説明

画像処理装置及びプログラム

【課題】より簡易な取扱いとしながら、正しい状態のドキュメント画像を出力する。
【解決手段】ドキュメントを載置する上面に所定のマーク(RM)が付加された書画台と、書画台の上面を撮影する撮影系21〜27と、撮影系21〜27での撮影により取得した画像データ中のマーク(RM)の画像の存在の有無を判定し、その判定結果に応じて撮影系21〜27での撮影により取得した画像データ中のドキュメント部分を90°回転した画像データを出力する制御部31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプロジェクタ装置と接続してプレゼンテーションを行なうのに好適な書画カメラ装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、台上に載置した各種ドキュメントの画像を撮影して画像信号化し、外部接続したプロジェクタ装置等へ出力することで、ドキュメント画像を拡大して表示させることが可能な書画カメラ装置が各種製品化されている。
【0003】
この種の書画カメラ装置では、例えばカメラ部をスタンド部と着脱自在な構成とし、カメラ部単独でも携帯して使用可能とすることで、使用範囲を広げ、使い勝手に優れたものとするなど、各種の技術が考えられている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−143091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記特許文献1に記載された技術も含め、書画カメラ装置本来の使用環境下では、書画台上に載置したドキュメントの画像を撮影して得た画像データを出力する。その際の技術として、例えば撮影画像中のドキュメントの矩形範囲を抽出することで、書画台上に斜めに載置されたドキュメント画像を正しい向きの画像にして出力する斜め補正処理、カメラ撮影光軸に対するドキュメント画像の位置の離間により本来は矩形であるドキュメント画像が台形状に撮影されてしまうのを元の矩形画像に変形する台形補正処理、など、各種の補正処理を行なうことが考えられている。
【0006】
また、ドキュメント画像をその内容の向きに関係なく、とりあえず書画台上に載置した後、表示される内容を見ながら適宜出力画像の向きを例えば90°単位で順次回転させることにより、画面上でドキュメント画像が正しい天地方向で表示させる回転補正処理を行なうことが可能なものも考えられている。
【0007】
しかしながら、それらの補正処理は、いずれも何らかのユーザのキー操作による指示に伴って実行されるものであり、その操作が煩雑であると考えられることも多い。
【0008】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、より簡易な取扱いとしながら、正しい状態のドキュメント画像を出力することが可能な書画カメラ装置、画像処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、ドキュメントを載置する上面に所定のマークが付加された書画台と、上記書画台の上面を撮影する撮影手段と、上記撮影手段での撮影により取得した画像データ中の上記所定のマークの画像の存在の有無を判定する判定手段と、上記判定手段での判定結果に応じ、上記撮影手段での撮影により取得した画像データの少なくとも一部を所定の角度だけ回転した画像データを出力する出力制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記出力制御手段は、上記撮影手段での撮影により取得した画像データ中の矩形領域を抽出し、当該矩形領域の画像データに対して90°を単位とした所定の角度だけ回転した画像データを出力することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記書画台は、複数種類の所定のマークが上面に付加され、上記判定手段は、画像データ中の上記複数種類の所定のマークの画像の存在の有無を判定し、上記出力制御手段は、上記判定手段での判定結果に応じ、上記撮影手段での撮影により取得した画像データの少なくとも一部を複数種設定された角度のうちの1つ分だけ回転した画像データを出力することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、ドキュメントを載置する上面に所定のマークが付加された書画台、上記書画台の上面を撮影する撮影部、及び上記撮影部での撮影により取得した画像データを出力する出力部を備えた書画カメラ装置の画像処理方法であって、上記撮影部での撮影により取得した画像データ中の上記所定のマークの画像の存在の有無を判定する判定工程と、上記判定工程での判定結果に応じ、上記撮影部での撮影により取得した画像データの少なくとも一部を所定の角度だけ回転した画像データを上記出力部より出力させる出力制御工程とを有したことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、ドキュメントを載置する上面に所定のマークが付加された書画台、上記書画台の上面を撮影する撮影部、及び上記撮影部での撮影により取得した画像データを出力する出力部を備えた書画カメラ装置に内蔵されたコンピュータが実行するプログラムであって、上記撮影部での撮影により取得した画像データ中の上記所定のマークの画像の存在の有無を判定する判定ステップと、上記判定ステップでの判定結果に応じ、上記撮影部での撮影により取得した画像データの少なくとも一部を所定の角度だけ回転した画像データを上記出力部より出力させる出力制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、単に書画台上に載置されたドキュメントが書画台の所定のマークを覆っているか否かを撮影で得た画像データから判定することで当該画像データに対する所定の角度分の回転を行なうかどうか、その出力を制御するものとしたため、ユーザは書画台上へドキュメントを置く位置のみを留意すれば良く、より簡易な取扱いとしながら、正しい状態のドキュメント画像を出力させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る書画カメラ装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】同実施形態に係る書画台単体の構成を示す平面図。
【図3】同実施形態に係る機能構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態に係るドキュメント画像データの出力処理内容を示すフローチャート。
【図5】同実施形態に係る書画台上のドキュメント用紙と出力される画像データの内容とを例示する図。
【図6】同実施形態に係る書画台上のドキュメント用紙と出力される画像データの内容とを例示する図。
【図7】同実施形態に係る書画台単体の他の構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明を書画カメラ装置に適用した場合の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る書画カメラ装置10の外観構成を示すもので、本書画カメラ装置10は、書画台11、スタンド部12、及びカメラ部13を組み合わせて構成される。
【0017】
書画台11は、例えばヒンジを介して接続された3枚の折りたたみ式の薄板状部材(合成樹脂板)からなり、その中央の合成樹脂板の端部からスタンド部12が直立する。スタンド部12の上部には回動アーム部12aが延在され、この回動アーム部12aの先端にカメラ取付け部12bが上記書画台11と平行となるように回動自在に配置される。
【0018】
そして、このカメラ取付け部12bに対してカメラ部13が取付けられ、上記書画台11上に載置された各種ドキュメントの画像を撮影することとなる。
【0019】
図2は、上記書画台11のみを示す平面図である。上述した如く折りたたみ式の書画台11を展開した状態で、ユーザは任意のドキュメント用紙をこの書画台11上に載置することで、上記カメラ部13によりドキュメント用紙を含んだ書画台11上のほぼ全域を撮影し、その画像データを適宜補正して書画カメラ装置10と接続した外部機器、例えばパーソナルコンピュータやプロジェクタ装置へ出力することができる。
【0020】
図示する如く書画台11の左端側には回転マークRMが付加配設される。この回転マークRMは、矩形のフレーム枠内にアルファベット「A」を配したものとなっており、樹脂製の書画台11上に透明地の粘着シールを貼付して構成しても良いし、あるいは凹凸を有するものとして樹脂製の書画台11をモールド製造する際に一体的に凹部がパターン形成された後、凹部に塗料が塗布されるものとしてもよい。いずれにしても、回転マークRMは、書画台11を構成する周囲の樹脂の色とは大きく異なるコントラストとなる色彩が選定され、撮影画像中でその存在の有無の判別が容易になるものとする。
【0021】
なお、この書画カメラ装置10は、USBケーブル14を介して図示しない外部機器、例えばプロジェクタ装置等と接続され、書画台11上の画像を撮影して得た画像データを当該外部機器へ出力する。
【0022】
次に書画カメラ装置10の概略機能構成について図3を用いて説明する。
図3は、同実施の形態に係る書画カメラ装置10全体の電子回路の概念構成を示すものである。
図中、モータ(M)21の駆動により、カメラ部13の下面側に取付けられた撮影レンズ光学系22中の一部のレンズ、具体的にはズームレンズ及びフォーカスレンズの位置が適宜移動される。この撮影レンズ光学系22の撮影光軸後方の結像位置に、図示しないメカニカルシャッタを介して、固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)23が配置される。
【0023】
CCD23は、タイミング発生器(TG)24、CCDドライバ(Dv.)25によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
【0024】
この光電変換出力は、サンプルホールド(S/H)回路26において、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎にその時点に設定されているISO感度に応じてAGC(自動ゲイン調整)された後にサンプルホールドされ、A/D変換器27に送られる。
【0025】
A/D変換器27では、アナログの画像データをデジタルデータに変換し、カラープロセス回路28へ出力する。
