説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】プロジェクタの投影画像と、投影面に手書きで追記された画像とを合成し、再生時に、合成画像の追記順に再生できるようにする。
【解決手段】画像処理装置は、供給された撮影画像信号からホワイトボード上に投影された投影画像のフレーム枠領域を検出すると共に、フレーム枠領域に対する動体の出入りの有無を判定する。動体の出入りがある場合、その前後のフレーム枠領域の画像の差異を検出し、差異領域の画像を取得して元画像と合成して合成画像を生成する。この処理を、プロジェクタにより投影される元画像が、次の画像に変更されるまで繰り返して実行し、順次、差異画像と元画像とを合成した合成画像を生成する。投影画像が次の画像に切り替えられた時点で、直前の元画像に対して合成画像を追記順に関連付ける。そして、元画像に対して追記順に関連付けられた合成画像を、元画像の次ページからの画像として挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタから投影された画像に対する画像処理に用いて好適な画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、会議室などにおいて、プロジェクタによって画像をホワイトボードに投影して会議を行うことが行われている。この場合、投影先がホワイトボードということで、投影されたプロジェクタの元画像に対して、手書きによる情報をホワイトボード上に追記することも可能であり、会議内容に柔軟に対応でき、会議形態としては非常に有効である。
【0003】
例えば、プロジェクタで画像が投影されたホワイトボード(図12の(a))に対して、図12(b)に示されるように、手書きにより画像を追記する。その結果、図12(c)示されるように、追記された画像と投影された画像とがホワイトボード上に共に表示される。
【0004】
また、特許文献1には、元画像に対する手書きによる一時的な情報の追記に留まらず、元画像と追記された画像とを関連付けて登録し、それらを画像合成することでメールなどでやり取りできるようにした技術が開示されている。この特許文献1の技術によれば、プロジェクタによってホワイトボードに表示されたオリジナル原稿データと、このオリジナル原稿データに対応して書き込まれた追記データとを合成した画像データを取得することが安価な構成により実現できる。
【0005】
具体的には、プロジェクタによるオリジナル原稿データの画像の投影を一時停止し、且つプロジェクタによりオリジナル原稿データを識別する識別情報の画像がホワイトボードに投影された状態で、識別情報の画像を含む追記データの画像を撮影する。そして、撮影した画像から識別情報付きの追記データの画像を取得し、取得した識別情報付きの追記データの画像に含まれる識別情報の画像に基づき、オリジナル原稿の画像と追記データの画像とを合成するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ホワイトボードに対してプロジェクタにより投影された画像に対して、手書きにより追記された画像が複数個所あり、且つその複数個所の追記画像に時間的な順序が必要である場合が起こり得る。その場合、追記画像を追記の順序通りに順を追って表示しないと、全体としての意味が分かり難いことが考えられる。
【0007】
しかしながら、従来の技術では、複数個所ある全ての追記データを纏めて一度に合成するため、合成後の画像だけを見ても追記データの時間的な順序が分からないという問題点があった。そのため、従来の技術では、合成後のプロジェクタ表示内容が非常に分かり難いものとなってしまっていた。
【0008】
また、従来技術によれば、追記データを撮影するために、プロジェクタの投影画像を一時停止する必要があり、手間がかかるという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、プロジェクタにより投影された画像と、画像の投影面に手書きで追記された画像とを合成し、合成画像の再生時に、追記画像を追記順に再生できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、元画像を被投影体に投影したフレーム枠領域を撮影手段で撮影した撮影画像を取得する画像取得手段と、元画像を取得する元画像取得手段と、画像取得手段で取得された撮影画像からフレーム枠領域を検出する領域検出手段と、画像取得手段で取得された撮影画像から動体を検出する動体検出手段と、動体検出手段で検出された動体が領域検出手段で検出されたフレーム枠領域内に入る第1のタイミングと、動体がフレーム枠領域から出る第2のタイミングとを検知する検知手段と、画像取得手段が取得した撮影画像のうち、第1のタイミングに応じた第1の撮影画像と、第2のタイミングの第2の撮影画像とを抽出し、第1の撮影画像と第2の撮影画像との差異を検出する差異検出手段と、第2の撮影画像から差異検出手段で検出された差異を含む領域を抽出し、元画像取得手段で取得された元画像に対して差異を含む領域の画像を合成した合成画像を生成する合成手段と、合成手段で生成された合成画像を、元画像取得手段で取得された元画像に対する新たなページの画像として、差異検出手段により差異が検出される毎に、順次、元画像に対して関連付けるページ追加手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、画像取得手段が、元画像を被投影体に投影したフレーム枠領域を撮影手段で撮影した撮影画像を取得する画像取得ステップと、元画像取得手段が、元画像を取得する元画像取得ステップと、領域検出手段が、画像取得ステップにより取得された撮影画像からフレーム枠領域を検出する領域検出ステップと、動体検出手段が、画像取得ステップにより取得された撮影画像から動体を検出する動体検出ステップと、検知手段が、動体検出ステップにより検出された動体が領域検出ステップにより検出されたフレーム枠領域内に入る第1