説明

画像処理装置、画像処理システム、ファクシミリ送信方法、およびプログラム

【課題】受信機が有する能力と同一、または最も近い能力を有する送信機を選択することができる画像処理装置、画像処理システム、ファクシミリ送信方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】ファクシミリ通信機能を備えた複数の送信機200の通信能力と、送信機200とファクシミリ通信する相手機300の通信能力とを取得する第1取得部103と、複数の送信機200の中から、相手機300の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する送信機200を選択する選択部104と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム、ファクシミリ送信方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、FAX装置、プリンタ装置、MFP(Multi Function Peripheral)等の画像処理装置がネットワークに複数接続されている環境において、画像データの出力処理を受け付けた機器が自機で行うことができない処理を他機に実行を依頼可能な画像処理システムが既に知られている。
【0003】
例えば、FAX送信機能を有さない機器がFAX送信の処理を受け付けた際、FAX送信の処理を受け付けた機器は接続可能な他の画像処理装置にFAX送信機能を有するか否かを問い合わせ、FAX送信機能を有する旨の応答を受信した場合に当該他の画像処理装置にFAX送信を依頼する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1の方法では、ネットワークにFAX送信機能を有する機器が複数接続されている場合、ユーザ、またはFAX送信の処理を受け付けた機器が複数の機器の中から任意に1の機器を選択し、選択した機器にFAX送信機能の有無を問い合わせることとなる。
【0005】
選択されたFAX送信側の機器(以下、送信機という。)は、実際に画像データを受信側の機器(以下、受信機という。)にFAX送信する前に、受信機と機器の能力交換を行い、送信条件を決定してから実際の画像データを送信する(以下、ネゴシエーションという。)。ここで、送信条件は、送信機と受信機がともに有する能力に決定される。
【0006】
しかし、他機と連携してFAX送信を実現する場合、ユーザの選択した送信機の能力が常に受信機の能力を最大に活かす能力を有していないケースもある。例えば、ユーザは受信機が有する圧縮能力のうち最も高い能力と同じ能力を有する機器を選択可能な場合であっても、ユーザがネットワークに接続された全ての機器の能力を把握できないことから、当該機器を送信機として選択できない事態が生じる。そして、ユーザにより受信機が有する圧縮能力よりも低い圧縮能力しか有さない機器を送信機として選択された結果、送信条件は送信機が有する低い圧縮能力に決定されてしまう。具体的には、受信機が画像の圧縮方式を高効率圧縮方式の一つであるJBIG方式と、これより圧縮率の低いMMR方式とを有しており、送信機がMMR方式しか有さないような場合は、受信機と送信機に共通のMMR方式に決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、システムに接続された複数の機器の中から送信機を任意に選択するため、接続可能な全ての機器を比較した上で最適な送信機を選択することができず、常に受信機が有する能力と同一、または最も近い能力を有する送信機を選択することができるとは限らない。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、受信機が有する能力と同一、または最も近い能力を有する送信機を選択することができる画像処理装置、画像処理システム、ファクシミリ送信方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像処理装置は、ファクシミリ通信機能を備えた複数の送信機とネットワークで接続された画像処理装置であって、前記送信機の通信能力と、前記送信機とファクシミリ通信する相手機の通信能力とを取得する第1取得部と、前記複数の送信機の中から、前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する送信機を選択する選択部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる画像処理システムは、第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置とを備えた画像処理システムであって、前記第1の画像処理装置は、ファクシミリ送信する指示を付け付ける受付部と、ファクシミリ送信の対象となる画像データを読み取る読取部と、ファクシミリ送信先となる相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得部と、前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択部と、選択された前記送信機に読み取られた前記画像データを前記相手機にファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信部と、を備え、前記第2の画像処理装置は、前記第1の画像処理装置から前記要求を受信するファクシミリ送信要求受信部と、前記要求を受信した場合に前記相手機に前記画像データをファクシミリ送信する画像データ送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる画像処理システムは、第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置と、サーバとを備えた画像処理システムであって、前記第2の画像処理装置は、前記相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得部と、前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択部と、選択された前記送信機を識別する送信機識別情報と、前記相手機を識別する相手機識別情報とを前記サーバに送信する相手機識別情報送信部と、を備え、前記サーバは、前記第2の画像処理装置から受信した前記送信機識別情報と前記相手機識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、を備え、前記第1の画像処理装置は、ファクシミリ送信対象となる画像データとファクシミリ送信先となる前記相手機識別情報とを含むファクシミリ送信指示を受け付ける受付部と、前記サーバに前記相手機識別情報とともに前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を取得する要求を送信する送信機識別情報要求送信部と、前記サーバから前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を受信する第2受信部と、取得された前記送信機識別情報により識別される前記送信機に前記画像データをファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかるファクシミリ送信方法は、ファクシミリ通信機能を備えた複数の送信機とネットワークで接続された画像処理装置で実行されるファクシミリ送信方法であって、前記送信機の通信能力と、前記送信機とファクシミリ通信する相手機の通信能力とを取得する第1取得ステップと、前記複数の送信機の中から、前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する送信機を選択する選択ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかるファクシミリ送信方法は、第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置とを備えた画像処理システムで実行されるファクシミリ送信方法であって、前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信する指示を付け付ける受付ステップと、前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信の対象となる画像データを読み取る読取ステップと、前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信先となる相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得ステップと、前記第1の画像処理装置が、前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択ステップと、前記第1の画像処理装置が、選択された前記送信機に読み取られた前記画像データを前記相手機にファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信ステップと、前記第2の画像処理装置が、前記第1の画像処理装置から前記要求を受信するファクシミリ送信要求受信ステップと、前記第2の画像処理装置が、前記要求を受信した場合に前記相手機に前記画像データをファクシミリ送信する画像データ送信ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかるファクシミリ送信方法は、第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置と、サーバとを備えた