説明

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

【課題】被写体の特定の状態を示す画像を迅速かつ容易に検索することが可能な画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】記憶部には、複数フレームの画像を表示するための複数フレームの画像データおよび複数フレームの画像データに対応付けられた複数の評価値が記憶される。記憶された複数フレームの画像データのうちの一部のフレームの画像データが選択される。表示部20の画像表示領域Saに各フレームの画像データに基づく画像が表示される。表示部20のサムネイル表示領域Skには、選択されたフレームの画像データに対応するサムネイル画像SV3,SV9が表示される。2つのサムネイル画像SV3,SV9のうち一方のサムネイル画像SV3が選択されることにより、サムネイル画像SV3に対応する第3フレームの画像が画像表示領域Saに表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
研究室または製造現場等において、種々の被写体(ワークまたは装置等)の動きを解析するために、高いフレームレートで被写体を撮影可能な高速撮影装置が用いられる。カメラによって被写体が撮影されることにより、複数フレームの画像に対応する複数フレームの画像データが連続的に取得され、取得された複数フレームの画像データが動画データとして記憶部に記憶される。記憶部に記憶された画像データに基づいて複数のフレームの画像が被写体の動画として液晶ディスプレイパネル等の表示部に表示される。このような動画を用いて被写体の動きの解析が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載される高速撮影装置においては、被写体の撮影時に複数フレームの画像が高速録画され、録画された複数フレームの画像が撮影時よりも低いフレームレートでスロー再生される。これにより、高速撮影装置を用いて被写体を撮影することにより、人が視認できないような瞬間的な被写体の動きを観察することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−141709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
瞬間的な被写体の特定の動きを観察する場合には、観察対象となる被写体の特定の動きが確実に録画されるように、十分に長い録画時間が設定される。そのため、録画された複数フレームの画像の中から被写体の特定の動きを含む部分を検索するために、録画された画像を長い時間再生する必要がある。
【0006】
本発明の目的は、被写体の特定の状態を示す画像を迅速かつ容易に検索することが可能な画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1の発明に係る画像処理装置は、対象物の動画を構成する複数フレームの第1の画像を表示するための画像処理装置であって、複数フレームの第1の画像を表示するための複数フレームの第1の画像データおよび複数フレームの第1の画像データに対応付けられた複数の評価値を記憶する記憶部と、第1の表示領域および第2の表示領域を有する表示部と、記憶部に記憶された各フレームの第1の画像データに基づく第1の画像を第1の表示領域に表示させ、記憶部に記憶される複数の評価値に基づいて複数フレームの第1の画像データのうちの一部のフレームの第1の画像データを選択し、選択されたフレームの第1の画像データに対応する第2の画像データを生成し、生成された第2の画像データに基づく第2の画像を第2の表示領域に表示させる制御部と、第2の表示領域に表示された第2の画像を選択するためにユーザにより操作される操作部とを備え、複数の評価値は対象物の状態に応じて変化する値であり、第2の画像は、対応する第1の画像と等価な画像であり、制御部は、操作部により第2の画像が選択された場合に、選択された第2の画像に対応する第1の画像を第1の表示領域に表示させるものである。
【0008】
この画像処理装置においては、記憶部に記憶された各フレームの第1の画像データに基づいて第1の画像が表示部の第1の表示領域に表示される。記憶部に記憶された複数の評価値に基づいて複数フレームの第1の画像データのうちの一部のフレームの第1の画像データが選択される。複数の評価値は対象物の状態に応じて変化する。そのため、一部のフレームの第1の画像データは対象物の状態に基づいて選択される。選択されたフレームの第1の画像データに対応する第2の画像データが生成される。生成された第2の画像データに基づいて対応する第1の画像と等価な第2の画像が第2の表示領域に表示される。
【0009】
ユーザは、第2の表示領域に表示された第2の画像を操作部の操作により選択することができる。選択された第2の画像に対応する第1の画像が第1の表示領域に表示される。これにより、ユーザは対象物の特定の状態を示す第1の画像を迅速かつ容易に検索することが可能となる。
【0010】
(2)制御部は、複数の評価値のうち予め定められた特徴を示す評価値に対応するフレームの第1の画像データを選択してもよい。
【0011】
この場合、選択される一部のフレームの第1の画像データに基づく第1の画像は、対象物の予め定められた状態を示す。これにより、第2の表示領域には、対象物の予め定められた状態を示す第1の画像と等価な第2の画像が表示される。その結果、ユーザは対象物の予め定められた状態を示す画像を迅速かつ容易に検索することが可能となる。
【0012】
(3)第2の画像は、対応する第1の画像の縮小画像であってもよい。
【0013】
この場合、複数フレームの第1の画像データが選択された場合に、複数の第2の画像を第2の表示領域に一覧表示させることができる。それにより、ユーザは、複数の第2の画像を視認することにより、対象物の所望の状態を示す第1の画像を第1の表示領域に容易に表示させることができる。
【0014】
(4)表示部は、第3の表示領域をさらに有し、制御部は、記憶部に記憶された複数の評価値により形成される波形を第3の表示領域に表示させるとともに、第2の表示領域に表示された第2の画像に対応する第1の画像のフレームを特定し、波形において特定されたフレームの第1の画像に対応する位置を指定する指標を第3の表示領域に表示させてもよい。
【0015】
この場合、複数の評価値により形成される波形が指標とともに第3の表示領域に表示される。また、第2の表示領域に表示された第2の画像に対応する第1の画像のフレームが特定される。特定されたフレームの第1の画像に対応する波形上の位置が指標により指定される。
【0016】
これにより、ユーザは、波形を視認することにより複数フレームの第1画像で示される対象物の状態の変化を認識することができる。また、ユーザは、指標により指定される波形上の位置を視認することにより、特定されたフレームの第1の画像に対応する対象物の状態を容易に認識することができる。
【0017】
(5)操作部は、第3の表示領域に表示された指標を選択可能であり、制御部は、操作部により第3の表示領域に表示された指標が選択された場合に、選択された指標により指定される波形の位置に対応する第1の画像のフレームを特定し、特定されたフレームの第1の画像を第1の表示領域に表示させてもよい。
【0018】
この場合、ユーザは第3の表示領域に表示された指標を操作部の操作により選択することができる。選択された指標により指定される波形上の位置に対応するフレームの第1の画像が第1の表示領域に表示される。これにより、ユーザは対象物の特定の状態を示す第1の画像を迅速かつ容易に検索することが可能となる。
【0019】
(6)複数の評価値は、複数フレームの第1の画像の特徴を示す値であってもよい。
【0020】
複数の評価値は複数フレームの第1の画像から生成される。そのため、複数の評価値を生成するための装置を別途設ける必要がない。これにより、画像処理装置を含むシステムの構成が簡素化される。
【0021】
(7)複数フレームの画像の特徴を示す値は、複数フレームの画像の輝度に関する値であってもよい。
【0022】
第1の画像の輝度は対象物の状態に応じて変化する。そのため、複数の評価値は対象物の状態に応じて変化する。したがって、複数フレームの第1の画像の輝度に関する値に基づいて、対象物の特定の状態に対応する一部のフレームの第1の画像データが容易にかつ適切に選択される。
【0023】
(8)複数の評価値は、対象物の状態の変化に伴って変化する値を検出する検出手段の出力値であってもよい。
【0024】
この場合、対象物の状態を検出手段により確実に検出することができる。したがって、検出手段の出力値に基づいて、対象物の特定の状態に対応する一部のフレームの第1の画像データが容易にかつ適切に選択される。
【0025】
(9)操作部は、動画の再生および逆再生を指示可能であり、制御部は、操作部により動画の再生または逆再生が指示された場合に、記憶部に記憶された複数の第1の画像データに基づいて、第1の表示領域に表示された第1の画像を基準として複数のフレームの画像を順次表示させてもよい。
