画像処理装置、画像処理システム及び画像処理プログラム
【課題】 イメージログの検索精度を高くすることができる画像処理装置、画像処理システム及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】 ジョブ取得部10がアプリケーション22等から画像データの処理を指示するジョブを取得すると、画像データ出力部18が当該ジョブを実行した後、処理情報取得部12がジョブを解析してジョブの処理内容に関する処理情報を取得する。画像形式決定部14は、上記処理情報に基づき、ログ画像データの画像形式を決定する。ログ画像生成部16は、画像形式決定部14が決定した画像形式に基づいてログ画像データを生成する。このログ画像データは、記憶部20に記憶され、後に検索処理に使用される。
【解決手段】 ジョブ取得部10がアプリケーション22等から画像データの処理を指示するジョブを取得すると、画像データ出力部18が当該ジョブを実行した後、処理情報取得部12がジョブを解析してジョブの処理内容に関する処理情報を取得する。画像形式決定部14は、上記処理情報に基づき、ログ画像データの画像形式を決定する。ログ画像生成部16は、画像形式決定部14が決定した画像形式に基づいてログ画像データを生成する。このログ画像データは、記憶部20に記憶され、後に検索処理に使用される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、LAN(ローカルエリアネットワーク)に複数のクライアントとプリンタ等の出力装置が接続され、複数の利用者が出力装置を共有可能な画像処理システムが実用化されている。このような画像処理システムでは、出力すべき画像データをクライアントで生成し、この画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブを、ネットワーク上で共有される出力装置に送信して画像データを出力することができる。この場合、情報漏洩の抑止等を目的として、プリント・ジョブなどの各種ジョブの画像データとジョブログとを生成し、これらをイメージログとして文書管理サーバ等に登録し、後にクライアントから検索、閲覧する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−163904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、イメージログの検索精度を高くすることができる画像処理装置、画像処理システム及び画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置の発明は、画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段と、前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段と、前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記処理情報が、前記画像データのページ毎に設定されていることを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記画像形式決定手段が、前記処理情報が解像度を優先させる指定を含むか階調性を優先させる指定を含むかに応じて、2値画像形式と多値画像形式とのいずれかを選択することを特徴とする。
【0007】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、画像データに含まれる文字のサイズに応じて解像度を決定することを特徴とする。
【0008】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、画像データを作成したプログラムの種類に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする。
【0009】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、出力用紙の紙質に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする。
【0010】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、出力用紙のサイズに応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする。
【0011】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、画像データのページ番号に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする。
【0012】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、前記処理情報が、複数ページを1枚にまとめて印刷出力する処理内容である場合に、解像度を初期設定に対して1段階高くすることを特徴とする。
【0013】
請求項10記載の画像処理システムの発明は、画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段と、前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段と、前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段と、前記画像データを前記処理手続に基づいて出力する画像データ出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項11記載の画像処理プログラムの発明は、コンピュータを、画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段、前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段、及び前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、ジョブの処理情報に基づいてログ画像データの形式を決定するので、ログ画像データの形式の決定処理を、本構成を有していない場合と比較して、より簡便に行うことができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、画像データのページ毎に形式を決定するので、請求項1の効果に加えて、イメージログの検索精度を、本構成を有していない場合と比較して、より高くすることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、処理情報が解像度を優先させる指定を含むか階調性を優先させる指定を含むかに応じて、2値画像形式と多値画像形式とのいずれかを選択するので、請求項3が引用する項の効果に加えて、光学式文字読取処理による検索向きの画像か類似画像検索向きの画像かの判断を、本構成を採用しない場合と比較して、より迅速に行うことができる。
【0018】
請求項4から請求項9の発明によれば、ジョブの処理情報に基づいて適切な画像形式を選択できる。
【0019】
請求項10の発明によれば、ジョブの処理情報に基づいてログ画像データの形式を決定するので、ログ画像データの形式の決定処理を、本構成を有していない場合と比較して、より簡便に行うことができる。
【0020】
請求項11の発明によれば、ジョブの処理情報に基づいてログ画像データの形式を決定するので、ログ画像データの形式の決定処理を、本構成を有していない場合と比較して、より簡便に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0022】
図1には、本発明にかかる画像処理装置の一実施形態の機能ブロック図が示される。図1において、画像処装置は、ジョブ取得部10、処理情報取得部12、画像形式決定部14、ログ画像生成部16、画像データ出力部18及び記憶部20を含んで構成されている。
【0023】
ジョブ取得部10は、中央処理装置(CPU)及びCPUの処理動作を制御するプログラムにより実現され、アプリケーション22から文字、図形、写真等の画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブを取得する。なお、アプリケーション22は、画像データ出力部18による出力対象である画像データを処理手続とともにジョブとして出力する機能を有する一般的なソフトウエアである。
【0024】
処理情報取得部12は、CPU及びCPUの処理動作を制御するプログラムにより実現され、ジョブ取得部10が取得したジョブを解析し、ジョブの処理内容に関する処理情報を取得する。この処理情報としては、画像データの種類(文字、写真、図形等)、出力時の画質、文字サイズ、画像データを作成したプログラムの種類、ジョブの種類(コピー、スキャン、ファクシミリ送信、印刷等)、印刷出力する用紙の種類(紙質、用紙サイズ)、ページ番号(先頭ページか否か)、複数ページを1枚にまとめて印刷出力するか否か等の情報がある。
