説明

画像再生装置

【課題】使用前に特別な操作をすることなく、連続的に表示される画像から任意の画像を表示する画像再生装置を得る。
【解決手段】動画が再生されているときにユーザが再生・一時停止ボタン221を操作すると、制御装置は、動画再生停止処理を実行して動画の再生を一時的に停止し、一時停止表示状態に表示画面12を遷移させる。動画再生停止処理は、ユーザが再生・一時停止ボタン221を操作した瞬間からフレーム検出を行う期間だけ前の時点までの全フレームに対して、フレーム検出の画像判定条件に合致する度合い、すなわち尤度を算出する処理を有する。主表示領域310は、最も尤度が高いフレーム画像を表示する。第1から第5のサムネール領域311a、311b、311c、311d、311eは、縮小されたフレーム画像、すなわちサムネール画像を、各サムネール画像の尤度の降順を用いて表示画面12の左から並べて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に表示される画像の中から任意の画像を選択可能な画像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像再生装置は、連続的に画像を表示する表示装置と、表示された画像から任意の画像を選択するための選択手段とを備える。ユーザは、表示装置に表示された画像を見て、意図する画像を見つけたときに選択手段を操作して任意の画像を選択する。
【0003】
画像が高速で更新されている場合、ユーザの選択動作が遅れて、意図した画像を選択できない場合がある。そこでユーザが意図した画像を選択できるようにするために、試験用画像を用いて予めユーザ固有の遅れ時間を測定し、ユーザが選択動作を行ったときに遅れ時間を考慮して画像を選択する画像再生装置が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−175281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構成では、使用前に試験用画像を用いてユーザ毎に遅れ時間を測定しなければならず、ユーザにとって煩雑である。また、予め試験用画像を用意し画像再生装置に記憶しておく必要がある。さらに、一度測定し、記憶された遅れ時間を変更するときは再度測定を行わなければならない。
【0005】
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、使用前に特別な操作をすることなく、連続的に表示される画像から任意の画像を選択、表示する画像再生装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による画像再生装置は、複数の画像を動画として連続的に表示する表示手段と、複数の画像に含まれる特定の画像を基準として所定の時間だけ過去の画像の中から、所定の条件に合致する目的画像を検出する画像検出手段とを備え、表示手段は目的画像を静止画像として表示することを特徴とする。
【0007】
画像検出手段が検出した目的画像を記憶する画像記憶手段をさらに備え、表示手段は、複数の目的画像を表示する第1の表示領域と、第1の表示領域より大きな表示範囲を持つ第2の表示領域とを有し、第1の表示領域は、画像記憶手段が記憶している複数の目的画像を表示し、第2の表示領域は、複数の目的画像の中の1つを拡大して表示することが好ましい。
【0008】
表示手段は、第2の表示領域に表示された画像に対応する第1の表示領域に表示された画像と、第2の表示領域に表示された画像との対応関係を表示する指示表示を有することが好ましい。
【0009】
指示表示は、第2の表示領域に表示された画像に対応する第1の表示領域に表示された画像と、第2の表示領域に表示された画像とを接続する線であることが好ましい。
【0010】
表示手段は、動画の再生を制御するために用いる操作手段を表示し、操作手段が操作されることにより動画の再生を一時停止する制御が行われたとき、表示手段は、画像記憶手段が記憶している複数の目的画像の中から、各画像を構成する画像信号のうち特定の画像信号の値が最も高い画像を第2の表示領域に表示することが望ましい。
【0011】
表示手段は、第1の表示領域と第2の表示領域の中間の大きさの表示範囲を持つ第3の表示領域を有し、画像記憶手段が記憶している複数の目的画像の中から、第2の表示領域に表示された画像の次に特定の画像信号の値が高い画像を第3の表示領域に表示するように構成されてもよい。
【0012】
表示手段は、動画の現在の再生位置を表示する第4の表示領域を有し、第4の表示領域は、第2の表示領域に表示された画像の動画における時間的な位置を示してもよい。
【0013】
表示手段は、目的画像を撮影された時系列順に並べて第1の表示領域に表示してもよい。