【0026】
この場合、ユーザは動画の再生および逆再生を指示することができる。動画の再生または逆再生が指示されることにより、記憶部に記憶された複数の第1の画像データに基づいて、第1の表示領域に表示された第1の画像を基準として複数のフレームの画像が順次表示される。これにより、動画を再生または逆再生することができる。したがって、ユーザは、対象物の特定の状態およびその前後の状態を容易に観察することができる。
【0027】
(10)制御部は、記憶部に記憶される複数の評価値に基づいて複数フレームの第1の画像データのうちの予め定められた数以下の数のフレームの第1の画像データを選択してもよい。
【0028】
この場合、選択される第1の画像データのフレーム数は予め定められた数を超えない。これにより、複数の第2の画像を一定以上のサイズで第2の表示領域に表示させることができる。したがって、ユーザは各第2の画像中の対象物の状態を容易に観察することができる。
【0029】
(11)制御部は、複数フレームの第1の画像データ、複数フレームの第1の画像データに対応付けられた複数の評価値、選択された第1の画像データを示すデータおよび選択された第1の画像データに対応する第2の画像データを含む動画ファイルを生成し、生成された動画ファイルを記憶部に記憶させてもよい。
【0030】
この場合、複数フレームの第1の画像データ、複数の評価値、選択された第1の画像データを示すデータおよび第2の画像データを動画ファイルとして一体的に取り扱うことができる。したがって、複数フレームの第1の画像データ、複数の評価値、選択された第1の画像データを示すデータおよび第2の画像データの取り扱いが容易になる。
【0031】
(12)第2の発明に係る画像処理方法は、対象物の動画を構成する複数フレームの第1の画像を表示部の第1の表示領域に表示するための画像処理方法であって、複数フレームの第1の画像を表示するための複数フレームの第1の画像データおよび複数フレームの第1の画像データに対応付けられた複数の評価値を記憶するステップと、記憶された複数の評価値に基づいて複数フレームの第1の画像データのうちの一部のフレームの第1の画像データを選択するステップと、選択されたフレームの第1の画像データに対応する第2の画像データを生成し、生成された第2の画像データに基づく第2の画像を表示部の第2の表示領域に表示させるステップと、第2の表示領域に表示された第2の画像が選択された場合に、選択された第2の画像に対応する第1の画像を表示部の第1の表示領域に表示させるステップとを備え、複数の評価値は対象物の状態に応じて変化する値であり、第2の画像は、対応する第1の画像と等価な画像であるものである。
【0032】
この画像処理方法においては、記憶された複数の評価値に基づいて複数フレームの第1の画像データのうちの一部のフレームの第1の画像データが選択される。複数の評価値は対象物の状態に応じて変化する。そのため、一部のフレームの第1の画像データは対象物の状態に基づいて選択される。選択されたフレームの第1の画像データに対応する第2の画像データが生成される。生成された第2の画像データに基づいて対応する第1の画像と等価な第2の画像が第2の表示領域に表示される。
【0033】
第2の表示領域に表示された第2の画像が選択される。選択された第2の画像に対応する第1の画像が第1の表示領域に表示される。これにより、ユーザは対象物の特定の状態を示す第1の画像を迅速かつ容易に検索することが可能となる。
【0034】
(13)第3の発明に係る画像処理プログラムは、対象物の動画を構成する複数フレームの第1の画像を表示部の第1の表示領域に表示するための画像処理を処理装置に実行させる画像処理プログラムあって、複数フレームの第1の画像を表示するための複数フレームの第1の画像データおよび複数フレームの第1の画像データに対応付けられた複数の評価値を記憶する処理と、記憶された複数の評価値に基づいて複数フレームの第1の画像データのうちの一部のフレームの第1の画像データを選択するステップと、選択されたフレームの第1の画像データに対応する第2の画像データを生成し、生成された第2の画像データに基づく第2の画像を表示部の第2の表示領域に表示させる処理と、第2の表示領域に表示された第2の画像が選択された場合に、選択された第2の画像に対応する第1の画像を表示部の第1の表示領域に表示させる処理とを、処理装置に実行させ、複数の評価値は対象物の状態に応じて変化する値であり、第2の画像は、対応する第1の画像と等価な画像であるものである。
【0035】
この画像処理プログラムにおいては、記憶された複数の評価値に基づいて複数フレームの第1の画像データのうちの一部のフレームの第1の画像データが選択される。複数の評価値は対象物の状態に応じて変化する。そのため、一部のフレームの第1の画像データは対象物の状態に基づいて選択される。選択されたフレームの第1の画像データに対応する第2の画像データが生成される。生成された第2の画像データに基づいて対応する第1の画像と等価な第2の画像が第2の表示領域に表示される。
【0036】
第2の表示領域に表示された第2の画像が選択される。選択された第2の画像に対応する第1の画像が第1の表示領域に表示される。これにより、ユーザは対象物の特定の状態を示す第1の画像を迅速かつ容易に検索することが可能となる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、被写体の特定の状態を示す画像を迅速かつ容易に検索することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】撮影条件の設定時における表示部の表示例を示す図である。
【図3】録画処理中の図1の録画部の記憶状態を示す模式図である。
【図4】録画処理中の図1の録画部の記憶状態の他の例を示す模式図である。
【図5】録画処理中の表示部の表示例を示す図である。
【図6】録画処理終了時の表示部の表示例を示す図である。
【図7】動画データ記憶領域に記憶された複数フレームの画像データと複数フレームの画像データに基づく複数フレームの画像と波形データ記憶領域に記憶された複数の評価値との関係の一例を示す概念図である。
【図8】ファイル記憶処理により生成される動画ファイルの模式図である。
【図9】選択再生処理時における表示部の一表示例を示す図である。
【図10】選択再生処理時における表示部の一表示例を示す図である。
【図11】選択再生処理時における表示部の一表示例を示す図である。
【図12】ファイル記憶処理のフローチャートである。
【図13】選択再生処理のフローチャートである。
【図14】選択再生処理のフローチャートである。
【図15】選択再生処理のフローチャートである。
【図16】選択再生処理時における表示部の他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の一実施の形態に係る画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムについて図面を参照しつつ説明する。後述するように、本実施の形態に係る画像処理装置は表示部を有する。表示部には複数フレームの画像が連続的に表示されることにより動画が表示される。
【0040】
(1)画像処理システムの基本構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像処理システム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理システム100は、画像処理装置1、カメラ2、照明装置3および操作部4を備える。画像処理装置1は、制御部10、表示部20、録画部30、記憶部40、ビデオメモリ50、波形収集部60、バスBSおよび複数のインターフェース(図示せず)を含む。制御部10、表示部20、録画部30、記憶部40、ビデオメモリ50および波形収集部60は、バスBSに接続される。カメラ2、照明装置3および操作部4は、それぞれインターフェースを介してバスBSに接続される。
【0041】
画像処理装置1には、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)5、センサ6および波形収集装置7を接続することができる。波形収集装置7には、センサ8を接続することができる。詳細は後述する。
【0042】
カメラ2は、CCD(電荷結合素子)イメージセンサまたはCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサ等の撮像素子を備える。撮像素子の露光時間(シャッタースピード)および撮影フレームレート等は、ユーザにより操作部4を用いて設定可能である。撮影フレームレートとは、単位時間当たりに取得される画像のフレーム数である。なお、本実施の形態のカメラ2は、15fps(frame per second)以上32000fps以下の撮影フレームレートで被写体Wを撮影することができる。
