画像処理装置、その画像処理装置におけるデータ処理方法およびプログラム
【課題】画像処理装置において、読み取られたファイルに対してセキュリティ機能を実行することにより、ユーザの工数を低減する画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像を読み取って生成された第1の電子ファイルを、セキュリティ機能を有する第2の電子ファイルに添付する。第1の電子ファイルが添付された第2の電子ファイルのセキュリティ機能を実行することにより、第1の電子ファイルに対してセキュリティ機能を実行する。
【解決手段】画像を読み取って生成された第1の電子ファイルを、セキュリティ機能を有する第2の電子ファイルに添付する。第1の電子ファイルが添付された第2の電子ファイルのセキュリティ機能を実行することにより、第1の電子ファイルに対してセキュリティ機能を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を読み取る画像処理装置、その画像処理装置におけるデータ処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばPDFにおけるファイル添付機能のように、電子ファイル内に他のフォーマットのファイルを添付して保持したり、その添付されたファイルを電子ファイルから取り出すことができる機能が知られている。添付操作は、電子ファイルに対応するアプリケーション上において実行され、その結果、複数のファイルを1つのファイルに纏めて操作を行うことが可能になる。また、そのような機能によって、電子ファイルにおいてのみ有効な機能を、添付された他のファーマットのファイルに対しても実行することができる。例えば、PDFファイルは、添付されたファイルに暗号化機能を実行することができる(非特許文献)。
【0003】
一方、画像処理装置において光学的に文書を読み取って電子ファイルを生成することが広く知られている。画像処理装置は、文書を読み取って様々なフォーマットのファイルを生成することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】PDF reference (Portable Document Format) Ver1.7(Adobe社)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、暗号化等の付加価値機能は、PDF等の特定の形式のファイル以外のファイルに対して適用することはできない。従って、そのような機能を特定の形式以外のファイルに適用するためには、PCなどで当該ファイルを特定のファイル形式に変換する必要があった。そのため、ファイルを変換するためのユーザの工数が増大してしまう。
【0006】
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。本発明は、上記の点に鑑み、画像処理装置において、読み取られたファイルに対してセキュリティ機能を実行することにより、ユーザの工数を低減する画像処理装置、その画像処理装置におけるデータ処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像処理装置は、画像を読み取る読取手段を備える画像処理装置であって、
前記読取手段により前記画像を読み取って第1の電子ファイルを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記第1の電子ファイルを、セキュリティ機能を有する第2の電子ファイルに添付する添付手段と、
前記添付手段により前記第1の電子ファイルが添付された前記第2の電子ファイルのセキュリティ機能を実行することにより、前記第1の電子ファイルに対して前記セキュリティ機能を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像処理装置において、読み取られたファイルに対してセキュリティ機能を実行することにより、ユーザの工数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】実施例1におけるデータ処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】ファイルフォーマット選択画面の一例を示す図である。
【図4】PDFフォーマットについての付加価値選択画面の一例を示す図である。
【図5】ZIPフォーマットについての付加価値選択画面の一例を示す図である。
【図6】ファイルフォーマットと実現可能な付加価値との対応を示すテーブルである。
【図7】添付処理後のファイル名を設定する画面の一例を示す図である。
【図8】実施例2におけるデータ処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本実施例における付加価値選択画面の一例を示す図である。
【図10】本実施例におけるファイルフォーマット選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0011】
