説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】近年、デジタルスチルカメラなどの普及により、写真データ等のメディアデータを端末装置上で画像処理する機会が多くなってきており、フォーマットや色空間等が異なる画像データを一括して処理できる画像処理システムの構築が望まれている。
【解決手段】画像処理を行うハードウエアを画像入力部11側の前段画像処理部12と画像出力部26側の後段画像処理部24とに分け、かつ当該後段画像処理部24には画像出力部26が必要とする色変換処理を行う機能を持たせ、画像入力部11から入力され、圧縮部16で圧縮された圧縮データと、PCIバス27を介して外部から供給される圧縮データとを共通の伸長部22で伸長処理して画像出力部26に出力するとともに、後段画像処理部24から前段画像処理部12へ選択的にデータを受け渡すようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関し、特にサーバ内に蓄積された画像データを処理する画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像データのデジタル処理技術の進歩が著しい。それに伴い、パーソナルコンピュータ等の複数の端末装置と、例えば画像読取部、画像処理部および画像出力部を有するデジタル複写機とをネットワークを介して相互に接続し、いずれかの端末装置から出力されるプリントデータをデジタル複写機に転送して当該複写機内の画像出力部にてプリント出力したり、あるいはデジタル複写機の画像読取部で読み取って得たコピーデータを転送要求があった端末装置に転送したりするなど、様々な形態での画像処理が可能な画像処理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−121326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の従来技術では、基本的に、フォーマットや色空間等が同じ画像データについての処理を前提としている。しかし、近年、デジタルスチルカメラなどの普及により、写真データ等のメディアデータを端末装置上で画像処理する機会が多くなってきている。それに伴って、当然のことながら、フォーマットや色空間等が異なる画像データを一括して処理できる画像処理システムの構築が望まれる。
【0005】
しかしながら、従来は、フォーマットや色空間等が同じ画像データについての処理を前提としていることから、フォーマットや色空間等が異なる様々な画像データについて、それら画像データを合成したドキュメントをプリント出力したり、サムネイル表示したりすることができなかった。また、それを実現するにしても、従来の技術では、様々な画像データを蓄積したサーバ上のソフトウェアにて画像処理せざるを得ないため、処理速度が遅くなってしまうという課題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、様々な画像データに対してリアルタイムで画像処理できるとともに、それら画像データを合成したドキュメントをプリント出力したり、サムネイル表示したりするなど、種々の画像処理を行うことが可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では先ず、入力される各種画像形式(フォーマットや色空間等)が異なる画像データを共通の形式に変換し、当該共通の形式に変換した画像データを共通の画像処理系を経由して画像出力するようにする。これにより、各種画像形式データに対して何れも同等の高画質を担保できる。
【0008】
本発明による画像処理装置は、画像入力装置からの入力画像データに対して画像処理を行う第1の画像処理手段と、前記第1の画像処理手段の出力データを受ける入力インターフェースと、前記入力インターフェースからの画像データに対して圧縮処理を行う圧縮手段と、標準プロトコルのバスインターフェースを通じてバスに対して画像データの送受信を行うバス制御手段と、前記圧縮手段および前記バス制御手段から与えられる圧縮データに対して伸長処理を行う伸長手段と、前記伸長手段で伸長処理された画像データを出力する出力インターフェースと、前記出力インターフェースから出力される画像データに対して画像出力装置が必要とする色変換処理を行うとともに、処理後の画像データを前記第1の画像処理手段に対して選択的に供給する第2の画像処理手段とを備える構成となっている。
【0009】
