説明

画像処理装置、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】 簡単な操作で、文書情報から指定されたオブジェクトがバランスよく配置されるテンプレートを作成することである。
【解決手段】 外部装置からユーザから指定されるオブジェクト情報を取得する(S301)。そして、オブジェクト情報に含まれる属性情報に従い、オブジェクト記憶部401に登録された対応するオブジェクトを検索する(S302〜S306)。そして、検索されたテンプレートレートの表示順序を決定する(S309)。そして、決定した表示順序に従い検索されたテンプレートを外部装置に送信する(S310)
ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書処理を行う画像処理装置及び情報処理装置における文書処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
文書管理システムでは、保存されたテンプレートを用いて文書作成を行えるように構成されている。
【0003】
この場合、ユーザは、保存されているテンプレートの中から所望のテンプレートを指定し、そこに写真やテキスト情報などを配置することで文書作成を行うことができる。
【0004】
また、テンプレートと、写真やテキスト情報などの既に保存済オブジェクトを使用して文書を作成するアプリケーションがある。この際、アプリケーションにおいては、テンプレート内の何れの枠にどの情報を配置するかを、ユーザにより個別に指定させる。そのため、ユーザは最終的な文書を作成するまでに多くの手間を必要としていた。
【0005】
特許文献1では、ユーザがテンプレートとしたい原稿(以下、テンプレート原稿)として、スキャンして得た画像データや、電子的に作成した文書データに対し、ブロック分割処理を施すことにより、テンプレートを作成することが記載されている。
【0006】
具体的には、分割されたブロックごとの“テキスト”や“表”や“図形”等の属性を取得し、ブロックとその属性をテンプレートとして保存することが記載されている。
【0007】
また、テンプレートを使用しての文書作成を行う別の従来例としては、特定の写真画像に最適なテンプレートを、多数のテンプレートの中から自動的に抽出することが特許文献2に記載されている。
【0008】
具体的には、日付情報をもとに、最適なテンプレートを検索すること記載されている。
【特許文献1】特開平11−203491号公報
【特許文献2】特開2006−155181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように構成された文書管理システムでは、できるだけ簡単に、利用しやすいテンプレートを作成することが望まれている。
【0010】
そのため、テンプレートを作成する際には、例えばスキャンして得た画像データや、電子的に作成した文書データからオブジェクトを挿入するためのオブジェクト枠を容易に抽出し、オブジェクト枠の手動調整はできるだけ避けるのが望ましい。ここで、オブジェクトとは、例えば、スキャンなどで得たデータから抽出された部分的な画像やテキスト情報に何らかの属性を付与したものを示す。後述する実施形態で用いるオブジェクトの登録に関しては、スキャン画像からの抽出に限らず、様々な手法による登録が適用できる。
【0011】
上記特許文献1に示すシステムでは、自動生成されるテンプレートが入力された原稿に依存し、体裁を改善する必要があるかもしれない。具体的には、原稿中のあるブロックに偶然小さな画像があり、余白があった場合などには、意図せず大きな余白を持つテンプレートが生成されることになる。
【0012】
さらに、テンプレートを利用する際にも、上記特許文献2以外に、ユーザの使いたいオブジェクトからテンプレートを抽出するなどのユーザビリティの高い機能も望まれる。
【0013】
また、ユーザの選択したオブジェクトを、“テキスト”や“表”や“図形”要の枠であるといった情報だけを用いるのではなく、より柔軟にテンプレート内のいずれかのオブジェクト枠に配置する機能も望まれる。
【0014】
従って本発明は、上記した課題、要望の少なくとも1つを満たす手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は以下に示す構成を備える。
【0016】
オブジェクトを配置することが可能なオブジェクト枠と固定情報とを含むテンプレートを処理する画像処理装置であって、文書情報の部分領域を含むオブジェクトを抽出する抽出手段と、前記文書情報に基づくテンプレートを作成する際に、前記抽出手段により抽出されたオブジェクトの何れかをオブジェクト枠として指定する指定手段と、前記指定手段によりオブジェクト枠として指定されたオブジェクトの属性情報と、前記指定手段によりオブジェクト枠として指定されなかった固定情報としてのオブジェクトとによりテンプレートを作成する作成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、抽出される文書情報の部分領域のうち、指定されるオブジェクト枠と指定されないオブジェクト枠とを含む柔軟なテンプレートを作成することができる。
【0018】
また、指定されたオブジェクトの属性情報に従い、当該オブジェクトを配置すべきオブジェクト枠をもつテンプレートを検索して、指定されたオブジェクトを配置した情報を出力できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
[システム構成]
図1は、本実施形態を示す文書管理システムの構成を説明する図である。本例は、ClientPC、複合機、Webアプリケーションサーバ20、文書管理サーバ40がネットワーク50を介して通信可能な文書情報を処理するシステムの例である。なお、ClientPC、複合機は、後述するCPU、ROM、RAMを含むハードウエア資源を備える。ClientPCは、所定のブラウザがインストールされて、文書管理サーバ40から提供されるユーザインタフェースを表示したり、表示されたインタフェースに入力された情報をWebアプリケーションサーバ20に送信したりする。
【0021】
図1において、10はClientPCで、ユーザAがブラウザを介してネットワーク50に接続されるWebアプリケーションサーバ20、文書管理サーバ40にアクセス可能に構成されている。ClientPC10は、Webアプリケーションを実行して、文書検索処理、編集を伴う文書処理を行う。Webアプリケーションサーバ20は、文書管理システムのWebアプリケーションをClientPC10、複合機30のブラウザに提供する。
【0022】
30は複合機(MFP:Multi Function Peripheral)で、ネットワーク50を介してWebアプリケーションサーバ20にアクセスする。具体的には、ユーザBが複合機30のUI(本実施形態では、内部的にはブラウザを使用してUIを表示していることとする)を介してWebアプリケーションサーバ20にアクセスする。
【0023】
文書管理サーバ40は、記憶装置に対して文書、オブジェクト、テンプレートを保存/管理する機能を有する。ここで、Webアプリケーションサーバ20、文書管理サーバ40は、別々に配置されている構成としているが、一つのPCにおいて構成されても構わない。
【0024】
また、ユーザAがClientPC10を操作する構成としているが、いずれかのサーバ、もしくは全て同じPCで操作しても構わない。更に、ユーザBが複合機30を操作する構成としているが、スキャナがClientPC10に接続されている構成であっても構わない。
【0025】
なお、本実施形態に係る文書管理システムは、ユーザAがブラウザを介してアクセスする構成、および、ユーザBが複合機のUIを介してアクセスする構成としている。
【0026】
しかし、図示しない専用のクライアントアプリケーションをClientPC10および複合機30に配置し、ユーザAおよびユーザBがそれを操作する構成であっても構わない。
【0027】
この場合、Webアプリケーションサーバ20ではなく、文書管理サーバ40と専用クライアントアプリケーションが通信する構成でも構わない。
【0028】
[ハードウエア構成]
図2Aは、本実施形態を示す文書管理システムを構成するハードウエア構成を説明するブロック図である。なお、図2Aは、ClientPC10、Webアプリケーションサーバ20、文書管理サーバ40のハードウエア構成に対応し、一般的な情報処理装置のハードウエアを備える。
【0029】
図2Aにおいて、CPU100は、ROM102のプログラム用ROMに記憶された、或いは外部メモリ109からRAM101にロードされたOSやアプリケーション等のプログラムを実行する。
【0030】
ここでOSとは、コンピュータ上で稼動するオペレーティングシステムの略語であり、以下オペレーティングシステムのことをOSと呼ぶ。後述する各フローチャートの処理は、このプログラムの実行により実現できる。
【0031】