【0025】
画像形式決定部14は、CPU及びCPUの処理動作を制御するプログラムにより実現され、処理情報取得部12が取得した処理情報に基づき、上記画像データから生成するログ画像データの画像形式を決定する。ここで、上記ログ画像データとは、画像データ出力部18が出力した画像データを記録しておき、後に検索するための画像情報である。このログ画像データは、ジョブの実行記録であるジョブログとともにイメージログとして記憶部20に記憶される。なお、ジョブログの内容には、例えばジョブの実行年月日、実行時間、印刷ジョブにおける印刷枚数、カラー・白黒の区別、用紙サイズ、紙詰まりの有無等がある。また、上記画像形式とは、例えば2値画像と多値画像の区別、解像度の高低等をいう。2値画像は、光学式文字読取処理による検索に適する画像形式であり、多値画像は類似画像検索に適する画像形式である。また、解像度を高くするとログ画像データの検索精度が向上し、解像度を低くすると記憶部20等における記憶容量を節約することができる。
【0026】
ログ画像生成部16は、CPU及びCPUの処理動作を制御するプログラムにより実現され、画像形式決定部14が決定した画像形式に基づいてログ画像データを生成する。
【0027】
画像データ出力部18は、CPU及びCPUの処理動作を制御するプログラム並びに出力インターフェースにより実現され、処理情報取得部12が取得した処理情報に基づいて画像データを処理し、出力する。また、ログ画像生成部16が生成したログ画像も出力する。出力先は特に限定されないが、例えばネットワーク等の通信手段を介して接続された印刷装置、サーバコンピュータ、ファクシミリ装置等がある。
【0028】
記憶部20は、CPUの作業メモリとして使用されるランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)またはハードディスク装置等の磁気記憶装置その他のコンピュータが読み取り可能な記憶装置で実現され、上記CPUの処理動作を制御するプログラム、ジョブ、ログ画像データ等を記憶する。
【0029】
なお、上記図1に示された画像処理システムの一部の構成を専用のハードウェア(例えばASIC等)で構成してもよい。また、各構成は複数の装置に分散配置され、互いに通信手段で接続されている形態でもよい。また、画像処理システムが複数互いに通信手段によって接続されていて互いに協調動作する構成としてもよい。さらに、複写機、ファックス、スキャナ、印刷装置、複合機(多機能複写機とも呼ばれ、スキャナ、印刷装置、複写機、ファックス等の機能を有している)などに組み込まれていてもよい。
【0030】
図2には、本実施形態にかかる画像処理システムの構成例が示される。図2において、画像処理システムは、クライアントコンピュータ100、複合機200、管理サーバ300及び通信手段400を含んで構成されている。ここで、図1に示された各構成要素は、クライアントコンピュータ100、複合機200及び管理サーバ300のいずれに設けてもよい。例えば、クライアントコンピュータ100でアプリケーション22を動作させ、PDL(ページ記述言語)等によりジョブを複合機200に送信する。また、複合機200には、ジョブ取得部10、処理情報取得部12、画像形式決定部14、ログ画像生成部16及び画像データ出力部18を設け、管理サーバ300には記憶部20を設ける。このような構成により、クライアントコンピュータ100で生成したジョブを通信手段400を介して受け取った複合機200が、当該ジョブを実行し、その際の解析処理により取得した処理情報に基づいて決定した画像形式によりログ画像データを生成することができる。生成したログ画像データは、画像データ出力部18が管理サーバ300に送信し、管理サーバ300に格納することができる。なお、画像データを複合機200がコピー等により取得する場合にも、複合機200により上記同様にログ画像データを生成する。
【0031】
また、上記構成のうち、ジョブ取得部10と処理情報取得部12とをクライアントコンピュータ100に設ければ、ジョブの解析をクライアントコンピュータ100で行い、画像形式の決定及びその画像形式に基づくログ画像データの生成を複合機200で行うことができる。この場合、ジョブの解析により処理情報取得部12が取得した処理情報は、通信手段400を介して複合機200に送信される。
【0032】
また、クライアントコンピュータ100にジョブ取得部10、処理情報取得部12、画像形式決定部14、ログ画像生成部16及び画像データ出力部18を設ければ、クライアントコンピュータ100から複合機200にジョブを送信する際にログ画像データを生成し、複合機200を介して、あるいは直接に管理サーバ300にログ画像データを送信することができる。
【0033】
さらに、管理サーバ300にジョブ取得部10、処理情報取得部12及び画像形式決定部14を設け、複合機200にジョブ取得部10、ログ画像生成部16及び画像データ出力部18を設ければ、クライアントコンピュータ100から複合機200が受け取ったジョブを実行後、ジョブまたはジョブの処理手続を管理サーバ300に送信し、管理サーバ300でジョブを解析して処理情報を取得し、この処理情報を複合機200に転送してログ画像データを生成することができる。なお、生成したログ画像データは、画像データ出力部18が管理サーバ300に送信し、管理サーバ300に格納する。
【0034】
なお、上記管理サーバ300では、クライアントコンピュータ100等からの検索要求を受け付け、格納しているログ画像データの検索を実行する。この検索には、例えば光学式文字読取処理による検索、類似画像検索等を使用するのが好適である。上記画像形式は、このような検索の精度が高くなるように決定される。
【0035】
また、以上に述べた構成では、管理サーバ300を独立したコンピュータ上で動作させているが、例えば複合機200に管理サーバの機能を持たせてもよい。
【0036】
図3(a),(b),(c),(d)には、ジョブが印刷である場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係が示される。画像形式決定部14は、この関係に基づいてログ画像データの画像形式を決定することができる。
【0037】
図3(a)では、ジョブの処理情報として印刷出力の画質の種類が指定されている。このような処理情報は、例えばクライアントコンピュータ100で動作するアプリケーション22がジョブを生成する際に指定する。図3(a)において、画質の種類が「写真」である場合には、管理サーバ300で行う検索の方法として類似画像検索を使用するのが好適である。従って、類似画像検索における検索精度を高くすることができる多値画像が画像形式として選択されている。また、画質の種類が「プレゼンテーション」すなわち発表用の資料の印刷である場合には、一般に文字のサイズが大きい文字画像であるので、光学式文字読取処理による検索が好適である。従って、光学式文字読取処理による検索精度を高くすることができる2値画像が画像形式として選択されている。さらに、画質の種類が「ホームページ」すなわちインターネット上の画像を印刷する場合には、一般に通信速度を高く維持するためにホームページの解像度が低く設定されていることから、画像形式も低解像度が選択される。なお、この場合、2値画像または多値画像の選択は、印刷される画像データが文字画像であるか写真画像であるかにより決定される。
【0038】
また、図3(b)では、ジョブの処理情報として印刷の種類が指定されている。図3(b)において、印刷の種類が「高画質」である場合には、印刷される画像データが写真等である場合が多いので、管理サーバ300で行う検索方法として類似画像検索が好適である。このため、画像形式として多値画像が選択されている。また、印刷の種類が「高精細」である場合には、小さい文字や細線が多用されるので、光学式文字読取処理による検索が好適であり、画像形式として光学式文字読取処理に適した2値画像が選択される。その場合の解像度は、画像データ中の文字が光学式文字読取処理により正しく認識される率が所定の値以上になるような解像度とすることが好ましい。ここで、印刷の種類の「高画質」は階調性を優先させる指定であり、「高精細」は解像度を優先する指定であると言える。
【0039】
また、図3(c)では、ジョブの処理情報として文字サイズが指定されている。本例では、印刷の対象が文字画像であるので、管理サーバ300で行う検索方法として光学式文字読取処理による検索が採用される。このため、画像形式は2値画像が選択される。さらに、図3(c)において、文字サイズが4ポイント以下の場合には、光学式文字読取処理による検索の精度を高くするため、解像度400dpi(1インチの中に400個の画素が入る密度)が画像形式として選択される。また、文字サイズが9ポイント以上の場合には、文字のサイズが大きいので、解像度が低くても検索精度が下がらず、記憶容量の節約のため200dpiが選択される。以上の文字サイズ以外では、画像形式として特定の解像度を指定せず、印刷ジョブにおける初期の設定が使用される。なお、図3(c)における文字サイズとしては、例えば文字画像中の最小の文字サイズ、出現頻度の高い文字サイズ、「重要」,「複写禁止」等のキーワードの文字サイズ等を使用することができる。
