とを別体にして製造するため、手間がかかり、また、縫製作業が複雑で能率が悪い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、上述の従来技術の欠点を解決するために、肌に密着するスパッツを着用して街頭を歩いても、男性の股部を整容し、しかも形状も通常の男性用パンツと外観的にも変わらず違和感も与えない男性用下着、及び製造工程と縫製工程が簡単で能率的な男性用下着の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明は、上記課題を解決するために、前身頃片、脇部片、股部片及び後身頃片から形成され、ウエスト部に腰ゴム地を縫着した男性用下着において、前記前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着し前記前身頃片と整容用重合片との間にパットを収納した男性用下着、及び前身頃片、脇部片、股部片及び後身頃片を形成し、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する男性用下着の製造方法において、前記前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着する工程と、前身頃片と脇部片を縫合する工程と、脇部片と後身頃片を縫合する工程と、縫合された前身頃片、脇部片及び後身頃片に股部片を縫合する工程と、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する工程と、前記前身頃片と整容用重合片との間にパットを収納する工程とから男性用下着の製造方法を構成するものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の男性用下着は、上述のような構成とすることにより、男性用下着と前身頃片と整容用重合片との間に収納したパットが一体に動き、股部の整容性がよい。
したがって、前身頃全体に滑らかな膨出部が形成され、局部全体を自然に包み込むことができ、別体の袋状体を設けたものと異なり、局部に圧迫感がなく、自然の体系に適合し、かつ全体が体系に密着して蒸れを生じることがなく、着用感が良好である。
【００１１】
更に、別体の袋状体を設けたものと異なり、嵩張って着用感や品位が低下する恐れがなく、また、前身頃部に縫合部が少ないので、縫製工程が省略でき、作業能率を向上することができる。
【００１２】
また、パットが不要である場合でも、男性用下着の着用が容易であり、男性用下着の製造時に整容用重合片を一体に縫着できるから、量産が可能である。
しかも形状も通常の男性用パンツと外観的に変わらず違和感も与えない効果がある。
【００１３】
更に、前身頃片を形成する段階で、前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着だけで下着本体と袋状重合片とを一体にして製造するため、手間がかからず縫製作業が簡単で能率がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明を一実施例について説明するのが、本発明はこの範囲に限定されるものではない。
【００１５】
本発明を構成する男性用パンツの外観は、図１、図２に示すように、前身頃片１、脇部片２、股部片３及び後身頃片４から形成され、ウエスト部に腰ゴム地５を縫着している。前身頃片１は、前身頃左片１１と前身頃右片１２とから構成し、互いに中央で縫着してもよい。また、脇部片２は左脇部片２１と右脇部片２２をそれぞれ前身頃片１と股部片３及び後身頃片４とに縫着している。後身頃片４は後身頃を被覆し、脇部片２まで前身頃に延びて筒状身生地を形成している。
【００１６】
図３に示すように、例えば、１枚の筒状編地を裁断して前身頃左片１１、前身頃右片１２、左脇部片２１、右脇部片２２、股部片３及び後身頃片４を裁断し、後述するように、互いに縫合している。
【００１７】
また、前身頃片１、脇部片２、股部片３及び後身頃片４からなる編地には、糸を、例えば、４０番手の綿糸９５％と２０デニールのポリウレタン弾性糸５％の比率で使用し、腰ゴム地５は、例えばナイロン糸９０％、ポリウレタン弾性糸５％の比率で使用した製織した生地を、ウエスト部に裏面から縫着している。
【００１８】
図６に示すように、前身頃片１の肌側裏面には整容用重合片６を編地から前身頃片１とほぼ同形に裁断し、前身頃片１の肌側裏面に縫着する。整容用重合片６は整容用重合左片６１と整容用重合右片６２とからなり、整容用重合左片６１と整容用重合右片６２とを中央で互いに接合して縫着してもよい。
【００１９】
整容用重合片６も前身頃片１と同様に、糸を、例えば、４０番手の綿糸９５％と２０デニールのポリウレタン弾性糸５％の比率で使用してもよい。
また、整容用重合片６は、腰ゴム地５に隣接してパット挿入口６３を設けている。
【００２０】
図６に示すように、前身頃片１と整容用重合片６との間にパット７を収納する。パットは、厚さ１〜３ｍｍ程度のポリウレタン等からなる弾性体からなり、前身頃片１に相似して略三角形に成形し、前身頃片１を膨出するように中央部が丸く膨出している。