RAM101は、CPU100の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ103は、キーボード107や図示しないポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ディスプレイコントローラ104は、各種ディスプレイ108の表示を制御する。ディスクコントローラ105は、各種データを記憶するハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)等の外部メモリ109におけるデータアクセスを制御する。
【0032】
NC106は、図1に示したネットワーク50に接続されて、ネットワーク50に接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【0033】
図2Bは、図1に示した複合機30の構成を示すブロック図である。
【0034】
図2Bにおいて、CPU601はROM602もしくはハードディスク(HDDD)605に記憶された複合機全体の制御を行うソフトウエアを実行し、システムバス606に接続する各デバイスを統括的に制御する。
【0035】
RAM603は、CPU601のワークエリア等として機能する。604はハードディスクコントローラ(HDC)で、HDD605を制御する。リーダI/F607及びプリンタI/F608は、それぞれリーダ部611及びプリンタ部612に接続され、これらデバイスを制御する。なお、HDD605には、Webアプリケーションサーバ20からWebアプリケーションと連携するためのブラウザがインストールされている。ここで、リーダ部611は画像読み取り手段として機能する。
【0036】
操作部I/F609は操作部613に接続され、操作部613への表示や、操作部613からのユーザ入力を制御する。613は操作部であり、操作のためのスイッチ及び表示部等より構成される。614はネットワークI/Fで、ネットワーク50を介してホストコンピュータとデータのやりとりをする。
【0037】
ここで、図中破線で囲まれた部分を全体制御部610と呼ぶことにする。全体制御部610は、複合機30に接続された各種装置及びインタフェースを制御すると共に、複合機30全体の動作を制御する部分である。
【0038】
リーダ部611は原稿の画像を読み取り、ユーザからの指示により、その原稿画像に応じた画像データを、プリンタ部612に出力する、或いは、デジタル複合機内部の記憶装置に保存する。更に、ネットワークI/F614を介してネットワーク50に接続されたホストコンピュータに画像データを送信することも可能である。ここで、ホストコンピュータは、ClientPC10やWebアプリケーションサーバ20、文書管理サーバ40が含まれる。
【0039】
プリンタ部612は、リーダ部611により読み取られた原稿や、デジタル複合機本体内のHDD605に格納された画像データを印刷する。さらに、ネットワーク50に接続されたホストコンピュータからの印刷ジョブを、ネットワークI/F部614を介して受信し、印刷する。
【0040】
ネットワークI/F部614は、ネットワーク50に接続され、全体制御部610が、ネットワーク50上の他の情報機器、例えば文書管理サーバ40やClientPC10と相互通信するために用いられる。
【0041】
操作部613は、ボタン及び表示装置、或いは、タッチパネル入力付き液晶表示画面、或いはその組み合わせにより、全体制御部610からのユーザへの情報表示や、ユーザの入力を全体制御部610へと通知する。なお、液晶表示画面には、後述するテンプレート作成時や、オブジェクト検索時にWebアプリケーションサーバ20から提供されるユーザインタフェースをブラウザにより表示する。
【0042】
上記にように構成された画像処理装置において、CPU601、ユーザが操作部613から指定するオブジェクトに対して、Webアプリケーションを実行して、リーダ部611から入力される文書の画像を読み取った画像データの部分領域をオブジェクト毎に抽出する処理を行う。この場合、ネットワーク50に接続されるClientPC10から受信する印刷データ(PDLデータ、PDFデータ等を含む)から部分領域をオブジェクト毎に抽出する処理を行う。
【0043】
ここで、CPU601は、指定されたオブジェクトが配置されているオブジェクト枠を残して、当該オブジェクト枠内のオブジェクトを取り出して文書編集用のテンプレートを作成する。その際、オブジェクト枠に属性情報を付し、Webアプリケーションサーバ20に転送して登録する。同時に、取り出したオブジェクトについても同様の属性情報を付して、Webアプリケーションサーバ20に転送して登録する。この際、CPU601は、ブラウザを介してWebアプリケーションを実行する。
【0044】
また、テンプレートを作成する際、CPU601は、後述するように、オブジェクト枠周辺の空白領域を認識して、オブジェクト枠サイズを調整する処理を自動的に行う。これにより、ユーザによるオブジェクト枠サイズの調整操作の負担が軽減される。
【0045】
[ソフトウエア構成]
図3は、本実施形態を示す文書管理システムのソフトウエア構成の一例を説明するブロック図である。なお、本例は、図1に示したWebアプリケーションサーバ20、及び、該文書管理サーバ40内のソフトウエア構成を示している。また、メイン制御部200は、本発明の実施形態に係る文書管理システムの全体を制御し、後述する各部に対する指示、管理を行う。さらに、各ソフトウエアは、図2Aに示したCPU100がRAM101にロードして実行することで各種のデータ処理が実現される。
【0046】
また、後述するオブジェクト記憶部401には、ClientPC10からのテンプレート検索のために用いるオブジェクトが所定の属性が対応付けられて記憶されている。同様に、テンプレート記憶部411には、ClientPC10からのオブジェクト検索のために用いるテンプレートが所定の属性が対応付けられて記憶されている。
【0047】
また、本実施形態では、図5、図6に示す手順に従い、作成されたテンプレートであって、ClientPC10から取得したテンプレート記憶部411に記憶される。
【0048】
図3において、データ送受信部201は、ClientPC10および複合機30において、ユーザがブラウザを介して出した命令を受け取り、メイン制御部200より指示を受けた結果を、ClientPC10および複合機30に応答する。
【0049】
セッション記憶部202は、ClientPC10および複合機30においてユーザがブラウザを介して本文書管理システムにアクセスしてから、同一ユーザからのアクセスであることを示すためのセッション情報を生成する。
【0050】
更に、ユーザが本文書管理システムへのアクセスを止める(ログアウト)、もしくは自動タイムアウトなどでセッションが切れるまでの間、繰り返し使用する各種情報をセッション情報と関連付けて保持する。
【0051】
WebUI生成部203は、メイン制御部200より指示を受け、状況に応じたHTML形式のWebUIを生成する。
【0052】
ここで、WebUI生成部203が生成するWebUIは、HTML形式だけに限定するものではなく、Java(登録商標)Scriptなどのスクリプト言語が埋まっていても構わない。
【0053】
次に、オブジェクト操作部400は、メイン制御部200からの指示に従い、オブジェクト記憶部401に保存されているオブジェクトの実体、及び特徴を含むオブジェクト属性の登録、保存、抽出、編集などの操作を行う。オブジェクトの登録は、画像処理部430を介して文書登録時または、テンプレート作成時に画像処理を用いてオブジェクトを抽出し、登録保存するものである。画像処理に関しては、ブロックセレクション、OCR等を想定しているが、画像内のオブジェクトを抽出できればどのような画像処理であっても構わない。
【0054】
オブジェクト検索部402は、メイン制御部200からの指示に従い、オブジェクトを検索するための方法を決定し、オブジェクト操作部400を介してオブジェクト記憶部401より検索結果を取得する。
【0055】
オブジェクト属性比較部403は、メイン制御部200からの指示に従い、ユーザが指定したオブジェクト属性(キーワード)と、オブジェクト記憶部401に保存されているオブジェクト属性との比較を行う。これによって、ユーザが文書を作成する際に所望するオブジェクトを検索することが可能となる。なお、オブジェクトの属性要素は、テキストに限らず、図7に示すようにオブジェクトの識別情報、タイプ(写真、テキスト、グラフなど)、位置、サイズが含まれる。
【0056】
次に、テンプレート操作部410は、メイン制御部200からの指示に従い、テンプレート記憶部411に保存されているテンプレートの実体、及び特徴を含むオブジェクト枠の属性の登録、保存、抽出、編集などの操作を行う。
【0057】
テンプレート検索部412は、メイン制御部200からの指示に従い、テンプレート記憶部411に記憶されたテンプレートを検索するための方法を決定する。また、テンプレート検索部412は、テンプレート操作部410を介してテンプレート記憶部411より検索結果を取得する。
【0058】
属性比較部413は、メイン制御部200からの指示に従い、ユーザが指定したオブジェクト属性と、テンプレート内オブジェクト枠との属性の比較を行う。
【0059】
テンプレート更新部414は、メイン制御部200からの指示に従い、テンプレート操作部410を介して、テンプレート属性の参照カウント(重み付け)値やオブジェクト枠属性の特徴値を変更する。また、その結果をメイン制御部200に返す。
【0060】