【0040】
また、図3(d)では、ジョブの処理情報として画像データを作成したプログラムの種類が指定されている。図3(d)において、文書作成ソフトウエアで画像データを作成する場合は、文字が主体となるので、管理サーバ300で行う検索方法として光学式文字読取処理による検索が好適である。このため、光学式文字読取処理による検索精度を高くすることができる2値画像が画像形式として選択される。また、グラフィックソフトウエアで画像データを作成する場合は、写真または絵が主体となるので類似画像検索が好適である。このため、多値画像が画像形式として選択される。さらに、CAD(コンピュータ支援設計)ソフトウエアあるいは表計算ソフトウエアで画像データを作成する場合は、文字が主体となるので光学式文字読取処理による検索が好適である。このため、2値画像が画像形式として選択される。また、細線が多くなるので、高解像度とするのが好適である。
【0041】
図4(a),(b),(c)には、ジョブが印刷またはコピーである場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係が示される。画像形式決定部14は、この関係に基づいてログ画像データの画像形式を決定することができる。なお、コピージョブは、原稿のスキャン(画像読み取り)及び読み取った画像データの印刷が組み合わされたジョブである。
【0042】
図4(a)では、ジョブの処理情報として印刷ジョブまたはコピージョブで選択される出力用紙の紙質の種類が指定されている。図4(a)において、紙質が写真用紙である場合には、印刷出力される画像データは写真画像が主体になる。このため、管理サーバ300で行う検索方法は類似画像検索となり、この検索精度を高くできる多値画像が画像形式として選択される。また、紙質が発表等に使用するオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)用紙の場合には、文字のサイズが大きく、光学式文字読取処理による検索の精度が高くなるので、2値画像が画像形式として選択される。この場合、ログ画像データの記憶容量を節約するために、低解像度とするのが好適である。
【0043】
また、図4(b)では、ジョブの処理情報として印刷ジョブまたはコピージョブで選択される出力用紙のサイズが指定されている。なお、本例では、文字画像、写真画像のいずれであるかにより、管理サーバ300で行う検索方法として光学式文字読取処理による検索と類似画像検索とが使い分けられ、これに応じて2値画像または多値画像が画像形式として選択される。さらに、図4(b)において、A3以上の用紙サイズの場合は、画像データの情報量が多くなるので、ログ画像データの記憶容量を節約するために200dpi以下の低解像度が画像形式として選択される。また、A5以下のサイズの場合は、画像データの情報量が少ないので、光学式文字読取処理による検索、類似画像検索等の検索精度を高くするためにジョブに初期設定された解像度より1段階高い解像度が画像形式として選択される。また、上記以外の用紙サイズの場合には記憶容量の節約と検索精度とのバランスを考慮してジョブに初期設定された解像度が画像形式として選択される。
【0044】
また、図4(c)では、ジョブの処理情報として1枚の出力用紙に印刷出力されるページ数が指定されている。なお、本例でも、文字画像、写真画像のいずれであるかにより、光学式文字読取処理による検索と類似画像検索とが使い分けられ、これに応じて2値画像または多値画像が画像形式として選択される。図4(c)において、1ページを1枚の出力用紙に印刷出力する場合には、印刷ジョブまたはコピージョブに初期設定された解像度が画像形式として選択される。なお、図3(a),(b),(c),(d)に示されるように、画質、印刷、文字サイズまたはプログラムの種類に応じて画像形式が選択されてもよい。一方、複数ページを1枚の出力用紙に印刷出力する場合には、画像データが縮小されるので、検索精度を上げるために、印刷ジョブに初期設定された解像度より1段階高い解像度が画像形式として選択される。
【0045】
図5には、ジョブがコピーまたはスキャン(画像読み取り)である場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係が示される。画像形式決定部14は、この関係に基づいてログ画像データの画像形式を決定することができる。
【0046】
図5では、ジョブの処理情報として原稿の種類が指定されている。図5において、原稿の種類が「文字原稿」である場合には、管理サーバ300における検索は光学式文字読取処理により行うのが好適である。このため、画像形式として2値画像が選択されている。また、原稿の種類が「写真」である場合には類似画像検索が好適である。このため、多値画像が画像形式として選択されている。また、文字と写真が混在する原稿では、2値画像と多値画像の両方の形式でログ画像データが作成される。さらに、原稿の種類が「地図」である場合には、小さい文字や細線が主体の原稿であるので、光学式文字読取処理による検索が好適であり、この検索精度を高くするために、高解像度の2値画像が画像形式として選択される。
【0047】
図6(a),(b)には、ジョブが印刷,コピー,スキャンまたはファクシミリ送受信である場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係が示される。画像形式決定部14は、この関係に基づいてログ画像データの画像形式を決定することができる。
【0048】
図6(a)では、ジョブの処理情報として印刷出力等のジョブの処理対象となる画像データのページ番号が指定されている。図6(a)において、画像データの先頭ページの場合には、文書を検索する上で重要な情報を含んでいる場合が多いので、光学式文字読取処理による検索及び類似画像検索での検索精度を高くするために、2値と多値の両方を選択できる。これに対して、先頭以外のページの場合には、先頭ページに比較して検索上重要な情報が少ない場合が多いので、ジョブに初期設定された画像形式が選択される。
【0049】
図6(b)では、ジョブの処理情報としてクライアントコンピュータ100で生成されたジョブの種類が指定されている。それぞれのジョブにおいては、扱う原稿の種類が多いので、画像形式を1種類に特定することは検索精度の向上、記憶容量の節約等の点で不都合な場合がある。そこで、本例では、ジョブの種類に応じて画像形式を選択できる構成となっている。
【0050】
図6(b)において、ジョブの種類がコピーである場合には、コピージョブに初期設定された画像形式と原稿の種類に応じた(図5参照)画像形式とから選択できる。また、ジョブの種類が印刷である場合には、印刷ジョブに初期設定された画像形式、画質の種類に応じた(図3(a)参照)画像形式、印刷の種類に応じた(図3(b)参照)画像形式及びジョブを生成するアプリケーション22が設定する画像形式から選択できる。また、ジョブの種類がスキャンである場合には、スキャンジョブに初期設定された画像形式と原稿の種類に応じた画像形式とから選択できる。さらに、ジョブの種類がファクシミリ送受信である場合には、ファクシミリ送受信ジョブに初期設定された画像形式と2値の画像形式から選択できる。また、ファクシミリ送受信の場合は、一般に低解像度の画像で通信されるので、ログ画像データの画像形式も低解像度を選択できる構成が好適である。
【0051】
図7には、イメージログを作成する際に上記画像形式を決定するためのジョブの処理情報を入力する情報入力画面の例が示される。図7は、ジョブが印刷(プリント)の場合の例である。図7において、ジョブの処理情報として選択できるパラメータは、画質の種類、印刷の種類、ジョブを生成するアプリケーションプログラムの種類、文字(フォント)サイズ、出力用紙の紙質及び1枚の用紙に印刷するページ数である。
【0052】
利用者は、上記各処理情報のボタンを操作することにより、それぞれの処理情報の有効・無効を決定する。画像形式決定部14は、有効とされた処理情報を処理情報取得部12から取得し、図3〜図6を参照してログ画像データの画像形式を決定する。この場合、有効とした処理情報の項目の組合せによっては、決定される画像形式に矛盾が生じる場合もある。例えば、グラフィックソフトウエアで作成した資料(図3(d)により多値画像が選択される)を印刷する際の画質が、プレゼンテーション(図3(a)により2値画像が選択される)の場合等に矛盾が生じてしまう。このため、図7で有効とされた処理情報を画像形式決定部14が使用する場合の優先順位を予め設定しておくのが好適である。
【0053】
