画像処理装置、画像処理方法、プログラム
【課題】通常のグラフィックス描画装置や写真描画装置を使用して高速に任意クリッピングを可能にし、かつあまったメモリ領域を使用してマスク用のメモリを不要とする。
【解決手段】バンド画像を生成するバンド画像生成手段と、バンド画像を記憶するバンド画像記憶手段と、任意のクリッピング情報の垂直方向ごとにラインスキャンして水平ラインに交わる開始点、終点値によるパターンを生成するクリッピングパターン情報生成手段と、クリッピングパターン情報を記憶するクリッピングパターン情報記憶手段と、クリッピングパターン情報を読み込み、バンド画像にマスクbitを描画してバンド画像記憶手段に記憶するクリッピングマスク描画手段と、バンド画像生成手段においてクリッピングマスク描画手段で描画されたマスクbitを読み込み、マスクbitの値により写真画像の描画処理を実行する写真画像処理手段と、を備える。
【解決手段】バンド画像を生成するバンド画像生成手段と、バンド画像を記憶するバンド画像記憶手段と、任意のクリッピング情報の垂直方向ごとにラインスキャンして水平ラインに交わる開始点、終点値によるパターンを生成するクリッピングパターン情報生成手段と、クリッピングパターン情報を記憶するクリッピングパターン情報記憶手段と、クリッピングパターン情報を読み込み、バンド画像にマスクbitを描画してバンド画像記憶手段に記憶するクリッピングマスク描画手段と、バンド画像生成手段においてクリッピングマスク描画手段で描画されたマスクbitを読み込み、マスクbitの値により写真画像の描画処理を実行する写真画像処理手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クリッピング処理は3Dグラフィックスのポリゴン単位のデータを幾何変換し、2次元スクリーンへ投影させたときに、2次元スクリーンからはみ出た部分をなくすために2次元クリッピングを行うアルゴリズムが複数しられている。その代表例として、リエントラント型多角形クリッピング方式であるSutherland−Hodgmanのアルゴリズムを説明する(非特許文献1、2参照)。
【0003】
図22に示すように2次元スクリーンのクリッピングウインドウに対しP1〜P8の端点を結ぶ多角形をクリッピングするとき、まずは、クリッピングウインドウの左端に注目し、P1−P8間のラインクロスする点、P1−P2間をクロスする点、を求め、端点を増やし接続し、新たな多角形を形成し、同様にクリッピングウインドウの上に注目し同様な処理を行い、新たな多角形を形成し、同様にクリッピングウインドウの右端に注目し、同様な処理を行い、新たな多角形を形成し、同様にクリッピングウインドウの下に注目し、同様な処理を行い、新たな多角形を形成し、Q1〜Q10の端点を持ったクリッピング後の多角形を形成することが可能である。
【0004】
そして、このSutherland−Hodgmanのアルゴリズムをハードウエア化した方式としてクリッピング処理装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。一般的に、このSutherland−Hodgmanのアルゴリズムは2次元スクリーンのような4角形のクリッピング図形に対してクリッピング処理を行うが、かなり複雑化するが、多角形のクリッピングも可能である。なお、凹図形の多角形のクリッピングの場合は、常に多角形クリッピングの内部、外部を判定しながら処理を進める必要がある。
【0005】
また、特許文献2ではプリンタのシステムでの任意図形のクリッピング処理の例であり、多角形クリッピングの図形を別領域に描画し、バンドバッファへ図形を描画するとき、その図形の位置に対応する先に別領域へ描画された多角形クリッピング画像を読み込み、AND処理を行い、バンドバッファへ描画する方法が知られている。
【0006】
また、2次元多角形図形を各水平ラインごとに開始点X、終点X値へ変換し、描画するオーダードエッジリストアルゴリズム方式が知られており(たとえば非特許文献2参照)、その方式を3次元グラフィックスのポリゴン描画でハードウエア化した方式が知られている(たとえば特許文献3参照)。
【0007】
【非特許文献1】Sutherland.Ivan,E And Hodgm Gray,W“Reentrant Polygon Clipping”CACM Vol.17 pp32−42,1974
【非特許文献2】David F.Rogers“Procedual Elements For Computer Graphics”1985
【特許文献1】特許第2983728号公報
【特許文献2】特開平8−297737号公報
【特許文献3】特許第3332165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記に示されるような、Sutherland−Hodgmanのアルゴリズムを使用した方法は、2次元スクリーンのような四角形のクリッピング図形に対して処理する場合は、あまり演算量が気にならないが、任意多角形図形に行う場合、多くの演算量と、クリッピング図形の辺ごとにクリッピング処理を行うことにより、多くのステップを必要とし、多くの処理時間がかかり、作成されたクリッピング後の図形も、当初、四角形描画の処理が、任意の多角形描画の処理になり、図形を描画するアルゴリズムも複雑になり、ハードウエア化を行うことが困難であった。
【0009】
また、特許文献2の方法にあっては、任意クリッピング図形を別領域へ描画された形で記憶されるために、MAX時は、バンド領域分、もしくは、ページ領域分の記憶領域を必要とする。また、描画時に描画された任意クリッピング図形を常に読み込み、クリッピング図形と描画図形のANDをとりながらバンドメモリへ描画するためにメモリのアクセス量が大きくなり、処理効率の低下も、懸念される。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、通常のグラフィックス描画装置や写真描画装置を使用することで、高速に任意クリッピングを使用することを可能にし、かつ、あまったメモリ領域を使用することにより、マスク用のメモリを不要とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、ページ記述言語による画像データを解析し、バンド画像を生成するバンド画像生成手段と、前記バンド画像生成手段で生成されたバンド画像を記憶するバンド画像記憶手段と、任意のクリッピング情報の垂直方向ごとにラインスキャンして水平ラインに交わる開始点、終点値によるパターンを生成するクリッピングパターン情報生成手段と、前記クリッピングパターン情報生成手段により生成されたクリッピングパターン情報を記憶するクリッピングパターン情報記憶手段と、前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶されたクリッピングパターン情報を読み込み、前記バンド画像記憶手段に記憶されたバンド画像にマスクbitを描画して前記バンド画像記憶手段に記憶するクリッピングマスク描画手段と、前記バンド画像生成手段において、前記クリッピングマスク描画手段で描画されたマスクbitを前記バンド画像記憶手段から読み込み、マスクbitの値により前記バンド画像記憶手段への写真画像の描画処理を実行する写真画像処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2にかかる発明は、前記バンド画像記憶手段は、色値とクリッピングマスク情報とを記憶することを特徴とする。
【0013】
また、請求項3にかかる発明は、前記写真画像処理手段は、描画処理時に前記バンド画像記憶手段のクリッピングマスク情報を消去することを特徴とする。
【0014】
また、請求項4にかかる発明は、前記クリッピングマスク描画手段は、前記バンド画像記憶手段に記憶されているバンド画像の色値を変更することなく、マスクbitのみ描画することを特徴とする。
【0015】
また、請求項5にかかる発明は、画像処理装置で実行される画像処理方法であって、前記画像処理装置は、バンド画像を記憶するバンド画像記憶手段と、クリッピングパターン情報を記憶するクリッピングパターン情報記憶手段と、を備え、バンド画像生成手段がページ記述言語による画像データを解析し、バンド画像を生成するバンド画像生成工程と、前記バンド画像生成工程で生成されたバンド画像を前記バンド画像記憶手段に記憶するバンド画像記憶工程と、クリッピングパターン情報生成手段が任意のクリッピング情報の垂直方向ごとにラインスキャンして水平ラインに交わる開始点、終点値によるパターンを生成するクリッピングパターン情報生成工程と、前記クリッピングパターン情報生成工程で生成されたクリッピングパターン情報を前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶するクリッピングパターン情報記憶工程と、クリッピングマスク描画手段が前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶されたクリッピングパターン情報を読み込み、前記バンド画像記憶手段に記憶されたバンド画像にマスクbitを描画して前記バンド画像記憶手段に記憶するクリッピングマスク描画工程と、写真画像処理手段が、前記バンド画像生成工程において、前記クリッピングマスク描画工程で描画されたマスクbitを前記バンド画像記憶手段から読み込み、マスクbitの値により前記バンド画像記憶手段への写真画像の描画処理を実行する写真画像処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、バンド画像のPIXELフォーマットであまったbit領域をマスク領域に割り振り、任意クリッピングする領域をグラフィックス描画装置を使用してマスク情報を書き込み、その後、写真画像描画装置により、マスクbitが“1”である部分のみ写真画像を描画することにより任意クリッピング処理を実現することにより、通常のグラフィックス描画装置や写真描画装置を使用して、高速に任意クリッピングを使用することができ、かつ、あまったメモリ領域を使用するために、マスク用のメモリを必要としないという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態)
まず、本発明による画像処理装置が搭載される画像形成装置(プリンタ)の構成および動作について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の機構部の構成例を示す説明図である。以下、図1の画像形成装置をカラープリンタと記述する。なお、この実施の形態ではレーザーカラープリンタを例にとるが、インクジェットプリンタなど他のカラープリンタであってもよい。
【0020】
この図1に示すカラープリンタ100は、レーザー光書込みおよび電子写真プロセスにしたがい、4色(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック))の画像をそれぞれ独立に配置された作像系1Y、1M、1C、1Kで形成し、この4色の画像を記録紙に順次重ね合わせて転写し合成する4ドラムタンデムエンジンタイプの画像形成装置である。
【0021】