次に、文書操作部420は、メイン制御部200からの指示に従い、文書記憶部421に保存されている文書の実体、及びインデックスを含む文書の属性の登録、保存、抽出、編集などの操作を行う。文書検索部422は、メイン制御部200からの指示に従い、文書を検索するための方法を決定し、文書操作部420を介して文書記憶部421より検索結果を取得する。
【0061】
なお、ここでは、オブジェクト記憶部401、テンプレート記憶部411、文書記憶部421を独立した構成として図示しているが、同一の記憶部に記憶している構成であっても構わない。
【0062】
以下、第1実施形態に係る文書管理システムのデータ処理について具体的に説明する。
【0063】
[テンプレート作成処理]
図4は、本実施形態を示す文書管理システムにおけるテンプレート作成処理並びにその登録処理を説明する図である。
【0064】
図4に示すように、本実施形態では、2つのテンプレート作成処理を示す。なお、図4において、(1)〜(5)はテンプレート作成手順を示す。
【0065】
第1のテンプレート作成処理は、ユーザBが、複合機30のUIを介して本文書管理システムにアクセスし、複合機30でスキャンして得られた画像データからテンプレートを作成する。第2のテンプレート作成処理は、ClientPC10のユーザAが、ブラウザを介して表示されるテンプレート作成画面において、テンプレートとすべき文書を指定して、指定された文書からオブジェクトを抽出してテンプレートを作成する。なお、それぞれの方法で作成されたテンプレートは、文書管理サーバ40が備えるテンプレート記憶部411に保存される。
【0066】
また、文書のオブジェクトと内容情報を抽出する処理については、Webアプリケーションサーバ20と文書管理サーバ40とが連携して処理する構成であってもよい。
【0067】
さらに、複合機30でスキャンした原稿画像データに基づいてテンプレートを作成する場合には、複合機30は、画像処理で抽出されるオブジェクト枠(空のオブジェクト)に対して、スキャンした原稿にあったオブジェクトの内容情報を関連付けする処理を行う。
【0068】
図5は、本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図4に示した複合機30によるテンプレート作成およびテンプレート登録処理例である。なお、S100〜S106は各ステップを示す。各ステップは複合機30のCPU601がRAMにモジュールをロードして実行することで実現される。
【0069】
ユーザBが複合機30のUIを介してトップページの取得要求をWebアプリケーションサーバ20へ送信すると、Webアプリケーションサーバ20のメイン制御部200は、WebUI生成部203に依頼し、トップページの生成を行う。続いて、WebUI生成部203により生成されたトップページがデータ送受信部201を介して、複合機30にレスポンスとして送信される。
【0070】
まず、S100で、データ送受信部201を介して受信したトップページを複合機30のブラウザにより操作パネル上に表示する。このとき、複合機30のユーザBに対して、Webアプリケーションサーバ20を介して、ログイン処理を行っても構わない。ログイン処理に関しては公知の技術であるため、説明は省略する。
【0071】
次に、S101で、ユーザBがセットしたテンプレート原稿が複合機30のスキャナ部によりスキャンする。なお、テンプレート原稿に代えて、ClientPC10により電子文書データを取得する場合もある。
【0072】
次に、S102で、複合機30のCPU601は、スキャンされたテンプレート原稿データに含まれるオリジナルオブジェクトと、少なくともその特徴を含むオリジナルオブジェクトの属性を画像処理により抽出する。この画像処理はテンプレート原稿データをWebアプリケーションサーバ20へ送信し、Webアプリケーションサーバ20または文書管理サーバ40において、実行しても構わない。
【0073】
次に、S103において、S102により属性抽出したオリジナルオブジェクトを複合機30の操作パネル上でユーザに提示し、ユーザはテンプレートのオブジェクト枠として保存するオリジナルオブジェクトを指定する。これにより、テンプレートに対するオブジェクト枠が設定されることになる。この指定の方法は、オブジェクト枠にするオリジナルオブジェクトを指定してもよいし、オブジェクト枠にしないオリジナルオブジェクトを指定しても良い。
【0074】
ここで、オブジェクト枠にしないと指定されたオリジナルオブジェクトは、固定のオブジェクトが埋め込まれたオブジェクト枠とするため、オリジナルオブジェクトごとテンプレートとして保存しても構わない。よって、オブジェクト枠としないオリジナルオブジェクトは、作成されるテンプレートにおける固定情報となる。
【0075】
次に、S104において、複合機30のCPU601は、S103によりオブジェクト枠とするために指定されたオリジナルオブジェクトが1つ以上あるか否かを判断する。ここで、オブジェクト枠とするために指定されたオリジナルオブジェクトが1つ以上あると複合機30のCPU601が判断した場合は、S105へ進む。そして、S105で、複合機30のCPU601は、画像処理によりオブジェクト枠の自動調整を行い、最適なオブジェクト枠を決定する。
【0076】
次に、S106において、テンプレート情報として、テンプレート、テンプレートの属性情報、オブジェクト枠、オブジェクト枠の属性情報を、Webアプリケーションサーバ20へ送信して、本処理を終了する。
【0077】
なお、上記説明では、ユーザBが複合機30において、スキャンした画像からテンプレートを作成する例を説明した。しかしながら、ユーザAがClientPC10において、テンプレート原稿として電子文書を指定することでテンプレートを作成してテンプレート記憶部411に保存する構成としてもよい。
【0078】
これにより、抽出される文書情報の部分領域のうち、指定されるオブジェクト枠と指定されないオブジェクト枠とを含む柔軟なテンプレートを作成することができる。
【0079】
図6は、本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図4に示した複合機30によるテンプレート作成処理におけるS105の最適なオブジェクト枠の作成処理の詳細手順である。なお、S200〜S206は各ステップを示す。各ステップは複合機30のCPU601がRAMにモジュールをロードして実行することで実現される。
【0080】
S200において、複合機30のCPU601は、スキャンされたテンプレート原稿データにおいて、一定サイズ以上の空白部分(余白)があるか否かを判断する。例として、この空白部分の検知方法は、上下左右のある一定幅を確保した上で、空白部分をオブジェクトとして抽出された場合に、そのサイズが一定サイズ以上であるか否かで判断することとする。
【0081】
なお、“一定サイズ”の定義に関しては、文書管理システムが独自で保持している情報でも構わないし、UI等によりユーザが指定可能な情報でも構わない。
【0082】
S200において、一定サイズ以上の空白オブジェクトがあると複合機30のCPU601が判断した場合には、S201において、空白オブジェクトの中心点から一番近い、テンプレート原稿データから抽出したオリジナルオブジェクトを検知する。
【0083】
なお、一番近いオリジナルオブジェクトは複数あったとしても構わないし、単数であっても構わない。
【0084】
次に、S202において、S201により検知したオリジナルオブジェクトが複数あった場合に、オブジェクト枠を拡大するための優先度が設定されているか否かを複合機30のCPU601が判断する。ここで、設定情報としては、以下の設定情報1,2が適用可能である。
【0085】
設定情報1は、「オリジナルオブジェクトのタイプが10ポイントの文字が3行以上記載可能なテキストであれば拡張優先度が高い」である。ここで、テキストを条件とするのは、テキストが説明を記載する部分である可能性が高く、内容次第では長い説明になることがある、という特徴に基づくものである。
【0086】
設定情報2は、「オリジナルオブジェクトの中に電話番号という文字や記号が含まれていた場合に拡張優先度が低い」である。ここで、電話番号を拡張優先度が低いとするのは、電話番号は固定文字数なので拡張する必要がない、という特徴に基づくものである。
【0087】
なお、この設定情報1、2は、システムがあらかじめ保持していたり、システムが動的に判断したりする情報でも構わないし、UIを介してユーザが指定可能であっても構わない。
【0088】
上記S202において、優先度が設定されていると複合機30のCPU601が判断した場合には、S203において、優先度に従った割合で、空白オブジェクトの周辺で近いオブジェクト枠を余白領域内で拡張し、仮のオブジェクト枠に決定する。
【0089】
一方、S202において優先度が設定されていないと複合機30のCPU601が判断した場合には、S204で、一番近いと判断されたオブジェクト枠を平等な割合で拡張し、仮のオブジェクト枠に決定する。
【0090】
次に、S205において、S203〜S204において仮決定したオブジェクト枠を、複合機30の操作パネル上に表示する。ここで、複合機30の操作パネル上に表示されたオブジェクト枠をユーザが最終の確認を行う。
【0091】