画像処理システムで実行されるファクシミリ送信方法であって、前記第2の画像処理装置が、前記相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得ステップと、前記第2の画像処理装置が、前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択ステップと、前記第2の画像処理装置が、選択された前記送信機を識別する送信機識別情報と、前記相手機を識別する相手機識別情報とを前記サーバに送信する相手機識別情報送信ステップと、前記サーバは、記憶部を備え、前記第2の画像処理装置から受信した前記送信機識別情報と前記相手機識別情報とを対応付けて前記記憶部に保存する保存ステップと、前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信対象となる画像データとファクシミリ送信先となる前記相手機識別情報とを含むファクシミリ送信指示を受け付ける受付ステップと、前記第1の画像処理装置が、前記サーバに前記相手機識別情報とともに前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を取得する要求を送信する送信機識別情報要求送信ステップと、前記第1の画像処理装置が、前記サーバから前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を受信する第2受信ステップと、前記第1の画像処理装置が、取得された前記送信機識別情報により識別される前記送信機に前記画像データをファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを、ファクシミリ通信機能を備えた複数の送信機の通信能力と、前記送信機とファクシミリ通信する相手機の通信能力とを取得する第1取得ステップと、前記複数の送信機の中から、前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する送信機を選択する選択ステップ、として機能させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかるプログラムは、第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置とにネットワークで接続されたコンピュータを、前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信する指示を付け付ける受付ステップと、前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信の対象となる画像データを読み取る読取ステップと、前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信先となる相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得ステップと、前記第1の画像処理装置が、前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択ステップと、前記第1の画像処理装置が、選択された前記送信機に読み取られた前記画像データを前記相手機にファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信ステップと、前記第2の画像処理装置が、前記第1の画像処理装置から前記要求を受信するファクシミリ送信要求受信ステップと、前記第2の画像処理装置が、前記要求を受信した場合に前記相手機に前記画像データをファクシミリ送信する画像データ送信ステップ、として機能させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかるプログラムは、第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置と、サーバとにネットワークで接続されたコンピュータを、前記第2の画像処理装置が、前記相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得ステップと、前記第2の画像処理装置が、前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択ステップと、前記第2の画像処理装置が、選択された前記送信機を識別する送信機識別情報と、前記相手機を識別する相手機識別情報とを前記サーバに送信する相手機識別情報送信ステップと、前記サーバは、記憶部を備え、前記第2の画像処理装置から受信した前記送信機識別情報と前記相手機識別情報とを対応付けて前記記憶部に保存する保存ステップと、前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信対象となる画像データとファクシミリ送信先となる前記相手機識別情報とを含むファクシミリ送信指示を受け付ける受付ステップと、前記第1の画像処理装置が、前記サーバに前記相手機識別情報とともに前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を取得する要求を送信する送信機識別情報要求送信ステップと、前記第1の画像処理装置が、前記サーバから前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を受信する第2受信ステップと、前記第1の画像処理装置が、取得された前記送信機識別情報により識別される前記送信機に前記画像データをファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信ステップ、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、受信機の能力に合わせた最適な送信機を選択することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる画像処理システムの全体構成および機能を示すブロック図である。
【図2】図2は、送信機としてのスレーブ機によるネゴシエーションの手順を示すシーケンス図である。
【図3】図3は、受信機が送信機からネゴシエーション結果を受信する具体例を示す図である。
【図4】図4は、スレーブ機による相手機の通信能力取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、相手機の通信能力と相手機のFAX番号とを対応付けたテーブルの一例を示す図である。
【図6】図6は、マスタ機による送信機選択処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、スレーブ機が画像処理システムに複数接続されている場合のマスタ機による送信機選択処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、優先度テーブルの一例を示す図である。
【図9−1】図9−1は、スレーブ機の通信能力を示す図である。
【図9−2】図9−2は、スレーブ機の通信能力を示す図である。
【図9−3】図9−3は、相手機の通信能力を示す図である。
【図10】図10は、入力値が設定されている場合のマスタ機による送信機選択処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、ユーザによる入力値の一例を示す図である。
【図12−1】図12−1は、スレーブ機の通信能力の一例を示す図である。
【図12−2】図12−2は、スレーブ機の通信能力の一例を示す図である。
【図12−3】図12−3は、相手機の通信能力の一例を示す図である。
【図13】図13は、スレーブ機による相手機の通信能力の更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、スレーブ機による通信能力取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、他の例にかかるスレーブ機による通信能力取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】図16は、実施の形態2にかかる画像処理システムの全体構成および機能を示すブロック図である。
【図17】図17は、スレーブ機による送信機選択処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】図18は、マスタ機による送信機へのFAX送信要求処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】図19は、スレーブ機による送信機選択処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】図20は、マスタ機による送信機へのFAX送信要求処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】図21は、本実施の形態にかかる画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理システム、ファクシミリ送信方法、およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる画像処理システムの全体構成および機能を示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1の画像処理システムでは、FAX送信指示を受け付ける画像処理装置(以下、マスタ機という。)100と、FAX送信機またはFAX受信機となる画像処理装置(以下、スレーブ機という。)200aおよび200b(以下、特に明示する場合を除きスレーブ機200と総称する。)とがLAN(Local Area Network)等のネットワーク150により接続されている。また、スレーブ機200bは、FAX通信の相手機となる画像処理装置(以下、相手機という。)300とWAN(Wide Area Network)等の外部接続可能なネットワーク160と接続される。なお、図1では2台のスレーブ機200を図示しているが、スレーブ機200の台数はこれに限定されない。また、マスタ機100はFAX送信指示を受け付ける機器であればよく、スレーブ機200および相手機300はFAX通信機能を備えた機器であればよい。