のタイミングと、動体がフレーム枠領域から出る第2のタイミングとを検知する検知ステップと、差異検出手段が、画像取得ステップにより取得した撮影画像のうち、第1のタイミングに応じた第1の撮影画像と、第2のタイミングの第2の撮影画像とを抽出し、第1の撮影画像と第2の撮影画像との差異を検出する差異検出ステップと、合成手段が、第2の撮影画像から差異検出ステップにより検出された差異を含む領域を抽出し、元画像取得ステップにより取得された元画像に対して差異を含む領域の画像を合成した合成画像を生成する合成ステップと、ページ追加手段が、合成ステップにより生成された合成画像を、元画像取得ステップにより取得された元画像に対する新たなページの画像として、差異検出ステップにより差異が検出される毎に、順次、元画像に対して関連付けるページ追加ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プロジェクタにより投影された画像と、画像の投影面に手書きで追記された画像とを合成し、合成画像の再生時に、追記画像を追記順に再生できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態による画像処理装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、ホワイトボードに投影画像が投影された様子の例を示す図である。
【図3】図3は、フレーム枠検知処理の画像データのフローを示すブロック図である。
【図4】図4は、動体のフレームイン/フレームアウトの検知処理の画像データのフローを示すブロック図である。
【図5】図5は、動体検知部においてデータ量削減を行うための一例の構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、動体のフレームイン/フレームアウトの検知処理について説明するための略線図である。
【図7】図7は、動体のフレームイン/フレームアウトの画像データのキャプチャおよび比較の画像データのフローを示すブロック図である。
【図8】図8は、画像合成の際の画像データのフローを示すブロック図である。
【図9】図9は、ページ挿入の際の画像データのフローを示すブロック図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態による処理の流れを説明するための略線図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態による処理を示す一例のフローチャートである。
【図12】投影されたプロジェクタの元画像に対して手書きによる情報をホワイトボード上に追記することを説明するための略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法の一実施形態を詳細に説明する。本発明の実施形態では、プロジェクタにより画像が投影されたホワイトボードに手書きされた複数の追記画像を、その追記順に検知し、投影された元画像に対して、追記の順番に複数の追記画像を関連付ける。複数の追記画像を、追記の順序で元画像に対して合成表示することができ、極めて分かり易いプレゼンテーション画像を生成できる。
【0015】
(実施形態の概略の構成)
図1は、本実施形態による画像処理装置150の一例の構成を示す。また、図1には、本実施形態による画像処理装置150の使用形態も、併せて示されている。概略的には、パーソナルコンピュータ(PC)130が元画像を表示させるための元画像信号を出力し、プロジェクタ110に供給する。プロジェクタ110は、PC130から供給された元画像信号に基づく画像を、被投影体であるホワイトボード120に投影する。このホワイトボード120に投影された画像が、例えはビデオカメラからなる撮影装置140により撮影され、撮影画像信号が画像処理装置150に供給される。
【0016】
画像処理装置150は、供給された撮影画像信号からホワイトボード120上に投影された投影画像のフレーム枠領域を検出すると共に、検出されたフレーム枠領域に対して、人間の手などの動体が出入りしたか否かを判定する。動体の出入りがあったと判定したら、動体の出入りがあった前後のフレーム枠領域の画像の差異を検出する。差異を検出した場合、元画像に対する画像の追記があったと判定し、差異領域の画像を取得して元画像と合成して合成画像を生成する。
【0017】
画像処理装置150は、この処理を、プロジェクタ110により投影される元画像が、次の元画像に変更されるまで繰り返して実行し、順次、差異画像と元画像とを合成した合成画像を生成する。画像処理装置150は、プロジェクタ110により投影される画像が次の元画像に切り替えられた時点で、合成画像を直前の元画像に対して追記画像の追記順に関連付ける。
【0018】
そして、元画像に対して追記画像の追記順に関連付けられた合成画像を、当該元画像のデータに対して、当該元画像の次ページからの画像として挿入する。元画像のデータを再生する際に、当該元画像データに関連付けられた合成画像を、追記順に再生する事ができる。
【0019】
(PC)
図1を用いて、より詳細に説明する。PC130は、HDD(ハードディスクドライブ)131、インターフェイス(I/F)132および133、CPU135、ならびに、メモリ136などがバスにより互いに通信可能に接続される。CPU135は、例えばHDD131に予め格納されるプログラムに従い、メモリをワークメモリに用いてこのPC130の動作を制御する。
【0020】
また、HDD131は、CPU135が動作するためのプログラムが格納されると共に、ホワイトボード120に投影するための元画像の画像データが格納される。元画像データは、例えば所定のデータフォーマットで以て、ページ単位で元画像を管理することができるようになっている。CPU135は、所定の画像表示プログラムに従い、HDD131からこの元画像データを読み出して、元画像を表示するための表示制御信号を生成し、出力する。また、当該画像表示プログラムは、図示されない入力デバイスに対するユーザ操作などにより、元画像データに含まれる複数ページの元画像による表示制御信号を、順次生成し出力することができるようになっている。