【００２１】
（１）男性用下着を完成品として縫製するには、前身頃左片１１と前身頃右片１２とを中表に重ねて互いに中央で縫着する。ついで、前身頃左片１１と前身頃右片１２との縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部１３を形成する。
（２）整容用重合左片６１と整容用重合右片６２とのパット挿入口６３を裏当てするように生地裏面から縫合する。ついで、整容用重合片６は整容用重合左片６１と整容用重合右片６２と中裏に重ねて互いに中央で縫着し、生地裏面が肌側になるようにする。
（３）前身頃片１の裏面を内側にして整容用重合片６の表面を外側にして重ね合わせ、縁を上面から縫合する。
（４）前身頃左片１１と左脇部片２１とを、前身頃左片１１を上にして重ね縫合し、前身頃左片１１と左脇部片２１との縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部２１１を形成する。同様に、前身頃右片１２と右脇部片２２とを、前身頃右片１２を上にして重ね縫合し、前身頃右片１２と右脇部片２２とを合わせて縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部２２１を形成する。
（５）左脇部片２１と後身頃片４とを、左脇部片２１を上にして重ね縫合し、左脇部片２１と後身頃片４との縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部２１２を形成する。同様に、右脇部片２２とと後身頃片４とを、右脇部片２２を上にして重ね縫合し、右脇部片２２と後身頃片４との縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部２２２を形成する。
（６）前身頃左片１１と左脇部片２１と前身頃右片１２と右脇部片２２と股部片３を、股部片３を上にして重ね縫合し、この縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部３１を形成する。
（７）後身頃片４と股部片３を、股部片３を上にして重ね縫合し、この縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部３２を形成する。
（８）足口８は縁を折り返して縫着し縁取り部９が形成され、本縫いで縫合する。
（９）ウエスト部に腰ゴム地５を縫着し、腰ゴム地５は、弾性生地をウエスト部に裏面に後身頃片４の中央から縫着し、縫い終わりは２ｃｍ重ね縫いする。更に、２本針ミシンで腰ゴム地５を縫着し腰ゴム地５は、弾性生地をウエスト部に裏面に後身頃片４の中央から縫着し、縫い終わりは２ｃｍ重ね縫いする。
（１０）パット７をパット挿入口６３から整容用重合片６と前身頃片１との間に挿入する。
なお、縫合糸は、例えば、針糸として、６０デニールのポリウレタン弾性糸を３本撚合わせた糸、下糸として、ウーリーナイロン糸、６０デニールのポリウレタン弾性糸を使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【００２２】
本発明の男性用下着として、ブリーフ、トランクスについて説明したが、これに限定されるものでなく、ズボン下その他トレーニングパンツ等の各種の類似の衣類にも適用され、製造し実施することができる。また、パットによる前身頃片を膨出する形状は、男性用下着の寸法、形状に応じて適宜変更が可能であり、その形状も本発明の範囲において変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の一実施例を示す男性用下着の正面図である。
【図２】本発明の一実施例を示す男性用下着の背面図である。
【図３】本発明の一実施例を示す男性用下着の分解展開図である。
【図４】本発明の一実施例を示す整容用重合片の正面図である。
【図５】本発明の一実施例を示すパットの正面図である。
【図６】本発明の一実施例を示す男性用下着の一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
【００２４】
１ 前身頃片
１１ 前身頃左片
１２ 前身頃右片
２ 脇部片
２１ 左脇部片
２２ 右脇部片
３ 脇部片
４ 後身頃片
５ 腰ゴム地
６ 整容用重合片
６１ 整容用重合左片
６２ 整容用重合右片
６３ パット挿入口
７ パット
８ 足口
９ 縁取り部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、男性のブリーフ、トランクス等の男性用下着とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近来、男性はズボンばかりでなく、おしゃれ用として、肌に密着するスパッツを着用して街頭を歩くことが流行している。また、下着も肌に密着したブリーフタイプのものやトランクスタイプのものが着用されている。
【０００３】
しかしながら、肌に密着するスパッツを着用して街頭を歩くと、男性の股間の部分が目立ち、股部を整容する手段について考慮がされていなかった。また、ブリーフタイプのものやトランクスタイプのものを海水浴において着用した場合、股部を整容することが要望されていた。
