説明

画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】 他の色の画素との輝度差の大きい色の画素が存在しない場合であっても、高速かつ高精度に画素の色を判定し、検査時間を短縮することができる画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供する。
【解決手段】 欠陥部位検出部4は、画像データに基づいて、欠陥部位を判定する。プロファイル取得部5は、画像データに基づいて、表示パネル9の画素ごとにプロファイル値、たとえば輝度値を算出する。欠陥部位色判定部7は、算出されたプロファイル値の変化を表す変化パターンに基づいて、基準位置リストを作成する。そして、作成した基準位置リストに基づいて、欠陥部位の色を判定し、色ごとに予め設定された評価基準に基づいて、欠陥部位の良否判定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルの欠陥を検査する画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体に関し、特に、液晶表示パネルなどのフラットパネルディスプレイを点灯させて欠陥を検査するパネル点灯検査に適した画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルなどのフラットパネルディスプレイは、軽量、薄型および低消費電力などの特性を活かして、家電製品や情報端末装置などのディスプレイとして、幅広い分野で使用されている。こうしたフラットパネルディスプレイの製造現場では、各製造工程において電気的動作検査や、表示パネルを点灯させて検査する表示パネル欠陥検査などの種々の検査が行われ、品質が管理されている。
【0003】
このような検査うち、表示パネル欠陥検査では、表示パネルを実際に点灯させて、輝点や黒点などの点欠陥、輝線や黒線などの線欠陥、および表示パネルのむらなどの各欠陥について、許容できる欠陥であるか、許容できない欠陥であるかが判定される。
【0004】
従来技術による点灯検査は、作業者による目視検査によって、欠陥の判定が行われる。しかし、目視検査は、作業者の個人差による判定結果のばらつきや、作業者による処理能力に差が生じる。これらのばらつきや差をなくすために、表示パネル欠陥検査を自動で行う自動検査装置が導入されている。
【0005】
この自動検査装置は、点欠陥および線欠陥などの欠陥のように、判定基準を数値化することができる欠陥を判定する場合には、判定結果のばらつきをなくすことができので、統一された判定を行うために適している。最終製品が表示パネルであるとき、欠陥が問題となるのは、製品である表示パネルに表示される映像を鑑賞者が鑑賞した際に、鑑賞者が目視で欠陥を認識する場合である。したがって、表示パネルの欠陥判定の基準については、目視による輝度を基準とするのが実状である。
【0006】
しかし、自動検査装置による検査と目視検査とでは、色ごとの相対的な感度が異なる。たとえば、目視で同じ輝度の赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3色の輝点でも、自動検査装置の色ごとの相対的な感度は、目視に比べて、緑色が低く、青色が高い。このため、自動検査装置で全色の欠陥判定基準を同一に設定した場合、色ごとの欠陥検出感度は緑色が小さく、青色が高くなる。したがって、緑色輝点の欠陥で感度を調整すると、実際は問題ないレベルの目視輝度の青色輝点をより多く欠陥として検出してしまい、検出過多となる。反対に、青色輝点の欠陥で感度を調整すると、問題となる目視輝度の緑色輝点が検出されず、検出過少となる。このように、色ごとに欠陥判定基準を設定しない場合は検査精度が低下するという問題がある。
【0007】
したがって、自動検査装置に、色ごとに目視の感度に合わせた欠陥の判定基準を設定すれば、このような問題は解消し、精度よく検査を行うことができる。しかし、そのためには自動検査装置が、画素ごとに色を判定する必要がある。
【0008】
画素ごとに色を判定する従来技術として特許文献1に記載される欠陥検査装置がある。この欠陥検査装置は、表示パネルを撮像素子で撮像することによって得られる画像データに基づいて、表示パネルの各色画素(特許文献1では「絵素」と記載されているが、本願の「画素」に相当するので以下「画素」という)の輝度分布を検出し、色画素ごとの輝度差による輝度分布の周期性を利用して、欠陥部位の色判定を行い、判定した色に基づく判定基準によって、欠陥部位の良否判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−85892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載される欠陥検査装置は、検査対象の表示パネルの色画素が3色であり、それぞれが相互に判定可能な程度に異なる輝度差があるので、周期性を利用して色判定を行うことができる。しかし、他の色画素のいずれとも判定可能な程度に輝度差が大きい色画素が少なくとも1色以上存在しない場合は、周期性を利用した色判定を行うことができない。たとえば、R、G、B、および黄色(Y)の4色の色画素からなる表示パネルにおいて、YとGとの輝度差が小さく、かつRとBとの輝度差が小さい場合、色判定を行う画素の輝度値に基づいて、各画素がYもしくはGの画素群に属するのか、またはRもしくはBの画素群に属するのかを判定することは容易であるが、YであるのかGであるのかの判定、およびRであるかBであるかの判定は困難であり、結果として、画素の色を候補の色を1色にまで絞り込んで判定することはできない。
【0011】
本発明の目的は、他の色の画素との輝度差の大きい色の画素が存在しない場合であっても、高速かつ高精度に画素の色を判定し、検査時間を短縮することができる画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネルに表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表す特徴量を前記周期的に配列される方向に表す特徴量分布を生成する特徴量分布生成部と、
特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する色判定部とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
また本発明は、前記表示パネルは、異なる色の画素が2方向に周期的に配列され、
前記特徴量分布生成部は、前記2方向の特徴量分布を生成し、
前記色判定部は、前記2方向の特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて画素の色を判定することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布に基づいて、基準となる色の画素の位置を表す基準位置リストを作成する基準位置リスト作成部をさらに含み、
前記色判定部は、基準位置リスト作成部によって作成された基準位置リストに基づいて画素の色を判定することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記予め定める検査パターンは、1画素ごとに点灯と非点灯とを繰り返すパターンであることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記特徴量の変化パターンは、少なくとも3個以上の異なる特徴量から構成されることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記特徴量の変化の予測パターンを表わす予測パターン情報を予め記録する記録部をさらに含み、
前記色判定部は、前記特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンと、記録部に記録される予測パターン情報が示す予測パターンとを照合することによって、画素の色を判定することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記基準位置リスト作成部は、前記変化パターンの特徴に基づいて、表示パネルの画素の色の一部の色の画素について作成した基準位置リストを第1の基準位置リストとし、前記第1の基準位置リストに基づいて、第1の基準位置リストとして作成された色と異なる色の画素の位置を表す第2の基準位置リストを作成し、
前記色判定部は、前記基準位置リスト作成部によって作成された第2の基準位置リストに基づいて、画素の色を判定することを特徴とする。
【0019】
また本発明は、複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネルに表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表す特徴量を前記周期的に配列される方向に表す特徴量分布を生成する特徴量分布生成工程と、
特徴量分布生成工程で生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する色判定工程とを有することを特徴とする画像処理方法である。
【0020】
また本発明は、コンピュータを、
複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネルに表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表す特徴量を前記周期的に配列される方向に表す特徴量分布を生成する特徴量分布生成部と、
特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する色判定部として機能させるためのプログラムである。
【0021】
