説明

画像処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】より小さい回路規模で、処理遅延なく、立体画像の奥行き感を向上させる。
【解決手段】デプスマップ生成部は、動画像のフレームの各画素における被写体の奥行きを表す奥行き情報を生成し、付加情報生成部は、連続するフレーム間の変化に関する付加情報を生成し、読み出し書き込み部は、デプスマップおよび付加情報の、記録媒体への書き込みおよび記録媒体からの読み出しを行い、デプスマップ補正部は、読み出し書き込み部によって読み出される付加情報に基づいて、読み出し書き込み部によって読み出されるデプスマップを補正し、読み出し書き込み部は、デプスマップ補正部によって補正されたデプスマップを記録媒体に上書きする。本技術は、立体画像の奥行き感を表す奥行き情報を生成する画像処理装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、より小さい回路規模で、処理遅延なく、立体画像の奥行き感を向上させることができるようにする画像処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画像の視差情報を生成し、その視差情報に基づいて3次元の動画像を再生する技術がある。
【0003】
さらに、3次元の動画像を再生する際に、視差の分布を表す画像を、3次元の動画像に重畳させるようにした立体画像処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−103820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術においては、生成された視差情報を補正することは行われていない。したがって、再生される動画像においては、生成された視差情報により得られる奥行き感以上の奥行き感を得ることはできなかった。
【0006】
なお、視差情報の補正を行う場合、その補正は、視差情報の生成に対してリアルタイムに、動画像の複数フレームについての視差情報に基づいて行われることになる。
【0007】
しかしながら、この場合、視差情報の補正の分、動画像に対して処理遅延が発生してしまうとともに、複数フレームを保持するためのフレームメモリが必要となり、回路規模が大きくなってしまう。
【0008】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より小さい回路規模で、処理遅延なく、立体画像の奥行き感を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の一側面の画像処理装置は、動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報の、記録媒体への書き込みおよび前記記録媒体からの読み出しを行う読み出し書き込み部と、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記奥行き情報を補正する奥行き情報補正部とを備え、前記読み出し書き込み部は、奥行き情報補正部によって補正された前記奥行き情報を前記記録媒体に上書きする。
【0010】
前記画像処理装置には、前記記録媒体に記録されている前記動画像に基づいて、前記奥行き情報を生成する奥行き情報生成部と、前記記録媒体に記録されている前記動画像に基づいて、前記変化情報を生成する変化情報生成部とをさらに設け、前記読み出し書き込み部には、前記奥行き情報生成部によって生成された前記奥行き情報、および、前記変化情報生成部によって生成された前記変化情報を前記記録媒体に書き込ませることができる。
【0011】
前記変化情報生成部には、注目している注目フレームと、前記注目フレームに隣接する隣接フレームとの間の変化に関する前記変化情報を生成させ、前記奥行き情報補正部には、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記注目フレームについての前記奥行き情報を補正させることができる。
【0012】
前記変化情報生成部には、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の画素の画素値の変化を表す画素値変化情報と、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の前記奥行き情報の変化を表す奥行き情報変化情報とを生成させ、前記奥行き情報補正部には、前記画素値変化情報で表わされる画素値の変化が小さく、前記奥行き情報変化情報で表わされる前記奥行き情報の変化が大きい場合に、前記注目フレームについての前記奥行き情報を、前記隣接フレームについての前記奥行き情報に置き換えさせることができる。
【0013】
前記変化情報生成部には、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の構図の変化を表す構図変化情報と、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の前記奥行き情報の変化を表す奥行き情報変化情報とを生成させ、前記奥行き情報補正部には、前記構図変化情報で表わされる構図の変化と、前記奥行き情報変化情報で表わされる前記奥行き情報の変化とに応じて、前記注目フレームについての前記奥行き情報と前記隣接フレームについての前記奥行き情報との加重平均を、前記注目フレームについての前記奥行き情報とさせることができる。
【0014】
前記変化情報生成部には、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間のシーンの変化を表すシーン変化情報を生成させ、前記奥行き情報補正部には、前記シーン変化情報で表わされるシーンの変化に応じて、前記注目フレームについての前記奥行き情報を補正させることができる。
【0015】
前記変化情報生成部には、前記注目フレームと前記隣接フレームとに基づいて、動きベクトルを前記変化情報として生成させ、前記奥行き情報補正部には、前記動きベクトルに基づいて、前記注目フレームについての前記奥行き情報の動き補償を行わせることができる。
【0016】
前記画像処理装置には、前記記録媒体をさらに設けることができる。
【0017】
前記記録媒体は外付けされるようにすることができる。
【0018】
前記画像処理装置には、前記奥行き情報補正部によって補正された前記奥行き情報に対応する前記変化情報を更新する変化情報更新部をさらに設け、前記読み出し書き込み部には、前記変化情報更新部によって更新された前記変化情報を前記記録媒体に上書きさせることができる。
【0019】
本技術の一側面の画像処理方法は、動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報の、記録媒体への書き込みおよび前記記録媒体からの読み出しを行う読み出し書き込み部と、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記奥行き情報を補正する奥行き情報補正部とを備える画像処理装置の画像処理方法であって、前記画像処理装置が、動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報を前記記録媒体から読み出し、読み出される前記変化情報に基づいて、読み出される前記奥行き情報を補正し、補正された前記奥行き情報を前記記録媒体に上書きするステップを含む。
【0020】
本技術の一側面のプログラムは、動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報を記録媒体から読み出す読み出しステップと、前記読み出しステップの処理によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記読み出しステップの処理によって読み出される前記奥行き情報を補正する奥行き情報補正ステップと、前記奥行き情報補正ステップの処理によって補正された前記奥行き情報を前記記録媒体に上書きする上書きステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0021】
本技術の一側面においては、動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続するフレーム間の変化に関する変化情報が記録媒体から読み出され、読み出される変化情報に基づいて、読み出される奥行き情報が補正され、補正された奥行き情報が記録媒体に上書きされる。
【発明の効果】
【0022】
本技術の一側面によれば、より小さい回路規模で、処理遅延なく、立体画像の奥行き感を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本技術を適用した画像処理装置の一実施の形態の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】デプスマップについて説明する図である。
【図3】デプス値について説明する図である。
【図4】デプスマップ生成処理について説明するフローチャートである。