【０００４】
例えば、パンツの中に男性器官を収納するスポンジ等からなる収納体を設けたパンツ及びパンツの中に男性器官を収納する収納体を設け、収納体にパッドを挿入したパンツが公知である。
しかしながら、収納体にわざわざ男性器官を収納する手間がかかり、通気性が悪く、衛生状態を悪くし、皮膚疾患を生ずる恐れがある。
【特許文献１】特開平８−１００３０１号公報
【特許文献２】特開２００６−２１４０２６号公報
【０００５】
また、パンツの肌側裏面にパットを収容した袋状重合片を縫着した男性用下着が最近宣伝されている。
【０００６】
しかしながら、パンツと袋状重合片とが別体であるため、着用した際、ハンツは伸縮するが、袋状重合片が一体に伸縮しないので、パンツ前面に皺がより、肌に密着するスパッツを着用して街頭を歩くと股部の形状が不整形になる恐れがある。
また、パットを収容しないで袋状重合片を縫着した男性用下着を着用すると、スパッツを着用した際に、股部がごろつき、男性の希望とする股部の整形ができないことになるという欠点がある。
【０００７】
更に、パンツと袋状重合片とを別体にして製造するため、手間がかかり、また、縫製作業が複雑で能率が悪い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、上述の従来技術の欠点を解決するために、肌に密着するスパッツを着用して街頭を歩いても、男性の股部を整容し、しかも形状も通常の男性用パンツと外観的にも変わらず違和感も与えない男性用下着、及び製造工程と縫製工程が簡単で能率的な男性用下着の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明は、上記課題を解決するために、前身頃片、脇部片、股部片及び後身頃片から形成され、ウエスト部に腰ゴム地を縫着した男性用下着において、前記前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着し前記前身頃片と整容用重合片との間にパットを収納した男性用下着、及び前身頃片、脇部片、股部片及び後身頃片を形成し、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する男性用下着の製造方法において、前記前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着する工程と、前身頃片と脇部片を縫合する工程と、脇部片と後身頃片を縫合する工程と、縫合された前身頃片、脇部片及び後身頃片に股部片を縫合する工程と、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する工程と、前記前身頃片と整容用重合片との間にパットを収納する工程とから男性用下着の製造方法を構成するものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の男性用下着は、上述のような構成とすることにより、男性用下着と前身頃片と整容用重合片との間に収納したパットが一体に動き、股部の整容性がよい。
したがって、前身頃全体に滑らかな膨出部が形成され、局部全体を自然に包み込むことができ、別体の袋状体を設けたものと異なり、局部に圧迫感がなく、自然の体系に適合し、かつ全体が体系に密着して蒸れを生じることがなく、着用感が良好である。
【００１１】
更に、別体の袋状体を設けたものと異なり、嵩張って着用感や品位が低下する恐れがなく、また、前身頃部に縫合部が少ないので、縫製工程が省略でき、作業能率を向上することができる。
【００１２】
また、パットが不要である場合でも、男性用下着の着用が容易であり、男性用下着の製造時に整容用重合片を一体に縫着できるから、量産が可能である。
しかも形状も通常の男性用パンツと外観的に変わらず違和感も与えない効果がある。
【００１３】
更に、前身頃片を形成する段階で、前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着だけで下着本体と袋状重合片とを一体にして製造するため、手間がかからず縫製作業が簡単で能率がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明を一実施例について説明するのが、本発明はこの範囲に限定されるものではない。
【００１５】
本発明を構成する男性用パンツの外観は、図１、図２に示すように、前身頃片１、脇部片２、股部片３及び後身頃片４から形成され、ウエスト部に腰ゴム地５を縫着している。前身頃片１は、前身頃左片１１と前身頃右片１２とから構成し、互いに中央で縫着してもよい。また、脇部片２は左脇部片２１と右脇部片２２をそれぞれ前身頃片１と股部片３及び後身頃片４とに縫着している。後身頃片４は後身頃を被覆し、脇部片２まで前身頃に延びて筒状身生地を形成している。
【００１６】
図３に示すように、例えば、１枚の筒状編地を裁断して前身頃左片１１、前身頃右片１２、左脇部片２１、右脇部片２２、股部片３及び後身頃片４を裁断し、後述するように、互いに縫合している。
【００１７】
