画像処理装置および画像処理装置の制御方法
【課題】XOR,AND,XORのROP処理の組み合わせは擬似透過、切り抜き、あるいはその混在を描画する。拡大、縮小等の際に意図した効果が保持できない。
【解決手段】XOR,AND,XORのROP処理の組み合わせの意図を判断して、他の描画命令に置き換えることで、拡大、縮小の際でも意図した効果を保持できる。
【解決手段】XOR,AND,XORのROP処理の組み合わせの意図を判断して、他の描画命令に置き換えることで、拡大、縮小の際でも意図した効果を保持できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理方法に関して、パーソナルコンピュータ、印刷装置などの情報処理システムにおける画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
Windows(登録商標)GDIでは様々な描画処理をROP(ラスターオペレーション)処理の組み合わせで実現している。アプリケーションによっては非常に複雑なROP処理を使用するものもある。一方でROPをサポートしていないページ記述言語解釈系も存在する。従来の技術としては複雑なROP演算を出力サイズ、描画品質の両面で最適化し、それをサポートしないページ記述言語解釈系においても正常に描画することを可能としているものがある。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−303077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Windows(登録商標)GDIでは擬似透過描画と切り抜き描画を特定のROP処理の組み合わせで実現している。同じROP処理の組み合わせを使用しているが用途が異なるため、拡大・縮小処理時等これらの処理を区別したい場合がある。例えば XOR、AND、XORのROP処理の組み合わせで、切り抜き描画を行う例を図1に、同じ XOR、AND、XORのROP処理の組み合わせで、擬似透過描画を行う例を図2に示す。また図3の様に擬似透過描画と切り抜き処理を混ぜ合わせて描画される場合もあり、この場合は擬似透過描画か切り抜き描画かをレンダリング処理時にROP処理の組み合わせでは判断することができない。
【0005】
拡大、縮小時には擬似透過描画と切り抜き描画では異なる処理を行いたい。例えば図4は切り抜き描画の拡大時の例である。切り抜き描画の場合は拡大時にもANDビットマップをそのまま拡大することで意図した出力結果が得られる。一方、図5の擬似透過描画の拡大時には、ANDビットマップをそのまま拡大すると擬似透過パターンが崩れ、透過度が変わってしまったりスジがでたりしてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に関わる画像処理装置は、
ROP演算の組み合わせの意図を判断する画像処理装置であって、
描画データから特定のROP演算の組み合わせを取り出す手段と、
ROP演算からパターンビットマップを取り出す手段と、
取り出したパターンビットマップを用いて擬似透過か切り抜きかを判断する手段 からなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、
XOR−AND−XORのROPの組み合わせにおいて、擬似透過描画を意図するか切り抜き描画を意図するかを区別することができ、それぞれに適した処理を行うことができる。また擬似透過描画と切り抜き描画が混在された場合でもそれぞれを分けて処理することができる。2つの描画を区別できることで拡大・縮小時にもそれぞれの特徴を崩さずに処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1はROP演算の組み合わせによる図形の切り抜き描画を示した図である。
【図2】図2はROP演算の組み合わせによる図形の擬似透過描画を示した図である。
【図3】図3はROP演算の組み合わせによる図形の切り抜き描画と擬似透過描画の混在を示した図である。
【図4】図4は拡大時のROP演算の組み合わせによる図形の切り抜き描画を示した図である。
【図5】図5は拡大時のROP演算の組み合わせによる図形の擬似透過描画を示した図である。
【図6】図6は本実施例の画像処理印刷方法が適用される情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図7は画像処理方法制御プログラムと関連するデータが、媒体読取装置記憶装置に格納されていたデータと中央処理演算装置に読み込まれ、入力装置から印刷命令が入力されて、プリンタへデータを送るまでの概念図である。
