説明

画像処理プログラムおよび画像処理装置

【課題】画像処理によって「風水」のような所定の思想に基づく家相判断を行うこと。
【解決手段】画像処理プログラムは、家屋内の部屋の画像を読み出す第1処理と、各画像の撮影方位を示す情報を読み出す第2処理と、各画像の撮影位置を示す情報を読み出す第3処理と、家屋の中心位置を示す情報を読み出す第4処理と、第1処理〜第4処理で読み出した画像群および各情報を用いて、各画像に含まれる対象物の位置に関して第1の判断基準に基づいて第1判定を行う第5処理と、第5処理による判定結果を表示装置に表示させる第6処理と、をコンピュータに実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理プログラムおよび画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影の際に「風水」と称される思想に基づいて縁起の良い色または物品を報知することにより、背景の決定を支援するカメラが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−118737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、背景の決定を支援するだけで、家相の良否判断を行うための検討がなされていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による画像処理プログラムは、家屋内の部屋の画像を読み出す第1処理と、各画像の撮影方位を示す情報を読み出す第2処理と、各画像の撮影位置を示す情報を読み出す第3処理と、家屋の中心位置を示す情報を読み出す第4処理と、第1処理〜第4処理で読み出した画像群および各情報を用いて、各画像に含まれる対象物の位置に関して第1の判断基準に基づいて第1判定を行う第5処理と、第5処理による判定結果を表示装置に表示させる第6処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画像処理によって「風水」のような所定の思想に基づく家相判断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施の形態による電子カメラの構成例を説明するブロック図である。
【図2】CPUが実行する処理の流れを説明するフローチャートである。
【図3】撮影画面を例示する図である。
【図4】撮影画面を例示する図である。
【図5】間取り図を例示する図である。
【図6】解析結果表示を例示する図である。
【図7】メッセージ表示を例示する図である。
【図8】コンピュータ装置を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態による画像処理装置を搭載する電子カメラ1の構成例を説明するブロック図である。図1において、電子カメラ1は、撮影光学系11と、撮像素子12と、AFE(Analog front end)回路13と、画像処理回路14と、LCDモニタ15と、RAM16と、フラッシュメモリ17と、CPU18と、通信制御回路19と、GPSモジュール20と、操作部材21と、方位センサ22とを備える。
【0009】
CPU18、RAM16、フラッシュメモリ17、画像処理回路14、LCDモニタ15および通信制御回路19は、それぞれがバス23を介して接続されている。
【0010】
撮影光学系11は、ズームレンズやフォーカシングレンズを含む複数のレンズ群で構成され、被写体像を撮像素子12の受光面に結像させる。なお、図1を簡単にするため、撮影光学系11を単レンズとして図示している。
【0011】
撮像素子12は、受光面に受光素子が二次元配列されたCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどによって構成される。撮像素子12は、撮影光学系11を通過した光束による被写体像を光電変換してアナログ画像信号を生成する。アナログ画像信号は、AFE回路13に入力される。
【0012】
AFE回路13は、アナログ画像信号に対して所定のアナログ処理を行うとともに、アナログ処理後の画像信号をデジタル画像データに変換する。デジタル画像データは画像処理回路14に入力される。画像処理回路14は、デジタル画像データに対して各種の画像処理(色補間処理、階調変換処理、輪郭強調処理、ホワイトバランス調整処理、画像圧縮処理、画像伸張処理など)を施す。
【0013】
LCDモニタ15は液晶パネルによって構成され、CPU18からの指示に応じて画像や操作メニュー画面などを表示する。RAM16はCPU18のワークメモリとして使用される。また、RAM16は、画像処理回路14による画像処理工程におけるデジタル画像データを一時的に記憶する。フラッシュメモリ17は、CPU18に実行させるプログラムを記憶する。