【図5】デプスマップ最適化処理について説明するフローチャートである。
【図6】デプスマップの時間平滑化の例について説明する図である。
【図7】デプスマップの時間平滑化の他の例について説明する図である。
【図8】本技術を適用したデプスマップの例について説明する図である。
【図9】付加情報生成部の具体的な構成例について説明するブロック図である。
【図10】輝度変化度合情報生成処理について説明するフローチャートである。
【図11】デプスマップ変化度合情報生成処理について説明するフローチャートである。
【図12】デプスマップ最適化処理の具体例について説明するフローチャートである。
【図13】本技術を適用したデプスマップの他の例について説明する図である。
【図14】付加情報生成部の具体的な他の構成例について説明するブロック図である。
【図15】構図変化情報生成処理について説明するフローチャートである。
【図16】オブジェクトの検出および選択について説明する図である。
【図17】デプスマップ最適化処理の他の具体例について説明するフローチャートである。
【図18】本技術を適用した画像処理装置の他の実施の形態の機能構成例を示すブロック図である。
【図19】コンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本技術の実施の形態について図を参照して説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.本技術を適用した画像処理装置の構成
2.デプスマップ生成処理および最適化処理
3.デプスマップ最適化処理の具体例1
4.デプスマップ最適化処理の具体例2
5.本技術を適用した画像処理装置の他の構成
【0025】
<1.本技術を適用した画像処理装置の構成>
図1は、本技術を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成を示している。
【0026】
図1の画像処理装置11は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)レコーダ等として構成され、動画像としてのコンテンツを記録している。
【0027】
図1の画像処理装置11は、デプスマップ生成部31、付加情報生成部32、読み出し書き込み部33、記録媒体34、およびデプスマップ最適化部35から構成される。
【0028】
デプスマップ生成部31は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出されるコンテンツ(動画像)のフレームの各画素における被写体の奥行きを表す奥行き情報として、デプス(Depth)値を求め、1フレーム分のデプス値からなるデプスマップを生成する。
【0029】
例えば、図2に示されるように、コンテンツとして、解像度が1920×1080p(Full HDサイズ)の1フレーム分の映像信号が読み出された場合、デプスマップ生成部31は、映像信号の画素の輝度値Pic_yに対して、所定のフィルタ演算を施し、デプス値Pic_dを求めることを、1フレーム分の映像信号の全画素に対して行うことで、デプスマップを生成する。すなわち、デプスマップは、デプス値を画素値として有する画像ともいえる。
【0030】
ここで、デプス値は、図3に示されるように、視聴者からみた、コンテンツにおける被写体の奥行き感を表す値であり、例えば、視聴者からみて奥側の所定の面をデプス値0の面とし、視聴者からみて最も手前側の表示面をデプス値255の面として、0乃至255の8bitの値で表わされる。なお、デプス値は、被写体の奥行きを相対的に表すものであればよく、10bitの値で表わされてもよいし、視聴者からみて奥側を255とし、手前側を0としてもよい。また、デプス値は、画素の輝度値から求められるようにしたが、画素の色差から求めるようにしてもよい。
【0031】
このようにして生成されたデプスマップは、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれる。
【0032】
付加情報生成部32は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出されるコンテンツ(動画像)の連続するフレーム間の変化に関する情報である付加情報を生成する。生成された付加情報は、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれる。
【0033】
読み出し書き込み部33は、記録媒体34への各種データの書き込みと、記録媒体34からの各種データの読み出しを行う。
【0034】
記録媒体34は、HDDとして構成され、コンテンツ34a、デプスマップ34b、および付加情報34cを記録する。コンテンツ34aは予め記録されており、読み出し書き込み部33によって、適宜、記録媒体34から読み出される。また、デプスマップ34bおよび付加情報34cは、読み出し書き込み部33によって、適宜、記録媒体34に書き込まれたり、記録媒体34から読み出される。
【0035】
デプスマップ最適化部35は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出されるデプスマップおよび付加情報に対して最適化の処理を施す。
【0036】
デプスマップ最適化部35は、デプスマップ補正部51および付加情報更新部52を備えている。デプスマップ補正部51は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出されるデプスマップを、より適したものとなるように補正する。補正されたデプスマップ(補正デプスマップ)は、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれる(上書きされる)。付加情報更新部52は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出される付加情報を、デプスマップ最適化部51によるデプスマップの補正に応じて、更新する。更新された付加情報(更新付加情報)は、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれる(上書きされる)。
【0037】
<2.デプスマップ生成処理および最適化処理>
次に、画像処理装置11によるデプスマップ生成処理および最適化処理について説明する。
【0038】
[デプスマップ生成処理]
まず、図4のフローチャートを参照して、画像処理装置11のデプスマップ生成処理について説明する。
【0039】
ステップS11において、読み出し書き込み部33は、記録媒体34に記録されている動画像としてのコンテンツにおいて、注目している注目フレームと、その注目フレームに隣接する隣接フレームとを読み出し、デプスマップ生成部31および付加情報生成部32に供給する。
【0040】
ステップS12において、デプスマップ生成部31は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出されたコンテンツの注目フレームについて、デプスマップを生成し、読み出し書き込み部33に供給する。
【0041】
ステップS13において、付加情報生成部32は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出されたコンテンツにおける注目フレームと隣接フレームとの間の変化に関する付加情報を生成し、読み出し書き込み部33に供給する。
【0042】
ここで、付加情報としては、フレーム間の画素の画素値(例えば、輝度値等)の変化を表す画素値変化情報、フレーム間のデプスマップの変化を表すデプスマップ変化情報、フレーム間の構図の変化を表す構図変化情報、フレーム間のシーンの変化(シーンチェンジ)を表すシーン変化情報、フレーム間の動きを表す動きベクトル等が生成される。
【0043】
ステップS14において、読み出し書き込み部33は、デプスマップ生成部31からのデプスマップ、および、付加情報生成部32からの付加情報を、注目フレームのデプスマップおよび付加情報として、記録媒体34に書き込む。
【0044】
ステップS15において、読み出し書き込み部33は、記録媒体34のコンテンツ34aの全てのフレームについて、上述した処理を行ったか否かを判定する。
【0045】
ステップS15において、全てのフレームについて処理を行っていないと判定された場合、処理はステップS11に戻り、ステップS11乃至S15の処理が繰り返される。
【0046】
一方、ステップS15において、全てのフレームについて処理を行ったと判定された場合、処理は終了する。
【0047】
以上のようにして、デプスマップおよび付加情報が生成され、コンテンツが記録されている記録媒体34に記録されるようになる。
【0048】
[デプスマップ最適化処理]
次に、図5のフローチャートを参照して、画像処理装置11のデプスマップ最適化処理について説明する。
【0049】
ステップS21において、読み出し書き込み部33は、注目フレームのデプスマップおよび付加情報を記録媒体34から読み出し、デプスマップ最適化部35に供給する。
【0050】