【0021】
I/F132は、例えばグラフィクスインターフェイスであって、CPU135で生成された表示制御信号を、表示デバイスで表示可能な表示信号に変換して出力する。また、I/F133は、画像処理装置150との間でデータなどの授受を行うインターフェイスである。I/F133としては、USB(Universal Serial Bus)によるインターフェイス、有線または無線LAN(Local Area Network)接続のインターフェイスなどを用いる事ができる。
【0022】
なお、HDD131に格納された元画像データは、画像処理装置150などの外部装置からI/F133を介してアクセスし、加工することが可能となっている。また、元画像データは、HDD131に格納されているのに限らず、例えばCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、FD(フレキシブルディスク)、脱着可能な不揮発性の半導体メモリなどに格納しておき、図示されないドライブ装置を用いてCPU131が読み出すようにしてもよい。さらに、元画像データを、LANなどのネットワークを介して取得してもよい。
【0023】
(プロジェクタ)
プロジェクタ110は、光学変換部111、画像変換部112、信号検知部113、ADC(ADコンバータ)114およびI/F115を有する。例えばPC130といった外部の映像出力装置から、表示信号をビデオインターフェイスであるI/F部115で受信し、受信した表示信号をADC部114によりデジタルビデオ信号に変換する。なお、I/F115がデジタルビデオ信号に対応し、PC130から出力される表示信号がデジタル形式の信号であれば、ADC114を省略することができる。信号検知部113は、ADC114から出力されたデジタルビデオ信号による画像の画像サイズを検知する。
【0024】
画像変換部112は、信号検知部113による画像サイズの検知結果に基づき、このデジタルビデオ信号による画像を画像を外部に投影するために、指定のサイズにサイズ変換する。また、画像変換部112は、画像の色再現領域が各装置で異なるため、入力されたデジタルビデオ信号による画像の色領域と投影される画像の色領域とが同等になるように色変換を行う機能を有する。これにより、画像の色再現領域の機器間での差を吸収する。
【0025】
画像変換部112により最適に画像変換されたデジタルビデオ信号は、光学変換部111により2次元の光学的な映像信号に変換され、被投影体である外部のホワイトボード120に投影される。このとき、映像信号による映像がホワイトボード120に投影された場合の矩形の投影領域を、フレーム枠領域とする。
【0026】
(画像処理装置)
画像処理装置150は、I/F151、ADC152、信号検知部153、画像変換部154、動体検知部155、フレーム枠検知部156、動体タイミング検知部157、画像キャプチャ部158、第1蓄積部159、差異検知部160、画像合成部161、画像変換部162、第2蓄積部163、ページ挿入部164および外部I/F165を有する。
【0027】
画像処理装置150は、撮影装置140で撮影された撮影画像信号をビデオインターフェイスであるI/F151で受信し、ADC152によりアナログビデオ信号からデジタルビデオ信号に変換する。なお、I/F151がデジタルビデオ信号に対応しており、撮影装置140から出力される撮影画像信号がデジタル形式の信号であれば、ADC152は省略することができる。信号検知部153は、当該デジタルビデオ信号による画像の画像サイズを検知する。画像変換部154は、画像サイズの検知結果に基づいて、デジタルビデオ信号による画像の画像サイズを画像処理装置150内部で処理し易いサイズにサイズ変換する。
【0028】
このようにして撮影装置140から入力されたデジタルビデオ信号は、次の工程(1)〜(5)の順で処理される。以下、この工程(1)〜(5)の順に従い説明する。
(1)フレーム枠の検知
(2)動体のフレームイン/フレームアウトの検知
(3)動体のフレームイン/フレームアウト時の画像キャプチャおよび画像比較
(4)画像合成
(5)ページ挿入
【0029】
(1)フレーム枠検知
画像キャプチャ部158は、画像変換部154から出力されたデジタルビデオ信号から1フレーム毎に画像データをキャプチャする。キャプチャされた画像データは、第1蓄積部159に格納される。第1蓄積部159は、例えば半導体メモリからなる。第1蓄積部159をハードディスクドライブにより構成してもよい。フレーム枠検知部156は、第1の蓄積部159に格納されているキャプチャ画像データから、ホワイトボード120に投影された投影画像のフレーム枠を検知する。フレーム枠の検知は、例えば次のようにして行う。
【0030】
ホワイトボード120に投影された投影画像を撮影装置140で撮影た撮影画像信号がI/F151から入力されADC152でデジタルビデオ信号に変換され、信号検知部153および画像変換部154で所定の処理を施されて画像キャプチャ部158に供給される。画像キャプチャ部158は、供給されたデジタルビデオ信号から1フレーム分の画像データをキャプチャし、キャプチャ画像データを第1の蓄積部159に一時的に格納する。次に、フレーム枠検知部156が第1の蓄積部159に格納されたキャプチャ画像データにアクセスし、ホワイトボード120に投影された投影画像の枠の位置および大きさを検知する。
【0031】
図2は、ホワイトボード120に投影画像121が投影された様子の例を示す。図2は、薄暗くした環境の中でホワイトボード120に画像を投影した例である。領域122は、撮影装置140による撮影範囲であり、1フレーム分の撮影画像全体を示す。この場合、図2に示すように、投影画像121が、撮影画像121の領域以外の周囲123よりも明るくなる。撮影画像内における投影画像121周辺の明度差を読み取り、画像データの4辺端部から投影画像121の領域の枠を検知する。