【0014】
CPU18は、フラッシュメモリ17が記憶するプログラムを実行することによって電子カメラ1が行う動作を制御する。CPU18は、AF(オートフォーカス)動作制御や、自動露出(AE)演算も行う。AF動作は、画像のコントラスト情報に基づいてフォーカシングレンズ(不図示)の合焦位置を求めるコントラスト検出方式を用いる。CPU18は、たとえば、撮像素子12によって所定の時間間隔(たとえば30コマ/毎秒)で繰り返し取得される画像から逐次コントラスト情報を取得し、フォーカス調節を行う。CPU18は、フォーカス調節後のフォーカシングレンズ(不図示)の位置に基づいて、撮影対象物までの距離(撮影距離)を取得する。たとえば、フォーカシングレンズの位置と撮影距離との関係を示すデータがあらかじめフラッシュメモリ17に記憶されているので、記憶されているデータを参照して撮影距離を求める。
【0015】
操作部材21は、メインスイッチ、レリーズボタン、十字キーおよびモード切替えダイヤルなどを含む。操作部材21は、メインスイッチ操作やレリーズ操作、モード選択操作など、各操作に応じた操作信号をCPU18へ送出する。CPU18は、操作部材21からの操作信号の入力を監視する他、GPSモジュール20からの測位情報も取得する。
【0016】
方位センサ22は、検出した地磁気に基づいて電子カメラ1の撮影方向(すなわち、撮影光学系11の光軸方向)を示す方位情報をCPU18へ送出する。GPSモジュール20は、GPS衛星201、202からの電波を受信し、受信信号にのせられている情報を用いて測位情報(緯度、経度、高度)を算出する。なお、図1においては2つのGPS衛星のみを図示している。CPU18は、GPSモジュール20から所定時間(たとえば、5秒)ごとに測位情報を受け取って不揮発性メモリ(フラッシュメモリ17)の所定領域に測位情報を上書き保存する。
【0017】
撮影地点の測位情報を撮影画像に関連づけて保存する設定が行われている場合のCPU18は、撮影画像のデータ、撮影時の測位情報および方位情報を含むExif形式の画像ファイルを生成し、不図示のメモリカードへ当該画像ファイルを記録するように制御する。具体的には、CPU18がレリーズボタンの押下操作を示す操作信号を受けると、図1の各ブロックへ指示を送って撮影処理を開始させる。
【0018】
Exif形式の画像ファイルは、JPEG画像フォーマットの画像データ内にサムネイル画像や撮影情報などのデータを埋め込むようにしたものである。このファイル構造は、画像の付属情報を記録するタグ領域と撮影画像データを記録する画像データ領域とを有する。CPU18は、撮影時にフラッシュメモリ17の所定領域に保存されている測位情報を読み出すとともに方位センサ22から方位情報を取得し、これら測位情報および方位情報を上記撮影距離情報とともにタグ領域に含め、画像ファイルを生成する。
【0019】
通信制御回路19は、CPU18からの指示に応じて外部機器との間で無線通信を行う。通信制御回路19は、アンテナ19aを介して電波を送受信する。本実施形態では、たとえば、無線LANアクセスポイントとの間で無線通信を行う。
【0020】
本実施形態は、上述した電子カメラ1が備える風水占い撮影モードに特徴を有する。風水占い撮影モードは、家屋の撮影画像を用いて「風水」の思想を用いた占いを行うモードである。たとえば、家屋内の各部屋の画像を複数枚撮影し、撮影した画像群から所定の対象物を検出し、検出した対象物が家屋内のどこに位置するかを判断し、判断結果をデータベースと比較して占う。
【0021】
図2は、CPU18が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。CPU18は、操作部材21を構成する不図示のモード切替えダイヤルの回転操作によって「風水占い撮影モード」に設定されている場合に、図2に例示した処理を実行するプログラムを繰り返し実行する。
【0022】
図2のステップS11において、CPU18は、風水占いの対象とする家屋の中心位置を撮影する。ユーザーは、あらかじめ調べておいた当該家屋の平面図における中心点を含む部屋で、当該中心点に相当する床を撮影画面に含む構図で電子カメラ1を構え、レリーズボタンを押下する。CPU18は、レリーズボタンの押下操作に応じて撮影処理を行い、画像ファイルをRAM16に一時的に格納してステップS12へ進む。図3は、撮影画面を例示する図である。本実施形態では、部屋の角が中心に相当するので、この部分の床を含む撮影を行う。
【0023】
ステップS12において、CPU18は、撮影終了か否かを判定する。ユーザーは、LCDモニタ15に表示された撮影済みのモニタ画像を確認したら、操作部材21を構成する不図示のOKボタンを押下する。CPU18は、上記OKボタンが押下操作されるとステップS12を肯定判定してステップS13へ進む。CPU18は、上記OKボタンが押下操作されない場合には、ステップS12を否定判定してステップS11へ戻る。