ステップS22において、デプスマップ補正部51は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出された付加情報に基づいて、デプスマップを補正する。
【0051】
ここで、付加情報が、画素値変化情報とデプスマップ変化情報とからなる場合、デプスマップ補正部51は、画素値変化情報で表わされるフレーム間の画素値の変化と、デプスマップ変化情報で表わされるフレーム間のデプスマップの変化とに応じて、デプスマップを、より適したものとなるように補正する。
【0052】
また、付加情報が、構図変化情報とデプスマップ変化情報とからなる場合、デプスマップ補正部51は、構図変化情報で表わされるフレーム間の構図の変化と、デプスマップ変化情報で表わされるフレーム間のデプスマップの変化とに応じて、デプスマップを、より適したものとなるように補正する。
【0053】
さらに、付加情報が、シーン変化情報からなる場合、デプスマップ補正部51は、シーン変化情報で表わされるフレーム間のシーンの変化に応じて、デプスマップを、より適したものとなるように補正する。
【0054】
また、付加情報が、動きベクトルからなる場合、デプスマップ補正部51は、動きベクトルに基づいて、デプスマップに対して、より適したものとなるように動き補償を行う。
【0055】
このようにして補正されたデプスマップは、読み出し書き込み部33に供給される。
【0056】
ステップS23において、付加情報更新部52は、デプスマップ補正部51により補正されたデプスマップに応じて、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出された付加情報を更新する。更新された付加情報は、読み出し書き込み部33に供給される。
【0057】
ステップS24において、読み出し書き込み部33は、デプスマップ生成部31からの補正されたデプスマップ(補正デプスマップ)、および、付加情報生成部32からの更新された付加情報(更新付加情報)を、注目フレームのデプスマップおよび付加情報として、記録媒体34に書き込む(上書きする)。
【0058】
ステップS25において、読み出し書き込み部33は、記録媒体34のコンテンツ34aの全てのフレームのデプスマップおよび付加情報について、上述した処理を行ったか否かを判定する。
【0059】
ステップS25において、全てのフレームについて処理を行っていないと判定された場合、処理はステップS21に戻り、ステップS21乃至S25の処理が繰り返される。
【0060】
一方、ステップS25において、全てのフレームについて処理を行ったと判定された場合、処理は終了する。
【0061】
以上の処理によれば、予め生成された付加情報に基づいて、予め生成されたデプスマップが、より適したものとなるように補正される。したがって、そのデプスマップに基づいて生成される立体画像において、最初に生成されたデプスマップにより得られる奥行き感以上の奥行き感を得ることが可能となる。また、デプスマップは、コンテンツが記録されている記録媒体に記録されているので、その補正は、デプスマップの生成に対してリアルタイムではなく、記録媒体から読み出されて行われ、また、コンテンツのフレームを保持するフレームメモリを必要としない。これにより、より小さい回路規模で、処理遅延なく、立体画像の奥行き感を向上させることが可能となる。
【0062】
なお、上述したデプスマップ最適化処理が繰り返されることで、デプスマップは一層最適化されるようになる。
【0063】
ところで、従来の技術によって、フレーム毎にデプスマップを生成する場合、ノイズ等の影響により、誤ったデプスマップが生成されることがある。このような場合、その誤りを補正するために、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタ等を用いた時間平滑化が行われていた。
【0064】
図6は、デプスマップの時間平滑化の例について説明する図である。
【0065】
図6においては、最上段に、動画像の1乃至Nフレームが示されており、上から2段目に、それぞれのフレームにおけるラインLについての理想的なデプスマップが示されている。しかしながら、実際のデプスマップにおいては、例えばノイズ等の影響により、図6の上から3段目に示されるように、2フレーム目のデプスマップに誤りが生じてしまう。そこで、デプスマップに対して時間平滑化を行うことにより、図6の最下段に示されるように、2フレーム目のデプスマップの誤りを補正することが可能となる。
【0066】
しかしながら、デプスマップに対して時間平滑化を行った場合、時間平滑化の処理時間分だけ遅延が生じてしまい、リアルタイムに入力される画像とデプスマップとの間に時間的なずれが発生してしまっていた。
【0067】
図7は、デプスマップの時間平滑化の他の例について説明する図である。
【0068】
図7においては、最上段に、動画像の1乃至Nフレームが示されており、上から2段目に、それぞれのフレームにおけるラインLについてのデプスマップが示されている。また、図7の最下段には、時間平滑化を行ったデプスマップが示されている。
【0069】
図7に示されるように、時間平滑化を行った場合、そのデプスマップにおいては、Delayが発生し、時間平滑化の結果が即反映されず、デプスマップの変化が遅くなってしまう。特に、図7の例では、Nフレーム目でシーンが切り替わり、被写体が、フレームの左側にいる人Aから、フレームの右側にいる人Bに変わっているが、時間平滑化を行ったデプスマップは、このシーンの切り替わりにも追従できない。
【0070】
一方、本技術によれば、コンテンツおよびデプスマップは記録媒体に記録されているので、コンテンツ全体を通して、フレームの変化およびデプスマップの変化は既知である。したがって、図8に示されるように、例えば2フレーム目で誤ったデプスマップが生成された場合であっても、誤ったデプスマップを採用せず、その前後のフレーム(1,3フレーム目)のデプスマップに基づいて補正された適切なデプスマップを採用することができ、さらに、時間的なずれ(Delay)も発生しないようにできる。
【0071】
<3.デプスマップ最適化処理の具体例1>
ここで、上述したような、時間的にずれがなく安定したデプスマップを得るための具体的な構成および処理について説明する。本具体例においては、付加情報として、フレーム間の画素の輝度値の変化を表す情報、および、フレーム間のデプスマップの変化を表す情報とが生成されるものとする。
【0072】
[付加情報生成部の具体的な構成例]
まず、図9を参照して、付加情報生成部の具体的な構成例について説明する。
【0073】
図9の付加情報生成部121は、フィルタ演算・コアリング処理部131、差分算出部132、カウント処理部133、輝度変化度合情報生成部134、フィルタ演算・コアリング処理部141、差分算出部142、カウント処理部143、およびデプスマップ変化度合情報生成部144から構成される。
【0074】
フィルタ演算・コアリング処理部131は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出されるコンテンツの連続するフレームの画素の輝度値に対して、特定の成分を抽出したり、ノイズを除去するために、所定のフィルタ演算を行ったり、コアリング処理を行い、差分算出部132に供給する。
【0075】
差分算出部132は、フィルタ演算・コアリング処理部131からの連続するフレームの画素毎に、輝度値の差分(フレーム差分)を算出し、カウント処理部133に供給する。
【0076】
カウント処理部133は、差分算出部132からの画素毎のフレーム差分値について、所定の閾値より大きいフレーム差分値の数をカウントし、そのカウント値を輝度変化度合情報生成部134に供給する。
【0077】
輝度変化度合情報生成部134は、カウント処理部133からのカウント値に応じて、連続するフレーム間の輝度値の変化の度合を表す輝度変化度合情報Ycを生成する。具体的には、輝度変化度合情報生成部134は、連続するフレーム間の輝度値が大きく変化した場合、Yc=2とし、連続するフレーム間の輝度値がやや変化した場合、Yc=1とし、連続するフレーム間の輝度値がほとんど変化しなかった場合、Yc=0とする輝度変化度合情報を生成する。生成された輝度変化度合情報は、付加情報の1つとして、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれる。
【0078】
フィルタ演算・コアリング処理部141は、デプスマップ生成部31から、連続するフレームについてのデプスマップを取得し、それぞれのデプスマップのデプス値に対して、特定の成分を抽出したり、ノイズを除去するために、所定のフィルタ演算を行ったり、コアリング処理を行い、差分算出部142に供給する。
【0079】
差分算出部132は、フィルタ演算・コアリング処理部131からの連続するデプスマップの画素毎に、デプス値の差分(フレーム差分)を算出し、カウント処理部143に供給する。
【0080】
カウント処理部143は、差分算出部142からの画素毎のフレーム差分値について、所定の閾値より大きいフレーム差分値の数をカウントし、そのカウント値をデプスマップ変化度合情報生成部144に供給する。
