画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
【課題】ユーザによる作業を要することなく、検索用の付加情報を付することができる画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、複数のシートから画像を読み込む。読み込まれた画像111、112、113、114、及び115の其々から、画像の地色を抽出する。抽出された地色が所定の地色である画像が、所定のまとまりの先頭のページの画像として選択される。ファイルは、画像111、及び112を含んだまとまり116と、画像113、114、及び115を含んだまとまり117とから構成されていることになる。画像113に、検索可能な付加情報が付加される。ユーザは付加情報を検索することによって、区切りのページの画像を容易に特定することができる。
【解決手段】画像処理装置は、複数のシートから画像を読み込む。読み込まれた画像111、112、113、114、及び115の其々から、画像の地色を抽出する。抽出された地色が所定の地色である画像が、所定のまとまりの先頭のページの画像として選択される。ファイルは、画像111、及び112を含んだまとまり116と、画像113、114、及び115を含んだまとまり117とから構成されていることになる。画像113に、検索可能な付加情報が付加される。ユーザは付加情報を検索することによって、区切りのページの画像を容易に特定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ファイルを構成する複数のページのうち特定のページを検索するための付加情報を設定する画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像ファイルに含まれる複数のページを所定のまとまり(例えば見出し)毎に区別し、それぞれを容易に検索したいという要求がある。これに対し、画像ファイルに含まれる複数のページのうち特定のページに付加情報を付し、付加情報を検索することで、該当ページの検索を容易化できる画像処理装置が提案されている。例えば特許文献1に記載された装置では、特定のページの画像にしおり画像が付加情報として付される。該装置は、しおり画像を検索することで、特定のページを容易に検索することができる。なお該装置では、ユーザが所定のまとまり毎に元原稿を分割し、その先頭ページにしおり画像を付して装置に読み取らせることによって、しおり画像が付されたページを含む画像ファイルが作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−94596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の装置を用いて画像ファイルを作成する場合、ユーザは、元原稿にしおり画像を付する作業を行う必要がある。従って、しおり画像を付するページ数が多くなると、しおり画像を付するための作業量が増大し、ユーザにとって煩わしいという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザによる作業を要することなく、検索用の付加情報を付することができる画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る画像処理装置は、1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得部と、前記取得部において取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出部と、前記抽出部において抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断部と、前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加部とを備えている。
【0007】
第一態様によれば、画像処理装置は、取得した1ページ分の画像から抽出した色情報に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかを判断する。画像処理装置は、ページの区切りを特定できると判断した場合、検索可能な付加情報を付加する。ユーザは、付加情報を参照することによって、ページの区切りを容易に検索することができる。画像処理装置は、付加情報を付加するか否かを色情報に基づいて自動的に判断するので、ユーザは、付加情報を付加する作業が不要となる。
【0008】
また第一態様において、前記抽出部は、前記1ページ分の画像の地色を前記色情報として抽出してもよい。画像処理装置は、地色に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかを判断できる。例えば地色が所定の色である場合、所定のまとまりの最初のページ又は最後のページである可能性が高いので、ページの区切りが特定できると判断する。これによって画像処理装置は、ページの区切りを正確に特定して付加情報を付することができるので、検索の精度を高めることができる。
【0009】
また第一態様において、前記抽出部は、前記1ページ分の画像の全体の色に対する地色の割合を、前記色情報として抽出してもよい。画像処理装置は、地色の割合に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかを判断できる。例えば地色の割合が大きい場合、画像に含まれている文字等の情報が相対的に少ないことになるので、所定のまとまりの最初のページ又は最後のページであることが想定される。画像処理装置は、このような場合にページの区切りを特定できると判断する。これによって画像処理装置は、ページの区切りを正確に特定して付加情報を付することができるので、検索の精度を高めることができる。
【0010】
また第一態様において、前記抽出部は、前記1ページ分の画像の色の数を前記色情報として抽出してもよい。画像処理装置は、色の数に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかを判断できる。例えば色の数が多い場合、写真やグラフなどの情報が多く掲載されていることになるので、所定のまとまりの最初のページ又は最後のページであることが想定される。画像処理装置は、このような場合にページの区切りが特定できると判断する。これによって画像処理装置は、ページの区切りを正確に特定して付加情報を付することができるので、検索の精度を高めることができる。
【0011】
また第一態様において、前記抽出部は、前記1ページ分の画像の少なくとも一の端からの距離が所定以上である部分の前記色情報を抽出してもよい。画像処理装置は、画像の端に近い部分の色情報を、所定条件を満たすか否かの判断の対象から除外できる。これによって、ページ内のヘッダ及びフッダ、左右端部以外の部分から色情報を抽出することができるので、ヘッダ及びフッダ、左右端部の色が色情報に影響してしまうことを排除できる。従って画像処理装置は、ページの区切りを更に正確に特定できる。
【0012】
また第一態様において、前記判断部は、前記抽出部において前記1ページ分の画像から抽出した前記色情報と、前記抽出部において他の前記1ページ分の画像から抽出した他の前記色情報との相違の程度が所定以上である場合に、前記色情報が前記所定条件を満たすと判断してもよい。画像処理装置は、色情報を他の色情報と比較することによって、ページの区切りを特定できるかどうかを判断できる。画像処理装置は、色情報が他の色情報と大きく相違する場合、ページの区切りが特定できると判断することができる。従って画像処理装置は、区切りのページが他のページと相違する場合に、区切りのページを正確に特定できる。
【0013】
また第一態様において、前記判断部は、前記抽出部において抽出した前記色情報が所定値以上となった場合に、前記所定条件を満たすと判断してもよい。画像処理装置は、色情報と所定値との関係に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかを判断することができる。画像処理装置は、ページの区切りが所定の特徴を常に有している場合、色情報と所定値とを比較することによって容易にページの区切りを特定できると判断できる。
【0014】
また第一態様において、前記取得部は、前記1つのファイルを構成する前記複数ページの画像を、前記1ページ分の画像毎に順番に取得し、前記抽出部は、前記取得部において前記1ページ分の画像を取得する度に、取得した前記1ページ分の画像から前記色情報を抽出してもよい。これによって、複数ページの画像を全て取得した後で色情報を抽出する場合と比較して、色情報の抽出及び区切りのページの判断に要する時間を短縮できる。
【0015】
また第一態様において、前記付加部は、前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像、又は、前記1ページ分の画像の次のページの画像に、前記付加情報を付加してもよい。画像処理装置は、1ページ分の画像が所定のまとまりの最初のページである場合、このページの画像に付加情報を付する。画像処理装置は、1ページ分の画像が所定のまとまりの最後のページである場合、このページの次のページの画像に付加情報を付する。これによってユーザは、付加情報を検索することによって、所定のまとまりの最初のページの画像を正確に特定することができる。
【0016】
また第一態様において、前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、前記1つのファイルを、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像よりも前のページの画像を含むファイルと、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像よりも後のページの画像を含むファイルとに分割する分割部を備えていてもよい。これによって画像処理装置は、所定のまとまり毎にファイルを分割することができる。ユーザは、所定のまとまり毎に別々のファイルによって管理できる。
【0017】
また第一態様において、前記複数ページの画像を読み取る読み取り部を備え、前記取得部は、前記読み取り部において読み取った前記複数ページの画像から、前記1ページ分の画像を取得してもよい。これによって画像処理装置は、画像が描画された原稿から画像を直接読み取ることができる。
【0018】
本発明の第二態様に係る画像処理方法は、1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加ステップとを備えている。
【0019】
第二態様によれば、取得した1ページ分の画像から抽出した色情報に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかが判断される。ページの区切りを特定できると判断された場合、検索可能な付加情報が付加される。ユーザは、付加情報を参照することによって、ページの区切りを容易に検索することができる。付加情報を付加するか否かが色情報に基づいて自動的に判断されるので、ユーザは、付加情報を付加する作業が不要となる。
【0020】
本発明の第三態様に係る画像処理プログラムは、1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加ステップとをコンピュータに実行させる。
【0021】
