説明

画像処理方法及び画像処理装置

【課題】デジタルカメラで撮影した画像のように、被写体と撮像装置の相対的な位置ずれが存在する場合にも、入力画像を出力画像サイズに合わせて自動的に拡大・縮小できるようにする。
【解決手段】入力画像について連結成分抽出を行う手段と、出力する画像に相当する領域の連結成分の集合を求める手段と、指示されたスクロール量に相当する領域の連結成分の集合を求める手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理方法、コンピュータプログラム及び画像処理装置に関し、例えば画像を拡大または縮小する際に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
将来、スキャナ等で入力した画像のように、被写体と撮像装置の相対的な位置ずれが存在しない画像を入力画像として、入力画像を拡大または縮小して出力画像上に表示する画像処理方法として、特許文献1に示される様に、ヒストグラムに基づき行・文字を分割するものが存在する。
【0003】
【特許文献1】特開2000−163044号公報
【特許文献2】特開2003−288588号公報
【特許文献3】特開2003−51005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、デジタルカメラで撮影した画像のように、被写体と撮像装置の相対的な位置ずれが存在する場合にも、入力画像を出力画像サイズに合わせて自動的に拡大・縮小する画像処理方法が望まれている。
【0005】
本発明は前述の問題点に鑑み、入力画像を出力画像サイズに合わせて自動的に拡大・縮小できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこの要求に応えるために、入力画像の歪みや傾きを補正し拡大または縮小して出力する画像処理方法であって、画像を入力する入力工程と、画像を出力する出力工程と、前記出力工程において出力される画像のスクロールを指示する指示工程と、前記入力工程において入力される画像について連結成分抽出を行う抽出工程と、前記出力工程において出力される画像に相当する領域の連結成分の集合を求める第1の計算工程と、前記指示工程において指示されたスクロール量に相当する領域の連結成分の集合を求める第2の計算工程とを備えることを特徴とする画像処理方法等、を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被写体と撮像装置の相対的な位置ずれがある場合にも、入力画像の拡大や縮小の倍率を自動的に設定でき、また、スクロールする範囲を自動的に設定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1の実施形態)
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図17は、本実施の形態としてデジタルカメラの内部構成例を示す図である。
図17において、1701はレンズ、シャッター、絞り、CCD等を含む撮像部である。1702は撮像部1701で撮像したアナログ映像信号をデジタル画像データに変換するA/D変換器である。1703は信号処理回路で、A/D変換器1702から出力された画像データに対してガンマ補正やホワイトバランス(WB)補正等の処理を行って、バス1704に出力し画像データはメモリ1706に記憶される。
【0009】
1705は圧縮回路で、周知のJPEGフォーマットに従い、画像信号を圧縮・符号化する。1706はメモリで、信号処理回路1703から入力された画像信号を記憶し、バス1704、1709を介して各装置の回路に対して出力する。また、各回路からの画像信号を記憶する。
【0010】
1707は表示部であり、メモリ1706から入力される画像、あるいは記憶デバイス411に記憶された画像、あるいはメニュー画面を表示する。
【0011】
1710はデジタルカメラ1700の動作の操作・制御を行う操作部であり、メニューボタンや再生ボタンといった各種のスイッチを持つ。1711はMPU(Micro Processing Unit)で、不図示のメモリに記憶されたソフトウェアに従って、装置の各回路を制御する。本実施形態では、図6〜8に示す処理を制御している。
【0012】
1712は記憶デバイスで、カメラから着脱可能なフラッシュメモリカード等であり、バス1709を介して入力される画像信号を記憶し、また記憶された画像信号を読み出し、バス1709介して各回路に出力する。
【0013】
1713は外部通信用のインターフェースであり、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、無線LAN、Bluetooth等の伝送路1714介して外部情報機器1715との間で画像信号の転送を行う。
【0014】
図1は、簡単な画像処理の一部について処理手順を示すフローチャートである。
ステップS107において、何を行うかを判断し、画像入力ならばステップS101で画像を入力し、ステップS102で入力画像の連結成分を検出する。
【0015】
また、表示範囲の設定ならば、ステップS103で表示範囲の設定をし、ステップS104で出力すべき範囲を自動的に演算する。また、表示範囲の移動ならば、ステップS105で表示範囲の移動を選択し、ステップS106で表示範囲を移動する。
【0016】
被写体202とデジタルカメラ201の間に相対的な位置ずれが存在し撮像結果203に歪みや傾きが発生する例を図2に示す。このときの撮像結果203の例を図3に示す。
【0017】
デジタルカメラ201を図4に示す。