また、前身頃片１、脇部片２、股部片３及び後身頃片４からなる編地には、糸を、例えば、４０番手の綿糸９５％と２０デニールのポリウレタン弾性糸５％の比率で使用し、腰ゴム地５は、例えばナイロン糸９０％、ポリウレタン弾性糸５％の比率で使用した製織した生地を、ウエスト部に裏面から縫着している。
【００１８】
図６に示すように、前身頃片１の肌側裏面には整容用重合片６を編地から前身頃片１とほぼ同形に裁断し、前身頃片１の肌側裏面に縫着する。整容用重合片６は整容用重合左片６１と整容用重合右片６２とからなり、整容用重合左片６１と整容用重合右片６２とを中央で互いに接合して縫着してもよい。
【００１９】
整容用重合片６も前身頃片１と同様に、糸を、例えば、４０番手の綿糸９５％と２０デニールのポリウレタン弾性糸５％の比率で使用してもよい。
また、整容用重合片６は、腰ゴム地５に隣接してパット挿入口６３を設けている。
【００２０】
図６に示すように、前身頃片１と整容用重合片６との間にパット７を収納する。パットは、厚さ１〜３ｍｍ程度のポリウレタン等からなる弾性体からなり、前身頃片１に相似して略三角形に成形し、前身頃片１を膨出するように中央部が丸く膨出している。
【００２１】
（１）男性用下着を完成品として縫製するには、前身頃左片１１と前身頃右片１２とを中表に重ねて互いに中央で縫着する。ついで、前身頃左片１１と前身頃右片１２との縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部１３を形成する。
（２）整容用重合左片６１と整容用重合右片６２とのパット挿入口６３を裏当てするように生地裏面から縫合する。ついで、整容用重合片６は整容用重合左片６１と整容用重合右片６２と中裏に重ねて互いに中央で縫着し、生地裏面が肌側になるようにする。
（３）前身頃片１の裏面を内側にして整容用重合片６の表面を外側にして重ね合わせ、縁を上面から縫合する。
（４）前身頃左片１１と左脇部片２１とを、前身頃左片１１を上にして重ね縫合し、前身頃左片１１と左脇部片２１との縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部２１１を形成する。同様に、前身頃右片１２と右脇部片２２とを、前身頃右片１２を上にして重ね縫合し、前身頃右片１２と右脇部片２２とを合わせて縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部２２１を形成する。
（５）左脇部片２１と後身頃片４とを、左脇部片２１を上にして重ね縫合し、左脇部片２１と後身頃片４との縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部２１２を形成する。同様に、右脇部片２２とと後身頃片４とを、右脇部片２２を上にして重ね縫合し、右脇部片２２と後身頃片４との縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部２２２を形成する。
（６）前身頃左片１１と左脇部片２１と前身頃右片１２と右脇部片２２と股部片３を、股部片３を上にして重ね縫合し、この縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部３１を形成する。
（７）後身頃片４と股部片３を、股部片３を上にして重ね縫合し、この縫い目を隠すようにオーバーロックミシン掛けして縫合部３２を形成する。
（８）足口８は縁を折り返して縫着し縁取り部９が形成され、本縫いで縫合する。
（９）ウエスト部に腰ゴム地５を縫着し、腰ゴム地５は、弾性生地をウエスト部に裏面に後身頃片４の中央から縫着し、縫い終わりは２ｃｍ重ね縫いする。更に、２本針ミシンで腰ゴム地５を縫着し腰ゴム地５は、弾性生地をウエスト部に裏面に後身頃片４の中央から縫着し、縫い終わりは２ｃｍ重ね縫いする。
（１０）パット７をパット挿入口６３から整容用重合片６と前身頃片１との間に挿入する。
なお、縫合糸は、例えば、針糸として、６０デニールのポリウレタン弾性糸を３本撚合わせた糸、下糸として、ウーリーナイロン糸、６０デニールのポリウレタン弾性糸を使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【００２２】
本発明の男性用下着として、ブリーフ、トランクスについて説明したが、これに限定されるものでなく、ズボン下その他トレーニングパンツ等の各種の類似の衣類にも適用され、製造し実施することができる。また、パットによる前身頃片を膨出する形状は、男性用下着の寸法、形状に応じて適宜変更が可能であり、その形状も本発明の範囲において変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の一実施例を示す男性用下着の正面図である。
【図２】本発明の一実施例を示す男性用下着の背面図である。
【図３】本発明の一実施例を示す男性用下着の分解展開図である。
【図４】本発明の一実施例を示す整容用重合片の正面図である。
【図５】本発明の一実施例を示すパットの正面図である。
【図６】本発明の一実施例を示す男性用下着の一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
