説明

画像処理プログラム、情報処理端末装置および情報処理端末装置の制御方法

【課題】アプリケーション連携機能の実行時における操作性を向上できる画像処理プログラム等の提供。
【解決手段】CPUは、特定処理実行部にスキャン処理を実行させた場合に、複数の実行部のうちから選択された選択実行部と特定処理実行部との間で画像データを共有する旨の入力を受け付けることに応じて、選択実行部が印刷/スキャンアプリケーションに基づいて機能する実行部であるか否かを判断する。CPUは、選択実行部が印刷/スキャンアプリケーションに基づいて機能する実行部であると判断される場合には、画像データに対して自身の印刷/スキャンアプリケーションに基づく処理を実行する。CPUは、選択実行部が印刷/スキャンアプリケーションに基づいて機能する実行部でないと判断される場合には、CPUを選択実行部として機能させるアプリケーションプログラムを起動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、データをアプリケーション間で適切に共有することができる画像処理プログラム、情報処理端末装置および情報処理端末装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のアプリケーション間でデータをやり取りするアプリケーション連携機能(共有機能)を有する装置が知られている。特許文献1には、他アプリ連携ボタンの操作に応じて、予め連携先として登録されているアプリケーション、または、OS(Operating System)が連携可能と判断したアプリケーションを起動させる画像処理装置が記載されている。
【0003】
また、近年、アプリケーション連携機能を有するAndroid(登録商標)対応の情報処理端末装置の需要が拡大している。このような情報処理端末装置におけるアプリケーション連携機能(共有機能)では、連携元のアプリケーションから連携先のアプリケーションに対して、データを受け渡すという動作が行われる。共有機能では、各アプリケーションが何れのファイル形式(例:JPEG形式)のデータを受信可能であるかの設定が予め行われている。そして、連携元のアプリケーションにおいて、あるファイル形式でデータを受け渡すという処理を行うと、OSはそのファイル形式を受け取ることができる連携先のアプリケーションの候補を抽出してリスト表示する。リスト表示された連携先のアプリケーション候補のうちの何れかが選択されると、選択された連携先のアプリケーションにデータが渡される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−182662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような情報処理端末装置においてアプリケーション連携機能(共有機能)を実行する場合、情報処理端末装置のOSは、連携元のアプリケーションが出力するファイル形式のデータを処理可能なアプリケーションの全てを、連携先のアプリケーション候補として抽出する。よって、連携元のアプリケーションが、連携先のアプリケーション候補として抽出されてしまう場合がある。そして、連携先のアプリケーションとして、連携元のアプリケーションが選択されてしまうと、同一のアプリケーションが重複して起動されてしまうことになる。これにより、情報処理端末装置のメモリが圧迫されるおそれや、予期せぬエラーが発生するおそれがある。本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、アプリケーション連携機能(共有機能)を実行する場合における操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に記載の画像処理プログラムは、プログラムを読み取ることで各手段として機能するコンピュータと、1以上の処理をコンピュータに実行させる複数のアプリケーションプログラムと、複数のアプリケーションプログラムに基づいて実行される1以上の処理のうちの1の処理をそれぞれ実行させる複数の実行部のうちから選択された2の実行部間で、データを共有する共有手段と、を備えた情報処理端末装置のコンピュータが読み取り可能な画像処理プログラムであって、画像データに対して特定処理を実行する特定処理実行部を少なくとも含んでおり、特定処理実行部として特定処理が実行された場合に、複数の実行部のうちから選択された選択実行部と特定処理実行部との間で画像データを共有する旨の入力を受け付けることに応じて、選択実行部が自身の画像処理プログラムに基づいて機能するか否かを判断する判断手段と、判断手段によって選択実行部が自身の画像処理プログラムに基づいて機能すると判断される場合には、画像データに対して選択実行部として処理を実行し、判断手段によって選択実行部が自身の画像処理プログラムに基づいて機能しないと判断される場合には、コンピュータを選択実行部として機能させるアプリケーションプログラムを起動させる制御手段と、してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0007】
共有手段において、複数の実行部のうちから選択される2の実行部は、必ずしも異なった実行部である必要はない。同一の実行部を複数回選択することを含む概念である。
【0008】
このように構成された画像処理プログラムによって、コンピュータを上記各手段として機能させれば、特定処理実行部と選択実行部との間で画像データを共有する際に、特定処理実行部と選択実行部とが同一の画像処理プログラムに基づいて機能するか否かを、判断手段によって判断することができる。そして、特定処理実行部と選択実行部とが同一の画像処理プログラムに基づいて機能する実行部であると判断される場合には、自身の画像処理プログラムに基づく処理を、画像データに対して選択実行部として実行することができる。これにより、特定処理実行部と画像データを共有する選択実行部が、画像処理プログラムに基づいて機能する実行部のうちから選択されてしまう場合においても、特定処理実行部を機能させている画像処理プログラムに基づいて、特定処理実行部が重複して起動されてしまう、という事態が発生してしまうことを防止できる。これにより、情報処理端末装置のメモリが圧迫されてしまう事態や、予期せぬエラーが発生してしまう事態を防止することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に記載の画像処理プログラムによれば、選択実行部と特定処理実行部との間で画像データを共有する際に、選択実行部が自身の画像処理プログラムに基づいて機能する実行部であるか否かを、判断手段において判断することが可能となる。