また本発明は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネルに表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表す特徴量を前記周期的に配列される方向に表す特徴量分布を生成する。そして、色判定部は、特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する。したがって、他の色の画素とのプロファイル値の差、たとえば輝度差の大きい色の画素が存在しない場合であっても、高速かつ高精度に画素の色を判定することができ、表示パネルの欠陥の検査に用いれば、検査時間を短縮することができる。また、たとえば、通常状態では従来技術による方法で色判定が可能な表示パネルであっても、バックライト異常などで、表示パネルの一部のエリアの輝度値が大幅に減少するような突発的なトラブルが発生した状態では色判定ができない。それに対して、本発明は輝度値の変化パターンを用いているので、エリアの輝度値の変動に影響されずに正確に判定することができる。
【0023】
また本発明によれば、前記表示パネルは、異なる色の画素が2方向に周期的に配列される。前記特徴量分布生成部は、前記2方向の特徴量分布を生成する。そして、前記色判定部は、前記2方向の特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて画素の色を判定する。したがって、色の異なる画素の配列方向が2方向であっても色の色判定を行うことができる。
【0024】
また本発明によれば、基準位置リスト作成部は、前記特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布に基づいて、基準となる色の画素の位置を表す基準位置リストを作成する。そして、前記色判定部は、基準位置リスト作成部によって作成された基準位置リストに基づいて画素の色を判定する。したがって、特徴量分布に基づいて作成された基準位置リストが示す基準となる色の画素の位置に基づいて、画素の色を判定するので、画素の色を正確に判定することができる。
【0025】
また本発明によれば、前記予め定める検査パターンは、1画素ごとに点灯と非点灯とを繰り返すパターンである。したがって、隣接する画素の輝度の影響を排除することができ、画素の色を正確に判定することができる。また、色判定専用の複数の単色点灯パターンを使用する必要がなく、欠陥部位を検出するための検査パターンと、同一とすることができる。すなわち、撮像素子によって撮像されて得られる単一の画像データを用いて、欠陥部位の検出と色の判定とを行うことができる。
【0026】
また本発明によれば、前記特徴量の変化パターンは、少なくとも3個以上の異なる特徴量から構成される。したがって、3個以上の色の画素から構成される表示パネルでも画素の色の判定を行うことができる。
【0027】
また本発明によれば、記録部は、前記特徴量の変化の予測パターンを表わす予測パターン情報を予め記録する。そして、前記色判定部は、前記特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンと、記録部に記録される予測パターン情報が示す予測パターンとを照合することによって、画素の色を判定する。したがって、予測パターンを用いるので、より確実に色を判定することができる。
【0028】
また本発明によれば、前記基準位置リスト作成部は、前記変化パターンの特徴に基づいて、表示パネルの画素の色の一部の色の画素について作成した基準位置リストを第1の基準位置リストとし、前記第1の基準位置リストに基づいて、第1の基準位置リストとして作成された色と異なる色の画素の位置を表す第2の基準位置リストを作成し、前記色判定部は、前記基準位置リスト作成部によって作成された第2の基準位置リストに基づいて、画素の色を判定する。したがって、一部の色の画素の幅よりも異なる色の画素の幅が大きければ、第2の基準位置リストの位置座標精度は第1の基準位置リストよりも向上し、結果として第2の基準位置リストを基準とした欠陥部位の相対座標の位置精度が上昇し、欠陥部位の色判定精度を改善することができる。
【0029】
また本発明によれば、特徴量分布生成工程では、複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネルに表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表す特徴量を前記周期的に配列される方向に表す特徴量分布を生成する。そして、色判定工程では、特徴量分布生成工程で生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する。したがって、他の色の画素とのプロファイル値の差、たとえば輝度差の大きい色の画素が存在しない場合であっても、高速かつ高精度に画素の色を判定し、検査時間を短縮することができる。また、たとえば、通常状態では従来技術による方法で色判定が可能な表示パネルであっても、バックライト異常などで、表示パネルの一部のエリアの輝度値が大幅に減少するような突発的なトラブルが発生した状態では色判定ができない。それに対して、本発明は輝度値の変化パターンを用いているので、エリアの輝度値の変動に影響されずに正確に判定することができる。
【0030】
また本発明によれば、コンピュータを、複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネルに表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表す特徴量を前記周期的に配列される方向に表す特徴量分布を生成する特徴量分布生成部と、特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する色判定部として機能させるためのプログラムとして提供することができる。
【0031】
また本発明によれば、前記プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態である画像処理装置を含む表示パネル欠陥検査装置1の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】検査装置1の全体の構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】検査装置1が実行する検査処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】画像データの取得およびコントラストの算出を説明するための図である。
【図5】欠陥部位候補の検出および欠陥強度の算出方法を説明するための図である。
【図6】4色表示パネル用のプロファイル値の変化パターンの特徴によって色を判定する原理を説明するための図である。
【図7】6色表示パネル用のプロファイル値の変化パターンの特徴によって色を判定する原理を説明するための図である。
【図8】欠陥部位色判定部7が実行する基準位置リスト作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】基準位置リストに基づいて欠陥部位50の色を判定する原理を説明するための図である。
【図10】第1の基準位置リストを基に作成した第2の基準位置リストに基づいて欠陥部位50の色を判定する原理を説明するための図である。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態である画像処理装置を含む表示パネル欠陥検査装置1の概略の構成を示すブロック図である。表示パネル欠陥検査装置(以下、「検査装置」という)1は、後述する画像処理装置を含み、各画素の特徴を表す特徴量の分布の変化の特徴を利用して、表示パネル9における欠陥部位の色を判定し、判定した色に基づいて、欠陥部位の良否を判定する。本発明に係る画像処理方法は、画像処理装置によって実行される。
【0034】
検査装置1は、撮像部2、パターン表示部3、欠陥部位検出部4、プロファイル取得部5、基準位置リスト作成部6、欠陥部位色判定部7、および主制御部8を含んで構成される。
【0035】
撮像部2は、検査対象である表示パネル9に表示される画像を撮像し、撮像した画像を表す画像データを生成し、生成した画像データを欠陥部位検出部4およびプロファイル取得部5などに送る。撮像部2の具体的構成は、後述する。
【0036】
パターン表示制御部であるパターン表示部3は、表示パネル9に接続されており、表示パネル9の画素の点灯および非点灯を切り換えて、欠陥検査のための予め定める検査パターンを表示パネル9に表示させる。予め定める検査パターンとしては、複数種類のパターンが用いられる。たとえば後述するストライプパターン、あるいは白べたや黒べたのパターンがある。パターン表示部3は、たとえば、表示パネル9を点灯させるための回路から構成される。パターン表示部3は、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という)によって構成することもできる。パターン表示部3と表示パネル9との接続が有線の場合、人手によって接続する必要があるので、この接続は無線であることが好ましい。
【0037】
欠陥部位検出部4は、撮像部2から受け取った画像データに基づいて、欠陥部位を検出する。欠陥部位は、画素の一部分であり、製品として許容されない欠陥である可能性の部分である。絵素は、複数の色の画素から構成される。
【0038】
特徴量分布生成部であるプロファイル取得部5は、撮像部2から受け取った画像データに基づいて、プロファイルを取得する。プロファイルは、プロファイル値の分布を表す。プロファイル値は、各画素の特徴を表す特徴量、たとえば各画素の輝度値である。したがって、プロファイルは、特徴量分布であり、たとえばプロファイル値が輝度値であれば、プロファイルは、輝度分布である。
【0039】
基準位置リスト作成部6は、プロファイル取得部5によって取得されたプロファイルに基づいて、基準位置リストを作成する。基準位置リストは、基準となる色の画素の位置を表す一覧表である。基準位置リストは、表示パネル9の画素の色と、表示パネル9内における画素の位置とを対応付ける対応情報を含む。
【0040】
色判定部および良否判定部である欠陥部位色判定部7は、基準位置リスト作成部6によって作成された基準位置リストに基づいて、欠陥部位検出部4によって検出された欠陥部位の色を判定し、判定した色に基づいて、欠陥部位の良否判定、つまり欠陥部位が製品として許容されるか否かの判定を行う。
【0041】