〔実施例1〕
図1は、本発明に係る実施例における画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。画像処理装置1は例えばMFP(多機能周辺装置:Multi−function Peripheral)であり、通信部16及び通信回線2を介してネットワークに接続された他の装置と通信可能である。CPU11は、画像処理装置1内の各ブロックを制御する。RAM12は、CPU11のワークエリアとして用いられる。HDD13は、本実施例を実現するためのプログラムを提供し、また、様々な設定及びファイルを格納するハードディスクである。また、HDD13として、NVRAMが用いられても良い。ユーザコマンド入力部14は、ユーザがGUI(グラフィックユーザインタフェース)を介して行った設定を受け付ける。読取部15は、文書を光学的に読み取って電子データを生成する。図1に示す各ブロックは、メインバス18を介して相互に接続されている。尚、本実施例においては特に断らない限り、CPU11がメインバス18を介してRAM12、ハードディスク13、ユーザコマンド入力部14、読取部15、通信部16を制御して後述するフローチャートの各処理を実行する。画像処理装置1は、ネットワークを介してサーバ等の装置と接続されても良い。
【0012】
図2は、本実施例における画像処理装置1のデータ処理の手順を示すフローチャートである。図2に示す各処理は、例えば、画像処理装置1のCPU11により実行される。画像処理装置1の電源が投入されると、画像処理装置1の各部が起動し、CPU11は、画像処理装置1の各部を初期化する(S201)。CPU11は、ユーザからの処理要求の入力を待機する(S202)。処理要求が入力されると、CPU11は、その処理要求が読取部15が文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求であるか否かを判定する(S203)。ここで、文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求ではないと判定された場合には、その要求に対応する処理を行い、本処理を終了する(S204)。一方、文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求であると判定された場合には、読み取って生成する電子ファイルの生成条件(ファイル名、ファイルフォーマット、解像度等)を取得する(S205)。その生成条件は、例えば、ユーザが指定した読取設定から取得するようにしても良い。
【0013】
次に、CPU11は、読み取って生成された電子ファイルを他の電子ファイルに添付するか否かをユーザに選択させるための選択画面をユーザコマンド入力部14に表示する。図3は、その選択画面(第1の表示及び第2の表示の一例)を示す図である。図3に示すように、CPU11は、選択画面において、読み取って生成された電子ファイルを添付する先の電子ファイルのフォーマットをユーザに選択させることができる。ここで、ユーザは、添付する先の電子ファイルのフォーマットとして1つしか選択することができない。S206において、CPU11は、読み取って生成された電子ファイルを他の電子ファイルに添付する選択を受け付けたか否かを判定する。ここで、読み取って生成された電子ファイルを他の電子ファイルに添付する選択を受け付けなかった場合に、CPU11は、通常の読取処理を行い、本処理を終了する(S207)。
【0014】
S206において、読み取って生成された電子ファイルを他の電子ファイルに添付する選択を受け付けた場合に、CPU11は、選択された添付する先の電子ファイルのフォーマットをRAM12等に一旦記憶する(S208)。次に、CPU11は、選択された添付する先の電子ファイルのフォーマットに対応した付加価値機能選択画面をユーザコマンド入力部14に表示する(S209)。ここで、付加価値機能とは、電子ファイルに対して行うパスワード設定や暗号化等のセキュリティ機能をいう。図4は、その付加価値機能選択画面の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザは、複数の機能を選択することができる。
【0015】
付加価値機能選択画面でユーザが選択可能な項目は、図3に示す選択画面において受け付けたフォーマットによって異なる。例えば、図4は、図3に示す画面においてPDFが選択された場合に表示される選択画面である。また、図5は、図3に示す画面においてZIPが選択された場合に表示される選択画面である。図4及び図5は、第3の表示の一例である。本実施例において、添付する先の電子ファイルの各種フォーマットと、各フォーマットについて実行可能な付加価値機能とは、図6に示すようなテーブル形式で予め対応付けられてHDD13等に格納されている。CPU11は、図3においてユーザが選択したフォーマットに対応する実行可能な機能を図6に示すテーブルを参照して特定し、その特定された機能をユーザが選択可能に表示する。
