説明

画像レイアウト装置および方法並びにプログラム

【課題】 画像をレイアウトする際に、ユーザの好みを反映させつつ、簡易に複数の画像をレイアウトする。
【解決手段】 所定の規則にしたがって、複数の画像を背景領域にレイアウトしてレイアウト画像を生成する。レイアウト画像に対するユーザの編集指示を受け付ける。編集結果に基づいて、ユーザの好み情報を生成する。ユーザの好み情報を次回のレイアウト画像の生成のためにフィードバックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の画像を背景領域にレイアウトすることによりレイアウト画像を生成する画像レイアウト装置および方法並びに画像レイアウト方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、1枚の用紙に複数の画像をレイアウトしてプリント出力するアルバムプリントを作成することが行われている。このように1枚の用紙に複数の画像をレイアウトすれば、後からプリントを台紙に貼り付ける必要がなくなるため、容易にアルバムを作成することができる。
【0003】
しかしながら、見栄えよく画像をレイアウトするには専門的な知識が必要であり、またレイアウトするための手間がかかる。
【0004】
このため、画像のレイアウトを簡易に行うための各種手法が提案されている(特許文献1,2参照)。特許文献1に記載された手法は、ユーザに画像を提示した際に、必要な画像および不要な画像の指示を受け付け、必要な画像のみをレイアウトする手法である。また、この手法によれば、画像を挿入するためのテンプレートを用意することにより、簡易にアルバムプリントを行うことも可能である。また、特許文献2に記載された手法は、画像の撮影時刻に基づいて画像を並べるとともに、画像の大きさおよび画像の印刷方向に応じてあらかじめ設定されている位置に画像を配置する手法である。
【0005】
また、文書の印刷に関するものであるが、印刷時に設定作業の繁雑さを軽減するために、印刷目的に応じてあらかじめ登録された推奨印刷条件を検索し、さらに検索した推奨印刷条件にしたがって、印刷目的に応じた表示形態を決定して表示する手法も提案されている(特許文献3参照)。この手法によれば、設定の明示的な登録等の冗長な操作をなくすことができ、その結果、設定作業を容易に行うことができる。
【特許文献1】特開平9−214868号公報
【特許文献2】特開2000−299777号公報
【特許文献3】特開2000−235466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1,2に記載された手法においては、ユーザ自身で画像の配置を決定する必要があるため、レイアウトの操作がユーザにとって煩わしいものである。また、上記特許文献2に記載された手法は、画像の印刷方向の組み合わせにより決定されるレイアウトのみしか用いることができないため、レイアウトのバリエーションが乏しい。この場合、特許文献3に記載された手法を特許文献1,2に適用して、レイアウトの作業を容易に行うことが考えられる。しかしながら、特許文献3に記載された手法では、機能や操作が固定的であり、ユーザが画像を自由にレイアウトすることができないため、ユーザの好みを反映させることができない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、ユーザの好みを反映させつつ、簡易に複数の画像をレイアウトすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による画像レイアウト装置は、所定の規則にしたがって複数の画像を背景領域にレイアウトすることによりレイアウト画像を生成するレイアウト画像生成手段と、
前記レイアウト画像に対するユーザによる編集指示を受け付けて前記レイアウト画像を編集する編集手段と、
該編集指示による編集結果に基づいて、ユーザの好みを表すユーザ好み情報を生成する好み情報生成手段と、
該ユーザ好み情報を次回の前記レイアウト画像の生成にフィードバックするフィードバック手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
なお、本発明による画像レイアウト装置においては、前記画像の画質上の特徴を表す複数のパラメータを算出するパラメータ算出手段をさらに備えるものとし、
前記好み情報生成手段を、前記編集された画像のパラメータにも基づいて、前記ユーザ好み情報を生成する手段としてもよい。