主制御部8は、撮像部2、パターン表示部3、欠陥部位検出部4、プロファイル取得部5、基準位置リスト作成部6、おおび欠陥部位色判定部7を制御する。主制御部8は、図示しないデータベースに接続され、検出した欠陥に関する情報をデータベースに記憶し蓄積する。
【0042】
表示パネル9は、検査装置1による欠陥検査の対象である。表示パネル9は、複数の色の画素を含み、その複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される。換言すると、表示パネル9は、複数の色の画素が一定方向にマトリクス状に配列されたものである。したがって、表示パネル9の画素は、規則性を持って配列されており、ランダムな配列ではない。表示パネル9は、表示画面に複数の色の画素を有し、各画素を点灯または非点灯にすることによって、絵素を表示するものであればよく、特に限定されない。表示パネル9は、たとえば、液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、エレクトロルミネセンス(Electro-Luminescence:略称「EL」)表示パネル、あるいはブラウン管表示装置などによって構成することができる。
【0043】
パターン表示部3、欠陥部位検出部4、プロファイル取得部5、基準位置リスト作成部6、欠陥部位色判定部7、および主制御部8は、1台ないし複数台のPCで構成することも可能である。パターン表示部3と、表示パネル9および主制御部8との接続は、有線であっても無線であってもよい。無線接続の場合は、検査装置1の設置の煩雑さを解消することができる。
【0044】
図2は、検査装置1の全体の構成を模式的に示す斜視図である。検査装置1は、撮像部2およびパターン表示部3の他に、搬送コンベア12および制御ボックス13をさらに備えている。さらに、検査装置1は、これらの構成要素と有線または無線接続される図示しない検査装置制御部を備えており、この検査装置制御部によって、これらの構成要素が統括して制御される。検査装置1は、検査対象となる表示パネル9が欠陥を有しているか否かを検出し、検出した欠陥が製品として許容することができるものであるか否かを判定する。
【0045】
撮像部2は、撮像カメラ10と、撮像カメラ10を載置する撮像カメラステージ11とを含んで構成される。撮像カメラ10は、たとえば、ラインセンサまたはエリアセンサなどによって構成される。撮像カメラ10がラインセンサの場合、撮像カメラステージ11は、撮像カメラ10が表示パネル9の表示面をスキャンすることができるように、表示パネル9の表示面に対して平行に撮像カメラ10を駆動する。撮像カメラ10がエリアセンサの場合、撮像カメラ10は撮像カメラステージ11に固定されたままでよい。
【0046】
搬送コンベア12は、検査装置制御部の指示によって、表示パネル9を撮像カメラ10の撮像領域まで搬送し、表示パネル9が撮像領域に達すると停止する。図2では、表示パネル9を1つだけ記載しているが、表示パネル9は、検査終了後、搬送コンベア12によって、次の工程に搬送されるとともに、次の検査対象となる表示パネル9が搬送コンベア12によって搬送されてくる。したがって、検査装置1は、複数の表示パネル9の欠陥検査を順次、自動的に行うことができる。
【0047】
制御ボックス13内には、欠陥部位検出部4、プロファイル取得部5、基準位置リスト作成部6、欠陥部位色判定部7、および主制御部8が格納されている。制御ボックス13には、撮像部2およびパターン表示部3が接続されている。制御ボックス13内の主制御部8は、撮像部2およびパターン表示部3を制御する。撮像カメラ10は、撮像した画像を表す画像データを生成し、生成した画像データを制御ボックス13に送る。パターン表示部3は、制御ボックス13から検査パターンの画像を表す画像情報を受け取る。パターン表示部3は、受け取った画像情報に基づいて、表示パネル9に検査パターンの画像を表示させるための点灯制御を行う。
【0048】
制御ボックス13は、表示パネル9に表示される検査パターンの画像を、撮像カメラ10によって撮像して得られる画像データを処理して、表示パネル9の欠陥を検査する画像処理装置として機能し、パターン表示部3も、この画像処置装置の一部として機能する。欠陥検査の結果は、上述したデータベースに記憶され格納される。図2では、制御ボックス13は、1台のPCによって構成されているが、複数台のPCによって構成されていてもよい。
【0049】
検査装置1は、搬送コンベア12によって搬送される表示パネル9の欠陥を自動検査する。すなわち、検査装置1に表示パネル9が搬送されると、表示パネル9に接続されたパターン表示部3によって、表示パネル9に検査パターンの画像が表示される。撮像部2の撮像カメラ10は、表示パネル9に表示された検査パターンの画像を撮像し、撮像した画像を表す画像データを生成する。撮像部2は、生成した画像データを、欠陥部位検出部4、プロファイル取得部5および基準位置リスト作成部6に送る。
【0050】
欠陥部位検出部4は、撮像部2から受け取った画像データに基づいて、欠陥部位を検出する。そして、欠陥部位色判定部7は、検出された欠陥部位の色を判定し、判定した色に基づいて、その欠陥部位が許容範囲であるか否かを判定する。
【0051】
図3は、検査装置1が実行する検査処理の処理手順を示すフローチャートである。検査装置1は、図3に示した処理手順に従って、表示パネル9を撮像して得られる画像データに基づいて欠陥部位を検出し、その欠陥部位の色を判定することによって、表示パネル9の欠陥を検査する。
【0052】
搬送コンベア12によって、表示パネル9が撮像カメラ10の撮像領域まで搬送され、表示パネル9が撮像領域に達して停止した後、パターン表示部3によって、表示パネル9に検査パターンの画像が表示されると、ステップS1に移る。
【0053】
ステップS1では、撮像部2の撮像カメラ10は、表示パネル9に表示された検査パターンの画像の全面を撮像し、撮像した画像を表す画像データを生成し、生成した画像データを、欠陥部位検出部4、プロファイル取得部5および基準位置リスト作成部6に送る。ステップS2では、欠陥部位検出部4は、撮像部2から受け取った画像データに基づいて、各画素のコントラストを全画素について算出する。
【0054】
ステップS3では、欠陥部位検出部4は、算出したコントラストの中から、欠陥候補となるコントラストを抽出する。ステップS4では、欠陥部位検出部4は、抽出した欠陥候補となるコントラストに基づいて、欠陥部位候補を検出し、検出した欠陥部位候補の欠陥強度を算出する。ステップS5では、欠陥部位検出部4は、算出した欠陥強度に基づいて、欠陥部位を判定する。
【0055】
特徴量分布生成工程であるステップS6では、プロファイル取得部5は、欠陥部位周囲の画素のプロファイルを取得する。色判定工程であるステップS7では、欠陥部位色判定部7は、取得されたプロファイルが示すプロファイル値が変化する変化パターンの特徴に基づいて、欠陥部位の色を判定する。ステップS8では、欠陥部位色判定部7は、判定された欠陥部位の色に基づいて、色別に欠陥を判定して、検査処理を終了する。
【0056】
このように、検査装置1での検査処理は、欠陥部位を検出する工程、すなわち、ステップS1〜S5と、検出された欠陥部位の色を判定する工程、すなわち、ステップS6,S7と、判定された欠陥部位の色ごとに予め設定された判定基準に基づいて、欠陥部位の許容性を判定する工程、すなわち、ステップS8とを有している。
【0057】
以下、一例として、点欠陥を検査する場合の検査装置1の各処理、具体的には、コントラストの算出、欠陥候補となるコントラストの抽出、欠陥部位候補の検出、欠陥強度の算出、欠陥部位の判定、欠陥部位周囲の画素のプロファイル値の変化パターンの検出、欠陥部位の色の判定、および欠陥の判定について、図3に示したフローチャートを参照しながら、具体的に説明する。
【0058】
図4は、画像データの取得およびコントラストの算出を説明するための図である。表示パネル9は、たとえば図4に示すような複数の絵素15がマトリクス状に配置されている。各絵素15は、赤色(R)画素17、緑色(G)画素18、青色(B)画素19、および黄色(Y)画素16の4色の画素から構成される。つまり、本実施形態における表示パネル9は、R、G、B、およびYのカラーフィルタを備えた液晶表示パネルである。図4では、3つの絵素15が示されている。このように、表示パネル9は、複数の画素16,17,18,19が、一定方向に周期的に、そして規則的に配列されている。
【0059】
撮像カメラ10は、複数の撮像素子20を含んで構成される。撮像素子20は、たとえば電荷結像素子(Charge Coupled Device:略称「CCD」)によって構成される。撮像カメラ10によって表示パネル9を撮像する際には、表示パネル9の各画素16,17,18,19に対して、撮像カメラ10の撮像素子20が割当てられる。このとき、表示パネル9の表示面と、撮像カメラ10の撮像面、つまり複数の撮像素子20からなる撮像面とは、互いに平行となっている。図4では、一例として、撮像素子20が、1絵素当たり48個、つまり各画素16,17,18,19に対して、それぞれ6行×2列の12個の撮像素子20が割当てられる例を示している。
【0060】
ステップS1では、撮像部2は、このように割当てられた撮像素子20が、それぞれの撮像素子20の位置に対応する表示パネル9上の各地点の輝度値を検出し、表示パネル9全体に表示された画像の画像データを生成する。
【0061】
次に、ステップS2では、欠陥部位検出部4は、撮像された画像データに基づいて、コントラストを算出する。コントラストの算出方法は、特に限定されるものではない。以下、図4に示した注目点である地点Aに輝点欠陥などの点欠陥があり、地点Aのコントラストを計算する場合を例にして説明する。地点Aのコントラストは、地点Aの輝度値と、地点Aを含む絵素15に隣接する同じ色の絵素15内の同じ位置にある比較点である2つの地点B1,B2について、地点Aの輝度値と地点B1,B2の輝度値とを比較して決定する。たとえば、A地点の輝度値をIa、B1地点の輝度値をIb1、およびB2の地点の輝度値をIb2とすると、A地点のコントラストCaは、式(1)によって算出することができる。
