画像出力装置、画像出力システム、制御方法およびプログラム
【課題】会議参加者が会議から離脱して、持参した情報処理端末とプロジェクタとの通信が切断されても、その参加者が出力要求を行った画像データが継続して利用できなくなることを抑制する。
【解決手段】画像出力装置は、複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置であり、画像データを記憶したある情報処理端末から、画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付けて(ステップS1)、画像データの出力を受け付けた画像データを、第1出力要求を受け付けた情報処理端末とは異なる他の情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させる(ステップS9)。
【解決手段】画像出力装置は、複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置であり、画像データを記憶したある情報処理端末から、画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付けて(ステップS1)、画像データの出力を受け付けた画像データを、第1出力要求を受け付けた情報処理端末とは異なる他の情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させる(ステップS9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置、画像出力システム、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクタの機能として、ネットワーク接続されたPC上にある画像ファイルを受け取り、それを表示するPC画像投影機能が知られている。この機能を用いると、RGBケーブルなどで直接繋がなくても画像が投影できるため、投影者が変わってもケーブルをつなげなおす必要が無く、便利である。例えばプロジェクタを用いた会議で、持参した自分のPCに保存されている画像を投影したい者が複数人いるような場面において、有効である。
【0003】
複数の画像を保持するだけの補助記憶装置やメモリを持たないプロジェクタでは、あるPC(A)から画像の投影要求を受け、それを受信して投影している最中に他のPC(B)から画像の投影要求があった際には、現在の投影をやめるだけでなく、PC(A)から受信済みの画像自体も破棄する必要がある。そのような場合には、破棄されたPC(A)の画像を再び表示するためには、PC(A)が改めて画像の投影要求をおこなう必要がある。PC(B)など、他の端末からの要求によって再表示することはできない。例えば、ある会議の参加者(A)が画像(A)の投影要求をおこなった後、別の画像(B)の投影要求によって画像(A)がプロジェクタから破棄された場合に、他の参加者が再び画像(A)を表示したい場合は、参加者(A)に投影要求を依頼する必要がある。
【0004】
プロジェクタに補助記憶装置や大容量のメモリを搭載して、そこに画像を記憶して公開し、参加者から選択された画像を投影するという解決方法もあるが、コストが高くなり競争力が弱まるため、望ましくない。
【0005】
そこで、次のような技術が既に提案されている。プロジェクタがあるPC(A)からの画像投影要求を受けると、投影要求のあった画像を受信してメモリ上に配置して投影するだけでなく、投影要求元のPC(A)を画像の在り処として記憶しておく。また、ネットワーク接続されているPC群に対して、画像の識別子を公開する。ここで、他のPC(B)から他の画像の投影要求があった際には、PC(A)由来の投影中の画像を破棄し、PC(B)からの投影要求に応じる。このときも、投影要求元のPC(B)を画像の在り処として記憶しておき、画像の識別子を公開しておく。
【0006】
プロジェクタは、PC(A)由来の画像の識別子を用いて画像の再表示を要求されると、記憶している画像の在り処であるPC(A)から画像を取得して、再び投影する。この要求は、PC(A)以外からもおこなうことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のプロジェクタにおいて上述のような画像転送をおこなう場合には、投影中のものでない限り、画像は投影要求元にしか存在しない。したがって、ある会議参加者が会議から離脱して、持参したPCへのネットワークが切断されたら、その参加者が投影要求をおこなった画像データは、その後の会議では投影できなくなってしまうという問題があった。
【0008】
このような場合には、会議を振り返ろうと画像を再度出力しようとしても、会議を離脱した者の画像は出力できないため、会議が中断してしまう。また議事録を作成しようとする際に、会議を離脱した者が投影要求をおこなった画像を議事録に添付できなくなってしまう。
【0009】
このように、従来のプロジェクタでは、会議を離脱した者の画像を再度利用することができない。
【0010】
ここで、特許文献1には、プリントサーバがホストからの大量の印刷ジョブ要求を受け付けるために、大容量の補助記憶装置を持たなくてもよくなることを目的として、印刷ジョブがまさに実行されるときになって初めて、プリントサーバが、ホストから印刷ジョブ(印刷対象のデータなど)受け取ることを特徴としている。しかしながら、特許文献1は、据え置きのプリンタを想定しているため、移動によってネットワークが切断される(通信可能範囲から離れる)場合が考慮されていない。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、会議参加者が会議から離脱して、持参した情報処理端末とプロジェクタとの通信が切断されても、その参加者が出力要求を行った画像データが継続して利用できなくなることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像出力装置は、複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置であって、画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付ける第1受付手段と、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力する第1出力手段と、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させる転送手段と、を備える。
【0013】
また、本発明の画像出力システムは、前記画像出力画像出力装置と、前記情報処理端末と、を備える。
【0014】
また、本発明の制御方法は、複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置で行われる制御方法あって、第1受付手段が、画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付けるステップと、第1出力手段が、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力するステップと、転送手段が、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させるステップと、
を含む。
【0015】
また、本発明のプログラムは、複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置のコンピュータを、画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付ける第1受付手段と、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力する第1出力手段と、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させる転送手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、転送手段が、第1受付手段によって第1出力要求が受け付けられた画像データを、その画像データの出力要求を行った情報処理端末とは異なる他の情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させるので、ある会議参加者が会議から離脱して、持参したある情報処理端末とプロジェクタとの通信が切断されても、その参加者が出力要求を行った画像データが継続して利用できなくなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、第1実施形態のプロジェクタシステムの概略構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1実施形態のプロジェクタの構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態のプロジェクタの機能構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、第1実施形態の利用可能記憶場所一覧の一例を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態のPCの構成例を示すブロック図である。
【図7】図7は、第1実施形態のPCの機能構成例を示すブロック図である。
【図8】図8は、第1実施形態のプロジェクタで行われる投影処理例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、第1実施形態の画像データの転送例を示す図である。
【図10】図10は、第1実施形態のプロジェクタシステムで行われる転送処理例を示すシーケンス図である。
【図11】図11は、第1実施形態の利用可能記憶場所一覧の一例を示す図である。
【図12】図12は、第1実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図13】図13は、第1実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図14】図14は、第2実施形態のプロジェクタで実行される画像データ受取処理例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、第2実施形態のプロジェクタシステムで行われる画像データ受取処理例を示すシーケンス図である。
【図16】図16は、第2実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図17】図17は、第2実施形態の画像データ記憶場所の別例を示す図である。
【図18】図18は、第3実施形態のプロジェクタで実行される画像データ受取処理例を示すフローチャートである。
【図19】図19は、第3実施形態のプロジェクタシステムで行われる画像データ受取処理例を示すシーケンス図である。
【図20】図20は、第4実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図21】図21は、第4実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図22】図22は、第5実施形態の記憶部空き容量一覧の一例を示す図である。
【図23】図23は、第6実施形態の処理負荷一覧の一例を示す図である。
【図24】図24は、第7実施形態の転送許可先一覧の一例を示す図である。
【図25】図25は、第7実施形態の比較例の利用可能記憶場所一覧を示す図である。
【図26】図26は、第7実施形態の利用可能記憶場所一覧の一例を示す図である。
【図27】図27は、第7実施形態の利用可能記憶場所一覧への追加処理の一例を示す図である。
【図28】図28は、第8実施形態の出力要求先一覧の一例を示す図である。
【図29】図29は、第8実施形態の画像データ記憶処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる画像出力装置、画像出力システム、制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0019】
(第1実施形態)
まずは、第1実施形態を説明する。
図1に示すように、画像出力システムであるプロジェクタシステム1は、画像出力装置であって画像を投影(出力)するプロジェクタ(図面ではPJ)10と、プロジェクタ10に画像データを転送する情報処理端末としてのPC(パーソナルコンピュータ)20とを備えている。そして、プロジェクタ10とPC20とは、ネットワーク30を介して接続されて、画像データを含む各種データの送受信が可能となる。この接続にはTCP/IPプロトコルが用いられ、画像データ転送にはFTPプロトコルが用いられる。なお、接続と転送の方法はこれに限らない。また、ネットワーク30は、有線若しくは無線、またLAN(Local Area Network)や公衆通信回線を問わず、どのようなネットワークであってもよい。
【0020】
このプロジェクタシステム1は、例えば会議において使用され、PC20は、会議参加者が会議に持参するものである。そして、PC20からプロジェクタ10へ送信された画像データを用いてプロジェクタ10が画像を投影するようになっている。プロジェクタシステム1は、概略的には、あるPC20の画像データによる画像を投影した場合、その画像データを他のPCP20に記憶させることで、そのあるPC20を所有する会議参加者が会議の途中で会議から離脱した場合であっても、その後も、その画像データによる画像を再度投影できるようにしている。なお、複数のPC20を区別して説明する場合は、それらのPC20を、第1PC20A、第2PC20B、第3PC20C・・・、とする。
【0021】
図2に示すように、プロジェクタ10は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、投影部140とを備えている。
【0022】
通信部110は、ネットワーク30を介して、PC20などの外部機器との間で画像データなどの各種データの送受信を行うものであり、例えば、通信インターフェースなどの既存の通信装置により実現できる。
【0023】
