説明

画像処理装置

【課題】 動画像の構図を保ったまま再生することができるようにする。また、フレームレートの異なる動画像が混在しても、境界を気にすることなく連続して再生および特殊再生をしても動画像の構図を保ったまま再生することができるようにする。
【解決手段】 入力画像情報をフレーム数に対応して縮小した縮小画像情報を生成する画像縮小手段と、前記縮小画像情報の同じ位置の画素を集めたブロックを生成するブロック生成手段と、前記ブロックをブロック内の画素が縮小画像情報での位置と同様に配置して1フレームの記録画像情報を生成する記録画像生成手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間当たりのフレーム数(以下、フレームレート)の異なる動画像を混在して記録するための画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、瞬間的な出来事を撮影して記録するために、フレームレートを増やしたビデオカメラが開発されている。
【0003】
そのような撮影装置で撮影した動画像を従来の記録装置に記録するために、例えば、特許文献1のように、通常の1枚の画面に複数の縮小した画面を配置して記録する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−106642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記方法によって記録された動画像を、前記方法に対応していない再生機で再生させた場合には、縮小された画像がタイル状に配置された再生となってしまうため鑑賞には適さない。
【0006】
また、フレームレートの異なる動画像を連続して再生する場合には、タイル状の配置も異なるため、さらに見づらいものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの課題を解決するために、本発明における画像処理装置では、複数フレームの入力画像情報をフレーム数に対応する縮小率で入力画像情報を縮小した縮小画像情報を生成する画像縮小手段と、前記画像縮小手段によって生成された複数フレームの縮小画像情報の同じ位置の画素を集めたブロックを生成するブロック生成手段と、前記ブロック生成手段によって生成された複数のブロックをブロック内の画素が縮小画像情報での位置と同様に配置して1フレームの記録画像情報を生成する記録画像生成手段とを設けた。
【発明の効果】
【0008】
これらの手段を設けたことにより、従来の再生機で再生した場合であっても、動画像の構図を保ったまま再生することができる。
【0009】
また、フレームレートの異なる動画像が混在しても、境界を気にすることなく連続して再生および特殊再生をしても動画像の構図を保ったまま再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による画像記録再生装置のブロック図である。
【図2】画像縮小回路110の動作を説明するための図である。
【図3】画像縮小回路110に入力される入力画像情報と出力される縮小画像情報の関係を表した式である。
【図4】ブロック生成回路120の動作を説明するための図である。
【図5】ブロック生成回路120の動作を説明するための図である。
【図6】記録画像生成回路130の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例]
図1は、本発明による画像記録再生装置のブロック図である。
【0012】
図1において、10は画像入力端子、20はブロック生成情報入力端子、50は記録媒体、60は画像出力端子、70は再生フレーム情報入力端子である。
【0013】
また、110は画像縮小回路、120はブロック生成回路、130は記録画像生成回路、140は複合記録画像生成回路、150は画像記録回路である。
【0014】
さらに、210は画像再生回路、220は複合記録画像分離回路、230は記録画像分解回路、240は縮小画像復元回路、250は画像拡大回路、260は画像出力回路である。
【0015】
まず、本装置の記録動作について説明していく。
【0016】
記録動作は、画像入力端子10から入力された入力画像情報を、記録媒体50に記録する動作である。
【0017】
また、ブロック生成情報入力端子20から入力されるブロック格納情報によって、各回路の動作が変わるようになっている。
【0018】
この例では、フレームレートが通常の4倍である場合で説明する。
【0019】
画像縮小回路110は、ブロック生成情報入力端子20から入力されるブロック格納情報によって、縮小率を可変するようになっており、この例では、縦を2分の1、横を2分の1に縮小する場合である。
【0020】
図2は、画像縮小回路110の動作を説明するための図である。
【0021】
