画像処理装置及び画像処理方法
【課題】所定の黒画素により構成されるライン画像の幅調整を画質を劣化させることなく容易に行うことが可能な画像処理装置及び画像処理方法を提供すること。
【解決手段】エッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、エッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する記憶手段15と、第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断手段121と、第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断手段122と、注目画素が、第1の判断手段により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とし、注目画素が、第1の判断手段により特定画素ではないと判断され且つ第2の判断手段によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とすることによってライン画像の幅を調整する調整手段13とを備える。
【解決手段】エッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、エッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する記憶手段15と、第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断手段121と、第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断手段122と、注目画素が、第1の判断手段により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とし、注目画素が、第1の判断手段により特定画素ではないと判断され且つ第2の判断手段によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とすることによってライン画像の幅を調整する調整手段13とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅調整を行う画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、感光体等の像担持体の表面をレーザ光で露光して静電潜像を形成し、形成した静電潜像を現像してトナー像形成し、さらに、トナー像を転写紙に転写して、または、トナー像を中間転写体を介して転写紙に転写して、転写したトナー像を定着手段により定着して転写紙上に画像を形成する電子写真方式の画像出力装置がある。
【0003】
このような画像出力装置において、トナーの乗りが悪ければ、画像にかすれなどを発生し画質の劣化を招く。また、文字などは線を構成する画素が少ないため特にかすれ易く、文字の判読などが困難となる場合があった。
【0004】
そこで、トナーの乗りをよくするために、所定の解像度においてできる限り画素の大きさを大きくすることにより、接着面積を大きくすることで、トナーの接着性を改善することが行われた。
【0005】
ところが、画素の大きさを大きくすることにより、トナーの接着性がよくなるが、その反面、例えば線が期待より太く形成されてしまうことや、白抜き部分が小さくなってしまうことがあった。その結果、細かい線の間隔がつぶれてつながってしまうことや、文字がつぶれてしまい判読しにくいといった問題を発生する場合があった。
【0006】
そこで、画素はできる限り大きくしてトナーの接着性を保ちつつ、線幅を構成する画素数を変化させることで、黒画素で構成される線が太くならないように、また白抜き部分が小さくならないようにすることが行われた。例えば、線や文字において白画素と隣接してエッジを構成する黒画素(エッジ画素)を白画素にすることにより細線化を行うものがあった。
【0007】
細線化を行うものには、例えば、黒画素に隣接する画素の画素値により注目画素を新たな値に変換する可能性があるかを3×3の画素値パターンを予め用意したマスクと比較して判断し、前記可能性があると判断された画素についてさらに周辺の画素の画素値により変換するか否かを判定するための別のマスクを用いて最終判断などをして、線幅が1画素分となるように処理を行う装置があった(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】特開平2−268374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されている装置では、多段階な判定及び処理により細線化を行っており時間がかかるため、さらに単純化し処理時間の短縮が望まれる。しかしながら、例えば単純にエッジ画素を白画素にすることにより細線化を行うと、線の連続性や形状が保たれないことや、また、孤立する画素を発生させてしまうことなどにより、画質の劣化を招く場合があった。つまり、画質を保ちつつ細線化のための処理を単純化することは容易ではなかった。
【0010】
また、細線化には、特許文献1に記載されているような線幅を1画素分に細線化するだけではなく、さらに、2画素以上の線幅に細線化を可能にすることや、白抜き部分の幅(白画素により構成される線、所謂「白抜き」)を広げることを可能にすることも望まれる。
【0011】
また、使用者により、2画素の線を1画素にする、または2画素の線は2画素のままにするなどというような細線化の度合は好みなどによりことなるが、このような好みに対し容易に対応することは難しかった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定の黒画素により構成されるライン画像の幅調整を画質を劣化させることなく容易に行うことが可能な画像処理装置及び画像処理方法を提供することにある。
【0013】
また、さらに使用者が所望する幅調整の度合いに容易に対応することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理装置において、前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する記憶手段と、前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断手段と、前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断手段と、前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とし、前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素ではないと判断され、且つ前記第2の判断手段によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とすることによって前記ライン画像の幅を調整する調整手段とを備えることを特徴としている。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、前記第2の判断手段は、前記第1の判断手段により前記注目画素が特定画素ではないと判断された後に、その注目画素について前記第2のテンプレートに基づいてエッジ画素か否か判断することを特徴としている。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、前記第1のテンプレートは、所定の範囲に、該所定の範囲の所定位置の黒画素と該黒画素に隣接する少なくとも1つ白画素と、さらに該所定位置の黒画素と連続性を有する特定の黒画素が配置されて構成され、前記第1の判断手段は、前記注目画素を前記所定位置とするときの所定の範囲内の画素と前記第1のテンプレートを構成する画素とが一致する場合に、その注目画素を前記特定画素と判断し、前記第2のテンプレートは、所定の範囲に、該所定の範囲の所定位置に黒画素と該黒画素に隣接する白画素が少なくとも配置されて構成され、前記第2の判断手段は、前記注目画素を前記所定位置とするときの所定の範囲の画素と前記第2のテンプレートを構成する画素とが一致する場合に、その注目画素を前記エッジ画素と判断することを特徴としている。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、前記記憶された前記第1のテンプレートまたは前記第2のテンプレートとは黒画素及び白画素の配置が対称形となるテンプレートを作成する作成手段をさらに備え、前記第1の判断手段は、前記作成手段により作成された前記記憶された前記第1のテンプレートと前記対称形となるテンプレートをさらに用い、前記注目画素が特定画素か否かの判断を行い、前記第2の判断手段は、前記作成手段により前記記憶された前記第2のテンプレートと前記対称形となるテンプレートをさらに用い、前記注目画素がエッジ画素か否かの判断を行うことを特徴としている。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、前記対称形は、線対称形または点対称形を含むことを特徴としている。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、入力手段をさらに備え、前記第1の判断手段及び前記第2の判断手段は、前記入力手段からのテンプレートの使用/不使用の指示を受け、使用が指示されたテンプレートを用いることを特徴としている。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、前記調整手段は、予め指定された対象領域について、前記ライン画像の幅の調整を行うことを特徴としている。
【0021】
また、請求項8に記載の発明は、前記対象領域は、文字領域または写真領域であることを特徴としている。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理方法において、予め、前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する段階と、前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断段階と、前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断段階と、前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とし、前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素ではないと判断され、且つ前記第2の判断段階によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とする段階とを含むことを特徴としている。
【0023】
また、請求項10に記載の発明は、白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理方法において、予め、前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する段階と、前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断段階と、前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とする段階と、前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素ではないと判断された場合に、前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断段階と、前記第2の判断段階によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とする段階とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る画像処理装置によれば、エッジ画素且つ特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するためのテンプレートと、エッジ画素を検出するためのテンプレートとを用いて注目画素についての判断を行い、特定画素である判断された注目画素は黒画素とし、特定画素ではなくエッジ画素である判断された注目画素は白画素とするので、特定の黒画素との連続性を保ちつつ線幅調整を行うので、画質を劣化させることなくライン画像の線幅の調整を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
〈第1の実施形態〉
以下、本発明に係る画像処理装置の一実施形態をについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0026】
(全体構成)
