説明

画像処理装置及びプログラム

【課題】画像のぶれを考慮して画像関連処理を適正に行うことができる使い勝手の良い画像処理装置を提供する。
【解決手段】撮像装置100であって、検索処理により検索される検索候補と検索対象との類似度を算出する類似度算出処理と、算出された類似度が所定の判定値よりも大きいか否かに応じて検索処理の内容を異ならせるように制御する検索処理と、検索対象の種類やズーム倍率に応じて類似度判定に係る所定の判定値を変更する判定値変更処理とを行うCPU8を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像を記録管理して、これら複数の画像の中で所望の画像に類似する画像を検索する画像検索装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この画像検索装置にあっては、検索処理の類似性を向上させるために、検索対象の色の類似度に応じて重み付けして類似度を判定するようになっている。
【0003】
また、被写体の表情や目・顔の向きを検出して所定条件を満たしたと判定された場合に、被写体の撮影を自動的に行うデジタルカメラも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−212993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、被写体の種類によっては動きの速いものがあり、ぶれた画像が撮影される虞がある。また、倍率を拡大して撮影した場合にも、拡大倍率が大きくなる程撮影画像がぶれ易くなってしまうといった問題がある。かかる場合に、上記特許文献1等のように、当該画像のぶれを考慮しないで検索処理における類似度の判定を行うと、一致度の判定を適正に行うことができないといった問題がある。
かかる問題は、被写体を自動的に撮影する場合にも同様に生じることとなり、撮影タイミングを逸してしまい、使い勝手が悪いといった問題がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、画像のぶれを考慮して画像関連処理を適正に行うことができる使い勝手の良い画像処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像処理装置は、
画像関連処理に係る対象物を指定する対象物指定手段と、新規に取得した画像内に、前記対象物指定手段により指定された対象物に相当する相当物が存するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記相当物が存すると判定された当該相当物と前記対象物指定手段により指定された対象物との類似度を算出する類似度算出手段と、前記類似度算出手段により算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて前記画像関連処理の内容を異ならせるように制御する画像関連処理制御手段と、前記対象物指定手段により指定された対象物の種類を特定する種類特定手段と、前記種類特定手段により特定された前記対象物の種類に応じて前記所定の判定値を変更する判定値変更手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、
前記判定値変更手段は、前記対象物の動きの大きいもの程低くなるように前記所定の判定値を変更することを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明の画像処理装置は、
画像関連処理に係る対象物を指定する対象物指定手段と、新規に取得した画像内に、前記対象物指定手段により指定された対象物に相当する相当物が存するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記相当物が存すると判定された当該相当物と前記対象物指定手段により指定された対象物との類似度を算出する類似度算出手段と、前記類似度算出手段により算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて前記画像関連処理の内容を異ならせるように制御する画像関連処理制御手段と、前記画像の拡大縮小倍率を取得する倍率取得手段と、前記倍率取得手段により取得された前記拡大縮小倍率に応じて前記所定の判定値を変更する判定値変更手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、
前記判定値変更手段は、拡大倍率が大きいもの程低くなるように前記所定の判定値を変更することを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置において、
複数の画像を記憶する画像記憶手段と、前記画像関連処理制御手段は、前記画像関連処理として、前記画像記憶手段に記憶されている前記複数の画像の中で所望の画像を検索する検索処理を行う画像検索手段と、を更に備え、前記画像検索手段は、前記複数の画像のうち、前記類似度が所定の判定値以上であると判定された何れかの画像を前記所望の画像として特定することを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像処理装置において、
前記画像検索手段により前記所望の画像として特定された画像を表示する表示手段を更に備えることを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置において、
対象物を撮像する撮像手段を備え、前記画像関連処理制御手段は、前記画像関連処理として、前記撮像手段による前記対象物の撮像を制御する撮影制御手段を備え、前記撮影制御手段は、前記類似度が所定の判定値以上であると判定された場合に、前記撮像手段に前記対象物を自動的に撮像させることを特徴としている。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記所定の判定値を任意に設定指示する判定値指示手段をさらに備えることを特徴としている。
【0015】
請求項9に記載の発明のプログラムは、
画像関連処理に係る対象物を指定する対象物指定手段を備える画像処理装置のコンピュータを、
新規に取得した画像内に、前記対象物指定手段により指定された対象物に相当する相当物が存するか否かを判定する判定手段、前記判定手段により前記相当物が存すると判定された当該相当物と前記対象物指定手段により指定された対象物との類似度を算出する類似度算出手段、前記類似度算出手段により算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて前記画像関連処理の内容を異ならせるように制御する画像関連処理制御手段、前記対象物指定手段により指定された対象物の種類を特定する種類特定手段、前記種類特定手段により特定された前記対象物の種類に応じて前記所定の判定値を変更する判定値変更手段、として機能させることを特徴としている。
【0016】