本発明による画像処理方法は、画像入力装置からの入力画像データに対して画像処理を行う第1ステップと、前記第1ステップで処理された画像データを受ける第2ステップと、前記第2ステップで受けた画像データに対して圧縮処理を行う第3ステップと、標準プロトコルのバスインターフェースを通じてバスに対して画像データの送受信を行う第4ステップと、前記第3ステップで処理した圧縮データおよび前記第4ステップで受けた圧縮データに対して伸長処理を行う第5ステップと、前記第5ステップで伸長処理された画像データを出力する第6ステップと、前記第6ステップで出力される画像データに対して画像出力装置が必要とする色変換処理を行う第7ステップと、前記第7ステップで処理された画像データを選択的に前記第1ステップに供給する第8ステップとを有する構成となっている。
【0010】
上記の構成において、画像処理を行うハードウエアを画像入力装置側の前段処理部分と画像出力装置側の後段処理部分とに分け、かつ当該後段処理部分には画像出力装置が必要とする色変換処理を行う機能を持たせ、画像入力装置から入力され、圧縮処理された圧縮データとバス制御手段を介して外部から与えられる圧縮データとを共通の回路部分で伸長処理して画像出力装置に出力するとともに、後段処理部分から前段処理部分へ選択的にデータを受け渡すようにすることで、外部から与えられる画像データに対して画像入力装置からの画像データと同じハードウエアリソースを使用してリアルタイムで処理できる。これにより、外部から与えられる画像データについて、画質調整等の画像処理を高速に行うことができるとともに、画像入力装置からの画像データの場合と同等の画質の画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、入力される各種画像形式(フォーマットや色空間等)が異なる画像データを共通の形式に変換し、共通の画像処理系を経由して画像出力することで、各種画像形式データに対して何れも同等の高画質を担保できる。
【0012】
また、外部から与えられる画像データに対して画像入力装置からの画像データと同じハードウエアリソースを使用してリアルタイムで処理できることで、画質調整等の画像処理を高速に行うことができるとともに、画像入力装置からの画像データの場合と同等の画質の画像を得ることができるため、様々な画像データに対してリアルタイムで画像処理できるとともに、それらデータを合成したドキュメントをプリント出力したり、サムネイル表示したりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明が適用される画像処理システムの全体の構成および当該画像処理システムに用いられる本発明の一実施形態に係る画像処理装置の内部構成を示すブロック図である。図1から明らかなように、本画像処理システムは、本実施形態に係る画像処理装置1と、サーバ2と、複数の端末装置、例えば2個の端末装置3,4とがネットワーク5を介して相互に接続された構成となっている。ネットワーク5は、LAN(ローカルエリアネットワーク)や電話回線網などである。
【0015】
ここでは、本実施形態に係る画像処理装置1として、例えば、画像入力部、画像処理部および画像出力部を有するデジタル複写機を想定している。ただし、本実施形態に係る画像処理装置1としては、デジタル複写機に限られるものではなく、例えば画像入力部を持たない画像処理装置であっても良い。
【0016】
サーバ2は、例えばパーソナルコンピュータからなり、様々な画像データ、例えばプリントデータ、メディアデータ(写真データ等)、FAX(ファクシミリ)データ、コピーデータ、スキャンデータ等を蓄積するファイルサーバである。ここでは、様々な画像データを蓄積するサーバを、端末装置2として画像処理装置1の外付けとした例を示しているが、当該サーバの機能を画像処理装置1に内蔵した構成を採ることも可能である。端末装置3,4は、例えばパーソナルコンピュータ等のいわゆるクライアントである。
【0017】
続いて、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1の具体的な構成について、図1を用いて説明する。
【0018】
本実施形態に係る画像処理装置1は、画像入力部(IIT)11、前段画像処理部(IPS1)12、入力IF(インターフェース)13、画像回転処理部14、カットシフト部15、圧縮部16、バスIF17、IO(入出力部)18、記憶装置19、バッファ(1)20、バッファ(2)21、伸長部22、出力IF23、後段画像処理部(IPS2)24、IOT(画像出力部)IF25、画像出力部(IOT)26およびCPU28を有する構成となっている。
【0019】