各作像系1Y、1M、1C、1Kは、像担持体としての感光体、たとえば小径のOPC(有機感光体)ドラム2Y、2M、2C、2Kを有し、このOPCドラム2Y、2M、2C、2Kを取り囲むように作像の上流側から帯電手段としての帯電ローラ3Y、3M、3C、3Kと、OPCドラム2Y、2M、2C、2K上の静電潜像をそれぞれ現像剤で現像してY、M、C、K各色のトナー像とする現像装置4Y、4M、4C、4Kと、クリーニング装置5Y、5M、5C、5Kと、除電装置6Y、6M、6C、6Kなどが配置されている。
【0022】
各現像装置4Y、4M、4C、4Kの脇には、Yトナー、Mトナー、Cトナー、Kトナーをそれぞれ現像装置4Y、4M、4C、4Kへ所定の色のトナーを補給するトナーボトルユニット7Y、7M、7C、7Kが配置されている。また、各作像系1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ独立に配置されたレーザーによる光書き込み装置8Y、8M、8C、8Kが配置され、この光書き込み装置8Y、8M、8C、8Kはレーザー光源としてのレーザーダイオード(LD)光源9Y、9M、9C、9Kや、コリメートレインズ10Y、10M、10C、10K、fθレンズ11Y、11M、11C、11K、といった光学部品、偏向走査手段としてのポリゴンミラー12Y、12M、12C、12K、折り返しミラー13Y、13M、13C、13K、14Y、14M、14C、14Kなどを有する。
【0023】
各作像系1Y、1M、1C、1Kは垂直に配列され、その右側には転写ベルトユニット15がOPCドラム2Y、2M、2C、2Kに接する形で配置される。転写ベルトユニット15は、転写ベルト16がローラ17〜20に張架されて駆動源(不図示)により回転駆動される。装置下側には転写材としての記録紙が収納された給紙トレイ21が配置され、装置上部に熱定着ローラと加圧ローラを有する定着装置22、排紙ローラ23および排紙トレイ24が配設されている。
【0024】
作像時には、各作像系1Y、1M、1C、1Kにおいて、それぞれ、OPCドラム2Y、2M、2C、2Kが駆動源(不図示)により回転駆動され、帯電ローラ3Y、3M、3C、3KによりOPCドラム2Y、2M、2C、2Kが一様に帯電されて光書き込み装置8Y、8M、8C、8Kが各色の画像データに基づきレーザーダイオードを変調し、そのレーザー光を偏向走査してOPCドラム2Y、2M、2C、2Kに光書込みを行なうことによって、OPCドラム2Y、2M、2C、2K上に静電潜像が形成される。
【0025】
このOPCドラム2Y、2M、2C、2K上の静電潜像はそれぞれ現像装置4Y、4M、4C、4Kにより現像されてY、M、C、K各色のトナー像となり、一方、給紙トレイ21から給紙ローラ25により記録紙が水平方向に給紙されて搬送系により作像系1Y、1M、1C、1K方向へ垂直に搬送される。この記録紙は、転写ベルト16に静電的に吸着保持されて転写ベルト16により搬送され、転写バイアス印加手段(不図示)により転写バイアスが印加されてOPCドラム2Y、2M、2C、2K上のY、M、C、K各色のトナー像を順次に重ねて合わせて記録紙に転写することでフルカラー画像が記録紙上に形成される。このフルカラー画像が形成された記録紙は、定着装置22によりフルカラーのトナー画像が熱および圧力の作用によって定着されて排紙ローラ23により排紙トレイ24へ排出される。なお、上述した各機能要素を駆動制御し、また各種の画像処理などを実行する電装・制御装置26が搭載されている。
【0026】
つぎに、以上のように構成されたカラープリンタにおける画像処理装置の詳細な構成および動作について説明する。図2は、図1における電装・制御装置の構成を示すブロック図である。符号101はCPUであり、プリンタ装置全体の制御や、PC(パーソナルコンピュータ)から送られてきたPDLを解析し、描画装置105の描画コマンドやの画像処理装置のパラメータの生成を行う。符号102はCPU I/Fであり、CPU101のインターフェイスであり、メモリアービター103をかいして、メモリや各種コントローラと接続されている。符号103はメモリアービターであり、メインメモリ114と各種のコントローラ間の調停を行う。符号104はメモリコントローラであり、メインメモリ114を制御し、メモリアービター103を介して、各種コントローラやCPUと接続されている。符号105は後述する描画装置である。
【0027】
また、符号106はバスコントローラであり、バス11とつながる各周辺コントローラとのバスの調停を行う。符号107は通信コントローラであり、ネットワークに接続されており、ネットワークから各種データやコマンドなどを受け取り、メモリアービター103を介して各種のコントローラに接続されている。符号113はROMであり、各種のプログラムや、文字などのフォント情報を格納している。符号114はメインメモリであり、画像データや、その符号データや、CPU011のプログラムなどを格納している。符号115はメモリコントローラ内蔵CPUであり、CPU101とメモリコントローラ105などを内蔵している。
【0028】
また、符号116はバスであり、メモリコントローラ内蔵CPU115と、画像処理ASIC117と、パネル制御ASIC118とを接続する。符号117は画像処理ASICであり、メモリコントローラ内蔵CPU115に接続され、画像処理を行う。符号118はパネル制御ASICであり、15)のCPUに接続され、パネルの制御を行う。符号121はプリンタコントローラボードであり、プリンタの制御を行う。符号120はPCであり、プリンタへPDL(ページ記述言語)を作成し、ネットワークを介してプリンタへ転送する。符号122はプリンタエンジンである。符号108はバスI/Fであり、バス116のI/Fを行い、メモリコントローラ内蔵CPU115と接続する。符号109はエンジンコントローラであり、プリンタエンジン122を制御する。
【0029】
符号110は画像処理装置であり、CPU101により生成された画像処理パラメータを読み込み、画像処理を行い、メインメモリ114の画像データの指定された位置へ書き込む。符号111はバスI/Fであり、パネルコントローラ112のデータをメモリコントローラ内蔵CPU115へ転送する。符号112はパネルコントローラであり、パネル119を制御している。符号119はパネルであり、ユーザーからの操作をプリンタ装置へ知らせる。
【0030】
図3は、本発明の実施の形態にかかる画像処理の流れを示すブロック図である。この図において、メインメモリ114は、通信コントローラ107からのPDLデータをPDLメモリ領域114aに記憶する。CPU101は、メインメモリ104のPDLを解析し、描画装置105の描画コマンドや画像処理装置110の画像処理パラメータを生成する。描画装置105は、メインメモリ114へRGB+マスクバンドを描画する。メインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域11bにRGBバンドを記憶する。画像処理装置110は、メインメモリ114の画像処理パラメータを受け取り、RGB+マスクバンド画像メモリ領域11bからRGBバンドを読み込み、色変換や、階調処理を行い、メインメモリ114の階調処理後ページメモリ領域114cへ転送する。階調処理後バンド画像メモリ領域114cは、階調処理後のバンド画像を記憶する。その後、階調処理後のバンド画像をエンジンコントローラへ転送する。
【0031】
図4は、本発明の実施の形態にかかる画像処理の概念を示すブロック図である。この図において、PC120は、PDL(ページ記述言語)を生成し、ネットワークを介してプリンタへ転送する。通信コントローラ107は、PC120からのPDLを受け取りメインメモリ114のPDLメモリ領域114aへ格納する。メインメモリ114は、PDLや画像処理パラメータ、RGB多値バンドデータ、階調処理後ページデータやプログラムや各種のワークデータなどを記憶する。CPU101は、メインメモリ114のPDLを解析し、描画コマンドを生成する。描画装置105は、メインメモリ114の描画コマンドを読み込み、RGB多値バンドの描画を行う。このとき、図9に示すような写真画像の任意クリッピング処理を行う。画像処理装置110は、メインメモリ114のRGB多値バンドの描画を読み込み画像処理を行い階調処理後画像を生成する。エンジンコントローラ109は、メインメモリ114の階調処理後画像を122プリンタエンジンへ転送する。
【0032】
図5は、図2におけるメインメモリのフォーマットを示す説明図である。この図5に示すように、メインメモリ114には、PDLメモリ領域114a、描画コマンドメモリ領域114d、RGB+マスクバンド画像メモリ領域114b、写真ソース画像メモリ領域114e、CMYK各版の階調処理後ページメモリ領域114cなどが割り当てられている。なお、RGB+マスクバンド画像メモリ領域を適宜、バンドメモリと略記する。
【0033】
図6にRGB+マスクバンド画像メモリ領域のフォーマットを示す。このようにRGBデータのPIXELごとにマスク情報が付加されている。また、図7にマスク情報のフォーマットを示す。
【0034】
図8は、背景画像がない写真画像の任意クリッピングの例を示す説明図である。図9は、背景画像がある写真画像の任意クリッピングの例を示す説明図である。
【0035】
図10に、描画装置105が解釈し、描画処理を行う場合における描画コマンドの例を示す。(A)はバンド定義コマンドであり、描画するバンド領域を定義する。(B)は四角形描画コマンドである。(C)はスキャンライン描画コマンドであり、描画する水平スキャンラインの本数と各スキャンラインのY座標、X始点とX終点が記述されている。(D)は写真画像描画コマンドであり、描画する写真画像のX,Y幅と描画するX,Y座標とソースパターンのメモリアドレスが記述されている。(E)はバンド終了コマンドである。(F)はスキャンラインマスク描画コマンドであり、描画する水平スキャンラインの本数と各スキャンラインのY座標、X始点とX終点が記述されている。
【0036】
このスキャンラインマスク描画コマンドは、図11の(1)に示すようにマスクする領域をスキャンラインで描画するコマンドである。図2の描画装置105は指定されたスキャンラインを描画するとき、図6のRGB値は変更せずに、マスク情報のみ“1”にする。
【0037】
また、図10において、(G)は任意クリッピングを行う写真画像描画コマンドであり、描画する写真画像のX,Y幅と描画するX,Y座標とソースパターンのメモリアドレスが記述されている。この写真画像描画コマンドは図11の(2)に示すように写真画像を描画するとき、描画する画素のマスクbitを読み込み“1”であれば、その画素は描画し、その画素のマスクbitを“0”にする。“0”であれば、描画しないことにより、このような任意クリッピングを実現する。
【0038】
図11は、任意クリッピングの処理手順を示す説明図である。まず、写真画像を描画する領域に スキャンラインマスク描画コマンドで(1)のようにRGB値には何も書かないが、マスクbitを“1”にすることで、マスク情報を描画していく。つぎに、(2)に示すように任意クリッピングを行う写真画像描画コマンドで写真画像を描画していくが、このとき、描画する画素のマスクbitを読み込み“1”であれば、その画素は描画し、その画素のマスクbitを“0”にする。“0”であれば、描画しないことにより、このような任意クリッピングを実現する。
【0039】