【0014】
各画像を構成する画像信号は、画像の赤色画素を示すR信号と、画像の緑色画素を示すG信号と、画像の青色画素を示すB信号とを備え、画像検出手段は、各画素におけるG信号とR信号の差分を二乗した値を全て加算して得られた値が所定値よりも高い画像を目的画像として検出することが好ましい。
【0015】
各画像を構成する画像信号は、画像の赤色画素を示すR信号と、画像の緑色画素を示すG信号と、画像の青色画素を示すB信号とを備え、画像検出手段は、特定の範囲内にある各画素においてG信号とR信号の差分を二乗した値を加算して得られた値が所定値よりも高い画像を目的画像としてもよい。
【0016】
各画像を構成する画像信号は、画像の輝度を示す輝度を備え、画像検出手段は、複数の画像の最初の画像の輝度と特定の画像の輝度との差分を二乗した値を全て加算して得られた値が所定値よりも高い画像を目的画像として検出してもよい。
【0017】
各画像を構成する画像信号は、画像の赤色画素を示すR信号と、画像の緑色画素を示すG信号と、画像の青色画素を示すB信号とを備え、画像検出手段は、特定の画像におけるR信号と特定の画像の1つ前に表示された画像のR信号との差分を二乗した値と、特定の画像におけるG信号と特定の画像の1つ前に表示された画像のG信号との差分を二乗した値と、特定の画像におけるB信号と特定の画像の1つ前に表示された画像のB信号との差分を二乗した値とを加えて得られた値を全て加算して得られた値が所定値よりも高い画像を目的画像として検出してもよい。
【0018】
特定の画像を決定するための操作手段をさらに備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、使用前に特別な操作をすることなく、連続的に表示される画像から任意の画像を選択、表示する画像再生装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明における画像再生装置の第1の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1から3を用いて画像再生装置10の構成について説明する。
【0022】
画像再生装置10は、画像再生装置10の動作を制御する制御装置11と、制御装置11と電気的に接続される表示画面12、記憶装置13、電源スイッチ14、及び複数の操作手段15、16、17とから主に構成される。
【0023】
電源スイッチ14は接続・切断信号を制御装置11に送信し、制御装置11は、接続・切断を検知して、画像再生装置10の電源を投入又は切断する。
【0024】
記憶装置13は、動画、フレーム画像、及びフレーム検出設定を記録する。動画は例えば1秒間当たり30のフレーム、すなわち静止画像により構成される。フレーム画像とは、この静止画像をいう。フレーム画像は、動画の再生順に1から始まる昇順を用いて番号が振られる。この番号をフレーム番号という。制御装置11は、図示しない電子カメラが撮像した画像信号を受信して動画として記憶装置13に記録する。フレーム検出設定は、所望のフレーム画像を制御装置が検出するときに用いる条件、すなわちフレーム検出を行う期間及び画像判定条件を有する。後述する検出設定処理によりこれらが定められる。
【0025】
複数の操作手段15、16、17は、キーボード15、マウス16、及び設定ボタン17である。キーボード15及びマウス16は、ユーザが画像再生装置10に所望の情報を入力するために用いられる。設定ボタン17は、制御装置11に検出設定処理を実行させるために用いられる。
【0026】
ユーザが電源スイッチ14を操作して画像再生装置10の電源を投入すると、制御装置11は後述するユーザ判別処理を実行し、画像再生装置10を使用するユーザを判別する。そして、制御装置11は記憶装置13から動画を読み出し、表示画面12に表示する。
【0027】
表示画面12は、動画を表示する動画表示状態と、フレーム画像を表示する一時停止表示状態とを有する。
【0028】
動画表示状態において、表示画面12は、動画を表示する動画表示領域210と、操作ボタンを表示する操作領域220と、現在の動画の表示位置を表示するスクロールバー230とを有する。操作領域220には、動画の再生を開始し、又は動画再生時に動画の再生を一時停止するための再生・一時停止ボタン221、動画再生を停止するための停止ボタン222、動画の再生を早送りするための第1の早送りボタン223、動画の巻き戻し再生を行う第1の巻き戻しボタン224、次の動画を再生するための送りボタン225、前の動画を再生するための戻しボタン226が表示される。ユーザはマウス16を用いてこれらのボタンを操作し、動画を観察する。
【0029】