図8には、イメージログを作成する際に上記画像形式を決定するためのジョブの処理情報を入力する情報入力画面の他の例が示される。図8は、ジョブがコピーまたはスキャンである場合の例である。図8において、ジョブの処理情報は原稿の種類に設定されており、図5に示された例と同じになっている。利用者は、原稿の種類として、文字,写真,文字と写真が混在,地図である場合について、作成するログ画像データの画像形式を2値及び多値の中から指定することができる。また、図8の例では、ログ画像データの解像度も指定することができる。指定結果は「変更」ボタンの選択により図5のテーブルに反映される。画像形式決定部14は、図5に反映された指定に基づいてログ画像生成部16にログ画像データを生成させる。
【0054】
なお、ジョブの処理情報を入力する情報入力画面は、図7及び図8の例には限られず、ジョブの種類に応じて適宜作成することができる。
【0055】
図9には、本実施形態にかかる画像処理システムの動作例のフローが示される。図9は、ジョブがコピーまたはスキャンである場合に、図5の関係に基づいて画像形式を決定する動作例である。
【0056】
図9において、ジョブ取得部10がアプリケーション22等から画像データの処理を指示するジョブを取得すると(S101)、画像データ出力部18が当該ジョブを実行した後、処理情報取得部12がジョブを解析してジョブの処理内容に関する処理情報を取得する(S102)。この場合の処理情報は、原稿の種類である。
【0057】
上記処理情報としての原稿の種類が文字原稿である場合には(S103)、画像形式決定部14がログ画像データの画像形式として2値画像を選択する。この場合の解像度は、ジョブに設定されていた初期値を使用する(S104)。
【0058】
また、上記原稿の種類が写真原稿である場合には(S105)、画像形式決定部14がログ画像データの画像形式として多値画像を選択する。この場合の解像度も、ジョブに設定されていた初期値を使用する(S106)。
【0059】
また、上記原稿の種類が地図原稿である場合には(S107)、画像形式決定部14がログ画像データの画像形式として多値画像を選択する。また、この場合の解像度は、小さい文字や細線が主体の原稿であるので、検索精度を高くするために、ジョブに設定されていた初期値よりも1段階高い解像度を使用する(S108)。
【0060】
なお、原稿の種類が上記何れでもない場合には、2値画像または多値画像の選択及び解像度についてジョブに設定されていた画像形式の初期値を使用する(S109)。
【0061】
図10には、本実施形態にかかる画像処理システムの他の動作例のフローが示される。図10では、図5と同様のテーブルを使用して画像形式を決定する動作となっている。
【0062】
図10において、ジョブ取得部10がアプリケーション22等から画像データの処理を指示するジョブを取得すると(S201)、画像データ出力部18が当該ジョブを実行した後、処理情報取得部12がジョブを解析してジョブの処理内容に関する処理情報を取得する(S202)。この場合の処理情報は、原稿の種類である。
【0063】
画像形式決定部14は、上記処理情報としての原稿の種類に基づき、選択テーブルを参照してログ画像データの画像形式を決定する(S203)。
【0064】
なお、選択テーブルは、図10に示されたものに限らず、例えば図3〜図6に示されたもの等をジョブに応じて使用することができる。
【0065】
図11には、本実施形態にかかる画像処理システムのさらに他の動作例のフローが示される。図11は、ジョブが印刷である場合に、画像形式として解像度を決定する処理の例である。
【0066】
図11において、ジョブ取得部10がアプリケーション22等から画像データの処理を指示するジョブを取得すると(S301)、画像データ出力部18が当該ジョブを実行し、画像データの印刷が行われる(S302)。この際、処理情報取得部12がジョブを解析してジョブの処理内容に関する処理情報を取得する。この場合の処理情報は、文字のサイズである。処理情報取得部12は、ジョブに含まれる画像データが文字画像データであるか否かを確認し(S303)、文字画像データである場合に、処理情報として取得した文字サイズが、これまで処理した文字のサイズのうち最小の文字サイズであるか否かを確認する(S304)。最小の文字サイズである場合には、その文字サイズの情報を一時的に記憶部20その他の適宜な記憶手段に保持させる(S305)。なお、S303で画像データが文字画像データでない場合には、S304,S305の処理を行わず、S304で最小の文字サイズでない場合には、S305の処理を行わない。
【0067】
以上のS303からS305までの処理は、ジョブが終了するまで繰り返す(S306)。
【0068】
以上の処理により、ジョブに含まれる文字画像データにおける最小の文字サイズを得ることができる。画像形式決定部14は、得られた最小の文字サイズに基づき、図11に示された選択テーブルを参照し、ログ画像データの解像度を決定する(S307)。ここで、図11に示された選択テーブルは、図3(c)に対応しているが、これに限られる必要なない。画像データに応じて文字の最小サイズと解像度との関係を適宜設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明にかかる画像処理装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【図2】本発明にかかる画像処理システムの一実施形態の構成例を示す図である。
【図3】ジョブが印刷である場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係を示す図である。
【図4】ジョブが印刷またはコピーである場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係を示す図である。
【図5】ジョブがコピーまたはスキャンである場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係を示す図である。
【図6】ジョブが印刷,コピー,スキャンまたはファクシミリ送受信である場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係を示す図である。
【図7】画像形式を決定するためのジョブの処理情報を入力する情報入力画面の例を示す図である。
【図8】画像形式を決定するためのジョブの処理情報を入力する情報入力画面の他の例を示す図である。
【図9】本発明にかかる画像処理システムの動作例のフロー図である。
【図10】本発明にかかる画像処理システムの他の動作例のフロー図である。
【図11】本発明にかかる画像処理システムのさらに他の動作例のフロー図である。
【符号の説明】
【0070】
10 ジョブ取得部、12 処理情報取得部、14 画像形式決定部、16 ログ画像生成部、18 画像データ出力部、20 記憶部、22 アプリケーション、100 クライアントコンピュータ、200 複合機、300 管理サーバ、400 通信手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、LAN(ローカルエリアネットワーク)に複数のクライアントとプリンタ等の出力装置が接続され、複数の利用者が出力装置を共有可能な画像処理システムが実用化されている。このような画像処理システムでは、出力すべき画像データをクライアントで生成し、この画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブを、ネットワーク上で共有される出力装置に送信して画像データを出力することができる。この場合、情報漏洩の抑止等を目的として、プリント・ジョブなどの各種ジョブの画像データとジョブログとを生成し、これらをイメージログとして文書管理サーバ等に登録し、後にクライアントから検索、閲覧する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−163904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、イメージログの検索精度を高くすることができる画像処理装置、画像処理システム及び画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置の発明は、画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段と、前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段と、前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記処理情報が、前記画像データのページ毎に設定されていることを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記画像形式決定手段が、前記処理情報が解像度を優先させる指定を含むか階調性を優先させる指定を含むかに応じて、2値画像形式と多値画像形式とのいずれかを選択することを特徴とする。
【0007】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、画像データに含まれる文字のサイズに応じて解像度を決定することを特徴とする。
