説明

画像伸張チップおよび電子機器

【課題】回路規模を大きくすることなく、各回路の汎用性を維持しつつ、メイン処理用チップとの接続を行うことが可能な伸張用回路を提供することを課題とする。
【解決手段】ADC3から出力されたRGB画像データは、SPU42,RPU43で処理された後、YUV画像データとしてメモリ48にバッファリングされる。YUV画像データは、YUV出力部45より出力され、画像圧縮伸張チップ5Aにおいてエンコードされ、DMAC52によりメインチップ4に転送される。逆に、圧縮動画像データは、DMAC44の制御により画像圧縮伸張チップ5Aに転送され、デコードされた後、RGBサンプリング部54においてRGB画像データに変換され、SPU42によりメインチップ4に入力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データの伸張技術に関する。
【背景技術】
【0002】
動画像を撮影可能なデジタルカメラが存在する。このようなデジタルカメラにおいては、CCD等のセンサが出力する画像データを動画像の圧縮データに変換するための回路が必要である。あるいはメモリに格納されている動画像の圧縮データをLCDに表示させるために伸張するための回路が必要である。そして、多くのデジタルカメラでは、デジタルカメラの全体制御を行うメイン処理用チップとは別に、圧縮・伸張処理を行う専用チップを備えるようにしている。このような構成とすることによって、各チップに汎用性を持たせるようにしている。
【0003】
下記特許文献1では、動画像データの表示処理速度を向上させる技術が開示されている。また、下記特許文献2では、伸張画像データのバス上の転送速度を向上させるとともに、メモリの利用効率を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−150141号公報
【特許文献2】特開平10−78769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CCD等のセンサはRGB画像データを出力するものが多い。したがって、多くのメイン処理用チップには、センサが出力するRGB画像データの入力インタフェースを備えている。また、メイン処理用チップの多くはLCD等の表示装置に対しYUV画像データを出力するためのインタフェースを備えている。あるいは、製品によっては、メイン処理用チップがYUV画像データの入力インタフェースを備えているものも存在する。
【0006】
しかし、あらゆるタイプのメイン処理用チップに対応するように、圧縮・伸張処理チップに様々な入力インタフェースを個別に設けることは、回路規模を大きくするとともに、製造コストも高くなり効率的ではない。また、メイン処理用チップ側に様々な入力インタフェースを個別に設けることも同様に効率的ではない。
【0007】
また、圧縮・伸張処理用チップを独立させずに、メイン処理用チップの中に圧縮・伸張処理ブロックを組み込むという方法により、これらインタフェースに係る問題を解決する方法も考えられるが、メイン処理用チップの汎用性を持たせることができない上、メイン処理用チップの単価を高くすることにもなる。そして、上記の特許文献1,2においても、汎用的なチップを用いて、回路を構成するといった課題解決方法は存在しない。
【0008】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、回路規模を大きくすることなく、各回路の汎用性を維持しつつ、メイン処理用チップとの接続を行うことが可能な伸張用回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、電子機器に組み込まれる画像伸張チップであって、入力された圧縮動画像データをデコードしてYUV画像データを生成するデコードユニットと、前記デコードユニットによって生成された前記YUV画像データをRGB画像データに変換した上で、1画素あたり1色のデータをサンプリングすることによって、ベイヤフォーマットのRGB画像データを出力するRGBサンプリング部と、前記RGBサンプリング部から出力された前記ベイヤフォーマットのRGB画像データを前記画像伸張チップの外部に出力する出力回路とを備える。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像伸張チップにおいて、前記出力回路は、前記画像伸張チップの外部の回路であって、画像センサで生成されたベイヤフォーマットのRGB画像データを入力する入力回路に接続される。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の画像伸張チップにおいて、前記入力回路は、前記電子機器の制御を行う制御チップに設けられる。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像伸張チップにおいて、前記出力回路によるベイヤフォーマットのRGB画像データの出力制御を行うハイインピーダンス制御回路をさらに備える。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の画像伸張チップにおいて、前記ハイインピーダンス制御回路は、前記画像センサで生成されたベイヤフォーマットのRGB画像データが前記入力回路に入力される場合、前記出力回路の出力を停止させる。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像伸張チップにおいて、前記電子機器は、デジタルカメラを含む。
【0015】
請求項7記載の発明は、電子機器であって、入力された圧縮動画像データの伸張処理を行う画像伸張チップを備え、前記画像伸張チップは、前記圧縮動画像データをデコードしてYUV画像データを生成するデコードユニットと、前記デコードユニットによって生成された前記YUV画像データをRGB画像データに変換した上で、1画素あたり1色のデータをサンプリングすることによって、ベイヤフォーマットのRGB画像データを出力するRGBサンプリング部と、前記RGBサンプリング部から出力された前記ベイヤフォーマットのRGB画像データを前記画像伸張チップの外部に出力する出力回路とを有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、メインチップとは別に画像伸張チップを組み込む電子機器において、メインチップや画像伸張チップの回路規模を大きくすることなく、汎用性を維持しながら画像データの転送を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図2】第2の実施の形態に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図3】第1および第2の実施の形態におけるYUVインタフェースのブロック図である。