【0032】
図2のグラフに示すように、明度に対するスレッショルドレベルThを予め設定し、スレッショルドレベルThよりも明度が高い領域の周囲をフレーム枠とし、フレーム枠で囲まれた領域をフレーム枠領域とする。このフレーム枠領域が投影画像121の領域と一致することになる。なお、ここでのフレーム枠およびフレーム枠領域は、ビデオ信号の1フレームとは異なる意味で用いている。
【0033】
図3は、フレーム枠検知処理の画像データのフローを示している。先ず、経路Aで、撮影装置140で撮影され、デジタル化された画像データが画像キャプチャ部158でキャプチャされ、第1蓄積部159に格納される。次に、経路Bで、フレーム枠検知部156が第1の蓄積部159にアクセスし、経路Aにて格納したキャプチャ画像データを読み出し、フレーム枠の検知を行う。
【0034】
(2)動体のフレームイン/フレームアウトの検知
動体検知部155は、撮影装置140で撮影された撮影画像に基づく画像データから動体を検知する。ここでいう動体は、時間的に連続した一連の画像データにおいて、位置が逐次的に変化している画像をいう。動体検知部155は、画像データに動体が含まれるか否か、動体が含まれる場合、その動体の画像内での位置を検知する。動体タイミング検知部157は、フレーム枠検知部156で検知されたフレーム枠の位置情報と、動体検知部155で検知された動体の位置情報から、動体がフレーム枠へ入ってきた(フレームイン)タイミングと、フレーム枠から出て行く(フレームアウト)タイミングとを検知する。
【0035】
図4は、動体のフレームイン/フレームアウトの検知処理の画像データのフローを示す。経路Cにより、フレーム枠検知部156で検知したフレーム枠情報を動体タイミング検知部157に通知する。また、経路Dにより、動体検知部155が、画像変換部154から供給される画像データに対して動体の検知処理を施し、動体の検知結果を動体タイミング検知部157に入力するフローチャートである。動体タイミング検知部157は、経路Cおよび経路Dからそれぞれ入力されたフレーム枠情報および動体の検知結果とに基づき、動体のフレームインおよびフレームアウトのタイミングを検知する。
【0036】
動体検知部155は、動体の先端がフレーム枠に対して外側にあるか内側にあるかを判定する必要があり、その場合の検知速度もある程度必要となる。そこで、読み込んだ画像データのデータ量を、必要な検知が可能な範囲で小さくする。
【0037】
図5は、動体検知部155においてデータ量削減を行うための一例の構成を示す。この例では、解像度変換と2値化とを行っている。先ず、動体検知部155に入力された画像データは、解像度変換部155aにより、例えば単純間引き処理により解像度変換され、より低い解像度の画像データに変換される。例えば、画素クロックを2回に1回有効とすることで、画像データ容量は半分にすることができる。次に、2値化部154bにより、多値データである画像データをあるスレッショルドレベルにより2値データの画像データに変換する。これにより、画像データのデータ量を削減することができる。本実施形態の場合、精度は余り必要としないので。速度優先で処理することができる。
【0038】
図6を用いて、動体のフレームイン/フレームアウトの検知処理について説明する。この場合の動体は、ペンを持った人の手の画像300である。図6(a)は、この画像300が投影画像121のフレーム枠に対して外側にある状態を示す。図6(b)は、図6(a)の状態から画像300が図中で左に移動して、投影画像121のフレーム枠の内側に入ってきた瞬間の状態を示す。これら図6(a)の画像と、図6(b)の画像とをXOR(エクスクルーシブOR)処理した画像の例を図6(c)に示す。この処理は、上述したように解像度変換(縮小)および2値化した画像データに対して実行するので、比較的高速に処理が完了する。図6(c)に示されるように、図6(a)の画像と図6(b)の画像とをXOR処理することで動体以外の画像部分は消去され、動作している動体の先端部が有効な画像データ301として残っていることを示している。
【0039】
動体タイミング検知部157は、常に現在のフレームの画像データと、1フレーム前の画像データとのXOR比較を行い、動体がフレーム枠内に入ってきた瞬間を検知する。
【0040】
また、この場合の、検知された動体は、例えばレーザーポインタの光であったり、PC画面を映し出している場合にはマウスカーソルであることも有り得る。これらの動体は、基本的にある点を指し示すだけの機能であり、画像を追記するものではないと考えられる。そこで、本実施形態では、このような点を指し示すための動体は、無効な動体であると判定するようにしている。
【0041】
より具体的に説明する。動体検知部155に対し、検知された動体の縦横のサイズを検出する動体サイズ検出部(図示しない)を設ける。すなわち、動体サイズ検出部は、XOR処理で明確になった動体の縦横のサイズを例えば画素単位で取得する。動体検知部155は、検知した動体のサイズを動体サイズ検出部で検出し、予め設定されたサイズ以上の動体を有効な動体とし、当該設定されたサイズよりも小さい動体は無効な動体とすることで、より効率的な処理を行うことができる。
【0042】
さらに、動体検知部155に対し、有効な動体がフレームインしてからフレームアウトするまでの時間を測定する時間測定部を設ける。動体サイズ検出部で有効な動体が検知されると、時間測定部でこの時間を測定し、測定された時間が予め設定した時間より短い場合、この動体が無効な動体であると最終的に判定する。動体がフレームインしてからフレームアウトするまでの時間が短い場合とは、例えば、ホワイトボード120に投影される画像を用いて説明を行う演者の手がフレーム枠を掠めて通るといった場合が考えられる。この場合、ホワイトボード120に画像を追記するほど時間が無いと考える事ができ、この動体が無効な動体であると判定する。これにより、さらに、より効率的な処理を行うことができる。
