説明

画像取り込みカードシャッフラー

【課題】本発明の1つの課題は、カジノゲームに関するセキュリティ問題を向上させるカードプレイシステムを提供することである。
【解決手段】本発明はトランプカードシャッフラー装置(20)であって、小型画像取り込み手段(30)を用いることによって、各カードの表面値の画像を取り込み、その画像をメモリに格納する。この画像はビットマップ画像のフォーマットで格納される。本装置のオペレータはキーパッド(44)を用いて、前のゲームでの個々の手を含むカードの画像を呼び出すことができる。この特徴により、ゲームが完了した後で勝ち手の検証を行って、勝ち手に支払いをする前に手を即座に再チェックすることができる。各カードの表面値は文字認識ソフトウェアによって判断される。これらカードの値はメモリに格納され、ゲームのランダム性の監視および勝ち手の数の判断の際に使用するためにアーカイバルアクセスされ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライブのカードゲームのためのカードシャッフラー装置に関する。詳しくは、画像の取り込み、ランダムなトランプカードの格納、常時監視および配布、ならびにカードの画像の表示を行うことができる、コンピュータ制御のカードシャッフルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カードシャッフルマシーンは、カジノゲームで用いられる一組または複数組のトランプカードの再順序付けを行うように設計された電子機械装置である。最近では、一組のカードをランダムな順序にシャッフルして、手持ちカードの各プレイヤーへの配布を必要とするゲームが開発されている。これらの手持ちカードは、オペレータがマシーンから取り出してプレイヤーに与える。幾つかのゲーム方針では、手持ちカードを選択されたゲームによっては異なる数でプレイヤーに渡す必要がある。例えば、異なるゲーム毎に、各手持ちカードは3、5、7またはそれ以上のカードとなる。セキュリティのために、シャッフラー装置によっては、ゲームが行われる毎にその組のカード数を数えるものがある。
【0003】
ライブのカードゲームで多くの遠隔地にプレイヤーがいる場合、イカサマおよび/またはカードカウンティングという本質的なリスクが存在するため、セキュリティの問題が存在し極めて重要となっている。従って、イカサマおよびカウンティングを防ぐために効果のあるセキュリティを提供しながらライブのカードゲームの操作を可能にする安全な環境を作り出す必要性が存在する。
【0004】
Pfeifferら(米国特許第4,667,959号)はカードを格納および選択する装置を開示している。装置は、トランプカードをローラで出力ポートのスロットへと分配する回転可能に取り付けられた円形コンベヤーを含む。カードはバーコードなどの既知の標識で予め印が付けられ、これにより装置はどのスロットがどのカードを保持しているかを常時監視することができる。センサがカードの識別標識を読み取る。
【0005】
Soulesら(米国特許第5,067,713号)はコード化トランプカードおよびカード組を配る装置を教示している。人間の目には見えないバーコードによりコード化されているカード組が提供される。カードは、赤外線または紫外線領域の光を用いる電気光学読み取り手段によって読み取り可能な実質的に不可視のバーコードを用いて符合化される。この装置の目的は、教示の本質においては、ディーラーがコード化トランプカードを配ることができるようにすることである。
【0006】
Albrechtの特許(米国特許第5,374,061号)は、計数装置を有するカード分配シューおよびその使用方法を開示している。カードの値およびスーツを示す特殊コード化されたカード組を用いるシステムが記載されている。このシステムは、2つのタイプのデータ、すなわち数字およびアルファベット文字を持つ情報によりコード化された特殊なカード組を用いることを含む。数字情報はカードの値に対応し、アルファベット文字情報はこのカード組シリーズを示す。この情報はバーコードかまたは他のマシーン可読フォーマットの形態である。カードが配られている間にセンサが各カードのコードを感知する。
【0007】
Hillら(米国特許第5,722,893号)はカードスキャナーを有するカード分配シューを開示している。スキャナーは各カードが下方に向かってシューの外へと移動するときカードを感知する。スキャナーは、カードに刻印されたバーコードを読取ることが