【0010】
記憶装置にデータを展開できる領域は、一般的に、プログラムごとに確保される。すると、画像処理プログラムに基づいて実行部が複数起動している場合には、各実行部によって確保される記憶装置の領域が異なってしまうため、記憶装置に展開されている画像データを複数の実行部間で共用することができない。一方、請求項3に記載の画像処理プログラムでは、特定処理実行部と画像データを共有する実行部として、自身の画像処理プログラムに基づいて機能する実行部が選択される場合には、記憶装置上に新たにデータを展開できる領域を確保することをせずに、既に確保済みの領域を用いて各種の処理を実行する。よって、記憶装置に展開されている画像データを、特定処理実行部と選択実行部との間で共用することができる。これにより、複数の実行部の間でファイル形式を変換した上で画像データを受け渡す場合に比して、変換処理を行う必要がないため、変換処理による負荷を軽減することが可能となる。また、変換処理を実行する際に生じる画像データの劣化を抑制することが可能となる。
【0011】
複数の実行部の間で画像データを受け渡す場合には、画像データしか受け渡すことができず、取得処理を実行する際の取得設定などを受け渡すことができない場合がある。
一方、請求項4に記載の画像処理プログラムでは、特定処理実行部と画像データを共有する実行部として、自身の画像処理プログラムに基づいて機能する実行部が選択される場合には、記憶装置上に新たにデータを展開できる領域を確保することをせずに、既に確保済みの領域を用いて各種の処理を実行する。これにより、取得設定を、取得処理と印刷処理との間で共用することができる。よって、取得機能を実行する際と同様の形態で、印刷機能を実行することができる。また、取得設定に基づいて、印刷処理を実行する際の印刷設定を行うことができるため、印刷設定を行う際の操作を簡略化することが可能となる。
【0012】
また、請求項5に記載の画像処理プログラムによれば、特定処理実行部と選択実行部とが、共に画像処理プログラムを読み取って機能する実行部であるか否かを判断することが可能となる。よって、同一のプログラムを読み取って、データを展開できる領域が記憶装置上に重複して確保されてしまう、という事態が発生してしまうことを防止できる。
【0013】
また、請求項6に記載の画像処理プログラムによれば、取得処理を実行する際の用紙サイズと同一の用紙サイズを用いて印刷処理を実行することができる。よって、ユーザによる用紙サイズの入力操作を省略することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0014】
また、請求項7に記載の画像処理プログラムによれば、取得処理を実行する際のカラー設定と同一のカラー設定を用いて印刷処理を実行することができる。よって、ユーザによるカラー設定の入力操作を省略することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】通信システムのブロック図である。
【図2】スキャン/印刷アプリケーションの動作フローチャートを示す図である。
【図3】スキャン/印刷アプリケーションの動作フローチャートを示す図である。
【図4】パネルの表示例を示す図である。
【図5】パネルの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、携帯電話10、MFP(Multifunction Peripheral)51、アクセスポイント62、ウェブサーバ71、基地局61を備える。MFP51は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備える多機能周辺装置である。アクセスポイント62は、既知の中継装置である。ウェブサーバ71は、インターネット70を介して基地局61に接続される。ウェブサーバ71は、ネットワークにおいて、クライアント装置に対し、自身の保持しているウェブデータや各種機能を提供する装置である。
【0017】
携帯電話10とアクセスポイント62とは、インフラストラクチャーモードの無線LAN接続方式により、無線通信200を行うことが可能とされている。また、MFP51とアクセスポイント62とは、インフラストラクチャーモードの無線LAN接続方式により、無線通信201を行うことが可能とされている。なお、無線通信200および201の方式の例としては、例えばIEEE802.11a/b/gの規格で定められる通信方式が挙げられる。また、携帯電話10とウェブサーバ71とは、基地局61およびインターネット70を介して通信可能に接続されている。
【0018】
携帯電話10の構成について説明する。携帯電話10は、Android(登録商標)のプラットフォームを搭載した携帯電話である。携帯電話10は、CPU11、記憶部12、無線LAN送受信部15、無線LANアンテナ部16、ボタン入力部17、パネル18、携帯電話送受信部22、携帯電話アンテナ部23、カメラ部27、を主に備えている。CPU11は、記憶部12に記憶されるプログラムや、無線LAN送受信部15を介して送受信される各種信号などに従って、各機能の制御を行う。またCPU11は、プログラムを読み取ることで、各種の手段として機能する。
【0019】
記憶部12は、プログラム21、RAM13、インテントテーブル14、を備える。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(ハードディスク)などが組み合わされて構成されているとしてもよい。プログラム21は、スキャン/印刷アプリケーション21a、ブラウザアプリケーション21b、ギャラリーアプリケーション21c、メールアプリケーション21d、オペレーティングシステム21eを備えている。スキャン/印刷アプリケーション21aないしメールアプリケーション21dの各々は、Android(登録商標)用のアプリケーションである。
【0020】