【0022】
まず、マスタ機100の詳細について説明する。図1に示すように、マスタ機100は、入力制御部101と、読取部102と、第1取得部103と、選択部104と、判断部105と、更新部106と、出力部107と、通信部109と、記憶部110とを主に備える。
【0023】
入力制御部101は、操作表示部(不図示)からユーザによる各種情報の入力を受け付ける。例えば、入力制御部101は、FAX送信の相手機のFAX番号の入力や、FAX送信の対象となる原稿の読み取り開始の指示や、読み取られた原稿の画像データをFAX送信開始の指示を受け付ける受付部としての機能を有する。
【0024】
また、入力制御部101は、ユーザから選択部104によりスレーブ機として選択される機器が有する通信能力を構成する項目の値(以下、入力値という。)の入力を受け付ける入力受付部としての機能を有する。
【0025】
読取部102は、入力制御部101による原稿の読み取り開始の指示の受け付けにより、FAX送信の対象となる原稿から画像データを読み取る。
【0026】
第1取得部103は、入力制御部101によりFAX送信開始の指示を受け付けると、FAX送信の宛先番号により識別される相手機の通信能力を取得する。ここで、通信能力とは、FAX通信の通信能力のことであり、通信能力は複数の項目で構成される。例えば、通信能力を構成する項目には、伝送モード、圧縮方式、伝送速度、ミリ系/インチ系線密度、記録長/幅、スムージング等があり、通信能力とはこれらの項目の具体的な値のことである。相手機300の通信能力は、相手機300との通信履歴を有するスレーブ機200の記憶部210が記憶していてもよい。この場合、記憶部210は、スレーブ機200により相手機300から通信能力が取得されるたびに、相手機300のFAX番号と相手機300と通信したスレーブ機200の機器IDを対応付けて記憶部210に保存しておく。第1取得部103は、相手機300のFAX番号と対応付けられた機器IDにより識別されるスレーブ機200から相手機300の通信能力を取得する。
【0027】
また、他の例として、相手機300の通信能力は画像処理システムに接続された全てのスレーブ機200の記憶部210それぞれに記憶されていてもよい。この場合、第1取得部103は、いずれかのスレーブ機200から相手機300の通信能力を取得する。なお、全てのスレーブ機200は、相手機300とFAX通信したスレーブ機200から相手機300の通信能力を受信した上で相手機300の通信能力を記憶部210に記憶する。
【0028】
また、他の例として、相手機300の通信能力は、相手機300のFAX番号と対応付けて記憶部110に記憶されていてもよい。この場合、第1取得部103は、記憶部110から相手機300の通信能力を取得する。なお、記憶部110は、スレーブ機200により相手機300の通信能力が取得されるたびに、相手機300とFAX通信したスレーブ機200から相手機300の通信能力を受信し記憶する。
【0029】
選択部104は、画像処理システムに接続された全てのスレーブ機200の通信能力を取得し、その中から第1取得部103により取得された相手機300の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有するスレーブ機を相手機300にFAX送信する送信機(以下、送信機という。)として選択する。
【0030】
ここで、画像処理システムに接続されたスレーブ機200の通信能力は、相手機300から通信能力を取得したスレーブ機200の記憶部210が記憶する。この場合、選択部104は、スレーブ機200のそれぞれの記憶部210からそれぞれのスレーブ機200の通信能力を取得する。
【0031】
また、他の例として、画像処理システムに接続された全てのスレーブ機200の通信能力は、マスタ機100の記憶部110が記憶していてもよい。この場合、選択部104は記憶部110から全てのスレーブ機200の通信能力を取得する。
【0032】
また、他の例として、選択部104は、第1取得部103により取得された相手機300の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有するスレーブ機が画像処理システムに複数接続されている場合に、優先度に従ってスレーブ機を選択する。例えば、第1取得部103により取得された相手機300の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有するスレーブ機が画像処理システムに複数接続されている場合に、選択部104は、通信能力を構成する複数の項目の優先順位を示した優先度テーブルに従って選択する。ここで、通信能力を構成する項目には、伝送モード、圧縮方式、伝送速度、ミリ系/インチ系線密度、記録長/幅、スムージング等がある。優先度テーブルは、これらの項目に付与された優先順位を示すテーブルのことである。なお、優先度テーブルは記憶部110に記憶される。
【0033】
また、他の例として、選択部104は、入力制御部101によりユーザから入力を受け付けた入力値に従って送信機を選択してもよい。ここで、入力値は、選択されるスレーブ機200が有する通信能力を構成する項目の値である。これにより、画像処理システムに接続されたスレーブ機200の中で高性能の機器が常に選択されることを回避できるので、画像処理システム全体として効率的な通信が可能となる。
【0034】
記憶部110は、相手機300のFAX番号と相手機300と通信履歴のあるスレーブ機200の機器IDとを対応付けて記憶する。また、記憶部110は、画像処理システムに接続されている全てのスレーブ機200の通信能力を記憶してもよい。また、記憶部110は、相手機300のFAX番号と相手機300の通信能力を対応付けて記憶してもよい。また、記憶部110は、優先度テーブルを記憶してもよい。
【0035】
判断部105は、記憶部110に相手機300のFAX番号と相手機300の通信能力とが対応付けて記憶されている場合であって、第1取得部103により同一のFAX番号に対応する相手機300の通信能力が新たに取得された場合に、すでに記憶部110に記憶されている相手機300の通信能力と新たに取得された相手機300の通信能力とが同一であるか否かを判断する。
【0036】
更新部106は、判断部105によりすでに記憶部110に記憶されている相手機300の通信能力と新たに取得された通信能力とが同一でないと判断された場合に、すでに記憶部110に記憶されている相手機300の通信能力を新たに取得された通信能力に更新する。これにより、買い替え等により相手機300の通信能力に変更が生じた場合でも、最新の通信能力を記憶することにより、最適な送信機を選択することができる。
【0037】
出力部107は、入力制御部101による画像データを出力する指示により画像データを出力する。例えば、出力部107は、読取部102により読み取られた画像データを印刷する。
【0038】
通信部109は、送信機として選択されたスレーブ機200、またはランダムに選択されたスレーブ機200にファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求部としての機能を有する。
【0039】
次に、スレーブ機200の詳細について説明する。図1に示すように、スレーブ機200は、入力制御部101と、読取部102と、第2取得部203と、判断部205と、更新部206と、FAX送受信部207と、判定部208と、通信部209と、記憶部210とを主に備える。なお、入力制御部101と読取部102については、マスタ機100が備える同一符号を付した各部の構成および機能と同様である。
【0040】
FAX送受信部207は、通信部209を介して相手機300に画像データをFAX送信し、または相手機300から画像データをFAX受信する。FAX送受信部207は、FAX通信する場合に、ネゴシエーションにより決定された通信条件によりFAX送信、またはFAX受信を行う。
【0041】
ここで、ネゴシエーションとは、FAX通信の通信条件を決定する処理のことである。ここで、通信条件とは、送信機と受信機の間でFAX通信に使用する共通の条件のことであり、通信能力と同様の複数の項目で構成される。例えば、FAX送受信部207は、通信条件を構成する複数の項目について送信機と受信機に共通する値または方式のうち最も高いレベルの方式または値を通信条件として決定する。
【0042】
なお、ここで送信機と受信機の通信能力だけに基づいて決定される通信条件は、伝送モード、圧縮方式、伝送速度についてである。これ以外の線密度や、記録長等については、送信機と受信機の通信能力に共通する値が他にある場合であっても、送信対象となる画像データに対する設定値が通信条件として決定される。
【0043】
図2は、送信機としてのスレーブ機200によるネゴシエーションの手順を示すシーケンス図である。図2では、送信機であるスレーブ機200が、受信機である相手機300にFAX送信するケースを示す。送信機であるスレーブ機200は、受信機である相手機300と通信すると、受信機である相手機300は送信機であるスレーブ機200に通信能力を送信する(ステップS1)。
【0044】