まず、本実施の形態における画像処理装置の構成について図1を参照して説明する。図1は、当該画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、画像処理装置1は、画像を出力する画像出力装置2に接続されている。また、画像出力装置2は、ケーブルまたはLANやインターネット等のネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0028】
画像出力装置2は、例えば電子写真方式のレーザープリンタ、複写機、またはスキャナ・コピア・ファクシミリ機能を併せ持つ複合機等である。
【0029】
また、本発明に係る実施の形態として、画像出力装置2が以下に説明する画像処理装置1の機能を含むような構成であってもよい。
【0030】
画像処理装置1は、いわゆるコンピュータであって、所定の動作プログラム及びアプリケーションプログラムが組み込まれたコンピュータ本体、キーボード、マウス、モニタ、スピーカ等から構成され、画像処理装置1は、本発明に係る処理態様等において装置各部の制御を行う制御部11、画像データ及び本発明に係るテンプレートデータや、各種データなどを記憶する記憶部14、画像等の表示を行う表示部17、指示、選択等の各種入力を行うための入力部18、及び、図示しない端末装置やスキャナなどの画像作成装置または画像取得装置から画像データを受け付ける画像データ受付け部19を含んでいる。
【0031】
表示部17は、LCDやCRTなど、コンピュータに接続された通常のモニタ装置により構成される。表示部17は、制御部11に制御されて画像、入力画面などを表示する。
【0032】
入力部18(入力手段)は、本発明の入力手段を構成するもので、キーボード等の入力デバイスや、マウス・トラックボール等のポインティングデバイスなど、オペレータが各種の入力操作を行うためのデバイスから構成される。
【0033】
画像データ受付け部19は、例えば、送受信インターフェイス回路などから構成され、図示しない画像作成装置または画像取得装置から画像データを受信する通信手段である。また、階調画像データなどが入力されたCD−ROM(Compact Disk Read−Only Memory)等を出し入れ可能に装着する読取装置のようなものであってもよい。
【0034】
記憶部14は、ハードディスクドライブやイメージメモリ等の記憶装置によって構成され、画像データ記憶部16と、テンプレートデータ記憶部15(記憶手段)とを含んでいる。
【0035】
画像データ記憶部16は、画像データ受付け部19で受け付ける画像データ、または、画像処理装置1に組み込まれたアプリケーションプログラムを動作させて作成される画像データなどを記憶する。ここで、本実施の形態で扱う画像データは、いわゆるビットマップグラフィックスと呼ばれ、例えば、図2に示すように、横方向に所定の間隔(解像度)で配置された複数の画素で1ラインを構成し、さらにラインが縦方向に所定の間隔で並べられているラスターデータである。また、各画素の画素値は、白画素を0、黒画素を1として2値で示される。また、各画素の画素値を、白画素における濃度の最小値を0、黒画素における最大値を255とし、最小値0から最大値255の間を等分割した階調値で示してもよい。
【0036】
テンプレートデータ記憶部15は、エッジ画素であり且つ特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1テンプレート(第1のテンプレート)を示すデータと、画像データから白画素と隣接する黒画素であるエッジ画素を検出するための第2テンプレート(第2のテンプレート)を示すデータとを記憶する。また、第2テンプレートのデータ及び第1テンプレートのデータは、所定の範囲(例えば縦m画素×横n画素)における画素についての画素値で示される。
【0037】
第1テンプレートは、中央位置(基準位置)に黒画素が配置され、その黒画素に隣接して白画素が配置され、中央位置の黒画素がエッジ画素を示し、且つ、中央位置の黒画素に対し特定の位置に黒画素(特定の黒画素)、さらに場合によって白画素が配置され、この特定の黒画素と中央位置の黒画素とが連続性を有する画素であることを示すように構成される。このエッジ画素であり且つ特定の黒画素と連続性を有する画素を特定画素という。
【0038】
第2テンプレートは、中央位置(基準位置)に黒画素が配置され、その黒画素に隣接して白画素が配置され、中央位置の黒画素がエッジ画素を示すように構成される。
【0039】
ここで、図3乃至図7を用いて第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成を示す。本例では、所定の範囲として7画素×11画素を用いる。また、図には、黒画素を「3」白画素を「2」で示し、指定のない画素は黒または白画素のいずれであってもよいことを示す。また、第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成とともに、「No.」、「変換値=」、「シンメトリー情報(SW=)」を示したが、これらは、テンプレートデータ記憶部15に、各テンプレートを示すデータに付されて記憶されている。また、これらの情報の詳細については、後述する。付して記憶することに限らず、各テンプレートと関連付けたデータベースに記憶してもよい。
【0040】
図3は、2画素幅で構成されるライン画像等のエッジ画素を構成する黒画素を検出するための第2テンプレート及び第1テンプレートを示す。また、この2画素幅で構成されるライン画像は、所定の黒画素で構成されるライン画像の一つである。
【0041】
図3(a)、(b)には第1テンプレートを示した。図3(a)には、画像データにおける横方向にエッジ画素を構成する黒画素(図に示すように、エッジ画素は太枠で囲んで示す。以下に示す他のエッジ画素も同様に太枠で囲んで示す。)を、図3(b)には、縦方向にエッジ画素を構成する黒画素を示し、それぞれ中央位置の黒画素に対し白画素が隣接して配置され、中央位置の黒画素がエッジ画素であることを示し、さらに中央位置の黒画素を挟んで白画素の反対側に1つの黒画素と1つの白画素が直線状に配置され2画素幅のライン画像であることを示し、中央位置の黒画素が白画素の反対側の1つの黒画素と連続性を有することを示す。したがって、この白画素の反対側の1つの黒画素が本発明の特定の黒画素を示す。
【0042】
また、図3(c)、(d)には第2テンプレートを示した。図3(c)には、画像データにおける横方向にエッジ画素を構成する黒画素を、図3(d)には、縦方向にエッジを構成する黒画素を示した。図に示すように、中央位置の黒画素に対し白画素が隣接して配置され、中央位置の黒画素がエッジ画素であることを示し、さらに中央位置の黒画素を挟んで白画素の反対側に1つの黒画素と1つの白画素が直線状に配置され2画素幅のライン画像であることを示す。また、反対側の1つの黒画は、中央位置の黒画素がエッジ画素を示すだけで、連続性を示すものではない。上述したように、2画素幅のライン画像に関する、第1テンプレートと第2テンプレートとは画素の構成が同じとなる。
【0043】
図4には、3画素幅以上で構成されるライン画像等の画像データにおける縦方向のエッジ画素を構成する黒画素を検出するための第2テンプレート及び第1テンプレートを示す。また、この3画素幅以上で構成されるライン画像は、所定の黒画素で構成されるライン画像の一つである。
【0044】
図4(a)乃至(f)には、第1テンプレートをそれぞれ示した。図に示すように、中央位置の黒画素に対し白画素が下側に隣接して配置され、その中央位置の黒画素がエッジ画素であることを示し、さらに中央位置の黒画素を挟んで白画素の反対側に複数の黒画素が直線状に配置され3画素幅以上で構成されるライン画像であることを示す。さらにエッジ画素となる黒画素の周辺に白または黒画素とが配置されて構成される。図4(a)では、エッジ画素の左側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの左側の黒画素と連続性を有することを示す。図4(b)では、中央位置の黒画素はこの左側の黒画素、さらにその左側の黒画素と連続性を有することを示す。図4(c)では、中央位置の黒画素はこの左側の黒画素、さらにその左側の黒画素、またさらにその左側の黒画素と連続性を有することを示す。図4(d)では、エッジ画素の左側及び左上側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの左側及び左上側の黒画素と連続性を有することを示す。図4(e)では、中央位置の黒画素はこの左側の及び左上側黒画素、さらにそれぞれの左側の黒画素と連続性を有することを示す。図4(f)では、中央位置の黒画素はこの左側の及び左上側黒画素、さらにそれぞれ左側の黒画素、さらにまたそれぞれの左側の黒画素と連続性を有することを示す。上記のように連続性を有する黒画素が本発明の特定の黒画素を示す。
【0045】
図4(g)及び(h)には、第2テンプレートをそれぞれ示した。図に示すように、中央位置の黒画素に対し白画素が隣接して配置され、その中央位置の黒画素がエッジ画素であることを示す。さらに中央位置の黒画素を挟んで白画素の反対側に複数の黒画素が直線状に配置されて2画素幅のライン画像であることを示す。図4(g)及び(h)に示した第2テンプレートは、中央位置の黒画素に隣接する白画素の数が異なり、図4(g)では1画素の白抜き線に隣接する黒画素をエッジ画素として検出するが、図4(h)では1画素の白抜き線に隣接する黒画素をエッジ画素として検出しない。すなわち、1画素の白抜き線の幅を調整する場合には図4(g)の第2テンプレート用いるようにする。
【0046】
図5には、3画素幅以上で構成される線等の画像データにおける横方向にエッジを構成する黒画素を検出するための第2テンプレート及び第1テンプレートを示す。図5(a)乃至(h)には、図4(a)乃至(h)を左に90度回転させた構成である。
【0047】
図6には、斜め方向の3画素幅以上で構成されるライン画像等の画像データにおける斜め方向にエッジ画素を構成する黒画素を検出するための第2テンプレート及び第1テンプレートを示す。また、この斜め方向の3画素幅以上で構成されるライン画像は、所定の黒画素で構成されるライン画像の一つである。
【0048】
図6(a)乃至(j)には、第1テンプレートをそれぞれ示した。図に示すように、中央位置に黒画素に対し白画素が右斜め方向に隣接して配置され、その中央位置の黒画素が斜め方向にエッジを構成するエッジ画素であることを示す。さらに中央位置の黒画素を挟んで白画素の反対側に複数の黒画素が直線状に配置され、斜め方向に3画素幅以上で構成されるライン画像であることを示す。さらにエッジ画素となる黒画素の周辺に白または黒画素が配置されて構成される。
【0049】
図6(a)では、エッジ画素の右側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの右側の黒画素と連続性を有することを示す。図6(b)では、エッジ画素の上側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの上側の黒画素と連続性を有することを示す。図6(c)では、エッジ画素の右側及び右下側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこれらの黒画素と連続性を有することを示す。図6(d)では、エッジ画素の上側及び左上側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこれらの黒画素と連続性を有することを示す。図6(e)、(f)はそれぞれエッジ画素に隣接する黒画素の周囲の白画素の配置がことなるものである。図6(g)では、エッジ画素のした側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの下側の黒画素と連続性を有することを示す。図6(h)では、エッジ画素の左側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの左側の黒画素と連続性を有することを示す。図6(i)では、エッジ画素の右側に隣接して黒画素とさらに右側の黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこれらの黒画素と連続性を有することを示す。図6(j)では、エッジ画素の上側に隣接して黒画素とさらに上側の黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこれらの黒画素と連続性を有することを示す。上記のように連続性を有する黒画素が本発明の特定の黒画素を示す。
【0050】
図6(k)及び(l)には、第2テンプレートをそれぞれ示した。図に示すように、中央位置の黒画素に対し白画素が右斜め方向に隣接して配置され、その中央位置の黒画素が斜め方向にエッジを構成するエッジ画素であることを示す。図6(k)及び(l)に示した第2テンプレートは、中央位置の黒画素に隣接する白画素の数が異なり、図6(k)では1画素の白抜き線に隣接する黒画素をエッジ画素として検出するが、図6(l)では1画素の白抜き線に隣接する黒画素をエッジ画素として検出しない。すなわち、1画素の白抜き線の幅を調整する場合には図6(k)の第2テンプレート用いるようにする。
