説明

画像処理システム、画像処理プログラム及び画像処理方法

【課題】ブレやぼけの少ない書類画像を生成する技術を提供する。
【解決手段】同一の書類を撮影して得られた複数の画像を取得する取得部101と、複数の画像毎に画像の領域を複数の部分領域に分割する分割部102と、複数の画像の対応する各部分領域毎に判読性の高い部分領域を選択する選択部103と、前記選択された各部分領域を接合することにより接合画像を生成する生成部104とを備える画像処理システム1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類を撮影して取得した画像を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影した書類の画像には、撮影時のブレやぼけが発生するものがあった。このブレやぼけを解消する方法としては、例えば、一枚の書類の画像を連続撮影し、最もブレやぼけの少ない画像を選出する技術が開示されている。
【0003】
関連する技術として、以下の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−210272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、画像のブレやぼけは画像全体で一様に発生しているのではなく、撮影者の手の動きのように不特定な軸を中心としたカメラの回転や移動によって発生し、画像毎に大きく異なる。このため、撮影した複数枚の画像の中で最もブレやぼけの少ない画像を選択した場合であっても、部分的には他の画像よりブレやぼけが大きいことがあった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ブレやぼけの少ない画像を生成する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本実施形態の画像処理システムは、取得部と、分割部と、選択部と、生成部を有する。取得部は、同一の書類を撮影して得られた複数の画像を取得する。分割部は、前記複数の画像毎に前記画像の領域を複数の部分領域に分割する。選択部は、前記複数の画像の対応する各部分領域毎に判読性の高い部分領域を選択する。生成部は、前記選択された各部分領域を接合することにより接合画像を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態の画像処理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の画像処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態の画像処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態の画像処理システムの画像取得動作を示すフローチャートである。
【図5】クライアント端末が有するカメラで書類を撮影する様子を示す図である。
【図6】書類のエッジを検出する様子を示す図である。
【図7】保存した書類の画像を示す図である。
【図8】取得した画像を台形補正及びトリミングした後の画像を示す図である。
【図9】画像の領域の分割態様を示す図である。
【図10】部分領域を接合した画像を示す図である。
【図11】第2実施形態の画像処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【図12】第2実施形態の画像処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図13】手続に必要な書類名の一覧を示す図である。
【図14】OCR処理の結果を示す図である。
【図15】書類が判読可能か否か及び適切な書類か否かを判定するための文字列候補を示す図である。
【図16】第3実施形態の画像処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【図17】第3実施形態の画像処理システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態の画像処理システムのハードウェア構成について説明する。
【0011】
図1は、第1実施形態の画像処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。第1実施形態の画像処理システム1はクライアント端末10とサーバ20とを備える。
【0012】
クライアント端末10はCPU(Central Processing Unit)11と、カメラ12と、通信部13と、記憶部14と、表示部15と、入力部16とを有するものであり、例えばslate型PC、携帯電話、デジタルカメラ、PC等が挙げられる。CPU11は記憶部14に格納された書類画像取得アプリケーション等のプログラムに従って動作することによりクライアント端末10の機能を実現するデバイスである。カメラ12は書類等を撮影するデバイスである。通信部13はサーバ20とデータ等を通信するデバイスである。記憶部14はCPU11を動作させるためのプログラムやCPU11から渡された情報を保存するデバイスである。表示部15はCPU11から渡された情報を表示するデバイスであり、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイが挙げられる。入力部16は、ユーザによる操作を検出してCPU11へ渡すデバイスであり、ポインティング・デバイス、キーボード、タッチパネルなどである。