【００２４】
１ 前身頃片
１１ 前身頃左片
１２ 前身頃右片
２ 脇部片
２１ 左脇部片
２２ 右脇部片
３ 脇部片
４ 後身頃片
５ 腰ゴム地
６ 整容用重合片
６１ 整容用重合左片
６２ 整容用重合右片
６３ パット挿入口
７ パット
８ 足口
９ 縁取り部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
前身頃片、脇部片、股部片及び後身頃片から形成され、ウエスト部に腰ゴム地を縫着した男性用下着において、前記前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着し、前記前身頃片と整容用重合片との間にパットを収納したことを特徴とする男性用下着。
【請求項２】
前記前身頃片は、前身頃左片と前身頃右片とからなり、前記整容用重合片は整容用重合左片と整容用重合右片とからなる請求項１記載の男性用下着。
【請求項３】
前記整容用重合片は、前記腰ゴム地に隣接してパット挿入口を設けた請求項１又は請求項２記載の男性用下着。
【請求項４】
前身頃片、脇部片、股部片及び後身頃片を形成し、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する男性用下着の製造方法において、前記前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着する工程と、前身頃片と脇部片を縫合する工程と、脇部片と後身頃片を縫合する工程と、縫合された前身頃片、脇部片及び後身頃片に股部片を縫合する工程と、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する工程と、前記前身頃片と整容用重合片との間にパットを収納する工程とからなることを特徴とする男性用下着の製造方法。
【請求項５】
前記前身頃片は、前身頃左片と前身頃右片とからなり、前記前身頃左片とを前身頃右片とを縫合し、前記整容用重合片は整容用重合左片と整容用重合右片とからなり、前記整容用重合左片と整容用重合右片とを縫合する工程からなる請求項４記載の男性用下着の製造方法。
【請求項６】
前記整容用重合片に前記腰ゴム地に隣接してパット挿入口を形成する工程からなる請求項４又は請求項５記載の男性用下着の製造方法。
【請求項１】
前身頃片、脇部片、股部片及び後身頃片から形成され、ウエスト部に腰ゴム地を縫着した男性用下着において、前記前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着し、前記前身頃片と整容用重合片との間にパットを収納したことを特徴とする男性用下着。
【請求項２】
前記前身頃片は、前身頃左片と前身頃右片とからなり、前記整容用重合片は整容用重合左片と整容用重合右片とからなる請求項１記載の男性用下着。
【請求項３】
前記整容用重合片は、前記腰ゴム地に隣接してパット挿入口を設けた請求項１又は請求項２記載の男性用下着。
【請求項４】
前身頃片、脇部片、股部片及び後身頃片を形成し、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する男性用下着の製造方法において、前記前身頃片の肌側裏面に整容用重合片を縫着する工程と、前身頃片と脇部片を縫合する工程と、脇部片と後身頃片を縫合する工程と、縫合された前身頃片、脇部片及び後身頃片に股部片を縫合する工程と、ウエスト部に腰ゴム地を縫着する工程と、前記前身頃片と整容用重合片との間にパットを収納する工程とからなることを特徴とする男性用下着の製造方法。
【請求項５】
前記前身頃片は、前身頃左片と前身頃右片とからなり、前記前身頃左片とを前身頃右片とを縫合し、前記整容用重合片は整容用重合左片と整容用重合右片とからなり、前記整容用重合左片と整容用重合右片とを縫合する工程からなる請求項４記載の男性用下着の製造方法。
【請求項６】
前記整容用重合片に前記腰ゴム地に隣接してパット挿入口を形成する工程からなる請求項４又は請求項５記載の男性用下着の製造方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００８−６３７０４（Ｐ２００８−６３７０４Ａ）
【公開日】平成２０年３月２１日（２００８．３．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２４５０８６（Ｐ２００６−２４５０８６）
【出願日】平成１８年９月１１日（２００６．９．１１）
【出願人】（０００００５３５９）富士紡ホールディングス株式会社 (180)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年３月２１日（２００８．３．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年９月１１日（２００６．９．１１）
【出願人】（０００００５３５９）富士紡ホールディングス株式会社 (180)
【Ｆターム（参考）】
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