デジタルカメラ201はディスプレイ401、表示範囲移動手段402、表示領域移動手段403、画像表示要求手段404、表示範囲拡縮要求手段405、撮像装置406を備える。
【0018】
デジタルカメラ201内部の処理手順を示すフローチャートを図6〜図8に示す。
撮像装置406が撮像結果203を得たとする。この時、図6のステップS601においてデジタルカメラ201が駆動し、撮像結果203が入力される。
【0019】
次に、ステップS602において、入力画像について連結成分を検出する。その後、「い」や「こ」や「が」のように複数の連結成分で一文字を形成する場合について、隣接する連結成分同士を結合させ、一文字を示す連結成分を求める。
【0020】
次に、ステップS603において、入力画像について入力画像を領域分割する。この領域分割によって得られる領域の例を図9の901に示す。遠近歪みや傾きの存在する画像の領域分割法については、例えば特許文献2に記載されている。
【0021】
次に、ステップS604において、入力画像の傾きや歪みの補正の為の幾何変換行列を求める。傾きや歪みの補正の為の幾何変換行列の導出方法及び幾何変換行列の例については、例えば特許文献2や特許文献3に記載されている。
【0022】
次に、ステップS605において、前記幾何変換行列の逆変換行列を求める。この行列は出力画像から入力画像への変換行列を示す。次に、ステップS606において、画像の出力に遷移する。
【0023】
図7において、ステップS706で何を行うかを判断し、この判断の結果、前記ステップS605において画像の出力に遷移したとする。あるいは画像表示要求手段404によって画像の出力が要求された場合など、画像の出力を行うと判断した場合、ステップS701が駆動される。
【0024】
次に、ステップS702において、前記ステップS603によって得られた領域の中から表示するべき領域を決定する。決定手法は任意である。次に、ステップS703において、表示範囲の設定に遷移する。
【0025】
一方、ステップS706の判断の結果、表示領域移動手段403によって、表示領域の移動が要求された場合など、表示領域の移動を行うと判断した場合、ステップS704が駆動される。次に、ステップS705において、要求された表示領域の移動に従い、表示する領域を移動する。次に、ステップS703において、表示範囲の設定に遷移する。
【0026】
次に、図8のステップS815で何を行うかを判断し、この判断の結果、前記ステップS703によって表示範囲の設定に遷移した場合など、表示範囲の設定を行うと判断した場合、ステップS801が駆動される。次に、ステップS802において、表示範囲初期値を決定する。この表示範囲初期値は、ステップS602において求められた連結成分の大きさと、ディスプレイ401内に一度に表示するべき文字数及び行数から求められる。
【0027】
即ち、ステップS603で得られた表示領域のうち901を表示対象とするとした場合、入力画像内の表示領域901内に原点902を設定する。そしてこの原点902から、ディスプレイ401内に一度に表示するべき文字数及び行数に相当する連結成分が占める領域1001を求め、表示範囲初期値とする。
【0028】
ディスプレイ401内に一度に表示するべき文字数及び行数は、前もって設定してあるか、表示範囲拡縮要求手段405によって増減する数値である。また、原点902の設定において、自動的に画像の向きを判別してもよいし、あるいはユーザが明示的に向きを指定する手段を提供してもよい。
【0029】
一方、ステップS815の判断の結果、表示範囲移動手段402によって表示範囲の移動が要求された場合など、表示範囲の移動を行うと判断した場合、ステップS803が駆動される。次に、ステップS804において、要求された表示範囲の移動に従い、表示する範囲を移動する。この表示範囲は、現在表示している範囲1001と、表示範囲移動手段402によって指示された移動量と、ステップS602において求められた連結成分から求められる。即ち、図10に示すように、現在表示している範囲1001を、表示範囲移動手段402によって指示された移動量に相当する連結成分の占める領域分だけ移動した領域1002を表示範囲とする。
【0030】
一方、ステップS815の判断の結果、表示範囲拡縮要求手段405によって表示範囲の拡大や縮小が要求された場合など、表示範囲の拡縮を行うと判断した場合、ステップS805が駆動される。次に、ステップS806において、表示範囲の拡大や縮小を行う。この表示範囲の拡大や縮小は、ステップS602において求められた連結成分の大きさと、ディスプレイ401内に一度に表示するべき文字数及び行数に基づいて行われる。即ち、ディスプレイ401内に一度に表示するべき文字数及び行数を、要求された画像の拡大や縮小に従って増減させる。
【0031】
次に、図9に示す入力画像内の表示領域901内に原点902を設定する。この原点902から、1画面に表示するべき文字数及び行数に相当する連結成分が占める領域1001を、表示範囲とする。設定される原点902は、現在表示されている領域の中央もしくは四隅の一つである事が望ましい。
【0032】
一方、ステップS815の判断の結果、CPUがアイドル状態などであって表示範囲の移動の先読みが要求された場合など、表示範囲の移動の先読みを行うと判断した場合、ステップS807が駆動される。次に、ステップS808において、表示範囲や表示領域の移動の履歴から次の移動を推測し、その移動後の領域を選択する。あるいは、現在表示している範囲の近辺の領域を先読みする表示範囲とする。
【0033】