【0013】
サーバ20は、CPU21と、通信部22と、記憶部23とを有する。CPU21は記憶部23に格納されたプログラムに従って動作することによりサーバ20の機能を実現するデバイスである。通信部22はクライアント端末10とデータ等を通信するデバイスである。記憶部23はCPU11を動作させるためのプログラムやCPU21から渡された情報を保存するデバイスである。
【0014】
次に、画像処理システム1の機能構成について説明する。図2は、第1実施形態の画像処理システム1の機能構成を示すブロック図である。第1実施形態の画像処理システム1の機能は、クライアント端末10及びサーバ20が有する。
【0015】
クライアント端末10の機能構成について説明する。クライアント端末10は、取得部101と、領域分割部102(分割部)と、選択部103と、接合部104(生成部)と、画像保存部105と、通信部106と、画像消去部107と、メッセージ表示部108とを有する。
【0016】
取得部101は所定の書類を撮影して得られた複数の画像を取得する。また、取得部101は、例えばGPS(Global Positioning System)機能により撮影した位置情報や撮影時刻を取得する機能を有していてもよい。領域分割部102は、複数の画像毎に画像領域を複数の部分領域に分割する。選択部103は、各画像の対応する各部分領域毎に最も判読性の高い部分領域を選択する。接合部104は選択された各部分領域を接合することにより一つの接合画像を生成する。画像保存部105は接合画像をクライアント端末10の記憶部14に保存する。通信部106は種々の情報をサーバ20と通信する。画像消去部107は記憶部14に保存された接合画像を消去する。メッセージ表示部108はクライアント端末10の入力部16にメッセージを表示する。
【0017】
サーバ20の機能構成について説明する。サーバ20は、画像取得開始連携部201と、通信部202と、判読性判定部203と、メッセージ通知部204と、画像保存部205とを有する。
【0018】
画像取得開始連携部201は取得部101と連携して書類画像取得アプリケーションを起動する。通信部202は通信部106と同様の機能を有する。判読性判定部203は接合画像の判読性を評価し判読可否を判定する。メッセージ通知部204は、判読性判定部203の判定結果に基づいて画像消去命令や再取得メッセージを通信部202を介してクライアント端末10に送信する。画像保存部205は接合画像を記憶部23に保存する。
【0019】
次に、第1実施形態の画像処理システム1の動作について説明する。図3は第1実施形態の画像処理システム1の動作を示すフローチャートである。なお、図1及び図2を用いて説明する。
【0020】
まず、取得部101は所定の書類を撮影して得られた複数の画像を取得する(S1)。S1について以下に詳述する。図4は第1実施形態の画像処理システム1の画像取得動作を示すフローチャートである。ここで、取得部101は、図2に示すように、起動処理部101aと、エッジ検出部101bと、理想枠表示部101cと、画像取得部101dと、台形補正部101eとを有する。また、書類画像取得アプリケーションは不正撮影防止機能を有し、起動したのみでは撮影を開始することができないものとする。
【0021】
起動処理部101aはクライアント端末10とサーバ20とを連携することにより、書類画像取得アプリケーションの起動処理を行う(S1a)。起動処理部101aは具体的には以下のような動作を行う。起動処理部101aは、書類画像取得アプリケーションが起動されると、記憶部14に保存されたクライアント端末ID等の情報を、通信部106を介してサーバ20の画像取得開始連携部201に送信する。
【0022】
サーバ20の画像取得開始連携部201は起動処理部101aからクライアント端末IDを受信した場合、受信したクライアント端末IDと、記憶部23に予め保存されているクライアント端末IDとを照合する。また、画像取得開始連携部201は、クライアント端末IDを受信した場合、現在時刻と、記憶部23に予め保存され撮影する予定の時刻の範囲(所定の条件)とを照合する。
【0023】
画像取得開始連携部201は、照合の結果、クライアント端末IDが一致し、且つ現在時刻が撮影予定時刻として予想される時刻の範囲に含まれると判断した場合、通信部22を介して画像取得許可情報を起動処理部101aに送信する。起動処理部101aは、受信した画像取得許可情報を書類画像取得アプリケーションに読み込ませることにより、書類画像取得アプリケーションの不正撮影防止機能を解除する。書類画像取得アプリケーションは、不正撮影防止機能の解除により一定期間だけ動作し、その期間経過後、不正撮影防止機能により撮影をすることができない設定に戻る。
【0024】
図5はクライアント端末10が有するカメラ12で書類を撮影する様子を示す図である。図6は書類のエッジを検出する様子を示す図である。エッジ検出部101bは、図5に示すようにクライアント端末10のカメラ12の連続撮影が始まると、図6に示すように撮影された画像の輝度勾配から画像のエッジを検索する(S1b)。
【0025】
画像のエッジを検出すると、理想枠表示部101cは、図6に示すように表示部15に理想枠を撮影された画像に重ねて表示させる(S1c)。理想枠は、カメラ12の表示画面に対応する座標の情報に基づいてクライアント端末10の表示部15に表示される。