第三態様によれば、取得した1ページ分の画像から抽出した色情報に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかが判断される。ページの区切りを特定できると判断された場合、検索可能な付加情報が付加される。ユーザは、付加情報を参照することによって、ページの区切りを容易に検索することができる。付加情報を付加するか否かが色情報に基づいて自動的に判断されるので、ユーザは、付加情報を付加する作業が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像処理装置1の斜視図である。
【図2】画像処理装置1の内部構造を右側から見た透視図である。
【図3】画像処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】付加情報が付された画像を含むファイルが表示された場合の例を示す図である。
【図5】注釈画像204が付加情報として付加された場合の例を示す図である。
【図6】付加情報の付加方法を説明するための模式図である。
【図7】付加情報の付加方法を説明するための模式図である。
【図8】付加情報の付加方法を説明するための模式図である。
【図9】付加情報の付加方法を説明するための模式図である。
【図10】色情報を抽出する方法を説明するための模式図である。
【図11】メイン処理を示すフローチャートである。
【図12】第一変形例におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図13】第二変形例におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図14】第三変形例におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図2の前面側、背面側、左側、右側、上側、及び下側を、其々、画像処理装置1の右側、左側、前側、後側、上側、及び下側とする。
【0024】
図1及び図2を参照し、画像処理装置1の概略構成について説明する。画像処理装置1は、画像スキャナの一種である。画像処理装置1は、図1に示すように、本体部2、給紙トレイ4、及び排出トレイ6を備えている。本体部2は、側面視にて略三角形状を有している。本体部2の上部に給紙口3が設けられている。本体部2の前面下部に排出口5が設けられている。給紙トレイ4は、本体部2のうち給紙口3の後側に接続し、上方に延びている。排出トレイ6は、本体部2のうち排出口5の下側に接続し、前方に延びている。給紙トレイ4にセットされたシート7は、給紙口3から一枚ずつ本体部2に取り込まれる。取り込まれたシート7は、排出口5から排出され、排出トレイ6に積載される。本体部2前側の傾斜面の左側に、スタートスイッチ15、及びエラーランプ16が設けられている。ユーザは、スタートスイッチ15を操作することによって、シート7の取り込みを開始することができる。エラーランプ16は、紙詰まり等の不具合が発生した場合に点灯する。
【0025】
図2に示すように、本体部2は、搬送路11、下側フレーム12、及び上側フレーム13を備えている。給紙口3から取り込まれたシート7は、搬送路11を通り、排出口5から排出される。下側フレーム12は、搬送路11の下側に設けられている。上側フレーム13は、搬送路11の上側に設けられている。
【0026】
下側フレーム12は、搬送ローラ17、18、19、及び20、モータ56、及びラインセンサ41を備えている。搬送ローラ17は、給紙口3の近傍に設けられている。搬送ローラ17の搬送方向下流側に、搬送方向上流側から下流側に向かって順に、搬送ローラ18、19、及び20が設けられている。搬送ローラ17は、給紙トレイ4にセットされたシート7を、搬送路11内に取り込む。搬送ローラ18、及び19は、搬送路11内に取り込まれたシート7を、排出口5に向けて搬送する。搬送ローラ20は、排出口5からシート7を排出する。モータ56は、搬送ローラ17、18、19、及び20を駆動する。
【0027】
ラインセンサ41は、搬送ローラ19の搬送方向下流側に設けられている。ラインセンサ41は、密着型のイメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)である。ラインセンサ41の左右方向の長さは、搬送路11の左右方向の長さと略同一である。ラインセンサ41は、搬送路11に沿って搬送されるシート7の下面の画像を読み取ることができる。ラインセンサ41は、光源、レンズ及び受光素子を備えている。光源は、シート7の下面に光を照射する。受光素子は、シート7において反射した反射光をレンズにより集光し、RGB信号に変換して出力する。出力されたRGB信号に対して画像処理が行われることによって、シート7の下面の画像がページ単位で得られる。
【0028】
上側フレーム13は、分離部材21、及び25、ピンチローラ31、及び46、及びラインセンサ42を備えている。分離部材21、及び25は、ゴム等の高摩擦弾性部材である。分離部材21は、搬送ローラ17と対向する位置に設けられている。分離部材25は、搬送ローラ18と対向する位置に設けられている。分離部材21、及び25は、給紙トレイ4にセットされた複数のシート7のうち最も下側のシート7を他のシートから分離する為に設けられている。ピンチローラ31は、搬送ローラ19と対向する位置に設けられている。ピンチローラ46は、搬送ローラ20と対向する位置に設けられている。ピンチローラ31、及び46は、搬送ローラ19、及び20と共に回転し、シート7を搬送する。
【0029】
ラインセンサ42は、ラインセンサ41と対向する位置に設けられている。ラインセンサ42はCISである。ラインセンサ42の左右方向の長さは、搬送路11の左右方向の長さと略同一である。ラインセンサ42の構成及び駆動機構は、上述したラインセンサ41と同一である。ラインセンサ42は、搬送路11に沿って搬送されるシート7の上面の画像を読み取ることができる。
【0030】
図3を参照し、画像処理装置1の電気的構成について説明する。画像処理装置1は、制御回路部61を備えている。制御回路部61は、入出力インターフェース62を介して、スタートスイッチ15、エラーランプ16、モータ駆動回路63、及びラインセンサ駆動回路65と電気的に接続している。
【0031】
制御回路部61は、CPU71、ROM72、FLASH・ROM73、RAM74、及び通信I/F75を備えている。CPU71は、画像処理装置1の全体の制御を行う演算装置である。ROM72は、CPU71が処理を行う場合に必要な各種パラメータを記憶する。FLASH・ROM73は、CPU71が処理を行うためのプログラムを記憶する。RAM74は、CPU71により演算された各種の演算結果や、ラインセンサ41、及び42によって読み取った画像を一時的に記憶する。通信I/F75は、外部に接続されたPC81と通信を行う場合のタイミング制御を行う。
【0032】
モータ駆動回路63は、モータ56と接続している。モータ駆動回路63は、制御回路部61のCPU71からの指示に従って、モータ56を駆動制御する。ラインセンサ駆動回路65は、ラインセンサ41、及び42と接続している。ラインセンサ駆動回路65は、制御回路部61のCPU71からの指示に従って、ラインセンサ41、及び42の光源を点灯させるための駆動制御を行う。またラインセンサ駆動回路65は、受光素子の電気信号をRGB信号等に変換して出力する。CPU71は、ラインセンサ駆動回路65から受信したRGB信号等に基づいて画像を作成し、RAM74に一時記憶することができる。
【0033】
画像処理装置1において実行される一連の処理について概説する。画像処理装置1は、給紙トレイ4にセットされた複数のシート7を、一枚ずつ給紙口3から取り込む。ラインセンサ41、及び42によって、シート7毎に画像が読み込まれる。シート7の両面に画像が形成されている場合、両面の画像は、ラインセンサ41、及び42によって同時に読み込まれる。シート7の片面に画像が形成されている場合、ラインセンサ41、及び42のうちいずれかによって画像が読み込まれる。複数のシート7から読み込まれた複数の画像は、1つのファイルとして管理される。其々の画像は、読み込まれた順にページ単位で並べられる。
【0034】
画像処理装置1は、読み込んだ其々の画像を解析することで、所定のまとまり(例えば見出し)毎の区切りのページ(まとまりの最初のページの画像、又は最後のページの画像)を選択する。まとまりの最後のページの画像が選択された場合、選択された画像の次のページの画像が、次のまとまりの最初のページの画像として選択される。画像処理装置1は、まとまりの最初のページの画像のデータに、この画像を検索することが可能な付加情報を付加する。付加情報とは、ファイルを構成する複数のページの画像のうち、特定のページの画像を他のページの画像と区別するための情報である。
【0035】
例えば付加情報として、所定の規則に準じたコード情報が、まとまりの最初のページの画像のデータに付加されてもよい。付加情報が付加された画像を含むファイルがPC81等において表示された場合、例えば図4に示すように、画像自体が表示されるウィンドウ202とは別に、まとまりを階層的に表した別ウィンドウ201が表示されてもよい。これによってユーザは、区切りのページを別ウィンドウ201内から検索することによって、画像をまとまり毎に認識できる。従ってユーザは、所望の画像をを容易かつ迅速に検索することができる。
【0036】
また例えば、コード情報が付加情報として付加された画像を含むファイルがPC81等によって表示される場合、付加情報が付加されたページの画像が他のページの画像と区別されて表示されてもよい。例えばハイライト表示されてもよい。又は、付加情報が付加されたページの画像は、キーワード検索によって検索できるようにしてもよい。
【0037】
また例えば図5に示すように、まとまりの最初のページの画像203に重ねて配置される注釈画像204を、付加情報として付加してもよい。注釈画像204が付加された画像203を含むファイルがPC81等に表示された場合、ユーザは、ファイルをページ順にスクロールすることで、まとまりの最初のページを直感的に認識することができる。
【0038】
なお上述では、まとまりの最初のページを認識するために、まとまりの最初のページの画像に付加画像を付加する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。まとまりの最初のページが認識できるように、全てのページの画像に付加情報が付加されてもよい。また、まとまりの最初のページを特定するための情報が、画像とは別にファイル自体に付加されてもよい。
【0039】
まとまり毎の区切りのページであるか否かは、画像の色に関する情報(画像の地色、画像全体の色に対する地色の割合、及び画像の色数、以下「色情報」という。)に基づいて判断される。判断方法の第一例について、図6を参照して説明する。5枚のシート7の其々から、画像111、112、113、114、及び115が読み込まれたとする。これらの画像のうち画像111、112、114,及び115の地色が白色であり、画像113の地色が白色以外の所定の色であったとする。この場合、まとまりの最初のページとして画像113が選択される。画像111、及び112が一つのまとまり116を構成し、画像113、114、及び115が別のまとまり117を構成することになる。この方法は、例えば分野別に綴じられた資料などのように、見出しの区切り毎に異なる地色のシート7が挿入される媒体が用いられた場合、所定のまとまりの最初のページを正確に選択できるので有効である。