【0051】
図7には、周囲から孤立した黒画素をエッジとして検出する第2テンプレートを示した。図に示すように、中央位置の黒画素を囲むように白画素が配置されて構成され、中央位置の黒画素が孤立した画素であることを示す。
【0052】
各テンプレートの「No.」は、後述の判断部12がエッジ検出の際に用いる順序である優先順位を示し、判断部12において使用する順序を示す。また、優先順位は、図3乃至図6のそれぞれについて第1テンプレートの方が優先順位を高く設定した。
【0053】
「変換値=」は、後述のライン幅調整部13(調整手段)において変換される画素値を示している。第1テンプレートは、変換値が「黒」である。また、第2テンプレートは、変換値が「白」である。また、本例では変換値を白または黒の2値とするが、多値画像を扱う場合には、それぞれ中間的な濃度を示す階調値としてもよく、この場合にはエッジをなだらかに変化させることが可能となる。
【0054】
「シンメトリー情報(SW=)」は、後述の判断部12においてエッジ検出に用いるか否かを示す使用情報と、対称形のテンプレートを用いるか否かを示す対称形使用情報とを示す。つまり、図3乃至図7に示したテンプレートは、一方向のエッジ、例えば縦方向ならば下側のエッジが示され、上側のエッジを示すようなテンプレートは示されていないが、これらを基にして例えば下側のエッジを示すテンプレートから上側のエッジを示すテンプレートを作成し、その作成したテンプレートを用いるか否かを示すものである。このようにすることにより、最小限のテンプレートデータを記憶するだけでよく、記憶部14における使用容量を抑えることが可能となる。
【0055】
例えば、対称形について図8を用いて説明する。図8(a)には元の形状を示し、図8(b)には元の形状を上下反転した形状(線対称)、図8(c)には元の形状を左右反転した形状(線対称)、及び、図8(d)には元の形状を上下反転しさらに左右反転した形状すなわち所定の点を中心に180度回転させた形状(点対称)を示した。すなわち、上記の第2テンプレート及び第1テンプレートを図8(b)乃至(d)に示したように反転させることにより、例えば、下側のエッジを示すテンプレートを上下反転させて、上側のエッジを示すようなテンプレートとして用いることができる。
【0056】
図3乃至図7には、「シンメトリー情報(SW=)」として、1、15、3を示したが、これは、4bitで示される0、1データを10進数で示したものである。例えば、1bitが、テンプレートを使用するか否かを示し、1が使用、0が不使用を示す。例えば、2bitが、上下方向に反転したテンプレートを使用するか否かを示し、1が使用、0が不使用を示す。例えば、3bitが、左右方向に反転したテンプレートを使用するか否かを示し、1が使用、0が不使用を示す。例えば、4bitが、180度回転したテンプレートを使用するか否かを示し、1が使用、0が不使用を示す。
【0057】
例えば、(1,1,1,1)であれば、テンプレートを使用、上下方向に反転したテンプレートを使用、左右方向に反転したテンプレートを使用、及び、180度回転したテンプレートを使用することを示し、1111すなわち15がこれを示す。また、例えば、(0,0,1,1)であれば、テンプレートを使用、上下方向に反転したテンプレートを使用、左右方向に反転したテンプレートを不使用、及び、180度回転したテンプレートを不使用とすることを示し、0011すなわち3がこれを示す。また、例えば、(0,0,0,1)であれば、テンプレートを使用、上下方向に反転したテンプレートを不使用、左右方向に反転したテンプレートを不使用、及び、180度回転したテンプレートを不使用とすることを示し、0001すなわち1がこれを示す。これにより、最小限のテンプレートデータを用意するだけで、使用者の好みに応じたテンプレートデータの使用や追加を容易に行うことができる。
【0058】
また、上記の「No.」、「変換値(白または黒)」及び「シンメトリー情報(SW=)」の各数値は、予めプログラムに記述されたものが各テンプレートデータに付されてもよく、また、操作者が入力部18を操作して、制御部11は、表示部17に「No.」、「変換値(白または黒)」及び「シンメトリー情報(SW=)」についての情報を入力するための入力画面などを表示させて、さらに操作者が入力部18を用いて入力することにより、制御部11はこれを受け、制御部11の指示により、記憶部14は、記憶されている「No.」、「変換値(白または黒)」または「シンメトリー情報(SW=)」を書き換えるようにしてもよい。
【0059】
制御部11は、CPU(図示せず)と、各種のプログラム、及び、そのプログラムを実行するときに必要な各種データなど記憶すると共に各種のプログラムを実行するときのワークエリアを構成するシステムメモリ等の記憶手段(図示せず)とを含んで構成され、装置各部の制御を行う。制御部11は、当該コンピュータプログラム、または、入力部18からの入力にしたがって、判断部12及びライン幅調整部13として動作する。また、表示部17を制御する表示制御手段としての機能を有する。また、記憶部14に記憶する画像データや各種情報を管理する管理手段としての機能を有する。
【0060】
判断部12は、画像データの注目画素について、テンプレートデータ記憶部15に記憶されている第1テンプレートを用いて特定画素が否かの判断を行う特定画素判断部121(第1の判断手段)、テンプレートデータ記憶部15に記憶されている第2テンプレートを用いてエッジ画素か否か判断するエッジ画素判断部122(第2の判断手段)で構成される。
【0061】
ここで、判断部12とライン幅調整部13とにおいて行うライン画像の幅の調整について詳細に説明する。
まず、特定画素判断部121は、画像データのある画素を注目画素とし、注目画素を中心とするテンプレートに対応する領域、本例では7画素×11画素の画素値を抽出する。そして、抽出した各画素値を第1テンプレートと比較し、第1テンプレートに示される黒画素及び白画素と一致したら、その注目画素を特定画素と判断しライン幅調整部13に注目画素が特定画素であることを送信する。
一方、不一致ならばその注目画素を特定画素ではないと判断し、エッジ画素判断部122で同様にして、抽出した各画素値を第2テンプレートと比較し、第2テンプレートに示される黒画素及び白画素と一致したら、その注目画素をエッジ画素と判断しライン幅調整部13に注目画素がエッジ画素であることを送信し、不一致ならば、エッジ画素ではないと判断しライン幅調整部13に注目画素がエッジ画素ではないことを送信する。
【0062】
ライン幅調整部13は、判断部12における判断結果に基づいて、注目画素の画素値を各テンプレートの「変換値=」に従って変更する。本例では、第1テンプレートは「変換値=黒」、第2テンプレートは「変換値=白」である。したがって、特定画素と判断された注目画素は、画素値を黒に変更し、エッジ画素と判断された注目画素は、画素値を白に変更する。また、特定画素及びエッジ画素のいずれとも判断されなかった注目画素は、画素値の変更は行わない。このようにライン幅の調整を行う。これによれば、エッジ画素であっても特定の黒画素と連続性を有する場合、すなわち特定画素は黒とするので、特定の黒画素との連続性を損なうことがない。例えば、注目画素の画素値が図4(a)に示す第1テンプレートと一致するような場合に、本例では左側の黒画素との連続性を有する画素と判断できるため注目画素を黒画素のままとし、左側の黒画素との連続性を保つことができる。しかし、本例の第1テンプレートを用いないで、図4(g)に示す第2テンプレートのみを用いるような場合には、左側の黒画素との連続性を判断できず、エッジ画素との判断を行ってしまうため、この注目画素を白画素にしてしまうので、図4(a)の注目画素の左側の黒画素だけが残され、連続性を保つことができない。したがって、本例の第1テンプレートを用いることにより連続性を保つことができ、画質の劣化を抑えることができる。
【0063】
また、特定画素判断部121及びエッジ画素判断部122では、「No.」の順に各テンプレートを用いて上記の判断を行う。また、「シンメトリー情報(SW=)」に使用が設定されているテンプレートを用いるものとし、対称形のテンプレートを用いることが示されている場合には、判断部12で「シンメトリー情報(SW=)」に示される対称形のテンプレートを作成し、特定画素判断部121またはエッジ画素判断部122で用いて上記の判断を行う。判断部12は、本発明のテンプレートを作成する作成手段としての機能を有する。
【0064】
また、「シンメトリー情報(SW=)」により使用/不使用、対称形のテンプレートの使用/不使用を設定できるので、種々の幅調整に対応可能となる。
【0065】
例えば、図9に線の幅調整結果の一例を示す。図9(a)には、幅調整前の線を示し、図9(b)には、上述の比較に第2テンプレートのみを使用した場合に幅調整により白画素に変更された画素(ハッチング部、以下同様)と幅調整後の線、及び、図9(c)には、第2テンプレート及び第1テンプレートを使用した場合に幅調整により白画素に変更された画素と幅調整後の線を示した。図9(a)に示す3画素幅のクランク状の線は、第2テンプレートのみを使用して幅調整を行うと図9(b)に示すように線が分断され、第2テンプレート及び第1テンプレートを使用して幅調整を行うと図9(c)に示すように丸印の画素が黒となりクランク状の線となる。このように、第1テンプレートを使用することにより、線やエッジの連続性を保つことが可能である。ただし、連続性を保つことを望まない場合には、「シンメトリー情報(SW=)」の設定により第1テンプレートの使用を行わず、第2テンプレートのみを使用して幅調整を行うことができる。
【0066】
また、「シンメトリー情報(SW=)」に応じて、線幅調整の度合いを変えることが可能となる。図10に線の幅調整結果の一例を示す。図10(a)には幅調整前の2画素幅の線、図10(b)には、図3に示す第2テンプレートを使用し第1テンプレートを使用しない場合に幅調整により白画素に変更された画素と幅調整後の線、及び図10(c)には、第1テンプレートを使用する場合に幅調整により白画素に変更された画素と幅調整後の線を示した。また、図10(d)には幅調整前の3画素幅の線、図10(e)には、図5に示す第1及び第2テンプレートの対称形のテンプレートを使用した場合に幅調整により白画素に変更された画素と幅調整後の線、及び図10(f)には、図5に示す第1及び第2テンプレートを使用し対称形のテンプレートを使用しない場合に幅調整により白画素に変更された画素と幅調整後の線を示した。図10に示すように、「シンメトリー情報(SW=)」が、図3に示すような2画素幅で構成されるライン画像等のエッジ画素を検出するための第2テンプレート及び第1テンプレートを使用することを示す場合には、2画素幅で構成される線を1画素幅の線に変更し(図10(c))、使用しないことを示す場合には、2画素幅で構成される線を2画素幅の線のまま保つこと(図10(b))ができる。また、対称形のテンプレートを用いることで例えば3画素で構成される線の両側の画素値を白に変更することで1画素幅の線に変更し(図10(e))、対称形のテンプレートを用いないことで例えば3画素で構成される線の一方の側の画素値を白に変更することで2画素幅の線に変更する(図10(f))ことができる。
【0067】
また、例えば「シンメトリー情報(SW=)」は入力画面から入力して変更できるようにすることにより、操作者の好みに容易に対応することが可能となる。また、使用する対称形のテンプレートを示すデータを予め用意しテンプレートデータ記憶部15に予め記憶しておいてもよい。
【0068】
また、例えば文字や写真といった種類の異なる画像の領域が混在するような画像データにおいて、その画像の種類により上述のような線幅調整を行う画像と行わない画像とを区別したい場合がある。このような場合に、対象領域を予め定めておき、その対象領域についてライン画像の幅の調整を行うようにしてもよい。例えば、例えば、制御部11に、ライン画像の幅の調整を行う対象領域として文字領域または写真領域の少なくともいずれか1つが指定しておく。制御部11は、画像データからその対象領域を抽出する。制御部11は、抽出手段としての機能を有する。ライン幅調整部13は、その注目画素が抽出した領域内の画素であれば画素値を変更し、領域外の画素であれば画素値を変更しない。また、文字領域または写真領域は、複数の画素の特徴を抽出して、その特徴データに基づいてファジィ理論を用いた推論処理により判定を行って抽出することが可能である(例えば、特開平5−14702号公報参照。)。
【0069】
(動作態様)
次に、上述のような構成の画像処理装置における動作態様の一例について、図11及び図12を参照しつつ説明する。図11及び図12は、本画像処理装置にける動作態様を示すフローチャートである。
【0070】