【0043】
カメラ2により被写体Wが撮影されると、設定された撮影フレームレートで撮像素子により被写体Wの画像が取得され、取得された画像が画像データとして出力される。それにより、複数フレームの画像に対応する複数フレームの画像データがカメラ2から画像処理装置1に与えられる。複数フレームの画像により動画が構成される。以下、複数フレームの画像データを動画データと称する。
【0044】
カメラ2は、照明装置3とともに三脚台等の図示しない支持台に取り付けられる。照明装置3は、メタルハライドランプまたはハイパワーLED(発光ダイオード)等の光源を含む。照明装置3は、被写体Wに光を照射するために用いられる。被写体Wが十分に明るい場合には、照明装置3はなくてもよい。
【0045】
ビデオメモリ50はRAM(ランダムアクセスメモリ)等のメモリからなる。ビデオメモリ50には、カメラ2、録画部30または記憶部40から複数フレームの画像データが順次与えられる。与えられた複数フレームの画像データは順次ビデオメモリ50に記憶される。
【0046】
表示部20は、例えば液晶ディスプレイパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。表示部20には、ビデオメモリ50に順次記憶される複数フレームの画像データに基づいて複数フレームの画像が連続的に表示される。それにより、動画が表示部20に表示される。
【0047】
操作部4は、例えばマウスまたはトラックボール等のポインティングデバイスにより構成される。なお、操作部4は、ポインティングデバイスとともにまたはポインティングデバイスに代えてキーボードにより構成されてもよいし、リモートコントローラまたはタッチパネルにより構成されてもよい。操作部4は、画像処理装置1と一体的に構成されてもよい。
【0048】
録画部30は、例えばRAM等のメモリからなる。録画部30は、複数の画像データからなる動画データを記憶するための動画データ記憶領域および複数の評価値からなる波形データを記憶するための波形データ記憶領域を含む。複数の評価値からなる波形データの詳細は後述する。
【0049】
カメラ2から与えられる複数フレームの画像データ(動画データ)を録画部30の動画データ記憶領域に記憶させることを録画と呼ぶ。ユーザにより操作部4が操作されることにより、カメラ2で撮影される被写体Wの動画が録画される。本実施の形態では、録画処理時に、波形収集部60から与えられる複数の評価値(波形データ)が録画部30の波形データ記憶領域に同時に記憶される。
【0050】
記憶部40は、ハードディスク等の大容量記憶装置からなる。ユーザにより操作部4が操作されることにより、録画部30に記憶された動画データおよび波形データを含む動画ファイルが生成され、生成された動画ファイルが記憶部40に記憶される。また、記憶部40には、本実施の形態に係る画像処理プログラムが記憶される。画像処理プログラムの詳細は後述する。
【0051】
波形収集部60は、複数の評価値からなる波形データを収集し、収集した波形データを録画部30に与える。複数の評価値は、複数フレームの画像中の被写体Wの状態に応じて変化する値である。被写体Wの状態とは、被写体Wの位置、向き、明るさ、大きさ、形状または色等である。
【0052】
評価値は、例えばカメラ2により撮影される被写体Wの各フレームの画像の平均輝度値(各フレームの画像を構成する複数画素の輝度の平均値)である。この場合、波形収集部60は、カメラ2から録画部30に順次与えられる各フレームの画像データに基づいて各フレームの画像の平均輝度値を評価値として順次算出する。順次算出された複数の平均輝度値は、録画部30の波形データ記憶領域に波形データとして記憶される。この場合、複数の評価値は、複数フレームの画像データに同期して得られる。したがって、単位時間当たりの複数の評価値の数は単位時間当たりの複数フレームの画像データの数に等しい。評価値は、各フレームの画像の輝度値の総和であってもよく、各フレームの画像の輝度値の総和と後続するフレームの画像の輝度値の総和との差分であってもよく、各フレーム内の輝度値の分散であってもよい。さらに、評価値は、基準となるフレームの画像の輝度値の総和と各フレームの画像の輝度値の総和との差分であってもよい。
【0053】
波形収集部60は、複数フレームの画像データの取得中におけるセンサ6の出力信号の値を評価値として取得してもよい。この場合、複数の評価値は、複数フレームの画像データと同じ周期または異なる周期で得られる。したがって、単位時間当たりの複数の評価値の数は、単位時間当たりの複数フレームの画像データの数と必ずしも一致しない。複数の評価値が複数フレームの画像データよりも短い周期で得られる場合には、各フレームの画像データに複数の評価値が対応している。複数の評価値が複数フレームの画像データよりも長い周期で得られる場合には、各評価値が複数フレームの画像データに対応している。
【0054】
センサ6が温度センサ、距離センサ、圧力センサ、加速度センサ、または変位センサ等である場合には、測定対象物の温度、距離、圧力、加速度、または変位等の測定値が評価値として波形収集部60により順次取得され、取得された複数の評価値が録画部30の波形データ記憶領域に波形データとして記憶される。
【0055】
さらに、センサ6に代えてマイクが用いられる場合には、音声信号が評価値として波形収集部60により順次取得され、取得された複数の音声信号が録画部30の波形データ記憶領域に波形データとして記憶される。
【0056】
なお、図1において、画像処理装置1に接続される波形収集装置7は、波形収集部60と同じ構成を有する。そのため、画像処理装置1に波形収集装置7が接続される場合には、センサ8の出力信号の値が評価値として波形収集装置7により順次取得され、取得された複数の評価値が録画部30の波形データ記憶領域に波形データとして記憶される。
【0057】
制御部10は、例えばCPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)およびRAMから構成される。制御部10のCPUは、ユーザによる操作部4の操作に基づいてカメラ2、照明装置3および画像処理装置1における他の構成要素の動作を制御する。また、制御部10のCPUは、記憶部40に記憶された画像処理プログラムをRAM上で実行する。ROMにはシステムプログラムが記憶される。
【0058】
(2)画像処理システムの基本動作
図1の画像処理システム100の基本動作について説明する。
【0059】
(2−1)撮影条件の設定
ユーザが操作部4を操作することにより、カメラ2の撮影条件が設定される。図2は、撮影条件の設定時における表示部20の表示例を示す図である。図2に示すように、撮影条件の設定時には、表示部20に画像表示領域Sa、波形表示領域Sb、条件設定領域Scおよび録画ボタンSeが表示される。
【0060】
画像表示領域Saには、ビデオメモリ50に記憶される画像データに基づく画像が表示される。波形表示領域Sbには、波形収集部60により収集される波形データに基づく波形のグラフが表示される。波形のグラフの横軸は時間軸であり、縦軸は評価値を示す。
【0061】
条件設定領域Scには、カメラ2の基本的な撮影条件が表示される。撮影条件として、例えばシャッタースピード、撮影フレームレートおよび解像度をそれぞれ設定するための複数の入力枠Sc1,Sc2,Sc3が表示される。ユーザにより操作部4を用いて入力枠Sc1,Sc2,Sc3にシャッタースピード、撮影フレームレートおよび解像度の値がそれぞれ入力される。入力枠Sc1,Sc2,Sc3にそれぞれ入力された値に基づいて、制御部10によりカメラ2のシャッタースピード、撮影フレームレートおよび解像度が設定される。
【0062】
また、本実施の形態では、例えばユーザにより操作部4が操作されることにより制御部10に後述の録画処理の終了タイミングの基準となるトリガ信号が与えられる。条件設定領域Scには、トリガ信号に基づく制御部10のトリガ設定のための入力枠Sc4,Sc5がさらに表示される。
【0063】
ユーザにより操作部4を用いて入力枠Sc4,Sc5に後述する総録画時間および録画終了時間の値がそれぞれ入力される。入力枠Sc4,Sc5にそれぞれ入力された値に基づいて、制御部10によりトリガ設定が行われる。トリガ設定の詳細を説明する。
【0064】
本実施の形態において、トリガ設定は、1回の録画処理により録画部30に記憶される画像データの記憶時間(以下、総録画時間と呼ぶ。)を定めるとともに、制御部10にトリガ信号が与えられた時点から録画処理が終了するまでの時間(以下、録画終了時間と呼ぶ。)を定めるものである。
【0065】
例えば、総録画時間を30秒とし、録画終了時間を0秒としてトリガ設定が行なわれた場合には、録画が開始された後、制御部10にトリガ信号が与えられた時点で録画処理が終了する。これにより、制御部10にトリガ信号が与えられた時点の30秒前からトリガ信号が与えられた時点までの間に取得された動画データおよび波形データが録画部30に記憶される。