ここで、ユーザが仮決定したオブジェクト枠が適切でない場合には、例えば一定以上のサイズ余白領域が存在する場合には、仮決定したオブジェクト枠の修正を複合機30の操作パネルより指示する。
【0092】
そして、S206で、ユーザが複合機30の操作パネルより指示した内容に従い、仮決定したオブジェクト枠を修正して、本処理を終了する。
【0093】
図5、6を用いて説明した処理により、ユーザがテンプレートを作成する際、オブジェクト枠の簡単な設定や原稿に余白があった場合でも自動的に余白を活用してオブジェクト枠を設定でき、テンプレート生成にかかるユーザの手間が減少する。
【0094】
図7は、図3に示したテンプレート記憶部411に保存されているテンプレートの属性情報を示す図である。本例は、最低限必要な情報であり、これ以外により多くの情報を保持していても構わない。
【0095】
図7において、テンプレートID701は、テンプレート記憶部411に保存するテンプレートに一意に割り当てられる識別情報である。参照カウンタ702は、テンプレートが採用された際に、カウントアップされるもので、そのテンプレートの使用された回数(人気ランキング)を示している。
【0096】
オブジェクト枠情報703は、テンプレート内のオブジェクト枠に関する情報で、オブジェクト枠数分備える。オブジェクト枠情報703の中には、テンプレート作成時のオリジナルオブジェクトの情報と、テンプレートを使用して文書が作成された際に各オブジェクト枠の情報に追加される特徴が含まれる。ここで、オブジェクトの位置情報、サイズ、タイプ、要約情報は属性情報の一例である。
【0097】
本実施形態では、オブジェクト枠情報703の中に、オリジナルオブジェクトの特徴704を備える。オリジナルオブジェクトの特徴704は、オブジェクトの内容を示す情報を指しており、具体的には、要約情報(意味ベクトルを含む)などを想定している。
【0098】
また、追加オブジェクトの特徴705、706に関しては、テンプレートが使用された回数分増加していくものであり、S106によるテンプレート情報保存処理によって更新される。
【0099】
また、S106によって保存されようとする情報が、既に保存された特徴であった場合、「重み付け情報」を更新することで、特徴がより強い方向を示すことになる。
【0100】
[自動検索されたテンプレートを用いた文書作成処理]
図1に示したユーザAが、ClientPC10のブラウザを介して本文書管理システムにアクセスし、オブジェクト記憶部401に保存されたオブジェクトから所望のオブジェクトを指定することによって、テンプレートを自動検索する。
【0101】
ここで、検索され、リストアップされたテンプレートにはユーザAが指定したオブジェクトが適切に配置された状態で表示され、ユーザAは所望のテンプレートを選択する。必要があればユーザAは文書を編集した後で本システムに登録することも可能である。
【0102】
図8は、本実施形態を示す文書管理システムにおけるオブジェクト処理を説明する図である。本例は、ClientPC10がWebアプリケーションサーバ20にログインして、ユーザAがブラウザを介して、オブジェクトを指定することによって自動検索されたテンプレートを使用して文書作成・登録を行う処理に対応する。ここで、(1)〜(10)は各処理を示す。
【0103】
図8において、処理(1)で、ユーザAがWebアプリケーションサーバ20にログインして、ユーザAがブラウザを介してオブジェクトを指定するキーワードを入力する。これを受けて、処理(2)で、Webアプリケーションサーバ20が文書管理サーバ40に記憶されるオブジェクト情報、テンプレートレート情報の中から、キーワードに対応するテンプレートリスト、オブジェクトリストを取得する。
【0104】
次に、処理(3)で、Webアプリケーションサーバ20より送信されるテンプレートリスト、オブジェクトリストをClientPC10が取得する。
【0105】
次に、処理(4)で、ClientPC10は、ユーザが指定したオブジェクトを配置したテンプレートリストをブラウザで表示する。
【0106】
次に、処理(5)で、ユーザがClientPC10の表示装置に表示されたテンプレートリストから文書編集に使用するテンプレートを指定する。次に、処理(6)で、指定されたテンプレートに関連付けられている文書編集アプリケーションが実行され、ClientPC10の表示装置に編集画面が表示される。
【0107】
そして、処理(7)で、編集された文書に対してユーザが文書保存指示を行うと、処理(8)で、ユーザが指定した文書がWebアプリケーションサーバ20に出力される。そして、処理(9)で、ClientPC10から取得する編集済みの指定された文書を文書管理サーバ40の文書記憶部421に保存する。そして、処理(10)で、Webアプリケーションサーバ20は、保存された文書に対応してテンプレート記憶部411に記憶されるテンプレートの情報を更新して、本処理を終了する。
【0108】
本処理は、ClientPC10のユーザAがオブジェクトリストから編集に使用するためにオブジェクトを指定する操作を行うだけで、オブジェクトが適切な場所に配置されて表示される。
【0109】
図9Aは、本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、Webアプリケーションサーバ20と文書管理サーバ40によるテンプレート検索処理時の、ユーザが指定したオブジェクトの属性と一致するオブジェクト枠の属性を持つテンプレートを検索する処理例である。なお、S301〜S310は各ステップを示す。また、各ステップは、Webアプリケーションサーバ20と文書管理サーバ40の各CPUが連携してモジュールを実行することで実現される。
【0110】
Webアプリケーションサーバ20は、S301で、ClientPC10からユーザにより指定されたオブジェクト情報を取得する。そして、Webアプリケーションサーバ20は、既にテンプレート記憶部411に保存されているテンプレートの中で、取得したユーザにより指定されたオブジェクトの個数との比較を行う。そして、Webアプリケーションサーバ20は、その比較結果から、テンプレート記憶部411に保存されている各テンプレートに設定されているオブジェクト枠の数が小さいテンプレートを、出力対象から外す。
【0111】
具体的には、S302で、テンプレートの持つオブジェクトの枠の数とユーザが指定したオブジェクト数以上のテンプレートが保存されているかどうかを判断する。ここで、ユーザが指定したオブジェクト数以上のテンプレートが保存されていないとテンプレート検索部が判断した場合は、S303へ進む。この場合、テンプレート記憶部411に保存されている全てのテンプレートが検索対象から外れてしまったとテンプレート検索部412が判断している。そこで、S303において、データ送受信部201はユーザにその旨を示すメッセージをClientPC10に送信して、S301へ戻る。なお、メッセージとして、オブジェクトに優先度を付けることをユーザに促し、このとき、ユーザにオブジェクトの指定し直しを促しても構わないし、エラーメッセージを表示することで本処理を終了しても構わない。
【0112】
一方、S302で、ユーザが指定したオブジェクト数以上のテンプレートが保存されているとテンプレート検索部412が判断した場合、S304へ進む。そして、S304で、テンプレート記憶部411に保存されていて、かつ、S302において検索対象から外されていないテンプレートの中で、まだ未チェックのテンプレートがあるか否かをテンプレート検索部412が判断する。ここで、未チェックのテンプレートがあるとテンプレート検索部412が判断した場合は、S305へ進む。
【0113】
そして、S305で、未チェックのテンプレートに対して、ユーザ指定のオブジェクトの中で未チェックのオブジェクトがあるか否かをテンプレート検索部412が判断する。ここで、未チェックのユーザ指定オブジェクトがあるとテンプレート検索部412が判断した場合には、S306へ進む。そして、S306で、チェック対象のテンプレート内に、ユーザ指定オブジェクトの属性と一致する属性を持つオブジェクト枠があるか否かをテンプレート検索部412が検索して、S304へ戻る。なお、検索処理の詳細については後述する。
【0114】
一方、S305で、未チェックのユーザ指定オブジェクトがないとテンプレート検索部412が判断した場合、S307へ進む。そして、S307で、チェック対象のテンプレートの属性情報のうち、ユーザ指定オブジェクト属性と一致する属性を持つオブジェクト枠の数を示す一致カウンタが1以上であるか否かをテンプレート検索部412が判断する。ここで、一致カウンタが1以上であるとテンプレート検索部412が判断した場合は、S308で、テンプレート検索部412がテンプレートヒットリストに検索対象テンプレートを追加して、S304へ戻る。このように、一致カウンタが1以上でないテンプレートをClientPC10に出力すべき対象から外すことができる。つまり、一致カウンタの値が設定されたしきい値以下のテンプレートを出力すべきテンプレート候補から外すことができる。
【0115】
一方、S304において、全ての検索対象テンプレートがチェック完了していると判断した場合、S309へ進み、ユーザに示すためのテンプレートの表示順を決定する処理をテンプレート検索部412が行う。そして、S310で、データ送受信部201が決定された表示順に従う推奨テンプレートをClientPC10に出力して、本処理を終了する。