図11は、「変換値(白または黒)」「シンメトリー情報(SW=)」または「対象領域」を入力画面を用いて入力する場合について示すフローチャートである。まず、操作者が入力部18を操作し、制御部11は操作の入力を受け、表示部17に入力画面を表示させる(図11ステップS101、以下省略して「S101」と表す。他のステップも同様に省略して表す。)。そして、表示画面を用いて、必要に応じて「変換値(白または黒)」「シンメトリー情報(SW=)」または「対象領域」の入力を行う(S102)。制御部11は、これらの入力を受け(S103、Y)、それぞれの書き換えを行う(S104)。上述のようにして、「変換値(白または黒)」「シンメトリー情報(SW=)」または「領域指定」について入力を行うことにより、所望する線幅、及び、所望する領域について線幅の調整を行うことが可能となる。言うまでもないが、「変換値(白または黒)」「シンメトリー情報(SW=)」または「対象領域」は、予めプログラムに記述されたものを用いてもよい。
【0071】
図12は、エッジの検出及び画素値の変更処理について示すフローチャートである。制御部11において判断部12は、注目画素を中心とするテンプレートに対応する領域、本例では7画素×11画素の画素値を抽出する(S201)。ただし、画像データの各画素を注目画素とし、各注目画素について順に処理を行っていく。
【0072】
次に、判断部12は、「No.」の順にテンプレートのデータを読み出す(S202,S203)。さらに、S204において、抽出した画素値と読み出したテンプレートのデータとの比較を行う。このとき、読み出したテンプレートのデータが第1テンプレートの場合には、特定画素判断部121において比較し、特定画素か否か判断し、第2テンプレートの場合には、エッジ画素判断部122において比較し、エッジ画素か否か判断する。
【0073】
本例では、図3乃至図7に示したテンプレートを用いるが、各テンプレートに示した「No.」に従えば、まず、2画素幅のライン画像、3画素以上の幅のライン画像、斜め方向のライン画像の順で、それぞれ第1テンプレート、第2テンプレートの順に比較・判断を行い、また、第1テンプレートにより特定画素か否かの判定を行い、特定画素でなかった場合に第2テンプレートを用いてエッジ画素か否か判断するようになる。また、2画素幅のライン画像、3画素以上の幅のライン画像、斜め方向ライン画像の順に関係なく、まず第1テンプレートにより特定画素か否かの判定を行い、特定画素でなかった場合に第2テンプレートを用いてエッジ画素か否か判断するようにしてもよい。
【0074】
また、「シンメトリー情報(SW=)」が対称形のテンプレートの使用を示す場合には「シンメトリー情報(SW=)」に従って対称形のテンプレートのデータを作成して比較・判断に用いる。また、「シンメトリー情報(SW=)」が「0」すなわち不使用を示す場合にはS207に遷移することになる。
【0075】
抽出した画素値とテンプレートのデータとが一致する場合、すなわち注目画素が特定画素またはエッジ画素の場合(S205、Y)、注目画素が対象領域内の画素であれば(S206、Y)、ライン幅調整部13は、特定画素の場合には黒画素に、エッジ画素の場合には白画素に注目画素の画素値を変更する(S209)。対象領域内の画素でなければ(S206、N)、注目画素の画素値はそのままとする(S210)。
【0076】
上述のように第1テンプレート、第2テンプレートを「No.」の順に用いて比較・判断を行い、その判断結果に基づいて画素値の変更を行うことによれば、特定画素またはエッジ画素との判断がなされたら他のテンプレートを用いた比較を行わないので処理時間を短縮することができる。
【0077】
また、抽出した画素値とテンプレートのデータとが一致しない場合(S205、N)、未比較のテンプレートのデータがあれば(S207、Y)、次の「No.」のテンプレートのデータを読み出し(S208、S203)、S204で比較を行い、テンプレートに応じて、特定画素か否か、エッジ画素か否か判断する。一方、すべてのテンプレートについて比較を行ったものであれば(S207、N)、特定画素及びエッジ画素ではないから、ライン幅調整部13は、注目画素の画素値をそのままとする(S210)。
【0078】
画像データのすべての注目画素についてテンプレートとの比較が終了したら(S211、Y)終了する。
【0079】
また、対象領域指定を必要としない場合には、S206のステップは不要であり、S205からS209に遷移するように処理を行う。
【0080】
〈第2の実施形態〉
本発明に係る第2の実施形態としての画像処理装置について説明する。なお、本実施形態は、第1の実施の形態と同様の構成において、判断部12における比較の手順が異なるものである。
【0081】
第1の実施の形態では、判断部12が、第1テンプレートから第2テンプレートの「No.」の順にテンプレートを用いて比較・判定を行い、特定画素またはエッジ画素と判断されたときに、ライン幅調整部13が、注目画素の画素値を変更する例を示したが、本実施の形態では、判断部12が、すべてのテンプレートについて比較・判定を行って、ライン幅調整部13が、その判定結果に基づいて注目画素の画素値を変更するようにする。
【0082】
(動作態様)
次に、第2の実施の形態における動作態様の一例について、図13を参照しつつ説明する。図13は、本画像処理装置にける動作態様を示すフローチャートである。
【0083】
図13に示すように、制御部11において判断部12は、第1の実施の形態と同様に、注目画素を中心とするテンプレートに対応する領域、本例では7画素×11画素の画素値を抽出する(S301)。
【0084】
次に、抽出した画素値とテンプレートのデータとの比較を行う(S302)。すべてのテンプレートのデータと比較を行う。ただし、テンプレートの使用/不使用、対称形のテンプレートの使用/不使用は「シンメトリー情報(SW=)」に従う。
【0085】
抽出した画素値とテンプレートのデータとが一致する場合(S303、Y)、判断部12は、対象領域内の画素であれば(S304、Y)、ライン幅調整部13は、判断結果が、エッジ画素の場合(第2テンプレートのみと一致する場合)(S305、N)、注目画素の画素値を白に変更し(S306)、判断結果が、エッジ画素及び特定画素の場合(第2テンプレート及び第1テンプレートと一致する場合)(S305、Y)、注目画素の画素値を黒に変更する(S307)。対象領域外の画素であれば(S304、Y)、注目画素の画素値はそのままとする(S308)。また、テンプレートのデータと一致しない場合(S303、N)、注目画素の画素値はそのままとする(S308)。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本実施の形態の画像処理装置の制御構成を示すブロック図である。
【図2】画像データの構成を説明するための図である。
【図3】第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成の一例を示す図である。
【図4】第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成の一例を示す図である。
【図5】第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成の一例を示す図である。
【図6】第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成の一例を示す図である。
【図7】第2テンプレートの画素の構成の一例を示す図である。
【図8】テンプレートの対称形を説明するための図である。
【図9】本実施の形態で行う線の幅調整結果の一例を示す図である。
【図10】本実施の形態で行う線の幅調整結果の一例を示す図である。
【図11】第1の実施の形態の画像処理装置における動作態様を示すフローチャートである。
【図12】第1の実施の形態の画像処理装置における動作態様を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態の画像処理装置における動作態様を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
1 画像処理装置
2 画像出力装置
11 制御部
12 判断部
13 ライン幅調整部
14 記憶部
15 テンプレートデータ記憶部
16 画像データ記憶部
17 表示部
18 入力部
19 画像データ受付け部
【技術分野】
【0001】
本発明は、白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅調整を行う画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、感光体等の像担持体の表面をレーザ光で露光して静電潜像を形成し、形成した静電潜像を現像してトナー像形成し、さらに、トナー像を転写紙に転写して、または、トナー像を中間転写体を介して転写紙に転写して、転写したトナー像を定着手段により定着して転写紙上に画像を形成する電子写真方式の画像出力装置がある。
【0003】
このような画像出力装置において、トナーの乗りが悪ければ、画像にかすれなどを発生し画質の劣化を招く。また、文字などは線を構成する画素が少ないため特にかすれ易く、文字の判読などが困難となる場合があった。
【0004】
そこで、トナーの乗りをよくするために、所定の解像度においてできる限り画素の大きさを大きくすることにより、接着面積を大きくすることで、トナーの接着性を改善することが行われた。
【0005】
ところが、画素の大きさを大きくすることにより、トナーの接着性がよくなるが、その反面、例えば線が期待より太く形成されてしまうことや、白抜き部分が小さくなってしまうことがあった。その結果、細かい線の間隔がつぶれてつながってしまうことや、文字がつぶれてしまい判読しにくいといった問題を発生する場合があった。
【0006】
そこで、画素はできる限り大きくしてトナーの接着性を保ちつつ、線幅を構成する画素数を変化させることで、黒画素で構成される線が太くならないように、また白抜き部分が小さくならないようにすることが行われた。例えば、線や文字において白画素と隣接してエッジを構成する黒画素(エッジ画素)を白画素にすることにより細線化を行うものがあった。
【0007】
細線化を行うものには、例えば、黒画素に隣接する画素の画素値により注目画素を新たな値に変換する可能性があるかを3×3の画素値パターンを予め用意したマスクと比較して判断し、前記可能性があると判断された画素についてさらに周辺の画素の画素値により変換するか否かを判定するための別のマスクを用いて最終判断などをして、線幅が1画素分となるように処理を行う装置があった(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】特開平2−268374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されている装置では、多段階な判定及び処理により細線化を行っており時間がかかるため、さらに単純化し処理時間の短縮が望まれる。しかしながら、例えば単純にエッジ画素を白画素にすることにより細線化を行うと、線の連続性や形状が保たれないことや、また、孤立する画素を発生させてしまうことなどにより、画質の劣化を招く場合があった。つまり、画質を保ちつつ細線化のための処理を単純化することは容易ではなかった。
【0010】
また、細線化には、特許文献1に記載されているような線幅を1画素分に細線化するだけではなく、さらに、2画素以上の線幅に細線化を可能にすることや、白抜き部分の幅(白画素により構成される線、所謂「白抜き」)を広げることを可能にすることも望まれる。
【0011】
また、使用者により、2画素の線を1画素にする、または2画素の線は2画素のままにするなどというような細線化の度合は好みなどによりことなるが、このような好みに対し容易に対応することは難しかった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定の黒画素により構成されるライン画像の幅調整を画質を劣化させることなく容易に行うことが可能な画像処理装置及び画像処理方法を提供することにある。
【0013】