【0010】
「画質上の特徴」としては、画像に含まれる被写体(人物か風景か)、画像の明るさ、コントラスト、鮮鋭度および色調等を用いることができる。
【0011】
また、本発明による画像レイアウト装置においては、前記各パラメータを所定の重み係数により重み付け加算して前記画像の重要度を算出する重要度算出手段をさらに備えるものとし、
前記所定の規則が前記重要度が大きいほど大きいサイズとなるように前記画像を前記背景領域にレイアウトするものであり、前記編集指示が特定の画像の削除、サイズの拡大縮小を含む編集の指示である場合において、
前記フィードバック手段を、前記ユーザ好み情報を前記重み係数にフィードバックする手段としてもよい。
【0012】
また、本発明による画像レイアウト装置においては、前記編集指示が特定の画像にフレームを付与する編集の指示である場合において、
前記フィードバック手段を、前記ユーザ好み情報を前記レイアウトする画像にあらかじめフレームを付与するか否かの判定にフィードバックする手段としてもよい。
【0013】
また、本発明による画像レイアウト装置においては、前記編集指示が前記背景領域にレイアウトする画像数の変更を含む編集の指示である場合において、
前記フィードバック手段を、前記ユーザ好み情報を前記背景領域にレイアウトする画像数にフィードバックする手段としてもよい。
【0014】
本発明による画像レイアウト方法は、所定の規則にしたがって複数の画像を背景領域にレイアウトすることによりレイアウト画像を生成し、
前記レイアウト画像に対するユーザによる編集指示を受け付けて前記レイアウト画像を編集し、
該編集指示による編集結果に基づいて、ユーザの好みを表すユーザ好み情報を生成し、
該ユーザ好み情報を次回の前記レイアウト画像の生成にフィードバックすることを特徴とするものである。
【0015】
なお、本発明による画像レイアウト方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、所定の規則にしたがって複数の画像が背景領域にレイアウトされてレイアウト画像が生成される。そして、ユーザによるレイアウト画像の編集指示が受け付けられ、編集指示による編集結果に基づいてユーザ好み情報が生成される。そして、ユーザ好み情報が次回のレイアウト画像の生成にフィードバックされる。
【0017】
このため、同一のユーザが所有する画像について再度レイアウト画像を生成する際には、前回にユーザが行った編集結果が反映されてレイアウト画像が生成されることとなる。ここで、ユーザ好み情報はユーザ自身が行った編集の結果であり、ユーザの好みを反映させたものである。したがって、本発明によれば、次回のレイアウト画像の生成時にユーザの好みを反映させることができる。また、ユーザの好みが反映されているため、ユーザがレイアウトをやり直す頻度も少なくなり、その結果、画像のレイアウトを簡易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態による画像レイアウト装置の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように第1の実施形態による画像レイアウト装置1は、例えば写真店の店頭に設置され、ユーザが操作を行って自身が所持する画像のレイアウトを行うためのものであり、画像を表す画像データの記録制御、読み出し制御および表示制御等の各種制御を行うとともに、装置1を構成する各部の制御を行うCPU12と、CPU12を動作させるプログラム、画像を閲覧するためのビューアソフトおよび各種定数が記録されているROMおよびCPU12が処理を実行する際の作業領域となるRAMにより構成されるシステムメモリ14と、種々の指示を装置1に対して行うためのキーボードおよびマウス等からなる入力部16と、各種表示を行う液晶モニタ等からなる表示部18とを備える。
【0019】
また、画像レイアウト装置1は、画像を記録したメモリカード2から画像を読み出したり、メモリカード2に画像を記録したりするためのカードスロット20と、画像をJPEGに代表される手法で圧縮したり、圧縮した画像を解凍する圧縮解凍部22と、画像やCPU12が実行する各種プログラムおよび画像をレイアウトする際の背景となる背景領域等を記録するハードディスク24と、システムメモリ14、カードスロット20およびハードディスク24を制御するメモリ制御部26と、表示部18を制御する表示制御部28とを備える。
【0020】