【0040】
画像の地色は、例えば次のようにして特定される。画像を構成する各画素のRGB値が特定される。特定されたRGB値に基づき、同一のRGB値毎に画素数が累計される。累計された画素数の最も多いRGB値から一義的に定められる色が、画像の地色として特定される。なお地色の特定方法はこの方法に限定されない。
【0041】
なお上述した、地色が白色以外の所定の色であるか否かの判断は、具体的には以下のようにして行われてもよい。例えば、画像の地色の色相、彩度、及び明度のうち少なくともいずれかが所定の閾値以上となった場合に、地色が所定の色であると判断してもよい。例えば、明度が白から10%(255bit中の25bit)異なる場合に、白とは異なる地色となっているものと判断してもよい。又は、画像の地色の色相、彩度、及び明度と、他のページの画像の地色の色相、彩度、及び明度との差分が所定の閾値以上となった場合に、地色が所定の色であると判断してもよい。
【0042】
判断方法の第二例について、図7を参照して説明する。5枚のシート7の其々から、画像121、122、123、124、及び125が読み込まれたとする。これらの画像のうち画像123に含まれている文字数が、他の画像に含まれている文字数と比較して少ないとする。画像123全体の色に対する地色の割合は、文字が少ない分、他の画像における地色の割合よりも大きくなる。この場合、地色の割合が大きい画像123が、所定のまとまりの最初のページとして選択される。画像121、及び122が一つのまとまり126を構成し、画像123、124、及び125が別のまとまり127を構成することになる。例えば、地色の割合が3%以下なら、最初のページと判断することができる。この方法は、例えば学会誌や論文集などのように、表題ページの次に本題ページが配置されるような媒体が用いられた場合、所定のまとまりの最初のページとして表題ページを正確に選択できるので有効である。
【0043】
また例えば図8に示すように、5枚のシート7の其々から、画像131、132、133、134、及び135が読み込まれたとする。これらの画像のうち画像133には文字が含まれておらず、他の画像には文字が含まれていたとする。画像133の地色の割合は、文字がない分、他の画像における地色の割合よりも極端に大きくなる。この場合、地色の割合が極端に大きい画像133が、所定のまとまりの最後のページとして選択される。そして、画像133の次のページの画像134が、所定のまとまりの最初のページとして選択される。画像131、132、及び133が一つのまとまり136を構成し、画像134、及び135が別のまとまり137を構成することになる。この方法は、例えば複数の著者が其々執筆した評論が集められた集合著作物などのように、まとまり毎に仕切り用の空白ページが挿入される媒体が用いられた場合、まとまりの最後のページを正確に選択できるので有効である。また、この判断を行う場合、最後のページとなる画像133は情報を持たない画像であるため、削除しても良い。
【0044】
地色の割合は、例えば次のようにして特定される。画像を構成する各画素のRGB値から地色が特定され、次いで地色を有する画素数が特定される。画像全体の画素数に対する、特定された画素数の割合が算出される。なお地色の割合の特定方法はこの方法に限定されない。
【0045】
なお上述した、地色の割合に基づく判断は、具体的に以下のようにして行われてもよい。例えば、画像の地色の割合が所定の閾値以上となった場合に、地色の割合が比較的大きいと判断し、まとまりの最初のページの画像として選択してもよい。ここで画像の地色の割合が100%となった場合には、地色の割合が極端に大きいと判断し、まとまりの最後のページの画像として選択してもよい。
【0046】
また以下のようにして行ってもよい。画像の地色の割合と、他のページの画像の地色の割合との差分が所定の第一閾値以上第二閾値未満(第一閾値<第二閾値であるとする。)となった場合に、地色の割合が他のページの画像の地色の割合よりも比較的大きいと判断し、まとまりの最初のページの画像として選択してもよい。一方、差分が第二閾値以上となった場合に、地色の割合が他のページの画像の地色の割合よりも極端に大きいと判断し、まとまりの最後のページの画像として選択してもよい。
【0047】
判断方法の第三例について、図9を参照して説明する。5枚のシート7の其々から、画像141、142、143、144、及び145が読み込まれたとする。これらの画像のうち画像143には画像や写真が含まれており、他の画像には画像や写真が含まれていないとする。画像143の色数は、他の画像の色数と比較して大きくなる。この場合、画像の色数が多い画像143が、所定のまとまりの最後のページとして選択される。そして、画像143の次のページの画像144が、所定のまとまりの最初のページとして選択される。画像141、142、及び143が一つのまとまり146を構成し、画像144、及び145が別のまとまり147を構成することになる。この方法は、例えば図説を含む参考書などのように、まとまりの最後のページに説明図が掲載されている媒体が用いられる場合、まとまりの最後のページを正確に選択できるので有効である。
【0048】
色数は、例えば次のようにして特定される。画像を構成する各画素のRGB値が特定される。RGB値から一義的に定められる色が、画素毎に特定される。特定された色の数が画像の色数として特定される。なお色数の特定方法はこの方法に限定されない。
【0049】
なお、上述した色数に基づく判断は、具体的に以下のようにして行われてもよい。例えば、画像の色数が所定の閾値以上となった場合に、まとまりの最後のページの画像として選択してもよい。又は、画像の色数と、他のページの画像の色数との差分が所定の閾値以上となった場合に、まとまりの最後のページとして選択されてもよい。
【0050】
第一例から第三例において説明した其々の色情報は、画像のうち端からの距離が所定以上である部分から抽出されても良い。例えば図10に示す画像151のように、画像の左右端に定形の図形152(装飾模様など)が付されている場合がある。また画像のヘッダ及びフッダ内に文字153が付されている場合がある。模様152や文字153のように、画像の端部に近い部分に形成された図形や文字は、複数のページに共通して形成されることが多い。従って、これらから抽出された色情報に基づいて区切りのページが選択されると、実際には区切りのページではない多数のページが、誤って選択されてしまう場合がある。これに対して画像処理装置1では、画像151の上下左右端からの距離が所定以上である部分154内の色情報を抽出し、区切りのページを選択する場合に用いることができる。これによって、画像の端に近い部分の色情報を判断の対象から除外できる。従って、ヘッダ、フッダ、及び、画像左右端近傍の色が色情報に影響してしまうことを排除できるので、画像処理装置1は、ページの区切りを更に正確に特定できる。
【0051】
なお上述では、画像151の上下左右全ての端からの距離が所定以上である部分154内の色情報を抽出したが、少なくともいずれかの端からの距離が所定以上である部分の色情報が抽出されてもよい。
【0052】
図11のフローチャートを参照し、画像処理装置1のCPU71において実行されるメイン処理について説明する。給紙トレイ4に複数のシート7がセットされてスタートスイッチ15が押される。画像処理装置1は、シート7の取り込み、及びラインセンサ41、42による画像の読み込みを開始する。読み込まれた画像はRAM74に記憶される。読み込まれた其々の画像は、読み込まれた順にページ単位で並べられ、1つのファイルとされる。給紙トレイ4にセットされた全てのシート7の画像が読み込まれた後、CPU71はメイン処理を起動する。
【0053】
RAM74に記憶された画像が1ページずつ取得される(S11)。取得された画像の色情報が抽出される(S13)。具体的には、図6から図9を参照して説明した色情報のうち少なくとも一つが抽出される。なお図10を参照して説明したように、色情報は、画像全体のうち端からの距離が所定以上である部分から抽出されてもよい。
【0054】
抽出された色情報が、所定の条件を満たすかが判断される(S15)。具体的には、図6から図9を参照して説明した判断方法に基づいて色情報が判断され、色情報を抽出した画像が区切りのページの画像に該当する場合に、所定の条件を満たすと判断される。なお、複数種類の色情報が抽出された場合、全ての色情報が所定の条件を満たすか否かが判断されてもよいし、何れかの色情報が所定の条件を満たすか否かが判断されてもよい。色情報が所定の条件を満たさないと判断された場合(S15:NO)、区切りのページの画像に該当しないので、処理はS23に進む。
【0055】
色情報が所定の条件を満たすと判断された場合(S15:YES)、S11で取得された画像が、所定のまとまりの最初のページであるか最後のページであるかが判断される(S17)。例えば図6及び図7を参照して説明した条件に合致する場合、所定のまとまりの最初のページであると判断される。一方、図8及び図9を参照して説明した条件に合致する場合、所定のまとまりの最後のページであると判断される。
【0056】
取得された画像が、所定のまとまりの最初のページであると判断された場合(S17:YES)、取得された画像に付加情報が付加される(S19)。処理はS23に進む。取得された画像が、所定のまとまりの最後のページである場合(S17:NO)、取得された画像の次のページの画像がある場合に、次のページの画像に付加画像が付加される(S21)。処理はS23に進む。
【0057】
S23では、S11で取得された画像の次のページの画像がRAM74に記憶されているかが判断される(S23)。次のページの画像がRAM74に記憶されている場合(S23:YES)、処理はS11に戻る。次のページの画像が取得され(S11)、処理は繰り返される。次のページの画像がRAM74に記憶されていない場合(S23:NO)、メイン処理は終了する。
【0058】
以上説明したように、画像処理装置1は、取得した1ページ分の画像から抽出した色情報に基づいて、ページの区切りを特定できる画像であるかどうかを判断する。画像処理装置1は、ページの区切りを特定できる画像であると判断した場合、検索可能な付加情報を付加する。ユーザは、付加情報を検索することによって、ページの区切りを容易に検索することができるようになる。画像処理装置1は、付加情報を付加するか否かを色情報に基づいて自動的に判断するので、ユーザは、付加情報を付加する作業が不要となる。
【0059】
画像処理装置1は、色情報として、画像の地色、地色の割合、及び色数に基づいて、区切りのページの画像であるか否かを判断できる。これによって画像処理装置1は、ページの区切りを正確に特定して付加情報を付することができるので、ユーザが区切りを検索する場合の検索精度を高めることができる。
【0060】
画像処理装置1は、画像の色情報が、他の画像の色情報との関係に基づいて、ページの区切りを特定できるか否かを判断できる。従って画像処理装置1は、区切りのページが他のページと相違する場合に、区切りのページを正確に特定できる。また画像処理装置1は、画像の色情報と所定の閾値との関係に基づいて、ページの区切りを特定できるか否かを判断できる。従って画像処理装置1は、ページの区切りが所定の特徴を常に有している場合、色情報を閾値と比較することで容易にページの区切りを特定できるか否かを判断できる。
【0061】
画像処理装置1は、ラインセンサ41、及び42を備えているので、シート7から画像を直接読み取ることができる。