送信機であるスレーブ機200は受信機である相手機300から受信した相手機300の通信能力と自機の通信能力とを比較し、通信能力を構成する各項目について共通する方式または値のうち最も高いレベルの方式または値を通信条件として決定する(ステップS2)。送信機であるスレーブ機200は決定した通信条件を受信機である相手機300に送信する(ステップS3)。
【0045】
図3は、受信機が送信機からネゴシエーション結果を受信する具体例を示す図である。図3に示すように、受信機は送信機からの通信により受信機の通信能力を送信機に送信する。ここでは、受信機の通信能力は、圧縮方式「MH/MR/MMR」、記録長「A3」、線密度「ふつう字〜微細字」を示す。一方、送信機の通信能力は、圧縮方式「MH/MR」、記録長「A3」、線密度「ふつう字〜微細字」を示す。また、送信対象となる画像データは、記録長「A4」、線密度「微細字」を示す。なお、圧縮方式はMH、MR、MMRの順に圧縮率が高い。
【0046】
これらの条件から、送信機は、圧縮方式を送信機と受信機の通信能力に共通する方式のうち最も圧縮率の高いMRを通信条件に決定する。また、送信機は、記録長については、受信機と送信機の通信能力に共通する方式のうち最も高い値はA3であるが、送信対象となる画像データに対する設定値がA4であるので、A4を通信条件として決定する。また、送信機は、線密度については、送信機と受信機に共通し、かつ送信対象となる画像データに対する設定値である微細字を通信条件として決定する。受信機は、これらの値が通信条件として決定されたネゴシエーション結果を送信機から受信する。
【0047】
判定部208は、FAX送受信部207により相手機300からFAX受信する場合は、通信部209を介して受信したネゴシエーション結果から相手機300の通信能力を判定する。例えば、判定部208は、ネゴシエーション結果と自機の通信能力とを比較し、ネゴシエーション結果が示す方式または値が自機の通信能力よりも低い場合、または設定可能な方式または値の最大値である場合は、当該方式または値を相手機300の通信能力であると判定する。
【0048】
第2取得部203は、相手機300の通信能力を取得し、取得した通信能力を記憶部210に保存する。ここで、第2取得部203は、FAX送受信部207により相手機300にFAX送信する場合は、図2に示したように、通信部209を介して相手機300から相手機300の通信能力を取得する。一方、第2取得部203は、FAX送受信部207により相手機300からFAX受信する場合は、判定部208から判定された相手機300の通信能力を取得する。
【0049】
また、他の例として、第2取得部203は、FAX送受信部207により相手機300からFAX受信する場合であっても、通信部209を介して独自プロトコルにより相手機300の通信能力を取得する。ここで、上記のとおり通常のプロトコルによる相手機300との通信では、FAX送受信部207がFAX受信する場合は、判定部208によりネゴシエーション結果から相手機300の通信能力を判定する必要がある。しかし、この例では、FAX送受信部207がFAX受信する場合であっても、独自プロトコルを使用することにより相手機300から直接相手機300の通信能力を取得することができる。
【0050】
なお、第2取得部203が独自プロトコルにより相手機300の通信能力を取得するのは、第2取得部203が相手機300に相手機300の通信能力の送信要求を送信した場合だけとしてもよい。これにより、相手機300の通信能力を要しない場合に、無駄な通信を回避することができる。
【0051】
記憶部210は、自機の通信能力を記憶する。また、記憶部210は、第2取得部203により取得された相手機300の通信能力を相手機300のFAX番号と対応付けて記憶する。さらに、他の例として、記憶部210は、画像処理システムに接続されている全てのスレーブ機200による通信により取得された相手機300の通信能力を記憶してもよい。
【0052】
判断部205は、記憶部210に相手機300のFAX番号と相手機300の通信能力とが対応付けて記憶されている場合であって、第2取得部203により同一のFAX番号に対応する相手機300の通信能力が新たに取得された場合に、すでに記憶部210に記憶されている相手機300の通信能力と新たに取得された相手機300の通信能力とが同一であるか否かを判断する。
【0053】
更新部206は、判断部205によりすでに記憶部210に記憶されている相手機300の通信能力と新たに取得された通信能力とが同一でないと判断された場合に、すでに記憶部210に記憶されている相手機300の通信能力を新たに取得された通信能力に更新する。これにより、買い替え等により相手機300の通信能力に変更が生じた場合でも、最新の通信能力を記憶することにより、最適な送信機を選択することができる。
【0054】
通信部209は、FAX送受信部207からの指示に従って画像データを相手機300に送信する画像データ送信部としての機能を有する。また、通信部209は、相手機300に相手機の通信能力の送信要求を送信する通信能力要求送信部としての機能を有する。
【0055】
また、通信部209は、マスタ機100からFAX送信する要求を受信するファクシミリ送信要求受信部としての機能を有する。また、通信部209は、送信機である相手機300から通信条件を受信する通信条件受信部としての機能を有する。
【0056】
また、他の例として、通信部209は、相手機300と相手機300の通信能力を取得可能な独自プロトコルにより通信する第3送信部としての機能を有する。
【0057】
次に、以上のように構成されたスレーブ機200による相手機300の通信能力を取得する処理(以下、通信能力取得処理という。)の手順について説明する。図4は、スレーブ機200による相手機300の通信能力取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0058】
スレーブ機200は、マスタ機100からの指示に応じて通信部209を介して相手機300とFAX通信する(ステップS11)。FAX送受信部207は、相手機300とのFAX通信がFAX送信であるか否かを判断する(ステップS12)。FAX送受信部207は、FAX送信であると判断した場合は(ステップS12:Yes)、相手機300とネゴシエーションする(ステップS13)。第2取得部203は、FAX送受信部207によるネゴシエーションにより決定された通信条件により相手機300に画像データをFAX送信する(ステップS14)。
【0059】
第2取得部203は、FAX送受信部207からネゴシエーションで受信した相手機300の通信能力を取得する(ステップS15)。第2取得部203は、取得した相手機300の通信能力を相手機300のFAX番号と対応付けて記憶部210に記憶する(ステップS16)。
【0060】
ステップS12において、FAX送受信部207は、相手機300とのFAX通信がFAX受信であると判断した場合は(ステップS12:No)、自機の通信能力を相手機300に送信する(ステップS17)。FAX送受信部207は、相手機300からネゴシエーション結果を受信し、ネゴシエーション結果が示す通信条件で相手機300から画像データをFAX受信する(ステップS18)。判定部208は、ネゴシエーション結果を取得する(ステップS19)。判定部208は、取得したネゴシエーション結果から相手機300の通信能力を判定する(ステップS20)。
【0061】
ここで、図5は、相手機300の通信能力と相手機300のFAX番号とを対応付けたテーブルの一例である。図5に示すように、相手機300のFAX番号として、ここでは03で始まる番号が相手機300のFAX番号として登録されている。また、相手機300のFAX番号に対応付けて相手機300の通信能力の具体的な値が対応付けられている。ここでは、伝送モード「ECM」、圧縮方式「MH/MR/MMR」等の値が示されている。
【0062】
次に、マスタ機100による送信機を選択する処理(以下、送信機選択処理という。)の手順について説明する。図6は、マスタ機100による送信機選択処理の手順を示すフローチャートである。
【0063】
入力制御部101は、ユーザからFAX送信先のFAX番号とともにFAX送信開始の指示を受け付ける(ステップS21)。第1取得部103は、記憶部110に相手機300のFAX番号に対応する通信能力が記憶されているか否かを確認する(ステップS22)。
【0064】
第1取得部103は、記憶部110に相手機300のFAX番号に対応する通信能力が記憶されていることを確認した場合は(ステップS22:Yes)、記憶部110から相手機300の通信能力を取得する(ステップS23)。選択部104は、スレーブ機200から各機器の通信能力を取得する(ステップS24)。選択部104は、相手機300の通信能力に最も近い能力を持つスレーブ機200を送信機として選択する(ステップS25)。
【0065】
一方、第1取得部103は、記憶部110に相手機300のFAX番号に対応する通信能力が記憶されていることを確認しなかった場合は(ステップS22:No)、画像処理システムに接続されているスレーブ機200の中からランダムに送信機を選択する(ステップS27)。通信部109は、送信機として選択されたスレーブ機200にFAX送信を要求する(ステップS26)。
【0066】
次に、第1取得部103により取得された相手機300の通信能力と同一、または最も近いレベルの通信能力を有するスレーブ機200が画像処理システムに複数接続されている場合のマスタ機100による送信機選択処理について説明する。図7は、スレーブ機200が画像処理システムに複数接続されている場合のマスタ機100による送信機選択処理の手順を示すフローチャートである。
【0067】