図12は、写真画像の任意クリッピング処理動作を示すフローチャートである。この任意クリッピング処理動作は、スキャンラインマスク描画処理と写真画像描画処理とに大きく分けられる。この図12に示すように、まず、指定されたスキャンライン(Y値、X始点値、X終点値)を読み込み(ステップS1)、X=X始点値として初期値設定を行なった後(ステップS2)、Y値とX値の示すRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bのRGB+マスク値を読み込む(ステップS3)。なお、図ではRGB+マスクバンド画像メモリ領域をバンドメモリと記述する。続いて、Y値とX値の示すRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへマスク値を“on”させて書き込む(ステップS4)。このときRGB値は変更せずに書き込む。続いて、X=X+1としてX値を一つインクリメントし(ステップS5)、ステップS3、S4の動作をX値≦X終点値になるまで繰り返し実行し、すべてのスキャンラインを処理する(ステップS6、S7)。このスキャンラインマスク描画処理の後、つぎの写真画像描画処理を実行する。
【0040】
まず、写真画像パラメータ(写真のX幅、Y幅、描画原点X,Y値、ソース原点アドレス)を読み込み(ステップS8)、X=0、Y=0とする(ステップS9)。続いて、Y値とX値の示すソース画像のRGB値を読み込み(ステップS10)、Y値とX値の示すRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bのRGB+マスク値を読み込む(ステップS11)。その後、マスクbitが“1”であるか否かを判断する(ステップS12)。ここでマスクbitが“1”であれば、Y値とX値の示すRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへソース画像RGBを書き込む(ステップS13)。このときマスク値を“0”とする。続いて、X値を一つインクリメントし、X≦X幅になるまで上記ステップS10以降の動作を繰り返し実行する(ステップS14、S15)。この後、X=0、Yを一つインクリメントし、Y≦Y幅になるまで上記ステップS10以降の動作を繰り返し実行する(ステップS16、S17)。図13にマスク画像の描画例を示し、図14にそのスキャンラインのフォーマットを示す。
【0041】
図15は、描画装置の内部構成を示すブロック図である。この図において、符号201はメモリARB103に接続されたメモリアービターI/Fであり、コマンド解析&パラメータ記憶装置202、写真画像描画装置203、グラフィックス描画装置204とメモリARB103とのI/Fを行う。符号202はコマンド解析&パラメータ記憶装置であり、図10のような描画コマンドを読み込み解析して写真画像描画の処理であれば、写真画像描画装置203へパラメータと起動信号を送り、描画終了信号を待つ処理を行い、グラフィックス描画の処理であれば、グラフィックス描画装置204へパラメータと起動信号を送り、描画終了信号を待つ処理を行い、描画終了信号がきたところで、つぎのコマンドを読み込み解析する。符号203は写真画像描画装置であり、図10の(D)、(G)の写真画像描画処理を行う。図17に詳細なブロック図を示す。符号204はグラフィックス描画装置であり、図10の(B)、(C)、(F)のグラフィックス描画処理を行う。図16に詳細なブロック図を示す。符号205は本装置を制御するコントローラである。
【0042】
図16は、グラフィックス描画装置の詳細構成を示すブロック図である。この図16に示すように、符号211は水平ライン変換装置であり、コマンド解析&パラメータ記憶装置202から図10の(B)、(C)、(F)のグラフィックス描画処理コマンドのパラメータを受け取り、特に四角形の描画時に水平ラインへ変換し、水平ライン描画装置212、水平ライン背景画像読み込み装置213へ転送する。符号213は水平ライン背景画像読み込み装置であり、図10の(F)のスキャンラインマスク描画時にメインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bから描画する画素のRGBデータを順時読み込み、水平ライン描画装置212へ転送する。符号212は水平ライン描画装置であり、図10の(F)のスキャンラインマスク描画時に水平ライン背景画像読み込み装置213からRGBデータを受け取りマスクbitを“1”にしてメインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへ再度書き込むことによりマスクbitのみ“1”とし、RGBデータは変化しない。他の四角形描画やスキャンライン描画時は、直接、メインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへ指定された色情報を書き込む。符号214は本装置を制御するコントローラである。
【0043】
図17は、写真描画装置の詳細構成を示すブロック図である。この図17に示すように、符号221は水平ライン変換装置であり、コマンド解析&パラメータ記憶装置202から図10の(D)、(G)の写真描画処理コマンドのパラメータを受け取り水平ラインへ変換し、水平ライン描画装置222、水平ライン背景画像読み込み装置223、水平ラインソース画像読み込み装置224へ転送する。符号224は水平ラインソース画像読み込み装置であり、メインメモリ114の写真画像ソースメモリ領域114eから、描画する画素のRGBデータを順時読み込み水平ライン描画装置222へ転送する。符号223は水平ライン背景画像読み込み装置であり、図10(G)の任意クリッピングを行う写真画像描画時にメインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bから描画する画素のRGBデータを順時読み込み水平ライン描画装置222へ転送する。符号222は水平ライン描画装置であり、図10(G)の任意クリッピングを行う写真画像描画時に、水平ライン背景画像読み込み装置223からRGBデータとマスクbitを受け取り、水平ラインソース画像読み込み装置224から描画する写真画像のRGB値を読み込み、マスクbitが“1”であれば、写真画像のRGB値を、“0”であれば、背景のRGB値をメインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへ再度書き込むことにより任意クリッピング処理を実現する。普通の写真描画時は、水平ラインソース画像読み込み装置224から描画する写真画像のRGB値を読み込みメインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへ書き込むことにより写真画像描画を実現する。符号225は本装置を制御するコントローラである。
【0044】
図18は、画像処理装置の内部構成を示すブロック図である。この図18に示すように、符号231は画像読み込み&画像書き込み装置であり、バスI/F108と接続され、メインメモリ114から画像データの読み込みと書き込みを行う。符号232はメモリアドレス生成装置であり、メインメモリ114のアドレスを生成する。符号233は格子点データ記憶装置であり、画像読み込み&画像書き込み装置231から受け取った色変換処理装置237に必要な格子点データを格納する。符号234はガンマテーブル記憶装置であり、画像読み込み&画像書き込み装置231から受け取った色変換処理装置237に必要なガンマデータなどを格納する。符号235はハーフトーンパラメータ記憶装置であり、画像読み込み&画像書き込み装置231から受け取ったハーフトーン処理装置239に必要なハーフトーンパラメータなどを格納する。符合236はしきい値マトリックス記憶装置であり、画像読み込み&画像書き込み装置231から受け取ったハーフトーン処理装置239に必要なしきい値マトリックスなどを格納する。符号237は色変換処理装置であり、画像読み込み&画像書き込み装置231からRGB値を読み込みRGB→CMYの色変換処理とBG/UCR処理を行い、生成された多値CMYKデータから1つの版を選択し多値CMYKライン記憶装置238へ転送する。符号238は値CMYKライン記憶装置であり、色変換処理装置237から転送された多値CMYKデータを1ライン分格納する。符号239はハーフトーン処理装置であり、しきい値マトリックス記憶装置236からしきい値マトリックスを読み込み多値CMYKライン記憶装置238からデータを受け取ることによりハーフトーン処理を実行し、画像読み込み&画像書き込み装置231へ画像処理後の階調処理後画像を転送する。符号240はコントローラであり、画像処理装置の全体を制御する。
【0045】
このように、上述した本発明の実施の形態では、RGBのバンド画像のPIXELフォーマットであまったbit領域をマスク領域に割り振り、任意クリッピングする領域をグラフィックス描画装置を使用してマスク情報を書き込み、その後、写真画像描画装置により、マスクbitが“1”である部分のみ写真画像を描画することにより任意クリッピング処理を実現することにより、通常のグラフィックス描画装置や写真描画装置を使用して、高速に任意クリッピングを使用することができ、あまったメモリ領域を使用するために、マスク用のメモリを必要としない。
【0046】
ところで、これまで説明してきた実施の形態における画像処理方法(動作)を、プログラム化し、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータ上で実行することもできる。また、画像処理方法の一部をネットワーク上に有し、通信回線を通して実現することもできる。
【0047】
すなわち、この実施の形態で説明した画像処理方法は、図19に示すように、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ(CPU30)で実行することにより実現される。このプログラムは、キーボード35の操作などにより、メモリ31、ハードディスク34、フレキシブルディスク37、CD−ROM(Compact−Disc Read Only Memory)36、MO(Magneto Optical)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータ(CPU30)によって記録媒体から読み出し、必要に応じて表示装置33に表示することによって実行される。また、必要に応じてこの画像処理方法のデータを通信装置32から外部装置に送受信することも可能である。
【0048】
また、このプログラムは、図20に示すように、上記記録媒体を介して、インターネット30などのネットワークによってパーソナルコンピュータなどの装置41〜43に配布することができる。
【0049】
すなわち、このプログラムは、たとえばコンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスクに、あらかじめインストールした状態で提供することができる。プログラムは記録媒体に一時的あるいは永続的に格納し、コンピュータにユニットとして組み込んだり、あるいは着脱式の記録媒体として利用することで、パッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0050】
記録媒体としては、たとえば、フレキシブルディスク、CD−ROM、MOディスク、DVD、磁気ディスク、半導体メモリなどが利用できる。
【0051】