【0024】
ステップS13において、CPU18はGPS情報、すなわち、GPSモジュール20による最新の測位情報(緯度、経度、高度)を取得してステップS14へ進む。なお、CPU18はGPS情報の取得とともに方位センサ22から方位情報も取得する。ステップS14において、CPU18は、情報取得終了か否かを判定する。CPU18は、フラッシュメモリ17の所定領域から最新の測位情報を読み取るとステップS14を肯定判定してステップS15へ進む。CPU18は、フラッシュメモリ17から最新の測位情報を読み取っていない場合には、ステップS14を否定判定してステップS13へ戻る。
【0025】
上記ステップS11〜S14までの処理により、家屋の中心位置を撮影した際の電子カメラ1の撮影位置を示す測位情報と、該撮影位置から上記中心位置に向かう方位情報と、電子カメラ1から上記中心位置までの撮影距離情報とが得られる。CPU18は、上述したRAM16に一時的に格納してある画像ファイルに上記測位情報、上記方位情報および上記中心位置までの撮影距離情報を含めた上で、該画像ファイルを不図示のメモリカードへ記録する。CPU18は、メモリカードに記録した画像ファイルを読出すことで、上記測位情報、上記方位情報および上記中心位置までの撮影距離情報に基づいて、家屋の中心位置を示す情報を求めることができる。
【0026】
ステップS15において、CPU18は、風水占いの対象物を撮影する。ユーザーは、家屋内における各部屋で、撮影画面に対象物を含むように電子カメラ1を構え、レリーズボタンを押下する。対象物は、出入口、窓、天井のはり、柱など家屋の構造物の他に、テーブル、ベッド、椅子、花瓶、水槽、置物などのインテリア雑貨、傘、靴などの生活雑貨、カメなどのペットを含む。ユーザーは、撮影画像に対象物同士の位置関係を示す情報が含まれるように、たとえば、撮影画面に複数の対象物を含み、かつ対象物の背景に構造物を有する構図で電子カメラ1を構える。
【0027】
CPU18は、レリーズボタンの押下操作に応じて撮影処理を行い、画像ファイルをRAM16に一時的に格納する。CPU18はさらに、撮影時における測位情報(緯度、経度、高度)、方位情報および対象物までの撮影距離情報を上記一時的に格納した画像ファイルに含めた上で、該画像ファイルを不図示のメモリカードへ記録する。CPU18は、メモリカードに記録した画像ファイルを読出すことで、上記測位情報、上記方位情報および上記対象物までの撮影距離情報に基づいて、対象物の位置を示す情報を求めることができる。図4は、撮影画面を例示する図である。ユーザーは、撮影済み画像を用いて風水占い処理をさせたい場合に、操作部材21を構成する不図示のOKボタンを押下する。CPU18は、上記OKボタンが押下操作されるとステップS16へ進む。
【0028】
ステップS16以降の処理は、風水解析を伴う画像処理に相当する。ステップS16において、CPU18は、ステップS15で撮影した画像ファイルをメモリカードから読み出して1コマずつ参照し、公知のパターンマッチング技術を用いて所定の対象物を検出する。具体的には、撮影画像のデータから特徴量を抽出し、公知のテンプレートマッチング処理用のテンプレート情報を生成する。そして、あらかじめフラッシュメモリ17が記憶している上記対象物(出入口、窓、天井のはり、柱、テーブル、ベッド、椅子、花瓶、水槽、置物、傘、靴、カメなど)に対応するテンプレート情報と合致するものを検出し、ステップS17へ進む。
【0029】
ステップS17において、CPU18は、検出した対象物についての情報を第1メタデータとしてフラッシュメモリ17の所定領域に記録し、ステップS18へ進む。第1メタデータは、対象物ごとに当該対象物を撮影した際の電子カメラ1の撮影位置を示す測位情報と、該撮影位置から当該対象物に向かう方位情報と、電子カメラ1から当該対象物までの撮影距離情報と、当該対象物の色情報とを含む。これらの第1メタデータに基づいて、各対象物の位置を示す情報が得られる。なお、上記測位情報、上記方位情報、および上記撮影距離情報は、それぞれ画像ファイルのタグ領域から読み出せる。対象物の色情報は、それぞれ画像ファイルの画像データとして読み出せる。
【0030】
ステップS18において、CPU18は、上述した家屋の中心位置を示す情報と上記第1メタデータとに基づいて家屋の間取り情報を作成し、作成した間取り情報を第2メタデータとしてフラッシュメモリ17の所定領域に記録し、ステップS19へ進む。図5は、家屋の間取り情報に基づいた間取り図を例示する図である。本実施形態では、部屋の間仕切り線だけでなく、部屋内の対象物を含めた間取り情報を作成する。なお、間取り情報に含める対象物は、たとえば、あらかじめフラッシュメモリ17が記憶しているアイコンやマーク、記号、文字などを用いて表す。たとえば、ベッドの場合はベッドの位置を図形(長方形)で表した上で、「枕」を示す表示を付してベッドの向きを表す。