スクロールバー230は、動画ファイルの再生時間全体を示すスルーバー231と、画像の再生位置を示すスライダ232と、スクロールバー230の両端に設けられる第2の早送りボタン233及び第2の巻き戻しボタン234とを備える。
【0030】
図2に示すスルーバー231は、動画表示領域210に表示されている動画の総再生時間(ここでは10時間)であることを示し、スライダ232は、当該動画における現在表示されているフレーム画像の再生位置(ここでは動画の始めのフレーム画像から約4時間経過した位置)を示す。
【0031】
ユーザはマウス16を用いてスライダ232を移動させることが可能である。ユーザは第2の早送りボタン233及び第2の巻き戻しボタン234をマウス16でクリックすることにより動画をそれぞれ早送り、巻き戻しすることができる。
【0032】
動画が再生されているときにユーザが再生・一時停止ボタン221を操作すると、制御装置11は、後述する動画再生停止処理を実行して動画の再生を一時的に停止し、図3に示されるような一時停止表示状態に表示画面12を遷移させる。動画再生停止処理は、ユーザが再生・一時停止ボタン221を操作した瞬間からフレーム検出を行う期間だけ前の時点までの全フレームに対して、フレーム検出の画像判定条件に合致する度合い、すなわち尤度を算出する処理を有する。
【0033】
一時停止表示状態において、表示画面12は、主表示領域310と、第1から第5のサムネール領域311a、311b、311c、311d、311eと、再生・一時停止ボタン221、動画再生を停止するための停止ボタン222と、静止画送りボタン335と、静止画戻しボタン336と、スクロールバー230と、フレーム画像を印刷するための印刷ボタン227、及びフレーム画像を保存するための保存ボタン228とを有する。
【0034】
ユーザはマウス16を用いてこれらのボタンを操作し、動画を観察する。再生・一時停止ボタン221及び停止ボタン222は、動画表示状態におけるものと同様であるため説明を省略する。ユーザがマウス16により印刷ボタン227をクリックすると、画像再生装置10に接続される図示しないプリンタにフレーム画像のデータが送信され、プリンタはフレーム画像を印刷する。ユーザがマウス16により保存ボタン228をクリックすると、フレーム画像が記憶装置13に画像ファイルとして記憶される。
【0035】
主表示領域310は、最も尤度が高いフレーム画像を表示する。第1から第5のサムネール領域311a、311b、311c、311d、311eは、縮小されたフレーム画像、すなわちサムネール画像を、各サムネール画像の尤度の降順を用いて表示画面12の左から並べて表示する。静止画送りボタン335がクリックされると、第1のサムネール領域311aに表示されていたサムネール画像が消去され、第2のサムネール領域311bに表示されていたサムネール画像が第1のサムネール領域311aに表示される。そして、第3のサムネール領域311cに表示されていたサムネール画像が第2のサムネール領域311bに表示される。同様にして、第3のサムネール領域311c及び第4のサムネール領域311dの表示が更新される。そして、第5のサムネール領域311eに表示されていたフレーム画像に次ぐ低い尤度を有するフレーム画像を縮小したサムネール画像が、第5のサムネール領域311eに表示される。
【0036】
指示線341は、主表示領域310に表示されているフレーム画像と、このフレーム画像に対応するサムネール画像とを接続する実線である。
【0037】
ユーザがマウス16をサムネール画像の上に置くと、そのサムネール画像が主表示領域310に拡大表示される。そして、指示線341は、クリックされたサムネール画像を表示するサムネール領域と主表示領域310とを接続する。これによりユーザは、第1から第5のサムネール領域311a、311b、311c、311d、311eに表示されたサムネール画像を詳細に観察することができる。
【0038】
スクロールバー230の構成は、動画表示状態と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
画像判定条件として赤色検出、第1または第2の画像相関が用いられる。まず、赤色検出について説明する。
【0040】
赤色検出は、1つのフレーム画像に含まれる赤色画素の度合いを示す赤色指数Qrを尤度として画像判定を行うものである。ユーザが再生・一時停止ボタン221を操作した瞬間からフレーム検出を行う期間だけ前の時点までの全mフレームに対し、赤色指数Qrを算出する。任意のフレーム画像nに対する赤色指数Qr(n)は、以下の式により算出される。
Qr(n)=Σ(y=1,H)[Σ(x=1,W)[{R(n)(x,y)−G(n)(x,y)}^2]]