記憶部120は、プロジェクタ10で実行される各種プログラム、プロジェクタ10で行われる各種処理に使用される情報、及び各種ファイルなどを記憶する。記憶部120は、利用可能記憶場所一覧121を記憶している。記憶部120は、画像データ記憶場所122を含む。記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な既存の記憶装置により実現できる。
【0024】
投影部140は、PC20から送信されたり受け付けられた画像データを用いて画像を投影する。投影部140は、例えば、ビデオカードなどにより実現できる。
【0025】
制御部130は、プロジェクタ10の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの既存の制御装置により実現できる。制御部130はコンピュータを構成している。
【0026】
制御部130は、図3に示すように、プログラムに従うことにより、第1部131aおよび第2部131bを含む画像出力要求受付部131と、画像データ記憶場所記憶部132と、画像データ転送部133と、画像データ要求部134と、として機能する。
【0027】
画像出力要求受付部131は、PC20からの画像の出力要求(投影要求)を受け付ける。また、画像出力要求受付部131は、画像の出力要求をしたPC20(以下、要求元端末ともいう)の識別情報である端末識別情報を、利用可能記憶場所一覧121に記憶させる。
【0028】
第1部131aは、第1受付手段として機能し、画像データを記憶したあるPC20から、その画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付ける。第1出力要求は、出力要求の一例である。また、第1部131aは、第1出力手段として機能して、当該第1部131aによって第1出力要求が受け付けられるとともに、上述のあるPC20から送信された画像データを出力。具体的には、第1部131aは、その画像データを用いた画像を投影部140に投影させる。なお、第2部131bについては、後述する。
【0029】
画像データ記憶場所記憶部132は、画像出力要求受付部131によって出力要求が受け付けられた画像データの記憶場所を画像データ記憶場所122に記憶させる。
【0030】
画像データ転送部133は、転送手段として機能し、第1部131aによって第1出力要求が受け付けられた画像データを、第1部131aが第1出力要求を受け付けたPC20とは異なる他のPC20へ転送して当該他のPC20に記憶させる。詳しくは、この画像データ転送部133は、利用可能記憶場所一覧121から画像データの転送先のPC20を選択して、選択した転送先のPC20に画像データの記憶を要求する。
【0031】
ここで、上述した第2部131bは、第2受付手段として機能し、画像データ転送部133によって上述の他のPC20に記憶された画像データの出力を要求する第2出力要求を、PC20から受け付ける。第2出力要求は、出力要求の一例である。また、第2部131bは、当該第2部131bによって第2出力要求が受け付けられた画像データを、上述の他のPC20から画像データ要求部134を介して取得して出力する。具体的には、第2部131bは、取得した画像データを用いた画像を投影部140に投影させる。
【0032】
画像データ要求部134は、画像データ記憶場所122に端末識別情報が記憶されたPC20に対して、画像データの転送(取得)を要求する。
【0033】
記憶部120は、利用可能記憶場所一覧121と、画像データ記憶場所122と、を記憶している。
【0034】
記憶部120の利用可能記憶場所一覧121は、図4に示すように、PC20からプロジェクタ10が受信した画像データを記憶させることが可能なPC20を記憶する記憶エリアである。具体的には、利用可能記憶場所一覧121は、PC20の端末識別情報を記憶する。
【0035】
画像データ記憶場所122は、図5に示すように、画像データ転送部133によって転送した画像データの画像データ識別子(画像データ識別情報)と、その画像データの記憶場所(転送先PC20)と、を対応付けして記憶する記憶エリアである。この画像データ記憶場所122は、本実施形態では、PC20に公開されており、PC20は、画像データ記憶場所122を閲覧可能となっている。
【0036】
図6に示すように、PC20は、通信部210と、記憶部220と、入力部230と、表示部240と、制御部250とを備えている。
【0037】
通信部210は、ネットワーク30を介して、プロジェクタ10などの外部機器との間で情報の送受信を行うものであり、通信インターフェースなどの既存の通信装置により実現できる。通信部210は、例えば、プロジェクタ10に対して画像転送ソフトウェアの実行ファイルの配信要求を送信したり、画像転送ソフトウェアの実行ファイルをPC20から受信したりする。
【0038】
記憶部220は、PC20で実行される各種プログラム、及びPC20で行われる各種処理に使用される情報などを記憶するものである。記憶部220は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な既存の記憶装置により実現できる。
【0039】
入力部230は、各種操作の入力を行うものであり、キーボード、マウス、タッチパッド又はタッチパネルなどの既存の入力装置により実現できる。
【0040】
表示部240は、各種画像を表示するものであり、液晶ディスプレイやタッチパネル式ディスプレイなどの既存の表示装置により実現できる。
【0041】
制御部250は、PC20の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの既存の制御装置により実現できる。制御部250は、コンピュータを構成する。
【0042】
制御部250は、プログラムに従うことにより、画像出力要求部251と、画像データ記憶部252と、画像データ要求受付部253と、として機能する。
【0043】
画像出力要求部251は、画像データ要求手段として機能し、上述の出力要求(第1出力要求や第2出力要求)をプロジェクタ10に対して行う。
【0044】
画像データ記憶部252は、画像データ記憶手段として機能し、プロジェクタ10から送信(転送)された画像データを受信し、その受信した画像データを記憶部220に記憶させる。
【0045】
画像データ要求受付部253は、プロジェクタ10が要求してきた画像データを、記憶部220から読み出してプロジェクタ10に送信(転送)する。
【0046】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作について説明する。
【0047】
まずは、プロジェクタ10の制御部130がプログラムに従って実行する投影処理を図8のフローチャートに沿って説明する。
【0048】
画像出力要求受付部131は、PC20の画像出力要求部251から、画像の出力を要求する出力要求を受信すると(ステップS1)、その画像出力要求部251が属するPC20(画像出力要求元)を、利用可能記憶場所一覧121に追加する(ステップS2)。このとき、画像出力要求受付部131は、画像出力要求元のPC20が利用可能記憶場所一覧121に追加済みでない場合のみ、そのPC20を利用可能記憶場所一覧121に追加する。
【0049】
次に、出力要求を受け付けた画像の画像データが、画像データ記憶場所122に記憶済みで無い場合(ステップS3のNo)、画像データ要求部134が、ステップS1で出力要求を受け付けた画像出力要求元のPC20に対して、その画像データを要求し(ステップS4)、この要求に応答したPC20から送信された画像データを、画像データ要求部134が受信する(ステップS5)。
【0050】
そして、利用可能記憶場所一覧121に、今回の画像出力要求元のPC20以外のPC20が記憶されている場合(ステップS6のYes)、画像データ転送部133が、画像データの記憶先(転送先)として、利用可能記憶場所一覧121から、今回の画像出力要求元のPC20以外の他のPC20を一つ選択する(ステップS7)。この選択は、利用可能記憶場所一覧121から、今回の画像出力要求元のPC20以外のPC20の一つをランダムに選択するものであってもよいし、利用可能記憶場所一覧121に最初に追加されたPC20のうちの一つを選択するものであってもよい。そして、画像データ転送部133は、選択したPC20の画像データ記憶部252に対して、画像データの記憶を要求し(ステップS8)、その画像データを、選択したPC20の画像データ記憶部252に送信してそのPC20の記憶部220に記憶させる(ステップS9)。次に、画像出力要求受付部131が、画像データ記憶場所記憶部132を用いて、その画像データの識別子と画像の転送先(記憶先)のPC20の端末識別情報とを紐付け(関連付け)て、画像データ記憶場所122に記憶させる(ステップS10)。
【0051】
次に、画像出力要求受付部131が、画像を出力(投影)する(ステップS11)。更に、画像の出力要求が発生した場合(ステップS12のYes)には、ステップS1に戻り、ステップS1以降の処理を再度行う。一方、画像の出力要求が発生しない場合(ステップS12のYes)には、処理を終了する。
【0052】
また、ステップS3において、出力要求を受け付けた画像の画像データが、画像データ記憶場所122に記憶済みである場合(ステップS3のYes)、画像データ要求部134が、画像データ記憶場所122を参照して、その画像データを記憶しているPC20にその画像データを要求する(ステップS14)。この要求に応答したPC20から送信された画像データを、画像データ要求部134が受信する(ステップS15)。そして、受信した画像データを用いた画像を、画像出力要求受付部131が出力(投影)する。
【0053】
また、ステップS6において、利用可能記憶場所一覧121に、今回の画像出力要求元のPC20以外のPC20が記憶されていない場合(ステップS6のNo)、画像出力要求受付部131が、画像データ記憶場所記憶部132を用いて、その画像データの識別子と画像の出力要求元のPC20の端末識別情報とを紐付け(関連付け)て、画像データ記憶場所122に記憶させる(ステップS13)。
【0054】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作の一例を図9ないし図13を参照して説明する。
【0055】
この例では、図9の(a)に示すように、まず、第2PC20Bが出力要求した画像データ「XXX.jpg」の画像をプロジェクタ10が投影する。次に、第1PC20Aが出力要求した画像データ「YYY.jpg」の画像をプロジェクタ10が投影する。この際、プロジェクタ10は、画像データ「YYY.jpg」を第2PC20Bに転送して記憶させる。そして、図9(b)に示すように、第1PC20Aの所有者が、会議から離脱した後に、第3PC20Cから、画像データ「YYY.jpg」の画像の出力要求がある。プロジェクタ10が、画像データ「YYY.jpg」を第2PC20Bから読み出して投影する。以下に、この例の詳細を説明する。
【0056】
図10に示すように、第2PC20Bが、画像データ「XXX.jpg」の画像の出力要求を、プロジェクタ10に対して行う(ステップS101)。
【0057】
画像の出力要求を受け付けたプロジェクタ10は、出力要求を受け受けた第2PC20Bの端末識別情報を図11に示すように利用可能記憶場所一覧121に追加し(ステップS102)、その画像データの転送を第2PC20Bに要求する(ステップS103)。
【0058】
画像データの要求を受け付けた第2PC20Bは、画像データ「XXX.jpg」をプロジェクタ10に転送する(ステップS104)。
【0059】
画像データ「XXX.jpg」を受信したプロジェクタ10は、その画像データ「XXX.jpg」を記憶部120に一時的に記憶するとともに、図12に示すように、画像データ記憶場所122に、画像データ識別子「XXX.jpg」と第2PC20Bの端末識別情報とを対応付けして記憶させる。そして、プロジェクタ10は、画像データ「XXX.jpg」の画像を投影する(ステップS106)。
【0060】
次に、第1PC20Aが、画像データ「YYY.jpg」の画像の出力要求を、プロジェクタ10に対して行う(ステップS107)。
【0061】
画像の出力要求を受け付けたプロジェクタ10は、出力要求を受け受けた第1PC20Aの端末識別情報を利用可能記憶場所一覧121に追加し(ステップS108)、その画像データの転送を第1PC20Aに要求する(ステップS109)。
【0062】
画像データの要求を受け付けた第1PC20Aは、画像データ「YYY.jpg」をプロジェクタ10に転送する(ステップS110)。
【0063】
画像データ「YYY.jpg」を受信したプロジェクタ10は、その画像データ「XXX.jpg」を記憶部120に一時的に記憶するとともに、その画像データ「XXX.jpg」の転送先を利用可能記憶場所一覧121を参照して決定する(ステップS111)。この場合、利用可能記憶場所一覧121には、第2PC20Bしか記憶されていないので、プロジェクタ10は、転送先を第2PC20Bにする。そして、プロジェクタ10は、画像データ「YYY.jpg」を、第2PC20Bに転送して記憶させる(ステップS112)。次に、プロジェクタ10は、図13に示すように、画像データ記憶場所122に、画像データ識別子「YYY.jpg」と第2PC20Bの端末識別情報とを対応付けして記憶させる(ステップS113)。そして、プロジェクタ10は、画像データ「YYY.jpg」の画像を投影する(ステップS114)。ここで、第1PC20Aの所有者が第1PC20Aを持ったまま、会議を離脱する。
【0064】
次に、第3PC20Cが、画像データ「YYY.jpg」の画像の出力要求を、プロジェクタ10に対して行う(ステップS115)。
【0065】
画像の出力要求を受け付けたプロジェクタ10は、出力要求を受け受けた第3PC20Cの端末識別情報を利用可能記憶場所一覧121に追加する(ステップS116)。そして、プロジェクタ10は、画像データ記憶場所122を参照して、画像データ「YYY.jpg」が第2PC20Bに記憶されていることを確認すると、画像データ「YYY.jpg」の転送を第2PC20Bに要求する(ステップS117)。
【0066】