【図4】第3の実施の形態に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図5】第4の実施の形態に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図6】第3および第4の実施の形態におけるYUVインタフェースのブロック図である。
【図7】第5の実施の形態に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図8】第5の実施の形態におけるYUVインタフェースのブロック図である。
【図9】第6の実施の形態に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図10】第6の実施の形態におけるYUVインタフェースのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の各実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態においては、本発明の画像圧縮伸張チップがデジタルカメラに組み込まれている場合を例に説明するが、本発明の画像圧縮伸張チップは、デジタルカメラ以外の電子機器にも適用させることが可能である。
【0019】
{第1の実施の形態}
図1は、第1の実施の形態に係るデジタルカメラ1を示すブロック図である。デジタルカメラ1は、被写体を撮像するセンサ2と、ADC3と、デジタルカメラ1の全体制御を行うメインチップ4と、動画像の圧縮伸張処理を行うための画像圧縮伸張チップ5Aとを備えている。
【0020】
センサ2は、本実施の形態では、RGBベイヤ配列の色フィルタを備えた単板式CCDで構成されており、被写体より受けた光をRGBの電気信号に変換して出力する。また、センサ2は、被写体から受けた光を連続的に電気信号に変換して出力することにより、動画像を撮影可能としている。なお、センサ2は、他にもCMOSセンサなどで構成されてもよい。
【0021】
ADC3は、センサ2が出力したアナログのRGB画像データをデジタルのRGB画像データに変換する機能を備えている。本実施の形態においては、ADC3からは各色12ビットのRGB画像データが出力される。したがって、ADC3からメインチップ4に接続されるデータ線11は、少なくとも12ビット幅を有しており、12ビットのデータを並列的に伝送することを可能としている。なお、ADC3から出力されるRGB画像データは、12ビットに限らず、他にも10ビット、14ビット、16ビットなどの形式であってもよい。
【0022】
また、ADC3は、ハイインピーダンス制御回路31を備えており、ハイインピーダンス制御により、ADC3の出力をON/OFF切り替え可能としている。
【0023】
メインチップ4は、CPU41と、センサ2から出力される画像信号を入力するSPU(Signal Processing Unit)42と、リアルタイムの画像処理を実行するRPU(Realtime Processing Unit)43と、DMAC(Direct Memory Access Controller)44と、YUV出力部45と、MIU(Memory Interface Unit)47とを備えている。また、MIU47には、メモリ48が接続されている。そして、これら各処理回路41〜45,47がバス40を介して接続されている。
【0024】
SPU42は、入力したデジタル画像信号に対して欠陥画素補正などの処理を施した後に、バス40あるいはRPU43に画像信号を出力する。RPU43は、SPU42から入力する画像信号に対して、シェーディング補正処理、画素補間処理、ガンマ補正処理、色空間変換処理、輪郭強調処理および解像度変換処理などの種々のデジタル画像処理をリアルタイムで実行する機能を備える。RPU43やSPU42がバス40に出力した画像信号は、CPU41の制御によってYUV画像データとしてメモリ48に格納される。なお、メモリ48は図示したようにメインチップ4の外部に接続される形態に限らず、メインチップ4内に内部メモリとして接続される形態でもよい。
【0025】
DMAC44は、DMAデータ線12を介して画像圧縮伸張チップ5Aが備えるDMAC52に接続されている。これにより、メインチップ4は、CPU41に負荷をかけることなく、DMAC44の制御によって、メモリ48内に格納されているデータを画像圧縮伸張チップ5Aに転送することを可能としている。
【0026】
YUV出力部45はYUV画像データを出力する回路であり、CCIR−656規格に基づいてYCbCrの画像データを出力する。YUV画像データの一般的な規格であるCCIR−601規格では、輝度データであるYデータが8ビットで出力されるとともに、色差データであるCbデータとCrデータが交互に8ビットで出力される。したがって、CCIR−601規格においては、16ビットの画像データが並列的に出力される規格である。これに対して、CCIR−656規格においては、CCIR−601規格の倍の周波数により、Yデータ、Cbデータ、Yデータ、Crデータの順に、8ビットで全てのデータを伝送する規格である。言い換えると、CCIR−656規格のYUV画像データは、CCIR−601規格のYUV画像データを8ビットのYUV画像データに多重化させたデータである。したがって、CCIR−656規格の画像データを伝送するためには、8ビット幅のデータを並列的に伝送可能なインタフェースを備えていればよい。また、CCIR−656規格では水平、垂直の同期信号(HD,VD)は画像信号に埋め込まれているが、水平、垂直同期信号を独立な線で転送するインタフェースも広く使用されている。
【0027】
なお、CCIR−601規格を発展させた規格がCCIR−656規格であり、CCIR−656規格はCCIR−601規格に含まれると考えられるが、この明細書においては、YUV画像データを16ビットのデータとして並列的に伝送する規格をCCIR−601規格とし、YUV画像データを8ビットのデータとして並列的に伝送する規格をCCIR−656規格として区別することとする。また、以下の説明において、CCIR−656規格はHD,VDを独立の線で転送するインタフェースを含むものとする。
【0028】