ステップS31からステップS34、およびステップS37からステップS38までの処理は、図6で示した送信機選択処理のステップS21からステップS24、およびステップS26からステップS27までの処理と同様である。
【0068】
ステップS35において、選択部104は、相手機300の通信能力に最も近い能力を持つスレーブ機200が画像処理システムに複数接続されているか否かを判断する(ステップS35)。選択部104は、相手機300の通信能力に最も近い能力を持つスレーブ機200が画像処理システムに複数接続されていると判断した場合は(ステップS35:Yes)、優先度テーブルが示す優先度が高い項目から順に相手機300の通信能力とスレーブ機200の通信能力とを比較し、相手機300の通信能力に一番近いスレーブ機200を送信機として選択する(ステップS36)。
【0069】
ここで、図8は、優先度テーブルの一例を示す図である。図8に示すように、記憶部110は、通信能力を構成する項目ごとに優先度を対応付けた優先度テーブルを記憶する。ここでは、優先度テーブルは、圧縮方式が優先度2、線密度が優先度1であることを示す。図9−1はスレーブ機200aの通信能力を示す図であり、図9−2はスレーブ機200bの通信能力を示す図である。また、図9−3は、相手機300の通信能力を示す図である。ここで、図9−1と図9−3とを比較すると、スレーブ機200aは、相手機300の通信能力のうち圧縮方式が最も高いJBIGを有する。また、図9−2と図9−3とを比較すると、スレーブ機200bは、相手機300の通信能力のうちミリ系/インチ系線密度200dpiと同じ値をもつ。
【0070】
このように、ここでは相手機300の通信能力に最も近い能力を持つスレーブ機200が画像処理システムに複数接続されていることとなる。この場合、選択部104は、図8の優先度テーブルを参照して、圧縮方式よりも優先度が高い線密度を優先し、スレーブ機200bを送信機として選択する。
【0071】
図7に戻り、通信部109は選択部104により選択された送信機にFAX送信を要求する(ステップS37)。
【0072】
次に、入力値が設定されている場合のマスタ機100による送信機選択処理について説明する。図10は、入力値が設定されている場合のマスタ機100による送信機選択処理の手順を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS51からステップS54、およびステップS56からステップS57までの処理は、図6で示した送信機選択処理のステップS21からステップS24、およびステップS26からステップS27までの処理と同様である。
【0074】
ステップS55において、選択部104は、ユーザにより入力された入力値と相手機300およびスレーブ機200の通信能力とを比較して最適なスレーブ機200を送信機として選択する(ステップS55)。例えば、選択部104は、まず、画像処理システムに接続されているスレーブ機200の中から相手機300の通信能力と同一、または最も近いレベルの方式または値を有する機器を複数特定する。次に、選択部104は、特定した機器の中から、ユーザによる入力値を満たす機器を送信機として選択する。
【0075】
図11は、ユーザによる入力値の一例を示す図である。図11に示すように、記憶部110は、ミリ系/インチ系線密度「〜200×100dpi」をユーザによる入力値として記憶している。また、図12−1はスレーブ機200aの通信能力の一例を示す図であり、図12−2はスレーブ機200bの通信能力の一例を示す図であり、図12−3は相手機300の通信能力の一例を示す図である。ここで、図12−1と図12−2と図12−3とを比較すると、スレーブ機200aとスレーブ機200bと相手機300に共通する圧縮方式はJBIGである。また、相手機300のミリ系/インチ系線密度の値に着目すると、最も高い値を有するのはスレーブ機200bである。しかし、図11のユーザによる入力値を参照すると、ミリ系/インチ系線密度は「〜200×200dpi」が設定されている。そこで、選択部104は、送信機としてスレーブ機200aを選択する。
【0076】
図10に戻り、通信部109は選択部104により選択された送信機にFAX送信を要求する(ステップS56)。
【0077】
次に、スレーブ機200による相手機300の通信能力の更新処理の手順について説明する。図13は、スレーブ機200による相手機300の通信能力の更新処理の手順を示すフローチャートである。
【0078】
ステップS61からステップS69までの処理は、図4で示した通信能力取得処理のステップS11からステップS20までの処理と同様である。
【0079】
ステップS70において、記憶部210は、第2取得部203により取得された相手機300の通信能力について、同一の相手機300の通信能力が記憶部210に記憶されているか否かを確認する(ステップS70)。
【0080】
記憶部210は、同一の相手機300の通信能力が記憶部210に記憶されていることを確認した場合は(ステップS70:Yes)、記憶されている通信能力と取得された通信能力とが異なるか否かを確認する(ステップS71)。例えば、記憶部210は、第2取得部203により取得された相手機300と同一のFAX番号を記憶しているか否かを確認する(ステップS70)。記憶部210は、同一のFAX番号を記憶していることを確認した場合に(ステップS70:Yes)、対応付けられている通信能力と第2取得部203により取得された通信能力が異なるか否かを確認する。
【0081】
記憶部210は、記憶されている通信能力と取得された通信能力とが異なることを確認した場合は(ステップS71:Yes)、記憶されている通信能力を取得された通信能力に上書きし更新する(ステップS72)。一方、記憶部210は、同一のFAX番号を記憶していることを確認しなかった場合(ステップS70:No)、および、記憶されている通信能力と取得された通信能力とが同一であることを確認した場合(ステップS71:No)は、更新せずに処理を終了する。
【0082】
なお、ここでは、スレーブ機200が更新処理を行ったが、マスタ機100が記憶部110に相手機300の通信能力を記憶する場合は、マスタ機100が更新処理を行っても良い。
【0083】
次に、受信機であるスレーブ機200による通信能力取得処理の手順について説明する。図14は、スレーブ機200による通信能力取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0084】
ステップS81からステップS88までの処理は、図4の通信能力取得処理のステップS11からステップS18までの処理と同様である。
【0085】
ステップS89において、第2取得部203は、通信部209を介して独自の非標準プロトコルにより相手機300から相手機300の通信能力を取得する(ステップS89)。第2取得部203は、ステップS89において取得した相手機300の通信能力、およびステップS85において取得した相手機300の通信能力を記憶部210に記憶する(ステップS86)。
【0086】
次に、受信機であるスレーブ機200による通信能力取得処理の他の例について説明する。図15は、他の例にかかるスレーブ機200による通信能力取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0087】
ステップS91からステップS98までの処理は、図14の通信能力取得処理のステップS81からステップS88までの処理と同様である。
【0088】
ステップS99において、第2取得部203は、相手機300に対して相手機300の通信能力の送信を要求するか否かを判断する(ステップS99)。例えば、第2取得部203は、相手機300と所定の時間内にFAX送信を行った場合は、相手機300の通信能力の送信を要求しないこととしてもよい。
【0089】
第2取得部203は、相手機300に対して相手機300の通信能力の送信を要求する場合は(ステップS99:Yes)、相手機300から独自の非標準プロトコルで相手機300の通信能力を受信し取得する(ステップS100)。一方、第2取得部203は、相手機300に対して相手機300の通信能力の送信を要求しない場合は(ステップS99:No)、相手機300の通信能力を取得せずに処理を終了する。
【0090】
第2取得部203は、ステップS100において取得した相手機300の通信能力、およびステップS95において取得した相手機300の通信能力を記憶部210に記憶する(ステップS96)。
【0091】
このように、本実施の形態によれば、マスタ機100は相手機300が有する通信能力と画像処理システムに接続されたスレーブ機200の通信能力とを取得するので、相手機300の通信能力に最も適した送信機を選択することができる。
【0092】
また、このように、本実施の形態によれば、相手機300の通信能力を通信するたび記憶している相手機300の通信能力との異同を確認するので、相手機300の通信能力に変更があった場合でも最新の通信能力に更新することにより、常に相手機300の通信能力に最も適した送信機を選択することができる。
【0093】
(実施の形態2)
実施の形態1にかかる画像処理システムではマスタ機が相手機の通信能力に最適なスレーブ機を送信機として選択した。これに対して、実施の形態2にかかる画像処理システムでは、相手機の通信能力に最適なスレーブ機の選択はスレーブ機が行う。
【0094】
図16は、実施の形態2にかかる画像処理システムの全体構成および機能を示すブロック図である。図16に示すように、実施の形態2の画像処理システムでは、マスタ機1000と、スレーブ機1200aおよび1200b(以下、特に明示する場合を除きスレーブ機1200と総称する。)と、サーバ400とがネットワーク150により接続されている。また、実施の形態1と同様にスレーブ機1200bは、相手機300とネットワーク160と接続される。