この画像処理装置1において、画像入力部11は、例えば、イメージセンサによって原稿の画像を読み取って得た画像データを入力する画像読取装置である。前段画像処理部12は、画像入力部11から入力される画像データに対して、地色検出、拡大/縮小、解像度変換等の画像処理を行う。入力IF13は、前段画像処理部12で種々の画像処理が施された画像データを受け、当該画像データの色相成分をダウンサンプリング(サブサンプリング)する。
【0020】
画像回転処理部14は、入力IF13からの画像データに対してその画像を90°,180°,270°等の回転角度だけ回転させる処理を必要に応じて行う。カットシフト部15は、画像回転処理部14を経た画像データに対してその画像の必要な部分を切り出するためのカット処理や、画像出力後の用紙の綴じ代やセンタリングをするためのシフト処理を行う。圧縮部16は、カットシフト部15を経た画像データに対して画像入力部11での読み取りモードに応じた圧縮処理を行う。
【0021】
バスIF17は、標準プロトコルのインターフェースであり、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス27との間で画像データの受け渡しを行う。IO18は、本画像処理装置1の入出力インターフェースである。メモリ装置19は、例えばIO18を通して外部から入力される画像データ等を記憶する。バッファ(1)20は、システムメモリであり、IO18を通して外部から入力される画像データや、バスIF17からPCIバス27を通して供給される画像データを格納する。
【0022】
バッファ(2)21は例えばDRAMからなり、入力IF13、画像回転処理部14、カットシフト部15、回転部16、バスIF17、伸長部22および出力IF23等の各モジュール間のデータの受け渡しのバッファであり、またページメモリとしても使用される。伸長部22は、画像入力部11から入力され、圧縮部16で圧縮処理された画像データおよびバスIF17を介して外部から入力される圧縮処理された画像データに対して、これら画像データの圧縮方式に対応した伸長方式にて伸長処理を行う。
【0023】
出力IF23は、レンジの変更を行うためのイメージLUT(ルックアップテーブル)と、画像の属性(絵柄部、黒文字部、色文字部等)のコード変更を行うためのタグ(TAG)LUTとを有し、伸長部22で伸長処理された画像データに対してレンジの変更および属性変更の処理を行うとともに、色相成分のアップサンプリングを行って後段画像処理部24に出力する。
【0024】
後段画像処理部24は、出力IF23から出力される画像データに対して、彩度調整処理、画像出力部26が必要とする色変換処理(例えば、L*** (YCbCr)→YMCK)、タグ生成処理、適応型フィルタリング処理、地色除去処理、出力階調補正処理およびスクリーン処理等の画像処理を行った後、画像出力部26に対して当該出力部26とのタイミングをとるIF25を介して出力するとともに、例えば外部から入力された画像データについては必要に応じて選択的に前段画像処理部12に供給する。
【0025】
画像出力部26は、後段画像処理部24からIF25を介して出力される画像データに基づいて、例えば用紙(記録紙)に画像を形成する画像形成装置である。CPU28は、画像処理装置1の制御を行うマイクロプロセッサである。
【0026】
後段画像処理部24から画像データが前段画像処理部12に供給されたときは、当該前段画像処理部12は、後段画像処理部24での処理後の画像データに対して、地色検出、拡大/縮小、解像度変換等の画像処理を行う。この前段画像処理部12で処理された画像データは、入力IF13、画像回転処理部14、カットシフト部15および圧縮部16を経て先述した各種の処理が必要に応じて施される。
【0027】
上記構成の本実施形態に係る画像処理装置1は、例えば、スキャンモード、プリントモード、コピーモードおよび高速出力モードの4つの動作モードを有している。これら動作モードが設定されたときは、図1に点線の矢印で示すモード1〜4のデータパスを経由して画像処理が行われることになる。
【0028】
すなわち、スキャンモード(モード1)では、画像入力部11から入力された画像データが、前段画像処理部12→入力IF13→画像回転処理部14→カットシフト部15→圧縮部16→バスIF17→バッファ(1)20→IO18のデータパスを経た後、記憶装置19に蓄積される。
【0029】
プリントモード(モード2)では、端末装置(クライアント1)3または端末装置(クライアント2)4からの画像データが、IO18→バッファ(1)20→バスIF17→伸長部22→出力IF23→IOT IF25のデータパスを経た後、画像出力部26で用紙に印刷されて出力される。
【0030】