ここで、Qr(n)は画像nの赤色指数、Hはフレーム画像の垂直方向の画素数、Wはフレーム画像の水平方向の画素数、R(n)(x,y)はフレーム画像の座標(x,y)における画素の赤輝度、G(n)(x,y)はフレーム画像の座標(x,y)における画素の緑輝度である。
【0041】
赤色検出によれば、赤色が多く含まれるフレーム画像を容易に選別することが可能となる。
【0042】
次に、第1の画像相関について説明する。第1の画像相関は、動画の先頭のフレーム画像に対する所定のフレーム画像の変化の度合いを画像判定条件とするものである。すなわち第1の画像相関では、動画における先頭のフレーム画像と所望の画像との相関を示す第1の相関指数Ir1と第1の閾値Th1との第1の差Di1を尤度として画像判定を行う。
【0043】
ユーザが再生・一時停止ボタン221を操作した瞬間からフレーム検出を行う期間だけ前の時点までの全mフレームに対し、第1の相関指数Ir1を算出する。そして、所定の第1の閾値Th1から第1の相関指数Ir1を減じて第1の差Di1を算出する。動画がモノクロであるとき、任意のフレーム画像nに対する第1の相関指数Ir(n)は、以下の式により算出される。
Ir1(n)=Σ(y=1,H)[Σ(x=1,W)[{Y(n)(1,x,y)−Y(n)(n,x,y)}^2]]
ここで、Ir1(n)は画像nの第1の相関指数、Hはフレーム画像の垂直方向の画素数、Wはフレーム画像の水平方向の画素数、Y(n)(1,x,y)は動画における先頭のフレーム画像の座標(x,y)における画素の輝度、Y(n)(n,x,y)は動画における先頭からn番目のフレーム画像の座標(x,y)における画素の輝度である。なお、動画がカラーであるときは、輝度として赤、緑、又は青の輝度を用いる。
【0044】
第1の画像相関によれば、動画の先頭のフレーム画像に対する変化の度合いが高いフレーム画像を容易に選別することが可能となる。
【0045】
次に、第2の画像相関について説明する。第2の画像相関は、動画において1つ前のフレーム画像に対する変化の度合いを画像判定条件とするものである。すなわち第2の画像相関では、前後の画像との相関を示す第2の相関指数Ir2と第2の閾値Th2との第2の差Di2を尤度として画像判定を行う。
【0046】
ユーザが再生・一時停止ボタン221を操作した瞬間からフレーム検出を行う期間だけ前の時点までの全mフレームに対し、第2の相関指数Ir2を算出する。そして、所定の第2の閾値Th2から第2の相関指数Ir2を減じて第2の差Di2を算出する。動画がカラーであるとき、任意のフレーム画像nに対する第2の相関指数Ir2(n)は、以下の式により算出される。
Ir2(n)=Σ(y=1,H)[Σ(x=1,W)[{R(n)(n−1,x,y)−R(n)(n,x,y)}^2
+{G(n)(n−1,x,y)−G(n)(n,x,y)}^2
+{B(n)(n−1,x,y)−B(n)(n,x,y)}^2]]
ここで、Ir2(n)は画像nの第2の相関指数、Hはフレーム画像の垂直方向の画素数、Wはフレーム画像の水平方向の画素数、R(n)(n,x,y)は動画における先頭からn番目のフレーム画像の座標(x,y)における赤色画素の輝度、G(n)(n,x,y)は動画における先頭からn番目のフレーム画像の座標(x,y)における緑色画素の輝度、B(n)(n,x,y)は動画における先頭からn番目のフレーム画像の座標(x,y)における青色画素の輝度である。
【0047】
第2の画像相関によれば、1つ前のフレーム画像に対する変化の度合いが高いフレーム画像を容易に選別することが可能となる。
【0048】
次に、検出設定処理について図4を用いて説明する。ユーザが設定ボタン17を押すと、制御装置11が検出設定処理を実行する。
【0049】
制御装置11は、図4に示す検出設定画面を表示画面12に表示する。検出設定画面には、フレーム検出期間を入力する期間入力ボックス41と、画像判定条件を選択する判定チェックボックス42と、入力ボタン43と、キャンセルボタン44とが設けられる。
【0050】
ユーザは、キーボード15を用いて期間入力ボックス41にフレーム検出期間を入力する。フレーム検出期間は整数で入力される。
【0051】
画像判定条件として、赤色検出と第1及び第2の画像相関とが表示される。ユーザは、マウス16を用いて判定チェックボックス42をクリックすることにより、赤色検出並びに第1及び第2の画像相関のいずれか1つを選択する。
【0052】
ユーザが入力ボタン43をクリックすると、フレーム検出期間及び画像判定条件が記憶装置13に記録され、検出設定処理が終了する。ユーザがキャンセルボタン44をクリックすると、フレーム検出期間及び画像判定条件が記録されずに、検出設定処理が終了する。
【0053】
なお、フレーム検出期間は、秒単位でなく、分などの長い時間単位、あるいはミリセカンドなどの短い時間単位であってもよい。
【0054】