【0026】
カラープロセス回路28は、デジタルの画像データに対して画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行ない、マトリックス変換によりデジタル値の輝度色差系の画像データYUVを生成した後にバッファコントローラ29に出力する。
【0027】
バッファコントローラ29は、カラープロセス回路28の出力する画像データYUVを、同じくカラープロセス回路28からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度バッファコントローラ29内部に書込んだ後、バッファメモリとして使用されるDRAM30にDMA転送を行なう。
【0028】
このDRAM30は、上記撮影により得た画像データを保持する領域と、後述する外部出力する画像データを保持する領域の少なくとも2枚分の画像データを保持するだけの記憶容量を有するものとする。
【0029】
制御部31は、CPUで構成され、ワークメモリとして使用されるメインメモリ32、動作プログラムやデータ等を固定的に記憶した不揮発性メモリでなるプログラムメモリ33とシステムバスSBを介して接続されるもので、プログラムメモリ33から必要なプログラム等を読出し、該メインメモリ32に適宜必要なプログラムやデータを一時的に展開して書込みながら、この書画カメラ装置10全体の制御動作を司る。
【0030】
しかして制御部31は、上記画像データのDRAM30へのDMA転送終了後に、この画像データをバッファコントローラ29を介してDRAM30より読出し、表示制御部34を介してVRAM35に書込む。
【0031】
表示制御部34は、上記画像データをVRAM35より定期的に読出して表示部36に出力する。
【0032】
この表示部36は、バックライト付きのカラー液晶パネルとその駆動回路とで構成される。この表示部36は、上記カメラ部13の上面側に配置され、この書画カメラ装置10を外部機器に接続していない状態でも撮影内容を視認できるビューファインダとして機能するもので、表示制御部34からの画像データ等に基づいた表示を行なうことで、その時点で上記CCD23から取込んでいる画像等をリアルタイムにモニタ表示する。
【0033】
一方で、制御部31は、DRAM30に保持される出力用の画像データをバッファコントローラ29により読出させ、USBインタフェース(I/F)37へ出力する。USBインタフェース37は、USB2.0規格に則って外部機器の間で画像データを含む各種データの送受を行なうもので、上記USBケーブル14を介して画像データをアイソクロナス転送により外部機器へ出力する。
【0034】
なお、上記USBケーブル14は電源ケーブルを兼ねており、USB規格で規定されている電力線が電源制御部38と接続される。電源制御部38は、USBケーブル14から供給される直流5.0[V]の電力を元に各種電圧、例えば1.5[V]、3.3[V]の電力を生成し、他の各回路に必要な動作電圧を印加する。
【0035】
また、上記システムバスSBにはさらに、補助光駆動部39、画像処理部40、及びメモリカード41が接続される。
補助光駆動部39は、制御部31の制御の下に、複数の高輝度白色LED42を同時に発光駆動し、書画台11上に載置されたドキュメント用紙を照明する。
【0036】
画像処理部40は、後述する画像認識処理、斜め補正処理等の画像処理を行なう他、制御部31の制御に基づいてDRAM30に保持される画像データを所定の規格、例えばJPEG(Joint Photograph coding Experts Group)に則ってデータ圧縮する。
【0037】
メモリカード41は、この書画カメラ装置10のカメラ部13に着脱自在に装着されるもので、上記画像処理部40でデータ圧縮された画像データ等を記録する。
【0038】
なお、書画カメラ装置10のカメラ部13部及びスタンド部12に設けられる各種キースイッチを含んでキー入力部43が構成され、このキー入力部43でのキー操作信号が直接制御部31へ送出されるもので、制御部31はこのキー入力部43からのキー操作信号に応じた制御動作を実行する。
【0039】
次に上記実施形態の動作について説明する。
なお、以下に示す動作は、いずれも制御部31がプログラムメモリ33に記憶された動作プログラムを読出して実行することにより制御される。
【0040】
図4は、書画カメラ装置10を外部機器、例えばプロジェクタ装置と接続して使用する場合の基本的な処理内容を示すものである。その処理当初には、所定周期、例えば0.5[秒]周期で撮影レンズ光学系22及びCCD23を含む撮影系により書画台11上を撮影し(ステップS101)、サンプルホールド回路26、A/D変換器27、カラープロセス回路28、バッファコントローラ29を介してバッファメモリであるDRAM30に保持した上で、その画像データに対する認識処理を行なう(ステップS102)。
【0041】
この認識処理としては、書画台11上にドキュメント用紙が載置されているか否かの判断と、さらに載置されていると判断した場合にその矩形領域の検出と上記回転マークRMの有無の判断を含む。
【0042】
その後、上記撮影により得てDRAM30に保持した画像データと、同じくこのDRAM30に保持してUSBインタフェース37を介して外部機器へ出力している画像データとを比較し(ステップS103)、実質的に同一の内容であるか否かにより書画台11上の状態に変化を生じたか否かを判断する(ステップS104)。