請求項10に記載の発明のプログラムは、
画像関連処理に係る対象物を指定する対象物指定手段を備える画像処理装置のコンピュータを、
新規に取得した画像内に、前記対象物指定手段により指定された対象物に相当する相当物が存するか否かを判定する判定手段、前記判定手段により前記相当物が存すると判定された当該相当物と前記対象物指定手段により指定された対象物との類似度を算出する類似度算出手段、前記類似度算出手段により算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて前記画像関連処理の内容を異ならせるように制御する画像関連処理制御手段、前記画像の拡大縮小倍率を取得する倍率取得手段、前記倍率取得手段により取得された前記拡大縮小倍率に応じて前記所定の判定値を変更する判定値変更手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像のぶれを考慮して画像関連処理を適正に行うことができ、画像処理装置の使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した実施形態1の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の撮像装置による検索処理に係るモード1係数テーブルの一例を模式的に示す図である。
【図3】図1の撮像装置による検索処理に係るモード2係数テーブルの一例を模式的に示す図である。
【図4】図1の撮像装置によるメイン動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1の撮像装置による検索処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図5の検索処理におけるモード1処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】図5の検索処理におけるモード2処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明を適用した実施形態2の撮像装置による自動撮影処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8の自動撮影処理におけるモード1処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】図8の自動撮影処理におけるモード2処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0020】
(実施形態1)
図1は、本発明を適用した実施形態1の撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0021】
本実施形態の撮像装置100は、記録媒体3に記憶されている複数の画像ファイルF、…の中から検索対象と類似する所望の画像ファイルFを特定する検索処理にて、検索対象の種類やズーム倍率に応じて類似度の判定に係る判定値を変更する。
具体的には、図1に示すように、撮像装置100は、撮像部1と、記録媒体制御部2と、記録媒体3と、表示部4と、操作入力部5と、バッファメモリ6と、内蔵メモリ7と、CPU8を備えて構成されている。
【0022】
撮像部1は、撮像手段として、一のシーンを撮像して画像フレームを生成する。具体的には、図示は省略するが、撮像部1は、例えば、撮像レンズと、撮像レンズを通過した被写体像を二次元の画像信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等からなる電子撮像部と、電子撮像部の制御や、AE(自動露出処理)、AF(自動合焦処理)、AWB(自動ホワイトバランス)の制御などを行う撮像制御部等を備えている。
そして、撮像制御部は、電子撮像部に所定の露出時間で被写体を撮像させ、当該電子撮像部の撮像領域から画像フレームを読み出す。その後、撮像制御部は、読み出した画像フレームをバッファメモリ6に転送して格納する。
【0023】
記録媒体制御部2は、記録媒体3に対する画像ファイルFの格納や、記録媒体3からの画像ファイルFの読み出しを制御する。
【0024】
記録媒体3は、例えば、カード型の不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)やハードディスク等により構成されている。
また、記録媒体3は、画像記憶手段として、複数の画像ファイルF、…を記憶している。ここで、画像ファイルFは、例えば、撮像部1による被写体の撮像により生成されたものであっても良いし、外部機器から所定の通信手段を介して転送されたものであっても良い。
【0025】
表示部4は、図示は省略するが、例えば、液晶などの画像表示部と、この画像表示部への画像フレームの表示を制御する表示制御部等を備えている。そして、表示部4は、撮像部1により撮像される画像フレームを所定のフレームレートで逐次更新しながらライブビュー画像を表示する。
【0026】
また、表示部4は、検索処理の検索結果として、複数の画像ファイルFの中から検索されて、所望の画像ファイルFとして特定された何れかの画像ファイルFに係る画像を表示する。
ここで、表示部4は、検索処理にて所望の画像として特定された画像を表示する表示手段を構成している。
【0027】
操作入力部5は、当該撮像装置100の所定操作を行うためのものである。具体的には、図示は省略するが、操作入力部5は、撮像部1による被写体の記録を指示するシャッターボタンや、各種動作モードや各種項目の選択を行う上下左右のカーソルボタンや、これらカーソルボタンにより選択された動作モードや項目の決定を指示する決定ボタン等を備えている。
【0028】
動作モードとしては、例えば、静止画像を撮影する静止画撮影モードや、記録媒体3に記憶されている複数の画像ファイルF、…の中から所望の画像ファイルFを検索する画像検索モード等が挙げられる。
そして、ユーザにより所定の動作モード(例えば、画像検索モード等)が選択されると、当該動作モードの設定指示を入力回路(図示略)を介してCPU8に出力する。CPU8は、設定指示が入力されると、各部を制御して当該動作モードに応じた処理を行う。
【0029】
また、操作入力部5は、対象物指定手段として、検索処理(画像関連処理)に係る検索対象(対象物)を指定する。
ここで、検索対象の指定方法としては、例えば、検索対象指定画面(図示略)に表示された「車」や「人」といった予め用意されているアイコンの中から検索対象を選択して指定するようにしても良いし、予め記憶されている画像をユーザが指定するようにしても良い。
【0030】
また、操作入力部5は、検索処理の類似度の判定に係る感度を指定する。
ここで、感度の指定方法としては、感度選択画面(図示略)に表示された複数の感度の中から選択して入力するようにしても良いし、所望の感度を数値として入力するようにしても良い。