プログラムは、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)やインターネットといったネットワークを介して、有線または無線でコンピュータに転送し、そのコンピュータにおいて、内蔵するハードディスクなどの記憶装置にダウンロードさせるようにすることができる。
【0052】
また、本発明を実施するための上述した最良の形態で説明した画像処理装置における処理は、コンピュータ(たとえばCPU30)に実現させるプログラムの形で提供することができる。
【0053】
図21は、かかる複合機のハードウエア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機300は、コントローラ10とエンジン部(Engine)360とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ310は、複合機1全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部360は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部360には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0054】
コントローラ310は、CPU311と、ノースブリッジ(NB)313と、システムメモリ(MEM−P)312と、サウスブリッジ(SB)314と、ローカルメモリ(MEM−C)317と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)316と、ハードディスクドライブ(HDD)318とを有し、ノースブリッジ(NB)313とASIC316との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス315で接続した構成となる。また、MEM−P312は、ROM(Read Only Memory)312aと、RAM(Random Access Memory)312bとをさらに有する。
【0055】
CPU311は、複合機1の全体制御をおこなうものであり、NB313、MEM−P312およびSB314からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0056】
NB313は、CPU311とMEM−P312、SB314、AGP315とを接続するためのブリッジであり、MEM−P312に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0057】
MEM−P312は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM312aとRAM312bとからなる。ROM312aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM312bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0058】
SB314は、NB313とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB314は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0059】
ASIC316は、画像処理用のハードウエア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP315、PCIバス、HDD318およびMEM−C317をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC316は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC316の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C317を制御するメモリコントローラと、ハードウエアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC316には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)330、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェイス350が接続される。
【0060】
MEM−C317は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)318は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0061】
AGP315は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P312に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、プログラムは、複写機、プリンタ、これらを含む複合機、デジタルカメラなどに有用であり、特に、通常のグラフィックス描画装置や写真描画装置を使用して、高速に、かつマスク用のメモリを不要とする任意クリッピングを行なう画像処理に適している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の機構部の構成例を示す説明図である。
【図2】図1における電装・制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる画像処理の流れを示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる画像処理の概念を示すブロック図である。
【図5】図2におけるメインメモリのフォーマットを示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかるRGB+マスクバンド画像メモリ領域のフォーマットを示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかるマスク情報のフォーマットを示す説明図である。
【図8】背景画像がない写真画像の任意クリッピングの例を示す説明図である。
【図9】背景画像がある写真画像の任意クリッピングの例を示す説明図である。
【図10】描画装置が解釈し、描画処理を行う場合における描画コマンドの例を示す説明図である。
【図11】任意クリッピングの処理手順を示す説明図である。
【図12】写真画像の任意クリッピング処理動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態にかかるマスク画像の描画例を示す説明図である。
【図14】図13のスキャンラインのフォーマットを示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態にかかる描画装置の内部構成を示すブロック図である。
【図16】グラフィックス描画装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の形態にかかる写真描画装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態にかかる画像処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施の形態にかかる画像処理方法をコンピュータに実行させる例を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施の形態にかかる画像処理方法をネットワーク上からダウンロードして実行させる例を示すブロック図である。
【図21】かかる複合機のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図22】リエントラント型多角形クリッピングの処理例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0064】
101 CPU
105 描画装置
110 画像処理装置
114 メインメモリ
114a PDLメモリ領域
114b バンドメモリ
114c 諧調処理後ページメモリ領域
114d 描画コマンドメモリ領域
114e 写真ソース画像メモリ領域
120 PC
122 プリンタエンジン
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クリッピング処理は3Dグラフィックスのポリゴン単位のデータを幾何変換し、2次元スクリーンへ投影させたときに、2次元スクリーンからはみ出た部分をなくすために2次元クリッピングを行うアルゴリズムが複数しられている。その代表例として、リエントラント型多角形クリッピング方式であるSutherland−Hodgmanのアルゴリズムを説明する(非特許文献1、2参照)。
【0003】
図22に示すように2次元スクリーンのクリッピングウインドウに対しP1〜P8の端点を結ぶ多角形をクリッピングするとき、まずは、クリッピングウインドウの左端に注目し、P1−P8間のラインクロスする点、P1−P2間をクロスする点、を求め、端点を増やし接続し、新たな多角形を形成し、同様にクリッピングウインドウの上に注目し同様な処理を行い、新たな多角形を形成し、同様にクリッピングウインドウの右端に注目し、同様な処理を行い、新たな多角形を形成し、同様にクリッピングウインドウの下に注目し、同様な処理を行い、新たな多角形を形成し、Q1〜Q10の端点を持ったクリッピング後の多角形を形成することが可能である。
【0004】
そして、このSutherland−Hodgmanのアルゴリズムをハードウエア化した方式としてクリッピング処理装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。一般的に、このSutherland−Hodgmanのアルゴリズムは2次元スクリーンのような4角形のクリッピング図形に対してクリッピング処理を行うが、かなり複雑化するが、多角形のクリッピングも可能である。なお、凹図形の多角形のクリッピングの場合は、常に多角形クリッピングの内部、外部を判定しながら処理を進める必要がある。
【0005】
また、特許文献2ではプリンタのシステムでの任意図形のクリッピング処理の例であり、多角形クリッピングの図形を別領域に描画し、バンドバッファへ図形を描画するとき、その図形の位置に対応する先に別領域へ描画された多角形クリッピング画像を読み込み、AND処理を行い、バンドバッファへ描画する方法が知られている。
【0006】
また、2次元多角形図形を各水平ラインごとに開始点X、終点X値へ変換し、描画するオーダードエッジリストアルゴリズム方式が知られており(たとえば非特許文献2参照)、その方式を3次元グラフィックスのポリゴン描画でハードウエア化した方式が知られている(たとえば特許文献3参照)。
【0007】
【非特許文献1】Sutherland.Ivan,E And Hodgm Gray,W“Reentrant Polygon Clipping”CACM Vol.17 pp32−42,1974
【非特許文献2】David F.Rogers“Procedual Elements For Computer Graphics”1985