【0043】
ここでDRAM30に保持される2枚の画像データの比較により書画台11上での変化がないと判断した場合には、そのまま上記ステップS101の処理に戻って同様の処理を繰返すことで、周期的な書画台11の撮影を続行する。
【0044】
また、上記ステップS104でDRAM30に保持される2枚の画像データの比較により書画台11上での変化があったと判断すると、次に撮影した画像データ中に回転マークRMがあったかどうかを判断する(ステップS105)。
【0045】
図5(A)は、書画台11上にドキュメント用紙DPが載置された状態を示すもので、ここではドキュメント用紙DPが書画台11の回転マークRM上にかかっておらず、画像データ中でドキュメント用紙DPとは別に回転マークRMを認識することができる。
【0046】
この場合、上記ステップS105で画像データ中に回転マークRMがあったと判断すると、画像データ中からドキュメント用紙DPの矩形領域を抽出し、そのままの方向で新たに出力する画像データとしてDRAM30に保持させた上で、その画像データを読出してUSBインタフェース37より外部機器へ出力させ(ステップS107)、その後に上記ステップS101からの処理に戻る。
【0047】
したがって、ドキュメント用紙DPの内容が縦書きか横書きかに拘わらず、書画台11上に載置したままの方向の画像データが外部機器、例えばプロジェクタ装置へ出力され、図5(B)に示すように投影される。
【0048】
また、上記ステップS105で画像データ中に回転マークRMがなかったと判断すると、画像データ中からドキュメント用紙DPの矩形領域を抽出し、抽出した内容を右方向に90°回転した画像データに変換した上でDRAM30に保持させた後に(ステップS106)、上記ステップS107に進んで、DRAM30の画像データを読出してUSBインタフェース37より外部機器へ出力させる。
【0049】
図6(A)は、書画台11上にドキュメント用紙DPが載置された状態を示すもので、ここではドキュメント用紙DPが書画台11の回転マークRM上にかかっているために回転マークRMを認識することができない。
【0050】
したがって、上記ステップS106で画像データ中からドキュメント用紙DPの矩形領域を抽出すると、抽出した内容を右方向に90°回転した画像データに変換した上でDRAM30に保持させることとなり、この回転した画像データが続くステップS107でDRAM30から読出され、USBインタフェース37より外部機器へ出力されて、図6(B)に示すように投影されることとなる。
【0051】
このように本実施形態によれば、単に書画台11上に載置されたドキュメント用紙DPが書画台11の回転マークRMを覆っているか否かを撮影で得た画像データから判定することで、当該画像データを90°回転変換するか否か、その出力を制御するものとしたため、ユーザは書画台11上へドキュメントを置く位置のみを留意すれば良く、より簡易な取扱いながら、正しい状態のドキュメント画像を出力させることができる。
【0052】
なお上記実施形態では、書画台11上に載置したドキュメント用紙DPが回転マークRMを覆った場合に、ドキュメント用紙DPの画像を右方向に90°回転させてから出力させるものとしたが、撮影画像中におけるドキュメント用紙DP自体が書画台11に対して斜めに載置されている場合には、斜め補正により画像データ中のドキュメント用紙DPの矩形領域を一旦書画台11に対して正確に双方の長手方向どうしが平行または直交するように45°以下の回転変換を行なった後、あらためて90°単位での回転変換を行なうものとしても良い。
【0053】
また、本発明は、上記実施形態のように対象となる画像データに対して必要により90°を単位として回転変換するものとは限らず、他の回転角度、例えば45°単位、180°単位、‥‥のような角度で回転変換を行なうものとしてもよい。
【0054】
しかしながら、90°を単位として所定の方向に回転変換を行なうものとした場合、ユーザにとっては回転変換動作が感覚的に把握し易く、且つ書画台11上に載置するドキュメント用紙DPの位置を再調整する際の頻度も少なくてすむため、使い勝手がより向上するものと思われる。
【0055】
また、上記実施形態では、書画台11上の左端側に1箇所の回転マークRMのみを配置するものとしてその構成とそれに伴う作用効果とを説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図7に示すように書画台11の左端側に回転マークRM1を、同右端側に回転マークRM2を配置し、ドキュメント用紙DPが回転マークRM1を覆う場合にはドキュメント用紙DPの画像を右方向に90°回転変換し、反対にドキュメント用紙DPが回転マークRM2を覆う場合にはドキュメント用紙DPの画像を左方向に90°回転変換するような構成も考えることができる。
【0056】
このような構成とした場合、上記実施形態で説明した場合に比べて、回転マークRM1,RM2のいずれかを適宜覆うように位置を調整することで、より容易に正しい回転方向での画像データを出力して投影、あるいは表示させることができる。
【0057】