画像データの要求を受け付けた第2PC20Bは、画像データ「YYY.jpg」をプロジェクタ10に転送する(ステップS118)。
【0067】
画像データ「YYY.jpg」を受信したプロジェクタ10は、その画像データ「YYY.jpg」を記憶部120に一時的に記憶するとともに、その画像データ「YYY.jpg」の画像を投影する(ステップS119)。このように、第1PC20Aの代わりに、第2PC20Bから、画像データ「YYY.jpg」を取得することが可能である。
【0068】
このように、本実施形態では、PCが出力要求(投影要求)してきていた画像データを、他の元PCに一時的に配置する。そして、その画像の投影が要求されたら、一時配置先のPC端末から投影対象の画像を取得する。
【0069】
以上説明したとおり、本実施形態では、画像データ転送部133が、第1部131aによって第1出力要求が受け付けられた画像データを、その画像データの出力要求を行ったPC20とは異なる他のPC20へ転送して当該他のPC20に記憶させる。したがって、ある会議参加者が会議から離脱して、持参したあるPC20とプロジェクタ10との通信が切断されても、その参加者が出力要求を行った画像データが継続して利用できなくなることを抑制することができる。これによって、会議参加者が会議から離脱して、持参したPC20へのネットワークが切断されても、例えば会議を振り返る際に、その参加者が投影要求をおこなった画像データを継続して投影できる。また、議事録を作成しようとする際に、会議を離脱した者が投影要求をおこなった画像も議事録に添付することができる。また、転送先は会議参加者の端末なので、サーバなどのインフラを用意する必要はなく、コストを抑えられる。なお、会議は複数人でおこなわれるものであり、参加者全員がPC20を持参すれば必ず2台以上のPC20が存在するので、この場合に本実施形態が有効である。
【0070】
なお、本実施形態のプロジェクタ10で実行されるプログラムは、記憶部120のRAM等に予め組み込まれて提供される。また、PC20で実行されるプログラムは、記憶部220のRAM等に予め組み込まれて提供される。
【0071】
本実施形態のプロジェクタ10やPC20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0072】
さらに、本実施形態のプロジェクタ10やPC20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のプロジェクタ10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0073】
本実施形態のプロジェクタ10やPC20で実行されるプログラムは、上述した各部をコンピュータ上で実現させるためのモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては制御部130,250がROMからプログラムをRAM上に読み出して実行することにより、上記各部がコンピュータ上で実現されるようになっている。
【0074】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。
本実施形態では、画像データ転送部133は、PC20からの画像データの引き取りを要求する引取要求を受け付ける。画像データ転送部133は、複数のPC20のうち引取要求を受け付けたPC20以外のPC20に、引取要求対象の画像データを記憶させる。
【0075】
画像データ転送部133は、引取要求を受け付けた場合、引取要求を受け付けたPC20に、当該画像データ転送部133が記憶させた全ての画像データを、転送可能である。また、画像データ転送部133は、全ての画像データを一つの画像データにまとめて、引取要求を受け付けたPC20に転送可能である。
【0076】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作について説明する。まずは、プロジェクタ10の制御部130がプログラムに従って実行する画像データ引受処理を図14のフローチャートに沿って説明する。
【0077】
画像データ転送部133が、あるPC20から自機に記憶している画像データの引き取りを要求する引取要求を受け付けると(ステップS31)、画像データ要求部134が、その引取要求をうけ付けたPC20(引取要求元)の画像データ要求受付部253に対して、そのPC20の記憶部220に記憶されている全ての画像データを要求する(ステップS32)。この要求に応じてPC20から転送された画像データを、画像データ要求部134が受信する(ステップS33)。
【0078】
次に、画像データ転送部133は、利用可能記憶場所一覧121に端末識別情報が記憶されているPC20のうち、引取要求元のPC20を除くPC20のうちから一つを例えばランダムに選択する(ステップS34)。画像データ転送部133は、選択したPC20の画像データ記憶部252に対して、画像データの記憶を要求し(ステップS35)、その選択したPC20の画像データ記憶部252を用いて、その画像データをそのPC20の記憶部220に記憶させる(ステップS36)。次に、画像出力要求受付部131が、画像データ記憶場所記憶部132を用いて、その画像データの識別子と画像の転送先(記憶先)のPC20の端末識別情報とを紐付け(関連付け)て、画像データ記憶場所122に記憶させる(ステップS37)。
【0079】
次に、画像データの引受要求元のPC20から、画像一覧要求が有った場合(ステップS38のYes)、画像データ要求部134が画像データ記憶場所122に識別子が記憶されている全ての画像データの転送を、対応するPC20に要求し、この要求に応じてPC20から転送された画像データを画像データ転送部133が受信(取得)する(ステップS39)。
【0080】
画像一覧要求に、画像データを束ねる、即ち一つの画像データにまとめる旨の要求が含まれていた場合(ステップS40のYes)、画像データ転送部133は、ステップS39で取得した全ての画像データを、例えばPDFファイルにまとめた上で、引取要求元のPC20に転送する(ステップS42)。一方、画像一覧要求に、画像データを束ねる旨の要求が含まれていない場合(ステップS40のNo)、画像データ転送部133は、ステップS39で取得した全ての画像データを、ひとつに束ねずに、引取要求元のPC20に転送する(ステップS41)。
【0081】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作の一例を図15および16を参照して説明する。この例は、第2PC20Bが画像データの引取要求を行い、第1PC20Aが画像データを引き取る例である。
【0082】
図15に示すように、プロジェクタシステム1では、第1実施形態と同様に、ステップS101〜ステップS114が行われる。そして、ステップS114に続く、ステップS201において、第2PC20Bが、画像データの引取要求をプロジェクタ10に送信して画像データの引き取りを要求する。
【0083】
引取要求を受け付けたプロジェクタ10は、画像データ記憶場所122を参照して、第2PC20Bに、画像データ「XXX.jpg」、「YYY.jpg」を要求する(ステップS202)。
【0084】
画像データの要求を受け付けた第2PC20Bは、画像データ「XXX.jpg」、「YYY.jpg」を、プロジェクタ10に転送する(ステップS203)。
【0085】
転送された画像データを受信したプロジェクタ10は、転送先として第1PC20Aを選択して、その画像データを、第1PC20Aに転送し、第1PC20Aの画像データ記憶部252によって記憶部220に記憶させる(ステップS204)。
【0086】
そして、プロジェクタ10は、図16に示すように、画像データ記憶場所122の内容を更新する。具体的には、「XXX.jpg」の記憶場所として第1PC20Aを記憶するとともに(ステップS205)、「YYY.jpg」の記憶場所として第1PC20Aを記憶する(ステップS206)。ここで、第2PC20Aの所有者が第2PC20Bを持ったまま、会議を離脱する。
【0087】
次に、第3PC20Cが、画像データ「XXX.jpg」の画像の出力要求を、プロジェクタ10に対して行う(ステップS115)。
【0088】
画像の出力要求を受け付けたプロジェクタ10は、出力要求を受け受けた第3PC20Cの端末識別情報を利用可能記憶場所一覧121に追加する。そして、プロジェクタ10は、画像データ記憶場所122を参照して、画像データ「XXX.jpg」が第1PC20Aに記憶されていることを確認すると、画像データ「XXX.jpg」の転送を第1PC20Aに要求する(ステップS208)。
【0089】
画像データの要求を受け付けた第1PC20Aは、画像データ「XXX.jpg」をプロジェクタ10に転送する(ステップS209)。
【0090】
画像データ「XXX.jpg」を受信したプロジェクタ10は、その画像データ「XXX.jpg」を記憶部120に一時的に記憶するとともに、その画像データ「XXX.jpg」の画像を投影する(ステップS210)。なお、この例は、画像一覧要求が無い場合についての例である。
【0091】
ここで、別例を図17を参照して説明する。この例では、画像データ「XXX.jpg」が第1PC20Aに記憶され、画像データ「YYY.jpg」が第2PC20Aに記憶され、画像データ「ZZZ.jpg」が第3PC20Cに記憶されていることが、画像データ記憶場所122に記憶されている。この場合に、第3PC20Cが、画像データの引取要求とともに画像一覧要求をした場合には、プロジェクタ10は、画像データ「XXX.jpg」、「YYY.jpg」、「ZZZ.jpg」を、第1〜第3PC20A,10B,10Cから、第3PC20Cへ転送する。また、この場合、画像一覧要求に、画像データを束ねる、即ち一つの画像データにまとめる旨の要求が含まれていた場合、プロジェクタ10は、画像データ「XXX.jpg」、「YYY.jpg」、「ZZZ.jpg」を、画像データの識別子(ファイル名)の昇順でimage.pdfファイルとしてまとめて、そのファイルを第3PC20Cに転送する。
【0092】
以上、説明したとおり、本実施形態では、画像データ転送部133は、PC20からの画像データの引き取りを要求する引取要求を受け付ける。画像データ転送部133は、複数のPC20のうち引取要求を受け付けたPC20以外のPC20に、引取要求対象の画像データを記憶させる。したがって、引取要求を行ったPC20が会議から離脱しても、他のPC20から画像データを取得することができる。したがって、離脱したPC20が持つ画像データも含めて画像を出力して、会議を振り返ることができる。
【0093】
また、本実施形態では、画像データ転送部133は、引取要求を受け付けた場合、引取要求を受け付けたPC20に、当該画像データ転送部133が記憶させた全ての画像データを、転送する。したがって、引取要求を行ったPC20は、会議から離脱しても、出力要求があった全ての画像データの画像を参照することができる。これにより、会議離脱者が、画像を閲覧して会議を振り返ることができる。
【0094】
また、本実施形態では、画像データ転送部133は、全ての画像データを一つの画像データにまとめて、引取要求を受け付けたPC20に転送する。したがって、引取要求を行ったPC20が、引取要求を行った際に取得した一連の画像群を集約して記憶することができる。
【0095】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を説明する。
本実施形態では、画像出力要求受付部131の第1部131aは、PC20から、第1出力要求とともに、転送先となる他のPC20の指定を受け付ける。そして、画像データ転送部133は、第1部131aによって受け付けられた転送先のPC20に画像データを転送する。
【0096】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作について説明する。まずは、プロジェクタ10の制御部130がプログラムに従って実行する画像データ引受処理を図18のフローチャートに沿って説明する。
【0097】
第1実施形態と同様にステップS6まで処理を行った後、本実施形態では、画像データ「YYY.jpg」の出力要求を行ったPC20から画像データの転送先の指定が有ると(ステップS45のYes)、画像出力要求受付部131が、そのPCに対して、利用可能記憶場所一覧121を提示して(ステップS46)、画像データの転送先の指定を受け付ける(ステップS47)。そして、指定を受け付けた転送先に画像データの記憶を要求して(ステップS8)、第1の実施形態と同様にステップS9以降の処理を行う。なお、画像データの転送先の指定がPC20から無い場合には(ステップS45のNo)、第1実施形態と同様に、ステップS7に進む。
【0098】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作の一例を図19を参照して説明する。この例は、第1PC20Aが画像データの転送先を指定する例である。
【0099】
図19に示すように、プロジェクタシステム1では、第1実施形態と同様に、ステップS101〜ステップS110が行われる。そして、ステップS110に続く、ステップS301において、プロジェクタ10が、第1PC20Aに対して、画像データの転送先の一覧として、利用可能記憶場所一覧121を転送して提示する(ステップS301)。
【0100】
そして、第1PC20Aが、利用可能記憶場所一覧121の中のPC20のうち自機を除いたPC20のうちから例えば、ランダムに一つを指定して、その指定結果をプロジェクタ10に送信する(ステップS302)。ここでは、転送先として、第2PC20Bが指定されている。
【0101】
この指定を受け付けたプロジェクタ10は、第2PC20Bに画像データ「YYY.jpg」を転送する(ステップS112)。以降の処理は、第1実施形態と同じである。
【0102】
以上説明したとおり、本実施形態では、画像出力要求受付部131の第1部131aは、PC20から、第1出力要求とともに、転送先となる他のPC20の指定を受け付ける。そして、画像データ転送部133は、第1部131aによって受け付けられた転送先のPC20に画像データを転送する。したがって、第1出力要求を行ったPC20が意図する場所にのみ、出力対象の画像データを転送することができる。これにより、社外の人物の端末に、社外秘の文章などが記憶されることを防止することができる。