【図8】図8は本発明の実施例の印刷システム全体構成を示すブロック図である。
【図9】図9は本実施形態における画像処理システムのブロック図である。
【図10】図10はANDパターンから16*16ブラシパターンを抽出する方法を示した図である。
【図11】図11はANDパターンから16*16ブラシパターンを抽出するフローチャート図である。
【図12】図12は擬似透過描画と判断する方法を示した図である。
【図13】図13は切り抜き描画と判断する方法を示した図である。
【図14】図14は切り抜き+擬似透過描画の混在と判断する方法を示した図である。
【図15】図15は擬似透過、切り抜きあるいはその混在かを判断するフローチャート図である。
【図16】図16は擬似透過+切り抜きの混在描画をROP3に変換する方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
印刷処理システムにおいて特にプリンタドライバ内に本発明である描画処理判定方法を適合させた場合の実施例である。しかしこの描画処理判定方法は、プリンタドライバではなく、印刷装置内で行っても同様に成立する。またこの描画処理判定方法は、ディスプレイ装置やその他画像処理を行なうアプリケーションで行っても同様に成立する。
【0011】
図6は本発明である描画処理判定方法が適用される情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図6において、1は中央処理装置で、上記プログラムおよび関連データが記憶されているFD,CD−ROM,ICメモリカード等の記憶媒体をシステムに接続された媒体読取装置6から読み込む。その後、補助記憶装置3から主記憶装置2にロードされたシステムプログラム、アプリケーションプログラムによって、入力装置4から入力される情報を処理して、出力装置5や印刷装置7に出力する。なお、本実施例では、出力装置5はディスプレイなどの表示装置とし、本来出力装置に含まれる印刷装置7と区別する。また、入力装置4はキーボード、ポインティングデバイス等で構成されているものとする。さらに補助記憶装置3は、ハードディスク、光磁気ディスクで構成されるものであってもいいし、これらの組み合わせで構成されるものであってもよい。また、それぞれの装置がネットワークを介して接続されていようとも、本発明を制約するものではない。
【0013】
図7は媒体読取装置記憶装置に格納されていた画像処理方法制御プログラムと関連するデータが中央処理演算装置に読み込まれ、入力装置から印刷命令が入力されて、印刷装置へデータを送り印刷するまでの概念図をあらわす。アプリケーション、ドライバともOSの制御下で機能する。
【0014】
図8は、本発明の特徴を最もよくあらわす図面である。同図において9は後述する本発明の印刷システムにおけるクライアントコンピュータ本体およびそれを制御しているOSを示し、後述する印刷装置7とはセントロニクスインターフェースにより接続されている。11はそのOS上に印刷装置を制御するアプリケーションソフト(プリンタドライバ)である。
【0015】
12は本発明におけるユーザが印刷装置に対しての設定など各種印刷設定等を入力したり、印刷開始指示をしたりするためのユーザインターフェース部である。
【0016】
13は印刷データ制御部で、アプリケーションから指定される描画命令を受け、印刷装置で処理できるデータを作成する。この印刷データ制御部は、本発明である印刷システムにおけるホスト装置側の重要な処理部を含む。
【0017】
14は描画データから擬似透過描画と切り抜き描画を意図するROP描画を抽出するROP描画抽出部である。
【0018】
15は14で抽出されたXOR−AND−XORのROP描画のAND描画に含まれるパターンを抽出するパターン抽出部である。
【0019】
16は15で抽出されたパターンを用いて、描画データが擬似透過か切り抜きかを判断する擬似透過、切り抜き判断部である。
【0020】
17は16で判断された結果を元に、意図した出力が行える様に描画データを再構築する描画データ生成部である。
【0021】
18はレンダリングを行い、PDLデータ等の印刷データを生成する印刷データ生成部である。
【0022】
19は印刷コマンド制御部で、印刷データ生成部により作成された印刷データに対し、印刷装置に対応した印刷コマンドに変更するものであり、また印刷コマンド全体を制御も行う。
【0023】
20はOSの機能であり、セントロニクス接続により印刷装置とのデータ送受信を行うデータ送受信部である。