【特許文献1】特許第2983728号公報
【特許文献2】特開平8−297737号公報
【特許文献3】特許第3332165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記に示されるような、Sutherland−Hodgmanのアルゴリズムを使用した方法は、2次元スクリーンのような四角形のクリッピング図形に対して処理する場合は、あまり演算量が気にならないが、任意多角形図形に行う場合、多くの演算量と、クリッピング図形の辺ごとにクリッピング処理を行うことにより、多くのステップを必要とし、多くの処理時間がかかり、作成されたクリッピング後の図形も、当初、四角形描画の処理が、任意の多角形描画の処理になり、図形を描画するアルゴリズムも複雑になり、ハードウエア化を行うことが困難であった。
【0009】
また、特許文献2の方法にあっては、任意クリッピング図形を別領域へ描画された形で記憶されるために、MAX時は、バンド領域分、もしくは、ページ領域分の記憶領域を必要とする。また、描画時に描画された任意クリッピング図形を常に読み込み、クリッピング図形と描画図形のANDをとりながらバンドメモリへ描画するためにメモリのアクセス量が大きくなり、処理効率の低下も、懸念される。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、通常のグラフィックス描画装置や写真描画装置を使用することで、高速に任意クリッピングを使用することを可能にし、かつ、あまったメモリ領域を使用することにより、マスク用のメモリを不要とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、ページ記述言語による画像データを解析し、バンド画像を生成するバンド画像生成手段と、前記バンド画像生成手段で生成されたバンド画像を記憶するバンド画像記憶手段と、任意のクリッピング情報の垂直方向ごとにラインスキャンして水平ラインに交わる開始点、終点値によるパターンを生成するクリッピングパターン情報生成手段と、前記クリッピングパターン情報生成手段により生成されたクリッピングパターン情報を記憶するクリッピングパターン情報記憶手段と、前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶されたクリッピングパターン情報を読み込み、前記バンド画像記憶手段に記憶されたバンド画像にマスクbitを描画して前記バンド画像記憶手段に記憶するクリッピングマスク描画手段と、前記バンド画像生成手段において、前記クリッピングマスク描画手段で描画されたマスクbitを前記バンド画像記憶手段から読み込み、マスクbitの値により前記バンド画像記憶手段への写真画像の描画処理を実行する写真画像処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2にかかる発明は、前記バンド画像記憶手段は、色値とクリッピングマスク情報とを記憶することを特徴とする。
【0013】
また、請求項3にかかる発明は、前記写真画像処理手段は、描画処理時に前記バンド画像記憶手段のクリッピングマスク情報を消去することを特徴とする。
【0014】
また、請求項4にかかる発明は、前記クリッピングマスク描画手段は、前記バンド画像記憶手段に記憶されているバンド画像の色値を変更することなく、マスクbitのみ描画することを特徴とする。
【0015】
また、請求項5にかかる発明は、画像処理装置で実行される画像処理方法であって、前記画像処理装置は、バンド画像を記憶するバンド画像記憶手段と、クリッピングパターン情報を記憶するクリッピングパターン情報記憶手段と、を備え、バンド画像生成手段がページ記述言語による画像データを解析し、バンド画像を生成するバンド画像生成工程と、前記バンド画像生成工程で生成されたバンド画像を前記バンド画像記憶手段に記憶するバンド画像記憶工程と、クリッピングパターン情報生成手段が任意のクリッピング情報の垂直方向ごとにラインスキャンして水平ラインに交わる開始点、終点値によるパターンを生成するクリッピングパターン情報生成工程と、前記クリッピングパターン情報生成工程で生成されたクリッピングパターン情報を前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶するクリッピングパターン情報記憶工程と、クリッピングマスク描画手段が前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶されたクリッピングパターン情報を読み込み、前記バンド画像記憶手段に記憶されたバンド画像にマスクbitを描画して前記バンド画像記憶手段に記憶するクリッピングマスク描画工程と、写真画像処理手段が、前記バンド画像生成工程において、前記クリッピングマスク描画工程で描画されたマスクbitを前記バンド画像記憶手段から読み込み、マスクbitの値により前記バンド画像記憶手段への写真画像の描画処理を実行する写真画像処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、バンド画像のPIXELフォーマットであまったbit領域をマスク領域に割り振り、任意クリッピングする領域をグラフィックス描画装置を使用してマスク情報を書き込み、その後、写真画像描画装置により、マスクbitが“1”である部分のみ写真画像を描画することにより任意クリッピング処理を実現することにより、通常のグラフィックス描画装置や写真描画装置を使用して、高速に任意クリッピングを使用することができ、かつ、あまったメモリ領域を使用するために、マスク用のメモリを必要としないという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態)
まず、本発明による画像処理装置が搭載される画像形成装置(プリンタ)の構成および動作について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の機構部の構成例を示す説明図である。以下、図1の画像形成装置をカラープリンタと記述する。なお、この実施の形態ではレーザーカラープリンタを例にとるが、インクジェットプリンタなど他のカラープリンタであってもよい。
【0020】
この図1に示すカラープリンタ100は、レーザー光書込みおよび電子写真プロセスにしたがい、4色(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック))の画像をそれぞれ独立に配置された作像系1Y、1M、1C、1Kで形成し、この4色の画像を記録紙に順次重ね合わせて転写し合成する4ドラムタンデムエンジンタイプの画像形成装置である。
【0021】
各作像系1Y、1M、1C、1Kは、像担持体としての感光体、たとえば小径のOPC(有機感光体)ドラム2Y、2M、2C、2Kを有し、このOPCドラム2Y、2M、2C、2Kを取り囲むように作像の上流側から帯電手段としての帯電ローラ3Y、3M、3C、3Kと、OPCドラム2Y、2M、2C、2K上の静電潜像をそれぞれ現像剤で現像してY、M、C、K各色のトナー像とする現像装置4Y、4M、4C、4Kと、クリーニング装置5Y、5M、5C、5Kと、除電装置6Y、6M、6C、6Kなどが配置されている。
【0022】
各現像装置4Y、4M、4C、4Kの脇には、Yトナー、Mトナー、Cトナー、Kトナーをそれぞれ現像装置4Y、4M、4C、4Kへ所定の色のトナーを補給するトナーボトルユニット7Y、7M、7C、7Kが配置されている。また、各作像系1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ独立に配置されたレーザーによる光書き込み装置8Y、8M、8C、8Kが配置され、この光書き込み装置8Y、8M、8C、8Kはレーザー光源としてのレーザーダイオード(LD)光源9Y、9M、9C、9Kや、コリメートレインズ10Y、10M、10C、10K、fθレンズ11Y、11M、11C、11K、といった光学部品、偏向走査手段としてのポリゴンミラー12Y、12M、12C、12K、折り返しミラー13Y、13M、13C、13K、14Y、14M、14C、14Kなどを有する。
【0023】
各作像系1Y、1M、1C、1Kは垂直に配列され、その右側には転写ベルトユニット15がOPCドラム2Y、2M、2C、2Kに接する形で配置される。転写ベルトユニット15は、転写ベルト16がローラ17〜20に張架されて駆動源(不図示)により回転駆動される。装置下側には転写材としての記録紙が収納された給紙トレイ21が配置され、装置上部に熱定着ローラと加圧ローラを有する定着装置22、排紙ローラ23および排紙トレイ24が配設されている。
【0024】
作像時には、各作像系1Y、1M、1C、1Kにおいて、それぞれ、OPCドラム2Y、2M、2C、2Kが駆動源(不図示)により回転駆動され、帯電ローラ3Y、3M、3C、3KによりOPCドラム2Y、2M、2C、2Kが一様に帯電されて光書き込み装置8Y、8M、8C、8Kが各色の画像データに基づきレーザーダイオードを変調し、そのレーザー光を偏向走査してOPCドラム2Y、2M、2C、2Kに光書込みを行なうことによって、OPCドラム2Y、2M、2C、2K上に静電潜像が形成される。
【0025】
このOPCドラム2Y、2M、2C、2K上の静電潜像はそれぞれ現像装置4Y、4M、4C、4Kにより現像されてY、M、C、K各色のトナー像となり、一方、給紙トレイ21から給紙ローラ25により記録紙が水平方向に給紙されて搬送系により作像系1Y、1M、1C、1K方向へ垂直に搬送される。この記録紙は、転写ベルト16に静電的に吸着保持されて転写ベルト16により搬送され、転写バイアス印加手段(不図示)により転写バイアスが印加されてOPCドラム2Y、2M、2C、2K上のY、M、C、K各色のトナー像を順次に重ねて合わせて記録紙に転写することでフルカラー画像が記録紙上に形成される。このフルカラー画像が形成された記録紙は、定着装置22によりフルカラーのトナー画像が熱および圧力の作用によって定着されて排紙ローラ23により排紙トレイ24へ排出される。なお、上述した各機能要素を駆動制御し、また各種の画像処理などを実行する電装・制御装置26が搭載されている。
【0026】
つぎに、以上のように構成されたカラープリンタにおける画像処理装置の詳細な構成および動作について説明する。図2は、図1における電装・制御装置の構成を示すブロック図である。符号101はCPUであり、プリンタ装置全体の制御や、PC(パーソナルコンピュータ)から送られてきたPDLを解析し、描画装置105の描画コマンドやの画像処理装置のパラメータの生成を行う。符号102はCPU I/Fであり、CPU101のインターフェイスであり、メモリアービター103をかいして、メモリや各種コントローラと接続されている。符号103はメモリアービターであり、メインメモリ114と各種のコントローラ間の調停を行う。符号104はメモリコントローラであり、メインメモリ114を制御し、メモリアービター103を介して、各種コントローラやCPUと接続されている。符号105は後述する描画装置である。
【0027】