Ca=Ia−{(Ib1+Ib2)/2} …(1)
【0062】
図4に示した例では、注目点である地点Aに対する比較点を、注目点が存在する絵素15の左右に隣接する同じ色の絵素15内の同じ位置に割り当てられる撮像素子20の画素(以下「隣接画素」という)の地点B1,B2としたが、比較点を設定する撮像素子20の画素は、この隣接画素に限定されるものではなく、たとえば、注目点から左右に各々2絵素離れた、または2絵素以上離れた絵素15内の同じ位置に割り当てられる撮像素子20の画素を、比較点を設定する撮像素子20の画素としてもよい。同じ位置とは、画素16〜19の1つの画素に6行×2列の12個の撮像素子20が割り当てられているとした場合、割り当てられている撮像素子20の位置が、相互に異なる絵素15内の同じ色の画素間で同じ行かつ同じ列にあるということである。また、上下方向にある絵素15の中にある撮像素子20の画素を比較点の設定対象とすることもできるし、左右方向および上下方向にある絵素の中にある撮像素子20の画素を比較点の設定対象とすることもできる。
【0063】
また、比較点を設定する撮像素子20の画素の画素数を多くすれば、コントラストに対するノイズの影響を低減することができる。比較点を設定する撮像素子20の画素の画素数を少なくすれば、コントラストの算出時間、つまりコントラストを算出するための処理時間を短くすることができる。したがって、比較点を設定する撮像素子20の画素の画素数は、検査装置1全体の検査時間を考慮して設定する必要がある。
【0064】
このようにして、ステップS2では、表示パネル9に表示された画像の全面の画像データについて、表示パネル9の画素ごとにコントラストを算出する。なお、ステップS2で算出したコントラストは、式(1)によって算出されるコントラストCaに代えて、式(2)によって算出されるコントラストCa’とすることもできる。
Ca’=2Ia/(Ib1+Ib2) …(2)
【0065】
次に、ステップS3では、欠陥部位検出部4は、ステップS2で算出されたコントラストの中から、欠陥候補となるコントラストを抽出する。この抽出は、たとえば、ステップS2で算出されたコントラストの値と、予め設定される判定値(以下「閾値」ともいう)Sとを比較し、コントラストの値が閾値S以上である場合、A地点のコントラストCaを欠陥候補とする。なお、この判定値Sは、表示パネル9の画素16〜19のすべての色に共通する値である。判定値Sの設定方法は特に限定されるものではなく、たとえば、検出しなければならない最低限度の欠陥を検出することができる値に設定すればよい。図4に示した例の場合、注目点である地点Aに欠陥、たとえば輝点欠陥があるため、ステップS3では、地点AのコントラストCa、つまり地点Aが、欠陥候補とされる。また、判定値Sは、実欠陥のコントラストの最小値から、検査装置1の検出再現性を差し引いた値であることが望ましい。
【0066】
次に、ステップS4では、欠陥部位検出部4は、ステップS3で欠陥候補と判定されたコントラストについて、欠陥部位候補を検出するとともに、その欠陥部位候補の欠陥強度を算出する。欠陥部位候補の検出、および、欠陥強度の算出方法は、特に限定されるものではなく、たとえば以下のようにして算出することができる。
【0067】
図5は、欠陥部位候補の検出および欠陥強度の算出方法を説明するための図である。図5に示した地点Aは、ステップS3で欠陥候補と判定された地点である。図3に示したS5では、地点Aの周囲でコントラストの値が予め設定される判定値R以上である地点を抽出する。地点Aの周囲は、表示パネル9の画素で数画素程度の範囲である。
【0068】
そして、地点Aと、地点Aの周囲の地点であって、判定値R以上のコントラストの値の地点とを、欠陥部位候補21とする。すなわち、図5に示した例の場合、地点Aを含み四角で囲った部分が、欠陥部位候補21となる。具体的には、図5では、地点Aの周囲の撮像素子20a〜20eにより撮像された5つの地点が、判定値R以上のコントラストの値を示す。従って、欠陥部位候補21が、地点Aと、撮像素子20a〜20eによって撮像された5つの地点とから構成されることになる。
【0069】
このような欠陥部位候補21における欠陥強度Iは、例えば、各地点のコントラストの合計とすることができる。ここで、欠陥部位候補21が、欠陥候補として抽出された地点AのコントラストCa以外に、n個のコントラストC1〜Cnを有するとすると、欠陥強度Iは、式(3)によって算出することができる。
I=Ca+(C1+C2+・・・+Cn) …(3)
【0070】
なお、「C1+C2+・・・+Cn」は、欠陥部位候補21における、欠陥候補として抽出された地点Aを除く地点のコントラストの和である。
【0071】
図5に示した例の場合、欠陥候補として抽出された地点AのコントラストCa以外に、5個の地点のコントラストC1〜C5を有している。したがって、欠陥部位候補21の欠陥強度Iは、式(4)式によって算出されることになる。
I=Ca+C1+C2+C3+C4+C5 …(4)
【0072】
次に、ステップS5では、欠陥部位検出部4は、ステップS4で算出された欠陥部位候補21の欠陥強度Iと、予め設定される判定値Tとを比較し、欠陥強度Iが判定値T以上である場合に、その欠陥部位候補21が、欠陥部位であると判定する。この判定値Tは、後述する色ごとに設定される予め設定される判定値Uの最小値に設定するか、検査装置1の検出再現性を考慮して、その最小値よりもやや小さい値に設定する。
【0073】
このように、欠陥部位候補21は、地点Aと地点Aの周囲の撮像素子20a〜20eによって撮像された5つの地点とから形成されており、所定の面積を有している。このため、ステップS5で欠陥部位を判定するためには、その判定の指標として、面積ファクタが必要となる。そこで、ステップS4では、面積ファクタを加えた指標として、欠陥強度Iを算出している。すなわち、地点Aと、地点Aの周囲の判定値R以上のコントラストを示す地点とを欠陥部位候補21としている。つまり、ステップS4では、欠陥部位候補21の面積を加味して欠陥強度Iを算出しており、判定値Rは、単に欠陥部位候補21の面積を算出するための値である。
【0074】
そして、ステップS5では、このようにステップS4で算出した欠陥部位候補21の欠陥強度Iが判定値T以上である場合に、欠陥部位候補21が、欠陥部位であると判定される。
【0075】
ステップS4では、地点Aと、地点Aの周囲の判定値R以上のコントラストである地点とを、欠陥部位候補21としているので、欠陥部位候補21の面積は変動する。しかし、たとえば、欠陥部位候補21の面積を地点数で除算することによって、面積は、地点数に依存することがなくなり、固定された面積のコントラストの和を欠陥強度I’として、ステップS4,S5の各処理を行うこともできる。
【0076】
検査装置1における欠陥部位の判定方法は、上述の判定方法に限定されるものではなく、他の種々の方法を適用することができる。つまり、欠陥部位の判定方法は、検出する欠陥の種類に応じて、その欠陥を判定することができる方法を、任意に設定すればよい。また、上述の説明では、例として、輝点欠陥を検出しているが、検査装置1では、黒点欠陥の場合も同様の方法を取ることができる。ただし、輝点欠陥と黒点欠陥とでは、コントラスト値が正負逆となるため、この点を考慮して、黒点欠陥を検出するための判定値を設定する必要がある。
【0077】
このように、ステップS1〜S5では、表示パネル9の欠陥部位を判定する。そして、後続の処理、つまりでは、ステップS6以降の処理では、判定された欠陥部位の色を判定する。
【0078】
ステップS6では、プロファイル取得部5は、画素が周期的に配列され方向のプロファイル値を検出する。プロファイル値は、画像データから算出した画素ごとの特徴量である。特徴量は、たとえば、各画素の輝度や幅などの特徴量である。
【0079】
図6は、4色表示パネル用のプロファイル値の変化パターンの特徴によって色を判定する原理を説明するための図である。図6(a)は、ストライプパターンの一例を示す図である。ストライプパターンは、点灯している画素と点灯していない画素とが繰り返されるパターンである。図6(b)は、図6(a)に示したストライプパターンのプロファイルを表すグラフ40の一例を示す図である。
【0080】
図6では、R・G・B・Yの4色の画素からなる表示パネル9について検査する場合を例にしている。ここで4色の画素からなる表示パネル9を例に挙げている理由は、点灯と非点灯とが繰り返されるストライプパターンを検査パターンとして利用する場合について、わかりやすく説明するために、画素の色の種類の数が偶数である表示パネル9を例示するためである。しかしながら、3色の画素からなる表示パネル9のように、画素の色の種類の数が奇数である表示パネル9の場合についても、画素の配列が2周期分の6画素、つまりR、G、B、R、GおよびBを1周期とするストライプパターンを検査パターンとして使用すれば同等であるし、後述するように若干色判定精度が低下するが、すべての色の画素を点灯する全点灯パターンを用いてもよい。
【0081】
以下、欠陥部位の色判定を行うために使用するプロファイル値の具体的な例として、画素の輝度値を使用する場合を説明する。プロファイルとして、輝度値をとる画素としては欠陥部周辺の、欠陥を含まない画素を使用することが望ましい。この理由は、欠陥を含む画素で輝度値をとる場合は、欠陥のある画素の輝度値が正常値からずれるため、輝度値が変化する変化パターンの特徴を正確に判定することができないためである。なお、欠陥等により輝度値は変化する変化パターンがずれるために、色判定に失敗した際の対応については、基準位置リストの作成の説明で詳細に後述する。
【0082】
図6では、R、G、BおよびYの4色の画素が、Yを第1番目、Rを第2番目、Gを第3番目、Bを第4番目として、以降画素周期配列方向に周期的に配列される表示パネル9について示している。画素周期配列方向は、異なる色のパネル画素が周期的に配列されている方向であり、図6の場合は、R、G、BおよびYの4色の画素が周期的に配列される方向である。R、G、BおよびYの4色の画素のうち、奇数番目にある色YおよびGのみを点灯し、偶数番目にある色RおよびBを非点灯にし、点灯と非点灯とが繰り返されるストライプパターン(以下「奇数点灯パターン」という)を検査パターンとして使用している。