【0026】
図7は、保存した書類の画像を示す図である。図8は、取得した画像を台形補正及びトリミングした後の画像を示す図である。画像取得部101dは、クライアント端末10のカメラ12が例えば1秒間に30枚の速さで連続撮影し、撮影された画像が理想枠に入ると画像をn枚取得する(S1d)。画像取得部101dは、連続撮影中、表示部15のプレビュー画面に残りの撮影枚数をカウントダウン表示する。このように取得された画像は、図7に示すようにカメラ12の向きにより台形に歪む場合がある。そこで、台形補正部101eは画像取得部101dで撮影して取得された画像を台形補正し、エッジをトリミング・コントラスト補正する(S1e)。このような処理を経て、取得部101は、図8に示すように、同形同大化した複数の画像を取得する。
【0027】
図9は画像の領域の分割態様を示す図である。次に、領域分割部102は、取得部101が取得した複数の画像毎に画像領域を複数の部分領域に分割する(S2)。領域分割部102は、図9に示すように、例えば、1枚目の画像の画像領域を4×3の同じ面積の部分領域A〜Lに分割する。分割態様は円でもよく、書類のサイズにより適宜変更してもよい。領域分割部102は、図9に示すように、各部分領域に例えば1−A(一枚目のA領域)というような識別子を付与する。領域分割部102は、2枚目以降の画像にも同様に2−A等の識別子を付与する。識別子を付与することにより、何枚目のどの領域の部分領域かを判断することが可能となる。
【0028】
次に、選択部103は、各画像の対応する各部分領域毎に最もぼけ等の少ない(判読性の高い)部分領域を選択する(S3)。より詳細には、選択部103は、部分領域を有する各画像のうちの一つの画像から任意の領域の部分領域を抽出するとともに各画像のうちのその他の画像から任意の領域に対応する部分領域を抽出し、任意の領域の部分領域及び任意の領域に対応する部分領域において判読性を評価し、これらの部分領域から最もぼけ等の少ない部分領域を選択する。ここで、選択部103は、図2に示すように、部分領域抽出部103aと、判読性評価部103bとを有する。選択部103の部分領域抽出部103aは、図9に示すように、受信した各部分領域に識別子が付与されたn枚の画像の中から1枚目の画像を選択し、例えば、1枚目の画像のD領域の部分領域を抽出するとともに、2枚目からn枚目までのD領域の部分領域を抽出する。
【0029】
判読性評価部103bは、抽出されたD領域の部分領域に位置するn枚の部分領域の画像について判読性を評価する。判読性評価部103bは、D領域の部分領域毎の画像を隣接する画素毎に輝度の変化率を算出し、更に、D領域の部分領域毎の変化率の平均値(シャープネス)を評価値として算出する。判読性評価部103bは、評価値が最も高い部分領域を選択する。
【0030】
図10は部分領域を接合した画像を示す図である。次に、接合部104は、選択された各部分領域を接合することにより一つの接合画像を生成する(S4)。接合部104は、図2に示すように、コントラスト補正部105aと、接合処理部105bとを有する。コントラスト補正部105aは各部分領域のコントラストを合わせる。接合処理部105bはコントラストが合わせられた各部分領域を接合して図10に示すように一つの接合画像を生成する。画像保存部205は生成された接合画像を記憶部23に保存する。
【0031】
次に、通信部106はサーバ20に接合画像を送信する(S5)。サーバ20の通信部202は接合画像を受信する(S6)。判読性判定部203は接合画像のシャープネスを評価値として算出する。そして、判読性判定部203は、記憶部23に予め保存された閾値を取得し、評価値が閾値より大きいか否か、すなわち判読可能か否かを判定する(S7)。
【0032】
評価値が閾値より大きい場合(S7、yes)、判読性判定部203は判定結果及び補正画像をメッセージ通知部204に渡すとともに、補正画像を画像保存部205に渡す。画像保存部205は接合画像を記憶部23に保存する(S8)。また、メッセージ通知部204は、判定結果に基づいてクライアント端末10に画像消去命令を送信する(S9)。クライアント端末10の通信部106は画像消去命令を受信する(S10)。画像消去部107は画像消去命令に基づいて記憶部14に保存された接合画像を消去する(S11)。
【0033】
一方、S7において評価値が閾値より小さい場合(S7、no)、メッセージ通知部204は、判定結果に基づいてクライアント端末10に再取得メッセージを送信し(S12)、S1に戻る。この際、メッセージ表示部108はクライアント端末10の表示部15に画像再取得メッセージを表示する。
【0034】
このように、第1実施形態によれば、撮影した各画像内の異なる領域で手ブレや焦点ズレが発生した場合であっても、そのようなブレが発生していない領域の画像を組み合わせることができる。このため、撮影機器や撮影者によらず判読性に優れた画像を取得することが可能となる。また、第1実施形態によれば、部分領域毎に判読性を比較した後に、更に接合画像について判読性を判断しているため、判読しやすい書類の画像を取得することができるとともに、サーバ20の画像処理負担を低減することができる。
【0035】