【0008】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、画像データを作成したプログラムの種類に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする。
【0009】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、出力用紙の紙質に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする。
【0010】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、出力用紙のサイズに応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする。
【0011】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、画像データのページ番号に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする。
【0012】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記画像形式決定手段が、前記処理情報が、複数ページを1枚にまとめて印刷出力する処理内容である場合に、解像度を初期設定に対して1段階高くすることを特徴とする。
【0013】
請求項10記載の画像処理システムの発明は、画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段と、前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段と、前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段と、前記画像データを前記処理手続に基づいて出力する画像データ出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項11記載の画像処理プログラムの発明は、コンピュータを、画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段、前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段、及び前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、ジョブの処理情報に基づいてログ画像データの形式を決定するので、ログ画像データの形式の決定処理を、本構成を有していない場合と比較して、より簡便に行うことができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、画像データのページ毎に形式を決定するので、請求項1の効果に加えて、イメージログの検索精度を、本構成を有していない場合と比較して、より高くすることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、処理情報が解像度を優先させる指定を含むか階調性を優先させる指定を含むかに応じて、2値画像形式と多値画像形式とのいずれかを選択するので、請求項3が引用する項の効果に加えて、光学式文字読取処理による検索向きの画像か類似画像検索向きの画像かの判断を、本構成を採用しない場合と比較して、より迅速に行うことができる。
【0018】
請求項4から請求項9の発明によれば、ジョブの処理情報に基づいて適切な画像形式を選択できる。
【0019】
請求項10の発明によれば、ジョブの処理情報に基づいてログ画像データの形式を決定するので、ログ画像データの形式の決定処理を、本構成を有していない場合と比較して、より簡便に行うことができる。
【0020】
請求項11の発明によれば、ジョブの処理情報に基づいてログ画像データの形式を決定するので、ログ画像データの形式の決定処理を、本構成を有していない場合と比較して、より簡便に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0022】
図1には、本発明にかかる画像処理装置の一実施形態の機能ブロック図が示される。図1において、画像処装置は、ジョブ取得部10、処理情報取得部12、画像形式決定部14、ログ画像生成部16、画像データ出力部18及び記憶部20を含んで構成されている。
【0023】
ジョブ取得部10は、中央処理装置(CPU)及びCPUの処理動作を制御するプログラムにより実現され、アプリケーション22から文字、図形、写真等の画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブを取得する。なお、アプリケーション22は、画像データ出力部18による出力対象である画像データを処理手続とともにジョブとして出力する機能を有する一般的なソフトウエアである。
【0024】
処理情報取得部12は、CPU及びCPUの処理動作を制御するプログラムにより実現され、ジョブ取得部10が取得したジョブを解析し、ジョブの処理内容に関する処理情報を取得する。この処理情報としては、画像データの種類(文字、写真、図形等)、出力時の画質、文字サイズ、画像データを作成したプログラムの種類、ジョブの種類(コピー、スキャン、ファクシミリ送信、印刷等)、印刷出力する用紙の種類(紙質、用紙サイズ)、ページ番号(先頭ページか否か)、複数ページを1枚にまとめて印刷出力するか否か等の情報がある。
【0025】
画像形式決定部14は、CPU及びCPUの処理動作を制御するプログラムにより実現され、処理情報取得部12が取得した処理情報に基づき、上記画像データから生成するログ画像データの画像形式を決定する。ここで、上記ログ画像データとは、画像データ出力部18が出力した画像データを記録しておき、後に検索するための画像情報である。このログ画像データは、ジョブの実行記録であるジョブログとともにイメージログとして記憶部20に記憶される。なお、ジョブログの内容には、例えばジョブの実行年月日、実行時間、印刷ジョブにおける印刷枚数、カラー・白黒の区別、用紙サイズ、紙詰まりの有無等がある。また、上記画像形式とは、例えば2値画像と多値画像の区別、解像度の高低等をいう。2値画像は、光学式文字読取処理による検索に適する画像形式であり、多値画像は類似画像検索に適する画像形式である。また、解像度を高くするとログ画像データの検索精度が向上し、解像度を低くすると記憶部20等における記憶容量を節約することができる。
【0026】
ログ画像生成部16は、CPU及びCPUの処理動作を制御するプログラムにより実現され、画像形式決定部14が決定した画像形式に基づいてログ画像データを生成する。
【0027】
画像データ出力部18は、CPU及びCPUの処理動作を制御するプログラム並びに出力インターフェースにより実現され、処理情報取得部12が取得した処理情報に基づいて画像データを処理し、出力する。また、ログ画像生成部16が生成したログ画像も出力する。出力先は特に限定されないが、例えばネットワーク等の通信手段を介して接続された印刷装置、サーバコンピュータ、ファクシミリ装置等がある。
【0028】
記憶部20は、CPUの作業メモリとして使用されるランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)またはハードディスク装置等の磁気記憶装置その他のコンピュータが読み取り可能な記憶装置で実現され、上記CPUの処理動作を制御するプログラム、ジョブ、ログ画像データ等を記憶する。
【0029】
なお、上記図1に示された画像処理システムの一部の構成を専用のハードウェア(例えばASIC等)で構成してもよい。また、各構成は複数の装置に分散配置され、互いに通信手段で接続されている形態でもよい。また、画像処理システムが複数互いに通信手段によって接続されていて互いに協調動作する構成としてもよい。さらに、複写機、ファックス、スキャナ、印刷装置、複合機(多機能複写機とも呼ばれ、スキャナ、印刷装置、複写機、ファックス等の機能を有している)などに組み込まれていてもよい。
【0030】
図2には、本実施形態にかかる画像処理システムの構成例が示される。図2において、画像処理システムは、クライアントコンピュータ100、複合機200、管理サーバ300及び通信手段400を含んで構成されている。ここで、図1に示された各構成要素は、クライアントコンピュータ100、複合機200及び管理サーバ300のいずれに設けてもよい。例えば、クライアントコンピュータ100でアプリケーション22を動作させ、PDL(ページ記述言語)等によりジョブを複合機200に送信する。また、複合機200には、ジョブ取得部10、処理情報取得部12、画像形式決定部14、ログ画像生成部16及び画像データ出力部18を設け、管理サーバ300には記憶部20を設ける。このような構成により、クライアントコンピュータ100で生成したジョブを通信手段400を介して受け取った複合機200が、当該ジョブを実行し、その際の解析処理により取得した処理情報に基づいて決定した画像形式によりログ画像データを生成することができる。生成したログ画像データは、画像データ出力部18が管理サーバ300に送信し、管理サーバ300に格納することができる。なお、画像データを複合機200がコピー等により取得する場合にも、複合機200により上記同様にログ画像データを生成する。