【0083】
R、G、BおよびYの全色を点灯する全点灯パターンを検査パターンとして使用しても判定可能であるが、奇数点灯パターンを使用している理由は、点灯する画素に隣接する隣接する画素を非点灯にすることによって、点灯する画素の輝度値を撮像素子20で撮像して測定する際に、隣接する画素の輝度が混入することがないので、各画素のプロファイル値を正確に算出することができ、輝度値を検出する精度を向上することができるからである。
【0084】
また、ストライプパターンは、隣接する画素同士の電気的なリーク不良を検査する際に一般に使用される検査パターンであるので、このようなストライプパターンを検査パターンとして使用している場合は、色判定にも流用できるという利点がある。すなわち、色判定用の表示パターンを追加する必要がない。また、ストライプパターンは、次に述べるように、閾値を用いて表示パネル9の各画素に割り当てられる撮像素子20の画素(以下「CCD撮像画素」という)を判定する場合にも有利である。
【0085】
次に、奇数点灯パターンを表示させた表示パネル9を撮像した画像を表す画像データに基づいて、プロファイル値を算出する手順を説明する。画素ごとのプロファイル値を算出するには、まず初めに、表示パネル9の画素(以下「パネル画素」という)ごとに割り当てられるCCD撮像画素を分離する必要がある。そこで、まず閾値を用いて、点灯しているパネル画素に割り当てられるCCD撮像画素と、点灯していない画素に割り当てられるCCD撮像画素とを分離する。閾値による分離は、全点灯パターンのような場合でも明画素と暗画素とを判定することができる程度に輝度差があれば可能であるが、ストライプパターンを用いれば輝度差を大きくとれるので有利である。
【0086】
分離の結果、たとえば、それぞれのパネル画素にCCD撮像画素が画素周期配列方向にn画素割り当てられている場合は、CCD撮像画素がn画素ごとの周期で、点灯している画素に割り当てられているCCD撮像画素と、点灯していない画素に割り当てられているCCD撮像画素とが、繰り返し配列しているように認識され、パネル画素ごとに割り当てられるCCD撮像画素を分離することができる。
【0087】
次に、分離されたCCD撮像画素に基づいて、パネル画素ごとにプロファイル値を算出する。たとえば、同一のパネル画素に割り当てられていると判定されたCCD撮像画素ごとに、輝度値を平均した輝度平均値や、輝度値の最大値を算出して、各パネル画素のプロファイル値とする。輝度値以外のプロファイル値の取り方としては、色ごとにパネル画素のサイズが異なる場合に、各パネル画素に割り当てられるCCD撮像画素の数を画素幅とし、画素幅をプロファイル値として使用する方法がある。しかしながら、一般的に各画素に割り当てられるCCD撮像画素の数は、高々数画素にすぎないので、画素幅の算出量は誤差を多く含み、精度が低下する問題がある。したがって、一般的にはプロファイル値として輝度値を用いる。
【0088】
続いて、点灯している画素であるYおよびGの画素の輝度差が予め定める基準値より小さい場合に、画素の色がYであるかGであるかを判定する方法を説明する。予め定める基準値は、たとえば「0」である。すなわち、2色の場合は輝度値の大小関係から判定すればよく、必然的に基準値は0となる。しかし、全色点灯して4色のプロファイルを判定する必要がある場合であって、輝度値が大小大中……の並びの場合などは、大と小との差と、大と中との差の違いを判定するために、複数の基準値を設定する必要がある。その場合は、基準値の設定前にあらかじめ各色の輝度値を測定しておき、たとえば色R,G,B,Yの各輝度値がそれぞれ「50」、「20」、「50」および「30」である場合、隣接画素の輝度差は、それぞれ「+30」、「+20」、「−20」および「−30」の4通りと予測される。したがって、各輝度差を判別する基準値として予測輝度値の間をとるようにすればよく、その場合基準値は「+25」、「0」および「−25」の3つの値を設定することになる。予測輝度差の間を埋めるという概念でいうと、上述したとおり2色の場合、必然的に基準値は「0」のみでよいことになる。
【0089】
ここで、図6(b)に示したプロファイルのグラフ40は、表示パネル9のYおよびGのみを点灯させたときのプロファイル値の分布、すなわち輝度値の変化パターンを示している。横軸は、画素周期配列方向座標を示し、縦軸が各パネル画素の輝度値を示す。画素周期配列方向座標は、画素周期配列方向の座標である。
【0090】
従来技術として特許文献1に記載される方法は、YおよびGの画素ごとの輝度値を個別に閾値を用いて判定し、画素の色がYであるかGであるかの色判定を実施している。ここで、輝度値は、パネル画素とCCD撮像画素との位置関係によって値が変動するモアレの現象によって、ばらつきを含んでいる。また、検査対象が液晶パネルの場合には、検査装置1は表示パネル9に対して撮像カメラ10が対向する表示面の裏面から光を照射するバックライトを含んでおり、一部のバックライトが故障や寿命により輝度が低下し、表示パネル9の一部のエリアの輝度値が大幅に減少するような突発的なトラブルが発生した状態では、通常状態と比較して当該エリアの画素の輝度値が低下する。
【0091】
したがって、図6に丸印で示した箇所41のように、Yの輝度値の変化量が予め定める基準値よりも小さい場合は、輝度値のばらつきによって、閾値で判定するときに誤った判定を行う可能性があり、正確な色判定を行うことができない。これに対し、本実施形態では、輝度値の変化パターンの特徴として、隣接するYのパネル画素とGのパネル画素との輝度値の大小関係を利用し、色判定を行う。換言すれば、本実施形態では判定画素の輝度値のみならず、判定画素の両隣の輝度値を含めた3画素の輝度値の変化パターンを用いて色判定を行う。ここで変化パターンは、隣接画素の特徴量の差をそれぞれ算出した値の組を用いている。また、特徴量として輝度値を用いている。
【0092】
図6に示したプロファイルのグラフ40では、それぞれのYの画素に隣接するGの画素の輝度値は、Yの画素の輝度値に比べて必ず小さい値になっている。したがって、隣接するYおよびGのパネル画素の輝度値のピークからなる組それぞれで、輝度値の大小関係を比較し、隣接するピークの輝度値よりも輝度値が大きいピークはYのパネル画素であり、隣接するピークの輝度値よりも輝度値が小さいピークはGのパネル画素であると判定することによって、輝度のばらつきの影響を受けずに正確な判定が可能となる。この場合、変化パターンの特徴は、隣接する同じ色の異なる2個所の画素の特徴量の差を、隣接する同じ色の画素の組ごとにそれぞれ算出した値である。
【0093】
上述したように、輝度値の差分値を用いて色判定を行う方法以外に、プロファイル値の変化の予測パターンを表わす予測パターン情報を予め図示しない記録装置に記録しておき、プロファイル値の実際の測定結果と、記録装置に記録される予測パターン情報が示す予測パターンとを照合することによって、画素の色判定を行ってもよい。記録装置は、記録部である。
【0094】
たとえば、図6に示した輝度値の変化パターンは、GおよびYの高輝度のピークと、RおよびBの低輝度のピークとが繰り返し発現する鋸刃状である。さらに、図6に示す変化パターンから、GおよびYの高輝度のピークは、YのピークのほうがGのピークよりも輝度値が高いことが予測される。このような鋸刃状の変化パターンを予め記録装置に記録しておく。色判定を行う際は、まず測定したプロファイル値の変化パターン(以下「測定パターン」という)と、記録装置に記録される予測パターン情報が示す予測パターンとの位置と輝度値とを突き合わせる位置合わせを行う。
【0095】
具体的には、測定パターンの高濃度のピークのうち注目する高濃度のピーク(以下「頂点」という)の位置と、予測パターンの頂点のうち注目する頂点の位置が一致するように、まず、予測パターンの座標を全体にX方向に移動することによって、測定パターンとX方向の位置を合致させ、さらに、予測パターンの座標を全体にY方向に移動することによって、測定パターンとY方向の位置、つまり輝度値の位置を合致させる。
【0096】
次に、測定パターンと予測パターンとを比較して、非合致度を算出する。非合致度とはたとえば頂点および谷点の各点で、測定パターンと予測パターンとの差分値の絶対値を算出して合計したものを非合致度として用いる。谷点は、低濃度のピークである。非合致度が小さいほど測定パターンと予測パターンとの違いが少なく、より合致している。
【0097】
具体的には、まず、予測パターンの注目する頂点が、位置合わせを行った測定パターンの注目する頂点の隣の頂点に合うように、1頂点分ずらして、再度位置合わせを行い、非合致度を算出する。次に、さらに1頂点分ずらして算出した非合致度の比較を行う。たとえば、予測パターンの注目画素をGとする場合、予測パターンの注目画素が測定パターンのGの頂点に合う場合と、Yの頂点に合う場合の2通りが考えられるが、Gのピークに合う場合のほうが非合致度が小さくなる。そこで、1頂点分ずらして算出した非合致度同士を比較し、非合致度が小さいときに予測パターンの注目画素と重ねた測定パターンのピークがGであると判定することができる。
【0098】
また、上述したように予測パターンを利用して色判定を行う場合、プロファイル値の変化パターンの周期性を利用すると、同一周期パターンの繰り返しとして複数の周期分のパターンを予測できるので、予測パターンとしては、1周期分のパターンを記録すれば十分である。
【0099】
図7は、6色表示パネル用のプロファイル値の変化パターンの特徴によって色を判定する原理を説明するための図である。図7(a)は、全点灯パターンの一例を示す図である。図7(b)は、図7(a)に示した全点灯パターンのY方向のプロファイルを表すグラフ45の一例を示す図である。図7(c)は、図7(a)に示した全点灯パターンのX方向のプロファイルを表すグラフ46の一例を示す図である。
【0100】
Y方向およびX方向は、いずれも異なる色の画素が周期的に配列される方向、つまり画素周期配列方向である。Y方向およびX方向は、相互に直交する方向であり、たとえばX方向は表示パネル9の横方向であり、Y方向は表示パネル9の縦方向である。図7に示した例では、プロファイル値として輝度値を使用している。グラフ45の縦軸は輝度値であり、横軸はY方向座標である。グラフ46の縦軸は輝度値であり、横軸はX方向座標である。