【0062】
なお、図11のS11の処理を行うCPU71が本発明の「取得部」に相当し、S13の処理を行うCPU71が本発明の「抽出部」に相当し、S15の処理を行うCPU71が本発明の「判断部」に相当し、S17、S19、及びS21の処理を行うCPU71が本発明の「付加部」に相当する。図11のS11の処理が本発明の「取得ステップ」に相当し、S13の処理が本発明の「抽出ステップ」に相当し、S15の処理が本発明の「判断ステップ」に相当し、S17、S19、及びS21の処理が本発明の「付加ステップ」に相当する。図2のラインセンサ41、42が、本発明の「読み取り部」に相当する。
【0063】
本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。以下、本発明の変形例(第一変形例、第二変形例、及び第三変形例)について、図12、13、及び14を参照して説明する。なお、上述した実施形態におけるメイン処理と重複する処理については、同一符号を付し、説明を省略又は簡略化している。
【0064】
図12のフローチャートを参照し、第一変形例におけるメイン処理について説明する。第一変形例では、画像処理装置1は所定のまとまり毎にファイルを分割する。CPU71によってメイン処理が起動されると、RAM74に記憶された画像が1ページずつ取得され(S11)、取得された画像の色情報が抽出される(S13)。抽出された色情報が、所定の条件を満たすかが判断される(S15)。所定の条件を満たすと判断された場合(S15:YES)、取得された画像又は次のページの画像に付加情報が付加される(S19、S21)。次いで、取得した画像を含むファイルは、所定のまとまりの最初のページの画像よりも前のページの画像を含むファイルと、最初のページの画像及び該ページよりも後のページの画像を含むファイルとに分割される(S31)。処理はS23に進む。例えば図6に示す画像111、112、113、114、及び115を含むファイルがRAM74に記憶されている場合、このファイルは、画像111、及び112を含むファイルと、画像113、114、及び115を含むファイルとに分割される。
【0065】
以上説明したように、画像処理装置1は、区切りのページの画像を抽出した後、所定のまとまり毎にファイルを分割することができる。これによってユーザは、所定のまとまり毎に別々のファイルとして管理できる。なお、図12のS31の処理を行うCPU71が本発明の「分割部」に相当する。
【0066】
図13のフローチャートを参照し、第二変形例におけるメイン処理について説明する。第二変形例では、所定の条件を満たす色情報が、連続する複数のページの画像から抽出された場合、連続した複数の画像のうち最初の画像のみを、区切りのページの画像として選択する。
【0067】
CPU71によってメイン処理が起動されると、RAM74に記憶された画像が1ページずつ取得され(S11)、取得された画像の色情報が抽出される(S13)。抽出された色情報が、所定の条件を満たすかが判断される(S15)。所定の条件を満たすと判断された場合(S15:YES)、S11で取得されたページの前のページの画像が所定の条件を満たすかが判断される(S33)。前のページの画像が所定の条件を満たすと判断された場合(S33:YES)、所定の条件を満たすページが連続していることになる。この場合、連続するページの画像の其々に付加画像を付加しないために、処理はS23に進む。一方、前のページの画像が所定の条件を満たしていない場合(S33:NO)、取得された画像又は、次のページの画像に付加情報が付加される(S19、S21)。処理はS23に進む。
【0068】
以上説明したように、画像処理装置1は、連続した複数の画像の其々に付加情報が付加されてしまうことを防止することができる。ユーザが付加情報に基づいてページの区切りを検索する際、区切りのページが複数連続している場合には、何れかのページが検索できれば、ページの区切りを特定できる。このため画像処理装置1は、連続する複数の区切りのページのうち最初のページにのみ付加情報を付加する。これによって、ユーザによる区切りのページの検索を可能としつつ、付加情報が付加された画像の数が多くなってしまって検索の利便性が悪くなってしまうことを防止することができる。
【0069】
図14のフローチャートを参照し、第三変形例におけるメイン処理について説明する。第三変形例では、シート7から画像が読み込まれる度に、読み込まれた画像から色情報が抽出される。給紙トレイ4に複数のシート7がセットされてスタートスイッチ15が押された場合、CPU71はメイン処理を起動する。
【0070】
メイン処理では、給紙トレイ4にシート7がセットされているかが判断される(S41)。給紙トレイ4にシート7がセットされている場合(S41:YES)セットされたシート7が一枚取り込まれる。取り込まれたシート7に形成された画像は、ラインセンサ41、42によって読み込まれる(S43)。読み込まれた画像はRAM74に一時的に記憶される。
【0071】
S43でRAM74に記憶された1ページ分の画像が取得される(S45)。付加情報を付加するか否かを示すフラグがセットされているかが判断される(S47)。フラグは、後述するS59でセットされる(詳細後述)。この時点では、フラグはセットされていないので(S47:NO)、次いで、取得された画像の色情報が抽出される(S51)。
【0072】
抽出された色情報が、所定の条件を満たすかが判断される(S53)。所定の条件を満たさないと判断された場合(S53:NO)、処理はS41に戻る。一方、所定の条件を満たすと判断された場合(S53:YES)、S45で取得された画像が、所定のまとまりの最初のページであるか最後のページであるかが判断される(S55)。取得された画像が、所定のまとまりの最初のページである場合(S55:YES)、取得された画像に付加情報が付加される(S57)。処理はS41に戻る。取得された画像が、所定のまとまりの最後のページである場合(S55:NO)、取得された画像の次のページの画像に付加画像を取得する必要がある。しかしながらこの状態では、未だ次のページの画像は読み取られていない。従って、次のページの画像が読み込まれた後、付加画像を付加するために、フラグがセットされる(S59)。処理はS41に戻る。
【0073】
S41で次のシート7が給紙トレイにセットされていると判断され(S41:YES)、シート7の読み取り(S43)、及び画像の取得(S45)が行われた後、フラグがセットされているかが判断される(S47)。S59でフラグがセットされている場合には(S47:YES)、取得した画像に付加情報が付加される(S49)。処理はS51に進む。S41で、給紙トレイ4にシート7が残っていない場合と判断された場合(S41:NO)、メイン処理は終了する。
【0074】
以上説明したように、画像処理装置1は、シート7から画像を読み込む度に、読み込まれた画像を処理することができる。これによって画像処理装置1は、複数ページの画像を全て取得した後まとめて色情報を抽出する場合と比較して、画像の取得及び色情報の抽出に要する時間を短縮できる。
【0075】
上述の実施形態及び変形例におけるメイン処理では、画像処理装置1において読み込まれた画像は、画像処理装置1のCPU71において処理が行われ、区切りのページが特定されて付加情報が付加されていた。本発明はこれに限定されない。メイン処理は、通信I/F75を介して画像処理装置1と接続するPC81によって実行されてもよい。即ちPC81は、画像処理装置1がシート7から読み込んだ画像を取得し、上述したメイン処理を実行してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 画像処理装置
41 ラインセンサ
42 ラインセンサ
61 制御回路部
71 CPU
72 ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ファイルを構成する複数のページのうち特定のページを検索するための付加情報を設定する画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像ファイルに含まれる複数のページを所定のまとまり(例えば見出し)毎に区別し、それぞれを容易に検索したいという要求がある。これに対し、画像ファイルに含まれる複数のページのうち特定のページに付加情報を付し、付加情報を検索することで、該当ページの検索を容易化できる画像処理装置が提案されている。例えば特許文献1に記載された装置では、特定のページの画像にしおり画像が付加情報として付される。該装置は、しおり画像を検索することで、特定のページを容易に検索することができる。なお該装置では、ユーザが所定のまとまり毎に元原稿を分割し、その先頭ページにしおり画像を付して装置に読み取らせることによって、しおり画像が付されたページを含む画像ファイルが作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−94596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の装置を用いて画像ファイルを作成する場合、ユーザは、元原稿にしおり画像を付する作業を行う必要がある。従って、しおり画像を付するページ数が多くなると、しおり画像を付するための作業量が増大し、ユーザにとって煩わしいという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザによる作業を要することなく、検索用の付加情報を付することができる画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る画像処理装置は、1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得部と、前記取得部において取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出部と、前記抽出部において抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断部と、前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加部とを備えている。
【0007】
第一態様によれば、画像処理装置は、取得した1ページ分の画像から抽出した色情報に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかを判断する。画像処理装置は、ページの区切りを特定できると判断した場合、検索可能な付加情報を付加する。ユーザは、付加情報を参照することによって、ページの区切りを容易に検索することができる。画像処理装置は、付加情報を付加するか否かを色情報に基づいて自動的に判断するので、ユーザは、付加情報を付加する作業が不要となる。
【0008】
また第一態様において、前記抽出部は、前記1ページ分の画像の地色を前記色情報として抽出してもよい。画像処理装置は、地色に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかを判断できる。例えば地色が所定の色である場合、所定のまとまりの最初のページ又は最後のページである可能性が高いので、ページの区切りが特定できると判断する。これによって画像処理装置は、ページの区切りを正確に特定して付加情報を付することができるので、検索の精度を高めることができる。
【0009】