また、符号106はバスコントローラであり、バス11とつながる各周辺コントローラとのバスの調停を行う。符号107は通信コントローラであり、ネットワークに接続されており、ネットワークから各種データやコマンドなどを受け取り、メモリアービター103を介して各種のコントローラに接続されている。符号113はROMであり、各種のプログラムや、文字などのフォント情報を格納している。符号114はメインメモリであり、画像データや、その符号データや、CPU011のプログラムなどを格納している。符号115はメモリコントローラ内蔵CPUであり、CPU101とメモリコントローラ105などを内蔵している。
【0028】
また、符号116はバスであり、メモリコントローラ内蔵CPU115と、画像処理ASIC117と、パネル制御ASIC118とを接続する。符号117は画像処理ASICであり、メモリコントローラ内蔵CPU115に接続され、画像処理を行う。符号118はパネル制御ASICであり、15)のCPUに接続され、パネルの制御を行う。符号121はプリンタコントローラボードであり、プリンタの制御を行う。符号120はPCであり、プリンタへPDL(ページ記述言語)を作成し、ネットワークを介してプリンタへ転送する。符号122はプリンタエンジンである。符号108はバスI/Fであり、バス116のI/Fを行い、メモリコントローラ内蔵CPU115と接続する。符号109はエンジンコントローラであり、プリンタエンジン122を制御する。
【0029】
符号110は画像処理装置であり、CPU101により生成された画像処理パラメータを読み込み、画像処理を行い、メインメモリ114の画像データの指定された位置へ書き込む。符号111はバスI/Fであり、パネルコントローラ112のデータをメモリコントローラ内蔵CPU115へ転送する。符号112はパネルコントローラであり、パネル119を制御している。符号119はパネルであり、ユーザーからの操作をプリンタ装置へ知らせる。
【0030】
図3は、本発明の実施の形態にかかる画像処理の流れを示すブロック図である。この図において、メインメモリ114は、通信コントローラ107からのPDLデータをPDLメモリ領域114aに記憶する。CPU101は、メインメモリ104のPDLを解析し、描画装置105の描画コマンドや画像処理装置110の画像処理パラメータを生成する。描画装置105は、メインメモリ114へRGB+マスクバンドを描画する。メインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域11bにRGBバンドを記憶する。画像処理装置110は、メインメモリ114の画像処理パラメータを受け取り、RGB+マスクバンド画像メモリ領域11bからRGBバンドを読み込み、色変換や、階調処理を行い、メインメモリ114の階調処理後ページメモリ領域114cへ転送する。階調処理後バンド画像メモリ領域114cは、階調処理後のバンド画像を記憶する。その後、階調処理後のバンド画像をエンジンコントローラへ転送する。
【0031】
図4は、本発明の実施の形態にかかる画像処理の概念を示すブロック図である。この図において、PC120は、PDL(ページ記述言語)を生成し、ネットワークを介してプリンタへ転送する。通信コントローラ107は、PC120からのPDLを受け取りメインメモリ114のPDLメモリ領域114aへ格納する。メインメモリ114は、PDLや画像処理パラメータ、RGB多値バンドデータ、階調処理後ページデータやプログラムや各種のワークデータなどを記憶する。CPU101は、メインメモリ114のPDLを解析し、描画コマンドを生成する。描画装置105は、メインメモリ114の描画コマンドを読み込み、RGB多値バンドの描画を行う。このとき、図9に示すような写真画像の任意クリッピング処理を行う。画像処理装置110は、メインメモリ114のRGB多値バンドの描画を読み込み画像処理を行い階調処理後画像を生成する。エンジンコントローラ109は、メインメモリ114の階調処理後画像を122プリンタエンジンへ転送する。
【0032】
図5は、図2におけるメインメモリのフォーマットを示す説明図である。この図5に示すように、メインメモリ114には、PDLメモリ領域114a、描画コマンドメモリ領域114d、RGB+マスクバンド画像メモリ領域114b、写真ソース画像メモリ領域114e、CMYK各版の階調処理後ページメモリ領域114cなどが割り当てられている。なお、RGB+マスクバンド画像メモリ領域を適宜、バンドメモリと略記する。
【0033】
図6にRGB+マスクバンド画像メモリ領域のフォーマットを示す。このようにRGBデータのPIXELごとにマスク情報が付加されている。また、図7にマスク情報のフォーマットを示す。
【0034】
図8は、背景画像がない写真画像の任意クリッピングの例を示す説明図である。図9は、背景画像がある写真画像の任意クリッピングの例を示す説明図である。
【0035】
図10に、描画装置105が解釈し、描画処理を行う場合における描画コマンドの例を示す。(A)はバンド定義コマンドであり、描画するバンド領域を定義する。(B)は四角形描画コマンドである。(C)はスキャンライン描画コマンドであり、描画する水平スキャンラインの本数と各スキャンラインのY座標、X始点とX終点が記述されている。(D)は写真画像描画コマンドであり、描画する写真画像のX,Y幅と描画するX,Y座標とソースパターンのメモリアドレスが記述されている。(E)はバンド終了コマンドである。(F)はスキャンラインマスク描画コマンドであり、描画する水平スキャンラインの本数と各スキャンラインのY座標、X始点とX終点が記述されている。
【0036】
このスキャンラインマスク描画コマンドは、図11の(1)に示すようにマスクする領域をスキャンラインで描画するコマンドである。図2の描画装置105は指定されたスキャンラインを描画するとき、図6のRGB値は変更せずに、マスク情報のみ“1”にする。
【0037】
また、図10において、(G)は任意クリッピングを行う写真画像描画コマンドであり、描画する写真画像のX,Y幅と描画するX,Y座標とソースパターンのメモリアドレスが記述されている。この写真画像描画コマンドは図11の(2)に示すように写真画像を描画するとき、描画する画素のマスクbitを読み込み“1”であれば、その画素は描画し、その画素のマスクbitを“0”にする。“0”であれば、描画しないことにより、このような任意クリッピングを実現する。
【0038】
図11は、任意クリッピングの処理手順を示す説明図である。まず、写真画像を描画する領域に スキャンラインマスク描画コマンドで(1)のようにRGB値には何も書かないが、マスクbitを“1”にすることで、マスク情報を描画していく。つぎに、(2)に示すように任意クリッピングを行う写真画像描画コマンドで写真画像を描画していくが、このとき、描画する画素のマスクbitを読み込み“1”であれば、その画素は描画し、その画素のマスクbitを“0”にする。“0”であれば、描画しないことにより、このような任意クリッピングを実現する。
【0039】
図12は、写真画像の任意クリッピング処理動作を示すフローチャートである。この任意クリッピング処理動作は、スキャンラインマスク描画処理と写真画像描画処理とに大きく分けられる。この図12に示すように、まず、指定されたスキャンライン(Y値、X始点値、X終点値)を読み込み(ステップS1)、X=X始点値として初期値設定を行なった後(ステップS2)、Y値とX値の示すRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bのRGB+マスク値を読み込む(ステップS3)。なお、図ではRGB+マスクバンド画像メモリ領域をバンドメモリと記述する。続いて、Y値とX値の示すRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへマスク値を“on”させて書き込む(ステップS4)。このときRGB値は変更せずに書き込む。続いて、X=X+1としてX値を一つインクリメントし(ステップS5)、ステップS3、S4の動作をX値≦X終点値になるまで繰り返し実行し、すべてのスキャンラインを処理する(ステップS6、S7)。このスキャンラインマスク描画処理の後、つぎの写真画像描画処理を実行する。
【0040】
まず、写真画像パラメータ(写真のX幅、Y幅、描画原点X,Y値、ソース原点アドレス)を読み込み(ステップS8)、X=0、Y=0とする(ステップS9)。続いて、Y値とX値の示すソース画像のRGB値を読み込み(ステップS10)、Y値とX値の示すRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bのRGB+マスク値を読み込む(ステップS11)。その後、マスクbitが“1”であるか否かを判断する(ステップS12)。ここでマスクbitが“1”であれば、Y値とX値の示すRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへソース画像RGBを書き込む(ステップS13)。このときマスク値を“0”とする。続いて、X値を一つインクリメントし、X≦X幅になるまで上記ステップS10以降の動作を繰り返し実行する(ステップS14、S15)。この後、X=0、Yを一つインクリメントし、Y≦Y幅になるまで上記ステップS10以降の動作を繰り返し実行する(ステップS16、S17)。図13にマスク画像の描画例を示し、図14にそのスキャンラインのフォーマットを示す。
【0041】
図15は、描画装置の内部構成を示すブロック図である。この図において、符号201はメモリARB103に接続されたメモリアービターI/Fであり、コマンド解析&パラメータ記憶装置202、写真画像描画装置203、グラフィックス描画装置204とメモリARB103とのI/Fを行う。符号202はコマンド解析&パラメータ記憶装置であり、図10のような描画コマンドを読み込み解析して写真画像描画の処理であれば、写真画像描画装置203へパラメータと起動信号を送り、描画終了信号を待つ処理を行い、グラフィックス描画の処理であれば、グラフィックス描画装置204へパラメータと起動信号を送り、描画終了信号を待つ処理を行い、描画終了信号がきたところで、つぎのコマンドを読み込み解析する。符号203は写真画像描画装置であり、図10の(D)、(G)の写真画像描画処理を行う。図17に詳細なブロック図を示す。符号204はグラフィックス描画装置であり、図10の(B)、(C)、(F)のグラフィックス描画処理を行う。図16に詳細なブロック図を示す。符号205は本装置を制御するコントローラである。
【0042】
図16は、グラフィックス描画装置の詳細構成を示すブロック図である。この図16に示すように、符号211は水平ライン変換装置であり、コマンド解析&パラメータ記憶装置202から図10の(B)、(C)、(F)のグラフィックス描画処理コマンドのパラメータを受け取り、特に四角形の描画時に水平ラインへ変換し、水平ライン描画装置212、水平ライン背景画像読み込み装置213へ転送する。符号213は水平ライン背景画像読み込み装置であり、図10の(F)のスキャンラインマスク描画時にメインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bから描画する画素のRGBデータを順時読み込み、水平ライン描画装置212へ転送する。符号212は水平ライン描画装置であり、図10の(F)のスキャンラインマスク描画時に水平ライン背景画像読み込み装置213からRGBデータを受け取りマスクbitを“1”にしてメインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへ再度書き込むことによりマスクbitのみ“1”とし、RGBデータは変化しない。他の四角形描画やスキャンライン描画時は、直接、メインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへ指定された色情報を書き込む。符号214は本装置を制御するコントローラである。