【0081】
デプスマップ変化度合情報生成部144は、カウント処理部143からのカウント値に応じて、連続するフレーム間のデプスマップの変化の度合を表すデプスマップ変化度合情報Dcを生成する。具体的には、デプスマップ変化度合情報生成部144は、連続するフレーム間のデプスマップが大きく変化した場合、Dc=2とし、連続するフレーム間のデプスマップがやや変化した場合、Dc=1とし、連続するフレーム間のデプスマップがほとんど変化しなかった場合、Dc=0とするデプスマップ変化度合情報を生成する。生成されたデプスマップ変化度合情報は、付加情報の1つとして、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれる。
【0082】
[輝度変化度合情報生成処理]
次に、図10のフローチャートを参照して、付加情報生成部121の輝度変化度合情報生成処理について説明する。図10の輝度変化度合情報生成処理は、記録媒体34から読み出されるコンテンツの連続する2フレーム、具体的には、記録媒体34から読み出されるコンテンツのうちの注目フレームと、注目フレームより時間的に前の前フレームとに対して実行される。
【0083】
ステップS111において、フィルタ演算・コアリング処理部131は、注目フレームおよび前フレームそれぞれの輝度信号(輝度値)に対して、所定のフィルタ演算を行ったり、コアリング処理を行い、差分算出部132に供給する。
【0084】
ステップS112において、差分算出部132は、フィルタ演算・コアリング処理部131からの注目フレームおよび前フレームの画素毎に、輝度値の差分(フレーム差分)を算出し、カウント処理部133に供給する。
【0085】
ステップS113において、カウント処理部133は、差分算出部132からの画素毎のフレーム差分値について、所定の閾値より大きいフレーム差分値の数をカウントし、そのカウント値を輝度変化度合情報生成部134に供給する。
【0086】
ステップS114において、輝度変化度合情報生成部134は、カウント処理部133からのカウント値が、第1の閾値th_1より大きいか否かを判定する。
【0087】
ステップS114において、カウント処理部133からのカウント値が、第1の閾値th_1より大きいと判定された場合、処理はステップS115に進み、輝度変化度合情報生成部134は、輝度変化度合情報Yc=2とする。
【0088】
一方、ステップS114において、カウント処理部133からのカウント値が、第1の閾値th_1より大きくないと判定された場合、処理はステップS116に進み、輝度変化度合情報生成部134は、カウント処理部133からのカウント値が、第1の閾値th_1より小さい、第2の閾値th_2より大きいか否かを判定する。
【0089】
ステップS116において、カウント処理部133からのカウント値が、第2の閾値th_2より大きいと判定された場合、処理はステップS117に進み、輝度変化度合情報生成部134は、輝度変化度合情報Yc=1とする。
【0090】
一方、ステップS116において、カウント処理部133からのカウント値が、第2の閾値th_2より大きくないと判定された場合、処理はステップS118に進み、輝度変化度合情報生成部134は、輝度変化度合情報Yc=0とする。
【0091】
上述した処理が、記録媒体34に記録されているコンテンツの各フレームを注目フレームとして実行されることで、記録媒体34に記録されているコンテンツの各フレームについての輝度変化度合情報が、付加情報の1つとして、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれるようになる。
【0092】
[デプスマップ変化度合情報生成処理]
次に、図11のフローチャートを参照して、付加情報生成部121のデプスマップ変化度合情報生成処理について説明する。図11のデプスマップ変化度合情報生成処理は、デプスマップ生成部31から取得される、注目フレームと前フレームそれぞれについてのデプスマップに対して実行される。
【0093】
ステップS131において、フィルタ演算・コアリング処理部141は、注目フレームおよび前フレームそれぞれについてのデプスマップのデプス値に対して、所定のフィルタ演算を行ったり、コアリング処理を行い、差分算出部142に供給する。
【0094】
ステップS132において、差分算出部142は、フィルタ演算・コアリング処理部141からの注目フレームおよび前フレームについてのデプスマップの画素毎に、デプス値の差分(フレーム差分)を算出し、カウント処理部143に供給する。
【0095】
ステップS133において、カウント処理部143は、差分算出部142からの画素毎のフレーム差分値について、所定の閾値より大きいフレーム差分値の数をカウントし、そのカウント値をデプスマップ変化度合情報生成部144に供給する。
【0096】
ステップS134において、デプスマップ変化度合情報生成部144は、カウント処理部143からのカウント値が、第1の閾値th_1より大きいか否かを判定する。
【0097】
ステップS134において、カウント処理部143からのカウント値が、第1の閾値th_1より大きいと判定された場合、処理はステップS135に進み、デプスマップ変化度合情報生成部144は、デプスマップ変化度合情報Dc=2とする。
【0098】
一方、ステップS134において、カウント処理部143からのカウント値が、第1の閾値th_1より大きくないと判定された場合、処理はステップS136に進み、デプスマップ変化度合情報生成部144は、カウント処理部133からのカウント値が、第1の閾値th_1より小さい、第2の閾値th_2より大きいか否かを判定する。
【0099】
ステップS136において、カウント処理部143からのカウント値が、第2の閾値th_2より大きいと判定された場合、処理はステップS137に進み、デプスマップ変化度合情報生成部144は、デプスマップ変化度合情報Dc=1とする。
【0100】
一方、ステップS136において、カウント処理部143からのカウント値が、第2の閾値th_2より大きくないと判定された場合、処理はステップS138に進み、デプスマップ変化度合情報生成部144は、デプスマップ変化度合情報Dc=0とする。
【0101】
上述した処理が、記録媒体34に記録されているコンテンツの各フレームを注目フレームとして実行されることで、記録媒体34に記録されているコンテンツの各フレームについてのデプスマップ変化度合情報が、付加情報の1つとして、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれるようになる。
【0102】
[デプスマップ最適化処理の具体例]
次に、図12のフローチャートを参照して、上述した輝度変化度合情報生成処理によって求められた輝度変化度合情報、および、デプスマップ変化度合情報生成処理によって求められたデプスマップ変化度合情報を付加情報としたときの、画像処理装置11によるデプスマップ最適化処理の具体例について説明する。なお、以下においては、コンテンツを構成する0乃至Nフレームにおける注目フレームをnフレームとする。
【0103】
ステップS151において、画像処理装置11は、n=1とし、注目フレームを1フレーム目とする。
【0104】
ステップS152において、読み出し書き込み部33は、記録媒体34からn−1,nフレーム目のデプスマップ、nフレーム目の輝度変化度合情報Yc、およびnフレーム目のデプスマップ変化度合情報Dcを読み出し、デプスマップ最適化部35に供給する。
【0105】
ステップS153において、デプスマップ補正部51は、輝度変化度合情報Yc=2であるか否かを判定する。輝度変化度合情報Yc=2でないと判定された場合、処理はステップS154に進む。
【0106】
ステップS154において、デプスマップ補正部51は、デプスマップ変化度合情報Dc=2であるか否かを判定する。デプスマップ変化度合情報Dc=2でないと判定された場合、処理はステップS155に進む。
【0107】
ステップS155において、デプスマップ補正部51は、n−1フレーム目のデプスマップとnフレーム目のデプスマップのうちの、nフレーム目のデプスマップを選択し、読み出し書き込み部33に供給する。
【0108】
ステップS156において、読み出し書き込み部33は、デプスマップ補正部51からのnフレーム目のデプスマップを、注目フレームのデプスマップとして、記録媒体34に書き込み(上書きし)、ステップS160に進む。
【0109】
すなわち、注目フレームについて、前フレームからの輝度値の変化の度合が小さく、かつ、デプスマップの変化の度合が小さい場合、注目フレームのデプスマップは誤っていないとされ、注目フレームは補正されない。
【0110】
一方、ステップ154において、デプスマップ変化度合情報Dc=2であると判定された場合、処理はステップS157に進む。
【0111】
ステップS157において、デプスマップ補正部51は、n−1フレーム目のデプスマップとnフレーム目のデプスマップのうちの、n−1フレーム目のデプスマップを選択し、読み出し書き込み部33に供給する。
【0112】