【0043】
(3)フレームイン/フレームアウト時の画像キャプチャおよび画像比較
画像キャプチャ部158は、画像変換部154から供給された画像データをフレーム毎にキャプチャし、順次、第1蓄積部159に格納する。一方、動体タイミング検知部157によって、画像変換部154から供給された画像データに基づき動体のフレームインのタイミングが検知され、そのタイミングが画像キャプチャ部158に通知される。同様に、動体タイミング検知部157によって、動体がフレームアウトするタイミングが検知され、そのタイミングが画像キャプチャ部158に通知される。画像キャプチャ部158は、動体タイミング検知部157から通知された動体のフレームイン、フレームアウトのタイミングを示す情報を、キャプチャした画像データに関連付ける。
【0044】
差異検知部160は、第1蓄積部159に格納されたフレームインのタイミングの画像データと、フレームアウトのタイミングの画像データとを比較し、その差異画像と差異領域とを検出する。これにより、動体が投影画像121のフレーム枠の内側に入ってきてから投影画像121のフレーム枠の外に出ていくまでの間にホワイトボード120に追記された画像を検出し、切り出すことができる。
【0045】
もし、ここで両者の画像に差異が無ければ、フレームインおよびフレームアウトの間にホワイトボード120に追記された画像が無いと判定する。一方、両者の画像に差異があった場合、その差異画像がホワイトボード120に追記された画像であると判定する。この追記された画像に基づき、その追記された画像が含まれる差異領域の画像データを、後述する画像合成に用いる差異画像データとして、第1蓄積部159に格納しておく。このとき、当該差異画像データに対して、差異領域の位置およびサイズを示す情報を、差異画像データと関連付けて格納する。
【0046】
図7は、動体のフレームイン/フレームアウトの画像データのキャプチャおよび比較の画像データのフローを示す。経路Eで、動体のフレームイン/フレームアウトの画像データが画像キャプチャ部158にキャプチャされ、第1蓄積部159に格納される。そして、差異検知部160は、経路Fで第1蓄積部159から動体のフレームイン/フレームアウトの画像データを読み出して比較し、その差異画像データを第1蓄積部159に格納する。
【0047】
このとき、1フレーム分の画像データを一時的に記憶する記憶部をさらに設け、動体がフレームインする直前(1フレーム前)のタイミングでキャプチャした画像データを当該記憶部から読み出して、フレームインのタイミングの画像データとして用いることで、比較に用いるフレームインのタイミングの画像データに動体自体が含まれず、無駄な処理が省ける。
【0048】
(4)画像合成
外部I/F165は、プロジェクタ110により投影されている元画像の画像データが格納されている記憶装置と通信を行うことができるインターフェイスである。この例では、外部I/F165は、PC130と通信を行い、PC130のHDD131に格納されている元画像データにアクセスすることができるようになっている。外部I/F165を介して読み込まれた元画像データは、第2蓄積部163に格納される。
【0049】
第2蓄積部163は、例えば半導体メモリからなる。第2蓄積部163をハードディスクドライブにより構成してもよい。また、上述した第1蓄積部159とこの第2蓄積部163とを、同一の記憶媒体の異なる領域としてもよい。
【0050】
画像変倍部162は、差異検知部160で検知され第1蓄積部159に格納された差異画像の画像サイズを、外部I/F165を介して第2蓄積部163に格納された元画像データの画像サイズに対して比率的に適合させるように変更する。例えば、画像変換部162は、元画像データの画像サイズと、フレーム枠検知部156で検知されたフレーム枠のサイズとの比率を求め、差異検知部160で検知され第1蓄積部159に格納された差異画像のサイズを、この比率に基づき元画像データの画像サイズに適合するように変更する。このとき、画像変倍部162は、さらに差異画像のフレーム枠に対する位置を、この比率から算出する。
【0051】
画像合成部161は、外部I/F165を介してPC130から読み込んだ元画像データと、差異検知部160で検知され第1の蓄積部159に格納された差異画像データとを画像合成する。上述したように、差異画像データは、画像変倍部162によって元画像データの画像サイズと適合するよう画像サイズを変更されている。画像合成部161は、この差異画像データを、画像変倍部162で算出された位置に基づき、元画像データに対して合成する。
【0052】
図8は、画像合成の際の画像データのフローを示す。画像合成部161は、経路Gで、外部I/F165を介して、PC130のHDD131から元画像データを読み出して第2蓄積部163に格納する。また、画像合成部161は、経路Hで、第1蓄積部159に蓄積された差異画像データを読み出す。読み出された差異画像データは、画像変倍部162で画像サイズの変更および位置算出がなされ、画像合成部161に供給される。画像合成部161は、第2蓄積部163に格納された元画像データと画像変倍部162から供給された差異画像データとを合成する。合成画像データは、ページ挿入部164に供給される。
【0053】
(5)ページ挿入
図9は、ページ挿入の際の画像データのフローを示す。ページ挿入部164は、図9の画像データのフローに経路Iとして示されるように、元画像データが記憶されている記憶装置、この例ではPC130のHDD131にアクセスし、画像合成部161によって元画像データと差異画像データとが合成された合成画像データによる合成画像を、元画像データによる元画像のページと、その次のページの間にページ挿入する。例えば、ページ挿入部164は、予め仕様として決められている元画像データのファイルフォーマットの構造を解析し、挿入すべきページに対して、合成画像をイメージ画像として挿入する。
【0054】