コピーモード(モード3)では、画像入力部11から入力された画像データが、前段画像処理部12→入力IF13→画像回転処理部14→カットシフト部15→圧縮部16→バスIF17→バッファ(1)20→バスIF17→伸長部22→出力IF23→IOT IF25のデータパスを経た後、画像出力部26で用紙に印刷されて出力される。
【0031】
高速出力モードは、最初の1枚目の画像データを高速で出力する動作モードである。この高速出力モード(モード4)では、画像入力部11から入力された画像データが、前段画像処理部12→入力IF13→画像回転処理部14→カットシフト部15→圧縮部16→伸長部22→出力IF23→IOT IF25のデータパスを経た後、画像出力部26で用紙に印刷されて出力される。
【0032】
上述したように、入力される各種画像形式(フォーマットや色空間等)が異なる画像データを共通の形式に変換し、当該共通の形式に変換した画像データを共通の画像処理系を経由して画像出力するようにすることで、各種画像形式データに対して何れも同等の高画質を担保できる。
【0033】
具体的には、画像処理を行うハードウエアを画像入力部11側の前段画像処理部12と画像出力部26側の後段画像処理部24とに分け、かつ後段画像処理部24には画像出力部26が必要とする色変換処理を行う機能を持たせ、画像入力部11から入力され、圧縮部16で圧縮された圧縮データと、PCIバス27を介して外部から供給される圧縮データとを共通の伸長部22で伸長処理して画像出力部26に出力するとともに、後段画像処理部24から前段画像処理部12へ選択的にデータを受け渡す構成を採ることで、外部から供給される画像データに対して画像入力部11からの画像データと同じハードウエアリソースを使用してリアルタイムで処理できる。
【0034】
このように、外部から与えられる画像データに対して画像入力部11からの画像データと同じハードウエアリソースを使用してリアルタイムで処理できることで、画質調整(地色除去、コントラストコントロール、多値化、拡大/縮小、色空間変換)等を高速に行うことができるとともに、画像入力部11から入力される画像データの場合と同等の画質の画像を得ることができるため、様々な画像データに対してリアルタイムで画像処理できるとともに、それらデータを合成したドキュメントをプリント出力したり、サムネイル表示したりすることができる。
【0035】
また、回転、カット/シフト、圧縮等の画像処理が全てページメモリからなるバッファ(2)21を介して行われることから、当該バッファ(2)21に高速性が要求されることになるが、入力IF12において画像データの色相成分についてサブサンプリング(ダウンサンプリング)を行うようにしていることにより、バッファ(2)21に対するバンド幅を狭めることができるため、当該バッファ(2)21に要求される処理能力を低減できる。なお、後段の出力IF23では、バッファ(2)21からの画像データの色相成分についてアップサンプリングを行うようにしているため、入力IF12でサブサンプリングしたとしても、通常の画像(絵)として再現できる。
【0036】
次に、上記構成の本実施形態に係る画像処理装置1において、サーバである端末装置2に蓄積されている例えば4種類の画像データ1〜4に基づく4つの画像を、図2に示すように、1枚の用紙に印刷するいわゆるNup(Nは2以上の整数、本例では4up)する場合の画像処理について説明する。
【0037】
ここで、4つのデータ1〜4の圧縮方式、色空間、タグ(TAG)についてその一例を示す。
【0038】
データ1はコピー/スキャンデータであり、圧縮方式:非可逆圧縮、色空間:L*** 、TAG:コピー用である。データ2はメディアデータであり、圧縮方式:JPEG(Joint Photographic Experts Group)、色空間:YCbCr、TAG:無しである。データ3はプリントデータであり、圧縮方式:可逆圧縮、色空間:YMCK、TAG:プリンタ用である。データ4はFAXデータであり、圧縮方式:MMR(Modified Modified Read)、色空間:白黒 、TAG:無しである。
【0039】
以下に、Nup(4up)の場合の画像処理について、図2の概念図を用いて具体的に説明する。なお、ここでは、一例として、各データのサイズはA4縦で、Nup後のサイズはA4横とする。
【0040】
データ1〜4が端末装置(サーバ)2からネットワーク5を介して本画像処理装置1に順に入力される。そして、これらデータ1〜4の画像処理に関して、端末装置(サーバ)2→バッファ(2)21→伸長部22→バッファ(2)21→出力IF23→後段画像処理部24→前段画像処理部12→入力IF13→バッファ(2)21→画像回転処理部14→バッファ(2)21のデータパスを経由してリアルタイムに行われる。
【0041】