ステップS158において、付加情報更新部52は、nフレーム目のデプスマップ変化度合情報Dc=2をDc=0に更新し、読み出し書き込み部33に供給する。
【0113】
ステップS159において、読み出し書き込み部33は、デプスマップ補正部51が選択したn−1フレーム目のデプスマップ、および、付加情報更新部52が更新したデプスマップ変化度合情報Dcを、注目フレームのデプスマップおよびデプスマップ変化度合情報として、記録媒体34に書き込み(上書きし)、ステップS160に進む。
【0114】
すなわち、注目フレームについて、前フレームからの輝度値の変化の度合が小さいにもかかわらず、デプスマップの変化の度合が大きい場合、注目フレームのデプスマップは誤っているとされ、注目フレームのデプスマップは、前フレームのデプスマップに置き換えられる。また、デプスマップ変化度合情報は、デプスマップの変化の度合が小さいことを表すように更新される。
【0115】
また、ステップS153において、輝度変化度合情報Yc=2であると判定された場合、ステップS154はスキップされ、ステップS155に進む。
【0116】
すなわち、注目フレームについて、前フレームからの輝度値の変化の度合が大きい場合には、デプスマップの変化の度合にかかわらず、注目フレームのデプスマップは誤っていないとされ、注目フレームは補正されない。
【0117】
さて、ステップS160において、画像処理装置11は、n=Nであるか否か、すなわち、注目フレームが最終フレームであるか否かを判定する。n=Nでないと判定されると、ステップS161において、画像処理装置11は、n=n+1として、処理はステップS152に戻る。すなわち、注目フレームの次のフレームを注目フレームとして、ステップS152乃至S160の処理が繰り返される。
【0118】
一方、ステップS160において、n=Nであると判定された場合、処理は終了する。
【0119】
以上の処理によれば、注目フレームについて、前フレームからの輝度値の変化の度合が小さいにもかかわらず、デプスマップの変化の度合が大きい場合、注目フレームのデプスマップは誤っているとされ、前フレームのデプスマップに置き換えられるようになる。したがって、誤ったデプスマップを採用せず、適切なデプスマップを採用することができるようになる。また、コンテンツおよびデプスマップは記録媒体に記録されているので、コンテンツ全体を通して、フレームの変化およびデプスマップの変化は既知であり、時間平滑化を行う必要もないので、時間的なずれもなく、安定したデプスマップを得ることができるようになる。
【0120】
なお、上述した処理においては、誤っているとされた注目フレームのデプスマップが、前フレームのデプスマップに置き換えられるものとしたが、記録媒体には全てのフレームについてのデプスマップが記録されているので、時間的に後の後フレームのデプスマップに置き換えられるようにしてもよい。
【0121】
また、以上においては、注目フレームのデプスマップが誤っているとされた場合、隣接(前後)フレームのデプスマップに置き換えられるようにしたが、注目フレームと隣接フレームとの間でシーンが変わった(シーンチェンジした)時に、対応するフレームのデプスマップの変化を緩やかにしたり、激しくするようにしてもよい。
【0122】
例えば、図13の上段に示されるように、被写体として、人Aが手前側にいて、人Bが奥側にいるシーン1のフレームから、人Aが奥側にいて、人Bが手前側にいるシーン2のフレームに、シーンチェンジした場合、それぞれのフレームについてのデプスマップは、図13の中段に示されるように変化する。
【0123】
そこで、本技術によれば、シーンチェンジした場合に、図13の下段に示されるように、シーンチェンジ後のシーン2のフレームのデプスマップを、破線で示されるデプスマップd1としたり、一点鎖線で示されるデプスマップd2とすることで、シーンチェンジ前後のデプスマップの変化を緩やかにしたり、激しくするようにすることができる。
【0124】
<4.デプスマップ最適化処理の具体例2>
ここで、上述したような、シーンチェンジ前後のデプスマップの変化を緩やかにしたり、激しくするようにするための具体的な構成および処理について説明する。本具体例においては、付加情報として、フレーム間の構図の変化を表す情報、および、フレーム間のデプスマップの変化を表す情報とが生成されるものとする。
【0125】
[付加情報生成部の具体的な構成例]
まず、図14を参照して、付加情報生成部の具体的な構成例について説明する。
【0126】
なお、図14の付加情報生成部211において、図9の付加情報生成部121に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は、適宜省略するものとする。
【0127】
すなわち、図14の付加情報生成部211において、図9の付加情報生成部121と異なるのは、フィルタ演算・コアリング処理部131、差分算出部132、カウント処理部133、および輝度変化度合情報生成部134に代えて、オブジェクト検出部231、オブジェクト選択部232、構図解析部233、および構図変化情報生成部234を設けた点である。
【0128】
オブジェクト検出部231は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出されるコンテンツのフレームにおいて、被写体としてのオブジェクトを検出し、そのフレームにおけるオブジェクトの位置や大きさに関する情報を、オブジェクト選択部232に供給する。
【0129】
オブジェクト選択部232は、オブジェクト検出部231からのオブジェクトの位置や大きさに関する情報に基づいて、そのフレームにおいて、注目すべき注目オブジェクトを選択し、注目オブジェクトを表す情報を、構図解析部233に供給する。
【0130】
構図解析部233は、オブジェクト選択部232からの情報に基づいて、そのフレームの構図を解析し、解析結果を表す構図情報を、構図変化情報生成部234に供給する。
【0131】
構図変化情報生成部234は、構図解析部233から1フレーム分ずつ供給される構図情報の連続する2フレーム分について、その差分を求めることで、構図変化情報を生成する。生成された構図変化情報は、付加情報の1つとして、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれる。
【0132】
[構図変化情報生成処理]
次に、図15のフローチャートを参照して、付加情報生成部211の構図変化情報生成処理について説明する。図15の構図変化情報生成処理は、記録媒体34から読み出されるコンテンツの各フレームに対して実行される。
【0133】
ステップS211において、オブジェクト検出部231は、読み出し書き込み部33によって記録媒体34から読み出されるコンテンツの注目フレームにおいて、オブジェクトを検出し、そのフレームにおけるオブジェクトの位置や大きさに関する情報を、オブジェクト選択部232に供給する。
【0134】
ステップS212において、オブジェクト選択部232は、オブジェクト検出部231からの情報に基づいて、注目フレームにおいて、注目オブジェクトを選択し、注目オブジェクトを表す情報を、構図解析部233に供給する。
【0135】
例えば、図16の左側に示されるように、オブジェクト検出部231によって、5つのオブジェクトA,B,O1,O2,O3が検出された場合、オブジェクト選択部232によって、図16の右側に示されるように、そのフレームにおいて占める面積が一番大きいオブジェクトAと、2番目に大きいオブジェクトBとが選択される。
【0136】
ステップS213において、構図解析部233は、オブジェクト選択部232からの情報に基づいて、そのフレームの構図を解析し、解析結果としての構図情報を構図変化情報生成部234に供給する。
【0137】
例えば、構図解析部233は、解析対象のフレームの構図を、予め用意されており、類似するものほど近い値のインデックスが付与されている複数の構図パターンと比較し、解析結果のフレームの構図に最も類似する構図パターンのインデックスを、構図情報として構図変化情報生成部234に供給する。
【0138】
また、例えば、構図解析部233は、解析結果のフレームを複数の領域に分割し、分割された各領域における注目オブジェクトの有無を表す情報を、構図情報として構図変化情報生成部234に供給する。
【0139】
ステップS214において、構図変化情報生成部234は、構図解析部233からの注目フレームの構図情報と前フレームの構図情報との差分を、構図変化情報Ccとして生成する。
【0140】
例えば、構図情報が、構図パターンのインデックスである場合、注目フレームのインデックスの値と、前フレームのインデックスの値との差の絶対値が、構図変化情報Ccとされる。
【0141】
また、例えば、構図情報が、フレームが分割された各領域における注目オブジェクトの有無を表す情報である場合、注目フレームと前フレームとで、注目オブジェクトの有無が一致する領域の数が、構図変化情報Ccとされる。
【0142】
すなわち、構図変化情報Ccは、その値が大きいほど、注目フレームと前フレームとの間の構図の変化が大きいことを示している。
【0143】