【0066】
一方、総録画時間を30秒とし、録画終了時間を30秒としてトリガ設定が行なわれた場合には、録画が開始された後、制御部10にトリガ信号が与えられた時点から30秒経過した時点で録画処理が終了する。これにより、録画部30には、制御部10にトリガ信号が与えられた時点から30秒経過するまでの間に取得された動画データおよび波形データが録画部30に記憶される。
【0067】
また、総録画時間を30秒とし、録画終了時間を15秒としてトリガ設定が行なわれた場合には、録画が開始された後、制御部10にトリガ信号が与えられた時点から15秒経過した時点で録画処理が終了する。これにより、録画部30には、制御部10にトリガ信号が与えられた時点の15秒前から30秒経過するまでの間に取得された動画データおよび波形データが録画部30に記憶される。
【0068】
なお、トリガ設定として上記の総録画時間が設定される代わりに、録画処理により録画部30に記憶される画像データの総フレーム数が設定されてもよい。また、トリガ設定として上記の録画終了時間が設定される代わりに、トリガ信号が与えられた時点から録画部30に記憶される画像データのフレーム数が設定されてもよい。
【0069】
PLC5から制御部10にトリガ信号が与えられてもよい。この場合、例えばPLC5に予め設定された周期で、またはPLC5に接続される外部機器の特定の動作タイミングに応答して、トリガ信号を制御部10に与えることができる。また、種々のセンサの出力信号がトリガ信号として制御部10に与えられてもよい。
【0070】
ユーザにより操作部4を用いて録画ボタンSeが操作されると、制御部10により後述する録画処理が開始される。
【0071】
(2−2)録画処理
図3は、録画処理中の図1の録画部30の記憶状態を示す模式図である。上述のように、録画部30には、動画データ(複数フレームの画像データ)を記憶するための動画データ記憶領域30Aおよび波形データ(複数の評価値)を記憶するための波形データ記憶領域30Bが設定されている。
【0072】
画像処理装置1においては、図3(a)に示すように、図2の録画ボタンSeが操作されることにより、制御部10により録画処理が開始される。録画処理では、カメラ2から与えられる第1フレームの画像に対応する画像データv1が録画部30の動画データ記憶領域30Aに記憶される。また、波形収集部60から与えられる第1番目の評価値i1が録画部30の波形データ記憶領域30Bに記憶される。
【0073】
続いて、図3(b)に示すように、カメラ2から与えられる第2、第3および第4フレームの画像に対応する画像データv2,v3,v4が録画部30の動画データ記憶領域30Aに順次記憶されるとともに、画像データv1,v2,v3,v4が動画データ記憶領域30A内で順次シフトする。同時に、波形収集部60から与えられる第2番目、第3番目および第4番目の評価値i2,i3,i4が録画部30の波形データ記憶領域30Bに順次記憶されるとともに、評価値i1,i2,i3,i4が波形データ記憶領域30B内で順次シフトする。
【0074】
録画処理時に動画データ記憶領域30Aに記憶される画像データの量が動画データ記憶領域30Aの記憶容量を超える場合には、動画データ記憶領域30Aに最新のフレーム(現在のフレーム)の画像データが新たに記憶されるごとに動画データ記憶領域30Aに記憶されている最も過去のフレームの画像データが削除される。
【0075】
同様に、録画処理時に波形データ記憶領域30Bに記憶される評価値の量が波形データ記憶領域30Bの記憶容量を超える場合には、波形データ記憶領域30Bに最新の評価値が新たに記憶されるごとに波形データ記憶領域30Bに記憶されている最も過去の評価値が削除される。
【0076】
図3(c)の例では、動画データ記憶領域30Aに12個の画像データv1〜v12が記憶されている状態で、さらに2個の画像データv13,v14が順次記憶されることにより、最も過去の画像データv1,v2が順次削除される。また、波形データ記憶領域30Bに12個の評価値i1〜i12が記憶されている状態で、さらに2個の画像の評価値i13,i14が順次記憶されることにより、最も過去の評価値i1,i2が順次削除される。それにより、動画データ記憶領域30Aに画像データv3〜v14が記憶され、波形データ記憶領域30Bに評価値i3〜i14が記憶されている。
【0077】
このように、録画処理中の動画データ記憶領域30Aおよび波形データ記憶領域30Bにおいては、いわゆるリングバッファの形式で動画データおよび波形データが順次記憶される。
【0078】
図3(c)の例では、波形データ記憶領域30Bに記憶される評価値i3〜i14は動画データ記憶領域30Aに記憶される画像データv3〜v14と一対一に対応している。上記のように、複数の評価値が複数フレームの画像データと異なる周期で得られる場合には、波形データ記憶領域30Bに記憶される評価値は動画データ記憶領域30Aに記憶される画像データと一対一に対応していない。
【0079】
図4は、録画処理中の図1の録画部30の記憶状態の他の例を示す模式図である。図4の例では、複数の評価値が複数フレームの画像データよりも短い周期で得られる。そのため、波形データ記憶領域30Bに記憶される評価値i7〜i42は動画データ記憶領域30Aに記憶される画像データv3〜v14と一対一に対応していない。連続する3つの評価値が1フレームの画像データに対応する。例えば、評価値i7,i8,i9が画像データv3に対応し、評価値i10,i11,i12が画像データv4に対応する。
【0080】
複数の評価値が複数フレームの画像データよりも長い周期で得られる場合には、各評価値が複数フレームの画像データに対応する。
【0081】
図5は、録画処理中の表示部20の表示例を示す図である。図5に示すように、録画処理時には図2の録画ボタンSeに代えて、表示部20にトリガボタンSfが表示される。
【0082】
ユーザにより操作部4を用いてトリガボタンSfが操作されると、制御部10にトリガ信号が与えられる。それにより、上述のように、トリガ設定に基づくタイミングで録画処理が終了する。
【0083】
(2−3)ファイル記憶処理
図6は、録画処理終了時の表示部20の表示例を示す図である。図6に示すように、録画処理終了時には図5のトリガボタンSfに代えて、表示部20にファイルボタンSjおよび再生ボタンSgが表示される。
【0084】
ユーザが操作部4を用いてファイルボタンSjを操作することにより、制御部10によりファイル記憶処理が行なわれる。ファイル記憶処理時には、制御部10により、波形データ記憶領域30Bに記憶された波形データに基づいて動画データ記憶領域30Aに記憶された複数フレームの画像データから一部のフレームの画像データが選択される。また、ファイル記憶処理により録画部30に記憶されている動画データおよび波形データを含む動画ファイルが生成され、生成された動画ファイルが図1の記憶部40に記憶される。
【0085】
条件設定領域Scには、上述の入力枠Sc1〜Sc5に加えて、ファイル記憶処理時に選択される画像データのフレーム数の上限値(以下、選択上限数と呼ぶ)を入力するための入力枠Sc6がさらに表示される。入力枠Sc6に入力された値に基づいて、制御部10により選択上限数が設定される。
【0086】
ファイル記憶処理の詳細を具体例とともに説明する。図7は動画データ記憶領域30Aに記憶された複数フレームの画像データと複数フレームの画像データに基づく複数フレームの画像と波形データ記憶領域30Bに記憶された複数の評価値との関係の一例を示す概念図である。
【0087】
図3の録画部30の動画データ記憶領域30Aに図7の画像データv1〜v10が記憶され、波形データ記憶領域30Bに図7の評価値i1〜i10が記憶される。
【0088】
図7の上段に第1〜第5フレームの画像データv1〜v5に対応する画像V1〜V5が左から右へ向かう時間軸に沿って順に示される。図7の下段に第6〜第10フレームの画像データv6〜v10に対応する画像V6〜V10が左から右へ向かう時間軸に沿って順に示される。本例の画像V1〜V10は、ベルトコンベアBCにより所定の間隔をおいて搬送される2つの被写体W1,W2が撮影されることにより得られる。
【0089】
図7において、時間軸は上段の右端から下段の左端につながる。第1〜第10フレームの画像データv1〜v10には、それぞれ第1〜第10番目の評価値i1〜i10が対応付けられる。第1〜第10フレームの画像V1〜V10の下部に第1〜第10番目の評価値i1〜i10により形成される波形のグラフが示される。
【0090】
図7の例では、画像V2,V3,V4,V8,V9,V10にベルトコンベアBCにより搬送される被写体W1,W2の一部または全体が含まれる。本例では、各評価値は、第1フレームの画像の輝度値の総和と各フレームの画像の輝度値の総和との差分である。この場合には、被写体W1,W2の全体を含む画像V3,V9に対応する評価値i3,i9が最も大きくなる。
【0091】