さらに、書画台11の左右の各端部と、上または下側の端部の計3箇所に回転マークを配置し、左右両端の回転マークを覆った場合には上記図7で説明した如くドキュメント用紙DPの画像を回転変換させ、上端または下端の回転マークを覆った場合にはドキュメント用紙DPの画像を180°回転変換させることも考えられる。
【0058】
このような構成とした場合、とりあえずドキュメント用紙DPの裏表のみを間違えることなく書画台11上に載置するものとすれば、ドキュメント用紙DPの上側がどちらであるのか等を予め揃えておく必要もなく、3つの回転マークのいずれかを適宜覆うように位置を調整することで、より容易に正しい回転方向での画像データを出力して投影、あるいは表示させることができる。
【0059】
なお、上記実施形態では書画台11の出力する画像データを図示しないプロジェクタ装置で投影させるものとして説明したが、当然ながら接続する外部機器を限定するものではなく、パーソナルコンピュータ、大型のディスプレイ装置、プリンタ等であっても良い。
【0060】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件により適宜の組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0061】
10…書画カメラ装置、11…書画台、12…スタンド部、12a…回動アーム部、12b…カメラ取付け部、13…カメラ部、14…USBケーブル、21…モータ(M)、22…撮影レンズ光学系、23…CCD、24…タイミング発生器(TG)、25…CCDドライバ(Dv.)、26…サンプルホールド回路(S/H)、27…A/D変換器、28…カラープロセス回路、29…バッファコントローラ、30…DRAM、31…制御部、32…メインメモリ、33…プログラムメモリ、34…表示制御部、35…VRAM、36…表示部、37…USBインタフェース(I/F)、38…電源制御部、39…補助光駆動部、40…画像処理部、41…メモリカード、42…高輝度白色LED、43…キー入力部、RM,RM1,RM2…回転マーク、SB…システムバス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメントを載置する上面に所定のマークが付加された書画台と、
上記書画台の上面を撮影する撮影手段と、
上記撮影手段での撮影により取得した画像データ中の上記所定のマークの画像の存在の有無を判定する判定手段と、
上記判定手段での判定結果に応じ、上記撮影手段での撮影により取得した画像データの少なくとも一部を所定の角度だけ回転した画像データを出力する出力制御手段と
を具備したことを特徴とする書画カメラ装置。
【請求項2】
上記出力制御手段は、上記撮影手段での撮影により取得した画像データ中の矩形領域を抽出し、当該矩形領域の画像データに対して90°を単位とした所定の角度だけ回転した画像データを出力することを特徴とする請求項1記載の書画カメラ装置。
【請求項3】
上記書画台は、複数種類の所定のマークが上面に付加され、
上記判定手段は、画像データ中の上記複数種類の所定のマークの画像の存在の有無を判定し、
上記出力制御手段は、上記判定手段での判定結果に応じ、上記撮影手段での撮影により取得した画像データの少なくとも一部を複数種設定された角度のうちの1つ分だけ回転した画像データを出力する
ことを特徴とする請求項1記載の書画カメラ装置。
【請求項4】
ドキュメントを載置する上面に所定のマークが付加された書画台、上記書画台の上面を撮影する撮影部、及び上記撮影部での撮影により取得した画像データを出力する出力部を備えた書画カメラ装置の画像処理方法であって、
上記撮影部での撮影により取得した画像データ中の上記所定のマークの画像の存在の有無を判定する判定工程と、
上記判定工程での判定結果に応じ、上記撮影部での撮影により取得した画像データの少なくとも一部を所定の角度だけ回転した画像データを上記出力部より出力させる出力制御工程と
を有したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
ドキュメントを載置する上面に所定のマークが付加された書画台、上記書画台の上面を撮影する撮影部、及び上記撮影部での撮影により取得した画像データを出力する出力部を備えた書画カメラ装置に内蔵されたコンピュータが実行するプログラムであって、
上記撮影部での撮影により取得した画像データ中の上記所定のマークの画像の存在の有無を判定する判定ステップと、
上記判定ステップでの判定結果に応じ、上記撮影部での撮影により取得した画像データの少なくとも一部を所定の角度だけ回転した画像データを上記出力部より出力させる出力制御ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−114925(P2012−114925A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287060(P2011−287060)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2007−174363(P2007−174363)の分割
【原出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】