また、さらに使用者が所望する幅調整の度合いに容易に対応することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理装置において、前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する記憶手段と、前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断手段と、前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断手段と、前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とし、前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素ではないと判断され、且つ前記第2の判断手段によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とすることによって前記ライン画像の幅を調整する調整手段とを備えることを特徴としている。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、前記第2の判断手段は、前記第1の判断手段により前記注目画素が特定画素ではないと判断された後に、その注目画素について前記第2のテンプレートに基づいてエッジ画素か否か判断することを特徴としている。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、前記第1のテンプレートは、所定の範囲に、該所定の範囲の所定位置の黒画素と該黒画素に隣接する少なくとも1つ白画素と、さらに該所定位置の黒画素と連続性を有する特定の黒画素が配置されて構成され、前記第1の判断手段は、前記注目画素を前記所定位置とするときの所定の範囲内の画素と前記第1のテンプレートを構成する画素とが一致する場合に、その注目画素を前記特定画素と判断し、前記第2のテンプレートは、所定の範囲に、該所定の範囲の所定位置に黒画素と該黒画素に隣接する白画素が少なくとも配置されて構成され、前記第2の判断手段は、前記注目画素を前記所定位置とするときの所定の範囲の画素と前記第2のテンプレートを構成する画素とが一致する場合に、その注目画素を前記エッジ画素と判断することを特徴としている。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、前記記憶された前記第1のテンプレートまたは前記第2のテンプレートとは黒画素及び白画素の配置が対称形となるテンプレートを作成する作成手段をさらに備え、前記第1の判断手段は、前記作成手段により作成された前記記憶された前記第1のテンプレートと前記対称形となるテンプレートをさらに用い、前記注目画素が特定画素か否かの判断を行い、前記第2の判断手段は、前記作成手段により前記記憶された前記第2のテンプレートと前記対称形となるテンプレートをさらに用い、前記注目画素がエッジ画素か否かの判断を行うことを特徴としている。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、前記対称形は、線対称形または点対称形を含むことを特徴としている。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、入力手段をさらに備え、前記第1の判断手段及び前記第2の判断手段は、前記入力手段からのテンプレートの使用/不使用の指示を受け、使用が指示されたテンプレートを用いることを特徴としている。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、前記調整手段は、予め指定された対象領域について、前記ライン画像の幅の調整を行うことを特徴としている。
【0021】
また、請求項8に記載の発明は、前記対象領域は、文字領域または写真領域であることを特徴としている。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理方法において、予め、前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する段階と、前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断段階と、前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断段階と、前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とし、前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素ではないと判断され、且つ前記第2の判断段階によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とする段階とを含むことを特徴としている。
【0023】
また、請求項10に記載の発明は、白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理方法において、予め、前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する段階と、前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断段階と、前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とする段階と、前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素ではないと判断された場合に、前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断段階と、前記第2の判断段階によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とする段階とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る画像処理装置によれば、エッジ画素且つ特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するためのテンプレートと、エッジ画素を検出するためのテンプレートとを用いて注目画素についての判断を行い、特定画素である判断された注目画素は黒画素とし、特定画素ではなくエッジ画素である判断された注目画素は白画素とするので、特定の黒画素との連続性を保ちつつ線幅調整を行うので、画質を劣化させることなくライン画像の線幅の調整を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
〈第1の実施形態〉
以下、本発明に係る画像処理装置の一実施形態をについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0026】
(全体構成)
まず、本実施の形態における画像処理装置の構成について図1を参照して説明する。図1は、当該画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、画像処理装置1は、画像を出力する画像出力装置2に接続されている。また、画像出力装置2は、ケーブルまたはLANやインターネット等のネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0028】
画像出力装置2は、例えば電子写真方式のレーザープリンタ、複写機、またはスキャナ・コピア・ファクシミリ機能を併せ持つ複合機等である。
【0029】
また、本発明に係る実施の形態として、画像出力装置2が以下に説明する画像処理装置1の機能を含むような構成であってもよい。
【0030】
画像処理装置1は、いわゆるコンピュータであって、所定の動作プログラム及びアプリケーションプログラムが組み込まれたコンピュータ本体、キーボード、マウス、モニタ、スピーカ等から構成され、画像処理装置1は、本発明に係る処理態様等において装置各部の制御を行う制御部11、画像データ及び本発明に係るテンプレートデータや、各種データなどを記憶する記憶部14、画像等の表示を行う表示部17、指示、選択等の各種入力を行うための入力部18、及び、図示しない端末装置やスキャナなどの画像作成装置または画像取得装置から画像データを受け付ける画像データ受付け部19を含んでいる。
【0031】
表示部17は、LCDやCRTなど、コンピュータに接続された通常のモニタ装置により構成される。表示部17は、制御部11に制御されて画像、入力画面などを表示する。
【0032】
入力部18(入力手段)は、本発明の入力手段を構成するもので、キーボード等の入力デバイスや、マウス・トラックボール等のポインティングデバイスなど、オペレータが各種の入力操作を行うためのデバイスから構成される。
【0033】
画像データ受付け部19は、例えば、送受信インターフェイス回路などから構成され、図示しない画像作成装置または画像取得装置から画像データを受信する通信手段である。また、階調画像データなどが入力されたCD−ROM(Compact Disk Read−Only Memory)等を出し入れ可能に装着する読取装置のようなものであってもよい。
【0034】
記憶部14は、ハードディスクドライブやイメージメモリ等の記憶装置によって構成され、画像データ記憶部16と、テンプレートデータ記憶部15(記憶手段)とを含んでいる。
【0035】
画像データ記憶部16は、画像データ受付け部19で受け付ける画像データ、または、画像処理装置1に組み込まれたアプリケーションプログラムを動作させて作成される画像データなどを記憶する。ここで、本実施の形態で扱う画像データは、いわゆるビットマップグラフィックスと呼ばれ、例えば、図2に示すように、横方向に所定の間隔(解像度)で配置された複数の画素で1ラインを構成し、さらにラインが縦方向に所定の間隔で並べられているラスターデータである。また、各画素の画素値は、白画素を0、黒画素を1として2値で示される。また、各画素の画素値を、白画素における濃度の最小値を0、黒画素における最大値を255とし、最小値0から最大値255の間を等分割した階調値で示してもよい。
【0036】
テンプレートデータ記憶部15は、エッジ画素であり且つ特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1テンプレート(第1のテンプレート)を示すデータと、画像データから白画素と隣接する黒画素であるエッジ画素を検出するための第2テンプレート(第2のテンプレート)を示すデータとを記憶する。また、第2テンプレートのデータ及び第1テンプレートのデータは、所定の範囲(例えば縦m画素×横n画素)における画素についての画素値で示される。
【0037】
第1テンプレートは、中央位置(基準位置)に黒画素が配置され、その黒画素に隣接して白画素が配置され、中央位置の黒画素がエッジ画素を示し、且つ、中央位置の黒画素に対し特定の位置に黒画素(特定の黒画素)、さらに場合によって白画素が配置され、この特定の黒画素と中央位置の黒画素とが連続性を有する画素であることを示すように構成される。このエッジ画素であり且つ特定の黒画素と連続性を有する画素を特定画素という。
【0038】
第2テンプレートは、中央位置(基準位置)に黒画素が配置され、その黒画素に隣接して白画素が配置され、中央位置の黒画素がエッジ画素を示すように構成される。
【0039】
ここで、図3乃至図7を用いて第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成を示す。本例では、所定の範囲として7画素×11画素を用いる。また、図には、黒画素を「3」白画素を「2」で示し、指定のない画素は黒または白画素のいずれであってもよいことを示す。また、第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成とともに、「No.」、「変換値=」、「シンメトリー情報(SW=)」を示したが、これらは、テンプレートデータ記憶部15に、各テンプレートを示すデータに付されて記憶されている。また、これらの情報の詳細については、後述する。付して記憶することに限らず、各テンプレートと関連付けたデータベースに記憶してもよい。
【0040】
図3は、2画素幅で構成されるライン画像等のエッジ画素を構成する黒画素を検出するための第2テンプレート及び第1テンプレートを示す。また、この2画素幅で構成されるライン画像は、所定の黒画素で構成されるライン画像の一つである。
【0041】
図3(a)、(b)には第1テンプレートを示した。図3(a)には、画像データにおける横方向にエッジ画素を構成する黒画素(図に示すように、エッジ画素は太枠で囲んで示す。以下に示す他のエッジ画素も同様に太枠で囲んで示す。)を、図3(b)には、縦方向にエッジ画素を構成する黒画素を示し、それぞれ中央位置の黒画素に対し白画素が隣接して配置され、中央位置の黒画素がエッジ画素であることを示し、さらに中央位置の黒画素を挟んで白画素の反対側に1つの黒画素と1つの白画素が直線状に配置され2画素幅のライン画像であることを示し、中央位置の黒画素が白画素の反対側の1つの黒画素と連続性を有することを示す。したがって、この白画素の反対側の1つの黒画素が本発明の特定の黒画素を示す。
【0042】
また、図3(c)、(d)には第2テンプレートを示した。図3(c)には、画像データにおける横方向にエッジ画素を構成する黒画素を、図3(d)には、縦方向にエッジを構成する黒画素を示した。図に示すように、中央位置の黒画素に対し白画素が隣接して配置され、中央位置の黒画素がエッジ画素であることを示し、さらに中央位置の黒画素を挟んで白画素の反対側に1つの黒画素と1つの白画素が直線状に配置され2画素幅のライン画像であることを示す。また、反対側の1つの黒画は、中央位置の黒画素がエッジ画素を示すだけで、連続性を示すものではない。上述したように、2画素幅のライン画像に関する、第1テンプレートと第2テンプレートとは画素の構成が同じとなる。
【0043】
図4には、3画素幅以上で構成されるライン画像等の画像データにおける縦方向のエッジ画素を構成する黒画素を検出するための第2テンプレート及び第1テンプレートを示す。また、この3画素幅以上で構成されるライン画像は、所定の黒画素で構成されるライン画像の一つである。