上述した処理が、記録媒体34に記録されているコンテンツの各フレームを注目フレームとして実行されることで、記録媒体34に記録されているコンテンツの各フレームについての構図変化情報が、付加情報の1つとして、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれるようになる。
【0144】
[デプスマップ変化度合情報生成処理]
なお、付加情報生成部211のデプスマップ変化度合情報生成処理は、図11のフローチャートを参照して説明した、付加情報生成部121のデプスマップ変化度合情報生成処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0145】
すなわち、付加情報生成部211のデプスマップ変化度合情報生成処理が、記録媒体34に記録されているコンテンツの各フレームを注目フレームとして実行されることで、記録媒体34に記録されているコンテンツの各フレームについてのデプスマップ変化度合情報が、付加情報の1つとして、読み出し書き込み部33によって、記録媒体34に書き込まれるようになる。
【0146】
[デプスマップ最適化処理の具体例]
次に、図17のフローチャートを参照して、上述した構図変化情報生成処理によって求められた構図変化情報、および、デプスマップ変化度合情報生成処理によって求められたデプスマップ変化度合情報を付加情報としたときの、画像処理装置11によるデプスマップ最適化処理の具体例について説明する。なお、以下においては、コンテンツを構成する0乃至Nフレームにおける注目フレームをnフレームとする。
【0147】
ステップS231において、画像処理装置11は、n=1とし、注目フレームを1フレーム目とする。
【0148】
ステップS232において、読み出し書き込み部33は、記録媒体34からn−1,nフレーム目のデプスマップ、nフレーム目の構図変化情報Cc、およびnフレーム目のデプスマップ変化度合情報Dcを読み出し、デプスマップ最適化部35に供給する。
【0149】
ステップS233において、デプスマップ補正部51は、構図変化情報Ccが所定の閾値Cthより大きいか否かを判定する。構図変化情報Ccが所定の閾値Cthより大きくないと判定された場合、処理はステップS234に進む。
【0150】
ステップS234において、デプスマップ補正部51は、デプスマップ変化度合情報Dc=2であるか否かを判定する。デプスマップ変化度合情報Dc=2でないと判定された場合、処理はステップS235に進む。
【0151】
ステップS235において、デプスマップ補正部51は、n−1フレーム目のデプスマップとnフレーム目のデプスマップのうちの、nフレーム目のデプスマップを選択し、読み出し書き込み部33に供給する。
【0152】
ステップS236において、読み出し書き込み部33は、デプスマップ補正部51からのnフレーム目のデプスマップを、注目フレームのデプスマップとして、記録媒体34に書き込み(上書きし)、ステップS243に進む。
【0153】
すなわち、注目フレームについて、前フレームからの構図の変化が小さく、かつ、デプスマップの変化の度合が小さい場合、注目フレームのデプスマップは補正されない。
【0154】
一方、ステップS234において、デプスマップ変化度合情報Dc=2であると判定された場合、処理はステップS237に進む。
【0155】
ステップS237において、デプスマップ補正部51は、n−1フレーム目のデプスマップとnフレーム目のデプスマップの加重平均を求め、nフレーム目のデプスマップとする。
【0156】
具体的には、n−1フレーム目のデプスマップのデプス値Pic_d(n-1)、および、nフレーム目のデプスマップのデプス値Pic_d(n)に対して、デプスマップ補正部51は、画素毎に、以下の式(1)で示される演算を行う。
【0157】
Pic_d(n)×α+Pic_d(n-1)×(1−α) ・・・(1)
【0158】
なお、αは、0≦α≦1の範囲で設定される値とされ、ここでは0に近い値に設定される。
【0159】
これにより、式(1)で与えられるデプス値の加重平均は、デプス値Pic_d(n-1)とデプス値Pic_d(n)との間であって、デプス値Pic_d(n-1)に近い値となる。
【0160】
このようにして得られたnフレーム目のデプスマップは、読み出し書き込み部33に供給される。
【0161】
ステップS238において、付加情報更新部52は、n−1フレーム目のデプスマップと、新たに求めたnフレーム目のデプスマップとに基づいて、nフレーム目のデプスマップ変化度合情報Dcを更新する。具体的には、付加情報更新部52は、図11のフローチャートを参照して説明したデプスマップ変化度合情報生成処理と同様の処理を、n−1フレーム目のデプスマップと、新たに求めたnフレーム目のデプスマップに対して実行することで求められるデプスマップ変化度合情報を、nフレーム目のデプスマップ変化度合情報Dcとして、読み出し書き込み部33に供給する。
【0162】
ステップS239において、読み出し書き込み部33は、デプスマップ補正部51が求めたnフレーム目のデプスマップ、および、付加情報更新部52が更新したデプスマップ変化度合情報Dcを、注目フレームのデプスマップおよびデプスマップ変化度合情報として、記録媒体34に書き込み(上書きし)、ステップS243に進む。
【0163】
すなわち、注目フレームについて、前フレームからの構図の変化が小さく、かつ、デプスマップの変化の度合が大きい場合、注目フレームのデプスマップは、前フレームのデプスマップと注目フレームのデプスマップとの間であって、前フレームのデプスマップに近いデプスマップに補正される。また、デプスマップ変化度合情報は、補正された注目フレームのデプスマップに応じて更新される。
【0164】
また、ステップS233において、構図変化情報Ccが所定の閾値Cthより大きいと判定された場合、処理はステップS240に進む。
【0165】
ステップS240において、デプスマップ補正部51は、n−1フレーム目のデプスマップとnフレーム目のデプスマップの加重平均を求め、nフレーム目のデプスマップとする。
【0166】
具体的には、n−1フレーム目のデプスマップのデプス値Pic_d(n-1)、および、nフレーム目のデプスマップのデプス値Pic_d(n)に対して、デプスマップ補正部51は、画素毎に、上述した式(1)で示される演算を行う。なお、ここでは、αは1に近い値に設定される。
【0167】
これにより、式(1)で与えられるデプス値の加重平均は、デプス値Pic_d(n-1)とデプス値Pic_d(n)との間であって、デプス値Pic_d(n)に近い値となる。
【0168】
このようにして得られたnフレーム目のデプスマップは、読み出し書き込み部33に供給される。
【0169】
ステップS241において、付加情報更新部52は、n−1フレーム目のデプスマップと、新たに求めたnフレーム目のデプスマップとに基づいて、nフレーム目のデプスマップ変化度合情報Dcを更新する。具体的には、付加情報更新部52は、図11のフローチャートを参照して説明したデプスマップ変化度合情報生成処理と同様の処理を、n−1フレーム目のデプスマップと、新たに求めたnフレーム目のデプスマップに対して実行することで求められるデプスマップ変化度合情報を、nフレーム目のデプスマップ変化度合情報Dcとして、読み出し書き込み部33に供給する。
【0170】
ステップS242において、読み出し書き込み部33は、デプスマップ補正部51が求めたnフレーム目のデプスマップ、および、付加情報更新部52が更新したデプスマップ変化度合情報Dcを、注目フレームのデプスマップおよびデプスマップ変化度合情報として、記録媒体34に書き込み(上書きし)、ステップS243に進む。
【0171】
すなわち、注目フレームについて、前フレームからの構図の変化が大きい場合、注目フレームのデプスマップは、前フレームのデプスマップと注目フレームのデプスマップとの間であって、注目フレームのデプスマップに近いデプスマップに補正される。また、デプスマップ変化度合情報は、補正された注目フレームのデプスマップに応じて更新される。
【0172】
さて、ステップS243において、画像処理装置11は、n=Nであるか否か、すなわち、注目フレームが最終フレームであるか否かを判定する。n=Nでないと判定されると、ステップS244において、画像処理装置11は、n=n+1として、処理はステップS232に戻る。すなわち、注目フレームの次のフレームを注目フレームとして、ステップS232乃至S243の処理が繰り返される。
【0173】
一方、ステップS243において、n=Nであると判定された場合、処理は終了する。
【0174】
以上の処理によれば、注目フレームについて、前フレームからの構図の変化が小さく、かつ、デプスマップの変化の度合が大きい場合、注目フレームのデプスマップは、前フレームのデプスマップと注目フレームのデプスマップとの間の、前フレームのデプスマップに近いデプスマップに補正され、前フレームからの構図の変化が大きい場合、注目フレームのデプスマップは、注目フレームのデプスマップは、前フレームのデプスマップと注目フレームのデプスマップとの間の、注目フレームのデプスマップに近いデプスマップに補正される。したがって、注目フレームと前フレームとの間でシーンチェンジした時に、対応するフレームのデプスマップの変化が緩やかになるので、そのデプスマップに基づいて生成される立体画像を視聴するユーザの目の負担を低減させることができるようになる。