スキャン/印刷アプリケーション21aは、MFP51にスキャン処理を実行させたり、携帯電話10からMFP51に印刷処理などを実行させるためのアプリケーションである。ブラウザアプリケーション21bは、ウェブサーバ71から取得したウェブデータを、パネル18に表示させるためのアプリケーションである。ギャラリーアプリケーション21cは、画像データに基づく画像をパネル18に表示させたり、画像データに各種の変換(色補正など)を行うためのアプリケーションである。メールアプリケーション21dは、無線通信210を介してメールを送信するためのアプリケーションである。
【0021】
オペレーティングシステム21eは、スキャン/印刷アプリケーション21aないしメールアプリケーション21dに共通して利用される基本的な機能を提供するプログラムである。またオペレーティングシステム21eは、スキャン/印刷アプリケーション21aないしメールアプリケーション21dの各々の間での、データの受け渡しを管理する。Android(登録商標)用のアプリケーションでは、どのデータ形式を出力・入力可能かを予めオペレーティングシステム21eに宣言しておく必要がある。アプリケーション連携(データ共有)を行う際は、連携元のアプリケーションから連携先のアプリケーションへ、共有処理対象のデータを、オペレーティングシステム21eが規定するデータ形式で送受信する必要がある。データ形式の一例としては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式やPDF(Portable Document Format)形式が挙げられる。
【0022】
例として、スキャン/印刷アプリケーション21aでのデータ入出力の管理方法を説明する。また例として、スキャン/印刷アプリケーション21aがJPEG形式のデータを入出力可能な場合を説明する。スキャン/印刷アプリケーション21aは、スキャン/印刷アプリケーション21a自身が入出力可能なデータの種類がJPEG形式のデータである旨を、オペレーティングシステム21eへ入力する。この入力は、スキャン/印刷アプリケーション21aのプログラム中に、JPEG形式のデータを入出力可能である旨を記述したマークアップ言語を埋め込んでおくことで行われる。また、マークアップ言語の一例としては、XML(Extensible Markup Language)が挙げられる。オペレーティングシステム21eは、スキャン/印刷アプリケーション21aのマークアップ言語を解釈し、スキャン/印刷アプリケーション21aがJPEG形式のデータを入出力可能であることを認識する。これにより、オペレーティングシステム21eは、他のアプリケーションから出力されたJPEG形式のデータを、スキャン/印刷アプリケーション21aへ入力することができる。また、スキャン/印刷アプリケーション21aから出力されたJPEG形式のデータを、他のアプリケーションへ入力することができる。以上より、他のアプリケーションとスキャン/印刷アプリケーション21aとを連携させることが可能となる。
【0023】
RAM13には、画像データ記憶領域13a、取得設定記憶領域13b、印刷設定記憶領域13c、が備えられる。画像データ記憶領域13aには、画像データが展開(記憶)される。画像データ記憶領域13aは、スキャン/印刷アプリケーション21aないしメールアプリケーション21dの各プログラムごとに割り当てられる。あるプログラムは、自己に割り当てられた画像データ記憶領域13aに展開されている画像データにアクセスすることはできるが、他のプログラムに割り当てられた画像データ記憶領域13aに展開されている画像データにアクセスすることはできない。
【0024】
取得設定記憶領域13bは、取得設定を記憶する領域である。取得設定は、後述するS95においてMFP51でスキャン処理を実行する際における、各種の設定である。取得設定の一例としては、用紙サイズ、カラー設定(画像データがカラーであるかモノクロであるか)、スキャン画質(解像度)、両面スキャンの有無、などが挙げられる。
【0025】
印刷設定記憶領域13cは、印刷設定を記憶する領域である。印刷設定は、後述するS110において画像データから印刷データを生成する際における、各種の設定である。印刷設定の一例としては、用紙サイズ、カラー設定(画像データがカラーであるかモノクロであるか)、印刷画質(解像度)、両面印刷の有無、などが挙げられる。印刷設定は、ユーザにより予め印刷設定記憶領域13cに記憶されるとしてもよい。
【0026】
インテントテーブル14は、スキャン/印刷アプリケーション21aの各種機能の呼び出しに対応するインテントを記憶する。インテントとは、Android(登録商標)プラットフォームにおいて、アプリケーション間でやり取りするメッセージの役割を果たす情報である。インテントを送る事で、他アプリケーションの呼び出しや、アプリケーション内の画面遷移などを行うことができる。すなわち、インテントにより、Android(登録商標)の中のさまざまな構成要素間に、橋渡しをすることが可能となる。例えば、アプリケーションの中の1つ1つの機能の間の橋渡し、アプリケーションとウィジェットの橋渡し、アプリケーションとシステムの橋渡し、を行うことができる。
【0027】
無線LAN送受信部15は、無線LANアンテナ部16を介して、インフラストラクチャーモードの無線通信200を行う。そして、無線LAN送受信部15により、各種のデータを構成するデジタル信号が送受信される。また、携帯電話送受信部22は、携帯電話アンテナ部23を介して、基地局61との間で無線通信210を行う。ボタン入力部17は、携帯電話10の各機能を実行するためのキーである。ボタン入力部17は、タッチパネルとして、パネル18と一体に構成されていてもよい。パネル18は、携帯電話10の各種機能情報を表示する。
【0028】
本実施形態に係る通信システム1の動作を、図2ないし図5を用いて説明する。図2及び図3を用いて、スキャン/印刷アプリケーション21aを用いて、スキャン処理や印刷処理を行わせる操作を説明する。図2及び図3は、スキャン/印刷アプリケーション21aに基づいてCPU11が実行する処理を示すフローチャートである。また、例として、スキャン/印刷アプリケーション21aおよびギャラリーアプリケーション21cの設定が、JPEG形式のデータが入出力可能とされている場合を説明する。
【0029】