また、画像レイアウト装置1は、画像のレイアウトの処理を行うためのパラメータ算出部30、重要度算出部32、レイアウト画像生成部34、好み情報生成部36およびフィードバック部38を備える。
【0021】
パラメータ算出部30は、メモリカード2に記録されたすべての画像について、画質上の特徴を表す複数のパラメータを算出する。まず、パラメータ算出部30は、画像に含まれる被写体を特定するパラメータP1を算出する。具体的には、画像に人物が含まれるか否かを判定し、人物が含まれる場合には人物画像であるとして1に、人物が含まれない場合には風景画像であるとして0にパラメータP1を設定する。なお、画像に人物が含まれるか否かの判定は、画像に肌色の領域が含まれるか否かを判定することにより行えばよい。また、既知の顔認識の手法を使用し、顔が認識された場合に画像に人物が含まれると判定するようにしてもよい。
【0022】
また、パラメータ算出部30は、画像の各画素の輝度を算出し、全画素についての輝度の平均値を明るさのパラメータP2として算出する。また、パラメータ算出部30は、画像のヒストグラムを求め、ヒストグラムの代表値(例えば平均値、メディアン値)を基準とした分散値をコントラストのパラメータP3として算出する。また、パラメータ算出部30は、画像に対して離散コサイン変換、離散フーリエ変換、ハール変換またはウェーブレット変換等の周波数変換処理を施して画像に含まれる高周波成分を検出し、この高周波成分の量を鮮鋭度のパラメータP4として算出する。
【0023】
重要度算出部32は、下記の式(1)に示すように、パラメータ算出部30が算出したパラメータP1〜P4に対して、あらかじめ定められた重み係数W1〜W4をそれぞれ乗算して加算することにより、画像の重要度L0を算出する。
【0024】
L0=W1・P1+W2・P2+W3・P3+W4・P4 (1)
但し、W1+W2+W3+W4=1
レイアウト画像生成部34は、所定の規則にしたがって、背景領域G0に画像をレイアウトしてレイアウト画像を生成する。ここで、本実施形態における所定の規則としては、プリント出力した際にA4サイズ1枚に対応する背景領域G0に3枚の画像をファイル名順に配置し、配置する3つの画像の重要度L0が大きいほど画像のサイズを大きくして画像をレイアウトするものとする。
【0025】
例えば、3つの画像A1〜A3(ファイル名をそれぞれDSCF001.JPG、DSCF002.JPG、DSCF003.JPGとする)を背景領域G0にレイアウトする場合、3つの画像A1〜A3の重要度がそれぞれ60,30,70であったとすると、レイアウト画像生成部34は、画像のサイズがA1:A2:A3=6:3:7となるように画像A1〜A3のサイズを変更し、画像A1〜A3を上から順に背景領域G0に配置することによりレイアウト画像D0を生成する。図2はこのようにして生成されたレイアウト画像D0を示す図である。なお、背景領域G0が複数の頁に亘る場合には、図3に示すように複数(ここでは2つ)の頁に亘るレイアウト画像D0が生成される。
【0026】
そしてレイアウト画像生成部34は、レイアウト画像D0を含む編集画面を表示部18に表示する。
【0027】
図4は編集画面の例を示す図である。図4に示すように編集画面50は、レイアウト画像D0を表示するための画像表示フィールド50Aおよび各種操作を行うための操作ボタンを表示するボタン表示フィールド50Bを有する。ボタン表示フィールド50Bには、画像を削除する際にクリックする削除ボタン、画像のサイズを変更する際にクリックするサイズ変更ボタン、画像に枠を付与する際にクリックするフレームボタンおよび画像を移動する際にクリックする移動ボタンが表示されている。そしてレイアウト画像D0に含まれる所望とする画像を選択した後に各ボタンをクリックすることにより、選択した画像に対してクリックしたボタンに応じた編集を行うことができる。
【0028】
例えば、所望とする画像を選択して削除ボタンをクリックすれば選択した画像をレイアウト画像D0から削除することができ、サイズ変更ボタンをクリックすれば選択した画像のサイズを変更することができる。また、フレームボタンをクリックすれば選択した画像の周囲にフレームを付与することができる。この場合、フレームを選択するために複数のフレームのサムネイル画像の一覧を含むフレーム選択画面を表示し、フレーム選択画面からユーザが所望とするフレームを選択すればよい。また、移動ボタンをクリックすることにより、選択した画像をドラッグアンドドロップして移動することができる。
【0029】