また第一態様において、前記抽出部は、前記1ページ分の画像の全体の色に対する地色の割合を、前記色情報として抽出してもよい。画像処理装置は、地色の割合に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかを判断できる。例えば地色の割合が大きい場合、画像に含まれている文字等の情報が相対的に少ないことになるので、所定のまとまりの最初のページ又は最後のページであることが想定される。画像処理装置は、このような場合にページの区切りを特定できると判断する。これによって画像処理装置は、ページの区切りを正確に特定して付加情報を付することができるので、検索の精度を高めることができる。
【0010】
また第一態様において、前記抽出部は、前記1ページ分の画像の色の数を前記色情報として抽出してもよい。画像処理装置は、色の数に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかを判断できる。例えば色の数が多い場合、写真やグラフなどの情報が多く掲載されていることになるので、所定のまとまりの最初のページ又は最後のページであることが想定される。画像処理装置は、このような場合にページの区切りが特定できると判断する。これによって画像処理装置は、ページの区切りを正確に特定して付加情報を付することができるので、検索の精度を高めることができる。
【0011】
また第一態様において、前記抽出部は、前記1ページ分の画像の少なくとも一の端からの距離が所定以上である部分の前記色情報を抽出してもよい。画像処理装置は、画像の端に近い部分の色情報を、所定条件を満たすか否かの判断の対象から除外できる。これによって、ページ内のヘッダ及びフッダ、左右端部以外の部分から色情報を抽出することができるので、ヘッダ及びフッダ、左右端部の色が色情報に影響してしまうことを排除できる。従って画像処理装置は、ページの区切りを更に正確に特定できる。
【0012】
また第一態様において、前記判断部は、前記抽出部において前記1ページ分の画像から抽出した前記色情報と、前記抽出部において他の前記1ページ分の画像から抽出した他の前記色情報との相違の程度が所定以上である場合に、前記色情報が前記所定条件を満たすと判断してもよい。画像処理装置は、色情報を他の色情報と比較することによって、ページの区切りを特定できるかどうかを判断できる。画像処理装置は、色情報が他の色情報と大きく相違する場合、ページの区切りが特定できると判断することができる。従って画像処理装置は、区切りのページが他のページと相違する場合に、区切りのページを正確に特定できる。
【0013】
また第一態様において、前記判断部は、前記抽出部において抽出した前記色情報が所定値以上となった場合に、前記所定条件を満たすと判断してもよい。画像処理装置は、色情報と所定値との関係に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかを判断することができる。画像処理装置は、ページの区切りが所定の特徴を常に有している場合、色情報と所定値とを比較することによって容易にページの区切りを特定できると判断できる。
【0014】
また第一態様において、前記取得部は、前記1つのファイルを構成する前記複数ページの画像を、前記1ページ分の画像毎に順番に取得し、前記抽出部は、前記取得部において前記1ページ分の画像を取得する度に、取得した前記1ページ分の画像から前記色情報を抽出してもよい。これによって、複数ページの画像を全て取得した後で色情報を抽出する場合と比較して、色情報の抽出及び区切りのページの判断に要する時間を短縮できる。
【0015】
また第一態様において、前記付加部は、前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像、又は、前記1ページ分の画像の次のページの画像に、前記付加情報を付加してもよい。画像処理装置は、1ページ分の画像が所定のまとまりの最初のページである場合、このページの画像に付加情報を付する。画像処理装置は、1ページ分の画像が所定のまとまりの最後のページである場合、このページの次のページの画像に付加情報を付する。これによってユーザは、付加情報を検索することによって、所定のまとまりの最初のページの画像を正確に特定することができる。
【0016】
また第一態様において、前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、前記1つのファイルを、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像よりも前のページの画像を含むファイルと、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像よりも後のページの画像を含むファイルとに分割する分割部を備えていてもよい。これによって画像処理装置は、所定のまとまり毎にファイルを分割することができる。ユーザは、所定のまとまり毎に別々のファイルによって管理できる。
【0017】
また第一態様において、前記複数ページの画像を読み取る読み取り部を備え、前記取得部は、前記読み取り部において読み取った前記複数ページの画像から、前記1ページ分の画像を取得してもよい。これによって画像処理装置は、画像が描画された原稿から画像を直接読み取ることができる。
【0018】
本発明の第二態様に係る画像処理方法は、1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加ステップとを備えている。
【0019】
第二態様によれば、取得した1ページ分の画像から抽出した色情報に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかが判断される。ページの区切りを特定できると判断された場合、検索可能な付加情報が付加される。ユーザは、付加情報を参照することによって、ページの区切りを容易に検索することができる。付加情報を付加するか否かが色情報に基づいて自動的に判断されるので、ユーザは、付加情報を付加する作業が不要となる。
【0020】
本発明の第三態様に係る画像処理プログラムは、1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加ステップとをコンピュータに実行させる。
【0021】
第三態様によれば、取得した1ページ分の画像から抽出した色情報に基づいて、ページの区切りを特定できるかどうかが判断される。ページの区切りを特定できると判断された場合、検索可能な付加情報が付加される。ユーザは、付加情報を参照することによって、ページの区切りを容易に検索することができる。付加情報を付加するか否かが色情報に基づいて自動的に判断されるので、ユーザは、付加情報を付加する作業が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像処理装置1の斜視図である。
【図2】画像処理装置1の内部構造を右側から見た透視図である。
【図3】画像処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】付加情報が付された画像を含むファイルが表示された場合の例を示す図である。
【図5】注釈画像204が付加情報として付加された場合の例を示す図である。
【図6】付加情報の付加方法を説明するための模式図である。
【図7】付加情報の付加方法を説明するための模式図である。
【図8】付加情報の付加方法を説明するための模式図である。
【図9】付加情報の付加方法を説明するための模式図である。
【図10】色情報を抽出する方法を説明するための模式図である。
【図11】メイン処理を示すフローチャートである。
【図12】第一変形例におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図13】第二変形例におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図14】第三変形例におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図2の前面側、背面側、左側、右側、上側、及び下側を、其々、画像処理装置1の右側、左側、前側、後側、上側、及び下側とする。
【0024】
図1及び図2を参照し、画像処理装置1の概略構成について説明する。画像処理装置1は、画像スキャナの一種である。画像処理装置1は、図1に示すように、本体部2、給紙トレイ4、及び排出トレイ6を備えている。本体部2は、側面視にて略三角形状を有している。本体部2の上部に給紙口3が設けられている。本体部2の前面下部に排出口5が設けられている。給紙トレイ4は、本体部2のうち給紙口3の後側に接続し、上方に延びている。排出トレイ6は、本体部2のうち排出口5の下側に接続し、前方に延びている。給紙トレイ4にセットされたシート7は、給紙口3から一枚ずつ本体部2に取り込まれる。取り込まれたシート7は、排出口5から排出され、排出トレイ6に積載される。本体部2前側の傾斜面の左側に、スタートスイッチ15、及びエラーランプ16が設けられている。ユーザは、スタートスイッチ15を操作することによって、シート7の取り込みを開始することができる。エラーランプ16は、紙詰まり等の不具合が発生した場合に点灯する。
【0025】
図2に示すように、本体部2は、搬送路11、下側フレーム12、及び上側フレーム13を備えている。給紙口3から取り込まれたシート7は、搬送路11を通り、排出口5から排出される。下側フレーム12は、搬送路11の下側に設けられている。上側フレーム13は、搬送路11の上側に設けられている。
【0026】
下側フレーム12は、搬送ローラ17、18、19、及び20、モータ56、及びラインセンサ41を備えている。搬送ローラ17は、給紙口3の近傍に設けられている。搬送ローラ17の搬送方向下流側に、搬送方向上流側から下流側に向かって順に、搬送ローラ18、19、及び20が設けられている。搬送ローラ17は、給紙トレイ4にセットされたシート7を、搬送路11内に取り込む。搬送ローラ18、及び19は、搬送路11内に取り込まれたシート7を、排出口5に向けて搬送する。搬送ローラ20は、排出口5からシート7を排出する。モータ56は、搬送ローラ17、18、19、及び20を駆動する。
【0027】
ラインセンサ41は、搬送ローラ19の搬送方向下流側に設けられている。ラインセンサ41は、密着型のイメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)である。ラインセンサ41の左右方向の長さは、搬送路11の左右方向の長さと略同一である。ラインセンサ41は、搬送路11に沿って搬送されるシート7の下面の画像を読み取ることができる。ラインセンサ41は、光源、レンズ及び受光素子を備えている。光源は、シート7の下面に光を照射する。受光素子は、シート7において反射した反射光をレンズにより集光し、RGB信号に変換して出力する。出力されたRGB信号に対して画像処理が行われることによって、シート7の下面の画像がページ単位で得られる。
【0028】
上側フレーム13は、分離部材21、及び25、ピンチローラ31、及び46、及びラインセンサ42を備えている。分離部材21、及び25は、ゴム等の高摩擦弾性部材である。分離部材21は、搬送ローラ17と対向する位置に設けられている。分離部材25は、搬送ローラ18と対向する位置に設けられている。分離部材21、及び25は、給紙トレイ4にセットされた複数のシート7のうち最も下側のシート7を他のシートから分離する為に設けられている。ピンチローラ31は、搬送ローラ19と対向する位置に設けられている。ピンチローラ46は、搬送ローラ20と対向する位置に設けられている。ピンチローラ31、及び46は、搬送ローラ19、及び20と共に回転し、シート7を搬送する。