ユーザが、ボタン入力部17を介してスキャン/印刷アプリケーション21aを起動させる操作を入力すると、CPU11は、オペレーティングシステム21eに基づいて、スキャン/印刷アプリケーション21aを起動する。S93において、CPU11は、取得設定を取得し、取得設定記憶領域13bに記憶させる。取得設定を取得する形態は、ユーザによりボタン入力部17を介して入力される形態としてもよいし、予め記憶部12に記憶されている取得設定を読み出す形態としてもよい。
【0030】
S95において、CPU11は、画像データを取得する処理を実行する。具体的には、CPU11は、スキャンの実行命令および取得設定を、無線通信200および201を介してMFP51に送信する。MFP51は、スキャンの実行命令を受信することに応じて、取得設定に従ってスキャン処理を開始する。スキャン処理が完了すると、MFP51は、生成された画像データを携帯電話10へ送信する。そしてCPU11は、生成された画像データを、無線通信200および201を介して受信する。
【0031】
S99において、CPU11は、受信した画像データをRAM13に展開する(書き込む)。このとき、CPU11は、スキャン/印刷アプリケーション21aに対して割り当てられたRAM13上の画像データ記憶領域13aに、画像データを展開する。また、JPEG形式で受信した画像データを、ビットマップ形式(非圧縮)の画像データに変換して、展開する。
【0032】
S101において、CPU11は、RAM13に展開された画像データによって表される画像を、パネル18に表示する。この結果、図4に示すように、スキャン画像300がパネル18に表示される。また、パネル18には、PDFデータ共有ボタン202およびJPEGデータ共有ボタン203が表示される。PDFデータ共有ボタン202は、スキャン/印刷アプリケーション21aと他のアプリケーションとの間で、PDF形式のデータを共有する旨の命令を入力するボタンである。また、JPEGデータ共有ボタン203は、スキャン/印刷アプリケーション21aと他のアプリケーションとの間で、JPEG形式のデータを共有する旨の命令を入力するボタンである。
【0033】
S102において、CPU11は、ユーザによってデータ共有命令が入力されたか否かを判断する。具体的には、PDFデータ共有ボタン202またはJPEGデータ共有ボタン203がユーザによってタッチされたか否かを判断する。入力されていない場合(S102:NO)にはS102へ戻り待機し、入力された場合(S102:YES)にはS103へ進む。本実施形態の説明例では、JPEGデータ共有ボタン203がタッチされ、JPEG形式のデータを用いてデータ共有を行う命令が入力された場合を説明する。
【0034】
S103において、CPU11は、データ共有先のアプリケーションの候補一覧をパネル18に表示する。具体的には、CPU11は、S102でタッチされたと判断されたPDFデータ共有ボタン202またはJPEGデータ共有ボタン203に対応するデータ形式(PDFまたはJPEG)、及び、共有先のアプリケーションにおいて共有対象の画像データに対して実行させる処理(アクション)を検索条件として、携帯電話10にインストールされた全アプリケーションのうち、検索条件に合致するアプリケーションをデータ共有先のアプリケーション候補として一覧表示する。本実施形態の説明例では、図5に示すように、スキャン/印刷アプリケーション21aを選択するボタン301、ギャラリーアプリケーション21cを選択するボタン302、メールアプリケーション21dを選択するボタン303が表示される。
【0035】
S104(図3)において、CPU11は、画像データを共有するアプリケーションとして、何れかのアプリケーションが選択されたか否かを判断する。具体的には、ボタン301ないし303の何れかが、ユーザによってタッチされたか否かを判断する。何れのアプリケーションも選択されない場合(S104:NO)には、S104へ戻り待機する。一方、何れかのアプリケーションが選択された場合(S104:YES)には、S105へ進む。
【0036】
S105において、CPU11は、S104で選択されたアプリケーションのインテントを取得したか否かを判断する。インテントを取得していない場合(S105:NO)にはS105へ戻って待機し、取得した場合(S105:YES)にはS106へ進む。
【0037】
S106において、CPU11は、S104で選択されたアプリケーションが、自身のアプリケーションであるか否かを判断する。自身のアプリケーションとは、図2のフローの開始に伴って起動されるアプリケーションであり、S95において画像データを取得するために起動されるアプリケーションである。本実施形態の説明例では、自身のアプリケーションとはスキャン/印刷アプリケーション21aである。具体的には、S105で受信したインテント(選択されたアプリケーションのインテント)と、インテントテーブル14に記憶されているインテント(スキャン/印刷アプリケーション21aのインテント)とが、一致するか否かを判断する。なお、本実施形態の説明例では、S105で取得したインテントが、インテントテーブル14に記憶されているスキャン/印刷アプリケーション21aの印刷機能のインテントと一致するか否かを判断する。選択されたアプリケーションが、自身のアプリケーションではない場合(S106:NO)には、S107へ進む。
【0038】
S107において、CPU11は、RAM13に展開されている画像データを、S102で選択されたデータ形式に変換する。本実施形態の説明例では、RAM13に展開されているビットマップ形式の画像データが、JPEG形式の画像データへ変換される。
【0039】
S108において、CPU11は、S104で選択されたアプリケーションへ、起動指示を出力するとともに、変換後の画像データを出力する。本実施形態の説明例では、起動指示に応じてギャラリーアプリケーション21cが起動する。そして、変換されたJPEG形式の画像データが、ギャラリーアプリケーション21cへ受け渡される。ギャラリーアプリケーション21cは、JPEG形式の画像データに基づく画像をパネル18に表示する。なお、前述の通り、スキャン/印刷アプリケーション21aからギャラリーアプリケーション21cへ受け渡すことができるデータ形式は、予め定められた形式(JPEG形式など)に限定される。よって、予め定められたデータ形式を有さないデータ(取得設定など)は、ギャラリーアプリケーション21cへ受け渡すことはできない。