【0031】
ステップS19において、CPU18は、第2メタデータと、あらかじめフラッシュメモリ17が所定領域に記憶している風水データベースとに基づいて風水解析を行う。風水データベースは、たとえば、「風水」の思想において「吉」とされる対象物と対象物との関係(距離、方位、色)を示すデータを複数記憶する。たとえば、家屋の中心に対して北の方角にカメがいる場合は「吉」というデータを記憶する。
【0032】
また、風水データベースは、「風水」の思想において「凶」とされる対象物と対象物との関係(距離、方位、色)とを示すデータを複数記憶する。たとえば、ベッドの「枕」側(ヘッドボード)が窓の方角にあるので「凶」というデータを記憶する。CPU18は、第2メタデータに含まれる対象物ごとにデータベースのデータと比較し、上述した「吉」データに該当するか、「凶」データに該当するかを判定する。CPU18は、第2メタデータに含まれる全対象物について判定を行うとステップS20へ進む。データベースには、上述した対象物と対象物との関係(距離、方位、色)とを示す複数のデータのそれぞれに対応させて、後述するメッセージ情報も記憶されている。
【0033】
ステップS20において、CPU18は、風水解析によって「吉」または「凶」に該当すると判断した対象物ごとに、風水解析結果を第3メタデータとしてフラッシュメモリ17の所定領域に記録し、ステップS21へ進む。ステップS21において、CPU18はLCDモニタ15に風水解析結果を表示させる。図6は、解析結果表示を例示する図である。CPU18は、たとえば図5に例示した間取り図に、上述した「吉」を示す表示61や「凶」を示す表示62を重ねて表示させる。「吉」にも「凶」にも該当しない場合は、間取り図上に何も表示しない。CPU18は、操作部材21を構成する不図示の十字キーが操作されると、操作方向に応じてLCDモニタ15の画面上でカーソル71を移動させる(図7)。
【0034】
CPU18はさらに、上述した「吉」を示す表示61や「凶」を示す表示62にカーソル71が重なると、対応するメッセージ72をLCDモニタ15に表示させる。図7は、メッセージ表示72を例示する図である。図7によれば、「ベッドが窓に向いているのが凶ポイント!!」なるメッセージ表示72によって判定内容をユーザーに知らせている。CPU18は、「吉」を示す表示61にカーソル71が重なった場合には「家の中心から北のカメは吉ポイント!!」なるメッセージを表示させる。CPU18は、カーソル71が表示61または表示62から離れた場合にはメッセージ表示72を終了させる。
【0035】
ユーザーは、風水占い処理を終了させたい場合に、操作部材21を構成する不図示のOKボタンを押下する。CPU18は、上記OKボタンが押下操作されると図2による処理を終了する。
【0036】
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)電子カメラ1は、家屋内の部屋の画像を読み出す第1処理と、各画像の撮影方位を示す情報を読み出す第2処理と、各画像の撮影位置を示す情報を読み出す第3処理と、家屋の中心位置を示す情報を読み出す第4処理と、第1処理〜第4処理で読み出した画像群および各情報を用いて、各画像に含まれる対象物の位置に関して「凶」とされる対象物と対象物との関係(距離、方位、色)とを示すデータに基づいて「凶」判定を行う第5処理と、第5処理による判定結果をLCDモニタ15に表示させる第6処理と、をCPU18に実行させるプログラムをフラッシュメモリ17に格納した。これにより、画像処理によって「風水」のような所定の思想に基づく家相判断を行うことができる。
【0037】
(2)上記(1)のプログラムにおいて、第1処理〜第4処理で読み出した画像群および各情報を用いて、家屋内における間取りを示す情報を生成する第7処理と、第1処理〜第4処理で読み出した画像群および各情報を用いて、部屋内における対象物の配置を示す情報を生成する第8処理と、間取りを示す情報および対象物の配置を示す情報に基づいて、家屋内における間取り図と部屋内における対象物の位置をLCDモニタ15に表示させる第9処理と、をさらにCPU18に実行させる。これにより、家相判断の対象となる家屋の間取りや対象物の位置をわかりやすく表示させることができる。
【0038】
(3)上記(2)のプログラムにおいて、第9処理は、第5処理による判定結果を当該判定の対象となった対象物が存在する部屋の表示位置に表示させるようにしたので、どの部屋に関する判定なのかをわかりやすく表示させることができる。
【0039】