できる赤外線レーザスキャナーであるとよい。Hillらはまた、カードを光学スキャンすることによって高解像度の配列を得、これをメモリに格納してワードベクトルに変換することも開示している。次にこれらのベクトルをフィードフォワードニューラルネットワークへの入力として用いる。ニューラルネットワークは誤差逆伝播法を用いて学習し、可能なカードスーツおよびカード値を感知および認識する。
【0008】
Meissnerら(米国特許第5,779,546号)は、自動ゲームシステムおよび自動ゲーム方法を教示している。自動分配シューが自動的に前進して、トランプカードの値を解釈してコンピュータシステムへのインターフェースを提供する。光学センサを用いて点の数およびそれぞれの空間的な関係を記録し、これによりカード値を判断する。
【0009】
McCrea,Jr.は、画像取り込み手段を有するカードシャッフラー装置を開示する一連の特許を有する。これら米国特許第5,605,334号、第5,707,287号、第5,735,525号、第6,093,103号および第6,117,012号は、各プレイヤーの位置によって受け取られる各カードのスーツおよび値を正確に収集および格納することによってゲームを制御する手段の必要性を開示している。ゲーム制御手段はこの情報を、配られる各カードの履歴が記録されるようにメモリに格納する。従ってゲーム制御手段は勝ちの経過を検出し、自動的にアワード信号を発行することができる。
【0010】
これらの特許のいずれも、トランプカードをランダムな順序にシャッフルし、出力前のトランプカードの画像を取り込み、カードの画像を処理し、そしてカードの画像を表示することすべてをシャッフラーの範囲内で行うことができるカードシャッフラー装置を教示も示唆もしていない。画像がシャッフラー装置のディスプレイに直接中継されるので、複雑なカード認識ソフトウェアも、画像のワードベクトルまたは他のカード値データ表現への変換も必要としない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
セキュリティの本質において、本発明はゲームのセキュリティをより高いレベルへと拡張させる。画像取り込み手段、例えば小型デジタルカメラを用いることによって、各カードの表面値の画像が取られ、コンピュータメモリに格納される。この画像はビットマップ画像のフォーマットで格納される。マシーンのオペレータはキーパッドを用いることによって、前回の1つのまたは複数のゲームの個々の手持ちカードを含むカードの画像を呼び出すことができる。この特徴により、ゲームが完了した後に勝った場合の手持ちカードの検証が可能となる。
【0012】
最も大きなゲームセキュリティ問題の1として、2人の隣接するプレイヤーがカードを交換して一方の側が勝ちの手持ちカードを得るという問題がある。本発明は、勝ちの手持ちカードに支払いをする前に手を迅速に再チェックすることを可能とする。これらカードの画像はメモリに格納されて、ゲームのランダム性の監視および勝ちの手持ちカードの数の判断の際に使用するためにアーカイバルアクセスされる。このような情報はゲームプレイの管理において非常に貴重となる。
【0013】
従って、本発明の1つの目的は、トランプカードをシャッフルおよび分配するカードプレイシステムであって、検証に使用するために分配されているカードの画像を取り込む手段を備え、これによりカジノゲームに関するセキュリティ問題を向上させる、カードプレイシステムを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、異なるカードゲームに対して、および/または異なるシャッフル動作モードに対してトランプカードを選択的にシャッフルすることができ、また分配され