また、第1実施形態によれば、接合画像をサーバ20で保存した後にクライアント端末10側の接合画像を消去するため、取得した画像のセキュリティを確保するとともに、取得した画像の消失を防止することができる。また、クライアント端末10とサーバ20とが連携しているため、ユーザによる不正撮影を防止することができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態のサーバ20にOCR(Optical Character Reader)処理機能が追加されたことを除き第1実施形態と同様の構成で実現できる。
【0037】
第2実施形態の機能構成について説明する。図11は、第2実施形態の画像処理システム2の機能構成を示すブロック図である。第1実施形態と同一の内容については、説明を省略する。
【0038】
第2実施形態は、第1実施形態の機能構成に加え、OCR処理部206と、書類種別確認部207とを有する。OCR処理部206はサーバ20が有するOCR処理機能により接合画像が示す文字列等を読み取る。書類種別確認部207は、接合画像が示す書類の書類種別を確認する。
【0039】
第2実施形態の画像処理システム2の動作について説明する。図12は第2実施形態の画像処理システム2の動作を示すフローチャートである。図13は手続に必要な書類名の一覧を示す図である。図14はOCR処理の結果を示す図である。図15は書類が判読可能か否か及び適切な書類か否かを判定するための文字列候補を示す図である。なお、以下の説明では図1及び図2を用いることがある。
【0040】
まず、ユーザはクライアント端末10の表示部15に表示された画面から、これから取得する書類の書類名を押下する。図13に示すような書類名の一覧の中から、一つの書類名が選択されると、書類画像取得アプリケーションが起動される。この後は第1実施形態と同様に、S1からS4までの動作を行う。通信部106は接合画像に加え、ユーザにより選択され予め記憶部14に保存されていた書類名情報を合わせてサーバ20に送信する(S5)。サーバ20の通信部202はこれらの画像や情報を受信する(S6)。OCR処理部206は接合画像をOCR処理して接合画像の文字列を読み取り、図14に示すようなOCR結果を取得する(S7a)。判読性判定部203は、サーバ20の記憶部23に予め保存されている日本語辞書の情報を取得し、OCR結果が日本語として意味を成す文字列か否かを判定する(S7b)。この際、判読性判定部203は、日本語辞書の代わりに図15に示すように、予め記憶部23に保存されている文字列候補の情報を取得して判断してもよい。
【0041】
日本語として意味を成す文字列である場合(S7b、yes)、書類種別確認部207は図15に示す保険金支払い業務に関する文字列候補を読み出す。そして、OCR処理の結果に文字列候補が含まれているか否かを確認する(S7c)。ここで、書類種別確認部207は、OCR処理の結果に文字列候補が含まれていない場合であっても、接合画像を90度回転させてOCR処理と文字列候補検索を行う。書類種別確認部207は、これらを3回繰り返す。この結果、文字列候補が含まれている場合には(S7c、yes)、書類種別確認部207は、第1実施形態と同様に接合画像をサーバ20の記憶部23に保存し(S8)、画像消去命令をクライアント端末10に送信する(S9)。クライアント端末10は、画像消去命令を受信し(S10)、記憶部14に保存されている接合画像を消去する(S11)。
【0042】
一方、日本語として意味を成す文字列でない場合(S7b、no)、及びOCR処理の結果に文字列候補が含まれていない場合(S7c、no)、メッセージ通知部204は、画像再取得メッセージをクライアント端末10に送信し(S12)、S1に戻る。この際、メッセージ表示部108はクライアント端末10の表示部15に画像再取得メッセージを表示する。なお、処理S7b及びS7cのうちいずれか一つにより判読の可否が判定されてもよい。
【0043】
このように、画像処理システム2はサーバ20における接合画像の判読性OCR処理することにより評価しているため、直接的且つ迅速に判読の可否を判断することができる。また、書類種別を自動的に判断するため、所望の書類とは全く異なる書類の画像を取得したような場合に、直ちに所望の書類とは異なる書類であることを判断することができる。
【0044】
(第3実施形態)
第3実施形態の画像処理システム3について説明する。第3実施形態の画像処理システム3は、画像処理システム2と同様のハードウェア構成で実現することができる。また、サーバ20の記憶部23には、前述の他、保存された入会手続業務や保険金支払い業務等の業務手続毎に必要となる必要書類情報、顧客訪問日時情報、及び業務手続毎のワークフローが予め関連付けられて保存されている。この他は第2実施形態におけるハードウェア構成と同様の構成である。
【0045】
第3実施形態の機能構成について説明する。図16は第3実施形態の画像処理システム3の機能構成を示すブロック図である。第2実施形態と同一の内容については、説明を省略する。第3実施形態は第2実施形態の機能構成に加え、ワークフロー登録部208と、手続進捗管理部209とを有する。ワークフロー登録部208は、サーバ20の記憶部23に保存されているワークフローを予定表に登録する。ワークフローは、そのワークフローに含まれる複数の手続をする際に必要な作業内容と、各作業内容の作業予定日または作業予定時刻を示す。手続進捗管理部209は、クライアント端末10から受信した情報に基づいて必要な手続を示すワークフローの進捗状況を管理する。サーバ20の記憶部23には予定表が保存されている。また、作業内容は作業予定日までにサーバ20の予定表に登録されているものとする。