【0016】
CPU11は、少なくとも1つの付加価値機能の選択を受け付けるまで待機し(S210)、受け付けた全ての付加価値機能をRAM12等に一旦記憶する(S211)。CPU11は、本添付処理後の電子ファイルに付与するファイル名を指定するための画面をユーザコマンド入力部14に表示し(S212)、ファイル名の入力を待機する(S213)。
【0017】
図7は、ファイル名を付与するための画面の一例を示す図である。本実施例においては、ユーザは、ファイル名の付与方法を複数から選択することができる。1つは、文書を光学的に読み取って生成された電子ファイル名と、図3において選択されたフォーマットに対応する拡張子とを組み合わせて付与する方法が選択可能である。例えば、生成された電子ファイル名が「1234.jpg」で且つPDFフォーマットが図3において選択された場合には、「1234.jpg.pdf」がファイル名として付与される。また、1つは、読み取って生成された電子ファイル名(拡張子も含む)の全て又は一部と、図3において選択されたフォーマットに対応する拡張子とを組み合わせて付与する方法や、さらに指定された文字列と組み合わせて付与する方法が選択可能である。例えば、生成された電子ファイル名が「1234.jpg」で且つPDFフォーマットが図3において選択された場合には、「1234.jpgが添付.pdf」がファイル名として付与される。また、1つは、読み取って生成された電子ファイル名を全て、指定された文字列に変換する方法が選択可能である。例えば、読み取って生成された電子ファイル名が「1234.jpg」で且つPDFフォーマットが図3において選択された場合には、「ABCD.pdf」がファイル名として付与される。CPU11は、以上のように付与された電子ファイル名をRAM12等に一旦記憶する(S214)。
【0018】
次に、CPU11は、読取部15により文書を読み取って画像データを生成し(S215)、その画像データからS205で指定された生成条件に従って、電子ファイル(第1の電子ファイルとする)を生成する(S216)。次に、CPU11は、S208で記憶されたフォーマットで且つ最小サイズの電子ファイル(第2の電子ファイルとする)を生成する(S217)。本実施例においては、例えば、印刷すべき画像データが何も含まれていないPDFフォーマットの電子ファイルである。本実施例において、S217で生成される電子ファイルは、S215及びS216で読み取られて生成された電子ファイルを添付するための台紙の役割を果たす。
【0019】
CPU11は、S215及びS216で読み取られて生成された電子ファイルを、S217で生成された電子ファイルに添付する(S218)。CPU11は、S218で生成された電子ファイルに対して、S214で記憶されたファイル名を付与する(S219)。次に、CPU11は、ファイル名が付与された電子ファイルに対して、S211で記憶された付加価値機能を付与する(S220)。付加価値機能は、PDFやZIP等の各フォーマット及び各付加価値機能ごとに従った方法で付与される。
【0020】
〔実施例2〕
図8は、本実施例における画像処理装置1のデータ処理の手順を示すフローチャートである。図8に示す各処理は、例えば、画像処理装置1のCPU11により実行される。図8に示すフローチャートは、S801〜S811において図2に示すフローチャートと異なる。S812〜S820はそれぞれ、図2に示すS212〜S220の各処理と同じである。
【0021】
画像処理装置1の電源が投入されると、画像処理装置1の各部が起動し、CPU11は、画像処理装置1の各部を初期化する(S801)。CPU11は、ユーザからの処理要求の入力を待機する(S802)。処理要求が入力されると、CPU11は、その処理要求が読取部15が文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求であるか否かを判定する(S803)。ここで、文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求ではないと判定された場合には、その要求に対応する処理を行い、本処理を終了する(S804)。一方、文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求であると判定された場合には、読み取って生成する電子ファイルの生成条件(ファイル名、ファイルフォーマット、解像度等)を取得する(S805)。その生成条件は、例えば、ユーザが指定した読取設定から取得するようにしても良い。
【0022】
次に、CPU11は、読み取って生成する電子ファイルに対して付加価値機能を付与するか否か、若しくは、どのような付加価値機能を付与するかを選択可能な画面をユーザコマンド入力部14に表示する。図9は、本実施例における付加価値機能選択画面(第4の表示の一例)を示す図である。図9に示すように、ユーザは、複数の付加価値機能を選択可能である。CPU11は、少なくとも1つの付加価値機能の選択を受け付けるまで待機し(S806)、ユーザの選択を受け付けると、選択された全ての付加価値機能をRAM12に一旦記憶する(S807)。