(4)上記プログラムにおいて、LCDモニタ15にカーソル71を表示させる第10処理と、第6処理で表示させた判定結果の表示62に第10処理で表示させるカーソル71が重なった場合に、第5処理が行った第1判定の理由を示す表示72をLCDモニタ15にさせる第11処理と、をさらにCPU18に表示させるようにした。これにより、その判定の理由をわかりやすく表示させることができる。
【0040】
(5)上記プログラムにおいて、第1処理〜第4処理で読み出した画像群および各情報を用いて、各画像に含まれる対象物の位置に関して「凶」とされる対象物と対象物との関係(距離、方位、色)とを示すデータと異なる、「吉」とされる対象物と対象物との関係(距離、方位、色)とを示すデータに基づいて第2判定を行う第13処理をCPU18に実行させる。この場合の第6処理は、第5処理による第1判定結果および第13処理による第2判定結果をLCDモニタ15に表示させるようにした。これにより、画像処理によって「風水」のような所定の思想に基づく「吉」や「凶」なる家相判断を行うことができる。
【0041】
(変形例1)
上述した説明では、風水解析に用いる風水データベースをあらかじめフラッシュメモリ17に記憶させておく例を説明した。この代わりに、外部機器が有する風水データベースを取得するように構成してもよい。変形例1のCPU18は、通信制御回路19へ指示を送り、不図示の無線LANアクセスポイントを介してネットワーク上の外部サーバーから風水データベースを取得する。取得した風水データベースは、RAM16に一時的に保管して今回の風水解析処理に用いてもよいし、フラッシュメモリ17に保管して次回以降の風水解析処理に繰り返し用いるようにしてもよい。
【0042】
(変形例2)
ステップS18において生成した家屋の間取り図を、操作部材21からの操作信号に応じて変更するように構成してもよい。CPU18は、たとえば、不図示の十字キーが操作され、カーソル71(図7)を移動した状態で、OKスイッチの押下操作信号が入力されると、その時点で表示中のカーソル71の位置を示す座標をRAM16に一時的に記憶する。CPU18は、カーソル71を別の位置へ移動後に同様の操作が行われて2点の座標を記憶した場合に、該2点を対角とする長方形を部屋の間仕切り線とする。
【0043】
変形例2によれば、撮影していない部屋を間取り図に含めることが可能になる。また、上述した家屋の中心位置を示す情報と上記第1メタデータとに基づいて作成した間取り図が実際と異なる場合には、その修正を行うことが可能になる。
【0044】
(変形例3)
上記実施形態では、「ベッドが窓に向いているのが凶ポイント!!」なるメッセージ表示72によって判定内容をユーザーに知らせる例を説明した。この代わりに、解決アドバイス表示をさせるようにしてもよい。変形例3のCPU18は、「凶」を示す表示62にカーソル71が重なっている状態で、操作部材21を構成する不図示の「HELP」ボタンが押下操作された場合に、「ベッドが窓に向いているのが凶ポイント!!」に代えて、「ベッドの向きを変えましょう!!」なるメッセージをLCDモニタ15に表示させる。変形例3によれば、判定内容が否定的な「凶」判定の場合に、その解決策をユーザーに知らせることで、ユーザーに親切な家相判断を行うことができる。
【0045】
(変形例4)
解決アドバイスをメッセージに代えて、またはメッセージに加えてグラフィカルな表示で行うようにしてもよい。変形例4のCPU18は、たとえば、「ベッドの向きを変えましょう!!」なるメッセージとともに、ベッドの位置を表す図形(長方形)上の「枕」を示す表示の位置を変更することにより(図7の例では現右表示から左表示へ表示位置を変更する)、ベッドの向きの変更を促す。なお、部屋内で対象物を移動させる他、対象物を他の部屋へ移動させる解決アドバイスを表示させてもよい。変形例4によれば、解決策をグラフィカルに表示させることで、解決策がユーザーに直感的に伝わるから、ユーザーに親切な家相判断を行うことができる。
【0046】
(変形例5)
新たな対象物が存在すれば「吉」とされる対象物と対象物との関係を満たす場合には、新たな対象物の追加を促すようにしてもよい。この場合のCPU18は、たとえば、「この部屋に黄色の○○を置くことが吉ポイント!!」なるメッセージをLCDモニタ15に表示させる。なお、あらかじめデータベースにおいて、「この部屋に黄色の○○を置くことが吉ポイント!! ○○のご用命は△△へ 03-3***-9***」という広告を含めておいてもよい。変形例5によれば、対象物の追加を促す表示と広告・宣伝表示とを同時に行うことができる。
【0047】
(変形例6)