【0031】
また、上記構成のうち、ジョブ取得部10と処理情報取得部12とをクライアントコンピュータ100に設ければ、ジョブの解析をクライアントコンピュータ100で行い、画像形式の決定及びその画像形式に基づくログ画像データの生成を複合機200で行うことができる。この場合、ジョブの解析により処理情報取得部12が取得した処理情報は、通信手段400を介して複合機200に送信される。
【0032】
また、クライアントコンピュータ100にジョブ取得部10、処理情報取得部12、画像形式決定部14、ログ画像生成部16及び画像データ出力部18を設ければ、クライアントコンピュータ100から複合機200にジョブを送信する際にログ画像データを生成し、複合機200を介して、あるいは直接に管理サーバ300にログ画像データを送信することができる。
【0033】
さらに、管理サーバ300にジョブ取得部10、処理情報取得部12及び画像形式決定部14を設け、複合機200にジョブ取得部10、ログ画像生成部16及び画像データ出力部18を設ければ、クライアントコンピュータ100から複合機200が受け取ったジョブを実行後、ジョブまたはジョブの処理手続を管理サーバ300に送信し、管理サーバ300でジョブを解析して処理情報を取得し、この処理情報を複合機200に転送してログ画像データを生成することができる。なお、生成したログ画像データは、画像データ出力部18が管理サーバ300に送信し、管理サーバ300に格納する。
【0034】
なお、上記管理サーバ300では、クライアントコンピュータ100等からの検索要求を受け付け、格納しているログ画像データの検索を実行する。この検索には、例えば光学式文字読取処理による検索、類似画像検索等を使用するのが好適である。上記画像形式は、このような検索の精度が高くなるように決定される。
【0035】
また、以上に述べた構成では、管理サーバ300を独立したコンピュータ上で動作させているが、例えば複合機200に管理サーバの機能を持たせてもよい。
【0036】
図3(a),(b),(c),(d)には、ジョブが印刷である場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係が示される。画像形式決定部14は、この関係に基づいてログ画像データの画像形式を決定することができる。
【0037】
図3(a)では、ジョブの処理情報として印刷出力の画質の種類が指定されている。このような処理情報は、例えばクライアントコンピュータ100で動作するアプリケーション22がジョブを生成する際に指定する。図3(a)において、画質の種類が「写真」である場合には、管理サーバ300で行う検索の方法として類似画像検索を使用するのが好適である。従って、類似画像検索における検索精度を高くすることができる多値画像が画像形式として選択されている。また、画質の種類が「プレゼンテーション」すなわち発表用の資料の印刷である場合には、一般に文字のサイズが大きい文字画像であるので、光学式文字読取処理による検索が好適である。従って、光学式文字読取処理による検索精度を高くすることができる2値画像が画像形式として選択されている。さらに、画質の種類が「ホームページ」すなわちインターネット上の画像を印刷する場合には、一般に通信速度を高く維持するためにホームページの解像度が低く設定されていることから、画像形式も低解像度が選択される。なお、この場合、2値画像または多値画像の選択は、印刷される画像データが文字画像であるか写真画像であるかにより決定される。
【0038】
また、図3(b)では、ジョブの処理情報として印刷の種類が指定されている。図3(b)において、印刷の種類が「高画質」である場合には、印刷される画像データが写真等である場合が多いので、管理サーバ300で行う検索方法として類似画像検索が好適である。このため、画像形式として多値画像が選択されている。また、印刷の種類が「高精細」である場合には、小さい文字や細線が多用されるので、光学式文字読取処理による検索が好適であり、画像形式として光学式文字読取処理に適した2値画像が選択される。その場合の解像度は、画像データ中の文字が光学式文字読取処理により正しく認識される率が所定の値以上になるような解像度とすることが好ましい。ここで、印刷の種類の「高画質」は階調性を優先させる指定であり、「高精細」は解像度を優先する指定であると言える。
【0039】
また、図3(c)では、ジョブの処理情報として文字サイズが指定されている。本例では、印刷の対象が文字画像であるので、管理サーバ300で行う検索方法として光学式文字読取処理による検索が採用される。このため、画像形式は2値画像が選択される。さらに、図3(c)において、文字サイズが4ポイント以下の場合には、光学式文字読取処理による検索の精度を高くするため、解像度400dpi(1インチの中に400個の画素が入る密度)が画像形式として選択される。また、文字サイズが9ポイント以上の場合には、文字のサイズが大きいので、解像度が低くても検索精度が下がらず、記憶容量の節約のため200dpiが選択される。以上の文字サイズ以外では、画像形式として特定の解像度を指定せず、印刷ジョブにおける初期の設定が使用される。なお、図3(c)における文字サイズとしては、例えば文字画像中の最小の文字サイズ、出現頻度の高い文字サイズ、「重要」,「複写禁止」等のキーワードの文字サイズ等を使用することができる。
【0040】
また、図3(d)では、ジョブの処理情報として画像データを作成したプログラムの種類が指定されている。図3(d)において、文書作成ソフトウエアで画像データを作成する場合は、文字が主体となるので、管理サーバ300で行う検索方法として光学式文字読取処理による検索が好適である。このため、光学式文字読取処理による検索精度を高くすることができる2値画像が画像形式として選択される。また、グラフィックソフトウエアで画像データを作成する場合は、写真または絵が主体となるので類似画像検索が好適である。このため、多値画像が画像形式として選択される。さらに、CAD(コンピュータ支援設計)ソフトウエアあるいは表計算ソフトウエアで画像データを作成する場合は、文字が主体となるので光学式文字読取処理による検索が好適である。このため、2値画像が画像形式として選択される。また、細線が多くなるので、高解像度とするのが好適である。
【0041】
図4(a),(b),(c)には、ジョブが印刷またはコピーである場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係が示される。画像形式決定部14は、この関係に基づいてログ画像データの画像形式を決定することができる。なお、コピージョブは、原稿のスキャン(画像読み取り)及び読み取った画像データの印刷が組み合わされたジョブである。
【0042】
図4(a)では、ジョブの処理情報として印刷ジョブまたはコピージョブで選択される出力用紙の紙質の種類が指定されている。図4(a)において、紙質が写真用紙である場合には、印刷出力される画像データは写真画像が主体になる。このため、管理サーバ300で行う検索方法は類似画像検索となり、この検索精度を高くできる多値画像が画像形式として選択される。また、紙質が発表等に使用するオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)用紙の場合には、文字のサイズが大きく、光学式文字読取処理による検索の精度が高くなるので、2値画像が画像形式として選択される。この場合、ログ画像データの記憶容量を節約するために、低解像度とするのが好適である。
【0043】
また、図4(b)では、ジョブの処理情報として印刷ジョブまたはコピージョブで選択される出力用紙のサイズが指定されている。なお、本例では、文字画像、写真画像のいずれであるかにより、管理サーバ300で行う検索方法として光学式文字読取処理による検索と類似画像検索とが使い分けられ、これに応じて2値画像または多値画像が画像形式として選択される。さらに、図4(b)において、A3以上の用紙サイズの場合は、画像データの情報量が多くなるので、ログ画像データの記憶容量を節約するために200dpi以下の低解像度が画像形式として選択される。また、A5以下のサイズの場合は、画像データの情報量が少ないので、光学式文字読取処理による検索、類似画像検索等の検索精度を高くするためにジョブに初期設定された解像度より1段階高い解像度が画像形式として選択される。また、上記以外の用紙サイズの場合には記憶容量の節約と検索精度とのバランスを考慮してジョブに初期設定された解像度が画像形式として選択される。
【0044】