制御方法としては、画像処理装置150自体が編集権限を与えられた上で、PC130のHDD131にアクセスし、ファイルを加工する方法が考えられる。これに限らず、元画像データが格納されるPC130に対し、予め外部からのコマンドを受けてファイルを編集することが可能なアプリケーションを搭載しておき、そのアプリケーションとのコマンド、データのやり取りでファイルを加工することも考えられる。
【0055】
また、PC130が画像表示を行うためのファイルには、多くの種類のフォーマットが存在する。例えば、特定のファイルフォーマットに対して合成画像データをフォーマット変換できるファイル変換部を画像処理装置150にさらに備え、当該ファイル変換部で、合成画像データに対して、元画像データのファイルに合わせたフォーマット変換を実施することも考えられる。これにより、合成画像によるページを、違和感を抑制してファイルに挿入することができる。
【0056】
上述したような処理によって、プロジェクタ110により元画像が投影されたホワイトボード120上に追記された追記画像による画像データが、自動的に順次、元画像データのファイルに、当該元画像のページの次ページおよびそれ以降のページとして、ページ挿入される。
【0057】
図10を用いて、上述した本実施形態による処理の流れを説明する。図10(a)〜図10(l)の順に時間の経過を示し、ホワイトボードに画像を追記しようとする人の手が動体310であるものとする。図10(a)では、動体310の先端部分320がフレーム枠領域に懸かり、動体310がフレームインする瞬間を捉えている。そして、図10(b)に示されるように動体310によってホワイトボードに画像が追記され、図10(c)の時点で、動体310の先端部分321がフレーム枠領域から離れ、動体310がフレームアウトしている。このホワイトボードに投影されている投影画像と、動体310によって追記された追記画像とがキャプチャされ、上述したような処理によって、結果として図10(c)で示されたフレーム枠領域内の画像が、図10(a)の元画像のページの直後に新たなページとして挿入される。
【0058】
続けて、図10(d)の時点で動体310のフレームインが検知され、図10(e)に示されるように画像が追記され、図10(f)の時点で動体310のフレームアウトが検知される。このホワイトボードに投影されている投影画像と追記画像とがキャプチャされ、結果的に、図10(f)で示されたフレーム枠領域の画像が、上述した図10(c)の画像によるページの直後に新たなページとして挿入される。
【0059】
以降、図10(g)の時点で動体310のフレームインが検知され、図10(h)に示されるように画像が追記され、図10(i)の時点で動体310がフレームアウトされ、追記画像とホワイトボードの投影画像とがキャプチャされ、図10(i)で示されたフレーム枠領域の画像が、上述した図10(f)の画像によるページの直後に新たなページとして挿入される。さらに、図10(j)の時点で動体310のフレームインが検知され、図10(k)に示されるように画像が追記され、図10(l)の時点で動体310がフレームアウトされ、追記画像とホワイトボードの投影画像とがキャプチャされ、図10(l)で示されたフレーム枠領域の画像が、上述した図10(i)の画像によるページの直後に新たなページとして挿入される。
【0060】
最終的に、図10(a)に示す元画像のページに対し、図10(c)のフレーム枠領域の画像によるページ、図10(f)のフレーム枠領域の画像によるページ、図10(i)のフレーム枠領域の画像によるページ、図10(l)のフレーム枠領域の画像によるページが順に挿入される。
【0061】
この一連の繰り返し処理により、プロジェクタ110による投影画像に対してホワイトボード上に手書きで追記された複数の追記画像をその追記順に検知し、元画像データに対して追記順に複数の追記画像データを関連付けて、関連付け後、複数の追記画像データをその追記順で元原稿データに合成表示することができる。このため、非常に分かり易いプレゼンテーション画像を生成できる。
【0062】
図11は、本実施形態による処理を示す一例のフローチャートである。このフローチャートによる処理は、画像処理装置150で実行されるものである。先ず、ステップS1601で、画像合成を行うページ数Nを初期化してゼロクリアする。ステップS1602で、ホワイトボード120に投影された投影画像を撮影装置140で撮影した撮影画像信号から、1フレーム分の画像データが取得される。次のステップS1603で、取得された画像データに含まれる動体が検知される。次のステップS1604で、ステップS1603の処理により、画像データに有効な動体が含まれているか否かが判定される。若し、有効な動体が含まれていないと判定されたら、処理をステップS1602に戻し、次の1フレームについて処理を開始する。
【0063】
一方、ステップS1604で、画像データに有効な動体が含まれていると判定したら、処理はステップS1605に移行される。ステップS1605では、画像データに含まれる動体の状態が判定される。若し、動体が動作中であると判定されたら、処理はステップS1602に戻され、次の1フレームについて処理を開始する。なお、動作中とは、フレームインした動体がフレームアウトしていない状態を指す。
【0064】
ステップS1605で、動体がフレームインした瞬間であると判定されたら、処理がステップS1606に移行され、フレームイン直前のフレームの画像Aの画像データを第1蓄積部159に格納し、処理をステップS1601に戻す。フレームイン直前の画像Aを格納するのは、動体自体の画像が含まれない画像データを保持するためである。
【0065】
ステップS1605で、動体がフレームアウトした瞬間であると判定されたら、処理がステップS1607に移行され、フレームアウト直後の画像Bの画像データを第1蓄積部159に格納する。そして、次のステップS1608で、第1蓄積部159に格納された画像Aおよび画像Bの画像データが比較される。そして、次のステップS1609で、比較の結果、画像Aおよび画像Bに差異があるか否かが判定される。若し、画像Aおよび画像Bに差異が無いと判定されたら、処理がステップS1602に戻され、次のフレームに対する処理が開始される。