【0043】
図17は、写真描画装置の詳細構成を示すブロック図である。この図17に示すように、符号221は水平ライン変換装置であり、コマンド解析&パラメータ記憶装置202から図10の(D)、(G)の写真描画処理コマンドのパラメータを受け取り水平ラインへ変換し、水平ライン描画装置222、水平ライン背景画像読み込み装置223、水平ラインソース画像読み込み装置224へ転送する。符号224は水平ラインソース画像読み込み装置であり、メインメモリ114の写真画像ソースメモリ領域114eから、描画する画素のRGBデータを順時読み込み水平ライン描画装置222へ転送する。符号223は水平ライン背景画像読み込み装置であり、図10(G)の任意クリッピングを行う写真画像描画時にメインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bから描画する画素のRGBデータを順時読み込み水平ライン描画装置222へ転送する。符号222は水平ライン描画装置であり、図10(G)の任意クリッピングを行う写真画像描画時に、水平ライン背景画像読み込み装置223からRGBデータとマスクbitを受け取り、水平ラインソース画像読み込み装置224から描画する写真画像のRGB値を読み込み、マスクbitが“1”であれば、写真画像のRGB値を、“0”であれば、背景のRGB値をメインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへ再度書き込むことにより任意クリッピング処理を実現する。普通の写真描画時は、水平ラインソース画像読み込み装置224から描画する写真画像のRGB値を読み込みメインメモリ114のRGB+マスクバンド画像メモリ領域114bへ書き込むことにより写真画像描画を実現する。符号225は本装置を制御するコントローラである。
【0044】
図18は、画像処理装置の内部構成を示すブロック図である。この図18に示すように、符号231は画像読み込み&画像書き込み装置であり、バスI/F108と接続され、メインメモリ114から画像データの読み込みと書き込みを行う。符号232はメモリアドレス生成装置であり、メインメモリ114のアドレスを生成する。符号233は格子点データ記憶装置であり、画像読み込み&画像書き込み装置231から受け取った色変換処理装置237に必要な格子点データを格納する。符号234はガンマテーブル記憶装置であり、画像読み込み&画像書き込み装置231から受け取った色変換処理装置237に必要なガンマデータなどを格納する。符号235はハーフトーンパラメータ記憶装置であり、画像読み込み&画像書き込み装置231から受け取ったハーフトーン処理装置239に必要なハーフトーンパラメータなどを格納する。符合236はしきい値マトリックス記憶装置であり、画像読み込み&画像書き込み装置231から受け取ったハーフトーン処理装置239に必要なしきい値マトリックスなどを格納する。符号237は色変換処理装置であり、画像読み込み&画像書き込み装置231からRGB値を読み込みRGB→CMYの色変換処理とBG/UCR処理を行い、生成された多値CMYKデータから1つの版を選択し多値CMYKライン記憶装置238へ転送する。符号238は値CMYKライン記憶装置であり、色変換処理装置237から転送された多値CMYKデータを1ライン分格納する。符号239はハーフトーン処理装置であり、しきい値マトリックス記憶装置236からしきい値マトリックスを読み込み多値CMYKライン記憶装置238からデータを受け取ることによりハーフトーン処理を実行し、画像読み込み&画像書き込み装置231へ画像処理後の階調処理後画像を転送する。符号240はコントローラであり、画像処理装置の全体を制御する。
【0045】
このように、上述した本発明の実施の形態では、RGBのバンド画像のPIXELフォーマットであまったbit領域をマスク領域に割り振り、任意クリッピングする領域をグラフィックス描画装置を使用してマスク情報を書き込み、その後、写真画像描画装置により、マスクbitが“1”である部分のみ写真画像を描画することにより任意クリッピング処理を実現することにより、通常のグラフィックス描画装置や写真描画装置を使用して、高速に任意クリッピングを使用することができ、あまったメモリ領域を使用するために、マスク用のメモリを必要としない。
【0046】
ところで、これまで説明してきた実施の形態における画像処理方法(動作)を、プログラム化し、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータ上で実行することもできる。また、画像処理方法の一部をネットワーク上に有し、通信回線を通して実現することもできる。
【0047】
すなわち、この実施の形態で説明した画像処理方法は、図19に示すように、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ(CPU30)で実行することにより実現される。このプログラムは、キーボード35の操作などにより、メモリ31、ハードディスク34、フレキシブルディスク37、CD−ROM(Compact−Disc Read Only Memory)36、MO(Magneto Optical)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータ(CPU30)によって記録媒体から読み出し、必要に応じて表示装置33に表示することによって実行される。また、必要に応じてこの画像処理方法のデータを通信装置32から外部装置に送受信することも可能である。
【0048】
また、このプログラムは、図20に示すように、上記記録媒体を介して、インターネット30などのネットワークによってパーソナルコンピュータなどの装置41〜43に配布することができる。
【0049】
すなわち、このプログラムは、たとえばコンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスクに、あらかじめインストールした状態で提供することができる。プログラムは記録媒体に一時的あるいは永続的に格納し、コンピュータにユニットとして組み込んだり、あるいは着脱式の記録媒体として利用することで、パッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0050】
記録媒体としては、たとえば、フレキシブルディスク、CD−ROM、MOディスク、DVD、磁気ディスク、半導体メモリなどが利用できる。
【0051】
プログラムは、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)やインターネットといったネットワークを介して、有線または無線でコンピュータに転送し、そのコンピュータにおいて、内蔵するハードディスクなどの記憶装置にダウンロードさせるようにすることができる。
【0052】
また、本発明を実施するための上述した最良の形態で説明した画像処理装置における処理は、コンピュータ(たとえばCPU30)に実現させるプログラムの形で提供することができる。
【0053】
図21は、かかる複合機のハードウエア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機300は、コントローラ10とエンジン部(Engine)360とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ310は、複合機1全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部360は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部360には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0054】
コントローラ310は、CPU311と、ノースブリッジ(NB)313と、システムメモリ(MEM−P)312と、サウスブリッジ(SB)314と、ローカルメモリ(MEM−C)317と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)316と、ハードディスクドライブ(HDD)318とを有し、ノースブリッジ(NB)313とASIC316との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス315で接続した構成となる。また、MEM−P312は、ROM(Read Only Memory)312aと、RAM(Random Access Memory)312bとをさらに有する。
【0055】
CPU311は、複合機1の全体制御をおこなうものであり、NB313、MEM−P312およびSB314からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0056】
NB313は、CPU311とMEM−P312、SB314、AGP315とを接続するためのブリッジであり、MEM−P312に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0057】
MEM−P312は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM312aとRAM312bとからなる。ROM312aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM312bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0058】
SB314は、NB313とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB314は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0059】
ASIC316は、画像処理用のハードウエア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP315、PCIバス、HDD318およびMEM−C317をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC316は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC316の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C317を制御するメモリコントローラと、ハードウエアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC316には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)330、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェイス350が接続される。
【0060】