【0116】
以下、図9Bを参照して、図9Aに示すWebアプリケーションサーバ20と通信するClientPC10側のテンプレート検索、テンプレート表示処理について説明する。本実施形態は、ユーザがオブジェクト記憶部401に記憶されるオブジェクトのためのキーワード等を入力して、テンプレート記憶部411に記憶されるテンプレートを検索する処理例である。本処理は、ClientPC10がWebアプリケーションサーバ20に接続した後に実行される。
【0117】
図9Bは、本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、ClientPC10がWebアプリケーションサーバ20と通信してテンプレート検索および検索されたテンプレートに基づく文書編集処理例である。なお、S331〜S341は各ステップを示す。また、各ステップは、ClientPC10のCPU100がモジュールをRAM101にロードして実行することで実現される。
【0118】
S331で、ClientPC10はブラウザを介して、Webアプリケーションサーバ20にログインする。なお、ログインの手法は公知であるので、詳細は説明しない。
【0119】
そして、S332で、ClientPC10はブラウザを介してWebアプリケーションサーバ20から提供されるテンプレート検索画面を表示装置に表示する。ここで、ユーザAがClientPC10のブラウザを介してオブジェクト記憶部401に保存されているオブジェクトを検索するため、所望のオブジェクトを指定する。なお、指定処理としては、オブジェクトの属性に含まれるキーワードを検索キーとしてユーザが指定することによって検索を行っても良いし、オブジェクトリストを表示し、その中からユーザが目視で所望のオブジェクトを指定しても構わない。
【0120】
そして、S333で、ユーザの操作に基づいて、ブラウザ上に検索キーが入力されているかどうかをClientPC10のCPU100が判断する。ここで、検索キーが入力されていると判断した場合は、S334で、ClientPC10は入力された検索キーをWebアプリケーションサーバ20に送信する。
【0121】
そして、S335で、Webアプリケーションサーバ20から受信した内容が、メッセージであるのかテンプレートであるかをClientPC10のCPUが判断する。ここで、受信した内容がエラーを示すメッセージであると判断した場合は、S336へ進み、ブラウザ上で該当するテンプレートがない旨を示すメッセージを表示して、S332へ戻る。
【0122】
ここで、エラーメッセージを表示する際、指定したオブジェクトに優先度を設定することをユーザに促して、ユーザが優先度をブラウザ上で指定した場合には、テンプレート検索処理を再開する。
【0123】
一方、S335で受信した内容がテンプレートであるとClientPC10のCPUが判断した場合は、S337で、ClientPC10は、文書管理サーバ40で検索された推奨テンプレートをブラウザにより表示する。具体的には、S309で決定された推奨テンプレートリストの表示順序に従って、ユーザが指定したオブジェクトを、適切に配置したテンプレートを推奨テンプレートとして表示する。なお、ユーザが指定したオブジェクトを適切に配置する処理は、後述するS405で記憶する、チェック対象テンプレート内オブジェクト枠と、ユーザ指定のオブジェクトの関連性を基に行う。
【0124】
次に、S338で、ユーザが文書編集に使用するテンプレートを選択して、文書編集処理を行う。具体的には、ユーザは表示されたテンプレートを選択し、そのテンプレートを使用した文書の編集を行う。文書の編集は、テンプレートに関連付けられたアプリケーションを使用して行うが、この処理は公知の技術なので説明は省略する。
【0125】
そして、S339で、編集された文書を保存する指示がなれているかどうかをClientPC10のCPU100が判断する。ここで、保存指示がなされているとClientPC10のCPUが判断した場合は、S340で、編集した文書に対する保存指示をWebアプリケーションサーバ20に送信する。具体的には、選択されたテンプレートの情報と共に保存すべき文書をWebアプリケーションサーバ20に送信し、属性情報更新と文書保存の指示を行う。
【0126】
ここで、属性情報の更新指示とは、具体的には、属性情報の参照カウンタの値を1つカウントアップし、また、オブジェクト枠に配置されたユーザ指定オブジェクトの属性情報をオブジェクト枠の属性情報として追加する。また、重複する属性情報がオブジェクト枠に追加される場合には、情報の重み付けとして扱っても構わない。
【0127】
また、文書保存指示は、ClientPC10からWebアプリケーションサーバ20へ文書送信および、保存指示が行われる。Webアプリケーションサーバ20では、メイン制御部200の指示により、文書管理サーバ40の文書操作部420を介して、文書記憶部421へ受信した文書が保存される。そして、S341でログオフして、本処理を終了する。
【0128】
図10は、本実施形態を示す文書管理システムにおけるテンプレート検索時の保持情報の一例を示す図である。本例は、テンプレート検索部412により保持される。この例は、最低限必要な情報のみを示し、この他により多くの情報を保持する構成としても構わない。
【0129】
図10において、推奨テンプレート候補の最大数1051は、ユーザに表示するテンプレート候補はいくつまで可能かを示す情報であり、文書管理システムが内部で保持していてもよいし、ユーザが指定可能でも構わない。
【0130】
テンプレートヒットリスト1052は、ユーザが指定したオブジェクトがもつ属性情報と、一致する属性情報を持つオブジェクト枠が存在するテンプレートのリストであり、そのリストのテンプレートの個数と、各テンプレートの情報も保持している。
【0131】
各テンプレートの情報としては、テンプレートID1053、一致カウンタ1054、オブジェクト関連性情報1055が上げられる。
【0132】
ここで、一致カウンタ1054は、チェック対象テンプレートの属性情報のうち、ユーザ指定オブジェクトの属性と一致する属性を持つオブジェクト枠が何個あったかを示す値である。本実施形態では、図11に示すS404で設定され、図13に示すS307と図12に示すS503で参照される。
【0133】
オブジェクト関連性情報1055は、チェック対象テンプレート内オブジェクト枠と、ユーザ指定のオブジェクトの関連性を記録するための情報で、本実施形態では、図11に示すS405で設定され、図13に示すS310で参照される。
【0134】
図11は、本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図9Aに示すS306の詳細処理であって、チェック対象のテンプレート内に、ユーザ指定オブジェクトの属性と一致する属性を持つオブジェクト枠があるか否かを検索する処理の例である。なお、S400〜S405は各ステップを示す。また、各ステップは、文書管理サーバ40のCPU100がモジュールをRAMにロードして実行することで実現される。
【0135】
S400で、テンプレート検索部412は、ユーザ指定オブジェクトから未チェックのオブジェクトの、特徴情報を含むオブジェクト属性情報を取得する。このときのオブジェクトは、後述するS305で判断を行っているオブジェクト1つが対象である。次に、S401において、図9Aに示したS304で判断されたチェック対象のテンプレートが持つ全オブジェクト枠の、特徴情報を含むオブジェクト枠属性情報をそれぞれ取得する。
【0136】
次に、S402において、チェック対象テンプレート内のオブジェクト枠で未チェックのオブジェクト枠があるか否かをテンプレート検索部412が判断する。ここで、チェック対象テンプレート内のオブジェクト枠で未チェックのオブジェクト枠があるとテンプレート検索部412が判断した場合は、S403に進む。そして、S403で、チェック対象テンプレート内のオブジェクト枠で未チェックのオブジェクト枠がないとテンプレート検索部412が判断した場合は、本処理を終了する。
【0137】
そして、S403で、チェック対象テンプレート内のオブジェクト枠属性情報は、該S400において取得したユーザ指定オブジェクトの属性情報と一致するかをテンプレート検索部12が判断する。ここで、ユーザ指定オブジェクトの属性情報と一致するとテンプレート検索部412が判断した場合は、S404において、チェック対象テンプレートの属性情報の一致カウンタをテンプレート検索部412がカウントアップする。
【0138】
そして、S405において、テンプレート検索部412は、チェック対象テンプレート内オブジェクト枠と、ユーザ指定のオブジェクトの関連性をテンプレート記憶部411に記録して、S402へ戻る。
【0139】
この処理を行うことによって、ユーザが指定したオブジェクトの属性情報と一致する属性情報を持つオブジェクト枠をいくつ含んでいるテンプレートなのかの情報を得ることができ、推奨テンプレートのリストアップが可能となる。
【0140】