【0029】
ラインセンサ42は、ラインセンサ41と対向する位置に設けられている。ラインセンサ42はCISである。ラインセンサ42の左右方向の長さは、搬送路11の左右方向の長さと略同一である。ラインセンサ42の構成及び駆動機構は、上述したラインセンサ41と同一である。ラインセンサ42は、搬送路11に沿って搬送されるシート7の上面の画像を読み取ることができる。
【0030】
図3を参照し、画像処理装置1の電気的構成について説明する。画像処理装置1は、制御回路部61を備えている。制御回路部61は、入出力インターフェース62を介して、スタートスイッチ15、エラーランプ16、モータ駆動回路63、及びラインセンサ駆動回路65と電気的に接続している。
【0031】
制御回路部61は、CPU71、ROM72、FLASH・ROM73、RAM74、及び通信I/F75を備えている。CPU71は、画像処理装置1の全体の制御を行う演算装置である。ROM72は、CPU71が処理を行う場合に必要な各種パラメータを記憶する。FLASH・ROM73は、CPU71が処理を行うためのプログラムを記憶する。RAM74は、CPU71により演算された各種の演算結果や、ラインセンサ41、及び42によって読み取った画像を一時的に記憶する。通信I/F75は、外部に接続されたPC81と通信を行う場合のタイミング制御を行う。
【0032】
モータ駆動回路63は、モータ56と接続している。モータ駆動回路63は、制御回路部61のCPU71からの指示に従って、モータ56を駆動制御する。ラインセンサ駆動回路65は、ラインセンサ41、及び42と接続している。ラインセンサ駆動回路65は、制御回路部61のCPU71からの指示に従って、ラインセンサ41、及び42の光源を点灯させるための駆動制御を行う。またラインセンサ駆動回路65は、受光素子の電気信号をRGB信号等に変換して出力する。CPU71は、ラインセンサ駆動回路65から受信したRGB信号等に基づいて画像を作成し、RAM74に一時記憶することができる。
【0033】
画像処理装置1において実行される一連の処理について概説する。画像処理装置1は、給紙トレイ4にセットされた複数のシート7を、一枚ずつ給紙口3から取り込む。ラインセンサ41、及び42によって、シート7毎に画像が読み込まれる。シート7の両面に画像が形成されている場合、両面の画像は、ラインセンサ41、及び42によって同時に読み込まれる。シート7の片面に画像が形成されている場合、ラインセンサ41、及び42のうちいずれかによって画像が読み込まれる。複数のシート7から読み込まれた複数の画像は、1つのファイルとして管理される。其々の画像は、読み込まれた順にページ単位で並べられる。
【0034】
画像処理装置1は、読み込んだ其々の画像を解析することで、所定のまとまり(例えば見出し)毎の区切りのページ(まとまりの最初のページの画像、又は最後のページの画像)を選択する。まとまりの最後のページの画像が選択された場合、選択された画像の次のページの画像が、次のまとまりの最初のページの画像として選択される。画像処理装置1は、まとまりの最初のページの画像のデータに、この画像を検索することが可能な付加情報を付加する。付加情報とは、ファイルを構成する複数のページの画像のうち、特定のページの画像を他のページの画像と区別するための情報である。
【0035】
例えば付加情報として、所定の規則に準じたコード情報が、まとまりの最初のページの画像のデータに付加されてもよい。付加情報が付加された画像を含むファイルがPC81等において表示された場合、例えば図4に示すように、画像自体が表示されるウィンドウ202とは別に、まとまりを階層的に表した別ウィンドウ201が表示されてもよい。これによってユーザは、区切りのページを別ウィンドウ201内から検索することによって、画像をまとまり毎に認識できる。従ってユーザは、所望の画像をを容易かつ迅速に検索することができる。
【0036】
また例えば、コード情報が付加情報として付加された画像を含むファイルがPC81等によって表示される場合、付加情報が付加されたページの画像が他のページの画像と区別されて表示されてもよい。例えばハイライト表示されてもよい。又は、付加情報が付加されたページの画像は、キーワード検索によって検索できるようにしてもよい。
【0037】
また例えば図5に示すように、まとまりの最初のページの画像203に重ねて配置される注釈画像204を、付加情報として付加してもよい。注釈画像204が付加された画像203を含むファイルがPC81等に表示された場合、ユーザは、ファイルをページ順にスクロールすることで、まとまりの最初のページを直感的に認識することができる。
【0038】
なお上述では、まとまりの最初のページを認識するために、まとまりの最初のページの画像に付加画像を付加する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。まとまりの最初のページが認識できるように、全てのページの画像に付加情報が付加されてもよい。また、まとまりの最初のページを特定するための情報が、画像とは別にファイル自体に付加されてもよい。
【0039】
まとまり毎の区切りのページであるか否かは、画像の色に関する情報(画像の地色、画像全体の色に対する地色の割合、及び画像の色数、以下「色情報」という。)に基づいて判断される。判断方法の第一例について、図6を参照して説明する。5枚のシート7の其々から、画像111、112、113、114、及び115が読み込まれたとする。これらの画像のうち画像111、112、114,及び115の地色が白色であり、画像113の地色が白色以外の所定の色であったとする。この場合、まとまりの最初のページとして画像113が選択される。画像111、及び112が一つのまとまり116を構成し、画像113、114、及び115が別のまとまり117を構成することになる。この方法は、例えば分野別に綴じられた資料などのように、見出しの区切り毎に異なる地色のシート7が挿入される媒体が用いられた場合、所定のまとまりの最初のページを正確に選択できるので有効である。
【0040】
画像の地色は、例えば次のようにして特定される。画像を構成する各画素のRGB値が特定される。特定されたRGB値に基づき、同一のRGB値毎に画素数が累計される。累計された画素数の最も多いRGB値から一義的に定められる色が、画像の地色として特定される。なお地色の特定方法はこの方法に限定されない。
【0041】
なお上述した、地色が白色以外の所定の色であるか否かの判断は、具体的には以下のようにして行われてもよい。例えば、画像の地色の色相、彩度、及び明度のうち少なくともいずれかが所定の閾値以上となった場合に、地色が所定の色であると判断してもよい。例えば、明度が白から10%(255bit中の25bit)異なる場合に、白とは異なる地色となっているものと判断してもよい。又は、画像の地色の色相、彩度、及び明度と、他のページの画像の地色の色相、彩度、及び明度との差分が所定の閾値以上となった場合に、地色が所定の色であると判断してもよい。
【0042】
判断方法の第二例について、図7を参照して説明する。5枚のシート7の其々から、画像121、122、123、124、及び125が読み込まれたとする。これらの画像のうち画像123に含まれている文字数が、他の画像に含まれている文字数と比較して少ないとする。画像123全体の色に対する地色の割合は、文字が少ない分、他の画像における地色の割合よりも大きくなる。この場合、地色の割合が大きい画像123が、所定のまとまりの最初のページとして選択される。画像121、及び122が一つのまとまり126を構成し、画像123、124、及び125が別のまとまり127を構成することになる。例えば、地色の割合が3%以下なら、最初のページと判断することができる。この方法は、例えば学会誌や論文集などのように、表題ページの次に本題ページが配置されるような媒体が用いられた場合、所定のまとまりの最初のページとして表題ページを正確に選択できるので有効である。
【0043】
また例えば図8に示すように、5枚のシート7の其々から、画像131、132、133、134、及び135が読み込まれたとする。これらの画像のうち画像133には文字が含まれておらず、他の画像には文字が含まれていたとする。画像133の地色の割合は、文字がない分、他の画像における地色の割合よりも極端に大きくなる。この場合、地色の割合が極端に大きい画像133が、所定のまとまりの最後のページとして選択される。そして、画像133の次のページの画像134が、所定のまとまりの最初のページとして選択される。画像131、132、及び133が一つのまとまり136を構成し、画像134、及び135が別のまとまり137を構成することになる。この方法は、例えば複数の著者が其々執筆した評論が集められた集合著作物などのように、まとまり毎に仕切り用の空白ページが挿入される媒体が用いられた場合、まとまりの最後のページを正確に選択できるので有効である。また、この判断を行う場合、最後のページとなる画像133は情報を持たない画像であるため、削除しても良い。
【0044】
地色の割合は、例えば次のようにして特定される。画像を構成する各画素のRGB値から地色が特定され、次いで地色を有する画素数が特定される。画像全体の画素数に対する、特定された画素数の割合が算出される。なお地色の割合の特定方法はこの方法に限定されない。
【0045】
なお上述した、地色の割合に基づく判断は、具体的に以下のようにして行われてもよい。例えば、画像の地色の割合が所定の閾値以上となった場合に、地色の割合が比較的大きいと判断し、まとまりの最初のページの画像として選択してもよい。ここで画像の地色の割合が100%となった場合には、地色の割合が極端に大きいと判断し、まとまりの最後のページの画像として選択してもよい。
【0046】
また以下のようにして行ってもよい。画像の地色の割合と、他のページの画像の地色の割合との差分が所定の第一閾値以上第二閾値未満(第一閾値<第二閾値であるとする。)となった場合に、地色の割合が他のページの画像の地色の割合よりも比較的大きいと判断し、まとまりの最初のページの画像として選択してもよい。一方、差分が第二閾値以上となった場合に、地色の割合が他のページの画像の地色の割合よりも極端に大きいと判断し、まとまりの最後のページの画像として選択してもよい。
【0047】
判断方法の第三例について、図9を参照して説明する。5枚のシート7の其々から、画像141、142、143、144、及び145が読み込まれたとする。これらの画像のうち画像143には画像や写真が含まれており、他の画像には画像や写真が含まれていないとする。画像143の色数は、他の画像の色数と比較して大きくなる。この場合、画像の色数が多い画像143が、所定のまとまりの最後のページとして選択される。そして、画像143の次のページの画像144が、所定のまとまりの最初のページとして選択される。画像141、142、及び143が一つのまとまり146を構成し、画像144、及び145が別のまとまり147を構成することになる。この方法は、例えば図説を含む参考書などのように、まとまりの最後のページに説明図が掲載されている媒体が用いられる場合、まとまりの最後のページを正確に選択できるので有効である。
【0048】