るカードの画像を取り込むことができるカードシャッフラーを提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、勝ちの手持ちカードの検証のためにトランプカードの画像をオペレータに表示することができるカードシャッフラーを提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、異なるシャッフル要件を有する少なくとも2つの異なるカードゲームに対して、およびこれら少なくとも2つの異なるカードゲームによって定義され得る少なくとも2つの選択可能な動作モード間で選択的にカードをシャッフルするカードシャッフルマシーンであって、カードの画像取り込みおよび各プレイングステーション(play stationまたは、playing station)に対する画像の中継という追加のセキュリティを有する、カードシャッフルマシーンを提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、画像取り込みおよび分配されているカードの現場画像表示を提供する、簡素で製造コストの低いカードプレイシステムを提供することである。
【0018】
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から当業者には明らかとなろう。しかし、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好適な実施形態を示すものではあるが、例示のためのものであって本発明を制約するものではないことは理解されよう。本発明の精神から離れることなく本発明の範囲内で多くの変更および改変がなされ得るが、本発明はこれら改変の全てを包含するものである。
【0019】
本発明の完全な理解は、その詳細な説明と共に以下に示す添付の図面を参照することによって得られ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の開示は、「科学および有用技術の進歩を促進するため」(第1条第8節)という米国特許法の立憲的な目的の推進のために提出される。
【0021】
本発明の好適な実施形態に従って、以下に、最も重要なセキュリティ問題の1つであるカードの取り替えによるイカサマを取り除くことができるカードシャッフラーマシーンについて述べる。これらセキュリティ問題は、特殊なカードゲーム、例えば、これに限定されないがパイガオポーカーなどでより一般化している。これらのゲームの本質として、カードプレイヤーおよび/またはカードカウンターとが相互に交わって勝ちの成果を不正操作する可能性がある。ゲームセキュリティを向上させる新しい手段が必要とされているため、本発明は、図1に大まかに示すような、分配されているトランプカードの画像を取り込むことができるカードシャッフラー装置100を提示することによってこの必要に応えている。
【0022】
図1は、本発明のカードシャッフラー装置100の模式的または概略的な描写を大まかに示す。システム100は6つの主な動作構成要素、すなわちコントローラ10、シャッフラー装置20、画像取り込み手段30、コントロールパネル40、カード入力受け50およびカード出力ビン60を含む。
【0023】
好ましくは、ハウジング15は金属シート(アルミニウムなど)、耐久性プラスチックまたは他の頑強で耐久性のある材料により製造される。キーボード44のキー45は好ましくはクリック感のあるキーであり、またキーがマイクロプロセッサ12(図2)に伝達するコマンドを識別するための印を上面に含む。キーはまた、このようなキーでは典型的であるシリコンゴム/カーボンにより製造するか、またはキーパッドは薄膜キーパッドであり得る。コントローラ10(および最終的にはマイクロプロセッサ12)は、コントロールパネル40からの入力データを受け付けることによってシャッフラーシステム100
の動作を制御し、出力データをディスプレイ42に表示する。しかし、当該分野で既知の他のディスプレイ技術、例えば真空蛍光、フラットパネルディスプレイおよびセグメントLEDも本発明の範囲内であることは理解されよう。
【0024】
コントローラ10は、シャッフラー装置20、画像取り込み手段30および表示手段40の動作、ならびにシャッフラーシステム100を通るカードの動きを制御するシステムである。コントローラ10は、シャッフラーシステム100の構成要素の全ての動作を調整するように働く適切なマイクロプロセッサを含む。
【0025】
本発明は、トランプカードの自動シャッフルを行う新しい方法を含む。これらの方法には、カードを表裏対面関係でシャッフルしてランダムな順序にすることが含まれる。表裏対面関係とは、トランプカードが販売されるときの標準的な状態であって、あるカードの表が次の隣接するカードの裏に隣接する状態をいう。ここで、本発明は予め印のついたトランプカードの必要性については言及しない。通常、印のないトランプカードを使用するのが容易である。