【0040】
一方、S104で選択されたアプリケーションが、自身のアプリケーションである場合(S106:YES)には、新たなアプリケーションを起動することなく、S109へ進む。S109において、CPU11は、取得設定に基づいて印刷設定を生成する。このときCPU11は、図2のフローの開始時に起動済みのスキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて、印刷設定を生成する。よってCPU11は、スキャン/印刷アプリケーション21aに対して割り当てられている取得設定記憶領域13bに記憶されている取得設定を、読み出すことができる。そしてCPU11は、読み出した取得設定に基づいて印刷設定を生成し、生成した印刷設定を印刷設定記憶領域13cに記憶する。
【0041】
ここで、取得設定と印刷設定とは、共通するパラメータ(用紙サイズ、カラー設定など)が存在する。よって、取得設定のパラメータを、そのまま印刷設定のパラメータに適用することができる。これにより、スキャン処理を実行する際と同一の用紙サイズや同一のカラー設定を用いて、印刷処理を行うことが可能となる。
【0042】
S110において、CPU11は、画像データから印刷データを生成する。このときCPU11は、図2のフローの開始時に起動済みのスキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて、印刷データを生成する。よってCPU11は、スキャン/印刷アプリケーション21aに対して割り当てられている画像データ記憶領域13aに展開されている画像データを、読み出すことができる。これによりCPU11は、S99で取得された画像データをそのまま利用して、印刷データを生成することができる。またCPU11は、印刷設定記憶領域13cに記憶されている印刷設定に基づいて、印刷データを生成する。なお、印刷データを生成する処理の一例としては、印刷用紙のサイズに合わせてウェブデータを分割する処理や、解像度を変更する処理や、ポストスクリプト等のページ記述言語をヘッダ情報として付与する処理が挙げられる。
【0043】
S111において、CPU11は、生成した印刷データを、無線通信200および201を介してMFP51に送信する。MFP51は、携帯電話10から受信した印刷データを、印刷用紙に印刷する。 そしてフローが終了される。
【0044】
本実施形態に係るスキャン/印刷アプリケーション21aの効果を説明する。Android(登録商標)のプラットフォームを採用している携帯電話10においてアプリケーション連携機能(共有機能)を実行する場合、携帯電話10のオペレーティングシステム21eは、連携元のアプリケーションが出力するデータ形式のデータを処理可能なアプリケーションの全てを、連携先のアプリケーション候補として抽出する。よって、連携元のアプリケーションが、連携先のアプリケーション候補として抽出されてしまう場合がある。そして、連携先のアプリケーションとして、連携元のアプリケーションが選択されてしまうと、同一のアプリケーションが重複して起動されてしまうことになる。これにより、情報処理端末装置のメモリが圧迫されるおそれや、予期せぬエラーが発生するおそれがある。
【0045】
そこで、本実施形態に係るスキャン/印刷アプリケーション21aでは、例えば、スキャン処理と印刷処理との間で画像データを共有する際に、スキャン処理と印刷処理とが同一のアプリケーションに基づいて機能するか否かを判断することができる。そして、スキャン処理と印刷処理とが同一のアプリケーションに基づいて機能すると判断される場合(S106:YES)には、自身のアプリケーションに基づいて、印刷処理を実行することができる(S110)。これにより、印刷処理を行うためのアプリケーションとして、自身のアプリケーションが再度選択されてしまう場合においても、同一のアプリケーションが重複して起動されてしまう、という事態が発生してしまうことを防止できる。これにより、携帯電話10のメモリが圧迫されてしまう事態や、予期せぬエラーが発生してしまう事態を防止することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態に係るスキャン/印刷アプリケーション21aでは、例えば、スキャン処理と印刷処理との間で画像データを共有する際に、スキャン処理と印刷処理とが同一のスキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて機能する場合には、RAM13上に新たに画像データ記憶領域13aを確保することをせずに、既に起動済みのスキャン/印刷アプリケーション21aによって確保されている画像データ記憶領域13aに記憶されている画像データを用いて印刷処理を実行する。(S110)。よって、画像データ記憶領域13a上に展開されている画像データを、スキャン処理と印刷処理との間で共用することができる。
【0047】
スキャン処理により得られた画像データを、予め定められたデータ形式(JPEG形式など)に変換した上で、印刷処理を行なうアプリケーションに受け渡す場合には、変換処理が必要となるため、画質が劣化する場合がある。しかし、本実施形態では、スキャン処理により得られた画像データから直接に印刷データを作成することができるため、変換処理を実行する際に生じる画像データの劣化を抑制することが可能となる。
【0048】