【0175】
なお、以上においては、注目フレームと前フレームとの間でシーンチェンジした時に、対応するフレームのデプスマップの変化が緩やかになるようにしたが、対応するフレームのデプスマップの変化が激しくなるようにすることもできる。
【0176】
具体的には、図17のフローチャートのステップS233において、構図変化情報Ccが所定の閾値Cthより大きいと判定されたか、または、ステップS234において、デプスマップ変化度合情報Dc=2でない(デプスマップの変化が大きくない)と判定された場合に、注目フレーム(nフレーム目)のデプスマップのデプス値を大きくするように補正することで、注目フレームと前フレームとの間でシーンチェンジした時に、対応するフレームのデプスマップの変化が激しくなる。
【0177】
なお、この場合、ステップS234において、デプスマップ変化度合情報Dc=2である(デプスマップの変化が大きい)と判定された場合には、注目フレームのデプスマップは補正されないものとする。
【0178】
また、上述した説明では、前フレームのデプスマップと注目フレームのデプスマップとの間の変化を緩やかにしたり、激しくするようにしたが、記録媒体には全てのフレームについてのデプスマップが記録されているので、注目フレームのデプスマップと時間的に後の後フレームのデプスマップとの間の変化を緩やかにしたり、激しくするようにしてもよい。
【0179】
なお、以上においては、記録媒体34は、画像処理装置11内に設けられるものとしたが、記録媒体は、画像処理装置に外付けされるようにしてもよい。
【0180】
<5.本技術を適用した画像処理装置の他の構成>
図18は、本技術を適用した画像処理装置の他の実施の形態の構成を示している。
【0181】
図18の画像処理装置311には、記録媒体312が外付けされる。
【0182】
なお、図18の画像処理装置311において、図1の画像処理装置11に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は、適宜省略するものとする。
【0183】
すなわち、図18の画像処理装置311において、図1の画像処理装置11と異なるのは、記録媒体34を除いた点である。
【0184】
記録媒体312は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)、およびBD(Blu-Ray Disc(商標))等として構成され、コンテンツ312a、デプスマップ312b、および付加情報312cを記録する。コンテンツ312aは予め記録されており、読み出し書き込み部33によって、適宜、記録媒体312から読み出される。また、デプスマップ34bおよび付加情報312cは、読み出し書き込み部33によって、適宜、記録媒体312に書き込まれたり、記録媒体312から読み出される。
【0185】
図18の画像処理装置311においても、図1の画像処理装置11と同様の作用効果を奏することができる。なお、図18の画像処理装置311によるデプスマップ生成処理およびデプスマップ最適化処理については、図4および図5のフローチャートを参照して説明した、図1の画像処理装置11の処理のそれぞれと基本的に同様であるので、その説明は省略する。
【0186】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0187】
図19は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0188】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。
【0189】
バス904には、さらに、入出力インタフェース905が接続されている。入出力インタフェース905には、キーボード、マウス、マイクロホン等よりなる入力部906、ディスプレイ、スピーカ等よりなる出力部907、ハードディスクや不揮発性のメモリ等よりなる記憶部908、ネットワークインタフェース等よりなる通信部909、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブルメディア911を駆動するドライブ910が接続されている。
【0190】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記憶部908に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース905およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0191】
コンピュータ(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア911に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0192】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インタフェース905を介して、記憶部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記憶部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記憶部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0193】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0194】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0195】
さらに、本技術は以下のような構成をとることができる。
(1) 動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報の、記録媒体への書き込みおよび前記記録媒体からの読み出しを行う読み出し書き込み部と、
前記読み出し書き込み部によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記奥行き情報を補正する奥行き情報補正部と
を備え、
前記読み出し書き込み部は、奥行き情報補正部によって補正された前記奥行き情報を前記記録媒体に上書きする
画像処理装置。
(2) 前記記録媒体に記録されている前記動画像に基づいて、前記奥行き情報を生成する奥行き情報生成部と、
前記記録媒体に記録されている前記動画像に基づいて、前記変化情報を生成する変化情報生成部とをさらに備え、
前記読み出し書き込み部は、前記奥行き情報生成部によって生成された前記奥行き情報、および、前記変化情報生成部によって生成された前記変化情報を前記記録媒体に書き込む
(1)に記載の画像処理装置。
(3) 前記変化情報生成部は、注目している注目フレームと、前記注目フレームに隣接する隣接フレームとの間の変化に関する前記変化情報を生成し、
前記奥行き情報補正部は、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記注目フレームについての前記奥行き情報を補正する
(2)に記載の画像処理装置。
(4) 前記変化情報生成部は、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の画素の画素値の変化を表す画素値変化情報と、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の前記奥行き情報の変化を表す奥行き情報変化情報とを生成し、
前記奥行き情報補正部は、前記画素値変化情報で表わされる画素値の変化が小さく、前記奥行き情報変化情報で表わされる前記奥行き情報の変化が大きい場合に、前記注目フレームについての前記奥行き情報を、前記隣接フレームについての前記奥行き情報に置き換える
(3)に記載の画像処理装置。
(5) 前記変化情報生成部は、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の構図の変化を表す構図変化情報と、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の前記奥行き情報の変化を表す奥行き情報変化情報とを生成し、
前記奥行き情報補正部は、前記構図変化情報で表わされる構図の変化と、前記奥行き情報変化情報で表わされる前記奥行き情報の変化とに応じて、前記注目フレームについての前記奥行き情報と前記隣接フレームについての前記奥行き情報との加重平均を、前記注目フレームについての前記奥行き情報とする
(3)に記載の画像処理装置。
(6) 前記変化情報生成部は、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間のシーンの変化を表すシーン変化情報を生成し、