【0026】
上記の新しいシャッフル方法はさらに、所望により1つより多いモードでおよび複数のカードゲームのためにカードをシャッフルする能力を含む。カードシャッフル技術においては、2つのタイプのシャッフラーが導入されている。1つは一括モードシャッフラーであり、もう1つは連続モードシャッフラーである。
【0027】
一括モードシャッフラーは、一組または複数組のトランプカードをシャッフルしてランダムな順序とする装置である。これら一組または複数組のカードは一度にシャッフラーシステム100、通常は入力受け50に装着される。カードはシャッフルすなわち再順序付けが行われて、出力ビン60へと提供される。これらカード組は直ちに人(ディーラー)によって取り出され、ディーラーはその積み重ねられたカードを分割し、記録(カット)を付け、そしてその組の印のあるカットカードをランダムな位置に置く。ディーラーは次に、カードゲームのプレイヤーに個別に分配するための分配シューにカードを置く。
【0028】
各ゲームの最後に、ディーラーは、プレイヤーがプレイした手持ちのカードを各プレイステーションから回収して、表を下にして排出シュー(図示せず)へと排出する。次にカード組は入力受け50へと置かれ、シャッフラー装置20へと進んで、新しいゲームを始めるために再シャッフルされる。このプロセスはカードの裏面の色が異なる2組のカードを含んでもよい。一方の組を使用している間に他方の組をシャッフルされるとよい。これによりシャッフルを行うためにゲームを中止させる時間が短縮され、ディーラーがプレイヤーとより多くの勝負を行うことが可能となる。
【0029】
連続シャッフラーは、一組または複数組のトランプカードにシャッフルすなわち再順序付けを行ってランダムな順序にする装置である。このメカニズムの使用においては、カードはシャッフルシステム100によって絶え間なくシャッフルされている。各ゲームの終わりには、カードはシャッフラー100の入力受け50へと直接排出される。分配シュー(図示せず)は一般にシャッフラー100の出力ビン60に組み込まれている。ゲームが行われているかまたは行う準備を行っている限りシャッフルが止まることはない。
【0030】
トランプカードを排出するプロセスは、好ましくは、例えば、米国特許第6,299,167号に詳細に述べられているように、トランプカードの排出および移動ならびにそれらの出力ビン60への押し出しによって行われる。上記特許は本明細書において参考として援用される。カードの抜き取りは、選択された移動したカードの縁を可動抜き取り器を用いて引っ掛けることによって実現される。このステップは、より好ましくは、1つまたはそれ以上の抜き取りローラ(図示せず)を用いて選択されたカードの縁を丸めることに
よって実現される。カードはさらに、出力ローラを介して出力ビンに向かって誘導される。画像取り込み手段30は、抜き取りローラと出力ビン60(図1)との間に配置し得る。
【0031】
本発明の好適な実施形態では、画像取り込み手段30はデジタルカメラであればよい。取り込んだ画像の光情報を得るために電荷結合素子(CCD)技術を用いる従来のデジタルカメラを用いるとよい。CCDは、光の強度および周波数の変化を検出し得る、密に詰まった受光器列の半導体配列よりなる。
【0032】
コントローラ10は、図2に示すように、画像プロセッサ16を有する。画像プロセッサはカメラによって集められた光情報をデジタル化する。この情報は、記録された画像をビットマップへと変換することによってデジタル化される。ビットマップは、次に、デジタル化情報を、ドットの行および列よりなる画像表現へと変換することによって、デジタル情報を利用することになる。本発明は、表示手段42に表示するためにビットマップを画素へとさらに変換する現場画像プロセッサ16を含む。
【0033】
もしくは、画像取り込み手段30は、CMOS(相補型金属酸化物半導体)技術を利用するデジタルカメラ(図示せず)を備えることができる。CMOSチップはCCDより電力要件が低いという利点がある。加えて、CMOSセンサには、アナログ−デジタル変換、負荷信号処理、ホワイトバランスの処理およびその他のカメラ制御などのコントローラの動作に変換され得る多数の他のタスクを負わせることができる。例えば、CMOSチップは、大幅にコストを上げることなく密度およびビット深さを増大させる可能性のあるセンサ設計を可能にするスペース効率化能力のある高解像度センサである。