図12は、本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図9Aに示すS309の詳細処理であって、ユーザに示すためのテンプレートの表示順を決定する処理例である。なお、S500〜S512は各ステップを示す。また、各ステップは、文書管理サーバ40のCPU100がモジュールをRAMにロードして実行することで実現される。
【0141】
S500において、テンプレート検索部412は、図9Aに示したS300からS308までに作成したテンプレートヒットリストの情報を取得する。次に、S501において、S500で取得したテンプレートヒットリストが空か否かをテンプレート検索部412が判断する。ここで、テンプレートヒットリストが空ではないとテンプレート検索部412が判断した場合、S502において、テンプレート検索部412は、テンプレートヒットリストに含まれるテンプレートの属性情報から、参照カウンタの値が大きい順に並べ替えを行う。
【0142】
次に、S503において、テンプレート検索部412は、テンプレートヒットリストの中で、一致カウンタの値が最大のテンプレートを取得し、S504において、テンプレート検索部412は、推奨テンプレートリストに追加する。
【0143】
次に、S505において、ユーザによる優先度の指定があるか否かをテンプレート検索部412が判断する。ここで、優先度がないとテンプレート検索部412が判断した場合には、本処理を終了する。
【0144】
一方、S505で、ユーザによる優先度の指定があるとテンプレート検索部412が判断した場合は、S506で、テンプレート検索部412は優先度が高いユーザ指定オブジェクトを含むテンプレートを、テンプレートヒットリストから取得する。そして、S507で、取得したテンプレートを推奨テンプレートリストに追加する。
【0145】
次に、S508で、優先度が「中」のユーザ指定オブジェクトを含むテンプレートを、テンプレートヒットリストからテンプレート検索部412が取得し、S509で、テンプレート検索部412が取得したテンプレートを推奨テンプレートリストに追加する。
【0146】
次に、S510で、テンプレート検索部412が、優先度が「低」のユーザ指定オブジェクトを含むテンプレートを、テンプレートヒットリストから取得し、S511へ進む。そして、S511で、テンプレート検索部412が取得したテンプレートを推奨テンプレートリストに追加して、本処理を終了する。
【0147】
一方、S501で、テンプレートヒットリストが空であるとテンプレート検索部412が判断した場合には、S512へ進む。そして、S512において、テンプレート検索部412は、テンプレート記憶部411に保存されているテンプレートで、参照カウンタが最大の値であるテンプレートを推奨テンプレートリストに追加して、本処理を終了する。なお、S501において、テンプレートヒットリストが空であると判断した場合には、エラーメッセージを表示して、本処理を終了しても構わない。
【0148】
本処理では、S504、S507、S509、S511の順で推奨テンプレートリストに先頭から該当するテンプレートを追加していく。
【0149】
これにより、ユーザが所望するテンプレートを先頭に表示することが可能となる。なお、本実施形態は、表示順を決定する実装例であり、本実施形態に示した優先度の処理を実装しない構成としてもよい。
【0150】
[ユーザインタフェース(UI)の例]
図13は、本実施形態を示す文書管理システムにおける、オブジェクトを指定することによって、自動検索されたテンプレートを使用した文書作成時のUIの一例を示す図である。
【0151】
本例は、ユーザは、図1に示したClientPC10のブラウザを介して本文書管理システムにアクセスする。そして、図13の(A)に示すように、オブジェクト記憶部401に保存されたオブジェクトから所望のオブジェクトを検索するためのキーワードを入力するユーザインタフェースをブラウザにより表示する。ここで、ユーザは検索キーワードを入力せずに、オブジェクト記憶部401に保存された全てのオブジェクトを図13の(B)に示すように一覧を表示させ、自分で所望のオブジェクトを指定しても構わない。この場合には、次のステップとして図13の(C)の処理を行う。
【0152】
図13の(B)において、本文書管理システムはオブジェクト記憶部401に保存されたオブジェクトから検索キーワードに該当するオブジェクトを検索し、ブラウザにより検索されたオブジェクトの一覧を表示する。
【0153】
そして、図13の(C)において、ユーザは表示されたオブジェクトの一覧の中から、ポインティングデバイスを操作して所望のオブジェクトを指定する。
【0154】
文書管理システムは、内部的に、図13の(C)において、ユーザが指定したオブジェクトの数以上のオブジェクト枠を持つテンプレートの有無を確認する。ここで、指定したオブジェクトの数以上のオブジェクト枠を持つテンプレートが有るとテンプレート検索部412が判断した場合には、以下の処理を行う。具体的には、図13の(D)に示すように、最適なテンプレートをテンプレート記憶部411の中から検索し、かつ、最適なオブジェクトを配置した状態でユーザに提示する。
【0155】
一方、指定したオブジェクトの数以上のオブジェクト枠を持つテンプレートが無いとテンプレート検索部412が判断した場合には、図13の(E)に示すように、警告メッセージを表示した後、ユーザにオブジェクトの優先度を設定するよう促す。
【0156】
なお、図13の(C)において、ユーザが指定したオブジェクトの数以上のオブジェクト枠を持つテンプレートの有無を確認した結果が無であると判断した場合、図13の(F)のように優先度が高いオブジェクトのみを検索対象のオブジェクトとしてもよい。
【0157】
この場合、図13の(G)に示すように優先度が高いオブジェクトに対してのみ、最適なテンプレートを検索し、かつ、最適なオブジェクト配置をした状態でユーザに提示する。
【0158】
ユーザは、図13の(D)又は図13の(G)のように提示されたテンプレートの中から使用するテンプレートを選択する。
【0159】
文書管理システムでは、図13の(D)又は図13の(G)に示すテンプレートの中から選択されたテンプレートに関連付けられているアプリケーションを起動する。これにより、図13の(H)に示すように、ユーザが文書編集を可能にする。なお、アプリケーションは特に限定する必要はなく、ブラウザであっても構わない。
【0160】
本実施形態によれば、オブジェクト形式のみで判断するのではなく、そのオブジェクトのもつ内容・意味を基準に判断されるので、オブジェクト形式が一致するが、写真として異なるオブジェクトが配置されてしまうような検索結果が生じなくなる。具体的には、上記図13に示すオブジェクト枠には、例えばコンサート会場として属性がテキストと関連付けられているため、コンサートというテキストで属性が関連付けられているコンサート会場の写真を自動的に検索して配置できる。このように、ユーザは、オブジェクトを指定することによって、オブジェクトの属性を用いて自動的に検索されたテンプレートを用いて文書作成および文書編集処理を行うことが可能となる。つまり、指定されたオブジェクトの属性情報に従い、当該オブジェクトを配置すべきオブジェクト枠をもつテンプレートを検索して、指定されたオブジェクトを配置した情報を出力することが可能となる。
【0161】
〔第2実施形態〕
上記実施形態では、ユーザがオブジェクトを指定することによって、自動的に検索されたテンプレートを用いて文書作成および文書編集処理を行う場合について説明した。
【0162】
これに対して、ユーザがテンプレートとオブジェクトを指定することによって、テンプレートに最適なオブジェクト配置を行うように構成してもよい。以下、その実施形態の概要について説明する。
【0163】
ユーザAが、ClientPC10のブラウザを介して本文書管理システムにアクセスし、テンプレート記憶部411に保存されたテンプレートから所望のテンプレートを検索するためキーワード等を指定する。指定されたキーワードに基づいて検索したテンプレートの中から所望のテンプレートをユーザAが選択する。
【0164】
そして、オブジェクト検索部402は、指定されたキーワードなどを用いてオブジェクトの情報をオブジェクト記憶部401から検索する。その後、ユーザAは検索されたオブジェクトの中から所望のオブジェクトを選択する。
【0165】
そして、選択されたテンプレートに、選択されたオブジェクトが適切に配置された状態で表示される。ここで、必要があればユーザAは文書を編集した後で本システムに登録することで、新たな文書編集時に再利用が可能なテンプレートとして登録することが可能となる。
【0166】
図14Aは、本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、Webアプリケーションサーバ20による文書検索処理例である。具体的には、Webアプリケーションサーバ20と文書管理サーバ40が連携して、ユーザが指定するテンプレートとオブジェクトとによって、指定されたテンプレートを解析して最適なオブジェクトを配置する処理例である。なお、S601〜S605は各ステップを示す。また、各ステップは、文書管理サーバ40のCPU100がモジュールをRAM111にロードして実行することで実現される。
【0167】