【0101】
図7に示し例では、表示パネル9は、赤色(R)、緑色(G)、青(B)、マゼンタ色(M)、シアン色(C)、および黄色(Y)の6色のパネル画素から構成される。図7(a)に示した例では、1つの絵素15は、R、GおよびBの3色のパネル画素が下段に配置され、M、CおよびYの3色のパネル画素が上段に配置されている。X方向に3色の異なる色のパネル画素が周期的に配列され、Y方向に2色の異なる色のパネル画素が周期的に配列されている。
【0102】
図7に示した例では、X方向およびY方向のそれぞれの方向にプロファイル値を積算し、積算したそれぞれのプロファイル値の変化パターンの特徴から、基準となる色を判定する。たとえば、図7(b)に示したプロファイルのグラフ45は、X方向にR、GおよびBの輝度値を積算したRGB混合輝度値と、X方向にM、YおよびCの輝度値を積算したMYC混合輝度値とが、Y方向に変化する変化パターンを示している。図7(b)では、RGB混合輝度値をR+G+Bとし、MYC混合輝度値をM+C+Yとして示している。
【0103】
図7(b)に示したプロファイルのグラフ45では、MYC混合輝度値よりもRGB混合輝度値が相対的に大きく、隣接する混合輝度値を比較して、混合輝度値が両隣の混合輝度値よりも大きい輝度値の配列をM、YおよびCからなる配列であると判定することができる。
【0104】
同様に、図7(C)に示したプロファイルのグラフ46は、Y方向にRおよびMの輝度値を積算したRM混合輝度値と、Y方向にGおよびYの輝度値を積算したGY混合輝度値と、Y方向にBおよびCの輝度値を積算したBC混合輝度値とが、X方向に変化する変化パターンを示している。図7(c)では、RM混合輝度値をR+Mとし、GY混合輝度値をG+Yとし、BC混合輝度値をC+Bとして示している。
【0105】
図7(C)に示したプロファイルのグラフ46では、RM混合輝度値、GY混合輝度値、BC混合輝度値の中でGY混合輝度値が最も大きい輝度値を示しており、両隣の混合輝度値との大小関係の比較によって、GおよびYからなる配列を判定することができる。
【0106】
グラフ45によって判定されたM、YおよびCの配列、ならびにグラフ46によって判定されたGおよびYの配列に基づいて、両方の配列に属するパネル画素をY、つまり黄色として判定することができる。このように、欠陥部位色判定部7は、変化パターンの周期性に基づいて、画素の色の判定を行っている。
【0107】
図8は、欠陥部位色判定部7が実行する基準位置リスト作成処理の処理手順を示すフローチャートである。図3に示したステップS7が実行されると、ステップT1に移る。ステップS7では、欠陥部位周囲のプロファイルに基づいて、欠陥部位の色判定を行っている。欠陥部位周囲は、通常10画素以内程度の範囲である。
【0108】
欠陥部位の色判定は、基準位置リストに基づいて行うことが望ましく、図8に示したフローチャートは、この基準位置リストの作成方法を示したものである。図8は、R、G、BおよびYの4色の表示パネル9の場合についての基準位置リスト作成処理を示している。
【0109】
ステップT1では、欠陥部位色判定部7は、基準位置リストを作成するために、空の基準位置リストを作成する。
【0110】
ステップT2では、欠陥部位色判定部7は、色判定に使用する色の組として、YおよびGの組を選択し、画像データからプロファイルを算出する。ステップT3では、欠陥部位色判定部7は、プロファイルからYおよびGの組のピーク位置を取得する。ステップT4では、欠陥部位色判定部7は、ピーク位置を1つ選択する。ピーク位置とは、プロファイル中のピークの位置、つまり画素周期配列方向座標で示される表示パネル9上の位置である。
【0111】
ステップT5では、欠陥部位色判定部7は、選択した1つのピーク位置のプロファイル値と、隣接するピーク位置のプロファイル値とを比較し、選択した1つのピーク位置のプロファイル値が隣接する左右両側のピーク位置のプロファイル値に比べて大きいか否かを判定する。選択した1つのピーク位置のプロファイル値が隣接する左右両側のピーク位置のプロファイル値に比べて大きいとき、ステップT6に進む。選択した1つのピーク位置のプロファイル値が隣接する左右両側のピーク位置のプロファイル値に比べて大きくないとき、ステップT8に進む。
【0112】
ステップT6では、欠陥部位色判定部7は、選択した1つのピーク位置をYに設定し、設定したYに対応付けたピーク位置を表すピーク位置情報を基準位置リストに追加する。ピーク位置情報は、対応情報である。ステップT7では、欠陥部位色判定部7は、プロファイルのすべてのピーク位置を選択したか否かを判定する。すべてのピーク位置を選択したとき、基準位置リスト作成処理を終了し、すべてのピーク位置を選択しなかったとき、ステップT11に進む。
【0113】
ステップT8では、欠陥部位色判定部7は、選択した1つのピーク位置のプロファイル値が隣接する左右両側のピーク位置のプロファイル値に比べて小さいか否かを判定する。選択した1つのピーク位置のプロファイル値が隣接する左右両側のピーク位置のプロファイル値に比べて小さいとき、ステップT9に進む。選択した1つのピーク位置のプロファイル値が隣接する左右両側のピーク位置のプロファイル値に比べて小さくないとき、ステップT10に進む。
【0114】
ステップT9では、欠陥部位色判定部7は、選択した1つのピーク位置をGに設定し、設定したGに対応付けたピーク位置を表すピーク位置情報を基準位置リストに追加し、ステップT7に進む。ステップT10では、欠陥部位色判定部7は、選択した1つのピーク位置の色は、YおよびGのいずれにも該当しないので、該当ピーク位置を色失敗判定として基準位置リストに設定し、設定した色失敗判定に対応付けたピーク位置を表すピーク位置情報を基準位置リストに追加して、ステップT7に進む。ステップT11では、欠陥部位色判定部7は、新たなピーク位置を選択し、ステップT5に戻る。
【0115】
図9は、基準位置リストに基づいて欠陥部位50の色を判定する原理を説明するための図である。図9(a)は、欠陥部位50に最も近いピーク位置が色判定失敗でない場合の例である。図9(b)は、欠陥部位50に最も近いピーク位置が色判定失敗である場合の例である。図9には、欠陥部位50、色判定成功基準位置51および色判定失敗基準位置52が示されている。色判定成功基準位置51は、基準位置リストにGが設定されているピーク位置である。色判定失敗基準位置52は、Gが設定されるべきピーク位置の基準位置リストに色判定失敗が設定されているピーク位置である。図9に示した例は、色判定成功基準位置51として、Gを用いたが、Yを用いてもよい。色判定成功基準位置51および色判定失敗基準位置52を総称して基準位置という。
【0116】
図9(a)に示すように、欠陥部位色判定部7は、欠陥部位50に最も近い色判定成功基準位置51から欠陥部位50への相対座標を算出し、算出した相対座標と、表示パネル9の画素の配列の周期性とに基づいて、欠陥部位50の色を判定する。すなわち、色判定成功基準位置51の色はGであるので、Gのピーク位置を基点とする相対座標によって、欠陥部位50の色を判定することができる。換言すると、欠陥部位50の色判定は、欠陥部位50に最も近い色判定成功基準位置51を選出し、選出した色判定成功基準位置51から欠陥部位50への相対座標を算出し、算出した相対座標から前記の原理によって欠陥部位の色を判定する手順で行う。欠陥部位50に最も近い基準位置が色判定失敗基準位置52の場合も、図9(b)に示すように最も近い色判定成功基準位置51を使用して、相対座標を算出する。
【0117】
図9に示した例では、欠陥部位50に最も近い1つの色判定成功基準位置51から欠陥部位50への相対座標を算出しているが、欠陥部位50に最も近い複数の色判定成功基準位置51から欠陥部位50への相対座標を算出してもよい。このように、欠陥部位色判定部7は、基準位置リストに含まれるピーク位置情報が示す色と、その色に対応付けられたピーク位置とからなる組のうち、任意の1組もしくは複数の組からの欠陥部位50の相対的な位置関係に基づいて、欠陥部位50の画素の色を判定する。
【0118】
図10は、第1の基準位置リストを基に作成した第2の基準位置リストに基づいて欠陥部位50の色を判定する原理を説明するための図である。図9に示した基準位置リストの応用として、第1の基準位置リストを基に第2の基準位置リストを作成し、作成した第2の基準位置リストに基づいて、欠陥部位の色判定を行ってもよい。第2の基準位置リストは、第1の基準位置リストとして作成された色と異なる色の画素の位置を表すリストである。
【0119】
プロファイル値の差は、RおよびBの組での差よりも、YおよびGの組での差のほうが大きいので、YおよびGの組で色を判定するほうが有利である。ところが、画素の幅については、YおよびGの幅よりもRおよびBの幅のほうが大きいので、RまたはBに基づいて、欠陥部位の位置を判定するほうが有利である。以下、RまたはBに基づいて欠陥部位の位置を判定する場合について説明する。
【0120】
まず、図8に示したフローチャートに従って、欠陥部位色判定部7は、YおよびGの画素について基準位置リストを作成し、作成した基準位置リストを第1の基準位置リストとする。第1の基準位置リストに設定されたピーク位置の位置情報は、YおよびGの画素のピーク位置の位置情報である。Gの画素の幅がBの画素の幅に比べて小さいので、Gの画素の中心座標を算出する精度は、Bの画素の中心座標を算出する精度に比べて低い。すなわち、Gの画素のピーク位置の位置情報は、Bの画素のピーク位置の位置情報よりも位置精度が低い。
【0121】
ところが、Gの画素のピーク位置の位置情報は、Gの画素の右隣に存在する画素をBと判定するためには、十分な位置精度をもっている。そこで、欠陥部位色判定部7は、第1の基準位置リストに設定されているGのピーク位置の画素の右側の画素をBと色判定する。そして、画像データに基づいて、Bの画素の中心座標を算出し、算出した中心座標の位置とBとの対応関係を設定した第2の基準位置リストを作成する。第2の基準位置リストに設定された位置は、第1の基準位置リストに設定された位置よりも位置精度が向上しているので、欠陥部位の位置を算出する精度が改善され、結果として欠陥部位の色判定の精度が向上する。