【0095】
まず、スレーブ機1200の詳細について説明する。図16に示すように、スレーブ機1200は、入力制御部101と、読取部102と、第1取得部1203と、選択部1204と、判断部205と、更新部206と、FAX送受信部207と、判定部208と、通信部1209と、記憶部1210とを主に備える。ここで、第2取得部1204と、選択部1204と、通信部1209以外の各部の機能および構成は、実施の形態1と同様である。
【0096】
第1取得部1203は、相手機300の通信能力と、画像処理システムに接続されている全てのスレーブ機1200の通信能力とを取得する。例えば、第1取得部1203は、相手機300の通信能力をマスタ機1000からのFAX送信の要求とともに取得する。
【0097】
選択部1204は、取得された相手機300の通信能力と同一、または最も近いレベルの通信能力を有するスレーブ機1200を送信機として選択する。また、他の例として、選択部1204は、相手機300の通信能力と同一、または近い通信能力を有するスレーブ機1200を複数選択し、選択した複数のスレーブ機1200を相手機300の通信能力に近い通信能力を有する順序(以下、選択順序という。)を決定する。
【0098】
通信部1209は、マスタ機1000から相手機300のFAX番号と画像データを含むFAX送信の要求を受信するファクシミリ送信要求受信部としての機能を有する。
【0099】
また、通信部1209は、選択部1204により選択された送信機の機器IDと、相手機300のFAX番号をサーバ400に送信する送信機識別情報送信部としての機能を有する。また、通信部1209は、画像処理システムに接続された全てのスレーブ機1200からスレーブ機1200の通信能力を受信する通信能力受信部としての機能を有する。
【0100】
次に、サーバ400の詳細について説明する。図16に示すように、サーバ400は、入力制御部101と、判断部105と、更新部106と、通信部409と、記憶部410とを主に備える。なお、通信部409と記憶部410以外の各部の機能および構成については、実施の形態1の同一符号を付した各部の機能および構成と同様である。
【0101】
通信部409は、スレーブ機1200から相手機300のFAX番号と送信機として選択されたスレーブ機1200の機器IDを受信する。また、通信部409は、スレーブ機1200から選択部1204により決定された選択順序を受信する。
【0102】
記憶部410は、スレーブ機1200から受信した相手機300のFAX番号と送信機として選択されたスレーブ機1200の機器IDとを対応付けて記憶する。
【0103】
また、他の例として、記憶部410は、相手機300のFAX番号と送信機として選択されたスレーブ機1200の機器IDに加えて、さらにスレーブ機1200から受信した選択順序を対応付けて記憶してもよい。
【0104】
次に、マスタ機1000の詳細について説明する。図16に示すように、マスタ機1000は、入力制御部101と、読取部102と、選択部1103と、出力部107と、通信部1109と、記憶部110とを主に備える。なお、選択部1103以外の各部の機能および構成は実施の形態1の同一符号を付した各部の構成および機能と同様である。
【0105】
選択部1103は、入力制御部101によりFAX送信の宛先番号と画像データとを含むFAX送信開始の指示を受け付けると、FAX番号により識別される相手機300に対応する送信機の機器IDをサーバ400から取得し、取得した機器IDにより識別されるスレーブ機1200を送信機として選択する。
【0106】
また、通信部1109は、サーバ400にFAX番号により識別される相手機300に対応する送信機の機器IDを送信する要求を送信する送信機識別情報要求送信部としての機能を有する。
【0107】
次に、以上のように構成されたスレーブ機1200による送信機選択処理の手順について説明する。図17は、スレーブ機1200による送信機選択処理の手順を示すフローチャートである。
【0108】
ステップS101からステップS110までの処理については、実施の形態1で説明した図4の通信能力取得処理のステップS11からステップS15、およびステップS17ステップS20と同様である。
【0109】
ステップS106において、第1取得部1203は、全てのスレーブ機1200の通信能力を取得する(ステップS106)。選択部1204は、相手機300の通信能力に最も近い通信能力を持つスレーブ機1200を送信機として選択する(ステップS111)。ここで、選択部1204は、画像処理システムに接続された全てのスレーブ機1200それぞれから各スレーブ機1200の通信能力を受信し、受信したスレーブ機1200の通信能力とマスタ機1000から取得した相手機300の通信能力とを比較することにより送信機を選択する。
【0110】
通信部1209は、選択部1204により選択された送信機の機器IDと相手機300のFAX番号とをサーバ400に送信する(ステップS112)。
【0111】
次に、マスタ機1000による送信機へのFAX送信要求処理の手順について説明する。図18は、マスタ機1000による送信機へのFAX送信要求処理の手順を示すフローチャートである。
【0112】
入力制御部101は、ユーザからFAX送信である相手機300のFAX番号と、FAX送信対象となる画像データとを含むFAX送信指示の入力を受け付ける(ステップS121)。選択部1103は、入力制御部101から相手機300のFAX番号を取得する(ステップS122)。
【0113】
選択部1103は、サーバ400に相手機300のFAX番号に対応付けられた送信機が保存されているか否かを、通信部1109を介して確認する(ステップS123)。選択部1103は、サーバ400に相手機300のFAX番号に対応付けられた送信機が保存されていることを確認した場合は(ステップS123:Yes)、保存されている送信機の機器IDをサーバ400から取得する(ステップS124)。
【0114】
一方、選択部1103は、サーバ400に相手機300のFAX番号に対応付けられた送信機が保存されていることを確認しなかった場合は(ステップS123:No)、ランダムに送信機を選択する(ステップS126)。
【0115】
通信部109は、取得された送信機の機器IDにより識別されるスレーブ機1200、またはランダムに選択されたスレーブ機1200にFAX送信要求を送信する(ステップS125)。これにより、マスタ機1000は相手機300とスレーブ機1200の通信能力を比較した上で送信機を選択する処理を省略することができるので、通信性能が向上する。
【0116】
次に、他の例にかかるスレーブ機1200による送信機選択処理の手順について説明する。図19は、スレーブ機1200による送信機選択処理の手順を示すフローチャートである。
【0117】
ステップS131からステップS140までの処理については、実施の形態1で説明した図4の送信機選択処理のステップS11からステップS16、およびステップS17からステップS20と同様である。
【0118】
ステップS136において、第1取得部1203は、全てのスレーブ機1200の通信能力を取得する(ステップS136)。選択部1204は、相手機300の通信能力に近い通信能力を有するスレーブ機1200を複数選択し、選択順序を決定する(ステップS141)。通信部1209は、決定された選択順序と相手機300のFAX番号と送信機として選択されたスレーブ機1200の機器IDとをサーバ400に送信する(ステップS142)。
【0119】
これにより、送信機として選択されたスレーブ機200が通信不能な場合でも、次の優先順位が付されたスレーブ機200によりFAX送信するので中断することなく通信処理を行うことができる。
【0120】
次に、他の例にかかるマスタ機1000による送信機へのFAX送信要求処理の手順について説明する。図20は、マスタ機1000による送信機へのFAX送信要求処理の手順を示すフローチャートである。
【0121】
ステップS151からステップS156までの処理については、図18に示したFAX送信要求処理のステップS121からステップS126までと同様である。
【0122】
ステップS157において、選択部1103は、通信部1109により送信要求した送信機と通信が可能であるか否かを確認する(ステップS157)。選択部1103は、通信部1109により送信要求した送信機と通信が不可能であることを確認した場合は(ステップS157:No)、サーバ400に記憶されている次の選択順序の送信機を選択する(ステップS158)。通信部1109は、選択された送信機にFAX送信を要求する(ステップS155)。
【0123】
このように、本実施の形態によれば、マスタ機1000はサーバ400から相手機300に対応付けられた送信機の機器IDを取得するので、マスタ機による送信機を選択する処理を省略しつつ、相手機の通信能力に最適な送信機を選択することができる。
【0124】
図21は、本実施の形態にかかる画像処理装置100、200、1000、1200(以下、複合機100と総称する。)のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この画像処理装置としての複合機100は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。さらに、PCIバスには、網制御部70と、モデム80と、LANコントローラ90とが接続されている。
【0125】
コントローラ10は、複合機100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0126】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)110とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0127】