色数は、例えば次のようにして特定される。画像を構成する各画素のRGB値が特定される。RGB値から一義的に定められる色が、画素毎に特定される。特定された色の数が画像の色数として特定される。なお色数の特定方法はこの方法に限定されない。
【0049】
なお、上述した色数に基づく判断は、具体的に以下のようにして行われてもよい。例えば、画像の色数が所定の閾値以上となった場合に、まとまりの最後のページの画像として選択してもよい。又は、画像の色数と、他のページの画像の色数との差分が所定の閾値以上となった場合に、まとまりの最後のページとして選択されてもよい。
【0050】
第一例から第三例において説明した其々の色情報は、画像のうち端からの距離が所定以上である部分から抽出されても良い。例えば図10に示す画像151のように、画像の左右端に定形の図形152(装飾模様など)が付されている場合がある。また画像のヘッダ及びフッダ内に文字153が付されている場合がある。模様152や文字153のように、画像の端部に近い部分に形成された図形や文字は、複数のページに共通して形成されることが多い。従って、これらから抽出された色情報に基づいて区切りのページが選択されると、実際には区切りのページではない多数のページが、誤って選択されてしまう場合がある。これに対して画像処理装置1では、画像151の上下左右端からの距離が所定以上である部分154内の色情報を抽出し、区切りのページを選択する場合に用いることができる。これによって、画像の端に近い部分の色情報を判断の対象から除外できる。従って、ヘッダ、フッダ、及び、画像左右端近傍の色が色情報に影響してしまうことを排除できるので、画像処理装置1は、ページの区切りを更に正確に特定できる。
【0051】
なお上述では、画像151の上下左右全ての端からの距離が所定以上である部分154内の色情報を抽出したが、少なくともいずれかの端からの距離が所定以上である部分の色情報が抽出されてもよい。
【0052】
図11のフローチャートを参照し、画像処理装置1のCPU71において実行されるメイン処理について説明する。給紙トレイ4に複数のシート7がセットされてスタートスイッチ15が押される。画像処理装置1は、シート7の取り込み、及びラインセンサ41、42による画像の読み込みを開始する。読み込まれた画像はRAM74に記憶される。読み込まれた其々の画像は、読み込まれた順にページ単位で並べられ、1つのファイルとされる。給紙トレイ4にセットされた全てのシート7の画像が読み込まれた後、CPU71はメイン処理を起動する。
【0053】
RAM74に記憶された画像が1ページずつ取得される(S11)。取得された画像の色情報が抽出される(S13)。具体的には、図6から図9を参照して説明した色情報のうち少なくとも一つが抽出される。なお図10を参照して説明したように、色情報は、画像全体のうち端からの距離が所定以上である部分から抽出されてもよい。
【0054】
抽出された色情報が、所定の条件を満たすかが判断される(S15)。具体的には、図6から図9を参照して説明した判断方法に基づいて色情報が判断され、色情報を抽出した画像が区切りのページの画像に該当する場合に、所定の条件を満たすと判断される。なお、複数種類の色情報が抽出された場合、全ての色情報が所定の条件を満たすか否かが判断されてもよいし、何れかの色情報が所定の条件を満たすか否かが判断されてもよい。色情報が所定の条件を満たさないと判断された場合(S15:NO)、区切りのページの画像に該当しないので、処理はS23に進む。
【0055】
色情報が所定の条件を満たすと判断された場合(S15:YES)、S11で取得された画像が、所定のまとまりの最初のページであるか最後のページであるかが判断される(S17)。例えば図6及び図7を参照して説明した条件に合致する場合、所定のまとまりの最初のページであると判断される。一方、図8及び図9を参照して説明した条件に合致する場合、所定のまとまりの最後のページであると判断される。
【0056】
取得された画像が、所定のまとまりの最初のページであると判断された場合(S17:YES)、取得された画像に付加情報が付加される(S19)。処理はS23に進む。取得された画像が、所定のまとまりの最後のページである場合(S17:NO)、取得された画像の次のページの画像がある場合に、次のページの画像に付加画像が付加される(S21)。処理はS23に進む。
【0057】
S23では、S11で取得された画像の次のページの画像がRAM74に記憶されているかが判断される(S23)。次のページの画像がRAM74に記憶されている場合(S23:YES)、処理はS11に戻る。次のページの画像が取得され(S11)、処理は繰り返される。次のページの画像がRAM74に記憶されていない場合(S23:NO)、メイン処理は終了する。
【0058】
以上説明したように、画像処理装置1は、取得した1ページ分の画像から抽出した色情報に基づいて、ページの区切りを特定できる画像であるかどうかを判断する。画像処理装置1は、ページの区切りを特定できる画像であると判断した場合、検索可能な付加情報を付加する。ユーザは、付加情報を検索することによって、ページの区切りを容易に検索することができるようになる。画像処理装置1は、付加情報を付加するか否かを色情報に基づいて自動的に判断するので、ユーザは、付加情報を付加する作業が不要となる。
【0059】
画像処理装置1は、色情報として、画像の地色、地色の割合、及び色数に基づいて、区切りのページの画像であるか否かを判断できる。これによって画像処理装置1は、ページの区切りを正確に特定して付加情報を付することができるので、ユーザが区切りを検索する場合の検索精度を高めることができる。
【0060】
画像処理装置1は、画像の色情報が、他の画像の色情報との関係に基づいて、ページの区切りを特定できるか否かを判断できる。従って画像処理装置1は、区切りのページが他のページと相違する場合に、区切りのページを正確に特定できる。また画像処理装置1は、画像の色情報と所定の閾値との関係に基づいて、ページの区切りを特定できるか否かを判断できる。従って画像処理装置1は、ページの区切りが所定の特徴を常に有している場合、色情報を閾値と比較することで容易にページの区切りを特定できるか否かを判断できる。
【0061】
画像処理装置1は、ラインセンサ41、及び42を備えているので、シート7から画像を直接読み取ることができる。
【0062】
なお、図11のS11の処理を行うCPU71が本発明の「取得部」に相当し、S13の処理を行うCPU71が本発明の「抽出部」に相当し、S15の処理を行うCPU71が本発明の「判断部」に相当し、S17、S19、及びS21の処理を行うCPU71が本発明の「付加部」に相当する。図11のS11の処理が本発明の「取得ステップ」に相当し、S13の処理が本発明の「抽出ステップ」に相当し、S15の処理が本発明の「判断ステップ」に相当し、S17、S19、及びS21の処理が本発明の「付加ステップ」に相当する。図2のラインセンサ41、42が、本発明の「読み取り部」に相当する。
【0063】
本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。以下、本発明の変形例(第一変形例、第二変形例、及び第三変形例)について、図12、13、及び14を参照して説明する。なお、上述した実施形態におけるメイン処理と重複する処理については、同一符号を付し、説明を省略又は簡略化している。
【0064】
図12のフローチャートを参照し、第一変形例におけるメイン処理について説明する。第一変形例では、画像処理装置1は所定のまとまり毎にファイルを分割する。CPU71によってメイン処理が起動されると、RAM74に記憶された画像が1ページずつ取得され(S11)、取得された画像の色情報が抽出される(S13)。抽出された色情報が、所定の条件を満たすかが判断される(S15)。所定の条件を満たすと判断された場合(S15:YES)、取得された画像又は次のページの画像に付加情報が付加される(S19、S21)。次いで、取得した画像を含むファイルは、所定のまとまりの最初のページの画像よりも前のページの画像を含むファイルと、最初のページの画像及び該ページよりも後のページの画像を含むファイルとに分割される(S31)。処理はS23に進む。例えば図6に示す画像111、112、113、114、及び115を含むファイルがRAM74に記憶されている場合、このファイルは、画像111、及び112を含むファイルと、画像113、114、及び115を含むファイルとに分割される。
【0065】
以上説明したように、画像処理装置1は、区切りのページの画像を抽出した後、所定のまとまり毎にファイルを分割することができる。これによってユーザは、所定のまとまり毎に別々のファイルとして管理できる。なお、図12のS31の処理を行うCPU71が本発明の「分割部」に相当する。
【0066】
図13のフローチャートを参照し、第二変形例におけるメイン処理について説明する。第二変形例では、所定の条件を満たす色情報が、連続する複数のページの画像から抽出された場合、連続した複数の画像のうち最初の画像のみを、区切りのページの画像として選択する。
【0067】
CPU71によってメイン処理が起動されると、RAM74に記憶された画像が1ページずつ取得され(S11)、取得された画像の色情報が抽出される(S13)。抽出された色情報が、所定の条件を満たすかが判断される(S15)。所定の条件を満たすと判断された場合(S15:YES)、S11で取得されたページの前のページの画像が所定の条件を満たすかが判断される(S33)。前のページの画像が所定の条件を満たすと判断された場合(S33:YES)、所定の条件を満たすページが連続していることになる。この場合、連続するページの画像の其々に付加画像を付加しないために、処理はS23に進む。一方、前のページの画像が所定の条件を満たしていない場合(S33:NO)、取得された画像又は、次のページの画像に付加情報が付加される(S19、S21)。処理はS23に進む。
【0068】
以上説明したように、画像処理装置1は、連続した複数の画像の其々に付加情報が付加されてしまうことを防止することができる。ユーザが付加情報に基づいてページの区切りを検索する際、区切りのページが複数連続している場合には、何れかのページが検索できれば、ページの区切りを特定できる。このため画像処理装置1は、連続する複数の区切りのページのうち最初のページにのみ付加情報を付加する。これによって、ユーザによる区切りのページの検索を可能としつつ、付加情報が付加された画像の数が多くなってしまって検索の利便性が悪くなってしまうことを防止することができる。
【0069】
図14のフローチャートを参照し、第三変形例におけるメイン処理について説明する。第三変形例では、シート7から画像が読み込まれる度に、読み込まれた画像から色情報が抽出される。給紙トレイ4に複数のシート7がセットされてスタートスイッチ15が押された場合、CPU71はメイン処理を起動する。
【0070】
メイン処理では、給紙トレイ4にシート7がセットされているかが判断される(S41)。給紙トレイ4にシート7がセットされている場合(S41:YES)セットされたシート7が一枚取り込まれる。取り込まれたシート7に形成された画像は、ラインセンサ41、42によって読み込まれる(S43)。読み込まれた画像はRAM74に一時的に記憶される。
【0071】
S43でRAM74に記憶された1ページ分の画像が取得される(S45)。付加情報を付加するか否かを示すフラグがセットされているかが判断される(S47)。フラグは、後述するS59でセットされる(詳細後述)。この時点では、フラグはセットされていないので(S47:NO)、次いで、取得された画像の色情報が抽出される(S51)。