また、図4(c)では、ジョブの処理情報として1枚の出力用紙に印刷出力されるページ数が指定されている。なお、本例でも、文字画像、写真画像のいずれであるかにより、光学式文字読取処理による検索と類似画像検索とが使い分けられ、これに応じて2値画像または多値画像が画像形式として選択される。図4(c)において、1ページを1枚の出力用紙に印刷出力する場合には、印刷ジョブまたはコピージョブに初期設定された解像度が画像形式として選択される。なお、図3(a),(b),(c),(d)に示されるように、画質、印刷、文字サイズまたはプログラムの種類に応じて画像形式が選択されてもよい。一方、複数ページを1枚の出力用紙に印刷出力する場合には、画像データが縮小されるので、検索精度を上げるために、印刷ジョブに初期設定された解像度より1段階高い解像度が画像形式として選択される。
【0045】
図5には、ジョブがコピーまたはスキャン(画像読み取り)である場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係が示される。画像形式決定部14は、この関係に基づいてログ画像データの画像形式を決定することができる。
【0046】
図5では、ジョブの処理情報として原稿の種類が指定されている。図5において、原稿の種類が「文字原稿」である場合には、管理サーバ300における検索は光学式文字読取処理により行うのが好適である。このため、画像形式として2値画像が選択されている。また、原稿の種類が「写真」である場合には類似画像検索が好適である。このため、多値画像が画像形式として選択されている。また、文字と写真が混在する原稿では、2値画像と多値画像の両方の形式でログ画像データが作成される。さらに、原稿の種類が「地図」である場合には、小さい文字や細線が主体の原稿であるので、光学式文字読取処理による検索が好適であり、この検索精度を高くするために、高解像度の2値画像が画像形式として選択される。
【0047】
図6(a),(b)には、ジョブが印刷,コピー,スキャンまたはファクシミリ送受信である場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係が示される。画像形式決定部14は、この関係に基づいてログ画像データの画像形式を決定することができる。
【0048】
図6(a)では、ジョブの処理情報として印刷出力等のジョブの処理対象となる画像データのページ番号が指定されている。図6(a)において、画像データの先頭ページの場合には、文書を検索する上で重要な情報を含んでいる場合が多いので、光学式文字読取処理による検索及び類似画像検索での検索精度を高くするために、2値と多値の両方を選択できる。これに対して、先頭以外のページの場合には、先頭ページに比較して検索上重要な情報が少ない場合が多いので、ジョブに初期設定された画像形式が選択される。
【0049】
図6(b)では、ジョブの処理情報としてクライアントコンピュータ100で生成されたジョブの種類が指定されている。それぞれのジョブにおいては、扱う原稿の種類が多いので、画像形式を1種類に特定することは検索精度の向上、記憶容量の節約等の点で不都合な場合がある。そこで、本例では、ジョブの種類に応じて画像形式を選択できる構成となっている。
【0050】
図6(b)において、ジョブの種類がコピーである場合には、コピージョブに初期設定された画像形式と原稿の種類に応じた(図5参照)画像形式とから選択できる。また、ジョブの種類が印刷である場合には、印刷ジョブに初期設定された画像形式、画質の種類に応じた(図3(a)参照)画像形式、印刷の種類に応じた(図3(b)参照)画像形式及びジョブを生成するアプリケーション22が設定する画像形式から選択できる。また、ジョブの種類がスキャンである場合には、スキャンジョブに初期設定された画像形式と原稿の種類に応じた画像形式とから選択できる。さらに、ジョブの種類がファクシミリ送受信である場合には、ファクシミリ送受信ジョブに初期設定された画像形式と2値の画像形式から選択できる。また、ファクシミリ送受信の場合は、一般に低解像度の画像で通信されるので、ログ画像データの画像形式も低解像度を選択できる構成が好適である。
【0051】
図7には、イメージログを作成する際に上記画像形式を決定するためのジョブの処理情報を入力する情報入力画面の例が示される。図7は、ジョブが印刷(プリント)の場合の例である。図7において、ジョブの処理情報として選択できるパラメータは、画質の種類、印刷の種類、ジョブを生成するアプリケーションプログラムの種類、文字(フォント)サイズ、出力用紙の紙質及び1枚の用紙に印刷するページ数である。
【0052】
利用者は、上記各処理情報のボタンを操作することにより、それぞれの処理情報の有効・無効を決定する。画像形式決定部14は、有効とされた処理情報を処理情報取得部12から取得し、図3〜図6を参照してログ画像データの画像形式を決定する。この場合、有効とした処理情報の項目の組合せによっては、決定される画像形式に矛盾が生じる場合もある。例えば、グラフィックソフトウエアで作成した資料(図3(d)により多値画像が選択される)を印刷する際の画質が、プレゼンテーション(図3(a)により2値画像が選択される)の場合等に矛盾が生じてしまう。このため、図7で有効とされた処理情報を画像形式決定部14が使用する場合の優先順位を予め設定しておくのが好適である。
【0053】
図8には、イメージログを作成する際に上記画像形式を決定するためのジョブの処理情報を入力する情報入力画面の他の例が示される。図8は、ジョブがコピーまたはスキャンである場合の例である。図8において、ジョブの処理情報は原稿の種類に設定されており、図5に示された例と同じになっている。利用者は、原稿の種類として、文字,写真,文字と写真が混在,地図である場合について、作成するログ画像データの画像形式を2値及び多値の中から指定することができる。また、図8の例では、ログ画像データの解像度も指定することができる。指定結果は「変更」ボタンの選択により図5のテーブルに反映される。画像形式決定部14は、図5に反映された指定に基づいてログ画像生成部16にログ画像データを生成させる。
【0054】
なお、ジョブの処理情報を入力する情報入力画面は、図7及び図8の例には限られず、ジョブの種類に応じて適宜作成することができる。
【0055】
図9には、本実施形態にかかる画像処理システムの動作例のフローが示される。図9は、ジョブがコピーまたはスキャンである場合に、図5の関係に基づいて画像形式を決定する動作例である。
【0056】
図9において、ジョブ取得部10がアプリケーション22等から画像データの処理を指示するジョブを取得すると(S101)、画像データ出力部18が当該ジョブを実行した後、処理情報取得部12がジョブを解析してジョブの処理内容に関する処理情報を取得する(S102)。この場合の処理情報は、原稿の種類である。
【0057】
上記処理情報としての原稿の種類が文字原稿である場合には(S103)、画像形式決定部14がログ画像データの画像形式として2値画像を選択する。この場合の解像度は、ジョブに設定されていた初期値を使用する(S104)。
【0058】
また、上記原稿の種類が写真原稿である場合には(S105)、画像形式決定部14がログ画像データの画像形式として多値画像を選択する。この場合の解像度も、ジョブに設定されていた初期値を使用する(S106)。
【0059】
また、上記原稿の種類が地図原稿である場合には(S107)、画像形式決定部14がログ画像データの画像形式として多値画像を選択する。また、この場合の解像度は、小さい文字や細線が主体の原稿であるので、検索精度を高くするために、ジョブに設定されていた初期値よりも1段階高い解像度を使用する(S108)。
【0060】
なお、原稿の種類が上記何れでもない場合には、2値画像または多値画像の選択及び解像度についてジョブに設定されていた画像形式の初期値を使用する(S109)。
【0061】
図10には、本実施形態にかかる画像処理システムの他の動作例のフローが示される。図10では、図5と同様のテーブルを使用して画像形式を決定する動作となっている。
【0062】
図10において、ジョブ取得部10がアプリケーション22等から画像データの処理を指示するジョブを取得すると(S201)、画像データ出力部18が当該ジョブを実行した後、処理情報取得部12がジョブを解析してジョブの処理内容に関する処理情報を取得する(S202)。この場合の処理情報は、原稿の種類である。
【0063】
画像形式決定部14は、上記処理情報としての原稿の種類に基づき、選択テーブルを参照してログ画像データの画像形式を決定する(S203)。
【0064】
なお、選択テーブルは、図10に示されたものに限らず、例えば図3〜図6に示されたもの等をジョブに応じて使用することができる。
【0065】
図11には、本実施形態にかかる画像処理システムのさらに他の動作例のフローが示される。図11は、ジョブが印刷である場合に、画像形式として解像度を決定する処理の例である。
【0066】