MEM−C317は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)318は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0061】
AGP315は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P312に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、プログラムは、複写機、プリンタ、これらを含む複合機、デジタルカメラなどに有用であり、特に、通常のグラフィックス描画装置や写真描画装置を使用して、高速に、かつマスク用のメモリを不要とする任意クリッピングを行なう画像処理に適している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の機構部の構成例を示す説明図である。
【図2】図1における電装・制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる画像処理の流れを示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる画像処理の概念を示すブロック図である。
【図5】図2におけるメインメモリのフォーマットを示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかるRGB+マスクバンド画像メモリ領域のフォーマットを示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかるマスク情報のフォーマットを示す説明図である。
【図8】背景画像がない写真画像の任意クリッピングの例を示す説明図である。
【図9】背景画像がある写真画像の任意クリッピングの例を示す説明図である。
【図10】描画装置が解釈し、描画処理を行う場合における描画コマンドの例を示す説明図である。
【図11】任意クリッピングの処理手順を示す説明図である。
【図12】写真画像の任意クリッピング処理動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態にかかるマスク画像の描画例を示す説明図である。
【図14】図13のスキャンラインのフォーマットを示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態にかかる描画装置の内部構成を示すブロック図である。
【図16】グラフィックス描画装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の形態にかかる写真描画装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態にかかる画像処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施の形態にかかる画像処理方法をコンピュータに実行させる例を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施の形態にかかる画像処理方法をネットワーク上からダウンロードして実行させる例を示すブロック図である。
【図21】かかる複合機のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図22】リエントラント型多角形クリッピングの処理例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0064】
101 CPU
105 描画装置
110 画像処理装置
114 メインメモリ
114a PDLメモリ領域
114b バンドメモリ
114c 諧調処理後ページメモリ領域
114d 描画コマンドメモリ領域
114e 写真ソース画像メモリ領域
120 PC
122 プリンタエンジン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページ記述言語による画像データを解析し、バンド画像を生成するバンド画像生成手段と、
前記バンド画像生成手段で生成されたバンド画像を記憶するバンド画像記憶手段と、
任意のクリッピング情報の垂直方向ごとにラインスキャンして水平ラインに交わる開始点、終点値によるパターンを生成するクリッピングパターン情報生成手段と、
前記クリッピングパターン情報生成手段により生成されたクリッピングパターン情報を記憶するクリッピングパターン情報記憶手段と、
前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶されたクリッピングパターン情報を読み込み、前記バンド画像記憶手段に記憶されたバンド画像にマスクbitを描画して前記バンド画像記憶手段に記憶するクリッピングマスク描画手段と、
前記バンド画像生成手段において、前記クリッピングマスク描画手段で描画されたマスクbitを前記バンド画像記憶手段から読み込み、マスクbitの値により前記バンド画像記憶手段への写真画像の描画処理を実行する写真画像処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記バンド画像記憶手段は、色値とクリッピングマスク情報とを記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記写真画像処理手段は、描画処理時に前記バンド画像記憶手段のクリッピングマスク情報を消去することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記クリッピングマスク描画手段は、前記バンド画像記憶手段に記憶されているバンド画像の色値を変更することなく、マスクbitのみ描画することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置で実行される画像処理方法であって、
前記画像処理装置は、バンド画像を記憶するバンド画像記憶手段と、クリッピングパターン情報を記憶するクリッピングパターン情報記憶手段と、を備え、
バンド画像生成手段がページ記述言語による画像データを解析し、バンド画像を生成するバンド画像生成工程と、
前記バンド画像生成工程で生成されたバンド画像を前記バンド画像記憶手段に記憶するバンド画像記憶工程と、
クリッピングパターン情報生成手段が任意のクリッピング情報の垂直方向ごとにラインスキャンして水平ラインに交わる開始点、終点値によるパターンを生成するクリッピングパターン情報生成工程と、
前記クリッピングパターン情報生成工程で生成されたクリッピングパターン情報を前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶するクリッピングパターン情報記憶工程と、
クリッピングマスク描画手段が前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶されたクリッピングパターン情報を読み込み、前記バンド画像記憶手段に記憶されたバンド画像にマスクbitを描画して前記バンド画像記憶手段に記憶するクリッピングマスク描画工程と、
写真画像処理手段が、前記バンド画像生成工程において、前記クリッピングマスク描画工程で描画されたマスクbitを前記バンド画像記憶手段から読み込み、マスクbitの値により前記バンド画像記憶手段への写真画像の描画処理を実行する写真画像処理工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
ページ記述言語による画像データを解析し、バンド画像を生成するバンド画像生成手段と、
前記バンド画像生成手段で生成されたバンド画像を記憶するバンド画像記憶手段と、
任意のクリッピング情報の垂直方向ごとにラインスキャンして水平ラインに交わる開始点、終点値によるパターンを生成するクリッピングパターン情報生成手段と、
前記クリッピングパターン情報生成手段により生成されたクリッピングパターン情報を記憶するクリッピングパターン情報記憶手段と、
前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶されたクリッピングパターン情報を読み込み、前記バンド画像記憶手段に記憶されたバンド画像にマスクbitを描画して前記バンド画像記憶手段に記憶するクリッピングマスク描画手段と、
前記バンド画像生成手段において、前記クリッピングマスク描画手段で描画されたマスクbitを前記バンド画像記憶手段から読み込み、マスクbitの値により前記バンド画像記憶手段への写真画像の描画処理を実行する写真画像処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記バンド画像記憶手段は、色値とクリッピングマスク情報とを記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記写真画像処理手段は、描画処理時に前記バンド画像記憶手段のクリッピングマスク情報を消去することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記クリッピングマスク描画手段は、前記バンド画像記憶手段に記憶されているバンド画像の色値を変更することなく、マスクbitのみ描画することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置で実行される画像処理方法であって、
前記画像処理装置は、バンド画像を記憶するバンド画像記憶手段と、クリッピングパターン情報を記憶するクリッピングパターン情報記憶手段と、を備え、
バンド画像生成手段がページ記述言語による画像データを解析し、バンド画像を生成するバンド画像生成工程と、
前記バンド画像生成工程で生成されたバンド画像を前記バンド画像記憶手段に記憶するバンド画像記憶工程と、
クリッピングパターン情報生成手段が任意のクリッピング情報の垂直方向ごとにラインスキャンして水平ラインに交わる開始点、終点値によるパターンを生成するクリッピングパターン情報生成工程と、
前記クリッピングパターン情報生成工程で生成されたクリッピングパターン情報を前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶するクリッピングパターン情報記憶工程と、
クリッピングマスク描画手段が前記クリッピングパターン情報記憶手段に記憶されたクリッピングパターン情報を読み込み、前記バンド画像記憶手段に記憶されたバンド画像にマスクbitを描画して前記バンド画像記憶手段に記憶するクリッピングマスク描画工程と、
写真画像処理手段が、前記バンド画像生成工程において、前記クリッピングマスク描画工程で描画されたマスクbitを前記バンド画像記憶手段から読み込み、マスクbitの値により前記バンド画像記憶手段への写真画像の描画処理を実行する写真画像処理工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−169584(P2009−169584A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5539(P2008−5539)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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