【0072】
抽出された色情報が、所定の条件を満たすかが判断される(S53)。所定の条件を満たさないと判断された場合(S53:NO)、処理はS41に戻る。一方、所定の条件を満たすと判断された場合(S53:YES)、S45で取得された画像が、所定のまとまりの最初のページであるか最後のページであるかが判断される(S55)。取得された画像が、所定のまとまりの最初のページである場合(S55:YES)、取得された画像に付加情報が付加される(S57)。処理はS41に戻る。取得された画像が、所定のまとまりの最後のページである場合(S55:NO)、取得された画像の次のページの画像に付加画像を取得する必要がある。しかしながらこの状態では、未だ次のページの画像は読み取られていない。従って、次のページの画像が読み込まれた後、付加画像を付加するために、フラグがセットされる(S59)。処理はS41に戻る。
【0073】
S41で次のシート7が給紙トレイにセットされていると判断され(S41:YES)、シート7の読み取り(S43)、及び画像の取得(S45)が行われた後、フラグがセットされているかが判断される(S47)。S59でフラグがセットされている場合には(S47:YES)、取得した画像に付加情報が付加される(S49)。処理はS51に進む。S41で、給紙トレイ4にシート7が残っていない場合と判断された場合(S41:NO)、メイン処理は終了する。
【0074】
以上説明したように、画像処理装置1は、シート7から画像を読み込む度に、読み込まれた画像を処理することができる。これによって画像処理装置1は、複数ページの画像を全て取得した後まとめて色情報を抽出する場合と比較して、画像の取得及び色情報の抽出に要する時間を短縮できる。
【0075】
上述の実施形態及び変形例におけるメイン処理では、画像処理装置1において読み込まれた画像は、画像処理装置1のCPU71において処理が行われ、区切りのページが特定されて付加情報が付加されていた。本発明はこれに限定されない。メイン処理は、通信I/F75を介して画像処理装置1と接続するPC81によって実行されてもよい。即ちPC81は、画像処理装置1がシート7から読み込んだ画像を取得し、上述したメイン処理を実行してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 画像処理装置
41 ラインセンサ
42 ラインセンサ
61 制御回路部
71 CPU
72 ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部において抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断部と、
前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加部と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記抽出部は、
前記1ページ分の画像の地色を前記色情報として抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記抽出部は、
前記1ページ分の画像の全体の色に対する地色の割合を、前記色情報として抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記抽出部は、
前記1ページ分の画像の色の数を前記色情報として抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記抽出部は、
前記1ページ分の画像の少なくとも一の端からの距離が所定以上である部分の前記色情報を抽出することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判断部は、
前記抽出部において前記1ページ分の画像から抽出した前記色情報と、前記抽出部において他の前記1ページ分の画像から抽出した他の前記色情報との相違の程度が所定以上である場合に、前記色情報が前記所定条件を満たすと判断することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判断部は、
前記抽出部において抽出した前記色情報が所定値以上となった場合に、前記色情報が前記所定条件を満たすと判断することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記1つのファイルを構成する前記複数ページの画像を、前記1ページ分の画像毎に順番に取得し、
前記抽出部は、
前記取得部において前記1ページ分の画像を取得する度に、取得した前記1ページ分の画像から前記色情報を抽出することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記付加部は、
前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像、又は、前記1ページ分の画像の次のページの画像に、前記付加情報を付加することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、前記1つのファイルを、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像よりも前のページの画像を含むファイルと、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像よりも後のページの画像を含むファイルとに分割する分割部を備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記複数ページの画像を読み取る読み取り部を備え、
前記取得部は、
前記読み取り部において読み取った前記複数ページの画像から、前記1ページ分の画像を取得することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加ステップと
を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加ステップと
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項1】
1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部において抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断部と、
前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加部と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記抽出部は、
前記1ページ分の画像の地色を前記色情報として抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記抽出部は、
前記1ページ分の画像の全体の色に対する地色の割合を、前記色情報として抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記抽出部は、
前記1ページ分の画像の色の数を前記色情報として抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記抽出部は、
前記1ページ分の画像の少なくとも一の端からの距離が所定以上である部分の前記色情報を抽出することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判断部は、
前記抽出部において前記1ページ分の画像から抽出した前記色情報と、前記抽出部において他の前記1ページ分の画像から抽出した他の前記色情報との相違の程度が所定以上である場合に、前記色情報が前記所定条件を満たすと判断することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判断部は、
前記抽出部において抽出した前記色情報が所定値以上となった場合に、前記色情報が前記所定条件を満たすと判断することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記1つのファイルを構成する前記複数ページの画像を、前記1ページ分の画像毎に順番に取得し、
前記抽出部は、
前記取得部において前記1ページ分の画像を取得する度に、取得した前記1ページ分の画像から前記色情報を抽出することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記付加部は、
前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像、又は、前記1ページ分の画像の次のページの画像に、前記付加情報を付加することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記判断部において前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、前記1つのファイルを、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像よりも前のページの画像を含むファイルと、前記色情報を抽出した前記1ページ分の画像よりも後のページの画像を含むファイルとに分割する分割部を備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記複数ページの画像を読み取る読み取り部を備え、
前記取得部は、
前記読み取り部において読み取った前記複数ページの画像から、前記1ページ分の画像を取得することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加ステップと
を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
1つのファイルを構成する複数ページの画像から、1ページ分の画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記1ページ分の画像の色に関する情報である色情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出した前記色情報が、ページの区切りを特定するための所定条件を満たすか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記色情報が前記所定条件を満たすと判断した場合に、ページの区切りを検索することが可能な付加情報を、前記複数ページの画像のうち少なくともいずれかに付加する付加ステップと
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
【図5】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−138811(P2012−138811A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290493(P2010−290493)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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