図2(A)は、画像縮小回路110に入力される入力画像情報を、そして、図2(B)は、画像縮小回路110から出力される縮小画像情報を表している。
【0022】
図2(A)において、入力画像情報は、横は720、縦は480の画素から構成されており、A(0,0)は最も左上の画素、A(719,479)は最も右下の画素を表している。
【0023】
そして、図2(B)において、縮小画像情報は、横は360、縦は240の画素から構成されており、B(0,0)は最も左上の画素、B(359,239)は最も右下の画素を表している。
【0024】
また、それぞれの画素は、黒を16、白を235の整数で表している。
【0025】
以下、画素の表し方は、図2の表し方と同様とする。
【0026】
図3は、画像縮小回路110に入力される入力画像情報と出力される縮小画像情報の関係を表した式である。
【0027】
縮小画像情報の各画素は、入力画像情報の横2画素、縦2画素の矩形の4つの画素の平均値となっている。
【0028】
ブロック生成回路120は、ブロック生成情報入力端子20から入力されるブロック格納情報によって、ブロックの組み方が変化するようになっており、この例では、縦に2画素、横に2画素を配置する場合である。
【0029】
図4および図5は、ブロック生成回路120の動作を説明するための図である。
【0030】
図4において、F1、F2、F3、F4は、ブロック生成回路120に入力される連続する4つの縮小画像情報を表している。
【0031】
ブロック生成回路120では、ブロック生成情報入力端子20からのブロック格納情報に基づいて、連続する4つの縮小画像情報F1、F2、F3、F4それぞれから1画素ずつ集めて、ブロックを生成する。
【0032】
図5は、ブロック生成回路120から出力されるブロックを表している。
【0033】
それぞれのブロックは、それぞれの縮小画像情報において同じ位置の画素を集めて構成している。
【0034】
4つの縮小画像情報から生成されるブロックは、横が360、縦が240のブロックの集合であって、合計で360×240ブロックである。
【0035】
図6は、記録画像生成回路130の動作を説明するための図である。
【0036】
記録画像生成回路130は、ブロック生成回路120からの横が360、縦が240のブロックの集合を図6のように配置して1枚の記録画像情報を構成する。
【0037】
記録画像生成回路130も、ブロック生成情報入力端子20からのブロック格納情報によって、ブロックの集合の配置の仕方を変えるようになっている。
【0038】
複合記録画像生成回路140は、記録画像生成回路130からの記録画像情報を圧縮符号化して、さらに、ブロック生成情報入力端子20からのブロック格納情報を付加して、複合記録画像情報を生成する。
【0039】
画像記録回路150は、複合記録画像生成回路140からの複合記録画像情報を記録媒体50に記録する。
【0040】
次に、本装置の再生動作について説明していく。
【0041】
再生動作は、記録媒体50に記録されている複合記録画像情報を、再生して画像出力端子60に出力する動作である。
【0042】
また、再生フレーム情報入力端子70から入力される再生するフレームを指示する情報に従って、再生タイミングを可変することもできる。
【0043】
画像再生回路210は、記録媒体50から複合記録画像情報を再生する。
【0044】
複合記録画像分離回路220は、画像再生回路210からの複合記録画像情報を記録画像情報とブロック格納情報を分離して、記録画像情報を伸長復号化する。
【0045】
記録画像分解回路230は、複合記録画像分離回路220からの伸長復号化された記録画像情報を、複合記録画像分離回路220からのブロック格納情報に基づいてブロックに分解する。
【0046】
ここで、分解されたブロックは、横が360、縦が240のブロックの集合であって、合計で360×240ブロックである。
【0047】
縮小画像復元回路240は、記録画像分解回路230からのブロックを複合記録画像分離回路220からのブロック格納情報に基づいて配置することで、連続する縮小画像情報を生成する。
【0048】
ここで生成される連続する縮小画像情報は、横が360画素、縦が240画素の4枚の縮小画像情報が復元される。
【0049】
画像拡大回路250は、縮小画像復元回路240によって生成された連続する縮小画像情報を拡大して出力画像情報を生成する。
【0050】
画像縮小回路250は、複合記録画像分離回路220からのブロック格納情報に基づいて、拡大率を可変するようになっており、この例では、縦を2倍、横を2倍に拡大する場合である。
【0051】
画像出力回路260は、画像拡大回路250によって生成された出力画像情報を複合記録画像分離回路220からのブロック格納情報に基づいて画像出力端子60に出力する。
【0052】