先ず、データ1に関して、色空間L*** で非可逆圧縮された画像データと可逆圧縮されたコピー用TAG1が、PCIバス27経由でバッファ(2)21に展開される。このバッファ(2)21に展開された画像データは、伸長部22で伸長処理された後、出力IF23を介して後段画像処理部24に供給される。このとき、データ1はコピーデータであるため、出力IF23では、TAG LUT/IMAGE LUTについてはスルー、即ち入力されるデータをそのまま出力する。後段画像処理部24では、L*** →YMCKの色変換を実施する。
【0042】
後段画像処理部24での画像処理後のデータ1は、前段画像処理部12に供給される。前段画像処理部12では、50%縮小の縮小処理を行う。この前段画像処理部12で縮小されたデータ1は、入力IF13を介してバッファ(2)21に格納され、画像回転処理部14による処理によって90°または270°の回転処理が行われる。回転処理後のデータ1は、バッファ(2)21に格納される。
【0043】
このとき、Nupイメージを作成するために、バッファ(2)21内に1ページ分アサインする。その他、モジュール間のデータ授受でも、バッファ(2)21を使用する。必用なデータ量は、JPEG等のブロックサイズや、回転処理で必要とするライン数から決定される。
【0044】
以降、データ2〜3に関しても同様にして画像処理が行われる。なお、サーバ(端末装置2)内に格納されているデータについては解像度も様々であるため、前段画像処理部12での画像処理の際に、解像度をコピーデータの場合と同じにする。
【0045】
次に、メディアデータであるデータ2に関して、出力IF23のIMAGE LUTについては、コピーデータ(データ1)に合わせたレンジ設定にする。TAG LUTについては、メディアデータは写真が多いため、写真設定のTAGでも良いし、後段画像処理部24でTAG生成させて処理を行っても良い。後段画像処理部24では、YCbCr→YMCKの色変換を行う。
【0046】
次に、プリントデータであるデータ3に関しては、TAGがコピーデータと違うため、IMAGE LUTについてはスルー、即ち入力されるデータをそのまま出力し、TAG LUTについてはプリントTAG→コピーTAGになるように変換する。このとき、データ3がプリントデータであり、色空間がYMCKであるため、後段画像処理部24では色変換は行わない。
【0047】
最後に、FAXデータであるデータ4に関して、出力IF23ではIMAGE LUT/TAG LUTについては多値化(“1”→FFh。“0”→“00”)を行い、後段画像処理部24ではYMCについて全て“00”に色変換し、Kについてはそのまま出力(スルー)する。
【0048】
このようにして完成したNupデータは、色空間がYMCKで、TAGがコピーTAGで構成され、画像出力部25へ出力されるか、またはサーバ2内にコピーの圧縮方式で蓄積される。その後、オペレータの要求により、プリントモード(モード2)でプリント出力することも可能である。後段画像処理部24でディスプレイの色空間(例えば、YCbCr等)に色変換すれば、サーバ2やクライアント(端末装置3,4)のディスプレイでサムネイル表示も高速で行うことができることになる。
【0049】
以上説明した一連の画像処理から明らかなように、画像処理を行うハードウエアを前段画像処理部12と後段画像処理部24とに分け、かつ後段画像処理部24には画像出力部26が必要とする色変換処理を行う機能を持たせ、さらに後段画像処理部24から前段画像処理部12にデータを受け渡すようにすることで、サーバ(端末装置2)内のデータを合成する処理をリアルタイムで実行できるとともに、コピーと同じ画質の合成画像を得ることができる。
【0050】
また、サーバ内のデータの処理に、スキャンモードのハードウエアリソースを使用できるため、地色除去、コントラストコントロール、多値化、拡大/縮小、色空間変換等の画質調整を高速に実行できる。さらに、サーバのコピーデータについては、3コンポーネント(L*** 色空間)で蓄積できるため、YMCK色空間で蓄積する場合よりもデータ量を削減できる。
【0051】
なお、上記実施形態においては、レンジの変更および属性変更の処理機能を出力IF23に持たせ、伸長部22で伸長処理された画像データに対してレンジの変更および属性変更の処理を施す構成としたが、レンジの変更および属性変更の処理機能を入力IF13に持たせ、前段画像処理部12からの画像データに対してレンジの変更および属性変更の処理を施す構成を採ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明が適用される画像処理システムの全体の構成および本発明の一実施形態に係る画像処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】Nup(4up)の場合の画像処理についての概念図である。