【0103】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を説明する。
本実施形態では、画像データ転送部133は、転送する画像データに、第1部131a(画像出力要求受付部131)によって第1出力要求が受け付けられたPC20の識別子(端末識別情報)を付加する。
【0104】
例えば、画像データ記憶場所122の記憶内容が図20に示す場合について説明する。第1PC20Aに記憶されている画像データ「imageA.jpg」と、第2PC20Bに記憶されている「imageA.jpg」は、同じ名前だが、内容が異なる場合がある。このとき、第2PC20Bが会議から離脱し、画像の引取要求をすると、画像データ転送部133は、第2PC20Bに記憶されている画像データの画像識別子「imageA.jpg」に元の画像の記憶場所である第2PC20Bの端末識別情報(ここでは、PC2)を付加して「PC2.imageA.jpg」へと変更し、第1PC20Aに転送する。このとき、画像データ記憶場所記憶部132によって、画像データ記憶場所122は、図21に示すように更新され、その画像データの名称変更が反映される。
【0105】
以上説明したように、本実施形態では、画像データ転送部133は、転送する画像データに、第1部131a(画像出力要求受付部131)によって第1出力要求が受け付けられたPC20の識別子(端末識別情報)を付加する。したがって、転送された同名の画像が上書きされるのを防止して記憶することができる。
【0106】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態を説明する。
本実施形態では、画像データ転送部133は、転送先候補のPC20が複数存在する場合、転送先候補の複数のPC20の記憶部(記憶領域)220の空き領域を取得し、転送先候補の複数のPC20のうちで最も記憶部220の空き領域が大きい情報処理端末を画像データの転送先として決定する。
【0107】
詳細には、画像データ転送部133は、利用可能記憶場所一覧121からの転送先の選択に先立って、利用可能記憶場所一覧121に含まれる全PC20の記憶部220の空き容量をSNMPプロトコルを用いて取得する。ここで、本実施形態では、プロジェクタ10の記憶部120に、利用可能記憶場所一覧121に含まれる全PC20の記憶部220の空き容量を記憶する記憶部空き容量一覧123が記憶されている。そして、画像データ転送部133は、取得した空き容量を記憶部空き容量一覧123に記憶させて、それらの空き容量の比較をおこない、最も空き容量が大きいPC20を、転送先として選択する。図22の例の場合には、第2PC20Bが転送先として選択される。
【0108】
以上、説明したように、本実施形態では、画像データ転送部133は、転送先候補のPC20が複数存在する場合、転送先候補の複数のPC20の記憶部(記憶領域)220の空き領域を取得し、転送先候補の複数のPC20のうちで最も記憶部220の空き領域が大きい情報処理端末を画像データの転送先として決定する。したがって、記憶部220の空き領域が比較的に少ないPC20への画像データの転送を避けて、記憶部220の空き領域が比較的に多いPC20へ画像データを転送して記憶させることができる。
【0109】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態を説明する。
本実施形態では、画像データ転送部133は、画像データの転送先候補のPC20が複数存在する場合、転送先候補の複数のPC20の処理負荷を取得する。そして、画像データ転送部133は、転送先候補の複数のPC20のうちで最も処理負荷(作業負荷)の小さいPC20を画像データの転送先として決定する。
【0110】
詳細には、画像データ転送部133は、利用可能記憶場所一覧121からの画像データの転送先の選択に先立って、利用可能記憶場所一覧121に含まれる全PC20の制御部(例えばCPU)250の処理負荷をSNMPプロトコルを用いて取得する。処理負荷は、ここでは、制御部250の処理能力のうちの現在に使用している割合である。ここで、本実施形態では、プロジェクタ10の記憶部120に、利用可能記憶場所一覧121に含まれる全PC20の制御部(ここではCPU)の処理負荷を記憶する処理負荷一覧124が記憶されている。そして、画像データ転送部133は、取得した処理負荷を処理負荷一覧124に記憶させて、それらの処理負荷の比較をおこない、最も処理負荷が小さいPC20を、転送先として選択する。図23の例の場合には、第3PC20Bが転送先として選択される。
【0111】
以上、説明したように、本実施形態では、画像データ転送部133は、画像データの転送先候補のPC20が複数存在する場合、転送先候補の複数のPC20の処理負荷を取得する。そそて、画像データ転送部133は、転送先候補の複数のPC20のうちで最も処理負荷(作業負荷)の小さいPC20を画像データの転送先として決定する。したがって、処理負荷が比較的に大きいPC20の負荷を増大させることなく、最も処理負荷の小さいPC20に画像データを転送して記憶させることができる。
【0112】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態を説明する。
本実施形態では、図24に示すように、プロジェクタ10の記憶部120に、転送許可先一覧125が記憶されている。転送許可先一覧125には、転送可能なPC20が記憶されている。そして、画像データ転送部133は、画像データの転送先に、転送可能と設定された(転送許可先一覧125に記憶された)PC20を選択する。
【0113】
ここで、例えば、画像出力要求受付部131に、第1PC20Aと、第2PC20Bと、第3PC20Cとから出力要求があった場合、第1の実施形態では、利用可能記憶場所一覧121は、図25に示すように、第1PC20Aと、第2PC20Bと、第3PC20Cとが記憶される。これに対して、本実施形態では、図26に示すように、利用可能記憶場所一覧121には、第1PC20Aと、第2PC20Bとが記憶され、第3PC20Cは記憶されない。これにより、予め転送許可先として記憶している第1PC20Aと第2PC20Bだけに、画像データが転送され、第3PC20Cに画像データが転送されることがない。
【0114】
次に、上述の動作の際にプロジェクタ10の制御部120が実行する利用可能記憶場所一覧への追加処理について図27のフローチャートに沿って説明する。この処理では、転送許可先一覧125に画像の出力要求元のPC20が含まれている場合(ステップS51のYes)、画像出力要求受付部131が、画像の出力要求元のPC20を、利用可能記憶場所一覧121に追加する。一方、転送許可先一覧125に画像の出力要求元のPC20が含まれていない場合(ステップS51のNo)、画像出力要求受付部131は、画像の出力要求元のPC20を、利用可能記憶場所一覧121に追加しない。
【0115】
以上、説明したように、本実施形態では、画像データ転送部133は、画像データの転送先に、転送可能と設定されたPC20を選択する。したがって、意図しないPC20に画像データが転送されることがない。これによって、社外の人物のPC20に、社外秘の文書などが記憶されることを防止することができる。
【0116】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態を説明する。
本実施形態では、PC20の画像データ記憶部252は、当該PC252が行った出力要求(第1出力要求または第2出力要求)を受け付けたプロジェクタ10からのみ画像データの転送を受け付ける。本実施形態では、PC20の記憶部220に、図28に示す出力要求先一覧221が記憶されている。出力要求先一覧221は、第1出力要求や第2出力要求を受け付けたプロジェクタ10を記憶するものである。なお、本実施形態では、プロジェクタ10が複数設けられており、これらを図28では、第1PJ、第2PJとして示している。
【0117】
次に、上述の動作の際にPC20の制御部250が実行する画像データ処理について図29のフローチャートに沿って説明する。この処理では、転送する画像データの記憶を要求するプロジェクタ10(画像データ転送要求元)が出力要求先一覧221に含まれている場合(ステップS61のYes)、画像データ記憶部252が、画像データを受け付けて記憶部220に記憶させる(ステップS52)。一方、画像データの記憶を要求するプロジェクタ10が出力要求先一覧221に含まれていない場合(ステップS61のNo)、画像データ記憶部252は、画像データを受け付けない。
【0118】
以上説明したように、本実施形態では、PC20の画像データ記憶部252は、当該PC252が行った出力要求(第1出力要求または第2出力要求)を受け付けたプロジェクタ10からのみ画像データの転送を受け付ける。したがって、PC20は、当該PC252が出力要求を行ったプロジェクタ10以外のプロジェクタ10からの画像データを受け入れないで済む。
【符号の説明】
【0119】
1…プロジェクタシステム
10…プロジェクタ
20,20A,20B,20C…PC
130…制御部
131…画像出力要求受付部
131a…第1部
131b…第2部
133…画像データ転送部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2000‐172464号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置、画像出力システム、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクタの機能として、ネットワーク接続されたPC上にある画像ファイルを受け取り、それを表示するPC画像投影機能が知られている。この機能を用いると、RGBケーブルなどで直接繋がなくても画像が投影できるため、投影者が変わってもケーブルをつなげなおす必要が無く、便利である。例えばプロジェクタを用いた会議で、持参した自分のPCに保存されている画像を投影したい者が複数人いるような場面において、有効である。
【0003】
複数の画像を保持するだけの補助記憶装置やメモリを持たないプロジェクタでは、あるPC(A)から画像の投影要求を受け、それを受信して投影している最中に他のPC(B)から画像の投影要求があった際には、現在の投影をやめるだけでなく、PC(A)から受信済みの画像自体も破棄する必要がある。そのような場合には、破棄されたPC(A)の画像を再び表示するためには、PC(A)が改めて画像の投影要求をおこなう必要がある。PC(B)など、他の端末からの要求によって再表示することはできない。例えば、ある会議の参加者(A)が画像(A)の投影要求をおこなった後、別の画像(B)の投影要求によって画像(A)がプロジェクタから破棄された場合に、他の参加者が再び画像(A)を表示したい場合は、参加者(A)に投影要求を依頼する必要がある。
【0004】
プロジェクタに補助記憶装置や大容量のメモリを搭載して、そこに画像を記憶して公開し、参加者から選択された画像を投影するという解決方法もあるが、コストが高くなり競争力が弱まるため、望ましくない。
【0005】
そこで、次のような技術が既に提案されている。プロジェクタがあるPC(A)からの画像投影要求を受けると、投影要求のあった画像を受信してメモリ上に配置して投影するだけでなく、投影要求元のPC(A)を画像の在り処として記憶しておく。また、ネットワーク接続されているPC群に対して、画像の識別子を公開する。ここで、他のPC(B)から他の画像の投影要求があった際には、PC(A)由来の投影中の画像を破棄し、PC(B)からの投影要求に応じる。このときも、投影要求元のPC(B)を画像の在り処として記憶しておき、画像の識別子を公開しておく。
【0006】
プロジェクタは、PC(A)由来の画像の識別子を用いて画像の再表示を要求されると、記憶している画像の在り処であるPC(A)から画像を取得して、再び投影する。この要求は、PC(A)以外からもおこなうことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のプロジェクタにおいて上述のような画像転送をおこなう場合には、投影中のものでない限り、画像は投影要求元にしか存在しない。したがって、ある会議参加者が会議から離脱して、持参したPCへのネットワークが切断されたら、その参加者が投影要求をおこなった画像データは、その後の会議では投影できなくなってしまうという問題があった。
【0008】
このような場合には、会議を振り返ろうと画像を再度出力しようとしても、会議を離脱した者の画像は出力できないため、会議が中断してしまう。また議事録を作成しようとする際に、会議を離脱した者が投影要求をおこなった画像を議事録に添付できなくなってしまう。
【0009】
このように、従来のプロジェクタでは、会議を離脱した者の画像を再度利用することができない。
【0010】
ここで、特許文献1には、プリントサーバがホストからの大量の印刷ジョブ要求を受け付けるために、大容量の補助記憶装置を持たなくてもよくなることを目的として、印刷ジョブがまさに実行されるときになって初めて、プリントサーバが、ホストから印刷ジョブ(印刷対象のデータなど)受け取ることを特徴としている。しかしながら、特許文献1は、据え置きのプリンタを想定しているため、移動によってネットワークが切断される(通信可能範囲から離れる)場合が考慮されていない。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、会議参加者が会議から離脱して、持参した情報処理端末とプロジェクタとの通信が切断されても、その参加者が出力要求を行った画像データが継続して利用できなくなることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像出力装置は、複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置であって、画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付ける第1受付手段と、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力する第1出力手段と、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させる転送手段と、を備える。