YUV出力部45には、CCIR−656規格に基づいて8ビットのYUV画像データを伝送するためのデータ線13が接続されており、このデータ線13は画像圧縮伸張チップ5Aが備えるYUVインタフェース53Aに接続されている。
【0029】
画像圧縮伸張チップ5Aは、画像データのエンコードおよびデコード処理を実行する回路群であるエンコード・デコードユニット51と、DMAC52と、YUVインタフェース53Aと、RGBサンプリング部54と、ハイインピーダンス制御回路55とを備えている。そして、これら各処理回路51〜54がバス50を介して接続されている。
【0030】
DMAC52は、前述したようにDMAデータ線12を介してDMAC44に接続されている。したがって、画像圧縮伸張チップ5Aは、圧縮動画像データなどをDMAC52の制御により、メインチップ4に転送することを可能としている。
【0031】
YUVインタフェース53Aは、前述したように、データ線13を介してメインチップ4内のYUV出力部45に接続されている。YUVインタフェース53Aは、図3に示すように、CCIR−656規格に基づくYUV画像データを入力し、CCIR−601規格に基づく16ビットのYUV画像データを出力するCCIR−656入力部530を備えている。言い換えると、CCIR−656入力部530は、Y,Cb,Crデータが交互に伝送されるCCIR−656規格の1系統のデータを、Yデータが連続的に伝送される輝度データ系と、Cb,Crデータが交互に伝送される色差データ系とからなる2系統のデータ、すなわちCCIR−601規格のデータに変換する機能を備えている。
【0032】
ここで、YUVインタフェース53AがCCIR−656規格のYUV画像データを入力するデータ線13は、8本のデータ線から構成されるが、この8本のデータ線に対応するポートを図1および図3において、ポートX0〜X7として図示している。
【0033】
RGBサンプリング部54は、YUV色空間の画像データをRGB色空間の画像データに変換する機能を備えている。具体的には、RGB画像データとして1画素あたり1色(R,G,Bいずれかの色)のデータをサンプリングする。これにより、RGBサンプリング部54から出力されるRGB画像データは、センサ2、ADC3を介して出力されるRGBベイヤフォーマットの画像データと同様の形式となる。また、ハイインピーダンス制御回路55の制御により、RGBサンプリング部54の出力をON/OFF切り替え可能としている。RGBサンプリング部54には、ハイインピーダンス制御回路55を介してデータ線14が接続されている。データ線14は、RGBサンプリングされた8ビットの画像データを伝送するため8ビットのデータ幅を有している。そして、データ線14は、ADC3とSPU42とを接続するデータ線11に接続されている。データ線11は、12本のデータ線から構成されているので、データ線14は、この12本のうちの8本のデータ線に接続されるようになっている。
【0034】
以上の構成のもとで、デジタルカメラ1における動画像処理の流れを説明する。まず、動画像の撮影が行われると、ADC3よりRGB画像データが連続的に出力され、RGB画像データは、データ線11を介してSPU42に入力される。この時、画像圧縮伸張チップ5A内のハイインピーダンス制御回路55は、RGBサンプリング部54の出力をOFFするように切り替えられている。したがって、SPU42には、ADC3から出力されたRGB画像データのみが入力されるような状態となっている。
【0035】
SPU42に入力されたRGB画像データは、RPU43に転送され、RPU43において各種の画像処理が施され、YUV画像データに変換されたのち、メモリ48にバッファリングされる。そして、メモリ48にバッファリングされるYUV画像データは、YUV出力部45より、データ線13を介して画像圧縮伸張チップ5Aに転送される。
【0036】
画像圧縮伸張チップ5Aでは、YUVインタフェース53Aが、動画像のストリームであるYUV画像データを入力すると、CCIR−656規格のYUV画像データをCCIR−601規格の16ビットのデータに変換し、変換後のデータをエンコード・デコードユニット51に転送する。そして、エンコード・デコードユニット51において、圧縮動画像データが生成される。
【0037】
次に、圧縮動画像データは、DMAC52の制御によって、メインチップ4に転送される。メインチップ4に転送された圧縮動画像データは、メモリ48に格納される。以上の処理により、デジタルカメラ1は、動画像を撮影し、圧縮動画像データをメモリ48に格納することができる。このように、エンコード処理時には、まず、データサイズの大きい動画像データをYUVの専用出力回路を利用して転送し、エンコード後のデータサイズの小さい動画像データについては、DMACによって伝送するので、処理速度を高速にすることが可能である。なお、エンコード後のデータ転送は、DMACを利用せずに、CPU41による制御としてもよい。
【0038】
逆に、圧縮動画像データをデコードする処理について説明する。まず、DMAC44の制御により、メモリ48に格納されている圧縮動画像データが、画像圧縮伸張チップ5Aに転送される。画像圧縮伸張チップ5Aでは、DMAC44により転送された圧縮動画像データをエンコード・デコードユニット51に転送する。そして、エンコード・デコードユニット51では、圧縮動画像データのデコード処理が実行されて、YUV画像データが生成される。
【0039】
次に、エンコード・デコードユニット51で生成されたYUV画像データが、RGBサンプリング部54に転送され、YUV画像データがRGB画像データに変換される。そして、ハイインピーダンス制御回路55は、RGB画像データの出力をONに切り替え、RGB画像データが、データ線14を介して伝送される。この時、ADC3内のハイインピーダンス制御回路31は、センサ出力をOFFするように切り替えられている。したがって、SPU42には、RGBサンプリング部54から出力されたRGB画像データのみが入力されるような状態となっている。
【0040】
このようにして、圧縮動画像データは、デコードされた後、RGB画像データに変換されてメインチップ4に入力される。そして、CPU41は、このRGB画像データをLCD(図示せず)に表示させることが可能となる。このように、デコード処理時には、まず、データサイズの小さい圧縮動画像データをDMACを利用して転送し、デコード後のデータサイズの大きい動画像データについては、RGB専用の出力回路によって伝送するので、処理速度を高速にすることが可能である。なお、デコード前のデータ転送は、DMACを利用せずに、CPU41による制御としてもよい。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態によれば、YUV画像データの入力インタフェースを持たないメインチップ4であっても、センサからのRGB画像データを入力する回路を利用して、デコード後の動画像データを入力することが可能である。