次に、ステップS809において、図11に示すような補正済み画像1102の集合である補正済画像履歴1101に、表示範囲1001の一部分もしくは全てが含まれていないかどうかを検索する。そして、補正済画像履歴1101と表示範囲1001との表示範囲差分1003のみを補正すべき範囲とする。また、表示範囲1001において補正済画像履歴1101に含まれる部分1103を求めておく。
【0034】
次に、ステップS810において、表示範囲差分1003の傾きや歪みを補正する。これは、ステップS604において求められた変換行列を、前記ステップS809で求めた表示範囲差分1003に適用する。これにより変換後の画像1104を得る。
【0035】
次に、ステップS811において、変換画像1104を補正済画像履歴1101に追加する。このとき、表示範囲差分1003と変換画像1104を対応付けて記録しておくことにより、ステップS809における検索を容易にする。また、記憶領域が限られていて変換画像1104の記録が不可能な場合などには、費用時範囲差分1003から最も遠い場所に存在する補正済み画像1102を削除する。
【0036】
次に、ステップS812において、表示範囲1001において補正済画像履歴1101に含まれる部分1103と、変換画像1104を結合する。次に、ステップS813において、得られた画像を、ディスプレイ401の解像度に合わせて拡大もしくは縮小し、出力画像1105を得る。
【0037】
次に、ステップS814において、出力画像1105をディスプレイ401に出力する。但し、ステップS807、すなわち表示範囲の移動の先読みが駆動されていた場合には、ディスプレイ401への出力は行うべきではない。
【0038】
以上説明した通り、本実施形態におけるデジタルカメラ201では、位置ずれを伴う撮影画像図3について、まず、ディスプレイ401内に表示する範囲1001の画像補正を行い出力画像1105のみを得る。これにより、画像全体を補正するよりも速くかつ少ない記憶領域で出力画像1105を得る。また、変換した画像や操作履歴を記録し、また、操作履歴に基づく先読みを行う事で、ユーザが表示範囲移動手段402や表示領域移動手段403を操作した場合にも速やかに応答する。
本実施形態における画像処理装置はデジタルカメラに限るものではなく、携帯電話、携帯情報端末、その他のデバイスであっても構わない。
【0039】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の箇所(図2〜4、17)いついては、説明を割愛する。
本実施例の形態を図5に示す。図5において、デジタルカメラ201と画像補正サーバー501はUSB、LAN、無線LAN、Bluetooth、インターネット、等の何らかの手段で通信可能である。
【0040】
画像補正サーバー501内部の処理手順のフローチャートを図12〜図13に示す。
また、デジタルカメラ201内部の処理手順のフローチャートを図14〜図16に示す。
【0041】
デジタルカメラ201において、撮像装置406が撮像結果203を得たとする。この時、図14のステップS1401が駆動される。次に、ステップS1402において、撮像結果203が画像補正サーバー501に送信される。
【0042】
画像補正サーバー501において、画像を受信すると、図12のステップS1201が駆動され、撮像結果203を得る。次に、ステップS1202において、入力画像について連結成分を検出する。この連結成分の導出法はステップS602と等しい。
【0043】
次に、ステップS1203において、入力画像について入力画像を領域分割する。この領域分割によって得られる領域の例を図9の901に示す。遠近歪みや傾きの存在する画像の領域分割法については例えば特許文献2に記載されている。
【0044】
次に、ステップS1204において、入力画像の傾きや歪みの補正の為の幾何変換行列を求める。傾きや歪みの補正の為の幾何変換行列の導出方法及び幾何変換行列の例については、例えば特許文献2や特許文献3に記載されている。
【0045】
次に、ステップS1205において、前記幾何変換行列の逆変換行列を求める。この行列は出力画像から入力画像への変換行列を示す。次に、ステップS1206において、画像入力終了と分割された領域に関する情報がデジタルカメラ201に送信される。
【0046】
次に図15において、ステップS1507で何を行うかを判断する。この判断の結果、デジタルカメラ201において、画像入力終了と、分割された領域に関する情報を受信する場合など、分割領域の受信を行うと判断した場合は、ステップS1501が駆動される。一方、ステップS1507の判断の結果、画像表示要求手段404によって画像の出力が要求される場合など、画像出力要求があると判断した場合は、ステップS1502が駆動される。
【0047】
次に、ステップS1503において、前記ステップS1203によって得られた領域の中から表示するべき領域を決定する。決定手法は任意である。次に、ステップS1504において、表示範囲の設定に遷移する。
【0048】
一方、ステップS1507の判断の結果、表示領域移動手段403によって、表示領域の移動が要求された場合など、表示領域の移動を行うと判断した場合、ステップS1505が駆動される。次に、ステップS1506において、要求された表示領域の移動に従い、表示する領域を移動する。次に、ステップS1504において、表示範囲の設定に遷移する。
【0049】
次に図16において、ステップS1617で何を行うかを判断し、この判断の結果、デジタルカメラ201において、前記ステップS1504によって表示範囲の設定に遷移した場合など、表示範囲の設定を行うと判断した場合、ステップS1601が駆動される。次に、ステップS1602において、表示範囲初期値決定要求が送信される。
【0050】