【0044】
図4(a)乃至(f)には、第1テンプレートをそれぞれ示した。図に示すように、中央位置の黒画素に対し白画素が下側に隣接して配置され、その中央位置の黒画素がエッジ画素であることを示し、さらに中央位置の黒画素を挟んで白画素の反対側に複数の黒画素が直線状に配置され3画素幅以上で構成されるライン画像であることを示す。さらにエッジ画素となる黒画素の周辺に白または黒画素とが配置されて構成される。図4(a)では、エッジ画素の左側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの左側の黒画素と連続性を有することを示す。図4(b)では、中央位置の黒画素はこの左側の黒画素、さらにその左側の黒画素と連続性を有することを示す。図4(c)では、中央位置の黒画素はこの左側の黒画素、さらにその左側の黒画素、またさらにその左側の黒画素と連続性を有することを示す。図4(d)では、エッジ画素の左側及び左上側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの左側及び左上側の黒画素と連続性を有することを示す。図4(e)では、中央位置の黒画素はこの左側の及び左上側黒画素、さらにそれぞれの左側の黒画素と連続性を有することを示す。図4(f)では、中央位置の黒画素はこの左側の及び左上側黒画素、さらにそれぞれ左側の黒画素、さらにまたそれぞれの左側の黒画素と連続性を有することを示す。上記のように連続性を有する黒画素が本発明の特定の黒画素を示す。
【0045】
図4(g)及び(h)には、第2テンプレートをそれぞれ示した。図に示すように、中央位置の黒画素に対し白画素が隣接して配置され、その中央位置の黒画素がエッジ画素であることを示す。さらに中央位置の黒画素を挟んで白画素の反対側に複数の黒画素が直線状に配置されて2画素幅のライン画像であることを示す。図4(g)及び(h)に示した第2テンプレートは、中央位置の黒画素に隣接する白画素の数が異なり、図4(g)では1画素の白抜き線に隣接する黒画素をエッジ画素として検出するが、図4(h)では1画素の白抜き線に隣接する黒画素をエッジ画素として検出しない。すなわち、1画素の白抜き線の幅を調整する場合には図4(g)の第2テンプレート用いるようにする。
【0046】
図5には、3画素幅以上で構成される線等の画像データにおける横方向にエッジを構成する黒画素を検出するための第2テンプレート及び第1テンプレートを示す。図5(a)乃至(h)には、図4(a)乃至(h)を左に90度回転させた構成である。
【0047】
図6には、斜め方向の3画素幅以上で構成されるライン画像等の画像データにおける斜め方向にエッジ画素を構成する黒画素を検出するための第2テンプレート及び第1テンプレートを示す。また、この斜め方向の3画素幅以上で構成されるライン画像は、所定の黒画素で構成されるライン画像の一つである。
【0048】
図6(a)乃至(j)には、第1テンプレートをそれぞれ示した。図に示すように、中央位置に黒画素に対し白画素が右斜め方向に隣接して配置され、その中央位置の黒画素が斜め方向にエッジを構成するエッジ画素であることを示す。さらに中央位置の黒画素を挟んで白画素の反対側に複数の黒画素が直線状に配置され、斜め方向に3画素幅以上で構成されるライン画像であることを示す。さらにエッジ画素となる黒画素の周辺に白または黒画素が配置されて構成される。
【0049】
図6(a)では、エッジ画素の右側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの右側の黒画素と連続性を有することを示す。図6(b)では、エッジ画素の上側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの上側の黒画素と連続性を有することを示す。図6(c)では、エッジ画素の右側及び右下側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこれらの黒画素と連続性を有することを示す。図6(d)では、エッジ画素の上側及び左上側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこれらの黒画素と連続性を有することを示す。図6(e)、(f)はそれぞれエッジ画素に隣接する黒画素の周囲の白画素の配置がことなるものである。図6(g)では、エッジ画素のした側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの下側の黒画素と連続性を有することを示す。図6(h)では、エッジ画素の左側に隣接して黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこの左側の黒画素と連続性を有することを示す。図6(i)では、エッジ画素の右側に隣接して黒画素とさらに右側の黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこれらの黒画素と連続性を有することを示す。図6(j)では、エッジ画素の上側に隣接して黒画素とさらに上側の黒画素が配置され、中央位置の黒画素はこれらの黒画素と連続性を有することを示す。上記のように連続性を有する黒画素が本発明の特定の黒画素を示す。
【0050】
図6(k)及び(l)には、第2テンプレートをそれぞれ示した。図に示すように、中央位置の黒画素に対し白画素が右斜め方向に隣接して配置され、その中央位置の黒画素が斜め方向にエッジを構成するエッジ画素であることを示す。図6(k)及び(l)に示した第2テンプレートは、中央位置の黒画素に隣接する白画素の数が異なり、図6(k)では1画素の白抜き線に隣接する黒画素をエッジ画素として検出するが、図6(l)では1画素の白抜き線に隣接する黒画素をエッジ画素として検出しない。すなわち、1画素の白抜き線の幅を調整する場合には図6(k)の第2テンプレート用いるようにする。
【0051】
図7には、周囲から孤立した黒画素をエッジとして検出する第2テンプレートを示した。図に示すように、中央位置の黒画素を囲むように白画素が配置されて構成され、中央位置の黒画素が孤立した画素であることを示す。
【0052】
各テンプレートの「No.」は、後述の判断部12がエッジ検出の際に用いる順序である優先順位を示し、判断部12において使用する順序を示す。また、優先順位は、図3乃至図6のそれぞれについて第1テンプレートの方が優先順位を高く設定した。
【0053】
「変換値=」は、後述のライン幅調整部13(調整手段)において変換される画素値を示している。第1テンプレートは、変換値が「黒」である。また、第2テンプレートは、変換値が「白」である。また、本例では変換値を白または黒の2値とするが、多値画像を扱う場合には、それぞれ中間的な濃度を示す階調値としてもよく、この場合にはエッジをなだらかに変化させることが可能となる。
【0054】
「シンメトリー情報(SW=)」は、後述の判断部12においてエッジ検出に用いるか否かを示す使用情報と、対称形のテンプレートを用いるか否かを示す対称形使用情報とを示す。つまり、図3乃至図7に示したテンプレートは、一方向のエッジ、例えば縦方向ならば下側のエッジが示され、上側のエッジを示すようなテンプレートは示されていないが、これらを基にして例えば下側のエッジを示すテンプレートから上側のエッジを示すテンプレートを作成し、その作成したテンプレートを用いるか否かを示すものである。このようにすることにより、最小限のテンプレートデータを記憶するだけでよく、記憶部14における使用容量を抑えることが可能となる。
【0055】
例えば、対称形について図8を用いて説明する。図8(a)には元の形状を示し、図8(b)には元の形状を上下反転した形状(線対称)、図8(c)には元の形状を左右反転した形状(線対称)、及び、図8(d)には元の形状を上下反転しさらに左右反転した形状すなわち所定の点を中心に180度回転させた形状(点対称)を示した。すなわち、上記の第2テンプレート及び第1テンプレートを図8(b)乃至(d)に示したように反転させることにより、例えば、下側のエッジを示すテンプレートを上下反転させて、上側のエッジを示すようなテンプレートとして用いることができる。
【0056】
図3乃至図7には、「シンメトリー情報(SW=)」として、1、15、3を示したが、これは、4bitで示される0、1データを10進数で示したものである。例えば、1bitが、テンプレートを使用するか否かを示し、1が使用、0が不使用を示す。例えば、2bitが、上下方向に反転したテンプレートを使用するか否かを示し、1が使用、0が不使用を示す。例えば、3bitが、左右方向に反転したテンプレートを使用するか否かを示し、1が使用、0が不使用を示す。例えば、4bitが、180度回転したテンプレートを使用するか否かを示し、1が使用、0が不使用を示す。
【0057】
例えば、(1,1,1,1)であれば、テンプレートを使用、上下方向に反転したテンプレートを使用、左右方向に反転したテンプレートを使用、及び、180度回転したテンプレートを使用することを示し、1111すなわち15がこれを示す。また、例えば、(0,0,1,1)であれば、テンプレートを使用、上下方向に反転したテンプレートを使用、左右方向に反転したテンプレートを不使用、及び、180度回転したテンプレートを不使用とすることを示し、0011すなわち3がこれを示す。また、例えば、(0,0,0,1)であれば、テンプレートを使用、上下方向に反転したテンプレートを不使用、左右方向に反転したテンプレートを不使用、及び、180度回転したテンプレートを不使用とすることを示し、0001すなわち1がこれを示す。これにより、最小限のテンプレートデータを用意するだけで、使用者の好みに応じたテンプレートデータの使用や追加を容易に行うことができる。
【0058】
また、上記の「No.」、「変換値(白または黒)」及び「シンメトリー情報(SW=)」の各数値は、予めプログラムに記述されたものが各テンプレートデータに付されてもよく、また、操作者が入力部18を操作して、制御部11は、表示部17に「No.」、「変換値(白または黒)」及び「シンメトリー情報(SW=)」についての情報を入力するための入力画面などを表示させて、さらに操作者が入力部18を用いて入力することにより、制御部11はこれを受け、制御部11の指示により、記憶部14は、記憶されている「No.」、「変換値(白または黒)」または「シンメトリー情報(SW=)」を書き換えるようにしてもよい。
【0059】
制御部11は、CPU(図示せず)と、各種のプログラム、及び、そのプログラムを実行するときに必要な各種データなど記憶すると共に各種のプログラムを実行するときのワークエリアを構成するシステムメモリ等の記憶手段(図示せず)とを含んで構成され、装置各部の制御を行う。制御部11は、当該コンピュータプログラム、または、入力部18からの入力にしたがって、判断部12及びライン幅調整部13として動作する。また、表示部17を制御する表示制御手段としての機能を有する。また、記憶部14に記憶する画像データや各種情報を管理する管理手段としての機能を有する。
【0060】
判断部12は、画像データの注目画素について、テンプレートデータ記憶部15に記憶されている第1テンプレートを用いて特定画素が否かの判断を行う特定画素判断部121(第1の判断手段)、テンプレートデータ記憶部15に記憶されている第2テンプレートを用いてエッジ画素か否か判断するエッジ画素判断部122(第2の判断手段)で構成される。
【0061】
ここで、判断部12とライン幅調整部13とにおいて行うライン画像の幅の調整について詳細に説明する。
まず、特定画素判断部121は、画像データのある画素を注目画素とし、注目画素を中心とするテンプレートに対応する領域、本例では7画素×11画素の画素値を抽出する。そして、抽出した各画素値を第1テンプレートと比較し、第1テンプレートに示される黒画素及び白画素と一致したら、その注目画素を特定画素と判断しライン幅調整部13に注目画素が特定画素であることを送信する。
一方、不一致ならばその注目画素を特定画素ではないと判断し、エッジ画素判断部122で同様にして、抽出した各画素値を第2テンプレートと比較し、第2テンプレートに示される黒画素及び白画素と一致したら、その注目画素をエッジ画素と判断しライン幅調整部13に注目画素がエッジ画素であることを送信し、不一致ならば、エッジ画素ではないと判断しライン幅調整部13に注目画素がエッジ画素ではないことを送信する。
【0062】