検出設定画面において、より詳細な画像判定条件を設定可能であってもよい。例えば、ユーザが数式を入力可能となるように検出設定画面が設けられ、ユーザが入力した数式を用いて動画再生停止処理を行う。
【0055】
次に、動画再生停止処理について図2、3及び5を用いて説明する。動画再生停止処理は、検出設定処理が終了し、フレーム検出設定が記憶装置13に記録された後に制御装置11により実行される。
【0056】
まずステップS501において、ユーザは、キーボード15及びマウス16を用いて再生を希望する動画を選択し、制御装置11に入力する。制御装置11は、記憶装置13から動画を読み出し、読み出した動画における先頭のフレーム画像を動画表示領域210に表示する。
【0057】
ステップS502では、再生・一時停止ボタン221がマウス16によりクリック、あるいはキーボード15により選択されたか否かを判断する。選択された場合、処理はステップS508に進む。選択されない場合、処理はステップS503に進む。
【0058】
ステップS503では、戻しボタン226がマウス16によりクリック、あるいはキーボード15により選択されたか否かを判断する。選択された場合、処理はステップS504に進む。選択されない場合、処理はステップS505に進む。
【0059】
制御装置11は、現在動画表示領域210に表示しているフレーム画像のフレーム番号time_indexを記憶している。ステップS504では、フレーム番号time_indexに1を代入する。そして、ステップS507に移行する。
【0060】
ステップS505では、送りボタン225がマウス16によりクリック、あるいはキーボード15により選択されたか否かを判断する。選択されない場合、処理はステップS502に進む。選択された場合、処理はステップS506に進む。
【0061】
ステップS506では、フレーム番号time_indexに、現在動画表示領域210に表示している動画の総フレーム数を代入する。そして、ステップS507に移行する。
【0062】
ステップS507では、フレーム番号time_indexを有するフレーム画像を動画表示領域210に表示する。そして、ステップS502に進む。
【0063】
ステップS508では、現在動画表示領域210に表示しているフレーム画像から動画を再生する。このとき、動画のフレームが1つ進む毎に、フレーム番号time_indexを1増加させる。
【0064】
そして、ステップS509では、再生・一時停止ボタン221がマウス16によりクリック、あるいはキーボード15により選択されたか否かを判断する。選択された場合、処理はステップS510に進み、ステップS510において動画の再生を一時停止する。選択されない場合、処理はステップS508に戻り、動画再生を継続する。
【0065】
ステップS511では、ユーザが再生・一時停止ボタン221を操作した瞬間からフレーム検出期間だけ前の時点までの全mフレームに対し、尤度を算出する。尤度は、検出設定処理において選択された画像判定条件に応じて算出される。
【0066】
ステップS512では、表示画面12が一時停止表示状態となる。そして、最も高い尤度を持つフレーム画像のサムネール画像が第1のサムネール領域311aに表示され、それに次ぐ尤度を持つフレーム画像のサムネール画像が第2のサムネール領域311bに表示される。このように、表示画面12の図において左から尤度が高い順にサムネール画像が第1から第5のサムネール領域311a、311b、311c、311d、311eに表示される。
【0067】
ステップS513では、最も尤度が高いフレーム画像が主表示領域310に表示される。また、指示線341が、第1のサムネール領域311aと主表示領域310とを接続する。これによりユーザは、主表示領域310に表示されたフレーム画像に対応するサムネール画像を容易に把握することができる。
【0068】
ステップS514では、再生・一時停止ボタン221がマウス16によりクリック、あるいはキーボード15により選択されたか否かを判断する。選択された場合、処理はステップS508に戻る。選択されない場合、処理はステップS515に進む。
【0069】
ステップS515では、静止画送りボタン335がマウス16によりクリック、あるいはキーボード15により選択されたか否かを判断する。選択された場合、処理はステップS516に進む。選択されない場合、処理はステップS518に進む。
【0070】
ステップS516では、第1のサムネール領域311aに表示されていたサムネール画像が消去され、第2のサムネール領域311bに表示されていたサムネール画像が第1のサムネール領域311aに表示される。そして、第3のサムネール領域311cに表示されていたサムネール画像が第2のサムネール領域311bに表示される。同様にして、第3のサムネール領域311c及び第4のサムネール領域311dの表示が更新される。そして、第5のサムネール領域311eに表示されていたフレーム画像に次ぐ低い尤度を有するフレーム画像を縮小したサムネール画像が、第5のサムネール領域311eに表示される。