【0013】
また、本発明の画像出力システムは、前記画像出力画像出力装置と、前記情報処理端末と、を備える。
【0014】
また、本発明の制御方法は、複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置で行われる制御方法あって、第1受付手段が、画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付けるステップと、第1出力手段が、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力するステップと、転送手段が、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させるステップと、
を含む。
【0015】
また、本発明のプログラムは、複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置のコンピュータを、画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付ける第1受付手段と、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力する第1出力手段と、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させる転送手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、転送手段が、第1受付手段によって第1出力要求が受け付けられた画像データを、その画像データの出力要求を行った情報処理端末とは異なる他の情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させるので、ある会議参加者が会議から離脱して、持参したある情報処理端末とプロジェクタとの通信が切断されても、その参加者が出力要求を行った画像データが継続して利用できなくなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、第1実施形態のプロジェクタシステムの概略構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1実施形態のプロジェクタの構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態のプロジェクタの機能構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、第1実施形態の利用可能記憶場所一覧の一例を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態のPCの構成例を示すブロック図である。
【図7】図7は、第1実施形態のPCの機能構成例を示すブロック図である。
【図8】図8は、第1実施形態のプロジェクタで行われる投影処理例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、第1実施形態の画像データの転送例を示す図である。
【図10】図10は、第1実施形態のプロジェクタシステムで行われる転送処理例を示すシーケンス図である。
【図11】図11は、第1実施形態の利用可能記憶場所一覧の一例を示す図である。
【図12】図12は、第1実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図13】図13は、第1実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図14】図14は、第2実施形態のプロジェクタで実行される画像データ受取処理例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、第2実施形態のプロジェクタシステムで行われる画像データ受取処理例を示すシーケンス図である。
【図16】図16は、第2実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図17】図17は、第2実施形態の画像データ記憶場所の別例を示す図である。
【図18】図18は、第3実施形態のプロジェクタで実行される画像データ受取処理例を示すフローチャートである。
【図19】図19は、第3実施形態のプロジェクタシステムで行われる画像データ受取処理例を示すシーケンス図である。
【図20】図20は、第4実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図21】図21は、第4実施形態の画像データ記憶場所の一例を示す図である。
【図22】図22は、第5実施形態の記憶部空き容量一覧の一例を示す図である。
【図23】図23は、第6実施形態の処理負荷一覧の一例を示す図である。
【図24】図24は、第7実施形態の転送許可先一覧の一例を示す図である。
【図25】図25は、第7実施形態の比較例の利用可能記憶場所一覧を示す図である。
【図26】図26は、第7実施形態の利用可能記憶場所一覧の一例を示す図である。
【図27】図27は、第7実施形態の利用可能記憶場所一覧への追加処理の一例を示す図である。
【図28】図28は、第8実施形態の出力要求先一覧の一例を示す図である。
【図29】図29は、第8実施形態の画像データ記憶処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる画像出力装置、画像出力システム、制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0019】
(第1実施形態)
まずは、第1実施形態を説明する。
図1に示すように、画像出力システムであるプロジェクタシステム1は、画像出力装置であって画像を投影(出力)するプロジェクタ(図面ではPJ)10と、プロジェクタ10に画像データを転送する情報処理端末としてのPC(パーソナルコンピュータ)20とを備えている。そして、プロジェクタ10とPC20とは、ネットワーク30を介して接続されて、画像データを含む各種データの送受信が可能となる。この接続にはTCP/IPプロトコルが用いられ、画像データ転送にはFTPプロトコルが用いられる。なお、接続と転送の方法はこれに限らない。また、ネットワーク30は、有線若しくは無線、またLAN(Local Area Network)や公衆通信回線を問わず、どのようなネットワークであってもよい。
【0020】
このプロジェクタシステム1は、例えば会議において使用され、PC20は、会議参加者が会議に持参するものである。そして、PC20からプロジェクタ10へ送信された画像データを用いてプロジェクタ10が画像を投影するようになっている。プロジェクタシステム1は、概略的には、あるPC20の画像データによる画像を投影した場合、その画像データを他のPCP20に記憶させることで、そのあるPC20を所有する会議参加者が会議の途中で会議から離脱した場合であっても、その後も、その画像データによる画像を再度投影できるようにしている。なお、複数のPC20を区別して説明する場合は、それらのPC20を、第1PC20A、第2PC20B、第3PC20C・・・、とする。
【0021】
図2に示すように、プロジェクタ10は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、投影部140とを備えている。
【0022】
通信部110は、ネットワーク30を介して、PC20などの外部機器との間で画像データなどの各種データの送受信を行うものであり、例えば、通信インターフェースなどの既存の通信装置により実現できる。
【0023】
記憶部120は、プロジェクタ10で実行される各種プログラム、プロジェクタ10で行われる各種処理に使用される情報、及び各種ファイルなどを記憶する。記憶部120は、利用可能記憶場所一覧121を記憶している。記憶部120は、画像データ記憶場所122を含む。記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な既存の記憶装置により実現できる。
【0024】
投影部140は、PC20から送信されたり受け付けられた画像データを用いて画像を投影する。投影部140は、例えば、ビデオカードなどにより実現できる。
【0025】
制御部130は、プロジェクタ10の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの既存の制御装置により実現できる。制御部130はコンピュータを構成している。
【0026】
制御部130は、図3に示すように、プログラムに従うことにより、第1部131aおよび第2部131bを含む画像出力要求受付部131と、画像データ記憶場所記憶部132と、画像データ転送部133と、画像データ要求部134と、として機能する。
【0027】
画像出力要求受付部131は、PC20からの画像の出力要求(投影要求)を受け付ける。また、画像出力要求受付部131は、画像の出力要求をしたPC20(以下、要求元端末ともいう)の識別情報である端末識別情報を、利用可能記憶場所一覧121に記憶させる。
【0028】
第1部131aは、第1受付手段として機能し、画像データを記憶したあるPC20から、その画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付ける。第1出力要求は、出力要求の一例である。また、第1部131aは、第1出力手段として機能して、当該第1部131aによって第1出力要求が受け付けられるとともに、上述のあるPC20から送信された画像データを出力。具体的には、第1部131aは、その画像データを用いた画像を投影部140に投影させる。なお、第2部131bについては、後述する。
【0029】
画像データ記憶場所記憶部132は、画像出力要求受付部131によって出力要求が受け付けられた画像データの記憶場所を画像データ記憶場所122に記憶させる。
【0030】
画像データ転送部133は、転送手段として機能し、第1部131aによって第1出力要求が受け付けられた画像データを、第1部131aが第1出力要求を受け付けたPC20とは異なる他のPC20へ転送して当該他のPC20に記憶させる。詳しくは、この画像データ転送部133は、利用可能記憶場所一覧121から画像データの転送先のPC20を選択して、選択した転送先のPC20に画像データの記憶を要求する。
【0031】
ここで、上述した第2部131bは、第2受付手段として機能し、画像データ転送部133によって上述の他のPC20に記憶された画像データの出力を要求する第2出力要求を、PC20から受け付ける。第2出力要求は、出力要求の一例である。また、第2部131bは、当該第2部131bによって第2出力要求が受け付けられた画像データを、上述の他のPC20から画像データ要求部134を介して取得して出力する。具体的には、第2部131bは、取得した画像データを用いた画像を投影部140に投影させる。
【0032】
画像データ要求部134は、画像データ記憶場所122に端末識別情報が記憶されたPC20に対して、画像データの転送(取得)を要求する。
【0033】
記憶部120は、利用可能記憶場所一覧121と、画像データ記憶場所122と、を記憶している。
【0034】
記憶部120の利用可能記憶場所一覧121は、図4に示すように、PC20からプロジェクタ10が受信した画像データを記憶させることが可能なPC20を記憶する記憶エリアである。具体的には、利用可能記憶場所一覧121は、PC20の端末識別情報を記憶する。
【0035】
画像データ記憶場所122は、図5に示すように、画像データ転送部133によって転送した画像データの画像データ識別子(画像データ識別情報)と、その画像データの記憶場所(転送先PC20)と、を対応付けして記憶する記憶エリアである。この画像データ記憶場所122は、本実施形態では、PC20に公開されており、PC20は、画像データ記憶場所122を閲覧可能となっている。
【0036】
図6に示すように、PC20は、通信部210と、記憶部220と、入力部230と、表示部240と、制御部250とを備えている。
【0037】
通信部210は、ネットワーク30を介して、プロジェクタ10などの外部機器との間で情報の送受信を行うものであり、通信インターフェースなどの既存の通信装置により実現できる。通信部210は、例えば、プロジェクタ10に対して画像転送ソフトウェアの実行ファイルの配信要求を送信したり、画像転送ソフトウェアの実行ファイルをPC20から受信したりする。
【0038】
記憶部220は、PC20で実行される各種プログラム、及びPC20で行われる各種処理に使用される情報などを記憶するものである。記憶部220は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な既存の記憶装置により実現できる。
【0039】
入力部230は、各種操作の入力を行うものであり、キーボード、マウス、タッチパッド又はタッチパネルなどの既存の入力装置により実現できる。
【0040】
表示部240は、各種画像を表示するものであり、液晶ディスプレイやタッチパネル式ディスプレイなどの既存の表示装置により実現できる。
【0041】
制御部250は、PC20の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの既存の制御装置により実現できる。制御部250は、コンピュータを構成する。
【0042】
制御部250は、プログラムに従うことにより、画像出力要求部251と、画像データ記憶部252と、画像データ要求受付部253と、として機能する。
【0043】
画像出力要求部251は、画像データ要求手段として機能し、上述の出力要求(第1出力要求や第2出力要求)をプロジェクタ10に対して行う。
【0044】
画像データ記憶部252は、画像データ記憶手段として機能し、プロジェクタ10から送信(転送)された画像データを受信し、その受信した画像データを記憶部220に記憶させる。