ここで、本実施形態においては、ユーザは図2に示すレイアウト画像D0において、画像A3を削除し、画像A2のサイズを拡大して、図5に示すように、背景領域G0に画像A1,A2のみがレイアウトされるように編集を行ったものとする。なお、編集後のレイアウト画像には参照符号としてD1を付与する。
【0030】
好み情報生成部36は、ユーザが行った編集結果および編集された画像のパラメータP1〜P4に基づいてユーザ好み情報F0を生成する。ここで、ユーザ好み情報F0は以下のように生成する。ユーザが図5に示すように画像A2を拡大し、画像A3を削除した場合、まず好み情報生成部36は編集を行った画像A2,A3のパラメータP1〜P4を参照する。ここで、画像A2は人物画像(P1=1)であり、明るさが高く、コントラストが中程度で、鮮鋭度が低いものとする。また、画像A3は、風景画像であり(P1=0)、明るさが低く、コントラストが高く、鮮鋭度が高いものとする。
【0031】
ここで、明るさ、コントラストおよび鮮鋭度のパラメータP2,P3,P4は、それぞれ明るさ、コントラストおよび鮮鋭度を表す数値として算出されるが、その値の範囲に応じて、高、中、低と3段階に分類するものとする。例えば、明るさが0〜255の値で表される場合には、0〜85を低、86〜171を中、171〜255を高とする。また、コントラストが0〜100の値で表される場合には、0〜33を低、34〜66を中、67〜100を高とする。また、鮮鋭度が0〜100の値で表される場合には、0〜33を低、34〜66を中、67〜100を高とする。
【0032】
好み情報生成部36は、拡大した画像A2および削除した画像A3のパラメータを比較し、ユーザがどのような画質上の特徴を有する画像を重要視しているかを推定する。例えば、拡大した画像A2は人物画像であり、明るさが高く、コントラストが中程度で、鮮鋭度が低く、削除した画像A3は風景画像であり、明るさが低く、コントラストが高く、鮮鋭度が高いため、ユーザは人物画像であることおよび明るさを重要視し、コントラストおよび鮮鋭度はそれほど重要視していないということを推定する。そして好み情報生成部36は、ユーザの好みを記述したテキストファイルをユーザ好み情報F0として生成する。記述内容を図6に示す。なお、ユーザ好み情報F0における「1」はユーザが重要視しており、「0」は重要視していないことを示す。
【0033】
フィードバック部38は、同一ユーザが再度画像のレイアウトを行う場合に備えて、ユーザ好み情報F0を参照して、ユーザの好みを重要度算出部32にフィードバックする。具体的には、重要度L0を算出する際の重み係数W1〜W4をユーザ好み情報F0に応じて変更する指示を行う。
【0034】
重要度算出部32はこれを受けて、画像の重要度L0を算出する際の重み係数W1〜W4を変更する。ここで、ユーザ好み情報F0が図6に示すものである場合、ユーザは人物画像であることおよび明るさを重要視し、コントラストおよび鮮鋭度はそれほど重要視していないことから、被写体についてのパラメータP1および明るさのパラメータP2の重み係数W1,W2を大きくし、コントラストのパラメータP3および鮮鋭度のパラメータP4の重み係数W3,W4を小さくして重要度L0を算出する。例えば、(W1,W2,W3,W4)=(0.4,0.2,0.2,0.2)であった場合、(W1,W2,W3,W4)=(0.45,0.25,0.15,0.15)のように重み係数W1〜W4を変更する。
【0035】
そして、重要度算出部32は、同一のユーザが再度レイアウト画像の生成を行う際に、変更された重み係数W1〜W4を用いて重要度L0を算出する。そしてレイアウト画像生成部34は重要度算出部32が算出した重要度L0が大きいほど画像のサイズを大きくして画像をレイアウトする。ここで、ユーザ好み情報F0を生成した際と同一の画像A1〜A3をレイアウトする場合、画像A2の重要度L0は1回目に算出した重要度L0よりも大きくなり、画像A3の重要度L0は1回目に算出した重要度L0よりも小さくなる。したがって、2回目に生成されるレイアウト画像D0は、図7に示すように図2に示すレイアウト画像D0と比較して、画像A2のサイズが大きく、画像A3のサイズが小さいものとなる。
【0036】