【0034】
デジタルビデオカメラ(DVカメラ)もまたデジタルビデオ映像を取り込むために用いてもよく、これによりビデオマイクロプロセッシングのステップを低減することができる。DVカメラの出力は既に圧縮フォーマットである。従って、必要とされるのは、カメラから直接受け取る記録画像を取り込み後処理のために転送することだけである。
【0035】
アナログカメラ(非デジタル)をカードの画像を取り込むために用いてもよい。これらにはビデオレコーディングカメラを含み得る。この場合、アナログ−デジタルコンバータを用いて表示出力のための画像データを簡素化してもよい。トランプカードの画像を取り込むためには、当該分野で既知のいかなる適切なカメラまたはカメラ型装置を用いてもよい。
【0036】
光情報を取り込んでいずれかの選択されたカメラ手段へと伝えてトランプカードの画像を得るためには、レンズ、鏡、光ファイバー、光ファイバー伝送管、光センサアレイ、感光ダイオードおよび/またはこれらのあらゆる組み合わせを含むがこれらに限定されない、当該分野で既知の画像データを取り込むためのいずれかの適切な手段を用いるとよい。
【0037】
図2は、シャッフラーシステム100の動作に対するシステムの取り組みを示す概略図である。トランプカードは、シャッフラーコントローラ10からの指示によりシャッフルが行われた後、抜き取りローラによって移動を開始する。この移動しているカードの先端縁がセンサ25によって感知されると、画像取り込み手段30がカードの画像を取る。この画像データは画像プロセッサ16に送られる。画像プロセッサ16は取り込み後処理ステップを行う。ここで、画像データに対して変換、マッピング、鮮明化および圧縮が行われ得る。コントローラ10は画像データを非揮発性RAM記憶装置14へと送りメモリに格納する。
【0038】
この格納されたデータは、その後、コントロールパネル40に配置されたキーパッド4
4からのプロンプトメッセージによって、グラフィックディスプレイ42による表示のために呼び出され得る。図3は、コントロールパネル40を例示したものであって、キーパッド44により制御される動作およびディスプレイ42に表示された画像を含む。
【0039】
マイクロプロセッサ12は、例えばシャッフルの方法、シャッフルが一括モードかまたは連続モードか、パイガオポーカーなどのシャッフルまたは分配を行う1つまたは複数のカードゲーム(この場合もカードゲームのタイプは本発明を制約するものでないことは理解されよう)などを含むがこれらに限定されない、シャッフラーシステム100の様々な機能を制御する。マイクロプロセッサ12はカードの出力を、各プレイヤーにシャッフルしたカード組から連続したカードセットが配られるか、またはシャッフルしたカード組からN番目毎のカードが配られるように制御することができる。ここでNは列座のプレイヤーおよびディーラー(該当する場合)の数である。
【0040】
マイクロプロセッサ12はプログラムされたソフトウェアの指示の下で動作する。このソフトウェアは、ファームウェアとしてアプリケーション専用のメモリチップ内に、ソリッドステート非揮発性メモリ装置内に、または磁気ディスク上に格納され、そこから電源投入時にソフトウェアはシャッフラーシステム100のアドレス指定可能なRAMへとロードされ得る。シャッフラーシステム100がまず電源投入されるときは、ソフトウェアはディスプレイ42を初期化してクリアする。
【0041】
コントロールパネル40のキー45に関連する選択されたコマンドの動作について説明する。キー45のいずれもシャッフラーシステム100のいかなる場所に配置してもよく、コントロールパネル40に限定されないことは理解されよう。動作において、いずれかのキー、スイッチまたはボタンを押すかスイッチを入れるなどしてアクティブにすると、信号がコントローラ20に電気的に伝送される。次に、所定のコマンドがコントローラ20から伝送される。所定のコマンドはコントローラ20から伝送手段を介してシャッフラー100へ伝送される。シャッフラー100は次にこのコマンドに関連する機能を行う。
【0042】