また、予め定められたデータ形式が、高度な処理を必要とするデータ形式(PDF形式など)である場合には、ウェブサーバ71等の外部装置に変換処理を実行させる必要が生じる場合がある。この場合、例えば、PDF形式の画像データを受信したアプリケーションが、PDF形式の画像データを無線通信210を介してウェブサーバ71へ送信する。そしてウェブサーバ71は、受信した画像データの形式をPDF形式からJPEG形式に変換した上で、無線通信210を介して携帯電話10へ送り返す。すると、この場合には変換処理の負担が大きくなる。しかし、本実施形態では、スキャン処理により得られた画像データから直接に印刷データを作成することができるため、変換処理による負荷を軽減することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態に係るスキャン/印刷アプリケーション21aでは、例えば、スキャン処理と印刷処理との間で画像データを共有する際に、スキャン処理と印刷処理とが同一のスキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて機能する場合には、既に起動済みのスキャン/印刷アプリケーション21aによって確保されている取得設定記憶領域13bに記憶されている取得設定を用いて、印刷設定を設定する。(S109)。これにより、取得設定を、取得処理と印刷処理との間で共用することができる。よって、ユーザによる用紙サイズ等の入力操作を省略することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0050】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0051】
<変形例>
アプリケーション連携機能を実行する際に、自身のアプリケーションを重複して起動させない方法としては、各種の変形例がある。例えば、S103において、データ共有先のアプリケーションの候補一覧を表示する際に、自身のアプリケーションを表示させないとしてもよい。また例えば、S106において、選択されたアプリケーションが自身のアプリケーションであると判断された場合には、当該アプリケーションが選択対象として不適切である旨をユーザに報知する形態としてもよい。
【0052】
また、スキャン処理で取得される画像データの形式と、アプリケーション間で入出力可能に規定されるデータ形式は、本実施形態の説明例に係る組合せ(JPEG形式とJPEG形式との組合せ)に限られず、様々な組合せが可能である。例えば、取得される画像データの形式がJPEG形式、入出力可能に規定されるデータ形式がPDF形式、の組合せも可能である。また例えば、取得される画像データの形式がビットマップ形式、入出力可能に規定されるデータ形式がJPEG形式、の組合せも可能である。なお、アプリケーション間で入出力可能に規定されるデータ形式は、JPEG形式やPDF形式が好ましい。ビットマップ形式は、非圧縮のためデータサイズが大きくなり、アプリケーション間のデータの入出力には不適であるためである。またpng(Portable Network Graphics)形式は、テキストや図形には好適であるが、写真などには有効でないためである。
【0053】
アプリケーション連携機能を実行する際に、S104で選択されたアプリケーションが自身のアプリケーションである場合(S106:Y)において、データ共有命令が入力される前に、当該アプリケーションにおいて、連携対象の画像データに対して行われた処理(例えば、S95)と、S104で選択された後に当該アプリケーションにおいて、連携対象の画像データに対して行われる処理(例えば、S110等)とは、必ずしも異なっている必要はない。アプリケーション連携機能を用いて、同一の処理を複数回選択する形態であってもよい。例えば、画像の輝度を変更する画像加工用のアプリケーションを起動させて、画像の輝度を変更した場合を考える。この場合、輝度の変更後の画像データを連携先のアプリケーションへ出力する際に、自身の画像加工用のアプリケーションが連携先として指定される場合には、輝度を変更する処理を再度実行する形態であってよい。
【0054】
S95において、画像データを取得する形態は、スキャン処理によるものに限らない。例えば、記憶部12に記憶されている画像データを取得する形態であってもよい。
【0055】
本実施形態では、携帯電話10は、携帯電話送受信部22により、基地局61を介してインターネット70に接続するものとして説明した。これに代えて、通信費節約のために、無線LAN送受信部15によりアクセスポイント62を介してインターネット70に接続する場合にも、本発明を適用可能である。
【0056】
本実施形態では、スキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて実行するCPU11が、各種の処理を行う場合を説明した。しかし、この形態に限られない。変形例として、下記に示すように、スキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて実行するCPU11が、オペレーティングシステム21e、他のプログラム、ハード構成(パネル18など)に対して、各種の処理を実行させ行わせる指示を出す形態であってもよい。
【0057】
オペレーティングシステム21eによって行われる処理に基づいて、CPU11が表示処理を実行してもよい。係る場合、例えばS103では、スキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて実行するCPU11が、データ共有先のアプリケーションの候補一覧を表示させる指示をオペレーティングシステム21eに出力する形態となる。具体的には、CPU11は、S102でタッチされたと判断されたPDFデータ共有ボタン202またはJPEGデータ共有ボタン203に対応するデータ形式(PDFまたはJPEG)やアクション等の情報をオペレーティングシステム21eに出力する。係る場合、オペレーティングシステム21eに基づいて実行するCPU11は、スキャン/印刷アプリケーション21aから出力されたデータ形式及びアクションを検索条件として、携帯電話10にインストールされた全アプリケーションのうち、検索条件に合致するアプリケーションをデータ共有先のアプリケーション候補として一覧表示する(図5)。また、上述のように、S103において、スキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて実行するCPU11が、データ共有先のアプリケーションの候補一覧を表示させる指示をオペレーティングシステム21eに出力する場合、S104では、オペレーティングシステム21eに基づいて実行するCPU11が、何れかのアプリケーションが選択されたか否かを判断する形態となる。係る場合、S105において、スキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて実行するCPU11は、S104で選択されたアプリケーションのインテントを、返り値としてオペレーティングシステム21eから受信したか否かに応じて、インテントを取得したか否かを判断する形態となる。