CPU11は、複合機100の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0128】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGPバス15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0129】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0130】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0131】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD110およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0132】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)110は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0133】
AGPバス15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0134】
LANコントローラ90は、LANコントローラ90と送受するパケット網(不図示)から受信したデータのデコード、またパケット網に送信するデータのエンコードを行い、送信フレームや受信フレームのバッファリングにより接続された他機器と連携を行う。
【0135】
モデム80は、例えば、G3またはG4規格のファクシミリモデムであり、網生後部70を介して電話網(不図示)に送信するデータを変調したり、網制御部70を介して電話網から受信した信号を復調したりする。また、モデム80は、相手機300のFAX番号に対応するDTMF信号を送出する。
【0136】
網制御部70は、電話網に接続されており、電話網の回線の極性反応の検出、回線の直流ループの閉結または開放、回線開放の検出、発信音の検出、ビジートーン等のトーン信号の検出、呼出信号の検出等の回線との接続制御や、相手機のFAX番号に対応する選択信号のダイヤル回線に対応したダイヤルパルス信号による送出を行う。
【符号の説明】
【0137】
100、200a、200b、300、1000、1200a、1200b 画像処理装置
101 入力制御部
102 読取部
103、1203 第1取得部
104、1104 選択部
105、205 判断部
106、206 更新部
107 出力部
109、209、1109、1209、409 通信部
110、210、410 記憶部
203 第2取得部
207 FAX送受信部
208 判定部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0138】
【特許文献1】特開2002−290647号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ通信機能を備えた複数の送信機とネットワークで接続された画像処理装置であって、
前記送信機の通信能力と、前記送信機とファクシミリ通信する相手機の通信能力とを取得する第1取得部と、
前記複数の送信機の中から、前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する送信機を選択する選択部と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
ファクシミリ送信する指示を付け付ける受付部と、
ファクシミリ送信の対象となる画像データを読み取る読取部と、
読み取られた前記画像データを前記相手機にファクシミリ送信する要求を、選択された前記送信機に送信するファクシミリ送信要求送信部と、
をさらに備え、
前記第1取得部は、前記送信機から前記相手機の通信能力を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記相手機を識別する相手機識別情報の入力をさらに受け付け、
取得された前記相手機の通信能力と受け付けた前記相手機識別情報とを対応付けて記憶する記憶部、
をさらに備え、
前記第1取得部は、入力を受け付けた前記相手機識別情報に対応付けられた前記相手機の通信能力を前記記憶部から取得すること、
を特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記通信能力は複数の項目を含み、
前記記憶部は、さらに前記項目ごとに優先度を対応付けて記憶し
前記選択部は、前記複数の送信機の中から、優先度が高い前記項目から順に前記相手機の通信能力と前記送信機の通信能力とを比較し、前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する送信機を選択すること、
を特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、利用者から前記選択部により選択される送信機が有する通信能力の値の入力を受け付け、
前記選択部は、前記複数の送信機の中から、取得された前記相手機の通信能力の値と同一、または最も近い値の通信能力を有する送信機であって、さらに入力が受け付けられた前記値に最も近い値の送信機を選択すること、
を特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
入力が受け付けられた前記相手機識別情報と同一の前記相手機識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判断し、前記相手機識別情報が前記記憶部に記憶されていると判断した場合に、前記記憶部に記憶されている通信能力が、取得された前記相手機の通信能力と同一であるか否かを判断する判断部と、
前記記憶部に記憶されている通信能力が、取得された前記相手機の通信能力と同一でないと判断された場合に、前記記憶部に記憶されている前記相手機の通信能力を取得された前記相手機の通信能力に更新する更新部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項7】
第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置とを備えた画像処理システムであって、
前記第1の画像処理装置は、
ファクシミリ送信する指示を付け付ける受付部と、
ファクシミリ送信の対象となる画像データを読み取る読取部と、
ファクシミリ送信先となる相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得部と、
前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択部と、
選択された前記送信機に読み取られた前記画像データを前記相手機にファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信部と、
を備え、
前記第2の画像処理装置は、
前記第1の画像処理装置から前記要求を受信するファクシミリ送信要求受信部と、
前記要求を受信した場合に前記相手機に前記画像データをファクシミリ送信する画像データ送信部と、
を備えたことを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
前記第2の画像処理装置は、
ファクシミリ送信先となる相手機から前記相手機の通信能力を取得する第2取得部と、
取得された前記相手機の通信能力を前記第1の画像処理装置に送信する通信能力送信部と、
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記第2の画像処理装置は、
ファクシミリ送信元となる相手機から前記相手機とファクシミリ通信する通信条件を受信する通信条件受信部と、
受信した前記通信条件と、前記第2の画像処理装置の通信能力とに基づいて前記相手機の通信能力を判定する判定部と、
判定された前記相手機の通信能力を前記第1の画像処理装置に送信する通信能力送信部と、
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記第2の画像処理装置は、
プロトコルによりファクシミリ送信元となる相手機から前記相手機の通信能力を取得する第2取得部と、
取得された前記相手機の通信能力を前記第1の画像処理装置に送信する通信能力送信部と、
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記相手機に前記相手機の通信能力の送信を要求する通信能力要求送信部、
をさらに備え、
前記第2取得部は、前記要求が送信された場合に、プロトコルにより前記相手機から前記相手機の通信能力を取得すること、
を特徴とする請求項10に記載の画像処理システム。
【請求項12】
第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置と、サーバとを備えた画像処理システムであって、
前記第2の画像処理装置は、
前記相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得部と、
前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択部と、
選択された前記送信機を識別する送信機識別情報と、前記相手機を識別する相手機識別情報とを前記サーバに送信する相手機識別情報送信部と、
を備え、
前記サーバは、