図8は、ファイル記憶処理により生成される動画ファイルの模式図である。上記のファイル記憶処理時においては、例えば、図6の入力枠Sc6に“2”が入力されることにより、制御部10により選択上限数が2に設定される。制御部10は、複数フレームの画像データv1〜v10を録画部30の動画データ記憶領域30Aから取得するとともに複数フレームの画像データv1〜v10にそれぞれ対応する評価値i1〜i10を録画部30の波形データ記憶領域30Bから取得する。
【0092】
制御部10は、取得された評価値の中から予め定められた特徴を示す1または複数の評価値を抽出する。予め定められた特徴は、複数の評価値の大きさの関係に基づいて定められてもよいし、特定のしきい値と複数の評価値の大きさとの関係に基づいて定められてもよい。
【0093】
本例では、複数の評価値のうち最も大きい評価値から大きい順に選択上限数分の評価値が抽出される。これにより、本例では2個の評価値i3,i9が抽出される。
【0094】
続いて、制御部10は、抽出された評価値に対応するフレームの画像データを示すブックマークデータを生成する。本例では2個の評価値i3,i9に対応する画像データv3,v9をそれぞれ示すブックマークデータbd1,bd2が生成される。
【0095】
さらに、制御部10は、ブックマークデータにより示される画像データを特徴画像データとして生成する。本例では、画像データv3,v9に対応する特徴画像データsv3,sv9が生成される。
【0096】
特徴画像データは、対応する画像データに基づく画像(以下、原画像と呼ぶ)に等価な画像を表示部20に表示するためのデータである。原画像に等価な画像とは、当該等価な画像に対応する原画像を特定可能な画像である。例えば、原画像に等価な画像は、原画像を縦方向および横方向に一定の縮小率で縮小することにより得られる縮小画像(以下、サムネイル画像と呼ぶ)、原画像を縦方向および横方向に一定の拡大率で拡大することにより得られる拡大画像、および原画像を縦方向および横方向にそれぞれ異なる拡縮率で拡大または縮小することにより得られる画像等が含まれる。また、原画像に等価な画像は、原画像を傾斜させるとともに拡大または縮小させることにより得られる画像であってもよい。
【0097】
図8に示すように、制御部10は、画像データv1〜v10、評価値i1〜i10およびファイル情報fiを含む動画ファイルFAを生成する。本例では、ファイル情報fiに上述のブックマークデータbd1,bd2および特徴画像データsv3,sv9が含まれる。このようにして生成された動画ファイルFAが記憶部40に記憶される。
【0098】
ファイル情報fiには、例えばファイル名およびデータの保存形式を示す情報等がさらに含まれる。上記の録画処理およびファイル記憶処理が繰り返されることにより、図1の記憶部40内に複数の動画ファイルFA,FB,FC,FDが記憶される。
【0099】
本実施の形態において、上記の動画ファイルはAVI(Audio Video Interleave)、WMV(Windows(登録商標) Media Video)またはMPEG(Moving Picture Experts Group)等のコンテナフォーマットで生成される。この場合、ブックマークデータbd1,bd2および特徴画像データsv3,sv9は、メタデータとして動画ファイルに含まれてもよい。
【0100】
(2−4)録画部再生処理
次に、録画部再生処理について説明する。本実施の形態における録画部再生処理では、主として録画部30に記憶される動画データに基づく複数フレームの画像が表示部20に動画として表示される。
【0101】
録画処理終了後かつファイル記憶処理前に、ユーザにより操作部4を用いて図6の再生ボタンSgが操作されることにより、制御部10により動画データ記憶領域30A内の複数フレームの画像データがビデオメモリ50に順次記憶される。それにより、ビデオメモリ50に順次記憶される画像データに基づく画像が画像表示領域Saに表示される。このようにして、動画データ記憶領域30A内の複数フレームの画像データに基づいて動画が再生される。
【0102】
また、制御部10により波形データ記憶領域30B内の波形データがビデオメモリ50に記憶される。それにより、波形データに基づく波形のグラフが波形表示領域Sbに表示される。
【0103】
(2−5)選択再生処理
次に、選択再生処理について説明する。本実施の形態における選択再生処理では、主として記憶部40に記憶される動画ファイル中の複数フレームの画像データのうちサムネイル画像を用いて選択されたフレームの画像以降の複数フレームの画像が表示部20に動画として表示される。
【0104】
ファイル記憶処理により記憶部40に記憶された複数の動画ファイルにそれぞれ対応するアイコンが図1の表示部20に表示される。この場合、ユーザは、操作部4を用いて表示部20に表示される複数のアイコンのいずれかを選択することにより、記憶部40に記憶された複数の動画ファイルのうち選択された動画ファイルを対象ファイルとして選択することができる。対象ファイルが選択されることにより選択再生処理が開始される。
【0105】
図9〜図11は、選択再生処理時における表示部20の一表示例を示す図である。本例では、ユーザにより操作部4を用いて図8の動画ファイルFAが対象ファイルとして選択される。
【0106】
この場合、図9に示すように、図1の表示部20には、主として画像表示領域Sa、波形表示領域Sb、サムネイル表示領域Sk、再生ボタンTc、一時停止ボタンTd、逆再生ボタンTe、シークバーTfおよび終了ボタンTxが表示される。2つのシークバーTfは、水平方向に移動可能なスライダTgを有する。
【0107】
画像表示領域Saに対象ファイルの各フレームの画像データに基づく画像が表示される。波形表示領域Sbに、対象ファイルの波形データに基づく波形WLのグラフが表示される。波形WLのグラフの横軸は時間軸であり、縦軸は評価値を示す。
【0108】
波形表示領域Sbのグラフ上には、波形WLに交差するように縦軸と平行な現在表示位置バーLが表示される。これにより、選択再生処理時には、画像表示領域Saに現在表示されている画像のフレームに対応する評価値が現在表示位置バーLにより指定される。図9の例では、波形表示領域Sbの時間軸上の時点t1の位置に現在表示位置バーLが表示される。
【0109】
本例では、対象ファイルには、第3フレームの画像データv3を示すブックマークデータbd1および第9フレームの画像データv9を示すブックマークデータbd2が含まれる。
【0110】
この場合、波形表示領域Sbのグラフ上には、2つのブックマークデータbd1,bd2にそれぞれ対応するブックマークバーSL1,SL2が表示される。ブックマークバーSL1,SL2は、それぞれ縦軸と平行であり波形WLに交差する。波形WLにおける画像データv3および画像データv9に対応する位置がブックマークバーSL1,SL2により指定される。図9の例では、波形表示領域Sbの時間軸上の時点t3,t9の位置にブックマークバーSL1,SL2がそれぞれ表示される。
【0111】
サムネイル表示領域Skには、サムネイル画像SV3,SV9が一覧表示される。サムネイル画像SV3,SV9は、それぞれブックマークデータbd1,bd2により示される第3フレームおよび第9フレームの画像データv3,v9に対応する画像V3,V9の縮小画像である。さらに、サムネイル表示領域Skにおいて、サムネイル画像SV3,SV9の下部には、波形表示領域Sbに表示されるブックマークバーSL1,SL2の位置(本例では、時点t3,t9)が表示される。
【0112】
上述のように、シークバーTfは、水平方向に移動可能なスライダTgを有する。スライダTgの位置は、現時点で波形表示領域Sbに表示されている現在表示位置バーLの時間軸上の位置に対応する。
【0113】
図9の例では、シークバーTf上にブックマークデータbd1,bd2にそれぞれ対応するブックマークフラグSF1,SF2が表示される。ブックマークフラグSF1,SF2の位置は、ブックマークデータbd1,bd2によりそれぞれ示される第3フレームおよび第9フレームの画像データv3,v9の時間軸上の位置に対応する。
【0114】
ユーザにより操作部4を用いて再生ボタンTcが操作される。この場合、対象ファイルの動画データに基づいて現時点で表示されている画像以降の複数フレームの画像が画像表示領域Saに順次表示される。それにより、動画が再生される。
【0115】
動画の再生が進むにつれて、現在表示位置バーLが波形表示領域Sbの時間軸上で一方向(本例では、表示部20の画面の左から右)に移動するとともにスライダTgがシークバーTf上で一方向(本例では、表示部20の画面の左から右)に移動する。
【0116】
また、ユーザにより操作部4を用いて逆再生ボタンTeが操作される。この場合、対象ファイルの動画データに基づいて現時点で表示されている画像から時間軸上で再生時と逆方向に複数フレームの画像が画像表示領域Saに順次表示される。それにより、動画が逆再生される。
【0117】