【0058】
オペレーティングシステム21eによって行われる処理に基づいて、CPU11が起動指示を出力する処理や、変換後の画像データを出力する処理を実行してもよい。係る場合、例えばS108では、スキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて実行するCPU11が、起動指示を出力する処理等を実行させる指示をオペレーティングシステム21eに対して出力する形態となる。
【0059】
オペレーティングシステム21eによって行われる処理に基づいて、CPU11が印刷データを生成する処理を実行してもよい。係る場合、例えばS110では、スキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて実行するCPU11が、印刷データを生成する処理を実行させる指示をオペレーティングシステム21eに対して出力する形態となる。
【0060】
オペレーティングシステム21eによって行われる処理に基づいて、CPU11が印刷データを送信する処理を実行してもよい。係る場合、例えばS111では、スキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて実行するCPU11が、印刷データを送信する処理を実行させる指示をオペレーティングシステム21eに対して出力する形態となる。
【0061】
オペレーティングシステム21eによって行われる処理に基づいて、CPU11が画像データをRAM13に展開する処理を実行してもよい。係る場合、例えばS95では、スキャン/印刷アプリケーション21aに基づいて実行するCPU11が、画像データを取得する処理を実行させる指示をオペレーティングシステム21eに対して出力する形態となる。
【0062】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0063】
請求項の表現は、共有手段、判断手段、制御手段、設定記憶手段、第1識別情報記憶手段などの各種の手段が、実行部などの各種の部に、各種の処理を実行させる、という記載となっている。ここで、「各種の処理を実行させる」との記載は、画像処理プログラム(スキャン/印刷アプリケーション21aなど)に基づいて実行するコンピュータ(CPU11など)が、各種の処理を行う形態を表すことに限定されない。コンピュータが、オペレーティングシステムやハード構成(パネル18など)に対して、各種の処理を実行させる指示を出力する形態を含む記載である。
【0064】
また、請求項に記載されている実行部や記憶部などの各種の部は、様々な状態のコンピュータに該当する。例えば、請求項に記載の「実行部」は、図2のS95における処理(画像データを取得する処理)や、図3のS110における処理(印刷データを生成する処理)を実行するCPU11に相当しうる。また「実行部」は、オペレーティングシステム21eまたは他のプログラムに基づいて、S95やS110の処理を実行するCPU11に相当しうる。また「実行部」は、印刷アプリケーション21a、オペレーティングシステム21e、他のプログラムなどの複数のプログラムに基づいて、S95やS110の処理を実行するCPU11に相当しうる。
【0065】
また、請求項に記載の「選択実行部」は、S110等の処理を実行するCPU11に相当しうる。請求項に記載の「特定処理実行部」は、S95等の処理を実行するCPU11に相当しうる。請求項に記載の「記憶部」は、S93等の処理を実行するCPU11に相当しうる。
【0066】
請求項の各部(実行部、選択実行部、特定処理実行部、記憶部など)は、発明物のプログラム内の、または、オペレーティングシステム21eまたは他のプログラムのドライバの実行により実現される手段とハードウェア、または、ハードウェアのみ、であってよい。またドライバは、複数のプログラムの集合体であってよい。
【0067】
なお、携帯電話10は情報処理端末装置の一例である。スキャン/印刷アプリケーション21aは画像処理プログラムの一例である。CPU11はコンピュータの一例である。スキャン処理は特定処理の一例である。RAM13は記憶装置の一例である。インテントは第1識別情報および第2識別情報の一例である。
【0068】
また、S108を実行するCPUは共有手段の一例である。S106を実行するCPUは判断手段または判断ステップの一例である。S108、S111を実行するCPUは制御手段または制御ステップの一例である。S93を実行するCPUおよびRAM13は設定記憶手段の一例である。
【符号の説明】
【0069】
1:通信システム、10:携帯電話、11:CPU、12:記憶部、13:RAM、18:パネル、21a:スキャン/印刷アプリケーション、21c:ギャラリーアプリケーション、51:MFP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムを読み取ることで各手段として機能するコンピュータと、
1以上の処理を前記コンピュータに実行させる複数のアプリケーションプログラムと、
前記複数のアプリケーションプログラムに基づいて実行される前記1以上の処理のうちの1の処理をそれぞれ実行させる複数の実行部のうちから選択された2の実行部間で、データを共有する共有手段と、
を備えた情報処理端末装置の前記コンピュータが読み取り可能な画像処理プログラムであって、
画像データに対して特定処理を実行する特定処理実行部を少なくとも含んでおり、
前記特定処理実行部として前記特定処理が実行された場合に、前記複数の実行部のうちから選択された選択実行部と前記特定処理実行部との間で前記画像データを共有する旨の入力を受け付けることに応じて、前記選択実行部が自身の前記画像処理プログラムに基づいて機能するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記選択実行部が前記自身の画像処理プログラムに基づいて機能すると判断される場合には、前記画像データに対して前記選択実行部として処理を実行し、前記判断手段によって前記選択実行部が前記自身の画像処理プログラムに基づいて機能しないと判断される場合には、前記コンピュータを前記選択実行部として機能させるアプリケーションプログラムを起動させる制御手段と、