ライン幅調整部13は、判断部12における判断結果に基づいて、注目画素の画素値を各テンプレートの「変換値=」に従って変更する。本例では、第1テンプレートは「変換値=黒」、第2テンプレートは「変換値=白」である。したがって、特定画素と判断された注目画素は、画素値を黒に変更し、エッジ画素と判断された注目画素は、画素値を白に変更する。また、特定画素及びエッジ画素のいずれとも判断されなかった注目画素は、画素値の変更は行わない。このようにライン幅の調整を行う。これによれば、エッジ画素であっても特定の黒画素と連続性を有する場合、すなわち特定画素は黒とするので、特定の黒画素との連続性を損なうことがない。例えば、注目画素の画素値が図4(a)に示す第1テンプレートと一致するような場合に、本例では左側の黒画素との連続性を有する画素と判断できるため注目画素を黒画素のままとし、左側の黒画素との連続性を保つことができる。しかし、本例の第1テンプレートを用いないで、図4(g)に示す第2テンプレートのみを用いるような場合には、左側の黒画素との連続性を判断できず、エッジ画素との判断を行ってしまうため、この注目画素を白画素にしてしまうので、図4(a)の注目画素の左側の黒画素だけが残され、連続性を保つことができない。したがって、本例の第1テンプレートを用いることにより連続性を保つことができ、画質の劣化を抑えることができる。
【0063】
また、特定画素判断部121及びエッジ画素判断部122では、「No.」の順に各テンプレートを用いて上記の判断を行う。また、「シンメトリー情報(SW=)」に使用が設定されているテンプレートを用いるものとし、対称形のテンプレートを用いることが示されている場合には、判断部12で「シンメトリー情報(SW=)」に示される対称形のテンプレートを作成し、特定画素判断部121またはエッジ画素判断部122で用いて上記の判断を行う。判断部12は、本発明のテンプレートを作成する作成手段としての機能を有する。
【0064】
また、「シンメトリー情報(SW=)」により使用/不使用、対称形のテンプレートの使用/不使用を設定できるので、種々の幅調整に対応可能となる。
【0065】
例えば、図9に線の幅調整結果の一例を示す。図9(a)には、幅調整前の線を示し、図9(b)には、上述の比較に第2テンプレートのみを使用した場合に幅調整により白画素に変更された画素(ハッチング部、以下同様)と幅調整後の線、及び、図9(c)には、第2テンプレート及び第1テンプレートを使用した場合に幅調整により白画素に変更された画素と幅調整後の線を示した。図9(a)に示す3画素幅のクランク状の線は、第2テンプレートのみを使用して幅調整を行うと図9(b)に示すように線が分断され、第2テンプレート及び第1テンプレートを使用して幅調整を行うと図9(c)に示すように丸印の画素が黒となりクランク状の線となる。このように、第1テンプレートを使用することにより、線やエッジの連続性を保つことが可能である。ただし、連続性を保つことを望まない場合には、「シンメトリー情報(SW=)」の設定により第1テンプレートの使用を行わず、第2テンプレートのみを使用して幅調整を行うことができる。
【0066】
また、「シンメトリー情報(SW=)」に応じて、線幅調整の度合いを変えることが可能となる。図10に線の幅調整結果の一例を示す。図10(a)には幅調整前の2画素幅の線、図10(b)には、図3に示す第2テンプレートを使用し第1テンプレートを使用しない場合に幅調整により白画素に変更された画素と幅調整後の線、及び図10(c)には、第1テンプレートを使用する場合に幅調整により白画素に変更された画素と幅調整後の線を示した。また、図10(d)には幅調整前の3画素幅の線、図10(e)には、図5に示す第1及び第2テンプレートの対称形のテンプレートを使用した場合に幅調整により白画素に変更された画素と幅調整後の線、及び図10(f)には、図5に示す第1及び第2テンプレートを使用し対称形のテンプレートを使用しない場合に幅調整により白画素に変更された画素と幅調整後の線を示した。図10に示すように、「シンメトリー情報(SW=)」が、図3に示すような2画素幅で構成されるライン画像等のエッジ画素を検出するための第2テンプレート及び第1テンプレートを使用することを示す場合には、2画素幅で構成される線を1画素幅の線に変更し(図10(c))、使用しないことを示す場合には、2画素幅で構成される線を2画素幅の線のまま保つこと(図10(b))ができる。また、対称形のテンプレートを用いることで例えば3画素で構成される線の両側の画素値を白に変更することで1画素幅の線に変更し(図10(e))、対称形のテンプレートを用いないことで例えば3画素で構成される線の一方の側の画素値を白に変更することで2画素幅の線に変更する(図10(f))ことができる。
【0067】
また、例えば「シンメトリー情報(SW=)」は入力画面から入力して変更できるようにすることにより、操作者の好みに容易に対応することが可能となる。また、使用する対称形のテンプレートを示すデータを予め用意しテンプレートデータ記憶部15に予め記憶しておいてもよい。
【0068】
また、例えば文字や写真といった種類の異なる画像の領域が混在するような画像データにおいて、その画像の種類により上述のような線幅調整を行う画像と行わない画像とを区別したい場合がある。このような場合に、対象領域を予め定めておき、その対象領域についてライン画像の幅の調整を行うようにしてもよい。例えば、例えば、制御部11に、ライン画像の幅の調整を行う対象領域として文字領域または写真領域の少なくともいずれか1つが指定しておく。制御部11は、画像データからその対象領域を抽出する。制御部11は、抽出手段としての機能を有する。ライン幅調整部13は、その注目画素が抽出した領域内の画素であれば画素値を変更し、領域外の画素であれば画素値を変更しない。また、文字領域または写真領域は、複数の画素の特徴を抽出して、その特徴データに基づいてファジィ理論を用いた推論処理により判定を行って抽出することが可能である(例えば、特開平5−14702号公報参照。)。
【0069】
(動作態様)
次に、上述のような構成の画像処理装置における動作態様の一例について、図11及び図12を参照しつつ説明する。図11及び図12は、本画像処理装置にける動作態様を示すフローチャートである。
【0070】
図11は、「変換値(白または黒)」「シンメトリー情報(SW=)」または「対象領域」を入力画面を用いて入力する場合について示すフローチャートである。まず、操作者が入力部18を操作し、制御部11は操作の入力を受け、表示部17に入力画面を表示させる(図11ステップS101、以下省略して「S101」と表す。他のステップも同様に省略して表す。)。そして、表示画面を用いて、必要に応じて「変換値(白または黒)」「シンメトリー情報(SW=)」または「対象領域」の入力を行う(S102)。制御部11は、これらの入力を受け(S103、Y)、それぞれの書き換えを行う(S104)。上述のようにして、「変換値(白または黒)」「シンメトリー情報(SW=)」または「領域指定」について入力を行うことにより、所望する線幅、及び、所望する領域について線幅の調整を行うことが可能となる。言うまでもないが、「変換値(白または黒)」「シンメトリー情報(SW=)」または「対象領域」は、予めプログラムに記述されたものを用いてもよい。
【0071】
図12は、エッジの検出及び画素値の変更処理について示すフローチャートである。制御部11において判断部12は、注目画素を中心とするテンプレートに対応する領域、本例では7画素×11画素の画素値を抽出する(S201)。ただし、画像データの各画素を注目画素とし、各注目画素について順に処理を行っていく。
【0072】
次に、判断部12は、「No.」の順にテンプレートのデータを読み出す(S202,S203)。さらに、S204において、抽出した画素値と読み出したテンプレートのデータとの比較を行う。このとき、読み出したテンプレートのデータが第1テンプレートの場合には、特定画素判断部121において比較し、特定画素か否か判断し、第2テンプレートの場合には、エッジ画素判断部122において比較し、エッジ画素か否か判断する。
【0073】
本例では、図3乃至図7に示したテンプレートを用いるが、各テンプレートに示した「No.」に従えば、まず、2画素幅のライン画像、3画素以上の幅のライン画像、斜め方向のライン画像の順で、それぞれ第1テンプレート、第2テンプレートの順に比較・判断を行い、また、第1テンプレートにより特定画素か否かの判定を行い、特定画素でなかった場合に第2テンプレートを用いてエッジ画素か否か判断するようになる。また、2画素幅のライン画像、3画素以上の幅のライン画像、斜め方向ライン画像の順に関係なく、まず第1テンプレートにより特定画素か否かの判定を行い、特定画素でなかった場合に第2テンプレートを用いてエッジ画素か否か判断するようにしてもよい。
【0074】
また、「シンメトリー情報(SW=)」が対称形のテンプレートの使用を示す場合には「シンメトリー情報(SW=)」に従って対称形のテンプレートのデータを作成して比較・判断に用いる。また、「シンメトリー情報(SW=)」が「0」すなわち不使用を示す場合にはS207に遷移することになる。
【0075】
抽出した画素値とテンプレートのデータとが一致する場合、すなわち注目画素が特定画素またはエッジ画素の場合(S205、Y)、注目画素が対象領域内の画素であれば(S206、Y)、ライン幅調整部13は、特定画素の場合には黒画素に、エッジ画素の場合には白画素に注目画素の画素値を変更する(S209)。対象領域内の画素でなければ(S206、N)、注目画素の画素値はそのままとする(S210)。
【0076】
上述のように第1テンプレート、第2テンプレートを「No.」の順に用いて比較・判断を行い、その判断結果に基づいて画素値の変更を行うことによれば、特定画素またはエッジ画素との判断がなされたら他のテンプレートを用いた比較を行わないので処理時間を短縮することができる。
【0077】
また、抽出した画素値とテンプレートのデータとが一致しない場合(S205、N)、未比較のテンプレートのデータがあれば(S207、Y)、次の「No.」のテンプレートのデータを読み出し(S208、S203)、S204で比較を行い、テンプレートに応じて、特定画素か否か、エッジ画素か否か判断する。一方、すべてのテンプレートについて比較を行ったものであれば(S207、N)、特定画素及びエッジ画素ではないから、ライン幅調整部13は、注目画素の画素値をそのままとする(S210)。
【0078】
画像データのすべての注目画素についてテンプレートとの比較が終了したら(S211、Y)終了する。
【0079】
また、対象領域指定を必要としない場合には、S206のステップは不要であり、S205からS209に遷移するように処理を行う。
【0080】
〈第2の実施形態〉
本発明に係る第2の実施形態としての画像処理装置について説明する。なお、本実施形態は、第1の実施の形態と同様の構成において、判断部12における比較の手順が異なるものである。
【0081】
第1の実施の形態では、判断部12が、第1テンプレートから第2テンプレートの「No.」の順にテンプレートを用いて比較・判定を行い、特定画素またはエッジ画素と判断されたときに、ライン幅調整部13が、注目画素の画素値を変更する例を示したが、本実施の形態では、判断部12が、すべてのテンプレートについて比較・判定を行って、ライン幅調整部13が、その判定結果に基づいて注目画素の画素値を変更するようにする。
【0082】
(動作態様)
次に、第2の実施の形態における動作態様の一例について、図13を参照しつつ説明する。図13は、本画像処理装置にける動作態様を示すフローチャートである。
【0083】
図13に示すように、制御部11において判断部12は、第1の実施の形態と同様に、注目画素を中心とするテンプレートに対応する領域、本例では7画素×11画素の画素値を抽出する(S301)。
【0084】
次に、抽出した画素値とテンプレートのデータとの比較を行う(S302)。すべてのテンプレートのデータと比較を行う。ただし、テンプレートの使用/不使用、対称形のテンプレートの使用/不使用は「シンメトリー情報(SW=)」に従う。
【0085】
抽出した画素値とテンプレートのデータとが一致する場合(S303、Y)、判断部12は、対象領域内の画素であれば(S304、Y)、ライン幅調整部13は、判断結果が、エッジ画素の場合(第2テンプレートのみと一致する場合)(S305、N)、注目画素の画素値を白に変更し(S306)、判断結果が、エッジ画素及び特定画素の場合(第2テンプレート及び第1テンプレートと一致する場合)(S305、Y)、注目画素の画素値を黒に変更する(S307)。対象領域外の画素であれば(S304、Y)、注目画素の画素値はそのままとする(S308)。また、テンプレートのデータと一致しない場合(S303、N)、注目画素の画素値はそのままとする(S308)。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本実施の形態の画像処理装置の制御構成を示すブロック図である。
【図2】画像データの構成を説明するための図である。
【図3】第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成の一例を示す図である。
【図4】第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成の一例を示す図である。
【図5】第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成の一例を示す図である。
【図6】第2テンプレート及び第1テンプレートの画素の構成の一例を示す図である。
【図7】第2テンプレートの画素の構成の一例を示す図である。