【0023】
S805で指定された生成条件により生成される(読み取って生成される)ファイルのフォーマットが、S807で記憶された付加価値機能をサポートしているか否かを判定する(S808)。S808においてCPU11は、図6に示すようなテーブルを参照して判定を行う。ここで、読み取って生成されるファイルのフォーマットがS807で記憶された付加価値機能をサポートしていると判定された場合に、CPU11は、読み取って生成されたファイルに対してその付加価値機能を実行する通常の処理を行う(S809)。
【0024】
読み取って生成されるファイルのフォーマットがS807で記憶された付加価値機能をサポートしていないと判定された場合、CPU11は、S807で記憶された付加価値機能をサポート可能なフォーマットをユーザコマンド入力部14に選択可能に表示する。図10は、本実施例におけるフォーマットの選択画面(第5の表示の一例)を示す図である。CPU11は、図6に示すようなテーブルを参照して、S807で記憶された付加価値機能をサポート可能なフォーマットを特定し、サポート不可能なフォーマットについてはグレー表示等によって選択不可能なように表示する。また、ユーザは、図10において1つのフォーマットしか選択できない。CPU11は、図10におけるユーザの選択を待機する(S810)。CPU11は、図10において選択されたフォーマットをRAM12に一旦記憶する。
【0025】
本実施例によって、読み取って生成された電子ファイルに対して、ユーザが所望する付加価値機能に対応したファイルフォーマットを簡単に選択することができる。
【0026】
実施例1及び2においては、読取部15で文書を読み取って生成された電子ファイルについて説明した。しかしながら、その他の方法により生成された電子ファイルに適用されても良い。例えば、画像処理装置の諸設定が記載された設定ファイルや、送信宛先一覧表等の宛先ファイル等に適用されても良い。また、画像処理装置にファイルサーバ機能が備えられている場合には、ファイルサーバ機能により格納されたファイルに適用されても良い。本実施例によって、様々な電子ファイルに対して、本来その電子ファイルのフォーマットには付与することができない様々な付加価値機能を付与することができる。
【0027】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を読み取る画像処理装置、その画像処理装置におけるデータ処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばPDFにおけるファイル添付機能のように、電子ファイル内に他のフォーマットのファイルを添付して保持したり、その添付されたファイルを電子ファイルから取り出すことができる機能が知られている。添付操作は、電子ファイルに対応するアプリケーション上において実行され、その結果、複数のファイルを1つのファイルに纏めて操作を行うことが可能になる。また、そのような機能によって、電子ファイルにおいてのみ有効な機能を、添付された他のファーマットのファイルに対しても実行することができる。例えば、PDFファイルは、添付されたファイルに暗号化機能を実行することができる(非特許文献)。
【0003】
一方、画像処理装置において光学的に文書を読み取って電子ファイルを生成することが広く知られている。画像処理装置は、文書を読み取って様々なフォーマットのファイルを生成することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】PDF reference (Portable Document Format) Ver1.7(Adobe社)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、暗号化等の付加価値機能は、PDF等の特定の形式のファイル以外のファイルに対して適用することはできない。従って、そのような機能を特定の形式以外のファイルに適用するためには、PCなどで当該ファイルを特定のファイル形式に変換する必要があった。そのため、ファイルを変換するためのユーザの工数が増大してしまう。
【0006】
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。本発明は、上記の点に鑑み、画像処理装置において、読み取られたファイルに対してセキュリティ機能を実行することにより、ユーザの工数を低減する画像処理装置、その画像処理装置におけるデータ処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像処理装置は、画像を読み取る読取手段を備える画像処理装置であって、
前記読取手段により前記画像を読み取って第1の電子ファイルを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記第1の電子ファイルを、セキュリティ機能を有する第2の電子ファイルに添付する添付手段と、