ここで、前記複合記録画像分離回路220からのブロック格納情報に対応するフレーム周波数で前記画像拡大回路250によって生成された出力画像情報を画像出力端子60に出力することもできるし、あるいは、一定のフレーム周波数で前記画像拡大回路250によって生成された出力画像情報を画像出力端子60に出力することもできる。
【0053】
さらには、特殊再生するために再生フレーム情報入力端子70から与えられる再生するフレームを指示する情報に従って、前記画像拡大回路250によって生成された出力画像情報を画像出力端子60に出力することもできる。
【0054】
以上、説明したように、本発明によれば、従来の再生機で再生した場合にも、画像の構図を保ったまま鑑賞することができる。
【0055】
また、異なるフレームレートの動画像が混在しても、境界を気にすることなく連続して特殊再生を含む再生が可能となる。
【符号の説明】
【0056】
10…画像入力端子
20…ブロック生成情報入力端子
50…記録媒体
60…画像出力端子
70…再生フレーム情報入力端子
110…画像縮小回路
120…ブロック生成回路
130…記録画像生成回路
140…複合記録画像生成回路
150…画像記録回路
210…画像再生回路
220…複合記録画像分離回路
230…記録画像分解回路
240…縮小画像復元回路
250…画像拡大回路
260…画像出力回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数フレームの入力画像情報の同じ位置の画素を集めたブロックを入力画像情報の画素と同様に配置して1フレームの出力画像情報を生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
入力画像情報のフレーム数とフレーム当たりの入力画像情報の画素数の積が出力画像情報の画素数以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
複数フレームの入力画像情報をフレーム数に対応する縮小率で入力画像情報を縮小した縮小画像情報を生成する画像縮小手段と、前記画像縮小手段によって生成された複数フレームの縮小画像情報の同じ位置の画素を集めたブロックを生成するブロック生成手段と、前記ブロック生成手段によって生成された複数のブロックをブロック内の画素が縮小画像情報での位置と同様に配置して1フレームの記録画像情報を生成する記録画像生成手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
さらに、前記ブロックに複数の画素がどのように格納されているかを表すブロック格納情報を記録画像情報に付加して複合記録画像情報を生成する複合記録画像生成手段と、前記複合記録画像生成手段によって生成された複合記録画像情報を記録媒体に記録する画像記録手段とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
記録媒体から複合記録画像情報を再生する画像再生手段と、前記再生手段が再生した複合記録画像情報を記録画像情報とブロック格納情報に分離する複合記録画像分離手段と、前記複合記録画像分離手段によって分離されたブロック格納情報により記録画像情報をブロックに分解する記録画像分解手段と、複数のブロックからブロック内の画素ごとに記録画像情報内でのブロックの位置と同様に配置して複数の縮小画像情報を復元する縮小画像復元手段とを備えたことを特徴とする画像再生装置。
【請求項6】
さらに、前記複合記録画像分離手段によって分離されたブロック格納情報に対応する拡大率で前記縮小画像復元手段によって復元された縮小画像情報を拡大した出力画像情報を生成する画像拡大手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像再生装置。
【請求項7】
さらに、前記複合記録画像分離手段によって分離されたブロック格納情報に対応するフレーム周波数で前記画像拡大手段によって生成された出力画像情報を出力する画像出力手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像再生装置。
【請求項8】
さらに、一定のフレーム周波数で前記画像拡大手段によって生成された出力画像情報を出力する画像出力手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像再生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−156753(P2012−156753A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13722(P2011−13722)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】