【0046】
第3実施形態の画像処理システム3の動作について説明する。図17は第3実施形態の画像処理システム3の動作を示すフローチャートである。
【0047】
まず、ワークフロー登録部208は、取得部101による画像の取得の前に、予め、サーバ20の記憶部23に保存されているワークフローを予定表に登録しておく(S0)。そして、画像処理システム2の動作と同様に、ユーザは表示部15に表示された画面からこれから取得する書類の書類名を押下する。この後は第2実施形態と同様に、S1からS7cまでの動作を行う。
【0048】
画像保存部205は接合画像を記憶部23に保存する(S8a)。手続進捗管理部209は接合画像が保存された後、予定表に保存しているワークフローのうち、必要書類取得手続が完了したことを保存することによりワークフローを次の手続へ進捗させ、ワークフローを更新する(S8b)。この後は第2実施形態と同様に、S9からS12までの動作を行い、動作を終了する。
【0049】
このように、画像処理システム3は、顧客からの所望の業務予定に応じて必要なワークフローを管理し、必要書類の取得が終了した後に次の手続にワークフローを進捗させる。このため、画像処理システム3によれば、ユーザが必要な業務手続を自己管理する必要がなく、容易に必要業務を遂行することができるとともに、業務不備を解消することができる。
【0050】
第1実施形態では判読性評価部103bが各部分領域のうち最も評価値の高い部分領域を選択したが、記憶部14に予め保存された判読性比較のための閾値の情報を取得し、各部分領域の評価値と閾値とを比較してもよい。この場合、閾値を超える評価値が複数ある場合には、隣接する画素毎の輝度の変化率のバラツキが最も小さいものを選択してもよい。つまり、この態様では、1箇所だけ極端に変化率が低いような画像を選択しないようにすることができる。一方、閾値を超える評価値がない場合には、最も評価値の高い部分領域を選択すればよい。
【0051】
また、画像処理システム1〜3においては、画像取得部101dが撮影を開始した情報を、通信部106を介してサーバ20の画像取得開始連携部201に送信してもよい。画像取得開始連携部201は、撮影許可情報を送信後所定期間経過しても撮影を開始した情報を取得しない場合、業務の管理部門にその旨を通知してもよい。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1〜3 画像処理システム、10 クライアント端末、11及び21 CPU、12 カメラ、13及び22 通信部、14及び23 記憶部、15 表示部、16 入力部、20 サーバ、101 取得部、102 領域分割部、103 選択部、104 接合部、105及び205 画像保存部、106及び202 通信部、107 画像消去部、108 メッセージ表示部、206 OCR処理部、207 書類種別確認部、208 ワークフロー登録部、209 手続進捗管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の書類を撮影して得られた複数の画像を取得する取得部と、
前記複数の画像毎に前記画像の領域を複数の部分領域に分割する分割部と、
前記複数の画像の対応する各部分領域毎に判読性の高い部分領域を選択する選択部と、
前記選択された各部分領域を接合することにより接合画像を生成する生成部と
を備える画像処理システム。
【請求項2】
前記選択部は、前記分割した部分領域が有する画像のシャープネスに基づいて判読性を評価する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
OCR処理を用いて前記接合画像から文字列を読み取る読取部と、
前記読み取られた文字列に基づいて前記接合画像の判読可否を判断する判断部と
を備える請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
予め記憶されている所定の書類に関連する文字列候補に基づいて、前記撮影された書類の種別を確認する書類種別確認部を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項5】
同一の書類を撮影して得られた複数の画像を取得し、
前記複数の画像毎に前記画像の領域を複数の部分領域に分割し、
前記複数の画像の対応する各部分領域毎に判読性の高い部分領域を選択し、
前記選択された各部分領域を接合することにより接合画像を生成する
ことをコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
【請求項6】
同一の書類を撮影して得られた複数の画像を取得し、
前記複数の画像毎に前記画像の領域を複数の部分領域に分割し、
前記複数の画像の対応する各部分領域毎に判読性の高い部分領域を選択し、
前記選択された各部分領域を接合することにより接合画像を生成する
画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−70277(P2013−70277A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208087(P2011−208087)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】