前記添付手段により前記第1の電子ファイルが添付された前記第2の電子ファイルのセキュリティ機能を実行することにより、前記第1の電子ファイルに対して前記セキュリティ機能を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像処理装置において、読み取られたファイルに対してセキュリティ機能を実行することにより、ユーザの工数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】実施例1におけるデータ処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】ファイルフォーマット選択画面の一例を示す図である。
【図4】PDFフォーマットについての付加価値選択画面の一例を示す図である。
【図5】ZIPフォーマットについての付加価値選択画面の一例を示す図である。
【図6】ファイルフォーマットと実現可能な付加価値との対応を示すテーブルである。
【図7】添付処理後のファイル名を設定する画面の一例を示す図である。
【図8】実施例2におけるデータ処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本実施例における付加価値選択画面の一例を示す図である。
【図10】本実施例におけるファイルフォーマット選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0011】
〔実施例1〕
図1は、本発明に係る実施例における画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。画像処理装置1は例えばMFP(多機能周辺装置:Multi−function Peripheral)であり、通信部16及び通信回線2を介してネットワークに接続された他の装置と通信可能である。CPU11は、画像処理装置1内の各ブロックを制御する。RAM12は、CPU11のワークエリアとして用いられる。HDD13は、本実施例を実現するためのプログラムを提供し、また、様々な設定及びファイルを格納するハードディスクである。また、HDD13として、NVRAMが用いられても良い。ユーザコマンド入力部14は、ユーザがGUI(グラフィックユーザインタフェース)を介して行った設定を受け付ける。読取部15は、文書を光学的に読み取って電子データを生成する。図1に示す各ブロックは、メインバス18を介して相互に接続されている。尚、本実施例においては特に断らない限り、CPU11がメインバス18を介してRAM12、ハードディスク13、ユーザコマンド入力部14、読取部15、通信部16を制御して後述するフローチャートの各処理を実行する。画像処理装置1は、ネットワークを介してサーバ等の装置と接続されても良い。
【0012】
図2は、本実施例における画像処理装置1のデータ処理の手順を示すフローチャートである。図2に示す各処理は、例えば、画像処理装置1のCPU11により実行される。画像処理装置1の電源が投入されると、画像処理装置1の各部が起動し、CPU11は、画像処理装置1の各部を初期化する(S201)。CPU11は、ユーザからの処理要求の入力を待機する(S202)。処理要求が入力されると、CPU11は、その処理要求が読取部15が文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求であるか否かを判定する(S203)。ここで、文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求ではないと判定された場合には、その要求に対応する処理を行い、本処理を終了する(S204)。一方、文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求であると判定された場合には、読み取って生成する電子ファイルの生成条件(ファイル名、ファイルフォーマット、解像度等)を取得する(S205)。その生成条件は、例えば、ユーザが指定した読取設定から取得するようにしても良い。
【0013】
次に、CPU11は、読み取って生成された電子ファイルを他の電子ファイルに添付するか否かをユーザに選択させるための選択画面をユーザコマンド入力部14に表示する。図3は、その選択画面(第1の表示及び第2の表示の一例)を示す図である。図3に示すように、CPU11は、選択画面において、読み取って生成された電子ファイルを添付する先の電子ファイルのフォーマットをユーザに選択させることができる。ここで、ユーザは、添付する先の電子ファイルのフォーマットとして1つしか選択することができない。S206において、CPU11は、読み取って生成された電子ファイルを他の電子ファイルに添付する選択を受け付けたか否かを判定する。ここで、読み取って生成された電子ファイルを他の電子ファイルに添付する選択を受け付けなかった場合に、CPU11は、通常の読取処理を行い、本処理を終了する(S207)。
【0014】