【0071】
ステップS517では、第1のサムネール領域311aに新たに表示されたサムネール画像に対応するフレーム画像が主表示領域310に表示される。また、指示線341が、第1のサムネール領域311aと主表示領域310とを接続する。これによりユーザは、尤度の低いフレーム画像を容易に観察することができる。
【0072】
ステップS518では、静止画戻しボタン336がマウス16によりクリック、あるいはキーボード15により選択されたか否かを判断する。選択された場合、処理はステップS519に進む。選択されない場合、処理はステップS521に進む。
【0073】
ステップS519では、第5のサムネール領域311eに表示されていたサムネール画像が消去され、第4のサムネール領域311dに表示されていたサムネール画像が第5のサムネール領域311eに表示される。そして、第3のサムネール領域311cに表示されていたサムネール画像が第4のサムネール領域311dに表示される。同様にして、第3のサムネール領域311c及び第2のサムネール領域311bの表示が更新される。そして、第2のサムネール領域311bに表示されていたフレーム画像に次ぐ高い尤度を有するフレーム画像を縮小したサムネール画像が、第1のサムネール領域311aに表示される。第2のサムネール領域311bに表示されていたフレーム画像に次ぐ高い尤度を有するフレーム画像が存在しない場合、第1から第5のサムネール領域311a、311b、311c、311d、311eにおける表示更新が行われない。
【0074】
ステップS520では、第1のサムネール領域311aに新たに表示されたサムネール画像に対応するフレーム画像が主表示領域310に表示される。また、指示線341が、第1のサムネール領域311aと主表示領域310とを接続する。第2のサムネール領域311bに表示されていたフレーム画像に次ぐ高い尤度を有するフレーム画像が存在しない場合、主表示領域310及び指示線341の表示更新が行われない。これによりユーザは、尤度の高いフレーム画像を容易に観察することができる。
【0075】
ステップS521では、マウス16がサムネール画像の上に位置するか否かを判断する。選択された場合、処理はステップS522に進む。選択されない場合、処理はステップS514に戻る。
【0076】
ステップS522では、ユーザがマウス16を置いたサムネール画像に対応するフレーム画像を主表示領域310に表示する。これにより、ユーザは所望のサムネール画像を容易に拡大して観察することができる。
【0077】
ステップS523では、第1から第5のサムネール領域311a、311b、311c、311d、311eのいずれかがマウス16によりクリック、あるいはキーボード15により選択されたか否かを判断する。選択された場合、処理はステップS523に進む。選択されない場合、処理はステップS514に戻る。
【0078】
ステップS524では、マウス16によりクリックされた第1から第5のサムネール領域311a、311b、311c、311d、311eのいずれかに表示されているサムネール画像に対応するフレーム画像のフレーム番号をフレーム番号time_indexに代入する。そして、ステップS507に移行する。これにより、ユーザは所望のサムネール画像に対応するフレーム画像から動画を再生して観察することができる。
【0079】
なお、ユーザが停止ボタン222をクリックすると、動画再生停止処理が終了する。
【0080】
本実施形態によれば、ユーザは、動画に含まれる観察すべきフレーム画像を容易に拡大して観察、保存、及び印刷することができる。例えば、画像判定条件を赤色検出とした画像再生装置を用いて、内視鏡装置により人体内を撮像した画像を観察すると、ユーザは出血の可能性がある部位を詳細に観察し、患部を迅速に発見することが可能となる。また、例えば画像判定条件を第1の画像相関とした画像再生装置を用いて、モノクロ監視カメラにより監視対象物を撮像した画像を観察すると、ユーザは、動画の先頭のフレーム画像に対する変化の度合いが高いフレーム画像を容易に観察し、監視対象物の変化を迅速に発見することが可能となる。さらに、例えば画像判定条件を第2の画像相関とした画像再生装置を用いて、カラービデオカメラにより撮影対象物を撮像した画像や、映画、テレビ放送を録画して得られた動画などを観察すると、ユーザは、1つ前のフレーム画像に対する変化の度合いが高いフレーム画像を容易に観察し、撮影場面が切り替わるシーンチェンジを迅速に発見することが可能となる。