ここで、ClientPC10側では、ユーザがClientPC10のブラウザを介して該テンプレート記憶部411に保存されているテンプレートを検索し、所望のテンプレートを指定する。この検索手段としては、テンプレートの属性に含まれるキーワードを検索キ−としてユーザが指定することによって検索を行っても良いし、テンプレートリストを表示し、その中からユーザが目視で所望のテンプレートを指定しても構わない。また、オブジェクト検索処理の前に、本文書管理システムにユーザがログインする処理を実施しても構わない。ログイン処理は、公知の技術であるため、説明は省略する。
【0168】
まず、S601において、ユーザがClientPC10から指定したテンプレートの情報を取得する。
【0169】
次に、S602において、ユーザがClientPC10から指定した所望のオブジェクトの情報を取得する。そして、S603において、ユーザが指定したオブジェクトの情報の中にユーザ指定のオブジェクトの中で未チェックのものがあるかどうかをオブジェクト検索部402が判断する。ここで、ユーザ指定のオブジェクトの中で未チェックのものがあるとオブジェクト検索部402が判断した場合は、S604へ進む。そして、S604で、ユーザがS602で取得したオブジェクトが配置されるべきオブジェクト枠を検索する処理が行われる。具体的には前述した図11で説明した処理と同様の処理を行うことになる。その後、S603へ戻る。
【0170】
一方、S603で、ユーザが指定したオブジェクトの情報の中にユーザ指定のオブジェクトの中で未チェックのものがないと判断した場合は、S605へ進む。そして、S605で、指定されたオブジェクトが配置されたテンプレートをClientPC10に送信して、本処理を終了する。
【0171】
図14Bは、本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、ClientPC10がWebアプリケーションサーバ20と通信して、指定したオブジェクトが配置されているテンプレートを取得して、文書編集処理を行う例である。なお、S351〜S361は各ステップを
S351で、ClientPC10はブラウザを介して、Webアプリケーションサーバ20にログインする。なお、ログインの手法は公知であるので、詳細は説明しない。
【0172】
そして、S352で、ClientPC10はブラウザを介してWebアプリケーションサーバ20から提供されるテンプレート検索画面を表示装置に表示する。ここで、ユーザAがClientPC10のブラウザを介してオブジェクト記憶部401に保存されているオブジェクト、テンプレートを検索するため、所望のオブジェクトとテンプレートとを指定する。なお、指定処理としては、オブジェクトの属性に含まれるキーワードを検索キーとしてユーザが指定することによって検索を行っても良いし、オブジェクトリストを表示し、その中からユーザが目視で所望のオブジェクトを指定しても構わない。
【0173】
そして、S353で、ユーザの操作に基づいて、ブラウザ上に表示されるオブジェクトとテンプレートに対する検索キーが入力されているかどうかをClientPC10のCPU100が判断する。ここで、オブジェクトとテンプレートに対する検索キーが入力されているとClientPC10のCPU100が判断した場合は、S354へ進む。そして、S354で、ClientPC10は入力されたオブジェクトとテンプレートに対する検索キーをWebアプリケーションサーバ20に送信する。
【0174】
そして、S355で、Webアプリケーションサーバ20から受信した内容が、メッセージであるのかテンプレートであるかをClientPC10のCPU100が判断する。ここで、受信した内容がエラーを示すメッセージであると判断した場合は、S356へ進み、ブラウザ上で該当するテンプレートがない旨を示すメッセージを表示して、S352へ戻る。
【0175】
一方、S355で受信した内容がテンプレートであるとClientPC10のCPU100が判断した場合は、S357へ進む。そして、S357で、ClientPC10は、文書管理サーバ40で検索され、かつオブジェクトが配置されているテンプレートをブラウザにより表示する。ここでは、S604において関連付けられているテンプレートのオブジェクト枠にオブジェクトを配置された情報を受信し表示することで実現することになる。
【0176】
次に、S358で、ユーザからの編集要求に従い、表示されているテンプレートを使用して文書編集処理を行う。
【0177】
そして、S359で、編集された文書を保存する指示がなれているかどうかをClientPC10のCPU100が判断する。ここで、保存指示がなされているとClientPC10のCPU100が判断した場合は、S360で、編集した文書に対する保存指示をWebアプリケーションサーバ20に送信する。そして、S361でログオフして、本処理を終了する。なお、Webアプリケーションサーバ20は、編集した文書に対する保存指示をClientPC10から受信したら、文書操作部420が編集された文書をClientPC10から受信する。そして、文書操作部420がClientPC10から受信した文書を図3に示した文書記憶部421に記憶する。
【0178】
これにより、ClientPC10からのテンプレート検索キーに従い、Webアプリケーションサーバ20は、指定されたオブジェクトが配置されたテンプレートをClientPC10に転送することができる。したがって、ユーザ所望のテンプレート、オブジェクトがある場合に適する配置が自動で行われ、操作負担が軽減される。
【0179】
以下、図15、図16、図17に示すメモリマップを参照して本発明に係る情報処理装置、文書管理装置、画像処理装置を含む文書管理システムで読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0180】
図15は、本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0181】
図16は、本発明に係る文書管理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0182】
図17は、本発明に係る画像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0183】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報、作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0184】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0185】
本実施形態における機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0186】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0187】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0188】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0189】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0190】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0191】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0192】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0193】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0194】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0195】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0196】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】本実施形態を示す文書管理システムの構成を説明する図である。
【図2A】本実施形態を示す文書管理システムを構成する各PCのハードウエア構成を説明するブロック図である。
【図2B】図1に示した複合機30の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態を示す文書管理システムのソフトウエア構成の一例を説明するブロック図である。
【図4】本実施形態を示す文書管理システムにおけるテンプレート作成処理状態を説明する図である。
【図5】本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図3に示したテンプレート記憶部に保存されているテンプレートの属性情報を示す図である。
【図8】本実施形態を示す文書管理システムにおけるオブジェクト処理を説明する図である。
【図9A】本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9B】本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態を示す文書管理システムにおけるテンプレート検索時の保持情報の一例を示す図である。