上述した実施形態では、電子カメラ1のCPU18に風水解析を伴う画像処理を行わせる例を説明したが、風水解析を伴う画像処理装置をパーソナルコンピュータによって構成してもよい。図2に例示したフローチャートに基づく処理を行うプログラムを図8に示すコンピュータ装置100に実行させることにより、風水解析を伴う画像処理装置を構成する。プログラムをパーソナルコンピュータ100に取込んで使用する場合には、パーソナルコンピュータ100のデータストレージ装置にプログラムをローディングした上で、当該プログラムを実行させることによって画像処理装置として使用する。
【0048】
パーソナルコンピュータ100に対するプログラムのローディングは、プログラムを格納したCD−ROMなどの記憶媒体104をパーソナルコンピュータ100にセットして行ってもよいし、ネットワークなどの通信回線101を経由する方法でパーソナルコンピュータ100へローディングしてもよい。通信回線101を経由する場合は、通信回線101に接続されたサーバー(コンピュータ)102のハードディスク装置103などにプログラムを格納しておく。プログラムは、記憶媒体104や通信回線101を介する提供など、種々の形態のコンピュータプログラム製品として供給することができる。
【0049】
なお、パーソナルコンピュータ100で画像処理装置を構成する場合は、ステップS11〜ステップS14に代えて、家屋の中心位置を撮影した際の電子カメラ1の撮影位置を示す測位情報と、該撮影位置から上記中心位置に向かう方位情報と、電子カメラ1から上記中心位置までの撮影距離情報とを電子カメラ1から読み出す。パーソナルコンピュータ100は、上記測位情報、上記方位情報および上記中心位置までの撮影距離情報に基づいて、上記中心位置を示す情報を求めることができる。
【0050】
パーソナルコンピュータ100はさらに、ステップS15に代えて、風水解析を伴う画像処理に用いるため、家屋内の対象物を撮影した画像群を電子カメラ1から読み出す。これら画像群にはそれぞれ、撮影時における測位情報(緯度、経度、高度)、方位情報および対象物までの撮影距離が画像ファイルに含められている。そしてパーソナルコンピュータ100は、ステップS16以降の処理を行う。
【0051】
以上説明した変形例6によれば、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、パーソナルコンピュータによって構成する他にも、デジタルフォトフレームやプロジェクタ等にも上述した風水解析を伴う画像処理をさせるように構成して構わない。
【0052】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
1…電子カメラ
12…撮像素子
14…画像処理回路
15…LCDモニタ
16…RAM
17…フラッシュメモリ
18…CPU
19…通信制御回路
20…GPSモジュール
21…操作部材
22…方位センサ
100…パーソナルコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家屋内の部屋の画像を読み出す第1処理と、
前記各画像の撮影方位を示す情報を読み出す第2処理と、
前記各画像の撮影位置を示す情報を読み出す第3処理と、
前記家屋の中心位置を示す情報を読み出す第4処理と、
前記第1処理〜前記第4処理で読み出した画像群および各情報を用いて、前記各画像に含まれる対象物の位置に関して第1の判断基準に基づいて第1判定を行う第5処理と、
前記第5処理による判定結果を表示装置に表示させる第6処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記第1処理〜前記第4処理で読み出した画像群および各情報を用いて、前記家屋内における部屋並びを示す情報を生成する第7処理と、
前記第1処理〜前記第4処理で読み出した画像群および各情報を用いて、前記部屋内における前記対象物の配置を示す情報を生成する第8処理と、
前記部屋並びを示す情報および前記対象物の配置を示す情報に基づいて、前記家屋内における部屋並びと前記部屋内における対象物の位置を前記表示装置に表示させる第9処理と、
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記第9処理は、前記第5処理による判定結果を当該判定の対象となった対象物が存在する部屋の表示位置に表示させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記表示装置にポインタを表示させる第10処理と、
前記第6処理で表示させた前記判定結果の表示に前記第10処理で表示させるポインタが重なった場合に、前記第5処理が行った前記第1判定の理由を示す表示を前記表示装置にさせる第11処理と、
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記第5処理が行う前記第1判定は否定的判定であり、
前記第1判定を解消するための情報を前記表示装置にさせる第12処理を、
さらにコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記第12処理は、前記第1判定を解消するためのテキスト情報を表示させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記第12処理は、前記第1判定を解消するためのグラフィカル情報を表示させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記第1処理〜前記第4処理で読み出した画像群および各情報を用いて、前記各画像に含まれる対象物の位置に関して前記第1の判断基準と異なる第2の判断基準に基づいて第2判定を行う第13処理をさらに実行させ、
前記第6処理は、前記第5処理による前記第1判定結果および前記第13処理による前記第2判定結果を前記表示装置に表示させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項9】
家屋内の部屋の画像を読み出す第1処理手段と、
前記各画像の撮影方位を示す情報を読み出す第2処理手段と、
前記各画像の撮影位置を示す情報を読み出す第3処理手段と、
前記家屋の中心位置を示す情報を読み出す第4処理手段と、
前記第1処理手段〜前記第4処理手段によって読み出した画像群および各情報を用いて、前記各画像に含まれる対象物の位置に関して所定の判断基準に基づいて判定を行う第5処理手段と、
前記第5処理手段による判定結果を表示装置に表示させる第6処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像処理装置において、
前記第1処理手段〜前記第4処理手段で読み出した画像群および各情報を用いて、前記家屋内における部屋並びを示す情報を生成する第7処理手段と、
前記第1処理手段〜前記第4処理手段で読み出した画像群および各情報を用いて、前記部屋内における前記対象物の配置を示す情報を生成する第8処理手段と、
前記部屋並びを示す情報および前記対象物の配置を示す情報に基づいて、前記家屋内における部屋並びと前記部屋内における対象物の位置を前記表示装置に表示させる第9処理手段と、
をさらに備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像処理装置において、
前記第9処理手段は、前記第5処理手段による判定結果を当該判定の対象となった対象物が存在する部屋の表示位置に表示させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記表示装置にポインタを表示させる第10処理手段と、
前記第6処理手段で表示させた前記判定結果の表示に前記第10処理手段で表示させるポインタが重なった場合に、前記第5処理手段が行った前記第1判定の理由を示す表示を前記表示装置にさせる第11処理手段と、
をさらに備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記第5処理手段が行う前記第1判定は否定的判定であり、
前記第1判定を解消するための情報を前記表示装置にさせる第12処理手段を、
さらに備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載の画像処理装置において、
前記第12処理手段は、前記第1判定を解消するためのテキスト情報を表示させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項15】
請求項13または14に記載の画像処理装置において、
前記第12処理手段は、前記第1判定を解消するためのグラフィカル情報を表示させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項16】
請求項9〜15のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記第1処理手段〜前記第4処理手段で読み出した画像群および各情報を用いて、前記各画像に含まれる対象物の位置に関して前記第1の判断基準と異なる第2の判断基準に基づいて第2判定を行う第13処理手段とをさらに備え、
前記第6処理手段は、前記第5処理手段による前記第1判定結果および前記第13処理手段による前記第2判定結果を前記表示装置に表示させることを特徴とする画像処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−204854(P2012−204854A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64535(P2011−64535)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】