前記奥行き情報補正部は、前記シーン変化情報で表わされるシーンの変化に応じて、前記注目フレームについての前記奥行き情報を補正する
(3)に記載の画像処理装置。
(7) 前記変化情報生成部は、前記注目フレームと前記隣接フレームとに基づいて、動きベクトルを前記変化情報として生成し、
前記奥行き情報補正部は、前記動きベクトルに基づいて、前記注目フレームについての前記奥行き情報の動き補償を行う
(3)に記載の画像処理装置。
(8) 前記記録媒体をさらに備える
(1)乃至(7)のいずれかに記載の画像処理装置。
(9) 前記記録媒体は外付けされる
(1)乃至(7)のいずれかに記載の画像処理装置。
(10) 前記奥行き情報補正部によって補正された前記奥行き情報に対応する前記変化情報を更新する変化情報更新部をさらに備え、
前記読み出し書き込み部は、前記変化情報更新部によって更新された前記変化情報を前記記録媒体に上書きする
(1)乃至(8)に記載の画像処理装置。
(11) 動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報の、記録媒体への書き込みおよび前記記録媒体からの読み出しを行う読み出し書き込み部と、
前記読み出し書き込み部によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記奥行き情報を補正する奥行き情報補正部と
を備える画像処理装置の画像処理方法において、
前記画像処理装置が、
動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報を前記記録媒体から読み出し、
読み出される前記変化情報に基づいて、読み出される前記奥行き情報を補正し、
補正された前記奥行き情報を前記記録媒体に上書きする
ステップを含む画像処理方法。
(12) 動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報を記録媒体から読み出す読み出しステップと、
前記読み出しステップの処理によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記読み出しステップの処理によって読み出される前記奥行き情報を補正する奥行き情報補正ステップと、
前記奥行き情報補正ステップの処理によって補正された前記奥行き情報を前記記録媒体に上書きする上書きステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0196】
11 画像処理装置, 31 デプスマップ生成部, 32 付加情報生成部, 33 読み出し書き込み部, 34 記録媒体, 34a コンテンツ, 34b デプスマップ, 34c 付加情報, 35 デプスマップ最適化部, 51 デプスマップ補正部, 52 付加情報更新部, 311 画像処理装置, 312 記録媒体, 312a コンテンツ, 312b デプスマップ, 312c 付加情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報の、記録媒体への書き込みおよび前記記録媒体からの読み出しを行う読み出し書き込み部と、
前記読み出し書き込み部によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記奥行き情報を補正する奥行き情報補正部と
を備え、
前記読み出し書き込み部は、奥行き情報補正部によって補正された前記奥行き情報を前記記録媒体に上書きする
画像処理装置。
【請求項2】
前記記録媒体に記録されている前記動画像に基づいて、前記奥行き情報を生成する奥行き情報生成部と、
前記記録媒体に記録されている前記動画像に基づいて、前記変化情報を生成する変化情報生成部とをさらに備え、
前記読み出し書き込み部は、前記奥行き情報生成部によって生成された前記奥行き情報、および、前記変化情報生成部によって生成された前記変化情報を前記記録媒体に書き込む
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記変化情報生成部は、注目している注目フレームと、前記注目フレームに隣接する隣接フレームとの間の変化に関する前記変化情報を生成し、
前記奥行き情報補正部は、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記注目フレームについての前記奥行き情報を補正する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記変化情報生成部は、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の画素の画素値の変化を表す画素値変化情報と、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の前記奥行き情報の変化を表す奥行き情報変化情報とを生成し、
前記奥行き情報補正部は、前記画素値変化情報で表わされる画素値の変化が小さく、前記奥行き情報変化情報で表わされる前記奥行き情報の変化が大きい場合に、前記注目フレームについての前記奥行き情報を、前記隣接フレームについての前記奥行き情報に置き換える
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記変化情報生成部は、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の構図の変化を表す構図変化情報と、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間の前記奥行き情報の変化を表す奥行き情報変化情報とを生成し、
前記奥行き情報補正部は、前記構図変化情報で表わされる構図の変化と、前記奥行き情報変化情報で表わされる前記奥行き情報の変化とに応じて、前記注目フレームについての前記奥行き情報と前記隣接フレームについての前記奥行き情報との加重平均を、前記注目フレームについての前記奥行き情報とする
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記変化情報生成部は、前記注目フレームと前記隣接フレームとの間のシーンの変化を表すシーン変化情報を生成し、
前記奥行き情報補正部は、前記シーン変化情報で表わされるシーンの変化に応じて、前記注目フレームについての前記奥行き情報を補正する
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記変化情報生成部は、前記注目フレームと前記隣接フレームとに基づいて、動きベクトルを前記変化情報として生成し、
前記奥行き情報補正部は、前記動きベクトルに基づいて、前記注目フレームについての前記奥行き情報の動き補償を行う
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記記録媒体をさらに備える
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記記録媒体は外付けされる
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記奥行き情報補正部によって補正された前記奥行き情報に対応する前記変化情報を更新する変化情報更新部をさらに備え、
前記読み出し書き込み部は、前記変化情報更新部によって更新された前記変化情報を前記記録媒体に上書きする
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項11】
動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報の、記録媒体への書き込みおよび前記記録媒体からの読み出しを行う読み出し書き込み部と、
前記読み出し書き込み部によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記読み出し書き込み部によって読み出される前記奥行き情報を補正する奥行き情報補正部と
を備える画像処理装置の画像処理方法において、
前記画像処理装置が、
動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報を前記記録媒体から読み出し、
読み出される前記変化情報に基づいて、読み出される前記奥行き情報を補正し、
補正された前記奥行き情報を前記記録媒体に上書きする
ステップを含む画像処理方法。
【請求項12】
動画像のフレームにおける被写体の奥行きを表す奥行き情報、および、連続する前記フレーム間の変化に関する変化情報を記録媒体から読み出す読み出しステップと、
前記読み出しステップの処理によって読み出される前記変化情報に基づいて、前記読み出しステップの処理によって読み出される前記奥行き情報を補正する奥行き情報補正ステップと、
前記奥行き情報補正ステップの処理によって補正された前記奥行き情報を前記記録媒体に上書きする上書きステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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