動画の逆再生が進むにつれて、現在表示位置バーLが波形表示領域Sbの時間軸上で他方向(本例では、表示部20の画面の右から左)に移動するとともにスライダTg1がシークバーTf1上で他方向(本例では、表示部20の画面の右から左)に移動する。
【0118】
動画の再生中または逆再生中にユーザにより操作部4を用いて一時停止ボタンTdが操作されることにより、動画の再生または逆再生が一時停止する。また、ユーザが再生ボタンTcを操作し続けることにより、操作が解除されるまで動画が高速で再生される。ユーザが逆再生ボタンTeを操作し続けることにより、操作が解除されるまで動画が高速で逆再生される。
【0119】
ここで、選択再生処理時において、ユーザは操作部4を用いてサムネイル表示領域Skに表示される2つのサムネイル画像SV3,SV9のうち1つおよび波形表示領域Sbに表示されるブックマークバーSL1,SL2のうち1つをそれぞれ選択することができる。
【0120】
図9の例では、画像表示領域Saに第1フレームの画像V1が表示され、波形表示領域Sbの時間軸上の時点t1の位置に現在表示位置バーLが表示され、シークバーTf上の一端部にスライダTgが表示されている。この状態で、ユーザにより操作部4を用いて一方のサムネイル画像SV3が選択される。
【0121】
それにより、図10に示すように、画像表示領域Saに、第1フレームの画像V1に代えてサムネイル画像SV3に対応する第3フレームの画像V3が表示される。また、図10に点線矢印で示すように、波形表示領域Sbの時間軸上で、現在表示位置バーLが時点t1の位置からブックマークバーSL1が位置する時点t3の位置まで移動する。さらに、図10に点線矢印で示すように、シークバーTf上で、スライダTgがシークバーTfの一端部からブックマークフラグSF1の表示位置まで移動する。
【0122】
この状態で、再生ボタンTcが操作されることにより、画像表示領域Saに表示される画像V3以降の複数フレームの画像が画像表示領域Saに順次表示される。一方、逆再生ボタンTeが操作されることにより、画像表示領域Saに表示される画像V3から時間軸上で再生時と逆方向に複数フレームの画像が画像表示領域Saに順次表示される。
【0123】
このようにして、ユーザは、サムネイル画像SV3に対応する画像V3を基準として前後の動画を再生または逆再生することができる。
【0124】
サムネイル表示領域Skに表示される一方のサムネイル画像SV3および波形表示領域Sbに表示される一方のブックマークバーSL1は、それぞれブックマークデータbd1に基づいて表示される。
【0125】
そのため、一方のサムネイル画像SV3が選択される代わりに、ユーザにより一方のブックマークバーSL1が選択される場合にも、画像表示領域Saに表示される画像、波形表示領域Sbの時間軸上の現在表示位置バーLの位置およびシークバーTf上のスライダTgの位置が上記と同様に変更される。
【0126】
さらに、図10の状態で、ユーザにより操作部4を用いて他方のサムネイル画像SV9が選択される。
【0127】
それにより、図11に示すように、画像表示領域Saに、第3フレームの画像V3に代えてサムネイル画像SV9に対応する第9フレームの画像V9が表示される。また、図11に点線矢印で示すように、波形表示領域Sbの時間軸上で、現在表示位置バーLが時点t3の位置からブックマークバーSL2が位置する時点t9の位置まで移動する。さらに、図11に点線矢印で示すように、シークバーTf上で、スライダTgがブックマークフラグSF1の表示位置からブックマークフラグSF2の表示位置まで移動する。
【0128】
この状態で、再生ボタンTcが操作されることにより、画像表示領域Saに表示される画像V9以降の複数フレームの画像が画像表示領域Saに順次表示される。一方、逆再生ボタンTeが操作されることにより、画像表示領域Saに表示される画像V9から時間軸上で再生時と逆方向に複数フレームの画像が画像表示領域Saに順次表示される。
【0129】
これにより、ユーザは、サムネイル画像SV9に対応する画像V9を基準として前後の動画を再生または逆再生することができる。
【0130】
サムネイル表示領域Skに表示される他方のサムネイル画像SV9および波形表示領域Sbに表示される他方のブックマークバーSL2は、それぞれブックマークデータbd2に基づいて表示される。
【0131】
そのため、他方のサムネイル画像SV9が操作される代わりに、ユーザにより他方のブックマークバーSL2が操作される場合にも、画像表示領域Saに表示される画像、波形表示領域Sbの時間軸上の現在表示位置バーLの位置およびシークバーTf上のスライダTgの位置が上記と同様に変更される。
【0132】
選択再生処理時において、ユーザは操作部4を操作することによりシークバーTf上のスライダTgを移動させることができる。例えば、ユーザは、操作部4を用いてシークバーTfのスライダTgを移動させることにより、画像表示領域Saに表示される画像および波形表示領域Sbの時間軸上の現在表示位置バーLの位置を上記と同様に変更することができる。
【0133】
これにより、ユーザは、シークバーTf上のスライダTgをブックマークフラグSF1,SF2の位置に移動させることにより、被写体W1,W2を含む画像V3,V9を容易に画像表示領域Saに表示させることができる。また、画像V3,V9を基準として前後の動画を再生または逆再生することができる。
【0134】
ユーザにより操作部4を用いて図9〜図11の終了ボタンTxが操作されると、選択再生処理が終了する。
【0135】
上記では、図6の入力枠Sc6に“2”が入力される例を説明したが、図6の入力枠Sc6には2以外の自然数が入力されてもよい。例えばnを任意の自然数とした場合に、入力枠Sc6にnが入力されると、制御部10により選択上限数が“n”に設定される。
【0136】
そのため、ファイル記憶処理時には、波形データ記憶領域30Bに記憶された波形データに基づいてn個のフレームの画像データが選択され、選択されたn個のフレームの画像データを示すn個のブックマークデータが生成される。
【0137】
これにより、再生処理時には、n個のブックマークデータにより示されるn個のフレームの画像データに対応するn個のサムネイル画像がサムネイル表示領域Skに表示される。
【0138】
(2−6)ファイル記憶処理フロー
図12は、ファイル記憶処理のフローチャートである。上述のように、ファイル記憶処理は、録画処理終了時に、ユーザにより操作部4を用いて図6のファイルボタンSjが操作されることにより開始される。制御部10は、記憶部40に記憶される画像処理プログラムを実行することによりファイル記憶処理を行う。
【0139】
ファイル記憶処理が開始されることにより、図1の制御部10は、図1の録画部30に記憶された複数の評価値を取得し、取得された複数の評価値の中から予め定められた特徴を示す1または複数の評価値を抽出する(ステップS11)。
【0140】
次に、制御部10は、抽出された評価値に対応するフレームの画像データを示すブックマークデータを生成する(ステップS12)。また、制御部10は、ブックマークデータにより示される画像データに対応する特徴画像データを生成する(ステップS13)。
【0141】
続いて、制御部10は、録画部30に記憶された複数フレームの画像データ、複数の評価値、生成されたブックマークデータおよび生成された特徴画像データを含む動画ファイルを生成し(ステップS14)、生成された動画ファイルを記憶部40に記憶する(ステップS15)。これにより、ファイル記憶処理が終了する。
【0142】
(2−7)選択再生処理フロー
図13〜図15は、選択再生処理のフローチャートである。上述のように、選択再生処理は、ユーザにより操作部4を用いて記憶部40に記憶された複数の動画ファイルから対象ファイルが選択されることにより開始される。制御部10は、記憶部40に記憶される画像処理プログラムを実行することにより選択再生処理を行う。
【0143】
選択再生処理が開始されることにより、図1の制御部10は、対象ファイルの波形データに基づいて波形WL(図9)のグラフを波形表示領域Sbに表示させる(ステップS21)。
【0144】
また、制御部10は、波形表示領域Sbの波形WLのグラフ上で、時間軸の先頭の位置に現在表示位置バーLを表示させる(ステップS22)。
【0145】
また、制御部10は、対象ファイルの先頭のフレームの画像データに基づく画像(現在表示位置バーLにより指定される波形WLの位置に対応するフレームの画像)を画像表示領域Sa(図9)に表示させる(ステップS23)。
【0146】
続いて、制御部10は、対象ファイルのファイル情報fiにブックマークデータbd1,bd2(図8)が存在するか否かを判別する(ステップS31)。ブックマークデータbd1,bd2が存在しない場合、制御部10は、後述するステップS41の処理に進む。
【0147】
一方、ブックマークデータbd1,bd2が存在する場合、制御部10は、ファイル情報fiに含まれる特徴画像データsv3,sv9(図8)に基づいてサムネイル画像をサムネイル表示領域Skに表示させる(ステップS32)。