【0045】
画像データ要求受付部253は、プロジェクタ10が要求してきた画像データを、記憶部220から読み出してプロジェクタ10に送信(転送)する。
【0046】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作について説明する。
【0047】
まずは、プロジェクタ10の制御部130がプログラムに従って実行する投影処理を図8のフローチャートに沿って説明する。
【0048】
画像出力要求受付部131は、PC20の画像出力要求部251から、画像の出力を要求する出力要求を受信すると(ステップS1)、その画像出力要求部251が属するPC20(画像出力要求元)を、利用可能記憶場所一覧121に追加する(ステップS2)。このとき、画像出力要求受付部131は、画像出力要求元のPC20が利用可能記憶場所一覧121に追加済みでない場合のみ、そのPC20を利用可能記憶場所一覧121に追加する。
【0049】
次に、出力要求を受け付けた画像の画像データが、画像データ記憶場所122に記憶済みで無い場合(ステップS3のNo)、画像データ要求部134が、ステップS1で出力要求を受け付けた画像出力要求元のPC20に対して、その画像データを要求し(ステップS4)、この要求に応答したPC20から送信された画像データを、画像データ要求部134が受信する(ステップS5)。
【0050】
そして、利用可能記憶場所一覧121に、今回の画像出力要求元のPC20以外のPC20が記憶されている場合(ステップS6のYes)、画像データ転送部133が、画像データの記憶先(転送先)として、利用可能記憶場所一覧121から、今回の画像出力要求元のPC20以外の他のPC20を一つ選択する(ステップS7)。この選択は、利用可能記憶場所一覧121から、今回の画像出力要求元のPC20以外のPC20の一つをランダムに選択するものであってもよいし、利用可能記憶場所一覧121に最初に追加されたPC20のうちの一つを選択するものであってもよい。そして、画像データ転送部133は、選択したPC20の画像データ記憶部252に対して、画像データの記憶を要求し(ステップS8)、その画像データを、選択したPC20の画像データ記憶部252に送信してそのPC20の記憶部220に記憶させる(ステップS9)。次に、画像出力要求受付部131が、画像データ記憶場所記憶部132を用いて、その画像データの識別子と画像の転送先(記憶先)のPC20の端末識別情報とを紐付け(関連付け)て、画像データ記憶場所122に記憶させる(ステップS10)。
【0051】
次に、画像出力要求受付部131が、画像を出力(投影)する(ステップS11)。更に、画像の出力要求が発生した場合(ステップS12のYes)には、ステップS1に戻り、ステップS1以降の処理を再度行う。一方、画像の出力要求が発生しない場合(ステップS12のYes)には、処理を終了する。
【0052】
また、ステップS3において、出力要求を受け付けた画像の画像データが、画像データ記憶場所122に記憶済みである場合(ステップS3のYes)、画像データ要求部134が、画像データ記憶場所122を参照して、その画像データを記憶しているPC20にその画像データを要求する(ステップS14)。この要求に応答したPC20から送信された画像データを、画像データ要求部134が受信する(ステップS15)。そして、受信した画像データを用いた画像を、画像出力要求受付部131が出力(投影)する。
【0053】
また、ステップS6において、利用可能記憶場所一覧121に、今回の画像出力要求元のPC20以外のPC20が記憶されていない場合(ステップS6のNo)、画像出力要求受付部131が、画像データ記憶場所記憶部132を用いて、その画像データの識別子と画像の出力要求元のPC20の端末識別情報とを紐付け(関連付け)て、画像データ記憶場所122に記憶させる(ステップS13)。
【0054】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作の一例を図9ないし図13を参照して説明する。
【0055】
この例では、図9の(a)に示すように、まず、第2PC20Bが出力要求した画像データ「XXX.jpg」の画像をプロジェクタ10が投影する。次に、第1PC20Aが出力要求した画像データ「YYY.jpg」の画像をプロジェクタ10が投影する。この際、プロジェクタ10は、画像データ「YYY.jpg」を第2PC20Bに転送して記憶させる。そして、図9(b)に示すように、第1PC20Aの所有者が、会議から離脱した後に、第3PC20Cから、画像データ「YYY.jpg」の画像の出力要求がある。プロジェクタ10が、画像データ「YYY.jpg」を第2PC20Bから読み出して投影する。以下に、この例の詳細を説明する。
【0056】
図10に示すように、第2PC20Bが、画像データ「XXX.jpg」の画像の出力要求を、プロジェクタ10に対して行う(ステップS101)。
【0057】
画像の出力要求を受け付けたプロジェクタ10は、出力要求を受け受けた第2PC20Bの端末識別情報を図11に示すように利用可能記憶場所一覧121に追加し(ステップS102)、その画像データの転送を第2PC20Bに要求する(ステップS103)。
【0058】
画像データの要求を受け付けた第2PC20Bは、画像データ「XXX.jpg」をプロジェクタ10に転送する(ステップS104)。
【0059】
画像データ「XXX.jpg」を受信したプロジェクタ10は、その画像データ「XXX.jpg」を記憶部120に一時的に記憶するとともに、図12に示すように、画像データ記憶場所122に、画像データ識別子「XXX.jpg」と第2PC20Bの端末識別情報とを対応付けして記憶させる。そして、プロジェクタ10は、画像データ「XXX.jpg」の画像を投影する(ステップS106)。
【0060】
次に、第1PC20Aが、画像データ「YYY.jpg」の画像の出力要求を、プロジェクタ10に対して行う(ステップS107)。
【0061】
画像の出力要求を受け付けたプロジェクタ10は、出力要求を受け受けた第1PC20Aの端末識別情報を利用可能記憶場所一覧121に追加し(ステップS108)、その画像データの転送を第1PC20Aに要求する(ステップS109)。
【0062】
画像データの要求を受け付けた第1PC20Aは、画像データ「YYY.jpg」をプロジェクタ10に転送する(ステップS110)。
【0063】
画像データ「YYY.jpg」を受信したプロジェクタ10は、その画像データ「XXX.jpg」を記憶部120に一時的に記憶するとともに、その画像データ「XXX.jpg」の転送先を利用可能記憶場所一覧121を参照して決定する(ステップS111)。この場合、利用可能記憶場所一覧121には、第2PC20Bしか記憶されていないので、プロジェクタ10は、転送先を第2PC20Bにする。そして、プロジェクタ10は、画像データ「YYY.jpg」を、第2PC20Bに転送して記憶させる(ステップS112)。次に、プロジェクタ10は、図13に示すように、画像データ記憶場所122に、画像データ識別子「YYY.jpg」と第2PC20Bの端末識別情報とを対応付けして記憶させる(ステップS113)。そして、プロジェクタ10は、画像データ「YYY.jpg」の画像を投影する(ステップS114)。ここで、第1PC20Aの所有者が第1PC20Aを持ったまま、会議を離脱する。
【0064】
次に、第3PC20Cが、画像データ「YYY.jpg」の画像の出力要求を、プロジェクタ10に対して行う(ステップS115)。
【0065】
画像の出力要求を受け付けたプロジェクタ10は、出力要求を受け受けた第3PC20Cの端末識別情報を利用可能記憶場所一覧121に追加する(ステップS116)。そして、プロジェクタ10は、画像データ記憶場所122を参照して、画像データ「YYY.jpg」が第2PC20Bに記憶されていることを確認すると、画像データ「YYY.jpg」の転送を第2PC20Bに要求する(ステップS117)。
【0066】
画像データの要求を受け付けた第2PC20Bは、画像データ「YYY.jpg」をプロジェクタ10に転送する(ステップS118)。
【0067】
画像データ「YYY.jpg」を受信したプロジェクタ10は、その画像データ「YYY.jpg」を記憶部120に一時的に記憶するとともに、その画像データ「YYY.jpg」の画像を投影する(ステップS119)。このように、第1PC20Aの代わりに、第2PC20Bから、画像データ「YYY.jpg」を取得することが可能である。
【0068】
このように、本実施形態では、PCが出力要求(投影要求)してきていた画像データを、他の元PCに一時的に配置する。そして、その画像の投影が要求されたら、一時配置先のPC端末から投影対象の画像を取得する。
【0069】
以上説明したとおり、本実施形態では、画像データ転送部133が、第1部131aによって第1出力要求が受け付けられた画像データを、その画像データの出力要求を行ったPC20とは異なる他のPC20へ転送して当該他のPC20に記憶させる。したがって、ある会議参加者が会議から離脱して、持参したあるPC20とプロジェクタ10との通信が切断されても、その参加者が出力要求を行った画像データが継続して利用できなくなることを抑制することができる。これによって、会議参加者が会議から離脱して、持参したPC20へのネットワークが切断されても、例えば会議を振り返る際に、その参加者が投影要求をおこなった画像データを継続して投影できる。また、議事録を作成しようとする際に、会議を離脱した者が投影要求をおこなった画像も議事録に添付することができる。また、転送先は会議参加者の端末なので、サーバなどのインフラを用意する必要はなく、コストを抑えられる。なお、会議は複数人でおこなわれるものであり、参加者全員がPC20を持参すれば必ず2台以上のPC20が存在するので、この場合に本実施形態が有効である。
【0070】
なお、本実施形態のプロジェクタ10で実行されるプログラムは、記憶部120のRAM等に予め組み込まれて提供される。また、PC20で実行されるプログラムは、記憶部220のRAM等に予め組み込まれて提供される。
【0071】
本実施形態のプロジェクタ10やPC20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0072】
さらに、本実施形態のプロジェクタ10やPC20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のプロジェクタ10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0073】
本実施形態のプロジェクタ10やPC20で実行されるプログラムは、上述した各部をコンピュータ上で実現させるためのモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては制御部130,250がROMからプログラムをRAM上に読み出して実行することにより、上記各部がコンピュータ上で実現されるようになっている。
【0074】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。
本実施形態では、画像データ転送部133は、PC20からの画像データの引き取りを要求する引取要求を受け付ける。画像データ転送部133は、複数のPC20のうち引取要求を受け付けたPC20以外のPC20に、引取要求対象の画像データを記憶させる。
【0075】
画像データ転送部133は、引取要求を受け付けた場合、引取要求を受け付けたPC20に、当該画像データ転送部133が記憶させた全ての画像データを、転送可能である。また、画像データ転送部133は、全ての画像データを一つの画像データにまとめて、引取要求を受け付けたPC20に転送可能である。
【0076】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作について説明する。まずは、プロジェクタ10の制御部130がプログラムに従って実行する画像データ引受処理を図14のフローチャートに沿って説明する。
【0077】
画像データ転送部133が、あるPC20から自機に記憶している画像データの引き取りを要求する引取要求を受け付けると(ステップS31)、画像データ要求部134が、その引取要求をうけ付けたPC20(引取要求元)の画像データ要求受付部253に対して、そのPC20の記憶部220に記憶されている全ての画像データを要求する(ステップS32)。この要求に応じてPC20から転送された画像データを、画像データ要求部134が受信する(ステップS33)。
【0078】
次に、画像データ転送部133は、利用可能記憶場所一覧121に端末識別情報が記憶されているPC20のうち、引取要求元のPC20を除くPC20のうちから一つを例えばランダムに選択する(ステップS34)。画像データ転送部133は、選択したPC20の画像データ記憶部252に対して、画像データの記憶を要求し(ステップS35)、その選択したPC20の画像データ記憶部252を用いて、その画像データをそのPC20の記憶部220に記憶させる(ステップS36)。次に、画像出力要求受付部131が、画像データ記憶場所記憶部132を用いて、その画像データの識別子と画像の転送先(記憶先)のPC20の端末識別情報とを紐付け(関連付け)て、画像データ記憶場所122に記憶させる(ステップS37)。
【0079】
次に、画像データの引受要求元のPC20から、画像一覧要求が有った場合(ステップS38のYes)、画像データ要求部134が画像データ記憶場所122に識別子が記憶されている全ての画像データの転送を、対応するPC20に要求し、この要求に応じてPC20から転送された画像データを画像データ転送部133が受信(取得)する(ステップS39)。
【0080】
画像一覧要求に、画像データを束ねる、即ち一つの画像データにまとめる旨の要求が含まれていた場合(ステップS40のYes)、画像データ転送部133は、ステップS39で取得した全ての画像データを、例えばPDFファイルにまとめた上で、引取要求元のPC20に転送する(ステップS42)。一方、画像一覧要求に、画像データを束ねる旨の要求が含まれていない場合(ステップS40のNo)、画像データ転送部133は、ステップS39で取得した全ての画像データを、ひとつに束ねずに、引取要求元のPC20に転送する(ステップS41)。