【0024】
7は印刷装置であり、接続されたホスト装置からの指示に応じた印刷処理等を行う。
【0025】
図9が本実施形態における画像処理システムのブロック図である。
【0026】
図9のRop描画抽出部では描画データからXOR−AND−XORの組を取り出す。擬似透過や切り抜きを意図するXOR−AND−XORの組はXORとXORが同じ描画内容であることで判断できる。またXOR−AND−XORと順番に呼ばれるのではなく、XOR1,XOR2,XOR3,AND1,AND2,AND3,XOR1,XOR2,XOR3と複数のXOR−AND−XORの組が混在して呼ばれることもある。
【0027】
図9のパターン抽出部では、AND描画から擬似透過をあらわすパターンを抽出する。
【0028】
図10がパターン抽出方法を示した図である。AND描画から一定のパターンを16*16ブラシとして抽出している。
【0029】
以下、図11のフローチャートを参照しながらAND描画からパターンを抽出する方法について説明する。図11の処理はプリンタドライバのプログラムの処理である。
【0030】
AND描画の(17,17)等を始点として16*16Bitを取り出す(11−1)。上下、左右16Bitシフトしてパターンを比較する(11−4)。一致するならその16*16Bitをパターンとみなす(11−5,11−6)。一致しなければ右に32Bitシフトして比較を繰り返す(11−7)。右端まできたら下に32Bitシフトして比較を繰り返す(11−8)。パターンを抽出するまで、ページ全体に対し繰り返す(11−2,11−3)。
【0031】
図9の擬似透過、切り抜き判断部ではパターン抽出部で抽出したパターンを用いて、XOR−AND−XORの組が擬似透過を意図したものか切り抜きを意図したものかあるいはその混在かを判断する。
【0032】
図12に擬似透過、図13に切り抜き、図14に擬似透過と切抜きの混在と判断するフローの図を示した。
【0033】
図15のフローチャートを参照しながら判断方法について説明する。図15の処理はプリンタドライバのプログラムの処理である。
【0034】
XOR−AND−XORの組であれば処理が開始される(15−1)。16*16のパターンが抽出できなければ切り抜き処理と判断できる(15−2,15−3)。パターンが抽出できたならば、ブラシパターンとANDパターンを比較して、一致すれば1、しなければ0を立てる(15−4)。全て1ならば、擬似透過処理であると判断できる(15−5,15−6)。そうでなければ擬似透過処理と切抜き処理の混在と判断できる。1と立てた部分が擬似透過部分である(15−7)。
【0035】
図9の描画データ生成部では擬似透過、切り抜き判断部での判断結果を元に描画データを生成する。例えば図16の様に外枠+ブラシの描画に変換することで、拡大縮小を行ってもパターンが崩れることがなくなり、擬似透過、切り抜き の効果を保持することができる。
【0036】
以上で、本画像処理に関する処理が終了する。
【0037】
この縮小処理は、プリンタドライバではなく、プリンタ内で行なっても同様に成立する。つまり図8のコントローラ部(22)でも同様の処理が可能となる。
【符号の説明】
【0038】
中央処理装置
主記憶装置
補助記憶装置
入力装置
出力装置
媒体読取装置
印刷装置
ROM
9 OS
10 アプリケーション
11 プリンタドライバ
12 ユーザインターフェース部
13 印刷データ制御部
14 ROP描画抽出部
15 パターン抽出部
16 擬似透過、切り抜き判断部
17 描画データ生成部
18 印刷データ生成部
19 印刷コマンド制御部
20 データ送受信部(ホスト装置側)
21 データ受信部(デバイス装置側)
22 コントローラ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理方法に関して、パーソナルコンピュータ、印刷装置などの情報処理システムにおける画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
Windows(登録商標)GDIでは様々な描画処理をROP(ラスターオペレーション)処理の組み合わせで実現している。アプリケーションによっては非常に複雑なROP処理を使用するものもある。一方でROPをサポートしていないページ記述言語解釈系も存在する。従来の技術としては複雑なROP演算を出力サイズ、描画品質の両面で最適化し、それをサポートしないページ記述言語解釈系においても正常に描画することを可能としているものがある。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−303077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Windows(登録商標)GDIでは擬似透過描画と切り抜き描画を特定のROP処理の組み合わせで実現している。同じROP処理の組み合わせを使用しているが用途が異なるため、拡大・縮小処理時等これらの処理を区別したい場合がある。例えば XOR、AND、XORのROP処理の組み合わせで、切り抜き描画を行う例を図1に、同じ XOR、AND、XORのROP処理の組み合わせで、擬似透過描画を行う例を図2に示す。また図3の様に擬似透過描画と切り抜き処理を混ぜ合わせて描画される場合もあり、この場合は擬似透過描画か切り抜き描画かをレンダリング処理時にROP処理の組み合わせでは判断することができない。
【0005】
拡大、縮小時には擬似透過描画と切り抜き描画では異なる処理を行いたい。例えば図4は切り抜き描画の拡大時の例である。切り抜き描画の場合は拡大時にもANDビットマップをそのまま拡大することで意図した出力結果が得られる。一方、図5の擬似透過描画の拡大時には、ANDビットマップをそのまま拡大すると擬似透過パターンが崩れ、透過度が変わってしまったりスジがでたりしてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に関わる画像処理装置は、
ROP演算の組み合わせの意図を判断する画像処理装置であって、
描画データから特定のROP演算の組み合わせを取り出す手段と、
ROP演算からパターンビットマップを取り出す手段と、
取り出したパターンビットマップを用いて擬似透過か切り抜きかを判断する手段 からなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、
XOR−AND−XORのROPの組み合わせにおいて、擬似透過描画を意図するか切り抜き描画を意図するかを区別することができ、それぞれに適した処理を行うことができる。また擬似透過描画と切り抜き描画が混在された場合でもそれぞれを分けて処理することができる。2つの描画を区別できることで拡大・縮小時にもそれぞれの特徴を崩さずに処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1はROP演算の組み合わせによる図形の切り抜き描画を示した図である。
【図2】図2はROP演算の組み合わせによる図形の擬似透過描画を示した図である。
【図3】図3はROP演算の組み合わせによる図形の切り抜き描画と擬似透過描画の混在を示した図である。
【図4】図4は拡大時のROP演算の組み合わせによる図形の切り抜き描画を示した図である。
【図5】図5は拡大時のROP演算の組み合わせによる図形の擬似透過描画を示した図である。
【図6】図6は本実施例の画像処理印刷方法が適用される情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図7は画像処理方法制御プログラムと関連するデータが、媒体読取装置記憶装置に格納されていたデータと中央処理演算装置に読み込まれ、入力装置から印刷命令が入力されて、プリンタへデータを送るまでの概念図である。
【図8】図8は本発明の実施例の印刷システム全体構成を示すブロック図である。
【図9】図9は本実施形態における画像処理システムのブロック図である。
【図10】図10はANDパターンから16*16ブラシパターンを抽出する方法を示した図である。
【図11】図11はANDパターンから16*16ブラシパターンを抽出するフローチャート図である。
【図12】図12は擬似透過描画と判断する方法を示した図である。
【図13】図13は切り抜き描画と判断する方法を示した図である。
【図14】図14は切り抜き+擬似透過描画の混在と判断する方法を示した図である。
【図15】図15は擬似透過、切り抜きあるいはその混在かを判断するフローチャート図である。
【図16】図16は擬似透過+切り抜きの混在描画をROP3に変換する方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
印刷処理システムにおいて特にプリンタドライバ内に本発明である描画処理判定方法を適合させた場合の実施例である。しかしこの描画処理判定方法は、プリンタドライバではなく、印刷装置内で行っても同様に成立する。またこの描画処理判定方法は、ディスプレイ装置やその他画像処理を行なうアプリケーションで行っても同様に成立する。
【0011】