【0148】
また、制御部10は、ブックマークデータbd1,bd2によりそれぞれ示されるフレームの画像データに対応するシークバーTf上の位置に、それぞれブックマークフラグSF1,SF2を表示させる(ステップS33)。
【0149】
さらに、制御部10は、波形表示領域Sbの波形WLのグラフにおいて、ブックマークデータbd1,bd2によりそれぞれ示されるフレームの画像データに対応する時間軸上の位置に、それぞれブックマークバーSL1,SL2を表示させる(ステップS34)。
【0150】
続いて、制御部10は、図9のサムネイル表示領域Skに一覧表示されるサムネイル画像SV3,SV9のうち1つまたは波形表示領域Sbに表示されるブックマークバーSL1,SL2のうち1つが選択されたか否かを判別する(ステップS41)。サムネイル画像SV3,SV9、およびブックマークバーSL1,SL2のいずれも選択されない場合、制御部10は後述するステップS51の処理に進む。
【0151】
サムネイル画像SV3,SV9のうち1つまたはブックマークバーSL1,SL2のうち1つが選択された場合、制御部10は、選択されたサムネイル画像または選択されたブックマークバーに対応するフレームの画像を画像データに基づいて画像表示領域Saに表示させる(ステップS42)。
【0152】
また、制御部10は、選択されたサムネイル画像または選択されたブックマークバーに対応するブックマークフラグの位置にシークバーTf上でスライダTgを移動させる(ステップS43)。
【0153】
さらに、制御部10は、波形表示領域Sbにおいて、選択されたサムネイル画像または選択されたブックマークバーに対応するブックマークバーの位置に波形WLのグラフの時間軸上で現在表示位置バーLを移動させる(ステップS44)。
【0154】
続いて、制御部10は、図9の再生ボタンTcまたは逆再生ボタンTeの操作により動画の再生または逆再生が指令されたか否かを判別する(ステップS51)。動画の再生および逆再生が指令されない場合、制御部10は、後述するステップS57の処理に進む。
【0155】
動画の再生または逆再生が指令された場合、制御部10は、対象ファイルの動画データに基づく動画を再生または逆再生する(ステップS52)。また、制御部10は、動画の再生または逆再生により画像表示領域Saに表示される画像のフレームに応じてシークバーTf上でスライダTgを移動させ(ステップS53)、波形表示領域Sbの時間軸上で現在表示位置バーLを移動させる(ステップS54)。
【0156】
この状態で、制御部10は、図9の一時停止ボタンTdの操作により再生または逆再生の停止が指令されたか否かを判別する(ステップS55)。再生または逆再生の停止が指令された場合、制御部10は、対象ファイルの動画データに基づく動画の再生または逆再生を停止する(ステップS56)。
【0157】
その後、制御部10は、図9の終了ボタンTxの操作により、選択再生処理の終了が指令されたか否かを判別する(ステップS57)。選択再生処理の終了が指令されることにより、制御部10は、選択再生処理を終了する。一方、選択再生処理の終了が指令されない場合、制御部10は、上記のステップS41の処理に戻る。
【0158】
なお、上述のように、ブックマークデータおよび特徴画像データがメタデータとして動画ファイルに含まれる場合、上記の選択再生処理を実行する機能を有さない画像処理装置1であっても動画の再生および逆再生が可能であるが、表示部20には動画のみが表示される。したがって、波形WLのグラフ、ブックマークバーおよびサムネイル画像は表示部20の画面上に表示されない。
【0159】
(2−8)効果
本実施の形態に係る画像処理装置1においては、選択再生処理時に、対象ファイルが選択されることにより、対象ファイルの複数の評価値i1〜i9(図7)のうち予め定められた特徴を示す評価値i3,i9(図7)が抽出される。抽出された評価値i3,i9に基づいて複数フレームの画像データv1〜v10のうちの一部のフレームの画像データv3,v9が選択される。選択された画像データv3,v9に対応する特徴画像データsv3,sv9が生成される。特徴画像データsv3,sv9に基づくサムネイル画像SV3,SV9がサムネイル表示領域Skに一覧表示される。
【0160】
ここで、評価値は、複数フレームの画像中の被写体Wの状態に応じて変化する。そのため、選択された画像データv3,v9に基づく画像V3,V4は被写体Wの特定の状態を示す。
【0161】
ユーザにより操作部4を用いてサムネイル表示領域Skに表示されたサムネイル画像SV3,SV9のいずれかが選択されると、選択されたサムネイル画像に対応する画像が画像表示領域Saに表示される。この状態で、ユーザは、操作部4を用いて再生ボタンTcを操作することにより、被写体Wの特定の状態を示す動画を迅速かつ容易に再生することができる。
【0162】
また、表示部20の波形表示領域Sbには、複数の評価値i1〜i10により形成される波形WLのグラフが表示される。このグラフの時間軸上には、選択された画像データv3,v9に対応するブックマークバーSL1,SL2が表示される。波形WLにおける画像データv3,v9に対応する位置がブックマークバーSL1,SL2により指定される。
【0163】
これにより、ユーザは、波形WLを視認することにより複数フレームの画像V1〜V10で示される被写体Wの状態を認識することができる。さらに、ユーザにより操作部4を用いてブックマークバーSL1,SL2のうち1つが選択されると、選択されたブックマークバーに対応する画像が画像表示領域Saに表示される。この状態で、ユーザは、操作部4を用いて再生ボタンTcを操作することにより、被写体Wの特定の状態を示す動画を迅速かつ容易に再生することができる。
【0164】
(3)その他
選択再生処理時には、ユーザによる操作部4の操作に基づいて複数フレームの画像データのうちの一部のフレームの画像データが新たに選択されてもよい。この場合、ユーザにより選択された一部のフレームの画像データを示すブックマークデータおよびブックマークデータに対応する特徴画像データが制御部10により生成される。
【0165】
図16は、選択再生処理時における表示部20の他の表示例を示す図である。図16の表示例では、図9〜図11の表示例に対して表示部20にさらにブックマークボタンTyおよびファイルボタンSjが表示される。
【0166】
図9〜図11の表示例で示したように、波形WLのグラフの時間軸上に2つのブックマークバーSL1,SL2が表示され、サムネイル表示領域Skに2つのサムネイル画像SV3,SV9が一覧表示された状態で、ユーザにより操作部4を用いてブックマークボタンTyが操作される。
【0167】
これにより、操作部4により波形WLのグラフの時間軸上の任意の位置またはシークバーTf上の任意の位置が指定可能となる。この状態で、ユーザにより操作部4を用いて波形WLのグラフの時間軸上の例えば時点t6の位置が指定される。
【0168】
この場合、制御部10は、複数フレームの画像データのうちユーザにより指定された時間軸上の位置に対応するフレームの画像データv6を選択し、画像データv6を示すブックマークデータおよびブックマークデータに対応する特徴画像データを生成する。また、制御部10は、波形WLのグラフの時間軸上の時点t6の位置に新たなブックマークバーSL3を表示させる。さらに、制御部10は、生成された特徴画像データに基づいてサムネイル表示領域Skに新たなサムネイル画像SV6を表示させる。
【0169】
この状態で、ユーザにより操作部4を用いてファイルボタンSjが操作されることにより、制御部10は、新たに生成されたブックマークデータおよび特徴画像データをさらに含む動画ファイルを生成し、生成された動画ファイルを記憶部40に記憶する。
【0170】
このように、本例では、ユーザによる操作部4の操作に基づいて、制御部10によりブックマークデータおよび特徴画像データが生成される。この場合、ユーザは、被写体Wの状態によらず所望の画像を迅速かつ容易に検索することが可能となる。
【0171】
(4)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0172】
上記実施の形態においては、被写体Wが対象物の例であり、画像データv1〜v10が複数フレームの第1の画像データの例であり、特徴画像データsv3,sv9が複数フレームの第2の画像データの例であり、画像V1〜V10が複数フレームの第1の画像の例である。
【0173】
また、画像処理装置1が画像処理装置の例であり、評価値i1〜i10が複数の評価値の例であり、記憶部40が記憶部の例であり、画像表示領域Saが第1の表示領域の例であり、サムネイル表示領域Skが第2の表示領域の例であり、表示部20が表示部の例である。
【0174】
さらに、サムネイル画像SV3,SV6,SV9が第2の画像の例であり、制御部10が制御部の例であり、操作部4が操作部の例であり、波形表示領域Sbが第3の表示領域の例であり、波形WLが波形の例であり、ブックマークバーSL1,SL2,SL3が指標の例である。