S206において、読み取って生成された電子ファイルを他の電子ファイルに添付する選択を受け付けた場合に、CPU11は、選択された添付する先の電子ファイルのフォーマットをRAM12等に一旦記憶する(S208)。次に、CPU11は、選択された添付する先の電子ファイルのフォーマットに対応した付加価値機能選択画面をユーザコマンド入力部14に表示する(S209)。ここで、付加価値機能とは、電子ファイルに対して行うパスワード設定や暗号化等のセキュリティ機能をいう。図4は、その付加価値機能選択画面の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザは、複数の機能を選択することができる。
【0015】
付加価値機能選択画面でユーザが選択可能な項目は、図3に示す選択画面において受け付けたフォーマットによって異なる。例えば、図4は、図3に示す画面においてPDFが選択された場合に表示される選択画面である。また、図5は、図3に示す画面においてZIPが選択された場合に表示される選択画面である。図4及び図5は、第3の表示の一例である。本実施例において、添付する先の電子ファイルの各種フォーマットと、各フォーマットについて実行可能な付加価値機能とは、図6に示すようなテーブル形式で予め対応付けられてHDD13等に格納されている。CPU11は、図3においてユーザが選択したフォーマットに対応する実行可能な機能を図6に示すテーブルを参照して特定し、その特定された機能をユーザが選択可能に表示する。
【0016】
CPU11は、少なくとも1つの付加価値機能の選択を受け付けるまで待機し(S210)、受け付けた全ての付加価値機能をRAM12等に一旦記憶する(S211)。CPU11は、本添付処理後の電子ファイルに付与するファイル名を指定するための画面をユーザコマンド入力部14に表示し(S212)、ファイル名の入力を待機する(S213)。
【0017】
図7は、ファイル名を付与するための画面の一例を示す図である。本実施例においては、ユーザは、ファイル名の付与方法を複数から選択することができる。1つは、文書を光学的に読み取って生成された電子ファイル名と、図3において選択されたフォーマットに対応する拡張子とを組み合わせて付与する方法が選択可能である。例えば、生成された電子ファイル名が「1234.jpg」で且つPDFフォーマットが図3において選択された場合には、「1234.jpg.pdf」がファイル名として付与される。また、1つは、読み取って生成された電子ファイル名(拡張子も含む)の全て又は一部と、図3において選択されたフォーマットに対応する拡張子とを組み合わせて付与する方法や、さらに指定された文字列と組み合わせて付与する方法が選択可能である。例えば、生成された電子ファイル名が「1234.jpg」で且つPDFフォーマットが図3において選択された場合には、「1234.jpgが添付.pdf」がファイル名として付与される。また、1つは、読み取って生成された電子ファイル名を全て、指定された文字列に変換する方法が選択可能である。例えば、読み取って生成された電子ファイル名が「1234.jpg」で且つPDFフォーマットが図3において選択された場合には、「ABCD.pdf」がファイル名として付与される。CPU11は、以上のように付与された電子ファイル名をRAM12等に一旦記憶する(S214)。
【0018】
次に、CPU11は、読取部15により文書を読み取って画像データを生成し(S215)、その画像データからS205で指定された生成条件に従って、電子ファイル(第1の電子ファイルとする)を生成する(S216)。次に、CPU11は、S208で記憶されたフォーマットで且つ最小サイズの電子ファイル(第2の電子ファイルとする)を生成する(S217)。本実施例においては、例えば、印刷すべき画像データが何も含まれていないPDFフォーマットの電子ファイルである。本実施例において、S217で生成される電子ファイルは、S215及びS216で読み取られて生成された電子ファイルを添付するための台紙の役割を果たす。
【0019】
CPU11は、S215及びS216で読み取られて生成された電子ファイルを、S217で生成された電子ファイルに添付する(S218)。CPU11は、S218で生成された電子ファイルに対して、S214で記憶されたファイル名を付与する(S219)。次に、CPU11は、ファイル名が付与された電子ファイルに対して、S211で記憶された付加価値機能を付与する(S220)。付加価値機能は、PDFやZIP等の各フォーマット及び各付加価値機能ごとに従った方法で付与される。
【0020】
〔実施例2〕
図8は、本実施例における画像処理装置1のデータ処理の手順を示すフローチャートである。図8に示す各処理は、例えば、画像処理装置1のCPU11により実行される。図8に示すフローチャートは、S801〜S811において図2に示すフローチャートと異なる。S812〜S820はそれぞれ、図2に示すS212〜S220の各処理と同じである。
【0021】