【0042】
{第2の実施の形態}
次に、図2を参照しつつ本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成や処理の内容についての説明は省略し、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。また、図2において第1の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0043】
第2の実施の形態の画像圧縮伸張チップ5Bが第1の実施の形態における画像圧縮伸張チップ5Aと異なる点は、セレクタ55を備えている点である。セレクタ55は、RGBサンプリング部54から出力されるRGB画像データと、ADC3から出力されるRGB画像データとを入力し、いずれかの入力を選択的に出力する機能を備えている。また、第1の実施の形態と異なりADC3はハイインピーダンス制御回路を備えていない。この実施の形態における画像圧縮伸張チップ5Bは、ハイインピーダンス制御回路が設けられていないADC3を備えた電子機器にも対応可能としている。
【0044】
デジタルカメラ1に、この画像圧縮伸張チップ5Bが組み込まれる場合には、ADC3の出力を伝送するデータ線11Bは、SPU42に接続されずに、セレクタ55に接続される。そして、セレクタ55の出力を伝送するデータ線15がSPU42に接続するように構成されている。
【0045】
以上の構成のもとで、デジタルカメラ1における動画像処理の流れを説明する。まず、動画像の撮影が行われると、ADC3よりRGB画像データが連続的に出力され、RGB画像データは、データ線11Bを介してセレクタ55に入力される。撮影モード時、セレクタ55は、CPU41の制御によって、ADC3からの入力データを下流側に出力するように制御される。これにより、ADC3から出力されたRGB画像データが、データ線15を介してSPU42に入力される。
【0046】
SPU42に入力された後の処理は、第1の実施の形態と同様であり、YUV出力部45およびYUVインタフェース53Bを介して動画像のストリームであるYUV画像データが転送され、エンコード・デコードユニットでエンコードされた圧縮動画像データは、DMAC52の制御によりメインチップ4に転送され、メモリ48に格納される。なお、図3に示すように、YUVインタフェース53Bの構成は、第1の実施の形態におけるYUVインタフェース53Aと同様である。
【0047】
逆に、圧縮動画像データをデコードする処理について説明する。まず、DMAC44の制御により、メモリ48に格納されている圧縮動画像データが、画像圧縮伸張チップ5Bに転送される。画像圧縮伸張チップ5Bでは、DMAC44により転送された圧縮動画像データをエンコード・デコードユニット51に転送する。そして、エンコード・デコードユニット51では、圧縮動画像データのデコード処理が実行されて、YUV画像データが生成される。
【0048】
次に、エンコード・デコードユニット51で生成されたYUV画像データが、RGBサンプリング部54に転送され、YUV画像データが8ビットのRGB画像データに変換される。そして、RGBサンプリング部54より出力されたRGB画像データが、セレクタ55に入力される。デコード処理時にはCPU41の制御によって、セレクタ55は、RGBサンプリング部54からの入力データを下流側に出力するように制御される。これにより、RGBサンプリング部54から出力されたRGB画像データが、データ線15を介してSPU42に入力される。そして、CPU41は、このRGB画像データをLCD(図示せず)に表示させることが可能となる。なお、RGBサンプリング部54より出力されるRGB画像データは8ビットであるが、ADC3より出力されるRGB画像データは12ビットであるので、データ線15は少なくとも12ビットのデータを並列的に伝送可能である。
【0049】
また、本実施の形態において、通常の撮影モード時(つまり、エンコードやデコード処理を実行しない場合)には、画像圧縮伸張チップ5Bのメインコア回路501には電力を供給させる必要がなく、ローカル回路502のみに電力を供給させて、低消費電力モードとすることができる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、YUV画像データの入力インタフェースを持たないメインチップ4であっても、センサからのRGB画像データを入力する回路を利用して、デコード後の動画像データを入力することが可能である。また、第1の実施の形態と異なり、ADC3がハイインピーダンス制御回路を備えていない場合にも、メインチップ4との接続が可能な構成である。
【0051】
{第3の実施の形態}
次に、図4を参照しつつ本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成や処理の内容についての説明は省略し、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。また、図4において第1の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0052】
第3の実施の形態においては、メインチップ4がYUV入力部46を備えている。また、画像圧縮伸張チップ5Cが備えるYUVインタフェース53Cは、図6に示すように、第1および第2の実施の形態におけるYUVインタフェース53A,Bとは異なる。また、画像圧縮伸張チップ5CがRGBサンプリング部を備えていない点が異なる。
【0053】
この実施の形態の特徴は、メインチップ4と画像圧縮伸張チップ5Cとの間で、CCIR−601規格に基づいて16ビットのYUV画像データを伝送する点である。YUV出力部45には、それぞれ8ビットのデータ幅を有するデータ線16,17が接続され、たとえば、データ線16により輝度データYを伝送し、データ線17により色差データCb,Crを伝送する。また、YUV入力部46には、それぞれ8ビットのデータ幅を有するデータ線18,19が接続され、たとえば、データ線18により輝度データYを伝送し、データ線19により色差データCb,Crを伝送する。
【0054】