図11において、ジョブ取得部10がアプリケーション22等から画像データの処理を指示するジョブを取得すると(S301)、画像データ出力部18が当該ジョブを実行し、画像データの印刷が行われる(S302)。この際、処理情報取得部12がジョブを解析してジョブの処理内容に関する処理情報を取得する。この場合の処理情報は、文字のサイズである。処理情報取得部12は、ジョブに含まれる画像データが文字画像データであるか否かを確認し(S303)、文字画像データである場合に、処理情報として取得した文字サイズが、これまで処理した文字のサイズのうち最小の文字サイズであるか否かを確認する(S304)。最小の文字サイズである場合には、その文字サイズの情報を一時的に記憶部20その他の適宜な記憶手段に保持させる(S305)。なお、S303で画像データが文字画像データでない場合には、S304,S305の処理を行わず、S304で最小の文字サイズでない場合には、S305の処理を行わない。
【0067】
以上のS303からS305までの処理は、ジョブが終了するまで繰り返す(S306)。
【0068】
以上の処理により、ジョブに含まれる文字画像データにおける最小の文字サイズを得ることができる。画像形式決定部14は、得られた最小の文字サイズに基づき、図11に示された選択テーブルを参照し、ログ画像データの解像度を決定する(S307)。ここで、図11に示された選択テーブルは、図3(c)に対応しているが、これに限られる必要なない。画像データに応じて文字の最小サイズと解像度との関係を適宜設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明にかかる画像処理装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【図2】本発明にかかる画像処理システムの一実施形態の構成例を示す図である。
【図3】ジョブが印刷である場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係を示す図である。
【図4】ジョブが印刷またはコピーである場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係を示す図である。
【図5】ジョブがコピーまたはスキャンである場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係を示す図である。
【図6】ジョブが印刷,コピー,スキャンまたはファクシミリ送受信である場合に、ジョブの処理情報と、これに対応させる画像形式との関係を示す図である。
【図7】画像形式を決定するためのジョブの処理情報を入力する情報入力画面の例を示す図である。
【図8】画像形式を決定するためのジョブの処理情報を入力する情報入力画面の他の例を示す図である。
【図9】本発明にかかる画像処理システムの動作例のフロー図である。
【図10】本発明にかかる画像処理システムの他の動作例のフロー図である。
【図11】本発明にかかる画像処理システムのさらに他の動作例のフロー図である。
【符号の説明】
【0070】
10 ジョブ取得部、12 処理情報取得部、14 画像形式決定部、16 ログ画像生成部、18 画像データ出力部、20 記憶部、22 アプリケーション、100 クライアントコンピュータ、200 複合機、300 管理サーバ、400 通信手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段と、
前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段と、
前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置において、前記処理情報は、前記画像データのページ毎に設定されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、前記処理情報が解像度を優先させる指定を含むか階調性を優先させる指定を含むかに応じて、2値画像形式と多値画像形式とのいずれかを選択することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、画像データに含まれる文字のサイズに応じて解像度を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、画像データを作成したプログラムの種類に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、出力用紙の紙質に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、出力用紙のサイズに応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、画像データのページ番号に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、前記処理情報が、複数ページを1枚にまとめて印刷出力する処理内容である場合に、解像度を初期設定に対して1段階高くすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段と、
前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段と、
前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段と、
前記画像データを前記処理手続に基づいて出力する画像データ出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項11】
コンピュータを、
画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段、
前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段、及び
前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項1】
画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段と、
前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段と、
前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置において、前記処理情報は、前記画像データのページ毎に設定されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、前記処理情報が解像度を優先させる指定を含むか階調性を優先させる指定を含むかに応じて、2値画像形式と多値画像形式とのいずれかを選択することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、画像データに含まれる文字のサイズに応じて解像度を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、画像データを作成したプログラムの種類に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、出力用紙の紙質に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、出力用紙のサイズに応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、画像データのページ番号に応じてログ画像データの形式を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置において、前記画像形式決定手段は、前記処理情報が、複数ページを1枚にまとめて印刷出力する処理内容である場合に、解像度を初期設定に対して1段階高くすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段と、
前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段と、
前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段と、
前記画像データを前記処理手続に基づいて出力する画像データ出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項11】
コンピュータを、
画像データ及びその処理手続を含んで構成されるジョブの処理内容に関する処理情報を取得する処理情報取得手段、
前記取得した処理情報に基づき、前記画像データから生成するログ画像データの形式を決定する画像形式決定手段、及び
前記画像形式決定手段が決定した形式に基づいてログ画像データを生成するログ画像生成手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−181450(P2008−181450A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15947(P2007−15947)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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