図6は本発明である描画処理判定方法が適用される情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図6において、1は中央処理装置で、上記プログラムおよび関連データが記憶されているFD,CD−ROM,ICメモリカード等の記憶媒体をシステムに接続された媒体読取装置6から読み込む。その後、補助記憶装置3から主記憶装置2にロードされたシステムプログラム、アプリケーションプログラムによって、入力装置4から入力される情報を処理して、出力装置5や印刷装置7に出力する。なお、本実施例では、出力装置5はディスプレイなどの表示装置とし、本来出力装置に含まれる印刷装置7と区別する。また、入力装置4はキーボード、ポインティングデバイス等で構成されているものとする。さらに補助記憶装置3は、ハードディスク、光磁気ディスクで構成されるものであってもいいし、これらの組み合わせで構成されるものであってもよい。また、それぞれの装置がネットワークを介して接続されていようとも、本発明を制約するものではない。
【0013】
図7は媒体読取装置記憶装置に格納されていた画像処理方法制御プログラムと関連するデータが中央処理演算装置に読み込まれ、入力装置から印刷命令が入力されて、印刷装置へデータを送り印刷するまでの概念図をあらわす。アプリケーション、ドライバともOSの制御下で機能する。
【0014】
図8は、本発明の特徴を最もよくあらわす図面である。同図において9は後述する本発明の印刷システムにおけるクライアントコンピュータ本体およびそれを制御しているOSを示し、後述する印刷装置7とはセントロニクスインターフェースにより接続されている。11はそのOS上に印刷装置を制御するアプリケーションソフト(プリンタドライバ)である。
【0015】
12は本発明におけるユーザが印刷装置に対しての設定など各種印刷設定等を入力したり、印刷開始指示をしたりするためのユーザインターフェース部である。
【0016】
13は印刷データ制御部で、アプリケーションから指定される描画命令を受け、印刷装置で処理できるデータを作成する。この印刷データ制御部は、本発明である印刷システムにおけるホスト装置側の重要な処理部を含む。
【0017】
14は描画データから擬似透過描画と切り抜き描画を意図するROP描画を抽出するROP描画抽出部である。
【0018】
15は14で抽出されたXOR−AND−XORのROP描画のAND描画に含まれるパターンを抽出するパターン抽出部である。
【0019】
16は15で抽出されたパターンを用いて、描画データが擬似透過か切り抜きかを判断する擬似透過、切り抜き判断部である。
【0020】
17は16で判断された結果を元に、意図した出力が行える様に描画データを再構築する描画データ生成部である。
【0021】
18はレンダリングを行い、PDLデータ等の印刷データを生成する印刷データ生成部である。
【0022】
19は印刷コマンド制御部で、印刷データ生成部により作成された印刷データに対し、印刷装置に対応した印刷コマンドに変更するものであり、また印刷コマンド全体を制御も行う。
【0023】
20はOSの機能であり、セントロニクス接続により印刷装置とのデータ送受信を行うデータ送受信部である。
【0024】
7は印刷装置であり、接続されたホスト装置からの指示に応じた印刷処理等を行う。
【0025】
図9が本実施形態における画像処理システムのブロック図である。
【0026】
図9のRop描画抽出部では描画データからXOR−AND−XORの組を取り出す。擬似透過や切り抜きを意図するXOR−AND−XORの組はXORとXORが同じ描画内容であることで判断できる。またXOR−AND−XORと順番に呼ばれるのではなく、XOR1,XOR2,XOR3,AND1,AND2,AND3,XOR1,XOR2,XOR3と複数のXOR−AND−XORの組が混在して呼ばれることもある。
【0027】
図9のパターン抽出部では、AND描画から擬似透過をあらわすパターンを抽出する。
【0028】
図10がパターン抽出方法を示した図である。AND描画から一定のパターンを16*16ブラシとして抽出している。
【0029】
以下、図11のフローチャートを参照しながらAND描画からパターンを抽出する方法について説明する。図11の処理はプリンタドライバのプログラムの処理である。
【0030】
AND描画の(17,17)等を始点として16*16Bitを取り出す(11−1)。上下、左右16Bitシフトしてパターンを比較する(11−4)。一致するならその16*16Bitをパターンとみなす(11−5,11−6)。一致しなければ右に32Bitシフトして比較を繰り返す(11−7)。右端まできたら下に32Bitシフトして比較を繰り返す(11−8)。パターンを抽出するまで、ページ全体に対し繰り返す(11−2,11−3)。