そして、ユーザにより所定の感度(例えば、70%等)が選択されると、当該感度の設定指示を入力回路(図示略)を介してCPU8に出力する。CPU8は、設定指示が入力されると、各部を制御して当該感度に応じた処理を行う。
ここで、操作入力部5は、所定の判定値としての感度を任意に設定指示する判定値指示手段を構成している。
【0031】
バッファメモリ6は、例えば、フラッシュメモリ等により構成され、CPU8によって処理されるデータ等を一時記憶する。
【0032】
CPU8は、撮像装置100の各部を制御するものである。具体的には、CPU8は、内蔵メモリ7のプログラムメモリ(後述)に記憶された撮像装置100用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行うものである。
【0033】
内蔵メモリ7は、プログラムメモリを備え、CPU8の動作に必要な各種プログラムやデータを記憶している。
このプログラムは、後述する判定処理ルーチン、類似度算出処理ルーチン、画像検索処理ルーチン、種類特定処理ルーチン、倍率取得処理ルーチン、判定値変更処理ルーチンを含む。
ここでいうルーチンとは、コンピュータのプログラムの部分をなし、ある機能をもった一連の命令群のことである。
【0034】
判定処理ルーチンは、CPU8を判定手段として機能させるためのプログラム部分である。即ち、判定処理ルーチンは、新規に取得した画像内に、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定された検索対象(対象物)に相当する検索候補(相当物)が存するか否かを判定する判定処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
また、類似度算出処理ルーチンは、CPU8を類似度算出手段として機能させるためのプログラム部分である。即ち、類似度算出処理ルーチンは、判定処理にて検索候補が存すると判定された当該検索候補とユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定された種類に係る検索対象との類似度を算出する類似度算出処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
具体的には、判定処理ルーチンにより、CPU8は、記録媒体3に記憶されている複数の画像ファイルF、…の中から何れか一の画像ファイルFを新規に取得した後、当該画像ファイルFに係る画像内に、ユーザにより指定された検索対象に相当する検索候補が存するか否かを判定する。その後、CPU8は、類似度算出処理ルーチンにより、判定処理にて検索候補が存すると判定された当該検索候補とユーザにより指定された検索対象との類似度を所定の算出方法により演算して、例えば、百分率(%)で算出する。
なお、本実施形態にあっては、判定処理ルーチン及び類似度算出処理ルーチンは、別個の処理ルーチンとして構成されたものを例示したが、これに限られるものではなく、一の処理ルーチンとして構成しても良い。
【0035】
画像検索処理ルーチンは、CPU8を画像検索手段として機能させるためのプログラム部分である。即ち、画像検索処理ルーチンは、画像関連処理として、記録媒体3に記憶されている複数の画像の中で所望の画像を検索する検索処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
具体的には、この画像検索処理ルーチンにより、CPU8は、類似度算出処理にて算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて検索の当否を決定し、複数の画像の中の何れかの画像に係る類似度が所定の判定値以上であると判定された場合に、当該判定に係る画像を所望の画像として特定する一方で、類似度が所定の判定値よりも小さいと判定された場合に、当該判定に係る画像を所望の画像として特定しない。
ここで、CPU8は、類似度算出処理にて算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて検索処理の内容を異ならせるように制御する画像関連処理制御手段として機能する。
【0036】
種類特定処理ルーチンは、CPU8を種類特定手段として機能させるためのプログラム部分である。即ち、種類特定処理ルーチンは、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定された検索対象の種類を特定する種類特定処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
具体的には、この種類特定処理ルーチンにより、CPU8は、例えば、検索対象として選択されたアイコンの種類を特定して、「車」や「人」といった検索対象の種類を特定するようにしても良いし、検索対象として指定された画像データの内容を画像認識して、「車」や「人」といった検索対象の種類を特定するようにしても良い。
【0037】
倍率取得処理ルーチンは、CPU8を倍率取得手段として機能させるためのプログラム部分である。即ち、倍率取得処理ルーチンは、画像の拡大縮小倍率を取得する倍率取得処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
具体的には、この倍率取得処理ルーチンにより、CPU8は、画像ファイルFの属性データを参照して、当該画像のズーム倍率を取得する。
なお、属性データは、例えば、画像ファイルFをExif形式の画像ファイルFから構成し、当該画像ファイルFに付帯されるExifタグ情報であっても良い。
【0038】
判定値変更処理ルーチンは、CPU8を判定値変更手段として機能させるためのプログラム部分である。即ち、判定値変更処理ルーチンは、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定された検索対象の種類に応じて所定の判定値を変更したり、倍率取得処理にて取得されたズーム倍率に応じて所定の判定値を変更する判定値変更処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
具体的には、この判定値変更処理ルーチンにより、CPU8は、モード1処理が設定されている場合には、モード1係数テーブルT1(後述)に基づいて、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定された検索対象の種類に応じて当該検索対象の動きの大きいもの程低くなるように所定の判定値を変更し、モード2処理が設定されている場合には、モード2係数テーブルT2(後述)に基づいて、倍率取得処理にて取得されたズーム倍率に応じて当該ズーム倍率が大きいもの程低くなるように所定の判定値を変更する。
【0039】
また、プログラムメモリは、モード1係数テーブルT1及びモード2係数テーブルT2を記憶している(図2及び図3参照)。