【0081】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作の一例を図15および16を参照して説明する。この例は、第2PC20Bが画像データの引取要求を行い、第1PC20Aが画像データを引き取る例である。
【0082】
図15に示すように、プロジェクタシステム1では、第1実施形態と同様に、ステップS101〜ステップS114が行われる。そして、ステップS114に続く、ステップS201において、第2PC20Bが、画像データの引取要求をプロジェクタ10に送信して画像データの引き取りを要求する。
【0083】
引取要求を受け付けたプロジェクタ10は、画像データ記憶場所122を参照して、第2PC20Bに、画像データ「XXX.jpg」、「YYY.jpg」を要求する(ステップS202)。
【0084】
画像データの要求を受け付けた第2PC20Bは、画像データ「XXX.jpg」、「YYY.jpg」を、プロジェクタ10に転送する(ステップS203)。
【0085】
転送された画像データを受信したプロジェクタ10は、転送先として第1PC20Aを選択して、その画像データを、第1PC20Aに転送し、第1PC20Aの画像データ記憶部252によって記憶部220に記憶させる(ステップS204)。
【0086】
そして、プロジェクタ10は、図16に示すように、画像データ記憶場所122の内容を更新する。具体的には、「XXX.jpg」の記憶場所として第1PC20Aを記憶するとともに(ステップS205)、「YYY.jpg」の記憶場所として第1PC20Aを記憶する(ステップS206)。ここで、第2PC20Aの所有者が第2PC20Bを持ったまま、会議を離脱する。
【0087】
次に、第3PC20Cが、画像データ「XXX.jpg」の画像の出力要求を、プロジェクタ10に対して行う(ステップS115)。
【0088】
画像の出力要求を受け付けたプロジェクタ10は、出力要求を受け受けた第3PC20Cの端末識別情報を利用可能記憶場所一覧121に追加する。そして、プロジェクタ10は、画像データ記憶場所122を参照して、画像データ「XXX.jpg」が第1PC20Aに記憶されていることを確認すると、画像データ「XXX.jpg」の転送を第1PC20Aに要求する(ステップS208)。
【0089】
画像データの要求を受け付けた第1PC20Aは、画像データ「XXX.jpg」をプロジェクタ10に転送する(ステップS209)。
【0090】
画像データ「XXX.jpg」を受信したプロジェクタ10は、その画像データ「XXX.jpg」を記憶部120に一時的に記憶するとともに、その画像データ「XXX.jpg」の画像を投影する(ステップS210)。なお、この例は、画像一覧要求が無い場合についての例である。
【0091】
ここで、別例を図17を参照して説明する。この例では、画像データ「XXX.jpg」が第1PC20Aに記憶され、画像データ「YYY.jpg」が第2PC20Aに記憶され、画像データ「ZZZ.jpg」が第3PC20Cに記憶されていることが、画像データ記憶場所122に記憶されている。この場合に、第3PC20Cが、画像データの引取要求とともに画像一覧要求をした場合には、プロジェクタ10は、画像データ「XXX.jpg」、「YYY.jpg」、「ZZZ.jpg」を、第1〜第3PC20A,10B,10Cから、第3PC20Cへ転送する。また、この場合、画像一覧要求に、画像データを束ねる、即ち一つの画像データにまとめる旨の要求が含まれていた場合、プロジェクタ10は、画像データ「XXX.jpg」、「YYY.jpg」、「ZZZ.jpg」を、画像データの識別子(ファイル名)の昇順でimage.pdfファイルとしてまとめて、そのファイルを第3PC20Cに転送する。
【0092】
以上、説明したとおり、本実施形態では、画像データ転送部133は、PC20からの画像データの引き取りを要求する引取要求を受け付ける。画像データ転送部133は、複数のPC20のうち引取要求を受け付けたPC20以外のPC20に、引取要求対象の画像データを記憶させる。したがって、引取要求を行ったPC20が会議から離脱しても、他のPC20から画像データを取得することができる。したがって、離脱したPC20が持つ画像データも含めて画像を出力して、会議を振り返ることができる。
【0093】
また、本実施形態では、画像データ転送部133は、引取要求を受け付けた場合、引取要求を受け付けたPC20に、当該画像データ転送部133が記憶させた全ての画像データを、転送する。したがって、引取要求を行ったPC20は、会議から離脱しても、出力要求があった全ての画像データの画像を参照することができる。これにより、会議離脱者が、画像を閲覧して会議を振り返ることができる。
【0094】
また、本実施形態では、画像データ転送部133は、全ての画像データを一つの画像データにまとめて、引取要求を受け付けたPC20に転送する。したがって、引取要求を行ったPC20が、引取要求を行った際に取得した一連の画像群を集約して記憶することができる。
【0095】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を説明する。
本実施形態では、画像出力要求受付部131の第1部131aは、PC20から、第1出力要求とともに、転送先となる他のPC20の指定を受け付ける。そして、画像データ転送部133は、第1部131aによって受け付けられた転送先のPC20に画像データを転送する。
【0096】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作について説明する。まずは、プロジェクタ10の制御部130がプログラムに従って実行する画像データ引受処理を図18のフローチャートに沿って説明する。
【0097】
第1実施形態と同様にステップS6まで処理を行った後、本実施形態では、画像データ「YYY.jpg」の出力要求を行ったPC20から画像データの転送先の指定が有ると(ステップS45のYes)、画像出力要求受付部131が、そのPCに対して、利用可能記憶場所一覧121を提示して(ステップS46)、画像データの転送先の指定を受け付ける(ステップS47)。そして、指定を受け付けた転送先に画像データの記憶を要求して(ステップS8)、第1の実施形態と同様にステップS9以降の処理を行う。なお、画像データの転送先の指定がPC20から無い場合には(ステップS45のNo)、第1実施形態と同様に、ステップS7に進む。
【0098】
次に、本実施形態のプロジェクタシステム1の動作の一例を図19を参照して説明する。この例は、第1PC20Aが画像データの転送先を指定する例である。
【0099】
図19に示すように、プロジェクタシステム1では、第1実施形態と同様に、ステップS101〜ステップS110が行われる。そして、ステップS110に続く、ステップS301において、プロジェクタ10が、第1PC20Aに対して、画像データの転送先の一覧として、利用可能記憶場所一覧121を転送して提示する(ステップS301)。
【0100】
そして、第1PC20Aが、利用可能記憶場所一覧121の中のPC20のうち自機を除いたPC20のうちから例えば、ランダムに一つを指定して、その指定結果をプロジェクタ10に送信する(ステップS302)。ここでは、転送先として、第2PC20Bが指定されている。
【0101】
この指定を受け付けたプロジェクタ10は、第2PC20Bに画像データ「YYY.jpg」を転送する(ステップS112)。以降の処理は、第1実施形態と同じである。
【0102】
以上説明したとおり、本実施形態では、画像出力要求受付部131の第1部131aは、PC20から、第1出力要求とともに、転送先となる他のPC20の指定を受け付ける。そして、画像データ転送部133は、第1部131aによって受け付けられた転送先のPC20に画像データを転送する。したがって、第1出力要求を行ったPC20が意図する場所にのみ、出力対象の画像データを転送することができる。これにより、社外の人物の端末に、社外秘の文章などが記憶されることを防止することができる。
【0103】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を説明する。
本実施形態では、画像データ転送部133は、転送する画像データに、第1部131a(画像出力要求受付部131)によって第1出力要求が受け付けられたPC20の識別子(端末識別情報)を付加する。
【0104】
例えば、画像データ記憶場所122の記憶内容が図20に示す場合について説明する。第1PC20Aに記憶されている画像データ「imageA.jpg」と、第2PC20Bに記憶されている「imageA.jpg」は、同じ名前だが、内容が異なる場合がある。このとき、第2PC20Bが会議から離脱し、画像の引取要求をすると、画像データ転送部133は、第2PC20Bに記憶されている画像データの画像識別子「imageA.jpg」に元の画像の記憶場所である第2PC20Bの端末識別情報(ここでは、PC2)を付加して「PC2.imageA.jpg」へと変更し、第1PC20Aに転送する。このとき、画像データ記憶場所記憶部132によって、画像データ記憶場所122は、図21に示すように更新され、その画像データの名称変更が反映される。
【0105】
以上説明したように、本実施形態では、画像データ転送部133は、転送する画像データに、第1部131a(画像出力要求受付部131)によって第1出力要求が受け付けられたPC20の識別子(端末識別情報)を付加する。したがって、転送された同名の画像が上書きされるのを防止して記憶することができる。
【0106】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態を説明する。
本実施形態では、画像データ転送部133は、転送先候補のPC20が複数存在する場合、転送先候補の複数のPC20の記憶部(記憶領域)220の空き領域を取得し、転送先候補の複数のPC20のうちで最も記憶部220の空き領域が大きい情報処理端末を画像データの転送先として決定する。
【0107】
詳細には、画像データ転送部133は、利用可能記憶場所一覧121からの転送先の選択に先立って、利用可能記憶場所一覧121に含まれる全PC20の記憶部220の空き容量をSNMPプロトコルを用いて取得する。ここで、本実施形態では、プロジェクタ10の記憶部120に、利用可能記憶場所一覧121に含まれる全PC20の記憶部220の空き容量を記憶する記憶部空き容量一覧123が記憶されている。そして、画像データ転送部133は、取得した空き容量を記憶部空き容量一覧123に記憶させて、それらの空き容量の比較をおこない、最も空き容量が大きいPC20を、転送先として選択する。図22の例の場合には、第2PC20Bが転送先として選択される。
【0108】
以上、説明したように、本実施形態では、画像データ転送部133は、転送先候補のPC20が複数存在する場合、転送先候補の複数のPC20の記憶部(記憶領域)220の空き領域を取得し、転送先候補の複数のPC20のうちで最も記憶部220の空き領域が大きい情報処理端末を画像データの転送先として決定する。したがって、記憶部220の空き領域が比較的に少ないPC20への画像データの転送を避けて、記憶部220の空き領域が比較的に多いPC20へ画像データを転送して記憶させることができる。
【0109】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態を説明する。
本実施形態では、画像データ転送部133は、画像データの転送先候補のPC20が複数存在する場合、転送先候補の複数のPC20の処理負荷を取得する。そして、画像データ転送部133は、転送先候補の複数のPC20のうちで最も処理負荷(作業負荷)の小さいPC20を画像データの転送先として決定する。
【0110】
詳細には、画像データ転送部133は、利用可能記憶場所一覧121からの画像データの転送先の選択に先立って、利用可能記憶場所一覧121に含まれる全PC20の制御部(例えばCPU)250の処理負荷をSNMPプロトコルを用いて取得する。処理負荷は、ここでは、制御部250の処理能力のうちの現在に使用している割合である。ここで、本実施形態では、プロジェクタ10の記憶部120に、利用可能記憶場所一覧121に含まれる全PC20の制御部(ここではCPU)の処理負荷を記憶する処理負荷一覧124が記憶されている。そして、画像データ転送部133は、取得した処理負荷を処理負荷一覧124に記憶させて、それらの処理負荷の比較をおこない、最も処理負荷が小さいPC20を、転送先として選択する。図23の例の場合には、第3PC20Bが転送先として選択される。
【0111】
以上、説明したように、本実施形態では、画像データ転送部133は、画像データの転送先候補のPC20が複数存在する場合、転送先候補の複数のPC20の処理負荷を取得する。そそて、画像データ転送部133は、転送先候補の複数のPC20のうちで最も処理負荷(作業負荷)の小さいPC20を画像データの転送先として決定する。したがって、処理負荷が比較的に大きいPC20の負荷を増大させることなく、最も処理負荷の小さいPC20に画像データを転送して記憶させることができる。
【0112】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態を説明する。
本実施形態では、図24に示すように、プロジェクタ10の記憶部120に、転送許可先一覧125が記憶されている。転送許可先一覧125には、転送可能なPC20が記憶されている。そして、画像データ転送部133は、画像データの転送先に、転送可能と設定された(転送許可先一覧125に記憶された)PC20を選択する。
【0113】
ここで、例えば、画像出力要求受付部131に、第1PC20Aと、第2PC20Bと、第3PC20Cとから出力要求があった場合、第1の実施形態では、利用可能記憶場所一覧121は、図25に示すように、第1PC20Aと、第2PC20Bと、第3PC20Cとが記憶される。これに対して、本実施形態では、図26に示すように、利用可能記憶場所一覧121には、第1PC20Aと、第2PC20Bとが記憶され、第3PC20Cは記憶されない。これにより、予め転送許可先として記憶している第1PC20Aと第2PC20Bだけに、画像データが転送され、第3PC20Cに画像データが転送されることがない。