して前記コンピュータを機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項2】
前記画像処理プログラムは2以上の前記実行部を含んでおり、
前記判断手段は、前記複数の実行部のうち前記特定処理実行部と異なる前記選択実行部と前記特定処理実行部との間で前記画像データを共有する旨の入力を受け付けることに応じて、前記選択実行部が前記自身の画像処理プログラムに基づいて機能するか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像処理プログラム。
【請求項3】
前記特定処理実行部は、前記情報処理端末装置の記憶装置に前記画像データを展開する処理を実行し、
前記制御手段は、前記判断手段によって前記選択実行部が前記自身の画像処理プログラムに基づいて機能すると判断される場合には、前記記憶装置に展開されている前記画像データを用いて、前記選択実行部として処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理プログラム。
【請求項4】
前記特定処理は、前記画像データを取得する取得処理であり、
前記制御手段は、前記画像データから印刷データを生成する印刷処理を前記選択実行部として実行し、
前記コンピュータを、前記特定処理実行部が前記取得処理を実行する際の取得設定を前記情報処理端末装置の記憶装置に記憶する処理を記憶部に実行させる設定記憶手段としてさらに機能させ、
前記制御手段は、前記判断手段によって前記選択実行部が前記自身の画像処理プログラムに基づいて機能すると判断される場合には、前記取得設定に基づいた前記印刷処理を前記選択実行部として実行することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の画像処理プログラム。
【請求項5】
前記情報処理端末装置は、前記特定処理実行部を識別する第1識別情報を前記情報処理端末装置の記憶装置に予め記憶させる処理を記憶部に実行させる第1識別情報記憶手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記特定処理実行部と前記選択実行部との間で前記画像データを共有する旨の入力を受け付けることに応じて、前記選択実行部を識別する第2識別情報を取得し、取得した前記第2識別情報が前記第1識別情報に一致するか否かによって、前記特定処理実行部と前記選択実行部とが同一の前記画像処理プログラムに基づいて機能するか否かを判断することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の画像処理プログラム。
【請求項6】
前記取得設定は用紙サイズであり、
前記制御手段は、前記取得処理を実行する際の前記用紙サイズと同一の用紙サイズを用いて前記印刷処理を前記選択実行部として実行することを特徴とする請求項4に記載の画像処理プログラム。
【請求項7】
前記取得設定はカラー設定であり、
前記制御手段は、前記取得処理を実行する際の前記カラー設定と同一のカラー設定を用いて前記印刷処理を前記選択実行部として実行することを特徴とする請求項4または6に記載の画像処理プログラム。
【請求項8】
プログラムを読み取ることで各手段として機能するコンピュータと、
1以上の処理を前記コンピュータに実行させる複数のアプリケーションプログラムと、
前記複数のアプリケーションプログラムに基づいて実行される前記1以上の処理のうちの1の処理をそれぞれ実行させる複数の実行部のうちから選択された2の実行部間で、データを共有する共有手段と、
を備えた情報処理端末装置の制御方法であって、
画像データに対して特定処理を実行する特定処理実行部を少なくとも含んでおり、
前記特定処理実行部として前記特定処理が実行された場合に、前記複数の実行部のうちから選択された選択実行部と前記特定処理実行部との間で前記画像データを共有する旨の入力を受け付けることに応じて、前記選択実行部が自身の前記画像処理プログラムに基づいて機能するか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって前記選択実行部が前記自身の画像処理プログラムに基づいて機能すると判断される場合には、前記画像データに対して前記選択実行部として処理を実行し、前記判断手段によって前記選択実行部が前記自身の画像処理プログラムに基づいて機能しないと判断される場合には、前記コンピュータを前記選択実行部として機能させるアプリケーションプログラムを起動させる制御ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理端末装置の制御方法。
【請求項9】
プログラムを読み取ることで各手段として機能するコンピュータと、
1以上の処理を前記コンピュータに実行させる複数のアプリケーションプログラムと、
前記複数のアプリケーションプログラムに基づいて実行される前記1以上の処理のうちの1の処理をそれぞれ実行させる複数の実行部のうちから選択された2の実行部間で、データを共有する共有手段と、
を備え、
画像データに対して特定処理を実行する特定処理実行部を少なくとも含んでおり、
前記特定処理実行部として前記特定処理が実行された場合に、前記複数の実行部のうちから選択された選択実行部と前記特定処理実行部との間で前記画像データを共有する旨の入力を受け付けることに応じて、前記選択実行部が自身の前記画像処理プログラムに基づいて機能するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記選択実行部が前記自身の画像処理プログラムに基づいて機能すると判断される場合には、前記画像データに対して前記選択実行部として処理を実行し、前記判断手段によって前記選択実行部が前記自身の画像処理プログラムに基づいて機能しないと判断される場合には、前記コンピュータを前記選択実行部として機能させるアプリケーションプログラムを起動させる制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−212348(P2012−212348A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78086(P2011−78086)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】