図2に示すように、モード1係数テーブルT1は、検索対象の種類と類似度判定の感度補正に係る係数とが対応付けられたものであり、具体的には、検索対象の動きの大きいもの程類似度判定が甘くなるように係数が設定されている。ここで、検索対象の動きが大きいとは、検索対象の動く速度だけでなく、検索対象までの撮影距離や画角の大きさ等の種々の条件を考慮して相対的に判断されるものである。
例えば、検索対象の種類が「草木」や「建物」の場合には、動きが少ないか全く動かないことから感度補正を行う必要がないため係数1.0が対応付けられ、検索対象の種類が「大人」や「船」の場合には、動きが少なかったり移動速度が遅いことから感度補正をある程度行う必要があるため係数0.9が対応付けられ、検索対象の種類が「子供」や「自動車」の場合には、瞬間的に動いたり移動速度が速いことからさらに感度補正する必要があるため係数0.8が対応付けられ、検索対象の種類が「動物」の場合には、移動速度が速いことからもっと感度補正をする必要があるため係数0.7が対応付けられている。
【0040】
図3に示すように、モード2係数テーブルT2は、ズーム倍率と類似度判定の感度補正に係る係数とが対応付けられたものであり、具体的には、ズーム倍率の大きいもの程類似度判定が甘くなるように係数が設定されている。
例えば、ズーム倍率が「×1」の場合には、感度補正を行う必要がないため係数1.0が対応付けられ、ズーム倍率が「×2〜6」の場合には、ある程度ぶれ易くなることから感度補正をある程度行う必要があるため係数0.9が対応付けられ、ズーム倍率が「×7〜11」の場合には、さらにぶれ易くなることからさらに感度補正する必要があるため係数0.8が対応付けられ、ズーム倍率が「×12以上」の場合には、もっとぶれ易くなることからもっと感度補正をする必要があるため係数0.7が対応付けられている。
【0041】
なお、モード1係数テーブルT1における検索対象の種類及び係数、並びにモード2係数テーブルT2におけるズーム倍率及び係数は一例であって、これらに限られるものではない。
【0042】
図4〜図10は、撮像装置100の全体の動作を説明するためのフローチャートであるとともに、プログラムメモリに記憶されたプログラムのアルゴリズム構造を示すフローチャートである。実際に使用するCPU8に対応した具体的なプログラムコードの記載は省略するが、このフローチャート(アルゴリズム構造)に基づいて適宜設計すればよい。
【0043】
次に、撮像装置100のメイン動作について図4を参照して説明する。
図4は、撮像装置100によるメイン動作の一例を示すフローチャートである。
【0044】
図4に示すように、先ず、CPU8は、当該撮像装置100の各部を初期化するイニシャライズ処理を行う(ステップS1)。
その後、CPU8は、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて検索処理の実行が指示されると、各部を制御して検索処理を行う(ステップS2;詳細後述)。
そして、検索処理が終了すると、CPU8は、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいてその他の処理の実行が指示されると、その他の処理を行う(ステップS3)。
【0045】
次に、検索処理について図5〜図7を参照して説明する。
図5は、撮像装置100による検索処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0046】
図5に示すように、CPU8は、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて検索処理のモード切換指示が入力されているか否かを判定する(ステップS21)。
ここで、モード切換指示が入力されている、即ち、例えば、モード1処理をモード2処理に切り換える等の指示が入力されていると判定されると(ステップS21;YES)、CPU8は、入力されたモード切換指示に応じてモードを設定する処理を行う(ステップS22)。
【0047】
その後、CPU8は、検索処理の類似度の判定に係る感度の変更指示が入力されているか否かを判定する(ステップS23)。また、ステップS21にて、モード切換指示が入力されていないと判定された場合にも(ステップS21;NO)、CPU8は、処理をステップS23に移行させる。
そして、ステップS23にて、感度の変更指示が入力されている、即ち、例えば、感度を100%から70%に変更する等の指示が入力されていると判定されると(ステップS23;YES)、CPU8は、入力された感度の変更指示に応じて感度を設定する処理を行う(ステップS24)。
【0048】
次に、CPU8は、検索処理の検索対象の変更指示が入力されているか否かを判定する(ステップS25)。また、ステップS23にて、感度の変更指示が入力されていないと判定された場合にも(ステップS23;NO)、CPU8は、処理をステップS25に移行させる。
そして、ステップS25にて、検索対象の変更指示が入力されている、即ち、例えば、検索対象をAさん(大人)からB君(子供)に変更する等の指示が入力されていると判定されると(ステップS25;YES)、CPU8は、入力された検索対象の変更指示に応じて検索対象を設定する処理を行う(ステップS26)。
【0049】
続けて、CPU8は、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて検索開始の指示が入力されたか否かを判定する(ステップS27)。また、ステップS25にて、検索対象の変更指示が入力されていないと判定された場合にも(ステップS25;NO)、CPU8は、処理をステップS27に移行させる。
ここで、検索開始の指示が入力されたと判定されると(ステップS27;YES)、CPU8は、設定されている現在のモードに応じて処理を分岐させる(ステップS28)。
現在のモードとして「モード1」が設定されている場合には(ステップS28;モード1)、CPU8は、モード1処理の実行を制御する一方で(ステップS29)、現在のモードとして「モード2」が設定されている場合には(ステップS28;モード2)、CPU8は、モード2処理の実行を制御する(ステップS2A)。
なお、ステップS27にて、検索開始の指示が入力されていないと判定された場合には(ステップS27;NO)、CPU8は、当該検索処理を終了させる。
【0050】
次に、モード1処理について図6を参照して説明する。
図6は、モード1処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0051】
図6に示すように、CPU8は、種類特定処理ルーチンにより、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定されている検索対象の種類を特定した後(ステップS31)、モード1係数テーブルT1を参照して、特定された検索対象の種類と対応付けられている係数1を取得する(ステップS32)。
【0052】