【0114】
次に、上述の動作の際にプロジェクタ10の制御部120が実行する利用可能記憶場所一覧への追加処理について図27のフローチャートに沿って説明する。この処理では、転送許可先一覧125に画像の出力要求元のPC20が含まれている場合(ステップS51のYes)、画像出力要求受付部131が、画像の出力要求元のPC20を、利用可能記憶場所一覧121に追加する。一方、転送許可先一覧125に画像の出力要求元のPC20が含まれていない場合(ステップS51のNo)、画像出力要求受付部131は、画像の出力要求元のPC20を、利用可能記憶場所一覧121に追加しない。
【0115】
以上、説明したように、本実施形態では、画像データ転送部133は、画像データの転送先に、転送可能と設定されたPC20を選択する。したがって、意図しないPC20に画像データが転送されることがない。これによって、社外の人物のPC20に、社外秘の文書などが記憶されることを防止することができる。
【0116】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態を説明する。
本実施形態では、PC20の画像データ記憶部252は、当該PC252が行った出力要求(第1出力要求または第2出力要求)を受け付けたプロジェクタ10からのみ画像データの転送を受け付ける。本実施形態では、PC20の記憶部220に、図28に示す出力要求先一覧221が記憶されている。出力要求先一覧221は、第1出力要求や第2出力要求を受け付けたプロジェクタ10を記憶するものである。なお、本実施形態では、プロジェクタ10が複数設けられており、これらを図28では、第1PJ、第2PJとして示している。
【0117】
次に、上述の動作の際にPC20の制御部250が実行する画像データ処理について図29のフローチャートに沿って説明する。この処理では、転送する画像データの記憶を要求するプロジェクタ10(画像データ転送要求元)が出力要求先一覧221に含まれている場合(ステップS61のYes)、画像データ記憶部252が、画像データを受け付けて記憶部220に記憶させる(ステップS52)。一方、画像データの記憶を要求するプロジェクタ10が出力要求先一覧221に含まれていない場合(ステップS61のNo)、画像データ記憶部252は、画像データを受け付けない。
【0118】
以上説明したように、本実施形態では、PC20の画像データ記憶部252は、当該PC252が行った出力要求(第1出力要求または第2出力要求)を受け付けたプロジェクタ10からのみ画像データの転送を受け付ける。したがって、PC20は、当該PC252が出力要求を行ったプロジェクタ10以外のプロジェクタ10からの画像データを受け入れないで済む。
【符号の説明】
【0119】
1…プロジェクタシステム
10…プロジェクタ
20,20A,20B,20C…PC
130…制御部
131…画像出力要求受付部
131a…第1部
131b…第2部
133…画像データ転送部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2000‐172464号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置であって、
画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力する第1出力手段と、
前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させる転送手段と、
を備える画像出力装置。
【請求項2】
前記転送手段は、前記情報処理端末からの画像データの引き取りを要求する引取要求を受け付け、複数の前記情報処理端末のうち前記引取要求を受け付けた前記情報処理端末以外の前記情報処理端末に、前記引取要求対象の前記画像データを記憶させる請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記転送手段は、前記引取要求を受け付けた場合、前記引取要求を受け付けた前記情報処理端末に、当該転送手段が記憶させた全ての画像データを、転送する請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記転送手段は、前記全ての画像データを一つの画像データにまとめて、前記引取要求を受け付けた前記情報処理端末に転送する請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記第1受付手段は、前記情報処理端末から、前記第1出力要求とともに、転送先となる情報処理端末の指定を受け付け、
前記転送手段は、前記第1受付手段によって受け付けられた転送先の前記情報処理端末に前記画像データを転送する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記転送手段は、転送する前記画像データに、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記情報処理装置の識別子を付加する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項7】
前記転送手段は、転送先候補の前記情報処理端末が複数存在する場合、前記転送先候補の複数の情報処理端末の記憶領域の空き領域を取得し、前記転送先候補の複数の情報処理端末のうちで最も前記空き領域が大きい情報処理端末を前記画像データの転送先として決定する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項8】
前記転送手段は、転送先候補の前記情報処理端末が複数存在する場合、前記転送先候補の複数の情報処理端末の処理負荷を取得し、前記転送先候補の複数の情報処理端末のうちで最も処理負荷の小さい情報処理端末を前記画像データの転送先として決定する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記転送手段は、前記画像データの転送先に、転送可能と設定された前記情報処理端末を選択する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項10】
前記転送手段によって前記他の情報処理端末に記憶された前記画像データの出力を要求する第2出力要求を、受け付ける第2受付手段と、
前記第2受付手段によって前記第2出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記他の情報処理端末から取得して出力する第2出力手段と、
を備える請求項1ないし9のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の画像出力装置と、
前記情報処理端末と、
を備える画像出力システム。
【請求項12】
前記画像出力装置は、請求項10に記載の画像出力装置であり、
前記情報処理端末は、当該情報処理端末が行った前記第1出力要求または前記第2出力要求を受け付けた前記画像出力装置からのみ前記画像データの転送を受け付ける請求項11に記載の画像出力システム。
【請求項13】
複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置で行われる制御方法であって、
第1受付手段が、画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付けるステップと、
第1出力手段が、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力するステップと、
転送手段が、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させるステップと、
を含む制御方法。
【請求項14】
複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置のコンピュータを、
画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力する第1出力手段と、
前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させる転送手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項1】
複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置であって、
画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力する第1出力手段と、
前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させる転送手段と、
を備える画像出力装置。
【請求項2】
前記転送手段は、前記情報処理端末からの画像データの引き取りを要求する引取要求を受け付け、複数の前記情報処理端末のうち前記引取要求を受け付けた前記情報処理端末以外の前記情報処理端末に、前記引取要求対象の前記画像データを記憶させる請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記転送手段は、前記引取要求を受け付けた場合、前記引取要求を受け付けた前記情報処理端末に、当該転送手段が記憶させた全ての画像データを、転送する請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記転送手段は、前記全ての画像データを一つの画像データにまとめて、前記引取要求を受け付けた前記情報処理端末に転送する請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記第1受付手段は、前記情報処理端末から、前記第1出力要求とともに、転送先となる情報処理端末の指定を受け付け、
前記転送手段は、前記第1受付手段によって受け付けられた転送先の前記情報処理端末に前記画像データを転送する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記転送手段は、転送する前記画像データに、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記情報処理装置の識別子を付加する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項7】
前記転送手段は、転送先候補の前記情報処理端末が複数存在する場合、前記転送先候補の複数の情報処理端末の記憶領域の空き領域を取得し、前記転送先候補の複数の情報処理端末のうちで最も前記空き領域が大きい情報処理端末を前記画像データの転送先として決定する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項8】
前記転送手段は、転送先候補の前記情報処理端末が複数存在する場合、前記転送先候補の複数の情報処理端末の処理負荷を取得し、前記転送先候補の複数の情報処理端末のうちで最も処理負荷の小さい情報処理端末を前記画像データの転送先として決定する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記転送手段は、前記画像データの転送先に、転送可能と設定された前記情報処理端末を選択する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項10】
前記転送手段によって前記他の情報処理端末に記憶された前記画像データの出力を要求する第2出力要求を、受け付ける第2受付手段と、
前記第2受付手段によって前記第2出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記他の情報処理端末から取得して出力する第2出力手段と、
を備える請求項1ないし9のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の画像出力装置と、
前記情報処理端末と、
を備える画像出力システム。
【請求項12】
前記画像出力装置は、請求項10に記載の画像出力装置であり、
前記情報処理端末は、当該情報処理端末が行った前記第1出力要求または前記第2出力要求を受け付けた前記画像出力装置からのみ前記画像データの転送を受け付ける請求項11に記載の画像出力システム。
【請求項13】
複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置で行われる制御方法であって、
第1受付手段が、画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付けるステップと、
第1出力手段が、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力するステップと、
転送手段が、前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させるステップと、
を含む制御方法。
【請求項14】
複数の情報処理端末と通信可能な画像出力装置のコンピュータを、
画像データを記憶したある前記情報処理端末から、前記画像データの出力を要求する第1出力要求を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられるとともに前記ある情報処理装置から送信された前記画像データを出力する第1出力手段と、
前記第1受付手段によって前記第1出力要求が受け付けられた前記画像データを、前記情報処理端末とは異なる他の前記情報処理装置へ転送して当該他の情報処理端末に記憶させる転送手段と、
として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2012−198640(P2012−198640A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61170(P2011−61170)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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