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図8は第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。ユーザが入力部16から画像のレイアウトの指示を行うことにより処理が開始され、まず処理の対象となる画像を初期画像に設定する(ステップST1)。なお、初期画像は例えばファイル名順に画像をソートした場合の先頭の画像とすればよい。そして、重要度算出部32が処理対象の画像の重要度L0を算出し(ステップST2)、さらにすべての画像について重要度L0を算出したか否かを判定する(ステップST3)。ステップST3が否定されると、処理対象を次の画像に設定して(ステップST4)、ステップST2に戻る。
【0037】
ステップST3が肯定されると、レイアウト画像生成部34が所定の規則に基づいてレイアウト画像D0を生成する(ステップST5)。そして、レイアウト画像D0を表示部18に表示し(ステップST6)、ユーザによる編集指示を受け付ける(ステップST7)。続いて、編集指示が終了したか否かの監視を開始し(ステップST8)、ステップST8が肯定されると、好み情報生成部36がユーザ好み情報F0を生成する(ステップST9)。そして、フィードバック部38がユーザ好み情報F0を重要度算出部32にフィードバックし(ステップST10)、処理を終了する。
【0038】
なお、レイアウト画像D0はユーザの指示によりプリント出力、およびメモリカード2への保存等がなされる。
【0039】
このように、本実施形態においては、ユーザの好みを次回のレイアウト画像D0の生成にフィードバックするようにしたため、同一のユーザが所有する画像について再度レイアウト画像D0を生成する際には、前回にユーザが行った編集結果が反映されてレイアウト画像D0が生成されることとなる。ここで、ユーザ好み情報はユーザ自身が行った編集の結果であり、ユーザの好みを反映させたものとなる。したがって、本実施形態によれば、次回のレイアウト画像D0の生成時にユーザの好みを反映させることができる。また、ユーザの好みが反映されているため、ユーザがレイアウトをやり直す頻度も少なくなり、その結果、画像のレイアウトを簡易に行うことができる。
【0040】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態による画像レイアウト装置は、好み情報生成部36およびフィードバック部38が行う処理が第1の実施形態と異なる点を除いて図1に示す画像レイアウト装置1と同一の構成を有し、同一の処理を行うものである。
【0041】
第2の実施形態においては、ユーザが所望とする画像にフレームを付与する編集指示を行うものとする。具体的には、ユーザが図2に示すレイアウト画像D0の画像A1に図9に示すようにフレームFr0を付与するものとする。
【0042】
好み情報生成部36は、ユーザが行った編集の指示および編集された画像のパラメータP1〜P4に基づいてユーザ好み情報F1を生成する。ここで、ユーザ好み情報F1は以下のように生成する。ユーザが図9に示すように画像A1にフレームFr0を付与した場合、好み情報生成部36は編集を行った画像A1のパラメータP1〜P4を参照する。ここで、画像A1は人物画像(P1=1)であり、明るさが中程度で、コントラストが高く、鮮鋭度が低いものとする。
【0043】
好み情報生成部36は、画像A1のパラメータP1〜P4を参照して、ユーザがどのような画質上の特徴を有する画像にフレームFr0を付与したかを推定する。例えば、フレームを付与した画像A1は人物画像であり、明るさが中程度、コントラストが高く、鮮鋭度が低いため、ユーザは人物画像で、明るさが中程度で、コントラストが高くかつ鮮鋭度が低い画像にフレームFr0を付与したということを推定する。そして好み情報生成部36は、ユーザの好みを記述したテキストファイルをユーザ好み情報F1として生成する。記述内容を図10に示す。なお、ユーザ好み情報F1における「0」、「1」、「2」の数字はパラメータの低中高の段階を示す。また、被写体については「0」または「1」のいずれかの数値となる。また、ユーザ好み情報F1にはフレームFr0を付与する編集指示に対応するものであることを示す「フレーム:1」の情報も記述される。
【0044】
フィードバック部38は、同一ユーザが再度画像のレイアウトを行う場合に備えて、ユーザ好み情報F1を参照して、ユーザの好みをレイアウト画像生成部34にフィードバックする。具体的には、人物画像で、明るさが中程度で、コントラストが高くかつ鮮鋭度が低い画像にあらかじめフレームFr0を付与してレイアウト画像D0を生成するように、人物画像で、明るさが中程度で、コントラストが高くかつ鮮鋭度が低い画像を、次回のレイアウト画像D0の生成時に検出するようにする。