次に、CPU8は、判定処理ルーチンにより、記録媒体3に記憶されている複数の画像ファイルF、…の中から何れか一の画像ファイルFを新規に取得した後、当該画像ファイルFに係る画像内に、ユーザにより指定された検索対象に相当する検索候補が存するか否かを判定し、続けて、類似度算出処理ルーチンにより、判定処理にて存すると判定された検索候補とユーザにより指定された検索対象との類似度を所定の算出方法により演算して算出する(ステップS33)。
【0053】
そして、CPU8は、判定値変更処理ルーチンにより、係数取得処理(ステップS32)にて取得された係数1をユーザによる所定操作に基づいて設定されている感度(例えば、70%)に乗算して判定値を変更し、続けて、画像検索処理ルーチンにより、類似度算出処理(ステップS33)にて算出された類似度が判定値以上であるか否かを判定する(ステップS34)。
ここで、類似度が判定値以上であると判定されると(ステップS34;YES)、CPU8は、当該判定に係る画像が検索対象と一致すると判定して、所望の画像として特定する(ステップS35)。そして、CPU8は、当該検索結果として所望の画像を表示部4に表示させる(ステップS36)。これにより、ユーザは検索結果を認識することができ、あまり類似していないと認識した場合には、感度をより高くするように変更して再度検索処理を行うことができる。
【0054】
一方、類似度が判定値よりも小さいと判定されると(ステップS34;NO)、CPU8は、当該判定に係る画像が検索対象と不一致であると判定する(ステップS37)。
なお、CPU8は、上記の判定処理、類似度算出処理、判定値変更処理、画像検索処理を、記録媒体3に記憶されている複数の画像ファイルF、…の各々について順次実行する。
【0055】
次に、モード2処理について図7を参照して説明する。
図7は、モード2処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0056】
図7に示すように、CPU8は、記録媒体3に記憶されている複数の画像ファイルF、…の中から何れか一の画像ファイルFを新規に取得し、続けて、倍率取得処理ルーチンにより、当該画像のズーム倍率を取得した後(ステップS41)、モード2係数テーブルT2を参照して、特定されたズーム倍率と対応付けられている係数2を取得する(ステップS42)。
【0057】
次に、CPU8は、判定処理ルーチンにより、当該画像ファイルFに係る画像内に、ユーザにより指定された検索対象に相当する検索候補が存するか否かを判定し、続けて、類似度算出処理ルーチンにより、判定処理にて存すると判定された検索候補とユーザにより指定された検索対象との類似度を所定の算出方法により演算して算出する(ステップS33)。
【0058】
そして、CPU8は、判定値変更処理ルーチンにより、係数取得処理(ステップS42)にて取得された係数2をユーザによる所定操作に基づいて設定されている感度(例えば、70%)に乗算して判定値を変更し、続けて、画像検索処理ルーチンにより、類似度算出処理(ステップS33)にて算出された類似度が判定値以上であるか否かを判定する(ステップS44)。
ここで、類似度が判定値以上であると判定されると(ステップS44;YES)、CPU8は、当該判定に係る画像が検索対象と一致すると判定して、所望の画像として特定する(ステップS45)。そして、CPU8は、当該検索結果として所望の画像を表示部4に表示させる(ステップS46)。
【0059】
一方、類似度が判定値よりも小さいと判定されると(ステップS44;NO)、CPU8は、当該判定に係る画像が検索対象と不一致であると判定する(ステップS47)。
なお、CPU8は、上記の判定処理、類似度算出処理、判定値変更処理、画像検索処理を、記録媒体3に記憶されている複数の画像ファイルF、…の各々について順次実行する。
【0060】
以上のように、実施形態1の撮像装置100によれば、記録媒体3に記憶されている複数の画像ファイルF、…の中から検索対象と類似する所望の画像ファイルFを特定する検索処理にて、モード1係数テーブルT1やモード2係数テーブルT2を用いて検索対象の種類やズーム倍率に応じて類似度の判定に係る判定値を変更して、検索対象と検索候補との類似度が当該判定値以上であると判定された何れかの画像を所望の画像ファイルFとして特定する。
これにより、検索対象の種類やズーム倍率の変更により生ずる虞のある画像のぶれを考慮して検索処理を適正に行うことができる。即ち、検索処理における類似度判定の感度をユーザ所望のレベルに設定した場合に、当該感度に従って類似度判定が複数種類の被写体で一律に行われるのではなく、検索対象の種類やズーム倍率を考慮して判定値を内部的に設定し直すことで画像のぶれを考慮して検索処理を適正に行うことができ、撮像装置100の使い勝手を向上させることができる。
【0061】
特に、判定値を検索対象の動きの大きいものやズーム倍率が大きいもの程低くなるように変更することで、検索処理の類似度判定において画像のぶれを考慮する度合いを適正に調整することができ、当該検索処理を検索対象の種類やズーム倍率に応じてより適正に行うことができる。
【0062】
なお、上記実施形態1にあっては、検索処理により特定された所望の画像ファイルFを表示部4に表示させるようにしたが、これに限られるものではなく、所望の画像ファイルFを記録媒体3や内蔵メモリ7の所定のフォルダ(図示略)に格納するようにしても良い。
【0063】
また、画像記憶手段として、記録媒体3を例示したが、これに限られるものではなく、内蔵メモリ7に複数の画像ファイルF、…を記憶するようにしても良い。
【0064】
(実施形態2)
以下に、実施形態2の撮像装置について、図8〜図10を参照して説明する。
実施形態2の撮像装置は、図8〜図10に示すように、撮像部1により順次生成される複数の画像データの各々について、撮影対象と類似する所望の画像データを記録保存する自動撮影処理にて、撮影対象の種類やズーム倍率に応じて類似度の判定に係る判定値を変更する。
なお、実施形態2の撮像装置は、自動撮影処理を行う以外の点で上記実施形態1の撮像装置100と略同様の構成をなし、その説明は省略する。
【0065】
即ち、プログラムメモリに記憶されるプログラムは、判定処理ルーチン、類似度算出処理ルーチン、種類特定処理ルーチン、倍率取得処理ルーチン、判定値変更処理ルーチンに加えて、自動撮影処理ルーチンを含んでいる。
自動撮影処理ルーチンは、CPU8を撮影制御手段として機能させるためのプログラム部分である。即ち、自動撮影処理ルーチンは、画像関連処理として、撮像部1による被写体の撮像を制御する自動撮影処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
具体的には、この自動撮影処理ルーチンにより、CPU8は、類似度算出処理にて算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて撮像部1により生成される画像データを記録保存するか否かを決定し、類似度が所定の判定値以上であると判定された場合に、当該判定に係る画像データを記録媒体3に記録保存させる一方で、類似度が所定の判定値よりも小さいと判定された場合に、当該判定に係る画像データの記録保存を実行制御しない。