【図8】テンプレートの対称形を説明するための図である。
【図9】本実施の形態で行う線の幅調整結果の一例を示す図である。
【図10】本実施の形態で行う線の幅調整結果の一例を示す図である。
【図11】第1の実施の形態の画像処理装置における動作態様を示すフローチャートである。
【図12】第1の実施の形態の画像処理装置における動作態様を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態の画像処理装置における動作態様を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
1 画像処理装置
2 画像出力装置
11 制御部
12 判断部
13 ライン幅調整部
14 記憶部
15 テンプレートデータ記憶部
16 画像データ記憶部
17 表示部
18 入力部
19 画像データ受付け部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理装置において、
前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する記憶手段と、
前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断手段と、
前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断手段と、
前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とし、前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素ではないと判断され、且つ前記第2の判断手段によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とすることによって前記ライン画像の幅を調整する調整手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の判断手段は、前記第1の判断手段により前記注目画素が特定画素ではないと判断された後に、その注目画素について前記第2のテンプレートに基づいてエッジ画素か否か判断する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1のテンプレートは、所定の範囲に、該所定の範囲の所定位置の黒画素と該黒画素に隣接する少なくとも1つ白画素と、さらに該所定位置の黒画素と連続性を有する特定の黒画素が配置されて構成され、
前記第1の判断手段は、前記注目画素を前記所定位置とするときの所定の範囲内の画素と前記第1のテンプレートを構成する画素とが一致する場合に、その注目画素を前記特定画素と判断し、
前記第2のテンプレートは、所定の範囲に、該所定の範囲の所定位置に黒画素と該黒画素に隣接する白画素が少なくとも配置されて構成され、
前記第2の判断手段は、前記注目画素を前記所定位置とするときの所定の範囲の画素と前記第2のテンプレートを構成する画素とが一致する場合に、その注目画素を前記エッジ画素と判断する請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶された前記第1のテンプレートまたは前記第2のテンプレートとは黒画素及び白画素の配置が対称形となるテンプレートを作成する作成手段をさらに備え、
前記第1の判断手段は、前記作成手段により作成された前記記憶された前記第1のテンプレートと前記対称形となるテンプレートをさらに用い、前記注目画素が特定画素か否かの判断を行い、
前記第2の判断手段は、前記作成手段により前記記憶された前記第2のテンプレートと前記対称形となるテンプレートをさらに用い、前記注目画素がエッジ画素か否かの判断を行う請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記対称形は、線対称形または点対称形を含む請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
入力手段をさらに備え、
前記第1の判断手段及び前記第2の判断手段は、前記入力手段からのテンプレートの使用/不使用の指示を受け、使用が指示されたテンプレートを用いる請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記調整手段は、予め指定された対象領域について、前記ライン画像の幅の調整を行う請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記対象領域は、文字領域または写真領域である請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理方法において、
予め、前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する段階と、
前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断段階と、
前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断段階と、
前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とし、前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素ではないと判断され、且つ前記第2の判断段階によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とする段階とを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理方法において、
予め、前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する段階と、
前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断段階と、
前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とする段階と、
前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素ではないと判断された場合に、前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断段階と、
前記第2の判断段階によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とする段階とを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項1】
白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理装置において、
前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する記憶手段と、
前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断手段と、
前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断手段と、
前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とし、前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素ではないと判断され、且つ前記第2の判断手段によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とすることによって前記ライン画像の幅を調整する調整手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の判断手段は、前記第1の判断手段により前記注目画素が特定画素ではないと判断された後に、その注目画素について前記第2のテンプレートに基づいてエッジ画素か否か判断する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1のテンプレートは、所定の範囲に、該所定の範囲の所定位置の黒画素と該黒画素に隣接する少なくとも1つ白画素と、さらに該所定位置の黒画素と連続性を有する特定の黒画素が配置されて構成され、
前記第1の判断手段は、前記注目画素を前記所定位置とするときの所定の範囲内の画素と前記第1のテンプレートを構成する画素とが一致する場合に、その注目画素を前記特定画素と判断し、
前記第2のテンプレートは、所定の範囲に、該所定の範囲の所定位置に黒画素と該黒画素に隣接する白画素が少なくとも配置されて構成され、
前記第2の判断手段は、前記注目画素を前記所定位置とするときの所定の範囲の画素と前記第2のテンプレートを構成する画素とが一致する場合に、その注目画素を前記エッジ画素と判断する請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶された前記第1のテンプレートまたは前記第2のテンプレートとは黒画素及び白画素の配置が対称形となるテンプレートを作成する作成手段をさらに備え、
前記第1の判断手段は、前記作成手段により作成された前記記憶された前記第1のテンプレートと前記対称形となるテンプレートをさらに用い、前記注目画素が特定画素か否かの判断を行い、
前記第2の判断手段は、前記作成手段により前記記憶された前記第2のテンプレートと前記対称形となるテンプレートをさらに用い、前記注目画素がエッジ画素か否かの判断を行う請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記対称形は、線対称形または点対称形を含む請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
入力手段をさらに備え、
前記第1の判断手段及び前記第2の判断手段は、前記入力手段からのテンプレートの使用/不使用の指示を受け、使用が指示されたテンプレートを用いる請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記調整手段は、予め指定された対象領域について、前記ライン画像の幅の調整を行う請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記対象領域は、文字領域または写真領域である請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理方法において、
予め、前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する段階と、
前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断段階と、
前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断段階と、
前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とし、前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素ではないと判断され、且つ前記第2の判断段階によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とする段階とを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
白画素と黒画素とを有する二値画像における所定の黒画素で構成されるライン画像の幅を調整する処理を行う画像処理方法において、
予め、前記ライン画像のエッジ画素であり、且つ、特定の黒画素と連続性を有する画素である特定画素を検出するための第1のテンプレートと、前記ライン画像のエッジ画素を検出するための第2のテンプレートを記憶する段階と、
前記第1のテンプレートに基づいて、注目画素が特定画素か否か判断する第1の判断段階と、
前記注目画素が、前記第1の判断段階により特定画素と判断された場合に、その注目画素を黒画素とする段階と、
前記注目画素が、前記第1の判断手段により特定画素ではないと判断された場合に、前記第2のテンプレートに基づいて、注目画素がエッジ画素か否か判断する第2の判断段階と、
前記第2の判断段階によりエッジ画素と判断された場合に、その注目画素を白画素とする段階とを含むことを特徴とする画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−27274(P2008−27274A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200363(P2006−200363)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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