また、データ線16は、データ線18に接続されており、接続された8本のデータ線18(16)が、画像圧縮伸張チップ5CのポートX0〜X7を介してYUVインタフェース53Cに接続されている。また、データ線17は、データ線19に接続されており、接続された8本のデータ線19(17)が、画像圧縮伸張チップ5CのポートY0〜Y7を介してYUVインタフェース53Cに接続されている。このように、画像圧縮伸張チップ5Cの16個のポートX0〜X7,Y0〜Y7を入出力のデータ伝送に共用させるようにしている。
【0055】
図6に示すように、YUVインタフェース53Cは、CCIR−656入力部531、CCIR−656出力部532、セレクタ533〜535、ハイインピーダンス制御回路536などを備えている。
【0056】
前述の如く、YUVインタフェース53Cは、ポートX0〜X7,Y0〜Y7から16ビットのYUV画像データを並列的に入力する。ポートX0〜X7から入力したデータは、バッファを介してセレクタ533に入力され、ポートY0〜Y7から入力したデータは、バッファを介してセレクタ534に入力される。ここで、YUV画像データをメインチップ4から入力処理する際、セレクタ533,534に選択信号"0"が与えられる。これにより、セレクタ533は、ポートX0〜X7からの入力データを下流側に出力し、セレクタ534は、ポートY0〜Y7からの入力データを下流側に出力する。これにより、YUVインタフェース53CによりCCIR−601規格に基づくYUV画像データが入力されると、このYUV画像データは、バス50を介してエンコード・デコードユニット51に転送される。
【0057】
一方、エンコード・デコードユニット51においてデコードされたCCIR−601規格のYUV画像データがバス50を介してYUVインタフェース53Cに入力される。この場合にも、16ビットのYUV画像データが並列的にYUVインタフェース53Cに入力される。16ビットのYUV画像データのうち、8ビットの輝度データY(あるいは色差データCb,Cr)がポートP0〜P7から入力され、ハイインピーダンス制御回路536を介してポートX0〜X7よりメインチップ4に対して出力される。また、16ビットのYUV画像データのうち、8ビットの色差データCb,Cr(あるいは輝度データY)がポートQ0〜Q7から入力され、セレクタ535に入力される。ここで、YUV画像データのメインチップ4に対する出力処理の際には、セレクタ535に選択信号"0"が与えられる。これにより、セレクタ535は、ポートQ0〜Q7からの入力データを下流側に出力する。そして、このデータは、ハイインピーダンス制御回路536を介してポートY0〜Y7よりメインチップ4に対して出力される。
【0058】
なお、メインチップ4よりYUV画像データを入力する際には、ハイインピーダンス制御回路536は、出力をOFFするように制御されている。これに対して、メインチップ4に対してYUV画像データを出力する際には、ハイインピーダンス制御回路536は、ポートP0〜P7から入力したデータおよびセレクタ535が出力したデータをそのままポートX0〜X7,Y0〜Y7に出力するように制御される。
【0059】
以上の構成のもとで、デジタルカメラ1における動画像処理の流れを説明する。センサ2により動画像の撮影が行われると、第1の実施の形態と同様の処理により、メモリ48にYUV画像データがバッファリングされる。次に、バッファリングされているYUV画像データは、YUV出力部45およびデータ線16,17を介して画像圧縮伸張チップ5Cに転送される。画像圧縮伸張チップ5Cは、YUVインタフェース53Cを介してCCIR−601規格に基づくYUV画像データを入力すると、入力したデータをエンコード・デコードユニット51に転送する。エンコード・デコードユニット51でエンコードされた圧縮動画像データは、DMAC52の制御によりメインチップ4に転送され、メモリ48に格納される。この処理の間、前述したように、YUVインタフェース53Cのハイインピーダンス制御回路536は、出力をOFFするように制御される。
【0060】
逆に、圧縮動画像データをデコードする処理について説明する。まず、DMAC44の制御により、メモリ48に格納されている圧縮動画像データが、画像圧縮伸張チップ5Cに転送される。画像圧縮伸張チップ5Cでは、DMAC44により転送された圧縮動画像データをエンコード・デコードユニット51に転送する。そして、エンコード・デコードユニット51では、圧縮動画像データのデコード処理が実行されて、YUV画像データが生成される。
【0061】
次に、エンコード・デコードユニット51で生成されたYUV画像データは、バス50を介してYUVインタフェース53Cに転送され、YUVインタフェース53Cから出力されたCCIR−601規格に基づくYUV画像データは、データ線18,19を経由してメインチップ4のYUV入力部46に入力される。この処理の間、図示省略しているが、YUV出力部45が備えるハイインピーダンス制御回路により、YUV出力部45の出力をOFFするように制御される。このようにして、デコードされたYUV画像データがメインチップ4に転送されると、CPU41の制御によりLCDに対する表示処理などが実行される。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態によれば、YUV画像データの入力インタフェースを備えるメインチップ4と画像圧縮伸張チップ5Cとの間で、YUV画像データを転送するためのデータ線を、入力用と出力用とで共用させているので、データ線の数を少なくし、回路規模を小さくすることが可能である。
【0063】
{第4の実施の形態}
次に、図5を参照しつつ本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態における画像圧縮伸張チップ5Cは、第4の実施の形態の画像圧縮伸張チップ5Cと同様である。ただし、メインチップ4は、YUV入力部46を備えていないので、メインチップ4との接続形態が異なる。この実施の形態において、メインチップ4は、ADC3からRGB画像データを入力する回路において、YUV画像データを入力することも可能である。また、ADC3は、第1の実施の形態と同様にハイインピーダンス制御回路31を備え、ADC3の出力データは、データ線11を介してSPU42に接続されている。
【0064】
そして、図に示すように、画像圧縮伸張チップ5CのポートX0〜X7は、データ線13を介してYUV出力部45に接続される。そして、ポートY0〜Y7には、データ線20が接続される。さらに、データ線20は、ADC3とSPU42とを接続するデータ線11に接続されている。