コントロールパネル40はまた「ゲーム」を含むことができる。「ゲーム」キー(図3に示す)により、オペレータは行うカードゲームのタイプを選択することができる。異なるカードゲームには異なるシャッフルおよび/または分配方法が必要である。「ゲーム」キーを押すと、カードゲームの名前がディスプレイ42に現れる。オペレータは、所望のゲームが選択されるまで「ゲーム」キーを繰り返し押すことによってマイクロプロセッサのメモリにプログラムされているいくつかのゲームを順番に表示させることができる。別の実施形態では、コントロールパネル40は、各カードゲームのための個別のキーを含み得る。または従来の検索キーボードを用いてもよい。
【0043】
プレイヤーの人数は「プレイヤー数」キー(同様に図3に示す)によって入力して、マイクロプロセッサ12に所望の手持ちカードの数を配るように指示してもよい。ゲームプレイを変更することになる特定の規則または他の情報がある場合は、「プログラム」キーを用いて適切な変更をするとよい。
【0044】
キーパッド44は「検証」キーを含むことができる。「検証」キーは、オペレータが所望の時間にカード組にあるカードの数を検証することができるように提供される。マイクロプロセッサ12を介して、シャッフラーシステム100は、分配シーケンス中に配られたカード数を常時監視する。ゲーム後、「検証」キーを押すと、残りのカードがシャッフラー100から出力ビン60へと排出され、排出されるとき計数される。この数を配られたカード数に加えて、カード組の正しいカード数(例えば、一組を用いているときは52)であるかどうかが検証される。計数されたカード数が正しくない場合は、ディーラーはこれを、例えばディスプレイ42上の語句および/または内部スピーカー(図示せず)を
通じての可聴音によって知らされる。
【0045】
キーパッド44はまた、シャッフラーシステム100にある数のカードを配るように促す「ゲーム」キー(図3に示す)などの1つまたは複数のキーを含むことができる。もっとも、いかなる数でも本発明の範囲内であることは理解されよう。
【0046】
また、キーパッド42には、シャッフラーシステム100にプレイステーションに配られる現在の1つまたは複数の手持ちカードを呼び出すように促す「呼び出し」キーがある。ここで、メモリ14に格納されているカードの画像が表示手段42に表示されるように呼び出される。表示されているカードの画像と共に、各プレイステーションのカードを示すためにテキストメッセージがしかるべく表示される。
【0047】
例えば、「プレイヤー1」という語句が、その特定のプレイヤーに配られたカードの画像と共に表示される、などである。「メモリ」キーは、図3に示すように、過去のカードゲームで配られた手持ちカードを呼び出すために用い得る。この「メモリ」キーはサブキーを持ち、手、ゲームおよび/またはプレイステーションが順番に表示される。過去のゲームの画像はメモリ14からアクセスされ、表示手段42に表示される。
【0048】
キーパッド44はまた、シャッフラーのモード、すなわち、連続モード、一括モード、行われている1つまたは複数のゲーム、もしくは特殊ゲームモードを選択するための「シャッフルモード」などの他のキーを含むことができる。ここで述べた様々なキー、スイッチまたはボタンの機能は単に例示のためのものであって、当業者であれば、本発明の精神から離れることなくこれらに様々な改変および追加を加えることができるであろう。その上、様々なキーをソフトキーにして、それらの機能をディスプレイ14上の下段行によって定義するようにしてもよい。ソフトキーの機能は、例えば選択されるゲームのタイプによって変わるようにしてもよい。これにより必要なキー数を抑える一方で複数の機能を行うことが可能となる。
【0049】
好適な実施形態では、シャッフラーシステム100はエラー状態を示すインジケータを含む。好ましくは、ディスプレイ42の指定部分が点滅してエラー状態を示す。このようなエラー状態としては、ミスシャッフルまたはシャッフラーの詰まりなどのシャッフラー誤動作、電子部品の故障、不正なカード組計数、すなわち一組のカード数が多過ぎるまたは少な過ぎることなどがあるが、これらに限定されない。コントローラ10はエラー信号を受け取ると、信号を「エラー」インジケータに伝え、これによりディスプレイ42はアクティブとなってエラー状態をオペレータに示す。好ましくは、ディスプレイ42はオペレータにそのエラー状態が何であるかを、「エラー」インジケータの隣の付随するテキストメッセージによって示す。
【0050】