【符号の説明】
【0053】
1…画像処理装置、2…サーバ、3,4…端末装置(クライアント)、11…画像入力部(IIT)、12…前段画像処理部(IPS1)、13…入力IF、14…画像回転処理部、15…カットシフト部、16…圧縮部、17…バスIF、18…IO(入出力部)、19…記憶装置、20…バッファ(1)、21…バッファ(2)、22…伸長部、23…出力IF、24…後段画像処理部(IPS2)、25…IOT IF、26…画像出力部(IOT)、27…PCIバス、28…CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される各種画像形式が異なる画像データを共通の形式に変換する変換手段と、
前記変換手段で共通の形式に変換された画像データを共通の画像処理系を経由して画像出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
画像入力装置からの入力画像データに対して画像処理を行う第1の画像処理手段と、
前記第1の画像処理手段の出力データを受ける入力インターフェースと、
前記入力インターフェースからの画像データに対して圧縮処理を行う圧縮手段と、
標準プロトコルのバスインターフェースを通じてバスとの間で画像データの授受を行うバス制御手段と、
前記圧縮手段および前記バス制御手段から与えられる圧縮データに対して伸長処理を行う伸長手段と、
前記伸長手段で伸長処理された画像データを出力する出力インターフェースと、
前記出力インターフェースから出力される画像データに対して画像出力装置が必要とする色変換処理を行うとともに、処理後の画像データを前記第1の画像処理手段に対して選択的に供給する第2の画像処理手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記第1の画像処理手段は、前記入力画像データに対して拡大/縮小処理を行う機能を含む
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記出力インターフェースは、前記伸長手段で伸長処理された画像データに対してレンジの変更および属性変更の処理が可能である
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記入力インターフェースは、前記第1の画像処理手段からの画像データに対してレンジの変更および属性変更の処理が可能である
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記入力インターフェースは、前記第1の画像処理手段からの画像データの色相成分をダウンサンプリングする
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記出力インターフェースは、前記伸長手段で伸長処理された画像データの色相成分をアップサンプリングする
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項8】
入力される各種画像形式が異なる画像データを共通の形式に変換し、
当該共通の形式に変換した画像データを共通の画像処理系を経由して画像出力する
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
画像入力装置からの入力画像データに対して画像処理を行う第1ステップと、
前記第1ステップで処理された画像データを受ける第2ステップと、
前記第2ステップで受けた画像データに対して圧縮処理を行う第3ステップと、
標準プロトコルのバスインターフェースを通じてバスとの間で画像データの授受を行う第4ステップと、
前記第3ステップで処理した圧縮データおよび前記第4ステップで受けた圧縮データに対して伸長処理を行う第5ステップと、
前記第5ステップで伸長処理された画像データを出力する第6ステップと、
前記第6ステップで出力される画像データに対して画像出力装置が必要とする色変換処理を行う第7ステップと、
前記第7ステップで処理された画像データを選択的に前記第1ステップに供給する第8ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−94109(P2006−94109A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−276746(P2004−276746)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】