【0065】
YUVインタフェース53Cの構成も図6に示したものと同様であるが、動作状態が異なる。この実施の形態においては、ポートX0〜X7より、CCIR−656規格の8ビットのYUV画像データが入力される。このYUV画像データは、Y,Cb,Y,Cr,・・・といったように、輝度データYと色差データCr,Cbが交互に伝送される方式である。
【0066】
ポートX0〜X7より入力されたYUV画像データは、バッファを介してCCIR−656入力部531に入力され、CCIR−601規格に基づく2系統のデータ(8ビットの輝度データYと8ビットの色差データCr,Cb)に変換されて出力される。この各8ビットのデータは、それぞれセレクタ533,534に入力される。この実施の形態においては、メインチップ4よりYUV画像データを入力する際、セレクタ533,534に選択信号"1"が入力される。これにより、セレクタ533,534は、CCIR−656入力部531が出力したCCIR−601規格に基づくYUV画像データを下流側に出力する。この出力データは、バス50を介してエンコード・デコードユニット51に転送される。
【0067】
一方、エンコード・デコードユニット51においてデコードされたCCIR−601規格のYUV画像データがバス50を介してYUVインタフェース53Cに入力される。この場合、16ビットのYUV画像データが並列的にYUVインタフェース53Cに入力される。16ビットのYUV画像データのうち、8ビットの輝度データY(あるいは色差データCb,Cr)がポートP0〜P7から入力され、8ビットの色差データCb,Cr(あるいは輝度データY)がポートQ0〜Q7から入力される。そして、各8ビットのデータは、CCIR−656出力部532に入力される。そして、CCIR−656出力部532によって、CCIR−656規格のYUV画像データに変換されてセレクタ535に入力される。この実施の形態においては、YUV画像データのメインチップ4に対する出力処理の際には、セレクタ535に選択信号"1"が入力される。これにより、セレクタ535は、CCIR−656出力部532からの入力データを下流側に出力する。そして、このデータは、ハイインピーダンス制御回路536を介してポートY0〜Y7より出力される。
【0068】
なお、メインチップ4よりYUV画像データを入力する際には、ハイインピーダンス制御回路536は、出力をOFFするように制御されている。これに対して、メインチップ4に対してYUV画像データを出力する際には、ハイインピーダンス制御回路536は、セレクタ535が出力したデータをそのままY0〜Y7に出力するように制御される。
【0069】
以上の構成のもとで、デジタルカメラ1における動画像処理の流れを説明する。センサ2により動画像の撮影が行われると、第1の実施の形態と同様の処理により、メモリ48にYUV画像データがバッファリングされる。なお、この処理の間、YUVインタフェース53Cのハイインピーダンス制御回路536は出力をOFFするよう制御されるので、SPU42には、ADC3からの出力データのみが入力されるように制御される。次に、バッファリングされているYUV画像データは、YUV出力部45およびデータ線13を介して画像圧縮伸張チップ5Cに転送される。画像圧縮伸張チップ5Cは、YUVインタフェース53Cを介してCCIR−656規格に基づくYUV画像データを入力すると、入力したデータをCCIR−601規格のYUV画像データに変換した後、エンコード・デコードユニット51に転送する。エンコード・デコードユニット51でエンコードされた圧縮動画像データは、DMAC52の制御によりメインチップ4に転送され、メモリ48に格納される。
【0070】
逆に、圧縮動画像データをデコードする処理について説明する。まず、DMAC44の制御により、メモリ48に格納されている圧縮動画像データが、画像圧縮伸張チップ5Cに転送される。画像圧縮伸張チップ5Cでは、DMAC44により転送された圧縮動画像データをエンコード・デコードユニット51に転送する。そして、エンコード・デコードユニット51では、圧縮動画像データのデコード処理が実行されて、YUV画像データが生成される。
【0071】
次に、エンコード・デコードユニット51で生成されたYUV画像データは、バス50を介してYUVインタフェース53Cに転送され、YUVインタフェース53Cから出力されたCCIR−656規格に基づくYUV画像データは、データ線20を経由してSPU42に入力される。この処理の間、ADC3が備えるハイインピーダンス制御回路31は、ADC3の出力をOFFするように制御される。このようにして、デコードされたYUV画像データがメインチップ4に転送されると、CPU41の制御によりLCDに対する表示処理などが実行される。
【0072】
以上説明したように、本実施の形態によれば、センサ2からRGB画像データを入力する回路で、YUV画像データの入力処理を可能としているメインチップ4に対しては、ハイインピーダンス制御により、少ないデータ線でYUV画像データの転送を可能としている。このように、第3の実施の形態および第4の実施の形態で示した画像圧縮伸張チップ5Cは、メインチップ4の構成によって、動作を変更して使用することが可能である。
【0073】
{第5の実施の形態}
次に、図7を参照しつつ本発明の第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態については、第3の実施の形態(図4)と異なる点について説明する。第5の実施の形態については、YUVインタフェース53Dの構成が第3の実施の形態と異なる、また、これに従ってメインチップ4と画像圧縮伸張チップ5Dとの接続形態が異なる。
【0074】
第5の実施の形態の特徴は、メインチップ4と画像圧縮伸張チップ5Dとの間でCCIR−656規格に基づくYUV画像データの転送を行う点である。図に示すように、YUV出力部45には、8ビットのデータ幅を有するデータ線21が接続され、YUV入力部46には、8ビットのデータ幅を有するデータ線22が接続されている。そして、データ線21がデータ線22に接続され、データ線21(22)が、画像圧縮伸張チップ5DのポートY0〜Y7を介してYUVインタフェース53Dに接続されている。
【0075】
図8は、YUVインタフェース53Dを示す図である。このYUVインタフェース53Dが図6で示した第3の実施の形態にかかるYUVインタフェース53Cと異なる点は、CCIR−656入力部531の入力側にセレクタ537が追加されている点である。