【0045】
これにより、同一のユーザが所有する画像について再度レイアウト画像D0を生成する際には、前回にユーザが行った編集結果が反映されて、人物画像で、明るさが中程度で、コントラストが高くかつ鮮鋭度が低い画像にフレームFr0があらかじめ付与されてレイアウト画像D0が生成されることとなる。
【0046】
なお、第2の実施形態においては、画像の色調をパラメータP5として算出するとともに、フレームFr0の色調も考慮してユーザ好み情報F1を生成してもよい。例えば、色調のパラメータP5およびフレームFr0の色調としてとして「赤」、「青」、「緑」の値をそれぞれ「0」、「1」、「2」としてユーザ好み情報F1に記述し、対応する色調を有する画像について対応する色調を有するフレームFr0を付与するようにしてもよい。例えば、ユーザ好み情報F1にパラメータP5の色調として「0」、フレームの色調として「1」が記述された場合、ユーザの好みは、赤みがかった色調の画像に青みがかったフレームFr0を付与するものであるとして、同一のユーザが所有する画像について再度レイアウト画像を生成する際には、前回にユーザが行った編集結果が反映されて、赤みがかった画像には青みがかったフレームFr0があらかじめ付与されて、レイアウト画像D0が生成されることとなる。
【0047】
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態による画像レイアウト装置は、好み情報生成部36およびフィードバック部38が行う処理が第1の実施形態と異なる点を除いて図1に示す画像レイアウト装置1と同一の構成を有し、同一の処理を行うものである。
【0048】
第3の実施形態においては、ユーザが1つの背景画像G0にレイアウトする画像の数を変更する編集指示を行うものとする。具体的には、ユーザが図3に示すA4サイズ2枚に対応する背景領域G0に6つの画像をレイアウトしたレイアウト画像D0を、図11に示すようにA4サイズ1枚に対応する背景領域G0に6つの画像をレイアウトするように編集指示を行うものとする。この際、画像A1〜A6のサイズは各画像A1〜A6の重要度L0に応じて適宜修正されるものとする。
【0049】
好み情報生成部36は、ユーザが行った編集の指示に基づいてユーザ好み情報F2を生成する。ここで、ユーザ好み情報F2は以下のように生成する。ユーザが図11に示すようにA4サイズ1枚に対応する背景画像G0に含める画像数を6とした場合、好み情報生成部36は、図12に示すように、画像数を6と記述したテキストファイルをユーザ好み情報F2として生成する。
【0050】
フィードバック部38は、同一ユーザが再度画像のレイアウトを行う場合に備えて、ユーザ好み情報F2を参照して、ユーザの好みをレイアウト画像生成部34にフィードバックする。具体的には、1つの背景画像G0に含める画像数を6として、次回のレイアウト画像を生成するように設定する。
【0051】
これにより、同一のユーザが所有する画像について再度レイアウト画像を生成する際には、前回にユーザが行った編集結果が反映されて、A4サイズ1枚に対応する背景画像G0にあらかじめ6つの画像がレイアウトされたレイアウト画像D0が生成されることとなる。
【0052】
なお、上記各実施形態においては、上記式(1)を用いて重要度L0を算出しているが、画像を取得したときの明るさ、合焦度および手ぶれ度等、他の画像のパラメータを用いて重要度L0を算出してもよい。
【0053】
また、上記実施形態においては、本発明による画像レイアウト装置を写真店の店頭に設置するものとして説明したが、本発明の画像レイアウト装置が実行する処理をコンピュータに行わせるプログラムも、本発明の実施形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体も、本発明の実施形態の1つである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施形態による画像レイアウト装置の構成を示す概略ブロック図
【図2】第1の実施形態におけるレイアウト画像の例を示す図
【図3】第1の実施形態におけるレイアウト画像の他の例を示す図
【図4】編集画面の例を示す図
【図5】第1の実施形態における編集後のレイアウト画像の例を示す図
【図6】第1の実施形態におけるユーザ好み情報の例を示す図
【図7】2回目に生成されるレイアウト画像の例を示す図