前記第2の画像処理装置から受信した前記送信機識別情報と前記相手機識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
を備え、
前記第1の画像処理装置は、
ファクシミリ送信対象となる画像データとファクシミリ送信先となる前記相手機識別情報とを含むファクシミリ送信指示を受け付ける受付部と、
前記サーバに前記相手機識別情報とともに前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を取得する要求を送信する送信機識別情報要求送信部と、
前記サーバから前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を受信する第2受信部と、
取得された前記送信機識別情報により識別される前記送信機に前記画像データをファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信部と、
を備えたことを特徴とする画像処理システム。
【請求項13】
前記選択部は、前記第2の画像処理装置の中から、前記相手機の通信能力と同一、または近い通信能力を有する複数の画像処理装置を選択し、選択した前記複数の画像処理装置を前記相手機の通信能力に近い通信能力を有する画像処理装置の順序を決定し、
前記送信機識別情報送信部は、さらに、決定された前記順序を前記サーバに送信すること、
を特徴とする請求項12に記載の画像処理システム。
【請求項14】
ファクシミリ通信機能を備えた複数の送信機とネットワークで接続された画像処理装置で実行されるファクシミリ送信方法であって、
前記送信機の通信能力と、前記送信機とファクシミリ通信する相手機の通信能力とを取得する第1取得ステップと、
前記複数の送信機の中から、前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する送信機を選択する選択ステップと、
を含むことを特徴とするファクシミリ送信方法。
【請求項15】
コンピュータを、
ファクシミリ通信機能を備えた複数の送信機の通信能力と、前記送信機とファクシミリ通信する相手機の通信能力とを取得する第1取得ステップと、
前記複数の送信機の中から、前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する送信機を選択する選択ステップ、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置とを備えた画像処理システムで実行されるファクシミリ送信方法であって、
前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信する指示を付け付ける受付ステップと、
前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信の対象となる画像データを読み取る読取ステップと、
前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信先となる相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得ステップと、
前記第1の画像処理装置が、前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択ステップと、
前記第1の画像処理装置が、選択された前記送信機に読み取られた前記画像データを前記相手機にファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信ステップと、
前記第2の画像処理装置が、前記第1の画像処理装置から前記要求を受信するファクシミリ送信要求受信ステップと、
前記第2の画像処理装置が、前記要求を受信した場合に前記相手機に前記画像データをファクシミリ送信する画像データ送信ステップと、
を含むことを特徴とするファクシミリ送信方法。
【請求項17】
第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置とにネットワークで接続されたコンピュータを、
前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信する指示を付け付ける受付ステップと、
前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信の対象となる画像データを読み取る読取ステップと、
前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信先となる相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得ステップと、
前記第1の画像処理装置が、前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択ステップと、
前記第1の画像処理装置が、選択された前記送信機に読み取られた前記画像データを前記相手機にファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信ステップと、
前記第2の画像処理装置が、前記第1の画像処理装置から前記要求を受信するファクシミリ送信要求受信ステップと、
前記第2の画像処理装置が、前記要求を受信した場合に前記相手機に前記画像データをファクシミリ送信する画像データ送信ステップ、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置と、サーバとを備えた画像処理システムで実行されるファクシミリ送信方法であって、
前記第2の画像処理装置が、前記相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得ステップと、
前記第2の画像処理装置が、前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択ステップと、
前記第2の画像処理装置が、選択された前記送信機を識別する送信機識別情報と、前記相手機を識別する相手機識別情報とを前記サーバに送信する相手機識別情報送信ステップと、
前記サーバは、記憶部を備え、前記第2の画像処理装置から受信した前記送信機識別情報と前記相手機識別情報とを対応付けて前記記憶部に保存する保存ステップと、
前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信対象となる画像データとファクシミリ送信先となる前記相手機識別情報とを含むファクシミリ送信指示を受け付ける受付ステップと、
前記第1の画像処理装置が、前記サーバに前記相手機識別情報とともに前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を取得する要求を送信する送信機識別情報要求送信ステップと、
前記第1の画像処理装置が、前記サーバから前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を受信する第2受信ステップと、
前記第1の画像処理装置が、取得された前記送信機識別情報により識別される前記送信機に前記画像データをファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信ステップと、
を含むことを特徴とするファクシミリ送信方法。
【請求項19】
第1の画像処理装置と、ファクシミリ通信機能を備えた複数の第2の画像処理装置と、サーバとにネットワークで接続されたコンピュータを、
前記第2の画像処理装置が、前記相手機の通信能力と、前記複数の第2の画像処理装置の通信能力とを取得する第1取得ステップと、
前記第2の画像処理装置が、前記第2の画像処理装置の中から、取得された前記相手機の通信能力と同一、または最も近い通信能力を有する画像処理装置をファクシミリ送信する送信機として選択する選択ステップと、
前記第2の画像処理装置が、選択された前記送信機を識別する送信機識別情報と、前記相手機を識別する相手機識別情報とを前記サーバに送信する相手機識別情報送信ステップと、
前記サーバは、記憶部を備え、前記第2の画像処理装置から受信した前記送信機識別情報と前記相手機識別情報とを対応付けて前記記憶部に保存する保存ステップと、
前記第1の画像処理装置が、ファクシミリ送信対象となる画像データとファクシミリ送信先となる前記相手機識別情報とを含むファクシミリ送信指示を受け付ける受付ステップと、
前記第1の画像処理装置が、前記サーバに前記相手機識別情報とともに前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を取得する要求を送信する送信機識別情報要求送信ステップと、
前記第1の画像処理装置が、前記サーバから前記相手機識別情報に対応付けられた前記送信機識別情報を受信する第2受信ステップと、
前記第1の画像処理装置が、取得された前記送信機識別情報により識別される前記送信機に前記画像データをファクシミリ送信する要求を送信するファクシミリ送信要求送信ステップ、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図10】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図12−3】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−10283(P2012−10283A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146753(P2010−146753)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】