好適な実施形態では、シャッフラーシステム100は、エラー状態が検出されると可聴信号を発する装置を含む。例えば、エラー状態が検出されるとビーまたはブーという音を発する、電磁または圧電スピーカーなどのスピーカー(図示せず)を含む。好ましくは、電磁スピーカーはディスプレイ42の「エラー」インジケータと連動および協働する。しかし、「エラー」インジケータはディスプレイ42より外側に位置させてもよく、ハウジング15のいずれの場所に配置してもよい。
【0051】
別の実施形態では、コントローラ10は、ディスプレイ42上のメッセージをフランス語、スペイン語、イタリア語などの異なる言語で表示するようにプログラムすることができる。様々な言語の選択を順番に表示するためのキーを含むことができる。
【0052】
ディスプレイは好ましくは従来の液晶ディスプレイフォーマット(LCD)の形態であ
るとよい。表示手段42はカラーまたは非カラーLCD表示パネルであり得る。表示パネル42はまた、複数のプレイステーション情報を同時に示すために複数のセクションに画像およびテキストデータを表示してもよい。しかし、表示画面は、単一のディスプレイには入れることができないいくつかの異なる情報画面を表示するためにスクロールの機能を持ってもよい。続きの画面は図3に示すような「画面」キーによって促すことができる。
【0053】
特定の動作要件および環境に適合するように変えられる他の改変および変更が当業者には明らかであろう。よって本発明は開示の目的のために選ばれた実施例に制限されるとは見なされず、本発明の真の精神および範囲から離れない全ての変更および改変を包含する。
【0054】
法規に則って、本発明は、構造上および方法論上の特徴に関して少なからず特異的な言語で記載されている。しかし、ここに開示した手段は本発明を実施する好適な形態を構成するものであるため、本発明は図示および記述された特異的な特徴に制限されないことは理解されよう。従って、本発明は、等価物の原理に従って適切に解釈される添付の請求項の適正な範囲内にあるその形態または改変のすべてにおいて請求される。
【0055】
以上本発明について記述したので、特許状によって保護されることを希望するものについて以下の添付の請求項において提示する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の好適な実施形態の平面図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の、動作の構成要素を示す概略図である。
【図3】本発明の好適な実施形態によるコントロールパネルの平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードシャッフラー装置であって、該カードシャッフラー装置が、
ハウジングと、
該ハウジング上に位置し、少なくとも一組のシャッフルされていないトランプカードを受け取るように適応されたカード入力受けと、
該カード入力受けから該カードを受け取るように適応され、異なるカードシャッフル要件を有する少なくとも2つの異なるカードゲーム用に該カードを選択的にシャッフルするシャッフラー装置と、
該ハウジング内に配置されたコントローラと、
該ハウジング内に配置され、トランプカードの画像データを得る画像取り込み手段と、
該ハウジング上に位置し、該画像取り込み手段によって取り込まれた画像を表示する表示手段と、
シャッフルされたトランプカードを排出するように適応されたカード出力ビンと
を備えたカードシャッフラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−161713(P2008−161713A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72569(P2008−72569)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【分割の表示】特願2005−500608(P2005−500608)の分割
【原出願日】平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願人】(505442026)エリクシール ゲーミング テクノロジーズ,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】