【0175】
また、センサ6,8および波形収集装置7が検出手段の例であり、選択上限数が予め定められた数の例であり、ブックマークデータbd1,bd2が選択された第1の画像データを示すデータの例であり、動画ファイルFA,FB,FC,FDが動画ファイルの例であり、制御部10が処理装置の例である。
【0176】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本発明は、種々の画像処理に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0178】
1 画像処理装置
2 カメラ
3 照明装置
4 操作部
5 PLC
6,8 センサ
7 波形収集装置
10 制御部
20 表示部
30 録画部
30A 動画データ記憶領域
30B 波形データ記憶領域
40 記憶部
50 ビデオメモリ
60 波形収集部
100 画像処理システム
bd1,bd2 ブックマークデータ
BS バス
FA,FB,FC,FD 動画ファイル
fi ファイル情報
i1〜i42 評価値
L 現在表示位置バー
Sa 画像表示領域
Sb 波形表示領域
Sc 条件設定領域
Sc1〜Sc6 入力枠
Se 録画ボタン
Sf トリガボタン
Sg,Tc 再生ボタン
Sj ファイルボタン
Sk サムネイル表示領域
SL1,SL2,SL3 ブックマークバー
SV3,SV6,SV9 サムネイル画像
sv3,sv9 特徴画像データ
t1〜t10 時点
Td 一時停止ボタン
Te 逆再生ボタン
Tf シークバー
Tg スライダ
Tx 終了ボタン
Ty ブックマークボタン
V1〜V10 画像
v1〜v10 画像データ
W 被写体
WL 波形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の動画を構成する複数フレームの第1の画像を表示するための画像処理装置であって、
前記複数フレームの第1の画像を表示するための複数フレームの第1の画像データおよび前記複数フレームの第1の画像データに対応付けられた複数の評価値を記憶する記憶部と、
第1の表示領域および第2の表示領域を有する表示部と、
前記記憶部に記憶された各フレームの第1の画像データに基づく第1の画像を前記第1の表示領域に表示させ、前記記憶部に記憶される前記複数の評価値に基づいて前記複数フレームの第1の画像データのうちの一部のフレームの第1の画像データを選択し、選択されたフレームの第1の画像データに対応する第2の画像データを生成し、前記生成された第2の画像データに基づく第2の画像を前記第2の表示領域に表示させる制御部と、
前記第2の表示領域に表示された前記第2の画像を選択するためにユーザにより操作される操作部とを備え、
前記複数の評価値は前記対象物の状態に応じて変化する値であり、
前記第2の画像は、対応する第1の画像と等価な画像であり、
前記制御部は、前記操作部により前記第2の画像が選択された場合に、選択された第2の画像に対応する第1の画像を前記第1の表示領域に表示させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の評価値のうち予め定められた特徴を示す評価値に対応するフレームの第1の画像データを選択することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の画像は、対応する第1の画像の縮小画像であることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示部は、第3の表示領域をさらに有し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された複数の評価値により形成される波形を前記第3の表示領域に表示させるとともに、前記第2の表示領域に表示された第2の画像に対応する第1の画像のフレームを特定し、前記波形において前記特定されたフレームの第1の画像に対応する位置を指定する指標を前記第3の表示領域に表示させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記操作部は、前記第3の表示領域に表示された指標を選択可能であり、
前記制御部は、前記操作部により前記第3の表示領域に表示された指標が選択された場合に、前記選択された指標により指定される前記波形の位置に対応する第1の画像のフレームを特定し、特定されたフレームの第1の画像を前記第1の表示領域に表示させることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記複数の評価値は、前記複数フレームの第1の画像の特徴を示す値であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記複数フレームの画像の特徴を示す値は、前記複数フレームの画像の輝度に関する値であることを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記複数の評価値は、対象物の状態の変化に伴って変化する値を検出する検出手段の出力値であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記操作部は、動画の再生および逆再生を指示可能であり、
前記制御部は、前記操作部により動画の再生または逆再生が指示された場合に、前記記憶部に記憶された前記複数の第1の画像データに基づいて、前記第1の表示領域に表示された第1の画像を基準として複数のフレームの画像を順次表示させることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記複数の評価値に基づいて前記複数フレームの第1の画像データのうちの予め定められた数以下の数のフレームの第1の画像データを選択することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記複数フレームの第1の画像データ、前記複数フレームの第1の画像データに対応付けられた複数の評価値、前記選択された第1の画像データを示すデータおよび前記選択された第1の画像データに対応する第2の画像データを含む動画ファイルを生成し、生成された前記動画ファイルを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
対象物の動画を構成する複数フレームの第1の画像を表示部の第1の表示領域に表示するための画像処理方法であって、
前記複数フレームの第1の画像を表示するための複数フレームの第1の画像データおよび前記複数フレームの第1の画像データに対応付けられた複数の評価値を記憶するステップと、
前記記憶された複数の評価値に基づいて前記複数フレームの第1の画像データのうちの一部のフレームの第1の画像データを選択するステップと、
前記選択されたフレームの第1の画像データに対応する第2の画像データを生成し、前記生成された第2の画像データに基づく第2の画像を前記表示部の第2の表示領域に表示させるステップと、
前記第2の表示領域に表示された前記第2の画像が選択された場合に、選択された第2の画像に対応する第1の画像を前記表示部の前記第1の表示領域に表示させるステップとを備え、
前記複数の評価値は前記対象物の状態に応じて変化する値であり、
前記第2の画像は、対応する第1の画像と等価な画像であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
対象物の動画を構成する複数フレームの第1の画像を表示部の第1の表示領域に表示するための画像処理を処理装置に実行させる画像処理プログラムあって、
前記複数フレームの第1の画像を表示するための複数フレームの第1の画像データおよび前記複数フレームの第1の画像データに対応付けられた複数の評価値を記憶する処理と、
前記記憶された複数の評価値に基づいて前記複数フレームの第1の画像データのうちの一部のフレームの第1の画像データを選択するステップと、
前記選択されたフレームの第1の画像データに対応する第2の画像データを生成し、前記生成された第2の画像データに基づく第2の画像を前記表示部の第2の表示領域に表示させる処理と、
前記第2の表示領域に表示された前記第2の画像が選択された場合に、選択された第2の画像に対応する第1の画像を前記表示部の前記第1の表示領域に表示させる処理とを、
前記処理装置に実行させ、
前記複数の評価値は前記対象物の状態に応じて変化する値であり、
前記第2の画像は、対応する第1の画像と等価な画像であることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−99973(P2012−99973A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244702(P2010−244702)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】