一方、ステップS1617の判断の結果、デジタルカメラ201において、表示範囲拡縮要求手段405によって表示範囲の拡大や縮小が要求された場合など、表示範囲の拡大や縮小を行うと判断した場合、ステップS1603が駆動される。次に、ステップS1604において、表示範囲拡縮要求が送信される。
【0051】
一方、ステップS1617の判断の結果、デジタルカメラ201において、表示範囲移動手段402によって表示範囲の移動が要求された場合など、表示範囲の移動を行うと判断した場合、ステップS1605が駆動される。次に、ステップS1608において、表示範囲移動要求と移動方向と移動量を送信する。
【0052】
一方、ステップS1617の判断の結果、デジタルカメラ201において、CPUがアイドル状態などであって表示範囲の移動の先読みが要求された場合など、表示範囲の移動の先読みを行うと判断した場合、ステップS1606が駆動される。次に、ステップS1607において、表示範囲や表示領域の移動の履歴から次の移動を推測する。
【0053】
次に、ステップS1608において、表示範囲移動要求と移動方向と移動量を送信する。
【0054】
次に、ステップS1609において、表示範囲を受信する。次に、ステップS1610において、補正済画像履歴から補正済み画像を探す。この検索方法と画像補正範囲導出方法は第1の実施形態のステップS809と等しい。次に、ステップS1611において、画像補正範囲と画像補正要求を画像補正サーバー501に送信する。
【0055】
次に、ステップS1612において、補正画像を受信する。次に、ステップS1613において、変換画像を補正済画像履歴に追加する。この追加方法は第1の実施形態のステップS811と等しい。
【0056】
次に、ステップS1614において、補正した画像と補正済み画像を結合する。この追加方法は第1の実施形態のステップS812と等しい。次に、ステップS1615において、得られた画像を出力画像に合わせて拡大もしくは縮小する。この拡大縮小方法は第1の実施形態のステップS813と等しい。
【0057】
次に、ステップS1616において、出力画像1105をディスプレイ401に出力する。但し、ステップS1606、すなわち表示範囲の移動の先読みが駆動されていた場合には、ディスプレイ401への出力は行うべきではない。
【0058】
次に図13において、ステップS1311で何を行うかを判断する。この判断の結果、画像補正サーバー501において、表示範囲初期値決定要求を受信した場合など、表示範囲初期値決定を行うと判断した場合、ステップS1301が駆動される。次に、ステップS1302において、表示範囲初期値を決定する。この表示範囲初期値の導出方法は第1の実施形態のステップS802と等しい。次に、ステップS1305において、表示範囲がデジタルカメラ201に送信される。
【0059】
一方、ステップS1311の判断の結果、画像補正サーバー501において、表示範囲移動要求と移動方向と移動量を受信した場合など、表示範囲の移動を行うと判断した場合、ステップS1303が駆動される。次に、ステップS1304において、受信した移動方向と移動量に従い、表示する範囲を移動する。この移動後の表示範囲の導出方法は第1の実施形態のステップS804と等しい。次に、ステップS1305において、表示範囲をデジタルカメラ201に送信する。
【0060】
一方、ステップS1311の判断の結果、画像補正サーバー501において、表示範囲拡縮要求を受信した場合など、表示範囲の拡縮を行うと判断した場合、ステップS1306が駆動される。次に、ステップS1307において、表示範囲の拡大や縮小を行う。この表示範囲の拡大や縮小は第1の実施形態のステップS806に等しい。次に、ステップS1305において、表示範囲をデジタルカメラ201に送信する。
【0061】
一方、ステップS1311の判断の結果、画像補正サーバー501において、画像補正範囲と画像補正要求を受信した場合など、画像の補正を行うと判断した場合、ステップS1308が駆動される。次に、ステップS1309において、範囲内の傾きや歪みを補正する。この補正方法は第1の実施形態のステップS810と等しい。次に、ステップS1310において、変換画像をデジタルカメラ201に送信する。
以上説明した通り、本実施形態におけるデジタルカメラ201では、位置ずれを伴う撮影画像図3について、ディスプレイ401内に表示する範囲1001の画像補正のみをまず行い出力画像1105のみ得る。これにより、画像全体を補正するよりも速くかつ少ない記憶領域で出力画像1105を得る。また、変換した画像や操作履歴を記録し、また、操作履歴に基づく先読みを行う事で、ユーザが表示範囲移動手段402や表示領域移動手段403を操作した場合にも速やかに応答する。
【0062】
また、Connected Component解析や画像補正などの処理はサーバー側で行っているので、デジタルカメラ201側には大きなメモリや早いCPU速度は要求されない。
【0063】
(本発明に係る他の実施形態)
前記実施形態における画像処理装置はデジタルカメラとサーバーの組み合わせに限るものではない。前述した本発明の実施形態における画像処理装置を構成する各手段、並びに画像処理方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0064】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0065】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0066】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0067】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0068】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