【0081】
第2の実施形態について図6を用いて説明する。第1の実施形態と同様の構成については、同じ番号を付して説明を省略する。
【0082】
本実施形態における一時停止表示状態において、表示画面12は、第1から第9の画像表示領域511a−511iと、再生・一時停止ボタン221、動画再生を停止するための停止ボタン222と、フレーム画像を印刷するための印刷ボタン227、及びフレーム画像を保存するための保存ボタン228とを有する。
【0083】
第1の画像表示領域511aは、最も尤度が高いフレーム画像を表示する。第2の画像表示領域511bは、第1の画像表示領域511aに表示されたフレーム画像に次ぐ尤度を有するフレーム画像のサムネール画像を表示する。同様にして、第3から第9の画像表示領域511c−511iは、尤度の降順によりサムネール画像を表示する。すなわち、第1から第9の画像表示領域511a−511iに表示される画像は、尤度の降順で並べられる。
【0084】
第1の画像表示領域511aの面積は、第2の画像表示領域511bの面積よりも大きく、第2の画像表示領域511aの面積は、第3から第9の画像表示領域511c−511iの面積よりも大きく、第3から第9の画像表示領域511c−511iの面積は互いに等しい。
【0085】
ユーザがマウス16を用いて第2から第9の画像表示領域511b−511iをクリックすると、クリックされた画像表示領域に表示されていたサムネール画像に対応するフレーム画像が第1の画像表示領域511aに拡大表示される。そして、第2の画像表示領域511bは、第1の画像表示領域511aに表示されたフレーム画像に次ぐ尤度を有するフレーム画像のサムネール画像を表示する。同様にして、第3から第9の画像表示領域511c−511iは、尤度の降順によりサムネール画像を表示する。すなわち、第1から第9の画像表示領域511a−511iに表示される画像は、尤度の降順で並べられる。
【0086】
本実施形態によれば、ユーザは、第2から第9のサムネール領域511b−511iに表示されたサムネール画像を容易に拡大して観察することができる。また、尤度の高いフレーム画像ほど表示画面12上に大きく表示されるため、ユーザは観察すべき優先度が高いフレーム画像を容易に観察することができる。
【0087】
なお、表示画面12に表示される静止画像は1フレーム間隔でなくても良く、複数フレーム間隔や、時間間隔であっても良い。
【0088】
赤色検出並びに第1及び第2の画像相関は、画像における所定の範囲において画像判定条件として用いられてもよい。尤度の算出時間を短縮するとともに、観察すべき範囲外における変化によって尤度が高くなることを防止する。
【0089】
静止画像は昇順でなく、時系列による降順で並べられても良い。
【0090】
本発明による画像再生装置10は動画ではなく、静止画像を連続的に表示してもよい。連続的に表示される複数の静止画像から任意の静止画像を選択することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】第1の実施形態による画像再生装置のブロック図である。
【図2】動画表示状態にある表示画面を模式的に示した図である。
【図3】一時停止表示状態にある表示画面を模式的に示した図である。
【図4】検出設定画面を表示する表示画面を模式的に示した図である。
【図5】動画再生停止処理を示したフローチャートである。
【図6】第2の実施形態による一時停止表示状態にある表示画面を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0092】
12 表示画面
210 動画表示領域
220 操作領域
221 再生・一時停止ボタン
222 停止ボタン
227 印刷ボタン
228 保存ボタン
230 スクロールバー
231 スルーバー
232 スライダ
233 第2の早送りボタン
234 第2の巻き戻しボタン
310 主表示領域
311a 第1のサムネール領域
311b 第2のサムネール領域
311c 第3のサムネール領域
311d 第4のサムネール領域
311e 第5のサムネール領域
335 静止画送りボタン
336 静止画戻しボタン
341 指示線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を動画として連続的に表示する表示手段と、
前記複数の画像に含まれる特定の画像を基準として所定の時間だけ過去の画像の中から、所定の条件に合致する目的画像を検出する画像検出手段とを備え、
前記表示手段は前記目的画像を静止画像として表示する画像再生装置。
【請求項2】
前記画像検出手段が検出した目的画像を記憶する画像記憶手段をさらに備え、
前記表示手段は、複数の目的画像を表示する第1の表示領域と、前記第1の表示領域より大きな表示範囲を持つ第2の表示領域とを有し、