【0066】
一方、ステップS1609で画像Aおよび画像Bに差異があると判定されたら、処理がステップS1610に移行され、ページ数Nに1が加算された値が新たなページ数Nとされる。そして、次のステップS1611で、画像Aおよび画像Bの差異部分が抽出され、差異領域の画像データが差異画像データとして第1蓄積部159に格納される。また、次のステップS1612で、差異領域の元画像データに対する位置およびサイズが求められ、差異画像データと関連付けて第1蓄積部159に格納される。このステップS1612の処理までで、1の静止画像(元画像)に対して、ホワイトボード120に追記された追記画像を関連付けて第1蓄積部159に格納している状態となる。
【0067】
次のステップS1613で、現在ホワイトボード120に投影している元画像を継続して投影するのか、当該元画像の次ページの画像の投影に切り替えるかを判定する。例えば、PC130から画像処理装置150に対して、I/F133および外部I/F165を介して投影画像を切り替える旨を通知してもよいし、画像処理装置150に対するユーザ操作により手動で投影画像の切り替えを設定してもよい。また、撮影装置140で撮影した撮影画像信号に基づき投影画像の切り替えを判定する事も可能である。
【0068】
若し、次ページの画像が用意されているが、投影画像を切り替えずに現在投影されている元画像を継続して投影すると判定されたら、処理がステップS1602に戻され、次のフレームに対する処理が開始される。この繰り返しにより、1つの投影画像に対し、差異画像と判定された追記画像データが動体のフレームアウト毎に第1蓄積部159に順次格納されていくことになる。この追記画像データの数が、ステップS1610でカウントアップされたページ数Nの値となる。
【0069】
一方、ステップS1613で、投影画像を次ページの画像に切り替えると判定されたら、処理が1614に移行される。ステップS1614では、第1蓄積部159に格納された差異画像のページ数N分の差異画像データを、ステップS1606で第1蓄積部159に格納された画像Aに順次合成していく。
【0070】
具体的には、先ず画像Aに、ページ数N=1の時点の差異画像を合成して合成画像aを生成し、この合成画像aの合成画像データを第1蓄積部159に格納する。次に、合成画像aにページ数N=2の時点の差異画像を合成して合成画像bを生成し、第1蓄積部159に格納する。同様に、次に、合成画像bにページ数N=3の時点の差異画像を合成し合成画像cとして第1蓄積部159に格納する。以上の処理を、ページ数Nが示す最大ページ数まで実行する。これにより、合成画像がNページ分、第1蓄積部159に格納されることになる。これらNページ分の合成画像は、合成順序を保持したまま、画像Aの子画像として、当該画像Aに対して関連付けられる。
【0071】
処理はステップS1615に移行され、プロジェクタ110による一連の画像の投影が終了したか否かが判定される。例えば、PC130から画像処理装置150に対して、I/F133および外部I/F165を介して画像投影が終了した旨を通知してもよいし、画像処理装置150に対するユーザ操作により手動で画像投影の終了を設定してもよい。また、撮影装置140で撮影した撮影画像信号に基づき画像投影の終了を判定する事も可能である。若し、画像投影が継続され、次の画像が投影されると判定されたら、処理がステップS1602に戻され、当該次の画像を元画像として、以降の処理が繰り返される。
【0072】
若し、画像投影が終了したと判定されたら、処理はステップS1616に移行される。ステップS1616では、投影画像の元画像のファイルを、外部I/F165およびI/F133を介して読み込んで、次のステップS1617で、読み込んだファイル内の画像Aのページとその次の頁との間に、第1蓄積部159に格納されているNページ分の合成画像を合成順に挿入する。最後にステップS1617で挿入したファイルをステップS1618で元画像ファイルに書き戻す。
【0073】
この図11に示す処理により、プロジェクタ110でホワイトボード120に投影した投影画像に対して手書きで追記された追記画像が複数個所あり、且つ当該複数個所の追記画像に時間的な順序が必要な場合であっても、複数個所ある追記画像を追記順序通りに再生表示させることができる。したがって、ユーザにとって極めて分りやすいプレゼンテーション画像を生成することが可能となる。
【0074】
なお、上述では、画像処理装置150が独立した機器であるように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、画像処理装置150を、プロジェクタ110に含まれる構成とすることができる。この場合、画像処理装置150の各部をハードウェアで構成してもよいし、画像処理装置150の各機能をプロジェクタ110が有する図示されないCPU上で動作するプログラムによって実現してもよい。これに限らず、画像処理装置150の機能を、PC130のCPU135上で動作するプログラムで実現することも可能である。
【0075】
画像処理装置150の機能をプログラムで実現する場合、当該プログラムは、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、FD(フレキシブルディスク)、脱着可能な不揮発性の半導体メモリといった記憶媒体に記憶して提供することができる。これに限らず、当該プログラムをネットワークを介して提供するようにしてもよい提供されたプログラムは、装置内のHDDといった記憶媒体に所定にインストールされる。また、装置内のROM(Read Only Memory)に予め記憶するようにもできる。
【0076】