【0122】
図10(a)は、欠陥部位50に最も近いBの画素の位置が色判定失敗でない場合の例である。図10(b)は、欠陥部位50に最も近いBの画素の位置が色判定失敗である場合の例である。図10には、欠陥位置部位50、色判定成功第1基準位置53、色判定失敗第1基準位置54、色判定成功第2基準位置55、および色判定失敗第2基準位置56が示されている。色判定成功第1基準位置53は、第1基準位置リストにGが設定されているピーク位置である。色判定失敗第1基準位置54は、Gが設定されるべきピーク位置の第1基準位置リストに色判定失敗が設定されているピーク位置である。色判定成功第2基準位置55は、第2基準位置リストにBが設定されている位置である。色判定失敗第2基準位置56は、Bが設定されるべき位置の第2基準位置リストに色判定失敗が設定されているピーク位置である。
【0123】
欠陥部位色判定部7は、第1基準位置リストにGが設定されているとき、そのGの画素に隣接する位置の画素の色をBと判定し、そのBの画素の位置をBに対応付けて、第2基準位置リストに設定する。また、第1基準位置リストに色判定失敗が設定されているピーク位置がGの画素であるとき、そのGの画素に隣接するBを色判定失敗と判定し、そのBの画素の位置を色判定失敗に対応付けて、第2基準位置リストに設定する。
【0124】
図10に示した例は、色判定成功第1基準位置53としてGを用い、色判定成功第2基準位置55としてBを用いたが、GおよびBに代えて、YおよびRを用いてもよい。色判定成功第1基準位置53、色判定失敗第1基準位置54、色判定成功第2基準位置55、および色判定失敗第2基準位置56を総称して基準位置という。
【0125】
図10(a)に示すように、欠陥部位色判定部7は、色判定成功第2基準位置55から欠陥部位50への相対座標を算出し、算出した相対座標と、表示パネル9の画素の配列の周期性とに基づいて、欠陥部位50の色を判定する。すなわち、色判定成功第2基準位置55の色はBであるので、Bの位置を基点とする相対座標によって、欠陥部位50の色を判定することができる。
【0126】
換言すると、欠陥部位50の色判定は、第2基準位置判定リストから、欠陥部位50に最も近い色判定成功第2基準位置55を選出し、選出した色判定成功第2基準位置55から欠陥部位50への相対座標を算出し、算出した相対座標から前記の原理によって欠陥部位の色判定をする手順で行う。欠陥部位50に最も近い基準位置が色判定失敗第2基準位置56である場合も、図10(b)に示すように最も近い色判定成功第2基準位置55を使用して、相対座標を算出する。
【0127】
このように、プロファイルのピーク位置による色を判定するときに使用する色の組にプロファイル値の変化パターンを検出するために有利な輝度差が大きい色の組を使用し、かつ欠陥部位の相対座標を算出するときに必要な中心座標を算出するために有利な幅の広い画素の色を使用することによって、色判定精度と位置判定精度とを共に高い水準にすることが可能となる。
【0128】
図3に示したステップS8では、欠陥部位色判定部7は、色判定を行った欠陥部位について、色ごとに予め設定した評価基準に基づいて、欠陥判定を行う。欠陥検査は、欠陥部位が製品として許容範囲にはいるか否か、つまり欠陥部位の良否判定を行うことである。一般に、撮像カメラ10、たとえばCCDカメラの色ごとの検出感度は、人間の目の検出感度と異なる。したがって、色ごとに基準を設定しない場合、判定する色の欠陥は、過多検出あるいは過少検出となり、検査精度が低下する。本実施形態では、まず色判定しない状態で欠陥部位を多めに検出し、ステップS6,S7で説明した方法によって欠陥部位の色判定を行い、判定した色ごとの評価基準に基づいて最終的な欠陥判定を行う。したがって、色ごとの過多検出や過少検出を防いで、精度よくかつ効率的に欠陥を検出することができる。
【0129】
上述した実施形態では、本発明の画像処理装置は、撮像カメラ10によって撮像して得られる画像データを処理して、表示パネル9の欠陥を検査する検査装置1に含まれる画像処理装置として説明したが、その他にも、撮像カメラ10によって得られる画像データに基づいて、欠陥を修正する欠陥修正装置であって、修正対象の画素の色を画像データに基づいて判定する欠陥修正装置等にも用いることが可能である。
【0130】
検査装置1は、液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、EL表示パネル等の表示パネルを用いた表示装置やブラウン管表示装置等の様々な表示装置の欠陥検査に適用することができる。
【0131】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、請求項に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0132】
最後に、撮像部2およびパターン表示部3は、ハードウエアによって構成される。また、欠陥部位検出部4、プロファイル取得部5、基準位置リスト作成部6、欠陥部位色判定部7および主制御部8は、ハードウェアによって構成してもよいし、次のように中央処理装置(Central Processing Unit:略称「CPU」)を用いてプログラムを実行することによって実現してもよい。
【0133】
すなわち、検査装置1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、このプログラムを記憶したリードオンリーメモリ(Read Only Memory::略称「ROM」)、このプログラムを展開するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:略称「RAM」)、およびこのプログラムおよび各種データを記憶するメモリ等の記憶装置や記録媒体などを備えている。そして、検査装置1は、上述した機能を実現するソフトウェアであるプログラム、たとえば輝度算出プログラムなどプログラムのプログラムコード、たとえば実行形式プログラム、中間コードプログラム、あるいはソースプログラムなどのプログラムコードをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、検査装置1に供給し、そのコンピュータ、またはCPUもしくはMPU(Micro Processing Unit)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0134】
上述したログラムコードを記録した記録媒体としては、たとえば、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フレキシブルディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)/MO(Magneto Optical Disk)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disk)/CD−R(Compact Disk
Recordable)等の光ディスクを含むディスク系、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM(
Erasable Programmable Read Only Memory)/EEPROM(Electrically Erasable
Programmable Read Only Memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0135】
また、検査装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上述したプログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されるものではなく、たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、VAN(Value Added Network)、CATV(Community Antenna Television)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されるものではなく、たとえば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic
Engineers)1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルテレビジョン(TV)回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDA(Infrared Data Association)やリモートコントローラのような赤外線、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、802.11無線、HDR(High Data Rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上述したプログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0136】
このように、プロファイル取得部5は、複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネル9に表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子20によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表すプロファイル値を前記周期的に配列される方向に表すプロファイルを生成する。そして、欠陥部位色判定部7は、プロファイル取得部5によって生成されたプロファイルが示すプロファイル値の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する。したがって、他の色の画素とのプロファイル値の差、たとえば輝度差の大きい色の画素が存在しない場合であっても、高速かつ高精度に画素の色を判定することができ、表示パネル9の欠陥の検査に用いれば、検査時間を短縮することができる。また、たとえば、通常状態では従来技術による方法で色判定が可能な表示パネル9であっても、バックライト異常などで、表示パネル9の一部のエリアの輝度値が大幅に減少するような突発的なトラブルが発生した状態では色判定ができない。それに対して、本発明は輝度値の変化パターンを用いているので、エリアの輝度値の変動に影響されずに正確に判定することができる。