【0031】
図9の擬似透過、切り抜き判断部ではパターン抽出部で抽出したパターンを用いて、XOR−AND−XORの組が擬似透過を意図したものか切り抜きを意図したものかあるいはその混在かを判断する。
【0032】
図12に擬似透過、図13に切り抜き、図14に擬似透過と切抜きの混在と判断するフローの図を示した。
【0033】
図15のフローチャートを参照しながら判断方法について説明する。図15の処理はプリンタドライバのプログラムの処理である。
【0034】
XOR−AND−XORの組であれば処理が開始される(15−1)。16*16のパターンが抽出できなければ切り抜き処理と判断できる(15−2,15−3)。パターンが抽出できたならば、ブラシパターンとANDパターンを比較して、一致すれば1、しなければ0を立てる(15−4)。全て1ならば、擬似透過処理であると判断できる(15−5,15−6)。そうでなければ擬似透過処理と切抜き処理の混在と判断できる。1と立てた部分が擬似透過部分である(15−7)。
【0035】
図9の描画データ生成部では擬似透過、切り抜き判断部での判断結果を元に描画データを生成する。例えば図16の様に外枠+ブラシの描画に変換することで、拡大縮小を行ってもパターンが崩れることがなくなり、擬似透過、切り抜き の効果を保持することができる。
【0036】
以上で、本画像処理に関する処理が終了する。
【0037】
この縮小処理は、プリンタドライバではなく、プリンタ内で行なっても同様に成立する。つまり図8のコントローラ部(22)でも同様の処理が可能となる。
【符号の説明】
【0038】
中央処理装置
主記憶装置
補助記憶装置
入力装置
出力装置
媒体読取装置
印刷装置
ROM
9 OS
10 アプリケーション
11 プリンタドライバ
12 ユーザインターフェース部
13 印刷データ制御部
14 ROP描画抽出部
15 パターン抽出部
16 擬似透過、切り抜き判断部
17 描画データ生成部
18 印刷データ生成部
19 印刷コマンド制御部
20 データ送受信部(ホスト装置側)
21 データ受信部(デバイス装置側)
22 コントローラ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ROP演算の組み合わせの意図を判断する画像処理装置であって、描画データから特定のROP演算の組み合わせを取り出す手段(9−1)と、ROP演算からパターンビットマップを取り出す手段(9−2)と、取り出したパターンビットマップを用いてROP演算の組み合わせの意図を判断する手段(9−3)からなる画像処理装置。
【請求項2】
ROP演算の組み合わせの意図とはXOR、AND,XORで擬似透過処理と図形の切り抜き処理あるいはその混在であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
ROP演算の組み合わせの意図を正しく処理するために他のROP演算の組み合わせに変換すること(9−4)を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項1】
ROP演算の組み合わせの意図を判断する画像処理装置であって、描画データから特定のROP演算の組み合わせを取り出す手段(9−1)と、ROP演算からパターンビットマップを取り出す手段(9−2)と、取り出したパターンビットマップを用いてROP演算の組み合わせの意図を判断する手段(9−3)からなる画像処理装置。
【請求項2】
ROP演算の組み合わせの意図とはXOR、AND,XORで擬似透過処理と図形の切り抜き処理あるいはその混在であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
ROP演算の組み合わせの意図を正しく処理するために他のROP演算の組み合わせに変換すること(9−4)を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−99051(P2012−99051A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248281(P2010−248281)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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