画像処理装置1の電源が投入されると、画像処理装置1の各部が起動し、CPU11は、画像処理装置1の各部を初期化する(S801)。CPU11は、ユーザからの処理要求の入力を待機する(S802)。処理要求が入力されると、CPU11は、その処理要求が読取部15が文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求であるか否かを判定する(S803)。ここで、文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求ではないと判定された場合には、その要求に対応する処理を行い、本処理を終了する(S804)。一方、文書を光学的に読み取って電子ファイルを生成するための要求であると判定された場合には、読み取って生成する電子ファイルの生成条件(ファイル名、ファイルフォーマット、解像度等)を取得する(S805)。その生成条件は、例えば、ユーザが指定した読取設定から取得するようにしても良い。
【0022】
次に、CPU11は、読み取って生成する電子ファイルに対して付加価値機能を付与するか否か、若しくは、どのような付加価値機能を付与するかを選択可能な画面をユーザコマンド入力部14に表示する。図9は、本実施例における付加価値機能選択画面(第4の表示の一例)を示す図である。図9に示すように、ユーザは、複数の付加価値機能を選択可能である。CPU11は、少なくとも1つの付加価値機能の選択を受け付けるまで待機し(S806)、ユーザの選択を受け付けると、選択された全ての付加価値機能をRAM12に一旦記憶する(S807)。
【0023】
S805で指定された生成条件により生成される(読み取って生成される)ファイルのフォーマットが、S807で記憶された付加価値機能をサポートしているか否かを判定する(S808)。S808においてCPU11は、図6に示すようなテーブルを参照して判定を行う。ここで、読み取って生成されるファイルのフォーマットがS807で記憶された付加価値機能をサポートしていると判定された場合に、CPU11は、読み取って生成されたファイルに対してその付加価値機能を実行する通常の処理を行う(S809)。
【0024】
読み取って生成されるファイルのフォーマットがS807で記憶された付加価値機能をサポートしていないと判定された場合、CPU11は、S807で記憶された付加価値機能をサポート可能なフォーマットをユーザコマンド入力部14に選択可能に表示する。図10は、本実施例におけるフォーマットの選択画面(第5の表示の一例)を示す図である。CPU11は、図6に示すようなテーブルを参照して、S807で記憶された付加価値機能をサポート可能なフォーマットを特定し、サポート不可能なフォーマットについてはグレー表示等によって選択不可能なように表示する。また、ユーザは、図10において1つのフォーマットしか選択できない。CPU11は、図10におけるユーザの選択を待機する(S810)。CPU11は、図10において選択されたフォーマットをRAM12に一旦記憶する。
【0025】
本実施例によって、読み取って生成された電子ファイルに対して、ユーザが所望する付加価値機能に対応したファイルフォーマットを簡単に選択することができる。
【0026】
実施例1及び2においては、読取部15で文書を読み取って生成された電子ファイルについて説明した。しかしながら、その他の方法により生成された電子ファイルに適用されても良い。例えば、画像処理装置の諸設定が記載された設定ファイルや、送信宛先一覧表等の宛先ファイル等に適用されても良い。また、画像処理装置にファイルサーバ機能が備えられている場合には、ファイルサーバ機能により格納されたファイルに適用されても良い。本実施例によって、様々な電子ファイルに対して、本来その電子ファイルのフォーマットには付与することができない様々な付加価値機能を付与することができる。
【0027】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を読み取る読取手段を備える画像処理装置であって、
前記読取手段により前記画像を読み取って第1の電子ファイルを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記第1の電子ファイルを、セキュリティ機能を有する第2の電子ファイルに添付する添付手段と、
前記添付手段により前記第1の電子ファイルが添付された前記第2の電子ファイルのセキュリティ機能を実行することにより、前記第1の電子ファイルに対して前記セキュリティ機能を実行する実行手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の電子ファイルを前記第2の電子ファイルに添付するか否かを選択可能に表示する第1の表示手段をさらに備え、
前記添付手段は、当該添付する旨の選択を受け付けた場合に、前記第1の電子ファイルを前記第2の電子ファイルに添付することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の電子ファイルのフォーマットと、当該フォーマットがサポート可能なセキュリティ機能とが対応付けられたテーブルをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2の電子ファイルの複数のフォーマットを選択可能に表示する第2の表示手段と、