【0069】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0070】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0071】
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0072】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0073】
さらに、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】簡単な画像処理の一部について処理手順を示すフローチャートである。
【図2】撮像結果に歪みや傾きが発生する例を示す図である。
【図3】図2の状態で撮像した場合の撮像結果を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるデジタルカメラの外観を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるデジタルカメラと画像サーバーとを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるデジタルカメラ内部の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態におけるデジタルカメラ内部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態におけるデジタルカメラ内部の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態における領域分割によって得られる領域の例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態において、現在表示している範囲を移動した例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態において、補正済み画像の集合を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における画像補正サーバー内部の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態における画像補正サーバー内部の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態におけるデジタルカメラ内部の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態におけるデジタルカメラ内部の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態におけるデジタルカメラ内部の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第1の実施形態におけるデジタルカメラの内部構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
201 デジタルカメラ
202 被写体
203 撮像結果
1700 デジタルカメラ
1701 撮像部
1702 A/D変換器
1703 信号処理回路
1704 バス
1705 圧縮回路
1706 メモリ
1707 表示部
1709 バス
1710 操作部
1711 MPU
1712 記憶デバイス
1713 外部通信用のインターフェース
1714 伝送路
1715 外部情報機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像の歪みや傾きを補正し拡大または縮小して出力する画像処理方法であって、
画像を入力する入力工程と、
画像を出力する出力工程と、
前記出力工程において出力される画像のスクロールを指示する指示工程と、
前記入力工程において入力される画像について連結成分抽出を行う抽出工程と、
前記出力工程において出力される画像に相当する領域の連結成分の集合を求める第1の計算工程と
前記指示工程において指示されたスクロール量に相当する領域の連結成分の集合を求める第2の計算工程とを備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
前記請求項1に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項3】
入力画像の歪みや傾きを補正し拡大または縮小して出力する画像処理装置であって、
画像を入力する入力手段と、
画像を出力する出力手段と、
前記出力手段が出力する画像のスクロールを指示する指示手段と、
前記入力手段が入力する画像について連結成分抽出を行う抽出手段と、
前記出力手段が出力する画像に相当する領域の連結成分の集合を求める第1の計算手段と、
前記指示手段で指示されたスクロール量に相当する領域の連結成分の集合を求める第2の計算手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−109102(P2007−109102A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300785(P2005−300785)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】