【0076】
メインチップ4のYUV出力部45から出力されたCCIR−656規格の8ビットのYUV画像データは、データ線21を経由し、ポートY0〜Y7からYUVインタフェース53Dに入力される。このデータは、バッファを介してセレクタ537に入力される。この動作モード時には、セレクタ537に選択信号"1"が与えられるので、ポートY0〜Y7から入力したYUV画像データはCCIR−656入力部531に入力され、ここで、CCIR−601規格のYUV画像データに変換されて、それぞれ8ビットの2系統のデータに分割されて、セレクタ533とセレクタ534に入力される。この動作モード時には、セレクタ533,534に選択信号"1"が与えられるので、セレクタ533,534からは、CCIR−656入力部531で変換されたCCIR−601規格のYUV画像データが出力される。この出力データは、バス50を介してエンコード・デコードユニットに転送されて、エンコード処理が行われる。
【0077】
逆のデコード時の処理は、第3の実施の形態と同様である。ポートP0〜P7,Q0〜Q7から入力したCCIR−601規格のYUV画像データは、ポートY0〜Y7からCCIR−656規格のYUV画像データとして出力されるのである。
【0078】
このように、YUVインタフェース53Dは、CCIR−656規格のYUV画像データを入出力するが、入力、出力いずれの場合にも、ポートY0〜Y7を利用してデータの転送を行うのである。
【0079】
以上の構成のもとで、デジタルカメラ1における動画像処理の流れを説明する。センサ2により動画像の撮影が行われると、第1の実施の形態と同様の処理により、メモリ48にYUV画像データがバッファリングされる。次に、バッファリングされているYUV画像データは、YUV出力部45およびデータ線21を介して画像圧縮伸張チップ5Dに転送される。画像圧縮伸張チップ5Dは、YUVインタフェース53Dを介してCCIR−656規格に基づくYUV画像データを入力すると、入力したデータをエンコード・デコードユニット51に転送する。エンコード・デコードユニット51でエンコードされた圧縮動画像データは、DMAC52の制御によりメインチップ4に転送され、メモリ48に格納される。この処理の間、前述したように、YUVインタフェース53Dのハイインピーダンス制御回路536は、出力をOFFするように制御される。
【0080】
逆に、圧縮動画像データをデコードする処理について説明する。まず、DMAC44の制御により、メモリ48に格納されている圧縮動画像データが、画像圧縮伸張チップ5Dに転送される。画像圧縮伸張チップ5Dでは、DMAC44により転送された圧縮動画像データをエンコード・デコードユニット51に転送する。そして、エンコード・デコードユニット51では、圧縮動画像データのデコード処理が実行されて、YUV画像データが生成される。
【0081】
次に、エンコード・デコードユニット51で生成されたYUV画像データは、バス50を介してYUVインタフェース53Dに転送され、YUVインタフェース53Cから出力されたCCIR−656規格に基づくYUV画像データは、データ線22を経由してメインチップ4のYUV入力部46に入力される。この処理の間、図示省略しているが、YUV出力部45が備えるハイインピーダンス制御回路により、YUV出力部45の出力をOFFするように制御される。このようにして、デコードされたYUV画像データがメインチップ4に転送されると、CPU41の制御によりLCDに対する表示処理などが実行される。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態によれば、YUV画像データの入力インタフェースを備えるメインチップ4と画像圧縮伸張チップ5Dとの間で、YUV画像データを転送するためのデータ線を、入力用と出力用とで共用させているので、データ線の数を少なくすることが可能である。
【0083】
なお、第5の実施の形態における画像圧縮伸張チップ5Dは、図4、図5で示した第3,第4の実施の形態における画像圧縮伸張チップ5Cと同じ動作を行うことが可能である。具体的には、図8において、セレクタ533,534,535に対して選択信号"0"を与えることにより、第3の実施の形態と同様の動作を行うことができる。また、セレクタ537に選択信号"0"を与え、セレクタ533,534,535に選択信号"1"を与えることにより、第4の実施の形態と同様の動作を行うことができる。このように、画像圧縮伸張チップ5Dは、メインチップ4の構成にあわせて様々な接続形態に対応可能となっている。
【0084】
{第6の実施の形態}
次に、図9を参照しつつ本発明の第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態については、第5の実施の形態(図7)と異なる点について説明する。第6の実施の形態については、YUVインタフェース53Eの構成が第5の実施の形態と異なる。
【0085】
第6の実施の形態の特徴は、メインチップ4と画像圧縮伸張チップ5Eとの間でCCIR−656規格に基づくYUV画像データの転送を行うとともに、第2メインチップ4Bと画像圧縮伸張チップ5Eとの間で点でCCIR−656規格に基づくYUV画像データの転送を行う点である。メインチップ4と画像圧縮伸張チップ5Eとの間は、第5の実施の形態と同様に、データ線21,22により接続されている。また、第2メインチップ4Bと画像圧縮伸張チップ5Eとの間は、データ線23,24により接続されている。第2メインチップ4Bと画像圧縮伸張チップ5Eとの間の接続形態は、メインチップ4と画像圧縮伸張チップ5Eとの接続形態と同様である。つまり、8ビット幅のデータ線24が第2メインチップ4Bの図示せぬYUV入力部に接続され、図示せぬYUV出力部に接続されたデータ線23がデータ線24に接続されている。
【0086】
図10は、YUVインタフェース53Eを示す図である。このYUVインタフェース53Eが図8で示した第5の実施の形態にかかるYUVインタフェース53Dと異なる点は、CCIR−656出力部532の出力側にセレクタ538,539が追加されている点である。
【0087】
まず、画像圧縮伸張チップ5Eがメインチップ4との間でYUV画像データを転送する場合を説明する。メインチップ4から画像圧縮伸張チップ5Eに対してYUV画像データが転送される場合には、CCIR−656規格のYUV画像データがポートY0〜Y7から入力され、セレクタ537に選択信号"1"が与えられ、セレクタ533,534に選択信号"1"が与えられることにより、第5の実施の形態と同様の動作を行う。