前記テーブルを参照して、前記第2の表示手段により表示された前記複数のフォーマットから選択されたフォーマットがサポート可能な複数のセキュリティ機能を選択可能に表示する第3の表示手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数のセキュリティ機能を選択可能に表示する第4の表示手段と、
前記テーブルを参照して、前記第4の表示手段により表示された前記複数のセキュリティ機能から選択されたセキュリティ機能をサポート可能な前記第2の電子ファイルの複数のフォーマットを選択可能に表示する第5の表示手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像を読み取る読取手段を備える画像処理装置において実行されるデータ処理方法であって、
前記画像処理装置の生成手段が、前記読取手段により前記画像を読み取って第1の電子ファイルを生成する生成工程と、
前記画像処理装置の添付手段が、前記生成工程において生成された前記第1の電子ファイルを、セキュリティ機能を有する第2の電子ファイルに添付する添付工程と、
前記画像処理装置の実行手段が、前記添付工程において前記第1の電子ファイルが添付された前記第2の電子ファイルのセキュリティ機能を実行することにより、前記第1の電子ファイルに対して前記セキュリティ機能を実行する実行工程と
を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
画像を読み取る読取手段を備える画像処理装置であって、
前記読取手段により前記画像を読み取って第1の電子ファイルを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記第1の電子ファイルを、セキュリティ機能を有する第2の電子ファイルに添付する添付手段と、
前記添付手段により前記第1の電子ファイルが添付された前記第2の電子ファイルのセキュリティ機能を実行することにより、前記第1の電子ファイルに対して前記セキュリティ機能を実行する実行手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の電子ファイルを前記第2の電子ファイルに添付するか否かを選択可能に表示する第1の表示手段をさらに備え、
前記添付手段は、当該添付する旨の選択を受け付けた場合に、前記第1の電子ファイルを前記第2の電子ファイルに添付することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の電子ファイルのフォーマットと、当該フォーマットがサポート可能なセキュリティ機能とが対応付けられたテーブルをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2の電子ファイルの複数のフォーマットを選択可能に表示する第2の表示手段と、
前記テーブルを参照して、前記第2の表示手段により表示された前記複数のフォーマットから選択されたフォーマットがサポート可能な複数のセキュリティ機能を選択可能に表示する第3の表示手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数のセキュリティ機能を選択可能に表示する第4の表示手段と、
前記テーブルを参照して、前記第4の表示手段により表示された前記複数のセキュリティ機能から選択されたセキュリティ機能をサポート可能な前記第2の電子ファイルの複数のフォーマットを選択可能に表示する第5の表示手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像を読み取る読取手段を備える画像処理装置において実行されるデータ処理方法であって、
前記画像処理装置の生成手段が、前記読取手段により前記画像を読み取って第1の電子ファイルを生成する生成工程と、
前記画像処理装置の添付手段が、前記生成工程において生成された前記第1の電子ファイルを、セキュリティ機能を有する第2の電子ファイルに添付する添付工程と、
前記画像処理装置の実行手段が、前記添付工程において前記第1の電子ファイルが添付された前記第2の電子ファイルのセキュリティ機能を実行することにより、前記第1の電子ファイルに対して前記セキュリティ機能を実行する実行工程と
を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−26685(P2013−26685A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157122(P2011−157122)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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