【図8】第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図9】第2の実施形態における編集後のレイアウト画像の例を示す図
【図10】第2の実施形態におけるユーザ好み情報の例を示す図
【図11】第3の実施形態における編集後のレイアウト画像の例を示す図
【図12】第3の実施形態におけるユーザ好み情報の例を示す図
【符号の説明】
【0055】
1 画像天地判定装置
2 メモリカード
12 CPU
14 システムメモリ
16 入力部
18 表示部
20 カードスロット
22 圧縮解凍部
24 ハードディスク
26 メモリ制御部
28 表示制御部
30 パラメータ算出部
32 重要度算出部
34 レイアウト画像生成部
36 好み情報生成部
38 フィードバック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の規則にしたがって複数の画像を背景領域にレイアウトすることによりレイアウト画像を生成するレイアウト画像生成手段と、
前記レイアウト画像に対するユーザによる編集指示を受け付けて前記レイアウト画像を編集する編集手段と、
該編集指示による編集結果に基づいて、ユーザの好みを表すユーザ好み情報を生成する好み情報生成手段と、
該ユーザ好み情報を次回の前記レイアウト画像の生成にフィードバックするフィードバック手段とを備えたことを特徴とする画像レイアウト装置。
【請求項2】
前記画像の画質上の特徴を表す複数のパラメータを算出するパラメータ算出手段をさらに備え、
前記好み情報生成手段は、前記編集された画像のパラメータにも基づいて、前記ユーザ好み情報を生成する手段であることを特徴とする請求項1記載の画像レイアウト装置。
【請求項3】
前記各パラメータを所定の重み係数により重み付け加算して前記画像の重要度を算出する重要度算出手段をさらに備え、
前記所定の規則が前記重要度が大きいほど大きいサイズとなるように前記画像を前記背景領域にレイアウトするものであり、前記編集指示が特定の画像の削除、サイズの拡大縮小を含む編集の指示である場合において、
前記フィードバック手段は、前記ユーザ好み情報を前記重み係数にフィードバックする手段であることを特徴とする請求項2記載の画像レイアウト装置。
【請求項4】
前記編集指示が特定の画像にフレームを付与する編集の指示である場合において、
前記フィードバック手段は、前記ユーザ好み情報を前記レイアウトする画像にあらかじめフレームを付与するか否かの判定にフィードバックする手段であることを特徴とする請求項2または3記載の画像レイアウト装置。
【請求項5】
前記編集指示が前記背景領域にレイアウトする画像数の変更を含む編集の指示である場合において、
前記フィードバック手段は、前記ユーザ好み情報を前記背景領域にレイアウトする画像数にフィードバックする手段であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の画像レイアウト装置。
【請求項6】
所定の規則にしたがって複数の画像を背景領域にレイアウトすることによりレイアウト画像を生成し、
前記レイアウト画像に対するユーザによる編集指示を受け付けて前記レイアウト画像を編集し、
該編集指示による編集結果に基づいて、ユーザの好みを表すユーザ好み情報を生成し、
該ユーザ好み情報を次回の前記レイアウト画像の生成にフィードバックすることを特徴とする画像レイアウト方法。
【請求項7】
所定の規則にしたがって複数の画像を背景領域にレイアウトすることによりレイアウト画像を生成する手順と、
前記レイアウト画像に対するユーザによる編集指示を受け付けて前記レイアウト画像を編集する手順と、
該編集指示による編集結果に基づいて、ユーザの好みを表すユーザ好み情報を生成する手順と、
該ユーザ好み情報を次回の前記レイアウト画像の生成にフィードバックする手順とを有することを特徴とする画像レイアウト方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−253992(P2006−253992A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−66695(P2005−66695)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【復代理人】
【識別番号】100104189
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 勲将
【Fターム(参考)】