当該プログラムは、CPUにより実行されると、インストール先から読み出されてRAM(Random Access Memory)などの主記憶装置上に展開され、画像処理装置150の各部がモジュールとして主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0077】
110 プロジェクタ
120 ホワイトボード
130 PC
140 撮影装置
150 画像処理装置
155 動体検知部
156 フレーム枠検知部
157 動体タイミング検知部
158 画像キャプチャ部
159 第1蓄積部
160 差異検知部
161 画像合成部
162 画像変倍部
163 第2蓄積部
164 ページ挿入部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開2006−108813号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
元画像を被投影体に投影したフレーム枠領域を撮影手段で撮影した撮影画像を取得する画像取得手段と、
前記元画像を取得する元画像取得手段と、
前記画像取得手段で取得された前記撮影画像から前記フレーム枠領域を検出する領域検出手段と、
前記画像取得手段で取得された前記撮影画像から動体を検出する動体検出手段と、
前記動体検出手段で検出された前記動体が前記領域検出手段で検出された前記フレーム枠領域内に入る第1のタイミングと、該動体が該フレーム枠領域から出る第2のタイミングとを検知する検知手段と、
前記画像取得手段が取得した前記撮影画像のうち、前記第1のタイミングに応じた第1の撮影画像と、前記第2のタイミングの第2の撮影画像とを抽出し、該第1の撮影画像と該第2の撮影画像との差異を検出する差異検出手段と、
前記第2の撮影画像から前記差異検出手段で検出された前記差異を含む領域を抽出し、前記元画像取得手段で取得された前記元画像に対して該差異を含む領域の画像を合成した合成画像を生成する合成手段と、
前記合成手段で生成された前記合成画像を、前記元画像取得手段で取得された前記元画像に対する新たなページの画像として、前記差異検出手段により前記差異が検出される毎に、順次、該元画像に対して関連付けるページ追加手段と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記動体検出手段は、
検出された前記動体のサイズを取得し、取得された該サイズが予め定められたサイズを超えている場合に、該動体が有効であると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検知手段は、
前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの間の時間を計測し、計測された該時間が予め定められた時間を超えている場合に、前記動体が有効であると判定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
少なくとも1フレーム分の前記撮影画像を記憶する記憶手段をさらに有し、
前記差異検出手段は、
前記記憶手段に記憶された前記第1のタイミングの直前のフレームの撮影画像を用いて、前記差異を検出する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記元画像取得手段で取得された前記元画像のサイズと、前記領域検出手段で検出された前記フレーム枠領域のサイズとの比率を求め、前記差異を含む領域の画像のサイズを該比率に基づき変更する変更手段をさらに有し、
前記合成手段は、
前記変更手段でサイズを変更された前記差異を含む領域の画像を前記元画像に対して合成する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記元画像が格納されるファイルを加工して、前記ページ追加手段で前記元画像に対して関連付けられた前記新たなページの画像を、前記ファイルに格納される前記元画像に対して時系列順に挿入する加工手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像取得手段が、元画像を被投影体に投影したフレーム枠領域を撮影手段で撮影した撮影画像を取得する画像取得ステップと、
元画像取得手段が、前記元画像を取得する元画像取得ステップと、
領域検出手段が、前記画像取得ステップにより取得された前記撮影画像から前記フレーム枠領域を検出する領域検出ステップと、
動体検出手段が、前記画像取得ステップにより取得された前記撮影画像から動体を検出する動体検出ステップと、
検知手段が、前記動体検出ステップにより検出された前記動体が前記領域検出ステップにより検出された前記フレーム枠領域内に入る第1のタイミングと、該動体が該フレーム枠領域から出る第2のタイミングとを検知する検知ステップと、
差異検出手段が、前記画像取得ステップにより取得した前記撮影画像のうち、前記第1のタイミングに応じた第1の撮影画像と、前記第2のタイミングの第2の撮影画像とを抽出し、該第1の撮影画像と該第2の撮影画像との差異を検出する差異検出ステップと、
合成手段が、前記第2の撮影画像から前記差異検出ステップにより検出された前記差異を含む領域を抽出し、前記元画像取得ステップにより取得された前記元画像に対して該差異を含む領域の画像を合成した合成画像を生成する合成ステップと、
ページ追加手段が、前記合成ステップにより生成された前記合成画像を、前記元画像取得ステップにより取得された前記元画像に対する新たなページの画像として、前記差異検出ステップにより前記差異が検出される毎に、順次、該元画像に対して関連付けるページ追加ステップと
を有する
ことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−199676(P2012−199676A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61432(P2011−61432)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】