【0088】
また、画像圧縮伸張チップ5Eからメインチップ4に対してYUV画像データが転送される場合には、CCIR−601規格のYUV画像データがポートP0〜P7,Q0〜Q7から入力され、セレクタ539に選択信号"0"が与えられ、セレクタ535に選択信号"1"が与えられることにより、第5の実施の形態と同様の動作を行う。
【0089】
次に、画像圧縮伸張チップ5Eが第2メインチップ4Bとの間でYUV画像データを転送する場合を説明する。第2メインチップ4Bからデータ線23を経由して画像圧縮伸張チップ5Eに対してYUV画像データが転送される場合には、CCIR−656規格のYUV画像データがポートX0〜X7から入力され、セレクタ537に選択信号"0"が与えられ、セレクタ533,534に選択信号"1"が与えられることにより、第2メインチップ4BからのYUV画像データが入力される。
【0090】
画像圧縮伸張チップ5Eから第2メインチップ4Bに対してYUV画像データを転送する場合を説明する。バス50を介してエンコード・デコードユニット51から出力されたCCIR−601規格の16ビットのYUV画像データは、ポートP0〜P7,Q0〜Q7からYUVインタフェース53Eに入力される。この2系統のデータは、CCIR−656出力部532に入力され、CCIR−656規格の8ビットのYUV画像データに変換されて、セレクタ539側に出力される。画像圧縮伸張チップ5Eが第2メインチップ4B側にYUV画像データを出力するモード時には、セレクタ539に選択信号"1"が、セレクタ538に選択信号"1"が与えられるので、ポートP0〜P7,Q0〜Q7から入力したYUV画像データはポートX0〜X7からCCIR−656規格のYUV画像データとして出力されるのである。この出力データはデータ線24を経由して第2メインチップ4Bに転送される。
【0091】
このように、YUVインタフェース53Eは、CCIR−656規格のYUV画像データを入出力するが、メインチップ4との入出力にはポートY0〜Y7を利用し、第2メインチップ4Bとの入出力にはポートX0〜X7を利用するのである。本実施の形態の画像圧縮伸張チップ5Eを利用すれば、上記のように複数のメインチップとの間で画像データを転送することが可能であり、たとえば、2つの画像センサを備えた電子機器に対応させることも可能である。
【0092】
なお、第6の実施の形態における画像圧縮伸張チップ5Eは、図4、図5、図7で示した第3、第4、第5の実施の形態における画像圧縮伸張チップ5C,5Dと同じ動作を行うことが可能である。具体的には、図10において、セレクタ533,534,535,538に対して選択信号"0"を与えることにより、第3の実施の形態と同様の動作を行うことができる。また、セレクタ537,539に選択信号"0"を与え、セレクタ533,534,535に選択信号"1"を与えることにより、第4の実施の形態と同様の動作を行うことができる。また、メインチップ4との間におけるYUV画像データの転送は、第5の実施の形態における動作と同様である。このように、画像圧縮伸張チップ5Eは、様々な接続形態に対応可能となっている。
【符号の説明】
【0093】
1 デジタルカメラ
4 メインチップ
5A〜5E 画像圧縮伸張チップ
31 ハイインピーダンス制御回路
53A〜53E YUVインタフェース
55 ハイインピーダンス制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に組み込まれる画像伸張チップであって、
入力された圧縮動画像データをデコードしてYUV画像データを生成するデコードユニットと、
前記デコードユニットによって生成された前記YUV画像データをRGB画像データに変換した上で、1画素あたり1色のデータをサンプリングすることによって、ベイヤフォーマットのRGB画像データを出力するRGBサンプリング部と、
前記RGBサンプリング部から出力された前記ベイヤフォーマットのRGB画像データを前記画像伸張チップの外部に出力する出力回路と、
を備える画像伸張チップ。
【請求項2】
請求項1に記載の画像伸張チップにおいて、
前記出力回路は、前記画像伸張チップの外部の回路であって、画像センサで生成されたベイヤフォーマットのRGB画像データを入力する入力回路に接続される画像伸張チップ。
【請求項3】
請求項2に記載の画像伸張チップにおいて、
前記入力回路は、前記電子機器の制御を行う制御チップに設けられる画像伸張チップ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像伸張チップにおいて、
前記出力回路によるベイヤフォーマットのRGB画像データの出力制御を行うハイインピーダンス制御回路、
をさらに備える画像伸張チップ。
【請求項5】
請求項4に記載の画像伸張チップにおいて、
前記ハイインピーダンス制御回路は、前記画像センサで生成されたベイヤフォーマットのRGB画像データが前記入力回路に入力される場合、前記出力回路の出力を停止させる画像伸張チップ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像伸張チップにおいて、
前記電子機器は、デジタルカメラを含む画像伸張チップ。
【請求項7】
電子機器であって、
入力された圧縮動画像データの伸張処理を行う画像伸張チップを備え、
前記画像伸張チップは、
前記圧縮動画像データをデコードしてYUV画像データを生成するデコードユニットと、
前記デコードユニットによって生成された前記YUV画像データをRGB画像データに変換した上で、1画素あたり1色のデータをサンプリングすることによって、ベイヤフォーマットのRGB画像データを出力するRGBサンプリング部と、
前記RGBサンプリング部から出力された前記ベイヤフォーマットのRGB画像データを前記画像伸張チップの外部に出力する出力回路と、
を有する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−206836(P2010−206836A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116982(P2010−116982)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【分割の表示】特願2003−375277(P2003−375277)の分割
【原出願日】平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】