【図11】本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態を示す文書管理システムにおけるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図14A】本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14B】本実施形態を示す文書管理システムにおけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【図16】本発明に係る文書管理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【図17】本発明に係る画像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0198】
10 ClientPC
20 Webアプリケーションサーバ
30 複合機
40 文書管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトを配置することが可能なオブジェクト枠と固定情報とを含むテンプレートを処理する画像処理装置であって、
文書情報の部分領域を含むオブジェクトを抽出する抽出手段と、
前記文書情報に基づくテンプレートを作成する際に、前記抽出手段により抽出されたオブジェクトの何れかをオブジェクト枠として指定する指定手段と、
前記指定手段によりオブジェクト枠として指定されたオブジェクトの属性情報と、前記指定手段によりオブジェクト枠として指定されなかった固定情報としてのオブジェクトとによりテンプレートを作成する作成手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記文書情報は、前記画像処理装置の備える画像読み取り手段により読み取られた画像データであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記作成手段により作成されたテンプレートと、抽出されたオブジェクトを記憶装置に保存する保存手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記作成手段は、テンプレートにおけるオブジェクト枠のサイズを、前記文書情報における当該オブジェクト枠の周辺に存在する空白領域に基づいて調整することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記属性情報とは、前記指定手段により指定されたオブジェクトの位置情報、サイズ、タイプ、及び要約情報を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
オブジェクトを配置することが可能なオブジェクト枠と固定情報とを含むテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段からテンプレートを検索する情報処理装置であって、
複数のオブジェクトを記憶するオブジェクト記憶手段に記憶されているいずれかのオブジェクトを指定する指定手段と、
前記指定手段により指定されたオブジェクトの属性情報に従い、当該オブジェクトを配置すべきオブジェクト枠をもつテンプレートを、前記テンプレート記憶手段から検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたテンプレートに、前記指定手段により指定されたオブジェクトを配置した情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記指定手段は複数のオブジェクトを指定可能であり、
前記検索手段は、前記指定手段により指定された複数のオブジェクトを配置すべき複数のオブジェクト枠をもつテンプレートを検索することを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記検索手段により複数のテンプレートが検索された際には、前記指定手段により指定されたオブジェクトを配置した前記検索された複数のテンプレートを、ユーザにより比較できるように情報を出力することを特徴とする請求項6または7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記オブジェクト枠は属性情報を有し、前記属性情報は当該オブジェクト枠に配置されたことのあるオブジェクトの位置情報、サイズ、タイプ、及び要約情報を含み、
前記検索手段は、前記指定手段により指定されたオブジェクトの属性情報と、オブジェクト枠の属性情報との比較に基づきテンプレートの検索を行うことを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
オブジェクトを配置することが可能なオブジェクト枠と固定情報とを含むテンプレートを処理する画像処理装置における情報処理方法であって、
文書情報の部分領域を含むオブジェクトを抽出する抽出ステップと、
前記文書情報に基づくテンプレートを作成する際に、前記抽出ステップにより抽出されたオブジェクトの何れかをオブジェクト枠として指定する指定ステップと、
前記指定ステップによりオブジェクト枠として指定されたオブジェクトの属性情報と、前記指定ステップによりオブジェクト枠として指定されなかった固定情報としてのオブジェクトとによりテンプレートを作成する作成ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
前記文書情報は、前記画像処理装置の備える画像読み取り手段により読み取られた画像データであることを特徴とする請求項10記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記作成ステップにより作成されたテンプレートと、抽出されたオブジェクトを記憶装置に保存する保存ステップを備えることを特徴とする請求項10または11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記作成ステップは、テンプレートにおけるオブジェクト枠のサイズを、前記文書情報における当該オブジェクト枠の周辺に存在する空白領域に基づいて調整することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記属性情報とは、前記指定ステップにより指定されたオブジェクトの位置情報、サイズ、タイプ、及び要約情報を含むことを特徴とする請求項10乃至13の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
オブジェクトを配置することが可能なオブジェクト枠と固定情報とを含むテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段からテンプレートを検索する情報処理装置における情報処理方法であって、
複数のオブジェクトを記憶するオブジェクト記憶手段に記憶されているいずれかのオブジェクトを指定する指定ステップと、
前記指定ステップにより指定されたオブジェクトの属性情報に従い、当該オブジェクトを配置すべきオブジェクト枠をもつテンプレートを、前記テンプレート記憶手段から検索する検索ステップと、
前記検索ステップにより検索されたテンプレートに、前記指定ステップにより指定されたオブジェクトを配置した情報を出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
前記指定ステップは複数のオブジェクトを指定可能であり、
前記検索ステップは、前記指定ステップにより指定された複数のオブジェクトを配置すべき複数のオブジェクト枠をもつテンプレートを検索することを特徴とする請求項15記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記出力ステップは、前記検索ステップにより複数のテンプレートが検索された際には、前記指定ステップにより指定されたオブジェクトを配置した前記検索された複数のテンプレートを、ユーザにより比較できるように情報を出力することを特徴とする請求項15または16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記オブジェクト枠は属性情報を有し、前記属性情報は当該オブジェクト枠に配置されたことのあるオブジェクトの位置情報、サイズ、タイプ、及び要約情報を含み、
前記検索ステップは、前記指定ステップにより指定されたオブジェクトの属性情報と、オブジェクト枠の属性情報との比較に基づきテンプレートの検索を行うことを特徴とする請求項15乃至17の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項19】
請求項10乃至18のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−44544(P2010−44544A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207612(P2008−207612)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】