【0137】
さらに、表示パネル9は、異なる色の画素が2方向に周期的に配列される。プロファイル取得部5は、前記2方向のプロファイルを生成する。そして、欠陥部位色判定部7は、前記2方向のプロファイルが示すプロファイル値の変化パターンの特徴に基づいて画素の色を判定する。したがって、色の異なる画素の配列方向が2方向であっても色の色判定を行うことができる。
【0138】
さらに、基準位置リスト作成部6は、プロファイル取得部5によって生成されたプロファイルに基づいて、基準となる色の画素の位置を表す基準位置リストを作成する。そして、欠陥部位色判定部7は、基準位置リスト作成部6によって作成された基準位置リストに基づいて画素の色を判定する。したがって、プロファイルに基づいて作成された基準位置リストが示す基準となる色の画素の位置に基づいて、画素の色を判定するので、画素の色を正確に判定することができる。
【0139】
さらに、前記予め定める検査パターンは、1画素ごとに点灯と非点灯とを繰り返すパターンである。したがって、隣接する画素の輝度の影響を排除することができ、画素の色を正確に判定することができる。また、色判定専用の複数の単色点灯パターンを使用する必要がなく、欠陥部位を検出するための検査パターンと、同一とすることができる。すなわち、撮像素子20によって撮像されて得られる単一の画像データを用いて、欠陥部位の検出と色の判定とを行うことができる。
【0140】
さらに、プロファイル値の変化パターンは、少なくとも3個以上の異なるプロファイル値から構成される。したがって、3個以上の色の画素から構成される表示パネル9でも画素の色の判定を行うことができる。
【0141】
さらに、図示しない記録装置は、プロファイル値の変化の予測パターンを表わす予測パターン情報を予め記録する。そして、欠陥部位色判定部7は、プロファイル取得部5によって生成されたプロファイル値の変化パターンと、記録装置に記録される予測パターン情報が示す予測パターンとを照合することによって、画素の色を判定する。したがって、予測パターンを用いるので、より確実に色を判定することができる。
【0142】
さらに、基準位置リスト作成部6は、前記変化パターンの特徴に基づいて、表示パネル9の画素の色の一部の色の画素について作成した基準位置リストを第1の基準位置リストとし、前記第1の基準位置リストに基づいて、第1の基準位置リストとして作成された色と異なる色の画素の位置を表す第2の基準位置リストを作成し、欠陥部位色判定部7は、基準位置リスト作成部6によって作成された第2の基準位置リストに基づいて、画素の色を判定する。したがって、一部の色の画素の幅よりも異なる色の画素の幅が大きければ、第2の基準位置リストの位置座標精度は第1の基準位置リストよりも向上し、結果として第2の基準位置リストを基準とした欠陥部位の相対座標の位置精度が上昇し、欠陥部位の色判定精度を改善することができる。
【0143】
さらに、図3に示したフローチャートで、ステップS6では、複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネル9に表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子20によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表すプロファイル値を前記周期的に配列される方向に表すプロファイルを生成する。そして、ステップS7では、ステップS6で生成されたプロファイルが示すプロファイル値の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する。したがって、他の色の画素とのプロファイル値の差、たとえば輝度差の大きい色の画素が存在しない場合であっても、高速かつ高精度に画素の色を判定し、検査時間を短縮することができる。また、たとえば、通常状態では従来技術による方法で色判定が可能な表示パネル9であっても、バックライト異常などで、表示パネル9の一部のエリアの輝度値が大幅に減少するような突発的なトラブルが発生した状態では色判定ができない。それに対して、本発明は輝度値の変化パターンを用いているので、エリアの輝度値の変動に影響されずに正確に判定することができる。
【0144】
さらに、コンピュータを、複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネル9に表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子20によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表すプロファイル値を前記周期的に配列される方向に表すプロファイルを生成するプロファイル取得部5と、プロファイル取得部5によって生成されたプロファイルが示すプロファイル値の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する欠陥部位色判定部7として機能させるためのプログラムとして提供することができる。
【0145】
さらに、前記プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として提供することができる。
【符号の説明】
【0146】
1 検査装置
2 撮像部
3 パターン
4 欠陥部位検出部
5 プロファイル取得部
6 基準位置リスト作成部
7 欠陥部位色判定部
8 主制御部
9 表示パネル
10 撮像カメラ
11 撮像カメラステージ
12 搬送コンベア
13 制御ボックス
14 CCD撮像画素
15 絵素
16〜19 画素
20,20a〜20e 撮像素子
21 欠陥部位候補

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネルに表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表す特徴量を前記周期的に配列される方向に表す特徴量分布を生成する特徴量分布生成部と、
特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する色判定部とを含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、異なる色の画素が2方向に周期的に配列され、
前記特徴量分布生成部は、前記2方向の特徴量分布を生成し、
前記色判定部は、前記2方向の特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて画素の色を判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布に基づいて、基準となる色の画素の位置を表す基準位置リストを作成する基準位置リスト作成部をさらに含み、
前記色判定部は、基準位置リスト作成部によって作成された基準位置リストに基づいて画素の色を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記予め定める検査パターンは、1画素ごとに点灯と非点灯とを繰り返すパターンであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記特徴量の変化パターンは、少なくとも3個以上の異なる特徴量から構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記特徴量の変化の予測パターンを表わす予測パターン情報を予め記録する記録部をさらに含み、
前記色判定部は、前記特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンと、記録部に記録される予測パターン情報が示す予測パターンとを照合することによって、画素の色を判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記基準位置リスト作成部は、前記変化パターンの特徴に基づいて、表示パネルの画素の色の一部の色の画素について作成した基準位置リストを第1の基準位置リストとし、前記第1の基準位置リストに基づいて、第1の基準位置リストとして作成された色と異なる色の画素の位置を表す第2の基準位置リストを作成し、
前記色判定部は、前記基準位置リスト作成部によって作成された第2の基準位置リストに基づいて、画素の色を判定することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネルに表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表す特徴量を前記周期的に配列される方向に表す特徴量分布を生成する特徴量分布生成工程と、
特徴量分布生成工程で生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する色判定工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
複数の色の画素が少なくとも1つの方向に周期的に配列される表示パネルに表示される予め定める検査パターンの画像を撮像素子によって撮像して得られる画像データに基づいて、各画素の特徴を表す特徴量を前記周期的に配列される方向に表す特徴量分布を生成する特徴量分布生成部と、
特徴量分布生成部によって生成された特徴量分布が示す特徴量の変化パターンの特徴に基づいて、画素の色を判定する色判定部として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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