前記第1の表示領域は、前記画像記憶手段が記憶している複数の目的画像を表示し、
前記第2の表示領域は、前記複数の目的画像の中の1つを拡大して表示する請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記第2の表示領域に表示された画像に対応する前記第1の表示領域に表示された画像と、前記第2の表示領域に表示された画像との対応関係を表示する指示表示を有する請求項2に記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記指示表示は、前記第2の表示領域に表示された画像に対応する前記第1の表示領域に表示された画像と、前記第2の表示領域に表示された画像とを接続する線である請求項3に記載の画像再生装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記動画の再生を制御するために用いる操作手段を表示し、
前記操作手段が操作されることにより前記動画の再生を一時停止する制御が行われたとき、
前記表示手段は、前記画像記憶手段が記憶している複数の目的画像の中から、各画像を構成する画像信号のうち特定の画像信号の値が最も高い画像を前記第2の表示領域に表示する請求項2から4のいずれか1つに記載の画像再生装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記第1の表示領域と前記第2の表示領域の中間の大きさの表示範囲を持つ第3の表示領域を有し、前記画像記憶手段が記憶している複数の目的画像の中から、前記第2の表示領域に表示された画像の次に特定の画像信号の値が高い画像を前記第3の表示領域に表示する請求項2から5のいずれか1つに記載の画像再生装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記動画の現在の再生位置を表示する第4の表示領域を有し、
前記第4の表示領域は、前記第2の表示領域に表示された画像の前記動画における時間的な位置を示す請求項2から6のいずれか1つに記載の画像再生装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記目的画像を撮影された時系列順に並べて前記第1の表示領域に表示する請求項2から7のいずれか1つに記載の画像再生装置。
【請求項9】
各画像を構成する画像信号は、画像の赤色画素を示すR信号と、画像の緑色画素を示すG信号と、画像の青色画素を示すB信号とを備え、
前記画像検出手段は、各画素におけるG信号とR信号の差分を二乗した値を全て加算して得られた値が所定値よりも高い画像を目的画像として検出する請求項1から8のいずれか1つに記載の画像再生装置。
【請求項10】
各画像を構成する画像信号は、画像の赤色画素を示すR信号と、画像の緑色画素を示すG信号と、画像の青色画素を示すB信号とを備え、
前記画像検出手段は、特定の範囲内にある各画素においてG信号とR信号の差分を二乗した値を加算して得られた値が所定値よりも高い画像を目的画像とする請求項1から8のいずれか1つに記載の画像再生装置。
【請求項11】
各画像を構成する画像信号は、画像の輝度を示す輝度を備え、
前記画像検出手段は、前記複数の画像の最初の画像の輝度と前記特定の画像の輝度との差分を二乗した値を全て加算して得られた値が所定値よりも高い画像を目的画像として検出する請求項1から8のいずれか1つに記載の画像再生装置。
【請求項12】
各画像を構成する画像信号は、画像の赤色画素を示すR信号と、画像の緑色画素を示すG信号と、画像の青色画素を示すB信号とを備え、
前記画像検出手段は、前記特定の画像におけるR信号と前記特定の画像の1つ前に表示された画像のR信号との差分を二乗した値と、前記特定の画像におけるG信号と前記特定の画像の1つ前に表示された画像のG信号との差分を二乗した値と、前記特定の画像におけるB信号と前記特定の画像の1つ前に表示された画像のB信号との差分を二乗した値とを加えて得られた値を全て加算して得られた値が所定値よりも高い画像を目的画像として検出する請求項1から8のいずれか1つに記載の画像再生装置。
【請求項13】
前記特定の画像を決定するための操作手段をさらに備える請求項1から12のいずれか1つに記載の画像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−141808(P2010−141808A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318492(P2008−318492)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】