ここで、CPU8は、類似度算出処理にて算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて検索処理の内容を異ならせるように制御する画像関連処理制御手段として機能する。
【0066】
また、判定処理ルーチンは、新規に取得した画像内に、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定された種類に係る撮影対象(対象物)に相当する撮影候補(相当物)が存するか否かを判定する判定処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
また、類似度算出処理ルーチンは、判定処理にて撮影候補が存すると判定された当該撮影候補とユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定された撮影対象との類似度を算出する類似度算出処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
具体的には、判定処理ルーチンにより、CPU8は、撮像部1により順次生成される複数の画像データの各々を新規に取得した後、当該画像データに係る画像内に、ユーザにより指定された撮影対象に相当する撮影候補が存するか否かを判定する。その後、CPU8は、類似度算出処理ルーチンにより、判定処理にて撮影候補が存すると判定された当該撮影候補とユーザにより指定された撮影対象との類似度を所定の算出方法により演算して、例えば、百分率(%)で算出する。
【0067】
また、種類特定処理ルーチンは、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定された撮影対象の種類を特定する種類特定処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
具体的には、この種類特定処理ルーチンにより、CPU8は、例えば、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて撮影対象として選択されたアイコンの種類を特定して、「車」や「人」といった撮影対象の種類を特定するようにしても良いし、撮影対象として指定された画像データの内容を画像認識して、「車」や「人」といった撮影対象の種類を特定するようにしても良い。
【0068】
また、倍率取得処理ルーチンは、画像の撮影時の拡大縮小倍率を取得する倍率取得処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
具体的には、この倍率取得処理ルーチンにより、CPU8は、撮像部1による各画像の撮影時のズーム倍率を取得する。
【0069】
また、判定値変更処理ルーチンは、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定された撮影対象の種類に応じて所定の判定値を変更したり、倍率取得処理にて取得されたズーム倍率に応じて所定の判定値を変更する判定値変更処理に係る機能をCPU8に実現させるための命令群を含む。
具体的には、この判定値変更処理ルーチンにより、CPU8は、モード1処理が設定されている場合には、モード1係数テーブルT1に基づいて、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定された撮影対象の種類に応じて当該撮影対象の動きの大きいもの程低くなるように所定の判定値を変更し、モード2処理が設定されている場合には、モード2係数テーブルT2に基づいて、倍率取得処理にて取得されたズーム倍率に応じて当該ズーム倍率が大きいもの程低くなるように所定の判定値を変更する。
なお、モード1係数テーブルT1及びモード2係数テーブルT2は、上記実施形態1に係るものと同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0070】
次に、自動撮影処理について図8〜図10を参照して説明する。
図8は、撮像装置による自動撮影処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
自動撮影処理は、撮像装置のメイン動作(図4参照)にて、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて自動撮影処理の実行が指示された場合に、CPU8の制御下にて、実行される処理である。
【0071】
図8に示すように、CPU8は、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて自動撮影処理のモード切換指示が入力されているか否かを判定する(ステップS101)。
ここで、モード切換指示が入力されている、即ち、例えば、モード1処理をモード2処理に切り換える等の指示が入力されていると判定されると(ステップS101;YES)、CPU8は、入力されたモード切換指示に応じてモードを設定する処理を行う(ステップS102)。
【0072】
その後、CPU8は、自動撮影処理の類似度の判定に係る感度の変更指示が入力されているか否かを判定する(ステップS103)。また、ステップS101にて、モード切換指示が入力されていないと判定された場合にも(ステップS101;NO)、CPU8は、処理をステップS103に移行させる。
そして、ステップS103にて、感度の変更指示が入力されている、即ち、例えば、感度を100%から70%に変更する等の指示が入力されていると判定されると(ステップS103;YES)、CPU8は、入力された感度の変更指示に応じて感度を設定する処理を行う(ステップS104)。
【0073】
次に、CPU8は、自動撮影処理の撮影対象の変更指示が入力されているか否かを判定する(ステップS105)。また、ステップS103にて、感度の変更指示が入力されていないと判定された場合にも(ステップS103;NO)、CPU8は、処理をステップS105に移行させる。
そして、ステップS105にて、撮影対象の変更指示が入力されている、即ち、例えば、撮影対象をAさん(大人)からB君(子供)に変更する等の指示が入力されていると判定されると(ステップS105;YES)、CPU8は、入力された撮影対象の変更指示に応じて撮影対象を設定する処理を行う(ステップS106)。
【0074】
続けて、CPU8は、ユーザによる操作入力部5のシャッターボタンの所定操作に基づいて自動撮影開始の指示が入力されたか否かを判定する(ステップS107)。また、ステップS105にて、撮影対象の変更指示が入力されていないと判定された場合にも(ステップS105;NO)、CPU8は、処理をステップS107に移行させる。
ここで、撮影開始の指示が入力されたと判定されると(ステップS107;YES)、CPU8は、設定されている現在のモードに応じて処理を分岐させる(ステップS108)。
現在のモードとして「モード1」が設定されている場合には(ステップS108;モード1)、CPU8は、モード1処理の実行を制御する一方で(ステップS109)、現在のモードとして「モード2」が設定されている場合には(ステップS108;モード2)、CPU8は、モード2処理の実行を制御する(ステップS10A)。
なお、ステップS107にて、自動撮影開始の指示が入力されていないと判定された場合には(ステップS107;NO)、CPU8は、当該自動撮影処理を終了させる。
【0075】
次に、モード1処理について図9を参照して説明する。
図9は、モード1処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0076】
図9に示すように、CPU8は、種類特定処理ルーチンにより、ユーザによる操作入力部5の所定操作に基づいて指定されている撮影対象の種類を特定した後(ステップS111)、モード1係数テーブルT1を参照して、特定された撮影対象の種類と対応付けられている係数1を取得する(ステップS112)。
【0077】
次に、CPU8は、判定処理ルーチンにより、撮像部1により順次生成される複数の画像データの各々を新規に取得した後、当該画像データに係る画像内に、ユーザにより指定された撮影対象に相当する撮影候補が存するか否かを判定し、続けて、類似度算出処理ルーチンにより、判定処理にて存すると判定された撮影候補とユーザにより指定された撮影対象との類似度を所定の算出方法により演算して算出する(ステップS113)。
【0078】
そして、CPU8は、判定値変更処理ルーチンにより、係数取得処理(ステップS112)にて取得された係数1をユーザによる所定操作に基づいて設定されている感度(例えば、70%)に乗算して判定値を変更し、続けて、自動撮影処理ルーチンにより、類似度算出処理(ステップS113)にて算出された類似度が判定値以上であるか否かを判定する(ステップS114)。
ここで、類似度が判定値以上であると判定されると(ステップS114;YES)、CPU8は、当該判定に係る画像が撮影対象と一致すると判定して(ステップS115)、当該画像に係る画像データを取得して記録媒体3に記録保存させる(ステップS116)。
【0079】
一方、類似度が判定値よりも小さいと判定されると(ステップS114;NO)、CPU8は、当該判定に係る画像が撮影対象と不一致であると判定する(ステップS117)。
なお、CPU8は、上記の判定処理、類似度算出処理、判定値変更処理、自動撮影処理を、撮像部1により順次生成される複数の画像データの各々について順次実行する。
【0080】
次に、モード2処理について図10を参照して説明する。
図10は、モード2処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0081】
図10に示すように、CPU8は、撮像部1により順次生成される複数の画像データの各々を新規に取得し、続けて、倍率取得処理ルーチンにより、当該画像の撮影時のズーム倍率を取得した後(ステップS121)、モード2係数テーブルT2を参照して、特定されたズーム倍率と対応付けられている係数2を取得する(ステップS122)。
【0082】
次に、CPU8は、判定処理ルーチンにより、当該画像データに係る画像内に、ユーザにより指定された撮影対象に相当する撮影候補が存するか否かを判定し、続けて、類似度算出処理ルーチンにより、判定処理にて存すると判定された撮影候補とユーザにより指定された撮影対象との類似度を所定の算出方法により演算して算出する(ステップS123)。
【0083】
そして、CPU8は、判定値変更処理ルーチンにより、係数取得処理(ステップS122)にて取得された係数2をユーザによる所定操作に基づいて設定されている感度(例えば、70%)に乗算して判定値を変更し、続けて、画像撮影処理ルーチンにより、類似度算出処理(ステップS123)にて算出された類似度が判定値以上であるか否かを判定する(ステップS124)。
ここで、類似度が判定値以上であると判定されると(ステップS124;YES)、CPU8は、当該判定に係る画像が撮影対象と一致すると判定して(ステップS125)、当該画像に係る画像データを取得して記録媒体3に記録保存させる(ステップS126)。
【0084】
一方、類似度が判定値よりも小さいと判定されると(ステップS124;NO)、CPU8は、当該判定に係る画像が撮影対象と不一致であると判定する(ステップS127)。
なお、CPU8は、上記の判定処理、類似度算出処理、判定値変更処理、自動撮影処理を、撮像部1により順次生成される複数の画像データの各々について順次実行する。
【0085】
以上のように、実施形態2の撮像装置によれば、撮像部1により順次撮像されて生成される複数の画像データの各々について、撮影対象と類似する所望の画像データを記録保存する自動撮影処理にて、モード1係数テーブルT1やモード2係数テーブルT2を用いて撮影対象の種類やズーム倍率に応じて類似度の判定に係る判定値を変更して、撮影対象と撮影候補との類似度が当該判定値以上であると判定された何れかの画像に係る画像データを記録媒体3に記録保存させる。
これにより、撮影対象の種類やズーム倍率の変更により生ずる虞のある画像のぶれを考慮して自動撮影処理を適正に行うことができる。即ち、自動撮影処理における類似度判定の感度をユーザ所望のレベルに設定した場合に、当該感度に従って類似度判定が複数種類の被写体で一律に行われるのではなく、撮影対象の種類やズーム倍率を考慮して判定値を内部的に設定し直すことで画像のぶれを考慮して自動撮影処理を適正に行うことができ、撮像装置の使い勝手を向上させることができる。
【0086】
特に、判定値を撮影対象の動きの大きいものやズーム倍率が大きいもの程低くなるように変更することで、自動撮影処理の類似度判定において画像のぶれを考慮する度合いを適正に調整することができ、当該自動撮影処理を撮影対象の種類やズーム倍率に応じてより適正に行うことができる。
【0087】
なお、本発明は、上記実施形態1、2に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、画像関連処理として、検索処理及び自動撮影処理を例示したが、これらに限られるものではなく、撮像装置、画像検索装置等の画像処理装置により行われる画像関連処理であれば如何なるものであっても良い。
【0088】
また、上記実施形態1、2にあっては、類似度の判定に係る判定値の変更の際に、モード1係数テーブルT1やモード2係数テーブルT2を用いるようにしたが、これらテーブルT1、T2を用いるか否かは適宜任意に変更することができる。
【0089】
さらに、上記実施形態1、2にあっては、検索処理や自動撮影処理における類似度判定の感度をユーザ所望のレベルに設定するようにしたが、これに限られるものではなく、所定の感度で一律に固定されていても良い。
【0090】
また、撮像装置100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではない。
さらに、画像処理装置として、撮像装置100を例示したが、これに限られるものではなく、画像関連処理を行うものであれば画像検索装置等の他の画像処理装置であっても良い。
【0091】
加えて、上記実施形態では、判定手段、類似度算出手段、画像関連処理制御手段、種類特定手段、判定値変更手段、倍率取得手段、画像検索手段、撮影制御手段としての機能を、CPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、各種機能を実現するためのロジック回路等から構成しても良い。
【符号の説明】
【0092】
100 撮像装置
1 撮像部
3 記録媒体
4 表示部
5 操作入力部
8 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像関連処理に係る対象物を指定する対象物指定手段と、
新規に取得した画像内に、前記対象物指定手段により指定された対象物に相当する相当物が存するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記相当物が存すると判定された当該相当物と前記対象物指定手段により指定された対象物との類似度を算出する類似度算出手段と、
前記類似度算出手段により算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて前記画像関連処理の内容を異ならせるように制御する画像関連処理制御手段と、
前記対象物指定手段により指定された対象物の種類を特定する種類特定手段と、
前記種類特定手段により特定された前記対象物の種類に応じて前記所定の判定値を変更する判定値変更手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記判定値変更手段は、前記対象物の動きの大きいもの程低くなるように前記所定の判定値を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
画像関連処理に係る対象物を指定する対象物指定手段と、
新規に取得した画像内に、前記対象物指定手段により指定された対象物に相当する相当物が存するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記相当物が存すると判定された当該相当物と前記対象物指定手段により指定された対象物との類似度を算出する類似度算出手段と、
前記類似度算出手段により算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて前記画像関連処理の内容を異ならせるように制御する画像関連処理制御手段と、
前記画像の拡大縮小倍率を取得する倍率取得手段と、
前記倍率取得手段により取得された前記拡大縮小倍率に応じて前記所定の判定値を変更する判定値変更手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
前記判定値変更手段は、拡大倍率が大きいもの程低くなるように前記所定の判定値を変更することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数の画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像関連処理制御手段は、前記画像関連処理として、前記画像記憶手段に記憶されている前記複数の画像の中で所望の画像を検索する検索処理を行う画像検索手段と、を更に備え、
前記画像検索手段は、前記複数の画像のうち、前記類似度が所定の判定値以上であると判定された何れかの画像を前記所望の画像として特定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像検索手段により前記所望の画像として特定された画像を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
対象物を撮像する撮像手段を備え、
前記画像関連処理制御手段は、前記画像関連処理として、前記撮像手段による前記対象物の撮像を制御する撮影制御手段を備え、
前記撮影制御手段は、前記類似度が所定の判定値以上であると判定された場合に、前記撮像手段に前記対象物を自動的に撮像させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記所定の判定値を任意に設定指示する判定値指示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像関連処理に係る対象物を指定する対象物指定手段を備える画像処理装置のコンピュータを、
新規に取得した画像内に、前記対象物指定手段により指定された対象物に相当する相当物が存するか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により前記相当物が存すると判定された当該相当物と前記対象物指定手段により指定された対象物との類似度を算出する類似度算出手段、
前記類似度算出手段により算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて前記画像関連処理の内容を異ならせるように制御する画像関連処理制御手段、
前記対象物指定手段により指定された対象物の種類を特定する種類特定手段、
前記種類特定手段により特定された前記対象物の種類に応じて前記所定の判定値を変更する判定値変更手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
画像関連処理に係る対象物を指定する対象物指定手段を備える画像処理装置のコンピュータを、
新規に取得した画像内に、前記対象物指定手段により指定された対象物に相当する相当物が存するか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により前記相当物が存すると判定された当該相当物と前記対象物指定手段により指定された対象物との類似度を算出する類似度算出手段、
前記類似度算出手段により算出された類似度が所定の判定値以上であるか否かに応じて前記画像関連処理の内容を異ならせるように制御する画像関連処理制御手段、
前記画像の拡大縮小倍率を取得する倍率取得手段、
前記倍率取得手段により取得された前記拡大縮小倍率に応じて前記所定の判定値を変更する判定値変更手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−30200(P2013−30200A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236474(P2012−236474)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2008−221973(P2008−221973)の分割
【原出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】